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技術 ダイヤフラムバルブ

出願人 株式会社キッツエスシーティー
発明者 高山朝克
出願日 2019年3月26日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2019-057630
公開日 2020年10月1日 (4ヶ月経過) 公開番号 2020-159406
状態 未査定
技術分野 リフト弁 弁の細部(II)
主要キーワード 外周平面 水平シート ガス配管系統 略線接触 上向き凸状 ガス置換性 凝縮付着 図上下方
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年10月1日)のものです。
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図面 (9)

課題

簡易な構成でありながら、反応生成物弁体シール部への発生・堆積を効果的に防いで弁閉時の噛み込みを抑制し、もって多数の開閉や長期間の使用を経てもバルブ遮断性を良好に維持できるダイヤフラムバルブを提供することにある。

解決手段

弁箱内円錐形状のシート体を保持したシートホルダダイヤフラムピースを結合し、ダイヤフラム内径外周縁をシートホルダとダイヤフラムピースで狭着させ、ダイヤフラムピースをボンネット上下動可能に保持し、ボンネットとダイヤフラムの外周縁を狭着してシート体をダイヤフラムに吊り下げ構造とし、シート体の円錐面に形成した円錐シール部と、弁箱の一次側開口縁に形成した削ぎ落し弁座部とを有し、円錐シール部に生成された反応生成物をシート体の摺動運動により削ぎ落しつつ円錐シール部を削ぎ落し弁座部でシールするようにしたダイヤフラムバルブである。

概要

背景

一般的に、半導体製造装置におけるガス配管系統は、プロセスチャンバーに対するガス供給系及びガス排気系などから構成され、このような配管系統に用いられるバルブとしては、特に、パーティクルフリーデッドスペースフリーといった特性要求から、摺動部が少なくデッドスペースが最小限であり、高いガス置換性クリーン性構造的充足し易いダイヤフラムバルブ(特にダイレクトタッチ型)が採用される。

この種のバルブは種々提案されているが、例えば特許文献1〜3に示されるバルブが存在する。特許文献1は、ダイレクトタッチ型であり、1次側流路開口縁部にリング状の弁座シートが固着され、この弁座シートの上部にはダイヤフラムが狭着されており、弁閉時には、ダイヤフラムが上部から押圧されて湾曲することで弁座シートのシール面にダイレクトに着座する構造となっている。特許文献2は、吊り下げ型であり、ダイヤフラムは、外周縁部が弁室上部に狭着され、内径口側がシートホルダに狭着されて弁室内密封しており、シートホルダにはシートが固着されてボンネットと共に弁室内で上下動可能に設けられ、弁室内で吊り下げ状となったシートがボンネット(ステム)の上下動に伴い弁座に着座する構造となっている。特許文献3も同文献2と同様に吊り下げ型の一例である。

特許文献1、2は、何れも、弁体が弁座に着座する面として形成される環状シール面は、略同一平面上に形成される線状又は面状であり、通常このような水平面上の環状シール面で弁閉する構造は、強い押圧力で弁閉できるので、流路の遮断性が重要な開閉弁において多用される。一方で、特許文献3では、円錐状の弁体シール面が環状の弁座シール面線接触又は面接触で着座可能なダイヤフラムバルブである。このような、着座により形成される環状シール面が円錐面上に形成される構造は、とくに流量調整弁において用いられることが多い。

一方で、上記ダイヤフラムバルブには、使用に伴う反応生成物が接ガス部全体(特に、弁体や弁座)に発生し得る問題が不可避である。一般的にも、各種の半導体製造装置のほか、液晶太陽電池光ファイバーなどを製造する際に用いられる特殊材料ガスには、SiH4(モノシラン)、B2H6(ジボラン)、PH3(ホスフィン)、AsH3(アルシン)、ClF3(三弗化塩素)、SiF4(四弗化珪素)など、化学反応性に富んだ様々な材料ガスを流すため、配管内の流体滞留し易いデッドスペースなどにガス成分が配管内に発生・堆積したり、配管内の圧力が高まることによりガスや水分が凝縮して付着・堆積したり、或は、温度が低い箇所にガスや水分の凝縮付着が生じたり、さらには、温度が高い箇所や凝縮付着した成分から分解・解離により副生成物が生じるなどにより、材料ガスを扱う配管内には種々の反応生成物が発生・堆積しやすい。

このような反応生成物が弁体と弁座との間に発生した場合は、弁閉の際に反応生成物が噛み込まれる形で介在してしまうことにより、弁体と弁座との密着性が失われ易くなるため、バルブ本来の遮断性が損われ易くなる。特に、半導体製造装置に用いられるダイヤフラムバルブでは、高精度な遮断性を確保するため、高精度な形状寸法により弁体と弁座とのシール面が設定されていることも多いため、たとえ反応生成物の発生量が僅かであっても、すなわちシール性能の毀損が僅かであっても、要求精度を失ってしまう場合も多い。

また、上記のようにして挟まった反応生成物が固化した場合は、弁閉によって噛み込まれた際に弁座が損傷してしまうこともあり、この場合は、たとえ噛み込み状態にある反応生成物を除去できたとしても、弁座の損傷によりバルブが使用できなくなることもある。このような問題も、バルブに要求される性能が高いほど生じやすいと言える。

