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図面 (9)

課題

電磁クラッチの小型化を図りつつ、電磁クラッチの開放状態を安定して保持すること。

解決手段

電磁石52とロータ53とアーマチュア54とを備えた電磁クラッチ15であって、規制機構80を含む。前記電磁石52は、通電によって電磁力を発生する。前記ロータ53は、前記電磁石に対して、軸方向への移動を規制され且つ回転を許容されている、磁性体である。前記アーマチュア54は、前記電磁石52の前記電磁力により前記ロータ53に吸引されて接続することによって、前記ロータ53と共に回転可能な、磁性体である。前記規制機構80は、前記ロータ53に対する前記アーマチュア54の接続を規制する。

概要

背景

電磁クラッチは、各種の装置に採用されている。例えば、車両用ステアリング装置のなかには、ステアリングホイール操舵入力が生じる操舵部と、転舵車輪転舵する転舵部と、の間の操舵力伝達経路に電磁クラッチを組み込んだ、いわゆるステアバイワイヤ式(steer-by-wire)のステアリング装置がある。この電磁クラッチを用いた車両用ステアリング装置は、例えば許文献1によって知られている。

特許文献1で知られている車両用ステアリング装置は、通常時には電磁クラッチが開放状態であって、操舵部と転舵部との間を機械的に分離している。何らかの非常時には、電磁クラッチが係合状態となる。電磁クラッチが係合状態のときにのみ、操舵部から転舵部へ操舵力を伝達することができる。

この電磁クラッチは、ロータの端面に形成されている歯と、アーマチュアの端面に形成されている歯とが、噛み合い可能な電磁式ツースクラッチによって構成されている。それぞれの歯は、環状に連続している多数の山形歯部によって構成されている。

電磁石非励磁状態のときには、コイルばね復帰スプリング機構)の付勢力によって、アーマチュアはロータの端面から離反している。両方の歯同士が噛み合っていないので、電磁クラッチは開放状態にある。

その後、電磁石が通電されて励磁状態になると、アーマチュアはコイルばねの付勢力に抗してロータに接近する。この結果、両方の歯同士が噛み合うことにより、電磁クラッチは接続状態になる。

概要

電磁クラッチの小型化をりつつ、電磁クラッチの開放状態を安定して保持すること。電磁石52とロータ53とアーマチュア54とを備えた電磁クラッチ15であって、規制機構80を含む。前記電磁石52は、通電によって電磁力を発生する。前記ロータ53は、前記電磁石に対して、軸方向への移動を規制され且つ回転を許容されている、磁性体である。前記アーマチュア54は、前記電磁石52の前記電磁力により前記ロータ53に吸引されて接続することによって、前記ロータ53と共に回転可能な、磁性体である。前記規制機構80は、前記ロータ53に対する前記アーマチュア54の接続を規制する。

目的

本発明は、電磁クラッチの小型化を図りつつ、電磁クラッチの開放状態を安定して保持することができる技術を、提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

通電によって電磁力を発生する電磁石と、前記電磁石に対して、軸方向への移動を規制され且つ回転を許容されている、磁性体からなるロータと、前記電磁石の前記電磁力により前記ロータに吸引されて接続することによって、前記ロータと共に回転可能な、磁性体からなるアーマチュアと、前記ロータに対する前記アーマチュアの接続を規制する規制機構と、を含む電磁クラッチ

技術分野

0001

本発明は、電磁クラッチの改良技術に関する。

背景技術

0002

電磁クラッチは、各種の装置に採用されている。例えば、車両用ステアリング装置のなかには、ステアリングホイール操舵入力が生じる操舵部と、転舵車輪転舵する転舵部と、の間の操舵力伝達経路に電磁クラッチを組み込んだ、いわゆるステアバイワイヤ式(steer-by-wire)のステアリング装置がある。この電磁クラッチを用いた車両用ステアリング装置は、例えば許文献1によって知られている。

0003

特許文献1で知られている車両用ステアリング装置は、通常時には電磁クラッチが開放状態であって、操舵部と転舵部との間を機械的に分離している。何らかの非常時には、電磁クラッチが係合状態となる。電磁クラッチが係合状態のときにのみ、操舵部から転舵部へ操舵力を伝達することができる。

