図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2020年10月8日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (3)

課題

肝臓に類似した代謝機能を有する肝細胞モデルの提供。

解決手段

(i)脱メチル化された肝がん細胞、及び(ii)アルギニン−グリシン−アスパラギン酸(RGD)配列を含む高分子と、前記高分子と相互作用する高分子とによって細胞表面が被覆された線維芽細胞又は線維芽細胞様細胞、を含み、それらの細胞が積層構造を形成している、3次元積層肝細胞モデル、並びにそれを用いて被験物質スクリーニング又は試験する方法。

概要

背景

医薬品開発等においては毒性試験などの安全性評価が必須である。現在、安全性評価には多くの場合、動物実験が用いられている。一方で、動物実験の減少のため、動物実験代替技術としての肝細胞モデルの開発が望まれている。安全性評価に利用するためには肝臓に近い代謝機能を有する肝細胞モデルの開発が必要である。

生体内により近い細胞モデルとして、3次元細胞系が注目されている。現在市販されている3次元細胞系関連製品は、大きく分けて2通りある。一つは3次元細胞系を構築するためのツールとしての試薬であり、もう一つは3次元に構築された細胞構造体である。前者の製品については使用者が細胞を準備し、3次元細胞構造体を作製する必要があるため、使用者の技術力の差や作製に時間がかかる等の問題がある。後者の3次元細胞構造体製品として、iPS細胞やヒトの初代細胞を用いた製品、マウスなどの非ヒト動物細胞を用いた製品、がん細胞を用いた製品などがあるが、がん細胞を用いた製品以外はいずれもコストが高い、供給量に限りがあるなどの問題がある。がん細胞は本来の細胞機能の多くを失っていることが多いため、がん細胞を用いた細胞モデルは、初代細胞系とは異なり本来の細胞機能を有していない場合がある。

特許文献1及び2は、3次元細胞構造体の作製方法を開示している。しかし薬物代謝機能を有する肝細胞モデルとして有用な3次元細胞構造体は開示していない。

概要

肝臓に類似した代謝機能を有する肝細胞モデルの提供。(i)脱メチル化された肝がん細胞、及び(ii)アルギニン−グリシン−アスパラギン酸(RGD)配列を含む高分子と、前記高分子と相互作用する高分子とによって細胞表面が被覆された線維芽細胞又は線維芽細胞様細胞、を含み、それらの細胞が積層構造を形成している、3次元積層肝細胞モデル、並びにそれを用いて被験物質スクリーニング又は試験する方法。

目的

一方で、動物実験の減少のため、動物実験代替技術としての肝細胞モデルの開発が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

(i)脱メチル化された肝がん細胞、及び (ii)アルギニン−グリシン−アスパラギン酸(RGD)配列を含む高分子と、前記高分子と相互作用する高分子とによって細胞表面が被覆された線維芽細胞又は線維芽細胞様細胞、を含み、それらの細胞が積層構造を形成している、3次元積層肝細胞モデル

請求項2

肝がん細胞がHepG2細胞である、請求項1に記載の3次元積層肝細胞モデル。

請求項3

アルギニン−グリシン−アスパラギン酸(RGD)配列を含む高分子がフィブロネクチンであり、前記高分子と相互作用する高分子がゼラチンである、請求項1又は2に記載の3次元積層肝細胞モデル。

請求項4

脱メチル化が、5-アザシチジンによる脱メチル化である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の3次元積層肝細胞モデル。

請求項5

線維芽細胞又は線維芽細胞様細胞が、正常ヒト皮膚線維芽細胞(NHDF)である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の3次元積層肝細胞モデル。

請求項6

前記肝がん細胞と、前記線維芽細胞又は線維芽細胞様細胞を、細胞数1.2:1〜1:1.2の比で含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の3次元積層肝細胞モデル。

請求項7

請求項1〜6のいずれか1項に記載の3次元積層肝細胞モデルを、被験物質の存在下で培養した後、シトクロムP450活性を測定し、被験物質の不在下の培養において測定したシトクロムP450活性と比較することを含む、シトクロムP450活性に影響を及ぼす被験物質をスクリーニングする方法。

請求項8

シトクロムP450が、CYP3A4である、請求項7に記載の方法。

請求項9

請求項1〜6のいずれか1項に記載の3次元積層肝細胞モデルを、被験物質の存在下で培養し、培地中の被験物質の代謝産物を検出することを含む、被験物質の代謝特性を試験する方法。

請求項10

請求項1〜6のいずれか1項に記載の3次元積層肝細胞モデルを、被験物質の存在下で培養し、細胞傷害活性を検出することを含む、肝細胞毒性を有する被験物質をスクリーニングする方法。

技術分野

0001

本発明は、3次元積層肝細胞モデルに関する。

背景技術

0002

医薬品開発等においては毒性試験などの安全性評価が必須である。現在、安全性評価には多くの場合、動物実験が用いられている。一方で、動物実験の減少のため、動物実験代替技術としての肝細胞モデルの開発が望まれている。安全性評価に利用するためには肝臓に近い代謝機能を有する肝細胞モデルの開発が必要である。

