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技術 塗料組成物および塗装金属板

出願人 日本製鉄株式会社
発明者 藤本泰載山口裕樹高岡真司尾和克美
出願日 2019年3月27日 (2年10ヶ月経過) 出願番号 2019-060717
公開日 2020年10月1日 (1年4ヶ月経過) 公開番号 2020-158670
状態 未査定
技術分野 塗料、除去剤 積層体(2)
主要キーワード 金属イオン溶出量 シリコーン変性物 フッ素換算 Li交換 フルオロアシッド 総金属元素 水系プライマー 脂環式イソシアネート化合物
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (2)

課題

良好な保存安定性を有しつつ、高温高湿下における塗膜膨れを抑制しうる水系プライマー塗料組成物を提供すること。

解決手段

本発明の水系プライマー塗料組成物は、ノニオン性水分散性樹脂(a)と、リン酸変性エポキシ樹脂(b)と、メラミン化合物(c)と、シランカップリング剤(d)と、2価の金属イオン交換されたシリカ粒子(e)とを含む。そして、(a)、(b)および(c)成分の合計100質量部に対して、前記ノニオン性水分散性樹脂(a)の含有量は、60〜94.5質量部であり、前記リン酸変性エポキシ樹脂(b)の含有量は、5〜39.5質量部であり、前記メラミン化合物(c)の含有量は、0.5〜10質量部であり、前記シランカップリング剤(d)の含有量は、0.3〜5質量部である。

概要

背景

塗装金属板は、一般的に、めっき鋼板などの金属板の表面に塗料を塗布することによって製造される。塗料としては、環境負荷を低減する観点などから、溶剤系塗料に代えて、水系塗料が用いられる場合がある。

そのような水系塗料として、エポキシ樹脂分散液と、アクリル樹脂乳濁液と、リンモリブデン酸カルシウムなどの防錆顔料とを含む塗料組成物が提案されている(例えば特許文献1を参照)。

概要

良好な保存安定性を有しつつ、高温高湿下における塗膜膨れを抑制しうる水系プライマー塗料組成物を提供すること。本発明の水系プライマー塗料組成物は、ノニオン性水分散性樹脂(a)と、リン酸変性エポキシ樹脂(b)と、メラミン化合物(c)と、シランカップリング剤(d)と、2価の金属イオン交換されたシリカ粒子(e)とを含む。そして、(a)、(b)および(c)成分の合計100質量部に対して、前記ノニオン性水分散性樹脂(a)の含有量は、60〜94.5質量部であり、前記リン酸変性エポキシ樹脂(b)の含有量は、5〜39.5質量部であり、前記メラミン化合物(c)の含有量は、0.5〜10質量部であり、前記シランカップリング剤(d)の含有量は、0.3〜5質量部である。

目的

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、良好な保存安定性を有しつつ、高温高湿下における塗膜の膨れを抑制しうる塗料組成物および塗装金属板を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ノニオン性水分散性樹脂(a)と、リン酸変性エポキシ樹脂(b)と、メラミン化合物(c)と、シランカップリング剤(d)と、2価の金属イオン交換されたシリカ粒子(e)と、水とを含み、前記ノニオン性の水分散性樹脂(a)、前記リン酸変性エポキシ樹脂(b)および前記メラミン化合物(c)の合計100質量部に対して、前記ノニオン性の水分散性樹脂(a)の含有量は、60〜94.5質量部であり、前記リン酸変性エポキシ樹脂(b)の含有量は、5〜39.5質量部であり、前記メラミン化合物(c)の含有量は、0.5〜10質量部であり、前記シランカップリング剤(d)の含有量は、0.3〜5質量部である、塗料組成物

請求項2

前記ノニオン性の水分散性樹脂(a)、前記リン酸変性エポキシ樹脂(b)および前記メラミン化合物(c)の合計100質量部に対して、前記2価の金属イオンで交換されたシリカ粒子(e)の含有量は、7.5〜55質量部である、請求項1に記載の塗料組成物。

請求項3

前記2価の金属イオンで交換されたシリカ粒子(e)は、マグネシウム交換シリカである、請求項1または2に記載の塗料組成物。

請求項4

前記ノニオン性の水分散性樹脂(a)は、ノニオン性のウレタン樹脂である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の塗料組成物。

請求項5

金属板と、前記金属板上に配置されたプライマー層とを有し、前記プライマー層は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の塗料組成物の硬化物からなる、塗装金属板

請求項6

前記金属板は、めっき鋼板である、請求項5に記載の塗装金属板。

請求項7

前記プライマー層上に配置された一以上の塗膜をさらに有する、請求項5または6に記載の塗装金属板。

技術分野

0001

本発明は、塗料組成物および塗装金属板に関する。

背景技術

0002

塗装金属板は、一般的に、めっき鋼板などの金属板の表面に塗料を塗布することによって製造される。塗料としては、環境負荷を低減する観点などから、溶剤系塗料に代えて、水系塗料が用いられる場合がある。

0003

そのような水系塗料として、エポキシ樹脂分散液と、アクリル樹脂乳濁液と、リンモリブデン酸カルシウムなどの防錆顔料とを含む塗料組成物が提案されている(例えば特許文献1を参照)。

先行技術

0004

特開2014−196426号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、特許文献1の塗料組成物から得られる塗膜を有する塗装金属板は、高温高湿下で一定時間保存すると、環境中の水分が塗膜の内部に浸入し、塗膜の膨れを生じやすいという問題があった(後述の図1A参照)。また、塗料組成物は、保管中の粘度上昇が少なく、良好な保存安定性を有することも望まれている。

0006

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、良好な保存安定性を有しつつ、高温高湿下における塗膜の膨れを抑制しうる塗料組成物および塗装金属板を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、以下の塗料組成物および塗装金属板に関する。

