図面 (/)

技術 調質熱処理用高炭素鋼板および摺動部材を製造する方法

出願人 日本製鉄株式会社
発明者 中村尚文野口恵太
出願日 2019年3月28日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2019-064341
公開日 2020年10月8日 (4ヶ月経過) 公開番号 2020-164891
状態 未査定
技術分野 すべり軸受 歯車・カム
主要キーワード 歯付き座金 菊座金 リング状部品 ロータリーブレード 刃物部材 波形座金 一次製品 調質熱処理後
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年10月8日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (20)

課題

従来の棒鋼あるいはシームレス鋼管素材として研削加工法により製造するよりも高い生産性によって摺動部材を製造可能とする。

解決手段

質量%で、C:0.95〜1.10%、Si:0.15〜0.35%、Mn:0.5%以下、P:0.025%以下、S:0.025%以下、Cr:1.3〜1.6%を含有する調質熱処理高炭素鋼板を摺動部材の素材として用いる。また、その素材に対して、切削しない成形を行って、調質熱処理前の摺動部材を製造する。

概要

背景

高炭素クロム軸受鋼は、高い耐磨耗性が要求される軸受けに多用されているが、その高い耐磨耗性を活かして軸受け以外にもワッシャギア刃物部品等、自動車を始め家電農機具その他の産業機械摺動部分において、高い面圧支える重要な摺動部材として使用されている。高炭素クロム軸受鋼は、JIS G 4805「高炭素クロム軸受鋼鋼材」として一般的に用いられている。

これらの摺動部材の多くは、棒鋼あるいはシームレス鋼管継ぎ目なし鋼管)を素材として、これらからマシニング装置等により研削して加工されることが一般的である。また、素材として用いられる棒鋼、シームレス鋼管の多くは、球状化焼きなましのままで使われることが一般的で、そのため、素材の表面は黒皮被覆されていることから表面の研削が必須となってくる。

例えば、特許文献1には、高炭素軸受鋼などの熱間鍛造リング又は継目無鋼管切断品冷間ローリングした後に切削加工を行うことによりベアリング軌道輪素形材を製造する方法が開示されている。特許文献2には、所定長さに切断した棒材の熱間鍛造により得られた中間素材を剪断して一対のリング状部品を形成し、このリング状部材を切削加工することでベアリングの外輪および内輪を製造する方法が開示されている。

概要

従来の棒鋼あるいはシームレス鋼管を素材として研削加工法により製造するよりも高い生産性によって摺動部材を製造可能とする。質量%で、C:0.95〜1.10%、Si:0.15〜0.35%、Mn:0.5%以下、P:0.025%以下、S:0.025%以下、Cr:1.3〜1.6%を含有する調質熱処理高炭素鋼板を摺動部材の素材として用いる。また、その素材に対して、切削しない成形を行って、調質熱処理前の摺動部材を製造する。

目的

本発明はこのような現状に鑑み、従来の棒鋼あるいはシームレス鋼管から研削加工法で製造するよりも材料歩留りや生産性に優れた、摺動部材の製造方法、および当該摺動部材の素材として適用可能な調質熱処理用高炭素鋼板を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

質量%で、C:0.95〜1.10%、Si:0.15〜0.35%、Mn:0.5%以下、P:0.025%以下、S:0.025%以下、Cr:1.3〜1.6%を含有することを特徴とする調質熱処理高炭素鋼板

請求項2

板厚が9.0mm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の調質熱処理用高炭素鋼板。

請求項3

金属組織焼鈍組織であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の調質熱処理用高炭素鋼板。

請求項4

請求項1〜3のいずれか1項に記載の調質熱処理用高炭素鋼板を素材とし、プレス加工を行って、調質熱処理前の摺動部材を製造する方法。

請求項5

前記摺動部材が、軸受け部材ギア部材刃物農機具部材、および編み機部材のいずれかである、ことを特徴とする請求項4に記載の摺動部材を製造する方法。

請求項6

請求項1〜3のいずれか1項に記載の調質熱処理用高炭素鋼板を素材とし、切削しない成形を行って、調質熱処理前の摺動部材を製造する方法。

技術分野

0001

本発明は、生産性に優れた、摺動部材の製造方法およびその摺動部材を製造するための素材として好適な、調質熱処理高炭素鋼板に関する。

背景技術

0002

高炭素クロム軸受鋼は、高い耐磨耗性が要求される軸受けに多用されているが、その高い耐磨耗性を活かして軸受け以外にもワッシャギア刃物部品等、自動車を始め家電農機具その他の産業機械摺動部分において、高い面圧支える重要な摺動部材として使用されている。高炭素クロム軸受鋼は、JIS G 4805「高炭素クロム軸受鋼鋼材」として一般的に用いられている。

