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技術 1軸式ガスタービンの運転制御装置、運転制御方法及びプログラム

出願人 三菱重工業株式会社
発明者 飯田耕一郎齋藤昭彦篠田尚信青山邦明
出願日 2019年3月28日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2019-063982
公開日 2020年10月8日 (4ヶ月経過) 公開番号 2020-165323
状態 未査定
技術分野 ガスタービン、高圧・高速燃焼室
主要キーワード 一定回転数制御 各負荷状態 負荷指標 車室内圧力 中心回 定格負荷状態 ロードリミット 運転モード情報
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

負荷に応じて回転数を低減することで燃費性能を向上しつつ、軸振動現象などの不具合発生を効果的に回避する。

解決手段

1軸式ガスタービン運転制御装置は、発電機の負荷状態に基づいて運転モードを選択し、当該運転モードに基づいてタービンを制御する。第1運転モードは第1回転数帯にタービンの回転数を維持し、第2運転モードは第1回転数帯より低回転側に設定される第2回転数帯に回転数を維持する。第2回転数帯は、第1非選択回転数帯を介して第1回転数帯より低回転側に設定される。

概要

背景

圧縮機からの圧縮空気燃料とを燃焼器に供給し、燃焼器によって発生する燃焼ガスによってタービンを回転させて発電機を駆動するガスタービンが知られている。この種のガスタービンとして、タービンの回転軸が圧縮機及び発電機と共通の回転軸に接続される1軸式ガスタービンがある。従来の1軸式ガスタービンは、発電機の出力周波数系統周波数に同期させるために、回転数が一定に維持されるように制御される。このような1軸式ガスタービンの一定回転数は、負荷の大きさに関わらず、圧縮機の安定的な動作を確保するとともに、タービンの排ガス性状(例えば排ガスに含まれるNOx濃度など)を基準以下とするために、圧縮機の風量をある程度確保可能な値に設定される。そのため、定格負荷より負荷が小さな部分負荷や無負荷では、熱効率が低下し、燃料消費量が多くなってしまう傾向がある。

特許文献1には、発電機として可変速発電機又はインバータ制御発電機を用いることによって、1軸式ガスタービンの回転数を負荷の大きさに応じて可変制御することが記載されている。この文献では、負荷が低下した部分負荷や無負荷時に、回転数を低下させることで熱効率を向上させ、燃料消費量を低減することが提案されている。

概要

負荷に応じて回転数を低減することで燃費性能を向上しつつ、軸振動現象などの不具合発生を効果的に回避する。1軸式ガスタービンの運転制御装置は、発電機の負荷状態に基づいて運転モードを選択し、当該運転モードに基づいてタービンを制御する。第1運転モードは第1回転数帯にタービンの回転数を維持し、第2運転モードは第1回転数帯より低回転側に設定される第2回転数帯に回転数を維持する。第2回転数帯は、第1非選択回転数帯を介して第1回転数帯より低回転側に設定される。

目的

本発明の少なくとも一実施形態は上述の事情に鑑みなされたものであり、負荷に応じて回転数を低減することで燃費性能を向上しつつ、軸振動現象などの不具合発生を効果的に回避可能な1軸式ガスタービンの運転制御装置、運転制御方法及びプログラムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

圧縮機からの圧縮空気燃料とを燃焼器に供給し、前記燃焼器によって発生する燃焼ガスによってタービンを回転させて発電機を駆動するように構成され、前記圧縮機及び前記発電機と共通の回転軸に接続された1軸式ガスタービン運転制御装置であって、前記発電機の負荷状態を判定する負荷状態判定部と、前記負荷状態判定部の判定結果に基づいて、第1回転数帯に前記タービンの回転数を維持する第1運転モードと、前記第1回転数帯より第1非選択回転数帯を介して低回転側に設定される第2回転数帯に前記回転数を維持する第2運転モードとを選択可能に構成された運転モード選択部と、前記運転モード選択部で選択された運転モードに基づいて、前記タービンを制御する制御部と、を備える、1軸式ガスタービンの運転制御装置。

請求項2

前記負荷状態判定部は、前記発電機に対して設定される目標負荷率、及び、前記発電機の有効負荷率に基づいて前記負荷状態を判定する、請求項1に記載の1軸式ガスタービンの運転制御装置。

請求項3

前記負荷状態判定部は、所定時間内に(i)〜(iii)のいずれかを満たす場合、前記負荷状態を第1負荷状態であると判定し、前記運転モード選択部は、前記負荷状態が前記第1負荷状態であると判定された場合、前記第1運転モードを選択する、請求項2に記載の1軸式ガスタービンの運転制御装置。(i)前記目標負荷率が第1閾値より大きい。(ii)前記有効負荷率が第2閾値より大きい。(iii)前記目標負荷率及び前記有効負荷率の差分が第3閾値より大きく、且つ、前記目標負荷率が前記有効負荷率以上である。

請求項4

前記負荷状態判定部は、所定時間にわたって(iv)〜(vi)を満たす場合、前記負荷状態を第2負荷状態であると判定し、前記運転モード選択部は、前記負荷状態が前記第2負荷状態であると判定された場合、前記第2運転モードを選択する、請求項2又は3に記載の1軸式ガスタービンの運転制御装置。(iv)前記目標負荷率が第1閾値以下である。(v)前記有効負荷率が第2閾値以下である。(vi)前記目標負荷率及び前記有効負荷率の差分が第3の閾値以下であるか、あるいは、前記目標負荷率が前記有効負荷率未満である。

請求項5

前記制御部は、前記第1運転モード及び前記第2運転モードにおいて、前記圧縮機の前段に設けられた入口案内翼開度、及び、前記燃料の流量を調整することによって前記タービンの出力を制御するとともに、前記発電機の出力周波数系統周波数に変換するための電力変換装置の出力を制御することにより前記タービンの回転数を制御する、請求項1から4のいずれか一項に記載の1軸式ガスタービンの運転制御装置。

