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技術 ヒト4−リン酸アダプタータンパク質2糖脂質移行タンパク質様ドメインの結晶構造

出願人 シャイアーヒューマンジェネティックセラピーズインコーポレイテッドフォンダッツィオーネ・テレソン
発明者 マリアア.デマッティスムスラマンメイヤッパン
出願日 2020年6月1日 (8ヶ月経過) 出願番号 2020-095356
公開日 2020年10月1日 (4ヶ月経過) 公開番号 2020-156497
状態 未査定
技術分野 微生物による化合物の製造 酵素・酵素の調製 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 化合物または医薬の治療活性 微生物、その培養処理 突然変異または遺伝子工学 ペプチド又は蛋白質
主要キーワード 数学的方程式 ビューアーソフト 振動角 マトリックス結晶 置換プログラム 分解能限界 光学的外観 触媒基質
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

ヒト4−リン酸アダプタータンパク質糖脂質移行タンパク質様ドメイン高分解能結晶構造及び創薬における使用方法並びにホスホイノシトール4−リン酸アダプタータンパク質−2(FAPP2)に結合する化合物を設計、選択および/または最適化する方法も提供される。を提供する。

解決手段

FAPP2に結合する化合物を同定する方法において、、FAPP2の基質結合ポケットを構成する少なくともアミノ酸原子座標を使用して、FAPP2に結合する化合物をコンピューターで同定するステップとを含む。

概要

背景

ファブリー病アンダーソン・ファブリー病と呼ばれる場合もある)は、哺乳動物リソソームにおけるスフィンゴ糖脂質の正常なプロセシングに必要な酵素であるα−ガラクトシダーゼA(α−Gal A)が存在しないことを特徴とする稀なX連鎖障害である。α−Gal Aの喪失は、心臓腎臓肝臓および血管内皮細胞内での、セラミドトリヘキソシド(ceramide trihexoside)(CTH)としても公知の中性グロボトリアシルセラミド(Gb3)の蓄積をもたらす。腎疾患および心疾患は、ファブリー患者における死亡率および罹患率の最も一般的な原因である[1、2]。ヘミ接合性雄性ホモ接合性雌性および一部のヘテロ接合性雌性は、被角血管腫、肢端触覚異常(acroparathesis)、脳卒中、心筋症心筋梗塞(myocardian infarction)および腎不全として臨床的症状発現する進行性臓器障害を経験する[1]。腎臓は、Gb3沈着からの損傷に対してひときわ感受性であり、糸球体の有足突起、血管内皮細胞および上皮細胞局在化したスフィンゴ糖脂質のいくつかの公開された報告が存在する。アポトーシスによる有足突起の喪失は、糸球体硬化症をもたらし、腎臓機能を劇的に低減させる。罹患した個体は、疾患進行および症状の重症度の点で変動する。

歴史的に、ファブリー患者に対する処置選択肢は、腎臓および心血管合併症の症状の緩和に限定されていた[3]。より苛酷な処置、即ち、臓器移植[4、5]およびプラスマフェレーシス[6]の試みは、成功することが証明されなかった。現在、2種のガラクトシダーゼ薬物が、酵素補充療法ERT)を介したファブリー病の処置のために利用可能である:アガルシダーゼアルファ(Replagal(登録商標)、TKT/Shire)およびアガルシダーゼベータFabrazyme(登録商標)、Genzyme)。これらのタンパク質ベース治療剤は、静脈内注射によって投与され(静脈内注射のために承認され)、Gb3蓄積のレベルを低減させるために、罹患臓器のリソソームへとガラクトシダーゼ活性送達する。ファブリー病などのリソソーム蓄積症の処置のためのERTのためのさらなるアプローチが必要とされる。

ERTに対する代替戦略は、基質低減療法(substrate reduction therapy)(SRT)である。これは、患者における病理的基質(即ち、Gb3)の量を制限することに基づいて働く。ファブリー病の病理学は、Gb3を分解する患者の能力の低減および結果として生じる基質の蓄積の結果として生じ、SRTの目的は、存在するこの病理的物質の量を低減させることである。

Gb3は、他の複合スフィンゴ糖脂質と同様、ゴルジにおいてグルコシルセラミド(GlcCer)から合成される。サイトゾル移行タンパク質FAPP2は、異なる細胞区画における異なるGSLの下流の合成のための異なる経路へとGlcCerを分配することにおいて重要な役割を有することが、最近示されている。FAPP2は、GlcCerをトランスゴルジネットワーク(TGN)に直接送達することを担うことが示されている。TGNにおいて、Gb3を含むグロボスフィンゴ脂質およびアシアロスフィンゴ脂質が、GlcCerから合成される。他のGlcCerは、ゴルジにおいてガングリオ系列のスフィンゴ脂質を作製するために、小胞経路を介してゴルジ嚢へと移動される。FAPP−2−/−マウスは、腎臓におけるGb3の選択的減少を有することが、さらに示されている[7]。

Gb3の合成におけるFAPP2の役割を考慮すると、FAPP2は、ファブリー病の処置のためのSRTのための標的を提示する。SRTは、ゴーシェ病およびニーマンピック病C型などのリソソーム蓄積症のために提案されており、Zavesca(登録商標)(Actelion)は、ERTの標準的な処置を受けることができない軽度から中程度のゴーシェ病1型患者の処置のため、およびニーマン・ピック病C型を有する全ての年齢疾患患者神経学的症状の処置のために承認されている。しかし、ファブリー病のSRTに適切なFAPP2のインヒビターは、現在利用可能でない。

ヒト糖脂質移行タンパク質(GLTP)の結晶構造に基づいて、ヒトFAPP2のGLTPドメインの構造はモデル化されているが[8]、FAPP2の糖脂質結合部分の高分解能結晶構造が、SRTに適切なFAPP2インヒビターを開発するために必要とされている。特に、FAPP2は、GLTPとは異なる脂質移行特異性を有することが公知であり、FAPP2は、GLTPによって容易に移行されるある特定の糖脂質、例えば、負に荷電した糖脂質を移行させることができない。さらに、2つのタンパク質の構造には差異が存在し、これは、それらの異なるヘリックス内容、およびFAPP2のGLTPドメインについての比較的低いTmに反映され、GLTPについての53℃と比較して、約41℃のTmで熱的なアンフォールディングを示す[8]。

FAPP2に対して特異的なインヒビターを開発することは、特に目的とされ、FAPP2の構造を理解すること、ならびに他の関連の分子および無関係の分子とそれがどのように異なり得るかが、このプロセスにおいて重要である。

概要

ヒト4−リン酸アダプタータンパク質2糖脂質移行タンパク質様ドメインの高分解能結晶構造及び創薬における使用方法並びにホスホイノシトール4−リン酸アダプタータンパク質−2(FAPP2)に結合する化合物を設計、選択および/または最適化する方法も提供される。を提供する。FAPP2に結合する化合物を同定する方法において、、FAPP2の基質結合ポケットを構成する少なくともアミノ酸原子座標を使用して、FAPP2に結合する化合物をコンピューターで同定するステップとを含む。

目的

本発明は、T4Lに融合された、FAPP2のGLTPドメインを含むポリペプチドを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

本明細書に記載の発明。

技術分野

0001

本発明は、ヒト4−リン酸アダプタータンパク質(four−phosphate adaptor protein)2(FAPP2)糖脂質移行タンパク質(GLTP)様ドメイン高分解能結晶構造の提供、および創薬におけるこの構造の使用に関する。

背景技術

0002

ファブリー病アンダーソン・ファブリー病と呼ばれる場合もある)は、哺乳動物リソソームにおけるスフィンゴ糖脂質の正常なプロセシングに必要な酵素であるα−ガラクトシダーゼA(α−Gal A)が存在しないことを特徴とする稀なX連鎖障害である。α−Gal Aの喪失は、心臓腎臓肝臓および血管内皮細胞内での、セラミドトリヘキソシド(ceramide trihexoside)(CTH)としても公知の中性グロボトリアシルセラミド(Gb3)の蓄積をもたらす。腎疾患および心疾患は、ファブリー患者における死亡率および罹患率の最も一般的な原因である[1、2]。ヘミ接合性雄性ホモ接合性雌性および一部のヘテロ接合性雌性は、被角血管腫、肢端触覚異常(acroparathesis)、脳卒中、心筋症心筋梗塞(myocardian infarction)および腎不全として臨床的症状発現する進行性臓器障害を経験する[1]。腎臓は、Gb3沈着からの損傷に対してひときわ感受性であり、糸球体の有足突起、血管内皮細胞および上皮細胞局在化したスフィンゴ糖脂質のいくつかの公開された報告が存在する。アポトーシスによる有足突起の喪失は、糸球体硬化症をもたらし、腎臓機能を劇的に低減させる。罹患した個体は、疾患進行および症状の重症度の点で変動する。

0003

歴史的に、ファブリー患者に対する処置選択肢は、腎臓および心血管合併症の症状の緩和に限定されていた[3]。より苛酷な処置、即ち、臓器移植[4、5]およびプラスマフェレーシス[6]の試みは、成功することが証明されなかった。現在、2種のガラクトシダーゼ薬物が、酵素補充療法ERT)を介したファブリー病の処置のために利用可能である:アガルシダーゼアルファ(Replagal(登録商標)、TKT/Shire)およびアガルシダーゼベータFabrazyme(登録商標)、Genzyme)。これらのタンパク質ベース治療剤は、静脈内注射によって投与され(静脈内注射のために承認され)、Gb3蓄積のレベルを低減させるために、罹患臓器のリソソームへとガラクトシダーゼ活性送達する。ファブリー病などのリソソーム蓄積症の処置のためのERTのためのさらなるアプローチが必要とされる。

0004

ERTに対する代替戦略は、基質低減療法(substrate reduction therapy)(SRT)である。これは、患者における病理的基質(即ち、Gb3)の量を制限することに基づいて働く。ファブリー病の病理学は、Gb3を分解する患者の能力の低減および結果として生じる基質の蓄積の結果として生じ、SRTの目的は、存在するこの病理的物質の量を低減させることである。

0005

Gb3は、他の複合スフィンゴ糖脂質と同様、ゴルジにおいてグルコシルセラミド(GlcCer)から合成される。サイトゾル移行タンパク質FAPP2は、異なる細胞区画における異なるGSLの下流の合成のための異なる経路へとGlcCerを分配することにおいて重要な役割を有することが、最近示されている。FAPP2は、GlcCerをトランスゴルジネットワーク(TGN)に直接送達することを担うことが示されている。TGNにおいて、Gb3を含むグロボスフィンゴ脂質およびアシアロスフィンゴ脂質が、GlcCerから合成される。他のGlcCerは、ゴルジにおいてガングリオ系列のスフィンゴ脂質を作製するために、小胞経路を介してゴルジ嚢へと移動される。FAPP−2−/−マウスは、腎臓におけるGb3の選択的減少を有することが、さらに示されている[7]。

0006

Gb3の合成におけるFAPP2の役割を考慮すると、FAPP2は、ファブリー病の処置のためのSRTのための標的を提示する。SRTは、ゴーシェ病およびニーマンピック病C型などのリソソーム蓄積症のために提案されており、Zavesca(登録商標)(Actelion)は、ERTの標準的な処置を受けることができない軽度から中程度のゴーシェ病1型患者の処置のため、およびニーマン・ピック病C型を有する全ての年齢疾患患者神経学的症状の処置のために承認されている。しかし、ファブリー病のSRTに適切なFAPP2のインヒビターは、現在利用可能でない。

0007

ヒト糖脂質移行タンパク質(GLTP)の結晶構造に基づいて、ヒトFAPP2のGLTPドメインの構造はモデル化されているが[8]、FAPP2の糖脂質結合部分の高分解能結晶構造が、SRTに適切なFAPP2インヒビターを開発するために必要とされている。特に、FAPP2は、GLTPとは異なる脂質移行特異性を有することが公知であり、FAPP2は、GLTPによって容易に移行されるある特定の糖脂質、例えば、負に荷電した糖脂質を移行させることができない。さらに、2つのタンパク質の構造には差異が存在し、これは、それらの異なるヘリックス内容、およびFAPP2のGLTPドメインについての比較的低いTmに反映され、GLTPについての53℃と比較して、約41℃のTmで熱的なアンフォールディングを示す[8]。

0008

FAPP2に対して特異的なインヒビターを開発することは、特に目的とされ、FAPP2の構造を理解すること、ならびに他の関連の分子および無関係の分子とそれがどのように異なり得るかが、このプロセスにおいて重要である。

先行技術

0009

Thurbergら、Kidney International(2002)62(6):1933〜1946
Tanakaら、Clinical Nephrology(2005)64(4):281〜287
Desnickら、Clinical Nephrology(2002)57(1):1〜8

課題を解決するための手段

0010

FAPP2のGLTPドメイン(FAPP2−C212)の高分解能結晶構造が生成された。この構造は、GlcCerの糖頭部基(headgroup)と相互作用する残基(D360、N364、W407が含まれる)が、十分に精密化されており、つまり、セラミドのアシル/スフィンゴシン鎖と相互作用する他の(例えば、疎水性)残基であることを示している。高分解能構造は、FAPP2のインヒビターを設計するためおよび最適化するために使用され得る。原子レベル構造情報は、本発明以前にはFAPP2のGLTPドメインについては入手可能でなく、この情報は、FAPP2活性における構造−機能関係を理解するために重要であり、FAPP2の新規インヒビターの設計および試験を可能にする。

0011

本発明の態様は、本発明者が、FAPP2のGLTPドメインを結晶化し、続いて3次元ポリペプチド構造を決定することに成功したことに基づく。FAPP2のGLTPドメインは、ヒトFAPP2中のC末端212アミノ酸である(ヒトFAPP2の番号付けを使用すると残基308〜519)。FAPP2のGLTPドメインは、比較的可撓性かつ不安定な分子(その低いTmによって明らかなとおり)であり、ほぼ45℃であっても完全にアンフォールディングされるので、これを結晶化することが可能になったことは、特に驚くべきことである。FAPP2のGLTPドメインの結晶を生成するための以前の広範な試みは、成功しなかった。結晶化可能な融合タグとして、本発明者がリゾチームT4Lを選択した場合にのみ、結晶を生成することが可能であり、そこから、以下により詳細に定義される構造が生成された。

