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図面 (8)

課題

天然大腸菌を用いた1,3-ブタンジオール(1,3-BDO)の産生方法及び該非天然大腸菌の提供。

解決手段

1,3-ブタンジオール(1,3-BDO)経路を有する非天然大腸菌であって、1,3-BDOを産生するのに十分な量で発現する1,3-BDO経路酵素を各々コードする少なくとも4つの外来性核酸を含み、1,3-BDO経路酵素が、4-ヒドロキシブチリル-CoAデヒドラターゼクロトナーゼ、3-ヒドロキシブチリル-CoA還元酵素アルデヒド形成)、及び3-ヒドロキシブチルアルデヒド還元酵素である、非天然大腸菌、及び十分な時間この非天然大腸菌を酸素量が溶存酸素について飽和の10%未満である状態で培養することを含む1,3-BDOの産生方法の提供。

概要

背景

本発明は一般に、有機化合物を産生することのできる生合成過程及び生物に関する。よ
り具体的には、本発明は、有用化学物質1,3-ブタンジオールを産生することのできる非天
然生物に関する。

1,3-ブタンジオール(1,3-BDO)は、その水和を介してアセチレンから伝統的に産生さ
れる4炭素ジオールである。次に、結果として生じるアセトアルデヒドを3-ヒドロキシ
ルアルデヒドに転換して、これをその後還元して、1,3-BDOを形成する。より近年にお
いて、アセチレンは、アセトアルデヒドの源としてあまり高価ではないエチレンによって
置き換えられてきた。1,3-BDOは、食品調味料のための有機溶媒として普遍的に用いられ
ている。また、1,3-BDOは、ポリウレタン樹脂及びポリエステル樹脂のためのコモノマー
として用いられており、血糖降下薬として広く採用されている。光学的に活性のある1,3-
BDOは、生物活性のある化合物及び液晶の合成のための有用な出発材料である。1,3-ブタ
ンジオールの実質的な商業的使用は、その後に1,3-ブタンジエンを生じる脱水であり(Ic
hikawaらの文献(J. of Molecular Catalysis A-Chemical, 256:106-112(2006);Ichika
waらの文献(J. of Molecular Catalysis A-Chemical, 231:181-189(2005)))、250億ポ
ンド/年の石油化学物質合成ゴム(例えば、タイヤ)、ラテックス、及び樹脂を製造す
るのに用いられる。アセチレン又はエチレンのいずれかについての石油ベース供給原料
に関する信頼は、1,3-ブタンジオールへの及びブタジエンへの再生可能な供給原料ベース
のルートの開発を保証する。

従って、1,3-BDOを産生する微生物及びその使用方法を開発する必要性が存在する。本
発明は、この必要性を満たし、その上、関連する利点を提供する。

概要

天然大腸菌を用いた1,3-ブタンジオール(1,3-BDO)の産生方法及び該非天然大腸菌の提供。1,3-ブタンジオール(1,3-BDO)経路を有する非天然大腸菌であって、1,3-BDOを産生するのに十分な量で発現する1,3-BDO経路酵素を各々コードする少なくとも4つの外来性核酸を含み、1,3-BDO経路酵素が、4-ヒドロキシブチリル-CoAデヒドラターゼクロトナーゼ、3-ヒドロキシブチリル-CoA還元酵素アルデヒド形成)、及び3-ヒドロキシブチルアルデヒド還元酵素である、非天然大腸菌、及び十分な時間この非天然大腸菌を酸素量が溶存酸素について飽和の10%未満である状態で培養することを含む1,3-BDOの産生方法の提供。

目的

アセト
セチル-CoAから1,3-BDOへのこれらの経路の各々は、3つの還元等価物を利用し、消費され
グルコース1モルあたり1モルの1,3-BDOの理論的収量を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

1,3-ブタンジオール(1,3-BDO経路を有する非天然大腸菌であって、1,3-BDOを産生するのに十分な量で発現する1,3-BDO経路酵素を各々コードする少なくとも4つの外来性核酸を含み、該1,3-BDO経路酵素が、4-ヒドロキシブチリル-CoAデヒドラターゼクロトナーゼ、3-ヒドロキシブチリル-CoA還元酵素アルデヒド形成)、及び3-ヒドロキシブチルアルデヒド還元酵素である、前記非天然大腸菌。

請求項2

前記クロトナーゼが、fumA、fumB、fumC、fumH、fum1、MmcB、MmcC、hmd、BACCAP_02294、ANACOL_02527、NtherDRAFT_2368、dmdA、dmdB、crt、crt1、ech paaA、paaB、phaA、phaB、maoC、paaF、paaG、abfD、Msed_1220、fadA、fadB、fadI、fadJ、及びfadRからなる群から選択される1つ以上の遺伝子によってコードされる、請求項1に記載の非天然大腸菌。

請求項3

前記3-ヒドロキシブチルアルデヒド還元酵素が、alrA、ADH2、yqhD、bdh I、bdh II、adhA、4hbd、adhI、P84067、mmsb、dhat、及び3hidhからなる群から選択される1つ以上の遺伝子によってコードされる、請求項1又は2に記載の非天然大腸菌。

請求項4

前記3-ヒドロキシブチリル-CoA還元酵素(アルデヒド形成)が、acr1、sucD、bphG、bld、adhE、Msed_0709、mcr、asd‐2、Saci_2370、Ald、及びeutEからなる群から選択される1つ以上の遺伝子によってコードされる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の非天然大腸菌。

請求項5

前記4-ヒドロキシブチリル-CoAデヒドラターゼが、fumA、fumB、fumC、fumH、fum1、MmcB、MmcC、hmd、BACCAP_02294、ANACOL_02527、NtherDRAFT_2368、dmdA、dmdB、crt、crt1、ech paaA、paaB、phaA、phaB、maoC、paaF、paaG、abfD、Msed_1220、fadA、fadB、fadI、fadJ、及びfadRからなる群から選択される1つ以上の遺伝子によってコードされる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の非天然大腸菌。

請求項6

前記少なくとも1つの外来性核酸が異種性核酸である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の非天然大腸菌。

請求項7

前記非天然大腸菌が培地中に存在し、該培地中の酸素量が溶存酸素について飽和の10%未満である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の非天然大腸菌。

請求項8

請求項1〜7のいずれか一項に記載の非天然大腸菌を含む、培地。

請求項9

1,3-BDOをさらに含む、請求項8記載の培地。

請求項10

1,3-BDOを産生するための条件下及び十分な時間で、請求項1〜7のいずれか一項に記載の非天然大腸菌を培養することを含む、1,3-BDOを産生する方法。

請求項11

1,3-BDOを、前記培養物中の他の成分から分離することをさらに含む、請求項10に記載の方法。

請求項12

請求項13

前記分離が、蒸留を含む、請求項12に記載の方法。

請求項14

前記1,3-BDOを、化合物ポリマー、又は他の生成物化学的転換することをさらに含む、請求項10に記載の方法。

請求項15

前記化合物、ポリマー、又は他の生成物が、ブタジエンゴム、タイヤラテックス、又は樹脂である、請求項14に記載の方法。

技術分野

0001

(関連出願の記述
本出願は、2009年4月30日に出願された米国仮出願第61/174,473号の優先権の利益を主
張し、当該内容は引用によりその全てが本明細書に組み込まれる。

背景技術

0002

本発明は一般に、有機化合物を産生することのできる生合成過程及び生物に関する。よ
り具体的には、本発明は、有用化学物質1,3-ブタンジオールを産生することのできる非天
然生物に関する。

0003

1,3-ブタンジオール(1,3-BDO)は、その水和を介してアセチレンから伝統的に産生さ
れる4炭素ジオールである。次に、結果として生じるアセトアルデヒドを3-ヒドロキシ
ルアルデヒドに転換して、これをその後還元して、1,3-BDOを形成する。より近年にお
いて、アセチレンは、アセトアルデヒドの源としてあまり高価ではないエチレンによって
置き換えられてきた。1,3-BDOは、食品調味料のための有機溶媒として普遍的に用いられ
ている。また、1,3-BDOは、ポリウレタン樹脂及びポリエステル樹脂のためのコモノマー
として用いられており、血糖降下薬として広く採用されている。光学的に活性のある1,3-
BDOは、生物活性のある化合物及び液晶の合成のための有用な出発材料である。1,3-ブタ
ンジオールの実質的な商業的使用は、その後に1,3-ブタンジエンを生じる脱水であり(Ic
hikawaらの文献(J. of Molecular Catalysis A-Chemical, 256:106-112(2006);Ichika
waらの文献(J. of Molecular Catalysis A-Chemical, 231:181-189(2005)))、250億ポ
ンド/年の石油化学物質合成ゴム(例えば、タイヤ)、ラテックス、及び樹脂を製造す
るのに用いられる。アセチレン又はエチレンのいずれかについての石油ベース供給原料
に関する信頼は、1,3-ブタンジオールへの及びブタジエンへの再生可能な供給原料ベース
のルートの開発を保証する。

0004

従って、1,3-BDOを産生する微生物及びその使用方法を開発する必要性が存在する。本
発明は、この必要性を満たし、その上、関連する利点を提供する。

0005

いくつかの実施態様において、本発明は、1,3-ブタンジオール(1,3-BDO)を産生する
のに十分な量で発現する1,3-BDO経路酵素をコードする少なくとも1つの外来性核酸を有す
る1,3-BDO経路を有する微生物を含む非天然微生物に関する。1,3-BDO経路には、2-アミノ
-4-ケトペンタノアート(AKP)チオラーゼ、AKP脱水素酵素、2-アミノ-4-ヒドロキシペン
ノアートアミノトランスフェラーゼ、2-アミノ-4-ヒドロキシペンタノアート酸化還元
酵素脱アミノ化)、2-オキソ-4-ヒドロキシペンタノアートデカルボキシラーゼ、3-ヒ
ロキシブチルアルデヒド還元酵素、AKPアミノトランスフェラーゼ、AKP酸化還元酵素
脱アミノ化)、2,4-ジオキソペンタノアートデカルボキシラーゼ、3-オキソブチルアル
ヒド還元酵素(ケトン還元)、3-オキソブチルアルデヒド還元酵素アルデヒド還元)、
4-ヒドロキシ-2-ブタノン還元酵素、AKPデカルボキシラーゼ、4-アミノブタン-2-オン
ミノトランスフェラーゼ、4-アミノブタン-2-オン酸化還元酵素(脱アミノ化)、4-アミ
ノブタン-2-オンアンモニア-リアーゼ、ブテノンヒドラターゼ、AKPアンモニア-リアーゼ
アセチルアクリラートデカルボキシラーゼ、アセトアセチル-CoA還元酵素(CoA‐依存
性、アルデヒド形成)、アセトアセチル-CoA還元酵素(CoA‐依存性アルコール形成)
、アセトアセチル-CoA還元酵素(ケトン還元)、3-ヒドロキシブチリル-CoA還元酵素(ア
ルデヒド形成)、3-ヒドロキシブチリル-CoA還元酵素(アルコール形成)、4-ヒドロキシ
ブチリル-CoAデヒドラターゼ、及びクロトナーゼからなる群から選択される酵素を含む。

0006

いくつかの実施態様において、本発明は、1,3-BDOを産生する条件下及び十分な時間で
、このような非天然微生物を培養することを含む、1,3-BDOを産生する方法に関する。

図面の簡単な説明

0007

図1は、アラニンから1,3-BDOへの経路を示す。酵素は、A)AKPチオラーゼ、B)AKPアミノトランスフェラーゼ又はAKP酸化還元酵素(脱アミノ化)、C)2,4-ジオキソペンタノアートデカルボキシラーゼ、D)3-オキソブチルアルデヒド還元酵素(アルデヒド還元)、E)AKPデカルボキシラーゼ、F)4-アミノブタン-2-オンアンモニア-リアーゼ、G)ブテノンヒドラターゼ、H)4-ヒドロキシ,2-ブタノン還元酵素、I)AKPアンモニア-リアーゼ、J)アセチルアクリラートデカルボキシラーゼ、K)4-アミノブタン-2-オンアミノトランスフェラーゼ又は4-アミノブタン-2-オン酸化還元酵素(脱アミノ化)、L)AKP脱水素酵素、M)2-アミノ-4-ヒドロキシペンタノアートアミノトランスフェラーゼ又は2-アミノ-4-ヒドロキシペンタノアート酸化還元酵素(脱アミノ化)、N)2-オキソ-4-ヒドロキシペンタノアートデカルボキシラーゼ、O)3-オキソブチルアルデヒド還元酵素(ケトン還元)、及びP)3-ヒドロキシブチルアルデヒド還元酵素である。
図2は、アセトアセチル-CoAから1,3-ブタンジオールへの経路を示す。酵素は、A)アセトアセチル-CoA還元酵素(CoA‐依存性、アルデヒド形成)、B)3-オキソブチルアルデヒド還元酵素(ケトン還元)、C)3-ヒドロキシブチルアルデヒド還元酵素、D)アセトアセチル-CoA還元酵素(CoA‐依存性、アルコール形成)、E)3-オキソブチルアルデヒド還元酵素(アルデヒド還元)、F)4-ヒドロキシ,2-ブタノン還元酵素、G)アセトアセチル-CoA還元酵素(ケトン還元)、H)3-ヒドロキシブチリル-CoA還元酵素(アルデヒド形成)、及びI)3-ヒドロキシブチリル-CoA還元酵素(アルコール形成)である。
図3は、4-ヒドロキシブチリル-CoAから1,3-ブタンジオールへの経路を示す。酵素は、A)4-ヒドロキシブチリル-CoAデヒドラターゼ、B)クロトナーゼ、C)3-ヒドロキシブチリル-CoA還元酵素(アルデヒド形成)、D)3-ヒドロキシブチルアルデヒド還元酵素、及びE)3-ヒドロキシブチリル-CoA還元酵素(アルコール形成)である。
図4は、3-ヒドロキシブチル-CoAに関して有意な活性を示すアルデヒド脱水素酵素を示す。
図5は、透析前後の3-ヒドロキシブチリル-CoAに関するクロストリジウムサッカロパーブチルアセトカムからのbldの比活性を示す。
図6は、3-ヒドロキシブチルアルデヒドが基質として添加された場合の、及び基質を有さない対照試料における1,3-BDO濃度を示す。アルコール脱水素酵素についてのGI番号を示す。
図7は、3-ヒドロキシブチリル-CoAが基質として添加された場合の、及び基質を有さない対照試料における1,3-BDO濃度を示す。アルコール脱水素酵素についてのGI番号を示す。ともに試験されたアルデヒド脱水素酵素についてのGI番号は、163762382である。

0008

(本発明の詳細な説明)
本発明は、1,3-ブタンジオール(1,3-BDO)の産生を触媒する酵素をコードする遺伝子
を発現する非天然微生物に一部関する。本明細書に開示された1,3-ブタンジオールの産生
のための経路は、3つの前駆体:(i)D-アラニン、(ii)アセトアセチル-CoA、及び(ii
i)4-ヒドロキシブチリル-CoAに基づいている。これらの経路を成功裏に操作することは
、十分な活性及び特異性を有する適切なセットの酵素を同定すること、該経路の相応する
遺伝子を産生宿主へとクローニングすること、発酵条件を最適化すること、及び発酵後の
物形成についてアッセイすることを必要とする。

0009

アラニンから1,3-BDOへの転換は、図1に示される約5つの酵素工程におけるいくつかの
経路によって達成することができる。すべての経路の第一の工程(工程A)において、ア
ラニン及びアセチル-CoAは、高度に選択的な酵素である2-アミノ-4-ケトペンタノアート
チオラーゼによって組み合わされる。この反応産物である2-アミノ-4-オキソペンタノア
ート(AKP)は次に、図1に示されるように、アミノ基転移、還元、脱炭酸、又は脱アミ
ノ化することができる。1,3-BDOの産生のための更なる合成工程は、下記に詳細に論議
れる。これらの経路の各々からの1,3-BDOの理論的収量は、約1.09モル消費されるグル
コース1モルであると算出される。

0010

図2は、アセトアセチル-CoAから1,3-BDOを産生する複数の経路を概略する。アセトア
セチル-CoAから1,3-BDOへのこれらの経路の各々は、3つの還元等価物を利用し、消費され
グルコース1モルあたり1モルの1,3-BDOの理論的収量を提供する。また、合成ガスなど
の他の炭素基質も、アセトアセチル-CoAの産生のために用いることができる。合成ガスを
形成するためのグルコースの気化は、6モルのCO及び6モルのH2がグルコースから得られる
仮定されると、消費されるグルコース1モルあたり1.09モルの1,3-BDOの最大理論的収量
を結果として生じるであろう。
6CO+6H2→1.091C4H10O2+1.636CO2+0.545H2

0011

4-ヒドロキシブチリル-CoAは、図3に示される1,3-BDOを含むいくつかの産業的に有用
な化合物を製造することのできる重要な出発代謝産物である。4-ヒドロキシブチリル-CoA
は、高度に共通した中心代謝産物ではないが、4-ヒドロキシブチリル-CoAを合成する系を
操作する方法は、米国特許出願第2009/0075351によって既に説明されている。4-ヒドロ
キシブチリル-CoAから1,3-ブタンジオールへの経路は、1.09モル/炭水化物供給原料とし
てのグルコースを仮定する産物1モルの理論的収量を有する。

0012

また、本発明は、これらの非天然微生物の培養を通じて1,3-BDOを産生する方法に一部
関する。本明細書に説明された該生物及び方法による1,3-BDOの脱水は、この可燃性かつ
反応性の化学物質を輸送する必要性を回避する小さな最終用途施設において再生可能なブ
ジエンを製造する機会を提供する。