請求項6

前記第1非選択回転数帯は、前記タービンが有するタービン翼固有振動数を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の1軸式ガスタービンの運転制御装置。

請求項7

前記運転モード選択部は、前記第2回転数帯より第2非選択回転数帯を介して低回転側に設定される第3回転数帯に前記回転数を維持する第3運転モードを選択可能に構成される、請求項1から6のいずれか一項に記載の1軸式ガスタービンの運転制御装置。

請求項8

前記負荷状態判定部は、所定時間にわたって(vii)及び(viii)を満たす場合、前記負荷状態を第3負荷状態であると判定し、前記運転モード選択部は、前記負荷状態が前記第3負荷状態であると判定された場合、前記第3運転モードを選択する、請求項7に記載の1軸式ガスタービンの運転制御装置。(vii)前記目標負荷率が第4閾値以下である。(viii)前記有効負荷率が第5閾値以下である。

請求項9

前記制御部は、前記第3運転モードにおいて、前記圧縮機の前段に設けられた入口案内翼の開度、前記燃料の流量、及び、前記圧縮機の抽気弁の開度を調整することによって前記タービンの出力を制御するとともに、前記発電機の出力周波数を系統周波数に変換するための電力変換装置を制御することにより前記タービンの回転数を制御する、請求項7又は8に記載の1軸式ガスタービンの運転制御装置。

請求項10

前記第2非選択回転数帯は、前記タービンが有するタービン翼の固有振動数を含む、請求項7から9のいずれか一項に記載の1軸式ガスタービンの運転制御装置。

請求項11

圧縮機からの圧縮空気と燃料とを燃焼器に供給し、前記燃焼器によって発生する燃焼ガスによってタービンを回転させて発電機を駆動するように構成され、前記圧縮機及び前記発電機と共通の回転軸に接続された1軸式ガスタービンの運転制御方法であって、前記発電機の負荷状態を判定する工程と、前記負荷状態の判定結果に基づいて、第1回転数帯に前記タービンの回転数を維持する第1運転モードと、前記第1回転数帯より第1非選択回転数帯を介して低回転側に設定される第2回転数帯に前記回転数を維持する第2運転モードとから、運転モードを選択する工程と、前記運転モードに基づいて、前記タービンを制御する工程と、を備える、1軸式ガスタービンの運転制御方法。

請求項12

圧縮機からの圧縮空気と燃料とを燃焼器に供給し、前記燃焼器によって発生する燃焼ガスによってタービンを回転させて発電機を駆動するように構成され、前記圧縮機及び前記発電機と共通の回転軸に接続された1軸式ガスタービンを運転制御するためのプログラムであって、コンピュータに、前記発電機の負荷状態を判定する工程と、前記負荷状態の判定結果に基づいて、第1回転数帯に前記タービンの回転数を維持する第1運転モードと、前記第1回転数帯より第1非選択回転数帯を介して低回転側に設定される第2回転数帯に前記回転数を維持する第2運転モードとから、運転モードを選択する工程と、前記運転モードに基づいて、前記タービンを制御する工程と、を実行させる、プログラム。

技術分野

背景技術

0002

圧縮機からの圧縮空気燃料とを燃焼器に供給し、燃焼器によって発生する燃焼ガスによってタービンを回転させて発電機を駆動するガスタービンが知られている。この種のガスタービンとして、タービンの回転軸が圧縮機及び発電機と共通の回転軸に接続される1軸式ガスタービンがある。従来の1軸式ガスタービンは、発電機の出力周波数系統周波数に同期させるために、回転数が一定に維持されるように制御される。このような1軸式ガスタービンの一定回転数は、負荷の大きさに関わらず、圧縮機の安定的な動作を確保するとともに、タービンの排ガス性状(例えば排ガスに含まれるNOx濃度など)を基準以下とするために、圧縮機の風量をある程度確保可能な値に設定される。そのため、定格負荷より負荷が小さな部分負荷や無負荷では、熱効率が低下し、燃料消費量が多くなってしまう傾向がある。

0003

特許文献1には、発電機として可変速発電機又はインバータ制御発電機を用いることによって、1軸式ガスタービンの回転数を負荷の大きさに応じて可変制御することが記載されている。この文献では、負荷が低下した部分負荷や無負荷時に、回転数を低下させることで熱効率を向上させ、燃料消費量を低減することが提案されている。

先行技術

0004

特許第3677536号公報

発明が解決しようとする課題

0005

前述のように回転数が一定に維持される従来の1軸式ガスタービンでは、通常、定格運転条件においてタービンに生じる加振周波数が、タービン翼が本質的に有する固有振動数に一致しないように設計される。しかしながら、上記特許文献1のように回転数を負荷に応じて可変制御した場合、タービンに生じる加振周波数が変化することで固有振動数に一致し、共振現象を招き、不具合が生じる可能性がある。
またインバータ制御発電機のように発電周波数を系統周波数に変換するための電気回路を採用する場合、電気回路の特性に基づく軸振動現象(例えば、発電機に生じる軸のねじり振動現象であり、大容量のコンバータを有する電力系統との相互作用により生じるSSTI(Sub−Synchronous Torsional Interaction)など)を起こす可能性もある。

