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技術 シート・フィルム延伸装置及びクリップチェーンの張力調整方法

出願人 東芝機械株式会社
発明者 池田佳久竹下裕也板垣裕太郎
出願日 2019年3月29日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2019-067687
公開日 2020年10月8日 (4ヶ月経過) 公開番号 2020-163762
状態 未査定
技術分野 プラスチック等の延伸成形、応力解放成形
主要キーワード 調整レール 本体側ユニット レールブロック 後退限界位置 前進限界位置 位置調整構造 移動姿勢 間隔調整部材
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年10月8日)のものです。
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図面 (15)

課題

クリップチェーン張力を与えず、且つ、クリップチェーンの弛みを最小限にすること。

解決手段

延伸対象物5の幅方向両端に配置され、延伸対象物5を把持して延伸するクリップチェーン8,9と、クリップチェーン8,9の張力を調整する張力調整部である油圧シリンダ70と、クリップチェーン8,9の張力に基づく状態値を検出する張力検出部である圧力センサ85と、を備え、油圧シリンダ70は、圧力センサ85で検出する前記状態値が所定の閾値より大きい場合はクリップチェーン8,9の張力を低減させ、前記状態値が前記閾値以下である場合は、クリップチェーン8,9の張力を増加させた後にクリップチェーン8,9の張力を低減させる。

概要

背景

従来、シートフィルム等の薄膜状の延伸対象物の両縁部をクリップチェーン把持した状態でクリップチェーンを走行させることにより、延伸対象物を搬送しつつ、延伸対象物を延伸させるシート・フィルム延伸装置が知られている。シート・フィルム延伸装置に備えられるクリップチェーン等のチェーンは、スプロケットとの噛み合い性を確保したり、チェーンの走行時の安定性を確保したり、チェーンの伸びによる弛みを抑制したりするために、一般的にチェーンに対して所定の張力が作用する状態で配置する。このため、従来のシート・フィルム延伸装置においても、クリップチェーンに対して張力を付与する機構を備えているものがある。

例えば、特許文献1に記載された横延伸装置では、クリップチェーンに対して張力を付与する方向に押圧装置によってテンションヘッド本体を押し出し、クリップチェーンに所定の張力がかかったことを押圧検出器により確認した後、駆動装置によってクリップチェーンを走行させる。また、特許文献2に記載された樹脂フィルム用延伸装置は、従動スプロケットは、張調整手段によりレールに対して前後方向に移動可能に支持される支持フレームに保持されており、従動スプロケットを移動させてクリップチェーンの張り調整を行うことにより、クリップチェーンに付与する初期張力を調整できるようになっている。また、近年では、特許文献3に記載されたフィルム延伸装置のように、フィルムを把持するクリップの間隔を調整することによりフィルムを延伸させる装置が知られている。

概要

クリップチェーンに張力を与えず、且つ、クリップチェーンの弛みを最小限にすること。延伸対象物5の幅方向両端に配置され、延伸対象物5を把持して延伸するクリップチェーン8,9と、クリップチェーン8,9の張力を調整する張力調整部である油圧シリンダ70と、クリップチェーン8,9の張力に基づく状態値を検出する張力検出部である圧力センサ85と、を備え、油圧シリンダ70は、圧力センサ85で検出する前記状態値が所定の閾値より大きい場合はクリップチェーン8,9の張力を低減させ、前記状態値が前記閾値以下である場合は、クリップチェーン8,9の張力を増加させた後にクリップチェーン8,9の張力を低減させる。

目的

本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、クリップチェーンに張力を与えず、且つ、クリップチェーンの弛みを最小限にすることのできるシート・フィルム延伸装置及びクリップチェーンの張力調整方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

延伸対象物幅方向両端に配置され、前記延伸対象物を把持して延伸するクリップチェーンと、前記クリップチェーンの張力を調整する張力調整部と、前記クリップチェーンの張力に基づく状態値を検出する張力検出部と、を備え、前記張力調整部は、前記張力検出部で検出する前記状態値が所定の閾値より大きい場合は前記クリップチェーンの張力を低減させ、前記状態値が前記閾値以下である場合は、前記クリップチェーンの張力を増加させた後に前記クリップチェーンの張力を低減させることを特徴とするシートフィルム延伸装置

請求項2

前記クリップチェーンは、前記クリップチェーンに対して駆動力を伝達する駆動側スプロケットと、前記クリップチェーンの走行に伴って回転する従動側スプロケットとに巻き掛けられており、前記張力調整部は、前記駆動側スプロケットまたは前記従動側スプロケットを移動させることにより、前記クリップチェーンの張力を調整する請求項1に記載のシート・フィルム延伸装置。

請求項3

前記張力調整部は、前記クリップチェーンの張力を低減させる際には、前記駆動側スプロケットと前記従動側スプロケットとの距離を、所定の大きさ分小さくする請求項2に記載のシート・フィルム延伸装置。

請求項4

油圧を発生すると共に、発生した油圧を前記張力調整部に供給する油圧ポンプを備え、前記張力調整部は、前記油圧ポンプから供給される油圧によって動作することにより前記クリップチェーンの張力を調整し、前記張力検出部によって検出する前記状態値は、前記張力調整部に作用する油圧である請求項1〜3のいずれか1項に記載のシート・フィルム延伸装置。

請求項5

延伸対象物の幅方向両端に配置されて前記延伸対象物を把持して延伸するクリップチェーンの張力に基づく状態値を検出する手順と、検出した前記状態値が所定の閾値より大きい場合に前記クリップチェーンの張力を低減させる手順と、検出した前記状態値が前記閾値以下である場合に、前記クリップチェーンの張力を増加させた後に前記クリップチェーンの張力を低減させる手順と、を含むことを特徴とするクリップチェーンの張力調整方法

請求項6

検出した前記状態値に基づいて前記クリップチェーンの張力を低減させた後、所定の時間の経過後に再び前記状態値を検出する手順を含む請求項5に記載のクリップチェーンの張力調整方法。

請求項7

前記クリップチェーンの張力を調整した際に、調整範囲限界位置に到達した場合に警報を出力する手順を含む請求項5または6に記載のクリップチェーンの張力調整方法。

技術分野

0001

本発明は、シートフィルム等の薄膜状の延伸対象物を延伸させるシート・フィルム延伸装置及びクリップチェーン張力調整方法に関する。

背景技術

0002

従来、シートやフィルム等の薄膜状の延伸対象物の両縁部をクリップチェーンで把持した状態でクリップチェーンを走行させることにより、延伸対象物を搬送しつつ、延伸対象物を延伸させるシート・フィルム延伸装置が知られている。シート・フィルム延伸装置に備えられるクリップチェーン等のチェーンは、スプロケットとの噛み合い性を確保したり、チェーンの走行時の安定性を確保したり、チェーンの伸びによる弛みを抑制したりするために、一般的にチェーンに対して所定の張力が作用する状態で配置する。このため、従来のシート・フィルム延伸装置においても、クリップチェーンに対して張力を付与する機構を備えているものがある。

0003

例えば、特許文献1に記載された横延伸装置では、クリップチェーンに対して張力を付与する方向に押圧装置によってテンションヘッド本体を押し出し、クリップチェーンに所定の張力がかかったことを押圧検出器により確認した後、駆動装置によってクリップチェーンを走行させる。また、特許文献2に記載された樹脂フィルム用延伸装置は、従動スプロケットは、張調整手段によりレールに対して前後方向に移動可能に支持される支持フレームに保持されており、従動スプロケットを移動させてクリップチェーンの張り調整を行うことにより、クリップチェーンに付与する初期張力を調整できるようになっている。また、近年では、特許文献3に記載されたフィルム延伸装置のように、フィルムを把持するクリップの間隔を調整することによりフィルムを延伸させる装置が知られている。

先行技術

0004

特許第3714832号公報
特開2011−25598号公報
特許第5371523号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかし、クリップチェーンに付与する張力が大き過ぎる場合、クリップチェーンの各連結部分等への負荷が大きくなるため、耐久性が低下し易くなる虞がある。特に、特許文献3のように、クリップの間隔を調整可能な延伸装置では、クリップの間隔が変化しないクリップチェーンと同様に張力を付与すると、クリップの間隔の調整に用いるレールと、間隔調整機構における当該レールに当接する部材との間の面圧が大きくなり、早期摩耗が発生する虞がある。一方で、このようなクリップの間隔を調整可能な延伸装置では、クリップチェーンが弛んだ状態で運転を行った場合、スプロケットへの噛み込みがうまく行われなかったり、クリップチェーンの安定した走行が困難になったりする虞がある。このため、クリップチェーンに対して張力を付与する際の手法について、改良の余地があった。

0006

本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、クリップチェーンに張力を与えず、且つ、クリップチェーンの弛みを最小限にすることのできるシート・フィルム延伸装置及びクリップチェーンの張力調整方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るシート・フィルム延伸装置は、延伸対象物の幅方向両端に配置され、前記延伸対象物を把持して延伸するクリップチェーンと、前記クリップチェーンの張力を調整する張力調整部と、前記クリップチェーンの張力に基づく状態値を検出する張力検出部と、を備え、前記張力調整部は、前記張力検出部で検出する前記状態値が所定の閾値より大きい場合は前記クリップチェーンの張力を低減させ、前記状態値が前記閾値以下である場合は、前記クリップチェーンの張力を増加させた後に前記クリップチェーンの張力を低減させる。

0008

また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るクリップチェーンの張力調整方法は、延伸対象物の幅方向両端に配置されて前記延伸対象物を把持して延伸するクリップチェーンの張力に基づく状態値を検出する手順と、検出した前記状態値が所定の閾値より大きい場合に前記クリップチェーンの張力を低減させる手順と、検出した前記状態値が前記閾値以下である場合に、前記クリップチェーンの張力を増加させた後に前記クリップチェーンの張力を低減させる手順と、を含む。

発明の効果

0009

本発明に係るシート・フィルム延伸装置及びクリップチェーンの張力調整方法は、クリップチェーンに張力を与えず、且つ、クリップチェーンの弛みを最小限にすることができる、という効果を奏する。

図面の簡単な説明

0010

実施形態に係るシート・フィルム延伸装置が適用される2軸延伸フィルム製造装置の全体概要図。
実施形態に係るシート・フィルム延伸装置の平面模式図。
図2に示すクリップチェーンの構成を示す平面図。
図2のf3線に沿う断面図。
図2のf4線に沿う断面図。
図2のf5線に沿う断面図。
図2のf6線に沿う断面図。
張力調整機構の構成を示す模式図。
レール本体側ユニット移動ユニットとを分解した状態を示す説明図。
図9に示すレール本体側ユニットと移動ユニットとを組み立てた状態の説明図。
図9に示す張力調整機構の油圧系統についての説明図。
図6に示すクリップチェーンの平面図。
図10に示す移動ユニットを前進させた状態を示す説明図。
自動制御モード処理手順を示すフロー図。

実施例

0011

以下に、本開示に係るシート・フィルム延伸装置及びクリップチェーンの張力調整方法の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者置換可能、且つ、容易に想到できるもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。

0012

[実施形態]
図1は、実施形態に係るシート・フィルム延伸装置1が適用される2軸延伸フィルム製造装置の全体概要を示している。2軸延伸フィルム製造装置は、押出機101と、メルト管102によって押出機101に接続されたTダイ103と、冷却ロール104等を含むキャスティング部105と、多数のロール106による縦延伸部107と、横延伸部108と、引取・巻取部109とを一列に有している。

0013

Tダイ103より流出する溶融樹脂は、キャスティング部105にてシート或いはフィルム等の延伸対象物5に成形される。その後、延伸対象物5は、縦延伸部107にて縦延伸され、横延伸部108にて横延伸され、引取・巻取部109によって引き取り、巻き取とりされる。本実施形態に係るシート・フィルム延伸装置1は、横延伸部108に適用される。

0014

図2は、実施形態に係るシート・フィルム延伸装置1の平面模式図である。シート・フィルム延伸装置1は、延伸対象物5を搬送しつつ、延伸対象物5の搬送方向及び搬送方向に直交する方向に延伸する。なお、ここでいう「延伸」は、引き延ばす方向の動作・状態のみでなく、縮める方向の動作・状態も含む。即ち、引き延ばす方向の延伸をプラス延伸とし、縮める方向の延伸をマイナス延伸とする場合、本実施形態でいう延伸は、いずれの方向の延伸も含む。また、以下の説明では、第1方向X及び第2方向Yは、水平面上において互いに直交する方向であり、第1方向X及び第2方向Yと直交する方向を第3方向Zと定義する。第1方向Xは、シート・フィルム延伸装置1によってシートやフィルム等の延伸対象物5を搬送する際における、搬送方向に直交する方向であり、第2方向Yは、シート・フィルム延伸装置1によって延伸対象物5を搬送する際における搬送方向に沿った方向である。これらの第1方向Xと第2方向Yは、シート・フィルム延伸装置1を任意の設置場所に設置して通常の使用形態で使用する際における水平方向である。第3方向Zは、シート・フィルム延伸装置1を任意の設置場所に設置して通常の使用形態で使用する際における上下方向、或いは重力方向である。また、以下の説明では、シート・フィルム延伸装置1を通常の使用形態で使用する際における重力方向における上側をシート・フィルム延伸装置1の上側として説明し、重力方向における下側をシート・フィルム延伸装置1の下側として説明する。