0008

本発明の塗料組成物は、ノニオン性水分散性樹脂(a)と、リン酸変性エポキシ樹脂(b)と、メラミン化合物(c)と、シランカップリング剤(d)と、2価の金属イオン交換されたシリカ粒子(e)と、水とを含み、前記ノニオン性の水分散性樹脂(a)、前記リン酸変性エポキシ樹脂(b)および前記メラミン化合物(c)の合計100質量部に対して、前記ノニオン性の水分散性樹脂(a)の含有量は、60〜94.5質量部であり、前記リン酸変性エポキシ樹脂(b)の含有量は、5〜39.5質量部であり、前記メラミン化合物(c)の含有量は、0.5〜10質量部であり、前記シランカップリング剤(d)の含有量は、0.3〜5質量部である。

0009

本発明の塗装金属板は、金属板と、前記金属板上に配置されたプライマー層とを有し、前記プライマー層は、本発明の塗料組成物の硬化物からなる。

発明の効果

0010

本発明によれば、良好な保存安定性を有しつつ、高温高湿下における塗膜の膨れを抑制しうる塗料組成物および塗装金属板を提供することができる。

図面の簡単な説明

0011

図1A〜Cは、高温高湿下で保存後の塗膜の表面を示す写真である。

0012

ノニオン性の水分散性樹脂(a)、リン酸変性エポキシ樹脂(b)、メラミン化合物(c)、シランカップリング剤(d)、2価の金属イオンで交換されたシリカ粒子(e)および水を所定比率で含む本発明の塗料組成物(水系塗料組成物)の硬化物は、高い耐湿性を有しうる。この理由は明らかではないが、以下のように推測される。

0013

図1A〜Cは、高温高湿下で保存後の塗膜の表面を示す写真である。このうち、図1Aは、比較用の塗膜1((a)成分のみを含む塗膜)の観察結果であり、図1Bは、比較用の塗膜2((a)成分に、(b)、(c)および(d)成分を添加した塗膜)の観察結果であり、図1Cは、本発明の塗膜((a)、(b)、(c)および(d)成分に、(e)成分を添加した塗膜)の観察結果である。

0014

まず、本発明者らは、(a)成分に、(b)、(c)および(d)成分(架橋成分)を添加することで、塗膜の耐湿性を改善できることを見出した(図1B参照)。さらに、本発明者らは、(b)、(c)および(d)成分に加えて、防錆成分をさらに添加することで、塗膜の耐湿性をさらに改善できないかを検討した。その結果、防錆成分として、「2価の金属イオンで交換されたシリカ粒子(e)」を添加することで、得られる塗膜の顕著に高めうることを見出した(図1C参照)。

0015

これらの検討から、活性が適度に高く、かつ(水中への)金属イオンの溶出量が多い金属イオン交換シリカほど、塗膜の耐湿性の改善効果が高く、かつ(b)、(c)および(d)成分を含む組成物の経時的な粘度上昇を生じやすいこと、すなわち、(b)成分と(c)成分との架橋反応などが起こりやすいことがわかった。

0016

すなわち、本発明の塗料組成物では、「2価の金属イオンで交換されたシリカ粒子(e)」から金属イオンが適度に溶出しやすく;かつ当該金属イオンは活性が適度に高いため、溶出した金属イオンが、リン酸変性エポキシ樹脂(b)とメラミン化合物(c)との架橋反応や、シランカップリング剤(d)とシリカ粒子(e)の表面の官能基との架橋反応またはシランカップリング剤(d)とメラミン化合物(c)との架橋反応を促進させる(溶出した金属イオンが触媒として作用する)と考えられる。それにより、架橋反応を高度に進みやすくし、高い架橋密度を有する硬化物が得られるため、高い耐湿性が得られると考えられる。

0017

一方で、架橋反応を生じやすい塗料組成物は、保存安定性が低くなりやすい。これに対して、(a)、(b)、(c)および(d)成分の量比を調整すること、好ましくはさらに(e)成分の種類を選択することで、硬化物の耐湿性を損なうことなく、保存安定性を高めることができる。

0018

すなわち、本発明の塗料組成物は、ノニオン性の水分散性樹脂(a)と、リン酸変性エポキシ樹脂(b)と、メラミン化合物(c)と、シランカップリング剤(d)と、2価の金属イオンで交換されたシリカ粒子(e)と、水とを含み、かつ(a)、(b)および(c)の合計100質量部に対して、(a)、(b)および(c)成分の各含有量が所定の範囲に調整されている。

0019

1.塗料組成物
本発明の塗料組成物は、ノニオン性の水分散性樹脂(a)と、リン酸変性エポキシ樹脂(b)と、メラミン化合物(c)と、シランカップリング剤(d)と、2価の金属イオンで交換されたシリカ粒子(e)と、水とを含む。

0020

1−1.ノニオン性の水分散性樹脂(a)
ノニオン性の水分散性樹脂(a)は、ノニオン性の親水性基を有し、かつイオン性官能基を有しない水分散性樹脂である。ノニオン性の親水性基は、水酸基アミド基ポリオキシアルキレン基(例えばポリオキシエチレン基)などでありうる。中でも、ノニオン性の親水性基は、塗料組成物の保存安定性を高める観点では、ポリオキシエチレン基であることが好ましい。

0021

ノニオン性の水分散性樹脂(a)の例には、ノニオン性のウレタン樹脂、ノニオン性のアクリル樹脂、ノニオン性のエポキシ樹脂、ノニオン性のポリエステル樹脂が含まれる。これらの樹脂は、ノニオン性界面活性剤(またはポリオキシアルキレン基などのノニオン性の親水性基と、反応性基とを有する分散剤)の存在下で、モノマー重合または樹脂を撹拌して得られる樹脂であってもよいし、ノニオン性の親水性基を有するモノマーを含むモノマー成分を重合して得られる樹脂であってもよい。

0022

ノニオン性のウレタン樹脂は、例えばポリイソシアネート成分と、ノニオン性の親水性基(例えば水酸基)を有するポリオールを含むポリオール成分とを反応させて得られる重合体でありうる。