0004

この電磁クラッチは、ロータの端面に形成されている歯と、アーマチュアの端面に形成されている歯とが、噛み合い可能な電磁式ツースクラッチによって構成されている。それぞれの歯は、環状に連続している多数の山形歯部によって構成されている。

0005

電磁石非励磁状態のときには、コイルばね復帰スプリング機構)の付勢力によって、アーマチュアはロータの端面から離反している。両方の歯同士が噛み合っていないので、電磁クラッチは開放状態にある。

0006

その後、電磁石が通電されて励磁状態になると、アーマチュアはコイルばねの付勢力に抗してロータに接近する。この結果、両方の歯同士が噛み合うことにより、電磁クラッチは接続状態になる。

先行技術

0007

特開2005−096559号公報

発明が解決しようとする課題

0008

上述のように、特許文献1で知られている電磁クラッチは、電磁石が非励磁状態のときには、コイルばねの付勢力によって、アーマチュアをロータの端面から離反させ続けている。しかし、電磁クラッチには、外部から振動等の外力が作用し得る。例えば、この電磁クラッチを車両用ステアリング装置に備えた場合には、車両の走行に伴う振動等の外力が電磁クラッチに作用する。この外力には、アーマチュアがロータの端面に接近する方向への、過大な外力(例えば過大な加速度)を含む。電磁クラッチは、電磁石が非励磁状態であるときに、このような過大な外力を受けても、接続状態にならないことが求められる。

0009

これに対し、コイルばねの付勢力を大きく設定することが考えられる。しかし、その分だけ、電磁石が発生する電磁力を、大きく設定しなければならない。このままでは、電磁クラッチが大型化するので、改良の余地がある。

0010

本発明は、電磁クラッチの小型化を図りつつ、電磁クラッチの開放状態を安定して保持することができる技術を、提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0011

本発明によれば、電磁クラッチは、
通電によって電磁力を発生する電磁石と、
前記電磁石に対して、軸方向への移動を規制され且つ回転を許容されている、磁性体からなるロータと、
前記電磁石の前記電磁力により前記ロータに吸引されて接続することによって、前記ロータと共に回転可能な、磁性体からなるアーマチュアと、
前記ロータに対する前記アーマチュアの接続を規制する規制機構と、を含む。

発明の効果

0012

本発明では、例えば電磁石が非励磁状態のとき、つまり電磁クラッチが開放状態にあるときに、ロータに対するアーマチュアの接続を、規制機構によって強制的に規制することができる。このため、電磁クラッチに外部から過大な振動等の外力が作用しても、アーマチュアがロータの端面に接近することはない。アーマチュアをロータの端面から離反させる方向へ付勢する付勢部材の、付勢力を大きく設定する必要もない。従って、電磁石が発生する電磁力を大きく設定する必要もない。電磁クラッチの小型化を図りつつ、電磁クラッチの開放状態を安定的に保持することができる。

図面の簡単な説明

0013

本発明の実施例1による電磁クラッチを用いた車両用ステアリング装置の模式図である。
図1に示された電磁クラッチの断面図である。
図2の3部を拡大した図である。
図3の4部を拡大した図である。
図3に示された電磁クラッチの作用説明図である。
本発明の実施例2による電磁クラッチの規制機構の説明図である。
本発明の実施例3による電磁クラッチの規制機構周りの断面図である。
本発明の実施例4による電磁クラッチの規制機構周りの断面図である。

実施例

0014

本発明を実施するための形態を添付図に基づいて以下に説明する。

0015

<実施例1>
図1図5を参照しつつ実施例1の電磁クラッチ15を備えた車両用ステアリング装置10を説明する。

0016

図1は、本発明の電磁クラッチ15を備えた車両用ステアリング装置10を模式的に表している。この車両用ステアリング装置10は、車両のステアリングホイール11の操舵入力が生じる操舵部12と、左右の転舵車輪13,13を転舵する転舵部14と、操舵部12と転舵部14との間に介在している電磁クラッチ15と、制御装置16とを含む。左右の転舵車輪13,13は、転舵部14によって転舵されるものであればよく、前輪後輪、又は両方を含む。