0003

これらの摺動部材の多くは、棒鋼あるいはシームレス鋼管継ぎ目なし鋼管)を素材として、これらからマシニング装置等により研削して加工されることが一般的である。また、素材として用いられる棒鋼、シームレス鋼管の多くは、球状化焼きなましのままで使われることが一般的で、そのため、素材の表面は黒皮被覆されていることから表面の研削が必須となってくる。

0004

例えば、特許文献1には、高炭素軸受鋼などの熱間鍛造リング又は継目無鋼管切断品冷間ローリングした後に切削加工を行うことによりベアリング軌道輪素形材を製造する方法が開示されている。特許文献2には、所定長さに切断した棒材の熱間鍛造により得られた中間素材を剪断して一対のリング状部品を形成し、このリング状部材を切削加工することでベアリングの外輪および内輪を製造する方法が開示されている。

先行技術

0005

特開2003−230927号公報
特開2003−305533号公報

発明が解決しようとする課題

0006

上述のように棒鋼や継ぎ目なし鋼管を素材として研削加工により摺動部材を製造する場合、多くの削り粉が出て材料歩留まりが悪く、また、長い加工時間がかかって生産性が悪いなどの欠点がある。また、研削加工では、最終製品板厚が薄くなればなるほど研削に要する時間が長くなって生産性が悪くなる。さらに、研削加工では、最終製品の板厚が薄いほど研削時に加わる残留応力の影響によって形状が変化するため所望の形状を得ることが困難となる。

0007

本発明はこのような現状に鑑み、従来の棒鋼あるいはシームレス鋼管から研削加工法で製造するよりも材料歩留りや生産性に優れた、摺動部材の製造方法、および当該摺動部材の素材として適用可能な調質熱処理用高炭素鋼板を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明は、最終製品の摺動部材を、従来の棒鋼あるいはシームレス鋼管の切断品を素材として研削加工法により製造するのではなく、本発明の調質熱処理用高炭素鋼板を素材とし、切削しない成形、すなわち、例えば一般的なプレス加工方法により製造することで、高い生産性でもって摺動部材を製造可能とすることを主旨とするものである。

0009

(1)本発明の調質熱処理用高炭素鋼板は、摺動部材の素材として用いられる、質量%で、C:0.95〜1.10%、Si:0.15〜0.35%、Mn:0.5%以下、P:0.025%以下、S:0.025%以下、Cr:1.3〜1.6%を含有する調質熱処理用高炭素鋼板である。

0010

上記(1)の調質熱処理用高炭素鋼板は、切削しない成形(例えばプレス加工)に適した組成となっているため、切削しない成形(例えばプレス加工)を好適に行うことができる。したがって、調質熱処理用高炭素鋼板を切削しない成形(例えばプレス加工)によって摺動部材を好適に製造することが可能となる。

0011

(2)上記(1)に記載の調質熱処理用高炭素鋼板は、板厚が9.0mm以下であることが好ましい。

0012

上術のように、上記(1)の調質熱処理用高炭素鋼板は切削しない成形(例えばプレス加工)に適した組成を有しているため、板厚が9.0mm以下の比較的薄い鋼板であっても、研削加工を行った場合のように残留応力の影響によって所望の形状を得にくいといった不都合が生じることを防止することができる。

0013

(3)上記(1)又は(2)に記載の調質熱処理用高炭素鋼板は、金属組織焼鈍組織であることが好ましい。

0014

上記(3)の調質熱処理用高炭素鋼板によれば、焼鈍組織とすることで展延性を向上させることができる。これにより、調質熱処理用高炭素鋼板をより好適に切削しない成形(例えばプレス加工)を行うことができる。

