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技術 画像読取装置

出願人 キヤノン株式会社
発明者 山本幸治
出願日 2019年3月25日 (1年11ヶ月経過) 出願番号 2019-056055
公開日 2020年10月1日 (4ヶ月経過) 公開番号 2020-161861
状態 未査定
技術分野 感材、原版の支持 ベルト,ローラによる搬送 ファクシミリ一般
主要キーワード 制御切替器 ロータ負荷 位相フィードバック モータ音 回転位相θ シート位置センサ 脱調状態 最大効率運転
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年10月1日)のものです。
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図面 (9)

課題

画像の読み取り不良が生じることを抑制する。

解決手段

画像読取装置は、搬送ローラにより原稿を画像読取部の読取位置へ搬送する。画像読取装置は、搬送ローラを駆動するモータ509と、モータ509をベクトル制御定電流制御とのいずれかで駆動制御するモータ制御装置261と、原稿の紙種を判断し、モータ制御装置261に、該紙種に応じてベクトル制御と定電流制御とのいずれかで第1読取モータを駆動制御させるCPU203aと、を備える。

概要

背景

従来、モータを制御する方法として、特許文献1に開示されるような、ベクトル制御(またはFOC:Field Oriented Control)と称されるモータ制御方法が知られている。この方法は、回転子指令速度と実際の回転速度との偏差が小さくなるように、回転座標系における電流値を制御する速度フィードバック制御により行われる。ベクトル制御では、回転子の磁束方向をd軸、これに直交する方向をq軸と定義した回転座標系が用いられる。回転座標系では、巻線に流れる駆動電流のq軸成分(q軸電流)はトルクを発生させるトルク電流成分であり、駆動電流のd軸成分(d軸電流)は巻線を貫く磁束の強度に影響する励磁電流成分である。ベクトル制御では、最大効率運転を意図して90°のロータ負荷角を維持するように駆動電流の振幅及び位相が制御される。一般的なベクトル制御では、d軸電流を「0」としてq軸電流によりトルクが制御される。その結果、回転子の負荷量に応じて必要最低限の駆動電流が生成され、電力効率の良い駆動制御が実現される。また、余剰トルクに起因したモータの振動及び騒音を抑えることが可能となる。

概要

画像の読み取り不良が生じることを抑制する。画像読取装置は、搬送ローラにより原稿を画像読取部の読取位置へ搬送する。画像読取装置は、搬送ローラを駆動するモータ509と、モータ509をベクトル制御と定電流制御とのいずれかで駆動制御するモータ制御装置261と、原稿の紙種を判断し、モータ制御装置261に、該紙種に応じてベクトル制御と定電流制御とのいずれかで第1読取モータを駆動制御させるCPU203aと、を備える。

目的

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、画像の読み取り不良が生じることを抑制することを主たる目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

シートを搬送する搬送ローラと、前記搬送ローラを駆動するモータと、前記モータを第1駆動制御と第2駆動制御とのいずれか駆動制御するモータ制御手段と、前記シートの紙種を判断し、前記モータ制御手段に、該紙種に応じて前記第1駆動制御と前記第2駆動制御とのいずれかで前記モータを駆動制御させる制御手段と、搬送される前記シートの画像を読み取る画像読取手段と、を備えることを特徴とする、画像読取装置。

請求項2

前記搬送ローラは、前記シートを前記画像読取手段の読取位置へ搬送し、前記制御手段は、前記搬送ローラが前記シートを前記読取位置へ搬送する前に、前記第1駆動制御と前記第2駆動制御とのいずれで前記モータ制御手段に前記モータを制御させるかを判断することを特徴とする、請求項1記載の画像読取装置。

請求項3

前記モータは、2以上の巻線回転子を有しており、前記制御手段は、前記回転子の回転位相指令値を前記モータ制御手段へ入力し、前記モータ制御手段は、前記回転位相の指令値と実際の回転位相との偏差が小さくなるように、前記回転子の回転位相を基準とした回転座標系における電流値を制御するフィードバック制御を行うことによって前記モータを制御する前記第1駆動制御と、前記回転子の回転に必要と想定されるトルクに対応する大きさの駆動電流により前記モータの前記回転子を駆動する前記第2駆動制御と、のいずれにより前記モータの駆動制御を行うかが前記制御手段により指示されることを特徴とする、請求項1又は2記載の画像読取装置。

請求項4

前記モータの2以上の巻線のうち2相の巻線に流れる電流をそれぞれ検出する電流検出手段をさらに備え前記モータ制御手段は、前記電流検出手段によって検出された電流値と前記モータに供給される電圧とから前記モータの巻線に発生する誘起電圧推定する誘起電圧決定手段と、前記誘起電圧決定手段で推定した誘起電圧から、前記モータの回転位相を推定する位相決定手段と、を備え、前記モータ制御手段は、前記電流検出手段によって検出された電流値と前記位相決定手段によって推定された回転位相とに応じて前記第1駆動制御を行うことを特徴とする、請求項3記載の画像読取装置。

請求項5

前記制御手段は、前記シートが前記搬送ローラのニップ部に突入することで前記モータの回転速度に影響が生じるような紙種である場合、前記モータ制御手段に前記第2駆動制御で前記モータを駆動制御させることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項記載の画像読取装置。

請求項6

前記制御手段は、前記シートが普通紙である場合に前記モータ制御手段に前記第1駆動制御で前記モータを駆動制御させ、前記シートが厚紙である場合に前記モータ制御手段に前記第2駆動制御で前記モータを駆動制御させることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項記載の画像読取装置。

