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課題

商業生産規模の大量合成において、製造手順ハンドリングが簡便であり、かつ多量の有機溶媒を必要としない放射性ヨウ素標識15−(4−ヨードフェニル)−3(R,S)−メチルペンタデカン酸の製造方法を提供する。

解決手段

15−(4−ヨードフェニル)−3(R,S)−メチルペンタデカン酸(BMIPP)と、放射性ヨウ素とから、ヨウ交換反応によって放射性ヨウ素標識BMIPPを得る標識工程と、放射性ヨウ素標識BMIPPを、液液抽出法で精製する精製工程と、を含む、下記式(1)で表される放射性ヨウ素標識BMIPPの製造方法。

概要

背景

虚血性心疾患等の心疾患診断に用いられる心筋シンチグラフィ検査においては、塩化タリウム(201Tl)等の心筋血流情報を反映する放射性医薬、又は15−(4−ヨードフェニルペンタデカン酸(123I)(123I−IPPA)や15−(4−ヨードフェニル)−3(R,S)−メチルペンタデカン酸(123I)(123I−BMIPP)などの心筋代謝情報や生理学的情報が得られる放射性医薬が知られている。123I−BMIPPは側鎖にメチル基を有する脂肪酸からなる放射性医薬であり、側鎖のない脂肪酸(例えばIPPA)と同様に心筋に取り込まれる。123I−BMIPPは側鎖メチル基を有することでその代謝(β酸化)が遅れ、通常の脂肪酸より比較的長く心筋に留まるため、心筋局所放射能分布を検出することで心筋代謝情報が得られる。

特許文献1には、123I−BMIPPの製造方法として、アスコルビン酸及び銅触媒の存在下で、エタノール中の15−(4−ヨードフェニル)−3−メチルペンタデカン酸とNa123Iとの間で、ヨウ交換反応を行い、HPLCで精製する方法が記載されている。
非特許文献1には、123I又は131Iを含む水酸化ナトリウム溶液を、ω−フェニルペンタデカン酸を含む酢酸硫酸混液(10:1)に添加し、固体粒状の亜硝酸ナトリウム及びクロロホルムを加えて加熱することでヨウ素交換反応を行っており、標識後は硫酸前駆体化合物を除去して標識化合物を精製するためにHPLC精製を2回行う方法が記載されている。

概要

商業生産規模の大量合成において、製造手順ハンドリングが簡便であり、かつ多量の有機溶媒を必要としない放射性ヨウ素標識15−(4−ヨードフェニル)−3(R,S)−メチルペンタデカン酸の製造方法を提供する。15−(4−ヨードフェニル)−3(R,S)−メチルペンタデカン酸(BMIPP)と、放射性ヨウ素とから、ヨウ素交換反応によって放射性ヨウ素標識BMIPPを得る標識工程と、放射性ヨウ素標識BMIPPを、液液抽出法で精製する精製工程と、を含む、下記式(1)で表される放射性ヨウ素標識BMIPPの製造方法。なし

目的

本発明の一態様は、15−(4−ヨードフェニル)−3(R,S)−メチルペンタデカン酸(BMIPP)と、放射性ヨウ素とから、ヨウ素交換反応によって放射性ヨウ素標識BMIPPを得る標識工程と、放射性ヨウ素標識BMIPPを、液液抽出法で精製する精製工程と、を含む、放射性ヨウ素標識BMIPPの製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

15−(4−ヨードフェニル)−3(R,S)−メチルペンタデカン酸(BMIPP)と、放射性ヨウ素とから、ヨウ交換反応によって放射性ヨウ素標識BMIPPを得る標識工程と、前記放射性ヨウ素標識BMIPPを、液液抽出法で精製する精製工程と、を含む、放射性ヨウ素標識BMIPPの製造方法。