0015

<シート・フィルム延伸装置1の概要>
本実施形態に係るシート・フィルム延伸装置1は、第1方向Xに離間した一対の移動経路である、左移動経路1Lと、右移動経路1Rとを有する。左移動経路1Lは、往路2と復路3とを交差させることなく無端状に接続させた、一連左レール構造体4Lを有する。右移動経路1Rは、往路2と復路3とを交差させることなく無端状に接続させた、一連の右レール構造体4Rを有する。

0016

左移動経路1Lは、往路2と復路3とが概ね第2方向Yに延在する向きで配設されている。右移動経路1Rは、左移動経路1Lと同様に往路2と復路3とが概ね第2方向Yに延在する向きで配設されている。また、右移動経路1Rは、往路2が左移動経路1Lの往路2と対向し、復路3が、左移動経路1Lの復路3と対向する。左移動経路1Lの往路2と右移動経路1Rの往路2との間の範囲は、シート・フィルム延伸装置1によって延伸対象物5を搬送する際における搬送エリア1Aになっている。

0017

第1方向Xにおいて搬送エリア1Aの中心が位置する側を内側とし、第1方向Xにおける搬送エリア1Aの中心が位置する側の反対側を外側とする場合、左移動経路1Lの往路2と右移動経路1Rの往路2とは、搬送エリア1Aの両外側に配置され、第2方向Yにおいて搬送エリア1Aに沿っている。また、左移動経路1Lの復路3は、第1方向Xにおける左移動経路1Lの往路2の外側に沿って構成されており、右移動経路1Rの復路3は、第1方向Xにおける右移動経路1Rの往路2の外側に沿って構成されている。

0018

シート・フィルム延伸装置1によって搬送する延伸対象物5としては、例えば、熱可塑性樹脂を一定の方向に沿って帯状に連続させた長尺物を想定することができる。シート・フィルム延伸装置1は、長尺物である延伸対象物5の長手方向が第2方向Yに沿った向きで搬送する。つまり、左移動経路1Lを構成する左レール構造体4Lと、右移動経路1Rを構成する右レール構造体4Rとは、第1方向Xにおける延伸対象物5の両側に、互いに対向させて配置されている。左レール構造体4Lと右レール構造体4Rとが対向する領域では、左レール構造体4Lと右レール構造体4Rとは、双方の往路2が互いに対向するように配置されている。

0019

左移動経路1Lと右移動経路1Rとは、第1方向Xにおいて対称な構造を有している。つまり、左レール構造体4Lと右レール構造体4Rとは、第1方向Xにおいて対称な構造を有している。以下の説明では、左移動経路1L、左レール構造体4Lを中心として説明するが、右移動経路1R、右レール構造体4Rについても同様の構造を有しており、左移動経路1L、左レール構造体4Lを用いて説明する構造は、右移動経路1R、右レール構造体4Rについても適用される。

0020

左移動経路1Lの往路2と復路3は、延伸対象物5を搬送する際における延伸対象物5の入口側に位置する入口側スプロケット6と、延伸対象物5の出口側に位置する出口側スプロケット7を経由して、互いに無端状に連続されている。なお、入口側スプロケット6と出口側スプロケット7とは、左移動経路1L側と右移動経路1R側とにそれぞれ配設されている。左移動経路1Lの往路2と復路3、及び右移動経路1Rの往路2と復路3は、それぞれの移動経路1L,1R側に配設される入口側スプロケット6と出口側スプロケット7とを経由して、それぞれ無端状に連続されている。例えば、左移動経路1Lにおいて往路2は、入口側スプロケット6から出口側スプロケット7に至るまでの領域に構成されており、復路3は、出口側スプロケット7から入口側スプロケット6に至るまでの領域に構成されている。

0021

入口側スプロケット6と出口側スプロケット7とのうち、出口側スプロケット7は、駆動部として用いられるモータ(図示省略)によって回転駆動される駆動側スプロケットになっており、入口側スプロケット6は、回転フリーに構成される従動側スプロケットになっている。即ち、モータは、出口側スプロケット7に対して駆動力を付与する。なお、左移動経路1L側と右移動経路1R側とにそれぞれ配設される一対の出口側スプロケット7は、1つのモータで回転駆動のシャフトを介して回転させてもよく、それぞれ個別にモータを備えて、それぞれのモータによって回転させてもよい。また、入口側スプロケット6も、出口側スプロケット7と同様に、駆動部として用いられるモータ(図示省略)によって回転駆動させてもよい。

0022

左移動経路1Lには、左移動経路1Lに沿って無端状に連続して形成され、左レール構造体4Lに沿って移動可能なクリップチェーン8が設けられている。クリップチェーン8は、延伸対象物5の縁部を把持可能に構成されている。左移動経路1Lに設けられるクリップチェーン8は、左移動経路1L側に配設される入口側スプロケット6及び出口側スプロケット7と噛み合っている。これにより、左移動経路1Lに設けられるクリップチェーン8は、モータによって出口側スプロケット7を回転させることにより、左移動経路1Lを循環させることができる。

0023

右移動経路1Rにも同様に、右移動経路1Rに沿って無端状に連続して形成され、右レール構造体4Rに沿って移動可能なクリップチェーン9が設けられており、クリップチェーン9は、延伸対象物5の縁部を把持可能に構成されている。左レール構造体4Lと、クリップチェーン8と、モータ(図示省略)によって回転駆動されてクリップチェーン8を移動させる出口側スプロケット7は、左把持装置40Lを構成している。右レール構造体4Rと、クリップチェーン9と、モータ(図示省略)によって回転駆動されてクリップチェーン9を移動させる出口側スプロケット7は、右把持装置40Rを構成している。このため、シート・フィルム延伸装置1は、一対の把持装置40L,40Rを備えている。

0024

また、左移動経路1Lの往路2と右移動経路1Rの往路2とが対向する領域には、延伸対象物5の搬送時に延伸対象物5が通るエリアである一連の搬送エリア1Aが構成されている。搬送エリア1Aは、シート・フィルム延伸装置1によって延伸対象物5を搬送する際における搬送方向Yの上流側から下流側に亘って搬送方向Yに沿って連続して構成されている。

0025

モータから付与される駆動力によって回転する出口側スプロケット7は、クリップチェーン8,9が往路2に沿って、入口側スプロケット6側から出口側スプロケット7側に向かって移動し、復路3に沿って出口側スプロケット7側から入口側スプロケット6側に向かって移動する方向に回転する。

0026

本実施形態では、出口側スプロケット7から復路3に移行する部分には、出口側傾斜部7pが設けられている。出口側スプロケット7の直径は、出口側スプロケット7が配設されている部分以外の部分の往路2と復路3との間隔よりも大きくなっているため、出口側傾斜部7pは、往路2と復路3との間隔を、出口側スプロケット7から離れるに従って漸減させることができるように、復路3を往路2に対して傾斜させている。

0027

クリップチェーン8,9の移動に伴って回転する入口側スプロケット6は、復路3に沿って出口側スプロケット7側から入口側スプロケット6側に向かって移動したクリップチェーン8,9を、往路2に向かわせることができる。本実施形態では、復路3から入口側スプロケット6に移行する部分には、入口側傾斜部6pが設けられている。入口側スプロケット6の直径は、入口側スプロケット6が配設されている部分以外の部分の往路2と復路3との間隔よりも大きくなっているため、入口側傾斜部6pは、往路2と復路3との間隔を、入口側スプロケット6から離れるに従って漸減させることができるように、復路3を往路2に対して傾斜させている。

0028

さらに、搬送エリア1Aには、加熱装置が設けられている。加熱装置は、オーブン30と、オーブン30の温度を制御する温度制御部(図示省略)と、を備えている。左移動経路1L及び右移動経路1Rの搬送方向Yにおける、延伸対象物5に対して加熱または保温を行う領域は、往路2と復路3との双方が、延伸対象物5に対して加熱または保温を行うオーブン30によって覆われている。

0029

オーブン30は、複数の加熱保温室T1〜T10を有している。なお、図2では、加熱保温室T1〜T10は、第2方向Yの大きさがほぼ同じ大きさになっているが、加熱保温室T1〜T10は、延伸対象物5の種類や延伸仕様等に応じて、第2方向Yの大きさが互いに異なっていてもよい。

0030

温度制御部は、加熱保温室T1〜T10毎に温度制御を行い、加熱保温室T1〜T10の内部を、予め設定された温度まで加熱したり、或いは、一定の温度に保持したりする。

0031

<左レール構造体4L、右レール構造体4R>
左レール構造体4Lと右レール構造体4Rとは、それぞれ往路レールユニット10と復路レールユニット11と、を有している。左レール構造体4Lと右レール構造体4Rとの双方の往路レールユニット10は、第1方向Xにおける搬送エリア1Aの両外側に沿って配置されている。左レール構造体4Lと右レール構造体4Rとの双方の復路レールユニット11は、第1方向Xにおける往路レールユニット10の両外側に沿って配置されている。これらの往路レールユニット10と復路レールユニット11とは、搬送方向Yにおける入口側傾斜部6pから上流側の範囲と、搬送方向Yにおける出口側傾斜部7pから下流側の範囲とを除いた領域に設けられている。

0032

さらに、往路レールユニット10と復路レールユニット11とは、それぞれ複数のブロック構造を連結することにより構成されている。図3は、図2に示すクリップチェーン8,9の構成を示す平面図である。図4は、図2のf3線に沿う断面図であり、固定ブロック16が配置された位置での断面図である。具体的には、往路レールユニット10は、一方のブロック構造である往路ブロック13(図4)を連結することにより構成されている。復路レールユニット11は、他方のブロック構造である復路ブロック14(図4)を連結することにより構成されている。これらの往路ブロック13と復路ブロック14とは、入口側スプロケット6が配設される位置と出口側スプロケット7が配設される位置との間に亘って、それぞれ複数が搬送方向Yに沿って並べて配置される。

0033

また、本実施形態に係るシート・フィルム延伸装置1では、搬送する延伸対象物5が収縮する範囲である間隔調整範囲27b−Zに、間隔調整機構27が適用されている。間隔調整機構27は、一方のブロック構造である往路ブロック13に対する、他方のブロック構造である復路ブロック14の位置関係を調整することが可能になっている。

0034

<往路レールユニット10>
往路レールユニット10は、左移動経路1L及び右移動経路1Rごとに設けられており、左移動経路1L及び右移動経路1Rの往路2に沿って、連続的に構成されている。往路レールユニット10は、第3方向Z、即ち、重力方向Zにおいて、対称な構造を有している。詳しくは、往路レールユニット10は、上側基準レール10aと、下側基準レール10bと、を備えており(図4参照)、上側基準レール10aは、重力方向Zにおいて下側基準レール10bの上側に位置している。上側基準レール10aと下側基準レール10bとは、重力方向Zに沿って上下に一定の距離だけ離間させた状態において、互いに平行に対向させて配置されている。

0035

上側基準レール10aは、往路2に沿って連続的に敷設されている。上側基準レール10aは、複数の上側レールエレメント10Eaから構成されている。複数の上側レールエレメント10Eaは、搬送方向Yに沿って並べられる複数の往路ブロック13に1つずつ固定されており、往路2に沿って一列に並べられる。

0036

下側基準レール10bも同様に、往路2に沿って連続的に敷設されている。下側基準レール10bは、複数の下側レールエレメント10Ebから構成されている。複数の下側レールエレメント10Ebは、搬送方向Yに沿って並べられる複数の往路ブロック13に1つずつ固定されており、往路2に沿って一列に並べられる。

0037

往路レールユニット10は、クリップチェーン8,9が有する移動機構20(図3参照)が移動可能に構成されている。移動機構20は、走行ユニット25と転動ユニット26とを有している。走行ユニット25は、上側走行ベアリング25aと下側走行ベアリング25bとを有し、転動ユニット26は、上側転動ベアリング26aと下側転動ベアリング26bとを有している。これらの移動機構20の詳細については、後述する。

0038

上側基準レール10aと下側基準レール10bとは、幅方向Xにおける位置が同じ位置となって、重力方向Zに並んで配置されている。上側走行ベアリング25aは、重力方向Zにおける上側基準レール10aの下方側から上側基準レール10aに接触し、下側走行ベアリング25bは、重力方向Zにおける下側基準レール10bの上方側から下側基準レール10bに接触する。