0003

生体内により近い細胞モデルとして、3次元細胞系が注目されている。現在市販されている3次元細胞系関連製品は、大きく分けて2通りある。一つは3次元細胞系を構築するためのツールとしての試薬であり、もう一つは3次元に構築された細胞構造体である。前者の製品については使用者が細胞を準備し、3次元細胞構造体を作製する必要があるため、使用者の技術力の差や作製に時間がかかる等の問題がある。後者の3次元細胞構造体製品として、iPS細胞やヒトの初代細胞を用いた製品、マウスなどの非ヒト動物細胞を用いた製品、がん細胞を用いた製品などがあるが、がん細胞を用いた製品以外はいずれもコストが高い、供給量に限りがあるなどの問題がある。がん細胞は本来の細胞機能の多くを失っていることが多いため、がん細胞を用いた細胞モデルは、初代細胞系とは異なり本来の細胞機能を有していない場合がある。

0004

特許文献1及び2は、3次元細胞構造体の作製方法を開示している。しかし薬物代謝機能を有する肝細胞モデルとして有用な3次元細胞構造体は開示していない。

先行技術

0005

特開2007−228921号公報
特開2012−115254号公報

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は肝臓に類似した代謝機能を有する肝細胞モデルを提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、肝がん細胞脱メチル化して分化誘導した上で、その分化誘導細胞を、足場となる細胞と混合して3次元積層化することにより、CYP3A4活性のような肝細胞機能を高レベルで有する3次元肝細胞モデルを構築できることを見出し、本発明を完成するに至った。

0008

すなわち、本発明は以下を包含する。
[1](i)脱メチル化された肝がん細胞、及び
(ii)アルギニン−グリシン−アスパラギン酸(RGD)配列を含む高分子と、前記高分子と相互作用する高分子とによって細胞表面が被覆された線維芽細胞又は線維芽細胞様細胞
を含み、それらの細胞が積層構造を形成している、3次元積層肝細胞モデル。
[2]肝がん細胞がHepG2細胞である、上記[1]に記載の3次元積層肝細胞モデル。
[3]アルギニン−グリシン−アスパラギン酸(RGD)配列を含む高分子がフィブロネクチンであり、前記高分子と相互作用する高分子がゼラチンである、上記[1]又は[2]に記載の3次元積層肝細胞モデル。
[4]脱メチル化が、5-アザシチジンによる脱メチル化である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の3次元積層肝細胞モデル。
[5]線維芽細胞又は線維芽細胞様細胞が、正常ヒト皮膚線維芽細胞(NHDF)である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の3次元積層肝細胞モデル。
[6]前記肝がん細胞と、前記線維芽細胞又は線維芽細胞様細胞を、細胞数1.2:1〜1:1.2の比で含む、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の3次元積層肝細胞モデル。
[7]上記[1]〜[6]のいずれかに記載の3次元積層肝細胞モデルを、被験物質の存在下で培養した後、シトクロムP450活性を測定し、被験物質の不在下の培養において測定したシトクロムP450活性と比較することを含む、シトクロムP450活性に影響を及ぼす被験物質をスクリーニングする方法。
[8]シトクロムP450が、CYP3A4である、上記[7]に記載の方法。
[9]上記[1]〜[6]のいずれかに記載の3次元積層肝細胞モデルを、被験物質の存在下で培養し、培地中の被験物質の代謝産物を検出することを含む、被験物質の代謝特性を試験する方法。
[10]上記[1]〜[6]のいずれかに記載の3次元積層肝細胞モデルを、被験物質の存在下で培養し、細胞傷害活性を検出することを含む、肝細胞毒性を有する被験物質をスクリーニングする方法。

発明の効果

0009

本発明によれば、肝がん細胞を用いて、高い肝機能活性を有する肝細胞モデルを提供することができる。

図面の簡単な説明

0010

図1は5-AZA存在下で10日及び14日にわたり分化誘導処理したHepG2細胞のCYP3A4活性を示す図である。
図2は分化誘導されたHepG2細胞を用いて作製した3次元細胞積層体の培養7日目のCYP3A4活性を示す図である。3Dは3次元細胞積層体(分化誘導HepG2:NHDF=1:1)、2Dは2次元培養系を示す。

0011

以下、本発明を詳細に説明する。

0012

本発明は、肝がん細胞を用いて作製した3次元積層肝細胞モデルに関する。本発明では、肝がん細胞を、正常肝細胞機能に類似した機能(好ましくは肝臓代謝酵素活性、例えばシトクロムP450活性)を有するように分化誘導した上で、細胞表面が被覆された細胞(足場として用いる)と共に3次元積層化することにより、3次元積層肝細胞モデルを作製することができる。

