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技術 ブラケット付き防振装置

出願人 住友理工株式会社
発明者 近藤弘基大木健司
出願日 2019年3月26日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2019-058920
公開日 2020年10月1日 (4ヶ月経過) 公開番号 2020-159448
状態 未査定
技術分野 ダンパーとばねの組合せ装置
主要キーワード 対向底面 孔断面形状 嵌入口 組付強度 発生モーメント 抜止機構 圧入作業性 保持ゴム
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年10月1日)のものです。
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図面 (9)

課題

簡単に製造可能な構造によって、嵌着部と嵌着溝の対向面間に生じる固定力を有利に向上させることができる、新規な構造のブラケット付き防振装置を提供すること。

解決手段

第二の取付部材16が透孔22を有する枠形状とされており、本体ゴム弾性体18が第二の取付部材16の上面側に固着されていると共に、本体ゴム弾性体18が透孔22の内周面を通じて第二の取付部材16の下面側にまわされており、第二の取付部材16の嵌着部24の下面において嵌着溝86への嵌め入れ状態で圧縮される保持ゴム28が本体ゴム弾性体18と一体形成されている一方、第二の取付部材16の嵌着部24の上面において本体ゴム弾性体18で覆われることなく露呈されて嵌着溝86の内面に対して直接に重ね合わされて保持ゴム28の圧縮反力で嵌着溝86の内面に押し付けられて静摩擦固定される固定面31が設けられている。

概要

背景

従来から、エンジンマウントなどに用いられる防振装置が知られている。防振装置は、第一の取付部材と第二の取付部材が本体ゴム弾性体で連結された防振装置本体を備えている。また、防振装置には、防振装置本体の第二の取付部材にブラケットが取り付けられたものがあり、第二の取付部材がブラケットを介して車両ボデーなどに取り付けられる。ブラケット付き防振装置としては、例えば、特開2017−214968号公報(特許文献1)に開示されたものがある。

ところで、ブラケット付き防振装置は、第二の取付部材の幅方向両側に設けられた嵌着部が、ブラケットの幅方向両側の対向内面に設けられた嵌着溝へ嵌め入れられることによって、防振装置本体がブラケットに横方向から組み付けられるものがある。このような防振装置本体とブラケットの組付構造では、防振装置本体のブラケットからの抜けを防止する保持構造が設けられる場合もある。特許文献1では、第二の取付部材の嵌着部の上面に上下付勢ゴムが固着される一方、ブラケットの嵌着溝の下面には、付勢ゴムの厚さ寸法よりも小さい突出寸法で突出するロック突部が設けられている。そして、防振装置本体の嵌着部がロック突起乗り越えてブラケットの嵌着溝に挿し入れられた際には、嵌着部と嵌着溝の上下間で圧縮された上下付勢ゴムの弾性によって、嵌着部が下方側へ付勢されている。その結果、嵌着溝に対する嵌着部の抜け出し方向の変位を、ロック突部によって制限することができるのである。

概要

簡単に製造可能な構造によって、嵌着部と嵌着溝の対向面間に生じる固定力を有利に向上させることができる、新規な構造のブラケット付き防振装置を提供すること。第二の取付部材16が透孔22を有する枠形状とされており、本体ゴム弾性体18が第二の取付部材16の上面側に固着されていると共に、本体ゴム弾性体18が透孔22の内周面を通じて第二の取付部材16の下面側にまわされており、第二の取付部材16の嵌着部24の下面において嵌着溝86への嵌め入れ状態で圧縮される保持ゴム28が本体ゴム弾性体18と一体形成されている一方、第二の取付部材16の嵌着部24の上面において本体ゴム弾性体18で覆われることなく露呈されて嵌着溝86の内面に対して直接に重ね合わされて保持ゴム28の圧縮反力で嵌着溝86の内面に押し付けられて静摩擦固定される固定面31が設けられている。

目的

本発明は、本発明者等による上述の新たな知見に基づき為されたものであって、その解決課題は、簡単に製造可能な構造によって、嵌着部と嵌着溝の対向面間に生じる固定力を有利に向上させることができる、新規な構造のブラケット付き防振装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

第一の取付部材と第二の取付部材が本体ゴム弾性体で連結された防振装置本体において該第二の取付部材の幅方向両側に設けられた嵌着部が、ブラケットの幅方向両側の対向内面に設けられた嵌着溝へ嵌め入れることで該防振装置本体が該ブラケットに横方向から組み付けられたブラケット付き防振装置において、前記第二の取付部材が透孔を有する枠形状とされており、前記本体ゴム弾性体が該第二の取付部材の上面側に固着されていると共に、該本体ゴム弾性体が該透孔の内周面を通じて該第二の取付部材の下面側にまわされており、該第二の取付部材の前記嵌着部の下面において前記嵌着溝への嵌め入れ状態で圧縮される保持ゴムが該本体ゴム弾性体と一体形成されている一方、該第二の取付部材の該嵌着部の上面において前記本体ゴム弾性体で覆われることなく露呈されて該嵌着溝の内面に対して直接に重ね合わされて前記保持ゴムの圧縮反力で該嵌着溝の内面に押し付けられて静摩擦固定される固定面が設けられているブラケット付き防振装置。

請求項2

前記第二の取付部材の前記嵌着部の上面において露呈された前記固定面が、前記嵌着溝への嵌め入れ方向において、前記嵌着部の上面の全長に亘って連続して延びて設けられている請求項1に記載のブラケット付き防振装置。

請求項3

前記本体ゴム弾性体が前記第二の取付部材の下面から更に外周面にまわされて、該第二の取付部材の前記嵌着部の外周面において前記嵌着溝への嵌め入れ状態で圧縮される側方保持ゴムが、該本体ゴム弾性体と一体形成されている請求項1又は2に記載のブラケット付き防振装置。

