図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2020年10月8日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (2)

課題

アルコールからアセタールを選択的に合成することができるアセタールの製造方法の提供。

解決手段

アセタールの製造方法は、アルコールを含む原料固体酸触媒に接触させて、アセタールを合成する工程を備え、固体酸触媒が、ニオブ及びタンタルのうち少なくとも一種と、モリブデン及びタングステンのうち少なくとも一種と、酸素を含む。

概要

背景

アセタールは、様々な工業製品原材料として有用である。例えば、アセタールは、高オクタン価ガソリン基材に用いられたり、芳香剤又は抗酸化剤として、飲食品医薬品又は化粧品(例えば香水)等に用いられたりする。

従来のアセタールの製造では、アルコール原料として用いられる。例えば、下記特許文献1には、固体酸触媒を用いて、アルコールとカルボニル化合物からアセタールを合成する製造方法が記載されている。下記特許文献1には、固体酸触媒として、酸成分が担持された金属酸化物(例えば、リン酸が担持された酸化ジルコニウム)、又は酸性樹脂(例えば、パーフルオロスルホン酸ポリマー)が記載されている。

概要

アルコールからアセタールを選択的に合成することができるアセタールの製造方法の提供。アセタールの製造方法は、アルコールを含む原料を固体酸触媒に接触させて、アセタールを合成する工程を備え、固体酸触媒が、ニオブ及びタンタルのうち少なくとも一種と、モリブデン及びタングステンのうち少なくとも一種と、酸素を含む。

目的

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、アルコールからアセタールを選択的に合成することができるアセタールの製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

アルコールを含む原料固体酸触媒に接触させて、アセタールを合成する工程を備え、前記固体酸触媒が、ニオブ及びタンタルのうち少なくとも一種と、モリブデン及びタングステンのうち少なくとも一種と、酸素を含む、アセタールの製造方法。

請求項2

前記アルコールの炭素数が、1以上8以下である、請求項1に記載のアセタールの製造方法。

請求項3

前記アルコールの三量化により、前記アセタールが合成される、請求項1又は2に記載のアセタールの製造方法。

請求項4

前記アセタールが、下記化学式1で表される、請求項1〜3のいずれか一項に記載のアセタールの製造方法。Cn−1H2n−1CH(OCnH2n+1)2(1)[上記化学式1中、nは正の整数である。]

請求項5

前記アルコールがエタノールを含み、前記アセタールが1,1‐ジエトキシエタンを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のアセタールの製造方法。

請求項6

前記固体酸触媒が、下記化学式2で表される金属酸化物を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のアセタールの製造方法。M1aM2bO6(2)[上記化学式2中、M1はニオブ及びタンタルのうち少なくとも一種であり、aは0.5以上1.5以下であり、M2はモリブデン及びタングステンのうち少なくとも一種であり、bは0.5以上1.5以下であり、a/bは0.33以上3.0以下である。]

請求項7

前記固体酸触媒が、重なり合う複数の金属酸化物層を有し、前記金属酸化物層が、ニオブ及びタンタルのうち少なくとも一種と、モリブデン及びタングステンのうち少なくとも一種を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のアセタールの製造方法。

請求項8

前記金属酸化物層が、下記化学式2で表される金属酸化物を含む、請求項7に記載のアセタールの製造方法。M1aM2bO6(2)[上記化学式2中、M1はニオブ及びタンタルのうち少なくとも一種であり、aは0.5以上1.5以下であり、M2はモリブデン及びタングステンのうち少なくとも一種であり、bは0.5以上1.5以下であり、a/bは0.33以上3.0以下である。]

請求項9

前記固体酸触媒が、前記金属酸化物層の間に存在するプロトンを有する、請求項7又は8に記載のアセタールの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、アセタールの製造方法に関する。

背景技術

0002

アセタールは、様々な工業製品原材料として有用である。例えば、アセタールは、高オクタン価ガソリン基材に用いられたり、芳香剤又は抗酸化剤として、飲食品医薬品又は化粧品(例えば香水)等に用いられたりする。