0012

従って、第1の態様では、本発明は、T4Lに融合された、FAPP2のGLTPドメインを含むポリペプチドを提供する。コードする核酸分子およびベクターがさらに提供され、これらを含有する宿主細胞もまた提供される。

0013

さらなる態様は、本発明のポリペプチドの結晶性形態である。

0014

さらなる態様では、本発明は、本発明の結晶性形態を得る方法であって、本発明のポリペプチドを提供するステップ、およびこのポリペプチドを、それが沈殿し、結晶を形成するポリペプチド濃度へと濃縮するステップを含む方法を提供する。この方法から得ることができる結晶性形態もまた提供される。

0015

FAPP2のGLTPドメインについて本明細書で提供される原子座標、およびそのサブセット、ならびに本明細書で提供される原子座標を使用して生成され得る3次元構造モデルは、FAPP2結合性化合物を同定、設計、選択および/または最適化するために使用され得る。かかる化合物は、FAPP2を阻害するために使用され得、従って、Gb3レベルを低減させ得る。

0016

従って、本発明の態様は、FAPP2に結合する化合物を同定する方法に関する。この方法は、例えば表2に示される、FAPP2の基質結合ポケットを構成する少なくともアミノ酸の原子座標を使用して、または表3に示される、FAPP2の少なくともGLTPドメインについての原子座標を使用して、FAPP2に結合する化合物をコンピューターで同定するステップを含み得る。FAPP2ポリペプチドに結合する化合物は、座標を使用して、コンピューターで同定され得る。

0017

さらなる態様では、本発明は、FAPP2に結合する化合物を設計、選択および/または最適化する方法であって、a)例えば表2に示される、FAPP2の基質結合ポケットを構成する少なくともアミノ酸の原子座標のセットを提供するステップ、ならびにb)化合物と、原子座標から生成された3次元構造情報の全てまたは一部との間でのフィッティング操作を実施することによって、その化合物をコンピューターで設計、選択および/または最適化するステップを含む方法を提供する。

0018

さらなる態様では、本発明は、FAPP2に結合する化合物を設計、選択および/または最適化する方法であって、a)表3に示される、FAPP2の少なくともGLTPドメインについての原子座標のセットを提供するステップ、ならびにb)化合物と、原子座標から生成された3次元構造情報の全てまたは一部との間でのフィッティング操作を実施することによって、その化合物をコンピューターで設計、選択および/または最適化するステップを含む方法を提供する。

0019

さらなる態様では、本発明は、FAPP2と会合する化合物の能力を評価するための方法であって、a)例えば表2に示される、FAPP2の基質結合ポケットを構成する少なくともアミノ酸の原子座標のセットを提供するステップ;b)化合物と、原子座標から生成された3次元構造情報の全てまたは一部との間でのフィッティング操作をコンピューターで実施するステップ;およびc)このフィッティング操作の結果を分析して、化合物とFAPP2との間の会合を定量化するステップを含む方法を提供する。

0020

さらなる態様では、本発明は、FAPP2と会合する化合物の能力を評価するための方法であって、a)表3に示される、FAPP2の少なくともGLTPドメインについての原子座標のセットを提供するステップ、およびb)化合物と、原子座標から生成された3次元構造情報の全てまたは一部との間でのフィッティング操作をコンピューターで実施するステップ;およびc)このフィッティング操作の結果を分析して、化合物とFAPP2との間の会合を定量化するステップを含む方法を提供する。

0021

さらなる態様では、本発明は、FAPP2と会合する化合物の能力を評価するためにコンピューターを使用する方法であって、このコンピューターは、例えば表2に示される、FAPP2の基質結合ポケットを構成する少なくともアミノ酸の原子座標がコード化されたデータ記憶材料を含む機械可読データ記憶媒体、およびアミノ酸の構造の3次元グラフカル表示を生成するための手段を含み、この方法は、a)化合物およびFAPP2の基質結合ポケットの全てまたは一部の構造のグラフィカル3次元表示を使用して、第1の化合物を位置決めするステップ;b)コンピューター手段を用いることによって、化合物とFAPP2の基質結合ポケットとの間でのフィッティング操作を実施するステップ;およびc)このフィッティング操作の結果を分析して、化合物とFAPP2の基質結合ポケットとの間の会合を定量化するステップを含む方法を提供する。

0022

さらなる態様では、本発明は、FAPP2と会合する化合物の能力を評価するためにコンピューターを使用する方法であって、このコンピューターは、表3に示される、FAPP2の少なくともGLTPドメインについての原子座標がコード化されたデータ記憶材料を含む機械可読データ記憶媒体、およびその3次元グラフィカルを生成するための手段を含み、この方法は、a)化合物およびFAPP2のGLTPドメインの全てまたは一部の構造のグラフィカル3次元表示を使用して、第1の化合物を位置決めするステップ;b)コンピューター手段を用いることによって、化合物とFAPP2のGLTPドメインとの間でのフィッティング操作を実施するステップ;およびc)このフィッティング操作の結果を分析して、化合物とFAPP2のGLTPドメインとの間の会合を定量化するステップを含む方法を提供する。

0023

さらなる態様では、本発明は、本発明のポリペプチドについての原子座標またはそのサブセットを含むコンピューター可読媒体、および本発明のコンピューター可読媒体を含むコンピューターを提供する。

0024

本発明のポリペプチドを規定するX線結晶学構造座標またはそのサブセットを含むメモリユニットと;このメモリユニットと電気通信したプロセッサーであって、ポリペプチドの少なくとも一部分を提示する3次元構造を有する分子モデルを生成するプロセッサーとを含むコンピューターシステムもまた、本発明の一部を形成する。

0025

本発明のさらなる態様は、本発明の方法を用いて、化合物を設計、選択および/または最適化するステップ、同定された化合物を、医薬品としての投与のために改変するステップ、ならびに薬学的に許容される担体または希釈剤を用いて、得られた産物を製剤化するステップを含む、医薬組成物を製造する方法を提供する。

0026

さらなる態様では、本発明は、FAPP2に結合する結合性化合物をモデル化することにおける、本発明の結晶性形態の構造またはその構造の一部分の使用、ならびにFAPP2に結合する結合性化合物をモデル化することにおける、本発明の結晶性形態の原子座標またはその原子座標のサブセットの使用を提供する。

0027

本発明の方法によって同定、設計、選択および/または最適化された化合物、ならびに医薬品としての投与のために任意選択で改変された化合物、ならびに/または医薬品として製剤化された化合物が、本発明のさらなる態様で提供される。かかる化合物は、例えば、ファブリー病の処置において、医薬として使用され得る。それを必要とする患者に、かかる化合物または医薬品の有効量を投与するステップを含む、ファブリー病を処置または予防する方法がさらに提供される。

0028

ポリペプチド
FAPP2のGLTPドメインを結晶化することは以前には不可能であったが、それは少なくとも、これが、低い融解温度を有する非常に可撓性のペプチドだからである。ファージT4由来のリゾチーム配列のアミノ酸2〜164を、FAPP2のGLTPドメイン(FAPP2のアミノ酸308〜519)に融合させることによって、本発明者らは、驚くべきことに、結晶を生成することが可能だったことを見出した。生成された融合タンパク質の結晶は、各非対称単位中に、2分子の融合タンパク質を含有した。結晶格子中の隣接する分子由来のT4Lは、結晶化を促進したように見える広範な接触を行う(図1AおよびB)。従って、T4L配列の、FAPP2のGLTPドメインへの融合は、分析のためにこのポリペプチドの結晶が生成されるのを可能にするという点で、利点を有する。T4Lは、分子のN末端または中央のいずれかにおける、Gタンパク質共役受容体(GPCR)との融合物としてのみ、以前には使用されていた[9、10、11]。これらは、FAPP2のGLTPドメインとは非常に異なる性質のタンパク質である。

0029

従って、本発明は、T4Lポリペプチドに融合された、FAPP2のGLTPドメインを含むポリペプチドを提供する。FAPP2のGLTPドメインは、T4Lポリペプチドに対してC末端側またはN末端側であり得る。ある特定の実施形態では、このFAPP2はヒトFAPP2である。ヒトFAPP2についての全長配列は、配列番号4に示される。GLTPドメインを構成する、ヒトFAPP2のC末端212アミノ酸(FAPP2のアミノ酸308〜519)の配列は、配列番号1に示され、T4Lポリペプチドのアミノ酸2〜164の配列は、配列番号2に示される。

0030

従って、FAPP2のアミノ酸308〜519(配列番号1)に対して少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列およびリゾチームT4Lのアミノ酸2〜164(配列番号2)に対して少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドは、本発明の一部を形成する。任意選択で、このポリペプチドは、配列番号3の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有する。

0031

本発明のポリペプチドは、一実施形態では、残基L349、D360、N364、K367、W407R410、F414、I429、Y437、L441、H445、V449、F453、A456、F466、L470、V342、L346、V357、L361、L433、V452、L488、Y491、V345、N399、E403、R398、F311およびF312を含み、さらなる実施形態では、配列番号3の配列またはその断片を含む。別の実施形態では、本発明のポリペプチドは、配列番号3の配列またはその断片からなる。配列番号3の配列からなるポリペプチドは、T4L−FAPP2−C212と呼ばれ得る。

0032

より好ましいポリペプチドは、FAPP2のアミノ酸308〜519(配列番号1)および/もしくはリゾチームT4Lのアミノ酸2〜164(配列番号2)の配列と、それぞれ、96%、97%、98%、99%もしくは99.5%よりも高い同一性百分率を有し、ならびに/または配列番号3のアミノ酸の配列と、それぞれ、96%、97%、98%、99%もしくは99.5%よりも高い同一性の百分率を有し得る。百分率同一性は、本明細書で言及する場合、NCBI(National Center for Biotechnology Information;www.ncbi.nlm.nih.gov/)によって特定されるデフォルトパラメーター[Blosum 62マトリックスギャップオープンペナルティ=11およびギャップエクステンションペナルティ=1]を使用して、BLASTバージョン2.1.3を使用して決定される通りである。

0033

かかるポリペプチドは、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10、15、20、25、30もしくは35またはそれ超のアミノ酸の、あるいは最大でこの数のアミノ酸の、参照配列からのアミノ酸置換、挿入または欠失によって、参照配列とは異なる配列を含有し得る。かかる配列には、有害な様式でタンパク質の機能または活性に影響を与えることのない保存的アミノ酸置換を含有するタンパク質が含まれる。

0034

挿入には、例えば、T4L配列とFAPP2配列との間のリンカーが含まれ得る。リンカーにおいて使用され得るアミノ酸の適切な例には、スレオニンセリンプロリンアスパラギングリシンが含まれる。好ましくは、このリンカーは、1つまたは複数のグリシン残基を含む。より好ましくは、このリンカーは、1つまたは複数のグリシン残基からなる(例えば、単一のグリシンである)。

0035

従って、参照ポリペプチドの断片は、最大で1、2、3、4、5、6、7、8、9または10アミノ酸の欠失(例えば、N末端もしくはC末端からの、または内部の)を含有する。

0036

本発明のポリペプチドはさらに、例えば、ペプチドの調製および/または精製において使用される、タグを含み得る。かかるタグは、当技術分野で周知であり、従って、hisタグが含まれ得る。リンカーは、任意のタグとT4L配列またはFAPP2配列との間にも存在し得る。

0037

ある特定の実施形態では、本発明のポリペプチドをコードする核酸が提供される。ある特定の実施形態では、この核酸は、配列番号5に示される配列、またはその断片を含む。

0038

本発明のポリペプチドにおける置換、付加および欠失は、本発明のコードする核酸分子に適切な変化を起こすことによって生成され得、そうして、本発明の核酸は、1つまたは複数のヌクレオチド置換、付加、欠失または重複を含み得る。

0039

置換、付加および/または欠失バリアントを有するポリペプチドを作出する改変および変異は、本発明のポリペプチドをコードする核酸配列内で行われ得る。

0040

改変および変異には、欠失、点変異トランケーション、アミノ酸置換をもたらす核酸変化、およびアミノ酸の付加をもたらす核酸変化が含まれる。

0041

核酸改変は、コードされたポリペプチドのアミノ酸配列に関してサイレントであるが、特定の宿主における翻訳のために好ましいコドンを提供するバリアントを生成するために、行われ得る。原核生物系などの特定の非哺乳動物発現系における核酸の翻訳のために好ましいコドンは、当技術分野で周知である、例えば、[12;13;14]。なお他の改変が、コード遺伝子の発現を増強または制御するために、非コード配列に対して行われ得る。

0042

コードする核酸配列は、ベクター中に存在し得る。このベクターは、1つまたは複数の調節配列作動可能に関連したコード配列を含み得る。コード配列および調節配列は、それらが、コード配列の発現または転写を調節配列の制御下に置くように、共有結合的に連結されている場合、「〜に作動可能に関連」されている。プロモーター領域は、そのプロモーター領域がコード配列の転写をモジュレートすることが可能である場合、コード配列に作動可能に関連されている。

0043

遺伝子発現に必要とされる調節配列の性質は、種間または細胞型間で変動し得るが、これには、それぞれ、転写および翻訳の開始に関与する5’非転写配列および5’非翻訳配列、例えば、TATAボックスキャッピング配列、CAAT配列などが一般に含まれ得る。5’非転写調節配列には、作動可能に関連した遺伝子の転写制御のためのプロモーター配列を含むプロモーター領域が含まれ得る。プロモーターは、構成的または誘導性であり得る。調節配列には、エンハンサー配列または上流アクチベーター配列もまた含まれ得る。

