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図面 (3)

課題

酪酸菌を増殖させるプレバイオティクスを提供する。

解決手段

ユリ科アロエ属植物抽出物、又はロフェノール化合物及びシクロラノスタン化合物からなる群から選択される1又は複数の化合物を含有する、酪酸菌用プレバイオティクス組成物

概要

背景

近年、腸内細菌と健康との関連性に注目が集まり、世界中で研究が行われている。腸内環境改善に関連する用語として知られる「プロバイオティクス」は、一般に腸内フローラバランスを改善することにより人に有益な作用をもたらす生きた微生物を指し、ビフィズス菌等が一般的に知られている。また、かかるプロバイオティクスが資化するものとして「プレバイオティクス」があり、これは、消化管上部で分解・吸収されず、大腸共生する有益な細菌の選択的な栄養源となりそれらの増殖を促進し、大腸の腸内フローラ構成を健康的なバランスに改善し維持し、ヒトの健康の増進維持に役立つものを一般に意味する。

大腸に共生する有益な細菌のひとつとして、酪酸菌がある。酪酸は、腸内に存在する短鎖脂肪酸のひとつであり、大腸細胞エネルギーを提供する主要な栄養素としてだけでなく、宿主遺伝子発現細胞分化腸組織発生、免疫調節酸化ストレス低下、及び下痢コントロールなど、腸内のみならず種々の機能を調節する細胞メディエーターである(非特許文献1)。
健康のために酪酸を体内に取り込むことは有用であるが、酪酸は非常に強い不快臭を放つため、食品医薬品等の形態で摂取することは現実的ではない。また、腸内に生息する主な酪酸菌は、酸素感受性極端に高いためにin vitroでの培養が非常に困難であり、酪酸菌を製剤化して摂取することも難しい(非特許文献2)。

ところで、アロエ抽出物や、それに含まれるシクロラノスタン骨格を有する化合物やロフェノール骨格を有する化合物には、種々の機能性が見出されているが(特許文献1〜3等)、プロバイオティクスとしての有用性については未だ十分に解明されていない。

概要

酪酸菌を増殖させるプレバイオティクスを提供する。ユリ科アロエ属植物抽出物、又はロフェノール化合物及びシクロラノスタン化合物からなる群から選択される1又は複数の化合物を含有する、酪酸菌用プレバイオティクス組成物

目的

酪酸は、腸内に存在する短鎖脂肪酸のひとつであり、大腸細胞にエネルギーを提供する

効果

実績

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請求項1

請求項2

前記抽出物が、ロフェノール化合物及びシクロラノスタン化合物からなる群から選択される1又は複数の化合物を含有する、請求項1に記載の組成物

請求項3

ロフェノール化合物及びシクロラノスタン化合物からなる群から選択される1又は複数の化合物を含有する、酪酸菌用プレバイオティクス組成物。

請求項4

シクロラノスタン化合物が、9,19−シクロラノスタン−3−オール、及び24−メチレン−9,19−シクロラノスタン−3−オールからなる群から選択される、請求項2又は3に記載の組成物。

請求項5

ロフェノール化合物が、4−メチルコレスト−7−エン−3−オール、4−メチルエルゴスト−7−エン−3−オール、及び4−メチルスチグマスト−7−エン−3−オールからなる群から選択される、請求項2〜4のいずれか一項に記載の組成物。

請求項6

前記抽出物を組成物全体の0.1質量%以上含有する、請求項1又は2に記載の組成物。

請求項7

ロフェノール化合物及びシクロラノスタン化合物からなる群から選択される1又は複数の化合物を合計で組成物全体の0.00001質量%以上含有する、請求項2〜5のいずれか一項に記載の組成物。

請求項8

前記酪酸菌が、フィーカリバクテリウム属細菌及び/又はゲンゲル属細菌である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。

請求項9

飲食品である、請求項1〜8の何れか一項に記載の組成物。

請求項10

医薬品である、請求項1〜8の何れか一項に記載の組成物。

技術分野

0001

本発明は、酪酸菌プレバイオティクス組成物に関する。

背景技術

0002

近年、腸内細菌と健康との関連性に注目が集まり、世界中で研究が行われている。腸内環境改善に関連する用語として知られる「プロバイオティクス」は、一般に腸内フローラバランスを改善することにより人に有益な作用をもたらす生きた微生物を指し、ビフィズス菌等が一般的に知られている。また、かかるプロバイオティクスが資化するものとして「プレバイオティクス」があり、これは、消化管上部で分解・吸収されず、大腸共生する有益な細菌の選択的な栄養源となりそれらの増殖を促進し、大腸の腸内フローラ構成を健康的なバランスに改善し維持し、ヒトの健康の増進維持に役立つものを一般に意味する。

0003

大腸に共生する有益な細菌のひとつとして、酪酸菌がある。酪酸は、腸内に存在する短鎖脂肪酸のひとつであり、大腸細胞エネルギーを提供する主要な栄養素としてだけでなく、宿主遺伝子発現細胞分化腸組織発生、免疫調節酸化ストレス低下、及び下痢コントロールなど、腸内のみならず種々の機能を調節する細胞メディエーターである(非特許文献1)。
健康のために酪酸を体内に取り込むことは有用であるが、酪酸は非常に強い不快臭を放つため、食品医薬品等の形態で摂取することは現実的ではない。また、腸内に生息する主な酪酸菌は、酸素感受性極端に高いためにin vitroでの培養が非常に困難であり、酪酸菌を製剤化して摂取することも難しい(非特許文献2)。

0004

ところで、アロエ抽出物や、それに含まれるシクロラノスタン骨格を有する化合物やロフェノール骨格を有する化合物には、種々の機能性が見出されているが(特許文献1〜3等)、プロバイオティクスとしての有用性については未だ十分に解明されていない。

0005

特許4162703号
特許3883563号
国際公開第2016/084956号

先行技術

0006

Cell. 2016 Jun 2;165(6):1332-1345
Best. Pract. Res. Clin. Gastroenterol. 2017 Dec;31(6):643-648.