さらに、近年、半導体製造プロセスに使用されるガスには、さらなる供給流量の増加と多様化が要求されている。このため、特に供給ガスの開閉弁として使用される上記のようなダイヤフラムバルブにも、流量の増加が必要となると共に、取り扱うガスの種類も複雑化している。よって、配管流路大流量化に伴い、配管内にはさらにガスが滞留し易くなる場合が有ると共に、材料ガスの多品種化に伴い、反応生成物も、除去が困難な性質のものが生じやすい場合が有る。また、大流量化に伴う配管内の駆動圧力高圧化によって、材料ガスがさらに凝縮付着し易くなる場合も有る。さらに、設備の大型化・複雑化に伴って、配管の温度管理も難しくなる場合も有るため、温度の偏りが生じやすくなることにより、反応生成物の発生量も増大する場合も有るといえる。

しかも、上記のようなダイヤフラムバルブでは、弁室内にガスが流れ込む1次側流路の開口位置の直近に弁体が常に面している構造なので、バルブを使用する間、弁体のシール面側は常にガスに曝され続けることになり、特に弁体のシール面には反応生成物が発生・堆積しやすいと言える。

概要

簡易な構成でありながら、反応生成物の弁体シール部への発生・堆積を効果的に防いで弁閉時の噛み込みを抑制し、もって多数の開閉や長期間の使用を経てもバルブの遮断性を良好に維持できるダイヤフラムバルブを提供することにある。弁箱内円錐形状のシート体を保持したシートホルダとダイヤフラムピースを結合し、ダイヤフラムの内径口外周縁をシートホルダとダイヤフラムピースで狭着させ、ダイヤフラムピースをボンネットで上下動可能に保持し、ボンネットとダイヤフラムの外周縁を狭着してシート体をダイヤフラムに吊り下げ構造とし、シート体の円錐面に形成した円錐シール部と、弁箱の一次側開口縁に形成した削ぎ落し弁座部とを有し、円錐シール部に生成された反応生成物をシート体の摺動運動により削ぎ落しつつ円錐シール部を削ぎ落し弁座部でシールするようにしたダイヤフラムバルブである。

目的

本発明は上記問題点を解決するために開発されたものであり、その目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

弁箱内円錐形状のシート体を保持したシートホルダダイヤフラムピースを結合し、ダイヤフラム内径外周縁を前記シートホルダと前記ダイヤフラムピースで狭着させ、前記ダイヤフラムピースをボンネット上下動可能に保持し、前記ボンネットと前記ダイヤフラムの外周縁を狭着して前記シート体を前記ダイヤフラムに吊り下げ構造とすると共に、前記シート体の円錐面に形成した円錐シール部と、前記弁箱の一次側開口縁に形成した削ぎ落し弁座部とを有し、前記円錐シール部に生成された反応生成物を前記シート体の摺動運動により削ぎ落しつつ前記円錐シール部を前記削ぎ落し弁座部でシールするようにしたことを特徴とするダイヤフラムバルブ

請求項2

前記円錐シール部の円錐面長さは、当該円錐シール部が削ぎ落し弁座部に着座した時点から摺動してシールするまでの距離である請求項1に記載のダイヤフラムバルブ。

請求項3

前記シート体の円錐面の上部に水平シート部を形成し、前記円錐シール部が前記削ぎ落し弁座部に着座する時とほぼ同時に前記水平シート部が前記削ぎ落し弁座部の外周平面に形成した水平弁座部に着座するようにした請求項1又は2に記載のダイヤフラムバルブ。

請求項4

前記水平シート部又は前記水平弁座部に環状突起部を形成した請求項3に記載のダイヤフラムバルブ。

請求項5

前記環状突起部が前記水平シート部又は前記水平弁座部に着座してシールするまでのストローク距離と前記円錐シール部が前記削ぎ落し弁座部に着座してシールするまでのストローク距離とをほぼ同じにした請求項3又は4に記載のダイヤフラムバルブ。

請求項6

前記削ぎ落し弁座部は、R面取り又はC面取りである請求項1乃至5の何れか1項に記載のダイヤフラムバルブ。

請求項7

前記ダイヤフラムピースは、自動又は手動で上下動可能に設けた請求項1乃至6の何れか1項に記載のダイヤフラムバルブ。

技術分野

0001

本発明は、ダイヤフラムバルブに関し、特に半導体製造装置における自動又は手動開閉弁として用いられるダイヤフラムバルブに関する。

背景技術

0002

一般的に、半導体製造装置におけるガス配管系統は、プロセスチャンバーに対するガス供給系及びガス排気系などから構成され、このような配管系統に用いられるバルブとしては、特に、パーティクルフリーデッドスペースフリーといった特性要求から、摺動部が少なくデッドスペースが最小限であり、高いガス置換性クリーン性構造的充足し易いダイヤフラムバルブ(特にダイレクトタッチ型)が採用される。

0003

この種のバルブは種々提案されているが、例えば特許文献1〜3に示されるバルブが存在する。特許文献1は、ダイレクトタッチ型であり、1次側流路開口縁部にリング状の弁座シートが固着され、この弁座シートの上部にはダイヤフラムが狭着されており、弁閉時には、ダイヤフラムが上部から押圧されて湾曲することで弁座シートのシール面にダイレクトに着座する構造となっている。特許文献2は、吊り下げ型であり、ダイヤフラムは、外周縁部が弁室上部に狭着され、内径口側がシートホルダに狭着されて弁室内密封しており、シートホルダにはシートが固着されてボンネットと共に弁室内で上下動可能に設けられ、弁室内で吊り下げ状となったシートがボンネット(ステム)の上下動に伴い弁座に着座する構造となっている。特許文献3も同文献2と同様に吊り下げ型の一例である。