0013

本明細書で使用される用語「非天然」は、本発明の微生物(microbial organism)又は
微生物(microorganism)に関して使用される場合、該微生物が、基準種野生型種を含
天然型の基準種において通常認められない少なくとも1つの遺伝的変更を有することを
意味することが意図される。遺伝的変更には、例えば、代謝ポリペプチドをコードする発
現可能核酸、他の核酸付加、核酸欠失及び/又は当該微生物の遺伝物質の他の機能的な破
壊を導入する修飾を含む。このような修飾には、例えば、基準(referenced)種に対し異
種性、相同、又は異種性及び相同の両ポリペプチドのコード領域及びその機能的断片を含
む。追加的な修飾には、例えば、該修飾が遺伝子又はオペロンの発現を変更する非コード
調節領域を含む。典型的な代謝ポリペプチドには、1,3-ブタンジオール生合成経路の内の
酵素又はタンパク質を含む。

0014

代謝修飾とは、その天然状態から変更された生化学的反応をいう。それゆえ、非天然微
生物は、代謝ポリペプチド又はその機能的断片をコードする核酸に対する遺伝的修飾を有
することができる。典型的な代謝修飾は、本明細書に開示される。

0015

本明細書で使用される用語「単離される」は、微生物に関して使用される場合、該基準
微生物が天然に認められるときに少なくとも1つの構成要素を実質的に含まない生物を意
味することを意図する。該用語は、その自然環境で認められるいくつか又は全ての構成要
素から取り出された微生物を含む。また、該用語には、該微生物が非天然環境で認められ
るときにいくつか又は全ての成分から取り出された微生物を含む。それゆえ、単離された
微生物は、天然に認められる場合のような他の物質、又は非天然環境で増殖し、保存し、
若しくは維持される場合のような他の物質から、部分的に若しくは完全に分離される。単
離された微生物の具体的な例には、部分的に純粋な微生物、実質的に純粋な微生物、及び
非天然の培地で培養された微生物を含む。

0016

本明細書で使用される場合、用語「微生物(microbial)」、「微生物(microbial org
anism)」又は「微生物(microorganism)」は、古細菌、細菌又は真核生物ドメイン
に含まれる微視的細胞として存在する任意の生物を意味することを意図する。それゆえ、
該用語は、微視的サイズを有する原核若しくは真核の細胞若しくは生物を包含するよう意
図され、全ての種の細菌、古細菌及び真正細菌、並びに酵母及び真菌などの真核微生物
含む。該用語には、生化学的産生のために培養することのできる任意の種の細胞培養物
含む。

0017

本明細書で使用する場合、用語「CoA」又は「補酵素A」とは、活性のある酵素系を形成
するためにその存在が多くの酵素(アポ酵素)の活性に必要とされる有機補助因子又は
補欠分子族(酵素の非タンパク質部分)を意味することを意図する。特定の縮合酵素にお
ける補酵素Aの機能は、アセチル又は他のアシル基転移において、並びに脂肪酸合成及び
酸化ピルビン酸酸化において、及び他のアセチル化において作用する。

0018

本明細書で使用される場合、用語「実質的に嫌気性」は、培養又は増殖条件に関して使
用される場合、酸素量が液体培地中溶存酸素について約10%未満飽和していることを意
味することを意図する。また、該用語は、約1%未満の酸素の雰囲気で維持される液体又は
固体培地密封チャンバーを含むことも意図する。

0019

本明細書において使用される「外来性」は、該基準分子又は該基準活性が宿主微生物
導入されることを意味することを意図する。該分子は、例えば、宿主染色体への組込みな
どによる宿主遺伝材料へのコード核酸の導入によって、又はプラスミドなどの非染色体性
遺伝材料として、導入できる。それゆえ、該用語は、コード核酸の発現に関して使用され
る場合、発現可能な形態でのコード核酸の微生物への導入をいう。生合成活性に関して使
用される場合、該用語は、宿主基準生物に導入される活性をいう。供給源は、例えば、宿
主微生物への導入後に該基準活性を発現する相同若しくは異種性のコード核酸であり得る
。それゆえ、用語「内在性」とは、宿主に存在する基準分子又は活性をいう。同様に、該
用語は、コード核酸の発現に関して使用される場合、微生物内に含まれるコード核酸の発
現をいう。用語「異種性」とは基準種以外の供給源に由来する分子又は活性をいうのに対
し、「相同」とは宿主微生物に由来する分子又は活性をいう。したがって、本発明のコー
ド核酸の外来性発現は、異種性若しくは相同のいずれか又は両方のコード核酸を利用する
ことができる。

0020

本発明の非天然微生物は、安定した遺伝的変更を含むことができ、これは該変更の損失
なしに5世代を超えて培養することのできる微生物をいう。一般に、安定した遺伝的変更
には、10世代を超えて持続する修飾を含み、特に安定した修飾は約25世代を超えて持続し
、より特定には、安定した遺伝的修飾は50世代(無制限を含む)を超える。

0021

業者は、本明細書に例証される代謝修飾を含む遺伝的変更が、大腸菌などの好適な宿
主生物及びそれらの相応する代謝反応、又は所望の代謝経路のための遺伝子などの所望の
遺伝材料に好適な供給源生物に関して説明されることを理解するであろう。しかしながら
多種多様な生物の完全なゲノム配列決定及びゲノム科学領域における高水準の技術を考
慮すると、当業者は、本質的に他の全ての生物に対して本明細書に提供される教示及びガ
ダンスを容易に適用することができるであろう。例えば、本明細書に例証した大腸菌の
代謝的変更は、該基準種以外の種からの同じ若しくは類似したコード核酸を組み込むこと
により、他の種に容易に適用することができる。このような遺伝的変更には、例えば、一
般的には種ホモログの遺伝的変更、特に、オルソログパラログ又は非オルソロガス遺伝
置換を含む。

0022

オルソログは、垂直系統に関連し、かつ異なる生物において実質的に同じ若しくは同一
の機能の原因となる遺伝子(gene)又は遺伝子(genes)である。例えば、マウスエポキ
シド加水分解酵素及びヒトエポキシド加水分解酵素は、エポキシド加水分解の生物学的
機能のためのオルソログとみなすことができる。遺伝子は、例えば該遺伝子が相同である
こと、又は共通祖先からの進化により関連することを示すのに十分な量の配列類似性を共
有する場合、垂直系統によって関連する。また、遺伝子は、該遺伝子が共通祖先から、該
一次配列類似性が同定できない程度まで進化したことを示すのに十分な量の三次元構造
共有するが、必ずしも配列類似性を共有しない場合、オルソログとみなすこともできる。
オルソロガスである遺伝子は、約25%〜100%アミノ酸配列同一性の配列類似性を有する
タンパク質をコードすることができる。また、25%未満のアミノ酸類似性を共有するタン
パク質をコードする遺伝子は、該タンパク質の三次元構造も類似性を示す場合、垂直系統
により生じたとみなすこともできる。組織プラスミノーゲン活性化因子及びエラスターゼ
を含むセリンプロテアーゼファミリー酵素のメンバーは、共通祖先から垂直系統により生
じたものとみなされる。

0023

オルソログには、例えば進化を通じて、構造又は全体的な活性において分岐した遺伝子
又は遺伝子のコードした遺伝子産物を含む。例えば、ある種が2つの機能を呈する遺伝子
産物をコードし、かつこのような機能が第二の種において異なる遺伝子へと分離した場合
、該3つの遺伝子及びそれらの相応する産物はオルソログであるとみなされる。生化学的
産物の産生のために、当業者は、導入又は破壊されるべき代謝活性を有するオルソロガス
遺伝子が非天然微生物の構築のために選択されるべきことを理解するであろう。単離可能
な活性を呈するオルソログの例は、異なる活性が、2つ以上の種間の、又は単一種内の異
なる遺伝子産物に分離される場合である。具体的な例は、エラスターゼタンパク質分解及
プラスミノーゲンタンパク質分解(2種類のセリンプロテアーゼ活性)の、異なった分
子へのプラスミノーゲン活性化因子及びエラスターゼとしての分離である。第二の例は、
マイコプラズマ5'-3'エキソヌクレアーゼ、及びショウジョウバエDNAポリメラーゼIII活
性の分離である。第一の種由来のDNAポリメラーゼは、第二の種由来のエキソクレアー
ゼ又はポリメラーゼのいずれか又は両方に対するオルソログとみなすことができ、逆もま
た真である。

0024

対照的に、パラログは、例えば、複製とそれに続く進化的分岐に関連するホモログであ
り、類似の又は共通した、しかし同一ではない機能を有する。パラログは、例えば、同種
から若しくは異種から生じ、又は由来し得る。例えば、ミクロソームのエポキシド加水
解酵素(エポキシド加水分解酵素I)及び可溶性エポキシド加水分解酵素(エポキシド加
水分解酵素II)は、これらが、異なった反応を触媒し、該同種において異なる機能を有す
る共通祖先から共進化した2つの異なる酵素を表すので、パラログとみなすことができる
。パラログは、相同であり、又は共通祖先からの共進化を通じて関連していることを示唆
する、互いに有意な配列類似性を有する同種由来のタンパク質である。パラログタンパク
質ファミリーの群には、HipAホモログ、ルシフェラーゼ遺伝子ペプチダーゼ、及びその
他を含む。

0025

非オルソロガス遺伝子置換は、異なる種の基準遺伝子機能と置換することのできる1つ
の種からの非オルソロガス遺伝子である。置換には、例えば、異なる種の基準機能と比較
して、起源の種において実質的に同じ又は類似の機能を果たすことのできるものを含む。
一般に、非オルソロガス遺伝子置換は、該基準機能をコードする公知の遺伝子に構造的
関連するものとして同定することができるが、より構造的に関連が低いものの機能的に類
似する遺伝子及び該遺伝子の相応する遺伝子産物は、それでもなお本明細書に使用される
用語の意味の内に収まる。機能的類似性は、例えば、置換しようとする機能をコードする
遺伝子と比較して、非オルソロガス遺伝子産物の活性部位又は結合領域において少なくと
も若干の構造類似性を必要とする。それゆえ、非オルソロガス遺伝子には、例えば、パラ
ログ又は関連のない遺伝子を含む。

0026

それゆえ、1,3-BDO生合成能力を有する本発明の非天然微生物を同定すること及び構築
することにおいて、当業者は、本明細書に提供される教示及びガイダンスを、代謝修飾の
同定がオルソログの同定及び封入又は不活性化を含むことのできる特定の種に適用するこ
とで理解するであろう。パラログ及び/又は非オルソロガス遺伝子置換が、類似若しくは
実質的に類似の代謝反応を触媒する酵素をコードする基準微生物に存在する程度まで、当
業者はこれらの進化的に関連する遺伝子を利用することもできる。

0027

オルソログ、パラログ及び非オルソロガス遺伝子置換は、当業者に周知の方法により決
定することができる。例えば、2つのポリペプチドについての核酸配列又はアミノ酸配列
検査は、比較された配列間の配列同一性及び類似性を明らかにするであろう。このよう
な類似性に基づいて、当業者は、該タンパク質が共通祖先から進化を介して関連すること
を示すために類似性が十分に高いかどうかを決定することができる。Align、BLAST、Clus
tal W、及びその他などの当業者に周知のアルゴリズムは、生の配列類似性又は同一性
比較及び決定し、更に、重み又はスコア割り当てることができる配列の間隙の存在又は
有意性を決定する。このようなアルゴリズムも当業者に公知であり、ヌクレオチド配列
類似性又は同一性を決定するのに同様に適用できる。相関性を決定するのに十分な類似性
についてのパラメータは、統計的類似性を算出するための周知の方法、又はランダムポリ
ペプチドにおける類似の対応(match)を見出す見込み、及び決定された対応の有意性に
基づいて算出される。2以上の配列に関するコンピュータ比較は、所望の場合、当業者に
よって視覚的に最適化されることもできる。関連する遺伝子産物又はタンパク質は、高い
類似性、例えば、25%〜100%の配列同一性を有すると予測することができる。関連性の
ないタンパク質は、十分なサイズのデータベース走査される(約5%)場合、偶然生じ
ることが予測されるのと本質的に同じである同一性を有することができる。5%〜24%の
配列は、該比較された配列が関連していると結論づけるのに十分な相同性を表すことがで
き、又は表すことができない。データセットのサイズを考慮してこのような対応の有意性
を決定するための追加的な統計的分析を実行して、これらの配列の関連性を決定すること
ができる。

0028

BLASTアルゴリズムを使用する2以上の配列の関連性を決定するための典型的なパラメー
タは、例えば、先に記載したものであることができる。簡潔にいうと、アミノ酸配列整列
は、BLASTPバージョン2.0.8(1999年1月5日)及び以下のパラメータを使用して実施する
ことができる:マトリックス: 0 BLOSUM62;間隙開口:11;間隙伸長:1;x_ドロップ
フ:50;期待値:10.0;文字サイズ:3;フィルター:オン。核酸配列整列は、BLASTNバ
ージョン2.0.6(1998年9月16日)及び以下のパラメータを使用して実施することができる
:対応:1;ミスマッチ:−2;間隙開口:5;間隙伸長:2;x_ドロップオフ:50;期待値
:10.0;文字サイズ:11;フィルター:オフ。当業者は、どの修飾を上記パラメータに導
入して、該比較の厳密性を増加又は減少させることができるか、例えば、2以上の配列の
相関性を決定することができるかを知っているであろう。

0029

いくつかの実施態様において、本発明は、1,3-ブタンジオール(1,3-BDO)を産生する
のに十分な量で発現する1,3-BDO経路酵素をコードする少なくとも1つの外来性核酸ととも
に1,3-BDO経路を有する微生物を含む非天然微生物を提供する。1,3-BDO経路には、2-アミ
ノ-4-ケトペンタノアート(AKP)チオラーゼ、AKP脱水素酵素、2-アミノ-4-ヒドロキシペ
ンタノアートアミノトランスフェラーゼ、2-アミノ-4-ヒドロキシペンタノアート酸化還
元酵素(脱アミノ化)、2-オキソ-4-ヒドロキシペンタノアートデカルボキシラーゼ、3-
ヒドロキシブチルアルデヒド還元酵素、AKPアミノトランスフェラーゼ、AKP酸化還元酵素
(脱アミノ化)、2,4-ジオキソペンタノアートデカルボキシラーゼ、3-オキソブチルアル
デヒド還元酵素(ケトン還元)、3-オキソブチルアルデヒド還元酵素(アルデヒド還元)
、4-ヒドロキシ-2-ブタノン還元酵素、AKPデカルボキシラーゼ、4-アミノブタン-2-オン
アミノトランスフェラーゼ、4-アミノブタン-2-オン酸化還元酵素(脱アミノ化)、4-ア
ミノブタン-2-オンアンモニア-リアーゼ、ブテノンヒドラターゼ、AKPアンモニア-リア
ゼ、アセチルアクリラートデカルボキシラーゼ、アセトアセチル-CoA還元酵素(CoA‐依
存性、アルデヒド形成)、アセトアセチル-CoA還元酵素(CoA‐依存性、アルコール形成
)、アセトアセチル-CoA還元酵素(ケトン還元)、3-ヒドロキシブチリル-CoA還元酵素(
アルデヒド形成)、3-ヒドロキシブチリル-CoA還元酵素(アルコール形成)、4-ヒドロキ
シブチリル-CoAデヒドラターゼ、及びクロトナーゼからなる群から選択される酵素を含む

0030

上記の酵素の任意の組み合わせ及び任意の数は、図1〜3において例証されるように、
宿主微生物へと導入されて、1,3-BDO経路を完了することができる。例えば、非天然微生
物には、1,3-BDO経路における核酸の1、2、3、4、5、最大すべてを含むことができ、各核
酸は1,3-BDO経路酵素をコードする。このような核酸は、異種性核酸、存在する遺伝子の
追加的なコピー、及び遺伝子調節エレメントを、下記にさらに説明するように含むことが
できる。また、本発明の非天然微生物の経路は、実質的に嫌気性培地中で培養するよう好
適に操作される。

0031

いくつかの実施態様において、1,3-BDO経路を有する非天然微生物には、1セットの1,3-
BDO経路酵素を含む。1セットの1,3-BDO経路酵素は、図1〜3に示すように、アラニン、
アセトアセチル-CoA、又は4-ヒドロキシブチリル-CoAから1,3-BDOへと転換することので
きる1群の酵素を表す。図1に従った、アラニンを1,3-BDOへと転換するための典型的なセ
ットの1,3-BDO経路酵素には、(a)(1)2-アミノ-4-ケトペンタノアート(AKP)チオラ
ーゼ;(2)AKP脱水素酵素;(3)2-アミノ-4-ヒドロキシペンタノアートアミノトランス
フェラーゼ又は酸化還元酵素(脱アミノ化);(4)2-オキソ-4-ヒドロキシペンタノアー
トデカルボキシラーゼ;及び(5)3-ヒドロキシブチルアルデヒド還元酵素;(b)(1)2
-アミノ-4-ケトペンタノアート(AKP)チオラーゼ;(2)AKPアミノトランスフェラーゼ
又は酸化還元酵素(脱アミノ化);(3)2,4-ジオキソペンタノアートデカルボキシラ
ゼ;(4)3-オキシブチルアルデヒド還元酵素(ケトン還元);及び(5)3-ヒドロキシブ
チルアルデヒド還元酵素;(c)(1)2-アミノ-4-ケトペンタノアート(AKP)チオラーゼ
;(2)AKPアミノトランスフェラーゼ又は酸化還元酵素(脱アミノ化);(3)2,4-ジオ
キソペンタノアートデカルボキシラーゼ;(4)3-オキソブチルアルデヒド還元酵素(ア
ルデヒド還元);及び(5)4-ヒドロキシ-2-ブタノン還元酵素;(d)(1)2-アミノ-4-
ケトペンタノアート(AKP)チオラーゼ;(2)AKPデカルボキシラーゼ;(3)4-アミノブ
タン-2-オンアミノトランスフェラーゼ又は酸化還元酵素(脱アミノ化);(4)3-オキソ
ブチルアルデヒド還元酵素(ケトン還元);及び(5)3-ヒドロキシブチルアルデヒド還
元酵素;(e)(1)2-アミノ-4-ケトペンタノアート(AKP)チオラーゼ;(2)AKPデカル
キシラーゼ;(3)4-アミノブタン-2-オンアミノトランスフェラーゼ又は酸化還元酵素
(脱アミノ化);(4)3-オキソブチルアルデヒド還元酵素(アルデヒド還元);及び(5
)4-ヒドロキシ-2-ブタノン還元酵素;(f)(1)2-アミノ-4-ケトペンタノアート(AKP
)チオラーゼ;(2)AKPデカルボキシラーゼ;(3)4-アミノブタン-2-オンアンモニア-
リアーゼ;(4)ブテノンヒドラターゼ;及び(5)4-ヒドロキシ-2-ブタノン還元酵素;
及び(g)(1)2-アミノ-4-ケトペンタノアート(AKP)チオラーゼ;(2)AKPアンモニア
-リアーゼ;(3)アセチルアクリラートデカルボキシラーゼ;(4)ブテノンヒドラター
ゼ;及び(5)4-ヒドロキシ-2-ブタノン還元酵素を含む;

