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技術 トリテルペン酸の製造方法

出願人 三菱ケミカル株式会社
発明者 ハルジョベニー藤田靖也宮奥康平阪本剛
出願日 2019年3月25日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-056501
公開日 2020年10月1日 (2ヶ月経過) 公開番号 2020-158406
状態 未査定
技術分野 有機低分子化合物及びその製造
主要キーワード pH試験紙 水酸化ナトリウム濃度 混合試料 遺伝子組換え酵母 水酸化カルシウム水溶液 トリテルペン酸 抽出量 遺伝子組換え微生物
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年10月1日)のものです。
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課題

トリテルペン酸不純物との混合物からトリテルペン酸を簡便に精製することができる、トリテルペン酸の製造方法の提供。

解決手段

トリテルペン酸を製造する方法であって、(a) トリテルペン酸を含有する試料と、炭素数6以上の炭化水素ハロゲン化炭化水素アルコール又はエステルからなる群から選択される非水溶性有機溶媒とを混合し、トリテルペン酸を有機層に抽出する工程、(b) 工程(a)で得られたトリテルペン酸を含む抽出物塩基性水溶液とを混合し、不純物を析出させる工程、及び(c) 析出した前記不純物が除去された溶液酸性水溶液とを混合してトリテルペン酸を析出させることを含む、トリテルペン酸を精製する工程を含む、前記方法。

概要

背景

トリテルペン酸は、トリテルペン基本骨格とする酸であり、オレアノール酸ウルソール酸ベツリン酸グリチルレチン酸などが知られている。これらのトリテルペン酸は、産業上有用な生理活性を有することが知られており、様々な薬剤化粧品などに用いられている。例えば、グリチルレチン酸は、抗炎症作用抗アレルギー作用などを有することが知られている。
トリテルペン酸は、マメ科植物シソ科植物及びバラ科植物など天然の植物で生合成されることが知られており、これらの植物を材料としてトリテルペン酸を取得する方法が試みられている。例えば、マメ科植物である甘草の根(甘草根)からグリチルリチン酸を取得し、得られたグリチルリチン酸を硫酸などの強酸微生物酵素加水分解し、グリチルレチン酸を得る方法が知られている(特許文献1:中国特許出願公開第101607980号明細書;非特許文献1:Wang, J. et al., Applied Biochemistry and Microbiology, 2010, Vol. 46, No. 4, pp. 421-425)。
また、グリチルレチン酸は、トリテルペン酸化酵素を発現する遺伝子組換え酵母において、生合成中間体(β-アミリン、11-オキソ-β-アミリン、30-OH-11-オキソ-β-アミリン及びグリチルレタアルデヒド)並びに本来酵母生産するエルゴステロールとともに、生成されることが知られている(特許文献2:国際公開第2010/024437号)。
このような遺伝子組換え酵母からの抽出物は、グリチルレチン酸と生合成中間体及びステロールとのいわば混合物であるが、トリテルペン酸と生合成中間体等の不純物との混合物から、トリテルペン酸を精製する簡便な方法は知られていない。

概要

トリテルペン酸と不純物との混合物からトリテルペン酸を簡便に精製することができる、トリテルペン酸の製造方法の提供。トリテルペン酸を製造する方法であって、(a) トリテルペン酸を含有する試料と、炭素数6以上の炭化水素ハロゲン化炭化水素アルコール又はエステルからなる群から選択される非水溶性有機溶媒とを混合し、トリテルペン酸を有機層に抽出する工程、(b) 工程(a)で得られたトリテルペン酸を含む抽出物と塩基性水溶液とを混合し、不純物を析出させる工程、及び(c) 析出した前記不純物が除去された溶液酸性水溶液とを混合してトリテルペン酸を析出させることを含む、トリテルペン酸を精製する工程を含む、前記方法。なし

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

トリテルペン酸を製造する方法であって、(a) トリテルペン酸を含有する試料と、炭素数6以上の飽和炭化水素ハロゲン化炭化水素アルコール又はエステルからなる群から選択される非水溶性有機溶媒とを混合し、トリテルペン酸を有機層に抽出する工程、(b) 工程(a)で得られたトリテルペン酸を含む抽出物塩基性水溶液とを混合し、不純物析出させる工程、及び(c) 析出した前記不純物が除去された溶液酸性水溶液とを混合してトリテルペン酸を析出させることを含む、トリテルペン酸を精製する工程、を含む、前記方法。