請求項2

前記放射性ヨウ素が、123I、124I、125I又は131Iのいずれかである、請求項1記載の放射性ヨウ素標識BMIPPの製造方法。

請求項3

前記標識工程が、炭素数3〜5のカルボン酸の存在下で反応条件を与えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の放射性ヨウ素標識BMIPPの製造方法。

請求項4

前記カルボン酸がプロピオン酸である、請求項3に記載の放射性ヨウ素標識BMIPPの製造方法。

請求項5

前記ヨウ素交換反応が、銅触媒存在下で実行される、請求項1乃至4いずれか1項に記載の放射性ヨウ素標識BMIPPの製造方法。

請求項6

前記銅触媒が硫酸銅(II)五水和物である、請求項5記載の放射性ヨウ素標識BMIPPの製造方法。

請求項7

前記放射性ヨウ素が123Iであり、前記標識工程の開始時において、1GBq以上の放射性ヨウ素を用いて前記標識工程を実行する、請求項1乃至6いずれか1項に記載の放射性ヨウ素標識BMIPPの製造方法。

請求項8

請求項1乃至7いずれか1項に記載の放射性ヨウ素標識BMIPPの製造方法を実行する合成工程と、前記合成工程で得られた放射性ヨウ素標識BMIPPを製剤化する製剤化工程と、を含む、放射性ヨウ素標識BMIPPを含有する放射性医薬の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、放射性ヨウ素標識15−(4−ヨードフェニル)−3(R,S)−メチルペンタデカン酸の製造方法に関する。

背景技術

0002

虚血性心疾患等の心疾患診断に用いられる心筋シンチグラフィ検査においては、塩化タリウム(201Tl)等の心筋血流情報を反映する放射性医薬、又は15−(4−ヨードフェニル)ペンタデカン酸(123I)(123I−IPPA)や15−(4−ヨードフェニル)−3(R,S)−メチルペンタデカン酸(123I)(123I−BMIPP)などの心筋代謝情報や生理学的情報が得られる放射性医薬が知られている。123I−BMIPPは側鎖にメチル基を有する脂肪酸からなる放射性医薬であり、側鎖のない脂肪酸(例えばIPPA)と同様に心筋に取り込まれる。123I−BMIPPは側鎖メチル基を有することでその代謝(β酸化)が遅れ、通常の脂肪酸より比較的長く心筋に留まるため、心筋局所放射能分布を検出することで心筋代謝情報が得られる。

0003

特許文献1には、123I−BMIPPの製造方法として、アスコルビン酸及び銅触媒の存在下で、エタノール中の15−(4−ヨードフェニル)−3−メチルペンタデカン酸とNa123Iとの間で、ヨウ交換反応を行い、HPLCで精製する方法が記載されている。
非特許文献1には、123I又は131Iを含む水酸化ナトリウム溶液を、ω−フェニルペンタデカン酸を含む酢酸硫酸混液(10:1)に添加し、固体粒状の亜硝酸ナトリウム及びクロロホルムを加えて加熱することでヨウ素交換反応を行っており、標識後は硫酸前駆体化合物を除去して標識化合物を精製するためにHPLC精製を2回行う方法が記載されている。

0004

ロシア特許第2166493号公報

先行技術

0005

H J Machulla, M Marsmann, K Dutschka. Biochemical Concept and synthesis of a radioiodinated phenylfatty acid for in vivo metabolic studies of myocardium. Eur. J. Nucl. Med. 5, 171-173 (1980)

発明が解決しようとする課題

0006

特許文献1、非特許文献1に記載の製造方法では、HPLCにより123I−BMIPPを精製するため、大型の機器を必要とし、かつ有機溶媒を多量に使用するために、商業生産規模の大量合成においては、製造手順ハンドリングが煩雑であり、かつ膨大な量の有機溶媒が必要であることが問題であった。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは上記事情を鑑みて、鋭意工夫を重ねた結果、より簡便な方法で精製可能であり、商業生産規模の大量合成に適した放射性ヨウ素標識15−(4−ヨードフェニル)−3(R,S)−メチルペンタデカン酸の製造方法を見出した。
すなわち、本発明の一態様は、15−(4−ヨードフェニル)−3(R,S)−メチルペンタデカン酸(BMIPP)と、放射性ヨウ素とから、ヨウ素交換反応によって放射性ヨウ素標識BMIPPを得る標識工程と、放射性ヨウ素標識BMIPPを、液液抽出法で精製する精製工程と、を含む、放射性ヨウ素標識BMIPPの製造方法を提供するものである。