0032

図2に従ったアセトアセチル-CoAを1,3-BDOに転換する典型的なセットの1,3-BDO経路酵
素には、(h)(1)アセトアセチル-CoA還元酵素(CoA依存性、アルデヒド形成);(2)
3-オキソブチルアルデヒド還元酵素(ケトン還元);及び(3)3-ヒドロキシブチルアル
デヒド還元酵素;(i)(1)アセトアセチル-CoA還元酵素(CoA依存性、アルコール形成
)及び(2)4-ヒドロキシ-2-ブタノン還元酵素;(j)(1)アセトアセチル-CoA還元酵素
(CoA依存性、アルデヒド形成);(2)3-オキソブチルアルデヒド還元酵素(アルデヒド
還元);及び(3)4-ヒドロキシ-2-ブタノン還元酵素;(k)(1)アセトアセチル-CoA還
元酵素(ケトン還元)及び(2)3-ヒドロキシブチリル-CoA還元酵素(アルコール形成)
;並びに(l)(1)アセトアセチル-CoA還元酵素(ケトン還元);(2)3-ヒドロキシブ
チリル-CoA還元酵素(アルデヒド形成);及び(3)3-ヒドロキシブチルアルデヒド還元
酵素を含む;

0033

図3に従った4-ヒドロキシブチリル-CoAから1,3-BDOに転換する典型的なセットの1,3-B
DO経路酵素には、(m)(1)4-ヒドロキシブチリル-CoAデヒドラターゼ;(2)クロト
ーゼ;及び(3)3-ヒドロキシブチリル-CoA還元酵素(アルコール形成);並びに(n)(
1)4-ヒドロキシブチリル-CoAデヒドラターゼ;(2)クロトナーゼ;(3)3-ヒドロキシ
ブチリル- CoA還元酵素(アルデヒド形成);及び(4)3-ヒドロキシブチルアルデヒド還
元酵素を含む。

0034

アラニンから1,3-BDOへの転換は、図1に示されるような約5の酵素工程を包含するいく
つかの経路によって達成することができる。すべての経路の第一の工程(工程A)におい
て、アラニン及びアセチル-CoAは、高度に選択的な酵素である2-アミノ-4-ケトペンタノ
アートチオラーゼによって組み合わされる。この反応の産物である2-アミノ-4-オキソペ
ンタノアート(AKP)は次に、図1に示されるように、アミノ基転移、還元、脱炭酸、又は
脱アミノ化することができる。

0035

ある経路において、AKPは、アミノトランスフェラーゼ又は脱アミノ化する酸化還元酵
素によって、アルファ-ケトグルタラート構造上類似の2-ケト酸である2,4-ジオキソペ
ンタノアートに転換した(工程B)。2,4-ジオキソペンタノアートは次に、2-ケト酸デカ
ルボキシラーゼによって3-オキソブチルアルデヒドに転換される(工程C)。ケトン基
アルデヒド基のそれらの相応するアルコールへの還元は、1,3-ブタンジオールを生じる
。これらの還元は、中間体3-ヒドロキシブチルアルデヒド(工程O及びP)又は4-ヒドロキ
シ,2-ブタノン(工程D及びH)を形成するためにいずれかにおいて生じることができる。

0036

別の経路において、まず、AKPの4-オキソ基が、AKP脱水素酵素によって第二級アルコ
ルへと還元される(工程L)。次に、産物である2-アミノ-4-ヒドロキシペンタノアートは
、2-オキソ-4-ヒドロキシペンタノアートに転換される(工程M)。結果として生じる2-ケ
ト産は、3-ヒドロキシブチルアルデヒドに脱炭酸される(工程N)。この経路の最終的な
工程において、3-ヒドロキシブチルアルデヒドのアルデヒドは、3-ヒドロキシブチルアル
デヒド還元酵素によって第一級アルコールへと還元され、1,3-ブタンジオールを形成する
(工程P)。

0037

さらに別の経路は、アミノ酸デカルボキシラーゼによるAKPの脱炭酸を包含する(工程E
)。脱炭酸産物である4-アミノブタン-2-オンは、3-オキソブチルアルデヒドへとアミノ
基転移か若しくは酸化的に脱アミノ化するかのいずれかができる(工程K)か又はブテノ
ンへと脱アミノ化することができる(工程F)。3-オキソブチルアルデヒドが形成される
場合、既に説明したとおり、2つのアルコール形成還元工程を用いて1,3-ブタンジオール
を形成する(工程O及びP、又は工程D及びH)。次に、脱アミノ化産物であるブテノンを4-
ヒドロキシ,2-ブタノンへと加水分解して(工程G)、これを4-ヒドロキシ-2-ブタノン還
元酵素によって1,3-ブタンジオールへと還元する(工程H)。

0038

さらに別の経路は、AKPのアセチルアクリラートへの脱アミノ化を包含する(工程I)。
アセチルアクリラートをブテノンに脱炭酸し(工程J)、これを次に、ブテノンヒドラタ
ーゼ(工程G)及び4-ヒドロキシ,2-ブタノン還元酵素(工程H)によって1,3-ブタンジオ
ールへと転換する。

0039

アラニンからの産物1,3-BDOについて先に説明した経路に基づいて、いくつかの実施態
様において、非天然微生物は、(1)2-アミノ-4-ケトペンタノアート(AKP)チオラーゼ
;(2)AKP脱水素酵素;(3)2-アミノ-4-ヒドロキシペンタノアートアミノトランスフェ
ラーゼ又は酸化還元酵素(脱アミノ化);(4)2-オキソ-4-ヒドロキシペンタノアートデ
カルボキシラーゼ;及び(5)3-ヒドロキシブチルアルデヒド還元酵素を含む1セットの1,
3-BDO経路酵素を有する。これらの酵素をコードする任意の数の核酸は、これらの酵素を
コードする1、2、3、4、最大5つすべての核酸を含む宿主微生物へと導入することができ
る。1、2、3、又は4の外来性核酸が導入される場合、このような核酸は、5つの核酸の任
意の並べ替えであることができる。

0040

他の実施態様において、非天然微生物は、(1)2-アミノ-4-ケトペンタノアート(AKP
)チオラーゼ;(2)AKPアミノトランスフェラーゼ又は酸化還元酵素(脱アミノ化);(
3)2,4-ジオキソペンタノアートデカルボキシラーゼ;(4)3-オキソブチルアルデヒド還
元酵素(ケトン還元);及び(5)3-ヒドロキシブチルアルデヒド還元酵素を含む1セット
の1,3-BDO経路酵素を有する。これらの酵素をコードする任意の数の核酸は、これらの酵
素をコードする1、2、3、4、最大5つすべての核酸を含む宿主微生物へと導入することが
できる。1、2、3、又は4の外来性核酸が導入される場合、このような核酸は、5つの核酸
の任意の並べ替えであることができる。

0041

さらに他の実施態様において、非天然微生物は、(1)2-アミノ-4-ケトペンタノアート
(AKP)チオラーゼ;(2)AKPアミノトランスフェラーゼ又は酸化還元酵素(脱アミノ化
);(3)2,4-ジオキソペンタノアートデカルボキシラーゼ;(4)3-オキソブチルアルデ
ヒド還元酵素(アルデヒド還元);及び(5)4-ヒドロキシ-2-ブタノン還元酵素を含む1
セットの1,3-BDO経路酵素を有する。これらの酵素をコードする任意の数の核酸は、これ
らの酵素をコードする1、2、3、4、最大5つすべての核酸を含む宿主微生物へと導入する
ことができる。1、2、3、又は4の外来性核酸が導入される場合、このような核酸は、5つ
の核酸の任意の並べ替えであることができる。

0042

なおも更なる実施態様において、非天然微生物は、(1)2-アミノ-4-ケトペンタノアー
ト(AKP)チオラーゼ;(2)AKPデカルボキシラーゼ;(3)4-アミノブタン-2-オンアミ
ノトランスフェラーゼ又は酸化還元酵素(脱アミノ化);(4)3-オキソブチルアルデヒ
ド還元酵素(ケトン還元);及び(5)3-ヒドロキシブチルアルデヒド還元酵素を含む1セ
ットの1,3-BDO経路酵素を有する。これらの酵素をコードする任意の数の核酸は、これら
の酵素をコードする1、2、3、4、最大5つすべての核酸を含む宿主微生物へと導入するこ
とができる。1、2、3、又は4の外来性核酸が導入される場合、このような核酸は、5つの
核酸の任意の並べ替えであることができる。

0043

なおもさらに更なる実施態様において、非天然微生物は、(1)2-アミノ-4-ケトペンタ
ノアート(AKP)チオラーゼ;(2)AKPデカルボキシラーゼ;(3)4-アミノブタン-2-オ
ンアミノトランスフェラーゼ又は酸化還元酵素(脱アミノ化);(4)3-オキソブチルア
ルデヒド還元酵素(アルデヒド還元);及び(5)4-ヒドロキシ-2-ブタノン還元酵素を含
む1セットの1,3-BDO経路酵素を有する。これらの酵素をコードする任意の数の核酸は、こ
れらの酵素をコードする1、2、3、4、最大5つすべての核酸を含む宿主微生物へと導入す
ることができる。1、2、3、又は4の外来性核酸が導入される場合、このような核酸は、5
つの核酸の任意の並べ替えであることができる。

0044

さらに更なる実施態様において、非天然微生物は、(1)2-アミノ-4-ケトペンタノアー
ト(AKP)チオラーゼ;(2)AKPデカルボキシラーゼ;(3)4-アミノブタン-2-オンアン
ニア-リアーゼ;(4)ブテノンヒドラターゼ;及び(5)4-ヒドロキシ-2-ブタノン還元
酵素を含む1セットの1,3-BDO経路酵素を有する。これらの酵素をコードする任意の数の核
酸は、これらの酵素をコードする1、2、3、4、最大5つすべての核酸を含む宿主微生物へ
と導入することができる。1、2、3、又は4の外来性核酸が導入される場合、このような核
酸は、5つの核酸の任意の並べ替えであることができる。

0045

なおもさらに更なる実施態様において、非天然微生物は、(1)2-アミノ-4-ケトペンタ
ノアート(AKP)チオラーゼ;(2)AKPアンモニア-リアーゼ;(3)アセチルアクリラー
トデカルボキシラーゼ;(4)ブテノンヒドラターゼ;及び(5)4-ヒドロキシ-2-ブタノ
ン還元酵素を含む1セットの1,3-BDO経路酵素を有する。これらの酵素をコードする任意の
数の核酸は、これらの酵素をコードする1、2、3、4、最大5つすべての核酸を含む宿主微
生物へと導入することができる。1、2、3、又は4の外来性核酸が導入される場合、このよ
うな核酸は、5つの核酸の任意の並べ替えであることができる。

0046

図2は、アセトアセチル-CoAから1,3-ブタンジオールを産生する複数の経路を概略する
。工程A、B、及びCを通じたある経路は、(i)アセトアセチル-CoAを3-オキソブチルアル
デヒドに転換するCoA‐依存性、アルデヒド形成アセトアセチル-CoA転換酵素図2、工
程A)、(ii)3-オキソブチルアルデヒドを3-ヒドロキシブチルアルデヒドに還元する3-
オキソブチルアルデヒド還元酵素(図2、工程B)、及び(iii)最後に、1,3-ブタンジオ
ールを形成するための3-ヒドロキシブチルアルデヒド還元酵素(図2、工程C)を利用す
る。

0047

あるいは、アセトアセチル-CoAは、アルデヒド形成アセトアセチル-CoA還元酵素を介し
て還元され、4-ヒドロキシ,2-ブタノンを形成することができる(図2、工程D)。また、
4-ヒドロキシ,2-ブタノンは、アルデヒドを還元する3-オキソブチルアルデヒド還元酵素
による3-オキソブチルアルデヒドの還元によって形成することもできる(図2、工程E)
。最終的に、4-ヒドロキシ-2-ブタノン還元酵素によって4-ヒドロキシ,2-ブタノンを還元
して、1,3-BDOを形成することができる(図2、工程F)。

0048

なおも別のセットの1,3-BDO形成経路は、ケトンを還元するアセトアセチル-CoA還元酵
素によるアセトアセチル-CoAの3-ヒドロキシブチリル-CoAへの還元による(図2、工程G
)。この酵素は、アセトアセチル-CoAにおけるケトン機能ヒドロキシル基へと還元する
。3-ヒドロキシブチリル-CoAは、二機能性アルコール形成3-ヒドロキシブチリル-CoA還元
酵素によって還元され、1,3-ブタンジオールを形成することができる(図2、工程I)。
あるいは、3-ヒドロキシブチリル-CoAはまず、アルデヒド形成3-ヒドロキシブチリル-CoA
還元酵素を介して3-ヒドロキシブチルアルデヒドに還元されることができ(工程H)、次
に、3-ヒドロキシブチルアルデヒドは、工程Cに示されるように還元されることができる

0049

アセトアセチル-CoAからの1,3-BDOの産生について先に説明した経路に基づいて、いく
つかの実施態様において、非天然微生物は、(1)アセトアセチル-CoA還元酵素(CoA‐依
存性、アルデヒド形成);(2)3-オキソブチルアルデヒド還元酵素(ケトン還元);及
び(3)3-ヒドロキシブチルアルデヒド還元酵素を含む1セットの1,3-BDO経路酵素を有す
る。これらの酵素をコードする任意の数の核酸は、これらの酵素をコードする1、2、最大
3つすべての核酸を含む宿主微生物へと導入することができる。1又は2の外来性核酸が導
入される場合、このような核酸は、3つの核酸の任意の並べ替えであることができる。

0050

他の実施態様において、非天然微生物は、(1)アセトアセチル-CoA還元酵素(CoA依存
性、アルコール形成)及び(2)4-ヒドロキシ-2-ブタノン還元酵素を含む1セットの1,3-B
DO経路酵素を有する。これらの酵素をコードする任意の数の核酸は、これらの酵素をコー
ドする1又は両方の核酸を含む宿主微生物へと導入することができる。1つの外来性核酸が
導入される場合、このような核酸は、2つの核酸のいずれかであることができる。

0051

更なる実施態様において、非天然微生物は、(1)アセトアセチル-CoA還元酵素(CoA‐
依存性、アルデヒド形成);(2)3-オキソブチルアルデヒド還元酵素(アルデヒド還元
);及び(3)4-ヒドロキシ-2-ブタノン還元酵素を含む1セットの1,3-BDO経路酵素を有す
る。これらの酵素をコードする任意の数の核酸は、これらの酵素をコードする1、2、最大
3つすべての核酸を含む宿主微生物へと導入することができる。1又は2の外来性核酸が導
入される場合、このような核酸は、3つの核酸の任意の並べ替えであることができる。

0052

なおも更なる実施態様において、非天然微生物は、(1)アセトアセチル-CoA還元酵素
(ケトン還元)及び(2)3-ヒドロキシブチリル-CoA還元酵素(アルコール形成)を含む1
セットの1,3-BDO経路酵素を有する。これらの酵素をコードする任意の数の核酸は、これ
らの酵素をコードする1又は両方の核酸を含む宿主微生物へと導入することができる。1の
外来性核酸が導入される場合、このような核酸は、2つの核酸のいずれかであることがで
きる。

0053

さらに更なる実施態様において、非天然微生物は、(1)アセトアセチル-CoA還元酵素
(ケトン還元);(2)3-ヒドロキシブチリル-CoA還元酵素(アルデヒド形成);及び(3
)3-ヒドロキシブチルアルデヒド還元酵素を含む1セットの1,3-BDO経路酵素を有する。こ
れらの酵素をコードする任意の数の核酸は、これらの酵素をコードする1、2、最大3つす
べての核酸を含む宿主微生物へと導入することができる。1又は2の外来性核酸が導入され
る場合、このような核酸は、3つの核酸の任意の並べ替えであることができる。

0054

4-ヒドロキシブチリル-CoAは、いくつかの産業的に有用な化合物を製造することのでき
る重要な出発代謝産物である。4-ヒドロキシブチリル-CoAは、高度に普遍的な中心代謝産
物ではないが、4-ヒドロキシブチリル-CoAを合成する株を操作する方法は、Burkらの文献
(US20090075351)に説明されている。典型的な方法は、コハク酸セミアルデヒド脱水素
酵素活性(CoA‐依存性)、4-ヒドロキシブチラート脱水素酵素活性、4-ヒドロキシブチ
ラートキナーゼ活性、及びホスホトランスブチリラーゼ活性をコードする遺伝子を採用す
ることによって、スクシニル-CoAから4-ヒドロキシブチリル-CoAを合成することを包含す
る。

