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技術 粘着シート、積層シート、画像表示装置

出願人 三菱ケミカル株式会社
発明者 田畑大樹
出願日 2020年3月27日 (10ヶ月経過) 出願番号 2020-057141
公開日 2020年10月8日 (4ヶ月経過) 公開番号 2020-164859
状態 未査定
技術分野 積層体(2) 接着剤、接着方法 接着テープ
主要キーワード 伸縮試験 層間応力 部材シート 静的試験 本積層体 貯蔵剪断弾性率 字曲げ 面状体
関連する未来課題
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この項目の情報は公開日時点(2020年10月8日)のものです。
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課題

部材シートに貼着して積層シートを形成した際、低温及び高温における環境下で積層シートを折り畳み操作しても割れデラミを生じないばかりか、当該積層シートを高温条件下で折曲保持した際の復元性に優れる粘着シートの提供。

解決手段

下記(1)〜(3)の要件を満たす粘着シート。(1)周波数1Hzの剪断モード動的粘弾性測定により得られる80℃の貯蔵剪断弾性率(G’(80℃))が、1.0kPa以上100kPa以下(2)−20℃の貯蔵剪断弾性率(G’(−20℃))が、1.0kPa以上140kPa以下(3)周波数1Hzの剪断モードで動的粘弾性測定により貯蔵剪断弾性率を測定した際、y軸を貯蔵剪断弾性率(kPa)、x軸を温度(℃)としたグラフ上で、次式(1)で示される−20℃〜80℃の平均勾配が−0.40〜0(kPa/℃)。式(1)平均勾配=(G’(80℃)−G’(−20℃))/100

概要

背景

近年、有機発光ダイオード(OLED)や量子ドット(QD)を用いた、曲面からなる画像表示装置や、折り曲げ可能な画像表示装置が開発され、広く商用化されつつある。
このような表示装置は、カバーレンズ円偏光板タッチフィルムセンサー発光素子等(これらの部材を「部材シート」とも称する)が、透明な粘着シートで貼り合された積層構造をしており、部材シートと粘着シートが積層してなる複数の積層シートによって構成することができる。

折り曲げ可能な画像表示装置に用いる積層シートとしては、例えば特許文献1において、光学装置部材に、第1の粘着フィルムと、タッチ機能部材と、第2の粘着フィルムを備え、第1の粘着フィルム又は第2の粘着フィルムの80℃の貯蔵剪断弾性率が10kPa〜140kPaで、−20℃〜80℃の貯蔵剪断弾性率の平均勾配が−9.9〜0kPa/℃であるフレキシブルディスプレイ向けの光学装置部材が開示されており、好適な粘弾性の範囲が示されている。

概要

部材シートに貼着して積層シートを形成した際、低温及び高温における環境下で積層シートを折り畳み操作しても割れデラミを生じないばかりか、当該積層シートを高温条件下で折曲保持した際の復元性に優れる粘着シートの提供。下記(1)〜(3)の要件を満たす粘着シート。(1)周波数1Hzの剪断モード動的粘弾性測定により得られる80℃の貯蔵剪断弾性率(G’(80℃))が、1.0kPa以上100kPa以下(2)−20℃の貯蔵剪断弾性率(G’(−20℃))が、1.0kPa以上140kPa以下(3)周波数1Hzの剪断モードで動的粘弾性測定により貯蔵剪断弾性率を測定した際、y軸を貯蔵剪断弾性率(kPa)、x軸を温度(℃)としたグラフ上で、次式(1)で示される−20℃〜80℃の平均勾配が−0.40〜0(kPa/℃)。式(1)平均勾配=(G’(80℃)−G’(−20℃))/100なし

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

下記(1)〜(3)の要件を満たす粘着シート。(1)周波数1Hzの剪断モード動的粘弾性測定により得られる80℃の貯蔵剪断弾性率(G’(80℃))が、1.0kPa以上100kPa以下(2)周波数1Hzの剪断モードで動的粘弾性測定により得られる−20℃の貯蔵剪断弾性率(G’(−20℃))が、1.0kPa以上140kPa以下(3)周波数1Hzの剪断モードで動的粘弾性測定により貯蔵剪断弾性率を測定した際、y軸を貯蔵剪断弾性率(kPa)、x軸を温度(℃)としたグラフ上で、式(1)で示される−20℃〜80℃の平均勾配が−0.40〜0kPa/℃式(1)平均勾配=(G’(80℃)−G’(−20℃))/100

請求項2

前記粘着シートが、単官能メタアクリレート(a1)、及び、多官能(メタ)アクリレート(a2)をモノマー成分として有するアクリル系重合体を含む請求項1に記載の粘着シート。

請求項3

前記単官能(メタ)アクリレート(a1)が、炭素数9〜22のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートである請求項2に記載の粘着シート。

請求項4

前記単官能(メタ)アクリレート(a1)が、分岐構造であるアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートである請求項2または3に記載の粘着シート。

請求項5

前記多官能アクリレート(a2)が、多官能ウレタン(メタ)アクリレートである請求項2〜4のいずれかに記載の粘着シート。

請求項6

前記多官能アクリレート(a2)が、2官能ウレタン(メタ)アクリレートである請求項5に記載の粘着シート。

請求項7

前記アクリル系重合体が、モノマー成分として前記単官能(メタ)アクリレート(a1)を70〜95質量%、前記多官能(メタ)アクリレート(a2)を1〜30質量%含むことを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の粘着シート。

請求項8

粘着シートの周波数1Hzの剪断測定における80℃の損失正接(tanδ(80℃))が、0.60以下である請求項1〜7のいずれかに記載の粘着シート。

請求項9

周波数1Hzの剪断モードで動的粘弾性測定により得られる損失正接の極大点が、−25℃以下にある請求項1〜8のいずれかに記載の粘着シート。

請求項10

下記(4)を満たす第1の部材シートと、請求項1〜9のいずれかに記載の粘着シートが積層されてなる構成を備えた積層シート。(4)ASTMD882に準拠して測定した25℃の引張強度が、10MPa〜900MPa