請求項2

トリテルペン酸のpKaが8以下である、請求項1に記載の方法。

請求項3

トリテルペン酸が、グリチルレチン酸オレアノール酸ウルソール酸ベツリン酸及びボスウェリン酸からなる群から選択されるものである、請求項1又は2に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、トリテルペン酸の製造方法に関する。

背景技術

0002

トリテルペン酸は、トリテルペン基本骨格とする酸であり、オレアノール酸ウルソール酸ベツリン酸グリチルレチン酸などが知られている。これらのトリテルペン酸は、産業上有用な生理活性を有することが知られており、様々な薬剤化粧品などに用いられている。例えば、グリチルレチン酸は、抗炎症作用抗アレルギー作用などを有することが知られている。
トリテルペン酸は、マメ科植物シソ科植物及びバラ科植物など天然の植物で生合成されることが知られており、これらの植物を材料としてトリテルペン酸を取得する方法が試みられている。例えば、マメ科植物である甘草の根(甘草根)からグリチルリチン酸を取得し、得られたグリチルリチン酸を硫酸などの強酸微生物酵素加水分解し、グリチルレチン酸を得る方法が知られている(特許文献1:中国特許出願公開第101607980号明細書;非特許文献1:Wang, J. et al., Applied Biochemistry and Microbiology, 2010, Vol. 46, No. 4, pp. 421-425)。
また、グリチルレチン酸は、トリテルペン酸化酵素を発現する遺伝子組換え酵母において、生合成中間体(β-アミリン、11-オキソ-β-アミリン、30-OH-11-オキソ-β-アミリン及びグリチルレタアルデヒド)並びに本来酵母生産するエルゴステロールとともに、生成されることが知られている(特許文献2:国際公開第2010/024437号)。
このような遺伝子組換え酵母からの抽出物は、グリチルレチン酸と生合成中間体及びステロールとのいわば混合物であるが、トリテルペン酸と生合成中間体等の不純物との混合物から、トリテルペン酸を精製する簡便な方法は知られていない。

0003

中国特許出願公開第101607980号明細書
国際公開第2010/024437号

先行技術

0004

Wang, J. et al., Applied Biochemistry and Microbiology, 2010, Vol. 46, No. 4, pp. 421-425

発明が解決しようとする課題

0005

上記の通り、トリテルペン酸を植物から取得する方法は知られているが、いずれの方法も抽出及び精製が簡便であるとはいえないのが現状である。例えば、甘草根からグリチルリチン酸を取得し、これを加水分解してグリチルレチン酸を取得する方法については、材料となる甘草の生産が不安定であること、甘草根には不純物が多いためグリチルリチン酸の抽出及び精製が容易ではないこと、グリチルリチン酸からグリチルレチン酸への加水分解においては強酸条件による副産物や酵素による微生物由来不純物が発生することなどから、グリチルレチン酸を精製することは簡便であるとはいえない。
一方、遺伝子組換え酵母においてグリチルレチン酸を生産する方法は、当該酵母からの抽出物において、グリチルレチン酸と、生合成中間体(β-アミリン、11-オキソ-β-アミリン、30-ヒドロキシ-11-オキソ-β-アミリン、グリチルレタアルデヒド及び30-ヒドロキシ-β-アミリン)並びに本来酵母が生産するエルゴステロールなどとが混合されている状態である。
そこで、このようなトリテルペン酸と不純物との混合物から、トリテルペン酸を精製する簡便な方法が求められている。