0055

経路における第一の工程は、4-ヒドロキシブチリル-CoAの脱水(工程A、図3)後に、
クロトノイル-CoAを水和して3-ヒドロキシブチリル-CoAを形成すること(工程B)を包含
する。次に、3-ヒドロキシブチリル-CoAは、2つの酵素(工程C及びD)又は単一の二重機
能酵素(工程E)のいずれかによって実施される2つの還元工程を経験して、1,3-ブタンジ
オールを形成する。

0056

従って、いくつかの実施態様において、非天然微生物は、(1)4-ヒドロキシブチリル-
CoAデヒドラターゼ;(2)クロトナーゼ;及び(3)3-ヒドロキシブチリル-CoA還元酵素
(アルコール形成)を含む1セットの1,3-BDO経路酵素を有する。これらの酵素をコードす
る任意の数の核酸は、これらの酵素をコードする1、2、最大3つすべての核酸を含む宿主
微生物へと導入することができる。1又は2の外来性核酸が導入される場合、このような核
酸は、3つの核酸の任意の並べ替えであることができる。

0057

他の実施態様において、非天然微生物は、(1)4-ヒドロキシブチリル-CoAデヒドラタ
ーゼ;(2)クロトナーゼ;(3)3-ヒドロキシブチリル-CoA還元酵素(アルデヒド形成)
;及び(4)3-ヒドロキシブチルアルデヒド還元酵素を含む1セットの1,3-BDO経路酵素を
有する。これらの酵素をコードする任意の数の核酸は、これらの酵素をコードする1、2、
3、最大4つすべての核酸を含む宿主微生物へと導入することができる。1、2又は3の外来
性核酸が導入される場合、このような核酸は、4つの核酸の任意の並べ替えであることが
できる。

0058

追加的な実施態様において、本発明は、1,3-BDO経路を有する非天然微生物を提供し、
この中で、非天然微生物は、アラニンから2-アミノ-4-オキソペンタノアートへ、2-アミ
ノ-4-オキソペンタノアートから2-アミノ-4-ヒドロキシペンタノアートへ、2-アミノ-4-
ヒドロキシペンタノアートから2-オキソ-4-ヒドロキシペンタノアートへ、2-オキソ-4-ヒ
ドロキシペンタノアートから3-ヒドロキシブチルアルデヒドへ、及び3-ヒドロキシブチル
アルデヒドから1,3-BDOへからなる群から選択される基質を産物へ転換する酵素又はタン
パク質をコードする少なくとも1つの外来性核酸を含む。

0059

追加的な実施態様において、本発明は、1,3-BDO経路を有する非天然微生物を提供し、
この中で、非天然微生物は、アラニンから2-アミノ-4-オキソペンタノアートへ、2-アミ
ノ-4-オキソペンタノアートから2,4-ジオキソペンタノアートへ、2,4-ジオキソペンタノ
アートから3-オキソブチルアルデヒドへ、3-オキソブチルアルデヒドから3-ヒドロキシブ
チルアルデヒドへ、及び3-ヒドロキシブチルアルデヒドから1,3-BDOへからなる群から選
択される基質から産物へ転換する酵素又はタンパク質をコードする少なくとも1つの外来
性核酸を含む。

0060

追加的な実施態様において、本発明は、1,3-BDO経路を有する非天然微生物を提供し、
この中で、非天然微生物は、アラニンから2-アミノ-4-オキソペンタノアートへ、2-アミ
ノ-4-オキソペンタノアートから2,4-ジオキソペンタノアートへ、2,4-ジオキソペンタノ
アートから3-オキソブチルアルデヒドへ、3-オキソブチルアルデヒドから4-ヒドロキシ-2
-ブタノンへ、及び4-ヒドロキシ-2-ブタノンから1,3-BDOへからなる群から選択される基
質から産物へ転換する酵素又はタンパク質をコードする少なくとも1つの外来性核酸を含
む。

0061

追加的な実施態様において、本発明は、1,3-BDO経路を有する非天然微生物を提供し、
この中で、非天然微生物は、アラニンから2-アミノ-4-オキソペンタノアートへ、2-アミ
ノ-4-オキソペンタノアートから4-アミノブタン-2-オンへ、4-アミノブタン-2-オンから3
-オキソブチルアルデヒドへ、3-オキソブチルアルデヒドから3-ヒドロキシブチルアルデ
ヒドへ、及び3-ヒドロキシブチルアルデヒドから1,3-BDOへからなる群から選択される基
質から産物へ転換する酵素又はタンパク質をコードする少なくとも1つの外来性核酸を含
む。

0062

追加的な実施態様において、本発明は、1,3-BDO経路を有する非天然微生物を提供し、
この中で、非天然微生物は、アラニンから2-アミノ-4-オキソペンタノアートへ、2-アミ
ノ-4-オキソペンタノアートから4-アミノブタン-2-オンへ、4-アミノブタン-2-オンから3
-オキソブチルアルデヒドへ、3-オキソブチルアルデヒドから4-ヒドロキシ-2-ブタノンへ
、及び4-ヒドロキシ-2-ブタノンから1,3-BDOへからなる群から選択される基質から産物へ
転換する酵素又はタンパク質をコードする少なくとも1つの外来性核酸を含む。

0063

追加的な実施態様において、本発明は、1,3-BDO経路を有する非天然微生物を提供し、
この中で、非天然微生物は、アラニンから2-アミノ-4-オキソペンタノアートへ、2-アミ
ノ-4-オキソペンタノアートから4-アミノブタン-2-オンへ、4-アミノブタン-2-オンから
ブテノンへ、ブテノンから4-ヒドロキシ-2-ブタノンへ、4-ヒドロキシ-2-ブタノンから1,
3-BDOへからなる群から選択される基質から産物へ転換する酵素又はタンパク質をコード
する少なくとも1つの外来性核酸を含む。

0064

追加的な実施態様において、本発明は、1,3-BDO経路を有する非天然微生物を提供し、
この中で、非天然微生物は、アラニンから2-アミノ-4-オキソペンタノアートへ、2-アミ
ノ-4-オキソペンタノアートからアセチルアクリラートへ、アセチルアクリラートからブ
テノンへ、ブテノンから4-ヒドロキシ-2-ブタノンへ、及び4-ヒドロキシ-2-ブタノンから
1,3-BDOへからなる群から選択される基質から産物へ転換する酵素又はタンパク質をコー
ドする少なくとも1つの外来性核酸を含む。

0065

このように、本発明は、図1に示される経路によって例証されるように、酵素又はタン
パク質がアラニンを転換する1,3-BDO経路の基質及び産物を1,3-BDOへ転換する酵素又はタ
ンパク質をコードする少なくとも1つの外来性核酸を含む非天然微生物を提供する。

0066

追加的な実施態様において、本発明は、1,3-BDO経路を有する非天然微生物を提供し、
この中で、非天然微生物は、アセトアセチル-CoAから4-ヒドロキシ-2-ブタノンへ、及び4
-ヒドロキシ-2-ブタノンから1,3-BDOへからなる群から選択される基質から産物へ転換す
る酵素又はタンパク質をコードする少なくとも1つの外来性核酸を含む。

0067

追加的な実施態様において、本発明は、1,3-BDO経路を有する非天然微生物を提供し、
この中で、非天然微生物は、アセトアセチル-CoAから3-オキソブチルアルデヒドへ、3-オ
キシブチルアルデヒドから4-ヒドロキシ-2-ブタノンへ、及び4-ヒドロキシ-2-ブタノンか
ら1,3-BDOへからなる群から選択される基質から産物へ転換する酵素又はタンパク質をコ
ードする少なくとも1つの外来性核酸を含む。

0068

追加的な実施態様において、本発明は、1,3-BDO経路を有する非天然微生物を提供し、
この中で、非天然微生物は、アセトアセチル-CoAから3-オキソブチルアルデヒドへ、3-オ
キシブチルアルデヒドから3-ヒドロキシブチルアルデヒドへ、及び3-ヒドロキシブチルア
ルデヒドから1,3-BDOへからなる群から選択される基質から産物へ転換する酵素又はタン
パク質をコードする少なくとも1つの外来性核酸を含む。

0069

追加的な実施態様において、本発明は、1,3-BDO経路を有する非天然微生物を提供し、
この中で、非天然微生物は、アセトアセチル-CoAから3-ヒドロキシブチリル-CoAへ、3-ヒ
ドロキシブチリル-CoAから3-ヒドロキシブトリルアルデヒド(3-hydroxybutrylaldehyde
)へ、及び3-ヒドロキシブトリルアルデヒドから1,3-BDOへからなる群から選択される基
質から産物へ転換する酵素又はタンパク質をコードする少なくとも1つの外来性核酸を含
む。

0070

追加的な実施態様において、本発明は、1,3-BDO経路を有する非天然微生物を提供し、
この中で、非天然微生物は、アセトアセチル-CoAから3-ヒドロキシブチリル-CoAへ、及び
3-ヒドロキシブチリル-CoAから1,3-BDOへからなる群から選択される基質から産物へ転換
する酵素又はタンパク質をコードする少なくとも1つの外来性核酸を含む。

0071

このように、本発明は、酵素又はタンパク質をコードする少なくとも1つの外来性核酸
を含む非天然微生物を提供し、ここで、酵素又はタンパク質は、図2に示される経路によ
って例証されるように、アセトアセチル-CoAから転換する1,3-BDO経路の基質及び産物を1
,3-BDOへ転換する。

0072

追加的な実施態様において、本発明は、1,3-BDO経路を有する非天然微生物を提供し、
この中で、非天然微生物は、4-ヒドロキシブチリル-CoAからクロトノイル-CoAへ、クロト
ノイルCoAから3-ヒドロキシブチリル-CoAへ、3-ヒドロキシブチリル-CoAから3-ヒドロキ
シブトリルアルデヒドへ、及び3-ヒドロキシブトリルアルデヒドから1,3-BDOへからなる
群から選択される基質から産物へ転換する酵素又はタンパク質をコードする少なくとも1
つの外来性核酸を含む。

0073

追加的な実施態様において、本発明は、1,3-BDO経路を有する非天然微生物を提供し、
この中で、非天然微生物は、4-ヒドロキシブチリル-CoAからクロトノイル-CoAへ、クロト
ノイルCoAから3-ヒドロキシブチリル-CoAへ、3-ヒドロキシブチリル-CoAから1,3-BDOへか
らなる群から選択される基質から産物へ転換する酵素又はタンパク質をコードする少なく
とも1つの外来性核酸を含む。

0074

このように、本発明は、酵素又はタンパク質をコードする少なくとも1つの外来性核酸
を含む非天然微生物を提供し、ここで、酵素又はタンパク質は、図3に示される経路によ
って例証されるように、4-ヒドロキシブチリル-CoAから1,3-BDOへ転換する1,3-BDO経路の
基質及び産物を転換する。

0075

これらの経路の任意を成功裏に操作することは、十分な活性及び特異性を有する適切な
セットの酵素を同定すること、該酵素の相応する遺伝子を産生宿主へとクローニングする
こと、発酵条件を最適化すること、及び発酵後の産物形成についてアッセイすることを必
要とする。上記の産物の任意の産生のために産生宿主を操作するために、1つ以上の外来
DNA配列は微生物において発現することができる。加えて、微生物は、機能的に欠失し
外来性遺伝子を有することができる。これらの修飾は、再生可能な供給減量を用いた1,
3-BDOの産生を可能とするであろう。

0076

下記に、本発明者らは、図1、2、及び3において示される工程の各々を触媒する酵素
をコードすることのできるいくつかの生化学的に特徴づけられた遺伝子を説明する。本発
明者らは、大腸菌についての本方法を説明するが、当業者は、本質的に任意の他の生物に
これらの教示を適用することができる。具体的には、遺伝子は、適切にクローニング及び
発現した適切な形質転換を触媒するのに適用することのできる他の生物における遺伝子に
加えて、大腸菌に対して未変性の遺伝子が列挙される。

0077

本発明は、一般的に代謝反応、反応物若しくはその産物に関して、又は基準代謝反応、
反応物、若しくは産物と会合若しくは触媒する酵素を、又は会合するタンパク質をコード
する1つ以上の核酸若しくは遺伝子に特に関して本明細書に説明される。本明細書で別段
の明確な記載がない限り、当業者は、反応に対する引用はまた、反応の反応物及び産物に
対する引用も構成することを理解するであろう。同様に、本明細書で別段の明確な記載が
ない限り、反応物又は産物に対する引用はまた、反応を引用し、これらの代謝構成体の任
意に対する引用はまた、基準反応、反応物、又は産物を触媒する酵素又は包含されるタン
パク質をコードする遺伝子(gene)又は遺伝子(genes)を引用する。同じく、代謝生化
学、酵素学、及びゲノム科学の周知の分野を考慮すると、遺伝子に対する又は核酸をコー
ドする本明細書での引用はまた、相応するコードした酵素、及び該酵素が触媒する反応、
又は反応、並びに反応の反応物及び産物を触媒又は会合するタンパク質に対する引用も構
成する。

0078

図1〜3に示されたすべての形質転換は、表1に示される形質転換の8個の一般的なカテ
ゴリーへと収まる。下記に、各カテゴリーにおけるいくつかの生化学的に特徴づけられた
遺伝子が説明されている。具体的に列挙されているのは、適切にクローニング及び発現し
た場合に、図1〜3における適切な形質転換を触媒するのに適用することのできる遺伝子
である。図1〜3における工程の各々について典型的な遺伝子は、下記の表35〜37にさら
に提供される。

0079

表1は、共通の中心代謝中間体を1,3-ブタンジオールへ転換するのに有用な酵素の種類
を示す。各標識の最初の3つの数字は、基質特異性とは無関係な形質転換の一般的な種類
を示す最初の3つの酵素委員会(Enzyme Commission)番号数字に相応する。



図1図2、及び図3における数多くの形質転換は、アルデヒドからアルコールへ還元
する酸化還元酵素のカテゴリーに収まる。例えば、3-オキソブチルアルデヒド還元酵素(
アルデヒド還元)及び3-ヒドロキシブチルアルデヒド還元酵素によってそれぞれ触媒され
図1における工程D及び工程Pは、このカテゴリーに収まる。同様に、また、3-ヒドロキ
シブチルアルデヒド還元酵素及び3-オキソブチルアルデヒド還元酵素(アルデヒド還元)
によってそれぞれ触媒される図2における工程C及び工程Eも、アルデヒド官能性をアルコ
ールに転換する酸化還元酵素である。図3における経路は、工程Dにおける3-ヒドロキシ
ブチルアルデヒド還元酵素などの酸化還元酵素を包含する。

0080

アルデヒドからアルコールへの転換を触媒する酵素(すなわち、アルコール脱水素酵素
又は等価のアルデヒド還元酵素)をコードする典型的な遺伝子には、C2-C14について中鎖
アルコール脱水素酵素をコードするalrA(Taniらの文献(Appl. Environ. Microbiol., 6
6:5231-5235(2000)))、出芽酵母由来のADH2(Atsumiらの文献(Nature, 451:86-89
(2008)))、C3よりも長い分子について優先度を有する大腸菌由来のyqhD(Sulzenbach
erらの文献(J. of Molecular Biology, 342:489-502(2004)))、並びにブチルアル
デヒドをブタノールに転換するクロストリジウム・アセトブチリカム由来のbdhI及びbdhI
I(Walterらの文献(J. of Bacteriology, 174:7149-7158(1992)))を含む。yqhDの
遺伝子産物は、NADPHを共因子として用いて、アセトアルデヒド、マロンジアルデヒド
プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、及びアクロレインの還元を触媒する(Perez
らの文献(J. Biol. Chem., 283:7346-7353(2008)))。ザイモモナスモビリス由来
のadhA遺伝子産物は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブ
チルアルデヒド、及びアクロレインを含むいくつかのアルデヒドに関する活性を有するこ
とが示されている(Kinoshitaらの文献(Appl. Microbiol. Biotechnol, 22:249-254(1
985)))。追加的なアルデヒド還元酵素候補物は、クロストリジウム・サッカロパーブ
チルアセトニカムにおけるbdh並びにクロストリジウム・ベイジェリンキにおけるCbei_17
22、Cbei_2181、及びCbei_2421によってコードされる。

0081

これらの典型的な遺伝子産物の各々についての配列に関連するデータは、表2に示され
る以下のGenBank受入番号を用いて見出すことができる。

0082

また、3-ヒドロキシブチルアルデヒド還元酵素活性(EC1.1.1.61)を呈する酵素もこの
カテゴリーに収まる。このような酵素は、ラルストニアユートロファ(Bravoらの文献
(J. Forensic Sci., 49:379-387(2004)))、クロストリジウム・クライベリ(Wolff
らの文献(Protein Expr. Purif., 6:206-212(1995)))、及びシロイヌナズナ(Brei
tkreuzらの文献(J. Biol. Chem., 278:41552-41556(2003)))において特徴づけられ
ている。なおも別の遺伝子は、ゲオバチルスサーモグルコシダウス由来のアルコール
脱水素酵素adhIである(Jeonらの文献(J. Biotechnol., 135:127-133(2008)))。こ
れらの典型的な遺伝子産物の各々についての配列と関連したデータは、表3に示される以
下のGenBank受入番号を用いて見出すことができる。

0083

別の典型的な酵素は、3-ヒドロキシイソブチラートメチルマロナートセミアルデヒド
への可逆的酸化を触媒する3-ヒドロキシイソブチラート脱水素酵素である。この酵素は、
バリンロイシン、及びイソロイシンの分解に関与し、細菌、真核生物、及び哺乳類にお
いて同定されている。サーマスサーモフィラスHB8由来のP84067によってコードされる
酵素が構造的に特徴づけられている(Lokanathらの文献(J. Mol. Biol., 352:905-917
(2005)))。ヒト3-ヒドロキシイソブチラート脱水素酵素の可逆性は、同位体標識され
た基質を用いて示された(Manningらの文献(Biochem J., 231:481-484(1985)))。
この酵素をコードする追加的な遺伝子には、ヒト(Hawesらの文献(MethodsEnzymol, 32
4:218-228(2000)))及びウサギ(Hawesらの文献(上記);Chowdhuryらの文献(Bios
ci. Biotechnol Biochem., 60:2043-2047(1996)))における3hidh、緑膿菌及びプチ
ダ菌におけるmmsB(Liaoらの文献(米国特許第20050221466号))、並びにプチダ菌にお
けるdhat(Aberhartらの文献(J. Chem. Soc., 6:1404-1406(1979);Chowdhuryらの文
献(上記);Chowdhuryらの文献(Biosci. Biotechnol Biochem., 67:438-441(2003)
)))を含む。これらの典型的な遺伝子産物の各々についての配列と関連したデータは、
表4に示される以下のGenBank受入番号を用いて見出すことができる。