請求項7

前記シートが載置される給紙トレイと、画像を読み取られた前記シートが排出される排紙トレイと、をさらに備え、前記搬送ローラは、複数であり、前記シートを前記給紙トレイから前記読取位置を通過して前記排紙トレイまで搬送し、前記制御手段は、前記読取位置に前記シートを搬送する直前の搬送ローラに前記シートの先端が突入するタイミングで、前記第1駆動制御と前記第2駆動制御とのいずれで前記モータ制御手段に前記モータを制御させるかを判断することを特徴とする、請求項2〜6のいずれか1項記載の画像読取装置。

請求項8

前記制御手段は、前記読取位置に前記シートを搬送する前記直前の搬送ローラに前記シートが搬送されるまでは、前記モータ制御手段に、前記第1駆動制御を行わせることを特徴とする、請求項7記載の画像読取装置。

請求項9

前記給紙トレイから前記読取位置に前記シートを搬送する前記直前の搬送ローラまでの間に前記シートを検知するセンサが設けられており、前記制御手段は、前記センサが前記シートを検知すると、前記第1駆動制御と前記第2駆動制御とのいずれで前記モータ制御手段に前記モータを駆動制御させるかを判断することを特徴とする、請求項7又は8記載の画像読取装置。

技術分野

0001

本発明は、画像読取装置におけるモータ駆動制御に関する。

背景技術

0002

従来、モータを制御する方法として、特許文献1に開示されるような、ベクトル制御(またはFOC:Field Oriented Control)と称されるモータ制御方法が知られている。この方法は、回転子指令速度と実際の回転速度との偏差が小さくなるように、回転座標系における電流値を制御する速度フィードバック制御により行われる。ベクトル制御では、回転子の磁束方向をd軸、これに直交する方向をq軸と定義した回転座標系が用いられる。回転座標系では、巻線に流れる駆動電流のq軸成分(q軸電流)はトルクを発生させるトルク電流成分であり、駆動電流のd軸成分(d軸電流)は巻線を貫く磁束の強度に影響する励磁電流成分である。ベクトル制御では、最大効率運転を意図して90°のロータ負荷角を維持するように駆動電流の振幅及び位相が制御される。一般的なベクトル制御では、d軸電流を「0」としてq軸電流によりトルクが制御される。その結果、回転子の負荷量に応じて必要最低限の駆動電流が生成され、電力効率の良い駆動制御が実現される。また、余剰トルクに起因したモータの振動及び騒音を抑えることが可能となる。

先行技術

0003

特開2003−284389号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ベクトル制御では、モータにかかる負荷トルクが変動することに起因して指令速度と実際の回転速度とに偏差が生じると、当該偏差が小さくなるように電流が制御される。即ち、ベクトル制御では、モータの回転速度の変動が生じた後に、当該回転速度が指令速度になるように電流が制御される。

0005

原稿の画像を読み取るための画像読取装置において、原稿を搬送しながら画像を読み取る際には、原稿の搬送速度が読み取った画像に影響する。原稿を搬送する搬送ローラを駆動するモータがベクトル制御によって駆動されている状態において、モータにかかる負荷トルクが変動すると、以下の問題が生じる可能性がある。具体的には、モータにかかる負荷トルクが変動することに起因してモータの回転速度が変動し、当該回転速度の変動によって生じた偏差が小さくなるように電流が制御される。つまり、搬送ローラを駆動するモータがベクトル制御によって駆動されている状態においてモータにかかる負荷トルクが変動すると、搬送ローラによる原稿の搬送速度が変動し、その後に搬送速度が所定の搬送速度になるように制御される。その結果、読み取られた原稿の画像に不良が生じる。

0006

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、画像の読み取り不良が生じることを抑制することを主たる目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明の画像読取装置は、シートを搬送する搬送ローラと、前記搬送ローラを駆動するモータと、前記モータを第1駆動制御と第2駆動制御とのいずれか駆動制御するモータ制御手段と、前記シートの紙種を判断し、前記モータ制御手段に、該紙種に応じて前記第1駆動制御と前記第2駆動制御とのいずれかで前記モータを駆動制御させる制御手段と、搬送される前記シートの画像を読み取る画像読取手段と、を備えることを特徴とする。

発明の効果

0008

本発明によれば、画像の読み取り不良が生じることを抑制することが可能となる。

図面の簡単な説明

0009

画像形成装置の構成を示す断面図。
画像読取装置の制御構成の例を示すブロック図。
画像印刷装置の制御構成の例を示すブロック図。
モータと、d軸及びq軸によって表される回転座標系との関係を示す図。
モータ制御装置の構成の例を示すブロック図。
(a)、(b)は、ベクトル制御時の回転位相θの偏差の説明図。
(a)、(b)は、定電流制御の偏差の説明図。
モータの制御方法を説明するフローチャート

実施例

0010

以下に図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を説明する。ただし、本実施形態に記載されている構成部品の形状及びそれらの相対配置などは、この発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。なお、以下の説明においては、モータ制御装置が画像形成装置に設けられる場合について説明するが、モータ制御装置が設けられるのは画像形成装置に限定されるわけではない。例えば、記録媒体や原稿等のシートを搬送するシート搬送装置等にも用いられる。

0011

(画像形成装置)
図1は、本実施形態で用いられるシート搬送装置を有するモノクロ電子写真方式複写機(以下、「画像形成装置」と称する)100の構成を示す断面図である。なお、画像形成装置は複写機に限定されず、例えば、ファクシミリ装置印刷機プリンタ等であっても良い。また、記録方式は、電子写真方式に限らず、例えば、インクジェット等であっても良い。更に、画像形成装置の形式はモノクロ及びカラーのいずれの形式であっても良い。以下に、図1を用いて、画像形成装置100の構成および機能について説明する。図1に示すように、画像形成装置100は、画像読取装置200及び画像印刷装置301を備える。