0003

従来のアセタールの製造では、アルコール原料として用いられる。例えば、下記特許文献1には、固体酸触媒を用いて、アルコールとカルボニル化合物からアセタールを合成する製造方法が記載されている。下記特許文献1には、固体酸触媒として、酸成分が担持された金属酸化物(例えば、リン酸が担持された酸化ジルコニウム)、又は酸性樹脂(例えば、パーフルオロスルホン酸ポリマー)が記載されている。

先行技術

0004

特開2006‐289158号公報

発明が解決しようとする課題

0005

従来の固体酸触媒を用いたアセタールの製造方法では、アルコールからアセタールを選択的に合成することが困難であった。

0006

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、アルコールからアセタールを選択的に合成することができるアセタールの製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明の一側面に係るアセタールの製造方法は、アルコールを含む原料を固体酸触媒に接触させて、アセタールを合成する工程を備え、固体酸触媒が、ニオブ及びタンタルのうち少なくとも一種と、モリブデン及びタングステンのうち少なくとも一種と、酸素を含む。

0008

アルコールの炭素数が、1以上8以下であってよい。

0009

アルコールの三量化により、アセタールが合成されてよい。

0010

アセタールが、下記化学式1で表されてよい。
Cn−1H2n−1CH(OCnH2n+1)2 (1)
上記化学式1中、nは正の整数であってよい。

0011

アルコールがエタノールを含んでよく、アセタールが1,1‐ジエトキシエタンを含んでよい。

0012

固体酸触媒が、下記化学式2で表される金属酸化物を含んでよい。
M1aM2bO6 (2)
上記化学式2中、M1はニオブ及びタンタルのうち少なくとも一種であってよく、aは0.5以上1.5以下であってよく、M2はモリブデン及びタングステンのうち少なくとも一種であってよく、bは0.5以上1.5以下であってよく、a/bは0.33以上3.0以下であってよい。

0013

固体酸触媒が、重なり合う複数の金属酸化物層を有してよく、金属酸化物層が、ニオブ及びタンタルのうち少なくとも一種と、モリブデン及びタングステンのうち少なくとも一種を含んでよい。

0014

金属酸化物層が、下記化学式2で表される金属酸化物を含んでよい。
M1aM2bO6 (2)
上記化学式2中、M1はニオブ及びタンタルのうち少なくとも一種であってよく、aは0.5以上1.5以下であってよく、M2はモリブデン及びタングステンのうち少なくとも一種であってよく、bは0.5以上1.5以下であってよく、a/bは0.33以上3.0以下であってよい。

0015

固体酸触媒が、金属酸化物層の間に存在するプロトンを有してよい。

発明の効果

0016

本発明によれば、アルコールからアセタールを選択的に合成することができるアセタールの製造方法が提供される。

図面の簡単な説明

0017

図1は、本発明の一実施形態に係るアセタールの製造方法に用いる固体酸触媒の模式的な断面図である。

0018

以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態が説明される。図面において、同等の構成要素には同等の符号が付される。本発明は下記実施形態に限定されるものではない。

0019

本発明の一実施形態に係るアセタールの製造方法は、アルコールを含む原料を固体酸触媒に接触させて、アセタールを合成する工程を備える。固体酸触媒は、ニオブ及びタンタルのうち少なくとも一種と、モリブデン及びタングステンのうち少なくとも一種と、酸素を含む。固体酸触媒は、重なり合う複数の金属酸化物層を有してよい。つまり、固体酸触媒は層状酸化物であってよい。各金属酸化物層は、ニオブ及びタンタルのうち少なくとも一種と、モリブデン及びタングステンのうち少なくとも一種を含んでよい。固体酸触媒は、金属酸化物層の間に存在する複数のプロトン(H+)を有してよい。後述の通り、アセタールは、1,1‐ジエトキシエタン(アセトアルデヒドジエチルアセタール)だけではなく、他のアセタールも含意する。

