図面 (/)

技術 難燃シート

出願人 凸版印刷株式会社
発明者 大島野乃花
出願日 2019年3月29日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2019-068664
公開日 2020年10月8日 (4ヶ月経過) 公開番号 2020-163792
状態 未査定
技術分野 積層体(2)
主要キーワード 技術的基準 多面体形 製品要求 炭酸カルシウム塩 艶消し加工 トップコート層用 耐摩耗効果 ドリップ現象
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年10月8日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (2)

課題

難燃性及び耐摩耗性に優れた難燃シートを提供する。

解決手段

基材層2、第1アンカー層3、表面層4a及び表面保護層4bがこの順に積層された難燃シート1とした。そして、基材層2を、熱可塑性樹脂と、無機質材料とを含有するものとした。また、表面層4aを、アクリルゴム変性されたアクリロニトリル−スチレン共重合体と、アルキルアクリレート及びアルキルメタクリレートからなる群から選択される少なくとも1種類のモノマー重合してなる(メタアクリレート系重合体と、艶消し剤と、着色剤樹脂中に分散されてなる種剤とを含有するものとした。

概要

背景

近年、光沢を低減させた表面層を有する多層体が好まれている。このような多層体として、特に木質調等ののない木質感を備えた表面層を有する多層体の需要伸びている。
このような多層体を得る方法として、例えば、表面層を構成するPMMA樹脂に、架橋PMMA樹脂からなる有機系艶消し剤や、シリカ粉マイカ粉等の無機艶消し剤を添加する方法がある(例えば、特許文献1参照。)しかしながら、このような方法では、木目柄を付与するために、着色剤樹脂中に分散されてなる種剤を添加しても、木目柄が不明瞭すぎたり、木目柄が明瞭すぎたりして、木目柄を良好に発現させるのが難しかった。

さらに、例えば、表面層を構成する樹脂中に木粉を添加する方法があるが、このような方法では、表面が汚染されると、汚染物質が除去され難く、耐汚染性が低下していた。
また、例えば、ABS樹脂、PMMA樹脂を用いて共押出成形した後、後加工として、エンボス加工サンドブラスト加工等の艶消し加工を行うことで艶消し層を設ける方法があるが、このような方法では、成形後の後加工を要するので、生産性が問題となった。

概要

難燃性及び耐摩耗性に優れた難燃シートを提供する。基材層2、第1アンカー層3、表面層4a及び表面保護層4bがこの順に積層された難燃シート1とした。そして、基材層2を、熱可塑性樹脂と、無機質材料とを含有するものとした。また、表面層4aを、アクリルゴム変性されたアクリロニトリル−スチレン共重合体と、アルキルアクリレート及びアルキルメタクリレートからなる群から選択される少なくとも1種類のモノマー重合してなる(メタアクリレート系重合体と、艶消し剤と、着色剤が樹脂中に分散されてなる種剤とを含有するものとした。

目的

本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、艶消し性、耐汚染性及び耐キズ性の向上、良好な木目柄が十分に発現されることが可能な難燃シートを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

基材層アンカー層表面層及び表面保護層がこの順に積層された難燃シートであって、前記基材層は、熱可塑性樹脂と、無機質材料とを含有し、前記表面層は、アクリルゴム変性されたアクリロニトリル−スチレン共重合体と、アルキルアクリレート及びアルキルメタクリレートからなる群から選択される少なくとも1種類のモノマー重合してなる(メタアクリレート系重合体と、艶消し剤と、着色剤樹脂中に分散されてなる種剤とを含有することを特徴とする難燃シート。

請求項2

前記艶消し剤は、アルキルアクリレート−アルキルメタクリレート−スチレン共重合体粒状ゴムシリカ粉マイカ粉及び炭酸カルシウムからなる群から選択される1種類以上の物質であることを特徴とする請求項1に記載の難燃シート。

請求項3

前記熱可塑性樹脂は、ポリ塩化ビニル樹脂アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体樹脂ポリスチレン樹脂ハイインパクトポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂変性ポリフェニレンエーテル樹脂ポリエチレン樹脂ポリプロピレン樹脂及びポリエステル系樹脂、並びにそれらの混合樹脂の少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の難燃シート。

請求項4

前記種剤の樹脂は、前記表面層を構成する共重合体及び重合体の混合物よりメルトフローレート値が低い樹脂であることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の難燃シート。

請求項5

前記表面層を構成する共重合体と重合体との含有比率質量比で20/80〜90/10であることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の難燃シート。

請求項6

前記無機質材料は、三酸化アンチモンアンチモンソーダ珪酸ジルコン酸化ジルコン、水酸化マグネシウム水酸化アルミニウム塩基性炭酸マグネシウム硼砂ホウ酸亜鉛、炭酸カルシウム、三酸化モリブデンあるいはジモリブデン酸アンチモンと水酸化アルミニウムの錯体、三酸化アンチモンとシリカの錯体、三酸化アンチモンと亜鉛華の錯体、ジルコニウムケイ酸、及びジルコニウム化合物と三酸化アンチモンの錯体、並びにそれらの塩の少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の難燃シート。

請求項7

前記無機質材料の含有量は、前記熱可塑性樹脂100質量部に対して、17.6質量部以上900質量部未満の範囲内であることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の難燃シート。

技術分野

0001

本発明は、難燃シートに関する。

背景技術

0002

近年、光沢を低減させた表面層を有する多層体が好まれている。このような多層体として、特に木質調等ののない木質感を備えた表面層を有する多層体の需要伸びている。
このような多層体を得る方法として、例えば、表面層を構成するPMMA樹脂に、架橋PMMA樹脂からなる有機系艶消し剤や、シリカ粉マイカ粉等の無機艶消し剤を添加する方法がある(例えば、特許文献1参照。)しかしながら、このような方法では、木目柄を付与するために、着色剤樹脂中に分散されてなる種剤を添加しても、木目柄が不明瞭すぎたり、木目柄が明瞭すぎたりして、木目柄を良好に発現させるのが難しかった。

0003

さらに、例えば、表面層を構成する樹脂中に木粉を添加する方法があるが、このような方法では、表面が汚染されると、汚染物質が除去され難く、耐汚染性が低下していた。
また、例えば、ABS樹脂、PMMA樹脂を用いて共押出成形した後、後加工として、エンボス加工サンドブラスト加工等の艶消し加工を行うことで艶消し層を設ける方法があるが、このような方法では、成形後の後加工を要するので、生産性が問題となった。

先行技術

0004

特開平9−174735号公報

発明が解決しようとする課題

0005

このような難燃シートでは、艶消し性、耐汚染性、耐キズ性及び生産性のさらなる特性向上とともに、良好な木目柄が十分に発現されることが求められている。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、艶消し性、耐汚染性及び耐キズ性の向上、良好な木目柄が十分に発現されることが可能な難燃シートを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上記課題を解決するために、本発明の一態様は、基材層アンカー層、表面層及び表面保護層がこの順に積層された難燃シートであって、基材層は、熱可塑性樹脂と、無機質材料とを含有し、表面層は、アクリルゴム変性されたアクリロニトリル−スチレン共重合体と、アルキルアクリレート及びアルキルメタクリレートからなる群から選択される少なくとも1種類のモノマー重合してなる(メタアクリレート系重合体と、艶消し剤と、着色剤が樹脂中に分散されてなる種剤とを含有する難燃シートであることを要旨とする。