0017

電磁クラッチ15が開放状態となる通常時には、操舵部12と転舵部14との間が機械的に分離されている。このように、車両用ステアリング装置10は、通常時において、ステアリングホイール11の操舵量に応じて転舵用アクチュエータ39を作動させることにより、左右の転舵車輪13,13を転舵する方式、いわゆるステアバイワイヤ式(steer-by-wire)を採用している。また、電磁クラッチ15が接続状態のときにのみ、操舵部12から転舵部14へ操舵力を伝達することができる。

0018

操舵部12は、運転手が操作するステアリングホイール11と、このステアリングホイール11に連結されているステアリング軸21と、ステアリングホイール11に対して操舵反力を付加する反力付加アクチュエータ22と、を含む。この反力付加アクチュエータ22は、運転者がステアリングホイール11の操舵力に抵抗する操舵反力を発生することによって、運転者に操舵感を与える。

0019

反力付加アクチュエータ22は、操舵反力を発生する反力モータ23と、操舵反力をステアリング軸21に伝達する反力伝達機構24と、を含む。反力モータ23は、例えば電動モータによって構成される。反力伝達機構24は、例えばウォームギヤ機構によって構成される。反力モータ23が発生した操舵反力は、反力伝達機構24を介して、ステアリング軸21に付加される。

0020

転舵部14は、ステアリング軸21に自在軸継手31,31及び連結軸32とによって連結されている入力軸33と、この入力軸33に電磁クラッチ15を介して連結されている出力軸34と、この出力軸34に操作力伝達機構35によって連結されている転舵軸36と、この転舵軸36の両端にタイロッド37,37及びナックル38,38を介して連結されている左右の転舵車輪13,13と、転舵軸36に転舵用動力を付加する転舵用アクチュエータ39と、を含む。

0021

操作力伝達機構35は、例えばラックアンドピニオン機構によって構成される。転舵軸36は、軸方向(車幅方向)へ移動可能である。

0022

転舵用アクチュエータ39は、転舵用動力を発生する転舵動力モータ41と、転舵用動力を転舵軸36に伝達する転舵動力伝達機構42とからなる。転舵動力モータ41が発生した転舵用動力は、転舵動力伝達機構42によって転舵軸36に伝達される。この結果、転舵軸36は車幅方向にスライドする。転舵動力モータ41は、例えば電動モータによって構成される。

0023

制御部16は、図示せぬ各種センサから信号を受けて、電磁クラッチ15、反力モータ23及び転舵動力モータ41に電流を流す。

0024

以下、電磁クラッチ15について詳しく説明する。ここで、前記入力軸33のことを、適宜「第1軸33」と言い換える。また、前記出力軸34のことを、適宜「第2軸34」と言い換える。

0025

図2及び図3に示されるように、電磁クラッチ15は、ケース51と、このケース51にそれぞれ収納されている、電磁石52とロータ53とアーマチュア54と回転体55とを、基本的な構成要素としている。これらの電磁石52とロータ53とアーマチュア54と回転体55と、前記第1軸33(入力軸33)及び第2軸34(出力軸34)とは、第1軸33の回転中心線CLに位置している。第1軸33及び第2軸34の各一部は、ケース51から外方へ突出している。

0026

電磁石52は、第1軸33の回転中心線CLを基準とする環状の部材である。この電磁石52は、第1軸33が貫通するとともにケース51に固定されたフィールドコア52aと、このフィールドコア52aに巻かれた電磁コイル52bとからなり、通電によって電磁力を発生する。

0027

ロータ53は、電磁石52に対して、軸方向への移動を規制され且つ回転を許容されている。このロータ53は、第1軸33に対して、相対回転と軸方向への相対移動の両方を規制されて取り付けられた、概ね平盤状の磁性体からなる。さらに、このロータ53は、フィールドコア52aに軸受56によって回転可能に支持されている。このロータ53のなかの、電磁石52に対して反対側の面53aのことを、以下「ロータ面53a」という。このロータ面53aには、複数の第1の歯53b(入力歯53b)が設けられている。これらの複数の第1の歯53bは、第1軸33の回転中心線CLを基準として環状に配列された多数の山形(三角形台形を含む)の歯部によって構成されている。