0013

より具体的には、本発明は、
(i)脱メチル化された肝がん細胞、及び
(ii)アルギニン−グリシン−アスパラギン酸(RGD)配列を含む高分子と、前記高分子と相互作用する高分子とによって細胞表面が被覆された線維芽細胞又は線維芽細胞様細胞、
を含み、それらの細胞が積層構造を形成している、3次元積層肝細胞モデルを提供する。

0014

肝がん細胞は、任意の肝がん由来のものであってよい。肝がん細胞は、ヒト、チンパンジーゴリラアカゲザル、ニホンザルカニクイザルヒヒリスザルマーモセットなどの霊長類イヌネコウサギ等の愛玩動物、マウス、ラットモルモット等のげっ歯類ウマウシラクダヒツジヤギロバ等の有蹄動物などの哺乳動物や、その他の動物に由来するものであってよい。肝がん細胞としては、以下に限定するものではないが、例えば、HepG2、Hep3B、Huh7、Huh6、PLC等のヒト肝がん細胞株が挙げられる。

0015

肝がん細胞の上記のような分化誘導は、例えば、脱メチル化(すなわち、リプログラミング)により引き起こすことができる。肝がん細胞の分化誘導は、5-アザシチジン、5-アザ-2'-デオキシシチジンデシタビンとも称される)などの脱メチル化剤によって肝がん細胞を処理することにより、引き起こすことができる。肝がん細胞は、脱メチル化剤により、脱メチル化に適した条件で、例えば3時間〜30日間、好ましくは5〜20日間又は4〜10日間処理することにより、脱メチル化すればよい。肝がん細胞は、通常は0.1〜200μM、例えば0.5〜50μM又は1〜20μMの濃度の脱メチル化剤で処理し得るが、これらの処理濃度に限定されない。

0016

脱メチル化した肝がん細胞においては、肝機能の指標となり得る肝臓代謝酵素、例えば、シトクロムP450(以下、CYPとも称する)の発現が増加し、その活性が増加する。脱メチル化した肝がん細胞において、肝機能の指標となり得る肝臓代謝酵素、例えば、シトクロムP450の活性の増加は、肝がん細胞における肝細胞への分化誘導を示す。本発明では、脱メチル化した肝がん細胞について、肝機能の指標となり得る肝臓代謝酵素、例えば、シトクロムP450(以下、CYPとも称する)の活性を測定し、脱メチル化していない肝がん細胞と比較してその活性が増加(好ましくは統計学的に有意に増加)した場合には分化誘導されたと判断し、それにより分化誘導されたことを確認した肝がん細胞を、3次元積層に用いることが好ましい。シトクロムP450としては、CYP3A4、CYP2B6、CYP2C9、CYP2D6等の様々なシトクロムP450ファミリーメンバーが挙げられるが、これらに限定されない。特に酵素CYP3A4(cytochrome P450 family 3 subfamily A member 4;Gene ID: 1576 [NCBIデータベース])は、様々な薬物の代謝において重要な役割を果たしており、肝機能(肝臓の代謝機能)の重要な指標として用いられている。

0017

脱メチル化された肝がん細胞の足場として用いる細胞としては、線維芽細胞又は線維芽細胞様細胞を用いることができる。線維芽細胞としては、ヒト皮膚線維芽細胞(NHDF)、ヒト大動脈外膜線維芽細胞(HAoAF)、ヒト心臓線維芽細胞(HCF)、ヒト肺線維芽細胞HPF)、ヒト子宮線維芽細胞(HUF)、ヒト絨毛間葉系線維芽細胞(HVMF)、ヒト胎児繊維芽細胞HEF)等の正常線維芽細胞が挙げられるが、これらに限定されない。線維芽細胞様細胞としては、ヒト肝星細胞(HHSC)等の肝星細胞(HSC;伊東細胞とも称される)、ヒト星細胞(HPSC)等の膵星細胞(PSC)などの正常星細胞(stellate cell)などが挙げられるが、これらに限定されない。線維芽細胞又は線維芽細胞様細胞は、ヒト、チンパンジー、ゴリラ、アカゲザル、ニホンザル、カニクイザル、ヒヒ、リスザル、マーモセットなどの霊長類、イヌ、ネコ、ウサギ等の愛玩動物、マウス、ラット、モルモット等のげっ歯類、ウマ、ウシ、ラクダ、ヒツジ、ヤギ、ロバ等の有蹄動物などの哺乳動物や、その他の動物に由来するものであってよいが、特に好ましくはヒト由来である。

0018

本発明において足場として用いる細胞(線維芽細胞又は線維芽細胞様細胞)は、その細胞表面が被覆(コーティング)されている。具体的には、アルギニン−グリシン−アスパラギン酸(RGD)配列を含む高分子と、その高分子と相互作用する高分子とによって細胞表面(好ましくは細胞表面全体)が被覆された細胞を用いることができる。好ましい実施形態では、当該細胞は、アルギニン−グリシン−アスパラギン酸(RGD)配列を含む高分子と、その高分子と相互作用する高分子とが細胞表面に積層(好ましくはそれぞれの高分子の層が交互に積層)した細胞であり得る。