0004

特許文献1、2は、何れも、弁体が弁座に着座する面として形成される環状シール面は、略同一平面上に形成される線状又は面状であり、通常このような水平面上の環状シール面で弁閉する構造は、強い押圧力で弁閉できるので、流路の遮断性が重要な開閉弁において多用される。一方で、特許文献3では、円錐状の弁体シール面が環状の弁座シール面線接触又は面接触で着座可能なダイヤフラムバルブである。このような、着座により形成される環状シール面が円錐面上に形成される構造は、とくに流量調整弁において用いられることが多い。

0005

一方で、上記ダイヤフラムバルブには、使用に伴う反応生成物が接ガス部全体(特に、弁体や弁座)に発生し得る問題が不可避である。一般的にも、各種の半導体製造装置のほか、液晶太陽電池光ファイバーなどを製造する際に用いられる特殊材料ガスには、SiH4(モノシラン)、B2H6(ジボラン)、PH3(ホスフィン)、AsH3(アルシン)、ClF3(三弗化塩素)、SiF4(四弗化珪素)など、化学反応性に富んだ様々な材料ガスを流すため、配管内の流体滞留し易いデッドスペースなどにガス成分が配管内に発生・堆積したり、配管内の圧力が高まることによりガスや水分が凝縮して付着・堆積したり、或は、温度が低い箇所にガスや水分の凝縮付着が生じたり、さらには、温度が高い箇所や凝縮付着した成分から分解・解離により副生成物が生じるなどにより、材料ガスを扱う配管内には種々の反応生成物が発生・堆積しやすい。

0006

このような反応生成物が弁体と弁座との間に発生した場合は、弁閉の際に反応生成物が噛み込まれる形で介在してしまうことにより、弁体と弁座との密着性が失われ易くなるため、バルブ本来の遮断性が損われ易くなる。特に、半導体製造装置に用いられるダイヤフラムバルブでは、高精度な遮断性を確保するため、高精度な形状寸法により弁体と弁座とのシール面が設定されていることも多いため、たとえ反応生成物の発生量が僅かであっても、すなわちシール性能の毀損が僅かであっても、要求精度を失ってしまう場合も多い。

0007

また、上記のようにして挟まった反応生成物が固化した場合は、弁閉によって噛み込まれた際に弁座が損傷してしまうこともあり、この場合は、たとえ噛み込み状態にある反応生成物を除去できたとしても、弁座の損傷によりバルブが使用できなくなることもある。このような問題も、バルブに要求される性能が高いほど生じやすいと言える。

0008

さらに、近年、半導体製造プロセスに使用されるガスには、さらなる供給流量の増加と多様化が要求されている。このため、特に供給ガスの開閉弁として使用される上記のようなダイヤフラムバルブにも、流量の増加が必要となると共に、取り扱うガスの種類も複雑化している。よって、配管流路大流量化に伴い、配管内にはさらにガスが滞留し易くなる場合が有ると共に、材料ガスの多品種化に伴い、反応生成物も、除去が困難な性質のものが生じやすい場合が有る。また、大流量化に伴う配管内の駆動圧力高圧化によって、材料ガスがさらに凝縮付着し易くなる場合も有る。さらに、設備の大型化・複雑化に伴って、配管の温度管理も難しくなる場合も有るため、温度の偏りが生じやすくなることにより、反応生成物の発生量も増大する場合も有るといえる。

0009

しかも、上記のようなダイヤフラムバルブでは、弁室内にガスが流れ込む1次側流路の開口位置の直近に弁体が常に面している構造なので、バルブを使用する間、弁体のシール面側は常にガスに曝され続けることになり、特に弁体のシール面には反応生成物が発生・堆積しやすいと言える。

先行技術

0010

特開2018−168970号公報
特開2013−113418号公報
実開昭62−194251号公報

発明が解決しようとする課題

0011

しかしながら、特許文献1〜3を含め、従来のダイヤフラムバルブでは、上記のように弁体と弁座との間のシール面に反応生成物が存在することから生じる問題に対して、バルブそれ自体としては、何ら対応することができない。すなわち、従来技術では、上記のようにシール面に反応生成物が不均一に発生・堆積し、この生成物が弁閉時には噛み込まれる状態となり、バルブの遮断性が損なわれつつある中で使用を継続しても、この状態は、そのままでは回復することはなく、多くの場合では悪化する一方となる。そして、バルブの遮断性を回復しようとする場合は、必要な部品乃至バルブ自体を交換したり、少なくともバルブの使用を中断して別途の手段で生成付着物を除去するなど、所定のメンテナンス作業が不可避となる。

0012

このようなメンテナンス作業は、製造製品歩留まりを減少させると共に、コスト性を悪化させる。特に、近年は上述したような背景事情から、反応生成物の増大や高いシール性(遮断性)の確保などのため、メンテナンス作業の頻度作業量も増大する場合もある。特に、シール面の反応生成物の除去という目的だけのために、ライン運転を中断して部品又はバルブ本体を交換するような事態は、過度な効率の悪化を招くことになる。

0013

したがって、上記のようなメンテナンス作業は、限りなく避けられるべきであり、そのためには、使用中のバルブにおいて、それ自体で弁体に対する反応生成物の発生を抑制ことができるようにする必要がある。ただし、これと併せて、特殊な素材部品形状など、過度なコストアップを招きやすい特殊な構造・手段も極力避け、なるべく簡易な構成で対応することも必要である。そして、このような課題を解決する従来技術の提案はない。

0014

そこで、本発明は上記問題点を解決するために開発されたものであり、その目的とするところは、反応生成物の弁体シール部への発生・堆積を効果的に防いで弁閉時の噛み込みを抑制し、もって多数の開閉や長期間の使用を経てもバルブの遮断性を良好に維持できるダイヤフラムバルブを提供することにある。