発明が解決しようとする課題

0007

かかる状況に鑑み、本発明者らは腸内に生息する酪酸菌を増殖させることが健康の維持・向上のために有用であると考えた。したがって、本発明は、酪酸菌を増殖させるプレバイオティクスを提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、アロエ抽出物や、それに含まれるシクロラノスタン骨格を有する化合物やロフェノール骨格を有する化合物が、腸内で酪酸菌を著しく増殖させることができることを見出し、これを酪酸菌用のプレバイ
ティクスの有効成分とすることに想到し、本発明を完成するに至った。

0009

すなわち、本発明の一態様は、ユリ科アロエ属植物抽出物を含有する、酪酸菌用プレバイオティクス組成物である。本態様において、前記抽出物は、ロフェノール化合物及びシクロラノスタン化合物からなる群から選択される1又は複数の化合物を含有することが好ましい。本態様において、前記抽出物は組成物全体の0.1質量%以上含有されることが好ましい。
本発明の別の態様は、ロフェノール化合物及びシクロラノスタン化合物からなる群から選択される1又は複数の化合物を含有する、酪酸菌用プレバイオティクス組成物である。
本発明において、シクロラノスタン化合物は好ましくは、9,19−シクロラノスタン−3−オール、及び24−メチレン−9,19−シクロラノスタン−3−オールからなる群から選択される。
本発明において、ロフェノール化合物は好ましくは、4−メチルコレスト−7−エン−3−オール、4−メチルエルゴスト−7−エン−3−オール、及び4−メチルスチグマスト−7−エン−3−オールからなる群から選択される。
本発明において好ましくは、ロフェノール化合物及びシクロラノスタン化合物からなる群から選択される1又は複数の化合物は、合計で組成物全体の0.00001質量%以上含有される。
本発明において、前記酪酸菌は好ましくは、フィーカリバクテリウム属細菌及び/又はゲンゲル属細菌である。
本発明の組成物は、好ましくは飲食品である。
また、本発明の組成物は、好ましくは医薬品である。

発明の効果

0010

本発明によれば、腸内で酪酸菌を効率的に増殖させることができるプレバイオティクスが提供される。酪酸菌が産生する酪酸は、細胞メディエーターとして機能し健康を維持向上させるため、本発明は産業上非常に有用である。

図面の簡単な説明

0011

試料を添加して腸内細菌を中和培養した後の、酪酸菌(フィーカリバクテリウム・プラスニッチ)の腸内細菌全体に占める割合を示すグラフ(n=6)。
試料を添加して腸内細菌を中和培養した後の酪酸濃度を示すグラフ(n=6)。

0012

次に、本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されず、本発明の範囲内で自由に変更することができるものである。

0013

本発明の組成物は、アロエ抽出物、あるいはそれに含まれるシクロラノスタン骨格を有する化合物及び/又はロフェノール骨格を有する化合物を含有する。

0014

アロエ抽出物を取得するアロエ植物としては、アロエベラ(Aloe barbadensis Miller)、アロエフェロックスミラー(Aloe ferox Miller)、アロエフリカーナミラー(Aloe africana Miller)、キダチアロエ(Aloe arborescen Miller var.natalensis Berger)、アロエスピカータベイカー(Aloe spicata Baker)等が挙げられる。

0015

抽出物の製造においては、前記植物の全体を用いてもよいが、葉肉(透明ゲル部分)を用いることが好ましい。このような植物又はその一部を、好ましくはホモジナイザー等を用いて破砕して液状化し、有機溶媒又は熱水で抽出する。有機溶媒としては、メタノール
エタノールブタノール等のアルコール酢酸メチル酢酸エチル酢酸プロピル酢酸ブチル等のエステルアセトンメチルイソブチルケトン等のケトンジエチルエーテル石油エーテル等のエーテルヘキサンシクロヘキサントルエンベンゼン等の炭化水素四塩化炭素ジクロロメタンクロホルム等のハロゲン化炭化水素ピリジン等の複素環化合物エチレングリコール等のグリコールポリエチレングリコール等のポリアルコールアセトニトリル等のニトリル溶媒、及びこれらの溶媒混合液等が挙げられる。また、これらの溶媒は無水であってもよく、含水状態であってもよい。これらの溶媒の中では、特に、酢酸エチル/ブタノール混合液(3:1)、若しくはクロロホルム/メタノール混合液(2:1)が好ましい。

0016

抽出方法としては、通常の植物成分の抽出に用いられる方法を用いることができる。通常、新鮮な植物又は乾燥植物1質量部に対し、有機溶媒1〜300質量部を用いて、撹拌又は振盪しながら、溶媒の沸点以下の温度で加熱還流するか、常温超音波抽出する方法が挙げられる。抽出液は、濾過又は遠心分離等の適当な方法により、不溶物を分離して粗抽出物を得ることができる。