0012

画像読取装置200には、原稿を読取位置に給送する原稿給送装置201が設けられている。原稿給送装置201は、原稿1002が積載される給紙トレイ1003、原稿1002が搬送される搬送経路、及び原稿1002が排出される排紙トレイ114を備える。搬送経路には、給紙トレイ1003側から、ピックアップローラ104、分離ローラ対105、第1引抜ローラ対106、第2引抜ローラ対108、第1読取ローラ対109、第2読取ローラ対111、第3読取ローラ対113、及び排紙ローラ対112が配置される。これらのローラは、原稿1002の搬送ローラとして機能する。なお、原稿1002の搬送方向において、給紙トレイ1003側を上流、排紙トレイ114側を下流という。第1引抜ローラ対106と第2引抜ローラ対108との間には、搬送されるシートを検知する第1シート位置センサ107が設けられる。第1読取ローラ対109と原稿の画像が読み取られる読取位置との間には、搬送される原稿1002を検知する第2シート位置センサ110が設けられる。第2読取ローラ対111と第3読取ローラ対113との間には、原稿1002の画像を読み取る原稿読取部17が設けられる。原稿の画像が読み取られる読取位置は、第1読取ローラ対109と第2読取ローラ対111との間および第2読取ローラ対111と第3読取ローラ対113との間である。

0013

ピックアップローラ104及び分離ローラ対105は、給紙トレイ1003に載置される原稿束1002Pの最上位から、原稿1002を1枚ずつ分離して搬送経路に給送する。分離ローラ対105は、給送された原稿1002を1枚ずつ第1引抜ローラ対106へ搬送する。本実施形態の分離ローラ対105は、駆動源により回転駆動される駆動ローラと、駆動ローラに従動する従動ローラと、により構成される。なお、従動ローラは、駆動ローラとは逆方向に回転駆動されてもよく、また、分離用パッドが従動ローラに置き換えられてもよい。

0014

第1引抜ローラ対106及び第2引抜ローラ対108は、上流の分離ローラ対105により搬送されてきた原稿1002を下流の第1読取ローラ対109へ搬送する。第1引抜ローラ対106は、分離ローラ対105から搬送される原稿1002が第1引抜ローラ対106のニップ部に到達し、さらに一定量搬送されるまで駆動しない構成であってもよい。このような構成では、原稿1002は、搬送方向に垂直な方向に対する傾き(斜行)が補正される。

0015

読取装置202には、搬送される原稿1002の第1面の画像を読み取る原稿読取部16が設けられている。原稿1002の画像は、第1読取ローラ対109から第2読取ローラ対111へ搬送される間に、読取位置で原稿読取部16により読み取られる。原稿読取部16に読み取られた画像情報は、画像印刷装置301へ出力される。
原稿給送装置201に設けられる原稿読取部17は、搬送される原稿の第2面の画像を読み取る。原稿1002の画像は、第2読取ローラ対111から第3読取ローラ対113へ搬送される間に、読取位置で原稿読取部17により読み取られる。原稿読取部17に読み取られた画像情報は、原稿読取部16において説明した方法と同様にして画像印刷装置301へ出力される。

0016

第3読取ローラ対113は、読取位置を通過した原稿1002を排紙ローラ対112へ搬送する。原稿読取部16、17による原稿1002の画像の読取タイミングは、第2シート位置センサ110が搬送中の原稿1002の先端を検知したタイミングに基づいて決定される。排紙ローラ対112は、第3読取ローラ対113から搬送されてきた原稿1002を排紙トレイ114へ排出する。このように原稿1002は、搬送されながら原稿読取部16、17により両面の画像が読み取られる。

0017

画像読取装置200による原稿1002の読取モードとして、第1読取モードおよび第2読取モードがある。第1読取モードは、上述した方法で搬送される原稿1002の画像を読み取るモードである。第2読取モードは、読取装置202の原稿ガラス214上に載置された原稿1002の画像を、一定速度で移動する原稿読取部16によって読み取るモードである。通常、シート状の原稿1002の画像は第1読取モードで読み取られ、本や冊子等の綴じられた原稿の画像は第2読取モードで読み取られる。

0018

画像印刷装置301の内部には、シート収納トレイ302、304が設けられている。シート収納トレイ302、304には、それぞれ異なる種類の記録媒体を収納することができる。例えば、シート収納トレイ302にはA4サイズの普通紙が収納され、シート収納トレイ304にはA4サイズの厚紙が収納される。なお、記録媒体とは、画像形成装置によって画像が形成されるものであって、例えば、用紙、樹脂シート、布、OHPシート、ラベル等は記録媒体に含まれる。

0019

シート収納トレイ302に収納された記録媒体は、ピックアップローラ303によって給送されて、給送ローラ331、搬送ローラ306によってプレレジストレションローラ(以下、「プレレジローラ」と称する)333へ送り出される。シート収納トレイ304に収納された記録媒体は、ピックアップローラ305によって給送されて、給送ローラ332、搬送ローラ307、306によってプレレジローラ333へ送り出される。

0020

プレレジローラ333とレジストレーションローラ(以下、「レジローラ」と称する)308との間には、記録媒体の先端を検知するシートセンサ335が設けられている。プレレジローラ333によって搬送された記録媒体の先端は、シートセンサ335によって検知された後に停止状態のレジローラ308に当接する。その後、プレレジローラ333が更に回転することによって、記録媒体が更に搬送方向へと搬送され、記録媒体が撓む。この結果、記録媒体に弾性力が働き、記録媒体の先端がレジローラ308のニップ部に沿って当接する。この結果、記録媒体の斜行が補正される。なお、本実施形態では、プレレジローラ333は、シートセンサ335が記録媒体の先端を検知してから所定時間回転するように制御される。所定時間は、記録媒体の斜行が補正されるのに必要な量だけ記録媒体を撓ませることができる時間に予め設定されている。