0019

足場として用いる細胞(線維芽細胞又は線維芽細胞様細胞)の細胞表面の被覆は、例えば特許文献2に記載の方法又はそれに類似した方法によって実施することができる。一実施形態では、足場として用いる細胞を、アルギニン−グリシン−アスパラギン酸(RGD)配列を含む高分子を含む溶液と、RGD配列を含む高分子と相互作用する高分子を含む溶液に順次接触させることにより、足場として用いる細胞の細胞表面を、上記2種類の高分子で層状に被覆することができる。細胞と各溶液との接触は、例えば、細胞に各溶液を添加して適切な時間(例えば、10秒間〜2000分間、好ましくは30秒間〜60分間、例えば30秒間〜2分間)にわたり保持する(例えば、静置する)ことにより行うことができるが、これに限定されない。細胞と各溶液との接触は、細胞の処理に適した温度で行えばよく、典型的には4〜50℃、好ましくは10〜30℃、例えば室温(18〜25℃)で行うことができる。細胞を各溶液と接触させた後、PBS等の洗浄液を用いて細胞を洗浄し、余分な高分子を除去することが好ましい。細胞の洗浄は、PBS等の洗浄液を添加し、800 x g等で遠心分離し、上清を除去することにより行ってもよい。細胞の洗浄後、細胞の被覆に用いる次の溶液を添加することが好ましい。アルギニン−グリシン−アスパラギン酸(RGD)配列を含む高分子を含む溶液と、RGD配列を含む高分子と相互作用する高分子を含む溶液の、細胞との接触は、各溶液による1回ずつの接触であってもよいし、各溶液による接触を交互にそれぞれ複数回(2回以上、例えば、2〜10回又は2〜5回)行ってもよい。このような被覆工程は、最後に、アルギニン−グリシン−アスパラギン酸(RGD)配列を含む高分子を含む溶液に細胞を接触させて、最も外側の表面をアルギニン−グリシン−アスパラギン酸(RGD)配列を含む高分子により被覆した状態で終了することが好ましい。

0020

アルギニン−グリシン−アスパラギン酸(RGD)配列は、多くの細胞接着性タンパク質が有する細胞接着活性ペプチド配列である。アルギニン−グリシン−アスパラギン酸(RGD)配列を含む高分子は、例えば、分子量1,000〜1,000,000程度のポリペプチド又はタンパク質であってよく、天然高分子であっても合成高分子であってもよい。アルギニン−グリシン−アスパラギン酸(RGD)配列を含む高分子は、細胞接着性タンパク質であってよい。アルギニン−グリシン−アスパラギン酸(RGD)配列を含む高分子としては、フィブロネクチン、ビトロネクチンラミニンカドヘリンコラーゲン等が挙げられるが、これらに限定されない。フィブロネクチンは、例えばヒトなどの血清由来であってもよいが、合成タンパク質であってもよい。

0021

アルギニン−グリシン−アスパラギン酸(RGD)配列を含む高分子と相互作用する高分子は、以下に限定されないが、例えば、ゼラチン、コラーゲン、プロテオグリカンヘパリンデキストラン硫酸など)、インテグリン等が挙げられる。

0022

本発明においてRGD配列を含む高分子と「相互作用する」とは、例えば、静電的相互作用疎水性相互作用水素結合電荷移動相互作用共有結合形成タンパク質間特異的相互作用ファンデルワールス力等により、化学的又は物理的に、RGD配列を含む高分子と結合、接着、又は電子の接受が可能な程度に近接することを意味する。

0023

アルギニン−グリシン−アスパラギン酸(RGD)配列と、その高分子と相互作用する高分子の組み合わせは、インテグリンが結合するアルギニン−グリシン−アスパラギン酸(RGD)配列を含む高分子と、そのRGD配列を含む高分子と相互作用する高分子との組み合わせであり得る。アルギニン−グリシン−アスパラギン酸(RGD)配列と、その高分子と相互作用する高分子の組み合わせは、正の電荷を有する高分子と、負の電荷を有する高分子の組み合わせであってもよい。アルギニン−グリシン−アスパラギン酸(RGD)配列と、その高分子と相互作用する高分子の組み合わせの例としては、フィブロネクチンとゼラチン、フィブロネクチンとヘパリン、フィブロネクチンとデキストラン硫酸、及びラミニンとコラーゲンが挙げられるが、これらに限定されない。

0024

上記のようにして得られる細胞表面の被覆層の厚み(1細胞当たりの被覆層の合計平均厚)は、好ましくは1nm〜103nm、より好ましくは2nm〜102nm、さらに好ましくは3nm〜102nmであってよい。

0025

細胞を3次元積層する際には、上記のようにして脱メチル化された肝がん細胞と、上記のようにして細胞表面が被覆された足場として用いる細胞(すなわち、アルギニン−グリシン−アスパラギン酸(RGD)配列を含む高分子と、前記高分子と相互作用する高分子とによって細胞表面が被覆された線維芽細胞又は線維芽細胞様細胞)を、混合することが好ましい。その混合比は、特に限定されないが、脱メチル化肝がん細胞:細胞表面被覆細胞(細胞数の比)=1.2:1〜1:1.2であってよく、例えば1.1:1〜1:1.1であってよく、一実施形態では1:1であってよい。