0024

ノニオン性の親水性基を有するポリオールの例には、3価以上のポリオール(ノニオン性の親水性基が水酸基である場合)、ポリオキシエチレングリコールやポリオキシエチレン基と少なくとも2個の水酸基を有する化合物(ノニオン性の親水性基がポリオキシエチレン基である場合)が含まれる。

0026

ノニオン性のアクリル樹脂は、例えば、(メタアクリル酸エステルと、ノニオン性の親水性基を有する重合性不飽和モノマーとの共重合体でありうる。ノニオン性の親水性基を有する重合性不飽和モノマーの例には、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、ポリオキシアルキレン基を有する重合性不飽和モノマーなどが含まれる。

0027

ノニオン性のポリエステル樹脂は、例えば、ノニオン性の親水性基を有するポリオールを含むポリオール成分と、ポリカルボン酸との重縮合体であってもよい。ノニオン性の親水性基を有するポリオールは、前述と同様のものを用いることができる。ポリカルボン酸の例には、アジピン酸、セバシン酸、ブタントリカルボン酸などの脂肪族ポリカルボン酸や、テレフタル酸トリメリット酸などの芳香族カルボン酸が含まれる。

0028

ノニオン性のエポキシ樹脂は、例えばエポキシ基と反応しうる官能基(アミノ基やエポキシ基)とポリオキシアルキレン基とを有するポリオキシアルキレン化合物の存在下で、エポキシ樹脂を撹拌して得られる樹脂や;エポキシ基を2以上有する化合物と、ポリエチレングリコールまたはそのモノエステルとを反応させて得られる樹脂などが含まれる。

0029

中でも、保存安定性を高めやすい観点では、ノニオン性のアクリル樹脂、ノニオン性のウレタン樹脂が好ましい。また、得られる塗膜の耐湿性を高めやすい観点では、ノニオン性のエポキシ樹脂、ノニオン性のウレタン樹脂が好ましい。すなわち、保存安定性が良好で、かつ塗膜の耐湿性を高めやすく、塗膜の密着性などにも優れる観点では、ノニオン性のウレタン樹脂が特に好ましい。

0030

ノニオン性の水分散性樹脂(a)の重量平均分子量は、特に制限されないが、例えば50000〜1000000であることが好ましい。ノニオン性水分散性樹脂(a)の重量平均分子量が50000以上であると、得られる塗膜に十分な強度または可撓性を付与しやすく、1000000以下であると、塗料組成物の粘度上昇を抑制しやすく、塗工性が損なわれにくい。

0031

重量平均分子量は、JIS K 0124−2011に準じ、ゲルパーミエーションクロマトグラフで測定したクロマトグラムから標準ポリスチレン分子量を基準にして算出することができる。

0032

ノニオン性の水分散性樹脂(a)の含有量は、(a)、(b)および(c)成分の合計100質量部に対して60〜94.5質量部であることが好ましい。ノニオン性の水分散性樹脂(a)の含有量が60質量部以上であると、ノニオン性の水分散性樹脂(a)は、例えばリン酸変性エポキシ樹脂(b)よりも2価の金属イオンで交換されたシリカ粒子(e)から溶出した金属イオンによって反応が促進されにくいため、塗料組成物の保存安定性を高めやすい。ノニオン性の水分散性樹脂(a)の含有量が94.5質量部以下であると、得られる塗膜の耐湿性や密着性、耐食性が損なわれにくい。ノニオン性の水分散性樹脂(a)の含有量は、同様の観点から、(a)、(b)および(c)成分の合計100質量部に対して70〜89質量部であることがより好ましく、70〜85質量部であることがより好ましい。

0033

1−2.リン酸変性エポキシ樹脂(b)
リン酸変性エポキシ樹脂(b)は、塗膜の金属板との密着性や耐湿性を高めうる。リン酸変性エポキシ樹脂(b)は、エポキシ樹脂を、リン酸結合を有する化合物と反応させて得られる樹脂であり、揮発性アミンなどの塩基中和することにより、エマルションを形成しうる。

0034

原料となるエポキシ樹脂は、特に制限されず、その例には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂やビスフェノールF型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂ビフェニル型エポキシ樹脂ノボラック型エポキシ樹脂ナフタレン型エポキシ樹脂シクロヘキサンジメタノール水添ビスフェノールAなどから得られる脂環式エポキシ樹脂が含まれる。中でも、密着性、耐食性の観点から、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂が好ましい。

0035

エポキシ樹脂の重量平均分子量は、800〜50000であることが好ましい。エポキシ樹脂の重量平均分子量が800以上であると、得られる塗膜に十分な可撓性を付与しやすく、50000以下であると、塗料組成物の粘度上昇を抑制しやすく、塗工性が損なわれにくい。

0036

リン酸結合を有する化合物は、特に限定されないが、その例には、メタリン酸オルトリン酸ピロリン酸などリン酸類ジエチルフォスフェートジブチルフォスフェートジオクチルフォスフェートなどのリン酸エステルが含まれる。

0037

エポキシ樹脂と反応させるリン酸結合を有する化合物の量(変性量)は、エポキシ樹脂のエポキシ基1モルに対してリン酸結合を有する化合物のリン酸基モル数が、例えば0.1〜1.5モルとなる量であることが好ましい。

0038

中和に用いられる揮発性アミンの例には、トリエチルアミンなどが含まれる。

0039

リン酸変性エポキシ樹脂(b)の含有量は、(a)、(b)および(c)成分の合計100質量部に対して5〜39.5質量部であることが好ましい。リン酸変性エポキシ樹脂(b)の含有量が5質量部以上であると、メラミン化合物(c)との架橋反応などにより、架橋密度の高い硬化物を形成しうるため、塗膜の金属板との密着性や耐湿性を高めやすく、39.5質量部以下であると、保存中にメラミン化合物(c)との架橋反応などによる粘度上昇を生じにくいため、塗料組成物の保存安定性が損なわれにくい。リン酸変性エポキシ樹脂(b)の含有量は、同様の観点から、(a)、(b)および(c)成分の合計100質量部に対して10〜29質量部であることがより好ましく、15〜25質量部であることがさらに好ましい。