0044

調節配列に作動可能に関連したDNA配列は、例えば、異なる遺伝的環境間でのトランスポートのため、または宿主細胞における発現のために、制限およびベクター中へのライゲーションによって、挿入され得る。ベクターは、典型的には、DNAまたはRNAから構成される。ベクターには、プラスミドウイルスベクターコスミド人工染色体およびファージミドが含まれるが、これらに限定されない。クローニングベクターは、宿主細胞において複製することが可能であり、ベクターがそこでカットされ得、その中に所望の核酸配列(例えば、オープンリーディングフレーム)が挿入され得る1つまたは複数のエンドヌクレアーゼ制限部位によってさらに特徴付けられるベクターである。ベクターは、ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた細胞またはされていない細胞の同定における使用に適切な、1つまたは複数のマーカー配列を含有し得る。マーカーには、例えば、抗生物質または他の化合物に対する耐性または感受性のいずれかを増加または減少させるタンパク質をコードする遺伝子、その活性が当技術分野で公知の標準的なアッセイによって検出可能な酵素(例えば、β−ガラクトシダーゼアルカリホスファターゼまたはルシフェラーゼ)をコードする遺伝子、および形質転換またはトランスフェクトされた細胞、宿主、コロニーまたはプラーク表現型に目に見えて影響を与える遺伝子が含まれる。

0045

原核生物系について、宿主と適合性の種由来の複製部位および制御配列を含有するプラスミドベクターが、使用され得る。好ましくは、このベクターは、宿主細胞において自律的に複製する能力を有する。有用な原核生物宿主には、E.coliなどの細菌が含まれる。原核生物細胞においてポリペプチドを発現させるために、その核酸配列(例えば、cDNA)を機能的原核生物プロモーターに作動可能に連結することが望ましい。かかるプロモーターは、構成的もしくは(例えば、誘導または抑制解除によって)調節可能のいずれかであり得る。

0046

真核生物宿主には、例えば、酵母真菌昆虫細胞および哺乳動物細胞が含まれる。さらに、植物細胞もまた、宿主として利用可能であり、植物細胞と適合性の制御配列は、当技術分野で公知である。

0047

広範な種々の転写および翻訳調節配列が、宿主の性質に依存して用いられ得る。転写および翻訳調節シグナルは、アデノウイルスウシパピローマウイルスおよびシミアンウイルスなどのウイルス供給源から誘導され得る。例えば、アクチンコラーゲンおよびミオシンなどの哺乳動物プロモーターが用いられ得る。抑制または活性化を可能にする転写開始調節シグナルは、遺伝子配列の発現が、例えば、温度における変化または化学的もしくは生物学的モジュレーティング分子の添加を介した抑制/開始など、調節シグナルによってモジュレートされ得るように、選択され得る。

0048

所望の遺伝子配列を宿主細胞染色体中に組み込むことが可能なベクターが、用いられ得る。それらの染色体中に導入された核酸を安定に組み込んだ細胞は、発現ベクターを含有する宿主細胞の選択を可能にする1つまたは複数のマーカーを導入することによっても、選択され得る。選択可能なマーカー遺伝子配列は、発現される遺伝子配列に直接連結され得るか、または共トランスフェクション(co−transfection)によって同じ細胞中に導入され得るかのいずれかである。さらなるエレメント、例えば、スプライスシグナル、転写プロモーターエンハンサーおよび終結シグナルもまた、mRNAの最適な合成のために必要とされ得る。

0049

所望のベクターまたは所望の核酸配列が調製されると、このベクターまたは核酸配列は、種々の適切な手段のいずれか、例えば、形質転換、トランスフェクション、コンジュゲーションプロトプラスト融合エレクトロポレーションリン酸カルシウム沈殿または直接的マイクロインジェクションによって、適切な宿主細胞中に導入される。ベクターの導入後、レシピエント細胞は、ベクター含有細胞の成長に関して選択する選択的培地中で成長する。クローニングされた遺伝子配列の発現は、組換えポリペプチドの産生を生じる。

0050

結晶を調製すること
別の態様では、本発明は、例えば、本発明のポリペプチドを提供すること、およびこのポリペプチドを、それが沈殿し、結晶を形成するポリペプチド濃度へと濃縮することにより、本発明のポリペプチドを結晶化するための方法を提供する。

0051

ある特定の実施形態では、本発明のポリペプチドを結晶化するための方法は、本発明の精製された組換えポリペプチドを結晶化するステップを含む。

0052

広範な種々の結晶化条件が、本発明のポリペプチドの結晶を提供するために用いられ得、従って、広範な種々の結晶化条件が、本発明によって想定および包含される。全てのタンパク質は、例えば、タンパク質を含有する溶液過飽和させること;ならびに/もしくはタンパク質を含有する溶液に、沈殿化剤もしくは結晶化剤、塩、金属および/または緩衝液を添加することなどの、独自のセットの条件下で結晶化する。

0053

バッチ結晶化、蒸気拡散(例えば、シッティングドロップ(sitting drop)またはハンギングドロップ(hanging drop)のいずれかによる)および微小透析が含まれるが、これらに限定されない、当業者に公知の任意の結晶化技術が、本発明の結晶を得るために用いられ得る。一部の場合には、シーディングが、X線品質結晶(x−ray quality crystal)を得るために必要とされ得る。従って、結晶の標準的なミクロおよび/またはマクロシーディングが使用され得る。ある特定の実施形態では、本発明の結晶は、ハンギングドロップ蒸気拡散法を使用して成長する。

0054

本発明のポリペプチドの結晶は、結晶化に適切な任意の温度で成長し得る。例えば、結晶は、およそ0℃からおよそ30℃までの範囲の温度で成長し得る。ある特定の実施形態では、本発明の結晶は、およそ0℃〜およそ10℃の間の温度で成長する。ある特定の実施形態では、本発明の結晶は、およそ0℃〜およそ5℃の間の温度で成長する。他の実施形態では、本発明の結晶は、およそ5℃〜およそ10℃、およそ10℃〜およそ15℃、およそ15℃〜およそ20℃、およそ20℃〜およそ25℃、およそ25℃〜およそ30℃の間の温度で成長する。

0055

ある特定の実施形態では、本発明の結晶は、およそ10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、20℃の温度または室温で成長する。

0056

本発明の結晶は、典型的には、1種または複数の沈殿剤を含む結晶化溶液から成長する。ある特定の実施形態では、これらの沈殿剤は、ポリマーポリエーテルアルコール、塩および/またはポリオーから選択され得る。ある特定の実施形態では、これらの沈殿剤は、モノメチルエーテル(ME);ポリエチレングリコールPEG−400;PEG−1000;PEG−2000;PEG−3000;PEG−8000;PEG 20,000;((NH4)2SO4);2−プロパノール;1,4−ブタンジオール酒石酸K/Na;エタノール;NaCl;クエン酸ナトリウム;NaH2PO4/K2HPO4;エチレングリコールジオキサン;2−メチル−2,4−ペンタンジオール(MPD);ポリエチレンイミン;tert−ブタノール;および1,6−ヘキサンジオールからなる群より選択される。

0057

ある特定の実施形態では、これらの結晶化条件は、1種または複数の塩をさらに含み得る。従って、ある特定の実施形態では、これらの結晶化条件は、MgCl2;Zn(OAc)2、LiSO4、Ca(OAc)2、NaCl;(NH4)2SO4、CdCl2、CoCl2、MgSO4およびNiCl2、好ましくはMgCl2および/またはNaClからなる群より選択される1種または複数の塩をさらに含む。ある特定の実施形態では、これらの結晶化条件は、2−(シクロヘキシルアミノエタンスルホン酸(CHES);2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(MES);N−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸CAPS);N−シクロヘキシル−2−ヒドロキシル3−アミノプロパンスルホン酸(CASPO);4−(2−ヒドロキシエチルピペラジン−1−エタンスルホン酸(HEPES);3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS);2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール(Tris);ピペラジン−N,N’−bis(2−エタンスルホン酸)(PIPES);N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(ACES);N,N−Bis(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸(BES);N−Tris(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸(TES);N−(2−アセトアミド)イミノ二酢酸(ADA);tris(2−カルボキシエチルホスフィン(tris(2−carboxylethyl)phosphine)(TCEP);アセトアミドグリシン;コラミン塩化物(cholamine chloride);グリシンアミドビシン;N−(2−ヒドロキシ−l,l−bis(ヒドロキシメチル)エチル)グリシン(トリシン);イミダゾール;クエン酸ナトリウム;酢酸ナトリウム;カコジレート(cacodylate);リン酸Na/K、および[15]に記載される緩衝液からなる群より選択される1種または複数の緩衝液、好ましくはtrisをさらに含む。本発明のポリペプチドを結晶化するために使用され得る沈殿剤には、硫酸リチウム;PEG−400;PEG−550 MME;PEG−2000;PEG−6000;PEG−8000;PEG 20,000;および/または2−メチル−2,4−ペンタンジオール(MPD)が含まれるが、これらに限定されない。

0058

ある特定の実施形態では、この結晶化溶液のpHは、約およそ4のpH〜およそ9のpHの間である。ある特定の実施形態では、この結晶化溶液のpHは、約およそ6.5のpH〜およそ9のpHの間である。ある特定の実施形態では、この結晶化溶液のpHは、およそ7.0である。ある特定の実施形態では、この結晶化溶液のpHは、タンパク質の等電点近傍である。

0059

具体的な実施形態では、約6mg/mlの濃度における本発明のポリペプチドが、ランダムマトリックス結晶スクリーニングキットを用いるシッティングドロップ蒸気拡散法を使用する結晶化条件についてスクリーニングされる。かかるキットは、市販の、例えば、Qiagen JCSG−Iランダムマトリックス結晶化キットである。具体的な実施形態では、本発明のポリペプチドは、#6条件(0.2M MgCl2、0.1M Tris、pH7.0、2.5M NaCl)下で結晶化される。他の実施形態では、これらの条件は、0.1〜0.3M MgCl2、1.5〜3M NaCl、0.1M Tris pH7である。およそ6〜20mg/mlのタンパク質が使用され得る。

0060

ある特定の実施形態では、結晶は、例えば、データ収集の間に生じる結晶に対する放射線損傷減弱させるために、液体窒素の温度において結晶を凍結させるための最適な低温条件(cryo−condition)についてスクリーニングされる。ある特定の実施形態では、最適な低温条件についてのスクリーニングは、20〜35%v/vのポリオール、例えば、グリセロール、エチレングリコールもしくは2−メチル−2,4−ペンタンジオール(MPD)、または35〜70%w/vの糖、例えば、スクロースもしくはキシリトールを含有する結晶化緩衝液において実施され得る。結晶は、低温緩衝液(cryo−buffer)中に約5〜15分間浸漬され得る。具体的な実施形態では、条件#6(0.2M MgCl2、0.1M Tris、pH7.0、2.5M NaCl)において成長させた本発明の結晶の凍結保護は、グリセロールおよびキシリトールを含有する低温緩衝液(0.2M MgCl2、0.1M Tris、pH7.0、2.5M NaCl、10%グリセロールおよび5%キシリトール)中に結晶を浸漬させることによって達成される。

0061

本発明の結晶は、FAPP2ポリペプチドのGLTPドメインに結合された結合性化合物もまた含み得る。ポリペプチドと結合性化合物との複合体は、結晶化の前、その後またはその間に形成され得る。ある特定の実施形態では、本発明の結晶、および結晶化条件は、結合性化合物をさらに含む。従って、ある特定の実施形態では、上記方法の結晶化溶液は、FAPP2 GLTPドメインポリペプチド−結合性化合物複合体を提供するために、結合性化合物をさらに含む。ある特定の実施形態では、上記方法によって提供されるFAPP2 GLTPドメインポリペプチドは、FAPP2 GLTPドメインポリペプチド−結合性化合物複合体を提供するために、結合性化合物の溶液中に浸漬される。

0062

ある特定の実施形態では、結合性化合物は、FAPP2 GLTPドメインポリペプチドの基質結合ポケット中で結合される。一部の実施形態では、このインヒビターは、可逆的インヒビターである。

0063

他の実施形態では、この結合性化合物は、1つまたは複数のエキソイト(exocite)において、基質結合ポケットの外側に結合する。一部の実施形態では、この結合性化合物は、基質結合ポケット中で結合しようと1つまたは複数のエキソサイトにおいて結合しようと、結晶化および/またはX線回折のためにタンパク質を安定化することを補助する。

0064

本発明のポリペプチドを提供するステップは、宿主細胞において適切なポリペプチドを発現させるステップを任意選択で含み得、このポリペプチドを精製するステップを任意選択でさらに含み得る。

0065

発現されるポリペプチドは、本発明のポリペプチドが次いでタンパク質分解性切断などによってそれから誘導され得る、任意のポリペプチドである。従って、発現されるポリペプチドは、宿主細胞からのタンパク質の精製の間またはその後に引き続いて除去されるタグを含有し得る。このタグは、例えば、マトリックスへの結合を可能にすること、または宿主細胞からのポリペプチドの分泌を可能にすることによって、精製を促進するために使用され得る。

0066

適切な精製方法の例には、Niカラムステップが含まれる。Niカラムは、例えばhisタグ中のヒスチジン残基に結合する。サイズ排除クロマトグラフィーステップ(SEC)ステップもまた、例えば、異なるサイズのポリペプチドを分離するために、使用され得る。アニオン交換カラムが、さらに、またはあるいは、例えばNiカラムの後に使用され得る。これは、タンパク質の純度を増加させ得る。

0067

ポリペプチドの結晶性形態
本発明は、本発明のポリペプチドの結晶性形態もまた提供する。ある特定の実施形態では、この結晶は、T4Lポリペプチドに融合された、ヒトFAPP2のGLTPドメインの結晶である。ある特定の実施形態では、この結晶は、配列番号3に示されるアミノ酸配列を含むまたはアミノ酸配列からなるポリペプチドの結晶である。

0068

本発明の結晶は、種々の形態を取り得、その全てが、本発明によって企図される。ある特定の実施形態では、この結晶は、約50〜100×30〜50×20〜30μmのサイズを有し得る。ある特定の実施形態では、この結晶は、図5に例示される光学的外観(optical appearance)を有し、および/またはこの結晶は、一部は明瞭な面を含まない、ロッド形状として成長し得る。本発明の結晶は、本明細書の他の場所で言及されるポリペプチド結晶化の方法によって得ることが可能であり得る。

