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技術 不燃性装飾シート

出願人 凸版印刷株式会社
発明者 大島野乃花
出願日 2019年3月29日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2019-068271
公開日 2020年10月8日 (4ヶ月経過) 公開番号 2020-165236
状態 未査定
技術分野 積層体(2) 建築環境
主要キーワード 特殊建築物 無機質添加剤 非住宅 炭酸カルシウム塩 有機質添加剤 アクリレート系共重合体樹脂 紫外吸収剤 不燃認定
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年10月8日)のものです。
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図面 (2)

課題

不燃性意匠性を兼ね備えた不燃性装飾シートを提供する。

解決手段

不燃性装飾シート10は、熱可塑性樹脂及び無機質材料を含有する基材層1を備え、基材層1の一方の面及び他方の面のそれぞれに、アンカー層2及び透明樹脂層4が少なくともこの順で積層され、基材層1の一方の面及び他方の面の少なくとも何れかの側のアンカー層2と透明樹脂層4との間には印刷層3が設けられ、熱可塑性樹脂100質量部に対する無機質材料の含有量が50質量部超300質量部以下であり、透明樹脂層4が塩化ビニル系樹脂を含み、透明樹脂層4の坪量が10〔g/m2〕以上100〔g/m2〕未満の範囲内である。

概要

背景

従来、ホテルレストランといった非住宅建築物間仕切り等の装飾シートとしては、和風情緒豊かな和紙の意匠を持った装飾シート(装飾合成樹脂シート)が使用されている。
このような装飾シートの例としては、顔料を添加して半透明化した合成樹脂装飾模様印刷したものや、和紙の表裏両面に透光性のある合成樹脂フィルムを貼着一体化したもの(例えば、特許文献1参照)が挙げられる。

概要

不燃性意匠性を兼ね備えた不燃性装飾シートを提供する。不燃性装飾シート10は、熱可塑性樹脂及び無機質材料を含有する基材層1を備え、基材層1の一方の面及び他方の面のそれぞれに、アンカー層2及び透明樹脂層4が少なくともこの順で積層され、基材層1の一方の面及び他方の面の少なくとも何れかの側のアンカー層2と透明樹脂層4との間には印刷層3が設けられ、熱可塑性樹脂100質量部に対する無機質材料の含有量が50質量部超300質量部以下であり、透明樹脂層4が塩化ビニル系樹脂を含み、透明樹脂層4の坪量が10〔g/m2〕以上100〔g/m2〕未満の範囲内である。

目的

本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、特殊建築物内装材として使用可能となる不燃性と意匠性を兼ね備えた不燃性装飾シートを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

熱可塑性樹脂及び無機質材料を含有する基材層を備え、前記基材層の一方の面及び他方の面のそれぞれに、アンカー層及び透明樹脂層が少なくともこの順で積層され、前記基材層の一方の面及び他方の面の少なくとも何れかの側の前記アンカー層と前記透明樹脂層との間には印刷層が設けられ、前記熱可塑性樹脂100質量部に対する前記無機質材料の含有量が50質量部超300質量部以下であり、前記透明樹脂層が塩化ビニル系樹脂を含み、前記透明樹脂層の坪量が10g/m2以上100g/m2未満であることを特徴とする不燃性装飾シート

請求項2

前記熱可塑性樹脂の坪量が10g/m2以上60g/m2以下である請求項1に記載の不燃性装飾シート。

請求項3

前記基材層の全光線透過率が90%以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の不燃性装飾シート。

請求項4

前記基材層、前記アンカー層、前記印刷層、及び前記透明樹脂層で構成された積層体の全光線透過率が75%を超えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の不燃性装飾シート。

技術分野

0001

本発明は、不燃性装飾シートに関する。

背景技術

0002

従来、ホテルレストランといった非住宅建築物間仕切り等の装飾シートとしては、和風情緒豊かな和紙の意匠を持った装飾シート(装飾合成樹脂シート)が使用されている。
このような装飾シートの例としては、顔料を添加して半透明化した合成樹脂装飾模様印刷したものや、和紙の表裏両面に透光性のある合成樹脂フィルムを貼着一体化したもの(例えば、特許文献1参照)が挙げられる。