0028

アーマチュア54は、電磁石52の電磁力によりロータ53のロータ面53aに吸引されて接続することによって、ロータ53と共に回転可能である。このアーマチュア54は、第1軸33の回転中心線CLを基準とする中空円盤状の磁性体からなり、第1軸33を貫通可能な貫通孔54aを有している。このアーマチュア54のなかの、ロータ53のロータ面53aに向かい合う平坦な面54bのことを「アーマチュア面54b」という。このアーマチュア面54bには、複数の第2の歯54c(出力歯54c)が設けられている。これらの複数の第2の歯54cは、第1軸33の回転中心線CLを基準として環状に配列された多数の山形(三角形や台形を含む)の歯部によって構成されている。複数の第2の歯54cは、複数の第1の歯53bに噛み合い可能である。

0029

以上の説明から明らかなように、電磁クラッチ15は、第1の歯53bに対して第2の歯54cが噛み合い可能な、電磁式ツースクラッチの構成である。

0030

アーマチュア54のなかの、アーマチュア面54bに対して反対側に面54dのことを、以下「反対側の盤面54d」という。この反対側の盤面54dには、第1軸33の回転中心線CLを基準とする円形状の凹部54eが設けられている。この凹部54eの底面54fは、アーマチュア面54bに対して平行な平坦面である。

0031

回転体55は、アーマチュア54を支持する部材であって、ケース51に対して、軸方向への移動を規制され且つ回転可能に軸受57によって支持されている。アーマチュア54は、回転体55に対して、軸方向への移動を許容され且つ回転を規制されている。前記第2軸34は、第1軸33に対して軸方向の反対側に位置するとともに、回転体55に対して相対回転を規制されて取り付けられている。具体的には、この第2軸34は、回転体55の孔55cにセレーション結合されている。

0032

より詳しく述べると、回転体55は、アーマチュア54の反対側の盤面54d側に位置し、凹部54eに入り込んでいる平盤状の構成である。この回転体55の先端面55aのことを、以下「合わせ面55a」という。この合わせ面55aは、凹部54eの底面54fに重ね合わせ可能な平坦な面である。回転体55の外周面55bは、凹部54eの内周面54gに対してセレーション結合されている。

0033

図3及び図4に示されるように、凹部54eの底面54fと回転体55の合わせ面55aとは、複数の復帰スプリング機構60によって、互いに接する方向に付勢されている。この複数の復帰スプリング機構60は、第1軸33の回転中心線CLを基準として、周方向等ピッチで配列されている。各復帰スプリング機構60は、底面54fを合わせ面55aに接する方向へ、ピン61を介して圧縮コイルばね62により付勢する構成である。

0034

図2に示されるように、第1軸33の一端部は、ケース51に対して、軸方向への移動を規制され且つ回転可能に軸受71によって支持されている。第1軸33の他端部は、回転体55に軸受72によって相対回転が可能に支持されている。第1軸33の中間部は、フィールドコア52aに軸受73によって回転可能に支持されている。第2軸34は、ケース51に対して、軸方向への移動を規制され且つ回転可能に軸受74によって支持されている。

0035

図2及び図3に示されるように、電磁クラッチ15は、ロータ53に対するアーマチュア54の接続を規制する規制機構80を備えている。詳しく述べると、この規制機構80は、電磁石52が非励磁の状態であるとき、つまり電磁クラッチ15が開放状態であるときに、ロータ53に対するアーマチュア54の接近動作及び接続動作を規制する。この規制機構80は、例えばアーマチュア54の外周面54hに全周にわたって設けられている溝部81と、この溝部81に出没可能な係合部82と、この係合部82を駆動する規制駆動部83とからなる。この規制駆動部83は、例えばソレノイドによって構成される。以下、規制駆動部83のことを、適宜「ソレノイド83」と言い換える。