0006

本発明の少なくとも一実施形態は上述の事情に鑑みなされたものであり、負荷に応じて回転数を低減することで燃費性能を向上しつつ、軸振動現象などの不具合発生を効果的に回避可能な1軸式ガスタービンの運転制御装置、運転制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る1軸式ガスタービンの運転制御装置は上記課題を解決するために、
圧縮機からの圧縮空気と燃料とを燃焼器に供給し、前記燃焼器によって発生する燃焼ガスによってタービンを回転させて発電機を駆動するように構成され、前記圧縮機及び前記発電機と共通の回転軸に接続された1軸式ガスタービンの運転制御装置であって、
前記発電機の負荷状態を判定する負荷状態判定部と、
前記負荷状態判定部の判定結果に基づいて、第1回転数帯に前記タービンの回転数を維持する第1運転モードと、前記第1回転数帯より第1非選択回転数帯を介して低回転側に設定される第2回転数帯に前記回転数を維持する第2運転モードとを選択可能に構成された運転モード選択部と、
前記運転モード選択部で選択された運転モードに基づいて、前記タービンを制御する制御部と、
を備える。

0008

上記(1)の構成によれば、発電機の負荷状態に基づいて運転モードが選択され、当該選択された運転モードに従った回転数制御が行われる。各運転モードでは、タービンの回転数が各回転数帯に維持されることで、略一定回転数制御が行われる。特に第2運転モードでは、第1運転モードに比べて低回転側の回転数帯を有するため、発電機の負荷状態に応じて燃料消費量の低減が可能となる。
また第1運転モードに対応する第1回転数帯及び第2運転モードに対応する第2回転数帯の間には第1非選択回転数帯が設定される。そのため、例えばタービン翼の固有周波数や電気回路に起因する軸振動に対応する好ましくない回転数を第1非選択回転数帯に含むように設定することで、負荷状態に応じて複数の運転モードを切り替えながらも、好ましくない回転数における運転を回避し、不具合発生を効果的に防止できる。

0009

(2)幾つかの実施形態では上記(1)の構成において、
前記負荷状態判定部は、前記発電機に対して設定される目標負荷率、及び、前記発電機の有効負荷率に基づいて前記負荷状態を判定する。

0010

上記(2)の構成によれば、運転モードの選択基準となる負荷状態は、電力需要側負荷指標である目標負荷率と、供給側の負荷指標である有効負荷率とに基づいて算出される。このように算出される負荷状態を採用することで、発電機の負荷を的確に評価できる。

0011

(3)幾つかの実施形態では上記(2)の構成において、
前記負荷状態判定部は、所定時間内に(i)〜(iii)のいずれかを満たす場合、前記負荷状態を第1負荷状態であると判定し、
前記運転モード選択部は、前記負荷状態が前記第1負荷状態であると判定された場合、前記第1運転モードを選択する。
(i)前記目標負荷率が第1閾値より大きい。
(ii)前記有効負荷率が第2閾値より大きい。
(iii)前記目標負荷率及び前記有効負荷率の差分が第3閾値より大きく、且つ、前記目標負荷率が前記有効負荷率以上である。

0012

上記(3)の構成によれば、上記基準によって発電機の負荷状態が第1負荷状態にあると判定された場合には、第1運転モードに従った制御が実施される。

0013

(4)幾つかの実施形態では上記(2)又は(3)の構成において、
前記負荷状態判定部は、所定時間にわたって(iv)〜(vi)を満たす場合、前記負荷状態を第2負荷状態であると判定し、
前記運転モード選択部は、前記負荷状態が前記第2負荷状態であると判定された場合、前記第2運転モードを選択する。
(iv)前記目標負荷率が第1閾値以下である。
(v)前記有効負荷率が第2閾値以下である。
(vi)前記目標負荷率及び前記有効負荷率の差分が第3の閾値以下であるか、あるいは、前記目標負荷率が前記有効負荷率未満である。

0014

上記(4)の構成によれば、上記基準によって発電機の負荷状態が第2負荷状態にあると判定された場合には、第2運転モードに従った制御が実施される。第2運転モードでは第1運転モードに比べて回転数帯が低回転側に設定されるため、タービンの回転数を第2回転数帯に維持した略一定回転数制御のもと、燃料消費量を効果的に低減できる。

0015

(5)幾つかの実施形態では上記(1)から(4)のいずれか一構成において、
前記制御部は、前記第1運転モード及び前記第2運転モードにおいて、
前記圧縮機の前段に設けられた入口案内翼開度、及び、前記燃料の流量を調整することによって前記タービンの出力を制御するとともに、
前記発電機の出力周波数を系統周波数に変換するための電力変換装置の出力を制御することにより前記タービンの回転数を制御する。

0016

上記(5)の構成によれば、第1運転モード及び第2運転モードでは、入口案内翼の開度及び燃料の流量を制御パラメータとしてタービンの出力制御がなされるともに、電力変換装置の出力を制御パラメータとしてタービンの回転数制御がなされる。これにより発電機に対する発電要求を満たしつつ、回転数を略一定に維持する協調制御を好適に実現できる。

0017

(6)幾つかの実施形態では上記(1)から(5)のいずれか一構成において、
前記第1非選択回転数帯は、前記タービンが有するタービン翼の固有振動数を含む。

0018

上記(6)の構成によれば、タービン翼の固有周波数を第1非選択回転数帯に含むように設定することで、負荷状態に応じて複数の運転モードを切り替えながらも、タービン翼の固有周波数における運転を回避し、タービン翼の破損のような不具合発生を効果的に防止できる。

0019

(7)幾つかの実施形態では上記(1)から(6)のいずれか一構成において、
前記運転モード選択部は、前記第2回転数帯より第2非選択回転数帯を介して低回転側に設定される第3回転数帯に前記回転数を維持する第3運転モードを選択可能に構成される。

0020

上記(7)の構成によれば、前述の第1運転モード及び第2運転モードに加えて、第3運転モードが選択可能となる。第3運転モードではタービンの回転数が第3回転数帯に維持されることで略一定回転数制御が行われる。第3回転数帯は、第2回転数帯より更に低回転側に設定されるため、発電機の負荷状態に応じて燃料消費量をより低減することができる。
また第2運転モードに対応する第2回転数帯及び第3運転モードに対応する第3回転数帯の間には第2非選択回転数帯が設定される。そのため、例えばタービン翼の固有周波数や電気回路に起因する軸振動に対応する好ましくない回転数を第2非選択回転数帯に含むように設定することで、負荷状態に応じて複数の運転モードを切り替えながらも、好ましくない回転数における運転を回避し、不具合発生を効果的に防止できる。