0040

また、リン酸変性エポキシ樹脂(b)の含有量は、上記と同様の観点から、ノニオン性の水分散性樹脂(a)とリン酸変性エポキシ樹脂(b)の合計100質量部に対して、5〜40質量部であることが好ましく、10〜30質量部であることがより好ましく、15〜30質量部であることがさらに好ましい。

0041

1−3.メラミン化合物(c)
メラミン化合物(c)は、リン酸変性エポキシ樹脂(b)の硬化剤として機能しうる。それにより、塗料組成物の硬化物は、良好な耐湿性や耐食性(特に耐湿性)を有しうる。

0042

メラミン化合物(c)の種類は、特に限定されず、メラミン硬化剤として公知のものを用いることができる。メラミン化合物(c)は、例えばメラミンアルデヒドを反応させて得られるメチロール化メラミン化合物や、そのメチロール基の少なくとも一部がアルコール類(例えばメチルアルコールエチルアルコールn-プロピルアルコールイソプロピルアルコールn-ブチルアルコールイソブチルアルコール、2-エチルブタノール、2−エチルヘキサノールなどの1価アルコール)によってエーテル化されたものが挙げられる。

0043

メチロール化メラミン化合物の例には、トリメチロールメラミンヘキサメチロールメラミン、トリブチロールメラミン、ヘキサブチロールメラミンが含まれる。メチロール化メラミン化合物のエーテル化物の例には、メトキシメチルメラミン(例えばヘキサメトキシメチルメラミンなど)、エトキシメチルメラミン、エトキシブチルメラミン、ブトキシブチルメラミンが含まれる。

0044

中でも、塗料組成物の保存安定性を高めやすくする観点では、メチロール化メラミン化合物のメチロール基の少なくとも一部を炭素原子数1〜4の1価アルコールでエーテル化して得られるメラミン化合物が好ましい。

0045

メラミン化合物(c)の含有量は、(a)、(b)および(c)成分の合計100質量部に対して0.5〜10質量部であることが好ましい。メラミン化合物(c)の含有量が0.5質量部以上であると、リン酸変性エポキシ樹脂(b)を十分に架橋させやすいため、塗膜の金属板との密着性や耐湿性、耐食性を高めやすく、10質量部以下であると、保存中にリン酸変性エポキシ樹脂(b)の架橋反応などによる粘度上昇を生じにくいため、保存安定性が損なわれにくい。メラミン化合物(c)の含有量は、同様の観点から、(a)、(b)および(c)成分の合計100質量部に対して1〜8質量部であることがより好ましく、3〜8質量部であることがさらに好ましい。

0046

1−4.シランカップリング剤(d)
シランカップリング剤(d)は、塗膜の金属板との密着性を高めうる。また、シランカップリング剤(d)は、後述する2価の金属イオンで交換されたシリカ粒子(e)の表面の官能基と架橋反応することで、得られる塗膜の耐湿性や密着性をさらに高めうる。

0047

シランカップリング剤(d)は、分子内に、加水分解シラノール基(Si−OH)を与えるアルコキシ基などと、エポキシ基、ビニル基、アミノ基、メルカプト基またはアルキル基などの有機基とを有する化合物をいう。

0048

シランカップリング剤(d)の例には、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシランなどの、分子内にエポキシ基を有するエポキシ系シランカップリング剤ビニルトリメトキシシランビニルメトキシシランなどの、分子内にビニル基を有するビニル系シランカップリング剤アミノメチルトリメトキシシラン、アミノメチルトリエトキシシラン、アミノメチルトリプロポキシシラン、アミノメチルトリブトキシシラン、アミノメチルトリフェノキシシラン、アミノエチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどの、分子内にアミノ基を有するアミン系シランカップリング剤メルカプトメチルトリメトキシシランメルカプトメチルトリエトキシシラン、メルカプトメチルトリプロポキシシラン、メルカプトメチルトリブトキシシラン、メルカプトメチルトリフェノキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシランなどの、分子内にメルカプト基を有するメルカプト系シランカップリング剤などが含まれる。中でも、リン酸変性エポキシ樹脂(b)との親和性が良好であり、かつメラミン化合物(c)との架橋反応も可能であり、耐湿性の高い硬化物を得やすくする観点などから、エポキシ系シランカップリング剤が好ましい。

0049

シランカップリング剤(d)の含有量は、(a)、(b)および(c)成分の合計100質量部に対して0.3〜5質量部であることが好ましい。シランカップリング剤(d)の含有量が0.3質量部以上であると、塗膜の金属板との密着性や耐湿性、耐食性を高めやすく、5質量部以下であると、塗料組成物の保存安定性が損なわれにくい。シランカップリング剤(d)の含有量は、同様の観点から、(a)、(b)および(c)成分の合計100質量部に対して1〜4質量部であることがより好ましく、1.5〜3質量部であることがさらに好ましい。

0050

1−5.2価の金属イオンで交換されたシリカ粒子(e)
2価の金属イオンで交換されたシリカ粒子(e)は、シリカ粒子表面の水酸基の少なくとも一部が、イオン交換によって2価の金属イオンで置き換えられたシリカ粒子である。2価の金属イオンで交換されたシリカ粒子(e)は、塗膜の耐湿性や耐食性を高めうる。

0051

2価の金属イオンで交換されたシリカ粒子(e)は、特に制限されず、その例には、カルシウム(Ca)交換シリカマグネシウム(Mg)交換シリカ、ストロンチウム(Sr)交換シリカ、マンガン(Mn)交換シリカが含まれる。中でも、2価のアルカリ土類金属イオンで交換されたシリカ粒子であることが好ましく、良好な耐湿性と耐食性を有する塗膜を付与しやすい観点では、カルシウム(Ca)交換シリカ、マグネシウム(Mg)交換シリカが好ましく、さらに保存安定性を高めやすい観点から、マグネシウム(Mg)交換シリカが好ましい。