0084

また、ケトン官能性を相応するヒドロキシル基へ転換する酸化還元酵素は、開示された
経路における合成工程である。特に、AKP脱水素酵素、3-オキソブチルアルデヒド還元酵
素(ケトン還元)、4-ヒドロキシ-2-ブタノン還元酵素によってそれぞれ触媒される図1
における反応L、O、及びHは、このカテゴリーの形質転換である。また、後者2つの形質
換は、図2における工程B及び工程Fにおいてそれぞれ遭遇する。類似の系統において、図
2の工程Gにおけるアセトアセチル-CoA還元酵素は、アセトアセチル-CoAを3-ヒドロキシ
ブチリル-CoAへと還元する。

0085

脱水素酵素による2-アミノ-4-オキソペンタノアート(AKP)の4-オキソ基の還元は、2-
アミノ-4-ヒドロキシペンタノアート(図1、工程L)を生じる。この反応は、ホモセリン
脱水素酵素(EC1.1.13)によって触媒されるアスパルタートセミアルデヒドからホモセリ
ンへのNAD(P)H‐依存性還元と非常に類似している。大腸菌を含む多くの生物において、
ホモセリン脱水素酵素は、アスパラギン酸アスパルチル-4-ホスファートへのATP‐依存
性転換も触媒する二機能性酵素である(Starnesらの文献(Biochemistry, 11:677-687(
1973)))。機能的ドメインは、触媒的に独立しており、リンカー領域によって接続され
(Sibilliらの文献(J. Biol. Chem., 256:10228-10230(1981)))、両ドメインは、
トレオニンによるアロステリック阻害に供される。thrAによってコードされる大腸菌酵素
のホモセリン脱水素酵素ドメインは、アスパラギン酸キナーゼドメインから分離され、特
徴づけられ、高い触媒活性及びトレオニンによる低い阻害を呈することが認められた(Ja
mesらの文献(Biochemistry, 41:3720-3725(2002)))。このことは、例えば、ラクト
バチルスプランタルムのhom1(Cahyantoらの文献(Microbiology, 152:205-112(2006
)))及びシロイヌナズナを含む他の二機能性トレオニンキナーゼに適用することができ
る。出芽酵母におけるhom6(Jacquesらの文献(Biochem. Biophys. Acta, 1544;28-41(
2001)))及びラクトバチルス・プランタルムにおけるhom2(Cahyantoらの文献(上述)
)によってコードされる一機能性ホモセリン脱水素酵素は、機能的に発現し、大腸菌にお
いて特徴づけられている。これらの典型的な遺伝子産物の各々についての配列と関連した
データは、表5に示される以下のGenBank受入番号を用いて見出すことができる。

0086

アセトアセチル-CoAから3-ヒドロキシブチリル-CoAへの還元を触媒するアセトアセチル
-CoA還元酵素(工程G、図2)は、クロストリジウムのいくつかの種におけるブチラート
へのアセチル-CoA発酵経路に関与し、詳細に研究されている(Jonesらの文献(Microbiol
. Rev., 50:484-524(1986)))。hbdによってコードされるクロストリジウム・アセト
ブチリカム由来の酵素がクローニングされており、大腸菌において機能的に発現する(Yo
unglesonらの文献(J. Bacteriol., 171:6800-6807(1989)))。加えて、fadB及びfad
Jによってコードされる大腸菌における2つの脂肪酸酸化複合体のサブユニットは、3-ヒド
ロキシアシル-CoA脱水素酵素として機能する(Binstockらの文献(MethodsEnzymol., 71
C:403-411(1981)))。アセトアセチル-CoAから3-ヒドロキシブチリル-CoAを還元する
ことが示されたなおも他の遺伝子は、ズーグレアラミゲラ(ramigera)由来のphbB(Pl
ouxらの文献(Eur. J. Biochem., 174:177-182(1988)))及びロドバクタースフ
ロイデス由来のphaB(Alberらの文献(Mol. Microbiol., 61:297-309(2006)))であ
る。前者の遺伝子は、NADPH‐依存性であり、そのヌクレオチド配列が決定されており(P
eoplesらの文献(Mol. Microbiol. 3:349-357(1989)))、遺伝子は大腸菌において発
現している。該遺伝子に関する基質特異性研究は、アセトアセチル-CoAのほかに3-オキソ
プロピオニル-CoAを基質として受け入れることができるという結論をもたらした(Ploux
らの文献、上述)。追加的な遺伝子には、クロストリジウム・クライベリにおけるHbd1(
C‐末端ドメイン)及びHbd2(N‐末端ドメイン)(Hillmer及びGottschalkの文献(Bioch
im. Biophys. Acta 3334:12-23(1974)))並びにウシにおけるHSD17B10(Wakilらの文
献(J. Biol. Chem., 207:631-638(1954)))を含む。これらの典型的な遺伝子産物の
各々についての配列と関連したデータは、表6に示される以下のGenBank受入番号を用いて
見出すことができる。

0087

いくつかの類似の酵素は、表7に示されるように、クロストリジウムの他の種において
、及びメタロスファエラ・セデュラ(Metallosphaera sedula)(Bergらの文献(Archaea
. Science, 318:1782-1786(2007)))認められている。

0088

ケトンをヒドロキシル基へ転換する典型的なアルコール脱水素酵素は、クロストリジウ
ム・ベイジェリンキ(Ismaielらの文献(J. Bacteriol., 175:5097-5105(1993)))及
サーモアナエロバクターブロッキー(T. brockii)(Lamedらの文献(Biochem. J.,
195:183-190(1981);Peretzらの文献(Biochemistry, 28:6549-6555(1989))))
においてアセトンイソプロパノールへ転換することが示された第二級アルコール脱水素
酵素である。2-ペンタノール及びピルブアルデヒドに関して最大活性を呈するパイロコッ
カスフリオサス由来のadhAの遺伝子産物は、イソプロパノール及びアセトンを含む非常
に広範な特異性を有することが示された(Van derらの文献(Eur. J. Biochem., 268:30
62-3068(2001)))。イソプロパノール及びアセトンに関する活性を有するなおも別の
第二級アルコール脱水素酵素は、ロドコッカスルーバー(ruber)由来のadh‐Aの遺伝
子産物によってコードされる(Edeggerらの文献(Chem. Commun. (Camb), 2402-2404(20
06);Kosjekらの文献(Biotechnol. Bioeng., 86:55-62(2004))))。これらの遺伝
子はその他とともに、下記の表8に列挙される。

0089

あるいは、ケトンをヒドロキシル官能基へ転換するいくつかの典型的なアルコール脱水
素酵素が存在する。大腸菌由来の2つのこのような酵素は、リンゴ酸脱水素酵素(mdh)及
乳酸脱水素酵素(ldhA)によってコードされる。加えて、ラルストニア・ユートロファ
由来の乳酸脱水素酵素は、ラクタート、2-オキソブチラート、2-オキソペンタノアート、
及び2-オキソグルタラートなどの種々の鎖の長さの基質に関して高い活性を呈することが
示された(Steinbuchelらの文献(Eur. J. Biochem., 130:329-334(1983)))。また
、オキソ官能性のヒドロキシル基への転換は、ラットにおいて及びヒト胎盤において認め
られることが報告されている酵素である2-ケト1,3-ブタンジオール還元酵素によって触媒
することもできる(Sudaらの文献(Arch. Biochem. Biophys., 176:610-620(1976);S
udaらの文献(Biochem. Biophys. Res. Commun., 77:586-591(1977))))。これらの
酵素はすべて、3-オキソブチルアルデヒド還元酵素及び4-ヒドロキシ-2-ブタノン還元酵
素を提供することができる。これらの工程についての追加的な酵素は、クローニングされ
及び特徴づけられたヒト心臓由来のミトコンドリア3-ヒドロキシブチラート脱水素酵素(
bdh)である(Marksらの文献(J. Biol. Chem. 267:15459-15463(1992)))。この酵
素は、3-ヒドロキシ酸に関して作動する脱水素酵素である。これらの典型的な遺伝子産物
の各々についての配列に関連したデータは、表9に示される以下のGenBank受入番号を用い
て見出すことができる。

0090

いくつかの生物は、Matsuyamaらの文献(1995)によって説明されるように、とりわけ
バチルス属ブレビバクテリウム属カンジダ属、及びクレブシエラ属に属するものを含
む、4-ヒドロキシ-2-ブタノンの1,3-ブタンジオールへの還元を触媒することができる。

0091

図2及び3におけるいくつかの形質転換は、アシル-CoAの相応するアルコールへの2工
程還元による。例えば、アセトアセチル-CoA還元酵素(CoA‐依存性、アルコール形成)
及び3−ヒドロキシブチリル-CoA還元酵素(アルコール形成)を包含する図2における工
程D及びI、並びに3-ヒドロキシブチリル-CoA還元酵素(アルコール形成)を包含する図3
における工程Eは、このような形質転換を示す。

0092

アシル-CoAをアルコールへ転換する典型的な2工程の酸化還元酵素には、アセチル-CoA
などの基質をエタノールへ(例えば、大腸菌由来のadhE(Kesslerらの文献(FEBS. Lett.
, 281:59-63(1991)))、及びブチリル-CoAをブタノールへ(例えば、クロストリジウ
ム・アセトブチリカム由来のadhE2(Fontaineらの文献(J. Bacteriol., 184:821-830(
2002))))転換するものを含む。アセチル-CoAをエタノールへ還元することに加えて、
ロイコノストック・メゼンテロイデスにおけるahdEによってコードされる酵素は、分岐鎖
化合物イソブチルアルデヒドイソブチリル-CoAへ酸化することが示されている(Kazaha
yaらの文献(J. Gen. Appl. Microbiol., 18:43-55(1972);Kooらの文献(Biotechnol
. Lett., 27:505-510(2005))))。これらの典型的な遺伝子産物の各々についての配
列と関連したデータは、表10に示される以下のGenBank受入番号を用いて見出すことがで
きる。

0093

別の典型的な酵素は、マロニル-CoAを3-HPへ転換することができる。この活性を有する
NADPH‐依存性酵素は、3-ヒドロキシプロピオン酸サイクルに関与するクロフレクサス
アウラティアクス(Chloroflexus aurantiacus)において特徴づけられている(Hugl
erらの文献(J. Bacteriol., 184:2404-2410(2002));Straussらの文献(Eur. J. Bi
ochem., 215:633-643(1993)))。この酵素は、300kDaの質量を有し、高度に基質特異
的であり、他の公知の酸化還元酵素とあまり配列類異性を示さない(Huglerらの文献、上
述)。他の生物における酵素は、この特異的反応を触媒することが示されておらず;しか
しながら、他の生物が類似の経路を有することができるという生物情報学証拠がある(
Klattらの文献(Environ. Microbiol., 9:2067-2078(2007)))。ロゼイフレクサス・
カステンホルツィイ(Roseiflexus castenholzii)、エリスロバクター(Erythrobacter
)属NAP1、及び海生ガンマプロテオバクテリアHTCC2080を含む他の生物における酵素は、
配列類似性によって推測することができる。これらの典型的な遺伝子産物の各々について
の配列と関連したデータは、表11に示される以下のGenBank受入番号を用いて見出すこと
ができる。

0094

より長い鎖のアシル-CoA分子は、アルコールを形成する脂肪アシル-CoA還元酵素をコー
ドするホホバシンモンドシアキネンシス(Simmondsia chinensis))FARなどの酵素
によって還元することができる。大腸菌におけるその過剰発現は、FAR活性及び脂肪アル
コール蓄積を結果として生じた(Metzらの文献(Plant Physiology, 122:635-644(20
00)))(FAR、AAD38039.1、5020215.シンモンドシア・キネンシス)

0095

本明細書に開示された経路は、アシル-CoAをアルデヒドへ転換する数多くの酸化還元酵
素型の転換を包含する。具体的には、図2における工程A及び工程Hは、アセトアセチル-C
oA還元酵素(アルデヒド形成)及び3-ヒドロキシブチリル-CoA還元酵素(アルデヒド形成
)によって触媒され、図3由来の工程Cは、3-ヒドロキシブチリル-CoA還元酵素によって
触媒される転換を示す。

0096

いくつかのアシル-CoA脱水素酵素は、アシル-CoAをその相応するアルデヒドへ還元する
ことができる。このような酵素をコードする典型的な遺伝子には、脂肪アシル-CoA還元酵
素をコードするアシネトバクターカルコセティカスacr1(Reiserらの文献(J. of Ba
cteriology, 179:2969-2975(1997)))、アシネトバクター属M‐1脂肪アシル-CoA還元
酵素(Ishigeらの文献(Appl. Environ. Microbiol., 68:1192-1195(2002)))、並び
にクロストリジウム・クライベリにおけるsucD遺伝子によってコードされるCoA‐依存性
及びNADP‐依存性スクシナートセミアルデヒド脱水素酵素(Sohlingらの文献(J. Bacter
iol., 178:871-880(1996)))を含む。ポルフィロモナスジンジバリスのsucDは、別
のスクシナートセミアルデヒド脱水素酵素である(Takahashiらの文献(J. Bacteriol.,
182:4704-4710(2000)))。bphGによってコードされるシュードモナス属における酵素
アシル化アセトアルデヒド脱水素酵素は、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブ
チルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、及びホルムアルデヒドを酸化及びアシル化する
ことが示されたなおも別の酵素である(Powlowskiらの文献(J. Bacteriol., 175:377-3
85(1993)))。アセチル-CoAをエタノールへ還元することに加えて、ロイコノストック
メセンテロイデスにおけるadhEによってコードされる酵素は、分岐鎖化合物イソブチル
アルデヒドをイソブチリル-CoAへ酸化することが示されている(Kazahayaらの文献(上述
);Kooらの文献(上述))。ブチルアルデヒド脱水素酵素は、クロストリジウム・サッ
カロパーブチルアセトニカムなどの溶媒性生物(solventogenic organisms)において
、類似の反応であるブチリル-CoAのブチルアルデヒドへの転換を触媒する(Kosakaらの文
献(Biosci. Biotechnol. Biochem., 71:58-61(2007)))。追加的な酵素アルデヒド
脱水素酵素候補物は、デスルファチバシラム・アルケニボランス(Desulfatibacillum al
kenivorans)、シトロバクター・コセリ、サルモネラエンテリカ、ラクトバチルス・ブ
ビス、及びバチルス・セレニチレデュセンス(selenitireducens)において認められる
。これらの典型的な遺伝子産物の各々についての配列と関連したデータは、表12に示され
る以下のGenBank受入番号を用いて見出すことができる。

0097

アシル-CoAをその相応するアルデヒドへ転換する追加的な酵素の種類は、マロニル-CoA
マロン酸セミアルデヒドへ転換するマロニル-CoA還元酵素である。マロニル-CoA還元酵
素は、好熱酸性古細菌における3-ヒドロキシプロピオン酸サイクルを介した独立栄養性
素固定における鍵酵素である(Bergらの文献(上述);Thauer, R.K.の文献(Science, 3
18:1732-1733(2007)))。酵素は、NADOHを共因子として利用し、メタロスファエラ菌
種及びスルホロブ菌種において特徴づけられている(Alberらの文献(J. Bacteriol.,
188:8551-8559(2006);Huglerらの文献(上述)))。酵素は、メタロスファエラ・セ
デュラにおけるMsed_0709によってコードされる(Alberらの文献(上述);Bergらの文献
(上述))。スフホロブストコダイイ(tokodaii)由来のマロニル-CoA還元酵素をコー
ドする遺伝子がクローニングされ、大腸菌において異種性に発現した(Alberらの文献(
上述))。また、この酵素は、メチルマロニル-CoAのその相応するアルデヒドへの転換を
触媒することが示されている(2007)。これらの酵素のアルデヒド脱水素酵素官能性は、
クロロフレクサス・アウランティアクス由来の二機能性脱水素酵素と類似しているが、配
列類似性はほとんどない。マロニル-CoA還元酵素の両酵素は、アスパルチル-4-ホスファ
ートのアスパルタートセミアルデヒドへの還元及び同時の脱リン酸化を触媒する酵素であ
るアスパルタート-セミアルデヒド脱水素酵素と高い配列類似性を有する。追加的な遺伝
子は、スルホロブス・ソルファタリカス及びスルホロブス・アシドカルダリウスを含む他
の生物におけるタンパク質との配列相同性によって見出すことができ、下記に列挙されて
いる。CoAアシル化アルデヒド脱水素酵素についてのなおも別の酵素は、クロストリジウ
ム・ベイジェリンキ由来のald遺伝子である(Tothらの文献(Appl. Environ. Microbiol.
, 65:4973-4980(1999)))。この酵素は、アセチル-CoA及びブチリル-CoAをそれらの
相応するアルデヒドへ還元することが報告されている。この遺伝子は、サルモネラ・チフ
ィリウム及び大腸菌のアセトアルデヒド脱水素酵素をコードするeutEと非常に類似してい
る(Tothらの文献(上述))。これらの典型的な遺伝子産物の各々についての配列と関連
したデータは、表13に示される以下のGenBank受入番号を用いて見出すことができる。