0015

(4)本発明の摺動部材を製造する方法は、上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の調質熱処理用高炭素鋼板を素材とし、プレス加工を行って、調質熱処理前の摺動部材を製造する方法である。

0016

上記(4)の摺動部材を製造する方法によれば、調質熱処理用高炭素鋼板がプレス加工に適した組成となっているため、プレス加工を好適に行うことができる。したがって、調質熱処理用高炭素鋼板をプレス加工することによって摺動部材を好適に製造することが可能となる。

0017

(5)上記(4)に記載の摺動部材が、軸受け部材ギア部材、刃物、農機具部材、および編み機部材のいずれかであることが好ましい。

0018

上記(5)の摺動部材を製造する方法によれば、軸受け部材、ギア部材、刃物、農機具部材、および編み機部材のいずれかを好適に製造することができる。

0019

(6)本発明の摺動部材は、(1)〜(3)のいずれか一つに記載の調質熱処理用高炭素鋼板を素材とし、切削しない成形を行って、調質熱処理前の摺動部材を製造する方法である。

0020

上記(6)の摺動部材を製造する方法によれば、調質熱処理用高炭素鋼板が切削しない成形(例えばプレス加工)に適した組成となっているため、切削しない成形(例えばプレス加工)を好適に行うことができる。したがって、調質熱処理用高炭素鋼板を切削しない成形(例えばプレス加工)によって摺動部材を好適に製造することが可能となる。

発明の効果

0021

本発明によれば、従来の棒鋼あるいはシームレス鋼管から研削加工法で製造するよりも材料歩留りや生産性に優れた、摺動部材の製造方法、およびその素材として適用可能な調質熱処理用高炭素鋼板を提供することができる。

図面の簡単な説明

0022

本発明における摺動部材のひとつとして、軸受け部材の一例であるスラストころ軸受の概略の形状を示す模式的斜視図である。
本発明における摺動部材のひとつとして、軸受け部材の一例である玉軸受の概略の形状を示す模式的斜視図である。
本発明における摺動部材のひとつとして、ワッシャの一例である歯付き座金菊座金)の概略の形状を示す模式的斜視図である。
本発明における摺動部材のひとつとして、ワッシャの一例である波形座金の概略の形状を示す模式的斜視図である。
本発明における摺動部材のひとつとして、ワッシャの一例である平座金の概略の形状を示す模式的斜視図である。
本発明における摺動部材のひとつとして、ギア部材の一例である歯車の概略の形状を示す模式的斜視図である。
本発明における摺動部材のひとつとして、ギア部材の一例であるプレートの概略の形状を示す模式的斜視図である。
本発明における摺動部材のひとつとして、ギア部材の一例であるスリーブの概略の形状を示す模式的斜視図である。
本発明における摺動部材のひとつとして、ギア部材の一例であるシンクロナイザ・リングの概略の形状を示す模式的斜視図である。
本発明における摺動部材のひとつとして、ギア部材の一例であるシンクロナイザ・ハブおよびシンクロナイザ・キーの概略の形状を示す模式的斜視図である。
本発明における摺動部材のひとつとして、刃物部材の一例であるカッター刃の概略の形状を示す模式的斜視図である。
本発明における摺動部材のひとつとして、刃物部材の一例であるバンドソーの概略の形状を示す模式的斜視図である。
本発明における摺動部材のひとつとして、刃物部材の一例である洋の概略の形状を示す模式的斜視図である。
本発明における摺動部材のひとつとして、刃物部材の一例である和鋏の概略の形状を示す模式的斜視図である。
本発明における摺動部材のひとつとして、刃物部材の一例である草刈機ブレードの概略の形状を示す模式的斜視図である。
本発明における摺動部材のひとつとして、農機具部材の一例であるロータリーブレードの概略の形状を示す模式的斜視図である。
図16に示すロータリーブレードの一部(刃部)を拡大して示す模式的斜視図である。
本発明における摺動部材のひとつとして、農機具部材の一例である千歯扱き歯の概略の形状を示す模式的斜視図である。
本発明における摺動部材のひとつとして、編み機部材の一例であるメリヤス針の概略の形状を示す模式的斜視図である。