発明の効果

0007

本発明の一態様によれば、表面層構成樹脂として特定の重合体を併用するので、艶消し剤によって表面の光沢を十分に低減でき、艶を有効に消失させ得る。しかも良好な木目柄を発現させ得る。そのような木目柄は、不明瞭すぎず、また明瞭すぎもせず、実際の木材と同等の適度な明瞭さを有している。また、本発明の難燃シートは、耐汚染性、耐キズ性及び生産性にも優れている。したがって、艶消し性、耐汚染性及び耐キズ性の向上、良好な木目柄が十分に発現されることが可能な難燃シートを提供できる。

図面の簡単な説明

0008

本発明の実施形態に係る難燃シートの構成を示す断面図である。

0009

以下、図面を参照して、本技術の実施形態を説明する。図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付し、重複する説明を省略する。各図面は模式的なものであり、現実のものとは異なる場合が含まれる。以下に示す実施形態は、本技術の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本技術の技術的思想は、下記の実施形態に例示した装置や方法に特定するものでない。本技術の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることが可能である。また、以下の説明における「左右」や「上下」の方向は、単に説明の便宜上の定義であって、本発明の技術的思想を限定するものではない。よって、例えば、紙面を90度回転すれば「左右」と「上下」とは交換して読まれ、紙面を180度回転すれば「左」が「右」になり、「右」が「左」になることは勿論である。

0010

(難燃シート)
難燃シート1は、図1に示すように、基材層2の一方の面(以下、「おもて面」とも呼ぶ)に、第一アンカー層3及び化粧層4がこの順に積層され、基材層2の他方の面(以下、「裏面」とも呼ぶ)に、第二アンカー層5及びプライマー層6がこの順に積層されて構成されている。なお、難燃シート1の最表面にエンボス加工による凹凸模様を設けてもよい。凹凸模様を設けることで、音の反響の防止が可能となる。

0011

また、難燃シート1は、ASTME 1354「建築材料燃焼性試験方法」に準拠した燃焼試験において、50kW/m2の輻射加熱条件下で30分間加熱し燃焼したときの最大発熱速度が350kW/m2以下であることが好ましく、300kW/m2以下であることがより好ましい。難燃シート1の上記最大発熱速度が350kW/m2を超えると、充分な難燃性を発現できなくなる可能性がある。
また、難燃シート1は、ASTM E 1354に準拠した燃焼試験において、50kW/m2の輻射加熱条件下で30分間加熱し燃焼することにより得られた燃焼残渣を0.1cm/秒の速度で圧縮したときの降伏点応力が4.9×103Pa以上であることが好ましい。降伏点応力が4.9×103Pa未満であると、僅かな衝撃により燃焼残渣が簡単に崩壊し、火災時に難燃シート1自体やこの難燃シート1を用いた化粧板等にドリップ現象が発生して、延焼の危険性が生じる可能性がある。

0012

また、難燃シート1は、JIS A 1322「建築用薄物材料の難燃性試験方法」に規定される防炎2級以上の防炎性能を有することが好ましい。防炎性能が上記規定を満たさないと、充分な難燃性を発現せず、実用性が不充分となる可能性がある。
また、難燃シート1は、JIS L 1091「繊維製品の燃焼性試験方法」に規定される区分3以上の防炎性能を有することが好ましい。難燃シート1の防炎性能が上記規定を満たさないと、充分な難燃性を発現せず、実用性が不充分となる可能性がある。

0013

また、難燃シート1は、建築基準法施工令に規定の不燃材料技術的基準においては、ISO5660−1に準拠したコーンカロリーメーター試験機による発熱性試験において下記の要件を満たして不燃性を有することが好ましい(建築基準法施工令第108条の2第1号及び第2号)。不燃性が認定されるためには、不燃性基材と貼り合わせた状態で50kW/m2の輻射熱による加熱にて20分間の加熱時間において下記の1〜3の要求項目をすべて満たす必要がある。
1.総発熱量が8MJ/m2以下
2.最高発熱速度が10秒以上継続して200kW/m2を超えない
3.防炎上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴が生じない
なお、不燃性基材としては、石こうボード繊維混入ケイ酸カルシウム板又は亜鉛メッキ鋼板から選択して用いることができる。

0014

(基材層)
基材層2は、熱可塑性樹脂と、無機質材料とを含有している。熱可塑性樹脂としては、少なくとも押出成形性を有するものが好ましい。例えば、ポリ塩化ビニル樹脂PVC樹脂)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)樹脂、ポリスチレン樹脂(PS樹脂)、ハイインパクトポリスチレン樹脂HIPS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、変性ポリフェニレンエーテル樹脂PPE樹脂)、ポリエチレン樹脂ポリプロピレン樹脂、及びポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、又はそれらの混合樹脂の少なくとも1種を含有することが好ましい。特に、成形性、強靭性経済性の面からは、PVC樹脂、PS樹脂、HIPS樹脂、ABS樹脂がより好ましい。特に好ましくは、少なくともABS樹脂が使用される。なお、基材層2の構成樹脂は、製品要求特性に応じて適宜選択して使用すればよい。

0015

また、熱可塑性樹脂には、タルクマイカシラスバルーンセルロース系材料等の充填材軽量化材ガラス繊維セルロース繊維等の補強材ポリエチレン流動パラフィン脂肪酸アミド等の滑剤難燃剤、着色剤、及び加工助剤等を添加してもよい。
無機質材料は、粉末形状粉体形状)であることが好ましい。また、無機質材料の平均粒子径モード径)は、1μm以上3μm以下の範囲内であり、且つ最大粒子径が50μm以下であることが好ましい。平均粒子径が1μm未満であると、無機質材料同士の凝集力が高まり、熱可塑性樹脂への分散性が低下する可能性がある。また、平均粒子径が3μmを超えると、基材層2の表面の平坦性が低下し、第一アンカー層3や第二アンカー層5の厚さが不均一となる可能性やムラ欠けが発生する可能性がある。また、無機質材料の最大粒子径が50μmを超えると、基材層2の表面の平坦性が低下し、第一アンカー層3や第二アンカー層5の厚さが不均一となる可能性やムラや欠けが発生する可能性がある。

0016

以上説明したように、無機質材料の平均粒子径及び最大粒子径を、上述した範囲内とすることで、熱可塑性樹脂に対する無機質材料の分散性を向上させるとともに、基材層2の表面に対し、平坦性を維持することが可能となる。
無機質材料の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、17.6質量部以上900質量部未満の範囲内であればよく、30質量部以上750質量部以下の範囲内であればより好ましく、45質量部以上600質量部以下の範囲内であればさらに好ましい。
無機質材料の含有量が、17.6質量部未満であると、相対的に熱可塑性樹脂の割合が多くなるため、不燃性や難燃性、耐候性耐摩耗性が得にくい傾向がある。さらに、基材層2の表面を、ホフマンスクラッチテスターを用いて引っ掻いた際に、視認可能な程度の傷が付く可能性がある。即ち、十分な表面硬度が得られない可能性がある。