請求項11

前記第1の部材シートと、請求項1〜9のいずれかに記載の粘着シートと、第2の部材シートがこの順で積層されてなる構成を備えた請求項10に記載の積層シート。

請求項12

前記第1の部材シートがタッチ入力機能を有することを特徴とする請求項10または11に記載の積層シート。

請求項13

請求項12に記載の積層シートを備えた画像表示装置

技術分野

0001

本発明は、粘着シート積層シート、及び、画像表示装置に関する。

背景技術

0002

近年、有機発光ダイオード(OLED)や量子ドット(QD)を用いた、曲面からなる画像表示装置や、折り曲げ可能な画像表示装置が開発され、広く商用化されつつある。
このような表示装置は、カバーレンズ円偏光板タッチフィルムセンサー発光素子等(これらの部材を「部材シート」とも称する)が、透明な粘着シートで貼り合された積層構造をしており、部材シートと粘着シートが積層してなる複数の積層シートによって構成することができる。

0003

折り曲げ可能な画像表示装置に用いる積層シートとしては、例えば特許文献1において、光学装置部材に、第1の粘着フィルムと、タッチ機能部材と、第2の粘着フィルムを備え、第1の粘着フィルム又は第2の粘着フィルムの80℃の貯蔵剪断弾性率が10kPa〜140kPaで、−20℃〜80℃の貯蔵剪断弾性率の平均勾配が−9.9〜0kPa/℃であるフレキシブルディスプレイ向けの光学装置部材が開示されており、好適な粘弾性の範囲が示されている。

先行技術

0004

US2016/0122599号公報

発明が解決しようとする課題

0005

折り畳み可能な画像表示装置を構成する複層シートに関しては、折り曲げた時の層間応力に起因する様々な課題が生じている。例えば、折り畳んだ際に層間で剥がれが発生する場合があり、折り畳んでも剥がれない積層シートが求められていた。また、画面を折り畳んだ状態から開いたときに、速やかに平らな状態に復元する積層シートが求められていた。さらに、折り畳み操作を繰り返すうちに、被着体である部材シートに亀裂が生じ、遂には破断する場合があり、特に低温での繰り返しの折り畳み操作で耐久性のある積層シートが求められていた。

0006

しかしながら、上記特許文献1に開示されている粘着シート、例えばその実施例に示されている粘着シートは、折り畳み時の曲率半径によっては、粘着シートの歪量が大きくなり、粘着後に層間が剥離する現象デラミネーション、「デラミ」と称する)等の不具合が生じることがあった。
また、近年、画像表示装置及びその構成部材の厚みがますます薄くなっており、折り畳みによる層間応力によっては、粘着シートを貼着する被着体に亀裂を生じるなどの問題があった。

0007

そこで、本発明は、粘着シートを部材シートに貼着して積層シートを形成した際、低温及び高温における環境下で当該積層シートを折り畳み操作しても、割れやデラミを生じさせない粘着シート及び積層シートを提供せんとするものである。さらには、温度依存性がなく、当該積層シートを高温条件下で折曲保持した際の復元性に優れる粘着シート及び積層シートを提供せんとするものである。

課題を解決するための手段

0008

本発明は、下記(1)〜(3)の要件を満たす粘着シートを提案する。
(1)周波数1Hzの剪断モード動的粘弾性測定により得られる80℃の貯蔵剪断弾性率(G’(80℃))が、1.0kPa以上100kPa以下
(2)周波数1Hzの剪断モードで動的粘弾性測定により得られる−20℃の貯蔵剪断弾性率(G’(−20℃))が、1.0kPa以上140kPa以下
(3)周波数1Hzの剪断モードで動的粘弾性測定により貯蔵剪断弾性率を測定した際、y軸を貯蔵剪断弾性率(kPa)、x軸を温度(℃)としたグラフ上で、式(1)で示される−20℃〜80℃の平均勾配が−0.40〜0kPa/℃
式(1) 平均勾配=(G’(80℃)−G’(−20℃))/100

0009

本発明はまた、前記粘着シートと部材シートとが積層されてなる構成を備えた積層シートを提案する。
この際、当該部材シートは、ASTMD882に準拠して測定した25℃の引張強度が、10MPa〜900MPaである部材シート(「第1の部材シート」とも称する)であるのが好ましい。

発明の効果

0010

本発明が提案する粘着シートは、部材シートに貼着して積層シートを形成した際、当該部材シートにかかるストレスを低減することができ、低温及び高温における環境下で折り畳み操作をしても、当該積層シートのデラミや割れを防止できる。さらに、この積層シートは、高温条件下で折曲保持した際の復元性に優れている。
よって、本発明が提案する粘着シート及びこれを用いた積層シートは、折り畳み可能な画像表示装置等の構成部材として好適に用いることができる。

実施例

0011

次に、実施の形態例に基づいて本発明を説明する。但し、本発明が次に説明する実施形態に限定されるものではない。

0012

本粘着シート
本発明の実施形態の一例に係る粘着シート(以下、「本粘着シート」と称することがある。)は、下記(1)〜(3)の要件を満たす粘着シートである。
(1)周波数1Hzの剪断モードで動的粘弾性測定により得られる80℃の貯蔵剪断弾性率(G’(80℃))が、1kPa以上100kPa以下
(2)周波数1Hzの剪断モードで動的粘弾性測定により得られる−20℃の貯蔵剪断弾性率(G’(−20℃))が、1kPa以上140kPa以下
(3)周波数1Hzの剪断モードで動的粘弾性測定により貯蔵剪断弾性率を測定した際、y軸を貯蔵剪断弾性率(kPa)、x軸を温度(℃)としたグラフ上で、式(1)で示される−20℃〜80℃の平均勾配が−0.40〜0kPa/℃
式(1) 平均勾配=(G’(80℃)−G’(−20℃))/100