0021

画像読取装置200から出力された画像情報は、半導体レーザ及びポリゴンミラーを含む光走査装置311に入力される。感光ドラム309は、帯電器310によって外周面帯電される。感光ドラム309の外周面が帯電された後、画像読取装置200から光走査装置311に入力された画像情報に応じたレーザ光が、光走査装置311からポリゴンミラー及びミラー312、313を経由し、感光ドラム309の外周面に照射される。この結果、感光ドラム309の外周面に静電潜像が形成される。なお、感光ドラム309の帯電には、例えば、コロナ帯電器帯電ローラを用いた帯電方法が用いられる。

0022

続いて、静電潜像が現像器314内のトナーによって現像され、感光ドラム309の外周面にトナー像が形成される。感光ドラム309に形成されたトナー像は、感光ドラム309と対向する位置(転写位置)に設けられた転写部としての転写帯電器315によって記録媒体に転写される。レジローラ308は記録媒体を転写位置へ送り込む

0023

トナー像が転写された記録媒体は、搬送ベルト317によって定着器318へ送り込まれ、定着器318によって加熱加圧されて、トナー像が定着される。このようにして、画像形成装置100によって記録媒体に画像が形成される。

0024

片面印刷モード画像形成が行われる場合は、定着器318を通過した記録媒体は、排紙ローラ319、324によって、不図示の排紙トレイへ排紙される。また、両面印刷モードで画像形成が行われる場合は、定着器318によって記録媒体の第1面に定着処理が行われた後に、記録媒体は、排紙ローラ319、搬送ローラ320、及び反転ローラ321によって、反転パス325へと搬送される。その後、記録媒体は、搬送ローラ322、323によって再度レジローラ308へと搬送され、前述した方法で記録媒体の第2面に画像が形成される。その後、記録媒体は、排紙ローラ319、324によって不図示の排紙トレイへ排紙される。

0025

また、第1面に画像形成された記録媒体がフェースダウンで画像形成装置100の外部へ排紙される場合、定着器318を通過した記録媒体は、排紙ローラ319を通って搬送ローラ320へ向かう方向へ搬送される。その後、記録媒体の後端が搬送ローラ320のニップ部を通過する直前に搬送ローラ320の回転が反転することによって、記録媒体の第1面が下向きになった状態で、記録媒体が排紙ローラ324を経由して、画像形成装置100の外部へ排出される。

0026

図1に示すように、画像印刷装置301には、記録媒体を積載する積載部327が設けられている。積載部327に積載された記録媒体は、搬送方向へ送り出されてピックアップローラ328によって搬送方向へ送り出され、その後、給紙ローラ329によって搬送される。ピックアップローラ328と給紙ローラ329は揺動アーム330によって連結されている。揺動アーム330は、給紙ローラ329の回転軸を中心にして回動できるように給紙ローラ329の回転軸によって支持されている。給紙ローラ329によって搬送ローラ306へ搬送された記録媒体には、上述の方法で画像が形成される。

0027

以上が画像形成装置100の構成および機能についての説明である。なお、本発明における負荷とはモータによって駆動される対象物である。例えば、ピックアップローラ104、303、305、レジローラ308及び排紙ローラ319等の各種ローラ(搬送ローラ)や感光ドラム309、搬送ベルト317、原稿読取部16等は本発明における負荷に対応する。本実施形態のモータ制御装置は、これら負荷を駆動するモータに適用することができる。

0028

図2は、画像読取装置200の制御構成の例を示すブロック図である。
システムコントローラ251は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)251a、ROM(Read Only Memory)251b、RAM(Random Access Memory)251cを備えている。また、システムコントローラ251は、第1シート位置センサ107及び第2シート位置センサ110と接続されている。更に、システムコントローラ251は、第1読取ローラ対109及び第2読取ローラ対111を駆動するモータ509を制御するモータ制御装置261、原稿読取部16、17、画像印刷装置301等と接続されている。システムコントローラ251は、接続された各ユニットとの間でデータやコマンドの送受信をすることが可能である。なお、システムコントローラ251に接続されているユニットは図2に示すものに限らず、例えば、画像読取装置200内部に設けられた負荷を駆動するモータを制御するモータ制御装置等のユニットも接続されている。

0029

CPU251aは、ROM251bに格納された各種プログラム読み出して実行することによって、予め定められた画像形成シーケンスに関連する各種シーケンスを実行する。RAM251cは記憶デバイスである。RAM251cには、例えば、モータ制御装置に対する指令値及び原稿読取部16、17から受信される情報等の各種データが格納される。

0030

システムコントローラ251は、各種装置から出力される信号に基づいて、画像読取装置200を制御する。なお、本実施形態においては、1個のモータに対してモータ制御装置261(モータ制御部)が1個設けられているが、これに限定されるものではない。例えば、1個のモータ制御装置261で複数個のモータを制御する構成であっても良い。システムコントローラ251は、画像読取装置200の動作シーケンスを制御する。

0031

図3は、画像印刷装置301の制御構成の例を示すブロック図である。システムコントローラ151は、CPU151a、ROM151b、RAM151cを備えている。また、システムコントローラ151は、画像読取装置200、操作部152、アナログデジタル(A/D)変換器153、高圧制御部155、モータ制御装置157、センサ類159、ACドライバ160と接続されている。システムコントローラ151は、接続された各ユニットとの間でデータやコマンドの送受信をすることが可能である。

0032

CPU151aは、ROM151bに格納された各種プログラムを読み出して実行することによって、予め定められた画像形成シーケンスに関連する各種シーケンスを実行する。
RAM151cは記憶デバイスである。RAM151cには、例えば、高圧制御部155に対する設定値、モータ制御装置157に対する指令値及び操作部152から受信される情報等の各種データが記憶される。

