図面 (/)
課題
解決手段
概要
背景
従来から、血液や細胞懸濁液といった細胞関連組織等を含む液体を分注させるときに用いられるポンプとして、液体をピストンでシリンジに吸い上げて押し戻すシリンジポンプが主として用いられてきた(例えば、特許文献1参照)。このシリンジポンプは、液体の吐出口と吸引口とが形成されたシリンジと、長手方向の一端部がシリンジに挿入された大径ピストンと、シリンジ内部に位置する端部から出没自在な小径ピストンとを有する。
また、チューブを回転ローラで押圧するチューブポンプが知られている。この種のチューブポンプとして、円筒形状の内周面を有するハウジングと、この円筒内周面の円周方向に沿って周回移動(公転)するローラを有するものがある(例えば、特許文献2参照)。このチューブポンプにおいて、チューブは、ハウジングの円筒内周に沿って配置されており、ローラを公転させると、ローラがチューブを押し潰しながらチューブの長さ方向に移動し、これによりチューブが蠕動してチューブ内の液体がチューブの入口側から出口側に送液される。
概要
吐出バルブ及びそれを用いた吐出ポンプにおいて、液体中の細胞に損傷を与え難く、微細なゴミの混入を防止し、且つ簡易な構成で高精度な液体の分注を可能とする。定量的に吸入した液体を吐出させるための吐出バルブ2は、所定量の液体が注入される定量タンク5と、定量タンク5の一端部に設けられて液体を注入又は吐出するための液体開口部6と、定量タンク5の他端部に設けられて該定量タンク5内の気圧を制御するエアポンプ3に接続される空気開口部7と、を備える。、空気開口部7は、定量タンク5に液体が注入されたとき、液体と共に浮遊する浮遊バルブ8によって閉口される。浮遊バルブは、液体が吐出されるとき、液体開口部を閉口しない。
目的
本発明は、上記課題を解決するものであり、液体中の細胞に損傷を与え難く、微細なゴミが混入を防止し、且つ簡易な構成で高精度に液体を分注することができる吐出バルブ及びそれを用いた吐出ポンプを提供する
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 0件
- 牽制数
- 0件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
定量的に吸入した液体を吐出させるために用いられる吐出バルブであって、所定量の液体が注入される定量タンクと、前記定量タンクの一端部に設けられて液体を注入又は吐出するための液体開口部と、前記定量タンクの他端部に設けられて該定量タンク内の気圧を制御するエアポンプに接続される空気開口部と、を備え、前記空気開口部は、前記定量タンクに液体が注入されたとき、液体と共に浮遊する浮遊バルブによって閉口されることを特徴とする吐出バルブ。
請求項2
前記定量タンクの内表面と前記浮遊バルブの外周面との間に所定の隙間が存在することを特徴とする請求項1に記載の吐出バルブ。
請求項3
前記浮遊バルブは、液体が吐出されるときに前記液体開口部を閉口しないことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の吐出バルブ。
請求項4
前記浮遊バルブは、磁性体を内装し、前記定量タンクのうち、前記空気開口部が設けられた端部の近傍に、前記磁性体を引きつける又は反発させる電磁石が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の吐出バルブ。
請求項5
請求項6
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載された吐出バルブを用いたことを特徴とする吐出ポンプ。
技術分野
背景技術
0002
従来から、血液や細胞懸濁液といった細胞関連組織等を含む液体を分注させるときに用いられるポンプとして、液体をピストンでシリンジに吸い上げて押し戻すシリンジポンプが主として用いられてきた(例えば、特許文献1参照)。このシリンジポンプは、液体の吐出口と吸引口とが形成されたシリンジと、長手方向の一端部がシリンジに挿入された大径ピストンと、シリンジ内部に位置する端部から出没自在な小径ピストンとを有する。
0003