0017

また、アロエ抽出物の製造は、超臨界抽出法により行うことも好ましい。
具体的には、前記植物の好ましくは葉皮を含まない葉肉(透明ゲル)部分を、凍結乾燥又は熱風乾燥して調製した粉末アロエベラ葉肉から、超臨界抽出法によって製造する(国際公開第2007/60911号参照)。抽出溶媒は、超臨界プロパン、超臨界エチレン、超臨界1,1,1,2−テトラフルオロエタンを用いてもよいが、抽出物を飲食品や医薬品の態様にする際の安全性の観点から超臨界二酸化炭素が好ましい。抽出温度は、28℃〜120℃の温度範囲で適宜選択することができるが、抽出効率を改善し、かつアントラキノン系化合物の含有を抑制する観点から50〜69℃の範囲が好ましく、50〜59℃の範囲がさらに好ましい。抽出時の圧力は、5.5〜60MPaの範囲で適宜選択することができるが抽出効率を改善し、かつアントラキノン系化合物の含有を抑制する観点から15〜60Mpaの範囲が好ましく、15〜24Mpaの範囲がさらに好ましい。抽出時間は、50〜70分間とすることが好ましい。また、アントラキノン系化合物の含有量を少なくする観点からは、エントレーナーを使用しないことが好ましい。

0018

抽出物は、各種クロマトグラフィー、例えば順相又は逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、精製することができる。順相シリカゲルカラムクロマトグラフィーにおいては、溶出溶媒としてクロロホルム/メタノール混合液のグラジエントを用いると、クロロホルム:メタノール=25:1程度で後述の化合物1や化合物2が溶出される。また、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィーにおいては、溶出溶媒としてヘキサン/酢酸エチル混合液(4:1)を用いると、化合物1や化合物2は最初の方のフラクションとして溶出される。
得られたフラクションは、さらにHPLC等により精製することができる。
また、抽出物は凍結乾燥等により粉末状としてもよい。

0019

このようにして製造されたアロエ抽出物には、シクロラノスタン骨格を有する化合物(化合物1)やロフェノール骨格を有する化合物(化合物2)が含有される(特許第3905913号公報、特許第3924310号公報等を参照されたい)。

0020

ロフェノール化合物(化合物1)は、以下の一般式(1)で表される。

0021

0022

一般式(1)中、R1は、炭素数5〜16の直鎖若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は2重結合を1つ若しくは2つ含むアルケニル基である。また、前記アルキル基又はアルケニル基は、1又は2の水素原子ヒドロキシル基及び/又はカルボニル基置換された置換アルキル基又は置換アルケニル基であってもよい。
また、R2及びR3は各々独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。ここで、前記炭素原子数1〜3のアルキル基としては、メチル基エチル基等が好ましく、メチル基が特に好ましい。また、前記アルキル基は、少なくとも1の水素原子がヒドロキシル基及び/又はカルボニル基に置換された置換アルキル基であってもよく、具体的には以下の式で表される基が挙げられる。

0023

0024

また、R4は環を構成する炭素原子とともにC=Oを形成する基、−OH、及び−OCOCH3の何れかである。

0025

前記一般式(1)中、R1は、下記式で表される基の何れかであることが好ましい。

0026

0027

また、前記一般式(1)中、R2及びR3の一方が水素原子であり、他方がメチル基であることが好ましく、R4が水酸基であることが好ましい。

0028

化合物1として、好ましくは、4−メチルコレスト−7−エン−3−オール、4−メチルエルゴスト−7−エン−3−オール及び4−メチルスチグマスト−7−エン−3−オールが挙げられる。各化合物は、それぞれ、以下の式で表される構造を有する。

0029

0030

0031

化合物1は、アロエ抽出物から取得するほか、公知の製造方法に準じて化学的に製造することができる。
例えば、Vitali Matyash et.al.,PLOS BIOLOGY, Volume 2, Issue 10, e280, 2004に記載されたサプリメントデータに準じて、合成することが可能である。

0032

また、化合物1は、医薬に許容される塩であってもよい。医薬に許容される塩として、金属塩無機塩)と有機塩との両方が含まれ、それらのリストは「レミントン・ファーマシューティカル・サイエンシーズ(Remington‘s Pharmaceutical Sciences)、第17版、1985年、第1418貢」に掲載されているものが例示される。
具体的には塩酸塩硫酸塩、リン酸塩二リン酸塩、及び臭化水素酸塩などの無機酸塩
や、リンゴ酸塩マレイン酸塩フマル酸塩酒石酸塩コハク酸塩クエン酸塩酢酸塩乳酸塩メタンスルホン酸塩p−トルエンスルホン酸塩、パモ酸塩サリチル酸塩、及びステアリン酸塩などの有機酸塩が非限定的に含まれる。
また、ナトリウムカリウムカルシウムマグネシウムアルミニウム等の金属の塩、リジン等のアミノ酸との塩とすることもできる。また、前記化合物若しくはその医薬に許容される塩の水和物等の溶媒和物も使用できる。

0033

シクロラノスタン化合物(化合物2)は、以下の一般式(2)で表される。

0034

0035

一般式(2)中、R5は、炭素数6〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、2重結合を1つ又は2つ含むアルケニル基である。また、前記アルキル基又はアルケニル基は、1又は2の水素原子がヒドロキシル基及び/又はカルボニル基に置換された置換アルキル基又は置換アルケニル基であってもよい。
また、R6及びR7は各々独立に水素原子又はメチル基である。また、R8は環を構成する炭素原子とともにC=Oを形成する基、又は下記の基の何れかである。

0036

0037

前記一般式(2)中、R5は、下記式で表される基の何れかであることが好ましい。

0038

0039

また、前記一般式(2)中、R6及びR7の一方が水素原子であり、他方がメチル基であることが好ましく、R8が水酸基であることが好ましい。

0040

化合物2としては、好ましくは、9,19−シクロラノスタン−3−オール、及び24−メチレン−9,19−シクロラノスタン−3−オールが挙げられる。各化合物は、それぞれ、以下の式で表される構造を有する。