0069

本発明のポリペプチドの結晶性形態は、空間群P21212で特徴付けられ得、a=100.02Å、b=130.87Å、c=88.73Å、α=90°、β=90°、γ=90°の+/−5%、4%、3%、2%、1%の単位格子パラメーター、任意選択でa=100.02Å、b=130.87Å、c=88.73Å、α=90°、β=90°、γ=90°の単位格子パラメーター、a=100.02Å、b=130.87Å、c=88.73Åの単位格子パラメーター、α=90°、β=90°、γ=90°の単位格子パラメーターを有し得る。このa、bおよびc値は、さらなる小数位まで規定され得る(例えば、a=100.020、b=130.872、c=88.733)。

0070

用語「空間群」とは、結晶中の対称な要素の配置を指す。用語「単位格子」とは、基本的な並行面体(parallelipiped)形状のブロックを指す。結晶の全体積は、かかるブロックの規則的なアセンブリによって構築され得る。

0071

FAPP2のGLTPドメインの結晶構造
別の態様では、本発明は、本発明のポリペプチドについての3次元構造情報を提供する。他の態様では、本発明は、本発明のポリペプチドのアミノ酸のサブセットについての3次元構造情報を提供する。例えば、このサブセットは、FAPP2の基質結合ポケットを構成するアミノ酸、FAPP2の糖頭部基認識部位を構成するアミノ酸、および/またはFAPP2のGLTPドメインを構成するアミノ酸であり得る。

0072

ある特定の実施形態では、X線回折データ収集は、X線結晶学設備において実施され得る。1、2、3またはそれ超の回折データセットが、1つまたは複数の結晶から収集され得る。ある特定の実施形態では、本発明の結晶は、少なくともおよそ8オングストローム(Å)の分解能限界まで回折する。ある特定の実施形態では、この結晶は、少なくともおよそ6Å、4Åまたは3Åの分解能限界まで回折する。

0073

ある特定の実施形態では、この結晶は、約3.9Åの、約3.2Åの、約2.9Åの、または約2.6Åの最大分解能まで、構造的座標の決定のためのX線を回折する。この結晶は、約2.0〜4.0Åの(例えば、約2.5Å〜約3.5Å、約2.0Å〜約3.0Åの、約2.5Å〜約3.0Åの、または約3.0Å〜約3.5Åの)最大分解能まで回折し得る。

0074

回折データは、使用される機器およびデータを収集するために使用される結晶(複数可)の品質に全て依存する、種々の振動角フレームの数および曝露時間を使用して収集され得る。当業者は、これらのパラメーターを最適化する方法を知っている[16;17])。ある特定の実施形態では、回折データは、1°の振動で収集され得る。1°未満または1°超の振動などの他の振動が使用され得る。例えば、回折データは、0.1°、0.3°、0.5°、1°、1.5°、2°、3°、4°、5°もしくは10°の振動、またはこれらの角度の間の任意の振動角で収集され得る。ある特定の実施形態では、120フレームが収集される。120よりも多いまたは少ないフレームが、収集され得る。例えば、10、20、50、100、200、300、400、500、1000もしくは5000フレーム、またはこれらの数の間の任意の数のフレームが、収集され得る。ある特定の実施形態では、曝露は、1フレーム当たり10分間である。例えば、1フレーム当たり5秒間、10秒間、20秒間、30秒間、40秒間、50秒間、60秒間、120秒間、180秒間、3分間、4分間、5分間、15分間、20分間、30分間、またはこれらの時間の間の任意の曝露時間などの、他のフレーム曝露時間もまた使用され得る。データマージングおよびスケーリング(scaling)は、例えば、HKL2000ソフトウェアスイート(HKL Research,Inc.、Charlottesville、VA)を使用して実施され得る。構造決定モデル構築および精密化は、例えば、CCP4ソフトウェアスイートの一部であるMolrep、cootおよびRefmacなどのソフトウェアを使用して実施され得る。MolRepは、自動分子置換のためのプログラムである(例えば、MolRep、バージョン10.2.35)。モデル構築のためのPaul Emsley(www.ysbl.york.ac.uk/〜emsley)によるCoot Graphical Interfaceは、refmac5(Gnu Public License;refmac5、例えば、バージョン5.5.0072またはバージョン5.5.0109)に対するインターフェースを含む。Garib Murshudovらによる高分子精密化プログラムは、CCP4プログラムスイート(www.ccp4.ac.uk、CCP4、バージョン6.1.3)中に組み込まれる。構造的分析は、分子ビューアーソフトウェアPYMOL(pymol.org)を使用して実施され得る。ある特定の実施形態では、ポリペプチドのモデルは、プログラムMolrepを使用する分子置換法ならびに検索モデルとしてのT4L(PDB ID:3G3V)およびヒトGLTP(PDB ID 1SWX)について入手可能な構造情報によって取得され得る。例えば、初期位相は、検索モデルの座標から、ポリアラニンモデルを生じる側鎖の全てを除去して取得され得る。かかるモデルは、例えば、cootおよびRefmacなどのプログラムを使用して、さらなるモデル構築および精密化のために使用され得る。

0075

用語「分子置換」とは、その原子座標が公知であるポリペプチド構造を配向させるまたは位置決めすることによって、その構造座標が公知ではない、ポリペプチド、または結合性化合物と複合体化したポリペプチドの3次元構造の予備モデルを生成することを含む方法を指す。位相がこのモデルから計算され、未知の結晶構造の観察された振幅と組み合わされて、およその構造を与える。次いで、この構造は、最終的な正確な構造を提供するために、精密化のいくつかの形態のいずれかに供される。当業者に公知の任意のプログラムが、分子置換によって構造を決定するために用いられ得る。適切な分子置換プログラムには、AMORE(1994年)[18;19]およびCNS(1998年)[20]が含まれるが、これらに限定されない。

0076

ある特定の実施形態では、本発明の結晶性ポリペプチドの原子座標またはそのサブセット(例えば、FAPP2の糖頭部基結合性残基、基質結合ポケットおよび/またはGLTPドメインについての)が提供される。結晶が3Åの分解能で回折する一実施形態では、このモデルは、25.5%の最終R因子および32.4%のRfreeまで精密化され得る。結晶が2.6Åの分解能で回折するさらなる実施形態では、このモデルは、20.5%の最終R因子および25.7%のRfreeまで精密化され得る。

0077

ある特定の実施形態では、結晶性T4L−FAPP2−C212(配列番号3)の原子座標が提供される。配列番号3の残基36〜207についてのパラメーターは、表1に示され、表中、これらは、融合タンパク質中のヒトFAPP2の残基308以降に対するそれらの位置を反映するために、残基136〜307と称される。基質結合ポケット残基についてのパラメーターは、表2に示され、FAPP2のGLTPドメインについてのパラメーターは、表3に示される。表2および3中の残基番号付けは、全長ヒトFAPP2における残基番号付けに従う(残基308以降は、全長ヒトFAPP2においてこれらの残基のために使用される番号付けを用いて言及される(例えば、308はIleであり、309はProであり、310はThrであり、311および312は両方ともPheである、など)。ヒトFAPP2の残基308〜514についての原子座標は、表3中に提供される。分子Aについての座標のみが提供される。

0078

一実施形態では、3Åにおける結晶性T4L−FAPP2−C212は、P21212の空間群、および、a=99.8Å、b=130.6Å、c=88.6Å、α=90°、β=90°、γ=90°の+/−5%、4%、3%、2%、1%の単位格子パラメーター、任意選択でa=99.8Å、b=130.6Å、c=88.6Å、α=90°、β=90°、γ=90°の単位格子パラメーターを有する。2.6Åにおける結晶性T4L−FAPP2−C212は、P21212の空間群、およびa=100.02Å、b=130.87Å、c=88.73Å、α=90°、β=90°、γ=90°の+/−5%、4%、3%、2%、1%の単位格子パラメーター、任意選択でa=100.02Å、b=130.87Å、c=88.73Å、α=90°、β=90°、γ=90°の単位格子パラメーターを有する(このa、bおよびc値は、さらなる小数位まで規定され得る(例えば、a=100.020、b=130.872、c=88.733)。

0079

用語「原子座標」とは、結晶形態にあるタンパク質分子原子散乱中心)によるX線の単色ビームの回折によって取得されたパターンに関連する数学的方程式から導出される数学的座標を指す。回折データは、結晶の反復単位電子密度マップを計算するために使用され得る。次いで、この電子密度マップは、結晶の単位格子内の個々の原子の位置を確立するために使用され得る。これらの座標は、コンピューター分析によっても取得され得る。

0080

結晶性T4L−FAPP2−C212は、非対称単位中に、Mol−AおよびMol−Bと呼ばれる2分子のT4L−FAPP2−C212を有する(図1)。結晶格子中の隣接する分子由来のT4Lは、結晶化を促進したように見える広範な接触を行う(図1)。分子Aについての座標のみが表中に示される。

0081

分析により、D360、N364、W407(糖頭部基結合性残基であると考えられる)を含む、グルコシルセラミド結合に関与するFAPP2の残基、およびグルコシルセラミドを収容し、そのアシル/スフィンゴシン鎖と相互作用し得る他の(例えば、疎水性)残基が、電子密度マップにおいて十分に精密化されることが示される。PDB ID:3S0K由来のオレオイルアシル鎖(18:1)を含有するグルコシルセラミドは、FAPP2構造のリガンド結合ポケット図3、図中、アミノ酸残基は、配列番号4に従って番号付けされている)中にドッキングされ、対応する電子密度マップは、図4に示される。ドッキング後にエネルギー最小化は行わなかった。

0082

FAPP2−C212構造は、8つのアルファヘリックスを有する一般的なGLTP折り畳みを取る(図6)。W407は、ヘリックス−4中に位置する。糖頭部基は、このトリプトファンの上に積み重なり、D360およびN364とさらに接触する。FAPP2では、E403もまた、糖環(sugar ring)とのさらなる相互作用を提供する糖結合ポケットに位置する。E403は、相同性モデル化に基づいて、糖結合ポケット中に位置し、負に荷電した糖頭部基を識別することができると、文献中に報告されている。しかし、本発明の構造では、これは、糖環結合を安定化できる残基として現れる。

0083

N399と水素結合したK367およびN399周囲の突出したループは、FAPP2中の負に荷電した糖頭部基を識別することを担うようである(図7)。

0084

セラミド結合性トンネルを形成する残基のほとんどは、FAPP2およびhGLTPにおいて保存されているまたは類似しているのいずれかである。しかし、hGLTP中には存在しない2つのフェニルアラニン、セラミド結合性トンネルの末端に位置するF311およびF312が存在する(図6および8、図8では、24:1ガラクトシルCerが結合したhGLTP(PDB ID:2EUK)が、FAPP2上に重ね合わされている)。これら2つのフェニルアラニンは、FAPP2に独自であり、FAPP2 GLTPドメインのN末端に位置する。これら2つの残基は、疎水性トンネルの末端に存在し、ヘリックス1、7および8とも疎水性接触し、そうしてGLTP折り畳みを安定化させる。さらに、これら2つのフェニルアラニン残基は、VAP(小胞結合膜タンパク質関連タンパク質)と相互作用することが公知のFFAT様モチーフの一部である。FAPP2のF311は、ヘリックス1とヘリックス2との間に位置するhGLTPのF33と同じ場所を占める。これら2つの残基は、セラミド放出において役割を果たし得る。FAPP2の移行活性の阻害は、これらを押しのける(displace)ことによって達成され得る。

0085

用語「結合ポケット」は、移行される分子(即ち、基質)がFAPP2に結合する部位を指すために本明細書で使用される。結合ポケットの構造および化学的特性は、結合性化合物または基質の認識および結合を可能にする。この結合ポケットは、典型的には、分子の結合特異性(例えば、電荷、疎水性および/または立体障害)を担う残基を含む。30残基が、セラミドドッキングモデルにおけるドッキングした基質の5Å以内にあると、本発明者によって同定されている(表4を参照のこと)。一実施形態では、この基質結合ポケットは、表4の残基を含む。これらの残基は、基質と接触する可能性を有する。

0086

ある特定の実施形態では、この結合ポケットは、糖頭部基結合性残基を含むと定義され得る。

0087

これらの糖頭部基結合性残基は、基質(例えば、GlcCer)のグルコシル頭部基と接触する残基である。少なくとも残基D360、N364およびW407は、hGLTPに対する変異研究に基づいて、GlcCerのグルコシル頭部基と接触すると考えられる[21](図3もまた参照のこと)。これらの糖頭部基結合性残基は、ある特定の基質に対するFAPP2の選択性に寄与し得る。例えば、FAPP2は、関連の分子GLTPとは異なる基質選択性を示すことが示されている。FAPP2は、広く選択的なヒトGLTPと比較して、非荷電モノヘキソシルおよびジヘキソシルセラミドに対する優先傾向を示す[8]。FAPP2は、GlcCerならびに他の単純な中性グリコシルセラミド、例えば、GlaCerおよびLacCerを効率的に移行させることが示されているが、スルファチドなどの負に荷電した分子は移行させない。これらの糖頭部基結合性残基の原子座標は、表2中に含まれる。

0088

これらの糖頭部基結合性残基に加えて、基質結合ポケットは、FAPP2が、GlcCerなどの基質の非糖部分、例えば、そのセラミド部分を収容することを可能にする残基もまた含み得る。疎水性残基を含む、基質またはセラミド(脂肪酸鎖)収容トンネルが存在する(表4を参照のこと)。疎水性であると規定され得るこのトンネルは、基質結合に依存する形状を有する(ヘリックス2、4、5および6は、脂肪酸鎖を収容するために、僅かに移動し得る)。セラミド収容トンネル中の2つの重要なフェニルアラニン残基F311およびF312の役割は、上で議論されている。セラミド収容トンネル中の残基には、表4で言及される他の疎水性残基に加えて、L441、F453、Y491(例えば、[21]中で同定されたとおり)が含まれる。

0089

基質結合ポケット中の重要な残基の一部は、hGLTP中のものと同一であり、他の残基は類似であるが、V345、N399、E403、R398、F311およびF312を含む少数がFAPP2に独自であることが、表4から見て取れる。