請求項4

前記ブラケットの幅方向両側の対向内面に設けられた前記嵌着溝には、両側の該嵌着溝の対向する底面において、前記第二の取付部材の前記嵌着部が嵌め入れられる嵌入口側に向かって次第に拡開する傾斜状の左右案内面が設けられている請求項1〜3の何れか1項に記載のブラケット付き防振装置。

請求項5

前記ブラケットの幅方向両側の対向内面に設けられた前記嵌着溝には、溝幅方向で対向する上下の少なくとも一方の側面において、前記第二の取付部材の前記嵌着部が嵌め入れられる嵌入口側に向かって次第に拡開する傾斜状の上下案内面が、前記保持ゴムが押し付けられる領域を該嵌入口側に外れた位置に設けられている請求項1〜4の何れか1項に記載のブラケット付き防振装置。

技術分野

0001

本発明は、防振装置本体がブラケットに対して横方向から組み付けられたブラケット付き防振装置に関するものである。

背景技術

0002

従来から、エンジンマウントなどに用いられる防振装置が知られている。防振装置は、第一の取付部材と第二の取付部材が本体ゴム弾性体で連結された防振装置本体を備えている。また、防振装置には、防振装置本体の第二の取付部材にブラケットが取り付けられたものがあり、第二の取付部材がブラケットを介して車両ボデーなどに取り付けられる。ブラケット付き防振装置としては、例えば、特開2017−214968号公報(特許文献1)に開示されたものがある。

0003

ところで、ブラケット付き防振装置は、第二の取付部材の幅方向両側に設けられた嵌着部が、ブラケットの幅方向両側の対向内面に設けられた嵌着溝へ嵌め入れられることによって、防振装置本体がブラケットに横方向から組み付けられるものがある。このような防振装置本体とブラケットの組付構造では、防振装置本体のブラケットからの抜けを防止する保持構造が設けられる場合もある。特許文献1では、第二の取付部材の嵌着部の上面に上下付勢ゴムが固着される一方、ブラケットの嵌着溝の下面には、付勢ゴムの厚さ寸法よりも小さい突出寸法で突出するロック突部が設けられている。そして、防振装置本体の嵌着部がロック突起乗り越えてブラケットの嵌着溝に挿し入れられた際には、嵌着部と嵌着溝の上下間で圧縮された上下付勢ゴムの弾性によって、嵌着部が下方側へ付勢されている。その結果、嵌着溝に対する嵌着部の抜け出し方向の変位を、ロック突部によって制限することができるのである。

先行技術

0004

特開2017−214968号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかし、本発明者が検討したところ、特許文献1の保持構造には、未だ保持力の向上を図ることができる余地があることが分かった。すなわち、特許文献1の保持構造では、防振装置本体の嵌着部の下面が上下付勢ゴムの弾性によってブラケットの嵌着溝の下面に押し付けられ、その反力による静摩擦力で防振装置本体のブラケットからの抜け方向の動き規制されている。本発明者等は、特許文献1の保持構造では、防振装置本体の第一の取付部材から嵌着部の下面までの離隔距離が比較的大きくなり、第一の取付部材と嵌着部の下面との間に入力される外力により発生モーメントが大きくなる可能性があることを新たに見出した。

0006

さらに、本発明者等は、防振装置本体の嵌着部の下面には、防振装置本体に収容保持されるゴム部材の反力が入力される場合があり、嵌着部の下面と嵌着溝の下面との当接面間に生じる静摩擦力による固定力が、削減されるおそれがあることも新たに見出したのである。

0007

本発明は、本発明者等による上述の新たな知見に基づき為されたものであって、その解決課題は、簡単に製造可能な構造によって、嵌着部と嵌着溝の対向面間に生じる固定力を有利に向上させることができる、新規な構造のブラケット付き防振装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

以下、本発明を把握するための好ましい態様について記載するが、以下に記載の各態様は、例示的に記載したものであって、適宜に互いに組み合わせて採用され得るだけでなく、各態様に記載の複数の構成要素についても、可能な限り独立して認識及び採用することができ、適宜に別の態様に記載の何れかの構成要素と組み合わせて採用することもできる。それによって、本発明では、以下に記載の態様に限定されることなく、種々の別態様が実現され得る。

0009

第一の態様は、第一の取付部材と第二の取付部材が本体ゴム弾性体で連結された防振装置本体において該第二の取付部材の幅方向両側に設けられた嵌着部が、ブラケットの幅方向両側の対向内面に設けられた嵌着溝へ嵌め入れることで該防振装置本体が該ブラケットに横方向から組み付けられたブラケット付き防振装置において、前記第二の取付部材が透孔を有する枠形状とされており、前記本体ゴム弾性体が該第二の取付部材の上面側に固着されていると共に、該本体ゴム弾性体が該透孔の内周面を通じて該第二の取付部材の下面側にまわされており、該第二の取付部材の前記嵌着部の下面において前記嵌着溝への嵌め入れ状態で圧縮される保持ゴムが該本体ゴム弾性体と一体形成されている一方、該第二の取付部材の該嵌着部の上面において前記本体ゴム弾性体で覆われることなく露呈されて該嵌着溝の内面に対して直接に重ね合わされて前記保持ゴムの圧縮反力で該嵌着溝の内面に押し付けられて静摩擦固定される固定面が設けられているものである。