0033

システムコントローラ151は、センサ類159からの信号を受信して、受信した信号に基づいて高圧制御部155の設定値を設定する。高圧制御部155は、システムコントローラ151によって設定された設定値に応じて、高圧ユニット156(帯電器310、現像器314、転写帯電器315等)に必要な電圧を供給する。なお、センサ類159には、搬送ローラによって搬送される記録媒体を検知するセンサ等が含まれる。

0034

モータ制御装置157は、CPU151aから出力された指令に応じて、モータM3を制御する。
A/D変換器153は、定着ヒータ161の温度を検出するためのサーミスタ154から検出信号を受信し、この検出信号をアナログ信号からデジタル信号に変換してシステムコントローラ151に送信する。システムコントローラ151は、A/D変換器153から受信したデジタル信号に基づいてACドライバ160の制御を行う。ACドライバ160は、定着ヒータ161の温度が定着処理を行うために必要な温度となるように定着ヒータ161を制御する。なお、定着ヒータ161は、定着処理に用いられるヒータであり、定着器318に含まれる。

0035

システムコントローラ151は、使用する記録媒体の種類(以下、「紙種」と称する)等の設定をユーザが行うための操作画面を、操作部152に設けられた表示部に表示するように、操作部152を制御する。システムコントローラ151は、ユーザが設定した情報を操作部152から受信し、ユーザが設定した情報に基づいて画像形成装置100の動作シーケンスを制御する。また、システムコントローラ151は、画像形成装置100の状態を示す情報を操作部152に送信する。なお、画像形成装置100の状態を示す情報とは、例えば、画像形成枚数画像形成動作進行状況、原稿給送装置201及び画像印刷装置301における記録媒体のジャム重送等に関する情報である。操作部152は、システムコントローラ151から受信した情報を表示部に表示する。
前述の如くして、システムコントローラ151は画像印刷装置301の動作シーケンスを制御する。

0036

(モータ制御装置)
次に、本実施形態におけるモータ制御装置157について説明する。本実施形態におけるモータ制御装置157は、第1制御モードとしてのベクトル制御と第2制御モードとしての定電流制御とのいずれの制御方法でもモータを制御することができる。

0037

まず、図4及び図5を用いて、本実施形態におけるモータ制御装置157がベクトル制御を行う方法について説明する。なお、以下の説明におけるモータには、モータの回転子の回転位相を検出するためのロータリエンコーダなどのセンサは設けられていないが、ロータリエンコーダ等のセンサが設けられていてもよい。

0038

図4は、A相(第1相)とB相(第2相)との2相から成るステッピングモータ(以下、「モータ」と称する)509と、d軸及びq軸によって表される回転座標系との関係を示す図である。図4では、静止座標系において、A相の巻線に対応した軸であるα軸と、B相の巻線に対応した軸であるβ軸とが定義されている。また、図4では、回転子402に用いられている永久磁石磁極によって作られる磁束の方向に沿ってd軸が定義され、d軸から反時計回りに90度進んだ方向(d軸に直交する方向)に沿ってq軸が定義されている。α軸とd軸との成す角度はθと定義され、回転子402の回転位相は角度θによって表される。ベクトル制御では、回転子402の回転位相θを基準とした回転座標系が用いられる。具体的には、ベクトル制御では、巻線に流れる駆動電流に対応する電流ベクトルの、回転座標系における電流成分であって、回転子にトルクを発生させるq軸成分(トルク電流成分)と巻線を貫く磁束の強度に影響するd軸成分(励磁電流成分)とが用いられる。

0039

ベクトル制御は、回転子402の目標位相を表す指令位相と実際の回転位相との偏差が小さくなるように、トルク電流成分の値と励磁電流成分の値とを制御する位相フィードバック制御を行うことによってモータを制御する制御方法である。また、回転子の目標速度を表す指令速度と実際の回転速度との偏差が小さくなるようにトルク電流成分の値と励磁電流成分の値とを制御する速度フィードバック制御を行うことによってモータを制御する方法もある。

0040

図5は、モータ509を制御するモータ制御装置261の構成の例を示すブロック図である。なお、モータ制御装置261は、少なくとも1つのASIC(Application Specific IntegratedCircuit)で構成されており、以下に説明する各機能を実行する。

0041

図5に示すように、モータ制御装置261は、定電流制御を行う定電流制御器517、ベクトル制御を行うベクトル制御器518を有する。
モータ制御装置261は、ベクトル制御を行う回路として、位相制御器502、電流制御器503、座標逆変換器505、座標変換器511、モータの巻線に駆動電流を供給するPWMインバータ506等を有する。座標変換器511は、モータ509のA相及びB相の巻線に流れる駆動電流に対応する電流ベクトルを、α軸及びβ軸で表される静止座標系からq軸及びd軸で表される回転座標系に座標変換する。この結果、巻線に流れる駆動電流は、回転座標系における電流値であるq軸成分の電流値(q軸電流)とd軸成分の電流値(d軸電流)とによって表される。なお、q軸電流は、モータ509の回転子402にトルクを発生させるトルク電流に相当する。また、d軸電流は、モータ509の巻線を貫く磁束の強度に影響する励磁電流に相当する。モータ制御装置261は、q軸電流及びd軸電流をそれぞれ独立に制御することができる。この結果、モータ制御装置261は、回転子402にかかる負荷トルクに応じてq軸電流を制御することによって、回転子402が回転するために必要なトルクを効率的に発生させることができる。即ち、ベクトル制御においては、図4に示す電流ベクトルの大きさは、回転子402にかかる負荷トルクに応じて変化する。

0042

モータ制御装置261は、モータ509の回転子402の回転位相θを後述する方法により決定し、その決定結果に基づいてベクトル制御を行う。CPU251aは、モータ509の動作シーケンスに基づいて、指令生成器500にモータ509を駆動する指令として駆動パルスを出力する。なお、モータ509の動作シーケンス(モータ509の駆動パターン)は、例えば、ROM251bに格納されており、CPU251aは、ROM251bに格納された動作シーケンスに基づいて、パルス列としての駆動パルスを出力する。