0008

また、本発明の他の態様は、上記の放射性ヨウ素標識BMIPPの製造方法を実行することにより放射性ヨウ素標識BMIPPの製造方法を実行する合成工程と、合成工程で得られた放射性ヨウ素標識BMIPPを製剤化する製剤化工程と、を含む、放射性ヨウ素標識BMIPPを含有する放射性医薬の製造方法である。

発明の効果

0009

ヨウ素交換反応によって得られた放射性ヨウ素標識BMIPPを、液液抽出法で精製することによって、製造手順のハンドリングがより簡便で、かつ使用する有機溶媒の量を低減することができ、放射性ヨウ素標識BMIPPの商業生産に貢献することが可能となる。

0010

本発明の放射性ヨウ素標識BMIPPの製造方法は、以下[工程1]及び[工程2]の工程を順に実行するものである。
[工程1]15−(4−ヨードフェニル)−3(R,S)−メチルペンタデカン酸(BMIPP)と放射性ヨウ素とから、ヨウ素交換反応によって放射性ヨウ素標識BMIPPを得る標識工程。
[工程2]放射性ヨウ素標識BMIPPを含む溶液を、液液抽出法で精製する精製工程。

0011

[工程1]標識工程
標識工程では、非放射性BMIPPと放射性ヨウ素とから、ヨウ素交換反応によって、放射性ヨウ素標識BMIPPを得る。

0012

BMIPPは、下記式(1)で表される構造を有する、γ炭素の側鎖にメチル基を有する脂肪酸誘導体である。下記式(1)中、「I」は放射性ヨウ素又は非放射性ヨウ素を示す。放射性ヨウ素は、後述するように、ヨウ素の放射性同位体である。非放射性ヨウ素はヨウ素の安定同位体であり、例えば127Iが挙げられる。本明細書において、下記式(1)において「I」が放射性ヨウ素であるBMIPPを「放射性ヨウ素標識BMIPP」といい、下記式(1)において「I」が非放射性ヨウ素であるBMIPPを「非放射性BMIPP」という。非放射性BMIPPは、公知の方法、例えば、米国特許公報第4524059号に従って製造することができる。

0013

0014

標識工程で用いる非放射性BMIPPの量は、0.1〜100mgが好ましく、1〜60mgがより好ましく、2〜40mgがさらにより好ましい。

0015

本発明において、「放射性ヨウ素」とは、ヨウ素の放射性同位体を意味し、例えば、123I、124I、125I又は131Iが挙げられる。好ましくは123I又は125Iであり、より好ましくは123Iである。
放射性ヨウ素は、例えばサイクロトロンを用いて製造できる。放射性ヨウ素が123Iの場合は、サイクロトロンを用いて124Xeに陽子照射し、生成する123Cs及び123Xeが壊変することで、123Iを得ることができる。

0016

放射性ヨウ素は、アルカリ金属塩としてヨウ素交換反応に供することが好ましい。アルカリ金属塩として、好ましくは、ナトリウム塩又はカリウム塩が挙げられる。放射性ヨウ素のアルカリ金属塩は、放射性ヨウ素をアルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム)と接触させることで調製することができる。

0017

「ヨウ素交換反応」は、ヨウ素含有化合物に、質量数の異なるヨウ素を含むアルカリ金属塩を作用させて、質量数の異なるヨウ素を含むヨウ素含有化合物を得る反応をいう。本発明では、放射性ヨウ素および非放射性BMIPPに反応条件を与えることで実行することができる。
反応条件は、適宜加熱して反応温度を上昇させたり、触媒を添加したりすることが挙げられるが、ヨウ素交換反応を促進するための条件であればこれに限定されない。