0090

本発明の構造は、ヒトGLTPと比較してヒトFAPP2に独自である基質結合ポケットの残基として、V345、N399、E403、R398、F311およびF312を同定している。これらは、ヒトGLTPには存在しない場合があり(R398、F311およびF312の場合)、またはヒトGLTP中の等価な残基とは異なり得る。F311およびF312の潜在的役割は、上で議論されている。N399、E403およびR398は、糖頭部基の近傍で見出される。

0091

一実施形態では、取得された構造情報に基づいて作出されたモデルは、糖頭部基結合性残基についての位置情報を含有する。他の実施形態では、取得された構造情報に基づいて作出されたモデルは、さらに、またはあるいは、L441、F453、Y491(および任意選択で、表4で言及される他の疎水性残基)を含む、セラミド収容トンネル中の残基についての位置情報を含有する。さらなる実施形態では、取得された構造情報に基づいて作出されたモデルは、さらに、またはあるいは、ヒトFAPP2に独自として表4で言及される残基の位置情報を含有する。

0092

表1〜3は、結晶性T4L−FAPP2−C212またはその部分についての原子座標を提供するが、本発明は、例えば、活性であるとして認識されるエリアにおいて特に、顕著な構造的相同性(例えば、顕著な構造的重複)を有するポリペプチドについてのその構造的改変もまた企図し、従って、本明細書で提供されるものと同じまたは類似の構造情報を提供することを、理解すべきである。顕著な構造的相同性とは、以下の基準のうち少なくとも1つを指す:(i)結晶性T4L−FAPP2−C212もしくはそのGLTPドメインとの、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%もしくは99%の構造的相同性;または(ii)結晶性T4L−FAPP2−C212もしくはそのGLTPドメインの認識された結合ポケットとの、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%もしくは99%の構造的相同性。ある特定の実施形態では、顕著な構造的相同性は、T4L−FAPP2−C212またはそのGLTPドメインの一次アミノ酸配列との、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または99%の構造的相同性もまた指し得る。さらに、T4L−FAPP2−C212の一次アミノ酸配列は、より大きいアミノ酸配列中にセグメントとして含まれる配列であり得るか、またはその断片(例えば、GLTPドメイン)であり得る。一部の実施形態では、全長T4L−FAPP2−C212ポリペプチドの断片は、本明細書で提供される本発明の方法または系において提供または使用される。一部の実施形態では、断片は、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、50〜75、75〜100、100〜150、150〜200アミノ酸の(または少なくともそれらの)配列を含む。一部の実施形態では、T4L−FAPP2−C212の断片は、全長T4L−FAPP2−C212配列、例えば、全長ヒトT4L−FAPP2−C212配列を含まない。一部の実施形態では、T4L−FAPP2−C212の断片は、FAPP2の移行活性を担う部分のうち全てまたは少なくとも一部を含む。一部の実施形態では、断片には、GlcCerのグルコシル頭部基と接触することが示されている残基(例えば、D360、N364、W407)を含有する断片が含まれる。本発明は、T4L−FAPP2−C212またはそのGLTPドメインの任意のおよび全てのかかるバリエーションおよび改変を企図し、これらは、本発明の方法および使用において使用され得る(例えば、FAPP2の308〜515、308〜514、308〜513、308〜512)。

0093

表1は、T4L−FAPP2−C212についての原子座標のセットを提供し、表3は、そのGLTPドメインについての原子座標を提供する。

0094

構造情報の使用
別の態様では、本発明は、方法および/または構造情報の使用、例えば、ファブリー病を処置する際に有用であり得る、FAPP2に対する結合性化合物を設計、同定および/またはスクリーニングするための方法を提供する。

0095

ある特定の実施形態では、FAPP2と会合する化合物の能力を評価する方法などの、FAPP2に対する結合性化合物を同定、設計、選択および/または最適化するための方法が提供される。これらの結合性化合物は、ファブリー病の処置において有用であり得る。ファブリー病は、哺乳動物リソソームにおけるスフィンゴ糖脂質の正常なプロセシングに必要な酵素であるα−ガラクトシダーゼA(α−Gal A)が存在しないことによって引き起こされるので、この酵素に対する基質の量を低減させることは、ファブリー病の処置において特に有用であり得る。ある特定の実施形態では、この結合性化合物は、例えばタンパク質フォールディングの間の酵素安定化に影響を与え得る。この化合物は、酵素の細胞内輸送の局面、または移行機能の局面、例えば、基質認識および/もしくは移行活性にも、影響を与え得る。

0096

ある特定の実施形態では、本明細書で提供される3次元構造情報を使用した、FAPP2結合性化合物のin silicoでの設計、同定、選択および/または最適化のための方法が提供される。ある特定の実施形態では、FAPP2活性のインヒビター、可逆的インヒビター、アクチベーターおよび/または安定剤を同定するために使用され得る方法が提供される。ある特定の実施形態では、FAPP2安定性をモジュレートする結合性化合物を同定するために使用され得る方法が提供される。ある特定の実施形態では、FAPP2の安定性、活性および/または細胞内輸送をモジュレートする結合性化合物を同定するために使用され得る方法が提供される。ある特定の実施形態では、FAPP2に結合する能力、FAPP2の安定性をモジュレートする能力、FAPP2の活性をモジュレートする能力、およびまたはFAPP2の細胞内輸送をモジュレートする能力について、潜在的結合性化合物を試験するために使用され得る方法が提供される。ある特定の実施形態では、これらの方法には、in silico、in vitroおよびin vivoの方法が含まれる。

0097

潜在的FAPP2結合性化合物の設計、同定、選択および/または最適化
本発明の1つの目的は、FAPP2に対する潜在的結合性化合物を設計、同定、選択および/または最適化するために、T4L−FAPP2−C212について提供された原子座標(表1および3)またはそのサブセット(例えば、FAPP2の基質結合ポケット残基について提供されたものおよび/またはFAPP2のGLTPドメインについて提供されたもの)を使用することである。本明細書でFAPP2が言及される全ての場合において、これは、好ましくは、ヒトFAPP2である。この方法から得られた化合物は、ヒト被験体においてファブリー病を処置することができると、さらに同定され得る。他の場所で議論されるように、これらの方法は、糖頭部基結合性残基および/または基質結合ポケット中のさらなる残基である少なくともアミノ酸の原子座標を利用し得る。表3は、ヒトFAPP2の残基308〜514についての原子座標を提供する。これらの方法は、ヒトFAPP2の少なくともアミノ酸308〜514の、これらの原子座標を利用し得る。

0098

従って、さらなる態様では、本発明は、FAPP2に結合する化合物を同定する方法であって、例えば表2に示される、FAPP2の少なくとも基質結合ポケットの原子座標を使用して、FAPP2に結合する化合物をコンピューターで同定するステップを含む方法を提供する。本発明はさらに、FAPP2に結合する化合物を同定する方法であって、a)表3に示される、FAPP2の少なくともGLTPドメインについての原子座標のセットを提供するステップ、およびb)この座標を使用して、FAPP2に結合する化合物をコンピューターで同定するステップを含む方法を提供する。

0099

さらなる態様では、本発明は、FAPP2に結合する化合物を設計、選択および/または最適化する方法であって、a)例えば表2に示される、FAPP2の基質結合ポケットを構成する少なくともアミノ酸の原子座標のセットを提供するステップ、ならびにb)化合物と、原子座標から生成された3次元構造情報の全てまたは一部との間でのフィッティング操作を実施することによって、その化合物をコンピューターで設計、選択および/または最適化するステップを含む方法を提供する。本発明はさらに、FAPP2に結合する化合物を設計、選択および/または最適化する方法であって、a)表3に示される、FAPP2の少なくともGLTPドメインについての原子座標のセットを提供するステップ、ならびにb)化合物と、原子座標から生成された3次元構造情報の全てまたは一部との間でのフィッティング操作を実施することによって、その化合物をコンピューターで設計、選択および/または最適化するステップを含む方法を提供する。

0100

さらなる態様では、本発明は、FAPP2と会合する化合物の能力を評価するための方法であって、a)例えば表2に示される、FAPP2の基質結合ポケットを構成する少なくともアミノ酸の原子座標のセットを提供するステップ;b)化合物と、原子座標から生成された3次元構造情報の全てまたは一部との間でのフィッティング操作をコンピューターで実施するステップ;およびc)このフィッティング操作の結果を分析して、化合物とFAPP2ポリペプチドとの間の会合を定量化するステップを含む方法を提供する。本発明はさらに、FAPP2と会合する化合物の能力を評価するための方法であって、a)表3に示される、FAPP2の少なくともGLTPドメインについての原子座標のセットを提供するステップ、およびb)化合物と、原子座標から生成された3次元構造情報の全てまたは一部との間でのフィッティング操作をコンピューターで実施するステップ;およびc)このフィッティング操作の結果を分析して、化合物とFAPP2との間の会合を定量化するステップを含む方法を提供する。

0101

一実施形態では、本発明の方法は、ステップ(b)の前に、この構造の3次元グラフィカル表示を生成するステップをさらに含む。

0102

さらなる態様では、本発明は、FAPP2と会合する化合物の能力を評価するためにコンピューターを使用する方法であって、このコンピューターは、例えば表2に示される、FAPP2の基質結合ポケットを構成する少なくともアミノ酸の原子座標がコード化されたデータ記憶材料を含む機械可読データ記憶媒体、およびアミノ酸の構造の3次元グラフィカル表示を生成するための手段を含み、この方法は、a)化合物およびFAPP2の基質結合ポケットの全てまたは一部の構造のグラフィカル3次元表示を使用して、第1の化合物を位置決めするステップ;b)コンピューター手段を用いることによって、化合物とFAPP2の基質結合ポケットとの間でのフィッティング操作を実施するステップ;およびc)このフィッティング操作の結果を分析して、化合物とFAPP2の基質結合ポケットとの間の会合を定量化するステップを含む方法を提供する。

0103

この方法はさらに、FAPP2と会合する化合物の能力を評価するためにコンピューターを使用する方法であって、このコンピューターは、表3に示される、FAPP2の少なくともGLTPドメインについての原子座標がコード化されたデータ記憶材料を含む機械可読データ記憶媒体、およびFAPP2のGLTPドメインの構造の3次元グラフィカル表示を生成するための手段を含み、この方法は、a)化合物およびFAPP2のGLTPドメインの全てまたは一部の構造のグラフィカル3次元表示を使用して、第1の化合物を位置決めするステップ;b)コンピューター手段を用いることによって、化合物とFAPP2のGLTPドメインとの間でのフィッティング操作を実施するステップ;およびc)このフィッティング操作の結果を分析して、化合物とFAPP2のGLTPドメインとの間の会合を定量化するステップを含む方法を提供する。

0104

FAPP2と会合する化合物の能力を評価するためにコンピューターを使用する方法は、(d)第2の化学的実体を用いて、ステップ(a)〜(c)を反復するステップ;および(e)第1または第2の化学的実体の定量化された会合に基づいて、FAPP2のGLTPドメインまたは基質結合ポケットと会合する第1または第2の化学的実体のうちの少なくとも1つを選択するステップをさらに含み得る。

0105

上記方法は、さらに、単独の、またはセラミド収容トンネル残基および/もしくはFAPP2に独自であると規定される残基と合わせた、糖頭部基結合性残基の原子座標に基づいて、実施され得る。

0106

FAPP2に結合する結合性化合物をモデル化することにおける、本発明の結晶性形態の構造またはそのサブセットの使用、およびFAPP2に結合する結合性化合物をモデル化することにおける、本発明の結晶性形態の原子座標またはそのサブセットの使用もまた、提供される。

0107

本発明の方法において使用され得る構造座標の有用なサブセットは、a)FAPP2の糖頭部基結合性残基、b)FAPP2の基質結合ポケット残基、およびc)FAPP2のGLTPドメイン、を規定する構造座標を含む。

0108

本発明に従う潜在的結合性化合物は、FAPP2上のどの場所でも結合し得ることを理解すべきである。一実施形態では、本発明に従う潜在的結合性化合物は、FAPP2のGLTPドメイン上に結合し得る。この結合性化合物は、結合ポケットに、または結合ポケットとして同定されていない任意の他の部位に、例えば、結合ポケットに隣接する部位に、結合し得る。ある特定の実施形態では、本発明に従う潜在的結合性化合物は、FAPP2ポリペプチド(新生の、部分的にまたは完全に折り畳まれた)上の1つまたは複数の部位に特異的に結合し得る。

0109

多くの実施形態では、この結合性分子は、FAPP2の結合ポケットに結合する。多くの実施形態では、この結合性分子は、FAPP2の糖頭部基結合性残基、またはセラミド収容トンネル残基に結合する。分子またはその規定された部分「への結合(binding to)」は、分子またはその規定された部分の全てまたは一部への結合を包含し、その結果、分子またはその規定された部分への結合に対する言及は、その分子または部分の各残基との相互作用が行われることを必要としない。

0110

これに沿って、結合性化合物が、本発明の方法を使用して同定される場合、結合性化合物の同定は、関連する分子もしくはその規定された部分、または規定された分子もしくはその部分の一部についての情報を使用し得る。従って、FAPP2のGLTPドメインの構造、FAPP2結合ポケットの構造、糖頭部基結合性残基の構造、またはこれらのいずれかの一部分についての情報を使用し得る。

0111

本明細書で使用する場合、「結合性化合物」とは、FAPP2に可逆的にまたは不可逆的に結合する化合物を指す。ある特定の実施形態では、この結合性化合物は、FAPP2の結合ポケット中で結合する。結合は、共有結合または非共有結合であり得る結合の形成を含み得る。非共有結合的結合は、例えば、水素結合、イオン結合または疎水性結合であり得る。