0013

また、本発明の実施形態の一例に係る積層シート(以下、「本積層シート」と称することがある。)は、下記(4)を満たす部材シート(「第1の部材シート」と称する)と、本粘着シートが積層されてなる構成を備えた積層シートである。
(4)ASTMD882に準拠して測定した25℃の引張強度が、10MPa〜900MPa

0014

先ずは、本積層シートを構成する本粘着シートについて説明する。

0015

<貯蔵剪断弾性率と損失正接
本粘着シートは、周波数1Hzの剪断モードで動的粘弾性測定により得られる80℃の貯蔵剪断弾性率(G’(80℃))が、1kPa以上100kPa以下であるのが好ましい。

0016

本粘着シートの80℃の貯蔵剪断弾性率(G’(80℃))は1kPa以上100kPa以下であるのが好ましく、中でも2kPa以上或いは90kPa以下であるのがより好ましく、3kPa以上或いは80kPa以下であるのがさらに好ましい。
貯蔵剪断弾性率(G’(80℃))を上記範囲とすることで、例えば本粘着シートを部材シートに貼着して積層シートを形成した際、常温から高温において、積層シートの折り曲げ時の層間応力を小さくすることができ、部材シートのデラミや割れを抑制することができる。

0017

本粘着シートの周波数1Hzの剪断測定における80℃の損失正接(tanδ(80℃))は、0.60以下であるのが好ましい。0.50以下であるのがより好ましく、0.40以下であるのがさらに好ましい。損失正接(tanδ(80℃))を上記範囲とすることで、粘着シートの流動を抑えることができ、例えば本粘着シートを部材シートに貼着して積層シートを形成した際、当該積層シートを折り曲げ状態から開いた際の復元性を良好にすることができる。

0018

このように貯蔵剪断弾性率(G’(80℃))と損失正接(tanδ(80℃))の両方を小さくするためには、架橋点間分子量を大きくし、ゲル成分を多くすればよい。粘着シートにおいて架橋点間分子量を大きくするには、多官能モノマーを減らしたり、高分子量架橋剤を用いたりすればよい。但し、これらの方法に限定するものではない。
さらに、損失正接(tanδ(80℃))を小さくするには、本粘着シート中の未架橋や未反応の成分を減らしたりすればよい。但し、これらの方法に限定するものではない。

0019

本粘着シートの貯蔵剪断弾性率(G’(80℃))が100kPa以下であっても、損失正接(tanδ(80℃))が大きい場合は本粘着シートが高温屈曲時にクリープ変形することになる。しかしながら、損失正接(tanδ(80℃))を0.60以下とすることで、クリープ変形を抑えることができ、折り曲げ状態から開いた際の復元性も良好にできる。

0020

本粘着シートの周波数1Hzの剪断モードで動的粘弾性測定により得られる−20℃の貯蔵剪断弾性率(G’(−20℃))は、1kPa以上140kPa以下であるのが好ましい。中でも1kPa以上或いは139kPa以下がさらに好ましい。粘着シートの貯蔵剪断弾性率(G’(−20℃))を140kPa以下とすることで、低温での折り曲げ時の層間応力を小さくすることができ、部材シートのデラミや割れを抑制することができる。
一般的に粘着シートは低温から常温間にガラス転移温度(Tg)があるため、貯蔵剪断弾性率(G’(−20℃))は貯蔵剪断弾性率(G’(80℃))よりも大きくなる。しかし、貯蔵剪断弾性率G’(−20℃))が140kPa以下であれば、低温で折り曲げ操作をしても、部材シートの割れを防止することができる。

0021

近年、部材シートの厚みはますます薄くなっているため、部材シートへのストレスを低減することが重要となる。
なお、本粘着シートを貼着する部材シートであって、当該画像表示装置に使用される部材シートとして使用されるものとしては、画像表示装置に使用される部材シートとして、例えばポリイミドポリエステル、TAC、環状オレフィン等からなるシートを挙げることができる。
中でも環状オレフィンポリマーの25℃の引張強度は100μmで40MPa〜60MPaと低く、このような引張強度が低めの部材シートを用いた積層シートの場合は、折り曲げ時に割れが生じやすく、従来技術の範囲では割れを解消することが困難であった。

0022

そこで、粘着シートの−20℃〜80℃の貯蔵弾性率の平均勾配を小さくすることで、粘着シートを部材シートに貼着し、低温で折り曲げた際に生じる層間応力を低減でき、結果として部材シートの割れを抑制できる。
ここで、平均勾配(kPa/℃)は下記式(1)で表される。
式(1) 平均勾配=(G’(80℃)−G’(−20℃))/100

0023

さらに、−20℃〜80℃の貯蔵弾性率の平均勾配を小さく、損失正接(tanδ(80℃))が0.60以下を満たす粘着シートであれば、積層シートを高温多湿下に暴露した際に、発泡抑制することができる。

0024

[損失正接(tanδ)の極大点、及び、ガラス転移温度(Tg)]
本粘着シートの周波数1Hzの剪断モードで動的粘弾性測定により得られる損失正接の極大点は、−25℃以下にあるのが好ましい。
当該損失正接(tanδ)の極大点は、ガラス転移温度(Tg)と解釈することができ、ガラス転移温度(Tg)が上記範囲にあることで、本粘着シートの貯蔵剪断弾性率(G’(−20℃))を140kPa以下に調整しやすい。

0025

なお、「ガラス転移温度」とは、損失正接(tanδ)の主分散のピークが現れる温度をいう。よって、周波数1Hzの剪断モードで動的粘弾性測定により得られる損失正接(tanδ)の極大点が1点のみ観察される場合、言い換えれば、tanδ曲線が単山形状を呈する場合、ガラス転移温度(Tg)が単一であるとみなすことができる。
損失正接(tanδ)の「極大点」とは、tanδ曲線におけるピーク値、すなわち微分した際に正(+)から負(−)に変化する変曲点の中で、所定範囲或いは全体範囲において最大の値を持つ点の意味である。