また、チューブを回転ローラで押圧するチューブポンプが知られている。この種のチューブポンプとして、円筒形状の内周面を有するハウジングと、この円筒内周面の円周方向に沿って周回移動(公転)するローラを有するものがある(例えば、特許文献2参照)。このチューブポンプにおいて、チューブは、ハウジングの円筒内周に沿って配置されており、ローラを公転させると、ローラがチューブを押し潰しながらチューブの長さ方向に移動し、これによりチューブが蠕動してチューブ内の液体がチューブの入口側から出口側に送液される。
先行技術
0004
特開2011−163771号公報
特開2010−196538号公報
発明が解決しようとする課題
0005
しかしながら、上記特許文献1に記載されたシリンジポンプでは、血液等を分注しようとした際には、液体の表面張力や粘性等によってシリンジ内に液体が僅かに残留することがあり、高精度での分注が困難であった。また、シリンジの内面をピストンが上下運動する際に、摩擦によって液体中の細胞が損傷を受けることがあり、極微細なゴミが発生し、これが細胞に吸着されて細胞が変質等するような不具合が生じる虞がある。また、上記特許文献2に記載されたチューブポンプでも、チューブがローラで押し潰されるときに、液体中の細胞まで機械的に強く刺激され、細胞に損傷を与える虞があり、また、チューブを押し潰す際に発生する極微細なゴミが混入することもある。
0006
本発明は、上記課題を解決するものであり、液体中の細胞に損傷を与え難く、微細なゴミが混入を防止し、且つ簡易な構成で高精度に液体を分注することができる吐出バルブ及びそれを用いた吐出ポンプを提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
0007
上記目的を達成するため、本発明は、定量的に吸入した液体を吐出させるために用いられる吐出バルブであって、所定量の液体が注入される定量タンクと、前記定量タンクの一端部に設けられて液体を注入又は吐出するための液体開口部と、前記定量タンクの他端部に設けられて該定量タンク内の気圧を制御するエアポンプに接続される空気開口部と、を備え、前記空気開口部は、前記定量タンクに液体が注入されたとき、液体と共に浮遊する浮遊バルブによって閉口されることを特徴とする。
0008
また、上記吐出バルブにおいて、前記定量タンクの内表面と前記浮遊バルブの外周面との間に所定の隙間が存在することが好ましい。
0009
また、上記吐出バルブにおいて、前記浮遊バルブは、液体が吐出されるときに前記液体開口部を閉口しないことが好ましい。
0010
また、上記吐出バルブにおいて、前記浮遊バルブは、磁性体を内装し、前記定量タンクのうち、前記空気開口部が設けられた端部の近傍に、前記磁性体を引きつける又は反発させる電磁石が設けられていることが好ましい。
0011
また、上記吐出バルブにおいて、前記定量タンクは、その内周面に配され、前記空気開口部近傍における前記浮遊バルブの停止位置を調整する調節機構を更に備えることが好ましい。
0012
上記吐出バルブは、吐出ポンプに用いられることが好ましい。
発明の効果
0013
本発明によれば、エアポンプでの気体の吸引及び放出により、液体を吸入及び吐出するので、例えば、チューブポンプのように、液体自体が押し潰されることがなく、液体中の細胞に損傷を与え難くすることができる。また、定量タンクから液体開口部には、エアポンプにより空気が供給され続けるので、定量タンク内に付着した液体も空気と共に吐出される。従って、血液のように、液体の表面張力や粘性等によってシリンジ内に残留し易い液体も、有効に吐出することができ、高精度での分注が可能となる。また、定量タンクの容量が液止フィルタの設置で定められるので、高精度な液体の分注をすることができる。
図面の簡単な説明
0014
(a)は本発明の第1の実施形態に係る吐出バルブを用いた吐出ポンプの断面図、(b)は上記吐出バルブの底面から液体開口部を視た図。
(a)乃至(d)は上記吐出バルブを用いた吐出ポンプの動作を示す断面図。
本発明の第2の実施形態に係る吐出バルブを用いた吐出ポンプの断面図。
(a)乃至(e)は上記実施形態の別の変形例に係る吐出バルブの断面図。
(a)(b)は上記吐出バルブの変形例を用いた吐出ポンプの断面図。
実施例
0015