0036

係合部82は、溝部81に係合することによって、アーマチュア54の移動範囲(第1軸33の回転中心線CLに沿った方向の範囲)を規制することが可能である。ここで、アーマチュア54の移動範囲とは、第2の歯54cが第1の歯53bに噛み合っていない開放状態のときのアーマチュア54の位置P1(図3参照)から、第2の歯54cが第1の歯53bに完全に噛み合っている接続状態のときのアーマチュア54の位置P2(図5参照)までの、移動距離ストローク)のことである。

0037

溝部81は、アーマチュア面54bに近い方の第1の溝面81aと、アーマチュア面54bから遠い方の第2の溝面81bと、底面81cと、からなる。第1の溝面81a及び第2の溝面81bは、アーマチュア面54bに対して平行である。図3に示されるように、電磁クラッチ15が開放状態であるときの、第2の溝面81bと係合部82の間の間隔Sp(隙間Sp)は、ロータ53に対してアーマチュア54が接近しても、第1の歯53bに対して第2の歯54cが接することのない大きさに、設定されている。この結果、ロータ53に対するアーマチュア54の接続を規制することができる。但し、上述のように、溝部81は、アーマチュア54の外周面54hに全周にわたって、周方向に設けられているだけである。このため、係合部82がアーマチュア54の回転を規制することはない。

0038

この係合部82は、例えばソレノイド83のプランジャロッド85によって構成される。なお、この係合部82は、プランジャロッド85とは別部材によって構成してもよく、その場合には、プランジャロッド85の動作に連動する構成とすればよい。

0039

ソレノイド83は、ケース51に取り付けられており、ソレノイドケース84とプランジャロッド85と励磁用コイル86と付勢部材87とを含む。このソレノイド83は、プランジャロッド85を励磁用コイル86の励磁によって前進させるプッシュ型ソレノイドによって構成されている。プランジャロッド85は、第1軸33の回転中心線CLに向かって進退運動をすることが可能に位置しており、付勢部材87によって前進方向(ソレノイドケース84から外方へ伸びる方向)へ常に付勢されている。付勢部材87は、例えば「圧縮コイルばね」によって構成される。

0040

次に、実施例1の電磁クラッチ15の作用について説明する。
図3に示されるように、電磁石52が非励磁状態のときには、複数の復帰スプリング機構60の付勢力によって、アーマチュア54はロータ53のロータ面53aから離反している。このため、電磁クラッチ15は、第2の歯54cが第1の歯53bに噛み合っていない、いわゆる開放状態にある。

0041

電磁石52が非励磁状態のときには、ソレノイド83の励磁用コイル86も非励磁状態にある。このため、ソレノイド83のプランジャロッド85は、付勢部材87に付勢されてアーマチュア54の溝部81に嵌り込んでいる。つまり、規制機構80は、ロータ53に対するアーマチュア54の接続を規制しているロック状態にある。電磁クラッチ15に対して、外部から振動等の外力が作用しても、アーマチュア54がロータ53のロータ面53aに接近することはない。従って、電磁クラッチ15の開放状態では、第2の歯54cが第1の歯53bに噛み合わない、開放状態を維持する。

0042

その後、制御部16(図1参照)は、ソレノイド83の励磁用コイル86に通電するとともに、電磁用コイル52bに通電することによって、電磁クラッチ15を開放状態から接続状態に切り替える。励磁用コイル86への通電タイミングは、電磁用コイル52bへの通電の直前又は同時である。励磁状態の励磁用コイル86が発生した電磁力によって、ソレノイド83のプランジャロッド85(係合部82)は、後退してアーマチュア54の溝部81から外れる。この結果、ソレノイド83によるアーマチュア54の変位の規制は解除される。

0043

励磁状態の電磁石52が発生した電磁力によって、アーマチュア54は、ロータ53のロータ面53aに吸引される。図5に示されるように、第2の歯54cが第1の歯53bに噛み合うので、電磁クラッチ15は接続状態となる。アーマチュア54は、ロータ53と共に回転可能となる。図3及び5に示されるように、第1軸33の回転は、ロータ53と第1の歯53bと第2の歯54cとアーマチュア54と回転体55とを介して、第2軸34に伝わる。