0017

一方、無機質材料の含有量が、熱可塑性樹脂100質量部に対して、900質量部を超えると、相対的に熱可塑性樹脂の割合が少なくなる。このため、第一アンカー層3や第二アンカー層5の形成時に、基材層2の表面にいわゆる「粉吹き」が発生する可能性がある。ここで、「粉吹き」とは、基材層2に含まれた無機質材料が、基材層2の表面に浮き出る状態を示す。また、化粧層4の形成時に、基材層2から浮き出た無機質材料によってインキが積層しにくくなり、印刷適性が低下する可能性がある。また、柔軟性が低下し、第一アンカー層3、第二アンカー層5及び化粧層4の少なくとも一つを形成したシートを、ロール状又は枚葉木質系基材及び石系基材ラミネートする際に、ラミネートが困難となり、ラミネート適性が低下する傾向がある。また、第一アンカー層3、第二アンカー層5及び化粧層4の少なくとも一つを形成したシートを折り曲げて再び開いた際に、折り曲げた部分に割れや無機質材料の落下が発生する可能性がある。また、化粧層4を形成したシートの表面にセロハンテープ圧着した後、強く引き剥がし、化粧層4又は第一アンカー層3と化粧層4との間で剥離が生じ、インキ密着性が低下する可能性がある。

0018

以上説明したように、無機質材料の含有量を熱可塑性樹脂100質量部に対して上述した範囲内とすることで、熱可塑性樹脂と特定料の無機質材料との比率が適切なものとなるため、不燃性又は難燃性を得つつ、粉吹きの発生を低減することが可能となる。これに加え、印刷適性及びラミネート適性を向上させることが可能となり、且つシートの折り曲げ部に発生する割れや無機質材料の落下を低減させることが可能となり、さらに、十分な表面硬度を得ることと、インキ密着性を向上させることが可能となる。また、難燃性、耐候性、耐摩耗性及び柔軟性等の力学的物性を向上させることが可能となる。

0019

無機質材料としては、例えば、炭酸カルシウム炭酸マグネシウム水酸化アルミニウム水酸化マグネシウムカオリンシリカパーライト硫酸カルシウム硫酸バリウム焼成アルミナケイ酸カルシウム、タルク、マイカ、シラスバルーン等を用いることが可能である。さらに、例えば、シリカ(特に、中空シリカ)、アルミナ三酸化アンチモンアンチモンソーダ珪酸ジルコン酸化ジルコン等のジルコニウム化合物、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム硼砂ホウ酸亜鉛三酸化モリブデンあるいはジモリブデン酸アンチモンと水酸化アルミニウムの錯体等、三酸化アンチモンとシリカの錯体、三酸化アンチモンと亜鉛華の錯体、ジルコニウムケイ酸、ジルコニウム化合物と三酸化アンチモンの錯体、並びにそれらの塩等の少なくとも1種を用いることが可能である。特に、炭酸カルシウム及び炭酸カルシウム塩は、製造手法による粒径コントロールや熱可塑性樹脂との相溶性の制御が容易であり、また、材料コストとしても安価であるため、樹脂シート10の低廉化の観点からも好適である。また、上述した無機質材料は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0020

本実施形態では、一例として、無機質材料が、炭酸カルシウムである場合について説明する。これは、無機質材料としては、炭酸カルシウム、タルク、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムが、切削性及び経済性等の点から好ましく、特に、炭酸カルシウムが好適であることが理由である。炭酸カルシウムとしては、特に制限は無く、沈降性炭酸カルシウム重質炭酸カルシウム軽質炭酸カルシウム等を用いることが可能である。
炭酸カルシウムの平均粒径は、1[μm]以上3[μm]以下の範囲内が好ましい。
また、熱可塑性樹脂と無機質材料との合計含有量は、難燃シート1の質量に対して、90質量%以上100質量%以下の範囲内であることが好ましい。熱可塑性樹脂と無機質材料との合計含有量が、難燃シート1の質量に対して90質量%未満であると、十分な不燃性又は十分な難燃性が得られない可能性がある。また、印刷適性やラミネート適性が低下したり、シートの折り曲げ部に割れが発生したりする可能性がある。

0021

以上説明したように、熱可塑性樹脂と無機質材料との合計含有量を上述した数値範囲内とすることで、十分な不燃性又は十分な難燃性を得つつ、印刷適性やラミネート適性を向上させ、且つ、シートの折り曲げ部に発生する割れを低減することが可能となる。
なお、熱可塑性樹脂と無機質材料との合計含有量が、難燃シート1の質量に対して、100質量%である場合には、熱可塑性樹脂の含有量を10質量%以上85質量%以下の範囲内とし、無機質材料の含有量を15質量%以上90質量%以下の範囲内とすることが好ましい。また、熱可塑性樹脂の含有量を20質量%以上80質量%以下の範囲内とし、無機質材料の含有量を20質量%以上80質量%以下の範囲内とすることがより好ましい。また、熱可塑性樹脂の含有量を20質量%以上40質量%以下の範囲内とし、無機質材料の含有量を60質量%以上80質量%以下の範囲内とすることがさらに好ましい。熱可塑性樹脂と無機質材料との合計含有量が上述した数値範囲内であれば、十分な不燃性又は十分な難燃性を確実に得つつ、印刷適性やラミネート適性を確実に向上させ、且つ、シートの折り曲げ部に発生する割れを確実に低減することが可能となる。

0022

また、基材層2の厚さは、50μm以上250μm以下の範囲内であることが好ましく、70μm以上200μm以下の範囲内であることがより好ましい。基材層2の厚さが50μm未満であると、ラミネート適性が低下する傾向がある。また、基材層2の厚さが250μmを超えると、シートの折り曲げ部に割れが発生する可能性がある。したがって、基材層2の厚さが上述した数値範囲内であれば、ラミネート適性を向上させ、且つ、シートの折り曲げ部に発生する割れを低減することが可能となる。
また、基材層2は、1軸延伸又は2軸延伸の原反層であることが好ましい。1軸延伸又は2軸延伸の原反層であれば、難燃シート1の汎用性を高めることが可能となる。さらに、基材層2には、第一アンカー層3や第二アンカー層5を形成する前に、コロナ処理プラズマ処理等の表面処理を施すことが好ましい。基材層2にコロナ処理やプラズマ処理等の表面処理を施すことで、第一アンカー層3や第二アンカー層5と基材層2との接着性密着性)を、向上させることが可能となる。また、第一アンカー層3や第二アンカー層5を形成する前に基材層2をブラッシングすることで、粉吹きした無機質材料(例えば、粉状の炭酸カルシウム)を事前に落とすようにしてもよい。

0023

(第一アンカー層)
第一アンカー層3は、基材層2の一方の面(おもて面)に積層されており、基材層2の一方の面(おもて面)全体を覆うように形成されている。これにより、第一アンカー層3は、基材層2に含まれる無機質材料の粉落ちを防止できる。印刷時や樹脂塗工時に基材層2に含まれる無機質材料が印刷系内、具体的には印刷装置内で粉落ちすると、印刷系内を汚染する可能性がある。また、基材層2に含まれる無機質材料が粉落ちすると、インキが部分的に印刷されないインキ抜け等の不具合が発生する可能性がある。