課題を解決するための手段

0006

本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、トリテルペン酸と不純物との混合物から、トリテルペン酸を簡便な方法で精製することに成功し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)トリテルペン酸を製造する方法であって、
(a) トリテルペン酸を含有する試料と、炭素数6以上の炭化水素ハロゲン化炭化水素アルコール又はエステルからなる群から選択される非水溶性有機溶媒とを混合し、トリテルペン酸を有機層に抽出する工程、
(b) 工程(a)で得られたトリテルペン酸を含む抽出物と塩基性水溶液とを混合し、不純物を析出させる工程、及び
(c) 析出した前記不純物が除去された溶液酸性水溶液とを混合してトリテルペン酸を析出させることを含む、トリテルペン酸を精製する工程、
を含む、前記方法。
(2)トリテルペン酸のpKaが8以下である、上記(1)に記載の方法。
(3)トリテルペン酸が、グリチルレチン酸、オレアノール酸、ウルソール酸、ベツリン酸及びボスウェリン酸からなる群から選択されるものである、上記(1)又は(2)に記載の方法。

発明の効果

0007

本発明により、トリテルペン酸と不純物との混合物から、トリテルペン酸を簡便に精製することができる。また、本発明により、精製されたトリテルペン酸を簡便に製造することができる。

0008

以下、本発明を詳細に説明する。以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこの実施の形態のみに限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施をすることができる。

0009

1.概要
上記の通り、トリテルペン酸を植物から簡便に取得するには様々な課題が存在する。また、遺伝子組換え酵母においてグリチルレチン酸を産生させる場合、当該酵母からの抽出物は、グリチルレチン酸と、生合成中間体やエルゴステロールなどの不純物とが混合されている状態である。
本発明者は、このような混合物からトリテルペン酸を簡便に精製すべく、鋭意検討を行った結果、トリテルペン酸のpKaと不純物のpKaの間に差があることを見出した。そして、両者におけるpKaの差を利用すること、具体的には、塩基性水溶液及び酸性水溶液を用いることにより、混合物からトリテルペン酸を簡便に精製することに成功した。
トリテルペン酸の精製に係る技術分野において、pKaに着目した事例は知られておらず、またこれにより簡便にトリテルペン酸を精製できることは予測できないことであった。
本発明は、トリテルペン酸と不純物との混合物からトリテルペン酸を簡便に精製することができるため、従来方法と比較して、時間的、経済的及び作業的負担を軽減することができる極めて優れた方法である。

0010

2.トリテルペン酸
トリテルペン酸は、トリテルペンを基本骨格とする酸であり、主に、四環性トリテルペン酸及び五環性トリテルペン酸が知られている。本発明において、トリテルペン酸としては五環性トリテルペン酸が好ましく、そのようなトリテルペン酸としては、例えば、グリチルレチン酸、オレアノール酸、ウルソール酸、ベツリン酸及びボスウェリン酸が挙げられるが、これらに限定されない。

0011

また、本発明において、「トリテルペン酸」には、トリテルペン酸の配糖体が含まれる。トリテルペン酸の配糖体としては、例えば、グリチルリチン酸が挙げられる。
本発明におけるトリテルペン酸としては、そのpKaが、不純物のpKaと、塩基性溶液を用いた場合に不純物と分離できる程度に差があるものであれば、限定されるものではない。また、本発明において、トリテルペン酸のpKaは、不純物のpKaと、塩基性溶液を用いた場合に不純物と分離できる程度に差がある値であれば限定されるものではなく、例えば、8以下であり、好ましくは7以下であり、より好ましくは、6以下、特に好ましくは5以下である。また、トリテルペン酸のpKaの下限値は、通常0以上、好ましくは0.1以上である。

0012

各種トリテルペン酸のpKaの値は、当業者であれば公知の方法を用いて容易に算出することができる。例えば、グリチルレチン酸のpKaは、ACD/Labs社製Advanced Chemistry Development Softwareを用いて計算することにより求めることができる。
五環性トリテルペン酸の代表例のpKaを下記の表1に示す。

0013

また、本発明において、「不純物」とは、トリテルペン酸を含む混合物に含有される、トリテルペン酸以外の化合物をいい、そのpKaが、トリテルペン酸のpKaと、塩基性溶液を用いた場合にトリテルペン酸と分離できる程度に差があるものであれば、限定されるものではない。例えば、トリテルペン酸化酵素を発現する遺伝子組換え酵母からの抽出物には、グリチルレチン酸の生合成中間体である、β-アミリン、11-オキソ-β-アミリン、30-ヒドロキシ-11-オキソ-β-アミリン、グリチルレタアルデヒド、及び本来酵母が生産するエルゴステロールなどの化合物が含まれる。
不純物のpKaは、トリテルペン酸のpKaと、塩基性溶液を用いた場合にトリテルペン酸と分離できる程度に差がある値であれば限定されるものではなく、例えば、13以上であり、好ましくは14以上であり、より好ましくは、15以上である。