0044

その後、制御部16(図1参照)は、ソレノイド83の励磁用コイル86への通電と、電磁用コイル52bへの通電とを、停止することによって、電磁クラッチ15を接続状態から開放状態に切り替える。アーマチュア54は、複数の復帰スプリング機構60の付勢力によって、ロータ53のロータ面53aから離反し、回転体55に引き寄せられる。ソレノイド83のプランジャロッド85は、付勢部材87に付勢されてアーマチュア54の溝部81に嵌り込む。この結果、図3に示されるように、規制機構80は、ロータ53に対するアーマチュア54の接続を規制するロック状態に戻る。

0045

実施例1の説明をまとめると、次の通りである。
図2及び図3に示されるように、電磁クラッチ15は、
通電によって電磁力を発生する電磁石52と、
前記電磁石52に対して、軸方向への移動を規制され且つ回転を許容されている、磁性体からなるロータ53と、
前記電磁石52の前記電磁力により前記ロータ53に吸引されて接続することによって、前記ロータ53と共に回転可能な、磁性体からなるアーマチュア54と、
前記ロータ53に対する前記アーマチュア54の接続を規制する規制機構80と、
を含む。

0046

このように実施例1では、例えば電磁石52が非励磁状態のとき、つまり電磁クラッチ15が開放状態にあるときに、ロータ53に対するアーマチュア54の接続を、規制機構80によって強制的に規制することができる。このため、電磁クラッチ15に外部から過大な振動等の外力(例えば過大な加速度)が作用しても、アーマチュア54がロータ53の端面53a(ロータ面53a)に接近することはない。電磁クラッチ15に規制機構80を備えることによって、電磁クラッチ15の開放状態を、より安定して保持する冗長性を増すことができる。

0047

アーマチュア54をロータ53の端面53aから離反させる方向へ付勢する付勢部材62(図4に示される復帰スプリング機構60の圧縮コイルばね62)の、付勢力を大きく設定する必要もない。従って、電磁石52が発生する電磁力を大きく設定する必要もない。電磁クラッチ15の小型化を図りつつ、電磁クラッチ15の開放状態を安定敵に保持することができる。または、付勢部材62を廃止することも可能である。

0048

加えて、電磁クラッチ15を車両用ステアリング装置10(図1参照)に備えた場合には、車両の操縦定性を、より高めることができる。

0049

<実施例2>
図6を参照しつつ、実施例2の電磁クラッチ15Aを説明する。図6は上記図3に対応させて表してある。実施例2の電磁クラッチ15Aは、図2図5に示される上記実施例1の電磁クラッチ15の第2の溝面81bを、図6に示される第2の溝面81bAに変更したことを特徴とし、他の構成は実施例1と同じなので、説明を省略する。

0050

図6(a)は、電磁クラッチ15Aが接続状態、つまり、第2の歯54cが第1の歯53bに噛み合っている状態を示している。溝部81の第2の溝面81bAは、第1の溝面81aに対して傾斜している。溝部81の溝幅は、溝部81が底面81cからアーマチュア54の外周面54hへ向かうに従って広がっている。実施例2の係合部82の先端部82a(プランジャロッド85の先端部85a)は、テーパであることが好ましい。この先端部82a(先端部85a)は、溝部81に対して常に向かい合っている。この実施例2では、図3に示される復帰スプリング機構60は不要であり、廃止することができる。

0051

その後、制御部16(図1参照)は、図3に示されるソレノイド83の励磁用コイル86への通電と、電磁用コイル52bへの通電とを、停止することによって、電磁クラッチ15を接続状態から開放状態に切り替える。ソレノイド83のプランジャロッド85は、付勢部材87(図3参照)に付勢されてアーマチュア54の溝部81へ向かって伸びる。図6(b)に示されるように、プランジャロッド85の先端部85aは、傾斜している第2の溝面81bAを押すことによって、アーマチュア54をロータ53から離れる方向に押し下げる。この結果、図6(c)に示されるように、プランジャロッド85は溝部81に嵌り込む。電磁クラッチ15Aは第2の歯54cが第1の歯53bに噛み合っていない、いわゆる開放状態になる。