0052

2価の金属イオンで交換されたシリカ粒子(e)の平均粒子径は、特に制限されないが、例えば1〜5μmでありうる。2価の金属イオンで交換されたシリカ粒子(e)の平均粒子径は、例えばレーザー回折散乱法にて得られる体積分布におけるメジアン径として測定することができる。

0053

2価の金属イオンで交換されたシリカ粒子(e)における金属イオン交換量は、特に限定されないが、(金属イオンを含まない)シリカ担体に対して例えば4〜8質量%としうる。金属イオン交換量が一定以上であると、(金属イオンの種類もよるが)金属イオン溶出量を高めやすく、それによりリン酸変性エポキシ樹脂(b)とメラミン化合物(c)との架橋反応などを促進しやすい。

0054

金属イオン交換量は、例えば金属イオン交換シリカの調製時の原料の仕込み比から求めることができる。また、以下の方法で求めることもできる。
1)2価の金属イオンで交換されたシリカ粒子(e)を、1質量%の塩化ナトリウム水溶液に一定量添加し、23℃で30分間、十分に攪拌する。
2)攪拌後の水溶液に含まれる2価の金属イオンの量(シリカ担体に対する質量%)を、イオンクロマトグラフィーによって測定し、金属イオン交換量とする。

0055

塗料組成物中での金属イオンの溶出量は、例えば2価の金属イオンで交換されたシリカ粒子(e)における金属イオン交換量や、金属イオンの種類、金属イオン交換シリカの製造条件などによって調整されうる。金属イオンの溶出量を適度に多くするためには、例えば金属イオン交換量を適度に多くしたり、金属イオンとして2価のアルカリ土類金属イオンを選択したりすることが好ましい。

0056

2価の金属イオンで交換されたシリカ粒子(e)の含有量は、(a)、(b)および(c)成分の合計100質量部に対して5〜70質量部であることが好ましい。2価の金属イオンで交換されたシリカ粒子(e)の含有量が5質量部以上であると、(b)成分と(c)成分との架橋反応などを十分に促進させやすいため、塗膜の金属板との密着性や耐湿性、耐食性(特に耐湿性)を高めやすく、70質量部以下であると、保存中に(b)成分と(c)成分との架橋反応などによる粘度上昇が生じにくいため、塗料組成物の保存安定性が損なわれにくい。2価の金属イオンで交換されたシリカ粒子(e)の含有量は、同様の観点から、(a)、(b)および(c)成分の合計100質量部に対して7.5〜55質量部であることがより好ましく、15〜45質量部であることがさらに好ましい。

0057

1−6.他の成分
本発明の塗料組成物は、必要に応じて(a)〜(e)成分および水以外の他の成分をさらに含みうる。他の成分の例には、水溶性有機溶剤(例えばメタノールエタノールn−プロパノールなどのアルコール類;アセトンメチルエチルケトンなどのケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール類)、乳化剤(ノニオン性界面活性剤、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテルポリオキシアルキレンアルキルエーテルポリオキシエチレン誘導体ソルビタン脂肪酸エステルポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルグリセリン脂肪酸エステルポリオキシエチレン脂肪酸エステルなど)、(e)成分以外の防錆剤(例えばリン酸亜鉛亜リン酸亜鉛、リン酸亜鉛マグネシウム、リン酸マグネシウム亜リン酸マグネシウム、シリカ、リン酸ジルコニウムトリポリリン酸2水素アルミニウム酸化亜鉛、リンモリブデン酸亜鉛メタホウ酸バリウムおよびクロム酸ストロンチウム)、pH調整剤(トリエチルアミン、トリエタノールアミン水酸化ナトリウム炭酸ナトリウム炭酸カリウムなどのアルカリ類や、塩酸酢酸クエン酸などの酸類)、造膜助剤(ブチルセルソルブテキサノールカルビトールなどの、沸点150〜250℃の水溶性有機溶剤)、顔料酸化チタンカーボンブラック酸化クロム酸化鉄ベンガラなどの着色顔料硫酸バリウム、酸化チタン、シリカおよび炭酸カルシウムなどの体質顔料)が含まれる。

0058

他の成分(水溶性有機溶剤を除く)の合計含有量は、(a)、(b)および(c)成分の合計100質量部に対して10質量部以下でありうる。

0059

本発明の塗料組成物は、任意の方法で得ることができる。例えば、本発明の塗料組成物は、(a)〜(e)成分と、水と、必要に応じて乳化剤などの他の成分とを混合して得ることができる。なお、(a)および(b)成分は、水分散体の形態で使用されてもよい。つまり、本発明の塗料組成物は、(a)および(b)成分の水分散体に、(c)〜(e)成分と、必要に応じて他の成分とを混合して得ることもできる。

0060

本発明の塗料組成物は、高い保存安定性を有しつつ、耐湿性の高い塗膜を付与しうる。したがって、塗料組成物は、金属板のプライマー層用の塗料組成物として好ましく用いられる。

0061

2.塗装金属板
本発明の塗装金属板は、金属板と、その上に配置されたプライマー層とを有する。

0062

2−1.金属板
塗装原板となる金属板は、塗装金属板の用途に応じて適宜選択することができる。金属板の例には、亜鉛めっき鋼板、Zn−Al合金めっき鋼板、Zn−Al−Mg合金めっき鋼板アルミニウムめっき鋼板などのめっき鋼板;冷延鋼板ステンレス鋼板オーステナイト系マルテンサイト系フェライト系、フェライト・マルテンサイト二相系を含む)などの鋼板;アルミニウム板アルミニウム合金板;および銅板が含まれる。なかでも、耐食性を高める観点から、金属板は、めっき鋼板であることが好ましく、溶融めっき鋼板であることがより好ましい。めっき鋼板のめっき付着量は、特に制限されないが、例えば30〜500g/m2でありうる。