0021

(8)幾つかの実施形態では上記(7)の構成において、
前記負荷状態判定部は、所定時間にわたって(vii)及び(viii)を満たす場合、前記負荷状態を第3負荷状態であると判定し、
前記運転モード選択部は、前記負荷状態が前記第3負荷状態であると判定された場合、前記第3運転モードを選択する。
(vii)前記目標負荷率が第4閾値以下である。
(viii)前記有効負荷率が第5閾値以下である。

0022

上記(8)の構成によれば、上記基準によって発電機の負荷状態が第3負荷状態にあると判定された場合には、第3運転モードに従った制御が実施される。第3運転モードでは第2運転モードに比べて回転数帯が更に低回転側に設定されるため、タービンの回転数を第3回転数帯に維持した略一定回転数制御のもと、燃料消費量をより効果的に低減できる。

0023

(9)幾つかの実施形態では上記(7)又は(8)の構成において、
前記制御部は、前記第3運転モードにおいて、
前記圧縮機の前段に設けられた入口案内翼の開度、前記燃料の流量、及び、前記圧縮機の抽気弁の開度を調整することによって前記タービンの出力を制御するとともに、
前記発電機の出力周波数を系統周波数に変換するための電力変換装置を制御することにより前記タービンの回転数を制御する。

0024

上記(9)の構成によれば、第3運転モードでは、入口案内翼の開度、燃料の流量及び抽気弁の開度を制御パラメータとしてタービンの出力制御がなされるともに、電力変換装置の出力を制御パラメータとしてタービンの回転数制御がなされる。これにより発電機に対する発電要求を満たしつつ、回転数を略一定に維持する協調制御を好適に実現できる。

0025

(10)幾つかの実施形態では上記(7)から(9)のいずれか一構成において、
前記第2非選択回転数帯は、前記タービンが有するタービン翼の固有振動数を含む。

0026

上記(10)の構成によれば、タービン翼の固有周波数を第2非選択回転数帯に含むように設定することで、負荷状態に応じて複数の運転モードを切り替えながらも、タービン翼の固有周波数における運転を回避し、タービン翼の破損のような不具合発生を効果的に防止できる。

0027

(11)本発明の少なくとも一実施形態に係る1軸式ガスタービンの運転制御方法は上記課題を解決するために、
圧縮機からの圧縮空気と燃料とを燃焼器に供給し、前記燃焼器によって発生する燃焼ガスによってタービンを回転させて発電機を駆動するように構成され、前記圧縮機及び前記発電機と共通の回転軸に接続された1軸式ガスタービンの運転制御方法であって、
前記発電機の負荷状態を判定する工程と、
前記負荷状態の判定結果に基づいて、第1回転数帯に前記タービンの回転数を維持する第1運転モードと、前記第1回転数帯より第1非選択回転数帯を介して低回転側に設定される第2回転数帯に前記回転数を維持する第2運転モードとから、運転モードを選択する工程と、
前記運転モードに基づいて、前記タービンを制御する工程と、
を備える。

0028

上記(11)の構成によれば、発電機の負荷状態に基づいて運転モードが選択され、当該選択された運転モードに従った回転数制御が行われる。各運転モードでは、タービンの回転数が各回転数帯に維持されることで、略一定回転数制御が行われる。特に第2運転モードでは、第1運転モードに比べて低回転側の回転数帯を有するため、発電機の負荷状態に応じて燃料消費量の低減が可能となる。
また第1運転モードに対応する第1回転数帯及び第2運転モードに対応する第2回転数帯の間には第1非選択回転数帯が設定される。そのため、例えばタービン翼の固有周波数や電気回路に起因する軸振動に対応する好ましくない回転数を第1非選択回転数帯に含むように設定することで、負荷状態に応じて複数の運転モードを切り替えながらも、好ましくない回転数における運転を回避し、不具合発生を効果的に防止できる。

0029

(12)本発明の少なくとも一実施形態に係るプログラムは上記課題を解決するために、
圧縮機からの圧縮空気と燃料とを燃焼器に供給し、前記燃焼器によって発生する燃焼ガスによってタービンを回転させて発電機を駆動するように構成され、前記圧縮機及び前記発電機と共通の回転軸に接続された1軸式ガスタービンを運転制御するためのプログラムであって、コンピュータに、
前記発電機の負荷状態を判定する工程と、
前記負荷状態の判定結果に基づいて、第1回転数帯に前記タービンの回転数を維持する第1運転モードと、前記第1回転数帯より第1非選択回転数帯を介して低回転側に設定される第2回転数帯に前記回転数を維持する第2運転モードとから、運転モードを選択する工程と、
前記運転モードに基づいて、前記タービンを制御する工程と、
を実行させる。

0030

上記(12)のプログラムによれば、発電機の負荷状態に基づいて運転モードが選択され、当該選択された運転モードに従った回転数制御が行われる。各運転モードでは、タービンの回転数が各回転数帯に維持されることで、略一定回転数制御が行われる。特に第2運転モードでは、第1運転モードに比べて低回転側の回転数帯を有するため、発電機の負荷状態に応じて燃料消費量の低減が可能となる。
また第1運転モードに対応する第1回転数帯及び第2運転モードに対応する第2回転数帯の間には第1非選択回転数帯が設定される。そのため、例えばタービン翼の固有周波数や電気回路に起因する軸振動に対応する好ましくない回転数を第1非選択回転数帯に含むように設定することで、負荷状態に応じて複数の運転モードを切り替えながらも、好ましくない回転数における運転を回避し、不具合発生を効果的に防止できる。