0020

金属酸化物層の積層方向に沿った固体酸触媒の模式的な断面は、図1に示される。金属酸化物層3の間に存在するプロトン4は強酸点であり、金属酸化物層3の間の空間(ナノメートルスケールの空間)は、アセタールの合成(アルコールの酸化)の反応場である。隣り合う2つの金属酸化物層3間の距離は、例えば、0.5nm以上2.0nm以下であってよい。金属酸化物層3の数は限定されない。図1に示されるように、一部のプロトン4は固体酸触媒5の外表面に存在してよい。

0021

上記のような組成(及び積層構造)を有する固体酸触媒5は、高い酸強度(例えば、従来のHZSM5型ゼオライトよりも高い酸強度)を有することができる。この固体酸触媒5の酸化能により、アルコールからアセタールが選択的に合成される。換言すれば、固体酸触媒5を用いてアルコールからアセタールを合成することにより、アルケン及びエーテル等の副生成物の生成が抑制され、アセタールの収率及び選択率が向上する。

0022

原料に含まれるアルコールは、例えば、第一級アルコール及び第二級アルコールのうち少なくともいずれかを含んでよい。アルコールは、更に第三級アルコールを含んでもよい。アルコールは、例えば、一価のアルコール、二価のアルコール及び三価のアルコールのうち少なくともいずれかであってよい。アルコールは、例えば、メタノール、エタノール、1‐プロパノール、1‐ブタノール、1‐ペンタノール1‐ヘキサノール1‐ヘプタノール、1‐オクタノール1‐ノナノール、1‐デカノールシクロヘキサノールベンジルアルコール、1‐フェニルエタノール2‐フェニルエタノールアリルアルコール2‐プロペン‐1‐オール)、1‐メチルアリルアルコール、2‐メチルアリルアルコール、3‐ブテン‐1オール、3‐ブテン‐2‐オール、2‐プロピン‐1‐オール、2‐ブチン‐1‐オール、3‐ブチン‐1‐オール、エチレングリコールプロピレングリコール、1,3‐プロパンジオールグリセリン、及びこれらの異性体からなる群より選ばれる少なくとも一種であってよい。アセタールの原料は、一種類のアルコールを含んでよい。アセタールの原料は、複数種のアルコールを含んでもよい。アセタールの原料は、アルコールに加えて他の化合物(例えば、カルボニル化合物)を含んでよい。カルボニル化合物は、ケトン及びアルデヒドのうち少なくともいずれかであってよい。ケトンは、例えば、メチルエチルケトン及びシクロヘキサノンのうち少なくともいずれかであってよい。アルデヒドは、例えば、アセトアルデヒド及びプロピレンアルデヒドのうち少なくともいずれかであってよい。

0023

アセタールは、下記化学式1aで表されてよい。
R3R4C(OR1)(OR2) (1a)
式1a中、R1及びR2それぞれはヒドロカルビル基であってよい。R1及びR2は同じであってよく、互いに異なってもよい。R3は水素原子又はヒドロカルビル基であってよく、R4はヒドロカルビル基であってよい。R3及びR4それぞれがヒドロカルビル基である場合、R3及びR4は同じであってよく、互いに異なってもよい。

0024

アルコールの三量化により、アセタールを合成してよい。アルコールの三量化は、アルコールの脱水言い換えられてよい。本実施形態によれば、原料がカルボニル化合物を含まない場合であっても、一種類のアルコールの選択的な三量化により、アセタール(アルコールの三量体)を選択的に合成することができる。

0025

アルコールの三量化により生成するアセタールは、下記化学式1bで表されてよい。
R6CH(OR5)(OR5) (1b)
式1a中、R5及びR6それぞれはヒドロカルビル基であってよく、R5の炭素数はR6の炭素数よりも1大きくてよい。上述の一種類のアルコールは、R5OH又はR6CH2OHと表されてよい。