0043

指令生成器500は、CPU251aから出力される駆動パルスに基づいて、回転子402の目標位相を表す指令位相θ_refを生成して出力する。具体的には、指令生成器500は、以下の式(1)のようにして指令位相θ_refを生成して出力する。
θ_ref=θini+θstep*n (1)
なお、θiniはモータ509の駆動が開始されるときの回転子402の位相(初期位相)である。また、θstepは、駆動パルス1個当たりのθ_refの増加量(変化量)である。また、nは指令生成器500に入力されるパルス個数である。なお、パルスの周波数は、モータの回転子の目標速度に対応する。

0044

減算器101は、モータ509の回転子402の回転位相θと指令位相θ_refとの偏差を演算して出力する。
位相制御器502は、偏差Δθを周期T(例えば、200マイクロ秒毎)で取得する。位相制御器502は、比例制御(P)、積分制御(I)、微分制御(D)に基づいて、減算器101から出力される偏差が小さくなるように、q軸電流指令値iq_ref及びd軸電流指令値id_refを生成して出力する。具体的には、位相制御器502は、P制御、I制御、D制御に基づいて減算器101から出力される偏差が0になるように、q軸電流指令値iq_ref及びd軸電流指令値id_refを生成して出力する。P制御とは、制御する対象の値を指令値と推定値との偏差に比例する値に基づいて制御する制御方法である。I制御とは、制御する対象の値を指令値と推定値との偏差の時間積分に比例する値に基づいて制御する制御方法である。D制御とは、制御する対象の値を指令値と推定値との偏差の時間変化に比例する値に基づいて制御する制御方法である。

0045

本実施形態における位相制御器502は、PID制御に基づいてq軸電流指令値iq_ref及びd軸電流指令値id_refを生成しているが、これに限定されるものではない。例えば、位相制御器502は、PI制御に基づいてq軸電流指令値iq_ref及びd軸電流指令値id_refを生成しても良い。なお、回転子402に永久磁石を用いる場合、通常は巻線を貫く磁束の強度に影響するd軸電流指令値id_refは0に設定されるが、これに限定されるものではない。

0046

モータ509のA相の巻線に流れる駆動電流は、電流検出器507によって検出され、その後、A/D変換器510によってアナログ値からデジタル値へと変換される。モータ509のB相の巻線に流れる駆動電流は、電流検出器508によって検出され、その後、A/D変換器510によってアナログ値からデジタル値へと変換される。なお、電流検出器507、508が電流を検出する周期(所定周期)は、例えば、位相制御器502が偏差Δθを取得する周期T以下の周期(例えば、25マイクロ秒毎)である。

0047

A/D変換器510によってアナログ値からデジタル値へと変換された駆動電流の電流値は、静止座標系における電流値iα及びiβとして、図4に示す電流ベクトルの位相θeを用いて次式によって表される。なお、電流ベクトルの位相θeは、α軸と電流ベクトルとの成す角度と定義される。また、Iは電流ベクトルの大きさを示す。
iα=I*cosθe (2)
iβ=I*sinθe (3)
これらの電流値iα及びiβは、座標変換器511と誘起電圧決定器512とに入力される。

0048

座標変換器511は、静止座標系における電流値iα及びiβを、次式によって、回転座標系におけるq軸電流の電流値iq及びd軸電流の電流値idに変換する。
id= cosθ*iα+sinθ*iβ (4)
iq=−sinθ*iα+cosθ*iβ (5)

0049

減算器102には、位相制御器502から出力されたq軸電流指令値iq_refと座標変換器511から出力された電流値iqとが入力される。減算器102は、q軸電流指令値iq_refと電流値iqとの偏差を演算し、該偏差を電流制御器503に出力する。
減算器103には、位相制御器502から出力されたd軸電流指令値id_refと座標変換器511から出力された電流値idとが入力される。減算器103は、d軸電流指令値id_refと電流値idとの偏差を演算し、該偏差を電流制御器503に出力する。

0050

電流制御器503は、PID制御に基づいて、減算器102から出力される偏差が小さくなるように駆動電圧Vqを生成する。具体的には、電流制御器503は、減算器102から出力される偏差が0になるように駆動電圧Vqを生成して座標逆変換器505に出力する。また、電流制御器503は、PID制御に基づいて、減算器103から出力される偏差が小さくなるように駆動電圧Vdを生成する。具体的には、電流制御器503は、減算器103から出力される偏差が0になるように駆動電圧Vdを生成して座標逆変換器505に出力する。
なお、本実施形態における電流制御器503は、PID制御に基づいて駆動電圧Vq及びVdを生成しているが、これに限定されるものではない。例えば、電流制御器503は、PI制御に基づいて駆動電圧Vq及びVdを生成しても良い。

0051

座標逆変換器505は、電流制御器503から出力された回転座標系における駆動電圧Vq及びVdを、次式によって、静止座標系における駆動電圧Vα及びVβに逆変換する。
Vα=cosθ*Vd−sinθ*Vq (6)
Vβ=sinθ*Vd+cosθ*Vq (7)
座標逆変換器505は、逆変換された駆動電圧Vα及びVβを誘起電圧決定器512及びPWMインバータ506に出力する。

0052

PWMインバータ506は、フルブリッジ回路を有する。フルブリッジ回路は座標逆変換器505から入力された駆動電圧Vα及びVβに基づくPWM信号によって駆動される。その結果、PWMインバータ506は、駆動電圧Vα及びVβに応じた駆動電流iα及びiβを生成し、駆動電流iα及びiβをモータ509の各相の巻線に供給することによって、モータ509を駆動させる。即ち、PWMインバータ506は、モータ509の各相の巻線に電流を供給する供給手段として機能する。なお、本実施形態においては、PWMインバータはフルブリッジ回路を有しているが、PWMインバータはハーフブリッジ回路等であっても良い。