0063

金属板の厚みは、用途や加工性に応じて設定されればよく、特に制限されないが、例えば0.1〜2mmであることが好ましい。

0064

金属板は、塗装金属板の耐食性および塗膜密着性を高める観点から、その表面には、化成処理が施されていてもよい。化成処理の種類は、特に限定されないが、例えばクロメート処理クロムフリー処理、リン酸塩処理でありうる。

0065

化成処理は、公知の方法で実施されうる。たとえば、化成処理液をロールコート法スピンコート法スプレー法などの方法で鋼板の表面に塗布し、水洗せずに乾燥させればよい。乾燥温度および乾燥時間は、水分を蒸発させることができれば特に限定されない。生産性の観点からは、乾燥温度は、到達板温で60〜150℃の範囲内が好ましく、乾燥時間は、2〜10秒の範囲内が好ましい。化成処理皮膜の付着量は、耐食性および塗膜密着性の向上に有効な範囲内であれば特に限定されない。たとえば、クロメート皮膜の場合、全Cr換算付着量が5〜100mg/m2となるように付着量を調整すればよい。また、クロムフリー皮膜の場合、Ti−Mo複合皮膜では10〜500mg/m2、フルオロアシッド系皮膜ではフッ素換算付着量または総金属元素換算付着量が3〜100mg/m2の範囲内となるように付着量を調整すればよい。また、リン酸塩皮膜の場合、5〜500mg/m2となるように付着量を調整すればよい。

0066

2−2.プライマー層
プライマー層は、その上に配置されるトップ層と金属板との間の密着性を高めうるだけでなく、得られる塗装金属板の耐湿性や耐食性を高めうる。プライマー層は、本発明の塗料組成物の硬化物からなる。

0067

プライマー層の厚みは、1〜10μmであることが好ましい。プライマー層の厚みが1μm以上であると、金属板とトップ層との間の密着性を高めやすく、かつ十分な耐湿性および耐食性が得られやすい。プライマー層の厚みが10μm以下であると、塗装金属板の外観や加工性が損なわれにくい。プライマー層の厚みは、上記観点から、2〜7μmであることがより好ましい。

0068

2−3.トップ層
本発明の塗装金属板は、プライマー層上に配置された、一以上の塗膜をさらに有することが好ましい。

0069

一以上の塗膜のうち最表面にあるトップ層は、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物で構成されうる。

0070

熱可塑性樹脂の種類は、塗装金属板の用途に応じて適宜設定されうる。熱可塑性樹脂の例には、アクリル樹脂、ポリエステルフッ素樹脂アクリルスチレン樹脂、スチレン樹脂、シリコーン樹脂が含まれる。これらの樹脂は、1種類だけ含まれてもよいし、2種類以上が含まれてもよい。

0071

あるいは、トップ層は、硬化剤と反応する官能基を有する樹脂(硬化性樹脂)と、硬化剤とを含む樹脂組成物の硬化物で構成されてもよい。

0072

硬化性樹脂の例には、オイルフリーのポリエステル樹脂(水酸基含有ポリエステル樹脂)などの硬化性ポリエステル水酸基含有アクリル樹脂などの硬化性アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂尿素樹脂メラミン樹脂ベンゾグアナミン樹脂、およびこれらの樹脂のウレタン変性物、シリコーン変性物もしくはエポキシ変性物が含まれる。

0073

硬化剤は、硬化性樹脂の種類やトップ層の焼付け条件などに応じて適宜選択されうる。例えば、水酸基を有する硬化性樹脂などの硬化剤の例には、メラミン化合物およびイソシアネート化合物が含まれる。メラミン化合物は、前述と同様のものを用いることができる。イソシアネート化合物の例には、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)などの脂肪族イソシアネート化合物ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどの脂環式イソシアネート化合物メチレンジフェニルジイソシアネートMDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)などの芳香族イソシアネート化合物が含まれる。

0074

これらの樹脂組成物は、本発明の効果を奏する範囲において、着色顔料および体質顔料などの他の成分をさらに含有していてもよい。着色顔料および体質顔料は、前述のプライマー層に含まれうる着色顔料および体質顔料と同様のものを用いることができる。

0075

トップ層の厚みは、求められる特性にもよるが、例えば2〜40μmであることが好ましい。トップ層の厚みが2μm以上であると、所期意匠性が得られやすく、40μm以下であると、外観や加工性が損なわれにくい。トップ層の厚みは、上記観点から、5〜30μmであることがより好ましい。

0076

一以上の塗膜は、中間層などの他の層をさらに有していてもよい。

0077

中間層は、例えはトップ層との外観上の相乗効果により、塗装金属板の意匠性を高めるために、プライマー層の表面、すなわちプライマー層とトップ層との間に配置されうる。

0078

中間層は、前述と同様に、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物、または、硬化性樹脂と硬化剤とを含む樹脂組成物の硬化物で構成されうる。これらの樹脂組成物は、必要に応じて他の成分をさらに含有していてもよい。中間層に含まれる各成分は、塗装金属板の用途に応じて、プライマー層およびトップ層を構成する樹脂組成物の各成分として挙げたものと同様のものを用いることができる。

0079

中間層の厚みは、所期の効果を十分に得やすくする観点では、一定以上であることが好ましく、塗装金属板の外観を損なわないようにする観点では、一定以下であることが好ましい。所期の意匠性の向上効果を得る観点から、中間層の厚みは、例えば5〜30μmとしうる。

0080

3.塗装金属板の製造方法
本発明の塗装金属板は、任意の方法で製造することができる。本発明の塗装金属板の製造方法は、例えば、1)塗装原板としての金属板上に、本発明の塗料組成物を塗布した後、乾燥および硬化させて、プライマー層を形成する工程を含み、2)プライマー層上に、一以上の塗膜を形成する工程をさらに含むことが好ましい。