0026

一価の飽和アルコール(CnH2n+1OH)の三量化により生成するアセタールは、下記化学式1cで表されてよい。
Cn−1H2n−1CH(OCnH2n+1)2 (1c)
上記のnは正の整数であってよい。好ましくは、nは1以上8以下である整数であってよい。

0027

一般的に、一種類のアルコールからアセタールが合成される反応機構は、下記化学反応式Aで表される反応Aと、下記化学反応式Bで表される反応Bとから構成される。つまり一般的には、反応Aとそれに続く反応Bから構成される逐次反応によって、アセタールが合成される。化学反応式Aはアルコール(R5OH)の酸化反応を表し、化学反応式Bはアルデヒド(R6CHO)のアセタール化反応を表す。R5及びR6の定義は上記の通りである。
3R5OH → R6CHO + 2R5OH +H2 (A)
R6CHO + 2R5OH → R6CH(OR5)(OR5) +H2O (B)

0028

例えば、エタノールから1,1‐ジエトキシエタンを合成する場合、上記化学反応式Aは下記化学反応式A’に書き換えられてよく、上記化学反応式Bは下記化学反応式B’に書き換えられてよい。
3C2H5OH → CH3CHO + 2C2H5OH +H2 (A’)
CH3CHO + 2C2H5OH → CH3CH(OC2H5)2 +H2O (B’)

0029

本実施形態では、アルコールが金属酸化物層3の間へ選択的に挿入(intercalate)される。そして金属酸化物層3の間に形成された反応場(ナノメートルスケールの空間)において、反応中間体(アルデヒド又はヘミアセタール)の生成を経由して、アルコールからアセタールが直接的に合成される。つまり、固体酸触媒5内へのアルコールの選択的なインターカレーションにより、反応A及び反応Bから構成される逐次反応が抑制され、アルコールが選択的に三量化され易く、アセタールが選択的に合成され易い。

0030

ただし、本発明によるアセタールの合成の反応機構は、上記の反応機構に限定されない。例えば、反応中間体であるアルデヒドの生成機構は上記化学反応式A及びA’に限定されるわけではない。金属酸化物層3を構成する格子酸素によってアルコールが酸化される結果、アルデヒドと水(副生成物)が生成してもよい。つまり、格子酸素が酸化剤としてアルコールと反応してもよい。格子酸素が酸化剤として消費される場合、酸素を補うために、アルコールに加えて酸素が原料として用いられてよい。格子酸素を失った固体酸触媒5を再生するために、固体酸触媒5を酸化してもよい。

0031

アルコールの炭素数は、1以上8以下であってよい。アルコールの炭素数が1以上8以下であることにより、アルコールが金属酸化物層3の間へ選択的にインターカレートされ易く、アルコールが三量化し易く、アセタールが選択的に生成し易い。原料に含まれる全てのアルコールの炭素数が1以上8以下であってよい。原料に含まれる一部のアルコールの炭素数が1以上8以下であってもよい。炭素数が10以上であるアルコールから合成されるアセタールの収率及び選択率は、炭素数が8以下であるアルコールから合成されるアセタールの収率及び選択率よりも低い傾向がある。

0032

アルコールが、エタノールを含んでよく、アセタールが、1,1‐ジエトキシエタンを含んでよい。アルコールがエタノールのみでよく、アセタールが1,1‐ジエトキシエタンのみでよい。1,1‐ジエトキシエタンは、高オクタン価ガソリンの基材として有用である。本実施形態によれば、エタノールの三量化により、1,1‐ジエトキシエタンを選択的に合成することができる。