0014

不純物の代表例として、これらの化合物のpKaを下記の表2に示す。




トリテルペン酸のpKaと不純物のpKaとの差は、7以上、好ましくは8以上、より好ましくは9以上である。

0015

3.トリテルペン酸の製造方法
本発明は、下記の工程(a)〜(c)を含む、トリテルペン酸を製造する方法である。
(a) トリテルペン酸を含有する試料と、炭素数6以上の炭化水素、ハロゲン化炭化水素、アルコール又はエステルからなる群から選択される非水溶性有機溶媒とを混合し、トリテルペン酸を有機層に抽出する工程、
(b) トリテルペン酸を含む有機層又は固形物と塩基性水溶液とを混合し、不純物を析出させる工程、及び
(c) 析出した前記不純物が除去された溶液と酸性水溶液とを混合してトリテルペン酸を析出させることを含む、トリテルペン酸を精製する工程

0016

(1)工程(a)について
本発明において、「トリテルペン酸を含有する試料」としては、トリテルペン酸を含有する試料であれば、限定されるものではなく、例えば、植物の葉、若しくは根及びその抽出物並びにこれらを含む溶液、当該抽出物又はその溶液に加水分解処理を加えたもの、遺伝子組換え体(植物、動物、微生物など)及びその抽出物並びにこれらを含む溶液、遺伝子組換え体を含む培養液及び固体培地、その他トリテルペン酸と他の化合物との混合物、トリテルペン酸のみを極性有機溶媒(例えばエタノール)や水性溶媒(例えば水)で溶解した溶液などが挙げられる。遺伝子組換え微生物としては、遺伝子組換えバクテリア、遺伝子組換え酵母、遺伝子組換えカビが挙げられる。
本発明において、「植物」としては、トリテルペン酸又はその類縁体若しくは配糖体を含むものであれば限定されるものではなく、マメ科植物、シソ科植物及びバラ科植物などが挙げられる。マメ科植物としては、例えば、甘草が挙げられる。

0017

本発明に用いられる非水溶性有機溶媒は、炭素数6以上の炭化水素、ハロゲン化炭化水素、アルコール又はエステルからなる群から選択されるものであり、トリテルペン酸が溶解するものであれば特に限定されるものではないが、望ましくはハロゲン化炭化水素、アルコール又はエステルからなる群から選択されるものである。本発明において、炭素数6以上の炭化水素としては、例えば、n-ヘキサン、n-ヘプタンなどが挙げられ、ハロゲン化炭化水素としては、例えば、クロロホルムジクロロメタン、1,2-ジクロロエタンなどが挙げられ、アルコールとしては、例えば、n-ブタノールイソブタノールn-ヘキサノールなどが挙げられ、エステルとしては、酢酸メチル酢酸エチルプロピオン酸エチル、及び、γ-ブチロラクトン、などが挙げられる。

0018

本発明において、「混合」とは、物質A(例えばトリテルペン酸を含有する試料)と物質B(例えば非水溶性有機溶媒)とを混ぜることを意味し、添加する順番は問わない。
本発明において、工程(a)は、撹拌振盪窒素ガス気流下における乾燥など、当業者が通常行う操作を含んでいてもよい。
また、有機層への抽出量を確認するために、有機層を乾固して得た残渣にエタノール等の有機溶媒を加えて溶解させ、液体クロマトグラフィーなどの任意の測定装置を用いて分析する操作を含んでいてもよい。分析条件は、当該測定装置の取扱説明書に従い、当業者であれば適宜設定することができる。