0039

<復路レールユニット11>
復路レールユニット11は、左移動経路1L及び右移動経路1Rごとに設けられており、左移動経路1L及び右移動経路1Rの復路3に沿って、連続的に構成されている。復路レールユニット11は、第3方向Z、即ち、重力方向Zにおいて、対称な構造を有している。詳しくは、復路レールユニット11は、上側基準レール11aと、下側基準レール11bと、を備えており(図4参照)、上側基準レール11aは、重力方向Zにおいて下側基準レール11bの上側に位置している。上側基準レール11aと下側基準レール11bとは、重力方向Zに沿って上下に一定の距離だけ離間させた状態において、互いに平行に対向させて配置されている。

0040

上側基準レール11aは、復路3に沿って、連続的に敷設されている。上側基準レール11aは、複数の上側レールエレメント11Eaから構成されている。複数の上側レールエレメント11Eaは、搬送方向Yに沿って並べられる複数の復路ブロック14に1つずつ固定されており、復路3に沿って一列に並べられる。

0041

下側基準レール11bも同様に、復路3に沿って連続的に敷設されている。下側基準レール11bは、複数の下側レールエレメント11Ebから構成されている。複数の下側レールエレメント11Ebは、搬送方向Yに沿って並べられる複数の復路ブロック14に1つずつ固定されており、復路3に沿って一列に並べられる。

0042

復路レールユニット11は、クリップチェーン8,9が有する移動機構20(図3参照)が移動可能に構成されている。上側基準レール11aと下側基準レール11bとは、幅方向Xにおける位置が同じ位置となって、重力方向Zに並んで配置されている。上側走行ベアリング25aは、重力方向Zにおける上側基準レール11aの下方側から上側基準レール11aに接触し、下側走行ベアリング25bは、重力方向Zにおける下側基準レール11bの上方側から下側基準レール11bに接触する。

0043

レールブロック12、往路ブロック13、復路ブロック14>
本実施形態に係るシート・フィルム延伸装置1は、複数のレールブロック12を有している。1つのレールブロック12には、往路ブロック13と復路ブロック14とからなる1組のブロック構造が設けられている(図4参照)。左レール構造体4Lと右レール構造体4Rとは、複数のレールブロック12を左移動経路1Lや右移動経路1Rに沿って並べることで、往路2と復路3を無端状に接続させた一連の左レール構造体4L及び右レール構造体4Rが構成されている。

0044

なお、レールブロック12は、延伸対象物5の種類や、その延伸仕様等に基づき、往路レールユニット10が有する上側基準レール10aと下側基準レール10bの配置が調整されるように、レール台(図示省略)やフレーム(図示省略)の上で移動可能に取り付けられる。

0045

また、左移動経路1Lや右移動経路1Rに沿って並べられる複数のレールブロック12は、用途や使用目的に応じて、互いに同一の大きさに設定してもよいし、或いは、互いに異なる大きさに設定してもよい。

0046

レールブロック12には、往路ブロック13と復路ブロック14とが、幅方向Xにおいて互いに対向して配置されている(図4参照)。レールブロック12は、左移動経路1Lや右移動経路1Rの延在方向に見た場合における断面形状が、往路ブロック13及び復路ブロック14を囲むように構成されて往路ブロック13が位置する側が開口側となるコ字状、或いは、U字状となる枠体構造を有している。

0047

なお、本実施形態においては、1組の往路ブロック13と復路ブロック14とを、左移動経路1Lや右移動経路1Rの延在方向における長さがこれらの往路ブロック13や復路ブロック14と同じ長さのレールブロック12で囲むようにしているが、レールブロック12は、これ以外の構成であってもよい。レールブロック12は、例えば、長さが往路ブロック13や復路ブロック14の長さよりも短いレールブロック12を複数用いて、複数のレールブロック12の間隔を開けて、複数箇所で1組の往路ブロック13と復路ブロック14とを囲むようにしてもよい。

0048

往路ブロック13及び復路ブロック14は、レールブロック12における、断面形状がコ字状に形成されるレールブロック12の内側に配置される往路ブロック13と復路ブロック14とのうち、往路ブロック13は、幅方向Xにおける、コ字状の開口側に配置されている。往路ブロック13は、例えば、レールブロック12に対してネジ止めすることにより、レールブロック12に固定されている。

0049

復路ブロック14は、レールブロック12の断面形状であるコ字状の閉塞部分である側壁部12c側に配置されている。また、復路ブロック14は、位置調整構造によって、往路ブロック13に対する位置関係を調整可能に構成されている。位置調整構造は、レールブロック12に対して幅方向Xに移動可能にレールブロック12の内側に配置されるスライダ15を有しており、復路ブロック14は、スライダ15に固定されている。このため、レールブロック12の内側において、レールブロック12と復路ブロック14との間にはスライダ15が介在している。復路ブロック14は、例えば、スライダ15に対してネジ止めすることにより、スライダ15に固定されている。位置調整構造は、このようにスライダ15に復路ブロック14を取り付けた状態で、レールブロック12に対して移動可能に構成されている。

0050

復路ブロック14は、スライダ15が幅方向Xに移動することにより、スライダ15と共に幅方向Xに移動可能になっている。これにより、往路ブロック13と復路ブロック14とは、双方の間の幅方向Xにおける位置関係を調整することが可能になっており、即ち、往路ブロック13と復路ブロック14との幅方向Xにおける間隔を調整することが可能になっている。

0051

往路ブロック13と復路ブロック14とは、左移動経路1Lや右移動経路1Rの延在方向に見た場合における断面形状が、いずれもコ字状に形成されている。このうち、往路ブロック13は、コ字状の開口側がレールブロック12のコ字状の開口側を向き、復路ブロック14は、コ字状の開口側がレールブロック12の側壁部12c側を向く向きで配置されている。このため、往路ブロック13と復路ブロック14とは、それぞれのコ字状の閉塞側が、互いに対向して配置されている。

0052

往路ブロック13に固定される上側レールエレメント10Eaと下側レールエレメント10Ebとは、往路ブロック13の形状であるコ字状の内側部分に突出するように配置されている。即ち、上側レールエレメント10Eaは、往路ブロック13の断面形状であるコ字状の重力方向Zにおける上側部分に配置され、下側に向かって突出している。また、下側レールエレメント10Ebは、往路ブロック13の断面形状であるコ字状の重力方向Zにおける下側部分に配置され、上側に向かって突出している。

0053

同様に、復路ブロック14に固定される上側レールエレメント11Eaと下側レールエレメント11Ebとは、復路ブロック14の形状であるコ字状の内側部分に突出するように配置されている。即ち、上側レールエレメント11Eaは、復路ブロック14の断面形状であるコ字状の重力方向Zにおける上側部分に配置され、下側に向かって突出している。また、下側レールエレメント11Ebは、復路ブロック14の断面形状であるコ字状の重力方向Zにおける下側部分に配置され、上側に向かって突出している。

0054

図5は、図2のf4線に沿う断面図であり、固定ブロック16によって往路ブロック13と復路ブロック14との間隔が一定の間隔となる位置での断面図である。なお、図4及び図5は、図2において符号12−P1で示された1つのレールブロック12の断面図になっている。

0055

レールブロック12−P1のように、往路ブロック13と復路ブロック14とが固定ブロック16によって予め設定された間隔で配設されたレールブロック12では、往路ブロック13と復路ブロック14との間に、固定ブロック16(図4参照)が配置されて固定されている。レールブロック12−P1には、1つのレールブロック12−P1に、予め設定された個数の固定ブロック16が配置されている。固定ブロック16は、例えば、左移動経路1Lや右移動経路1Rに沿った方向におけるレールブロック12−P1の両端付近の2箇所(図2のf3線の位置)に配置されている。固定ブロック16は、複数のボルト17によって、往路ブロック13及び復路ブロック14に固定されている。

0056

なお、固定ブロック16の大きさや形状は、例えば、往路ブロック13と復路ブロック14との間の間隔、或いは、往路ブロック13及び復路ブロック14の大きさや形状等に応じて、適宜設定される。また、固定ブロック16の材質としては、例えば、弾性変形し難い高剛性金属材料を適用することが好ましい。

0057

図6は、図2のf5線に沿う断面図であり、間隔調整機構27が配置された位置での断面図である。図7は、図2のf6線に沿う断面図であり、間隔調整機構27によって往路ブロック13と復路ブロック14との間隔が一定の間隔となる位置での断面図である。なお、図6及び図7は、図2において符号12−P2で示された1つのレールブロック12の断面図になっている。間隔調整範囲27b−Z(図2参照)では、往路ブロック13と復路ブロック14とは、双方の間の間隔を、間隔調整機構27によって調整可能になっている。

0058

レールブロック12−P2のように、往路ブロック13と復路ブロック14とが、間隔調整機構27によって予め設定された間隔で配置されたレールブロック12では、往路ブロック13と復路ブロック14との間に、間隔調整機構27を構成する調整ブロック27a(図6参照)が配置されている。調整ブロック27aが配置されるレールブロック12−P2には、1つのレールブロック12−P2に、予め設定された個数の調整ブロック27aが配置されている。調整ブロック27aは、例えば、左移動経路1Lや右移動経路1Rに沿った方向におけるレールブロック12−P2の両端付近の2箇所(図2のf5線の位置)に配置されている。調整ブロック27aは、複数のボルト28によって、復路ブロック14に固定されている。

0059

また、往路ブロック13における、復路ブロック14に固定される調整ブロック27aに対向する位置には、間隔調整機構27を構成する調整通路27dが形成されている。調整通路27dは、往路ブロック13を幅方向Xに貫通する孔として形成されており、調整ブロック27aを挿通可能になっている。復路ブロック14に固定される調整ブロック27aは、往路ブロック13に形成される調整通路27dに入り込んでいる。

0060

レールブロック12−P2における、幅方向Xにおいて側壁部12cが位置する側には、間隔調整機構27を構成する調整ネジ27eが配設されている。側壁部12cには、調整ネジ27eに形成されたネジ部と螺合するネジ孔が形成されており、調整ネジ27eは、側壁部12cに形成されたネジ孔にネジ部が螺合することにより、側壁部12cを幅方向Xに貫通して側壁部12cに支持されている。また、スライダ15には軸受29が取り付けられており、調整ネジ27eの先端側は、当該軸受29を介してスライダ15に連結されている。これにより、調整ネジ27eは、スライダ15に対して回動自在に連結されている。一方、調整ネジ27eにおける反対側の端部、即ち、調整ネジ27eの基端側は、オーブン30の外側に位置している(図2参照)。調整ネジ27eは、このように一部がオーブン30の外側に位置しており、オーブン30の外側から操作可能になっている。

0061

<クリップチェーン8,9>
シート・フィルム延伸装置1は、左移動経路1Lや右移動経路1Rに沿って移動可能な無端状のクリップチェーン8,9を有している。左移動経路1L側のクリップチェーン8と、右移動経路1R側のクリップチェーン9とは、互いに同一の構成を有している。クリップチェーン8,9は、延伸対象物5の幅方向X両端に配置され、延伸対象物5を把持して延伸することが可能になっており、それぞれ入口側スプロケット6と出口側スプロケット7とに巻き掛けられている。

0062

クリップチェーン8,9は、延伸対象物5を把持する複数の把持機構18と、複数のジョイント機構19と、複数の移動機構20と、を備えている(図3参照)。クリップチェーン8,9は、把持機構18とジョイント機構19とを1つずつ交互に無端状に連結させて構成されている。さらに、複数の移動機構20は、把持機構18に1つずつ搭載されている。移動機構20は、把持機構18を往路レールユニット10及び復路レールユニット11に沿って移動させることが可能に構成されている。

0063

左移動経路1Lの往路2及び右移動経路1Rの往路2(図2参照)は、把持機構18で把持する延伸対象物5を搬送する際の搬送方向Yにおける上流側から下流側に、把持機構18を移動させる経路になっている。左移動経路1Lの復路3及び右移動経路1Rの復路3は、搬送方向Yにおける下流側から上流側に、把持機構18を移動させる経路になっている(図2参照)。

0064

<把持機構18>
把持機構18は、把持本体18aと、クリップ18pと、を備えている(図3参照)。把持本体18aは、延伸対象物5の幅方向Xにおける両縁部を支持可能な部分である支持面18Sa(図4参照)を備えている。支持面18Saは、凹凸の無い平坦面状に構成されている。支持面18Saは、クリップチェーン8,9が、左移動経路1Lや右移動経路1Rに沿って移動する状態において、全ての把持本体18aの支持面18Saが、第1方向X及び第2方向Yに沿った同一の水平面上に位置している。

0065

また、クリップ18pは、把持本体18aに対して回動可能に把持本体18aに支持されている(図4参照)。把持本体18aにおけるクリップ18pを支持している部分は、重力方向における支持面18Saの上方に位置しており、把持本体18aは、回動軸の方向が左移動経路1Lや右移動経路1Rに沿った方向になる形態で、クリップ18pを回動可能に支持している。把持本体18aに支持されるクリップ18pは、支持面18Sa側に位置する回動先端に、把持面18Spを有している。把持面18Spは、幅方向Xにおいて把持本体18aから離れた位置よりも、把持本体18a寄りの位置の方が、回動軸からの距離が大きくなって形成されている。クリップ18pは、把持面18Spと支持面18Saとの間に延伸対象物5を挟持することにより、延伸対象物5の両縁部を把持することが可能になっている。