0033

アルコールからのアセタールの合成は、気相反応又は液相反応であってよい。つまり、原料ガス又は原料液反応器内において固体酸触媒5に接触すればよい。アセタールの合成は、バッチ式反応又は連続式反応であってよい。アセタールの合成の反応温度は、例えば、−50℃以上400℃以下であってよい。反応時間は、原料(アルコール)の量及び反応温度に応じて調整されてよい。反応器内の気圧は、大気圧であってよく、大気圧より高くてもよい。バッチ式反応の場合、原料に用いる1モルのアルコール当たりの固体酸触媒5の質量は、例えば、0.5g以上500g以下であってよい。固体酸触媒5と脱水剤(例えば、ゼオライト又はシリカゲル)が併用されてよい。副生成物である水が脱水剤によって除去されることにより、アセタールの生成が促進される。分子量が比較的小さいアルコール(例えば、エタノール)からアセタールを合成する場合、アルコールを含む有機溶媒中でアセタールが合成されてよい。有機溶媒としては、例えば、比較的分子量が大きいアルカン(例えば、n‐デカン)が用いられてよい。合成されたアセタールは、未反応のアルコール、副生成物、及び有機溶媒から分離されてよい。分離手段は、例えば、蒸留又はデカンテーションであってよい。回収された未反応のアルコールは、原料として再利用されてよい。

0034

固体酸触媒5は、下記化学式2で表される金属酸化物(複合酸化物)を含んでよい。各金属酸化物層3は、下記化学式2で表される金属酸化物(複合酸化物)を含んでよい。固体酸触媒5の一部又は全体は、下記化学式2’で表されてもよい。各金属酸化物層3は、下記化学式2で表される金属酸化物のみからなっていてもよい。固体酸触媒5又は各金属酸化物層3が下記化学式2で表される金属酸化物を含むことにより、アセタール(例えばアルコールの三量体)が選択的に合成され易い。
M1aM2bO6 (2)
HM1aM2bO6 (2’)
上記化学式2及び化学式2’中、M1はニオブ及びタンタルのうち少なくとも一種であってよい。aは0.5以上1.5以下であってよい。M2はモリブデン及びタングステンのうち少なくとも一種であってよい。bは0.5以上1.5以下であってよい。a/bは0.33以上3.0以下であってよい。

0035

図1に示されるように、金属酸化物層3は複数の第一格子1と複数の第二格子2から構成されてよい。第一格子1は、例えば、M1(O1/2)6からなる八面体状の格子であっよい。第一格子1の八面体の六個の頂点それぞれに酸素(O1/2)が位置してよく、M1は、各頂点に位置する酸素(O1/2)で囲まれていてよい。第二格子2は、例えば、M2(O1/2)6かからなる八面体上の格子であってよい。八面体の六個の頂点それぞれに酸素(O1/2)が位置してよく、M2は各頂点に位置する(O1/2)で囲まれていてよい。

0036

上記化学式2及び化学式2’中のM1はニオブであってよく、M2はモリブデンであってよい。つまり、各金属酸化物層3はNbaMobO6(例えばNbMoO6)を含んでよく、各金属酸化物層3は、NbaMobO6(例えばNbMoO6)のみからなっていてもよい。換言すれば、固体酸触媒5の一部又は全体が、HNbaMobO6(例えばHNbMoO6)であってよい。固体酸触媒5又は各金属酸化物層3がニオブ及びモリブデンを含むことにより、アセタール(例えばアルコールの三量体)が選択的に合成され易い。

0037

固体酸触媒5は、金属酸化物層3及びプロトンに加えて、アルカリ金属イオンを更に含んでもよい。また固体酸触媒5は、シリカアルミナカーボンチタニア及びジルコニア等からなる群より選ばれる少なくとも一種の担体成分を更に含んでもよい。

0038

固体酸触媒5の製造方法の一例は、原料混合物を調製する工程(混合工程)と、原料混合物を焼成して、アルカリ金属イオンを有する層状金属化合物を得る工程(焼成工程)と、層状金属化合物が有するアルカリ金属イオンをプロトンに交換する工程(イオン交換工程)と、を備えてよい。アルカリ金属イオンを有する層状金属化合物は、上述された複数の金属酸化物層と、金属酸化物層の間に存在する複数のアルカリ金属イオンと、を有してよい。