以下、本発明の第1の実施形態に係る吐出バルブ及びそれを用いた吐出ポンプについて図1及び図2を参照して説明する。図1(a)に示すように、吐出ポンプ1は、定量的に吸入した液体を吐出させるために用いられる吐出バルブ2と、この吐出バルブ2に接続されるエアポンプ3と、エアポンプ3の駆動を制御する制御部4と、を備える。エアポンプ3は、制御部4からの制御信号を受けて気体を吸引又は放出できるように、正転及び逆転を切り替えることができるステッピングモータを備えた任意のポンプが適用され、例えば、チューブポンプが用いられる。
0016
吐出バルブ2は、所定量の液体が注入される定量タンク5と、定量タンク5の一端部に設けられて液体を定量タンク5内へ注入及び定量タンク外へ吐出するための液体開口部6と、定量タンク5の他端部に設けられて定量タンク5内の気圧を制御するエアポンプ3に接続される空気開口部7と、を備える。空気開口部7は、定量タンク5に液体が注入されたとき、液体と共に浮遊する浮遊バルブ8によって閉口される。なお、図例では、空気開口部7とエアポンプ3とはチューブ等を介して接続されるが、図例ではチューブの描画を省略している。
0017
液体開口部6及び空気開口部7は、定量タンク5の内径よりも口径が小さくなっている。図1(b)に示すように、液体開口部6は、底面側から視ると、その開口形状が四角形であり、浮遊バルブ8は、液体開口部6に当接した時でも、浮遊バルブ8と液体開口部6との間には隙間があり、液体開口部6を閉口しない。液体開口部6の内側面と定量タンク5の内側面とは、凹曲面で連続しており、球形の浮遊バルブ8が下降するときに、それを液体開口部6に誘導する。空気開口部7は、その開口形状が円形である。また、空気開口部7との内側面と定量タンク5の内側面とは、直交断面視で直交しており、これらの稜線に浮遊バルブ8が当接することで、空気開口部7は隙間なく閉口される。
0018
浮遊バルブ8は、本実施形態では、所定の弾性を有する球形状の部材である。浮遊バルブは空気開口部7と対向する部分が凸状に湾曲した略球面であり、空気開口部7を閉口できるように、少なくとも空気開口部7の口径より大きな直径に形成される。浮遊バルブ8を構成する材料としては、水に浮く比重である一方で、エアポンプ3による吸引では引き寄せられない所定の重量の材料が用いられる。そのようなものとしては、例えば、ゴムやコルク材等が挙げられる。
0019
定量タンク5は、筒状の部材であり、例えば、ポリプロピレン等の成形品により構成され、吸入された又は吐出される液体を目視確認し易いように、透明なプラスチックにより構成されることが好ましい。空気開口部7は、筒状の定量タンク5のうち、液体開口部6とは対向する端部に設けられている。本実施形態の吐出バルブ2では、液体開口部6は、液体の定量タンク5への注入時及び定量タンク5からの吐出時の両方で用いられる。液体開口部6には、チューブ60が接続され、液体の注入時には、チューブ60が血液等の吐出させようとする液体の貯蔵タンク60Aに接続され、液体の吐出時には、分注先となる容器60Bに接続される。
0020
このように構成された吐出バルブ2を用いた吐出ポンプ1の動作について、図2(a)乃至(d)を参照して説明する。なお、図例では、エアポンプ3、制御部4及びチューブ60等の記載を省略している。まず、制御部4(図1参照)の制御信号を受けてエアポンプ3を正転させる。このとき、定量タンク5内の空気がエアポンプ3により吸引され、定量タンク5内が負圧になる。浮遊バルブ8と液体開口部6との間には隙間があるので、液体は、液体開口部6から定量タンク5内に注入されていく。
0021
そして、図2(a)に示すように、液体によって浮遊バルブ8が浮き、浮遊バルブ8は、液面と共に上昇する。定量タンク5の内表面と浮遊バルブ8の外周面との間に所定の隙間が存在するので、定量タンク5内の空気がエアポンプ3により吸引されると、液体が引き上げられ、浮遊バルブ8はその一部が液面上に浮いた状態で、定量タンク5内を上昇していく。そして、球状の浮遊バルブ8の凸状に湾曲した外表面が、円形の空気開口部7に嵌ることで、空気開口部7は隙間なく閉口される。
0022