0098

アミノ基のその相応するオキソ基への酸化的脱アミノ化は、ECクラス1.4.1における脱
アミノ化する酸化還元酵素によって触媒される。このような酵素は、NAD+、NADP+、又
FAD+を受容体として利用する。このクラスにおける酵素は、2-アミノ-4-オキソペンタ
ノアートを2,4-ジオキソペンタノアートへ(図1、工程B)、2-アミノ-4-ヒドロキシペン
タノアートを2-オキソ-4-ヒドロキシペンタノアートへ(図1、工程M)、及び4-アミノブ
タン-2-オンを3-オキソブチルアルデヒドへ(図1、工程K)転換することができる。類似
の基質に作動する典型的な酸化還元酵素には、gdhAによってコードされるグルタミン酸
水素酵素(脱アミノ化)、ldhによってコードされるロイシン脱水素酵素(脱アミノ化)
、及びnadXによってコードされるアスパラギン酸脱水素酵素(脱アミノ化)を含む。大腸
菌由来のgdhA遺伝子産物(McPhersonらの文献(Nucleic. AcidsRes. 11:5257-5266(19
83));Korberらの文献(J. Mol. Biol. 234:1270-1273(1993)))、サーモトガ・マ
ティマ由来のgdh(Kortらの文献(Extremophiles 1:52-60(1997));Lebbinkらの文
献(J. Mol. Biol. 280:287-296(1998));Lebbinkらの文献(J. Mol. Biol. 289:35
7-369(1999)))、及びハロバクテリウム・サリナルム由来のgdhA1(Ingoldsbyらの文
献(Gene. 349:237-244(2005)))は、NADP(H)、NAD(H)、又はその両方をそれぞれ好
みながら、グルタミン酸の2-オキソグルタラート及びアンモニアへの可逆的相互転換を触
媒する。追加的なグルタミン酸脱水素酵素遺伝子候補物は、バチルス・スブチリス(Khan
らの文献(Biosci. Biotechnol Biochem. 69:1861-1870(2005)))、タバコ(Purnell
らの文献(Planta 222:167-180(2005)))、イネ(Abikoらの文献(Plant Cell Physi
ol 46:1724-1734(2005)))、ハロフェラックス・メディテラネイ(Diazらの文献(Ex
tremophiles. 10:105-115(2006)))、ハロバクテリウム・サリナルム(Haydenらの文
献(FEMS Microbiol Lett. 211:37-41(2002)))、及び酵母(Rocaらの文献(Appl E
nviron. Microbiol 69:4732-4736(2003)))において認められる。タバコ酵素は、gdh
1及びgdh2によってコードされるアルファサブユニット及びベータサブユニットから構成
される(Purnellらの文献(Planta 222:167-180(2005)))。バチルス・セレウスのld
h遺伝子は、ロイシン、イソロイシン、バリン、及び2-アミノブタノアートを含む広範な
範囲の基質を受容するLeuDHタンパク質をコードする(Stoyanらの文献(J. Biotechnol 5
4:77-80(1997));Ansorgeらの文献(Biotechnol Bioeng. 68:557-562(2000)))
。アスパラギン酸脱水素酵素についてコードするサーモトガ・マリティマ由来のnadX遺伝
子は、NADの生合成に関与する(Yangらの文献(J. Biol. Chem. 278:8804-8808(2003)
))。これらの典型的な遺伝子産物の各々についての配列に関連したデータは、下記の表
14に示されるGenBank受入番号を用いて見出すことができる。

0099

4-アミノブタン-2-オン酸化還元酵素(脱アミノ化)活性を有する酵素は、4-アミノブ
タン-2-オンをその相応するアルデヒドへ転換することを必要とする(図1、工程K)。典
型的な候補物には、3,5-ジアミノヘキサン酸脱水素酵素(EC1.4.1.11)及びリシン6-脱水
素酵素(EC1.4.1.18)を含む。3,5-ジアミノヘキサン酸脱水素酵素は、3-アミノ酸及び3-
オキソ酸を相互転換し、リシンを発酵させる生物において特徴づけられている。3,5-ジア
ミノヘキサン酸脱水素酵素をコードする遺伝子kddが近年、フソバクテリウム・ヌクレア
タムにおいて同定された(Kreimeyerらの文献(J Biol. Chem. 282:7191-7197(2007)
))。該酵素は、他の生物において精製され及び特徴づけられている(Bakerらの文献(J
Biol. Chem. 247:247:7724-7734(1972));Bakerらの文献(Biochemistry 13:292-
299(1974)))が、これらの酵素と関連した遺伝子は知られていない。配列決定された
他の生物における候補は、配列相同性によって推測され得る。lysDH遺伝子によってコー
ドされるリシン6-脱水素酵素は、第一級アミンのそれらの相応するアルデヒドへの転換を
触媒する。この酵素はL-リシンの6-アミノ基の可逆的な酸化的脱アミノ化を天然に触媒し
、2-アミノアジパート-6-セミアルデヒドを形成する(Misonoらの文献(J Bacteriol. 15
0:398-401(1982)))。典型的な酵素は、ゲオバチルス・ステアロサーモフィルス(He
ydariらの文献(Appl Environ. Microbiol 70:937-942(2004)))、アグロバクテリウ
ム・ツメファシエンス(Hashimotoらの文献(J Biochem. 106:76-80(1989));Misono
及びNagasakiの文献(J Bacteriol. 150:398-401(1982)))、及びアクロモバクター
デニトリフィカンス(Ruldeekulthamrongらの文献(BMB. Rep. 41:790-795(2008))
)において認められる。これらの典型的な遺伝子産物の各々についての配列と関連したデ
ータは、表15に示される以下のGenBank受入番号を用いて見出すことができる。

0100

2-アミノ-4-オキソペンタノアート(AKP)チオラーゼ又はAKPチオラーゼ(AKPT)(工
程1、図1)は、クロストリジウム・スティックランディにおいてオルニチン分解に関与
するピリドキサルホスファート‐依存性酵素である(Jengらの文献(A. Biochemistry, 1
3:2898-2903(1974));Kenkliesらの文献(Microbiology, 145:819-826(1999)))
。AKPTのアルファサブユニット及びベータサブユニット(or‐2(ortA)及びor‐3(ortB
))をコードする遺伝子クラスターが近年同定されており、該酵素の生化学的特性が特徴
づけられた(Fonknechtenらの文献(J. Bacteriol.,印刷中(2009)))。該酵素は、両
方向で作動することができ、アラニンのD‐異性体と反応する。酵素操作は、L-アラニン
を基質として用いた機能を最適化するために実施することができる。クロストリジウム・
スティックランディ由来のAKPTは、特徴づけられているが、そのタンパク質配列はまだ刊
行されていない。高い配列相同性を有する酵素は、クロストリジウム・ディフィシル、ア
カリフラスメタルリレゲンス(Alkaliphilus metalliredigenes)QYF、サーモア
エロバクター属X514、及びサーモアナエロバクター・テングコンゲンシス(tengcongen
sis)MB4において認められる(Fonknechtenらの文献(上述))。これらの典型的な遺伝
子産物の各々についての配列と関連したデータは、表16において示される以下のGenBank
受入番号を用いて見出すことができる。

0101

2-アミノ-4-オキソペンタノアート(AKP)の2,4-ジオキソペンタノアートへの転換(工
程B、図1)は、2-アミノ-4-オキソペンタノアートアミノトランスフェラーゼ又は酸化還
元酵素(脱アミノ化)によって達成される。この形質転換についての適切な酵素の選択は
、基質の立体化学による。例えば、基質がD‐配置にある場合、D‐アミノ酸アミノトラン
スフェラーゼ(EC2.6.1.21)を利用することができるのに対し、L‐立体異性体は、アス
パラギン酸アミノトランスフェラーゼ(EC2.6.1.1)などのL‐アミノトランスフェラーゼ
を利用することができる。

0102

アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼは、アミノ基をアスパラギン酸からアルファ
-ケトグルタル酸へ転移し、グルタミン酸およびオキサロ酢酸を形成する。アスパラギン
酸は、2-アミノ-4-オキソペンタン酸に構造上類似している。この転換は、例えば、大腸
菌由来のaspCの遺伝子産物(Yagiらの文献(FEBSLett, 100:81-84(1979));Yagiら
の文献(MethodsEnzymol, 133:83-89(1985)))、出芽酵母由来のAAT2(Yagiらの文
献(J. Biochem., 92:35-43(1982)))、及びシロイヌナズナ由来のASP5(Kwokらの文
献(J. Exp. BoL, 55:595-604(2004));De laらの文献(Plant J., 46:414-425(20
06));Wilkieらの文献(Protein Expr. Purif, 12:381-389(1998)))によって触媒
される。ラット由来の酵素は、2-アミノヘキサン二酸及び2,4-ジアミノ酪酸などの代替
質をアミノ基転移することが示されている(Recasensらの文献(Biochemistry, 19:4583
-4589(1980)))。また、アミノ酸様基質に作用するアミノトランスフェラーゼは、こ
の形質転換を触媒することができる。バリンアミノトランスフェラーゼは、バリン及びピ
ルビン酸の2-ケトイソ吉草酸及びアラニンへの転換を触媒する。大腸菌遺伝子avtAは、1
つのこのような酵素をコードする(Whalenらの文献(J. Bacteriol., 150:739-746(198
2)))。また、この遺伝子産物は、α-ケト酪酸のアミノ化を触媒してα-アミノ酪酸
生じるが、この反応におけるアミンドナーは同定されていない(Whalenらの文献(J. Bac
teriol., 158:571-574(1984)))。追加的な候補は、いくつかの生物におけるリシン
生合成および分解に関与する酵素アルファ-アミノアジピン酸トランスアミナーゼ(EC2.6
.1.39)である。lysNによってコードされるサーマス・サーモフィラス由来の酵素は、オ
キサロ酢酸、2-オキソイソカプロン酸、2-オキソイソ吉草酸、及び2-オキソ-3-メチル吉
草酸を含むいくつかの代替基質で活性となる(Miyazakiらの文献(Microbiol. 150:2327
-2334(2004)))。ヒト由来の類似の酵素が特徴づけられている(Okunoらの文献(Enz.
Prot. 47:136-148(1993)))。これらの典型的な遺伝子産物の各々についての配列と
関連したデータは、表17に示される以下のGenBank受入番号を用いて見出すことができる

0103

基質がD‐立体異性体として存在する場合、アミノ基転移は、D‐アミノ酸アミノトラン
スフェラーゼ及びD‐アラニンアミノトランスフェラーゼ(DAAT)としても公知のD‐アミ
ノトランスフェラーゼ(EC2.6.1.21)によって触媒することができる。このクラスの酵素
は、種特異的であるその広範な基質特異性について特される。datによってコードされ
桿菌種YM‐1由来のD‐アミノトランスフェラーゼは、クローニングされており、配列決
定されており(Tanizawaらの文献(J. Biol. Chem., 264:2450-2454(1989)))、結晶
構造が解析されている(Peisachらの文献(Biochemistry, 37:4958-4967(1998)))。
また、この酵素は、基質特異性を変化させるタンパク質工学研究の対象である(Gutierre
zらの文献(Eur. J. Biochem, 267:7218-7223(2000));Gutierrezらの文献(Protein
Eng., 11:53- 58(1998)))。追加的な遺伝子は、バチルス・リケニフォルミスATCC
10716(Taylorらの文献(Biochim. Biophys. Acta., 1350:38-40(1997)))、スタフ
ィロコッカス・ヘモリチカス(Pucciらの文献(J. Bacteriol., 177:336-342(1995))
)、及び枯草菌(Martinez-Carrionらの文献(J. Biol. Chem., 240:3538-3546(1965)
))において認められる。これらの典型的な遺伝子産物の各々についての配列と関連した
データは、表18に示される以下のGenBank受入番号を用いて見出すことができる。

0104

図1の反応Kにおいて、4-アミノブタン-2-オンはアミノ基転移され、3-オキソブタナル
を形成する。この形質転換は、末端アミン及びアルデヒドを相互転換するアミノトランス
フェラーゼによって触媒することができそうである。典型的な候補酵素は、ベータ-アラ
ニン/アルファ-ケトグルタル酸アミノトランスフェラーゼ、GABAアミノトランスフェラ
ーゼ、3-アミノ-2-メチルプロピオン酸トランスアミナーゼ、リシン-6-アミノトランスフ
ェラーゼ、2,4-ジアミノブタン酸トランスアミナーゼ、プトレシンアミノトランスフェラ
ーゼ、及びジアミンアミノトランスフェラーゼである。

0105

Cargill社は、マロニル-セミアルデヒドを介してベータ-アラニンから3-HPを生成する
ためにベータ-アラニン/アルファ-ケトグルタル酸アミノトランスフェラーゼを開発及び
特許化した(Chandraらの文献(Arch. Microbiol., 176:443-451(2001)))。また、
サッカロミセス・クルイベリにおけるSkPYD4の遺伝子産物が、アミノ基ドナーとしてベー
タ-アラニンを優先的に用いることが示された(Aberhartらの文献(J. Chem. Soc. 6:14
04-1406(1979)))。SkUGA1は、出芽酵母GABAアミノトランスフェラーゼUGA1のホモロ
グをコードする(Ichikawaらの文献(J. Mol. Catalysis A-Chem., 256:106-112(2006
)))のに対し、SkPYD4は、β-アラニン及びGABAアミノ基転移の両方に関与する酵素を
コードする(Aberthartらの文献(上述))。3-アミノ-2-メチルプロピオン酸トランスア
ミナーゼは、メチルマロナートセミアルデヒドから3-アミノ-2-メチルプロピオン酸への
形質転換を触媒する。該酵素は、ラット及びイノシシにおいて特徴づけられており、Abat
によってコードされる(Chopraらの文献(Protein Expr. Purif, 25:533-540(2002))
、Kuznetsovaらの文献(FEMS Microbiol. Rev., 29:263-279(2005)))。3-アミノ-2-
メチルプロピオン酸トランスアミナーゼに対する高い配列相同性を有する他の生物におお
ける酵素候補には、線虫におけるGta‐1及びバチルス・スブチリスにおけるgabTを含む。
加えて、遺伝子gabTによってコードされる大腸菌における未変性GABAアミノトランスフェ
ラーゼのうちの1つは、広範な基質特異性を有することが示されている(Fontaineらの文
献(J. Bacteriol, 184:821-830(2002))、Kanamasaらの文献(Appl. Microbiol Biot
echnol, 80:223-229(2008)))。遺伝子puuEは、大腸菌における他の4-アミノ酪酸ト
ランスアミナーゼをコードする(Drummondらの文献(J. Biol. Chem., 235:318-325(19
60)))。

0106

リシン-6-アミノトランスフェラーゼは、リシンをアルファ-アミノアジパートセミアル
デヒドへ転換する。候補酵素は、トルラ酵母(Hammerらの文献(J Basic Microbiol 32:
21-27(1992)))、フラボバクテリウムルテセンス(Fujiiらの文献(J Biochem. 128
:391-397(2000)))、及びストレプトミセスクラブリゲルス(Romeroらの文献(J I
nd. Microbiol Biotechnol 18:241-246(1997)))において特徴づけられている。スト
レプトミセス・クラブリゲルス由来の組換えリシン-6-アミノトランスフェラーゼは、大
腸菌において機能的に発現した(Tobinらの文献(J Bacteriol. 173:6223-6229(1991)
))。フラボバクテリウム・ルテセンス酵素は、アミノ受容体としてアルファ-ケトグル
タル酸に特異的である(Sodaらの文献(Biochemistry 7:4110-4119(1968)))。ジア
ミノブタン酸トランスアミナーゼ活性を有する酵素は、アシネトバクター・バウマンニに
おけるdat遺伝子産物によってコードされる(Ikaiらの文献(J Bacteriol. 179:5118-51
25(1997)))。その天然基質である2,4-ジアミノブチラートに加えて、DATは、リシン
、4-アミノブチラート、及びオルニチンの末端アミノをアミノ基転移する。候補プトレシ
ンアミノトランスフェラーゼ酵素は、大腸菌におけるygjG及び緑膿菌のspuCによってコー
ドされる(Luらの文献(J Bacteriol. 184:3765-3773(2002)))。ygiG遺伝子産物は
、代替基質カダベリンスペルミジン、及び1,7-ジアミノヘプタン酸と反応する(Samson
ovaらの文献(BMC.Microbiol 3:2(2003));Kimの文献(J Biol.Chem. 239:783-786
(1964)))。

0107

これらの典型的な遺伝子産物の各々についての配列に関連したデータは、表19において
示された以下のGenBank受入番号を用いて見出すことができる。

0108

図1、工程Cにおいて、2,4-ジオキソペンタン酸は、2,4-ジオキソペンタン酸デカルボ
キシラーゼによってデカルボキシル化されて、3-オキソブチルアルデヒドを形成する。2,
4-ジオキソペンタン酸は、ピルビン酸デカルボキシラーゼ(EC4.1.1.1)及びベンゾイル
ギ酸デカルボキシラーゼ(EC4.1.1.7)の未変性基質と類似している。ケト-酸デカルボキ
シラーゼとも呼ばれるピルビン酸デカルボキシラーゼ(PDC)は、ピルビン酸のアセトア
ルデヒドへのデカルボキシル化を触媒するアルコール発酵における鍵酵素である。出芽
母由来の酵素は、2-ケト酪酸、2-ケト吉草酸、3-ヒドロキシピルビン酸、及び2-フェニル
ピルビン酸を含む脂肪族2-ケト酸に対する広範な基質範囲を有する(Liらの文献(Bioche
mistry, 38:10004-10012(1999)))。この酵素は、広範に研究されており、変化した
活性について操作されており、大腸菌において機能的に発現する(Killenberg-Jabsらの
文献(Eur. J. Biochem., 268:1698-1704(2001);Liらの文献(上述);Schureらの文
献(Appl. Environ. Microbiol, 64:1303-1307(1998)))。また、pdcによってコード
されるザイモモナス・モビリス由来のPDCは、広範な基質範囲を有しており、異なる基質
に対する親和性を変化させるための指向工学(directed engineering)研究の対象であ
る(Siegertらの文献(Protein Eng. Des. Sel, 18:345-357(2005)))。この酵素の
結晶構造入手可能である(Killenberg-Jabsの文献(上述))。他の十分に特徴づけら
れたPDC酵素には、アセトバクターパストウリアンス(pasteurians)(Chandraらの文
献(Arch. Microbiol. 176:443-451(2001)))及びクルイベロミセスラクチス(Kri
egerらの文献(Eur. J. Biochem., 269:3256-3263(2002)))由来の酵素を含む。これ
らの典型的な遺伝子産物の各々についての配列と関連したデータは、表20に示される以下
のGenBank受入番号を用いて見出すことができる。