0026

脱メチル化された肝がん細胞と細胞表面が被覆された細胞とをそのように混合してプレート等の容器播種し、培養する。培養条件は特に限定されないが、それらの細胞の培養に適した条件を用いることが好ましい。この培養は、典型的には10〜40℃(例えば15〜38℃、又は35〜38℃)で行い得るが、それに限定されない。一実施形態では、この培養は、35〜38℃、かつ2〜8% CO2(例えば4〜6% CO2)の条件で行ってもよい。使用する培養容器は特に限定されず、作製しようとする3次元細胞積層体のサイズ、形状、厚み等に適したものを用いればよい。培養容器の例として、96ウェル平底プレート、24ウェル平底プレート、シャーレ、Transwell(R)等が挙げられるが、これらに限定されない。培養容器は、細胞接着性を高めるために培養面コーティング剤により被覆(コーティング)されたものであり得る。一実施形態では、コーティング剤としては、コラーゲン(コラーゲンタイプIなど)、ゼラチン等の細胞外マトリックス、又はポリ-L-リジン等のポリマーであってよい。このような培養により、それらの混合細胞は積層構造を形成する。

0027

このようにして製造される細胞構造体は、積層された、脱メチル化された肝がん細胞と、細胞表面が被覆された足場として用いる細胞(線維芽細胞又は線維芽細胞様細胞)とを含む、3次元細胞積層体である。本発明の3次元細胞積層体において、上記の細胞表面が被覆された細胞(線維芽細胞又は線維芽細胞様細胞)は、被覆層を介して互いに接着して積層されており、さらに、その被覆され積層された細胞の層の間にはその細胞を足場として、脱メチル化された肝がん細胞が接着しており、その肝がん細胞も全体として複数の層を形成している。本発明の3次元細胞積層体は、脱メチル化された肝がん細胞と、細胞表面が被覆された細胞を、細胞数の比で例えば1.2:1〜1:1.2、1.1:1〜1:1.1、又は1:1で含み得るが、これらに限定されない。

0028

本発明の3次元細胞積層体は、上記のように脱メチル化されることにより分化誘導された肝がん細胞が有する肝機能(肝臓の代謝機能)を発揮することができるため、3次元積層肝細胞モデルとして用いることができる。

0029

本発明の3次元細胞積層体又は3次元積層肝細胞モデルは、肝機能の指標となる肝臓代謝酵素、例えば、シトクロムP450を高レベルに発現することができる。シトクロムP450(CYP)としては、CYP3A4、CYP2B6、CYP2C9、CYP2D6等の様々なシトクロムP450ファミリーメンバーが挙げられるが、これらに限定されない。特にCYP3A4は、肝機能(特に、肝臓の代謝機能)の重要な指標として用いることができる。本発明の3次元細胞積層体又は3次元積層肝細胞モデルにおいて発現される肝臓代謝酵素、例えばCYPの活性は、常法により測定することができる。例えば、CYPの基質を細胞に添加し、CYPと基質の反応生成物を測定することにより、CYP活性を測定することができる。例えば、CYP活性は、市販のCYPアッセイシステム(例えば、P450-GloTM CYP3A4 Assay;Promega社)を用いて測定することができる。CYPの基質に加えて、CYP誘導因子を添加してもよいが、CYP誘導因子を使用しなくてもよい。

0030

本発明の3次元細胞積層体又は3次元積層肝細胞モデルは、肝機能を模倣するものとして、薬物のスクリーニングや毒性試験、再生医療などに使用できる。

0031

一実施形態では、本発明の3次元細胞積層体又は3次元積層肝細胞モデルを、被験物質の存在下で培養した後、シトクロムP450活性を測定し、被験物質の不在下の培養において測定したシトクロムP450活性と比較することを含む、シトクロムP450活性に影響を及ぼす被験物質をスクリーニングする方法が提供される。培養条件は、特に限定されず、細胞培養に適した条件で行えばよい。一実施形態では、この培養は、35〜38℃、かつ2〜8% CO2(例えば4〜6% CO2)の条件で行い得るが、これに限定されない。