課題を解決するための手段

0015

上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、弁箱内円錐形状のシート体を保持したシートホルダとダイヤフラムピースを結合し、ダイヤフラムの内径口外周縁をシートホルダとダイヤフラムピースで狭着させ、ダイヤフラムピースをボンネットで上下動可能に保持し、ボンネットとダイヤフラムの外周縁を狭着してシート体をダイヤフラムに吊り下げ構造とすると共に、シート体の円錐面に形成した円錐シール部と、弁箱の一次側開口縁に形成した削ぎ落し弁座部とを有し、円錐シール部に生成された反応生成物をシート体の摺動運動により削ぎ落しつつ円錐シール部を削ぎ落し弁座部でシールするようにしたダイヤフラムバルブである。

0016

請求項2に係る発明は、円錐シール部の円錐面長さは、円錐シール部が削ぎ落し弁座部に着座した時点から摺動してシールするまでの距離であるダイヤフラムバルブである。

0017

請求項3に係る発明は、シート体の円錐面の上部に水平シート部を形成し、円錐シール部が削ぎ落し弁座部に着座する時とほぼ同時に水平シート部が削ぎ落し弁座部の外周平面に形成した水平弁座部に着座するようにしたダイヤフラムバルブである。

0018

請求項4に係る発明は、水平シート部又は水平弁座部に環状突起部を形成したダイヤフラムバルブである。

0019

請求項5に係る発明は、環状突起部が水平シート部又は水平弁座部に着座してシールするまでのストローク距離と円錐シール部が削ぎ落し弁座部に着座してシールするまでのストローク距離とをほぼ同じにしたダイヤフラムバルブである。

0020

請求項6に係る発明は、削ぎ落し弁座部は、R面取り又はC面取りであるダイヤフラムバルブである。

0021

請求項7に係る発明は、ダイヤフラムピースは、自動又は手動で上下動可能に設けたダイヤフラムバルブである。

発明の効果

0022

請求項1に記載の発明によると、シート体の円錐面に形成した円錐シール部と、弁箱の一次側開口縁に形成した削ぎ落し弁座部とを有し、円錐シール部に生成された反応生成物をシート体の摺動運動により削ぎ落しつつ円錐シール部を削ぎ落し弁座部でシールするようにしたから、バルブの使用に伴うシート体の摺動運動を利用するだけで、円錐シール部に発生して堆積し得る反応生成物を、効果的に取り除くことができる。このため、シール部はバルブの開閉の度に削ぎ落し弁座部との摺動により掃かれることにより、反応生成物の発生・堆積が抑制されたクリーンな状態を長期間に亘って維持できる。よって、従来は、メンテナンスしない限り、シール部に発生・堆積、或は付着する一方であった反応生成物を、バルブの使用動作に伴って効果的に回避することができるので、長期間の使用を経ても、バルブ本来のシール性(遮断性)が損なわれることがなく、もって、開閉弁としての機能を有効に発揮することができる。

0023

請求項2に記載の発明によると、円錐シール部の円錐面長さは、円錐シール部が削ぎ落し弁座部に着座した時点から摺動してシールするまでの距離であるから、削ぎ落し弁座部との摺動によって円錐シール部が削ぎ落される摺動幅(掃き出し幅)によって、反応生成物の掃き出し効果を有効に確保することができる。

0024

請求項3に記載の発明によると、シート体の円錐面の上部に水平シート部を形成し、円錐シール部が削ぎ落し弁座部に着座する時とほぼ同時に水平シート部が削ぎ落し弁座部の外周平面に形成した水平弁座部に着座するようにしたから、削ぎ落し弁座部と水平弁座部との2つの弁座部による2重シール効果によりシール性(遮断性)が確実なものとなる。また、後述するように、シート体に傾きが生じても、弁座に対して軸心を揃えて着座することができるので、バルブの遮断性が損なわれることがない。

0025

請求項4に係る発明によると、水平シート部又は水平弁座部に環状突起部を形成したから、突起部による着座構造とすることができるので、少ない弁閉力で水平シート部と水平弁座部との間のシール性をさらに確実なものとすることができる。

0026

請求項5に係る発明によると、環状突起部が水平シート部又は水平弁座部に着座してシールするまでのストローク距離と円錐シール部が削ぎ落し弁座部に着座してシールするまでのストローク距離とをほぼ同じにしたから、単一のバルブストロークだけによって、2つの弁座部による良好な2重シール効果を確保できる。

0027

請求項6に係る発明によると、削ぎ落し弁座部は、R面取り又はC面取りであるから、簡易なエッジ処理を行うだけで、効果的な削ぎ落し(掃き出し)構造を確保できる。

0028

請求項7に係る発明によると、ダイヤフラムピースは、自動又は手動で上下動可能に設けたから、手動又は自動の何れのタイプであっても本発明のバルブを使用可能となる。

図面の簡単な説明

0029

本例のダイヤフラムバルブ(第2シート体)の縦断面図である。
本例のダイヤフラムバルブ(第1シート体)の全開状態を示した要部拡大断面図である。
本例のダイヤフラムバルブ(第1シート体)の全閉状態をさらに拡大した要部拡大断面図である。
本例のダイヤフラムバルブ(第1シート体)の全開状態の要部を拡大した斜視断面図である。
本例のダイヤフラムバルブ(第2シート体)の全開状態を示した要部拡大断面図である。
本例のダイヤフラムバルブ(第2シート体)の全閉状態をさらに拡大した要部拡大断面図である。
本例のダイヤフラムバルブ(第2シート体)の全開状態の要部を拡大した斜視断面図である。
本例のダイヤフラムバルブ(第3シート体)の全開状態の要部を拡大した斜視断面図である。