0018

ヨウ素交換反応は、溶液状態で行われることが好適である。反応溶媒としては、非放射性BMIPP及び放射性ヨウ素を溶解するものであれば特に限定されないが、ヘキサンベンゼントルエンジエチルエーテル、クロロホルム、酢酸エチル塩化メチレン等の非極性有機溶媒テトラヒドロフランアセトンアセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒;水、炭素数1〜5のアルコールメタノール、エタノール、1−プロパノール2−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール2−ペンタノール等)等のプロトン性極性溶媒が挙げられる。これらの溶媒は1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよいが、水がより好ましい。

0019

また、ヨウ素交換反応は、酸の存在下に行うことが好ましく、酸としては、無機酸(塩酸臭化水素酸、硫酸、硝酸リン酸ホウ酸等)であっても、有機酸ギ酸、酢酸、プロピオン酸ブタン酸ペンタン酸シュウ酸等)であってもよいが、炭素数3〜5のカルボン酸(プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸)が好ましく、プロピオン酸がより好ましい。酸の添加量はヨウ素交換反応が進行する量であれば制限されないが、反応溶媒に対する体積比が、0.1〜10が好ましく、0.5〜2がより好ましい。

0020

また、ヨウ素交換反応は、触媒存在下に行うことが好適である。触媒としてはヨウ素交換反応の反応速度を速める物質で、反応物中間体を構成してもよいが、触媒自身は反応の前後で変化しないものをいう。本発明においては、均一系触媒が好ましく、金属触媒がより好ましく、さらに好ましくは銅触媒である。

0021

銅触媒としては、無機銅触媒又は有機銅触媒が挙げられ、無機銅触媒は、塩化銅硝酸銅硫酸銅炭酸銅又は酢酸銅が、有機銅触媒は、アセチレン銅、スルホン酸銅、カルボン酸銅又は銅錯化合物が挙げられる。また、銅触媒は無水物でも水和物でもよく、1種単独で用いても、2種以上を用いてもよい。好ましくは無機銅触媒であり、より好ましくは硫酸銅の水和物であり、さらにより好ましくは硫酸銅(II)五水和物である。

0022

触媒は、非放射性BMIPPに対して少量存在させればよく、精製工程で除去する観点からできるだけ少量であることが好ましい。触媒は、非放射性BMIPPに対して、0.001〜0.1のモル比で存在させることができ、好ましくは0.01〜0.05である。

0023

ヨウ素交換反応は、123Iの場合、反応開始時において100MBq以上の放射性ヨウ素を用いることができ、好ましくは370MBq以上の放射性ヨウ素を用いることができる。放射性ヨウ素標識BMIPPの商業生産規模の観点では、放射性ヨウ素は1GBq以上を用いることが好ましい。上限はサイクロトロンが製造できる量であれば特に制限されないが、例えば、300GBq以下である。本発明では、100GBq以上の放射性ヨウ素を用いても高標識率かつ高収率で放射性ヨウ素標識BMIPPを得ることが可能である。

0024

ヨウ素交換反応は、加熱還流しながら行うことが好ましく、反応溶媒の沸点以上に加熱することがより好ましく、反応溶媒と酸との共沸温度以上に加熱することがさらに好ましい。具体的には100℃以上が好ましく、より好ましくは150℃以上であり、よりさらに好ましくは160℃以上である。上限は限定されないが、200℃以下が実用的である。

0025

ヨウ素交換反応の反応時間は、特に限定されないが、10〜60分であることが好ましい。

0026

ヨウ素交換反応の反応容器としては、反応液が収容可能な容量のガラス容器若しくは溶媒に耐性のあるプラスチック容器を用いることができる。また、加熱器としては、特に限定されないが、例えばブロックヒーターエアヒーター又はマントルヒーターが用いられる。