0066

また、把持本体18aは、把持機構18の移動方向に把持本体18aを見た場合における断面形状が、幅方向Xにおいて支持面18Saが位置する側が閉塞側になり、支持面18Saが位置する側の反対側が開口側となるコ字状の形状で形成されている。把持本体18aの重力方向Zにおける幅は、往路レールユニット10の上側基準レール10aと下側基準レール10bとの距離や、復路レールユニット11の上側基準レール11aと下側基準レール11bとの距離よりも、僅かに小さくなっている。

0067

<ジョイント機構19>
ジョイント機構19は、搬送方向Y、或いは、クリップチェーン8,9の移動方向に沿って隣り合う2つの把持機構18同士の間に配置されている(図3参照)。即ち、複数の把持機構18と複数のジョイント機構19とは、1つずつ交互に無端状に連結されており、隣り合う2つの把持機構18同士は、ジョイント機構19を介して連結されている。ジョイント機構19は、隣り合う把持機構18同士の間隔を調整する機能を有している。ここで、説明の都合上、搬送方向Yに沿って隣り合う2つの把持機構18のうち、一方の把持機構18を第1把持機構18−1とし、他方の把持機構18を第2把持機構18−2として説明する。

0068

ジョイント機構19は、第1継手部材19−1と、第2継手部材19−2と、を備えている。第1継手部材19−1は、所定の長さを有する部材になっており、長さ方向における一端が、重力方向Zに延びる第1枢軸部21を介して、第1把持機構18−1の把持本体18aに回動自在に連結されている。詳しくは、第1継手部材19−1は、把持機構18の移動方向に把持本体18aを見た場合における断面形状がコ字状の形状で形成される把持本体18aの内側部分に配置され、把持本体18aに回動自在に連結されている。即ち、第1継手部材19−1は、重力方向Zにおける把持本体18aの中央付近に位置しており、把持本体18aに連結される部分の重力方向Zにおける両側が、把持本体18aによって囲われた状態で配置されている。また、第1継手部材19−1の長さ方向における他端は、重力方向Zに延びる中継軸部22を介して、第2継手部材19−2に回動自在に連結されている。

0069

第2継手部材19−2は、所定の長さを有する第2継手本体部19−3と、突出部23と、を有している。第2継手部材19−2が有する第2継手本体部19−3の一端は、重力方向Zに延びる第2枢軸部24を介して、第2把持機構18−2の把持本体18aに回動自在に連結されている。詳しくは、第2継手部材19−2は、把持機構18の移動方向に把持本体18aを見た場合における断面形状がコ字状の形状で形成される把持本体18aの内側部分に配置され、把持本体18aに回動自在に連結されている。即ち、第2継手部材19−2は、重力方向Zにおける把持本体18aの中央付近に位置しており、把持本体18aに連結される部分の重力方向Zにおける両側が、把持本体18aによって囲われた状態で配置されている。また、第2継手部材19−2が有する第2継手本体部19−3の他端は、中継軸部22を介して、第1継手部材19−1に回動自在に連結されている。

0070

また、突出部23は、第2継手本体部19−3における、第2枢軸部24を介して第2把持機構18−2に連結される側の端部から、幅方向Xにおいてクリップ18pが位置する側の反対側に突出しており、第2継手本体部19−3と一体となって構成されている。詳しくは、突出部23は、第2継手本体部19−3における第2把持機構18−2に連結される側の端部から、幅方向Xにおいてクリップ18pが位置する側の反対側に突出し、さらに、第1把持機構18−1が位置する方向に湾曲して形成されている。突出部23における、第2継手本体部19−3が位置する側の端部の反対側の端部には、間隔調整機構27を構成する調整ベアリング27cが回転自在に取り付けられている。調整ベアリング27cは、回転軸が重力方向Zに沿った方向になる向きで突出部23に取り付けられており、外周面である回転面が、突出部23からはみ出した状態で回転可能に構成されている。

0071

ジョイント機構19は、第1枢軸部21を介して第1継手部材19−1が第1把持機構18−1に回動自在に連結され、第2枢軸部24を介して第2継手部材19−2が第2把持機構18−2に回動自在に連結され、第1継手部材19−1と第2継手部材19−2とが、中継軸部22を介して相対的に回動自在に連結されている。このため、第1把持機構18−1と第2把持機構18−2とは、ジョイント機構19の第1継手部材19−1と第2継手部材19−2とが第1把持機構18−1や第2把持機構18−2に対して回動し、第1継手部材19−1と第2継手部材19−2とが相対的に回動することにより、第1把持機構18−1と第2把持機構18−2の間隔が変化することができるようになっている。つまり、ジョイント機構19は、搬送方向Yに隣り合う2つの把持機構18同士の間隔を変化させることができるように、隣り合う2つの把持機構18を連結している。

0072

<移動機構20>
移動機構20は、重力方向Zにおける把持機構18の上側と下側との双方に配置される走行ユニット25及び転動ユニット26を有している(図4参照)。移動機構20は、把持機構18に1つずつ搭載されている。移動機構20は、重力方向Zにおいて上下両側に対称な構造を有して構成されており、把持機構18を、左移動経路1Lや右移動経路1Rに沿って移動させることが可能になっている。移動機構20は、往路レールユニット10や復路レールユニット11に沿って移動する際に、重力方向Zに拘束されつつ、幅方向Xにも拘束される。これにより、移動機構20は、移動機構20を搭載する把持機構18の移動姿勢を、一定に維持することができる。

0073

具体的には、移動機構20が有する走行ユニット25と転動ユニット26とは、往路レールユニット10の上側基準レール10a及び下側基準レール10bや、復路レールユニット11の上側基準レール11a及び下側基準レール11bに沿って転がりながら移動可能になっている。このうち、走行ユニット25が有する上側走行ベアリング25aは、把持機構18の移動方向に把持本体18aを見た場合(図4参照)における断面形状がコ字状の形状で形成される把持本体18aの、重力方向Zにおける上側の壁部に配置されている。また、走行ユニット25が有する下側走行ベアリング25bは、把持本体18aの、重力方向Zにおける下側の壁部に配置されている。これらの上側走行ベアリング25aと下側走行ベアリング25bとは、いずれも回転軸が、把持機構18の移動方向と重力方向Zとの双方に直交する方向に延びる向きで配置されている。

0074

上側走行ベアリング25aは、往路レールユニット10の上側基準レール10aや復路レールユニット11の上側基準レール11aに対して下側から接触し、転がりながら移動可能に構成されている。下側走行ベアリング25bは、往路レールユニット10の下側基準レール10bや復路レールユニット11の下側基準レール11bに対して上側から接触し、転がりながら移動可能に構成されている。これにより、走行ユニット25は、重力方向Zに拘束されつつ、往路レールユニット10及び復路レールユニット11に沿って移動することが可能になっている。

0075

転動ユニット26が有する上側転動ベアリング26aは、重力方向Zにおける把持本体18aの上面側に配置され、下側転動ベアリング26bは、重力方向Zにおける把持本体18aの下面側に配置されている。これらの上側転動ベアリング26aと下側転動ベアリング26bとは、いずれも回転軸が重力方向Zに延びる向きで配置されている。上側転動ベアリング26aは、往路レールユニット10の上側基準レール10aや復路レールユニット11の上側基準レール11aに対して、水平方向における側方から接触し、上側基準レール10a,11aに沿って転がりながら移動可能に構成されている。下側転動ベアリング26bは、往路レールユニット10の下側基準レール10bや復路レールユニット11の下側基準レール11bに対して、水平方向における側方から接触し、下側基準レール10b,11bに沿って転がりながら移動可能に構成されている。

0076

具体的には、上側転動ベアリング26aは、1つの把持本体18aに4つが配置されており、4つの上側転動ベアリング26aは、上側基準レール10a,11aの厚さ方向における両側に配置されている。4つの上側転動ベアリング26aは、上側基準レール10a,11aの厚さ方向における両側に、2つずつが配置されており、二対の上側転動ベアリング26aで、上側基準レール10a,11aを厚さ方向に挟み込む位置関係で配置されている。

0077

把持本体18aの下面に配置される下側転動ベアリング26bも同様に、1つの把持本体18aに4つが配置されており、4つの下側転動ベアリング26bは、下側基準レール10b,11bの厚さ方向における両側に配置されている。4つの下側転動ベアリング26bは、下側基準レール10b,11bの厚さ方向における両側に、2つずつが配置されており、二対の下側転動ベアリング26bで、下側基準レール10b,11bを厚さ方向に挟み込む位置関係で配置されている。

0078

4つの上側転動ベアリング26aは、上側基準レール10a,11aを、上側基準レール10a,11aの厚さ方向における両側から挟んだ状態で転がりながら移動可能になっている。4つの下側転動ベアリング26bは、下側基準レール10b,11bを、下側基準レール10b,11bの厚さ方向における両側から挟んだ状態で転がりながら移動可能になっている。これにより、転動ユニット26は、上側基準レール10a,11aや下側基準レール10b,11bの厚さ方向、即ち、幅方向Xに拘束されつつ、往路レールユニット10及び復路レールユニット11に沿って移動することが可能になっている。

0079

<間隔調整機構27>
間隔調整機構27は、隣り合う把持機構18同士の間隔を調整することが可能になっており、間隔調整範囲27b−Z(図2参照)に亘って設けられている。この間隔調整範囲27b−Zは、延伸対象物5の搬送方向Yにおいて、延伸対象物5の収縮が開始する位置から、少なくとも把持解除点18p−OFFまでの範囲に設定される。把持解除点18p−OFFは、把持機構18によって延伸対象物5を把持しながら搬送方向Yに搬送する際における把持機構18での把持を解除する位置になっている。シート・フィルム延伸装置1での延伸対象物5の搬送時には、間隔調整範囲27b−Zでは、幅方向Xに沿った延伸対象物5の収縮に追従させる横方向弛緩処理と、搬送方向Yに沿った延伸対象物5の収縮に追従させる縦方向弛緩処理とが行われる。間隔調整機構27は、これらの処理のうちの縦方向弛緩処理に供される。間隔調整機構27は、往路2において搬送方向Yに隣り合う把持機構18同士の間隔を調整することにより、縦方向弛緩処理を行う。

0080

間隔調整機構27は、調整ブロック27aと、調整レール27bと、調整ベアリング27cと、調整通路27dと、調整ネジ27eと、を有している(図6参照)。調整ブロック27aは、上述したように、予め設定された個数の調整ブロック27aが、複数のボルト28によって復路ブロック14に固定されている。

0081

調整レール27bは、位置決めブロック31に設けられている。位置決めブロック31は、調整ブロック27aにおける、幅方向Xにおいて復路ブロック14に固定される側の反対側に支持されている。調整レール27bは、調整ブロック27aに支持される位置決めブロック31に対して、ジョイント機構19の第2継手部材19−2に取り付けられる調整ベアリング27cに対向させるように配置されている。即ち、調整レール27bは、位置決めブロック31における、幅方向Xにおいて調整ブロック27aに支持される側の反対側に配置されており、調整ベアリング27cに接触することができるように配置されている。これにより、調整レール27bは、ジョイント機構19の第2継手部材19−2に取り付けられる調整ベアリング27cに対して、幅方向Xにおいて把持機構18の支持面18Saやクリップ18pが位置する方向への押圧力を作用させることが可能になっている。

0082

調整通路27dは、往路ブロック13における、復路ブロック14に固定される調整ブロック27aや位置決めブロック31に対向する位置に、往路ブロック13を幅方向Xに貫通する孔として形成されている。調整通路27dは、調整ブロック27aのみでなく、位置決めブロック31も挿通可能に構成されており、調整ブロック27aや位置決めブロック31は、往路ブロック13に形成される調整通路27dに入り込んでいる。

0083

調整ネジ27eは、上述したように、レールブロック12の側壁部12cに形成されたネジ孔にネジ部が螺合することにより側壁部12cに支持されており、先端側が、スライダ15に取り付けられた軸受29を介してスライダ15に連結されている。また、調整ネジ27eにおけるスライダ15に連結されている側の端部の反対側の端部は、オーブン30の外側に位置している。このように構成される調整ネジ27eは、隣り合う把持機構18同士の間隔を間隔調整機構27によって調整する際に操作をする間隔調整部材として設けられている。