0019

(2)工程(b)について
本発明において、「トリテルペン酸を含む抽出物」としては、トリテルペン酸を含む有機層又はトリテルペン酸を含む固形物が挙げられる。トリテルペン酸を含む有機層には、トリテルペン酸以外に不純物が含まれてもよいし、含まれなくてもよい。また、トリテルペン酸を含む固形物は、トリテルペン酸を含む有機層由来の固形物、例えばトリテルペン酸を含む有機層を乾固して得られるものであってもよいし、トリテルペン酸を含む有機層に由来しないものであってもよい。本発明において、トリテルペン酸を含む抽出物としては、トリテルペン酸を含む固形物が好ましい。

0020

本発明において、「塩基性水溶液」としては、水酸化ナトリウム水溶液水酸化カリウム水溶液水酸化カルシウム水溶液アンモニア水溶液などが挙げられるが、これらに限定されない。
また、塩基性水溶液の濃度は、水酸化ナトリウム水溶液の場合、0.2M未満、例えば0.01〜0.1Mが好ましく、より好ましくは0.1Mである。
トリテルペン酸を含む抽出物と混合する塩基性水溶液の量比は、当該抽出物に含まれるトリテルペン酸の重量とトリテルペン酸の塩基性水溶液における溶解度から計算することにより決定することができる。例えば、グリチルレチン酸を含む抽出物の場合、これと混合する塩基性水溶液の量比は、抽出物に含まれるグリチルレチン酸 1gに対して0.1M 水酸化ナトリウム水溶液 10mL以上、望ましくは23mL以上である。

0021

工程(b)では、トリテルペン酸を含む有機層又は固形物と塩基性水溶液とを混合することにより、トリテルペン酸以外の不純物を析出させることができる。
この工程では、析出した不純物を、トリテルペン酸を含む溶液と分離することにより、除去することができる。析出した不純物とトリテルペン酸とを分離する方法は限定されるものではなく、例えば、フィルタを用いる方法、遠心分離する方法などが挙げられる。フィルタの孔径は当業者が適宜選択することができ、例えば0.45μmのものを使用できる。
また、工程(b)は、必要に応じて、撹拌、振盪、希釈など、当業者が通常行う操作を含んでいてもよい。また、不純物が除去された溶液に含まれるトリテルペン酸の濃度を測定するために、液体クロマトグラフィーなど、任意の測定装置を用いて分析する操作を含んでいてもよい。
「混合」の定義は、上記(1)で述べたのと同様である。また、不純物についての説明は、上記2.で述べたとおりである。

0022

(3)工程(c)について
工程(c)は、工程(b)で得られた溶液(析出した不純物が除去された溶液)と酸性水溶液とを混合することによりトリテルペン酸を析出させ、析出したトリテルペン酸を精製する工程である。
この工程において、酸性水溶液としては、限定されるものではなく、例えば塩酸、硫酸、硝酸臭化水素酸などが挙げられる。
また、酸性水溶液の濃度は、塩酸の場合、例えば0.01〜12.2Mが好ましく、より好ましくは0.1M〜12.2Mである。
工程(b)で得られた溶液にはトリテルペン酸が含まれているため、この溶液と酸性水溶液とを混合し、この溶液のpHを中性付近に調整することにより、トリテルペン酸を析出させることができる。そして、析出物を含むスラリーを、例えばフィルタに通すことにより、トリテルペン酸を精製することができる。

0023

以上のとおり、工程(a)〜(c)を含む本発明の方法により、トリテルペン酸と不純物との混合物から、トリテルペン酸を簡便に精製することができる。また、本発明の方法により、精製されたトリテルペン酸を簡便に製造することができる。

0024

以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0025

1.トリテルペン酸の有機層への抽出
グリチルレチン酸の5g/Lエタノール溶液0.01ミリリットルを0.5ミリリットルの水に加えて振盪し、これをグリチルレチン酸を含有する試料とした。そこに、有機溶媒として1ミリリットルの酢酸エチル、ジクロロメタン、n-ヘキサンまたはn-ブタノールを添加した。23℃で15分間、1,400rpmで振盪したのち、有機層を取得し窒素ガス気流下に曝露して乾固した。
乾固した残渣にグリチルレチン酸が抽出されていることを確認するために、乾固の残渣に0.1ミリリットルのエタノールを添加して完全に溶解させ、液体クロマトグラフィー(以下、LC)の分析試料とした。分析条件は、以下のとおりである。
[分析条件]
カラム:AQUITY UPLC BEH C18 1.7μm、2.1×100mm
カラム温度:40℃
キャリア:A:0.1%(v/v)リン酸水溶液、B:2-プロパノールアセトニトリル=50:50
グラジエント
0分 A 50%、B 50%
リニアグラジエント
2分 A 0%、B 100%
イソクラティック
4分 A 0%、B 100%
8分 A 50%、B 50%
流速:毎分 0.4ミリリットル
注入量:2マイクロリットル
・検出:UV254nm