0027

[工程1]の標識工程を行うことで、放射性ヨウ素標識BMIPPを得ることができる。ヨウ素交換反応の反応残渣には、放射性ヨウ素標識BMIPPの他、少なくとも未反応の非放射性BMIPP及び未反応の放射性ヨウ素が含まれる。

0028

[工程2]精製工程
精製工程では、放射性ヨウ素標識BMIPPを、液液抽出法で精製する。この精製工程は、好ましくは、以下の[工程2−1]及び[工程2−2]をこの順で実行する。
[工程2−1]放射性ヨウ素標識BMIPPを有機層に抽出する抽出工程
[工程2−2][工程2−1]の有機層を洗浄する洗浄工程。

0029

本発明において、「液液抽出法」は、互いに混ざり合わない極性溶媒非極性溶媒とを混合し、化合物分配を利用して分離若しくは濃縮する方法をいう。用いる極性溶媒と非極性溶媒は、互いに混ざり合わず、反応を起こさず、かつ除去しやすい溶媒が好ましい。液液抽出法を用いることで、非極性溶媒により溶けやすい化合物は、非極性溶媒層に移動し、極性溶媒により溶けやすい化合物は、極性溶媒層に移動する。これを分液漏斗や抽出フラスコ等の器具を用いて分離することで、目的の化合物を含んだ溶液を得ることができる。
液液抽出法に用いる極性溶媒は、主に水が用いられる。液液抽出法に用いる非極性溶媒は水と互いに混ざり合わない非極性有機溶媒であり、ヘキサン、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、クロロホルムなどが用いられる。
極性溶媒と非極性溶媒とが比重によって互いに二層に分離した場合に、極性溶媒の層を一般に「水層」と表現し、非極性溶媒の層を一般に「有機層」と表現する。極性溶媒として水を用い、非極性溶媒としてヘキサン又はジエチルエーテルを用いた場合は、水層が下層になり、有機層が上層になる。また、非極性溶媒としてジクロロメタン又はクロロホルムを用いた場合は、水層が上層になり、有機層が下層になる。

0030

[工程2−1]抽出工程
抽出工程では、放射性ヨウ素標識BMIPPを有機層に抽出する。

0031

抽出工程に用いる極性溶媒は水であり、非極性溶媒はヘキサン、ジエチルエーテル、ジクロロメタン又はクロロホルムから適宜選択することができる。放射性ヨウ素標識BMIPPは、脂肪酸誘導体であるため、脂溶性が高く非極性溶媒により溶けやすい。そのため、抽出工程により、放射性ヨウ素標識BMIPPを選択的に主に有機層に移動させることができる。

0032

抽出工程は、放射性ヨウ素標識BMIPPの抽出率を向上させるために複数回繰り返して行うことができる。この場合、放射性ヨウ素標識BMIPPを含む有機層を回収したあとに、分離した水層に、非極性溶媒を再度添加して分離する工程を繰り返す。

0033

[工程2−2]洗浄工程
洗浄工程では、抽出工程で得られた放射性ヨウ素標識BMIPPを含む有機層を洗浄する。

0034

有機層の洗浄は、水又は無機塩類水溶液を用いて行われる。
一般に有機化合物の水に対する溶解性は、無機塩類の存在によって著しく低下するため、放射性ヨウ素標識BMIPPを含む有機層に、無機塩類の水溶液、好ましくは無機塩類の飽和水溶液を添加して液液抽出を行うことで、有機層を洗浄し、放射性ヨウ素標識BMIPPの純度をより高めることができる。