0084

<張力調整機構50>
本実施形態に係るシート・フィルム延伸装置1は、クリップチェーン8,9の張力を調整することのできる張力調整機構50を有している。図8は、張力調整機構50の構成を示す模式図である。張力調整機構50は、制御部55と、レール本体側ユニット60と、移動ユニット65と、油圧シリンダ70と、油圧ポンプ80とを有している。このうち、制御部55は、クリップチェーン8,9の張力を調整するための各制御を行う部分になっており、演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、各種情報を記憶するメモリとして機能するRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)などを有している。制御部55の各機能の全部または一部は、ROMに保持されるアプリケーションプログラムをRAMにロードしてCPUで実行することによって、RAMやROMにおけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。

0085

レール本体側ユニット60は、左レール構造体4Lと右レール構造体4Rがそれぞれ有すると共に、左レール構造体4Lや右レール構造体4Rにおける移動ユニット65以外の部分であり、移動ユニット65が取り付けられる部分になっている。左レール構造体4Lのレール本体側ユニット60と右レール構造体4Rのレール本体側ユニット60とは、それぞれ往路2と復路3とを有している。

0086

移動ユニット65は、左レール構造体4Lと右レール構造体4Rがそれぞれ有しており、左レール構造体4Lや右レール構造体4Rにおける、入口側スプロケット6が配設される部分になっている。移動ユニット65は、レール本体側ユニット60の往路2や復路3に沿って走行するクリップチェーン8,9が折り返す部分になっており、レール本体側ユニット60に対して、搬送方向Yに移動可能に取り付けられている。

0087

油圧シリンダ70と油圧ポンプ80とは、左レール構造体4L側と右レール構造体4R側とのそれぞれに設けられている。このうち、油圧シリンダ70は、クリップチェーン8,9の張力を調整する張力調整部になっており、油圧によって作動することにより、レール本体側ユニット60に対して移動可能に取り付けられている移動ユニット65を、搬送方向Yに移動させることができる。

0088

油圧ポンプ80は、制御部55からの制御信号に基づいて作動することにより油圧を発生し、発生した油圧を油圧シリンダ70に供給することにより、油圧シリンダ70を作動させることが可能になっている。

0089

図9は、レール本体側ユニット60と移動ユニット65とを分解した状態を示す説明図である。図9は、左レール構造体4Lと右レール構造体4Rとのうち、左レール構造体4L側のレール本体側ユニット60と移動ユニット65とを図示したものになっている。右レール構造体4R側のレール本体側ユニット60や移動ユニット65も、左レール構造体4L側のレール本体側ユニット60や移動ユニット65と同等に構成されており、形状が左レール構造体4L側と対称になっている。

0090

レール本体側ユニット60は、搬送方向Yにおける上流側の端部で往路2と復路3とが接続しておらず、レール本体側ユニット60の搬送方向Yにおける上流側の端部付近には、移動ユニット65が接続される本体側接続部61が設けられている。また、レール本体側ユニット60には、往路2と復路3との間における本体側接続部61の近傍に、油圧シリンダ70が配置されている。油圧シリンダ70は、ロッド71が搬送方向Yにおける上流側に位置し、ロッド71の伸縮方向が搬送方向Yに沿った方向になる向きで配置されている。

0091

移動ユニット65には、入口側スプロケット6を取り付ける部分である入口側スプロケット取付部66が設けられている。また、移動ユニット65には、レール本体側ユニット60の往路2と復路3とに接続され、クリップチェーン8,9がUターンする部分である折り返し路67が形成されている。折り返し路67は、入口側スプロケット6の回転中心を中心とする円弧状の形状で形成されており、平面視における形状がU字状になっている。クリップチェーン8,9は、入口側スプロケット6に噛み合いつつ、折り返し路67に沿って移動することが可能になっている。また、移動ユニット65における、折り返し路67の形状であるU字状の開口側に位置する部分には、レール本体側ユニット60に接続される部分である移動ユニット側接続部68が設けられている。移動ユニット側接続部68には、レール本体側ユニット60に配置される油圧シリンダ70のロッド71が接続される部分であるロッド接続部69が形成されている。

0092

図10は、図9に示すレール本体側ユニット60と移動ユニット65とを組み立てた状態の説明図である。移動ユニット65は、移動ユニット側接続部68がレール本体側ユニット60の本体側接続部61に接続されることにより、レール本体側ユニット60に取り付けられる。その際に、移動ユニット65は、レール本体側ユニット60に対して搬送方向Yに移動可能に取り付けられる。移動ユニット65がレール本体側ユニット60に取り付けられた状態では、折り返し路67がレール本体側ユニット60の往路2及び復路3から連続し、往路2と復路3とが折り返し路67を介して接続される状態になる。

0093

また、移動ユニット65がレール本体側ユニット60に取り付けられる際には、レール本体側ユニット60に配置される油圧シリンダ70のロッド71が、移動ユニット65に形成されるロッド接続部69に接続される。

0094

<張力調整機構50の油圧系統>
図11は、図9に示す張力調整機構50の油圧系統についての説明図である。図11では、一組の油圧シリンダ70及び油圧ポンプ80における油圧系統について説明しており、左レール構造体4L側の油圧シリンダ70及び油圧ポンプ80と、右レール構造体4R側の油圧シリンダ70及び油圧ポンプ80とは、同等に構成されている。

0095

油圧シリンダ70は、油圧ポンプ80から供給される油圧により、油圧シリンダ70が有するロッド71を伸縮させることができる。以下の説明では、ロッド71の伸縮方向において、ロッド71が伸びる方向を前進側として説明し、ロッド71が縮む方向を後退側として説明する。油圧シリンダ70は、ロッド71における油圧シリンダ70の内部に位置する側の端部に、ピストン72が接続されており、油圧シリンダ70の内部は、ピストン72によって前進側油圧室75と後退側油圧室76との区画されている。

0096

前進側油圧室75は、内部の油圧を高めることによりロッド71を前進させることのできる油圧室になっており、後退側油圧室76は、内部の油圧を高めることによりロッド71を後退させることのできる油圧室になっている。このように、前進側油圧室75と後退側油圧室76とを有する油圧シリンダ70は、油圧ポンプ80との間の油圧経路に対する前進側油圧室75側の接続部である前進側接続部73と、後退側油圧室76側の接続部である後退側接続部74とを有している。

0097

さらに、油圧シリンダ70には、ロッド71の伸縮状態を測ることのできる測長センサ78が備えられている。ロッド71の伸縮状態としては、例えば、ロッド71が最も後退した位置から前進方向へ伸びている量や、ロッド71が最も前進した位置から後退方向へ縮んでいる量を検出する。測長センサ78は、制御部55に対して電気的に接続されており、検出したロッド71の伸縮状態を制御部55に伝達することが可能になっている。

0098

油圧シリンダ70に油圧を供給する油圧ポンプ80は、ポンプ駆動モータ81から伝達される駆動力によって作動し、油圧を発生する。ポンプ駆動モータ81は、回転数センサ84を備えており、ポンプ駆動モータ81の回転数を制御部55に伝達しつつ、制御部55からの制御信号に基づいて回転することにより、油圧ポンプ80を作動させる。これにより、油圧ポンプ80は、ポンプ駆動モータ81を介して制御部55により制御され、制御部55からの制御信号に基づいて油圧を発生する。

0099

油圧ポンプ80で発生した油圧は、油圧シリンダ70との間に設けられる油圧経路によって油圧シリンダ70に供給されるが、油圧経路は、前進側油圧経路82と、後退側油圧経路83とが設けられる。このうち、前進側油圧経路82は、油圧シリンダ70の前進側接続部73に接続され、後退側油圧経路83は、油圧シリンダ70の後退側接続部74に接続されている。油圧ポンプ80は、油圧ポンプ80で発生した油圧を、制御部55からの制御信号に基づいて、前進側油圧経路82と後退側油圧経路83とのいずれかに切り替えて供給することが可能になっている。

0100

また、前進側油圧経路82には、前進側油圧経路82によって供給される油圧の大きさを検出する圧力センサ85が配設されている。圧力センサ85は、クリップチェーン8,9の張力に基づく状態値を検出する張力検出部として設けられている。即ち、圧力センサ85は、クリップチェーン8,9の張力に基づく状態値として、油圧シリンダ70に作用する油圧を検出する。圧力センサ85は、制御部55に電気的に接続されており、圧力センサ85での検出結果は、制御部55に伝達される。

0101

制御部55には、圧力センサ85で検出した油圧や各種情報を表示する表示部56と、制御部55に対して入力操作を行う操作部57とが接続されている。操作部57は、例えば、油圧シリンダ70に対する油圧の供給に関する入力操作を行ったり、後述する、クリップチェーン8,9の調整を行う際におけるモードの切り替えの入力操作を行ったりすることが可能になっている。

0102

<シート・フィルム延伸装置1の動作>
本実施形態に係るシート・フィルム延伸装置1は、以上のような構成を含み、以下、その動作について説明する。シートやフィルム等の薄膜状の延伸対象物5を、シート・フィルム延伸装置1で延伸させる際には、縦延伸部107(図1参照)側から搬送される延伸対象物5を、入口側スプロケット6が位置する側から搬送エリア1Aに位置させる(図2参照)。その際に、延伸対象物5は、延伸対象物5の長手方向がシート・フィルム延伸装置1の第2方向Yになり、延伸対象物5の長手方向と厚さ方向との双方に直交する幅方向がシート・フィルム延伸装置1の第1方向Xになる向きで、搬送エリア1Aに位置させる。

0103

シート・フィルム延伸装置1の前工程で用いる縦延伸部107等の装置から、搬送エリア1Aにおける入口側スプロケット6側から搬送エリア1Aに送り込まれた延伸対象物5は、往路2における把持開始点18p−ONで、幅方向Xにおける両縁部が順次、把持機構18で把持される。ここでいう把持開始点18p−ONは、クリップチェーン8,9を構成する把持機構18によって延伸対象物5を把持しながら、延伸対象物5を入口側スプロケット6側から出口側スプロケット7側に向けて搬送する際に、把持機構18による延伸対象物5の把持を開始する位置になっている。

0104

把持機構18によって延伸対象物5の両縁部を把持する際には、把持本体18aに回動可能に支持されているクリップ18pを回動させる(図4参照)。即ち、クリップ18pを回動させることにより、延伸対象物5の幅方向Xにおける両縁部付近を、クリップ18pの把持面18Spと把持本体18aの支持面18Saとで挟持し、延伸対象物5の両縁部付近を把持機構18によって把持する。

0105

延伸対象物5の搬送は、クリップチェーン8,9を構成する把持機構18によって延伸対象物5を把持している状態で、出口側スプロケット7に対して駆動力を付与するモータを駆動させる(図2参照)。これにより、左移動経路1Lに設けられるクリップチェーン8は、出口側スプロケット7から伝達される駆動力によって左移動経路1Lを循環し、右移動経路1Rに設けられるクリップチェーン9は、出口側スプロケット7から伝達される駆動力によって右移動経路1Rを循環する。

0106

クリップチェーン8,9の循環方向は、左移動経路1Lや右移動経路1Rの往路2では、クリップチェーン8,9が入口側スプロケット6側から出口側スプロケット7側に向かって移動し、左移動経路1Lや右移動経路1Rの復路3では、クリップチェーン8,9が出口側スプロケット7側から入口側スプロケット6側に向かって移動する方向になっている。延伸対象物5は、左移動経路1Lや右移動経路1Rの往路2の位置で、幅方向Xにおける両縁部が把持機構18に把持されるため、クリップチェーン8,9が循環することにより、延伸対象物5は、往路2に位置するクリップチェーン8,9によって、往路2におけるクリップチェーン8,9の移動方向に移動する。このため、延伸対象物5は、搬送エリア1Aを搬送方向Yにおける入口側スプロケット6側から出口側スプロケット7側に向かって移動する。即ち、延伸対象物5は、幅方向Xにおける両縁部を把持する把持機構18を有するクリップチェーン8,9によって、搬送方向Yにおける入口側スプロケット6側から出口側スプロケット7側に搬送される。

0107

搬送エリア1Aで搬送される延伸対象物5は、搬送される間に、加熱されながら幅方向Xに延伸される。これにより、延伸対象物5は、出口側スプロケット7が位置する側から送り出される際には、延伸済みの延伸対象物5が送り出される。

0108

具体的には、搬送エリア1Aには、それぞれで温度制御が可能な複数の加熱保温室T1〜T10が設けられており、加熱保温室T1〜T10は、搬送方向Yにおける位置ごとに、その位置に応じた温度で延伸対象物5を加熱することが可能になっている。つまり、加熱保温室T1〜T10では、それぞれの加熱保温室T1〜T10で、搬送方向Yにおける位置に適したオーブン30の温度制御を行う。

0109

また、左移動経路1Lと右移動経路1Rとの往路2同士の幅方向Xにおける間隔は、搬送方向Yにおける位置ごとに異なっている。即ち、左移動経路1Lの往路2と右移動経路1Rの往路2とは、搬送方向Yにおける所定の範囲で、入口側スプロケット6側から出口側スプロケット7側に向かうに従って双方の往路2の間隔が大きくなっている。これにより、シート・フィルム延伸装置1は、搬送エリア1Aで延伸対象物5を搬送する際に、オーブン30によって延伸対象物5を加熱しつつ、延伸対象物5に対して幅方向Xの張力を付与し、幅方向に延伸させる。