0032

本発明の3次元細胞積層体又は3次元積層肝細胞モデルを、被験物質を含む培養系(培地)中で培養すると、培地中の被験物質が細胞に取り込まれる。本発明の3次元細胞積層体又は3次元積層肝細胞モデル中の脱メチル化された肝がん細胞において、被験物質(又はその代謝産物)は、肝臓の代謝酵素、例えば、シトクロムP450の活性に影響を及ぼし得る(例えば、阻害又は増強し得る)。本発明の方法では、3次元細胞積層体又は3次元積層肝細胞モデルを被験物質を含む培養系(培地)中で培養した後、肝臓の代謝酵素、例えば、シトクロムP450の活性を測定する。測定対象となるシトクロムP450は、上述したように様々なシトクロムP450ファミリーメンバーであってよいが、例えばCYP3A4であってもよい。肝臓の代謝酵素、例えばシトクロムP450の活性は、常法により測定することができ、市販のCYPアッセイシステム(例えば、P450-GloTM CYP3A4 Assay;Promega社)を用いて測定してもよい。シトクロムP450の活性を測定する際には、場合により、シトクロムP450(CYP)誘導因子をさらに使用してもよいが使用しなくてもよい。シトクロムP450誘導因子としては、例えばリファムピシンフェノバルビタールデキサメタゾン等が挙げられるが、これらに限定されない。

0033

対照として、被験物質を使用しないこと(被験物質不在下)以外は同様にして本発明の3次元積層肝細胞モデルを培養し、シトクロムP450の活性を測定することが好ましい。

0034

被験物質の存在下での培養後に測定したシトクロムP450活性を、被験物質の不在下での対照培養において測定したシトクロムP450活性と比較することが好ましい。比較の結果、被験物質の存在下での培養後に測定したシトクロムP450活性が、被験物質の不在下での対照培養において測定したシトクロムP450活性と比較して増加した場合(好ましくは、統計学的に有意に増加した場合)、その被験物質はシトクロムP450活性を増強させることが示される。そのような被験物質は、肝臓の代謝機能を高める薬物であり得る。

0035

あるいは、比較の結果、被験物質の存在下での培養後に測定したシトクロムP450活性が、被験物質の不在下での対照培養において測定したシトクロムP450活性と比較して低減した場合(好ましくは、統計学的に有意に低減した場合)、その被験物質はシトクロムP450活性を低減させることが示される。そのような被験物質は、シトクロムP450阻害剤である可能性があり、肝臓の代謝機能を低下させる可能性がある。

0036

本発明は、そのようにして、シトクロムP450活性に影響を及ぼす被験物質をスクリーニングするための、本発明の3次元細胞積層体又は3次元積層肝細胞モデルの使用にも関する。

0037

別の実施形態では、本発明の3次元細胞積層体又は3次元積層肝細胞モデルを、被験物質の存在下で培養し、次いで培地中の被験物質の代謝産物を検出することを含む、被験物質の代謝特性を試験する方法が提供される。培養条件は上記と同様である。

0038

本発明の3次元細胞積層体又は3次元積層肝細胞モデルを、被験物質を含む培養系(培地)中で培養すると、培地中の被験物質が細胞に取り込まれる。本発明の3次元細胞積層体又は3次元積層肝細胞モデル中の脱メチル化された肝がん細胞において、被験物質は、肝臓の代謝酵素、例えば、シトクロムP450により代謝され得る。代謝により生成された代謝産物は好ましくは細胞外に放出される。そこで、培養後の培地中の被験物質の代謝産物(肝臓代謝酵素による分解産物)を検出(又は測定)することにより、被験物質の代謝特性(例えば、代謝速度や毒性)を試験することができる。例えば、培地中に被験物質の代謝産物が検出されれば、その被験物質は肝臓の代謝酵素により代謝可能であることが示される。そのような被験物質は、肝臓において代謝可能であり得る。一方、培地中に被験物質の代謝産物が検出されないか、十分なレベルで検出されなければ、その被験物質は肝臓の代謝酵素により代謝されないか又は代謝されにくい(代謝速度が遅い)ことが示される。そのような被験物質は、肝臓においてうまく代謝できず、生体にとって毒性である可能性がある。さらに、培地中で検出された代謝産物が毒性物質であれば、その被験物質は肝臓の代謝酵素により毒性の代謝産物を生成することが示される。そのような被験物質は、生体にとって毒性であり得る。被験物質の代謝産物のこのような検出結果に基づき、被験物質の代謝特性(肝臓における代謝特性)を調べることができる。本発明は、そのようにして被験物質の代謝特性をin vitroで試験するための、本発明の3次元細胞積層体又は3次元積層肝細胞モデルの使用にも関する。

0039

さらに別の実施形態では、本発明の3次元細胞積層体又は3次元積層肝細胞モデルを、被験物質の存在下で培養し、細胞傷害活性を検出することを含む、肝細胞毒性を有する被験物質をスクリーニングする方法が提供される。培養条件は上記と同様である。本発明の3次元細胞積層体又は3次元積層肝細胞モデルを被験物質の存在下で培養したとき、被験物質の不在下で培養した対照と比較して、検出された細胞傷害活性が増加(好ましくは統計学的に有意に増加)した場合、被験物質が肝細胞に対する細胞傷害活性(肝細胞毒性)を有することが示される。