発明の効果

0031

本発明の少なくとも一実施形態によれば、負荷に応じて回転数を低減することで燃費性能を向上しつつ、軸振動現象などの不具合発生を効果的に回避可能な1軸式ガスタービンの運転制御装置、運転制御方法及びプログラムを提供できる。

図面の簡単な説明

0032

本発明の少なくとも一実施形態に係るガスタービンの全体構成を示す模式図である。
図1制御装置ハードウェア構成の一例を示す概略構成図である。
図1の制御装置のハードウェア構成の他の例を示す概略構成図である。
図1の負荷状態判定部の内部構成を示すブロック図である。
目標負荷率及び有効負荷率に対する負荷状態の分布例である。
第1〜第3運転モードにおける回転数特性を示すグラフである。
図1の制御部の内部構成を示すブロック図である。
本発明の少なくとも一実施形態に係るガスタービンの運転制御方法を工程毎に示すフローチャートである。

実施例

0033

以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。

0034

図1は本発明の少なくとも一実施形態に係るガスタービン100の全体構成を示す模式図である。ガスタービン100は、圧縮機102、燃焼器104、タービン106、発電機108及び電力変換装置110を備える。吸気は圧縮機102によって圧縮され、燃料流量調整弁112から供給される燃料と混合されて燃焼器104で燃焼される。燃料流量調整弁112は、制御装置150からの制御信号燃料制御信号)に基づいて作動することで、燃焼器104に対する燃料流量が制御可能に構成されている。

0035

燃焼器104で生じた高温の燃焼ガスは、タービン106で膨張することにより動力を発生させる。タービン106の動力の一部は圧縮機102を駆動し、残りの動力は負荷である発電機108を駆動する。尚、圧縮機102、タービン106及び発電機108の回転軸はそれぞれ一体的に結合されており、ガスタービン100は1軸式ガスタービンである。

0036

発電機108から出力される交流電力は、電力変換装置110を介して電力系統140に供給される。後述するように、ガスタービン100(圧縮機102、タービン106及び発電機108)の回転数は可変であるため、発電機108から出力される電力周波数は、一般的に、電力系統140が有する系統周波数(例えば50Hzや60Hzの商用周波数)と異なるが、電力変換装置110によって系統周波数に変換される。このような電力変換装置110による系統電力への変換は、制御装置150からの制御信号(電力変換制御信号)に基づいて実施される。

0037

尚、電力変換装置110に含まれる電気回路は、例えばコンバータ回路又はインバータ回路を含む。例えば、上記のように発電機108の電力周波数を系統周波数に交流変換する場合には電力変換装置110は、発電機108から出力される交流電力を直流電力に変換するためのコンバータ回路と、コンバータ回路から出力される直流電力を系統周波数を有する交流電力に変換するためのインバータ回路とを含む。また発電機108の出力電力直流送電する場合(電力系統140が直流送電路である場合)には、電力変換装置110は、発電機108から出力される交流電力を直流電力に変換するためのコンバータ回路を含む。

0038

また圧縮機102の第1段のの前段には、入口案内翼114(IGV:InLetGuide Vane)が設けられている。吸気は入口案内翼114によって周方向の速度が与えられ、圧縮機102に導入される。圧縮機102では、導入された空気は多段動翼静翼との間を通ってエネルギが与えられることにより圧力が上昇する。また入口案内翼114は、周方向に多数枚設けられた可動翼(不図示)がそれぞれ回動可能に支持されて構成される。入口案内翼114を構成する各可動翼は、制御装置150からの制御信号(IGV制御信号)によって作動するアクチュエータ(不図示)により駆動される。

0039

またガスタービン100が起動又は昇速中に圧縮機102内でサージングが発生しないように、任意の回転数にて圧縮機102の昇圧途中の一部空気を抽気してタービン106にバイパスする抽気弁115が設けられている。抽気弁115は、制御装置150からの制御信号(抽気弁制御信号)に基づいて作動することで、圧縮機102からの抽気流量が制御可能に構成されている。

0040

タービン106の最終段部には最終段ブレードを通過した燃焼ガスの温度を検出するためのブレードパス温度検出器116が設けられる。またブレードパス温度検出器116の下流側の排ガス通路には、排ガスの温度を検出するための排ガス温度検出器118が設けられる。また吸気の温度及び圧力を検出するための吸気状態検出部120が設けられる。また燃焼器104の車室内の圧力を検出するための車室内圧力センサ122が設けられる。またタービン106の出力を検出するための出力センサ124が設けられる。

0041

ブレードパス温度検出器116、排ガス温度検出器118、吸気状態検出部120、車室内圧力センサ122及び出力センサ124の各検出結果は、制御装置150に入力される。制御装置150は、これら入力信号に基づく制御信号をガスタービン100の各要素に出力することにより制御を実施する。具体的には制御装置150は、燃料制御信号を送信することによって燃料流量調整弁112を制御し、電力変換制御信号を送信することによって電力変換装置110を制御し、IGV制御信号を送信することによって入口案内翼114の開度を制御し、抽気弁制御信号を送信することによって抽気弁115の開度を制御する。

0042

制御装置150は、コンピュータで構成されていてもよい。ここで図2A図2Bは、図1の制御装置150のハードウェア構成を示す概略構成図である。例えば、図2Aに示すように、制御装置150は、CPU11(Central Processing Unit)、RAM12(Random Access Memory)、ROM13(Read Only Memory)、HDD14(Hard Disk Drive)、入力I/F15、および出力I/F16を含み、これらがバス17を介して互いに接続されて構成される。
尚、制御装置150のハードウェア構成は上記に限定されず、制御回路記憶装置との組み合わせにより構成されても良い。