0026

種々の温度における弾性率(貯蔵弾性率)G’、粘性率損失弾性率)G”及びtanδ=G”/G’は、ひずみレオメーターを用いて測定することができる。

0027

比誘電率
本粘着シートの比誘電率は5.0以下であるのが好ましい。
本粘着シートの比誘電率が5.0以下であれば、本粘着シートを例えばタッチパネルの下側の部材に使用した際、誤作動などを少なくすることができる。
かかる観点から、本粘着シートは、比誘電率が5.0以下であるのが好ましく、中でも2.0以上或いは4.5以下、その中でも2.5以上或いは4.0以下であるのが好ましい。
本粘着シートの比誘電率を調整する方法としては、例えばポリオレフィン粘着剤シリコーン系粘着剤などを混合することで、比誘電率を上記範囲に調整することができる。本粘着シートを構成するアクリル系重合体として、炭素数9〜22のアルキル基を有する(メタアクリレートをモノマー成分として選択することで、比誘電率を低下させることができる。但し、このような方法に限定するものではない。

0028

全光線透過率ヘイズ
本粘着シートの全光線透過率は85%以上であることが好ましく、88%以上であることがさらに好ましく、90%以上であることがより好ましい。
また、本粘着シートは、ヘイズが1.0%以下であることが好ましく、0.8%以下であることがさらに好ましく、特に0.5%以下であることがより好ましい。
本粘着シートのヘイズが1.0%以下であることにより、画像表示装置用の用途に使用することができる。本粘着シートのヘイズを上記範囲にするためには、本粘着シートが有機粒子等の粒子を含まないことが好ましい。

0029

<本粘着シートの厚み>
本粘着シートの厚みは、特に制限されるものではなく、その厚みが5μm以上であれば、ハンドリング性が良好であり、また、厚みが1000μm以下であれば、積層体薄型化に寄与することができる。
よって、本粘着シートの厚みは、5μm以上であるのが好ましく、中でも8μm以上、特に10μm以上であるのがより好ましい。一方、上限に関しては、1000μm以下であるのが好ましく、中でも500μm以下、特に250μm以下であるのがさらに好ましい。

0030

[アクリル系重合体]
本粘着シートは、単官能(メタ)アクリレート(a1)、及び、多官能(メタ)アクリレート(a2)をモノマー成分として有するアクリル系重合体を含む。これらモノマー成分を含有していれば、それ以外の成分は特に限定されず、他のモノマー成分やポリマー成分を含有していてもよい。
以下、アクリル系重合体について詳述する。

0031

<単官能(メタ)アクリレート(a1)>
アクリル系重合体の構成モノマーである単官能アクリレートとしては、アルキル(メタ)アクリレート以外に、カルボキシル基含有アクリレート、水酸基含有アクリレートエポキシ基含有アクリレートアミノ基含有アクリレート、アミド基含有アクリレート等を挙げることができる。
本発明においては、単官能アクリレートはアクリル系重合体のガラス転移温度を調整する観点からアルキル(メタ)アクリレートであることが好ましい。

0032

アルキル(メタ)アクリレートとしては、直鎖又は分岐アルキル(メタ)アクリレートのいずれも採用することができる。例としては、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリートイソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0033

これらのアルキル(メタ)アクリレートの中でも、アクリル系重合体のガラス転移温度を調整する観点から、単官能(メタ)アクリレート(a1)が炭素数9〜22のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートであることが好ましく、炭素数9〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートであることがさらに好ましい。
アルキル(メタ)アクリレートは、そのアルキル基の炭素数、分岐の有無、及び、分岐の構造によって、ホモポリマーのガラス転移温度が異なっており、前記の平均勾配を−0.4〜0.0kPa/℃に調整するためには、できる限りアクリル系重合体が低いガラス転移温度となる組み合わせとすることが好ましく、アルキル炭素数が9〜22の範囲内であれば、低いガラス転移温度に調整しやすくなる。分岐構造であるアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートは、炭素数が大きい場合でも結晶性がなく低いガラス転移温度であるので、特に好ましい。

0034

前記アクリル系重合体は、前記単官能(メタ)アクリレート(a1)を構成モノマーとして70〜95質量%含むことが好ましく、75〜90質量%含むことがさらに好ましい。上記の範囲であれば、本積層体において低温〜高温において部材シートのデラミや割れを抑制することが容易となる。

0035

<多官能(メタ)アクリレート(a2)>
アクリル系重合体の構成モノマーとして、上記単官能(メタ)アクリレート(a1)の他、多官能(メタ)アクリレートを含有することが好ましい。
多官能(メタ)アクリレートをモノマー成分として含有することで、本粘着シートは架橋ネットワークを形成し、貯蔵剪断弾性率が高温においても維持でき粘着特性発現することができる。

0036

多官能(メタ)アクリレート(a2)は、複数の(メタ)アクリレート基を有するアクリレートであれば制限はないが、本粘着シートの貯蔵剪断弾性率(G’(80℃))を100kPa以下に調整しやすくする観点から、多官能ウレタン(メタ)アクリレートであることが好ましい。
前記の平均勾配を−0.4〜0.0kPa/℃に調整するためには、高温側での貯蔵剪断弾性率(G’)が下がらないように架橋ネットワークを形成する必要がある。上記したアルキル(メタ)アクリレートに加えて、多官能ウレタン(メタ)アクリレートをモノマー成分として選択することで、適切なネットワーク形成をしやすくなる。特に架橋密度を上げすぎず貯蔵剪断弾性率(G’(80℃))を100kPa以下にする観点から、多官能(メタ)アクリレート(a2)は、2〜3個の(メタ)アクリレート基を有する2〜3官能のウレタン(メタ)アクリレートがより好ましく、2官能ウレタン(メタ)アクリレートが特に好ましい。