0053

次に、回転位相θを決定する構成について説明する。回転子402の回転位相θの決定には、回転子402の回転によってモータ509のA相及びB相の巻線に誘起される誘起電圧Eα及びEβの値が用いられる。誘起電圧の値は誘起電圧決定器512によって決定(算出)される。具体的には、誘起電圧Eα及びEβは、A/D変換器510から誘起電圧決定器512に入力された電流値iα及びiβと、座標逆変換器505から誘起電圧決定器512に入力された駆動電圧Vα及びVβとから、次式によって決定される。
Eα=Vα−R*iα−L*diα/dt (8)
Eβ=Vβ−R*iβ−L*diβ/dt (9)
ここで、Rは巻線レジスタンス、Lは巻線インダクタンスである。巻線レジスタンスR及び巻線インダクタンスLの値は使用されているモータ509に固有の値であり、ROM151b又はモータ制御装置157に設けられたメモリ(不図示)等に予め格納されている。誘起電圧決定器512によって決定された誘起電圧Eα及びEβは位相決定器513に出力される。

0054

位相決定器513は、誘起電圧決定器512から出力された誘起電圧Eαと誘起電圧Eβとの比に基づいて、次式によってモータ509の回転子の回転位相θを決定する。
θ=tan^−1(−Eβ/Eα) (10)
なお、本実施形態においては、位相決定器513は、式(10)に基づく演算を行うことによって回転位相θを決定したが、この限りではない。例えば、位相決定器513は、メモリ513aに記憶されている、誘起電圧Eα及び誘起電圧Eβと誘起電圧Eα及び誘起電圧Eβとに対応する回転位相θとの関係を示すテーブルを参照することによって回転位相θを決定してもよい。前述の如くして得られた回転子402の回転位相θは、減算器101、座標逆変換器505及び座標変換器511に入力される。

0055

モータ制御装置261は、ベクトル制御を行う場合は、上述の制御を繰り返し行う。以上のように、本実施形態におけるモータ制御装置261は、指令位相θ_refと回転位相θとの偏差が小さくなるように回転座標系における電流値を制御する位相フィードバック制御を用いたベクトル制御を行う。ベクトル制御を行うことによって、モータが脱調状態となることや、余剰トルクに起因してモータ音が増大すること及び消費電力が増大することを抑制することができる。

0056

次に、本実施形態における定電流制御について説明する。定電流制御においては、予め決められた電流がモータの巻線に供給されることによって、巻線に流れる駆動電流が制御される。具体的には、定電流制御では、回転子にかかる負荷トルクの変動が起こったとしてもモータが脱調しないように、回転子の回転に必要と想定されるトルクに所定のマージン加算されたトルクに対応する大きさ(振幅)を持った駆動電流が巻線に供給される。これは、定電流制御では、決定(推定)された回転位相や回転速度に基づいて駆動電流の大きさが制御される構成は用いられない(フィードバック制御が行われない)ので、回転子にかかる負荷トルクに応じて駆動電流を調整できないからである。なお、電流の大きさが大きいほど回転子に与えるトルクは大きくなる。また、振幅は電流ベクトルの大きさに対応する。

0057

以下の説明では、定電流制御中は、予め決められた所定の大きさの電流がモータ509の巻線に供給されることによってモータ509が制御されるが、この限りではない。例えば、定電流制御中は、モータ509の加速中及び減速中のそれぞれに応じて予め決められた大きさの電流がモータ509の巻線に供給されることによってモータ509が制御されてもよい。

0058

図5において、指令生成器500は、CPU251aから出力された駆動パルスに基づいて、定電流制御器517に指令位相θ_refを出力する。定電流制御器517は、指令生成器500から出力された指令位相θ_refに対応した、静止座標系における電流の指令値iα_ref及びiβ_refを生成して出力する。なお、本実施形態においては、静止座標系における電流の指令値iα_ref及びiβ_refに対応する電流ベクトルの大きさは常に一定である。

0059

モータ509のA相及びB相の巻線に流れる駆動電流は、電流検出器507、508によって検出される。検出された駆動電流は、前述したように、A/D変換器510によってアナログ値からデジタル値へと変換される。
減算器102には、A/D変換器510から出力された電流値iαと定電流制御器517から出力された電流指令値iα_refとが入力される。減算器102は、電流指令値iα_refと電流値iαとの偏差を演算し、該偏差を電流制御器503に出力する。
減算器103には、A/D変換器510から出力された電流値iβと定電流制御器517から出力された電流指令値iβ_refとが入力される。減算器103は、電流指令値iβ_refと電流値iβとの偏差を演算し、該偏差を電流制御器503に出力する。

0060

電流制御器503は、入力される偏差が小さくなるように、PID制御に基づいて駆動電圧Vα及びVβを出力する。具体的には、電流制御器503は、入力される偏差が0に近づくように駆動電圧Vα及びVβを出力する。
PWMインバータ506は前述した方法で、入力された駆動電圧Vα及びVβに基づいて、モータ509の各相の巻線に駆動電流を供給してモータ509を駆動させる。

0061

このように、本実施形態における定電流制御では、位相フィードバック制御と速度フィードバック制御とのいずれも行われない。即ち、本実施形態における定電流制御では、巻線に供給する駆動電流が回転子の回転状況に応じて調整されない。したがって、定電流制御では、モータ509が脱調状態にならないように、回転子を回転させるために必要な電流に所定のマージンが加算された電流が巻線に供給される。