0039

原料混合物は、ニオブ化合物及びタンタル化合物のうち少なくともいずかと、モリブデン化合物及びタングステン化合物のうち少なくともいずかと、アルカリ金属を含有する化合物とを混合することによって調製されてよい。ニオブ化合物、タンタル化合物、モリブデン化合物及びタングステン化合物其々は、例えば、酸化物、アルカリ金属を含む複合酸化物、ハロゲン化物アンモニウム塩有機金属化合物、及び錯体からなる群より選ばれる少なくとも一種であってよい。アルカリ金属を含有する化合物は、例えば、リチウムナトリウム、及びカリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種を含んでよい。アルカリ金属を含有する化合物は、酸化物、ハロゲン化物、水酸化物炭酸塩炭酸水素塩硝酸塩シュウ酸塩酢酸塩リン酸塩塩素酸塩、有機金属化合物、ルビジウム化合物セシウム化合物、及びタリウム化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種であってよい。原料混合物は、更に有機化合物を含んでよい。有機化合物は、例えば、オキシカルボン酸類ポリアミノキレート剤類、及びグリコール類からなる群より選ばれる少なくとも一種であってよい。

0040

原料混合物の焼成温度は、例えば、500℃以上1000℃以下であってよい。焼成時間は、例えば、0.5時間以上200時間以下であってよい。焼成の雰囲気は、大気及び酸素ガスのうち少なくともいずれかの酸化性ガスであってよい。酸化性ガスと不活性ガスとの混合により、焼成の雰囲気における酸素分圧が調整されてよい。不活性ガスは、例えば、窒素ガス及び希ガスのうち少なくともいずれかであってよい。

0041

イオン交換工程では、アルカリ金属イオンを有する層状金属化合物を、酸の水溶液に接触させることにより、アルカリ金属イオンがプロトンで置換されてよい。例えば、層状金属化合物を、酸の水溶液中へ浸漬させてよい。酸の水溶液を、層状金属化合物へ塗布してもよい。水溶液に含まれる酸は、無機酸及び有機酸のうち少なくともいずれかであってよい。無機酸は、例えば、硝酸塩酸過塩素酸硫酸クロロ硫酸発煙硫酸亜硫酸、及びリン酸からなる群より選ばれる少なくとも一種であってよい。有機酸は、例えば、ギ酸酢酸プロピオン酸酪酸乳酸クエン酸、及びシュウ酸からなる群より選ばれる少なくとも一種であってよい。水溶液中の酸の含有量は、例えば、0.0001mоl/L以上18mоl/L以下であってよい。酸の水溶液の温度は、例えば、室温であってよい。イオン交換工程後、アルカリ金属イオンの一部が、層状金属化合物中に残存してもよい。

0042

以下では実施例及び比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。

0043

(実施例1A)
1mmоlのエタノールと1mLのn‐デカン(溶媒)を混合することにより、原料液を調製した。実施例1Aの固体酸触媒として、40mgのHNbMoO6を用いた。HNbMoO6は、層状の金属酸化物であり、NbMoO6からなる複数の金属酸化物層と、金属酸化物層の間に存在する複数のプロトン(H+)と、を有していた。

0044

上記の原料液及び固体酸触媒を反応器内に容れた。実施例1Aの反応では、密閉された反応器内の原料液及び固体酸触媒を、下記表1に示される反応時間にわたって110℃で加熱した。反応後の反応器の内容物(固体酸触媒を除く。)の組成をガスクロマトグラフ質量分析GC‐MS)により特定した。GC‐MSでは、1mmоlのn‐ヘキサン内部標準として用いた。分析の結果、反応後の反応器の内容物は、エタノール、1,1‐ジエトキシエタン(アセタール)、及びジエチルエーテルを含んでいた。GC‐MSの結果に基づき、アルコールの転化率、アセタールの収率及び選択率、並びにエーテルの収率を算出した。その結果は下記表1に示される。下記表1中のアセタールは、1,1‐ジエトキシエタンを意味する。