発明を実施するための最良の形態

0023

(実施形態1)調質熱処理用高炭素鋼板
本発明の調質熱処理用高炭素鋼板は、質量%で、C:0.95〜1.10%、Si:0.15〜0.35%、Mn:0.5%以下、P:0.025%以下、S:0.025%以下、Cr:1.3〜1.6%を含有する調質熱処理用高炭素鋼板である。この調質熱処理用高炭素鋼板は、切削しない成形(例えばプレス加工)に適した組成を有している。

0024

以下、合金成分について説明する。鋼組成に関する「%」は特に断らない限り「質量%」を意味する。Cは、焼入れ・焼き戻し等の調質熱処理後における、硬さ、強度、耐磨耗性を確保するために必要な元素であるが、C含有量が0.95%未満だと摺動部材としての耐磨耗性を満足できず、また過剰にCを含有すると粗大な未溶解炭化物が残存しやすくなり、それに起因して例えば、ベアリング部材等では転動疲労特性が低下する場合がある。またC含有量が多くなると打抜き加工性絞り加工性張出し加工性、穴広げ加工性、曲げ加工性等が劣化して部品成形が困難になることから、本発明では、C含有量0.95〜1.10%の鋼を対象とする。

0025

Siは、鋼の脱酸に有効な元素であり、また焼き戻し軟化抵抗を高める効果を奏する。ただし、過剰のSi含有鋼材の加工性を低下させる要因となるので、本発明ではSi含有量0.15〜0.35%の鋼を対象とする。

0026

Mnは、焼入れ性の向上に有効な元素であるが、過剰のMn含有は鋼材の打抜き加工性を低下させる要因となるので、本発明ではMn含有量0.5%以下の鋼を対象とする。

0027

Pは、焼入れ時にオーステナイト粒界偏析し、疲労特性靭性を低下させる要因となる。さらに0.025%を超えて含有させると延性脆性遷移温度の上昇を招くので、本発明ではP含有量0.025%以下の鋼を対象とする。

0028

Sは、MnS系介在物を形成し、打抜き加工性を劣化させるのみならず、ベアリング部材用途においては転動疲労破壊の起点となるので、少ないことが望ましい。本発明ではS含有量0.025%以下の鋼を対象とする。

0029

Crは、焼入れ性と熱処理定性を高める効果を奏する元素である。しかし、過剰に含有させると炭化物球状化と粗大化が抑制されて素材の硬さが高くなり、打抜き加工性、絞り加工性、張出し加工性、穴広げ加工性、曲げ加工性等が大幅に劣化するため、本発明ではCr含有量1.3〜1.6%の鋼を対象とする。

0030

Cuは、熱延中に生成する参加スケール剥離性を向上させるので、鋼板の表面性状改善に有効である。しかし、過剰に含有させると熱間脆性を生じるようになるので、本発明ではCu含有量0.02%以下の鋼を対象とする。

0031

Moは、焼入れ性を向上させる効果を奏するとともに、焼戻し軟化抵抗を増大させる効果を奏する元素である。そのため、Moを含有させることによって同じ調質硬さを得るための焼戻し温度を高めることができ、靭性の向上に効果がある。ただし、Moは高価な元素であり過剰含有は不経済となることから、本発明ではMo含有量0.08%以下の鋼を対象とする。

0032

Niは、焼入れ性を向上させるとともに熱処理後の靭性、特に低温靭性を向上させる元素である。しかし、過剰に含有させるとフェライト相の固溶強化により、絞り加工性、張出し加工性、曲げ加工性等が劣化することから、本発明ではNi含有量0.02%以下の鋼を対象とする。

0033

Oは、転動疲労破壊の起点となる酸化物系介在物を形成するので、できるだけ脱酸された鋼を使用することが軌道輪の転動疲労特性を向上させるうえで有利となる。そのため従来から軌道輪用の鋼材には例えばO含有量を0.001%(10ppm)未満のレベルにまで低減した高清浄度鋼を使用することが多かった。本発明においてもそのような高清浄度鋼を適用しても構わない。しかし、高清浄度鋼の溶製は製鋼工程での負荷を増大させ、生産性の低下や製造コストの上昇を招く要因となる。