0041

0042

化合物2は、アロエ抽出物から取得するほか、公知の製造方法に準じて化学的に製造することができる。例えば、24−メチレン−9,19−シクロラノスタン−3−オール(慣用名:24−メチレンシクロアルタノール)は、特開昭57−018617号公報や国際公開第2012/023599号(γ−オリザノールから合成する方法)に開示される方法にて製造することが可能である。また、化合物2は、特開2003−277269号公報に開示される方法にて、シクロアルテノールフェルレートの加水分解物出発物質として製造することが可能である。

0043

0044

また、化合物2は、医薬に許容される塩であってもよい。このような塩は化合物1について例示したものと同様である。

0045

本発明の組成物は、化合物1の1種又は2種以上、及び化合物2の1種又は2種以上から、1種又は2種以上を選択される化合物を有効成分として含有する。有効成分は、化合物1又は化合物2のいずれか単独であっても化合物1及び化合物2の混合物であってもよく、化合物1及び化合物2の混合物がより好ましい。すなわち、好ましい態様において、有効成分は、化合物1の1種又は2種以上と、化合物2の1種又は2種以上とを含有する。

0046

化合物1又は化合物2を単独で用いる場合としては、化合物1(主に、4−メチルコレスト−7−エン−3−オール、4−メチルエルゴスト−7−エン−3−オール、若しくは4−メチルスチグマスト−7−エン−3−オール)、又は化合物2(主に、9,19−シクロラノスタン−3−オール、若しくは24−メチレン−9,19−シクロラノスタン−3−オール)の何れかであることが好ましい。
これらのうち、溶解性等の物性の観点から、化合物1としては4−メチルコレスト−7−エン−3−オールが特に好ましく、化合物2としては9,19−シクロラノスタン−3−オールが特に好ましい。
また、化合物1と化合物2を対比した場合では、化合物1(主に、4−メチルコレスト−7−エン−3−オール、4−メチルエルゴスト−7−エン−3−オール、又は4−メチルスチグマスト−7−エン−3−オール)であることがより好ましい。

0047

本発明の組成物は、4−メチルコレスト−7−エン−3−オール、4−メチルエルゴスト−7−エン−3−オール、4−メチルスチグマスト−7−エン−3−オール、9,19−シクロラノスタン−3−オール、及び24−メチレン−9,19−シクロラノスタン−3−オールからなる群から選択される1種又は2種以上の化合物を有効成分として含有することが好ましい。

0048

本発明の組成物における前記化合物の含有量は、投与目的等に応じて適宜選択することができるが、総量で、好ましくは少なくとも0.00001質量%以上、より好ましくは少なくとも0.0001質量%以上、さらに好ましくは少なくとも0.0005質量%以上、特に好ましくは少なくとも0.001質量%以上である。また本発明の組成物における当該量の上限は特に制限されないが、総量で、90質量%以下、好ましくは70質量%以下、より好ましくは50質量%以下が例示される。

0049

化合物1及び化合物2の両者を組み合わせる場合(化合物1と化合物2との混合物)において、化合物1及び化合物2の質量比(化合物1:化合物2)は、好ましくは5:1〜1:5、さらに好ましくは3:1〜1:3、特に好ましくは2:1〜1:2の範囲である

0050

たとえば、天然の植物に含まれる例として、アロエベラ中には、化合物1(主に、4−メチルコレスト−7−エン−3−オール、4−メチルエルゴスト−7−エン−3−オール、及び4−メチルスチグマスト−7−エン−3−オール)、並びに化合物2(主に、9,19−シクロラノスタン−3−オール、及び24−メチレン−9,19−シクロラノスタン−3−オール)が含まれていることが知られている。

0051

そのため、アロエベラ抽出物を本発明の組成物の有効成分とする場合、あるいはアロエベラを原料として化合物1及び化合物2の混合物を得て本発明の組成物の有効成分とする場合は、4−メチルコレスト−7−エン−3−オール、4−メチルエルゴスト−7−エン−3−オール、若しくは4−メチルスチグマスト−7−エン−3−オール(化合物1)の何れか、又は9,19−シクロラノスタン−3−オール、若しくは24−メチレン−9,19−シクロラノスタン−3−オール(化合物2)の何れかを含み、化合物1:化合物2を、5:1〜1:5、好ましくは3:1〜1:3、特に好ましくは2:1〜1:2の質量比で含む組成物とすることができる。

0052

本発明の組成物におけるアロエ抽出物の含有量は、組成物の態様により適宜設定すればよく、特に限定されないが、例えば、好ましくは固形物量として、組成物全体の0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上とするのがよい。アロエ抽出物の含有量の上限は特に制限されないが、例えば組成物全体の5質量%以下、又は100質量%以下であってよい。なお、これらの含有量は、本発明の組成物の製造時の値、流通時の値、及び摂取(投与)時の値を含む。

0053

本発明の組成物は、酪酸菌用プレバイオティクスとして用いられる。すなわち、腸内の酪酸菌により資化されその増殖を促進させることができる。

0054

なお、酪酸菌とは、酪酸を産生する細菌の総称である。本発明における酪酸菌は、特に限定されないが、例えばフィーカリバクテリウム属、コプロコッカス属、クロストリジウム属ユーバクテリウム属、ゲンミゲル属等に属する細菌が挙げられ、より具体的にはヒト腸内に存在する、フィーカリバクテリウム・プラスニッチ、ゲンミゲル・フォルミリス等が挙げられる。