0024

また、第一アンカー層3は、基材層2と、後述する表面層4aを形成するインキとの密着性の向上機能も備えている。第一アンカー層3を備えない構成では、表面層4aを形成するインキが、基材層2に密着せずに剥離してしまう可能性がある。
また、第一アンカー層3は、塩酢ビニルを含むウレタン系樹脂や、塩酢ビニルを含むアクリル系樹脂を含有することが好ましい。ここで、「塩酢ビニル」とは、塩化ビニル酢酸ビニルとの共重合体を意味する。また、ウレタン系樹脂としては、例えば、ポリオール成分とイソシアネート成分とを含有する2液硬化型ポリウレタン系接着剤が好ましい。ポリオール成分としては、ポリエステルポリオールポリエステルポリウレタンポリオール、ポリエーテルポリオールポリエーテルポリウレタンポリオール等を用いることが可能である。また、イソシアネート成分としては、TDI、MDI、HDI、PIDI、XDI等のジイソシアネート及びこれらを出発原料とする変性体を用いることが可能である。

0025

第一アンカー層3における、塩酢ビニルを含むウレタン系樹脂、又は塩酢ビニルを含むアクリル系樹脂の含有量は、例えば、第一アンカー層3の質量に対し、乾燥状態で15質量%以上100質量%以下の範囲内が好ましく、80質量%以上100質量%以下の範囲内がより好ましく、85質量%以上95質量%以下の範囲内がさらに好ましい。第一アンカー層3における、塩酢ビニルを含むウレタン系樹脂、又は塩酢ビニルを含むアクリル系樹脂の含有量が上記数値範囲内であれば、第一アンカー層3と表面層4aとの層間強度を十分なものにしつつ、均一でムラや欠けのない第一アンカー層3を形成することができる。第一アンカー層3における、塩酢ビニルを含むウレタン系樹脂、又は塩酢ビニルを含むアクリル系樹脂の含有量が第一アンカー層3の質量に対し、乾燥状態で15質量%未満であると、第一アンカー層3と表面層4aとの層間強度が不十分となる可能性がある。なお、第一アンカー層3における、塩酢ビニルを含むウレタン系樹脂、又は塩酢ビニルを含むアクリル系樹脂の含有量が第一アンカー層3の質量に対し、乾燥状態で100質量%以下であれば使用上何ら問題はないが、95質量%を超えると、第一アンカー層3にムラや欠けが生じる可能性がある。塗布量としては、固形分として概ね0.5[g/m2]以上3.5[g/m2]以下の範囲内が適当である。
また、第一アンカー層3の厚みは、例えば、0.5μm以上20μm以下の範囲内が好ましく、0.5μm以上10μm以下の範囲内がより好ましい。

0026

(化粧層)
化粧層4は、第一アンカー層3に積層されており、第一アンカー層3を間に挟んで、基材層2の一方の面(おもて面)と対向するように形成されている。
また、化粧層4は、表面層4aと、トップコート層4bを備えている。

0027

(表面層)
表面層4aは、第一アンカー層3に積層されている。具体的には、表面層4aは、図1において、第一アンカー層3の上側の面に積層されている。
表面層4aは、少なくとも成分(A)、(B)、(C)及び(D)を含有する。
成分(A)は、アクリルゴムで変性されたアクリロニトリル−スチレン共重合体(以下、「共重合体(A)」とも呼ぶ)である。アクリルゴムは、単官能性アルキルアクリレートと多官能性アルキル(メタ)アクリレートとを重合させたものが好ましい。単官能性アルキルアクリレートとしては、例えば、メチルアクリレートエチルアクリレート、n−プロピルアクリレートn−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらのうちで、好ましい単官能性アルキルアクリレートの例としてはn−ブチルアクリレートである。

0028

多官能性アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレートトリアリルイソシアヌレート等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらのうちで、好ましい多官能性アルキル(メタ)アクリレートの例としては、アリル(メタ)アクリレートと1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレートとの組み合わせである。多官能性アルキル(メタ)アクリレートの使用量は、単官能性アルキルアクリレートと多官能性アルキル(メタ)アクリレートからなる成分中0.1質量%以上20質量%以下の範囲内とすることが好ましく、0.2質量%以上5質量%以下の範囲内とすることがより好ましく、0.2質量%以上1質量%以下の範囲内とすることがさらに好ましい。本明細書中、(メタ)アクリレートは、アクリレートとメタクリレートの両者を包含して意味するものとする。例えば、アリル(メタ)アクリレートは、アリルアクリレート及びアリルメタクリレートの両者を意味する。

0029

アクリルゴムは、単官能性アルキルアクリレートに多官能性アルキル(メタ)アクリレートを添加し、通常のラジカル重合開始剤を作用させて重合させることによって得ることができる。ラジカル重合開始剤としては、過酸化物アゾ系開始剤又は酸化剤と還元剤とを組み合わせたレドックス系開始剤を用いることができる。これらのうちでは、レドックス系開始剤が好ましく、特に硫酸第一鉄エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩、ロンガリットホルムアルデヒドナトリウムスルホキシラート二水塩)及びt−ブチルハイドロパーオキサイドを組み合わせてなるスルホキシレート系開始剤がより好ましい。

0030

アクリルゴムの質量平均粒子径は、特に限定されないが、0.08μm以上2.0μm以下の範囲内とすることが好ましい。質量平均粒子径が0.08μm未満であると、樹脂組成物耐衝撃性が低くなることがある。一方、2.0μmを超えると、樹脂組成物の顔料着色性が低くなることがある。より好ましくは0.1μm以上1.5μm以下である。
共重合体(A)は、上記のようにして製造されたアクリルゴムに、スチレンとアクリロニトリルとを含む単量体混合物グラフト共重合することによって製造できる。グラフト共重合に用いられる単量体の量は、スチレンが65質量%以上85質量%以下、アクリロニトリルが35質量%以上15質量%以下であるのが好ましい。

0031

グラフト共重合に用いられる単量体混合物には、グラフトポリマー分子量やグラフト率を調整するための各種連鎖移動剤を添加することができる。グラフト共重合は、アクリルゴムのラテックスにスチレンとアクリロニトリルを含む単量体混合物を加え、ラジカル重合技術により一段で、或いは多段で行うことができる。
グラフト共重合体の共重合に用いられる単量体混合物の量は、アクリルゴム100質量部に対して、80質量部以上140質量部以下、好ましくは100質量部以上120質量部以下とするのがよい。グラフト共重合の際、全ての単量体混合物がグラフト成分にならず、一部単独の共重合体として存在していても差し支えない。グラフト共重合体の共重合においては、重合ラテックスを安定化させるために乳化剤を添加することができる。用いられる乳化剤としては、特に限定させるものではないが、好ましい例としてカチオン系乳化剤、アニオン系乳化剤及びノニオン系乳化剤があり、さらに好ましい例としてはスルホン酸塩乳化剤又は硫酸塩乳化剤とカルボン酸塩乳化剤との組み合わせがある。