0034

種々検討の結果、鋼中のO含有量は0.003%(30ppm)まで許容することができる。良好な転動疲労特性をより安定して実現しやすくするためには、O含有量を0.0025%以下、あるいは0.002%以下に管理してもよい。鋼の脱酸レベルは要求される転動疲労特性と製造コスト(ひいては部品価格)とのバランスで設定すればよい。O含有量を0.0001%以下にまで低減する必要はないので、本発明ではO含有量0.0001〜0.003%の鋼を対象とする。

0035

本実施形態に係る調質熱処理用高炭素鋼板は、このような組成を有しているため、切削しない成形(例えばプレス加工)に適した組成を有している。

0036

(実施形態2)生産性に優れる摺動部材用軟質高炭素クロム軸受鋼鋼板等の製造方法
上記実施形態1に示した組成を有する鋼は、一般的な鋼板製造工程を利用して圧延鋼板熱延鋼板または冷延鋼板)とされる。必要に応じて焼きなまし処理を施してもよく、その焼きなまし処理は球状化焼きなまし処理であってもよい。また、焼きなまし処理の後に、酸洗処理を施してもよい。また、本発明の調質熱処理用高炭素鋼板は、その上層に、さらに無機系、有機系あるいは無機有機複合クロム含有あるいはクロムフリー皮膜を有していてもよい。

0037

(実施形態3)生産性に優れた、摺動部材の製造方法
摺動部材の素材として、従来の棒鋼あるいはシームレス鋼管を素材とするのではなく、本発明の調質熱処理用高炭素鋼板を用いることにより、例えばベアリング等の摺動部材へ加工、成形する際、生産性に優れた切削しない成形(例えばプレス加工)を用いることが可能となる。プレス加工では、例えば、通常打抜き加工にてブランクを作製して、次に絞り加工、張出し加工、穴広げ加工、曲げ加工、打抜き加工等を適宜組み合わせて行って、焼入れ・焼き戻し等の調質熱処理前の一次製品としての所望の形状を得る。その後、必要に応じて、焼入れ・焼き戻し等の調質熱処理、などを行って、各種の最終製品を得ることができる。

0038

本発明の摺動部材の製造方法によって製造される摺動部材としては、具体的には、例えば、軸受け部材、ワッシャ(座金)、ギア部材、刃物部材、農機具部材、編み機部材などを挙げることができる。

0039

軸受け部材の一例として、例えば、スラストころ軸受100(図1参照)を挙げることができる。図1に示される例では、スラストころ軸受100は、円筒ころ104と、円筒ころ104を回転自在に保持する保持器103と、保持器103の両側に配置されて円筒ころ104を挟むレース(第1のレース101および第2のレース102)とを備えている。また、軸受け部材の他の一例として、玉軸受110(図2参照)を挙げることができる。図2に示される例では、玉軸受110は、ボール114と、ボール114を回転自在に保持する保持器113と、保持器113の両側に配置されてボール114を挟むレース(アウターレース111、インナーレース112)とを備えている。

0040

ワッシャの一例として、例えば、歯付き座金(菊座金)120(図3参照)を挙げることができる。また、ワッシャの他の一例として、波形座金130(図4参照)を挙げることができる。また、ワッシャの他の一例として、平座金140(図5参照)を挙げることができる。

0041

ギア部材としては、トランスミッションを構成する各種歯車、プレート、スリーブ、シンクロナイザなど耐摩耗性を必要とする部品などを挙げることができる。

0042

具体的には、ギア部材の一例として、例えば、トランスミッション用の歯車群シャフト外周の歯車を含む)300(図6参照)を挙げることができる。また、ギア部材の他の一例として、トランスミッション用の環状プレート群310(図7参照)を挙げることができる。また、ギア部材の他の一例として、トランスミッション用のスリーブ150(図8参照)を挙げることができる。また、ギア部材の他の一例として、シンクロナイザ・リング160(図9参照)を挙げることができる。また、ギア部材の他の一例として、シンクロナイザ・ハブ170およびシンクロナイザ・キー180(図10参照)を挙げることができる。