0043

また、図2Bに示すように、クラウド1cや記憶媒体1dに、制御装置150の機能を実現するためのプログラム(運転条件決定プログラム)を格納しておいてもよい。そして制御装置150は、例えば4G、5G回線通信器やWi−Fi(登録商標)等の無線LAN通信器のような外部通信器18を備え、CPU11が外部通信器18を介してクラウド1cからプログラムを読み込み、RAM12にロードして実行してもよい。また制御装置150は、記憶媒体1dのデータを読み取るためのドライバ19を備え、CPU11が記憶媒体1dからプログラムを読み込み、RAM12にロードして実行してもよい。記憶媒体1dの種類は問わず、例えばSDカードUSBメモリ外付けHDD等、プログラムの容量に応じた様々な記憶媒体1dを用いることができる。

0044

このようなハードウェア構成を有する制御装置150は、図1に示す機能ブロックに相当する構成を有する。すなわち、制御装置150は、負荷状態判定部152、運転モード選択部154及び制御部156を備える。

0045

負荷状態判定部152は、発電機108の負荷状態を判定する。負荷状態の判定は、例えば、発電機108に対して設定される目標負荷率Lt、及び、発電機108の有効負荷率Leに基づいて行われる。目標負荷率Ltは外部から取得される出力デマンド情報(将来的な発電機の出力に対する需用量)に基づいて算出され、有効負荷率Leは出力センサ124の検出値を取得することにより算出される。

0046

ここで図3及び図4を参照して、負荷状態判定部152における負荷状態の判定手法について詳しく説明する。図3図1の負荷状態判定部152の内部構成を示すブロック図であり、図4は目標負荷率Lt及び有効負荷率Leに対する負荷状態の分布例である。この例では、発電機108の負荷状態は、負荷状態判定部152で算出される目標負荷率Lt及び有効負荷率Leに基づいて、第1負荷状態、第2負荷状態あるいは第3負荷状態のいずれであるかが判定される。

0047

図3に示すように、負荷状態判定部152は、目標負荷率算出部158と、有効負荷率算出部160と、タイムカウンタ162と、差分算出部164と、判定部166と、を備える。

0048

目標負荷率算出部158は、外部から出力デマンド情報を取得し、当該出力デマンド情報に基づいて目標負荷率Ltを算出する。有効負荷率算出部160は、出力センサ124の検出値を取得し、当該検出値に基づいて有効負荷率Leを算出する。タイムカウンタ162は、時間を計測する。差分算出部164は、目標負荷率算出部158で算出された目標負荷率Ltと、有効負荷率算出部160で算出された有効負荷率Leとの差分ΔLを算出する。判定部166は、目標負荷率算出部158、有効負荷率算出部160、タイムカウンタ162及び差分算出部164から入力される各情報を用いて発電機108の負荷状態が、第1負荷状態、第2負荷状態あるいは第3負荷状態のいずれであるかを判定する。

0049

図4では、第1負荷状態、第2負荷状態及び第3負荷状態の分布例が示されている。この例では、判定部166は以下に説明する条件に従って、発電機108の負荷状態が、第1負荷状態、第2負荷状態あるいは第3負荷状態のいずれであるかを判定する。

0050

まず所定時間にわたって以下の2つの条件を満たす場合、判定部166は、発電機108の負荷状態が第2負荷状態であると判定する。
・目標負荷率Lt及び有効負荷率Leがそれぞれ閾値Lt1、Le1以下である。
・前記目標負荷率及び前記有効負荷率の差分ΔLが第3の閾値ΔL1以下であるか、あるいは、目標負荷率Ltが有効負荷率Le未満である。
尚、所定時間は例えば1分程度に設定するとよい。

0051

また所定時間にわたって以下の条件を満たす場合、判定部166は、発電機108の負荷状態が第3負荷状態であると判定する。
・目標負荷率Lt及び有効負荷率Leがそれぞれ閾値Lt2、Le2以下である(但し閾値Lt2は閾値Lt1より小さく、且つ、閾値Le2は閾値Le1より小さい)。

0052

また上記条件に基づいて発電機108の負荷状態が第2負荷状態でも第3負荷状態でもないと判定された場合には、判定部166は、発電機108の負荷状態が第1負荷状態であると判定する。
尚、上記では第1負荷状態を消極的条件に基づいて判定しているが、積極的条件に基づいて判定してもよい。すなわち所定時間内に以下のいずれかの条件を満たした場合、判定部166は、発電機108の負荷状態が第1負荷状態であると判定してもよい。
・目標負荷率Lt又は有効負荷率Leがそれぞれ閾値Lt1、Le1より大きい。
・前記目標負荷率及び前記有効負荷率の差分ΔLが第3閾値ΔL1より大きく、且つ、目標負荷率Ltが有効負荷率Le以上である。

0053

上述した図4に示す各負荷状態定性的に説明すると、第2負荷状態は部分負荷状態が所定時間継続している状態に対応し、第3負荷状態はタービン106の発停止時を含む無負荷状態近傍に対応し、第1負荷状態は第2負荷状態及び第3負荷状態を除き、且つ、定格負荷状態を含む広い負荷状態に対応する。簡潔に述べると、第1負荷状態、第2負荷状態及び第3負荷状態の順に、発電機108の負荷が小さくなる傾向がある。

0054

図1に戻って、運転モード選択部154は、負荷状態判定部152の判定結果に基づいて運転モードを選択する。運転モード選択部154によって選択可能な運転モードは予め複数用意され、発電機108の負荷状態に応じて選択される。本実施形態では、図4を参照して前述した第1負荷状態、第2負荷状態及び第3負荷状態にそれぞれ対応する第1運転モード、第2運転モード及び第3運転モードが用意される。すなわち、負荷状態判定部152で発電機108の負荷状態が第1負荷状態であると判定された場合、運転モード選択部154は第1運転モードを選択する。また負荷状態判定部152で発電機108の負荷状態が第2負荷状態であると判定された場合、運転モード選択部154は第2運転モードを選択する。また負荷状態判定部152で発電機108の負荷状態が第3負荷状態であると判定された場合、運転モード選択部154は第3運転モードを選択する。