0032

グラフト共重合が終了した後は、ラテックスを酢酸カルシウム硫酸アルミニウム等の金属塩を溶解した熱水中に投入し、塩析し、凝固させることにより共重合体(A)を分離し、回収することができる。
共重合体(A)のメルトフローレートMFR)値は、2〜40、特に5〜30が好ましい。MFR値は、メルトインデクサ((株)タカラサーミスタ社製)を用い、JIS K7210に基づき測定された値を用いている。
上記のような共重合体(A)は、市販品として入手可能である。例えば、市販の「ユーエムジーウッド」(ユーエムジー・エービーエス株式会社製)が使用可能である。

0033

共重合体(A)と後述する成分(B)(重合体(B))との含有比率は、木目柄発現性のさらなる向上の観点から質量比(A/B)で20/80〜90/10が好ましく、より好ましくは35/65〜85/15、さらに好ましくは45/55〜80/20である。
成分(B)は、アルキルアクリレート及びアルキルメタクリレートからなる群から選択される少なくとも1種類のモノマーを重合してなる(メタ)アクリレート系重合体(以下、「重合体(B)」とも呼ぶ)である。重合体(B)は、単独重合体であってもよいし、共重合体であってもよい。アルキルアクリレートは、単官能性のものであり、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート及びイソプロピルアクリレート等が挙げられる。また、アルキルメタクリレートは、単官能性のものであり、例えば、メチルメタクリレートエチルメタクリレート及びイソプロピルメタクリレート等が挙げられる。好ましい重合体(B)は、ポリメチルメタクリレート又は/及びメチルメタクリレートとアルキルアクリレートとの共重合体であり、より好ましくはポリメチルメタクリレートである。

0034

重合体(B)のMFR値は、2〜40、特に5〜30が好ましい。
上記のような重合体(B)は、市販品として入手可能である。例えば、市販の「アクペット」(三菱レイヨン株式会社製)、「スミペックス」(住友化学株式会社製)が使用可能である。
成分(C)は、艶消し剤である。艶消し剤は、表面層4aに含有されることで、表面層4aの層表面を荒らして光沢を低減できる物質であれば、特に限定されるものではなく、建築資材で使用されている有機系又は無機系の艶消し剤等を使用可能である。例えば、アクリル系樹脂及び粒状ゴム等の有機系艶消し剤、及びシリカ粉、マイカ粉及び炭酸カルシウム等の無機系艶消し剤が挙げられる。共重合体(A)及び重合体(B)との混合性及び押出成形による生産性を考慮すれば、有機系艶消し剤、特にアクリル系樹脂が好ましい。

0035

アクリル系樹脂は、アルキルアクリレート及びアルキルメタクリレートからなる群から選択される少なくとも1種類のモノマー(X)と、スチレン、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルからなる群から選択される少なくとも1種類のモノマー(Y)との共重合体である。アルキルアクリレート及びアルキルメタクリレートは、重合体(B)を構成し得るアルキルアクリレート及びアルキルメタクリレートと同様のものを使用可能である。
艶消し剤は、上記有機系及び無機系艶消し剤からなる群から選択される1種類の物質を単独で使用してもよいし、又はその群から選択される2種類以上の物質を組み合わせて使用してもよい。耐候性の観点からは、有機系艶消し剤、特にアクリル系樹脂が好ましく、アルキルアクリレート−アルキルメタクリレート−スチレン共重合体がより好ましく、アルキルアクリレート−メチルメタクリレート−スチレン共重合体がさらに好ましい。

0036

艶消し剤の含有量は、本発明の目的が達成される限り特に制限されないが、艶消し性をより有効に発揮する観点からは、成分(A)及び成分(B)の合計量に対して1.0質量%以上40質量%以下が好ましく、2.0〜30.0質量%がより好ましく、特に4.0〜25.0質量%がさらに好ましい。本発明においては、表面層4a構成樹脂として特定の重合体を併用し、艶消し剤が有効に機能するので、艶消し剤の含有量を低減しても、表面の光沢を十分に低減できるという効果が得られる。
成分(D)は、着色剤が樹脂(以下「種剤用樹脂」とも呼ぶ)中に分散されてなる粒子状の種剤である。種剤は、表面層4aに含有されることで、木材が有する木目柄と同等の適度な明瞭さで木目柄を有効に発現できる物質であれば、特に限定されるものではない。

0037

種剤用樹脂は、表面層4aを構成する共重合体(A)及び重合体(B)の混合物よりMFR値が低い樹脂である。種剤用樹脂は、MFR値が比較的低く、流動性が低いため、押出成形の混練工程で共重合体(A)及び重合体(B)と均一に混合されない。そのため、種剤は、成形体中に不規則境界が適度にはっきりしない筋模様を形成して木目柄に似た外観を付与できる。その混合物は、表面層4aを構成する共重合体(A)及び重合体(B)の混合物であって、表面層4aを構成するときの所定の比率で混合されたものである。

0038

種剤用樹脂のMFR値(M1)は、共重合体(A)及び重合体(B)の混合物のMFR値(M2)よりも小さい限り、特に制限されないが、実際の木目柄により近い木目柄を表現する観点から、以下の関係を有することが好ましい。共重合体(A)及び重合体(B)の混合物は、表面層4aを実際に構成するときの所定の比率で混合されたものである。
1≦M2−M1≦20、特に、2≦M2−M1≦15。
種剤用樹脂の種類としては、共重合体(A)及び重合体(B)とある程度の相溶性のある樹脂が好ましい。程度の相溶性のある樹脂としては、例えば、共重合体(A)として使用可能な上記共重合体(特にアクリロニトリル−スチレン−アクリルゴム共重合体樹脂(ASA樹脂))、重合体(B)として使用可能な上記重合体(特にポリメチルメタクリレート(PMMA樹脂))、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂(ABS樹脂)等が挙げられる。

0039

種剤の着色剤としては、耐候性に優れるものが使用され、例えば、一般の無機顔料が使用可能である。無機顔料としては、従来から建築資材用成形体の分野で使用されているものが使用可能であり、例えば、ブラウン色顔料ブラック色顔料等が使用可能である。
種剤は、種剤用樹脂及び着色剤を十分に混合し、溶融・混練した後、冷却し、粉砕することによって得ることができる。
表面層4a中における種剤の含有量は、木目柄を表現できるものである限り、特に制限されるものではない。例えば、成分(A)及び成分(B)の合計量に対して、0.2質量%以上10質量%以下が好ましく、0.5質量%以上6質量%以下がより好ましい。

0040

表面層4aには、種剤とは別に、着色剤がそのまま含有されてもよい。着色剤をそのまま含有させることによって、木目柄の背景となる下地領域にも着色を行って、木目柄をより良好に発現させることができる。このような着色剤の含有量は、特に制限されるものではなく、例えば、成分(A)及び成分(B)の合計量に対して20質量%以下が好ましく、1.0質量%以上5.0質量%以下がより好ましい。着色剤としては、種剤に含有される着色剤と同様のものが使用可能であり、ブラウン色着色剤を使用するのが好ましい。

0041

また、表面層4aには、種々の物性を高めるために、従来から合成樹脂に用いられる種々の添加剤を添加してもよい。添加剤としては、例えば、アクリル系改質剤紫外線吸収剤帯電防止剤光安定剤酸化防止剤等を用いることができる。
表面層4aの厚さは、50μm以上3000μm以下が好ましく、100μm以上1000μm以下がより好ましい。表面層4aが50μm未満であると、耐候性や基材層2との密着性を出すことが難しい。一方、表面層4aが3000μmより大きいと、耐候性等の効果が変わらない割には経済的に不利となり、また木目柄の発現性も低下する。