0035

無機塩類としては、塩化ナトリウム、水酸化ナトリウム、亜硫酸ナトリウム硫酸ナトリウム塩化カルシウム炭酸ナトリウム、又は炭酸水素ナトリウムが用いられる。放射性ヨウ素標識BMIPPの純度をより高める観点では、無機塩類の濃度をできるだけ高く、好ましくは飽和濃度で存在させた水溶液を用いることが好ましい。
「飽和濃度」とは、当該工程を行う温度において、無機塩類が水に溶け最大量を溶解させた濃度をいい、「無機塩類の飽和水溶液」とは、水に対して飽和濃度の無機塩類が溶解した水溶液をいう。

0036

有機層は、硫酸ナトリウムや硫酸マグネシウムなどの乾燥剤を用いて、水分を除去することもできる。

0037

有機層は、溶媒を除去することで、精製された放射性ヨウ素標識BMIPPを得ることができる。溶媒の除去は、例えば、減圧下で溶媒を蒸散させて実行することができる。
溶媒の除去は、抽出工程で得られた有機層に対して行ってもよいし、洗浄工程で得られた有機層に対して行ってもよいし、乾燥剤による乾燥後の有機層に対して行ってもよい。

0038

精製工程として、液液抽出を行うことでと大型の機器を必要とするHPLCを必要とせず、有機溶媒の使用量を削減し、ハンドリングに優れた簡便な操作の製造手順で、純度の高い放射性ヨウ素標識BMIPPを得ることができる。

0039

[工程3]製剤化工程
精製工程を経た放射性ヨウ素標識BMIPPは、さらに製剤化工程を実行することで、放射性医薬として用いることができる。
製剤化工程は、生理学的、薬学的又は化学的許容される添加剤を添加して実行することができる。注射剤として調製する場合は、例えば、緩衝剤可溶化剤安定化剤酸化防止剤又は担体を必要に応じて添加し、又は水や生理食塩液などの等張液希釈する処理によって実行することができる。

0040

「緩衝剤」は、他の酸や塩基が溶液にある程度まで加えられても溶液のpHを一定の数値範囲に保持されるようにするために、その溶液に加えられる化合物である。緩衝剤は、クエン酸緩衝液ホウ酸緩衝液又はリン酸緩衝液などの公知の緩衝剤から適宜選択することができる。本発明に係る放射性医薬のpHとして好ましくは、2.0〜10.0であり、好ましくは5.0〜10.0であり、さらに好ましくは8.0〜10.0である。

0041

「可溶化剤」は、媒体に難溶又は不溶の物質を溶解させて均一な溶液とするために、若しくは媒体に難溶な化合物と可溶性複合体を形成し溶解度を増加させるために、溶液に加えられる化合物である。可溶化剤は、ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート80等の界面活性剤コール酸デオキシコール酸ウルソデオキシコール酸等の乳化剤;第十七改正日本薬局方に定める溶解補助剤;又はその他公知の可溶化剤から1又は2以上を適宜選択することができる。

0042

「安定化剤」は、化合物の化学的分解物理的変化を抑制する目的で溶液に加えられる化合物であり、放射性ヨウ素標識化合物の場合は、安定化剤は、放射線分解や放射性ヨウ素の遊離を抑制する効果を有することが好ましい。例えば、アスコルビン酸、ゲンチジン酸等から適宜選択することができる。

0043

「担体」は、放射性ヨウ素標識化合物と同じ化学構造の非放射性化合物であり、本発明においては、非放射性BMIPPである。

0044

製剤化工程を経て得られた放射性医薬は、放射性ヨウ素として123I若しくは125Iを用いた場合は、単一光子放射断層撮影SPECT)用の放射性医薬として、124Iを用いた場合は、陽電子放射断層撮影(PET)用の放射性医薬として、若しくは131Iを用いた場合は、β線による治療用の放射性医薬として用いることができる。