先行技術

0003

特開2003−25514号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、建築基準法第35条の2においては、特殊建築物(主に公共施設)の内装は、規模建物の種類等により、壁及び天井の室内に面する部分の仕上げ不燃材の使用が義務付けられており、壁面に常設する装飾シートには、不燃認定の取得が必要となる。
すなわち、特許文献1に開示されたような装飾シートは、不燃認定を取得できる仕様ではないため、特殊建築物の壁面に常設する装飾シートとして不適とされてしまう。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、特殊建築物の内装材として使用可能となる不燃性と意匠性を兼ね備えた不燃性装飾シートを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0005

上記課題を解決するために、本発明の一態様である不燃性装飾シートは、熱可塑性樹脂及び無機質材料を含有する基材層を備え、前記基材層の一方の面及び他方の面のそれぞれに、アンカー層及び透明樹脂層が少なくともこの順で積層され、前記基材層の一方の面及び他方の面の少なくとも何れかの側の前記アンカー層と前記透明樹脂層との間には印刷層が設けられ、前記熱可塑性樹脂100質量部に対する前記無機質材料の含有量が50質量部超300質量部以下であり、前記透明樹脂層が塩化ビニル系樹脂を含み、前記透明樹脂層の坪量が10〔g/m2〕以上100〔g/m2〕未満であることを特徴としている。

発明の効果

0006

本発明の一態様によれば、特殊建築物の内装材として使用可能となる不燃性と意匠性を兼ね備えた不燃性装飾シートを実現することができる。

図面の簡単な説明

0007

本発明の一実施形態に係る不燃性装飾シートの一例を示す断面図である。

実施例

0008

以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
ここで、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることがあることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。なお、以下の説明では、「質量部」を「部」ということがある。
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品材質、形状、構造等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。

0009

(構成)
本発明の一実施形態に係る不燃性装飾シート10は、図1に示すように、透明樹脂層4A、印刷層3A、アンカー層2A、基材層1、アンカー層2B、印刷層3B、及び透明樹脂層4Bが少なくともこの順で積層されてなる。すなわち、本発明の一実施形態に係る不燃性装飾シート10は、基材層1の一方の面1a及び他方の面1bのそれぞれに、アンカー層2(2A,2B)、印刷層3(3A,3B)及び透明樹脂層4(4A,4B)が少なくともこの順で積層されてなる。

0010

ここで、本発明の不燃性装飾シート10の他の態様として、基材層1の一方の面1a側又は他方の面1b側のみに印刷層3が設けられてもよい。すなわち、他の実施形態の不燃性装飾シートの構成として、基材層1の一方の面1a側にアンカー層2、印刷層3、及び透明樹脂層4が少なくともこの順で積層され、他方の面1b側に、アンカー層2、及び透明樹脂層4が少なくともこの順で積層される態様が含まれる。また、他の実施形態の不燃性装飾シートの構成として、基材層1の一方の面1a側にアンカー層2及び透明樹脂層4が少なくともこの順で積層され、他方の面1b側に、アンカー層2、印刷層3、及び透明樹脂層4が少なくともこの順で積層される態様が含まれる。

0011

なお、本発明の効果を損なわない範囲において、各層間に他の層が設けられてもよい。
また、本実施形態の不燃性装飾シート10の厚みは、0.021±0.004〔mm〕以上0.29±0.03〔mm〕以下であることが好ましい。また、本実施形態の不燃性装飾シート10の質量は、例えば、23±2.3〔g/m2〕以上314±30.2〔g/m2〕以下であることが好ましい。さらに、不燃性装飾シート10の全光線透過率が75%以上であることが好ましい。すなわち、図1に示すように不燃性装飾シート10が基材層1、アンカー層2、印刷層3、及び透明樹脂層4の積層体でなる場合には、この積層体の全光線透過率が75%以上であることが好ましい。また、例えば、不燃性装飾シート10が、基材層1の一方の面1a側にアンカー層2及び透明樹脂層4がこの順で積層され、他方の面1b側に、アンカー層2、印刷層3、及び透明樹脂層4がこの順で積層された積層体からなる場合には、この積層体の全光線透過率が75%以上となることが好ましい。