0042

(トップコート層)
トップコート層4bは、表面層4aに積層されている。具体的には、トップコート層4bは、図1において、表面層4aの上側の面に積層されている。
また、トップコート層4bは、表面層4aの保護、難燃シート1に要求される耐汚染性、耐擦傷性、耐摩耗性等の表面物性を付与するために設けられる。
トップコート層4bを形成する樹脂としては、例えば、ポリオール成分とイソシアネート成分とを含有する2液硬化型ポリウレタン系樹脂、或いはフッ素樹脂アクリル樹脂及びエチレンビニルアルコール酢酸ビニル共重合体からなる群より選択される少なくとも1種からなる樹脂を用いることが好ましい。ポリオール成分としては、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等を用いることが可能である。イソシアネート成分としては、無黄変タイプでも黄変タイプでも使用可能であるが、無黄変タイプのほうが耐光性においても樹脂塗膜の柔軟性においても好ましい。具体的には、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートイソホロンジイソシアネート等を使用することが望ましい。また、キシリレンジイソシアネート黄変性が少ないので、用途によっては好適に使用可能である。

0043

なお、トップコート層4b上に模様状の艶出樹脂層を設ける場合には、トップコート層4bに使用する樹脂にはリコート性再塗装性)が必要である。完全に硬化するとリコート性を失う性質を有する硬化性樹脂を使用する場合には、トップコート層4bが完全に硬化する前に、艶出樹脂層を設ける必要がある。そのためには、2液硬化型ポリウレタン系樹脂のように、常温で液状の硬化性樹脂を使用した場合、模様状の艶出樹脂層を形成する前に、トップコート層4bを非流動性半硬化状態とする必要があるが、溶剤分の蒸発により指触乾燥状態となる熱乾燥性の硬化性樹脂を使用すると、上記のような半硬化の工程が不要となり、トップコート層4bと艶出樹脂層との密着性も安定するので好適である。

0044

また、2液硬化型ポリウレタン系樹脂でトップコート層4bを形成する方法としては、例えば、2液硬化型ポリウレタン系樹脂を塗布可能な粘度に調節し、グラビアコート法、ロールコート法等の周知の塗布法で塗布することにより形成することが可能である。塗布量としては、固形分として概ね3g/m2以上15g/m2以下の範囲内が適当である。
また、表面層4aとトップコート層4bとの間には、インキ用のプライマー層やトップコート層用のプライマー層を設け、層間の接着強度を向上させることが可能である。これらのプライマー層の形成は、第一アンカー層3に用いるポリオール成分とイソシアネート成分を含む2液硬化型ポリウレタン系接着剤を用いて、グラビア印刷法、ロールコート法等の周知の塗布方法で形成すればよいものである。インキ用のプライマー層やトップコート層用のプライマー層の乾燥後の塗布量としては0.1g/m2以上5.0g/m2以下の範囲内であり、好ましくは0.5g/m2以上1.0g/m2以下の範囲内である。

0045

なお、トップコート層4bには、難燃シート1の耐候性を向上させるために、紫外線吸収剤及び光安定化剤を適宜添加してもよい。また、各種機能を付与するために、抗菌剤防カビ剤、艶の調整のための艶消剤等の機能性添加剤を添加してもよい。艶消剤は、例えば、シリカ又は炭酸カルシウム等の無機質粉体や、ガラスビーズ合成樹脂ビーズ等が使用され、平均粒径0.5μm以上5μm以下のものが使用される。艶消剤の添加量は、意匠上所望の艶消感の程度に応じて任意であるが、通常は樹脂100質量部に対して1質量部以上20質量部以下とするのがよい。トップコート層4bの形成用の塗料組成物は、大粒径比重が高く沈降しやすい無機耐摩剤を含むので、無機耐摩剤の沈降により塗工作業の継続が困難とならないように、沈降防止剤を添加しておくことが好ましい。

0046

さらに、耐摩耗性を付与するために、無機耐摩剤を添加してもよい。無機耐摩剤は、例えば、アルミナ又は炭化珪素等の硬質無機化合物粉粒体で、平均粒形5μm以上50μm以下の範囲内のものがよい。添加量は、樹脂100質量部に対して2質量部以上30質量部以下が好ましい。無機耐摩剤の形状は、不定形鱗片形、球形、多面体形等の何れでもよいが、鱗片形や球形、多面体形等のほうが、耐摩耗効果が高く望ましい。
また、トップコート層4b表面から突出した無機耐摩剤が離脱しにくいように、シランカップリング剤を添加して、無機耐摩剤の保持性を向上しておくことも推奨される。トップコート層4bの厚さには特に制限はないが、薄過ぎると無機耐摩剤を十分に保持することができず、逆に厚過ぎると可撓性が低下して割れやすくなるので、3μm以上50μm以下の範囲内とすることが望ましい。

0047

(第二アンカー層)
第二アンカー層5は、基材層2の他方の面(裏面)に積層されており、基材層2の他方の面(裏面)全体を覆うように形成されている。これにより、第二アンカー層5は、基材層2に含まれる無機質材料の粉落ちを防止する。印刷時や樹脂塗工時に基材層2に含まれる無機質材料が印刷系内、具体的には印刷装置内で粉落ちすると、印刷系内を汚染する可能性がある。また、基材層2に含まれる無機質材料が粉落ちすると、インキ抜け等の不具合が発生する可能性がある。また、第二アンカー層5は、基材層2とプライマー層6との密着性を向上させる機能も備えている。第二アンカー層5を備えない場合には、プライマー層6を形成する塗液が、基材層2に密着せずに剥離する可能性がある。
第二アンカー層5は、第一アンカー層3と同様の材料及び手法を用いて形成する。

0048

(プライマー層)
プライマー層6は、第二アンカー層5に積層されており、第二アンカー層5を間に挟んで、基材層2の裏面と対向している。
プライマー層6の材料としては、例えば、バインダーとしての硝化綿セルロース、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラールポリウレタンアクリルポリエステル系等の単独もしくは各変性物の中から適宜選定して用いることが可能である。これらは水性、溶剤系、エマルジョンタイプ等特にその形態を問わない。また、硬化方法についても、単独で硬化する1液タイプ主剤と合わせて硬化剤を使用する2液タイプ、紫外線電子線等の照射により硬化させるタイプ等から適宜選択して用いることが可能である。一般的な硬化方法としては、ウレタン系の主剤に対して、イソシアネート系の硬化剤を合わせることによって硬化させる2液タイプが用いられており、この2液タイプを用いる方法は作業性、価格、樹脂自体の凝集力の観点から好適である。上述したバインダー以外には、顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、各種添加剤等が添加されている。

0049

特に、プライマー層6は、難燃シート1の最背面に位置するため、難燃シート1を連続的なプラスチックフィルムウエブ状)として巻き取りを行うことを考慮すると、フィルム同士が密着して滑りにくくなることや、剥がれなくなる等のブロッキングが生じることを避けるとともに、接着剤との密着を高めるために、例えば、シリカ、アルミナ、マグネシア酸化チタン、硫酸バリウム等の無機充填剤を添加してもよい。また、プライマー層6の厚さは、例えば、0.1μm以上3.0μm以下の範囲内とすることが好ましい。