0052

電磁クラッチ15Aに対して、外部から振動等の外力が作用した場合には、傾斜している第2の溝面81bAからプランジャロッド85が後退する方向の力(後退方向の外力)が働く。この後退方向の外力に対して、ソレノイド83の付勢部材87(図3参照)の付勢力を、大きく設定すればよい。また、第2の溝面81bAの傾き角を小さく設定することによって、第2の溝面81bAからプランジャロッド85へ作用する、後退方向の外力を小さくすることができる。

0053

実施例2の電磁クラッチ15Aによれば、復帰スプリング機構60(図3参照)を廃止することができるので、構成が簡略化する。その他の作用、効果は上記実施例1と同様である。

0054

なお、電磁クラッチ15Aは、第1軸33及び第2軸34を鉛直方向に向けて配置した、いわゆる縦置きにした場合には、電磁石52が非励磁状態になると、アーマチュア54は自重によってロータ53から離れ得る。この場合には、復帰スプリング機構60(図3参照)とソレノイド83の両方を廃止してもよい。

0055

<実施例3>
図7を参照しつつ、実施例3の電磁クラッチ15Bを説明する。図7は上記図3に対応させて表してある。実施例3の電磁クラッチ15Bは、図2図5に示される上記実施例1の電磁クラッチ15のソレノイド83を、図7に示されるソレノイド83Bに変更したことを特徴とし、他の構成は実施例1と同じなので、説明を省略する。

0056

実施例3のソレノイド83Bは、プランジャロッド85を前進位置と後退位置の、2位置に自己保持することが可能な自己保持型ソレノイドの構成である。このソレノイド83Bは、プランジャロッド85を前進させる第1励磁用コイル86aと、プランジャロッド85を後退させる第2励磁用コイル86bと、プランジャロッド85を各位置で保持させる永久磁石86cと、を備える。

0057

実施例3の電磁クラッチ15Bによれば、第1励磁用コイル86aや第2励磁用コイル86bに、瞬時だけ通電すればよいので、ソレノイド83Bの消費電力節減することができる。その他の作用、効果は上記実施例1と同様である。

0058

<実施例4>
図8を参照しつつ、実施例4の電磁クラッチ15Cを説明する。図8は上記図3に対応させて表してある。実施例4の電磁クラッチ15Cは、図2図5に示される上記実施例1の電磁クラッチ15のソレノイド83を、図8に示されるモータ駆動式の規制駆動部83Cに変更したことを特徴とし、他の構成は実施例1と同じなので、説明を省略する。

0059

実施例3のモータ駆動式の規制駆動部83Cは、プランジャロッド85を前進位置と後退位置の、2位置にモータ91によって駆動するものである。この規制駆動部83Cは、モータ91と、このモータ91の動力をプランジャロッド85に伝達する伝達機構92と、を備えている。例えば、この伝達機構92は、モータ91の出力軸に連結されたピニオン軸93と、このピニオン軸93に設けられたピニオン94と、プランジャロッド85に設けられたラック95と、からなるラックアンドピニオン機構によって構成される。なお、伝達機構92は、ラックアンドピニオン機構に限定されるものではなく、例えばウォームギヤ機構とすることができる。実施例4の電磁クラッチ15Cの作用、効果は上記実施例1と同様である。

0060

なお、本発明による電磁クラッチ15は、本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、実施例に限定されるものではない。
例えば、電磁クラッチ15は、車両用ステアリング装置10に搭載する構成に限定されるものではなく、各種の装置に搭載することが可能である。
また、電磁クラッチ15は、第1の歯53bと第2の歯54cとが噛み合う、ツースクラッチの構成に限定されるものではなく、例えば摩擦クラッチの動作を電磁石によって行う電磁摩擦クラッチの構成とすることができる。

0061

本発明の電磁クラッチ15は、外部から過大な振動等の外力(例えば過大な加速度)を受け得る箇所に、設けるのに好適である。

0062

15電磁クラッチ
15A 電磁クラッチ
15B 電磁クラッチ
15C 電磁クラッチ
52電磁石
53ロータ
54アーマチュア
80 規制機構

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