実施例

0030

以下、本発明の一実施形態(本例)の構造を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本例のダイヤフラムバルブの全開状態を示した縦断面図であり、先ず、バルブの全体構造を説明する。なお、後述のように、同図のバルブは第2シート体30を用いている。

0031

図1において、ボデー3(弁箱)は、一体的な金属製部材から成り、1次側流路1と2次側流路2とが直線状に穿設されており、この1次側流路1は、弁箱内に設けられた弁室25に向けて一次側開口縁を介して連通しており、この弁室25には2次側流路2が開口している。弁室25の上部には、筒状部8が設けられ、この筒状部8の外周面にはオネジ部8aが設けられている。

0032

図1において、アクチュエータ本体4は、ベース体5を介してボデー3上部に設けられており、ベース体5下部内周には、オネジ部8aと螺合可能なメネジ部5aが設けられている。また、ベース体5上部外周には、オネジ5bが設けられ、カバー体6下部内周のメネジ6aと、Oリング17を介して螺合可能となっている。

0033

図1において、ボンネット7は、肉厚状の略円筒状に形成され、このボンネット7の外周面は、筒状部8の内周面に嵌合している。このように嵌合させた状態で、バルブの組み立ての際には、メネジ部5aにオネジ部8aを締め付けると、後述のように、ボンネット7の下部外周が環状突設部9に締め付けられることで、ダイヤフラム22の外周縁を狭着可能となっている。

0034

図1において、ピストン10は、カバー体6の内部に設けられ、このカバー体6とフランジ部10cとの間に弾発状態で介在するスプリング12により、ピストン10は、同図の下方側に付勢されている。ピストン10の下部には、ステム部10aが突設形成され、このステム部10aは、ベース体5の中央位置に設けられた穴部に、Oリング14を介して上下動可能に嵌合している。フランジ部10cは、外周にOリング15が設けられ、カバー体6の内周面に上下動可能に嵌合している。ピストン10の上部にも、ステム部10dが突設形成され、このステム部10dは、カバー体6の中央位置に設けられた穴部に、Oリング16を介して上下動可能に嵌合している。また、穴部に続いて雌ネジ11が設けられ、図示しないエア源とエアを給排する接続部となっている。

0035

アクチュエータ本体4は、エアオペレイト式であり、後述するように、ピストン10の軸心と同心状にエア流路10bが設けられ、このエア流路10bは、図1に示すように、ベース体5の上面側とフランジ部10cの下面側との間に確保されているエア室13に、連通している。よって、図示しないエア源からエア室13にエアを適宜給排可能となっており、Oリング14〜17は、何れもこのエアをシールしている。

0036

なお、本発明のバルブの駆動源としては、特に制限なく実施に応じて適宜選択できる。すなわち、図示していないが、エア圧で駆動する他の構造のアクチュエータを用いてもよく、また、エア圧以外の駆動源(電動式など)で駆動するタイプのアクチュエータを用いてもよく、さらには、アクチュエータによる自動制御ではなく、手動によりバルブを開閉する(手動によりダイヤフラムピース18を上下動させる)ようにしてもよい。

0037

また、本例のバルブは、例えば半導体製造装置における特殊ガス配管途中に設ける開閉弁として好適であるが、このような使用に限らず、バルブ内(弁体と弁座)に、バルブの使用に伴って暫時所定の生成物が生じ得る使用環境に用いることが好適である。

0038

続いて、本例のバルブの弁箱内部構造を拡大図を用いて説明する。なお、図1〜8において、シート体(水平弁座部)以外の部分のバルブ構造は、実質的に同一であるので、同一部分には同一符号を用いている。また、図2、5は、図1に示したA部に対応した部分拡大断面図となっている。

0039

図2、3、5、6において、ダイヤフラムピース18は、略円柱状に一体形成されており、ダイヤフラムピース18の外周面は、ボンネット7の内周面に上下動可能に嵌合している。この嵌合には、所定の隙間があってもよい。このダイヤフラムピース18と同心状に、結合部19aを介して、シート体を保持するシートホルダ19が、弁室25内に吊り下げ状に結合されている。本例の結合部19aは、螺着により結合しているが、この結合構造も、実施に応じて任意に選択できる。

0040

シートホルダ19は、下面側には、シート体を保持可能な保持部19bを有し、上側には、ダイヤフラムピース18と一体的に上下動しながら結合可能な結合部19aを有している。シートホルダ19は、少なくとも保持部19bや結合部19aが、このように構成されていれば、実施に応じて任意に設けることができる。

0041

ダイヤフラム22は、ステンレスコバルト合金などから成る金属製で、略円形椀状であり、中心位置にはシートホルダ19の結合部19aに同心状に挿通できる穴部が開口しており、外力で変形されても、自然形状に所定の力で自己復帰可能な可撓性を有し、本例では、複数枚が積層されて弁室25内を密封している。ダイヤフラム22の内径口外周縁は、シートホルダ19の結合部19aの頸部位置に環状に形成された突起部19cと、ダイヤフラムピース18下面側との間に、狭着保持されている。本例では、結合部19aの螺着を締め付けてシートホルダ19をダイヤフラムピース18に結合させることにより狭着できるようになっている。