0050

(難燃シート1の製造方法)
以下、図1を参照して、実施形態の難燃シート1の製造方法を説明する。
まず、基材層2の一方の面(おもて面)に、第一アンカー層3の形成用の樹脂等を塗工して、第一アンカー層3を形成する。続いて、押出成形法によって表面層4aを成形する。続いて、第一アンカー層3の基材層2と対向する面と反対側の面に、成形した表面層4aを積層する。続いて、表面層4aの第一アンカー層3と対向する面と反対側の面に、トップコート層4bの形成用の樹脂等を塗工して、トップコート層4bを形成する。
続いて、基材層2の他方の面(裏面)に、第二アンカー層5の形成用の樹脂等を塗工して、第二アンカー層5を形成する。続いて、第二アンカー層5の基材層2と対向する面と反対側の面に、プライマー層6の形成用の樹脂を塗工して、プライマー層6を形成する。
このような手順により、本発明の実施形態に係る難燃シート1を製造する。

0051

なお、第二アンカー層5は、第一アンカー層3と同時に形成してもよい。また、プライマー層6は、表面層4a及びトップコート層4bを形成する前に形成してもよい。この場合、第二アンカー層5は、第一アンカー層3よりも先に形成するようにしてもよい。
以上説明したように、本発明の実施形態に係る難燃シート1では、基材層2は、熱可塑性樹脂と、無機質材料とを含有し、表面層4aは、アクリルゴムで変性されたアクリロニトリル−スチレン共重合体と、アルキルアクリレート及びアルキルメタクリレートからなる群から選択される少なくとも1種類のモノマーを重合してなる(メタ)アクリレート系重合体と、艶消し剤と、着色剤が樹脂中に分散されてなる種剤とを含有するものとした。

0052

それゆえ、表面層4a構成樹脂として特定の重合体を併用するので、艶消し剤によって表面の光沢を十分に低減でき、艶を有効に消失させ得る。しかも良好な木目柄を発現させ得る。そのような木目柄は、不明瞭すぎず、また明瞭すぎもせず、実際の木材と同等の適度な明瞭さを有している。また、難燃シート1は、耐汚染性、耐キズ性及び生産性にも優れている。したがって、艶消し性、耐汚染性及び耐キズ性の向上、良好な木目柄が十分に発現されることが可能な難燃シート1を提供することができる。

0053

(変形例)
上記実施形態では、第一アンカー層3に化粧層4を積層する例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、第一アンカー層3と化粧層4との間に、第一アンカー層3と化粧層4との接着性(密着性)を向上させるための接着剤層を形成してもよい。
また、上記実施形態では、第二アンカー層5にプライマー層6を積層する例を示したが、他の構成を使用することもできる。例えば、第二アンカー層5とプライマー層6との間に、第二アンカー層5とプライマー層6との接着性を向上させるための接着剤層を形成してもよい。接着剤層の材料としては、例えば、加熱時に粘着性を示す材料を用いることが可能である。加熱時に粘着性を示す材料としては、例えば塩素化ポリオレフィン樹脂ポリウレタン系樹脂エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド系樹脂アイオノマー系樹脂等を主成分とする材料が挙げられる。

0054

以下、実施例1〜4の難燃シートと、比較例1〜3の難燃シートについて説明する。
(実施例1)
まず厚さが50μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを、基材層2として用意した。基材層2の無機質材料の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して25質量部とした。続いて、基材層2の一方の面(おもて面)に、乾燥後の質量が0.5g/m2となるように2液硬化型ポリウレタン系接着剤をグラビア印刷法で塗布して、第一アンカー層3を形成した。続いて、押出成形法によって表面層4aを成形した。押出機としては、40Φ、一軸押出機押出温度17℃〜180℃)を用いた。表面層4aの形状は、8mm×12mm×03mmとした。実施例1の表面層4aの樹脂組成を、表1に示す。表面層4aを構成する種剤としては、表面層4aを構成する共重合体及び重合体の混合物よりもMFR値が小さい樹脂を用いた。続いて、第一アンカー層3の表面に、成形した表面層4aを積層した。続いて、表面層4aの表面に、2液硬化型ウレタン系樹脂をロールコート法にて塗布し、乾燥後の質量が10g/m2のトップコート層4bを形成した。

0055

続いて、基材層2の他方の面(裏面)に、乾燥後の質量が0.5g/m2となるように2液硬化型ポリウレタン系接着剤をグラビア印刷法で塗布して、第二アンカー層5を形成した。さらに、第二アンカー層5の表面に、乾燥後の質量が0.5g/m2となるように2液硬化型ポリウレタン系接着剤をグラビア印刷法で塗布して、プライマー層6を形成した。これにより、実施例1の難燃シート1を作製した。

0056

(実施例2〜4、比較例1〜3)
実施例2では、表面層4aの樹脂組成として、表1の実施例2に示すものを用いた。それ以外は、実施例1と同様にして、実施例2の難燃シート1を作製した。また、実施例3〜4、比較例1〜3の難燃シート1も、実施例2と同様の手順によって作製した。

0057

0058

表中の成分は以下に示す通りである。
ABS樹脂;東レ社製:「トヨラック」
塩ビ樹脂;信越化学社製
充填材;原化学工業社製 :タルク
ASA樹脂;ユーエムジー・エービーエス社製:「ユーエムジーウッド」、MFR=18
PMMA樹脂;三菱レイヨン社製:「アクリペット」、MFR=26
艶消し剤;三菱レイヨン社製:「メタブレン
種剤;ユーエムジー・エービーエス社製:「ユーエムジーウッド」(ブラウン色顔料入り)、ABS樹脂(MFR=10)
MFR値:ASA樹脂とPMMA樹脂とを表1に記載の比率で混合したときの混合物のMFR値

0059

性能評価
(艶消し性試験
艶消し性試験では、艶を目視により評価した。そして、光沢が十分に低減され、艶が全くなかった場合を合格「◎」とし、わずかに艶を有しているものの、実用上問題なかった場合を合格「○」とし、明らかに艶を有しており、実用上問題があった場合を不合格「×」とした。

0060

(耐キズ性試験)
耐傷性試験では、爪で表面を引っ掻いたときの状態を目視により評価した。そして、全く跡がつかなかった場合を合格「◎」とし、わずかに跡がつくが、実用上問題なかった場合を合格「○」とし、跡がはっきりとわかり、実用上問題があった場合を不合格「×」とした。

0061

(耐汚染性試験)
耐汚染性試験では、カーボンブラックを含む懸濁液を試験体表面に塗布し、60℃で1時間乾燥後、室温まで放冷し、流水にて汚れを落とした。室温にて乾燥し、試験前後の汚れの状態を目視により評価した。そして、汚れが完全に除去できた場合を合格「◎」とし、汚れがほとんど残らなかった場合を合格「○」とし、汚れがわずかに残ったが、実用上問題ないレベルまで除去できた場合を合格「△」とし、汚れが水洗いでは除去できず、実用上問題があった場合を不合格「×」とした。