0112

結合性化合物は、FAPP2の活性に影響を与え得る。これは、その基質を移行させるFAPP2の能力をモジュレートすることによって直接達成され得、これは、FAPP2のインヒビターであること(即ち、移行活性における阻害または低減を惹起すること)によって、またはFAPP2のアクチベーターであること(即ち、移行活性における増加を惹起すること)によって、達成され得る。一部の場合には、この結合性化合物は、FAPP2の安定性に影響を与え得、これは次に、FAPP2の活性に対する影響を生じ得、この場合、この結合性分子は、FAPP2の安定剤または不安定化剤である(即ち、FAPP2の安定性における変化を惹起し得る)。他の場合には、この結合性分子は、FAPP2の細胞内輸送に影響を与え得る。FAPP2は、ゴルジにおいてその基質を取りあげ、従って、ゴルジにおいて局在化するFAPP2の能力に影響する結合性分子(例えば、FAPP2がゴルジに局在化するのを防止する、またはFAPP2がゴルジに局在化する能力を低減させる、またはFAPP2がゴルジに局在化する能力を増加させる)もまた企図される。

0113

ある特定の実施形態では、この潜在的結合性化合物は、潜在的インヒビターまたはアクチベーター化合物である。ある特定の実施形態では、この潜在的結合性化合物は、潜在的FAPP2インヒビターまたはアクチベーター化合物である。ある特定の実施形態では、この潜在的インヒビターまたはアクチベーター化合物は、競合的、不競合的または非競合的なインヒビターまたはアクチベーター化合物である。ある特定の実施形態では、この潜在的インヒビターは、可逆的インヒビターである。当業者は、標準的な方程式を使用して動力学的データをコンピューターフィッティングさせることによって[22]、またはFAPP2の移行活性をモジュレートする潜在的インヒビターもしくはアクチベーターの能力を測定するアッセイを用いることによって、潜在的インヒビターまたはアクチベーターを、競合的、不競合的もしくは非競合的または可逆的なインヒビターまたはアクチベーターとして同定し得る。

0114

FAPP2は、GlcCerなどの糖脂質をシス−ゴルジからTGNへと移行させるように少なくとも機能することが公知である。従って、FAPP2の活性には、その移行活性、即ち、その基質を一方の膜からもう一方の膜へと移行させることが含まれる。この移行活性は、例えば、一方の膜からもう一方の膜への基質移行をin vitroで測定することによって測定され得る。これらのアッセイには、一般に、ドナー小胞およびアクセプター小胞が関与し、標識された基質の移行が測定される。少なくとも2つの確立されたアッセイが存在する。一例では、基質移行は、基質が放射性標識される場合、アクセプター小胞の液体シンチレーションカウンティングによって測定される。別の一例では、糖脂質移行活性のリアルタイムモニタリングは、フェルスター共鳴エネルギー転移(FRET)を使用して実施され、このとき、ドナー膜における適切に標識された基質分子と標識された移行不能な分子との間のFRETが決定される。適切に標識された基質分子の発光回復は、移行を示す[23、24、25、26、27]。

0115

FAPP2のインヒビターまたはアクチベーターは、一実施形態では、それぞれ、FAPP2活性の統計的に有意な減少または増加をもたらし得る。

0116

FAPP2のインヒビターは、FAPP2の触媒基質であり得る。かかる化合物は、FAPP2の天然の基質GlcCerのアナログ、または結合ポケットに結合する他の分子、例えば、GalCerもしくはLacCerのアナログであり得る。かかるアナログは、それらにFAPP2を阻害させる改変を有し得る。

0117

可能なインヒビターのさらなる例には、例えば、W407の上に積み重なり得、糖頭部基結合ポケットを満たし得る、親水性結合または水素結合形成性頭部基を有する分子;(2)セラミド収容トンネルに結合し得る疎水性分子;(3)セラミド収容トンネルの末端に(糖結合ポケットに対して反対の面に)位置するF311/F312を押しのけ得る小分子が含まれる。

0118

結合性化合物は、小分子であり得る。用語「小分子」は、本明細書で使用する場合、ポリマーではない低分子量有機化合物を記載することを意味する。小分子は、タンパク質、核酸または多糖などのバイオポリマーに、高いまたは低い親和性で結合し得、そのバイオポリマーの活性または機能をさらに変更し得る。小さい有機化合物の分子量は、一般に、約1500Daよりも小さくてもよい。小分子は、約1000Daよりも小さい、約800Daよりも小さい、または約500Daよりも小さくてもよい。小分子は、細胞膜を横切って迅速に拡散し得、経口バイオアベイラビリティーを有し得る。これらの化合物は、天然または合成であり得る。

0119

FAPP2に対して(例えば、ヒトFAPP2に対して)特異的な結合性分子を同定することができることは、有用である。特異的とは、この結合性分子が、FAPP2への結合に対する優先傾向を有する(例えば、これが、1つもしくは複数の他の分子に結合しない、またはこれが、1つもしくは複数の他の分子への、例えば、少なくとも5分の1、10分の1、20分の1、50分の1、100分の1、200分の1、500分の1、1000分の1に低減された親和性の、低減された結合を示す)ことを意味する。結合は、当技術分野で公知の方法に従って定量化され得る。

0120

好ましくは、この結合性分子は、GLTPと比較して、FAPP2に対して特異的である(例えば、ヒトGLTPと比較して、ヒトFAPP2に対して特異的である)。ヒトFAPP2のGLTPドメインは、本発明者によって決定されたとおり、ヒトGLTPと構造が類似しているが同一ではなく、これら2つの分子間には重要な差異が存在する。本発明者によるFAPP2の構造の同定は、必要とされる特異性を有する結合性分子を得ることができることを意味する。

0121

ヒトGLTPについての構造情報(例えば、PDB ID 1SWX、PDB ID 2EUK、PDB ID 4H2Z)の利用可能性は、上記方法(ヒトFAPP2のGLTPドメイン(またはその部分)の構造を使用する)に加えて、ヒトFAPP2のGLTPドメイン(またはその部分)についての原子座標または構造情報を使用する上記ステップが、ヒトGLTPについての原子座標または構造情報を使用して実施される方法が、実施され得ることもまた意味する。これは、ヒトFAPP2のGLTPドメイン(またはその部分)の構造を使用する方法と並行してまたはそれと順番に実施され得る。かかる方法は、FAPP2に結合する結合性分子がGLTPよりもFAPP2に対して特異的であるかどうかを決定するためのさらなる方法である。

0122

同様に、本明細書で提供される情報は、(例えば、等しいまたは約等しい親和性で)ヒトGLTPおよびヒトFAPP2の両方に結合する結合性化合物、またはヒトFAPP2よりもヒトGLTPに対して特異的である結合性化合物を同定するために使用され得る。上で言及される方法は、ヒトGLTPおよびヒトFAPP2の両方に結合する結合性化合物、またはヒトFAPP2よりもヒトGLTPに対して特異的である結合性化合物を同時にまたは逐次的に同定するために、GLTPについて利用可能な原子座標または構造情報、およびFAPP2について本明細書で提供される等価な情報を使用して実施され得る。

0123

従って、例として、FAPP2に結合する化合物を同定、設計、選択、最適化および/または評価する、上で言及される方法は、この化合物がGLTPに結合するかどうかを決定するステップ、および/または化合物とGLTPの3次元構造情報の全てもしくは一部との間でのフィッティング操作を実施するステップを、さらに含み得る。

0124

FAPP2と会合する化合物の能力を評価するためにコンピューターを使用することに関する、上で言及される方法は、GLTPの基質結合ポケット(または分子全体)を構成する少なくともアミノ酸の原子座標がコード化されるデータ記憶材料をさらに必要とし得、化合物とGLTPの基質結合ポケットとの間の会合を定量化するステップをさらに必要とし得る。

0125

上で言及される使用は、GLTPの構造の使用をさらに取り込み得る。

0126

従って、かかる方法および使用は、FAPP2に(例えば、GLTPよりも)特異的に結合する化合物またはFAPP2およびGLTPに結合する化合物を同定、設計、選択、最適化および/または評価する方法であり得る。

0127

さらなる一例として、FAPP2よりもGLTPに特異的に結合する化合物を同定、設計、選択、最適化および/または評価する方法もまた、提供される。例えば、FAPP2よりもGLTPに特異的に結合する化合物を同定する方法は、(i)例えば表2に示されるFAPP2の少なくとも基質結合ポケットの原子座標、およびGLTPの少なくとも基質結合ポケットの原子座標、または(ii)表3に示されるFAPP2の少なくともGLTPドメインについての原子座標、およびGLTPについての原子座標を使用して、FAPP2よりもGLTPに特異的に結合する化合物をコンピューターで同定するステップを含む。

0128

FAPP2よりもGLTPに特異的に結合する化合物を設計、選択および/または最適化する方法は、a)i)例えば表2に示されるFAPP2の基質結合ポケットを構成する少なくともアミノ酸、およびGLTPの基質結合ポケットを構成する少なくともアミノ酸、またはii)表3に示されるFAPP2の少なくともGLTPドメイン、およびGLTPの、原子座標のセットを提供するステップ、b)化合物と、原子座標から生成された3次元構造情報の全てまたは一部との間でのフィッティング操作を実施することによって、その化合物をコンピューターで設計、選択および/または最適化するステップを含み得る。

0129

一実施形態では、本発明の方法は、ステップ(b)の前に、この構造の3次元グラフィカル表示を生成するステップをさらに含む。

0130

潜在的結合性化合物は、化合物のライブラリーから同定もしくは選択され得、またはデータベースから同定もしくは選択され得る。かかる場合には、同定は、既存の分子構造から行われ、潜在的結合性化合物は、例えば、既存の化合物の群より選択される。所望の特性または特徴を有するまたは示す1つまたは複数のメンバー、例えば、小分子または基質アナログが選択される。

0131

この潜在的結合性化合物は、一部の実施形態では、例えばin silicoで設計される。結合性化合物がin silicoで設計される場合、これは、公知の化合物に由来し得る。「設計」または「設計すること」とは、本明細書で使用する場合、例えば、小分子または基質アナログなどの化合物の、新規分子構造を提供することを意味する。

0132

潜在的結合性化合物の設計および同定(例えば、適切な化学的断片を選択することによる)において使用され得る適切なコンピュータープログラムには、GRID[28]、MCSS[29]、AUTODCK[30];およびDOCK[31]が含まれるが、これらに限定されない。

0133

個々の化学的実体または断片を接続する際に使用され得る適切なコンピュータープログラムには、CAVEAT(Bartlett(1989年)Molecular Recognition in Chemical and Biological Problems、Special Pub.、Royal Chem. Soc. 78巻:182〜196頁[32]);および3D Database systems、例えば、MDL Information Systems、San Leandro、CalifによるMACCS−3D)、HOOK(Molecular Simulations、Burlington、Mass.)および参考文献[33]で概説されるものが含まれるが、これらに限定されない。

0134

潜在的結合性化合物が段階的な様式(例えば、上記したように、一度に1つの断片または化学的実体)で構築または同定される方法に加えて、潜在的結合性化合物は、空の活性部位を使用して、または任意選択で、公知のインヒビター(複数可)、アクチベーター(複数可)もしくは安定剤(複数可)の一部の部分(複数可)を含めて、全体としてまたは「de novo」で、設計され得る。適切なコンピュータープログラムには、LUDI[34]、LEGEND[35];およびLEAPFROG(Tripos Associates、St.Louis、Mo.)が含まれるが、これらに限定されない。他の分子モデル化技術もまた、本発明に従って用いられ得る[36、37]。

0135

潜在的結合性化合物が、本明細書に記載される方法によって、設計、選択(select)、同定、合成または選択(choose)されると、その化合物がFAPP2(および/またはGLTP)に結合する親和性が、コンピューターでの評価によって試験および最適化され得る。潜在的結合性化合物として設計または選択(select)または合成または選択(choose)された化合物は、その結合した状態で、好ましくは、標的部位との反発的静電相互作用欠くように、コンピューターでさらに最適化され得る。かかる非補完的(例えば、静電)相互作用には、反発的電荷−電荷、双極子−双極子および電荷−双極子相互作用が含まれる。具体的には、潜在的結合性化合物と、それがFAPP2に結合する部位との間での全ての静電相互作用の合計は、ある特定の実施形態では、結合のエンタルピーに中性または好都合な寄与を行う。化合物の変形エネルギーおよび静電相互作用を評価するために使用され得る適切なコンピューターソフトウェアには、M.J.Frisch、Gaussian,Inc.、(1992年)Pittsburgh、Pa.によるGaussian 92、改訂C;P.A.Kollman、(1994年)University of California at San FranciscoによるAMBER、バージョン4.0;Molecular Simulations,Inc.、(1994年)Burlington、Mass.によるQUANTA/CHARMM;およびBiosysm Technologies Inc.、(1994年)San Diego、CalifによるInsight II/Discoverが含まれるが、これらに限定されない。これらのプログラムは、例えば、Silicon Graphicsワークステーション、IRIS 4D/35またはIBMRISC/6000ワークステーションモデル550を使用して、実装され得る。ハードウェアシステム、例えば、LINUXオペレーティングシステムを備えたIBM thinkpadまたはWINDOWS(登録商標)オペレーティングシステムを備えたDELLlatitude D630が使用され得る。その速度および容量が継続的に改変される他のハードウェアシステムおよびソフトウェアパッケージが、当業者に公知である。

0136

ある特定の実施形態では、結合性化合物は、非補完的(例えば、静電)相互作用、例えば、反発的電荷−電荷、双極子−双極子および電荷−双極子相互作用を誘導するために、上記方法によって、特異的に設計および/または選択(select)および/または合成および/または選択(choose)され得る。ある特定の実施形態では、潜在的結合性化合物と、それがFAPP2に結合する部位との間での全ての静電相互作用の合計は、中性ではない、結合のエンタルピーへの寄与を行う。

0137

ある特定の実施形態では、上記方法は、潜在的結合性化合物を設計および/または選択(select)する際に、適切なコンピュータープログラムを使用するステップを含む。

0138

さらに、ある特定の実施形態では、上記方法は、潜在的結合性化合物を合成および/または選択(choose)することと併せて、適切なコンピュータープログラムを使用するステップを含む。