0110

また、シート・フィルム延伸装置1は、オーブン30で加熱することにより温度を上昇させた延伸対象物5の温度を、搬送しながら徐々に低下させる。搬送方向Yにおける延伸対象物5の温度を低下させる範囲では、延伸対象物5の温度を徐々に低下させることができるようにオーブン30の温度制御が行われる。また、延伸対象物5の温度を低下させると、延伸対象物5は収縮するため、延伸対象物5の温度を低下させる範囲では、幅方向Xにおける延伸対象物5の両側に位置する往路2同士の間隔が、入口側スプロケット6側から出口側スプロケット7側に向かうに従って小さくなっている。このため、搬送方向Yにおける延伸対象物5の温度を低下させる範囲では、延伸対象物5は入口側スプロケット6側から出口側スプロケット7側に搬送されるに従って、幅方向Xに収縮する。

0111

ここで、延伸対象物5が収縮する際には、搬送方向Yにおいても収縮するため、搬送方向Yにおける延伸対象物5が収縮する範囲では、隣り合う把持機構18同士の間隔を、間隔調整範囲27b−Zに配設される間隔調整機構27によって小さくする。換言すると、間隔調整範囲27b−Zは、往路2において延伸対象物5が収縮する範囲を含む範囲になっている。隣り合う把持機構18同士の間隔を間隔調整機構27(図6参照)によって調節する際には、間隔調整機構27を構成する調整ネジ27eを回転させることにより行う。

0112

調整ネジ27eは、レールブロック12の側壁部12cに螺合しているため、調整ネジ27eを回転させると、調整ネジ27eは幅方向Xに移動する。調整ネジ27eの先端側は、軸受29を介して回動自在にスライダ15に連結されているため、調整ネジ27eが幅方向Xに移動すると、調整ネジ27eと共にスライダ15が幅方向Xに移動し、スライダ15と共に復路ブロック14も幅方向Xに移動する。復路ブロック14には、調整ブロック27aが固定されているため、復路ブロック14が移動する際には、調整ブロック27aも一体となって復路ブロック14と共に移動する。調整ネジ27eを回転させることにより、復路ブロック14と共に調整ブロック27aを予め設定された距離だけ移動させたら、調整ネジ27eの回転を停止させる。

0113

調整ブロック27aが幅方向Xに移動すると、調整ブロック27aに支持される位置決めブロック31、及び位置決めブロック31に設けられる調整レール27bも調整ブロック27aと共に移動する。例えば、調整ネジ27eを回転させることにより、幅方向Xにおいて往路ブロック13が位置する側に向かって復路ブロック14が移動した場合、位置決めブロック31と共に同じ方向に移動する調整レール27bは、調整ベアリング27cに接触する。

0114

図12は、図6に示すクリップチェーン8,9の平面図であり、調整ベアリング27cに調整レール27bが接触している状態を示す説明図である。調整レール27bが調整ベアリング27cに接触すると、調整レール27bから調整ベアリング27cに押圧力が作用する。調整レール27bから調整ベアリング27cに作用する押圧力は、調整ベアリング27cに対して、幅方向Xにおいて、当該調整ベアリング27cが取り付けられるジョイント機構19が連結される把持機構18が有するクリップ18pが位置する側に調整ベアリング27cを移動させる力として作用する。調整ベアリング27cに対して、幅方向Xにおいてクリップ18pが位置する側への力が作用した場合、調整ベアリング27cが取り付けられるジョイント機構19の第2継手部材19−2は、第2枢軸部24を中心として回動する。これにより、第2継手部材19−2は、第2継手本体部19−3における中継軸部22が位置する側の端部が幅方向Xにおいてクリップ18pが位置する側に移動する方向に、第2継手部材19−2全体が回動する。

0115

第2継手部材19−2の回動により、中継軸部22が幅方向Xにおけるクリップ18pが位置する側に移動すると、中継軸部22を介して第2継手部材19−2に連結される第1継手部材19−1も、第1枢軸部21を中心として第1継手部材19−1全体が回動する。このため、ジョイント機構19は、第1継手部材19−1と、第2継手部材19−2の第2継手本体部19−3とが、中継軸部22が幅方向Xにおいてクリップ18pが位置する側に移動する方向に、中継軸部22を中心として折れ曲がる。

0116

中継軸部22を中心として第1継手部材19−1と第2継手部材19−2とが折れ曲がると、第1継手部材19−1を第1把持機構18−1に連結する第1枢軸部21と、第2継手部材19−2を第2把持機構18−2に連結する第2枢軸部24とが互いに接近し、第1枢軸部21と第2枢軸部24との距離が小さくなる。これにより、第1枢軸部21と第2枢軸部24とを介してジョイント機構19に連結される第1把持機構18−1と第2把持機構18−2との距離も小さくなる。即ち、隣り合う2つの把持機構18同士の間隔が小さくなる。

0117

これとは反対に、調整ネジ27eを回転させることにより、幅方向Xにおいて往路ブロック13が位置する側から離れる方向に復路ブロック14が移動した場合、位置決めブロック31と共に同じ方向に移動する調整レール27bも、往路ブロック13が位置する側から離れる方向に移動する。調整レール27bが、幅方向Xにおいて往路ブロック13から離れる方向に移動すると、調整レール27bは、調整ベアリング27cに対して、接触しない非接触状態、または接触圧が弱まった弱接触状態になる。調整レール27bが、調整ベアリング27cに対して非接触状態になると、調整ベアリング27cには、調整レール27bからの押圧力が作用しなくなる。

0118

クリップチェーン8,9における往路2に位置する部分には、出口側スプロケット7に付与される駆動力により、入口側スプロケット6側から出口側スプロケット7側に引っ張られる方向の張力が作用する。このため、調整ベアリング27cに対して押圧力が作用しない場合は、ジョイント機構19の第1継手部材19−1と第2継手部材19−2は、この張力により、第1枢軸部21と第2枢軸部24とが搬送方向Yに離間し、第1枢軸部21と第2枢軸部24と中継軸部22とが直線上に位置する状態になる(図3参照)。換言すると、第1継手部材19−1と、第2継手部材19−2の第2継手本体部19−3とが、展開した状態になる。これにより、第1枢軸部21と第2枢軸部24とを介してジョイント機構19に連結される第1把持機構18−1と第2把持機構18−2との距離も大きくなる。このように、出口側スプロケット7に付与される駆動力によって、隣り合う把持機構18同士の間隔が大きくなる方向への張力が付与され、調整ベアリング27cに対して調整レール27bからの押圧力が作用しない状態では、隣り合う把持機構18同士の間隔が最大となる。

0119

一方、調整ベアリング27cに対する調整レール27bの接触状態が、弱接触状態である場合は、調整レール27bから調整ベアリング27cに作用する押圧力が小さくなる。この状態では、ジョイント機構19の第1継手部材19−1と、第2継手部材19−2の第2継手本体部19−3との折れ曲がり量は、調整レール27bから調整ベアリング27cに作用する押圧力が大きい状態における折れ曲がり量よりも小さくなる。これにより、隣り合う把持機構18同士の間隔も、調整レール27bから調整ベアリング27cに作用する押圧力が大きい状態における間隔と、調整レール27bが調整ベアリング27cに接触しない状態における間隔との間の大きさになる。

0120

間隔調整機構27による、隣り合う把持機構18同士の間隔の調節は、このように、調整ネジ27eを回転させることにより行う。これにより、間隔調整機構27は、搬送方向Yに沿って隣り合う2つの把持機構18同士の間隔を、大きくしたり小さくしたりすることができる。つまり、間隔調整機構27は、調整レール27bを幅方向Xに移動させ、調整レール27bと第2継手部材19−2との位置関係を相対的に変化させることにより、隣り合う2つの把持機構18同士の間隔を変化させることができる。即ち、調整レール27bと、第2継手部材19−2の回動中心である第2枢軸部24との幅方向Xにおける距離を小さくした場合は、把持機構18同士の間隔を小さくすることができ、調整レール27bと第2枢軸部24との幅方向Xにおける距離を大きくした場合は、把持機構18同士の間隔を大きくすることができる。また、往路2における、間隔調整範囲27b−Z以外の部分では、間隔調整機構27による、隣り合う把持機構18同士の間隔を調節が行われないため、隣り合う把持機構18同士は、間隔が最大の状態が維持される。

0121

なお、調整ネジ27eを回転させることによる、隣り合う把持機構18同士の間隔の調整は、手動調整によって行ってもよく、自動調整によって行ってもよい。手動調整では、作業者目視確認できるような目盛を調整ネジ27eに設けることが好ましい。一方、自動調整では、調整ネジ27eに連結可能なモータと、モータの回転角度等の回転状態を検出可能な検出装置と、を設けることが好ましい。

0122

搬送方向Yにおける、延伸対象物5が収縮する範囲では、このように間隔調整機構27によって把持機構18同士の間隔を小さくすることにより、延伸対象物5を幅方向Xのみでなく、搬送方向Yにも収縮させる。つまり、延伸対象物5が収縮する範囲では、往路2同士の間隔を小さくすることにより、延伸対象物5の幅方向Xにおける拘束を低減し、把持機構18同士の間隔を小さくすることにより、延伸対象物5の搬送方向Yにおける拘束を低減する。これにより、幅方向Xにおける把持機構18同士の間隔と、搬送方向Yにおける把持機構18同士の間隔とを、延伸対象物5の収縮に追従させ、温度の低下に伴って収縮する延伸対象物5を、適切に収縮させる。

0123

温度を上昇させながら大幅に延伸し、温度を低下させながら適度に収縮した延伸対象物5は、出口側スプロケット7側に搬送され、把持解除点18p−OFFで、両縁部が把持機構18から解放される。即ち、延伸対象物5を把持しながら移動する各把持機構18は、把持解除点18p−OFFに到達した際に、延伸対象物5の把持を解除する。これにより、シート・フィルム延伸装置1によって延伸された延伸対象物5は、延伸の後工程で用いる、引取・巻取部109(図1参照)等の装置に送り出される。

0124

一方、把持解除点18p−OFFで延伸対象物5の把持を解除したクリップチェーン8,9の把持機構18は、出口側スプロケット7の回転によって出口側スプロケット7まで到達した後、出口側スプロケット7から復路3側に送り出される。復路3に送り出された把持機構18は、復路3を通って出口側スプロケット7側から入口側スプロケット6側に移動し、入口側スプロケット6を経由して再び往路2に移動し、把持開始点18p−ONで延伸対象物5を把持する。把持機構18は、延伸対象物5を把持した状態で往路2を入口側スプロケット6側から出口側スプロケット7側に向かって移動することにより、延伸対象物5の搬送を行う。

0125

ここで、把持機構18が出口側スプロケット7から復路3側に送り出された場合、把持機構18は、出口側スプロケット7側から入口側スプロケット6側に把持機構18を押し出す方向の力によって、復路3を移動する。このため、各把持機構18には、隣り合う把持機構18同士を近付かせる方向の力が作用し、特に、復路3における出口側スプロケット7の近傍の位置では、隣り合う把持機構18同士を近付かせる方向の大きな力が作用する。

0126

また、間隔調整機構27が有する調整レール27bは、調整ブロック27a及び位置決めブロック31を介して復路ブロック14に取り付けられるため、往路2を移動する把持機構18同士を連結するジョイント機構19に取り付けられる調整ベアリング27cに対してのみ、押圧力を作用させることができる。従って、間隔調整機構27は、復路3を移動する把持機構18同士の間隔については、調整することが不可能になっている。このため、把持機構18に対して、隣り合う把持機構18同士を近付かせる方向の力が作用すると、把持機構18同士を連結するジョイント機構19が、この力によって動作をする。即ち、把持機構18に、隣り合う把持機構18同士を近付かせる方向の大きな力が作用した場合は、この力によってジョイント機構19が動作をすることにより、隣り合う把持機構18同士が近付き過ぎる虞がある。この場合、クリップチェーン8,9は、復路3を安定して走行し難くなる虞がある。

0127

これに対し、本実施形態に係るシート・フィルム延伸装置1は、張力調整機構50を有しているため、張力調整機構50により、クリップチェーン8,9の張力を適切な大きさに調整することが可能になっている。張力調整機構50によってクリップチェーン8,9の張力を調整する際には、制御部55によってポンプ駆動モータ81を駆動させることによって油圧ポンプ80を作動させ、油圧ポンプ80で発生した油圧を油圧シリンダ70に供給する。その際に、クリップチェーン8,9の現在の張力に応じて、油圧シリンダ70に対して供給する張力を、前進側油圧室75に供給するか、後退側油圧室76に供給するかを切り替えることにより、クリップチェーン8,9の張力を調整することができる。