0062

(木目柄発現性試験)
木目柄発現性試験では、木材特有年輪模様木目模様)を目視により評価した。そして、木目柄が適度な不明瞭さで発現されていた場合を合格「◎」とし、木目柄が実用上問題のないレベルで発現されていた場合を合格「○」とし、木目柄が明瞭すぎたり、又は不明瞭すぎたりして、十分に表現されていなかった場合を不合格「×」とした。

0063

(評価結果)
評価結果を、表2に示す。

0064

0065

上記表2に示すように、実施例1〜4の難燃シート1は、「艶消し性試験」、「耐キズ性試験」、「耐汚染性試験」及び「木目柄発現性試験」が何れも合格「◎」「○」「△」となった。一方、比較例1の難燃シート1は、「艶消し性試験」、「耐キズ性試験」及び「耐汚染性試験」が合格「◎」「○」となったが、「木目柄発現性試験」が不合格「×」となった。また、比較例2の難燃シート1は、「艶消し性試験」及び「木目柄発現性試験」が合格「◎」「○」となったが、「耐キズ性試験」及び「耐汚染性試験」が不合格「×」となった。比較例3の難燃シート1は、「耐キズ性試験」及び「耐汚染性試験」が合格「○」となったが「艶消し性試験」及び「木目柄発現性試験」が不合格「×」となった。
したがって、実施例1〜4の難燃シート1は、比較例1〜3の難燃シート1と異なり、艶消し性、耐汚染性及び耐キズ性の向上、良好な木目柄の十分な発現が確認された。
以下、実施例5〜10の難燃シートと、比較例4、5の難燃シートについて説明する。

0066

(実施例5)
実施例5では、基材層2の無機質材料の含有量を、熱可塑性樹脂100質量部に対して、43質量部とした。それ以外は実施例1と同様にして、実施例5の難燃シート1を作製した。
(実施例6)
実施例6では、基材層2の無機質材料の含有量を、熱可塑性樹脂100質量部に対して、67質量部とした。それ以外は実施例1と同様にして、実施例6の難燃シート1を作製した。

0067

(実施例7)
実施例7では、基材層2の無機質材料の含有量を、熱可塑性樹脂100質量部に対して、100質量部とした。それ以外は実施例1と同様にして、実施例7の難燃シート1を作製した。
(実施例8)
実施例8では、基材層2の無機質材料の含有量を、熱可塑性樹脂100質量部に対して、150質量部とした。それ以外は実施例1と同様にして、実施例8の難燃シート1を作製した。

0068

(実施例9)
実施例9では、基材層2の無機質材料の含有量を、熱可塑性樹脂100質量部に対して、233質量部とした。それ以外は実施例1と同様にして、実施例9の難燃シート1を作製した。
(実施例10)
実施例10では、基材層2の無機質材料の含有量を、熱可塑性樹脂100質量部に対して、400質量部とした。それ以外は実施例1と同様にして、実施例10の難燃シート1を作製した。

0069

(比較例4)
比較例4では、基材層2の無機質材料の含有量を、熱可塑性樹脂100質量部に対して、11質量部とした。それ以外は実施例1と同様にして、比較例4の難燃シート1を作製した。
(比較例5)
比較例5では、基材層2の無機質材料の含有量を、熱可塑性樹脂100質量部に対して、900質量部とした。それ以外は実施例1と同様にして、比較例5の難燃シート1を作製した。

0070

(性能評価)
(難燃性試験)
難燃性試験では、ASTME 1354に準拠して、コーンカロリーメーターによって試験片(100mm×100mm×3mm厚)に50kW/m2 の熱線を照射し、試験片を燃焼させた。加熱開始後から試験片に着火するまでの時間を測定して、最大発熱速度を求めた。そして、最大発熱速度が350kW/m2以下である場合を合格「○」とし、最大発熱速度が350kW/m2より大きい場合を不合格「×」とした。

0071

密着性試験
密着性試験では、難燃シート1の表面にセロハンテープを圧着した後、強く引き剥がし、印刷後のシート表面にセロハンテープを圧着した後、強く引き剥がし、化粧層4又は第一アンカー層3と化粧層4との間での剥離の有無を評価した。そして、剥離がなかった場合を合格「○」とし、剥離があった場合を不合格「×」とした。

0072

耐摩耗性試験
耐摩耗性試験では、JAS摩耗B試験(平成20年12月2日農林水産告示1751号)に準拠して、回転盤によって試験片(直径120mm円板)に固定し、研磨紙巻き付けゴム製円板を取り付けて試験片を150回転させ、絵柄模様層4aの柄消失の割合を求めた。試験片としては、トップコート層4bを備えているものに加え、トップコート層4bを備えていないものも用意した。そして、絵柄模様層4aの柄消失の割合が50%未満の場合を合格「0」とし、柄消失の割合が50以上の場合を不合格「×」とした。

0073

(評価結果)
評価結果を、表3に示す。

0074

0075

上記表3に示すように、実施例1、5〜10の難燃シート1は、「難燃性試験」及び「密着性試験」の何れも合格「○」となった。一方、比較例4の難燃シート1は、「密着性試験」が合格「○」となったが、難燃シート1における熱可塑性樹脂の含有量が比較的高いため、「難燃性試験」が不合格「×」となった。また、比較例5の難燃シート1は、「難燃性試験」が合格「○」となったが、難燃シート1における無機質材料の含有量が比較的高いため、「密着性試験」が不合格「×」となった。

実施例

0076

また、実施例1、5〜10及び比較例4、5の難燃シート1は、難燃シート1にトップコート層4bがある場合には、「耐摩耗性試験」が合格「○」となったが、トップコート層4bがない場合には、「耐摩耗性試験」が不合格「×」となった。
したがって、実施例1、5〜10の難燃シート1は、比較例4、5の難燃シート1と異なり、難燃性と密着性との両方に優れることが確認された。また、実施例1、5〜10及び比較例4、5の難燃シート1の何れでも、トップコート層4bによって、耐摩耗性が向上することが確認された。

0077

1…難燃シート、2…基材層、3…第一アンカー層、4…化粧層、4a…表面層、4b…トップコート層、5…第二アンカー層、6…プライマー層

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 東洋紡株式会社の「 セラミックグリーンシート製造用離型フィルム」が 公開されました。( 2021/01/07)

    【課題】剥離性に優れ、成型される極薄のセラミックグリーンシートについて、ハーフカット試験におけるクラック等のダメージを生じ難いセラミックグリーンシート成型用離型フィルムを提供すること。【解決手段】ポリ... 詳細

  • JNC株式会社の「 積層吸音材」が 公開されました。( 2021/01/07)

    【課題】低周波数領域及び中周波数領域、さらに高周波数領域において優れた吸音性を有する吸音材を提供することを課題とする。【解決手段】少なくとも1層の第一層と、前記第一層と異なる少なくとも1層の第二層とを... 詳細

  • 株式会社半導体エネルギー研究所の「 半導体装置の作製方法」が 公開されました。( 2021/01/07)

    【課題・解決手段】剥離工程を有する、歩留まりの高い半導体装置の作製方法を提供する。基板上に金属層を形成し、金属層にフッ素を供給し、さらに酸化することで、金属化合物層を形成し、金属化合物層上に機能層を形... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