0042

ダイヤフラム22の外周縁は、ボンネット7の下面外周縁部と、弁室25内の外周上部(筒状部8の内周底部)の位置に環状に突設された環状突設部9との間に、狭着保持されている。本例では、メネジ部5a(ベース体5)をオネジ部8a(ボデー3)に締め付けるに伴って、ボンネット7の下面外周縁部が環状突設部9に押し付けられるので、これらの間にダイヤフラム22外周縁を挟み込むことにより、ダイヤフラム22を弁室25内に固定している。

0043

シート体は、本例では、図2〜4に示した第1シート体20と、図1図5〜7に示した第2シート体30と、図8にのみ示した第3シート体40との、3つを例示しているが、本発明のシート体の構成は、これらに限定されず、実施に応じて適宜選択可能である。また、シート体の素材は、樹脂製(PCTFE、PFAPTFEなど)など、所定の可撓性を有する素材から一体的に形成される。

0044

図2〜4において、第1シート体20は、テーパ状に下垂した円錐面を有し、この円錐面の一部には、環状の円錐シール部21が形成される。図4に示すように、円錐シール部21が削ぎ落し弁座部50に着座してシールするまでのストローク距離をL1とし、このストローク方向(同図上下方向)に沿った円錐シール部21の円錐面長さをSとし、円錐シール部21の円錐面に沿った幅をH(不図示)とし、円錐面のストローク方向に対するテーパ角度をθ(不図示)としたとき、H=S/cosθの関係となる。

0045

また、同図の第1シート体20において、円錐シール部21の領域は、同図に示す着座点P1からシール点P2までの幅の領域となる。ここで、後述するように、着座点P1は、円錐シール部21が削ぎ落し弁座部50に着座する位置であり、シール点P2は、着座点P1から摺動する第1シート体20が停止してシールする位置である。

0046

図1、5〜7において、第2シート体30は、第1シート体20と同様に、ストローク距離L1、着座点P1からシール点P2までの領域となる円錐シール部31、円錐面長さSと幅H、テーパ角度θを有しており、さらに、円錐面の上部には、ストローク方向と交差する方向に水平シート部33が設けられ、この水平シート部33の一部には、所定の径で環状突起部32が形成されている。また、削ぎ落し弁座部50の外周側の平面領域には、環状突起部32が対向して着座可能な水平弁座部34がフラット面として形成されている。

0047

また、同図の第2シート体30において、環状突起部32が水平弁座部34に着座してシールするまでのストローク距離をL21とし、この着座の際に、後述するように環状突起部32が圧縮される変形代(ストローク方向)をCとしている。

0048

図8において、第3シート体40では、水平シート部43ではなく、水平弁座部44に環状突起部42を所定の径で形成しており、水平シート部43はフラット面として形成されているが、その他の構造は第2シート体30と同様である。すなわち、第2シート体30と同様に、ストローク距離L1と、着座点P1からシール点P2までの領域となる円錐シール部41、円錐面長さSと幅H、テーパ角度θを有し、また、ストローク距離L22は、第2シート体30のストローク距離L21と異なり、環状突起部42が水平シート部43に着座してシールするまでのストローク距離であり、さらに、環状突起部42は、弁室25内に形成された剛性部材であり、これと対向して着座する水平シート部43は可撓性部材であるから、着座の際には、後述のように環状突起部42が水平シート部43を変形させて食い込む変形代をDとしている。

0049

なお、図示していないが、環状突起部32、42を設けずに、水平シート部33、43が水平弁座部34、44に着座してシールするようにしてもよい。この場合は、フラット面同士で着座することになる。さらに、水平シート部や水平弁座部に設けるシール構造としては、環状突起部32、42に限らず、必要シール性能などに応じて、適宜の構造を選択できる。

0050

図1〜8において、削ぎ落し弁座部50は、後述の削ぎ落し作用を得ることができれば、実施に応じて任意の構造を採用することができるが、本例では、金属製の弁箱の一部として一体的に設けられており、具体的には、弁箱の一次側開口縁のエッジ部に対して、R面取り加工を施すことにより設けている。このR面取りによる曲面加工も、実施に応じて任意に選択できる。また、図示していないが、エッジ部に対して、C面取りにより削ぎ落し弁座部50を設けてもよい。後述のように、R面取りした本例では、シート体の円錐面との接触は略線接触となる一方で、C面取りのテーパ角度が円錐面のテーパ角度θと略同一の場合は、略面接触となる。さらに、削ぎ落し弁座部50は、弁箱と一体に設ける場合に限られず、一次側開口縁部位に、弁箱とは別体の弁座部材として取り付けてもよい。

0051

続いて、本例のバルブの作用を説明する。図2は、第1シート体20の全開状態を示した部分拡大断面図であり、図4は、図2の要部拡大斜視断面図である。この全開状態において、先ず、第1シート体20が、図3に示した全閉状態となるまでの作用を説明する。

0052

図4において、第1シート体20が下降し、第1シート体20の円錐面の着座点P1が、R面取りされた削ぎ落し弁座部50の曲面と接触すると、この着座点P1から円錐シール部21と削ぎ落し弁座部50との摺動が開始し、この摺動は、第1シート体20の円錐面のシール点P2まで継続し、このシール点P2で第1シート体20の下降が停止し、第1シート体20による削ぎ落し弁座部のシールが完了し、図3に示したバルブの全閉状態となる。このように、バルブを閉じる際には、シート体の円錐シール部と削ぎ落し弁座部との間に摺動が発生するから、円錐シール部はバルブを閉じる度に摺動により表面が掃われる(削ぎ落される)ことになる。