0010

本態様に従う構造とされたブラケット付き防振装置によれば、第二の取付部材の嵌着部の下面において、嵌着溝への嵌め入れ状態で圧縮される保持ゴムが設けられており、この保持ゴムが本体ゴム弾性体と一体的に形成されている。さらに、第二の取付部材の嵌着部の上面において、本体ゴム弾性体で覆われることなく露呈された固定面が設けられている。そして、この固定面が、嵌着溝の内面に対して保持ゴムの圧縮反力で押し付けられて静摩擦固定されるようになっている。すなわち、嵌着溝の内面に対して静摩擦固定される固定面が、嵌着部の上面に設けられていることから、嵌着部の下面に設けられていた従来構造に比して、防振装置本体の第一の取付部材から固定面までの離隔距離を小さくすることができる。その結果、防振装置本体の第一の取付部材と固定面との間に入力される外力による発生モーメントが小さくなり、嵌着部と嵌着溝の対向面間に生じる固定力を有利に向上させることができ、ブラケットによる第二の取付部材の固定的な保持状態の安定化が有利に達成され得る。

0011

さらに、第二の取付部材が透孔を有する枠形状とされており、第二の取付部材の上面側に固着された本体ゴム弾性体が、透孔の内周面を通じて第二の取付部材の下面側にまわされている。これにより、第二の取付部材の嵌着部の下面に対して本体ゴム弾性体と一体形成された保持ゴムを容易に設けることができる。特に、第二の取付部材の透孔の内周面を利用して、本体ゴム弾性体が嵌着部の下面に至る経路を確保できる。それゆえ、例えば、嵌着部の外周面から本体ゴム弾性体を嵌着部の下面へまわす場合に比して、本体ゴム弾性体と保持ゴムを接続する接続部分の肉厚も大きく設定することができ、成形時のゴム材料の流れも良好に確保することができる。

0012

加えて、嵌着部の下面に保持ゴムが設けられ、嵌着部の上面が、他部材に覆われることなく嵌着溝の内面に対して直接重ね合されて静摩擦固定される固定面とされている。これにより、例えば、防振装置本体にゴム部材が収容保持されている場合でも、ゴム部材の反力が嵌着部の上面に設けられた固定面に及ぼされることが有利に回避されており、嵌着部の固定面と嵌着溝の内面間の静摩擦による固定力を安定して確保することができる。

0013

第二の態様は、第一の態様に記載されたブラケット付き防振装置において、前記第二の取付部材の前記嵌着部の上面において露呈された前記固定面が、前記嵌着溝への嵌め入れ方向において、前記嵌着部の前記上面の全長に亘って連続して延びて設けられているものである。

0014

本態様に従う構造とされたブラケット付き防振装置によれば、嵌着部において他部材に覆われることなく露呈された上面によって構成された固定面が、嵌着部の嵌着溝への嵌め入れ方向において、嵌着部の上面の全長に亘って連続して延びて設けられている。これにより、固定面と嵌着溝の内面との当接面間に生じる静摩擦による固定力が、一層安定して確保される。また、固定面は、嵌着溝への嵌め入れ方向の全長に亘って連続して延びていることから、嵌着部の嵌着溝へ挿入を一定の挿入力により安定して行うことができ、作業性の向上を図ることができる。

0015

第三の態様は、第一又は第二の態様に記載されたブラケット付き防振装置において、前記本体ゴム弾性体が前記第二の取付部材の下面から更に外周面にまわされて、該第二の取付部材の前記嵌着部の外周面において前記嵌着溝への嵌め入れ状態で圧縮される側方保持ゴムが、該本体ゴム弾性体と一体形成されているものである。

0016

本態様に従う構造とされたブラケット付き防振装置によれば、嵌着部の外周面に側方保持ゴムが設けられている。これにより、防振装置本体の幅方向両側の嵌着部端面間の寸法と、ブラケットの幅方向両側の嵌着溝底面間の寸法との誤差が、側方保持ゴムの弾性変形により許容され、防振装置本体とブラケットの組み付け作業を容易に行うことができる。さらに、側方保持ゴムは、本体ゴム弾性体が第二取付け部材の下面からさらに外周面に回されることにより、第二の取付け部材の嵌着部の外周面に、本体ゴム弾性体と一体的に設けられている。これにより、側方保持ゴムの成形時のゴム材料の流れを良好に確保しつつ本体ゴム弾性体と一体的に設けられた耐久性に優れた側方保持ゴムを有利に形成することができる。

0017

第四の態様は、第一から第三の態様の何れか1つに記載されたブラケット付き防振装置において、前記ブラケットの幅方向両側の対向内面に設けられた前記嵌着溝には、両側の該嵌着溝の対向する底面において、前記第二の取付部材の前記嵌着部が嵌め入れられる嵌入口側に向かって次第に拡開する傾斜状の左右案内面が設けられているものである。

0018

本態様に従う構造とされたブラケット付き防振装置によれば、ブラケットの幅方向両側に設けられた嵌着溝のそれぞれの底面が、嵌入口側に向かって次第に拡開する傾斜状とされることにより、左右案内面が設けられている。これにより、ブラケットの嵌着溝に防振装置本体の嵌着部を圧入する際に、ブラケットの幅方向において、両嵌着部を嵌着溝間の中央位置に確実にセンタリングすることができる。その結果、ブラケットの幅方向における嵌着溝と嵌着部間の相対的な寸法ばらつきの抑制を図り、圧入作業をスムーズになし得る。

0019

第五の態様は、第一から第四の態様の何れか1つに記載されたブラケット付き防振装置において、前記ブラケットの幅方向両側の対向内面に設けられた前記嵌着溝には、溝幅方向で対向する上下の少なくとも一方の側面において、前記第二の取付部材の前記嵌着部が嵌め入れられる嵌入口側に向かって次第に拡開する傾斜状の上下案内面が、前記保持ゴムが押し付けられる領域を該嵌入口側に外れた位置に設けられているものである。