0055

なお、腸内で酪酸菌を増殖させることができること、すなわち酪酸菌により資化されることは、佐々木らの方法(Sasaki K. et al.,PLoS ONE 12(7): e0180991)や、次の評価方法により確認することができる。
具体的には、試料を含有する培地中で腸内細菌を中和培養する培養工程、及び前記培養工程後の培地中の細菌叢の構成を解析する解析工程を含む方法により評価する。
被験試料素材)がヒト小腸で通常吸収される糖類を含む場合は、前記培養工程の前に被験試料から分子量666.58以下の糖類を除去する前処理工程を行うことが好ましい。前記前処理工程は、好ましくはエタノール沈殿により行われる。該前処理工程により被験試料(素材)からヒト小腸で通常吸収される糖類、すなわち分子量666.58以下の糖類を予め除き、ヒト小腸で通常吸収されず大腸に到達する糖類を中和培養に供することにより、プレバイオティクスのヒト大腸での酪酸菌への影響を正確に感度よく評価することができる。なお、分子量666.58以下の糖類としては、ニストースケストースシュークロースグルコースフルクトースガラクトースラクトース等が挙げられる。

0056

前記中和培養工程は、pH>5.5、より好ましくは>6.0の条件下で行われる。好ましくは、培養を通してpHが好ましくは5.5以下にならないように、より好ましくは
6.0以下にならないように、炭酸ナトリウム等の適当な中和剤間欠的に添加する等して制御される。また、中和培養に用いる培地は、グルコース、フルクトース、ガラクトース、ラクトース等の小腸で吸収される糖類を実質的に含有しない限りにおいて特に限定されず、例えば糖類を含有しないYCFA培地が挙げられる。ここで、実質的に含有しないとは、好ましくは0.1%(w/v)以下、より好ましくは0.05%(w/v)以下、さらに好ましくは0.01%(w/v)である。
前記試料の培地への添加量としては、培養を妨げない限りにおいて任意に設定でき、例えば0.1〜5%(w/v)とすることができる。
中和培養は、通常は嫌気条件下で行われる。
また、培養時間は、好ましくは12時間以上、より好ましくは24時間以上とし、通常は96時間以下、より好ましくは48時間以下とする。

0057

解析工程では、培養工程後の培地中の細菌叢の構成を解析する。例えば、シークエンス解析により腸内細菌を同定し、その存在量の割合を算出することにより解析を行う。ここで、培養前後で酪酸菌が増殖し、かつ酪酸菌の割合が通常は15%以上、より好ましくは30%以上、さらに好ましくは40%以上に維持されている場合に、被験試料は酪酸菌の増殖を促進するプレバイオティクスであると判断される。

0058

本発明の組成物は、体内の酪酸が増加することにより予防又は改善しうる疾患や病態、あるいは体内の酪酸が減少することに起因する疾患や病態の対象者に対して、有用となり得る。例えば、整腸用、免疫調節用、酸化ストレス低減用、又は下痢の予防・改善用、炎症性腸疾患用、大腸がんの予防用等とすることができる。

0059

本発明の別の態様は、酪酸菌用プレバイオティクス組成物の製造における、アロエ抽出物、シクロラノスタン骨格を有する化合物、及び/又はロフェノール骨格を有する化合物の使用である。
本発明の別の態様は、腸内での酪酸菌の増殖における、アロエ抽出物、シクロラノスタン骨格を有する化合物、及び/又はロフェノール骨格を有する化合物の使用である。
本発明の別の態様は、腸内で酪酸菌を増殖させるために用いられる、アロエ抽出物、シクロラノスタン骨格を有する化合物、及び/又はロフェノール骨格を有する化合物である。
アロエ抽出物、シクロラノスタン骨格を有する化合物、及び/又はロフェノール骨格を有する化合物を動物に投与することを含む、腸内で酪酸菌を増殖させ方法である。ここで、動物は、特に限定されないが、通常はヒトである。

0060

本発明の組成物の摂取(投与)時期は、特に限定されず、投与対象の状態に応じて適宜選択することが可能である。

0061

本発明の組成物の摂取(投与)量は、摂取(投与)対象の年齢性別、状態、その他の条件等により適宜選択される。アロエ抽出物の固形物量として、好ましくは0.1〜1000mg/日、より好ましくは、1〜100mg/日の範囲となる量を目安とするのがよい。あるいは、シクロラノスタン骨格を有する化合物及び/又はロフェノール骨格を有する化合物の総量として、好ましくは0.0001〜100mg/日、より好ましくは、0.001〜50mg/日、特に好ましくは0.01〜10mg/日の範囲を目安とする。
なお、摂取(投与)の量や期間にかかわらず、組成物は1日1回又は複数回に分けて投与することができる。

0062

本発明の組成物の摂取(投与)経路は、経口又は非経口のいずれでもよいが、通常は経口である。また、非経口摂取(投与)としては、直腸投与等が挙げられる。

0063

本発明の組成物は、アロエ抽出物、シクロラノスタン骨格を有する化合物、及び/又はロフェノール骨格を有する化合物とともに、酪酸菌を含有する態様でもよい。また、本発明の組成物は、酪酸菌又は酪酸菌を含有する製剤と併用して摂取されてもよい。かかる態様により、腸内における酪酸菌増殖促進効果、及びそれによる酪酸増加効果がより期待できる。
なお、これらの態様の場合、酪酸菌は生菌であることが好ましい。