0062

(ベクトル制御と定電流制御の使い分け
原稿1002の先端が第1読取ローラ対109のニップ部に突入する際、第1読取ローラ対109及び第2読取ローラ対111を駆動するモータ509の回転子にかかる負荷トルクが変動することに起因して回転速度が変動することがある。この場合、原稿1002の搬送速度が変動することにより、読み取られた画像に、スジ画像の発生や部分倍率の悪化といった画像不良が生じる。
そこで、本実施形態では、以下の構成が適用されることによって、画像不良が生じることが抑制される。

0063

図6は、ベクトル制御でモータ509が駆動制御される場合に、原稿1002がローラのニップ部に突入した場合の回転位相θの偏差の説明図である。図6(a)は、負荷変動の大きい厚紙(坪量209[g/m2])が突入した場合の偏差を示す。図6(b)は、普通紙(坪量80[g/m2])が突入した場合の偏差を示す。横軸は時間であり、縦軸は偏差である。このグラフより、厚紙が突入した際の位相の変動が、普通紙の場合よりも大きいことがわかる。

0064

図7は、定電流制御でモータ509が駆動制御される場合に、原稿1002がローラのニップ部に突入した場合の偏差の説明図である。図7(a)は、負荷変動の大きい厚紙(坪量209[g/m2])が突入した場合の偏差を示す。図7(b)は、普通紙(坪量80[g/m2])が突入した場合の偏差を示す。横軸は時間であり、縦軸は偏差である。図6に例示したベクトル制御時の偏差と比較すると、普通紙の場合には偏差に大きな差がないが、厚紙の場合には定電流制御により偏差を低減することができることがわかる。なお、本実施形態では外乱要因を駆動ローラのニップ部に原稿1002が突入した際のショックを例に挙げて説明したが、それに限定するものではない。

0065

本実施形態では、原稿1002の種類(紙種)に応じてモータ509の制御方法を切り替える。図8は、モータ509の制御方法を説明するフローチャートである。このフローチャートの処理は、CPU251aによって実行される。なお、本実施形態では、ユーザが操作部152を用いて、搬送される原稿の種類を設定する。また本実施形態では、原稿給送装置201によって搬送され得る紙種(ユーザが設定可能な紙種)は厚紙、普通紙及び薄紙である。

0066

CPU251aは、操作部152を介して設定された紙種の情報を取得する(S101)。その後、CPU251aは、原稿1002が厚紙であるか否かを判断する(S102)。原稿1002が厚紙の場合(S102:Y)、CPU251aは、モータ509の制御方式を定電流制御に決定する(S104)。原稿1002が厚紙以外の場合(S102:N)、CPU251aは、モータ509の制御方式をベクトル制御に決定する(S103)。

0067

CPU251aは、上述のようにして決定された制御方式でモータ509が制御されるように、モータ制御装置261に指示する。具体的には、CPU251aは、決定された制御方式でモータ509が制御されるように、モータ制御装置261に設けられた制御切替器515に指令を出力する。

0068

制御切替器515は、当該指令に基づき、CPU251aによって決定された制御方式でモータ509が制御されるように、切替信号をスイッチ516a、516b、516cに出力する。具体的には、CPU251aによって決定された制御方式がベクトル制御である場合は、ベクトル制御が行われる状態になるようにスイッチ516a、516b、516cを制御する。また、CPU251aによって決定された制御方式が定電流制御である場合は、定電流制御が行われる状態になるようにスイッチ516a、516b、516cを制御する。

0069

以上のように、本実施形態では、原稿1002がモータ509の回転速度に影響が生じるような紙種(例えば、厚紙)である場合、モータ509が定電流制御によって制御されることにより、回転速度の変動が抑制される。この結果、画像不良が生じることを抑制することができる。また、厚紙よりも坪量が小さい普通紙、薄紙が搬送される場合はベクトル制御によってモータ509が制御される。このように、搬送される原稿1002がモータ509の回転速度に影響が生じるような紙種でない場合はモータ509がベクトル制御によって制御される。この結果、画像不良が生じることを抑制することができ且つモータ509の制御における消費電力を可能な限り小さくすることができる。

0070

なお、本実施形態では、決定された制御方法によってモータ509の駆動が開始されたが、この限りではない。例えば、ベクトル制御によってモータ509の駆動を開始し、第2シート位置センサ110が原稿1002の先端を検知したら、ベクトル制御によって駆動されているモータ509の制御方法を、紙種に基づいて決定された制御方法に切り替える構成でもよい。具体的には、例えば、普通紙、薄紙が搬送される場合はベクトル制御を維持し、厚紙が搬送される場合はモータ509の制御方式をベクトル制御から定電流制御に切り替える構成でもよい。原稿1002が読取位置を通過する期間以外はモータ509がベクトル制御で駆動されることによって、消費電力を最小限に抑制することができる。

0071

本実施形態では、第1読取ローラ対109及び第2読取ローラ対111を駆動するモータ509について制御方法の決定が行われたが、紙種に基づく制御方法の決定が適用されるのはモータ509に限らない。例えば、画像印刷装置301の内部に設けられた搬送ローラを駆動するモータに紙種に基づく制御方法の決定が適用されてもよい。

0072

本実施形態では、制御方法を決定するために紙種としての坪量が用いられたが、この限りではない。例えば、制御方法を決定するために剛度等が用いられてもよい。また、本実施形態においては、負荷を駆動するモータ509としてステッピングモータが用いられているが、DCモータブラシレスDCモータ等の他のモータであっても良い。また、モータ509は2相モータである場合に限らず、3相モータ等の他のモータであってもよい。つまりモータ509は、2以上の巻線であってもよい。

0073

また、本実施形態におけるベクトル制御では、位相フィードバック制御を行うことによってモータを制御しているが、これに限定されるものではない。例えば、回転子の回転速度ωフィードバックしてモータを制御する構成であっても良い。また、本実施形態においては、回転子として永久磁石が用いられているが、これに限定されるものではない。

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