0037

多官能ウレタン(メタ)アクリレートの種類は特に制限はないが、好ましくは、分子内に2個以上の水酸基を有するポリオール化合物と、分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物と、少なくとも分子中に1個以上の水酸基を含有する(メタ)アクリレートとの反応生成物からなる多官能ウレタン(メタ)アクリレートであることが好ましい。
また、多官能ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量は、好ましくは、20,000〜100,000であり、更に好ましくは25,000〜90,000であり、特に好ましくは、30,000〜80,000である。重量平均分子量が20,000以上であれば架橋密度が高くなりすぎず、貯蔵剪断弾性率(G’(80℃))を100kPa以下に調整しやすくなる。一方、重量平均分子量が100,000以下であれば、一定以上の架橋密度を維持でき、平均勾配を−0.4〜0.0kPa/℃に調整しやすくなる。
なお、本発明において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量をいう。

0038

分子内に2個以上の水酸基を有するポリオール化合物は、例として、ポリエーテルポリオールポリエステルポリオールカプロラクトンジオールビスフェノールポリオール、ポリイソプレンポリオール、水添ポリイソプレンポリオールポリブタジエンポリオール水添ポリブタジエンポリオールひまし油ポリオール、ポリカーボネートジオール等が挙げられる。中でも、透明性に優れ、耐久性に優れることから、ポリカーボネートジオール、ポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオールが好ましく、特に好ましくは、高温高湿度条件下でも白濁を生じないという観点からポリカーボネートジオール、水添ポリブタジエンポリオールが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、複数を組み合わせて使用してもよい。

0039

分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物は、例えば芳香族ポリイソシアネート脂環式ポリイソシアネート脂肪族ポリイソシアネートなどが挙げられ、中でも柔軟性のある硬化物が得られるという観点で、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネートが好ましい。これらは単独で使用してもよく、複数を組み合わせて使用してもよい。
芳香族ポリイソシアネートの例としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートジフェニルメタンジイソシアネートナフタレン−1,5−ジソシアナートトリフェニルメタントリイソシアネートなどが挙げられ、脂環式ポリイソシアネートの例としては、イソホロンジイソシアネートビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、1,3−ビス(イソシアナトメチルシクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ノルボルナンジイソシアネートビシクロヘプタントリイソシアネート等が挙げられ、脂肪族ポリイソシアネートの例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,6,11−ウンデカトリイソシアネート等が挙げられる。中でも、高温高湿度下に置いた場合に接着層に白濁が生じない硬化物が得られることから、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネートが好ましい。

0040

少なくとも分子中に1個以上の水酸基を含有する(メタ)アクリレートは、例えば、エチレングリコールプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコール等の二価アルコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリメチロールプロパングリセリン等の三価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート又はジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、複数を組み合わせて使用してもよい。

0041

多官能ウレタン(メタ)アクリレートの合成方法は特に限定されるものではなく、公知の方法を使用することができる。例えば、分子内に2個以上の水酸基を有するポリオール化合物と、分子内に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物とを、モル比(ポリオール化合物:イソシアネート化合物)で好ましくは3:1〜1:3、より好ましくは2:1〜1:2の割合で、希釈剤(例えば、メチルエチルケトンメトキシフェノール等)中で反応させることによって、ウレタンプレポリマーを得る。得られたウレタンプレポリマー中に残存するイソシアネート基と、これと反応するのに十分な量の少なくとも分子中に1個以上の水酸基を含有する(メタ)アクリレートとを反応させることによって、多官能ウレタン(メタ)アクリレートが得られる。
この時に用いる触媒としては、例えば、オレイン酸鉛テトラブチルスズ、三塩化アンチモントリフェニルアルミニウムトリオクチルアルミニウムジブチル錫ジラウレートナフテン酸銅ナフテン酸亜鉛オクチル酸亜鉛オクテン酸亜鉛ナフテン酸ジルコニウムナフテン酸コバルト、テトラ−n−ブチル−1,3−ジアセチルオキシジスタノキサントリエチルアミン、1,4−ジアザ[2,2,2]ビシクロオクタン、N−エチルモルホリンなどを挙げることができる。

0042

アクリル系重合体の構成モノマーとして含まれる多官能ウレタン(メタ)アクリレート(a2)の含有量は1〜30質量%が好ましく、含有量は3〜20質量%がより好ましい。上記の範囲であれば、本積層体において低温〜高温において部材シートのデラミや割れを抑制することが容易となる。

0043

アクリル系重合体は、モノマー成分として前記単官能(メタ)アクリレート(a1)を70〜95質量%、前記多官能(メタ)アクリレート(a2)を1〜30質量%含むことが好ましい。

0044

<その他モノマー成分>
アクリル系重合体は上記以外のモノマー成分を含有することができる。
例えば、部材シートとの密着性を向上させるために、極性基を有するモノマーを含有することが好ましい。モノマーが有する極性基としては、水酸基、チオール基カルボキシル基カルボニル基エステル基、アミノ基、アミド基、グリシジル基シラノール基などが挙げられ、中でも部材との密着性を向上させ、周辺部材腐食させにくい極性基として水酸基、アミノ基、アミド基、カルボニル基、エステル基、グリシジル基、シラノール基が好ましく、中でも特に密着性の向上に効果が高いものとして水酸基、アミノ基、アミド基、グリシジル基が好ましい。
このような極性基を含有するモノマーとしては、例えば4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ジエチルアクリルアミドヒドロキシエチルアクリルアミドアクリロイルモルフォリン、4−t−ブチルシクロヘキシルアクリレートなどが挙げられる。中でも4−ヒドロキシブチルアクリレート、ジエチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、アクリロイルモルフォリンがコストや密着性の観点から特に好ましい。
また、上記単官能モノマー以外にも2官能以上のアクリレートを含有してもよい。