0055

ここで図5は第1〜第3運転モードにおける回転数特性を示すグラフである。尚、図5縦軸に示す回転数率は、定格回転数に対する回転数の比率である。

0056

第1運転モードは、第1回転数帯B1にタービン106の回転数を維持する運転モードである。第1回転数帯B1は、定格回転数Re1(=100%)を含む回転数帯であり、定格回転数Re1を基準に許容範囲±ΔRe1によって規定される。すなわち第1運転モードでは、タービン106の回転数は定格回転数Re1に略一定制御されてもよいし、許容範囲±Re1内で変動してもよい。許容範囲±ΔRe1は、例えば、定格回転数Re1に対して±3%である。

0057

第2運転モードは、第2回転数帯B2に回転数を維持する運転モードである。第2回転数帯B2は、第1回転数帯B1より低回転側に設定される回転数帯であり、中心回転数Re2を基準に許容範囲±ΔRe2によって規定される。すなわち第2運転モードでは、タービン106の回転数は中心回転数Re2に略一定制御されてもよいし、許容範囲±Re2内で変動してもよい。許容範囲±ΔRe2は、例えば、中心回転数Re2に対して±3%である。

0058

また第2回転数帯B2は、第1回転数帯B1に対して第1非選択回転数帯NB1を介して低回転側に設定される。すなわち第1回転数帯B1は第2回転数帯B2とオーバーラップせず、それらの間に第1非選択回転数帯NB1が存在する。第1非選択回転数帯NB1は、例えばタービン翼の固有周波数や電力変換装置110に含まれる電気回路に起因する軸振動のような好ましくない回転数を含むように設定される。これにより、負荷状態に応じて複数の運転モードを切り替えながらも、好ましくない回転数における運転を回避し、不具合発生を効果的に防止できる。

0059

第3運転モードは、第3回転数帯B3に回転数を維持する運転モードである。第3回転数帯B3は、第2回転数帯B2より低回転側に設定される回転数帯であり、中心回転数Re3を基準に許容範囲±ΔRe3によって規定される。すなわち第3運転モードでは、タービン106の回転数は中心回転数Re3に略一定制御されてもよいし、許容範囲±Re3内で変動してもよい。許容範囲±ΔRe3は、例えば、中心回転数Re3に対して±3%である。

0060

また第3回転数帯B3は、第2回転数帯B2に対して第2非選択回転数帯NB2を介して低回転側に設定される。すなわち第2回転数帯B2は第3回転数帯B3とオーバーラップせず、それらの間に第2非選択回転数帯NB2が存在する。第2非選択回転数帯NB2は、例えばタービン翼の固有周波数や電力変換装置110に含まれる電気回路に起因する軸振動のような好ましくない回転数を含むように設定される。これにより、負荷状態に応じて複数の運転モードを切り替えながらも、好ましくない回転数における運転を回避し、不具合発生を効果的に防止できる。

0061

図1に戻って制御部156は、運転モード選択部154で選択された運転モードに基づいてタービンを制御する。図6図1の制御部156の内部構成を示すブロック図である。制御部156は、ALR制御部168と、ロードリミット制御部170と、ガバナ制御部172と、温度リミット制御部174と、燃料リミット制御部176と、低値選択部178と、IGV制御部180と、抽気弁制御部182と、電力変換制御部184と、を備える。

0062

ALR制御部168は、外部から供給される出力デマンド情報に基づいて目標負荷率Ltを算出する。ロードリミット制御部170では、ALR制御部168から入力される目標負荷率Ltが、予め仕様に応じて予め設定された制限値となるような燃料流量指令信号を出力する。

0063

またガバナ制御部172は、回転数が所定の制限値となるための燃料流量指令信号を出力する。本実施形態では、運転モード選択部154で選択された運転モードに対応する運転モード情報がガバナ制御部172に入力され、各運転モードに対応する回転体帯に回転数を維持するために必要な燃料流量司令信号が生成される。

0064

温度リミット制御部174は、ガスタービン100の各部の温度(例えばブレードパス温度検出器116、排ガス温度検出器118、吸気状態検出部120によって検出される温度)が、予め仕様に基づいて設定された制限値となるような燃料流量指令信号を出力する。

0065

燃料リミット制御部176は、燃料流量が予め仕様に基づいて設定された制限値となるような燃料流量指令信号を出力する。

0066

低値選択部178は、ロードリミット制御部170、ガバナ制御部172、温度リミット制御部174、燃料リミット制御部176から出力された各燃料流量司令信号のうち最も小さな燃料流量を示すものを、燃料制御信号として選択して出力する。低値選択部178から出力された燃料制御信号は、燃料流量調整弁112に入力されることで、各運転モードに対応する燃料流量制御が実施される。

0067

IGV制御部180は、発電機108の出力(出力センサ124の検出値)、吸気温度(吸気状態検出部120の検出値)、圧縮機102の車室圧力(車室内圧力センサ122の検出値)、排ガス温度(排ガス温度検出器118の検出値)、及び、運転モード情報(運転モード選択部154の出力信号)に基づいて、IGV制御信号を算出して出力する。IGV制御部180から出力されたIGV制御信号は、入口案内翼114に入力されることで、入口案内翼114の開度調整が行われる。このようにIGV制御部180には、運転モード選択部154で選択された運転モードに対応する運転モード情報が入力されることにより、各運転モードに対応して入口案内翼114の開度制御が実施されるように構成されている。

0068

抽気弁制御部182は、回転数、及び、運転モード情報(運転モード選択部154の出力信号)に基づいて、抽気弁制御信号を算出して出力する。このように抽気弁制御部182には、運転モード選択部154で選択された運転モードに対応する運転モード情報が入力されることにより、各運転モードに対応して抽気弁115の制御が実施されるように構成されている。