0045

アルコールの転化率Rc(単位:mоl%)は、下記数式1で定義される。
Rc={([ALC]r−[ALC]p)/[ALC]r}×100 (1)
数式1中の[ALC]rは、原料液に含まれるアルコールのモル数である。[ALC]pは、反応後の反応器の内容物から検出されたアルコールのモル数である。換言すれば、[ALC]pは未反応のアルコールのモル数である。実施例1Aの場合、Rcはエタノールの転化率であり、[ALC]rは原料液に含まれるエタノールのモル数であり、[ALC]pは反応後の反応器の内容物から検出されたエタノールのモル数である。

0046

アセタールの収率Yac(単位:mоl%)は、下記数式2で定義される。
Yac={[AC]p/([ALC]r×1/3)}×100 (2)
数式2中の[AC]pは、反応後の反応器の内容物から検出されたアセタールのモル数である。[ALC]r×1/3は、原料であるアルコールの三量化によって化学量論的に生成し得るアセタール(つまりアルコールの三量体)のモル数を意味する。実施例1Aの場合、Yacは1,1‐ジエトキシエタンの収率であり、[AC]pは反応後の反応器の内容物から検出された1,1‐ジエトキシエタンのモル数であり、[ALC]r×1/3は原料であるエタノールの三量化によって化学量論的に生成し得る1,1‐ジエトキシエタンのモル数である。

0047

アセタールの選択率Rs(単位:mоl%)は、下記数式3で定義される。実施例1Aの場合、Rsは、1,1‐ジエトキシエタンの選択率である。
Rs=(Yac/Rc)×100 (3)

0048

エーテルの収率Yet(単位:mоl%)は、下記数式4で定義される。
Yet={[ET]p/([ALC]r×1/2)}×100 (4)
数式4中の[ET]pは、反応後の反応器の内容物から検出されたエーテルのモル数である。[ALC]r×1/2は、原料であるアルコールの二量化によって化学量論的に生成し得るエーテルのモル数を意味する。実施例1Aの場合、実施例1Aの場合、Yetはジエチルエーテルの収率であり、[ET]pは、反応後の反応器の内容物から検出されたジエチルエーテルのモル数であり、[ALC]r×1/2は原料であるエタノールの二量化によって化学量論的に生成し得るジエチルエーテルのモル数である。

0049

(実施例1B、実施例1C、実施例1D)
実施例1B、実施例1C及び実施例1D其々の反応時間は、下記表1に示される。実施例1Cでは、5mLのn‐デカン(溶媒)を用いた。これらの事項を除いて実施例1Aと同様の方法で、実施例1B、実施例1C及び実施例1D其々の実験を行った。実施例1B、実施例1C及び実施例1D其々の反応において、1,1‐ジエトキシエタン、及びジエチルエーテルが合成された。実施例1B、実施例1C及び実施例1D其々の結果は、下記表1に示される。

0050

0051

(実施例2A)
実施例2Aの原料液として、5mmоlの1‐ヘキサノールのみを用いた。つまり、実施例2の原料液の調製には溶媒を用いなかった。実施例2Aの固体酸触媒として、50mgのHNbMoO6を用いた。実施例2Aの反応では、密閉された反応器内の原料液及び固体酸触媒を150℃で加熱した。実施例2Aの反応時間は下記表2に示される。実施例2AのGC‐MSでは、0.5mmоlのウンデカンを内部標準として用いた。

0052

上記の事項を除いて実施例1Aと同様の方法で、実施例2Aの実験を行った。実施例2Aの反応では、アセタール、及びジヘキシルエーテルが合成され、一部の1‐ヘキサノールが残存した。実施例2Aの反応で合成されたアセタールは、C5H11CH(OC6H13)2であった。つまり、実施例2Aの反応で合成されたアセタールは、1‐ヘキサノールの三量体であった。実施例2Aの結果は、下記表2に示される。下記表2中のアセタールは、C5H11CH(OC6H13)2を意味する。