0109

PDCのように、ベンゾイルギ酸デカルボキシラーゼ(EC4.1.1.7)は、広範な基質範囲を
有し、酵素工学研究の標的である。プチダ菌由来の酵素は、広範に研究されており、この
酵素の結晶構造は入手可能である(Polovnikovaらの文献(Biochemistry 42:1820-1830
(2003));Hassonらの文献(Biochemistry, 37:9918-9930(1998)))。プチダ菌の
酵素の活性部位における2つの残基の部位特異的変異原性は、天然基質及び非天然基質の
親和性(Km)を変化させた(Siegertらの文献(上述))。この酵素の特性は、指向型工
学によってさらに修飾されている(Lingenらの文献(Chembiochem, 4:721-726(2003)
;Lingenらの文献(Protein Eng., 15:585-593(2002)))。mdlCによってコードされ
る緑膿菌由来の酵素も、実験的に特徴づけられている(Barrowmanらの文献(FEMS Microb
iology Letters, 34:57-60(1986)))。シュードモナス・スツッツェリ、蛍光菌、及
び他の生物由来の追加的な遺伝子は、配列相同性によって推測することができ、又はプチ
ダ菌において開発された増殖選択系を用いて同定することができる(Henningらの文献(A
ppl. Environ. Microbiol, 72:7510-7517(2006))。これらの典型的な遺伝子産物の各
々についての配列と関連したデータは、表21に示される以下のGenBank受入番号を用いて
見出すことができる。

0110

2-オキソ酸をデカルボキシル化することのできる第三の酵素は、アルファ-ケトグルタ
ル酸デカルボキシラーゼ(KGD)である。このクラスの酵素の基質範囲は、今日まで研究
されていない。結核菌由来のKDC(Tianらの文献(Proc. Natl. Acad. Sci USA, 102:106
70-10675(2005)))は、Genomatica社においてクローニングされており、大腸菌におい
て機能的に発現している。KDC酵素活性は、ブラディリゾビウムジャポニクム及びメソ
リゾビウム・ロティを含む根粒菌のいくつかの種において検出されている(Greenらの文
献(J. Bacteriol, 182:2838-2844(2000)))。KDCをコードする遺伝子はこれらの生
物で単離されていないが、ゲノム配列は入手可能であり、各ゲノムにおけるいくつかの遺
伝子は、推定KDCとして注解されている。また、ユーグレナグラリス由来のKDCも特徴
づけられているが、この活性と関連した遺伝子は、今日まで同定されていない(Shigeoka
らの文献(Arch. Biochem. Biophys., 288:22-28(1991)))。N‐末端から出発する最
初の20個のアミノ酸が、



と配列決定された(Shigeokaらの文献(上述))。該遺伝子は、KDC活性についてこのN‐
末端配列を含む遺伝子を試験することによって同定することができる。これらの典型的な
遺伝子産物の各々についての配列と関連したデータは、表22に示される以下のGenBank受
入番号を用いて見出すことができる。

0111

この工程を触媒するための第四の酵素は、分岐鎖アルファ-ケト酸デカルボキシラーゼ
(BCKA)である。このクラスの酵素は、3〜6の炭素鎖長において変動する種々の化合物に
作用することが示されている(Okuらの文献(J. Biol. Chem., 263:18386-18396(1988
));Smitらの文献(Appl. Environ. Microbiol, 71:303-311(2005)))。ラクトコ
ッカス・ラクティスにおける酵素は、2-オキソブタン酸、2-オキソヘキサン酸、2-オキソ
ペンタン酸、3-メチル-2-オキソブタン酸、4-メチル-2-オキソブタン酸、及びイソカプロ
ン酸を含む種々の分岐鎖および直鎖基質に関して特徴づけられている(Smitらの文献(上
述))。この酵素は、構造的に特徴づけられている(Bertholdらの文献, D. Biol. Cryst
allogr., 63 :1217-1224 (2007))。ラクトコッカス・ラクティス酵素とザイモモナス・
モビリスのピルビン酸デカルボキシラーゼの間の配列アラインメントは、触媒性残基及び
基質認識残基がほぼ同一であることを示し(Siegertらの文献(上述))、それによりこ
の酵素は、指向型工学に容易に受け入れられる。追加的なBCKA遺伝子は、ラクトコッカス
・ラクティスタンパク質配列(kdcA、AAS49166.1、44921617、ラクトコッカス・ラクティ
ス)に対する相同性によって同定することができる。この酵素に対する高スコア化BLASTp
中物の多くは、インドールピルビン酸デカルボキシラーゼ(EC4.1.1.74)として注解さ
れる。インドールピルビン酸デカルボキシラーゼ(IPDA)は、植物及び植物細菌における
インドールピルビン酸のインドールアセトアルデヒドへのデカルボキシル化を触媒する酵
素である。

0112

2-アミノ-4-ケトペンタン酸は、図1の工程EにおいてAKPデカルボキシラーゼによって
デカルボキシル化されて、4-アミノブタン-2-オンを形成する。この形質転換は、アミノ
酸デカルボキシラーゼによって触媒することができる。適切なデカルボキシラーゼの選択
は、4-アミノ-4-オキソペンタン酸の立体化学配置による。この化合物がD‐配置にある場
合、D‐アミノ酸デカルボキシラーゼを利用することができる。1つのこのようなD‐アミ
ノ酸デカルボキシラーゼは、ジアミノピメリン酸デカルボキシラーゼ(DDC、EC4.1.1.20
)である。この酵素は、リシン生合成の最終工程を触媒するメソ-ジアミノピメリン酸のD
立体中心をデカルボキシル化する。DDCは、大腸菌(Momanyらの文献(D. Biol. Crysta
llogr., 58:549-552(2002)))、結核菌(Kefalaらの文献(Acta. Crystallogr. Sect
. F. Struct. Biol. Cryst. Commun., 61:782-784(2005));Gokulanらの文献(J. Bi
ol. Chem., 278:18588-18596(2003));Andersenらの文献(Gene, 124:105-109(199
3)))、メチロフィルス・メチロトロファス(Tsujimotoらの文献(J. Biotechnol, 124
:327-337(2006)))、及びヘリコバクターピロリ(Huらの文献(J. Biol. Chem., 2
83:21284- 21293(2008)))を含む多くの生物において研究されている。あるいは、ヒ
ト由来のオルニチンデカルボキシラーゼ(EC4.1.1.17)は、オルニチンのD‐異性体に関
して弱い活性を有し(Quらの文献(Biochem. J., 375:465-470(2003));Fitzgerald
らの文献(DNA, 8:623-634(1989)))、工程Eにおけるデカルボキシル化のために用い
ることができる。これらの典型的な遺伝子産物の各々についての配列と関連したデータは
、表23に示される以下のGenBank受入番号を用いて見出すことができる。

0113

2-アミノ-4-ケトペンタン酸がL‐立体化学を呈する場合、アスパラギン酸デカルボキシ
ラーゼ(EC4.1.1.11)、オルニチンデカルボキシラーゼ(EC4.1.1.17)、又はリシンデカ
ルボキシラーゼ(EC4.1.1.18)などのアミノ酸デカルボキシラーゼを利用することができ
る。典型的な酵素は、アスパラギン酸デカルボキシラーゼ(EC4.1.1.11)である。2-アミ
ノ-4-ケトペンタン酸は、この酵素の未変性基質であるアスパラギン酸と構造類似性を有
する。アスパラギン酸デカルボキシラーゼは、パントテン酸生合成に関与し、大腸菌にお
けるpanDによってコードされる(Duschらの文献(Appl. Environ. Microbiol, 65:1530-
1539 (1999));Ramjeeらの文献(Biochem. J., 323:661-669 (1997));Merkelらの文
献(FEMS Microbiol. Lett., 143:247-252 (1996));Schmitzbergerらの文献(EMBOJ.,
22:6193-6204 (2003)))。結核菌(Chopraらの文献(Protein Expr. Purif. 25:533-
540(2002)))及びコリネバクテリウムグルタミクム(Duschらの文献(上述))由来
の酵素は、大腸菌において発現しており、特徴づけられている。リシンデカルボキシラー
ゼ酵素は、遺伝子cadA及びldcCによって大腸菌ゲノムにおいてコードされる。CadAと類似
リシンデカルボキシラーゼは近年、腸炎ビブリオ菌において同定された(Tanakaらの文
献(J. Appl. Microbiol. 104:1283-1293(2008)))。ldcによってコードされるセレ
ノモナスルミナンチウム由来のリシンデカルボキシラーゼは、真核生物オルニチンデカ
ルボキシラーゼとの配列類似性を有し、L‐リシン及びL‐オルニチンの両方を基質として
受け入れる(Takatsukaらの文献(Biosci. Biotechnol Biochem. 63:1843-1846(1999)
))。オルニチンデカルボキシラーゼ酵素候補は、ニコチアナ・グルチノーザ(Nicotian
a glutinosa)(Leeらの文献(Biochem. J. 360:657-665(2001)))、ラクトバチルス
種30a(Guirardらの文献(J Biol.Chem. 255:5960-5964(1980)))、及びビブリオ
バルニフィカス(Leeらの文献(J Biol. Chem. 282:27115-27125(2007)))において
認められる。基質特異性ビブリオ・バルニフィカスに関与する残基は解明されている(Le
eらの文献(上述))。

0114

これらの典型的な遺伝子産物の各々についての配列と関連したデータは、表24において
示される以下のGenBank受入番号を用いて見出すことができる。

0115

反応J(図1)において、アセチルアクリラートは、アセトアクリラートデカルボキシ
ラーゼによって2-オキソブテンにデカルボキシル化される。この形質転換を触媒する酵素
は、今日まで同定されていないが、類似の反応は、酵素アコニタートデカルボキシラーゼ
、4-オキサロクロトナートデカルボキシラーゼ、及びシナマートデカルボキシラーゼによ
って触媒される。

0116

アコニタートデカルボキシラーゼは、カンジダ属の株における、及びまた糸状性真菌ア
スペルギルス・テレウスにおけるイタコナート生合成における最終工程を触媒する(Bonn
armeらの文献(J. Bacteriol., 177:3573-3578(1995));Willkeらの文献(Appl. Mic
robiol. Biotechnol., 56:289-295(2001)))。ATEG_09971によってコードされるシス
-アコニタートデカルボキシラーゼ(CAD)(EC4.1.16)がアスペルギルス・テレウス及び
他の関連真菌において同定されており、広範に研究されている。近年、該遺伝子がクロー
ニングされ、機能的に特徴づけされた(Kanamasaらの文献(Appl. Microbiol. Biotechno
l., 80:223-229(2008))及びWO/2009/014437)。

0117

4-オキサロクロナートデカルボキシラーゼは、数多くの生物から単離され、特徴づけら
れている。この酵素をコードする遺伝子には、シュードモナス種(株600)におけるdmpH
及びdmpE(Shinglerらの文献(J. Bacteriol, 174:711-724(1992)))、プチダ菌由来
のxylII及びxylIII(Katoらの文献(Arch. Microbiol, 168:457-463(1997));Stanle
yらの文献(Biochemistry, 39:3514(2000));Lianらの文献(J. Am. Chem. Soc, 116
:10403-10411(1994)))、並びにラルストニア・ユートロファJMP134由来のReut_B569
1及びReut_B5692(Hughesらの文献, J. Bacteriol, 158:79-83(1984))を含む。シュー
ドモナス種(株600)由来の酵素をコードする遺伝子は、大腸菌においてクローニングさ
れ及び発現している(Shinglerらの文献(上述))。これらの典型的な遺伝子産物の各々
についての配列と関連したデータは、表25において示される以下のGenBank受入番号を用
いて見出すことができる。

0118

シナマート(フェニルアクリラート)及び置換シナマート誘導体の相応するスチレン
導体へのの転換を触媒する追加的なクラスのデカルボキシラーゼが特徴づけられている。
これらの酵素は、種々の生物において普遍的であり、大腸菌においてクローニング及び発
現したこれらの酵素をコードする具体的な遺伝子は下記である:出芽酵母由来のpad1(Cl
ausenらの文献(Gene, 142:107-112(1994)))、ラクトバチルス・プランタルム由来
のpdc(Barthelmebsらの文献(Appl Environ. Microbiol, 67:1063-1069(2001));Ro
driguezらの文献(J. Agric. Food Chem., 56:3068-3072(2008));Qiらの文献(Bioc
hem. J, 375:465-470(2007)))、クレブシエラ・オキシトカ由来のpofK(pad)(Uch
iyamaらの文献(Biosci. Biotechnol. Biochem., 72:116-123(2008));Hashidokoら
の文献(Biosci. Biotech. Biochem., 58:217-218(1994)))、ペディオコッカス・ペ
ントサセウス(Barthelmebsらの文献(上述))、並びにバチルス・スブチリス及びバチ
ルス・プミルス由来のpad(Cavinらの文献(Appl. Environ. Microbiol, 64:1466-1471
(1998)))。また、蛍光菌由来のフェルラ酸デカルボキシラーゼも精製及び特徴づけら
れている。(Huangらの文献(J. Bacteriol., 176:5912-5918(1994)))。重要なこと
に、このクラスの酵素は、安定であることが示されており、外来性又は内在性のいずれか
で結合した共因子を必要とせず、従って、これらの酵素を生物形質転換に対して理想的に
好適とさせる(Sariaslani, F.S.の文献 (Annu. Rev. Microbiol., 61:51-69(2007)
))。これらの典型的な遺伝子産物の各々についての配列と関連したデータは、表26にお
いて示される以下のGenBank受入番号を用いて見出すことができる。

0119

デカルボキシル化のために追加的な酵素は、アセトアセタートからアセトンへとデカル
ボキシル化する酵素であるアセトアセタートデカルボキシラーゼ(EC4.1.1.4)であり、
それゆえ、細菌のソルベント生成能におけるその役割について研究されている。典型的な
細菌酵素は、クロストリジウム・アセトブチリカム(Bennerらの文献(J. Am. Chem. So.
103:993-994(1981));HIghbargerらの文献(Biochemistry 35:41-46(1996));P
etersenらの文献(Appl. Environ. Microbiol. 56:3491-3498(1990));Rozzelらの文
献(J. Am. Chem. Soc.106:4937-4941(1984)))、クロストリジウム・サッカロパー
ブチルアセトニカム(Kosakaらの文献(Biosci.Biotechnol Biochem. 71:58-68(2007)
))、及びクロストリジウム・ベイジェリンキ(Ravagnaniらの文献(Mol. Microbiol. 3
7:1172-1185(2000)))から特徴づけられている。また、アセトアセタートデカルボキ
シラーゼ活性は、プチダ菌及びバチルス・ポリミキサにおいても示されているが、遺伝子
は、この活性とは今日まで関連づけられていない(Matiasekらの文献(Curr. Microbiol.
42:276-281(2001)))。ボツリヌス菌及びバチルス・アミロリケファシエンスなどの
他の生物における細菌遺伝子は、配列相同性によって同定することができる。ヒト及び他
の哺乳類において、アセトアセタートデカルボキシラーゼは、ケトン体経路の最終工程を
触媒する(Kalaposの文献(Biochim. Biophys. Acta 1621:122-139(2003)))が、こ
の活性と関連した遺伝子は今日まで同定されていない。これらの典型的な遺伝子産物の各
々についての配列と関連したデータは、表27に示される以下のGenBank受入番号を用いて
見出すことができる。

0120

また、上記の遺伝子候補はすべて、図1の工程Nにおける2-オキソ-4-ヒドロキシペンタ
ノアートから3-ヒドロキシブチルアルデヒドへのデカルボキシル化を触媒するために用い
ることができる。

0121

ブテノンヒドラターゼ(工程G、図1)、4-ヒドロキシブチリル-CoAデヒドラターゼ(
工程A、図3)、及びクロトナーゼ(工程A、図3)は、ヒドロラーゼ型形質転換である。
具体的には、ブテノンから4-ヒドロキシ-2-ブタノンへの水和(工程G、図1)は、ヒドラ
ターゼファミリーの酵素における1つの酵素によって達成することができる。この形質転
換を実施することのできる酵素には、フマル酸ヒドラターゼ(EC4.2.1.2)、2-(ヒドロキ
シメチル)グルタル酸デヒドラターゼ(EC4.2.1.-)、ジメチルマレイン酸ヒドラターゼ(
EC4.2.1.85)、及びシトラマル酸ヒドロリアーゼ(EC4.2.1.34)を含む。