0139

さらに、ある特定の実施形態では、上記方法はさらに、FAPP2(および/またはGLTP)に結合する潜在的結合性化合物の能力を特徴付けるために、本明細書に記載されるように、適切なアッセイを使用するステップを含む。これは、化合物が結合する能力を直接試験するステップ、および/または化合物が(例えば、その移行活性、安定性、フォールディングおよび/または細胞内局在化に影響を与えることによって)FAPP2活性に対して影響を有するかどうかを決定するステップを含み得る。

0140

結合性化合物の結合特性を評価するために、熱量測定技術(例えば、等温滴定熱量測定(isothermal titration calometry)、示差走査熱量測定(differential scanning calometry))またはBiacore(商標)などのアッセイが使用され得る。

0141

ある特定の実施形態では、上記方法は、潜在的結合性化合物がFAPP2(および/またはGLTP)の活性(例えば、移行活性)、安定性または細胞内輸送をモジュレートするかどうかを決定するステップをさらに含み得る。これは、生物学的アッセイを使用して実施され得る。

0142

潜在的結合性化合物がFAPP2の移行活性をモジュレートするかどうかを決定することは、潜在的結合性化合物を基質(例えば、GlcCer)の存在下でFAPP2と接触させること、および基質移行の量を決定することを含み得る。これは、FAPP2移行活性に対する潜在的結合性化合物の影響を決定するために、潜在的結合性化合物の非存在下における基質移行の量と比較され得る。FAPP2に適切なアッセイは、当技術分野で公知であり、上で議論されている。

0143

潜在的結合性化合物がFAPP2(および/またはGLTP)の安定性をモジュレートするかどうかを決定することは、例えば、示差走査熱量測定(DSC)、円偏光二色性(CD)スペクトル分析を含み得る。

0144

潜在的結合性化合物がFAPP2(および/またはGLTP)の細胞内輸送をモジュレートするかどうかを決定することは、細胞ベースのアッセイを含み得る。

0145

本発明の方法は、医薬品としての投与のために、この結合性化合物を改変するステップをさらに含み得る。この結合性化合物は、上で議論したように、FAPP2(および/またはGLTP)に結合する、必要とされる能力を有し得るが、さらなる最適化からなおも利益を得る可能性がある。かかる場合には、この結合性化合物の化学構造は、化学的改変の出発点として使用される。かかる改変は、効力、選択性、薬物動態学的パラメーターまたは物理化学的特性(例えば、安定性、溶解度)を改善するために設計され得る。

0146

本発明の方法は、医薬品として、この結合性化合物、または改変された結合性化合物を製剤化するステップをさらに含み得る。これは、一般に、薬剤を薬学的に許容される担体と混合することを含む。用語「薬学的に許容される担体」には、本明細書で使用する場合、それ自体毒性効果を誘導することも、医薬組成物を受けている個体にとって有害な抗体の産生を引き起こすこともない、任意の薬剤が含まれる。薬学的に許容される担体は、液体、例えば、水、食塩水、グリセロール、エタノールまたは補助的物質、例えば、湿潤剤もしくは乳化剤、pH緩衝化物質などを、さらに含有し得る。従って、用いられる薬学的担体は、投与の経路に依存して変動する。担体は、患者による摂取を補助するために、錠剤丸剤糖剤カプセル、液体、ゲルシロップスラリー懸濁物へと、医薬組成物が製剤化されるのを可能にし得る。薬学的に許容される担体の徹底的な議論は、[38]において入手可能である。

0147

コンピューター可読媒体
本発明は、本発明のポリペプチドについての原子座標またはそのサブセットを含むコンピューター可読媒体を提供する。このコンピューター可読媒体は、ポリペプチドまたはその一部分の分子モデルをディスプレイするためのプログラミングをさらに含む。このコンピューター可読媒体は、結合性分子を同定するためのプログラミングをさらに含み得、これを助けるために、試験化合物の構造のデータベースをさらに含み得る。かかる試験化合物は、例えば、FAPP2の公知のインヒビターに基づき得、例えば、GlcCerのアナログであり得る。

0148

これらの原子座標は、表1〜3に示される。

0149

「コンピューター可読媒体」とは、コンピューターによって直接読み出しおよびアクセスされ得る任意の媒体を指す。かかる媒体には、以下が含まれるが、これらに限定されない:磁気記憶媒体、例えば、フロッピーディスクハードディスク記憶媒体および磁気テープ光学記憶媒体、例えば、光学ディスクまたはCD−ROM電気記憶媒体、例えば、RAMおよびROM;ならびにこれらのカテゴリーハイブリッド、例えば、磁気/光学記憶媒体。

0150

本発明のコンピューター可読媒体を含むコンピューターは、表1に示される、本発明のポリペプチドを規定するX線結晶学的構造座標またはそのサブセットを含むメモリユニットと;このメモリユニットと電気通信したプロセッサーであって、上記ポリペプチドの少なくとも一部分を提示する3次元構造を有する分子モデルを生成するプロセッサーとを含むコンピューターシステムとして提供される。

0151

「コンピューターシステム」とは、本発明の原子座標データを分析するために使用される、ハードウェア手段、ソフトウェア手段およびデータ記憶手段を指す。本発明のコンピューターベースのシステムの最小ハードウェア手段は、中央処理装置(CPU)、入力手段、出力手段およびデータ記憶手段を含む。所望により、構造データ視覚化するために、モニターが提供される。このデータ記憶手段は、RAMまたは本発明のコンピューター可読媒体にアクセスするための手段であり得る。かかるシステムの例は、Unixベース、Windows(登録商標)を実行する、Silicon Graphics IncorporatedおよびSun Microsystemsから入手可能なマイクロコンピューターワークステーションである。

0152

本発明の別の目的は、他のタンパク質の構造を解明するための方法を提供することである。本明細書に提供される構造的座標の全てまたは一部は、このプロセスを最初から試みるよりも迅速かつ効率的に、別の結晶化された分子の構造を決定するために使用され得る。これは、例えば、構造を解明するため、あるいは類似の機能のタンパク質ドメインを含む他のタンパク質、他の相同性ドメイン、または高い相同性もしくは同一性のアミノ酸配列を含むタンパク質の構造を部分的に解明するために、有用であり得る。かかるタンパク質構造は、表中に提供される構造情報の一部または全てを使用して、解明され得る。一部の実施形態では、分子置換法が、本発明によって提供される構造情報を使用してかかる構造を解明するために用いられ得る。

0153

化合物および医薬品
本発明の方法によって同定、設計、選択および/または最適化された化合物は、本発明のさらなる態様では、医薬品としての投与のために改変されたかかる化合物および/または医薬品として製剤化されたかかる化合物として、提供される。かかる化合物は、例えば、ファブリー病の処置において、医薬として使用され得る。それを必要とする患者において、かかる化合物または医薬品の有効量を投与するステップを含む、ファブリー病を処置または予防する方法が、さらに提供される。

0154

本発明のさらなる態様は、本発明の方法を用いて、化合物を設計、選択および/または最適化するステップ、同定された化合物を、医薬品としての投与のために改変するステップ、ならびに薬学的に許容される担体または希釈剤を用いて、得られた産物を製剤化するステップを含む、医薬組成物を製造する方法を提供する。

0155

任意の医薬品が、投与の任意の公知の経路によって送達され得る。この医薬品は、局所または全身送達され得る。これは、非経口経路(例えば、皮下、腹腔内、静脈内もしくは筋内のいずれかの注射によって、または組織間質腔に送達される)によって、または病変中に、送達され得る。投与の他の形式には、経口および投与、坐剤、ならびに経皮(transdermal)または経皮(transcutaneous)適用、針、ならびに皮下注射器(hypospray)が含まれる。

0156

この医薬品は、単独で、またはファブリー病を有する患者の処置において現在使用されている他の薬物の投与もまた含む処置レジメンの一部として、投与され得る。例えば、これは、酵素補充療法と組み合わせて、または疾患の臨床的な症状発現の処置と関連する処置、例えば、鎮痛薬抗痙攣薬および非ステロイド性抗炎症薬物(NSAID)と組み合わせて、投与され得る。

0157

この薬剤は、他の薬物(複数可)と同時に、逐次的にまたは別々に、投与され得る。例えば、この薬剤は、他の薬物(複数可)の投与の前または後に投与され得る。

0158

数値xに関して、用語「約」とは、例えば、x±10%を意味する。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
ホスホイノシトール4−リン酸アダプタータンパク質−2(FAPP2)に結合する化合物を同定する方法であって、表2に示される、FAPP2の基質結合ポケットを構成する少なくともアミノ酸の原子座標を使用して、FAPP2に結合する化合物をコンピューターで同定するステップを含む、方法。
(項目2)
ホスホイノシトール4−リン酸アダプタータンパク質−2(FAPP2)に結合する化合物を同定する方法であって、
a)表3に示される、FAPP2の少なくともGLTPドメインについての原子座標のセットを提供するステップ、および
b)前記座標を使用して、FAPP2に結合する化合物をコンピューターで同定するステップ
を含む、方法。
(項目3)
前記化合物が、FAPP2の基質結合ポケットに結合する、またはFAPP2の基質結合ポケットに隣接して結合する、項目1または項目2に記載の方法。
(項目4)
前記化合物が、FAPP2のインヒビターである、上述の項目のいずれかに記載の方法。
(項目5)
前記化合物が、FAPP2の基質である、項目4に記載の方法。
(項目6)
前記化合物が、好ましくはGLTPよりも、FAPP2に対して特異的である、上述の項目のいずれかに記載の方法。
(項目7)
前記化合物が小分子である、上述の項目のいずれかに記載の方法。
(項目8)
前記コンピューターで同定するステップが、化合物のライブラリーから前記化合物を同定するステップまたはデータベースにおいて前記化合物を同定するステップを含む、上述の項目のいずれかに記載の方法。
(項目9)
FAPP2ポリペプチドに対する、同定された前記化合物の結合を試験するステップをさらに含む、上述の項目のいずれかに記載の方法。
(項目10)
結合性化合物の前記試験が、前記FAPP2ポリペプチドの活性をモジュレートする前記結合性化合物の能力を試験するステップを含む、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記結合性化合物を試験するステップが、前記結合性化合物が、
a)前記FAPP2ポリペプチドの移行活性をモジュレートするかどうか;
b)前記FAPP2ポリペプチドの安定性をモジュレートするかどうか;および/または
c)FAPP2ポリペプチドの細胞内輸送をモジュレートするかどうか、
を決定するための生物学的アッセイを使用して実施される、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記結合性化合物が、FAPP2の前記移行活性もしくは前記安定性を減少させる、またはゴルジ中に存在するFAPP2の量を低減させる、項目11に記載の方法。
(項目13)
FAPP2に結合する化合物を設計、選択および/または最適化する方法であって、
a)表2に示される、FAPP2の基質結合ポケットを構成する少なくともアミノ酸の原子座標のセットを提供するステップ、ならびに
b)前記化合物と、前記原子座標から生成された3次元構造情報の全てまたは一部との間でのフィッティング操作を実施することによって、前記化合物をコンピューターで設計、選択および/または最適化するステップ
を含む、方法。
(項目14)
FAPP2に結合する化合物を設計、選択および/または最適化する方法であって、
a)表3に示される、FAPP2の少なくともGLTPドメインについての原子座標のセットを提供するステップ、ならびに
b)前記化合物と、前記原子座標から生成された3次元構造情報の全てまたは一部との間でのフィッティング操作を実施することによって、前記化合物をコンピューターで設計、選択および/または最適化するステップ
を含む、方法。
(項目15)
コンピューターで同定するステップが、FAPP2に結合する結合性化合物をin silicoで設計するステップを含む、項目13または14に記載の方法。
(項目16)
前記結合性化合物が、公知の化合物から設計される、項目15に記載の方法。
(項目17)
FAPP2と会合する化合物の能力を評価するための方法であって、
a)表2に示される、FAPP2の基質結合ポケットを構成する少なくともアミノ酸の原子座標のセットを提供するステップ;
b)前記化合物と、前記原子座標から生成された3次元構造情報の全てまたは一部との間でのフィッティング操作をコンピューターで実施するステップ;および
c)前記フィッティング操作の結果を分析して、前記化合物とFAPP2との間の会合を定量化するステップ
を含む、方法。
(項目18)
FAPP2と会合する化合物の能力を評価するための方法であって、
a)表3に示される、FAPP2の少なくともGLTPドメインについての原子座標のセットを提供するステップ、および
b)前記化合物と、前記原子座標から生成された3次元構造情報の全てまたは一部との間でのフィッティング操作をコンピューターで実施するステップ;および
c)前記フィッティング操作の結果を分析して、前記化合物とFAPP2との間の会合を定量化するステップ
を含む、方法。
(項目19)
FAPP2と会合する化合物の能力を評価するためにコンピューターを使用する方法であって、前記コンピューターは、表2に示される、FAPP2の基質結合ポケットを構成する少なくともアミノ酸の原子座標がコード化されたデータ記憶材料を含む機械可読データ記憶媒体、および前記アミノ酸の構造の3次元グラフィカル表示を生成するための手段を含み、前記方法は、
a)前記化合物およびFAPP2の基質結合ポケットの全てまたは一部の構造のグラフィカル3次元表示を使用して、第1の化合物を位置決めするステップ;
b)コンピューター手段を用いることによって、前記化合物とFAPP2の基質結合ポケット中心との間でのフィッティング操作を実施するステップ;および
c)前記フィッティング操作の結果を分析して、前記化合物とFAPP2の基質結合ポケットとの間の会合を定量化するステップ
を含む、方法。
(項目20)
FAPP2と会合する化合物の能力を評価するためにコンピューターを使用する方法であって、前記コンピューターは、表3に示される、FAPP2の少なくともGLTPドメインについての原子座標がコード化されたデータ記憶材料を含む機械可読データ記憶媒体、およびFAPP2のGLTPドメインの構造の3次元グラフィカル表示を生成するための手段を含み、前記方法は、
a)前記化合物およびFAPP2の少なくともGLTPドメインの構造のグラフィカル3次元表示を使用して、第1の化合物を位置決めするステップ;
b)コンピューター手段を用いることによって、前記化合物とFAPP2のGLTPドメインとの間でのフィッティング操作を実施するステップ;および
c)前記フィッティング操作の結果を分析して、前記化合物とFAPP2のGLTPドメインとの間の会合を定量化するステップ
を含む、方法。
(項目21)
前記化合物が、項目3から7のいずれか一項に定義された通りである、項目13から20のいずれかに記載の方法。
(項目22)
医薬品としての投与のために、前記化合物を改変するステップをさらに含む、上述の項目のいずれかに記載の方法。
(項目23)
医薬品として前記化合物を製剤化するステップをさらに含む、項目22に記載の方法。
(項目24)
項目1から20のいずれか一項に記載の方法を用いて、化合物を設計、選択および/または最適化するステップ、項目21に定義された同定された化合物を改変するステップ、ならびに薬学的に許容される担体または希釈剤を用いて、得られた産物を製剤化するステップを含む、医薬組成物を製造する方法。
(項目25)
FAPP2のアミノ酸308〜519(配列番号1)に対して少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列およびリゾチームT4Lのアミノ酸2〜164(配列番号2)に対して少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(項目26)
ヒトFAPP2の残基D360、N364、W407を含む、項目25に記載のポリペプチドであって、番号付けは配列番号4に従う、ポリペプチド。
(項目27)
配列番号3の配列またはその断片を含む、項目25または26に記載のポリペプチド。
(項目28)
配列番号3の配列からなる、項目27に記載のポリペプチド。
(項目29)
項目25から28のいずれか一項に記載のポリペプチドの結晶性形態。
(項目30)
前記結晶が、空間群P21212で特徴付けられ、a=100.02Å、b=130.87Å、c=88.73Å、α=90°、β=90°、γ=90°の+/−5%の単位格子パラメーターを有する、項目29に記載の結晶性形態。
(項目31)
前記結晶が、およそ2.0Åから4.0Åの間の分解能まで、構造座標の決定のためのX線を回折する、項目29または30に記載の結晶性形態。
(項目32)
項目29から31のいずれか一項に記載の結晶性形態を得る方法であって、
項目25から28のいずれかに記載のポリペプチドを提供するステップ、および前記ポリペプチドを、それが沈殿し、結晶を形成するポリペプチド濃度へと濃縮するステップを含む、方法。
(項目33)
前記提供するステップが、宿主細胞において前記ポリペプチドを発現させるステップ、および前記ポリペプチドを精製するステップを含む、項目32に記載の方法。
(項目34)
前記宿主細胞がE.coli細胞である、項目32に記載の方法。
(項目35)
前記精製が、Niカラムステップおよび/またはSECカラムステップおよび/またはアニオン交換カラムステップを含む、項目33または34に記載の方法。
(項目36)
項目32から35のいずれか一項に記載の方法を使用して得られた結晶。
(項目37)
項目25から28のいずれか一項に記載のポリペプチドをコードする核酸分子。
(項目38)
項目37に記載の核酸分子を含むベクター。
(項目39)
項目38に記載のベクターを含む宿主細胞。
(項目40)
項目25から28のいずれか一項に記載のポリペプチドについての原子座標またはそのサブセットを含むコンピューター可読媒体。
(項目41)
前記ポリペプチドの分子モデルをディスプレイするためのプログラミングをさらに含む、項目40に記載のコンピューター可読媒体。
(項目42)
前記ポリペプチドに結合する分子を同定するためのプログラミングをさらに含む、項目40または41に記載のコンピューター可読媒体。
(項目43)
試験化合物の構造のデータベースをさらに含む、項目42に記載のコンピューター可読媒体。
(項目44)
前記原子座標が、表1、2または3に示される、項目40から43のいずれか一項に記載のコンピューター可読媒体。
(項目45)
項目40から44のいずれかに記載のコンピューター可読媒体を含む、コンピューター。
(項目46)
本発明のポリペプチドを規定するX線結晶学的構造座標またはそのサブセットを含むメモリユニットと;前記メモリユニットと電気通信したプロセッサーであって、前記ポリペプチドの少なくとも一部分を提示する3次元構造を有する分子モデルを生成するプロセッサーとを含むコンピューターシステム。
(項目47)
FAPP2に結合する結合性化合物をモデル化することにおける、項目29から31のいずれか一項に記載の結晶性形態の構造またはそのサブセットの使用。
(項目48)
FAPP2に結合する結合性化合物をモデル化することにおける、項目29から31のいずれか一項に記載の結晶性形態の原子座標またはそのサブセットの使用。
(項目49)
前記サブセットが、a)FAPP2の糖頭部基残基を構成する残基、b)FAPP2の基質結合ポケットを構成する残基、および/またはc)FAPP2のGLTPドメインを構成する残基を規定するX線構造座標を含む、項目46から48のいずれか一項に記載のコンピューターシステムまたは使用。
(項目50)
項目1から21のいずれか一項に記載の方法によって同定されるか、または項目22から24に記載の方法によって得られる化合物。
(項目51)
医薬としての使用のための、項目1から21のいずれか一項に記載の方法によって同定されるか、または項目22から24に記載の方法によって得られる化合物。
(項目52)
ファブリー病の処置における使用のための、項目1から21のいずれか一項に記載の方法によって同定されるか、または項目22から24に記載の方法によって得られる化合物。