0064

本発明の組成物を経口摂取される組成物とする場合は、飲食品の態様とすることが好ましい。

0065

飲食品としては、アロエ抽出物、シクロラノスタン骨格を有する化合物、及び/又はロフェノール骨格を有する化合物の効果を損なわず、経口摂取できるものであれば形態や性状は特に制限されず、アロエ抽出物、シクロラノスタン骨格を有する化合物、及び/又はロフェノール骨格を有する化合物を含有させること以外は、通常飲食品に用いられる原料を用いて通常の方法によって製造することができる。

0066

飲食品としては、液状、ペースト状、ゲル状固体、粉末等の形態を問わず、例えば、錠菓流動食(経管摂取用栄養食);パンマカロニスパゲッティ、めん類、ケーキミックス、から揚げ粉、パン粉等の小麦粉製品即席めんカップめんレトルト調理食品調理缶詰め、電子レンジ食品、即席スープシチュー即席みそ・吸い物、スープ缶詰め、フリーズドライ食品、その他の即席食品等の即席食品類;農産缶詰め、果実缶詰め、ジャムマーマレード類、漬物煮豆類、農産乾物類、シリアル穀物加工品)等の農産加工品;水産缶詰め、魚肉ハムソーセージ水産練り製品、水産珍味類、つくだ煮類等の水産加工品畜産缶詰め・ペースト類畜肉ハム・ソーセージ等の畜産加工品;加工乳乳飲料ヨーグルト類乳酸菌飲料類チーズアイスクリーム類調製粉乳類、クリーム、その他の乳製品等の乳・乳製品;バターマーガリン類植物油等の油脂類しょうゆ、みそ、ソース類トマト加工調味料、みりん類、食酢類等の基礎調味料;調理ミックス、カレーの素類、たれ類、ドレッシング類、めんつゆ類、スパイス類、その他の複合調味料等の複合調味料・食品類;素材冷凍食品、半調理冷凍食品、調理済冷凍食品等の冷凍食品;キャラメルキャンディーチューインガムチョコレートクッキービスケット、ケーキ、パイスナッククラッカー和菓子米菓子、豆菓子デザート菓子ゼリー、その他の菓子などの菓子類炭酸飲料天然果汁果汁飲料果汁入り清涼飲料果肉飲料、果粒入り果実飲料野菜系飲料、豆乳豆乳飲料コーヒー飲料、お茶飲料粉末飲料濃縮飲料スポーツ飲料、栄養飲料、アルコール飲料、その他の嗜好飲料等の嗜好飲料類、ベビーフード、ふりかけ、お漬けのり等のその他の市販食品等;育児用調製粉乳;経腸栄養食機能性食品特定保健用食品栄養機能食品)等が挙げられる。

0067

また、飲食品の一態様として飼料とすることもできる。飼料としては、ペットフード家畜飼料養魚飼料等が挙げられる。
飼料の形態としては特に制限されず、例えば、トウモロコシ小麦大麦ライ麦マイロ等の穀類大豆油粕ナタネ油粕、ヤシ油粕、アマニ油粕等の植物性油粕類;フスマ、麦米糠脱脂米糠等の糠類コーングルテンミールコーンジャムミール等の製造粕類;魚粉脱脂粉乳ホエイイエローグリースタロー等の動物性飼料類;トルラ酵母ビール酵母等の酵母類第三リン酸カルシウム炭酸カルシウム等の鉱物質飼料;油脂類;単体アミノ酸;糖類等を含有するものであってよい。

0068

本発明の組成物が飲食品(飼料を含む)の態様である場合、酪酸菌用プレバイオティクスであることや腸内の酪酸菌を増殖させるという用途が表示された飲食品として提供・販売されることが可能である。

0069

かかる「表示」行為には、需要者に対して前記用途を知らしめるための全ての行為が含まれ、前記用途を想起類推させうるような表現であれば、表示の目的、表示の内容、表示する対象物媒体等の如何に拘わらず、全て本発明の「表示」行為に該当する。
また、「表示」は、需要者が上記用途を直接的に認識できるような表現により行われることが好ましい。具体的には、飲食品に係る商品又は商品の包装に前記用途を記載したものを譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引き渡しのために展示し、輸入する行為、商品に関する広告価格表若しくは取引書類に上記用途を記載して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に上記用途を記載して電磁気的(インターネット等)方法により提供する行為等が挙げられる。

0070

一方、表示内容としては、行政等によって認可された表示(例えば、行政が定める各種制度に基づいて認可を受け、そのような認可に基づいた態様で行う表示等)であることが好ましい。また、そのような表示内容を、包装、容器カタログパンフレットPOP等の販売現場における宣伝材、その他の書類等へ付することが好ましい。

0071

また、「表示」には、健康食品、機能性食品、経腸栄養食品、特別用途食品、保健機能食品、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品、医薬用部外品等としての表示も挙げられる。この中でも特に、消費者によって認可される表示、例えば、特定保健用食品、栄養機能食品、若しくは機能性表示食品に係る制度、又はこれらに類似する制度にて認可される表示等が挙げられる。具体的には、特定保健用食品としての表示、条件付き特定保健用食品としての表示、身体の構造や機能に影響を与える旨の表示、疾病リスク減少表示、科学的根拠に基づいた機能性の表示等を挙げることができ、より具体的には、健康増進法に規定する特別用途表示の許可等に関する内府令(平成二十一年八月三十一日内閣府令第五十七号)に定められた特定保健用食品としての表示(特に保健の用途の表示)及びこれに類する表示が典型的な例である。
かかる表示としては、例えば、「酪酸菌を増やしたい方」、「フィーカリバクテリウム属細菌を増やしたい方」、「酪酸で整腸作用」等と表示することが挙げられる。