0045

本粘着シートは、重合体以外にも、防錆剤を含有してもよい。
防錆剤の種類としては、トリアゾール類ベンゾトリアゾール類が特に好ましく、タッチパネル上の透明電極が腐食するのを防止することができる。
好ましい添加量は本粘着シートに対して0.01〜5質量%であり、0.1〜3質量%がさらに好ましい。

0046

本粘着シートは、重合体以外にも、シランカップリング剤を含有してもよい。
シランカップリング剤の種類としては、グリシジル基を含有する物や、(メタ)アクリル基ビニル基を有するものが特に好ましい。これらを含有することで、粘着シートを積層体にした際に、部材シートとの密着性が向上し、湿熱環境下での発泡現象を抑制することができる。
好ましい添加量は本粘着シートに対して0.01〜3質量%であり、0.1〜1質量%がさらに好ましい。被着体によっては、シランカップリング剤は0.01質量%の添加でも効果を発現することができる。一方で、3質量%以下に調整することで脱アルコールによる発泡を抑えることができる。

0047

本粘着シートは、その他、重合開始剤硬化促進剤充填剤カップリング剤紫外線吸収剤紫外線安定剤酸化防止剤、安定剤、顔料、又はこれらの幾つかの組み合わせを添加してもよい。
これら添加剤の量は、典型的には、粘着シートの硬化に悪影響を与えないように、又は粘着シートの物理的特性に悪影響を与えないように選択するのが好ましい。

0048

[部材シート]
本積層シートは、第1の部材シートと、上記の粘着シートが積層されてなる構成を備えた積層シートである。ここで第1の部材シートは、ASTMD882に準拠して測定した25℃の引張強度が10MPa〜900MPaであることが好ましい。
また、第1の部材シートと、本粘着シートと、任意の部材シート(「第2の部材シート」と称する)とが、この順で積層されてなる構成を備えた積層シートであるのが好ましい。
この場合、第1の部材シートと第2の部材シートは、本粘着シートの両面それぞれに位置するシートという意味であり、第1及び第2には個別の定義はない。
よって、第1の部材シートと第2の部材シートは同じでもよいし、異なるものでもよい。

0049

本積層シートの厚みは、特に制限されるものではない。例えば、画像表示装置に使用される場合の一例としては、本積層体はシート状であり、その厚みが0.01mm以上であれば、ハンドリング性が良好であり、また、厚みが1mm以下であれば、積層体の薄型化に寄与することができる。
よって、本積層シートの厚みは、0.01mm以上であるのが好ましく、中でも0.03mm以上、特に0.05mm以上であるのがより好ましい。一方、上限に関しては、1mm以下であるのが好ましく、中でも0.7mm以下、特に0.5mm以下であるのがさらに好ましい。

0050

フレキシブル画像表示装置の構成や本粘着シートの位置にも依るが、第1の部材シート及び第2の部材シートとしては、カバーレンズ、偏光板位相差フィルムバリアフィルムタッチセンサーフィルム、発光素子等が挙げられる。

0051

第1の部材シート及び第2の部材シートの材質としては、例えばポリイミド、ポリカーボネートアクリルポリマー、TAC、ポリエステル、環状オレフィンポリマー等が挙げられる。
特に、画像表示の構成を考慮すると、第1の部材シートは、タッチ入力機能を有することが好ましい。本粘着シートが前述した第2の部材シートを有する場合、第2の部材シートもタッチ入力機能を有していてもよい。

0052

さらに、第1の部材シートのASTMD882に準拠して測定した25℃の引張強度は10MPa〜900MPaであることが好ましく、中でも15MPa以上或いは800MPa以下、中でも20MPa以上或いは700MPa以下であることがさらに好ましい。
本粘着シートが前述した第2の部材シートを有する場合、第2の部材シートのASTM D882に準拠して測定した25℃の引張強度は10MPa〜900MPaであることが好ましく、中でも15MPa以上或いは800MPa以下、中でも20MPa以上或いは700MPa以下であることがさらに好ましい。

0053

引張強度の高い部材シートとしては、ポリイミドフィルムポリエステルフィルム等を挙げることができ、これらの引張強度としては一般に900MPa以下である。
他方、引張強度がやや低い部材シートとしては、TACフィルム、環状オレフィンポリマー(COPフィルム等を挙げることができ、これらの引張強度としては10MPa以上である。本積層シートは、このような引張強度がやや低い材料からなる部材シートを用いても、割れなどの不具合を抑制することができる。

0054

[本積層シートの製造方法]
次に、本積層シートの製造方法について説明する。但し、以下の説明は、本積層シートを製造する方法の一例であり、本積層シートはかかる製造方法により製造されるものに限定されるものではない。

0055

本積層シートの作製においては、例えば、アクリル系モノマー、必要に応じて、アクリル系ポリマーオレフィン系モノマーオレフィン系ポリマー粘着付与剤、重合開始剤、その他の成分などを含有する本粘着シート用樹脂組成物を調製し、当該樹脂組成物をシート状に成形し、アクリル系モノマーを架橋すなわち重合反応させて硬化させ、必要に応じて適宜加工を施すことにより、本粘着シートを作製すればよい。但し、この方法に限定するものではない。
そして、本粘着シートを、第1の部材シート乃至第2の部材シートに貼着することにより、本積層シートを作製することができる。但し、このような製造方法に限定するものではない。

0056

本粘着シート用樹脂組成物を調製する際、上記原料を、温度調節可能な混練機(例えば、一軸押出機二軸押出機プラネタリーミキサー二軸ミキサー加圧ニーダー等)を用いて混練すればよい。
なお、種々の原料を混合する際、シランカップリング剤、酸化防止剤等の各種添加剤は、予め樹脂とともにブレンドしてから混練機に供給してもよいし、予め全ての材料を溶融混合してから供給してもよいし、添加剤のみを予め樹脂に濃縮したマスターバッチを作製し供給してもよい。

0057

本粘着シートに硬化性を付与するためには、上述のように、本粘着シート用樹脂組成物を重合、言い換えれば架橋させるのが好ましい。
この際、第1の部材シート乃至第2の部材シートに本粘着シート用樹脂組成物を塗布して重合させてもよいし、本粘着シート用樹脂組成物を重合させて貼着してもよい。