空気開口部7が浮遊バルブ8で閉口されると、定量タンク5内が液体で満たされた状態となる。このとき、制御部4(図1参照)では、エアポンプ3の吸引力を負荷電流変化で感知し、エアポンプ3を逆転させる制御信号をエアポンプ3に送信する。エアポンプ3が逆転すると、図2(c)に示すように、定量タンク5内には、空気が供給され、定量タンク5内が正圧になり、液体開口部6から液体が吐出されていく。
0023
そして、図2(d)に示すように、浮遊バルブ8が液体開口部6にまで下降すると、定量タンク5内の液体は概ね吐出される。このとき、定量タンク5から吐出口62にかけて、エアポンプ3により空気が供給され続ける。浮遊バルブ8と液体開口部6との間には隙間があるので、この隙間から、定量タンク5内に付着した液体が空気と共に吐出される。従って、血液にように、液体の表面張力や粘性等によってシリンジ内に残留し易い液体も、有効に吐出することができ、高精度での分注が可能となる。
0024
エアポンプ3が再び正転すると、図2(a)で示したように、定量タンク5の空気が吸引され、定量タンク5内が負圧になり、液体開口部6から定量タンク5内に液体が吸入される。上記の動作を繰り返すことにより、エアポンプ3の正転時には、定量タンク5に液体が吸入され、エアポンプ3の逆転時には、定量タンク5から液体が吐出される。
0025
上記実施形態の吐出バルブ2及びそれを用いた吐出ポンプ1では、定量タンクにエアポンプ3を接続し、エアポンプ3での気体の吸引及び放出により、液体を吸入及び吐出するので、例えば、チューブポンプのように、液体自体が押し潰されることがなく、液体L中の細胞に損傷を与え難く、また、微細なゴミが混入を防止することができる。また、空気開口部7を、液体に浮く浮遊バルブ8で閉口するので、エアポンプ3に液体が流入することを防止することができ、定量タンク5に注入される液体の容量を簡易な構成で設定することができる。
0026
本発明の第2の実施形態に係る吐出バルブ及びそれを用いた吐出ポンプについて図3及び図4を参照して説明する。図3に示すように、本実施形態に係る吐出バルブ2は、浮遊バルブ8が、磁性体を内装し、また、定量タンク5のうち、空気開口部7が設けられた端部の近傍に、磁性体を引く及び反発させる電磁石9が設けられているものである。
0027
この第2の実施形態では、液体開口部6として、注入口61と吐出口62とが個別に設けられている。注入口61及び吐出口62は、定量タンク5の一方の端部に外嵌されるキャップ部材63と、キャップ部材63を貫通するように夫々設けられて定量タンク5の内外を連通させる管状の吸入ノズル64及び吐出ノズル65と、を有する。注入口61には、定量タンク5内へと一方向に液体を吸入させる吸入逆止弁66が設けられている。また、吐出口62には、定量タンク5外へ一方向に液体を吐出させる吐出逆止弁67が設けられている。キャップ部材63は、例えば、ABS樹脂等の成形品により構成されている。図例では、吸入ノズル64及び吐出ノズル65は、送出する流体に応じて選定された可撓性材料、例えば、ゴム又は合成樹脂から構成される。
0028
空気開口部7は、定量タンク5の他方の端部に外嵌されるキャップ部材71と、キャップ部材71を側方に屈曲しながら貫通して定量タンク5の内外を連通させる管状の接続ノズル72と、を有する。電磁石9は、コントロールケース91によって定量タンク5の他方の端部に固定されている。空気開口部7側のキャップ部材71及び接続ノズル72は、注入口61側のものと同様、樹脂成型品により構成される。
0029
本実施形態の浮遊バルブ8は、円筒状部材81と、その上部に形成された球状凸面82と、円筒状部材81に内装された磁性体(永久磁石83)と、を有する。円筒状部材81の筒外形は、定量タンク5の内周面よりも僅かに小さく、それらの間に所定の隙間がある。また、球状凸面82は、空気開口部7に対応するように形成されている。
0030
このように構成された吐出バルブ2を用いた吐出ポンプ1の動作について、図4(a)乃至(f)を参照して説明する。なお、ここでも。図例では、エアポンプ3、制御部4及びチューブ60等の記載を省略してる。まず、制御部4(図1参照)の制御信号を受けてエアポンプ3を正転させる。このとき、定量タンク5内の空気がエアポンプ3により吸引され、定量タンク5内が負圧になる。すると、図4(a)に示すように、吸入逆止弁66