0128

具体的には、クリップチェーン8,9の張力を大きくする場合は、油圧シリンダ70の前進側油圧室75に対して油圧を供給し、移動ユニット65を前進させる。図13は、図10に示す移動ユニット65を前進させた状態を示す説明図である。油圧シリンダ70の前進側油圧室75に対して油圧を供給した場合、油圧シリンダ70は、ロッド71が伸びるため、ロッド71に接続されている移動ユニット65も、ロッド71が伸びる方向にロッド71と共に移動する。つまり、油圧シリンダ70は、レール本体側ユニット60に取り付けられており、油圧シリンダ70のロッド71は、移動ユニット65に接続されている。また、移動ユニット65は、レール本体側ユニット60に対して搬送方向Yに移動可能に取り付けられているため、油圧シリンダ70のロッド71が伸びた際には、移動ユニット65は、ロッド71に押されてレール本体側ユニット60から離れる方向に移動する。即ち、移動ユニット65は、搬送方向Yにおける上流側に移動する。

0129

移動ユニット65には、入口側スプロケット6が取り付けられるため、移動ユニット65がレール本体側ユニット60から離れる方向に移動し、搬送方向Yにおける上流側に移動した場合には、入口側スプロケット6も搬送方向Yにおける上流側に移動する。つまり、入口側スプロケット6は、出口側スプロケット7から離れる方向に移動する。これにより、入口側スプロケット6と出口側スプロケット7との距離が大きくなり、クリップチェーン8,9の走行する移動経路1L,1Rの全長が長くなるため、クリップチェーン8,9の張力は大きくなる。

0130

これとは反対に、クリップチェーン8,9の張力を小さくする場合は、油圧ポンプ80から油圧シリンダ70の後退側油圧室76に対して油圧を供給し、移動ユニット65を後退させる(図10参照)。油圧シリンダ70の後退側油圧室76に対して油圧を供給した場合、油圧シリンダ70は、ロッド71が縮むため、ロッド71に接続されている移動ユニット65も、ロッド71が縮む方向にロッド71と共に移動する。つまり、油圧シリンダ70のロッド71が縮んだ際には、移動ユニット65は、ロッド71に引っ張られることによってレール本体側ユニット60に近付く方向に移動し、即ち、移動ユニット65は、搬送方向Yにおける下流側に移動する。

0131

移動ユニット65がレール本体側ユニット60から近付く方向に移動し、搬送方向Yにおける下流側に移動した場合には、移動ユニット65に取り付けられている入口側スプロケット6も搬送方向Yにおける下流側に移動する。つまり、入口側スプロケット6は、出口側スプロケット7に近付く方向に移動する。これにより、入口側スプロケット6と出口側スプロケット7との距離が小さくなり、移動経路1L,1Rの全長が短くなるため、クリップチェーン8,9の張力は小さくなる。油圧シリンダ70は、このように油圧ポンプ80から供給される油圧によって動作し、移動ユニット65を移動させることによって入口側スプロケット6を移動させることにより、クリップチェーン8,9の張力を調整する。

0132

張力調整機構50は、このように油圧シリンダ70のロッド71を伸縮させて、移動ユニット65を搬送方向Yに移動させることによりクリップチェーン8,9の張力を調整するが、クリップチェーン8,9の張力を調整する際には、圧力センサ85で油圧を検出しながら行う。本実施形態に係るシート・フィルム延伸装置1では、クリップチェーン8,9の張力の調整は、圧力センサ85で検出した油圧に基づいて作業者が調整したり、制御部55等で自動的に行ったりする。

0133

つまり、圧力センサ85は、前進側油圧経路82によって供給される油圧の大きさを検出するが、前進側油圧経路82は、油圧シリンダ70の前進側油圧室75に対して油圧を供給する経路であるため、前進側油圧経路82の油圧を検出することにより、前進側油圧室75の油圧を検出することができる。一方、油圧シリンダ70は、クリップチェーン8,9の張力を大きくする場合は、油圧シリンダ70の前進側油圧室75に対して油圧を供給し、ロッド71を伸ばすことにより行う。即ち、クリップチェーン8,9の張力は、前進側油圧室75の油圧が大きくなると張力も大きくなり、互いに影響し合う関係になっているため、クリップチェーン8,9の張力が大きくなると、前進側油圧室75の油圧も大きくなる。このため、圧力センサ85によって検出する前進側油圧経路82の油圧は、クリップチェーン8,9の張力に伴って変化し、間接的にクリップチェーン8,9の張力の大きさを示しているため、クリップチェーン8,9の張力を調整する際には、圧力センサ85で検出した油圧に基づいて調整する。

0134

シート・フィルム延伸装置1は、クリップチェーン8,9の張力の調整を行う際におけるモードとして、少なくとも自動制御モードを含む、1つ或いは複数のモードを有している。複数のモードを有している場合、モードの切り替えは、操作部57に対して作業者が入力操作を行うことによって切り替える。

0135

<自動制御モード>
クリップチェーン8,9の張力の調整を行う際のモードである自動制御モードについて説明する。自動制御モードは、シート・フィルム延伸装置1の運転中に、クリップチェーン8,9の張力を自動的に調整するモードになっている。自動制御モードには、本実施形態に係るクリップチェーン8,9の張力調整方法が適用される。

0136

図14は、自動制御モードの処理手順を示すフロー図である。自動制御モードでは、まず、油圧を検出する(ステップST11)。即ち、圧力センサ85で検出した前進側油圧経路82の油圧を制御部55で取得することにより、油圧シリンダ70の前進側油圧室75の油圧を制御部55で取得する。

0137

次に、制御部55は、取得した油圧が、予め設定された設定値より大きいか否かを判定する(ステップST12)。つまり、制御部55は、前進側油圧室75の油圧に対して、油圧>設定値であるか否か判定を行う。この場合における設定値は、クリップチェーン8,9の張力が大き過ぎてクリップチェーン8,9が張った状態であると判断することができる所定の閾値になっている。

0138

制御部55での判定により、前進側油圧室75の油圧が設定値以下であると判定された場合(ステップST12、No判定)は、測長センサ78の計測値が所定の数値分変化するように入口側スプロケット6を前進させる(ステップST13)。つまり、制御部55は、前進側油圧室75の油圧が大きくなる方向に油圧ポンプ80やポンプ駆動モータ81を作動させ、ロッド71を伸ばす方向に油圧シリンダ70を作動させることによって、測長センサ78の計測値が所定の数値分変化するように入口側スプロケット6を前進させる。

0139

入口側スプロケット6を前進させたら、制御部55は、入口側スプロケット6の位置に対して、入口側スプロケット6の位置≧前進限界位置であるか否かの判定を行う(ステップST14)。この場合における前進限界位置は、レール本体側ユニット60に対して搬送方向Yに移動可能に接続されている移動ユニット65を、前進方向への移動させる際における限界位置になっている。即ち、入口側スプロケット6は、移動ユニット65に取り付けられており、移動ユニット65がレール本体側ユニット60に対して移動可能に接続されることにより、入口側スプロケット6も搬送方向Yに移動可能に配置されている。このため、入口側スプロケット6は、移動ユニット65が移動可能な範囲内で移動することが可能になっており、移動ユニット65を前進方向へ移動させる際における限界位置は、入口側スプロケット6における前進限界位置になっている。このように、移動ユニット65を移動させる際の限界位置に対応する入口側スプロケット6の前進限界位置は、クリップチェーン8,9の調整範囲の限界位置になっている。

0140

制御部55は、前進させた後の入口側スプロケット6の位置が、このように設定される前進限界位置以上であるか否か、即ち、前進させた入口側スプロケット6が前進限界位置に到達したか否かを判定する。この判定は、測長センサ78によって検出するロッド71の伸縮状態に基づいて行う。つまり、制御部55は、ロッド71の伸縮状態が、入口側スプロケット6が前進限界位置に到達したことを示す状態か否かを判定する。

0141

制御部55での判定により、入口側スプロケット6の位置≧前進限界位置であると判定された場合(ステップST14、Yes判定)は、警報を出力する(ステップST15)。この場合における警報は、例えば、表示部56に表示したり、警報音音声を出力したりすることにより行う。即ち、制御部55は、入口側スプロケット6が前進限界位置に到達したことを、表示部56での表示や音声等による警報によって、作業者に報知する。これにより、入口側スプロケット6をこれ以上前進方向へ移動させることができず、クリップチェーン8,9の張力をこれ以上大きくすることができないことを、作業者に対して報知する。

0142

これに対し、制御部55での判定により、入口側スプロケット6の位置≧前進限界位置ではないと判定された場合(ステップST14、No判定)は、ステップST11に戻り、圧力センサ85で検出した前進側油圧経路82の油圧を制御部55で取得する。

0143

また、これらに対し、ステップST12での制御部55での判定により、前進側油圧室75の油圧が設定値より大きいと判定された場合(ステップST12、Yes判定)は、測長センサ78の計測値が所定の数値分変化するように入口側スプロケット6を後退させる(ステップST16)。つまり、制御部55は、後退側油圧室76の油圧が大きくなる方向に油圧ポンプ80やポンプ駆動モータ81を作動させ、ロッド71を縮める方向に油圧シリンダ70を作動させることによって、測長センサ78の計測値が所定の数値分変化するように入口側スプロケット6を後退させる。換言すると、油圧シリンダ70は、圧力センサ85で検出する油圧が所定の閾値より大きい場合は、入口側スプロケット6を後退させることにより、クリップチェーン8,9の張力を低減させる。

0144

入口側スプロケット6を後退させる際には、測長センサ78によって検出した油圧シリンダ70のロッド71の伸縮状態を制御部55で取得しながら行い、予め設定されている所定の長さ分、ロッド71を後退方向に縮めることより、所定の設定量で入口側スプロケット6を後退させる。これにより、出口側スプロケット7と入口側スプロケット6との距離を、所定の大きさ分小さくし、移動経路1L,1Rの全長を短くすることにより、クリップチェーン8,9の張力を低減させて、若干、クリップチェーン8,9が弛んだ状態にする。油圧シリンダ70は、クリップチェーン8,9が弛んだ状態にする際には、このように出口側スプロケット7と入口側スプロケット6との距離を、所定の大きさ分小さくすることによって、若干弛んだ状態にする。

0145

入口側スプロケット6を後退させたら、制御部55は、入口側スプロケット6の位置に対して、入口側スプロケット6の位置≧後退限界位置であるか否かの判定を行う(ステップST17)。この場合における後退限界位置は、レール本体側ユニット60に対して搬送方向Yに移動可能に接続されている移動ユニット65を、後退方向への移動させる際における限界位置になっている。即ち、レール本体側ユニット60に対して移動可能に接続されている移動ユニット65は、前進限界位置と同様に、後退方向にも移動可能な限界位置があり、移動ユニット65を後退方向へ移動させる際における限界位置が、入口側スプロケット6における後退限界位置になっている。このように、移動ユニット65を移動させる際の限界位置に対応する入口側スプロケット6の後退限界位置は、クリップチェーン8,9の調整範囲の限界位置になっている。

0146

制御部55は、後退させた後の入口側スプロケット6の位置が、このように設定される後退限界位置以上であるか否か、即ち、後退させた入口側スプロケット6が後退限界位置に到達したか否かを判定する。この判定は、測長センサ78によって検出するロッド71の伸縮状態に基づいて行う。つまり、制御部55は、ロッド71の伸縮状態が、入口側スプロケット6が後退限界位置に到達したことを示す状態か否かを判定する。

0147

制御部55での判定により、入口側スプロケット6の位置≧後退限界位置ではないと判定された場合(ステップST17、No判定)は、タイマースタートさせる(ステップST18)。タイマーは、制御部55が機能として有しており、制御部55が有するタイマーをスタートさせることにより、入口側スプロケット6を後退させて、後退させた入口側スプロケット6が後退限界位置に到達していないと判定されてからの時間を計測する。

0148

次に、制御部55は、設定時間が経過したか否かを判定する(ステップST19)。即ち、ステップST18でスタートさせたタイマーが、予め設定されている所定の設定時間を経過したか否かを判定する。この場合における設定時間は、温度の変化によるクリップチェーン8,9の全長の変化の速度と、入口側スプロケット6を移動させる制御を頻繁に行うことによる油圧シリンダ70や油圧ポンプ80等の各装置への負担を考慮して、適宜設定するのが好ましい。

0149

制御部55での判定により、タイマーが設定時間を経過していないと判定された場合(ステップST19、No判定)は、入口側スプロケット6の位置を維持したまま、設定時間が経過したか否かの判定を繰り返す。

0150

これに対し、制御部55での判定により、タイマーが設定時間を経過したと判定された場合(ステップST19、Yes判定)は、タイマーをリセットした後(ステップST20)、ステップST11に戻り、圧力センサ85で検出した前進側油圧経路82の油圧を制御部55で取得する。