0020

本態様に従う構造とされたブラケット付き防振装置によれば、ブラケットの各嵌着溝において、溝幅方向で対向する上下の少なくとも一方の側面が、嵌入口側に向かって次第に拡開する傾斜状とされることにより、上下案内面が設けられている。これにより、ブラケットの嵌着溝に防振装置本体の嵌着部を圧入する際に、ブラケットの上下方向において、両嵌着部を嵌着溝間の中央位置に確実にセンタリングすることができる。その結果、ブラケットの上下方向における嵌着溝と嵌着部間の相対的な寸法ばらつきの抑制を図り、圧入作業をスムーズになし得る。しかも、上下案内面は、保持ゴムが押し付けられる領域を嵌入口側に外れた位置に設けられていることから、圧入完了後における、保持ゴムの圧縮量が上下案内面の影響を受けることが回避されている。その結果、保持ゴムの圧縮反力に基づく静摩擦による固定力を維持しつつ、作業性の向上やブラケットと防振装置本体の位置決め安定性の向上を図ることができる。

発明の効果

0021

本発明によれば、簡単に製造可能な構造によって、嵌着部と嵌着溝の対向面間に生じる固定力を有利に向上可能なブラケット付き防振装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

0022

本発明の第一の実施形態としてのエンジンマウントを示す斜視図
図1に示すエンジンマウントを別角度で示す斜視図
図1に示すエンジンマウントの正面図
図1に示すエンジンマウントを構成するマウント本体の斜視図
図3のV−V断面図
図5のVI−VI断面図
図3のVII−VII断面図
図3のVIII−VIII断面図

実施例

0023

以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。

0024

図1〜8には、本発明に係るブラケット付き防振装置の第一の実施形態として、自動車用のエンジンマウント10が示されている。エンジンマウント10は、防振装置本体としてのマウント本体12を備えている。以下の説明において、原則として、上下方向とはマウント中心軸方向である図3中の上下方向を、前後方向とは図3中の紙面直交方向を、左右方向とは図3中の左右方向を、それぞれ言う。

0025

より詳細には、マウント本体12は、図4に示すように、第一の取付部材14と第二の取付部材16が本体ゴム弾性体18によって連結された構造を有している。

0026

第一の取付部材14は、金属や合成樹脂などで形成された高剛性の部材であって、図4,5に示すように、中実円形ブロック状とされている。第一の取付部材14は、下方に向けて小径となっている。第一の取付部材14は、上面に開口して上下方向に延びるねじ穴20を有している。

0027

第二の取付部材16は、第一の取付部材14と同様に金属や合成樹脂などで形成された高剛性の部材であって、中央部分に透孔22を有する略矩形枠状とされている。第二の取付部材16は、外周部分が内周部分よりも下方へ突出して上下寸法を大きくされている。図3の左右方向に相当する第二の取付部材16の幅方向の両側における上下寸法の大きい第二の取付部材16の外周部分によって、後述するアウタブラケット66の一対の嵌着溝86に嵌め入れられる一対の嵌着部24が構成されている。

0028

第一の取付部材14と第二の取付部材16は、略同一中心軸上で上下に離れて配置されて、それら第一の取付部材14と第二の取付部材16の間に本体ゴム弾性体18が設けられている。本体ゴム弾性体18は、略円錐台形状とされて、小径側となる上部に第一の取付部材14が固着されていると共に、大径側となる下部の外周面に第二の取付部材16が固着されている。本体ゴム弾性体18は、成形時に第一の取付部材14と第二の取付部材16に加硫接着されている。

0029

本体ゴム弾性体18は、下方に向けて開口する凹状部26を備えている。この凹状部26は、周壁の上部が上方に向けて小径となるテーパ形状とされている。本体ゴム弾性体18は、凹状部26が形成されることによって、下方に向けて外周へ傾斜するテーパ状の断面形状を有している。

0030

本体ゴム弾性体18の大径側となる下部の外周面は、第二の取付部材16の上面の内周部分および透孔22を画成する第二の取付部材16の内周面(以下、透孔22の内周面という)の両方に跨って固着されている。さらに、第二の取付部材16における幅方向両側に設けられた一対の嵌着部24,24には、図3,4,6,8に示すように、各嵌着部24の下面と外周面には、後述する嵌着溝86への嵌め入れ状態で圧縮される、保持ゴム28と側方保持ゴム29がそれぞれ固着されている。保持ゴム28は、本体ゴム弾性体18が透孔22の内周面を通じて第二の取付部材16の下面側に回されることによって、本体ゴム弾性体18と一体形成されている。また、本体ゴム弾性体18が第二の取付部材16の下面からさらに外周面にまわされることによって、側方保持ゴム29が本体ゴム弾性体18と一体形成されている。各嵌着部24に固着された保持ゴム28と側方保持ゴム29は、図4,7に示すように、第二の取付部材16の前後方向の中央部分に固着されており、本体ゴム弾性体18の凹状部26の外周側で本体ゴム弾性体18と連続している(図6参照)。

0031

一方、各嵌着部24の上面は、ゴム部材に覆われることなく第二の取付部材16がそのまま露呈された固定面31とされている。図4に示すように、各嵌着部24の上面に設けられた固定面31は、後述する嵌着溝86への嵌着部24の嵌め入れ方向において、嵌着部24の上面の全長(図4中、A矢印部分)に亘って連続して延びて設けられている。

0032

第二の取付部材16には、仕切部材30が取り付けられている。仕切部材30は、全体として略円板形状とされており、仕切部材本体32と蓋部材34の間に可動部材36を配した構造を有している。