0069

電力変換制御部184は、ALR制御部168から入力される目標負荷率Lt(より具体的には目標負荷率Ltに対応する目標回転数)、回転数、運転モード情報(運転モード選択部154の出力信号)に基づいて、電力変換制御信号を算出して出力する。このように電力変換制御部184には、運転モード選択部154で選択された運転モードに対応する運転モード情報が入力されることにより、各運転モードに対応して電力変換装置110の制御が実施されるように構成されている。

0070

上述したように燃料制御信号、IGV制御信号、抽気弁制御信号及び電力変換制御信号は、運転モード選択部154で選択された運転モードの種類に応じて生成される。すなわち燃料制御信号、IGV制御信号、抽気弁制御信号及び電力変換制御信号にそれぞれ対応する制御パラメータである燃料流量、入口案内翼114の開度、抽気弁115の開度、電力変換装置110の出力は、運転モードの種類に応じて制御される。

0071

本実施形態では、運転モード選択部154で第1運転モード又は第2運転モードが選択された場合、制御部156は、入口案内翼114の開度、及び、燃料流量を制御パラメータとして選択し、これらを調整することによってタービン出力を制御する。また発電機108の出力周波数を系統周波数に変換するための電力変換装置110の出力を制御パラメータとして選択し、これを制御することによりタービン106の回転数を制御する(すなわち第1運転モードが選択された場合には第1回転数帯B1に維持されるように略一定回転数制御を行い、第2運転モードが選択された場合には第2回転体B2に維持されるように略一定回転数制御を行う)。

0072

また運転モード選択部154で第3運転モードが選択された場合、制御部156は、入口案内翼114の開度、燃料流量に加えて、圧縮機102の抽気弁115の開度を制御パラメータとして選択し、これらを調整することによってタービン出力を制御する。また発電機108の出力周波数を系統周波数に変換するための電力変換装置110の出力を制御パラメータとして選択し、これを制御することによりタービン106の回転数を制御する(第3運転モードが選択された場合には第3回転数帯B3に維持されるように略一定回転数制御を行う)。

0073

続いて上記構成を有する制御装置150によって実施される運転制御方法について説明する。図7は本発明の少なくとも一実施形態に係るガスタービン100の運転制御方法を工程毎に示すフローチャートである。

0074

まず制御装置150のうち負荷状態判定部152は、目的負荷率Lt及び有効負荷率Leを取得する(ステップS1)。上述したように目的負荷率Ltは外部から取得される目標デマンド情報に基づいて算出され、有効負荷率Leは出力センサ124の検出値に基づいて算出される。

0075

続いて負荷状態判定部152はステップS1で取得された目的負荷率Lt及び有効負荷率Leに基づいて発電機108の負荷状態を判定する(ステップS2)。発電機108の負荷状態が取り得る第1負荷状態〜第3負荷状態は、図4に示すように、目的負荷率Lt及び有効負荷率Leに基づいてマップとして予め規定されており、ステップS1で取得した目的負荷率Lt及び有効負荷率Leを当該マップに照合することにより、発電機108の負荷状態が第1負荷状態〜第3負荷状態のいずれであるかが判定される。

0076

続いて運転モード選択部154は、ステップS2で判定した負荷状態に対応する運転モードを選択する(ステップS3)。運転モード選択部154が選択し得る運転モードは、図5に示すように、第1負荷状態〜第3負荷状態にそれぞれ対応する第1運転モード〜第3運転モードとして予め規定されている。

0077

続いて制御部156は、ステップS3で選択された運転モードに従ってガスタービン100を制御する(ステップS4)。これによりガスタービン100の回転数は、図5に示される各運転モードの回転数帯に維持される。各運転モードでは、タービンの回転数が各回転数帯に維持されることで、略一定回転数制御が行われるが、第1運転モード、第2運転モードあるいは第3運転モードの順に回転数帯が低回転側にあるため、発電機の負荷状態に応じて、これらの運転モードを切り替えることで、燃料消費量の低減が可能となる。

0078

また第1運転モードに対応する第1回転数帯B1及び第2運転モードに対応する第2回転数帯B2の間にある第1非選択回転数帯NB1、並びに、第2運転モードに対応する第2回転数帯B2及び第3運転モードに対応する第3回転数帯B3の間にある第2非選択回転数帯NB2がある。そのため、例えばタービン翼の固有周波数や電気回路に起因する軸振動に対応する好ましくない回転数を第1非選択回転数帯NB1又は第2非選択回転数帯NB2に含むように設定することで、負荷状態に応じて複数の運転モードを切り替えながらも、好ましくない回転数における運転を回避し、不具合発生を効果的に防止できる。

0079

以上説明したように上述の実施形態によれば、負荷に応じて回転数を低減することで燃費性能を向上しつつ、軸振動現象などの不具合発生を効果的に回避可能な1軸式ガスタービンの運転制御装置、運転制御方法及びプログラムを提供できる。

0080

本発明の少なくとも一実施形態は、1軸式ガスタービンの運転制御装置、運転制御方法及びプログラムに利用可能である。

0081

100ガスタービン
102圧縮機
104燃焼器
106タービン
108発電機
110電力変換装置
112燃料流量調整弁
114入口案内翼
115抽気弁
116ブレードパス温度検出器
118排ガス温度検出器
120吸気状態検出部
122車室内圧力センサ
124出力センサ
140電力系統
150制御装置
152負荷状態判定部
154運転モード選択部
156 制御部
158目標負荷率算出部
160 有効負荷率算出部
162タイムカウンタ
164差分算出部
166 判定部
168 ALR制御部
170ロードリミット制御部
172ガバナ制御部
174 温度リミット制御部
176燃料リミット制御部
178低値選択部
180 IGV制御部
182 抽気弁制御部
184電力変換制御部

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