0058

本粘着シート用樹脂組成物を重合させるには、本粘着シート用樹脂組成物は重合開始剤を含むのが好ましい。
該重合開始剤としては、重合反応に利用できる重合開始剤であれば特に限定されない。例えば、熱により活性化するもの、活性エネルギー線により活性化するもの、いずれも使用できる。また、ラジカルを発生し、ラジカル反応を引き起こすもの、カチオンアニオンを発生し、付加反応を引き起こすものいずれも使用することが出来る。
好ましい重合開始剤としては、光重合開始剤であり、一般に光重合開始剤の選択は、硬化性組成物で用いられる具体的な成分、及び所望の硬化速度に少なくとも部分的に依存する。

0059

光重合開始剤の例としては、フェニル及びジフェニルホスフィンオキシドケトン、及びアクリジン等の、アセトフェノンベンゾインベンゾフェノンベンゾイル化合物アントラキノンチオキサントンホスフィンオキシドを挙げることができる。
具体的には、商品名DAROCUR(Ciba Specialty Chemicals)、IRGACURE(Ciba Specialty Chemicals)及びLUCIRINTPOとして入手可能なエチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィネート等のLUCIRIN(BASF)として入手可能な光重合開始剤を挙げることができる。

0060

光重合開始剤としては、400nm以上に励起波長域を有するものを選択して用いることもできる。具体的な光重合開始剤としては、カンファーキノン、1−フェニル−1,2−プロパンジオンなどのα−ジケトン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドなどのアシルホスフィンオキサイド類;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1,2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オンなどのα−アミノアルキルフェノン類;またはビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウムなどのチタノセン化合物などのチタノセン類などを挙げることができる。これらの中でも、重合活性の良さ、生体への為害性の少なさなどの観点から、α−ジケトン類やアシルホスフィンオキサイド類が好ましく、カンファーキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドがより好ましい。

0061

一方、重合には、光重合開始剤以外にも熱重合開始剤を使用することが出来る。
熱重合開始剤の例としては、アゾ化合物キニーネニトロ化合物アシルハロゲン化物ヒドラゾンメルカプト化合物ピリリウム化合物イミダゾールクロトリアジン、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテルジケトンフェノン、並びにジラウロイルペルオキシド及びNOF Co.からPERHEXA TMHとして入手可能な1,1−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等の有機ペルオキシドを挙げることができる。

0062

重合開始剤は、硬化性組成物の総質量に基づいて約0.01〜約10質量%、又は約0.01〜約5質量%の濃度で用いられることが多い。重合開始剤の混合物を用いてもよい。

0063

粘着シート用樹脂組成物をシート状に成形する方法としては、公知の方法、例えばウェットラミネーションドライラミネート、Tダイを用いる押出キャスト法押出ラミネート法カレンダー法インフレーション法射出成型注液硬化法等を採用することができる。中でも、シートを製造する場合は、ウェットラミネーション法、押出キャスト法、押出ラミネート法が好適である。

0064

また、粘着シート用樹脂組成物が重合開始剤を含む場合、熱及び/又は活性エネルギー線を照射し硬化させることにより、硬化物を製造することができる。特に、本粘着シート用樹脂組成物を成形体成形したものに、熱及び/又は活性エネルギー線を照射することにより、本粘着シートを製造することができる。
ここで、照射する活性エネルギー線としては、α線β線γ線中性子線電子線などの電離性放射線紫外線可視光線などが挙げられ、中でも光学装置構成部材へのダメージ抑制や反応制御の観点から紫外線が好適である。
また、活性エネルギー線の照射エネルギー、照射時間、照射方法などに関しては特に限定されず、重合開始剤を活性化させてモノマー成分を重合できればよい。

0065

また、本粘着シートの製造方法の別の実施態様として、後述する本粘着シート用樹脂組成物を適切な溶剤に溶解させ、各種コーティング手法を用いて実施することもできる。
コーティング手法を用いた場合、上記の活性エネルギー線照射硬化の他、熱硬化させることにより本粘着シートを得ることもできる。

0066

コーティングの場合、粘着シートの厚みは塗工厚み塗工液固形分濃度によって調整できる。

0067

なお、ブロッキング防止や異物付着防止の観点から、本粘着シートの少なくとも片面に、離型層が積層されてなる保護フィルムを設けることもできる。
また、必要に応じて、エンボス加工や種々の凹凸円錐角錐形状や半球形状など)加工を行ってもよい。また、各種部材シートへの接着性を向上させる目的で、表面にコロナ処理プラズマ処理およびプライマー処理などの各種表面処理を行ってもよい。

0068

[画像表示装置]
本積層シートを組み込むことで、例えば本積層シートを他の画像表示装置構成部材に積層することで、本シートを備えた画像表示装置を形成することができる。
特に本積層シートは、低温及び高温における環境下で折り畳み操作をしても、積層シートのデラミや割れを防止でき、復元性も良好であるから、フレキシブル画像表示装置を形成することができる。

0069

上記他の画像表示装置構成部材としては、偏光フィルム、位相差フィルム等の光学フィルム液晶材料およびバックライトパネルなどを挙げることができる。

0070

[語句の説明など]
一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、その厚さが長さと幅のわりには小さく平らな製品をいい、一般的に「フィルム」とは、長さ及び幅に比べて厚さが極めて小さく、最大厚さが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常、ロールの形で供給されるものをいう(日本工業規格JISK6900)。しかし、シートとフィルムの境界は定かでなく、本発明において文言上両者を区別する必要がないので、本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
また、画像表示パネル保護パネル等のように「パネル」と表現する場合、板体、シートおよびフィルムを包含するものである。

0071

本明細書において、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含するものである。
また、「X以上」(Xは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはYより小さい」の意も包含するものである。