0033

仕切部材本体32は、外周部分を周方向に一周に満たない長さで延びる周溝38が、上面に開口して形成されている。周溝38の一方の端部には、周溝38の下壁部を貫通する下連通孔40が形成されている。仕切部材本体32の内周部分には、環状の収容凹所42が上面に開口して形成されている。収容凹所42の下壁部には、複数の下透孔44が貫通形成されている。

0034

蓋部材34は、薄肉円板形状とされており、仕切部材本体32の上面に重ね合わされて固定されている。蓋部材34には、周溝38の他方の端部を覆う部分に上連通孔35が形成されている。蓋部材34には、収容凹所42を覆う部分に複数の上透孔37が形成されている。

0035

仕切部材本体32の収容凹所42には、可動部材36が収容されている。可動部材36は、略円板形状のゴム弾性体であって、内周端部と外周端部がそれぞれ上側へ突出して厚肉とされている。そして、可動部材36が収容凹所42に差し入れられた状態で、蓋部材34が仕切部材本体32に固定されることにより、可動部材36が仕切部材本体32と蓋部材34の間で収容凹所42に収容されている。可動部材36は、厚肉とされた内周端部と外周端部が、仕切部材本体32と蓋部材34の上下方向間で挟持されており、それら内周端部と外周端部の間において厚さ方向の弾性変形を許容されている。

0036

仕切部材30の下方には、薄肉のエラストマで形成された可撓性膜46が設けられている。可撓性膜46は、外周端部が厚肉とされて、仕切部材本体32の下面に重ね合わされている。そして、可撓性膜46の外周端部に対して、枠状の支持部材48が下方から重ね合わされており、後述するマウント本体12のアウタブラケット66への装着状態において、可撓性膜46の外周端部が仕切部材本体32と支持部材48の間で挟持されている。

0037

支持部材48は、第二の取付部材16と同様に高剛性の部材とされている。支持部材48は、後述するマウント本体12のアウタブラケット66への装着状態において、内周部分が可撓性膜46を挟持すると共に、外周部分が仕切部材本体32の下面に当接する。これにより、支持部材48が仕切部材本体32を介して第二の取付部材16に対して位置決めされている。

0038

支持部材48の前方には、係止部50が設けられている。係止部50は、図4,5に示すように、支持部材48の前面から延び出す板状の挿通部52と、挿通部52から上方へ突出する係止突起54とが、一体形成された構造を有している。係止突起54の後方の側面は、前後方向に対して略直交して広がっている。係止部50の前端面は、前方に向けて下傾する案内傾斜面56とされている。これにより、係止部50の突出先端部分は、突出先端側である前側に向けて上下方向で次第に薄肉とされている。

0039

本体ゴム弾性体18の一体加硫成形品を構成する第二の取付部材16に対して、仕切部材30と可撓性膜46が取り付けられることにより、本体ゴム弾性体18と仕切部材30の間には、壁部の一部が本体ゴム弾性体18で構成された受圧室58が形成される。更に、仕切部材30と可撓性膜46の間には、壁部の一部が可撓性膜46で構成された平衡室60が形成される。受圧室58と平衡室60には、非圧縮性流体封入される。非圧縮性流体は特に限定されるものではないが、例えば水やエチレングリコールなどが採用される。非圧縮性流体は、混合液であっても良い。

0040

受圧室58と平衡室60は、周溝38を含んで構成されるオリフィス通路62によって、相互に連通されている。オリフィス通路62は、仕切部材30の外周部分を周方向に延びて、両端部が受圧室58と平衡室60の各一方に接続されている。そして、第一の取付部材14と第二の取付部材16の間に上下方向の振動が入力されて、受圧室58と平衡室60の間に内圧差が生じると、受圧室58と平衡室60の間でオリフィス通路62を通じた流体流動が生じて、流体流動作用に基づく高減衰作用などの防振効果が発揮されるようになっている。オリフィス通路62は、流動流体共振周波数であるチューニング周波数が、通路断面積通路長さの比によって防振対象振動周波数に調節されており、例えば、エンジンシェイクに相当する10Hz程度の低周波に設定される。

0041

収容凹所42に配された可動部材36の上下両面には、受圧室58の液圧と平衡室60の液圧との各一方が及ぼされている。そして、第一の取付部材14と第二の取付部材16の間に上下方向の振動が入力されて、受圧室58と平衡室60の間に内圧差が生じると、可動部材36が厚さ方向に弾性変形して、受圧室58の液圧を平衡室60に伝達して逃すようになっている。

0042

低周波大振幅振動が入力される場合には、オリフィス通路62を通じた流体流動が共振状態で積極的に生じて、高減衰による防振効果が発揮される。低周波大振幅振動が入力される場合には、可動部材36の変形が追従しきれず、可動部材36の変形による液圧を逃す作用が発揮されないことから、オリフィス通路62を通じた流体の流動が効率的に生じる。中乃至高周波小振幅振動が入力される場合には、オリフィス通路62が反共振によって実質的な目詰まり状態になる。中乃至高周波の小振幅振動が入力される場合には、可動部材36が共振状態で積極的に弾性変形して液圧を逃すことで、低動ばね化による防振効果が発揮される。

0043

マウント本体12には、インナブラケット64とブラケットとしてのアウタブラケット66が取り付けられている。

0044

インナブラケット64は、板状の部材であって、第一の取付部材14の上面に重ね合わされて後方(図5中の右方)へ延び出す連結部68と、連結部68の後方に一体形成された取付部70とを、備えている。連結部68は、第一の取付部材14の上面に重ね合わされる部分に、上下方向に貫通するボルト孔72を備えている。取付部70は、連結部68に対して左右両側へ突出しており、上下方向に貫通するボルト孔74を備えている。そして、インナブラケット64は、連結部68のボルト孔72に挿通された連結ボルト76が、第一の取付部材14のねじ穴20に螺着されることで、第一の取付部材14に固定されて、マウント本体12に取り付けられている。