0081

1)の工程について
金属板上に、本発明の塗料組成物を塗布する。

0082

塗料組成物を塗布する方法は、特に制限されず、その例には、ロールコート法、ローラーカーテンコート法、フローコート法、カーテンフロー法、およびスプレー法が含まれる。

0083

そして、金属板の表面に塗布した塗料組成物を、乾燥および焼き付け(硬化)して、プライマー層を形成する。

0084

焼き付け温度は、樹脂成分が融着および/または硬化しうる温度であればよく、例えば到達板温で70〜250℃としうる。

0085

2)の工程について
得られたプライマー層上に、一以上の塗膜を形成する。例えば、プライマー層上にトップ層用塗料組成物を塗布する。

0086

トップ層用塗料組成物は、前述の成分のほか、溶剤をさらに含みうる。溶剤は、硬化樹脂を溶解させることができるものであればよく、特に制限されないが、その例には、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)やN,N−ジメチルホルムアミドDMF)、N,N−ジメチルアセトアミドDMAc)、N,N−ジメチルイミダゾリジノンDMI)、メチルイソブチルケトンMIBK)などの非プロトン性極性溶剤ジエチレングリコールジメチルエーテルDMDG)やジエチレングリコールジエチルエーテル(DEDG)などのエーテル類塩化メチレン四塩化炭素などのハロゲン化脂肪族炭化水素キシレンなどの炭化水素類;およびアルコール類が含まれる。

0087

トップ層用塗料組成物の塗布方法も、前述と同様としうる。

0088

次いで、塗布したトップ層用塗料組成物を、乾燥および焼き付け(硬化)して、トップ層を形成する。焼き付け温度は、硬化樹脂が融着および/または硬化しうる温度であればよく、例えば到達板温で200〜260℃としうる。

0089

以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されない。

0090

1.塗料組成物の材料
<ノニオン性の水分散性樹脂(a)の水分散体>
樹脂Aの水分散体:ノニオン性ウレタン樹脂の水分散体、ADEKA社製HUX−841(固形分32質量%、ノニオン性の親水性基としてポリオキシエチレン基を有するウレタン樹脂)
樹脂Bの水分散体:ノニオン性アクリル樹脂の水分散体、化成社製DXA.4081(固形分50質量%、ノニオン性の親水性基としてポリオキシエチレン基を有するアクリル樹脂)
樹脂Cの水分散体:ノニオン性エポキシ樹脂の水分散体、吉化学社製ユカレジンNE316(固形分45質量%、ノニオン性の親水性基として水酸基を有するエポキシ樹脂)
樹脂Dの水分散体:アニオン性ウレタン樹脂の水分散体、第一工業製薬社製スーパーフレックス170(固形分33質量%、アニオン性の親水性基としてカルボキシ基を有するウレタン樹脂)

0091

<リン酸変性エポキシ樹脂(b)の水分散体>
オルトリン酸60gおよびプロピレングリコールモノメチルエーテル280gを仕込み、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂(三菱ケミカル社製jER1055、分子量1600、エポキシ等量:800〜900g/eq)850gを徐々に添加し、80℃で2時間反応させた。反応終了後、トリエチルアミン120gと水1950gを加え、固形分28質量%のリン酸変性エポキシ樹脂の水分散体(平均粒子径0.11μm)を得た。

0092

<メラミン化合物(c)>
ヘキサメトキシメチルメラミン(三井サイテック社製サイメル303)

0093

<シランカップリング剤(d)>
グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン(信越シリコーン社製KBM−403)

0094

<金属イオン交換シリカ>
Mg交換シリカ:富士シリシア化学社製サイロマスク52M(平均粒子径2.7μm、金属イオン交換量6質量%)
Ca交換シリカ:富士シリシア化学社製サイロマスク52(平均粒子径2.7μm、金属イオン交換量6質量%)

0095

Sr交換シリカ:製造例1に従って調製した。金属イオン交換量は6質量%とした。
(製造例1)
濃度5質量%の塩化ストロンチウム水溶液10000質量部中に、10質量部にシリカ(富士シリシア化学社製サイリシア710)を添加した。5時間攪拌混合した後、ろ過して固形分を取り出し、固形分をよく水洗し乾燥して、ストロンチウムイオン交換シリカを得た。

0096

Mn交換シリカ:製造例2に従って調製した。
(製造例2)
塩化ストロンチウムを塩化マンガンに変更した以外は製造例1と同様の方法でバリウムイオン交換シリカを得た。金属イオン交換量は6質量%とした。

0097

Li交換シリカ:製造例3に従って調製した。
(製造例3)
塩化ストロンチウムを水酸化リチウムに変更した以外は製造例1と同様の方法でリチウムイオン交換シリカを得た。金属イオン交換量は6質量%とした。

0098

Al交換シリカ:製造例4に従って調製した。
(製造例4)
塩化ストロンチウムを塩化アルミニウムに変更した以外は製造例1と同様の方法でアルミニウムイオン交換シリカを得た。金属イオン交換量は6質量%とした。

0099

<未交換シリカ>
シリカ(イオン交換なし):富士シリシア化学社製サイリシア710(平均粒子径2.7μm)

0100

2.塗料組成物
<塗料組成物1〜39>
表1または2に示される固形分組成となるように、ノニオン性の水分散性樹脂(a)の水分散体、リン酸変性エポキシ樹脂(b)の水分散体、メラミン化合物(c)、シランカップリング剤(d)および金属イオン交換シリカまたは未交換シリカを混合して、塗料組成物を得た。

0101

塗料組成物1〜24の組成を表1に示し;塗料組成物25〜39の組成を表2に示す。

0102

0103

0104

3.塗装金属板の作製および評価
<塗装金属板1〜39の作製>
(1)金属板(塗装原板)の準備
板厚0.5mmの冷間圧延鋼板を準備した。この鋼板を、55質量%Al−45質量%Zn合金めっき浴内に導入し、当該冷間圧延鋼板の両面に、溶融55質量%Al−45質量%Zn合金のめっき層をそれぞれ形成した。次いで、得られた鋼板を、溶融状態から25℃/秒の速度で130℃まで冷却した後、水冷ウォータークエンチ)により常温(25℃)まで冷却して、めっき鋼板を得た。得られためっき鋼板の片面のめっき付着量は、80g/m2であった。