0053

一方で、本例のバルブを、半導体製造装置などに用いた場合、化学反応性に富んだガスを常に流すことから、弁体(シート体)表面には、所定の反応生成物が発生し得る状態に置かれている。ガスの性質や使用環境などにもよるが、多くの場合は、シート体の表面には、反応生成物が徐々に発生して膜状或は層状に堆積していく傾向があり、このようにして発生する反応生成物が、バルブを閉じる際には噛み込まれる形で物理的に介在することにより、弁体(シート体)と弁座(削ぎ落し弁座部)との形状適合性が損なわれ、よって、バルブの遮断性が毀損されるおそれがある。特に、このようにして生じた反応生成物が固い物質の場合、この反応生成物が弁体と弁座との間に噛み込んだ状態でバルブを閉じてしまうと、バルブの遮断性が失われるばかりか、弁体又は弁座を損傷することもあるため、バルブの使用が不可能となり、よって、所定のメンテナンス作業が必要となる。

0054

これに対して、本発明のバルブのシート体には、上記のように、弁体が弁座をシールするために必要な領域(円錐シール部)が、弁座(削ぎ落し弁座部)と、摺動することにより削ぎ落し効果が得られるから、弁体表面に反応生成物が発生・堆積しつつあっても、これを効果的に回避することができる。

0055

ここで、「削ぎ落し」とは、表面(円錐シール部)に発生・付着している物質(反応生成物)を、表面に物体(削ぎ落し弁座部)との摩擦・摺動を生じることにより回避する作用を意味し、必ずしも表面物質を擦り落としていくような作用に限らず、例えば、表面に薄膜状に形成されている物質を、摺動の度にワイパーのように掃き寄せることで、表面への物質の発生・堆積を回避するような作用も含む。

0056

さらに、シート体の円錐面が削ぎ落し弁座部と摺動する際には、円錐シール部が削ぎ落し弁座部に対し、所定幅の摺動により、押し込まれるようにして着座する構造となっているから、テーパ面による調芯効果も得られる。すなわち、通常、シートホルダを介して環状の削ぎ落とし弁座部に向けて円錐面が押し込まれると、シート体の姿勢は、シート体の軸心方向が弁座部の軸心方向に一致する姿勢で最も安定した状態となる。この調芯効果は、上記の円錐シール部表面の削ぎ落し作用に必要な摺動力を高めると共に、円錐シール部と削ぎ落し弁座部との間のシール力も高めるため、より効果的である。

0057

図4に示した全開状態から、図3に示した全閉状態までの間は、第1シート体20はストローク距離L1分だけ下降し、削ぎ落し弁座部50は、上記のように削ぎ落し効果を発揮しつつ、円錐シール部21の幅Hの距離を摺動するが、この幅Hは、ストローク距離L1に対して円錐面の全周に亘って少なくとも5%以上確保されていれば、十分な削ぎ落し効果が得られるため好適である。

0058

なお、本例のバルブが全開状態から全閉状態となるまでは、アクチュエータ本体4で駆動される。図1に示すように、全開状態においては、エア室13内に、エア流路10bを通って、図示していないエア源から圧縮エアが供給されており、このエア圧によってピストン10は、下方向へ付勢しているスプリング12の弾発力に勝って、同図に示す上死点位置まで上昇して係止している。このため、ステム部10aの下端とダイヤフラムピース18との間には、ダイヤフラムピース18が上昇できるスペースが生じる。一方、ダイヤフラム22は、自己復帰力で、同図に示す上向き凸状に緩やかに湾曲した自然形状まで形状復帰できるので、この復帰力でシートホルダ19とダイヤフラムピース18とを中央位置で保持したまま一体的に持ち上げて上昇させることができる。この上昇により、シート体も上死点まで上昇して同図に示す全開状態となっている。

0059

逆に、全開状態から全閉状態までの駆動も、アクチュエータ本体4で制御される。全開状態では、エア室13内に圧縮されている圧縮エアをエア流路10bを介して外部に開放すると、スプリング12の弾発力でピストン10のステム部10aの下端が下降してダイヤフラムピース18の上面を押し下げ、これに伴って一体的にシート体も押し下げられることで着座する。このようなバルブの開閉駆動は、シート体に依らず本例のバルブに共通である。

0060

次いで、図5に示した全開状態の第2シート体30が、図6に示した全閉状態となるまでを説明する。図5は、第2シート体30の全開状態を、図6は、第2シート体30の全閉状態を、それぞれ示した部分拡大断面図であり、図7は、図5の要部拡大斜視断面図である。

0061

第2シート体30においても、第1シート体20と同様の効果が得られる。図7において、第2シート体30が下降して、円錐面の着座点P1と削ぎ落し弁座部50の曲面とが接触すると、上記第1シート体20の場合と同様に、着座点P1からシール点P2まで、削ぎ落し弁座部50と円錐シール部31との間に、削ぎ落し効果を発揮する摺動が発生する。調心効果が得られる点も同様である。

0062

第2シート体30においては、さらに、2重シール効果が得られる。図示していないが、第2シート体30では、円錐シール部31(着座点P1)が削ぎ落し弁座部50に着座する時とほぼ同時に、水平シート部33が、水平弁座部34に着座するようにしている。ただし、この場合は、環状突起部32を設けることなく、水平シート部33と水平弁座部34のみから成る場合(上記フラット面同士の着座)である。

0063

第2シート体30においては、さらに、環状突起部32が水平弁座部34に着座してシールするまでのストローク距離L21と、円錐シール部31が削ぎ落し弁座部50に着座してシールするまでのストローク距離L1とを、ほぼ同じにしている。図7は、この関係を示しており、L1≒L21となるように設定される。この場合、円錐シール部31の着座点P1が削ぎ落し弁座部50に当接するとほぼ同時に、環状突起部32の先端部が水平弁座部34と当接することになる。