0151

また、これらに対し、ステップST17での制御部55での判定により、入口側スプロケット6の位置≧後退限界位置であると判定された場合(ステップST17、Yes判定)は、警報を出力する(ステップST21)。即ち、制御部55は、入口側スプロケット6が後退限界位置に到達したことを、表示部56での表示や音声等による警報によって、作業者に報知する。これにより、入口側スプロケット6をこれ以上後退方向へ移動させることができず、クリップチェーン8,9の張力をこれ以上小さくすることができないことを、作業者に対して報知する。

0152

自動制御モードでは、これらのように前進側油圧室75の油圧に応じて、制御部55が入口側スプロケット6を前進、または後退させることにより、クリップチェーン8,9の張力が大きくなり過ぎることを抑制できる。

0153

<実施形態の効果>
上述したように、本実施形態に係るシート・フィルム延伸装置1では、油圧シリンダ70の前進側油圧室75の油圧を圧力センサ85で検出し、検出した油圧が設定値より大きい場合は、油圧シリンダ70を作動させてクリップチェーン8,9の張力を低減させることにより若干弛ませるため、クリップチェーン8,9の張力が大きくなり過ぎることを抑制することができる。また、自動制御モードでは、圧力センサ85で検出した油圧が設定値以下である場合は、入口側スプロケット6を前進させることによってクリップチェーン8,9の張力を増加させた後に、入口側スプロケット6を後退させることによってクリップチェーン8,9の張力を低減させている。この結果、クリップチェーン8,9に張力を与えず、且つ、クリップチェーン8,9の弛みを最小限にすることができる。これにより、ジョイント機構19への負荷等のクリップチェーン8,9への負荷が大きくなり過ぎることに起因して耐久性が低下することを抑制することができる。

0154

また、油圧シリンダ70は、入口側スプロケット6を移動させることにより、クリップチェーン8,9の張力を調整するため、クリップチェーン8,9の張力を調整するための部材の点数が増加することを極力抑えつつ、クリップチェーン8,9の張力を調整することができる。この結果、より容易にクリップチェーン8,9に張力を与えず、且つ、クリップチェーン8,9の弛みを最小限にすることができる。

0155

また、油圧シリンダ70は、クリップチェーン8,9の張力を低減させる際には、出口側スプロケット7と入口側スプロケット6との距離を、所定の大きさ分小さくするため、移動経路1L,1Rの全長を容易に短くすることができる。これにより、クリップチェーン8,9の張力を、容易に、且つ、確実に低減させることができる。この結果、より容易にクリップチェーン8,9に張力を与えず、且つ、クリップチェーン8,9の弛みを最小限にすることができる。

0156

また、圧力センサ85は、クリップチェーン8,9の張力に基づく状態値として、油圧シリンダ70に作用する油圧を検出するため、クリップチェーン8,9の張力を、精度良く検出することができる。つまり、油圧シリンダ70の前進側油圧室75は、クリップチェーン8,9の張力を大きくする際には油圧を高める油圧室であり、また、クリップチェーン8,9の張力を大きい場合は油圧が高くなる油圧室であるため、前進側油圧室75に作用する油圧を検出することにより、クリップチェーン8,9の張力を、精度良く検出することができる。これにより、圧力センサ85で検出した油圧に基づいて、油圧シリンダ70に供給する油圧を調整することにより、より確実に、クリップチェーン8,9の張力の大きさに適した調整を行うことができる。この結果、より確実にクリップチェーン8,9に張力を与えず、且つ、クリップチェーン8,9の弛みを最小限にすることができる。

0157

また、クリップチェーン8,9に張力を与えないことにより、クリップチェーン8,9が有するジョイント機構19や間隔調整機構27に対する負荷を低減することができる。つまり、間隔調整機構27は、調整レール27bが、第2継手部材19−2の回動中心である第2枢軸部24に近付いて調整ベアリング27cに押圧力を付与することにより、隣り合う把持機構18同士の間隔を小さくするため、クリップチェーン8,9の張力が大き過ぎる場合は、調整レール27bと調整ベアリング27cとの間の押圧力が大きくなり過ぎる虞がある。即ち、クリップチェーン8,9の張力は、隣り合う把持機構18同士の間隔を大きくする方向の力として作用するため、張力が大きい場合は、把持機構18やジョイント機構19には、隣り合う把持機構18同士の間隔を大きくする方向の大きな力が作用する。

0158

隣り合う把持機構18同士の間隔を大きくする方向の力がジョイント機構19に作用した場合、幅方向Xにおいて調整ベアリング27cが第2枢軸部24から離れる方向に、第2枢軸部24を中心として第2継手部材19−2が回動する。即ち、第2継手部材19−2は、調整ベアリング27cを調整レール27bに押し付ける方向に回動する。このため、隣り合う把持機構18同士の間隔を大きくする方向の力が大きい場合には、調整ベアリング27cを調整レール27bに押し付ける力も大きくなる。従って、クリップチェーン8,9の張力が大き過ぎる場合は、調整ベアリング27cを調整レール27bに押し付ける力も大きくなり過ぎ、調整ベアリング27c等の耐久性が低下する虞があるが、本実施形態では、クリップチェーン8,9に張力を与えず、且つ、クリップチェーン8,9の弛みを最小限にすることができる。これにより、クリップチェーン8,9の張力によって、調整ベアリング27cを調整レール27bに押し付ける力が大きくなり過ぎることを抑制でき、ジョイント機構19や間隔調整機構27に対する負荷を低減することができる。この結果、ジョイント機構19や間隔調整機構27の耐久性を向上させることができる。

0159

また、上述したように、本実施形態に係るクリップチェーン8,9の張力調整方法では、圧力センサ85で検出した油圧が設定値より大きい場合には、クリップチェーン8,9の張力を低減させることにより若干弛ませ、圧力センサ85で検出した油圧が設定値以下である場合には、クリップチェーン8,9の張力を増加させた後にクリップチェーン8,9の張力を低減させるため、クリップチェーン8,9に張力を与えず、且つ、クリップチェーン8,9の弛みを最小限にすることができる。これにより、ジョイント機構19への負荷等のクリップチェーン8,9への負荷が大きくなり過ぎることに起因して耐久性が低下することを抑制することができる。

0160

また、圧力センサ85で検出した油圧に基づいてクリップチェーン8,9の張力を低減させた後、所定の時間の経過後に再び油圧を検出するため、クリップチェーン8,9の張力を、継続的に調整することができる。これにより、延伸対象物5を延伸させるための温度の変化に伴って、クリップチェーン8,9の全長が変化し易い使用環境においても、クリップチェーン8,9の全長の変化に応じて張力を調整することができる。この結果、より確実にクリップチェーン8,9に張力を与えず、且つ、クリップチェーン8,9の弛みを最小限にすることができる。

0161

また、クリップチェーン8,9の張力を調整した際に、張力を調整するために移動させるスプロケットの調整範囲の限界位置に到達した場合には、警報を出力するため、クリップチェーン8,9の張力の調整が不可の状態であることを、作業者に報知することができる。この結果、クリップチェーン8,9の張力が不適切な状態でシート・フィルム延伸装置1を運転し続けることを抑制することができる。

0162

[変形例]
なお、上述した実施形態に係るシート・フィルム延伸装置1では、張力調整機構50は、入口側スプロケット6を移動させることにより、クリップチェーン8,9の張力を調整しているが、張力調整機構50は、出口側スプロケット7を移動させることにより、クリップチェーン8,9の張力を調整してもよい。クリップチェーン8,9の張力を調整するために移動させるスプロケットに関わらず、クリップチェーン8,9の張力が小さい場合に、スプロケットを前進させることによって張力を増加させた後に、スプロケットを後退させて張力を低減させることにより、クリップチェーン8,9に張力を与えず、且つ、クリップチェーン8,9の弛みを最小限にすることができる。

0163

また、上述した実施形態に係るシート・フィルム延伸装置1では、入口側スプロケット6を移動させることによってクリップチェーン8,9の張力を調整しており、換言すると、従動側スプロケットの移動によりクリップチェーン8,9の張力を調整しているが、駆動側スプロケットを移動させることによって、クリップチェーン8,9の張力を調整してもよい。例えば、入口側スプロケット6と出口側スプロケット7との両方を駆動する場合において、クリップチェーン8,9の張力の調整を行う際には、どちらの駆動側スプロケットを移動させてもよい。クリップチェーン8,9に張力を与えず、且つ、クリップチェーン8,9の弛みを最小限にすることができれば、クリップチェーン8,9の張力を調整するために移動させるスプロケットの配置位置は捉われない。

0164

また、上述した実施形態に係るシート・フィルム延伸装置1では、クリップチェーン8,9の張力に基づく状態値として、油圧シリンダ70の前進側油圧室75に供給される油圧を検出しているが、クリップチェーン8,9の張力の大小を判断するための状態値は、前進側油圧室75の油圧以外であってもよい。

0165

また、上述した実施形態に係るシート・フィルム延伸装置1では、移動機構20が有する転動ユニット26の上側転動ベアリング26aと下側転動ベアリング26bとは、1つの把持本体18aにそれぞれ合計4つが設けられているものとして説明したが、1つの把持本体18aに設けられる上側転動ベアリング26aと下側転動ベアリング26bとは、4つ以外であってもよい。上側転動ベアリング26aは、例えば、上側基準レール10a,11aの厚さ方向における一方側に2つが配置され、他方側に1つが配置されることにより、1つの把持本体18aに3つが設けられていてもよい。同様に、下側転動ベアリング26bは、例えば、下側基準レール10b,11bの厚さ方向における一方側に2つが配置され、他方側に1つが配置されることにより、1つの把持本体18aに3つが設けられていてもよい。上側転動ベアリング26aと下側転動ベアリング26bとは、上側基準レール10a,11aや下側基準レール10b,11bの厚さ方向における両側に配置され、これらのレールを厚さ方向に挟むことができるように構成されていれば、その数は問わない。

0166

また、上述した実施形態に係るシート・フィルム延伸装置1では、調整レール27bが取り付けられる位置決めブロック31は、復路ブロック14に固定される調整ブロック27aと一体構造になっているが、位置決めブロック31は調整ブロック27aとは別体とし、調整ブロック27aに固定するようにしてもよい。

0167

また、上述した実施形態に係るシート・フィルム延伸装置1では、ジョイント機構19は、重力方向Zにおける位置が、把持機構18の上側に位置する移動機構20と把持機構18の下側に位置する移動機構20との間に位置するが、ジョイント機構19は、これ以外の位置に配置してもよい。ジョイント機構19は、例えば、重力方向Zにおいて、把持機構18の上側に位置する移動機構20の上側に配置してもよく、把持機構18の下側に位置する移動機構20の下側に配置してもよい。または、ジョイント機構19は、重力方向Zにおいて、把持機構18の上側に位置する移動機構20の上側の位置と、把持機構18の下側に位置する移動機構20の下側の位置との双方に配置してもよい。ジョイント機構19の位置に関わらず、間隔調整機構27は、第2継手部材19−2の突出部23に対して押圧力を作用させることにより、隣り合う把持機構18同士の間隔を調整することができれば、ジョイント機構19の位置は問わない。

0168

また、上述した実施形態に係るシート・フィルム延伸装置1では、左移動経路1L及び右移動経路1Rにおける往路2と復路3との双方がオーブン30によって覆われているが、オーブン30は、往路2のみを覆うように構成されていてもよい。オーブン30は、往路2を移動する把持機構18で把持する延伸対象物5の加熱を行ったり、保温を行ったりするものであるため、少なくとも往路2と、往路2同士の間に位置する搬送エリア1Aとを覆っていればよい。

0169

また、上述した実施形態に係るシート・フィルム延伸装置1では、加熱保温室としてT1〜T10が設定されているが、加熱保温室は、延伸する延伸対象物5の種類や延伸仕様等に応じて、適宜設定するのが好ましい。

0170

1…シート・フィルム延伸装置、1L…左移動経路、1R…右移動経路、1A…搬送エリア、2…往路、3…復路、4L…左レール構造体、4R…右レール構造体、5…延伸対象物、6…入口側スプロケット(従動側スプロケット)、7…出口側スプロケット(駆動側スプロケット)、8,9…クリップチェーン、10…往路レールユニット、11…復路レールユニット、12…レールブロック、13…往路ブロック、14…復路ブロック、18…把持機構、19…ジョイント機構、20…移動機構、27…間隔調整機構、30…オーブン、40L…左把持装置、40R…右把持装置、50…張力調整機構、55…制御部、56…表示部、57…操作部、60…レール本体側ユニット、61…本体側接続部、65…移動ユニット、66…入口側スプロケット取付部、67…折り返し路、68…移動ユニット側接続部、69…ロッド接続部、70…油圧シリンダ(張力調整部)、71…ロッド、75…前進側油圧室、76…後退側油圧室、78…測長センサ、80…油圧ポンプ、82…前進側油圧経路、83…後退側油圧経路、85…圧力センサ(張力検出部)

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