0072

本発明の組成物は、医薬品の態様とすることもできる。
医薬品の投与経路は、経口又は非経口のいずれでもよいが経口が好ましい。また、非経口摂取(投与)としては、直腸投与等が挙げられる。
医薬品の形態としては、投与方法に応じて、適宜所望の剤形に製剤化することができる。例えば、経口投与の場合、散剤顆粒剤錠剤カプセル剤等の固形製剤溶液剤、シロップ剤懸濁剤乳剤等の液剤等に製剤化することができる。また、非経口投与の場合、座剤、軟膏剤注射剤等に製剤化することができる。
製剤化に際しては、通常製剤化に用いられている賦形剤pH調整剤着色剤矯味剤等の成分を用いることができる。また、他の薬効成分や、公知の又は将来的に見出されるプレバイオティクスなどを併用することも可能である。
加えて、製剤化は剤形に応じて適宜公知の方法により実施できる。製剤化に際しては、適宜、製剤担体を配合して製剤化してもよい。

0074

結合剤としては、例えば、上記賦形剤の他、ゼラチンポリビニルピロリドンマクロゴール等が挙げられる。

0075

崩壊剤としては、例えば、上記賦形剤の他、クロスカルメロースナトリウムカルボキシメチルスターチナトリウム架橋ポリビニルピロリドン等の化学修飾されたデンプン又はセルロース誘導体等が挙げられる。

0078

矯味矯臭剤としては、例えば、甘味料酸味料香料等が挙げられる。
なお、経口投与用の液剤の場合に使用する担体としては、水等の溶剤等が挙げられる。

0079

本発明の医薬品を摂取するタイミングは、例えば食前、食後、食間就寝前など特に限定されない。

0080

以下に実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。

0081

<製造例1>
(1)超臨界抽出法によるアロエベラ抽出物の調製
アロエベラ60kgについて、葉皮を剥き取って葉肉部分を回収し、回収した葉肉部分を凍結乾燥してアロエベラ葉肉粉末300gを調製した。次いで、調製したアロエベラ葉肉粉末20gを用いて超臨界抽出法により抽出を行った。超臨界抽出は、日本分光社製CO2 delivery pump(SCF-GET)、PU-2080 pump(PU-2080 plus)、Back Pressur Regulator(SCF-BPG)、及び東洋高圧社製ブランジを用い、抽出溶媒として炭酸ガスを使用した。抽出条件は、温度50℃、圧力15MPa、60分間として、アロエベラ抽出物33.0mgを得た。
LC-MS(島津製作所社製)を使用し、内部標準物質としてブラシカステロール(和光純薬工業社製)を用いて、ロフェノール化合物、シクロラノスタン化合物、及びアントラキノン系化合物の含有量を測定した。アロエベラ抽出物33.0mg中、ロフェノール化合物である4−メチルコレスト−7−エン−3−オールは0.060mg、4−メチルエルゴスト−7−エン−3−オールは0.052mg、及び4−メチルスチグマスト−7−エン−3−オールは0.053mg含まれ、シクロラノスタン化合物である9,19−シクロラノスタン−3−オールは0.144mg、及び24−メチレン−9,19−シクロラノスタン−3−オールは0.107mg含まれ、アントラキノン系化合物)であるアロエエモジンは0.0000924mg含まれていた。

0082

試験例1>in vitroでの酪酸菌増殖確認試験
(1)被験試料の前処理
被験試料としては、アロエベラゲルパウダー(AVGP、森永乳業株式会社製)及び製造例1のアロエ抽出物を用い、以下のように調製した。
AVGP5g及びアロエ抽出物5gをそれぞれ、50mLの99.5%エタノール(Wako社050−00446)で溶解した。その後×1,300gで10分間遠心上清を除去し、次いで99.5%エタノールを45mL加え混和し、×1,300gで10分間遠心した。再度上清を除去し、沈殿物を凍結乾燥させて各粉末を得た。これを0.1%(w/v)になるようMilliQ水に溶解後、0.22μmフィルターメルクミリポア社製)を通過させ、試験に供する溶液を取得した。
市販のイヌリン(フジ日本精糖株式会社製)10gを100mLのMilliQ水に溶解後、約15mLずつ遠心チューブ(FALCON社352070)に分注し、30mLの99.5%エタノール(Wako社050−00446)を加え、混和した。その後×1,300gで10分間遠心、上清を除去し、次いで99.5%エタノールを45mL加え混和し、×1,300gで10分間遠心した。再度上清を除去し、沈殿物を凍結乾燥させ合計8.7gの粉末を得た。これを0.1%(w/v)になるようMilliQ水に溶解後、0.22μmフィルター(メルクミリポア社製)を通過させ、試験に供する溶液を取得した。
市販の純ココア(森永製菓社製)400gを2000mLのMilliQ水に溶解後、2時間煮沸した。その後約15mLずつ遠心チューブ(FALCON社352070)に分注し、30mLの99.5%エタノール(Wako社050−00446)を加え、混和した。その後×1,300gで10分間遠心、上清を除去し、次いで99.5%エタノールを45mL加え混和し、×1,300gで10分間遠心した。再度上清を除去し、沈殿物を凍結乾燥させ合計14.3gの粉末を得た。これを0.1%(w/v)になるようMilliQ水に溶解後、0.22μmフィルター(メルクミリポア社製)を通過させ、試験に供する溶液を取得した。
難消化性デキストリンであるパインファイバー化学社製)は、小腸で吸収されないため、前処理を行わず以下の中和培養に供した。