0064

そして、上記のように、円錐シール部31には着座点P1からシール点P2まで摺動が発生して削ぎ落し効果を発揮するが、この間は、第2シート体30の全体が一体で下降するから、可撓性のある環状突起部32側が、剛性のある水平弁座部に当接している先端から徐々に潰されるようにして変形することになる。図7には、このように変形する際の環状突起部32の変形代Cを示しているが、この変形代Cは、円錐面長さSにほぼ等しい(C≒S)。このようにして、円錐シール部31におけるシール(着座)と、環状突起部32におけるシール(着座)とで、2重シール効果が得られる。

0065

また、ストローク距離L1、L21の平均をL=(L1+L21)/2とすると、第2シート体30においては、円錐シール部31の幅Hは、このストローク距離の平均Lに対して円錐面の全周に亘って少なくとも5%以上確保されていれば、十分な削ぎ落し効果と2重シール効果が得られるため好適である。

0066

最後に、図8に示した全開状態の第3シート体40が、図示していない全閉状態となるまでを説明する。図8は、全開状態にある第3シート体40の要部拡大斜視断面図である。

0067

第3シート体40においても、第1シート体20や第2シート体30と同様の効果が得られる。図8において、第3シート体40が下降して、円錐面の着座点P1と削ぎ落し弁座部50の曲面とが接触すると、上記場合と同様に、着座点P1からシール点P2まで、削ぎ落し弁座部50と円錐シール部41との間に、削ぎ落し効果を発揮する摺動が発生する。調心効果が得られる点も同様である。

0068

第3シート体40においても、2重シール効果が得られる。図示していないが、第3シート体40では、円錐シール部41(着座点P1)が削ぎ落し弁座部50に着座する時とほぼ同時に、水平シート部43が、水平弁座部44に着座するようにしている。ただし、この場合は、環状突起部42を設けることなく、水平シート部43と水平弁座部44のみから成る場合(上記フラット面同士の着座)である。

0069

第3シート体40においても、第2シート体30と同様に、水平シート部43が環状突起部42に着座してシールするまでのストローク距離L22と、円錐シール部41が削ぎ落し弁座部50に着座してシールするまでのストローク距離L1とを、ほぼ同じにしている。図8は、この関係を示しており、L1≒L22となるように設定される。この場合、円錐シール部41の着座点P1が削ぎ落し弁座部50に当接するとほぼ同時に、環状突起部42の先端部が水平シート部43と当接することになる。

0070

そして、上記のように、円錐シール部41には着座点P1からシール点P2まで摺動が発生して削ぎ落し効果を発揮するが、この間は、第3シート体40の全体が一体で下降するから、可撓性のある水平シート部43に向けて、剛性のある環状突起部42の先端部が、徐々に食い込むようにして侵入して水平シート部43を変形させていくことになる。図8には、このように変形する際の環状突起部42の変形代Dを示しているが、この変形代Dは、円錐面長さSにほぼ等しい(D≒S)。このようにして、円錐シール部31におけるシール(着座)と、水平シート部43におけるシール(着座)とで、2重シール効果が得られる。

0071

また、ストローク距離L1、L22の平均をL=(L1+L22)/2とすると、第3シート体40においては、円錐シール部41の幅Hは、このストローク距離の平均Lに対して円錐面の全周に亘って少なくとも5%以上確保されていれば、十分な削ぎ落し効果と2重シール効果が得られるため好適である。

0072

なお、上記L1、L21、L22、H、S、θ、C、Dや、円錐シール部と削ぎ落し弁座部との間の摺動力は、シート体や削ぎ落し弁座部の素材、シート体のテーパ角度、或は、ストローク距離や弁体の弁閉力(アクチュエータ推力)などによるが、これらは、実施に応じて適宜調整することができる。

0073

さらに、本例のシート体は、何れも吊り下げ構造を採っているため、上下動するダイヤフラムピース18とボンネット7との間に大きなガタツキが生じている場合、円錐シール部は、削ぎ落し弁座部50に対して高精度に調芯が取れない場合があり、この場合はシート体が削ぎ落し弁座部50に対して傾いた状態で着座することになり、バルブの遮断性が損なわれるおそれがある。

0074

しかしながら、上記のように、第2シート体30や第3シート体40においては、少なくとも水平シート部と水平弁座部とが着座する構造であり、この着座により全閉状態となるので、第2シート体30の場合は環状突起部32と水平弁座部34とが、第3シート体40の場合は水平シート部43と環状突起部42とが、互いに高精度にシート体の軸心に対して垂直な面上で着座するように寸法設計されていれば、バルブを閉じた際には、上記のようなガタツキによるシート体の傾きが補正され、シート体は削ぎ落し弁座部50に対して傾きが無い状態で着座できる。よって、上記のような傾きが発生しても、バルブの遮断性が損なわれるおそれがない。

0075

更に、本発明は、前記実施の形態の記載に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲に記載されている発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。

0076

3ボデー(弁箱)
7ボンネット
18ダイヤフラムピース
19シートホルダ
20 第1シート体
21円錐シール部
22ダイヤフラム
30 第2シート体
31 円錐シール部
32環状突起部
33水平シート部
34水平弁座部
40 第3シート体
41 円錐シール部
42 環状突起部
43 水平シート部
44 水平弁座部
50 削ぎ落し弁座部
S円錐面長さ
L1 円錐シール部と削ぎ落し弁座部との間のストローク距離
L21 環状突起部と水平弁座部との間のストローク距離
L22 環状突起部と水平シート部との間のストローク距離

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