0012

以下の説明においては、基材層1を基準として、一方の面1a側を「おもて(面)側」、その反対側の他方の面1b側を「裏(面)側」ということがある。また、特におもて面側と裏面側とを区別する場合を除いて、透明樹脂層4A,4B、印刷層3A,3B(基材層1の両面側に印刷層が設けられる場合)、アンカー層2A,2Bを、それぞれ、透明樹脂層4、印刷層3、アンカー層2ということがある。
本発明の一実施形態に係る不燃性装飾シート10は、このような構成を有することによって、透明性、不燃性、長期の安定性のいずれにも優れている不燃性のシートである。

0013

<基材層>
基材層1は、熱可塑性樹脂と無機質材料とを含むシート状の層である。
基材層1においては、基材層1における上記熱可塑性樹脂100質量部に対する上記無機質材料の含有量の上限は、基材層1の機能や、本実施形態の不燃性装飾シート10の用途によって適宜決定されるが、例えば、300質量部が好ましく、200質量部がより好ましい。熱可塑樹脂の含有量100質量部に対して無機質材料の含有量が50質量部以下である場合には、不燃性または難燃性を得にくい傾向がある。
また、基材層1の厚みは、0.021〔mm〕以上0.05〔mm〕以下であることが好ましい。また、基材層1の全光線透過率は90%以上であることが好ましい。

0014

[無機質材料]
無機質材料は、粉末形状粉体形状)であることが好ましく、その平均粒子径が1〔μm〕以上3〔μm〕以下の範囲内であり、且つ最大粒子径が50〔μm〕以下であることが好ましい。無機質材料の平均粒子径及び最大粒子径が上記数値範囲内であれば、熱可塑性樹脂に対する無機質材料の分散性を向上させつつ、基材層1表面の平坦性を維持することができる。無機質材料の平均粒子径が1〔μm〕未満であると、無機質材料同士の凝集力が高まり、後述する熱可塑性樹脂への分散性が低下することがある。また、無機質材料の平均粒子径が3〔μm〕を超えると、基材層1表面の平坦性が低下し、アンカー層2の厚みが不均一となったり、ムラ欠けが発生したりすることがある。また、無機質材料の最大粒子径が50〔μm〕を超えると、基材層1表面の平坦性が低下し、アンカー層2の厚みが不均一となったり、ムラや欠けが発生したりすることがある。なお、本実施形態において、「平均粒子径」とは、モード径を意味する。

0015

無機質材料は、炭酸カルシウム及び炭酸カルシウム塩の少なくとも一方を含有した粉末である。無機質材料は、炭酸カルシウム及び炭酸カルシウム塩の少なくとも一方を、50質量%以上100質量%以下の範囲内で含むものが好ましい。つまり、炭酸カルシウム等が50質量%以上100質量%以下の範囲内であることが好ましい。炭酸カルシウム等の無機質材料の含有量が50質量%以上であれば、基材層1に、十分な不燃性または十分な難燃性を付与することができると共に、十分な機械強度を付与することができる。

0016

なお、無機質材料としては、炭酸カルシウム以外に、例えば、シリカ(特に中空シリカ)、アルミナ三酸化アンチモンアンチモンソーダ珪酸ジルコン酸化ジルコンなどのジルコニウム化合物水酸化マグネシウム水酸化アルミニウム塩基性炭酸マグネシウム硼砂ホウ酸亜鉛三酸化モリブデンあるいはジモリブデン酸アンチモンと水酸化アルミニウムの錯体など、三酸化アンチモンとシリカの錯体、三酸化アンチモンと亜鉛華の錯体、ジルコニウムケイ酸、ジルコニウム化合物と三酸化アンチモンの錯体、並びにそれらの塩などの少なくとも一種が挙げられる。特に、炭酸カルシウム及び炭酸カルシウム塩は製造手法による粒径コントロールや熱可塑性樹脂との相溶性の制御が容易であり、また、材料コストとしても安価であるため不燃シートの低廉化の観点からも好適である。