0045

以下、実施例を記載して本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。

0046

(実施例1〜4)123I−BMIPPの製造
(実施例1)
ヨードバルク(123I)溶液に、水酸化ナトリウムを適量添加して、加熱蒸散し、ヨウ化ナトリウム(123I)を得た。また、非放射性BMIPPは公知の方法に従って製造した。
反応容器(10mL容量、ガラス製)にプロピオン酸0.3mL及び水0.3mLを入れ、非放射性BMIPP10mgと、触媒として硫酸銅(II)五水和物200μgを溶解させた。次いで、ヨウ化ナトリウム(123I)を放射能量として0.37〜10GBq(10〜270mCi、n=6)添加した。マントルヒーターを用いて154℃で35分間加熱し、ヨウ素交換反応を行った。
標識後、下記の条件による薄層クロマトグラフィーTLC)法で分析した。薄層板全体の放射能量を100%とした場合に、123I−BMIPPの放射能量の割合を標識率(%)とした。TLCの条件は、以下に示すとおりである。
(TLC条件)
薄層版:Silicagel60 F254(製品名、メルク社製)
展開溶媒:クロロホルム・酢酸(95:5)
RI検出器:JTC—600型(アロカ社製)

0047

(実施例2)
酸として酢酸0.3mL、ヨウ化ナトリウム(123I)を放射能量として0.37GBq(10mCi)を用いてヨウ素交換反応を行った以外は、実施例1と同様に行った。

0048

(実施例3)
ヨウ化ナトリウム(123I)を放射能量として0.37GBq(10mCi)を用いて、マントルヒーターで170℃に加熱してヨウ素交換反応を行った以外は、実施例1と同様に行った。

0049

(実施例4)
ヨウ化ナトリウム(123I)を放射能量として0.37〜7.40GBq(10〜200mCi、n=5)を用いて、マントルヒーターで170℃に加熱してヨウ素交換反応を行った以外は、実施例1と同様に行った。

0050

実施例1〜4のヨウ素交換反応で用いた酸の種類及び反応温度、標識率(%)、収率(%)を表1に示した。表1中、標識率は上記のTLC法により算出し、収率は仕込み放射能に対する123I−BMIPPの放射能量から算出した。

0051

0052

酸としてプロピオン酸を用いた場合は、酢酸を用いた場合に比べて標識率が高い傾向を示した(実施例1〜4)。
また、酢酸を使用した場合は反応器への吸着が20%程度生じたが(実施例2)、プロピオン酸(実施例1)では吸着が抑えられ、123I−BMIPPの収率が高かった。

0053

(実施例5−1〜5−2)123I−BMIPPの液液抽出
実施例3と同様の反応条件で123I−BMIPPを製造し、未精製の123I−BMIPPを含む溶液を得た。未精製の123I−BMIPPを含む溶液を抽出フラスコに入れ、水15mL、亜硫酸ナトリウム水溶液5mLを加え、混和したのちにジエチルエーテル30mLを加えて十分に振り混ぜた。室温で抽出フラスコを静置し、有機層と水層に分離したことを確認後、ジエチルエーテル層分取した。

0054

分取したジエチルエーテル層を再度抽出フラスコに入れ、炭酸水素ナトリウム水溶液(7%重量/体積%、20mL)を加えて、十分に振り混ぜた。室温で抽出フラスコを静置し、有機層と水層に分離したことを確認後、水層を除去した。

0055

抽出フラスコ内のジエチルエーテル層に、適量の水を滴下し、十分に振り混ぜた。室温で抽出フラスコを静置し、有機層と水層に分離したことを確認後、水層を除去した。この操作を2回繰り返した。

0056

抽出フラスコ内のジエチルエーテル層を取り出し、減圧留去して媒体を除去した。そこにデオキシコール酸水溶液(3.6mg/mL)を加えて溶解し、放射能量を計測して、これをジエチルエーテル層の放射能量とした。また、分離した水層を全て合わせて放射能量を計測して、これを水層の放射能量とした。標識率は上記のTLC法と同様に算出した。123I−BMIPPとしての収率は、「ジエチルエーテル層の放射能量/(ジエチルエーテル層の放射能量+水層の放射能量)×100」によって算出した。結果を表2に示す。