0045

アウタブラケット66は、一対の脚部78,78を備えている。一対の脚部78,78は、それぞれ上下方向に延びており、左右方向で相互に対向して設けられている。一対の脚部78,78の上端部は、一体形成された天壁部80によって相互に連結されている。一対の脚部78,78の下端部には、左右方向の外側へ向けて突出する取付片82がそれぞれ設けられており、各取付片82には上下方向に貫通するボルト孔84が形成されている(図1,2参照)。

0046

一対の脚部78,78は、図3におけるアウタブラケット66の幅方向となる図3の左右方向で対向する対向内面85,85を有しており、対向内面85,85に開口する嵌着溝86,86を備えている。一対の嵌着溝86,86は、アウタブラケット66の幅方向で対向する対向底面86a,86aを有している。嵌着溝86,86は、前後方向で直線的に延びており、一方の端部が一対の脚部78,78の前端(図7中、上方)まで達して前面に開口しており第二の取付部材16の嵌着部24が嵌め入れられる嵌入口を構成している。また、嵌着溝86,86の他方の端部は、一対の脚部78,78の後端図7中、下方)までは達していない。嵌着溝86,86の対向底面86a,86aは、第二の取付部材16の嵌着部24が嵌め入れられる嵌入口側(図7中、上方)に向かって次第に拡開する左右案内面87,87が設けられている。すなわち、アウタブラケット66の幅方向両側に設けられた嵌着溝86,86の対向底面86a,86aの対応方向距離が、左右案内面87,87によって嵌入口側に向かって次第に大きくなっている。

0047

左右案内面87,87は、嵌着溝86,86の長手方向(図7中、上下方向)において、嵌入口側の端部に設けられている。嵌着溝86,86に嵌め入れられた嵌着部24,24に設けられた側方保持ゴム29,29が嵌着溝86,86に対して押し付けられる領域は、嵌着溝86,86の長手方向の中央部分に設けられている。それゆえ、嵌着溝86,86では、左右案内面87,87が、側方保持ゴム29,29が押し付けられる領域よりも、嵌入口側(図7中、上側)に外れて離隔した位置に設けられている。

0048

各嵌着溝86において、溝幅方向(図8中、上下方向)で対向する上下の側面の一方となる上側面には、各嵌着溝86の嵌入口側(図8中、右側)に向かって次第に拡開する上下案内面89が設けられている。すなわち、各嵌着溝86の溝幅寸法が、上下案内面89によって、嵌入口側に向かって次第に大きくなっている。なお、上下案内面89,89は、下側面に設けてもよいし、上側面と下側面の両方に設けてもよい。

0049

上下案内面89,89は、嵌着溝86,86の長手方向(図8中、左右方向)において、嵌入口側の端部に設けられている。嵌着溝86,86に嵌め入れられた嵌着部24,24に設けられた保持ゴム28,28が嵌着溝86,86に対して押し付けられる領域は、嵌着溝86,86の長手方向の中央部分に設けられている。それゆえ、嵌着溝86,86では、上下案内面89,89が、保持ゴム28,28が押し付けられる領域よりも、嵌入口側(図8中、右側)に外れて離隔した位置に設けられている。

0050

一対の脚部78,78における嵌着溝86,86よりも下側には、一対の脚部78,78の対向方向の内側に突出する挟持部88が設けられている。挟持部88は、左右両側部分が前後方向の両端において左右方向につながっており、全体として筒状とされている。

0051

一対の脚部78,78の後端部分には、奥壁部90が設けられている。奥壁部90は、前後方向に対する交差方向に広がる板状とされており、左右両端部が一対の脚部78,78につながっている。奥壁部90の上端部は、天壁部80に対して下側へ離れており、奥壁部90と天壁部80の間には、前後方向に貫通する挿通孔92が形成されている。奥壁部90には、凹所94が形成されている。凹所94は、図2に示すように、奥壁部90の左右方向の中央部分に形成されている。凹所94は、マウント本体12が配されるスペースに対して外面となる奥壁部90の表面に開口している。凹所94の前後深さ寸法は、マウント本体12における係止部50の係止突起54の後面から先端側の前後寸法よりも大きくされている。

0052

図5に示すように、奥壁部90における凹所94の底部には、係止孔96が形成されている。係止孔96は、奥壁部90を凹所94の形成部分において前後方向に貫通している。係止孔96は、マウント本体12の係止部50の前後方向の投影形状と略対応する孔断面形状を有している。

0053

マウント本体12は、アウタブラケット66に取り付けられている。即ち、マウント本体12は、アウタブラケット66の一対の脚部78,78と天壁部80と挟持部88とによって囲まれたスペースに対して、前方から組付方向である後方へ向けて差し入れられて配される。その際に、マウント本体12の第二の取付部材16は、図3に示すように、第二の取付部材16の幅方向両側に設けられた嵌着部24,24が、アウタブラケット66の幅方向両側の対向内面85,85に設けられた嵌着溝86,86に嵌め入れられる。また、マウント本体12の第二の取付部材16は、支持部材48の下面がアウタブラケット66の挟持部88の上面に重ね合わされる。これらにより、第二の取付部材16がアウタブラケット66に固定されて、マウント本体12がアウタブラケット66に上下方向と略直交する横方向から組み付けられる。