0017

また、無機質材料は、結晶性を有する粉末材料、所謂結晶粉末であってもよいし、結晶性を有さない粉末材料、所謂アモルファスタイプの粉末材料であってもよい。無機質材料が結晶性を有する粉末材料であれば、粉末自体が均質等方性を備えるため、粉末自体の機械強度が向上し、不燃シートの耐傷性耐久性が向上する傾向がある。また、無機質材料がアモルファスタイプの粉末材料であれば、粉末自体の電気伝導性熱伝導性、あるいは光透過率光吸収率を適宜調整することが可能となるため、触感等のバリエーション豊富な意匠性を付与することが可能となる。

0018

[熱可塑型樹脂]
熱可塑型樹脂は、ポリプロピレンポリエチレン及びポリエステルの少なくとも1種を含んでいれば好ましく、ポリプロピレンを含んでいればより好ましい。熱可塑性樹脂として、ポリプロピレン、ポリエチレン及びポリエステルの少なくとも1種を使用することで、無機質材料の分散性が向上する。また、熱可塑性樹脂として、ポリプロピレンを使用することで、無機質材料の分散性がさらに向上する。

0019

また、熱可塑性樹脂と無機質材料との合計含有量は、基材層1の質量に対して、90質量%以上100質量%以下の範囲内であることが好ましい。熱可塑性樹脂と無機質材料との合計含有量が上記数値範囲内であれば、十分な不燃性または十分な難燃性を得つつ、印刷適性ラミネート適性を向上させ、且つシートの折り曲げ部に発生する割れを低減することができる。熱可塑性樹脂と無機質材料との合計含有量が基材層1の質量に対して、90質量%未満であると、十分な不燃性または十分な難燃性が得られないことがある。また、印刷適性やラミネート適性が低下したり、シートの折り曲げ部に割れが発生したりすることがある。
なお、熱可塑性樹脂と無機質材料との含有量は、熱可塑型樹脂100質量部に対する無機質材料の含有量が、50質量部超300質量部以下であり、70質量部以上300質量部以下が好適である。
また、熱可塑性樹脂の坪量が10〔g/m2〕以上60〔g/m2〕以下であることが好ましい。

0020

<印刷層及びアンカー層>
印刷層3(3A,3B)は、基材層1のおもて面1a及び裏面1bのそれぞれにアンカー層2(2A,2B))を介して設けられる。なお、上述したように、印刷層3は、基材層1のおもて面1a側及び裏面1b側のアンカー層2と透明樹脂層4との間のどちらかのみに設けられてもよい。印刷層3(3A,3B)の両面のうち、アンカー層2(2A,2B)に対向する面(透明樹脂層4に対向する面とは反対側の面)側には、印刷インキによって例えば和紙柄が施されており、この面が印刷面として機能する。
上記印刷インキは、アクリル系樹脂バインダーとして含むインキ(以下、印刷層形成用インキともいう。)を、アンカー層2の一方の面に塗布して形成した層である。印刷層形成用インキにバインダーとして含まれるアクリル系樹脂としては、例えば、エチレンアクリル酸メチル共重合体樹脂(EMA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体樹脂(EEA)、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂(EMAA)、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂(EAA)、アイオノマー樹脂、またはそれらの混合物等のアクリレート系共重合体樹脂を主成分とするものを使用することができる。ここで、「主成分」とは、印刷層3を構成する成分のうち、最も含有量が多い成分をいう。

0021

<透明樹脂層>
透明樹脂層4を構成する熱可塑性樹脂組成物としては、本発明の効果を妨げない限りにおいて特に制限はなく、様々なフィルムが使用可能であるが、不燃性という観点から塩化ビニル系樹脂を含むことが好ましい。なお、透明樹脂層4を構成する熱可塑性樹脂(組成物)は、本明細書において透明樹脂層構成樹脂(組成物)ということがある。
透明樹脂層4を構成する熱可塑性樹脂組成物の坪量は、10〔g/m2〕以上100〔g/m2〕未満であることが好ましく、10〔g/m2〕以上70〔g/m2〕以下であることがより好ましい。
また、透明樹脂層4の厚みは、0.01〔mm〕以上0.05〔mm〕以下であることが好ましく、0.045〔mm〕以下がより好ましい。
ここで、本実施形態においては、基材層1のおもて面1a及び裏面1bに、アンカー層2、例えば和紙柄の印刷がされた印刷層3、透明樹脂層4をこの順で積層した状態においても、全光 線透過率は75%を超えることが好ましい。