0122

フマル酸ヒドラターゼ酵素は天然に、フマル酸リンゴ酸への可逆的水和を触媒する。
基質としてのブタノンと反応するフマル酸ヒドラターゼの能力は、文献において説明され
ていないが、豊富な構造の情報がこの酵素について入手可能であり、他の研究者は、活性
、阻害、及び局在を変化させるために該酵素をうまく操作している(Weaver, T.の文献(
B. Biol. Crystallogr., 61:1395-1401(2005)))。大腸菌は3つのフマラーゼ:増殖
条件によって調節されるFumA、FumB、及びFumCを有する。FumBは、酸素感受性であり、嫌
気性条件下でのみ活性がある。FumAは、微小嫌気性条件下で活性があり、FumCは、好気性
増殖における唯一の活性酵素である(Tsengらの文献(J. Bacteriol., 183:461-467(20
01));Woodsらの文献(Biochem. Biophys. Acta., 954:14-26(1988));Guestらの
文献(J. Gen. Microbiol, 131:2971-2984(1985)))。追加的な酵素は、カンピロ
クタージェジュニ(Smithらの文献(Int. J. Biochem. Cell Biol, 31:961-975(1999
)))、サーマス・サーモフィラス(Mizobataらの文献(Arch. Biochem. Biophys., 355
:49-55(1998)))、及びラット(Kobayashiらの文献(J. Biochem., 89:1923-1931(
1981)))において認められる。高い配列相同性を有する類似の酵素には、シロイヌナズ
ナ由来のfum1、及びコリネバクテリウム・グルタミクム由来のfumCを含む。ペロマクラ
ム・サーモプロピオニカム(Pelotomaculum thermopropionicum)由来のMmcBCフマラーゼ
は、2つのサブユニットを有する別のクラスのフマラーゼである(Shimoyamaらの文献(FE
MS Microbiol. Lett., 270:207-213(2007)))。これらの典型的な遺伝子産物の各々
についての配列と関連したデータは、表28に示される以下のGenBank受入番号を用いて見
出すことができる。

0123

2つの追加的なヒドラターゼ酵素は、ユーバクテリウムバルケリ(旧クロストリジウ
ム・バルケリ)におけるニコチン酸異化作用における役割について研究された酵素2-(ヒ
ドロキシメチル)グルタル酸デヒドラターゼ及びジメチルマレイン酸ヒドラターゼである
(Alhapelらの文献(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 103:12341-12346(2006)))。2-(
ヒドロキシメチル)グルタル酸デヒドラターゼは、2-(ヒドロキシメチル)グルタル酸を2-
メチレン-グルタル酸に脱水する[4Fe-4S]含有酵素である。この酵素は、ユーバクテリ
ウム・バルケリにおけるhmdによってコードされる(Alhapelらの文献(上述))。高い配
列相同性を有する類似の酵素は、バクテロイデス・カピロスス、アナエロツルンカス・コ
ホミニス、及びナトラネロビウス・サーモフィラス(Natranaerobius thermophilius)
において認められる。これらの酵素は、[4Fe-4S]含有細菌セリンデヒドラターゼ(例え
ば、tdcG、sdhB、及びsdaAによってコードされる大腸菌酵素)のアルファサブユニット及
びベータサブユニットと相同である。ジメチルマレイン酸ヒドラターゼ(EC4.2.1.85)は
、ジメチルマレイン酸を水和して(2R,3S)-2,3-ジメチルリンゴ酸を形成するアコニターゼ
ファミリーにおける可逆的Fe2+‐依存性及び酸素感受性酵素である。この酵素は、ユーバ
クテリウム・バルケリにおけるdmdABによってコードされる(Alhapelらの文献(上述);
Kollmann‐Kochらの文献(Physiol. Chem., 365:847-857(1984)))。これらの典型的
な遺伝子産物の各々についての配列と関連したデータは、表29において示される以下のGe
nBank受入番号を用いて見出すことができる。

0124

追加的な酵素は、シトラマラートヒドロリアーゼとも呼ばれ、水のシトラマラートから
のアルファ、ベータ除去を触媒してメサコナートを形成する可逆的ヒドロリアーゼである
2-メチルリンゴ酸デヒドラターゼである。この酵素は、クロストリジウム・テタノモーフ
ァムにおいて精製及び特徴づけられている(Wangらの文献(J. Biol. Chem., 244:2516-
2526(1969)))。また、この酵素の活性は、グルタミン酸分解VI経路の文脈で、シトロ
バクター属及びモルガネラ属におけるいくつかの細菌においても検出されている(Katoら
の文献(上述))。この酵素をコードする遺伝子は、今日までどの生物においても同定さ
れていない。

0125

3-ヒドロキシブチリル-CoA(工程B、図3)を形成するためのクロトニル-CoAの水和は
、クロトナーゼ(EC4.2.1.55)によって触媒される。これらの酵素は、いくつかの生物、
特にクロストリジアル種におけるn-ブタノール形成に必要とされ、スルホロブス属、アシ
ディアヌス属、及びメタロスファエラ属の好酸好熱性古細菌における3-ヒドロキシプロピ
オン酸/4-ヒドロキシ酪酸サイクルの1工程を含む。クロトナーゼ酵素をコードする典型
的な遺伝子は、クロストリジウム・アセトブチリカム(Boyntonらの文献(J. Bacteriol.
, 178:3015-3024(1996)))、クロストリジウム・クルイベリ(Hillmerらの文献(FEB
S Lett., 21:351-354(1972)))、及びメタロスファエラ・セデュラ(Bergらの文献(
上述))において見出すことができる。また、種々のアミノ酸の脂肪酸ベータ‐酸化及び
/又は代謝に関与するエノイル-CoAヒドラターゼは、クロトニル-CoAの水和を触媒して、
3-ヒドロキシブチリル-CoAを形成することができる(Robertsらの文献(Arch. Microbiol
, 117:99-108(1978));Agnihotriらの文献(Bioorg. Med. Chem., 11:9-20(2003)
);Conradらの文献(J. Bacteriol., 118:103-111(1974)))。典型的なエノイル-Co
Aヒドラターゼは、プチダ菌由来のechの遺伝子産物である(Robertsらの文献(上述))
。エノイル-CoAヒドラターゼであるプチダ菌のphaA及びphaBは、フェニル酢酸異化作用の
間の二重結合ヒドロキシル化を実施することが示されている(Oliveraらの文献(Proc.
Natl. Acad. Sci USA, 95:6419-6424(1998)))。蛍光菌由来のpaaA及びpaaBは、類
似の形質転換を触媒する(Oliveraらの文献(上述))。最後に、いくつかの大腸菌遺伝
子は、maoC(Parkらの文献(J. Bacteriol, 185:5391-5397(2003)))、paaF(Ismail
らの文献(Eur. J. Biochem., 270:3047-3054(2003));Parkらの文献(Appl Biochem
. Biotechnol, 113-116:335-346(2004));Parkらの文献(Biotechnol Bioeng., 86:
681-686(2004)))、及びpaaG(Ismailらの文献(上述);Parkらの文献(上述);Par
kらの文献(上述))を含むエノイル-CoAヒドラターゼ官能性を示すことが示されている
。これらの典型的な遺伝子産物の各々についての配列と関連したデータは、表30に示され
る以下のGenBank受入番号を用いて見出すことができる。

0126

あるいは、fadA及びfadBの大腸菌遺伝子産物は、エノイル-CoAヒドラターゼ活性を呈す
る脂肪酸酸化に関与する多酵素複合体をコードする(Hallerらの文献(Biochemistry 39:
4622-4629(2000));Martinez-Carrionらの文献(J. Biol. Chem. 240:3538-3546(196
5));Matthiesらの文献(Appl Environ. Micriobiol. 58:1435-1439(1992)))。fad
Rによってコードされる負の調節因子ノックアウトすることは、fadB遺伝子産物を活性
化するために利用することができる(Jengらの文献(A. Biochemistry 13:2898-2903(1
974)))。fadI遺伝子及びfadJ遺伝子は、類似の機能をコードし、嫌気性条件下で天然
に発現する(Atsumiらの文献(Nature 451:86-89(2008)))。これらの典型的な遺伝
子産物の各々についての配列と関連したデータは、表31に示される以下のGenBank受入
号を用いて見出すことができる。

0127

4-ヒドロキシブチリル-CoAのクロトニル-CoAへの可逆的縮合(工程A、図3)は、二機
能性酵素4-ヒドロキシブチリル-CoAデヒドラターゼ/ビニルアセチル-CoAΔ-イソメラ
ゼによって触媒される。この酵素はまず、4-ヒドロキシブチリル-CoAをビニルアセチル-C
oAに脱水し、その後、ビニルアセチル-CoAは再配列して、クロトノイル-CoAを形成する。
クロストリジウム・クルイベリ及びクロストリジウム・アミノブチリウム(aminobutyriu
m)由来の酵素は、N‐末端ドメインにおいて精製、特徴づけ、及び配列決定されている(
Scherfらの文献(Eur. J. Biochem., 215:421-429(1993));Scherfらの文献(Arch.
Microbiol, 161:239- 245(1994)))。クロストリジウム・アミノブチリウム及びクロ
ストリジウム・クルイベリ由来のabfD遺伝子は、これらのN‐末端アミノ酸配列と実際に
符合し、4-ヒドロキシブチルル(hydroxybutyrul)-CoAデヒドラターゼ/ビニルアセチル
-CoAΔ-イソメラーゼ活性をコードすることが示されている。類似の遺伝子は、ポルフィ
ロモナス・ジンジバリス由来のabfD及びメタロスファエラ・セデュラ由来のMsed_1220を
含むゲノムプロジェクトからの相同性を通じて同定される。これらの典型的な遺伝子産物
の各々についての配列と関連したデータは、表32に示される以下のGenBank受入番号を用
いて見出すことができる。

0128

2-アミノ-4-ケトペンタン酸の(図1、反応I)及び4-アミノブタン-2-オンの(工程F、
図1)脱アミノ化は、AKPアンモニア-リアーゼ及び4-アミノブタン-2-オンアンモニア-リ
アーゼによってそれぞれ達成することができる。これらの脱アミノ化は、アスパルターゼ
によるアスパラギン酸のフマル酸への脱アミノ化と非常に類似している。該酵素は、広範
に研究されており、いくつかの結晶構造が入手可能である。大腸菌酵素は、アスパラギン
フェニルメチルエスエル、アスパラギン、ベンジル-アスパラギン酸、及びマレイン酸
などの代替基質と反応することが示されている(Maらの文献(Ann. N.Y. Acad. Sci., 67
2:60-65(1992)))。別個の研究において、指向型進化は、この酵素に関して実施され
て、基質特異性を変化させている(Asanoらの文献(Biomol. Eng., 22:95-101(2005)
))。また、アスパルターゼ感応性を有する酵素は、インフルエンザ菌(Sjostromらの文
献(Biochem. Biophys. Acta., 1324:182-190(1997)))、蛍光菌(Takagiらの文献(
J. Biochem., 96:545-552(1984)))、バチルス・スブチルス(subtilus)(Sjostrom
らの文献(上述))、及び霊菌(Takagiらの文献(J. Bacteriol, 161:1-6(1985)))
において特徴づけられている。これらの典型的な遺伝子産物の各々についての配列と関連
したデータは、表33に示される以下のGenBank受入番号を用いて見出すことができる。

0129

類似のアンモニアリアーゼ反応は、メサコン酸を介するグルタミン酸発酵経路に関与す
る酵素であるメチルアスパルターゼ(EC4.3.1.2)によって触媒される(Katoらの文献(
上述))。ベータ-メチルアスパルターゼ及び3-メチルアスパラギン酸アンモニア-リアー
ゼとしても公知のこの酵素は、トレオ-3-メチルアスパラギン酸のメサコン酸への脱アミ
ノ化を天然に触媒する。クロストリジウム・テタノモーファム由来の3-メチルアスパルタ
ーゼは、大腸菌においてクローニングされ、機能的に発現し、結晶化されている(Asunci
onらの文献(57:731-733(2001));Asuncionらの文献(J Biol Chem. 277:8306-8311
(2002));Bottingらの文献(27:2953-2955(1988));Godaらの文献(31:10747-10
756(1992)))。シトロバクター・アマロナティカスにおいて、この酵素は、BAA28709
によってコードされる(Katoらの文献(Arch. Microbiol 168:457-463(1997)))。ま
た、3-メチルアスパルターゼも、大腸菌YG1002から結晶化されている(Asanoらの文献(F
EMS Microbiol Lett. 118:255-258(1994)))が、タンパク質配列は、GenBankなどの
公共のデータベースにおいて列挙されていない。これらの典型的な遺伝子産物の各々につ
いての配列と関連したデータは、表34に示される以下のGenBank受入番号を用いて見出す
ことができる。

0130

いくつかの実施態様において、2-アミノ-4-ケトペンタン酸(AKP)チオラーゼは、ortA
(α)、ortB(β)、Amet_2368(α)、Amet_2369(β)、Teth514_1478(α)、Teth51
4_1479(β)、TTE1235(α)、及びthrC(β)からなる群から選択される1つ以上の遺伝
子によってコードされる。

0131

いくつかの実施態様において、AKP脱水素酵素は、thrA、akthr2、hom6、hom1、hom2、f
adB、fadJ、Hbd2、Hbd1、hbd、HSD17B10、phbB、phaB、Msed_1423、Msed_0399、Msed_038
9、Msed_1993、adh、adhA、adh‐A、mdh、ldhA、ldh、及びbdhからなる群から選択される
1つ以上の遺伝子によってコードされる。

0132

いくつかの実施態様において、2-アミノ-4-ヒドロキシペンタン酸アミノトランスフェ
ラーゼは、aspC、AAT2、ASP5、got2、avtA、lysN、AadAT‐II、dat、lat、ygjG、spuC、S
kyPYD4、SkUGAl、UGAl、Abat、Abat、Gta‐1、gabT、及びpuuEからなる群から選択される
1つ以上の遺伝子によってコードされる。

0133

いくつかの実施態様において、2-アミノ-4-ヒドロキシペンタン酸酸化還元酵素(脱ア
ミノ化)は、gdhA、gdh、gdhAl、rocG、gdhl、gdh2、GDH、GDH2、ldh、及びnadXからなる
群から選択される1つ以上の遺伝子によってコードされる。

0134

いくつかの実施態様において、2-オキソ-4-ヒドロキシペンタン酸デカルボキシラーゼ
は、pdc、pdc1、mdlC、dpgB、ilvB‐1、kgd、kdcA、lysA、panD、cadA、ldc、ldcC、AF32
3910.1:1…1299、odc1、VV2_1235、dmpH、dmpE、xylII、xylIII、Reut_B5691、Reut_B56
92、CAD、pad1、pofK(pad)、padC、pad、adc、cbei_3835、CLL_A2135、RBAM_030030か
らなる群から選択される1つ以上の遺伝子によってコードされる。

0135

いくつかの実施態様において、3-ヒドロキシブチルアルデヒド還元酵素は、alrA、ADH2
、yqhD、bdhI、bdhII、adhA、4hbd、adhI、P84067、mmsb、dhat、及び3hidhからなる群か
ら選択される1つ以上の遺伝子によってコードされる。

0136

いくつかの実施態様において、AKPアミノトランスフェラーゼは、aspC、AAT2、ASP5、g
ot2、avtA、lysN、AadAT‐II、dat、lat、Ut、ygjG、spuC、SkyPYD4、SkUGAl、UGAl、Aba
t、Gta‐1、gabT、及びpuuEからなる群から選択される1つ以上の遺伝子によってコードさ
れる。

0137

いくつかの実施態様において、AKP酸化還元酵素(脱アミノ化)は、gdhA、gdh、gdhAl
、rocG、gdh1、gdh2、GDH、GDH2、ldh、及びnadXからなる群から選択される1つ以上の遺
伝子によってコードされる。いくつかの実施態様において、2,4-ジオキソペンタン酸デカ
ルボキシラーゼは、pdc、pdc1、mdlC、dpgB、ilvB‐1、kgd、kdcA、lysA、panD、cadA、l
dc、ldcC、AF323910.1:1…1299、odc1、VV2_1235、dmpH、dmpE、xylII、xylIII、Reut_B
5691、Reut_B5692、CAD、pad1、padC、及びpad、adc、cbei_3835、CLL_A2135、RBAM_0300
30からなる群から選択される1つ以上の遺伝子によってコードされる。

0138

いくつかの実施態様において、3-オキソブチルアルデヒド還元酵素(ケトン還元)は、
thrA、akthr2、hom6、hom1、hom2、fadB、fadJ、Hbd2、Hbd1、hbd、HSD17B10、phbB、pha
B、Msed_1423、Msed_0399、Msed_0389、Msed_1993、adh、adhA、adh‐A、mdh、ldhA、ldh
、及びbdhからなる群から選択される1つ以上の遺伝子によってコードされる。

0139

いくつかの実施態様において3-オキソブチルアルデヒド還元酵素(アルデヒド還元)は
、alrA、ADH2、yqhD、bdhI、bdhII、adhA、4hbd、adhI、P84067、mmsb、dhat、及び3hidh
からなる群から選択される1つ以上の遺伝子によってコードされる。

0140

いくつかの実施態様において、4-ヒドロキシ-2-ブタノン還元酵素は、thrA、akthr2、h
om6、hom1、hom2、fadB、fadJ、Hbd2、Hbdl、hbd、HSD17B10、phbB、phaB、Msed_1423、M
sed_0399、Msed_0389、Msed_1993、adh、adhA、adh‐A、mdh、ldhA、ldh、及びbdhからな
る群から選択される1つ以上の遺伝子によってコードされる。

0141

いくつかの実施態様において、AKPデカルボキシラーゼは、pdc、pdc1、mdlC、dpgB、il
vB‐1、kgd、kdcA、lysA、panD、cadA、ldc、ldcC、AF323910.1:1…1299、odc1、VV2-12
35、dmpH、dmpE、xylII、xylIII、Reut_B5691、Reut_B5692、CAD、padl、pofK(pad)、p
adC、padからなる群から選択される1つ以上の遺伝子によってコードされる。

0142

いくつかの実施態様において、4-アミノブタン-2-オンアミノトランスフェラーゼは、a
spC、AAT2、ASP5、got2、avtA、lysN、AadAT‐II、dat、lat、ygjG、spuC、SkyPYD4、SkU
GA1、UGA1、Abat、Gta‐1、gabT、及びpuuEからなる群から選択される1つ以上の遺伝子に
よってコードされる。

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