0054

マウント本体12をアウタブラケット66に横方向から圧入して組み付ける際には、先ず、マウント本体12の嵌着部24,24をアウタブラケット66の嵌着溝86,86の嵌入口に位置合わせして挿し入れる。この際、嵌着溝86,86の嵌入口には、対向底面86a,86aが嵌入口側に向かって次第に拡開する傾斜状とされた左右案内面87,87が設けられている。それゆえ、アウタブラケット66の幅方向において、マウント本体12の嵌着部24,24をアウタブラケット66の嵌着溝86,86間の中央位置に確実にセンタリングすることができる。その結果、アウタブラケット66の幅方向における嵌着部24,24と嵌着溝86,86の間の相対的な寸法ばらつきの抑制を図ることができ、圧入作業を安定して実行可能である。

0055

さらに、嵌着溝86,86の嵌入口には、嵌着溝86,86の溝幅方向で対向する上下側面のうち、上側面において、嵌入口側に向かって次第に拡開する傾斜状とされた上下案内面89,89が設けられている。それゆえ、アウタブラケット66の上下方向において、マウント本体12の嵌着部24,24をアウタブラケット66の嵌着溝86,86間の中央位置に確実にセンタリングすることができる。その結果、アウタブラケット66の上下方向における嵌着部24,24と嵌着溝86,86の間の相対的な寸法ばらつきの抑制を図ることができ、圧入作業を安定して実行可能である。

0056

第二の取付部材16の嵌着部24,24には、それぞれ保持ゴム28,28と側方保持ゴム29,29が固着されている。マウント本体12のアウタブラケット66への横方向の組み付けが完了した状態では、嵌着部24,24の下面と外周面が、保持ゴム28,28と側方保持ゴム29,29を介して嵌着溝86,86に嵌め合わされる。これにより、嵌着溝86,86の長手方向および上下方向において、嵌着部24,24及び嵌着溝86,86の寸法誤差による嵌め合わせの不良が回避されると共に、嵌め合わせに必要な力のバラつきが低減される。

0057

嵌着部24,24の上面に設けられた固定面31,31は、ゴム部材で覆われることなく第二の取付部材16の表面が露呈されたものであり、保持ゴム28,28の圧縮反力で嵌着溝86,86の上側面に対して押し付けられて静摩擦固定されている。本実施形態では、固定面31,31が、嵌着溝86,86への嵌着部24の嵌め入れ方向において、嵌着部24,24の上面の全長に亘って連続して延びて設けられていることから、保持ゴム28,28の圧縮反力による固定面31,31と嵌着溝86,86との当接面間に生じる静摩擦力による固定力をより安定して確保することができる。

0058

特に、嵌着溝86,86に設定された上下案内面89,89が、上下案内面89,89は、保持ゴム28,28が押し付けられる領域を嵌入口側に外れた位置に設けられていることから、組み付け完了後における、保持ゴム28,28の圧縮量を上下案内面89,89の影響を受けることなく維持することができる。それゆえ、静摩擦による固定力の確保と圧入作業性向上の両立を有利に達成することができる。

0059

嵌着溝86,86に嵌め合わされた第二の取付部材16と、挟持部88の上面に重ね合わされた支持部材48には、上下方向で相互に接近する方向の力が作用する。これにより、透孔22と仕切部材30の間で本体ゴム弾性体18の下端部が上下方向に圧縮されると共に、仕切部材30と支持部材48の間で可撓性膜46の外周端部が上下方向に圧縮される。これにより、受圧室58及び平衡室60の壁部における流体密性が高められて、液漏れなどの不具合が回避される。

0060

図5に示すように、マウント本体12がアウタブラケット66に組み付けられることによって、マウント本体12の支持部材48に設けられた係止部50は、アウタブラケット66の奥壁部90に形成された係止孔96に挿通される。即ち、マウント本体12におけるアウタブラケット66への組付方向の先端部分に設けられた係止部50は、案内傾斜面56が係止孔96の開口周縁部に押し当てられることにより、係止部50が弾性的に撓みながら係止孔96に挿通される。係止部50の係止突起54が係止孔96よりも前方まで移動すると、係止孔96の周壁内面と係止突起54との押し当てが解除されて、係止部50が初期形状復元し、係止部50が挿通部52において係止孔96に挿通された状態とされる。

0061

係止孔96に挿通されて初期形状に復元した係止部50は、係止突起54の上端部が係止孔96の開口よりも上側まで突出した状態とされる。これにより、マウント本体12がアウタブラケット66に対して組付方向と反対の抜け方向となる後方へ移動しようとすると、係止部50の係止突起54が係止孔96の開口周縁部に係止されて、マウント本体12のアウタブラケット66に対する後方への戻りが阻止される。このように、マウント本体12の係止部50が、アウタブラケット66の係止孔96に挿入係止されることで、マウント本体12のアウタブラケット66からの抜けを防止する抜止機構が構成されている。

0062

マウント本体12とアウタブラケット66の分離を防止する抜止機構は、マウント本体12の嵌着部24,24がアウタブラケット66の嵌着溝86,86へ嵌め合わされたマウント本体12とアウタブラケット66の組付構造とは独立して設けられている。それ故、嵌着部24,24と嵌着溝86,86の嵌め合わせによるマウント本体12とアウタブラケット66の組付強度を十分に確保しながら、マウント本体12のアウタブラケット66からの抜けを阻止することができる。