0072

本発明は、以下の実施例により更に説明する。但し、下記に示す実施例に本発明が限定解釈されるものではない。

0073

[粘着シートの作製]
実施例1〜4及び比較例1〜2において、以下のようにして粘着シート積層体を得た。
表1に示した質量比で原料を配合して樹脂組成物を作製し、シリコーン離型処理された厚さ100μmの離形フィルム(三菱ケミカル社製PETフィルム)上に、樹脂組成物の厚みが25μmとなるようにシート状に展開した。
次に、当該シート状の樹脂組成物の上からシリコーン離型処理された厚さ75μmの離形フィルム(三菱ケミカル社製PETフィルム)を積層して積層体を形成し、メタルハライドランプ照射装置ウシ電機社、UVC−0516S1、ランプUVL−8001M3−N)を用いて、波長365nmの照射量が積算で2000mJ/cm2となるように光照射を行い、25μmの粘着シート(サンプル)の表裏両側に離形フィルムが積層された粘着シート積層体を得た。

0074

粘着シートの作製に用いた原料の詳細は次のとおりである。
アクリル重合体のモノマー成分>
1.単官能(メタ)アクリレート(a1)
(1)NKエステルS1800ALC
新中化学社製イソステアリルアクリレートアルキル基炭素数18(分岐)
(2)INAA;
大阪有機化学工業社製イソノニルアクリレート分岐異性体混合物、アルキル基炭素数9(分岐)
(3)IDAA;
大阪有機化学工業社製イソデシルアクリレート、アルキル基炭素数10(分岐)

0075

2.多官能(メタ)アクリレート(a2)
(1)CN9014NS;
サートマー社水素添加ポリブタジエンの2官能ウレタンアクリレート
(2)UV−3630ID80;
日本合成化学工業社製水添ポリブタジエン系ウレタンアクリレート

0076

3.その他モノマー
(1)DEAA;
KJケミカル社製ジエチルアクリルアミド

0077

<その他成分>
1.光重合開始剤
(1)OmniradTPO−G;
BASF社製アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤
2.アクリル系ポリマー
(1)パンロンS−2012固形分;
根上工業社製 2−エチルへキシルアクリレート(C8)とブチルアクリレート(C4)を主成分とする、重量平均分子量(Mw)=84万、Mw/Mn=3.3の重合体。(※トルエン希釈された状態で市販されているが、トルエンを揮発させ、固形分のみを回収した。)
3.イソパラフィン
(1)IPソルベント2835;
出光興産社製イソパラフィン

0078

0079

[粘着シートの評価]
実施例・比較例で得た粘着シート(サンプル)を次のように評価した。

0080

<貯蔵剪断弾性率(G’)及び平均勾配、損失正接(tanδ)>
実施例及び比較例において作製した各積層体から離型フィルムを取り除き、積層することで、厚み約2mmの粘着シート(サンプル)を得た。
得られた粘着シート(サンプル)を、試料(厚み約2mm、直径20mmの円状)とし、レオメータ(英弘精機株式会社製「MARS」)を用いて、以下の測定条件下で、貯蔵剪断弾性率(G’)及び損失正接(tanδ)を測定した。
得られたデータから、損失正接(tanδ)の極大点があらわれる温度(ガラス転移温度(Tg))、−20℃における貯蔵剪断弾性率G’(−20℃)、80℃における貯蔵剪断弾性率G’(80℃)を求めた。さらに、下式から平均勾配(kPa/℃)を算出した。
式(1) 平均勾配=(G’(80℃)−G’(−20℃))/100

0081

(貯蔵剪断弾性率G’の測定条件)
・粘着治具:Φ20mmパラレルプレート
・歪み:0.1%
・周波数:1Hz
測定温度:−70〜100℃
昇温速度:3℃/分の条件

0082

[積層シートの作製]
次に、得られた粘着シート積層体の離型フィルムを取り除き、粘着シート(サンプル)の両面に第1の部材シート及び第2の部材シートをハンドロールにより貼り合わせ、積層シート(サンプル)を得た。

0083

この際、実施例1〜4及び比較例1〜2では、第1の部材シート及び第2の部材シートとして、ユーピレックス50S(宇部興産(株)商品名、厚さ50μmのポリイミドフィルム、25℃引張強度:455MPa)を用いた。

0084

[積層シートの評価]
実施例・比較例で得た積層シート(サンプル)を次のように評価した。

0085

(Dynamic folding)
得られた積層シート(サンプル)を、恒温恒湿器耐久ステム面状体無負荷U字伸縮試験機(ユアサシステム機器(株)製)を用いて、曲率半径R=3mm、60rpm(1Hz)の設定にて、COPフィルム側を内側としてU字曲げサイクル評価を行った。
温度とサイクル数は−30℃、10万回で評価した。なお、下記の評価基準で評価した。
○:屈曲部のデラミ、破断、座屈、流動のいずれも発生しなかった。
×:屈曲部のデラミ、破断、座屈、流動のいずれかが発生した。

0086

(Static folding)
得られた積層シート(サンプル)を、COPフィルム側を内側として曲率半径R=3mmにて屈曲し、85℃,85%RHの条件で24時間保管後、治具を開いて1時間後の復元性を評価した。同様に部材シート(ユーピレックス50S)のみの復元性を確認したところ、フィルムの内角度は90°であった。
○:屈曲部の内角度が70°以上90°以下に復元した。
×:屈曲部の内角度が70°未満であったか、又は、デラミ、破断、座屈、流動のいずれかが見られた。

0087

粘着シート(サンプル)及び積層シート(サンプル)の評価結果を表2に示す。

0088

0089

実施例1〜4は、平均勾配が−0.4〜0kPa/℃の間にあるが、低温(−30℃)動的試験と、高温(85℃,85%RH)静的試験のいずれも両立ができている。
平均勾配が大きい比較例1〜2は、低温動的試験と、高温静的試験の両立ができておらず、フォルダブル性能が不十分であった。

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