0022

塩化ビニル樹脂
上記塩化ビニル樹脂としては、例えば、以下のような所要が挙げられる。
・厚さ〔mm〕:0.045±0.005以下
・質量〔g/m2〕:56.0±5.0以下(有機質量〔g/m2〕:55.9±5.5以下)
組成(質量%):
・塩化ビニル樹脂:85.4±1.452
アクリル樹脂:0.2±0.02
可塑剤(DINCH、エポキシ化大豆油等):7.74±0.77
有機系添加剤紫外吸収剤等):2.32±0.23
有機系安定剤(Ba−Zn系等):4.32±0.43
無機系添加剤群青):0.02±0.002

0023

また、上記塩化ビニル樹脂には、例えば、以下の所要のアクリル樹脂系塗料が含まれてもよい。
・質量(g/m2):10±1.0以下(固形量)(有機質量(g/m2):10±1.0以下)
・組成(質量%):
・アクリル樹脂:73.4±7.3〜88.9±8.8
有機質添加剤:9.64±0.96〜13.7±1.3
無機質添加剤(シリカ等):0〜16.8±1.6

0024

トップコート層
トップコート層(表面保護層)1は、不燃性装飾シート10に要求される耐候性耐汚染性等の表面物性を付与するために設けられる。
トップコート層5(5A,5B)は、透明樹脂層4のおもて面(印刷層3に対向する面とは反対側の面)の形状に沿って形成される。トップコート層5のおもて面の形状は、例えば平滑が好ましいが、必要に応じてエンボス形状を採用してもよい。トップコート層5(5A,5B)を形成することで耐候性や耐汚染性を向上させることができる。
トップコート層5を形成する樹脂としては、熱硬化型樹脂又は電離放射線硬化型樹脂等の硬化型樹脂が好ましい。また、トップコート層5(5A,5B)には、必要に応じて耐候剤やマット剤添加剤を加えても良い。マット剤を加えることによって、より和紙の質感に近づけた不燃性装飾シートを作製することも可能である。
以上説明したように、本実施形態の不燃性装飾シートは、熱可塑性樹脂と無機質材料とを含む基材層を有することにより、不燃性及び透明性をもった不燃性装飾シートを提供することができる。さらに基材層のおもて側及び裏側に印刷層を設けることによって、和紙柄など、意匠性を付与することができるため、特殊建築物の内装材として使用することができる不燃性装飾シートを提供することができる。

0025

<不燃性装飾シートの製造方法>
本実施形態の不燃性装飾シートの製造方法は、上記構成を満たす不燃性装飾シートを製造する方法であれば、特に限定されない。
例えば、まず、熱可塑性樹脂100質量部に対して無機質材料の含有量を50質量部超300質量部として熱可塑性樹脂と無機質材料とから基材層1を作成する。このとき、熱可塑性樹脂として坪量が10〔g/m2〕以上60〔g/m2〕以下の樹脂を用いる。また、基材層1の全光線透過率が90%以上となるように基材層1を作成する。
次に、この基材層1のおもて面1a及び裏面1bに、アンカー層2、印刷層3及び塩化ビニル系樹脂を含み、坪量が10〔g/m2〕以上100〔g/m2〕未満の透明樹脂層4をこの順に積層する。このとき、基材層1とアンカー層2と印刷層3と透明樹脂層4との積層体の全光線透過率が75%を超えるように基材層1を作成する。