0083

(2)中和培養
糖を含有しないYCFA培地を100mL作成し、pHコントロール可能な培養装置Bio Jr.8(株式会社バイオット社製BJR−25NA1S−8M)のベッセルに入れ、(1)で前処理した各被験試料を1g添加した。また、陰性対象として、被験試料を添加しない培地も用意した。各培地をベッセルごと、115℃20分間のオートクレーブ処理にかけた。その後、無菌的にフィルター滅菌処理したビタミン液とシステイン液を添加し、被験試料の終濃度が1%(w/v)となる培養液を調製した。その後、窒素置換を一晩行うことで嫌気状態とし、生理食塩水で10%(w/v)に予め調整しておいた糞便溶液100μLを添加し、pHが6以下にならないよう1MのNa2CO3液でコントロールしながら24時間37℃で嫌気培養を行った。
なお、前記糞便は、通常の食餌を継続している健康なヒト(40男性1名、30歳代男性2名、20歳代男性2名、及び30歳代女性1名)から提供されたものである。
陰性対照とした。

0084

(3)腸内細菌の解析
前記(2)における24時間培養後の培養液を1mL採取し、15,000gで10分間遠心して沈殿を得た。前記沈殿を、450μLの抽出液(100mM Tris/HCl, 4mMEDTA, pH9.0)に懸濁した後、10%SDS溶液50μL、0.1mm径ガラスビーズ300mg、500μLのTE飽和フェノール和光純薬)と混合し、FastPrepFP100A(フナコシ社製)にてパワーレベル5、30秒の破砕処理を行った。次いで、14,000gで5分間遠心後400μLの上清を取り、250μLのフェノール・クロロホルム溶液(和光純薬)を加えて混合し、14,000gで5分間遠心後、250μLの上清を取得した。さらに2−プロパノールを250μL加え
て得た沈殿を200μLのTris−EDTAバッファー(pH8.0)で溶解し、鋳型DNA溶液とした。

0085

次に細菌の16SrRNA遺伝子の第3〜4可変領域を増幅させるための1stプライマーセット(配列番号1及び2)と、次世代シーケンサーMiseq (イルミナ社製)にて解析するために必要な2ndプライマーセット(配列番号3及び4、なおnは1度の解析で複数サンプルを処理するための任意の塩基配列インデックス領域))を設計し、Life
Technologies社のオリゴプライマー作成サービスによりプライマーを合成した。
鋳型DNA溶液および1stプライマーセットを含む総液量を25μLとした反応液をTaKaRa Ex Taq HS kit(タカラバイオ社製)を用いて調製した。Veriti 200(Life Technologies社製)により、94℃3分の後、94℃30秒、50℃30秒、72℃30秒を20回、72℃10分のPCR反応を行った。得られたPCR産物を1%アガロースゲルにて電気泳動し、バンドパターンを確認した。続いて得られたPCR産物1μLを鋳型とし、2ndプライマーセットを用いて上述した条件と同様にPCRを実施した。ただしPCRのサイクル数は20回ではなく15回とした。得られたPCR産物を1%アガロースゲルにて電気泳動し、バンドパターンを確認後、QIAquick 96 PCR Purification Kit(キアゲン社製)にて精製を行い、Quant−iT PicoGreendsDNA Assay kit
(Life Technologies社製)にて濃度を測定した。同濃度のDNA溶液を混合したものをMiseq v2 Reagent kit(イルミナ社製)に供し、Miseqにてシークエンス解析を実施した。

0086

得られたペアエンド配列をQIIME software(version 2.0)(http://qiime.org/)にて腸内細菌叢の構成を解析し、その中の最優勢酪酸菌(フィーカリバクテリウム・プラスニッチ)及び別の酪酸菌(ゲンミゲル・フォルミシリス)の腸内細菌全体に占める割合をそれぞれ算出し、全被験者の平均を求めた。

0087

図1にフィーカリバクテリウム・プラスニッチの腸内細菌全体に占める割合を示す。AVGP又はアロエ抽出物の存在下では、既知の酪酸菌の増加が報告されているイヌリンや、高カカオチョコと類似の組成を有する純ココア存在下に比べて、酪酸菌が増殖したことが認められた。

0088

(4)酪酸濃度の測定
前記(2)における24時間培養後の培養上清を40μL用いて、以下の測定を実施した。
サンプルのラベル化ラベル化試薬FAキット(YMC)を用いて行い、Nano Filter Plunger w(THOMSON)を用いて濾過し、HPLC測定に供した。
酪酸の測定にはallianceHPLC(waters)及びYMC−Pack FAカラム(YMC)を用いた。移動相Aはメタノール、移動相Cは0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)水溶液、移動相Dは0.1% TFAを溶解したアセトニトリル液を用いた。グラジエントプログラムは、(i)0〜5分:移動相A 16%、移動相C 79%、移動相D 5%、(ii)5〜30分:移動相A 16%、移動相C 54%、移動相D 30%、(iii)30〜35分:移動相A 16%、移動相C 79%、移動相D 30%、(iv)35〜40分:移動相A 16%、移動相C 79%、移動相D 5%、(v)40〜45分:移動相A 16%、移動相C 79%、移動相D 5%と5段階でプログラムした。流速は1.00 mL/min、カラムオーブン温度は50℃に設定した。蛍光検出器を用いて吸光230 nmで測定した。

実施例

0089

図2に酪酸濃度の測定結果を示す。接種した糞便に比べて、AVGPを添加して中和
養した後の培養溶液では酪酸濃度の増加が認められた。

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