0057

0058

標識率はいずれも85%を超え、液液抽出による精製(抽出工程、洗浄工程)を経た123I−BMIPPとしての収率はいずれも70%を超える高い収率であった。

0059

(実施例6)
反応容器(10mL容量、ガラス製)にプロピオン酸0.6mL及び水0.6mLを入れ、非放射性BMIPP20mg、硫酸銅(II)五水和物102μgを溶解させた。次いで、ヨウ化ナトリウム(123I)を、放射能量として反応開始時において137〜149GBq(795〜862mCi、n=3)添加した。マントルヒーターを用いて173℃で44分間加熱し、ヨウ素交換反応を行った。
標識後、ジエチルエーテル55mL、炭酸水素ナトリウム20mLを添加してジエチルエーテル層に123I−BMIPPを抽出し、注射用水で洗浄して、減圧下濃縮した。下記TLC法で標識率(%)を分析した。薄層板全体の放射能量を100%とした場合に、123I−BMIPPの放射能量の割合を標識率(%)とした。また、ヨウ化ナトリウム(123I)の放射能量に対する123I−BMIPPの放射能量の割合から収率(%)を算出した。
(TLC条件)
薄層板:KC−18(製品名、Whatman社製)
展開溶媒:メタノール・酢酸(40:1)
RI検出器:ラジオクロマトスキャナーシステムユニバーサル技研社製)

0060

実施例6の結果、標識率99.6±0.635%(n=3、平均値±標準偏差)、収率80.0±4.83%(n=3、平均値±標準偏差)で123I−BMIPPを得た。

0061

得られた123I−BMIPPに、日本薬局方ウルソデオキシコール酸、日本薬局方リン酸水素ナトリウム及び日本薬局方水酸化ナトリウムを加えて123I−BMIPPを含有する放射性医薬を得た。

0062

以上説明した通り、本発明に係る放射性ヨウ素標識BMIPPの製造方法によれば、製造手順のハンドリングがより簡便で、かつ使用する有機溶媒の量を低減することかでき、放射性ヨウ素標識BMIPPの商業生産に貢献することを可能とする。
本発明は、以下の技術的思想包含するものである。

実施例

0063

(1)15−(4−ヨードフェニル)−3(R,S)−メチルペンタデカン酸(BMIPP)と、放射性ヨウ素とから、ヨウ素交換反応によって放射性ヨウ素標識BMIPPを得る標識工程と、
前記放射性ヨウ素標識BMIPPを、液液抽出法で精製する精製工程と、
を含む、放射性ヨウ素標識BMIPPの製造方法。
(2)前記放射性ヨウ素が、123I、124I、125I又は131Iのいずれかである、(1)記載の放射性ヨウ素標識BMIPPの製造方法。
(3)前記標識工程が、炭素数3〜5のカルボン酸の存在下で反応条件を与えることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の放射性ヨウ素標識BMIPPの製造方法。
(4)前記カルボン酸がプロピオン酸である、(3)に記載の放射性ヨウ素標識BMIPPの製造方法。
(5)前記ヨウ素交換反応が、銅触媒存在下で実行される、(1)乃至(4)いずれか1項に記載の放射性ヨウ素標識BMIPPの製造方法。
(6)前記銅触媒が硫酸銅(II)五水和物である、(5)記載の放射性ヨウ素標識BMIPPの製造方法。
(7)前記標識工程の開始時において、1GBq以上の放射性ヨウ素を用いて前記標識工程を実行する、(1)乃至(6)いずれか1項に記載の放射性ヨウ素標識BMIPPの製造方法。
(8)(1)乃至(7)いずれか1項に記載の放射性ヨウ素標識BMIPPの製造方法を実行する合成工程と、
前記合成工程で得られた放射性ヨウ素標識BMIPPを製剤化する製剤化工程と、
を含む、放射性ヨウ素標識BMIPPを含有する放射性医薬の製造方法。

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