0026

その結果を下記の表3に示す。




上記表1に示されるとおり、非水溶性有機溶媒として、酢酸エチル、ジクロロメタン、n-ヘキサン及びn-ブタノールを用いることにより、グリチルレチン酸を有機層に抽出することができることが示された。

0027

2.トリテルペン酸を含む抽出物と塩基性水溶液との混合
56.6ミリグラムのグリチルレチン酸に、1ミリリットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加した。この時、水酸化ナトリウムの濃度はそれぞれ0.01、0.05、0.1モルリットル(M)とした。これらのスラリーを23℃で2時間、1,400rpmで振盪した後、当該スラリーをマイクス(R)フィルタ(孔径:0.45μm)に通し、得られる濾液の一部を水で100倍に希釈しLCにより分析した。
その結果、濾液に含まれるグリチルレチン酸の濃度は下表(表4)のとおりであった。




上記表に示されるとおり、0.01Mから0.1Mの水酸化ナトリウム濃度では、水酸化ナトリウム濃度に応じて濾液に含まれるグリチルレチン酸濃度も高くなり、0.1Mで最も高かった。
この結果から、トリテルペン酸含有物と塩基性水溶液とを混合することにより、固体のトリテルペン酸が効率よく溶解し、フィルタ等により固形分(不純物)と分離することが可能になることが示された。

0028

3.不純物の析出・除去、酸性水溶液との混合、及びトリテルペン酸の析出・精製
グリチルレチン酸及びその不純物としてグリチルレチン酸の生合成中間体であるβ-アミリン並びに酵母が本来生産するエルゴステロールを、それぞれ72%(w/w)、8%(w/w)、及び20%(w/w)含む組成からなる混合試料を調製した。
この混合試料0.15グラムに8ミリリットルの0.1M水酸化ナトリウム水溶液を添加した。この水溶液を23℃で15分間、1,400rpm振盪した後、析出物を含むスラリーをマイレクス(R)フィルタ(孔径:0.45μm)に通し、得られる濾液の一部を水で100倍に希釈しLCにより分析した。

0029

その結果、濾液に含まれるグリチルレチン酸、β-アミリン及びエルゴステロールの濃度はそれぞれ8.9g/L、0.0g/L、及び、0.0g/Lであった。
この結果から、グリチルレチン酸は塩基性水溶液に溶解する一方、不純物であるβ-アミリン及びエルゴステロールは析出してフィルタにより除去されたことが示された。
さらに、この濾液に同容量の0.1M塩酸を添加してpH試験紙で中性付近に調整したところ析出物を確認できた。この析出物を含むスラリーをマイレクス(R)フィルタ(孔径:0.45μm)に通し、得られる濾液をLCで分析したところ、濾液のグリチルレチン酸濃度は0.0g/Lであった。
この結果から、不純物が除去された溶液と酸性溶液とを混合することにより、トリテルペン酸を析出させ、この析出物をフィルタに通すことによりトリテルペン酸を高度に精製できることが示された。

実施例

0030

本実施例により、酢酸エチルで抽出されたグリチルレチン酸及びその不純物を塩基性水溶液と混合し、析出した不純物を除去し、除去された溶液と酸性水溶液とを混合することで、グリチルレチン酸を高度に精製できることが示された。また、本実施例により、精製されたグリチルレチン酸を簡便な方法で製造することができることが示された。

0031

本発明により、トリテルペン酸と不純物との混合物からトリテルペン酸を簡便に精製することができる。また、本発明により、精製されたトリテルペン酸を簡便に製造することができる。

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