0105

得られためっき鋼板の表面に、クロムフリー化成処理液バーコーターで塗布した後、乾燥させて化成処理皮膜を形成した。クロムフリー化成処理液には、チタンフッ化水素酸(H2TiF6):0.1mol/Lおよびジルコンフッ化水素酸(H2ZrF6):0.1mol/Lの混合溶液を用いた。化成処理皮膜の付着量は、TiおよびZrの総金属元素換算付着量で3.5mg/m2であった。

0106

(2)プライマー層の形成
得られた化成処理皮膜上に、表1または2に示される塗料組成物を、バーコーターで塗布した後、最高到達板温150℃、乾燥時間30秒で焼付けて、膜厚5μmのプライマー層を形成した。

0107

(3)トップ層の形成
トップ塗料組成物の調製)
ポリエステル系クリア塗料日本ペイントインダストリアルコティングス社製ニッペスーパーコート250HQ、オイルフリーの硬化性ポリエステル樹脂、メラミン硬化剤を含む塗料)に、当該樹脂固形分100質量部に対して5質量部のフタロシアニン系青色顔料クロモファイン4927、大日精化製)と、3質量部の酸化チタン(タイペークWHITE、R−930、石原産業株式会社製)とを添加および混合して均一に分散させて、トップ塗料組成物を得た。

0108

次いで、得られたプライマー層上に、上記調製したトップ塗料組成物を、バーコーターで塗布した後、最高到達板温220℃、乾燥時間40秒間で焼付けて、膜厚15μmのトップ層を形成し、塗装金属板を得た。

0109

(4)評価
塗装金属板の作製に用いた塗料組成物の保存安定性を、以下の方法で評価した。

0110

(保存安定性)
得られた塗料組成物のフォードカップ粘度(秒)を、作製直後と、40℃30%Rhの環境で30日間保管した後とで、それぞれ測定した。測定は、20℃の環境下で、No.4フォードカップを用いて、ASTMD1200・ISO2431に準拠して行った。そして、保存安定性を、以下の基準に基づいて評価した。
◎:粘度上昇が5秒未満
○:粘度上昇が5秒以上30秒未満
△:粘度上昇が30秒以上
×:塗料がゲル

0111

また、得られた塗装金属板のトップ層の密着性、耐湿性および耐食性を、以下の方法で評価した。

0112

(密着性)
塗装金属板のトップ層の表面に、1mm間隔の切れ目によって100個のマス目ができるように基盤目状の切り込みを入れた。形成された切り込み部にテープを貼り付け、テープを剥離後、当該切り込み部における剥離面積を求めた。そして、以下の基準により、金属板とプライマー層との間の界面の密着性を評価した。
◎:剥離面積0%(剥離なし)
○:剥離面積が0%超10%以下
△:剥離面積が10%超20%以下
×:剥離面積が20%超
△以上であれば良好と判断した。

0113

(耐湿性)
塗装金属板を湿潤環境(50℃、95%Rh)に1000時間曝した。その後、トップ層の平坦部の膨れ発生面積率を測定した。そして、以下の基準で耐湿性を評価した。
◎:膨れ発生率が0%(膨れ発生なし)
〇:膨れ発生率が0%超5%未満
△:膨れ発生率が5%以上20%未満
×:膨れ発生率が20%以上
△以上であれば良好と判断した。

0114

(耐食性)
塗装金属板に対し、めっき鋼板のめっき層に達するようにナイフでX型のクロスカット傷を入れ、5%塩水噴霧1時間、乾燥4時間(60℃、30%Rh)、湿潤3時間(50℃、95%Rh)を1サイクルとして、120サイクル実施した。そして、試験後のクロスカット部の最大膨れ幅を測定した。最大膨れ幅は、クロスカット部からの膨れの侵入深さ最大幅を示す。そして、以下の基準で耐食性を評価した。
◎:最大膨れ幅が2mm以下
○:最大膨れ幅が2mm超4mm以下
△:最大膨れ幅が4mm超5mm以下
×:最大膨れ幅が5mm超
△以上であれば良好と判断した。

0115

塗料組成物1〜24および塗装金属板1〜24の評価結果を表3に示し、塗料組成物25〜39および塗装金属板25〜39の評価結果を表4に示す。

0116

0117

0118

表3および4に示されるように、塗料組成物1〜27は、いずれも良好な保存安定性を有しつつ、得られる塗装金属板1〜27は、良好な耐湿性を有することがわかる。

0119

特に、2価の金属イオン交換シリカ(e)の含有量を、(a)、(b)および(c)成分の合計100質量部に対して7.5〜50質量部とすることで、保存安定性と耐湿性とをより高度に両立できることがわかる(塗装金属板11〜15、18、25および26の対比)。

0120

また、2価の金属イオン交換シリカ(e)の中でも、Mg交換シリカを含む塗料組成物は、含有量が多くても、良好な保存安定性を維持できることがわかる(塗料組成物18〜21の対比)。

0121

これに対して、(b)、(c)および(d)成分の量が過剰に多い塗装金属板30、33および38は、いずれも耐湿性は良好であるものの、塗料組成物の保存安定性が低いことがわかる。

0122

また、(b)、(c)および(d)成分の量を過剰に少ない塗料組成物29、31、32および37は、いずれも保存安定性は良好であるものの、塗装金属板の耐湿性は低いことがわかる。また、(e)成分として、2価の金属イオン交換シリカを含まないか、またはそれ以外の金属イオン交換シリカを用いた塗料組成物34〜36は、いずれも保存安定性は良好であるものの、塗装金属板の耐湿性は低いことがわかる。

実施例

0123

また、(a)成分がアニオン性の水分散性樹脂であると、保存安定性が低くなることがわかる(塗料組成物18と39との対比)。これは、アニオン性の水分散性樹脂(a)と溶出した金属イオンとが反応するためと考えられる。

0124

本発明によれば、良好な保存安定性を有しつつ、高温高湿下における塗膜の膨れを抑制しうる塗料組成物および塗装金属板を提供することができる。

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