0053

(実施例2B)
実施例2Bの反応時間は、下記表2に示される。反応時間を除いて実施例2Aと同様の方法で、実施例2Bの実験を行った。実施例2Bの反応でも、アセタール(1‐ヘキサノールの三量体)、及びジヘキシルエーテルが合成され、一部の1‐ヘキサノールが残存した。実施例2Bの結果は、下記表2に示される。

0054

(比較例2A)
比較例2Aの固体酸触媒として、HNbMoO6の代わりに、50mgのNafion NR50を用いた。Nafion NR50は、スルホ化されたテトラフルオロエチレンから構成されるフッ素樹脂共重合体である。固体酸触媒の組成を除いて実施例2Aと同様の方法で、比較例2Aの実験を行った。比較例2Aの反応でも、アセタール(1‐ヘキサノールの三量体)、及びジヘキシルエーテルが合成され、一部の1‐ヘキサノールが残存した。比較例2Aの結果は、下記表2に示される。

0055

(比較例2B)
比較例2Bの固体酸触媒として、HNbMoO6の代わりに、50mgのAmberlyst‐15を用いた。Amberlyst‐15は、スルホ基を有するスチレン系の樹脂である。固体酸触媒の組成を除いて実施例2Aと同様の方法で、比較例2Bの実験を行った。比較例2Bの反応では、生成物としてアセタール(1‐ヘキサノールの三量体)は検出されなかった。比較例2Bの反応では、ジヘキシルエーテルが合成され、一部の1‐ヘキサノールが残存した。比較例2Bの結果は、下記表2に示される。

0056

0057

(実施例3A)
実施例3Aの原料液として、5mmоlの1‐オクタノールのみを用いた。つまり、実施例3Aの原料液の調製には溶媒を用いなかった。実施例3Aの固体酸触媒として、50mgのHNbMoO6を用いた。実施例3Aの反応では、密閉された反応器内の原料液及び固体酸触媒を150℃で加熱した。実施例3Aの反応時間は1.5時間であった。実施例3AのGC‐MSでは、0.5mmоlのウンデカンを内部標準として用いた。

0058

上記の事項を除いて実施例1Aと同様の方法で、実施例3Aの実験を行った。実施例3Aの反応では、アセタール、ジオクチルエーテル及びオクテンが合成され、一部の1‐オクタノールが残存した。実施例3Aの反応で合成されたアセタールは、C7H15CH(OC8H17)2であった。つまり、実施例3Aの反応で合成されたアセタールは、1‐オクタノールの三量体であった。実施例3Aの結果は、下記表3に示される。下記表3中のアセタールは、C7H15CH(OC8H17)2を意味する。

0059

下記表3中のオクテンの収率Yоc(単位:mоl%)は、下記数式5で定義される。
Yоc=([OC]p/([ALC]r)×100 (5)
数式5中の[OC]pは、反応後の反応器の内容物から検出されたオクテンのモル数である。[ALC]rは、原料である1‐オクタノールの脱水によって化学量論的に生成し得るオクテンのモル数を意味する。

0060

(比較例3A)
比較例3Aの固体酸触媒として、HNbMoO6の代わりに、50mgのAmberlyst‐15を用いた。固体酸触媒の組成を除いて実施例3Aと同様の方法で、比較例3Aの実験を行った。比較例3Aの反応では、アセタール(C7H15CH(OC8H17)2)、ジオクチルエーテル及びオクテンが合成され、一部の1‐オクタノールが残存した。比較例3Aの結果は、下記表3に示される。

0061

実施例

0062

上記の各反応の生成物のうちアセタール以外の成分の一部は、固体酸触媒に吸着したために、GS−MSによって検出されなかった可能性があることが推察される。

0063

本発明に係るアセタールの製造方法によれは、例えば、高オクタン価ガソリンの基材として有用な1,1‐ジエトキシエタンをエタノールから選択的に合成することができる。

0064

1…第一格子、2…第二格子、3…金属酸化物層、4…プロトン、5…固体酸触媒。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