が開口し、液体が注入口61から浮遊バルブ8と液体開口部6との隙間を介して定量タンク5内に注入されていく。そして、液体によって浮遊バルブ8が浮き、浮遊バルブ8は、液面と共に上昇する。
0031
として、図4(b)に示すように、浮遊バルブ8の球状凸面82が、円形の空気開口部7に嵌るる。このとき、図4(c)に示すように、電磁石9が、永久磁石83を引きつける磁力を発生させる。これにより、浮遊バルブ8の球状凸面82が、空気開口部7により隙間なく密着する。そのため、エアポンプ3へ液体が吸引されることを、より効果的に抑制することができる。
0032
定量タンク5内が液体で満たされると、このとき、制御部4(図1参照)では、エアポンプ3の吸引力を負荷電流変化で感知し、エアポンプ3を逆転させる制御信号をエアポンプ3に送信する。エアポンプ3が逆転すると、図4(d)に示すように、定量タンク5内には、空気が供給され、定量タンク5内が正圧になり、吐出逆止弁67が開口し、液体開口部6から液体が吐出されていく。このとき、電磁石9が、永久磁石83を反発させる磁力を発生させる。これにより、浮遊バルブ8が、吐出口62側へ押し込まれ、その勢いで、液体開口部6から、効液体が効率的に吐出される。
0033
そして、図4(e)に示すように、浮遊バルブ8が液体開口部6にまで下降すると、定量タンク5内の液体は概ね吐出される。このとき、定量タンク5から吐出口62にかけて、エアポンプ3により空気が供給され続ける。浮遊バルブ8と液体開口部6との間には隙間があるので、この隙間から、定量タンク5内に付着した液体が空気と共に吐出される。従って、血液にように、液体の表面張力や粘性等によってシリンジ内に残留し易い液体も、有効に吐出することができ、高精度での分注が可能となる。
0034
本実施形態によれば、電磁石9で永久磁石83を引き付ける及び反発させて、浮遊バルブ8を上下に動作させることで、エアポンプ3だけの場合よりも、より強力に液体を注入及び吐出するこができる。また、液体が粘度のある生体材料であると、浮遊バルブ8が空気開口部7に詰まり易くなるが、磁力で浮遊バルブ8を反発されることで、浮遊バルブ8を押し出して、詰まりを解消することができる。
0035
また、本実施形態では、浮遊バルブ8を定量タンク5の筒形状の内表面に対応した筒状部材としたので、浮遊バルブ8が液体に浮遊した時に傾き難く、安定的に上下動することができる。更に、本実施形態では、注入口61と吐出口62とを分け、夫々に吸入ノズル64及び吐出ノズル65を接続したので、注入と吐出の作業効率が良くなり、分注速度を向上させることができる。
0036
次に、上記実施形態の変形例に係る吐出バルブ2について、図5を参照して説明する。この変形例における吐出バルブ2は、浮遊バルブ8の設置位置を調整する調節機構を更に備えたものである。具体的には、図5(a)に示すように、定量タンク5の空気開口部7側に位置に中央が開口した弾性チューブ52(調節機構)を配置し、浮遊バルブ8の上昇位置を低くしている。この変形例によれば、定量タンク5に注入される液体の容積を調整することができる。また、図5(b)に示す変形例では、浮遊バルブ8の円筒状部材81(調節機構)の大きさを変えることでも、定量タンク5に注入される液体の容積を調整することができる。
0037
なお、本発明は、所定量の液体が注入される定量タンク5と、定量タンク5の一端部に設けられて液体を注入又は吐出するための液体開口部6と、定量タンク5の他端部に設けられて定量タンク5内の気圧を制御するエアポンプ3に接続される空気開口部7と、を備え、空気開口部7が、定量タンク5に液体が注入されたとき、液体と共に浮遊する浮遊バルブ8によって閉口されるものであれば、上記実施形態の構成に限られず、種々の変形が可能である。上記第2の実施形態では、電磁石9を用いたが、その動作はエアポンプ3と連動している必要があり、電磁石9もまた制御部4により動作制御がなされる。
0038
1吐出ポンプ
2吐出バルブ
3エアポンプ
5定量タンク
52弾性チューブ(調節機構)
6液体開口部
7空気開口部
8 浮遊バルブ
81円筒状部材(調節機構)
83永久磁石(磁性体)
9 電磁石
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