0063

なお、インナブラケット64とアウタブラケット66がマウント本体12に装着されたエンジンマウント10は、例えば、インナブラケット64が、取付部70のボルト孔74,74に挿通される図示しないボルトによって、図示しないパワーユニットに取り付けられる。インナブラケット64は、アウタブラケット66の挿通孔92を通じて、アウタブラケット66の奥壁部90よりも前方へ突出している。また、エンジンマウント10は、例えば、アウタブラケット66が、取付片82,82のボルト孔84,84に挿通される図示しないボルトによって、図示しない車両ボデーに取り付けられる。これらにより、パワーユニットが車両ボデーに対してエンジンマウント10を介して防振連結されている。

0064

このような構造とされた本実施形態のエンジンマウント10においては、嵌着溝86,86の内面である上側面に対して静摩擦固定される固定面31,31が、嵌着部24,24の上面に設けられていることから、嵌着部24,24の下面に設けられていた従来構造に比して、マウント本体12の第一の取付部材14から固定面31,31までの離隔距離を小さくすることができる。その結果、マウント本体12の第一の取付部材14と固定面31との間に入力される外力による発生モーメントが小さくなり、嵌着部24,24と嵌着溝86,86の対向面間に生じる固定力を有利に向上させることができる。

0065

また、第二の取付部材16が透孔22を有する矩形枠形状とされており、本体ゴム弾性体18が、透孔22の内周面を通じて第二の取付部材16の下面側にまわされることにより、第二の取付部材16の嵌着部24の下面に対して本体ゴム弾性体18と一体形成された保持ゴム28,28を容易に設けることができ、良好な生産性を実現できる。特に、第二の取付部材16の透孔22の内周面を利用して、本体ゴム弾性体18から嵌着部24の下面に至る経路を確保でき、良好な設計自由度をもって、本体ゴム弾性体18と保持ゴム28,28を接続する接続部分の肉厚も大きく設定することができる。その結果、成形時のゴム材料の流れも良好に確保することができ、製造安定性も得ることができる。

0066

さらに、嵌着部24の下面に保持ゴム28が設けられ、嵌着部24の上面が固定面31とされている。これにより、例えば、マウント本体12に収容保持されている可撓性膜46等のゴム部材の反力が嵌着部24の上面に設けられた固定面31に及ぼされることが有利に回避されている。その結果、嵌着部24の固定面31と嵌着溝86の内面間の静摩擦による固定力を安定して確保することができる。

0067

また、側方保持ゴム29,29は、本体ゴム弾性体18が第二の取付部材16の下面からさらに外周面に回されることにより、本体ゴム弾性体18と一体的に設けられている。これにより、側方保持ゴム29,29の成形時のゴム材料の流れを良好に確保しつつ本体ゴム弾性体18と一体的に設けられた耐久性に優れた側方保持ゴム29,29を有利に形成することができる。

0068

以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、前記実施形態のエンジンマウント10を構成するマウント本体12として流体封入式のものを例に説明したが、防振装置本体は、液封構造のものに限定されず、受圧室や平衡室などの液封構造を持たないソリッドタイプの防振装置本体を採用することもできる。その場合でも、本発明の作用効果が同様に発揮され得る。また、防振装置本体のブラケットへの組付けによって受圧室及び平衡室のシールが完了する構造には限定されず、ブラケットに取り付ける前の防振装置本体の単体状態でシールが完了していても良い。

0069

マウント本体12の嵌着部24,24の上面に設けられる固定面31,31は、必ずしも嵌着溝86,86への嵌め入れ方向の全長に亘って連続して延びている必要はなく、所定長さに亘って設けられたり、嵌め入れ方向に分断された複数箇所に設けられていてもよい。

0070

マウント本体12の嵌着部24,24の上面に設けられる固定面31,31は、嵌着部24,24を構成する第二の取付部材16の表面がゴム部材等によって覆われることなく露呈されたものであればよく、マウント本体12の成形時に嵌着部24に生じたゴムバリ等を取り除くことにより露呈されたものであっても、本発明の権利範囲に含まれることは勿論である。

0071

上述の実施形態では、各嵌着部24の外周面に本体ゴム弾性体18と一体形成された側方保持ゴム29が固着されていたが、側方保持ゴム29は必ずしも設ける必要はなく、本体ゴム弾性体18を別体に設けられていてもよい。

0072

第二の取付部材16の少なくとも一方の嵌着部24,24の固定面31と、固定面31が押し付けられる嵌着溝86の内面における対応する部位には、凹凸係合構造によって、第二の取付部材16のアウタブラケット66への組付方向と反対に向かう戻りを阻止する安全機構が設けられていてもよい。ゴム部材を介することなく直接に重ね合されて密接状態が維持され静摩擦固定される領域に、凹凸の係合構造を設けることで、アウタブラケット66からのマウント本体12の抜け出しをより確実に阻止することができる。

0073

10エンジンマウント(ブラケット付き防振装置)
12マウント本体(防振装置本体)
14 第一の取付部材
16 第二の取付部材
18本体ゴム弾性体
20ねじ穴
22透孔
24 嵌着部
26 凹状部
28保持ゴム
29側方保持ゴム
30仕切部材
31 固定面
32 仕切部材本体
34蓋部材
35 上連通孔
36可動部材
37上透孔
38周溝
40 下連通孔
42収容凹所
44 下透孔
46 可撓性膜
48支持部材
50係止部
52挿通部
54係止突起
56案内傾斜面
58受圧室
60平衡室
62オリフィス通路
64インナブラケット
66アウタブラケット(ブラケット)
68 連結部
70取付部
72 (連結部の)ボルト孔
74 (取付部の)ボルト孔
76連結ボルト
78 脚部
80天壁部
82取付片
84 ボルト孔
85対向内面
86 嵌着溝
86a対向底面
87左右案内面
88 挟持部
89 上下案内面
90奥壁部
92挿通孔
94凹所
96 係止孔

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