0040

細胞傷害活性の検出は、例えば、培地中のLDH活性を測定することによって行うことができるが、その方法に限定されない。細胞膜傷害を受けた死細胞ネクローシス細胞など)は、LDH(乳酸デヒドロゲナーゼ)を細胞から培地中に遊離することが知られており、それを利用して、培地(例えば、培養上清)中のLDH活性を指標として傷害を受けた細胞を検出することによる細胞毒性アッセイが知られている。本発明は、本発明の3次元細胞積層体又は3次元積層肝細胞モデルを、被験物質の存在下で培養した後、培地中のLDH活性を測定することにより、肝細胞毒性を有する被験物質をスクリーニングする方法を提供する。本発明の3次元細胞積層体又は3次元積層肝細胞モデルを被験物質の存在下で培養したとき、被験物質の不在下で培養した対照と比較して、培地(例えば、培養上清)中のLDH活性が増加(好ましくは統計学的に有意に増加)した場合、被験物質が肝細胞に対する細胞傷害活性(肝細胞毒性)を有することが示される。本発明は、そのようにして、肝細胞毒性を有する被験物質をスクリーニングするための、本発明の3次元細胞積層体又は3次元積層肝細胞モデルの使用にも関する。

0041

これらの方法に適用する被験物質は、細胞に作用し得る任意の物質であってよい。被験物質は、天然物質であっても合成物質であってもよい。被験物質は、無機物であってもよいし有機物であってもよい。被験物質は、高分子であっても低分子であってもよい。被験物質は、核酸(DNA、siRNAなどのRNA、PNA等)、酵素や抗体などのタンパク質、ペプチド糖鎖等であってよい。被験物質は、抗生物質抗真菌剤抗がん剤解熱鎮痛剤、精神神経用剤、漢方薬等の任意の医薬であってよい。

0042

以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。

0043

[実施例1]肝がん細胞の脱メチル化及び分化誘導
96ウェル平底プレートのウェルに、コラーゲンタイプIを0.2 N酢酸で50 μg/mLに希釈した液を加えて37℃にて1時間以上静置することにより、ウェル表面(細胞播種面)をコラーゲンによりコートした。24ウェル平底プレートのウェル、及び9cmシャーレも同様にしてコラーゲンによりコートした。

0044

培養培地DMEM/Ham's F-12培地+10%ウシ胎児血清(FBS)+100 U/mLペニシリンG及び100 μg/mLストレプトマイシン)に、5-アザシチジン(5-AZA)を最終濃度2.5μMで添加し、分化誘導用培地を調製した。5-AZAは、肝がん細胞を脱メチル化させることにより、肝細胞への分化誘導し、肝臓が持つ代謝酵素(特にCYP3A4)の産生を高めるために添加した。

0045

なお本願の実施例において使用したDMEM/Ham's F-12培地の組成を表1に示す。

0046

0047

肝がん細胞としては、HepG2細胞(ヒト肝がん由来)を使用した。HepG2細胞を、プレートの培養面積1.9 cm2当たり2.5 x 104細胞の播種密度となる量で用意し、調製した分化誘導用培地(96ウェル平底プレートでは200μL、24ウェル平底プレートでは500μL、9cmシャーレでは15〜20mL)に懸濁した。この細胞懸濁液を、上記のとおりコラーゲンタイプIでコートしたプレートに播種した。

0048

播種した細胞を37℃、5% CO2条件下で培養し、培養開始(1日目)から10日目まで毎日、上記分化誘導用培地への培地交換を行った。培養11日目に、一部の培養細胞を96ウェルプレートに播種し、分化誘導処理したHepG2細胞からのCYP3A4の産生が、対照HepG2細胞(分化誘導処理をしていないHepG2細胞)と比べて増加していることを確認した。このようにして分化誘導されたHepG2細胞を、次の実施例で細胞の3次元積層に使用した。

0049

[実施例2]3次元積層体の作製
正常ヒト皮膚繊維芽細胞(NHDF)を1 x 107細胞当たり1 mLのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)に懸濁し、800 x gで1分間遠心分離を行うことにより、細胞を洗浄した。アスピレーターで上清を取り除き、ペレット状の細胞に0.04 mg/mLのヒト血清由来フィブロネクチンを1 mL添加し、穏やかに懸濁した後、1分間静置した。静置後、2 mLのPBSを添加して軽く懸濁し、800 x gで1分間遠心分離を行い、再び上清をアスピレーターで除去した。その後、0.04 mg/mLのゼラチン1 mLを添加し、穏やかに懸濁した後に1分間静置した。静置後、2 mLのPBSを添加して軽く懸濁し、800 x gで1分間遠心分離を行い、再び上清をアスピレーターで除去した。

0050

以上のフィブロネクチンとゼラチンを用いた被覆処理(フィブロネクチンとゼラチンの反応)を3回繰り返した後、最後に上記と同じ条件でフィブロネクチンを細胞に添加・懸濁して1分間静置し、2 mLのPBSを添加して軽く懸濁し、800 x gで1分間遠心分離を行い、上清を除去した。NHDF細胞のこのような被覆工程は室温(約18℃〜25℃)で行った。遠心分離によりペレット状になったNHDF細胞を1 mLのDMEM/Ham's F-12培地に懸濁し、細胞数をカウントした。