0043

刃物部材としては、カッター刃、バンドソー、ハサミ、草刈機のブレードなどを挙げることができる。

0044

具体的には、刃物部材の一例として、例えば、カッター刃190(図11参照)を挙げることができる。また、刃物部材の他の一例として、バンドソー200(図12参照)を挙げることができる。また、刃物部材の他の一例として、洋鋏210(図13参照)を挙げることができる。また、刃物部材の他の一例として、和鋏220(図14参照)を挙げることができる。また、刃物部材の他の一例として、草刈機のブレード230(図15参照)を挙げることができる。

0045

農機具部材としては、トラクターコンバイン田植え機などの耕転爪(ロータリーブレード)、千歯扱き歯などを挙げることができる。

0046

具体的には、農機具部材の一例として、例えば、ロータリーブレード240(図16参照)を挙げることができる。図16に示されるロータリーブレード240は、刃部241(図17参照)を備えている。なお、図17は、図16の一部(刃部241)を拡大して示す図である。また、農機具部材の他の一例として、千歯扱き歯250(図18参照)を挙げることができる。

0047

編み機部材としては、メリヤス針などを挙げることができる。

0048

具体的には、編み機部材の一例として、例えば、メリヤス針群320(図19参照)を挙げることができる。

0049

各工程の加工を1台あるいは複数台プレス機で連続的にプレスすることによって、1分間に数個から数十個の生産タクトで焼入れ・焼き戻し等の調質熱処理前の部材を得ることが可能となる。例えばベアリング部材であれば、その後、この部材をベースとして、切削などにより所定の軌道面を形成すればよい。加工後には焼入れ・焼き戻し等の調質熱処理を行って所定の硬さに調整され、その後必要に応じて歪み取りのための仕上げ切削を実施してもよい。

0050

本実施形態に係る摺動部材の製造方法によれば、切削しない成形(例えばプレス加工)に適した組成を有する調質熱処理用高炭素鋼板を、切削しない成形(例えばプレス加工)によって加工するので、従来の棒鋼あるいはシームレス鋼管から研削加工法で製造するよりも材料歩留りや生産性を高めることができる。

0051

本発明によれば、従来の棒鋼あるいはシームレス鋼管から研削加工法で製造するよりも材料歩留りや生産性に優れた、摺動部材の製造方法、および当該摺動部材の素材として適用可能な調質熱処理用高炭素鋼板を提供することができるため、摺動部材の普及に貢献することが期待される。

0052

100スラストころ軸受
101 第1のレース
102 第2のレース
110玉軸受
111アウターレース
112インナーレース
120菊座金
130波形座金
140平座金
150トランスミッション用のスリーブ
160シンクロナイザ・リング
170 シンクロナイザ・ハブ
180 シンクロナイザ・キー
190カッター刃
200バンドソー
210 洋鋏
220 和鋏
230草刈機のブレード
240ロータリーブレード
250千歯扱き歯
300 トランスミッション用の歯車群
310 トランスミッション用の環状プレート群
320メリヤス針群

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • NTN株式会社の「 軸受部材およびこれを備えた流体動圧軸受装置」が 公開されました。( 2021/01/07)

    【課題】高強度でラジアル軸受面の寸法精度に優れた焼結金属製の軸受部材を提供する。【解決手段】円筒状の焼結体からなり、内周面8aの軸方向に離間した二箇所にサイジングにより成形されたラジアル軸受面Aを有す... 詳細

  • トヨタ自動車株式会社の「 車両用プロペラシャフトの遮熱構造」が 公開されました。( 2021/01/07)

    【課題】遮熱部材の剛性を向上させて共振による遮熱部材の耐久性の低下を抑制する、車両用プロペラシャフトの遮熱構造を提供する。【解決手段】プロペラシャフト10は、トランスファ18から突き出す連結シャフト1... 詳細

  • キヤノン株式会社の「 駆動装置及び雲台装置」が 公開されました。( 2021/01/07)

    【課題】バックラッシ除去と破損防止の各機能を両立させた駆動装置を提供する。【解決手段】本発明に係る雲台装置1を構成するパン駆動部6は、ウォームホイール10と、ウォームホイールを駆動する駆動部9を備える... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