図面の簡単な説明

0159

図1は、結晶学的AU中の2分子のT4L−FAPP2−C212(それぞれ、シアンおよび緑色の、Mol−AおよびMol−B)を示す図である。

0160

図2は、T4L間の広範な相互作用を示す、結晶格子中の2つの隣接するT4L−FAPP2−C212分子を示す図である。

0161

図3は、18:1グルコシルセラミド(GlcCer、緑色の棒で示される)が、さらなるエネルギー最小化なしに、FAPP2−C212の構造中にドッキングされることを示す図である。GlcCerの座標は、PDB ID:3S0Kから取った。オレオイル鎖およびスフィンゴシン鎖にごく接近したFAPP2の疎水性残基が、棒モデルで示される。グルコシル頭部基と接触する残基は、棒モデルで示され、標識されている。

0162

図4は、W407周囲の電子密度マップが、ドッキングされた18:1 GlcCer(図3を参照のこと)と共に示されることを示す図である。ドッキング後にエネルギー最小化は行わなかった。

0163

図5は、T4L−FAPP2−C212結晶を示す図である。

0164

図6は、FAPP2−C212構造(T4Lは明確さのために除去されている)(a)と比較のためのhGLTP(b)を示す図である。
図6は、FAPP2−C212構造(T4Lは明確さのために除去されている)(a)と比較のためのhGLTP(b)を示す図である。

0165

図7は、糖頭部基結合:FAPP2−C212(apo)対hGLTP複合体(PDB:4H2Z)を示す図である。FAPP2は緑色で示され、GLTPはシアンで示される。hGLTPに結合したモノスルホガラクトシルセラミドは、ピンク色で示される。FAPP2における糖結合ポケットの近傍には、より多くの負の電荷が存在し、FAPP2では、K367が位置決めされ、R398周囲の正に荷電したループは、水素結合によって突出する。

0166

図8は、FAPP2およびGLTP(PDB ID:2EUK)中のFFAT様モチーフを示す図である。FFATモチーフ(酸性トラック中の2つのPhe)は、VAPタンパク質(小胞結合膜タンパク質関連タンパク質)と相互作用する。FAPP2のF311およびhGLTPのF33は、同じ場所を占める(セラミド24:1の尾部において)。FAPP2はシアンで示され、hGLTPは緑色で示される。hGLTPに結合した24:1ガラクトシルセラミドは、橙色である。FFAT FAPP2様モチーフは、潜在的に、GLTP折り畳みの安定性およびセラミド放出に関与する。

実施例

0167

(実施例)
(実施例1)
FAPP2−C212についての結晶化スクリーニング:
FAPP2のC末端212アミノ酸、aa308〜519(FAPP2−C212)を、SUMOまたはHis融合物として発現させ、融合タンパク質として、またはタグ除去されたFAPP2−C212として精製した。これらのタンパク質を、結晶化研究のために、6〜16mg/mlに濃縮した。結晶化スクリーニングを、シッティングドロップ蒸気拡散法によって、Qiagenの市販の結晶化スクリーニングキット(JCSGキットI〜IV)を使用して、精製されたFAPP2−C212分子を用いて実施した。結晶化スクリーニングを、C8−セラミド、フロリジンジスルホまたはモノスルホガラクトシルセラミドを含む、FAPP2またはヒトGLTPタンパク質に結合することが公知の種々のリガンドと共にインキュベートしたFAPP2−C212についても実施した。これらの結晶化試験は、見込みのある結晶化ヒットを1つも生じなかった。

0168

(実施例2)
FAPP2−C212リゾチーム融合:
FAPP2−C212を結晶化するための代替的戦略として、リゾチーム(T4L)を、結晶化可能な融合タグとして選択して、結晶化を促進した。

0169

His−T4L−FAPP2−C212(T4L−FAPP2−C212)を、pRSETベクター(Life Technologies)中にクローニングし、E.coli中で発現させ、NiカラムおよびSECカラムプロセスによって精製した。精製されたタンパク質は、47.2kDaの分子量を有する。T4L−FAPP2−C212を、6mg/mlに濃縮し、結晶化試験を、QiagenのJCSG−Iランダムマトリックス結晶化キットを使用して実施した。全ての結晶化実験を、16℃のインキュベーター中で、シッティングドロップ蒸気拡散法によって実施した。最初の結晶化ヒットが、3日後に、条件#C6のJCSGキット−1において観察された。

0170

(実施例3)
T4L−FAPP2−C212についての結晶化最適化:
T4L−FAPP2−C212結晶を生じた結晶化条件(JCSG−#C6)は、0.2M MgCl2、0.1M Tris pH=7.0および2.5M NaClであった。結晶化のさらなる最適化を、タンパク質濃度を最大20mg/mlまで増加させ、結晶化溶液中のMgCl2およびNaCl濃度をスクリーニングし、結晶化ドロップをマイクロシーディングすることによって、実施した。結晶核形成は、18〜24時間で見られ得、結晶は約1週間成長する。50〜100ミクロンサイズの結晶が、この結晶化条件下再現性良く生成される。

0171

(実施例4)
回折データ収集:
X線回折データを、Cuアノードを備えたRigakuX線回折計を使用して、BIDMC X線回折コア設備において収集した。サイズが約50〜100ミクロンの結晶を、0.2M MgCl2、0.1M Tris pH=7.0、2.5M NaCl、10%グリセロールおよび5%キシリトールの低温緩衝液を使用して、液体窒素中でそれらを凍結させた後に、データ収集に使用した。約120フレームのX線回折データを、1°の振動および10分の曝露で収集した。このX線回折データセットを処理し、BIDMCにおいてHKL2000を使用してP222空間群にスケーリングした。3.0Å分解能のX線回折データセットを、最高の分解能シェル(resolution shell)における95%の完全性(completeness)および>1.5のI/シグマで、初期構造決定に使用した。引き続いて、2.6Å分解能におけるデータセットを使用した。

0172

(実施例5)
構造決定および精密化:
3.0Åでは、単位格子寸法は、a=99.8Å、b=130.6Å、c=88.6Å、α=90°、β=90°、γ=90°である。2.6Åでは、単位格子寸法は、a=100.02Å、b=130.87Å、c=88.73Å、α=90°、β=90°、γ=90°である。分子置換(MR)を使用して、T4L−FAPP2−C212の構造を決定した。T4L構造(PDB ID:3G3V)およびhGLTP構造(PDB ID:1SWX)を、検索モデルとして使用した。MolrepをMRに使用し、refmac5を精密化に使用し、cootをモデル構築に使用した。

0173

T4LおよびGLTPの各々2分子が、P21212の空間群の下で、分子置換法によって非対称単位(AU)中で同定された。さらなるモデル構築および精密化を、refmacおよびcootを使用して反復して実施した。3Å構造を、R=25.5%およびRfree=32.4%まで精密化した。2.6Å構造は、20.5%の最終R因子および25.7%のRfreeまで精密化されている。

0174

(実施例6)
構造の簡単な説明:
非対称単位中には、Mol−AおよびMol−Bと呼ばれる2分子のT4L−FAPP2−C212が存在する(図1)。結晶格子中の隣接する分子由来のT4Lは、結晶化を促進したように見える広範な接触を行う(図2)。電子密度マップにおいて、分子−AについてFAPP2のaa308〜514および分子−BについてFAPP2の308〜515を、曖昧さ(ambiguity)なしに見ることができた。電子密度は、分子−AのK190、I322、E326、S328、E333およびE509ならびに分子−BのK190、L324、L325、E326、K377、E378およびR398の側鎖については、明確でない。

0175

W407、H445、D360が含まれる、セラミド結合に関与する残基、およびセラミドのアシル/スフィンゴシン鎖と相互作用する他の疎水性残基は、電子密度マップにおいて十分に精密化される。PDB ID:3S0K由来のオレオイルアシル鎖(18:1)を含有するグルコシルセラミドを、本発明者らの現在のFAPP2構造のリガンド結合ポケット中にドッキングさせ(図3)、対応する電子密度マップは図4に示される。ドッキング後にエネルギー最小化は行わなかった。

0176

図6は、hGLTP(PDB ID 1SWX)のものと比較した、FAPP2−C212構造を示す。FAPP−C212の糖頭部基結合性残基を、モノスルホ−ガラクトシルセラミドとのhGLTP複合体(PDB ID 4H2Z)のものと比較した。FAPP2における糖頭部基の近傍には、より多くの負の電荷が存在し、さらに、FAPP2では、K367が位置決めされ、R398周囲の正に荷電したループが、K367とN399との間の水素結合によって突出することが観察された(図7)。

0177

hGLTPプラス24:1ガラクトシルセラミド(PDB ID 2EUK)の構造とFAPP2−C212の構造との比較は、FAPP2中のFFATモチーフが、GLTP折り畳みの安定性およびセラミド放出において重要である可能性が高いことを示している(図8)。F311は、hGLTPのF33の位置を占有する(図8)。

0178

配列表のための配列:






0179

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