0051

このようにしてLBL(Layer-by-Layer)技術で処理(被覆)したNHDF細胞と、実施例1に従って分化誘導されたHepG2細胞とを、細胞数1:1の割合で混合し、2.5 x 105細胞/ウェルで、コラーゲンでコートした96ウェル平底プレートに播種した。なお96ウェル平底プレートのコラーゲンコートは、プレートのウェルに、コラーゲンタイプIを0.2 N酢酸で50 μg/mLに希釈した液を50μL/ウェルで加えて37℃にて1時間以上静置することにより行った。2.5 x 105細胞/ウェルは、96ウェル平底プレートの1ウェルの底面積(0.35cm2)において少なくとも2層の細胞層に相当する細胞数である。

0052

プレートに播種した混合細胞の培養には、実施例1で用いた分化誘導用培地(DMEM/Ham's F-12培地+10%ウシ胎児血清(FBS)+100 U/mLペニシリンG及び100 μg/mLストレプトマイシン+2.5μM 5-AZA)を用いた。培養は、37℃、5% CO2条件下で行った。7日間の培養後、細胞をプレートの底から剥がすとシート状となっていた。この細胞シートピンセットで挟んで持つことが可能であったが、もし細胞が単層の場合にはそれは不可能であるため、作製されたシートでは細胞が多層になっていると考えられた。このことからも示されるように、上述の混合細胞の培養により3次元細胞積層体が形成された。

0053

[実施例3]CYP3A4活性の評価
実施例1に記載のようにして、24ウェル平底プレートに培養面積1.9 cm2(24ウェル平底プレートの1ウェルの培養面積=1.9 cm2)当たり2.5 x 104細胞の密度で播種したHepG2細胞を、2.5 μMの5-AZAの存在下で14日間培養した。培養後のHepG2細胞におけるCYP3A4活性を、P450-GloTM CYP3A4 Assay with Luciferin-IPA(Promega社)を用いて測定した。その結果、5-AZAの存在下での分化誘導処理により、HepG2細胞によるCYP3A4活性(CYP3A4産生量)は培養14日目に約3.6倍に増加したことが示された(図1)。

0054

さらに、実施例2において作製した3次元細胞積層体によるCYP3A4活性を、P450-GloTM CYP3A4 Assay with Luciferin-IPA(Promega社)を用いて測定した。具体的には、まず、3次元細胞積層体を、実施例2に記載のようにしてLBL技術で被覆したNHDF細胞と分化誘導HepG2細胞の混合物を上記の分化誘導用培地で7日間培養することによって作製した後、7日目に培養上清を除去し、200μLのPBSを添加して細胞表面を洗浄した。この洗浄工程を2回行った後、3μMルシフェリン-IPAを50μL/ウェルで添加し、37℃、5% CO2条件下で2時間インキュベートした。インキュベート後、上清を採取して96ウェル白色プレートに25μL/ウェルにて移し、ルシフェリン検出試薬を25μL/ウェルで添加した。次いで遮光条件下で10分間インキュベートした後、ルミノメーターで検出を行った(Integration Time 0.5及び1.0)。

0055

対照として、分化誘導されたHepG2細胞の代わりに、分化誘導処理をしていない通常のHepG2細胞を用いること以外は実施例2と同様にして3次元細胞積層体を作製し、同様にCYP3A4活性の測定を行った。

0056

比較のため、2次元培養系として、実施例1において分化誘導されたHepG2細胞、又は分化誘導処理をしていない通常のHepG2細胞を用いて、P450-GloTM CYP3A4 Assay with Luciferin-IPA(Promega社)を用いて3次元細胞積層体と同様にしてCYP3A4活性を測定した。なお2次元培養系においてCYP3A4活性測定に用いた細胞数は、CYP3A4活性測定に用いた3次元細胞積層体の作製時に播種した細胞数と同等である。

0057

結果を図2に示す。培養7日目で、分化誘導されたHepG2細胞を用いた3次元細胞積層体によるCYP3A4産生量は、通常のHepG2細胞を用いた3次元細胞積層体によるCYP3A4産生量と比較して1.8倍に増加した。さらに、分化誘導されたHepG2細胞を用いた3次元細胞積層体によるCYP3A4産生量は、分化誘導されたHepG2細胞又は分化誘導処理をしていない通常のHepG2細胞を用いた2次元培養系によるCYP3A4産生量よりも大幅に増加した。

実施例

0058

この結果から、脱メチル化により分化誘導された肝がん細胞を用いた3次元細胞積層体が、高い肝機能活性を示し、3次元積層肝細胞モデルとして有用であることが示された。

0059

本発明の3次元細胞積層体は、2次元培養系と比較して生体内の肝細胞に近い細胞機能を発揮できるため、3次元積層肝細胞モデルとして有用である。本発明は、例えば、薬物の毒性試験、薬物スクリーニング、再生医療技術などに利用できる。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