0026

(実施例)
無機質材料と、熱可塑性樹脂であるポリプロピレン樹脂とで基材層1を作成しその厚みは100〔μm〕とした。なお、無機質材料の純度は、炭酸カルシウムが90質量%のものを使用した。また、無機質材料として平均粒子径(モード径)が2〔μm〕と8〔μm〕の2種類の異なる、無機質材料を混合したものであり、最大粒子径が50μm以下である無機質材料を使用した。このとき、ポリプロピレン100質量部に対して無機質材料の含有量を55質量部とした。さらに、熱可塑性樹脂として坪量が10〔g/m2〕以上60〔g/m2〕以下の樹脂を用いる。また、基材層1の全光線透過率が90%以上となるように基材層1を作成する。

0027

次に、基材層1のおもて面1a及び裏面1bをコロナ処理した。
次に、コロナ処理した基材層1のおもて面1a及び裏面1bのそれぞれに、塩酢ビを含むウレタン系アンカー層形成用のインキを塗膜厚みが1〔μm〕以上2〔μm〕以下の範囲内の値となるように塗工し、乾燥温度40℃、乾燥時間30秒間の条件で乾燥させた。こうして、基材層1のおもて面1a及び裏面1bのそれぞれに、アンカー層2A、2Bを形成した。
次に、アンカー層2A、2B上に、ウレタン系印刷層形成用インキを、塗膜厚みが1〔μm〕以上2〔μm〕以下となるように塗工(印刷)し、乾燥温度40℃、乾燥時間30秒間の条件で乾燥させた。こうしてアンカー層2A、2B上に印刷層3A、3Bを形成した。
その後、印刷層3A、3B上に透明樹脂層(表面保護層)4として塩化ビニル系樹脂層を形成した。

0028

このようにして作成した不燃性装飾シート10について、不燃性及び意匠性について評価した。
具体的には、不燃性装飾シート10に対し、コーンカロリーメータを用いた試験方法(ISO5660−1に準拠)にて燃焼性を確認した。結果、総発熱量は8〔MJ/m2〕を下回った。また、10秒以上継続して200〔kW/m2〕を超えることは無かった。また、加熱開始後20分間裏面に達する亀裂も発生しなかった。このように、本実施例に基づく不燃性装飾シート10は、不燃材の規格満足していること、つまり不燃性を有することが確認できた。

0029

また、意匠性については、不燃性装飾シート10に対して和紙調感じると判定した人が100人中80人以上の場合を、意匠性ありと判断し、80人未満の場合を意匠性なしと判断した。その結果、実施例に基づく不燃性装飾シート10に対し80人以上の人が和紙調を感じると判定し、意匠性ありと判断された。
また、実施例に基づく不燃性装飾シート10において、熱可塑性樹脂と炭酸カルシウムとの含有量の割合、および透明樹脂層の坪量について、条件を替えて不燃性装飾シートのサンプルを作成し、作成したサンプルについて、上記と同様にして評価を行った。

0030

具体的には実施例1の不燃性装飾シート10は、熱可塑性樹脂100質量部に対する炭酸カルシウムの含有量を55質量部とし、透明樹脂層の坪量を10〔g/m2〕とした。実施例2の不燃性装飾シート10は、熱可塑性樹脂100質量部に対する炭酸カルシウムの含有量を300質量部とし、透明樹脂層の坪量を60〔g/m2〕とした。比較例1の不燃性装飾シートは、熱可塑性樹脂100質量部に対する炭酸カルシウムの含有量を48質量部とし、透明樹脂層の坪量を8〔g/m2〕とした。比較例2の不燃性装飾シートは、熱可塑性樹脂100質量部に対する炭酸カルシウムの含有量を302質量部とし、透明樹脂層の坪量を102〔g/m2〕とした。

0031

これら実施例1および実施例2、比較例1および比較例2について、上記と同様の手順で不燃性および意匠性を評価した。その結果、実施例1および実施例2の不燃性装飾シート10の場合には、不燃性および意匠性を得ることができ、比較例1および比較例2の不燃性装飾シートの場合には、不燃性および意匠性を得ることができないことが確認された。

0032

1基材層
2(2A,2B)アンカー層
3(3A,3B)印刷層
4(4A,4B) 透明樹脂層
10不燃性装飾シート

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