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技術 車両用電池制御装置

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 尾関明弘西脇典男高原義幸
出願日 2019年3月20日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-053395
公開日 2020年9月24日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-156228
状態 未査定
技術分野 電池等の充放電回路 車両の電気的な推進・制動
主要キーワード 接続切り替え回路 次系統 監視温度 最低保証電圧 電圧指示値 放電ピーク 標準抵抗 温度基準
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (19)

課題

ドライバーなどから要求された自動運転を素早く実行することができる車両用電池制御装置を提供する。

解決手段

車両用電池制御装置は、自動運転時メイン電池バックアップ可能なサブ電池の情報を取得するセンサと、メイン電池とサブ電池との間に設けられるDDCと、手動運転時と自動運転時とでサブ電池の接続状態切り替え切替部と、センサが取得した情報に基づいてDDC及び切替部を制御し、サブ電池の充放電を制御する制御部とを備え、制御部は、IG−ON後の手動運転の期間にサブ電池が自動運転の退避走行時に必要なバックアップ電力出力可能であるか否かを第1電池制御で判断し、第1電池制御でサブ電池がバックアップ電力を出力可能と判断した場合に自動運転を許可し、その後に要求に応じて自動運転を実行し、かつ、サブ電池がバックアップ電力を出力可能であるか否かを第1電池制御よりも精度が高い第2電池制御で判断する。

概要

背景

特許文献1に、自動運転が可能な車両に搭載された、アクセサリーなどの電装品電力を供給する鉛電池と、自動運転バックアップ用のリチウムイオン電池とを備えた、電池制御装置が開示されている。この電池制御装置では、リチウムイオン電池を給電線から切り離した状態で鉛電池を充電している最中に自動運転の要求が発生した場合、給電線の電圧をリチウムイオン電池の開放電圧まで低下させてリチウムイオン電池を給電線に接続する。従って、リチウムイオン電池と鉛電池との両方を給電線に接続した状態で、鉛電池だけを充電することができる。これによって、特許文献1に記載の電池制御装置は、リチウムイオン電池による自動運転の退避走行時に必要なバックアップ電力の確保と、鉛電池の充電遅延防止とを両立している。

概要

ドライバーなどから要求された自動運転を素早く実行することができる車両用電池制御装置を提供する。車両用電池制御装置は、自動運転時メイン電池バックアップ可能なサブ電池の情報を取得するセンサと、メイン電池とサブ電池との間に設けられるDDCと、手動運転時と自動運転時とでサブ電池の接続状態を切り替え切替部と、センサが取得した情報に基づいてDDC及び切替部を制御し、サブ電池の充放電を制御する制御部とを備え、制御部は、IG−ON後の手動運転の期間にサブ電池が自動運転の退避走行時に必要なバックアップ電力を出力可能であるか否かを第1電池制御で判断し、第1電池制御でサブ電池がバックアップ電力を出力可能と判断した場合に自動運転を許可し、その後に要求に応じて自動運転を実行し、かつ、サブ電池がバックアップ電力を出力可能であるか否かを第1電池制御よりも精度が高い第2電池制御で判断する。

目的

本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、ドライバーなどから要求された自動運転を素早く実行することができる車両用電池制御装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

自動運転時メイン電池バックアップ可能なサブ電池を制御する車両用電池制御装置であって、前記サブ電池の電流電圧、及び温度に関する情報を取得するセンサーと、前記メイン電池と前記サブ電池との間に設けられるDCDCコンバーターと、手動運転時と自動運転時とで前記サブ電池の接続状態切り替える切り替え部と、前記センサーが取得した情報に基づいて前記DCDCコンバーター及び前記切り替え部を制御し、前記サブ電池の充放電を制御する制御部とを備え、前記制御部は、イグニッションオン後の手動運転の期間に、前記サブ電池が自動運転退避走行時に必要なバックアップ電力出力可能であるか否かを、所定の第1電池制御を行って暫定的に判断し、前記第1電池制御を行って前記サブ電池が前記バックアップ電力を出力可能と判断した場合に自動運転を許可し、自動運転を許可した後、所定の要求に応じて自動運転を実行し、かつ、前記サブ電池が前記バックアップ電力を出力可能であるか否かを、前記第1電池制御よりも精度が高い所定の第2電池制御を行って判断する、車両用電池制御装置。

請求項2

前記制御部は、前記第1電池制御として、所定の第1時間による所定の充放電を前記サブ電池に実施し、当該充放電時の電流及び電圧の変化に基づいて前記サブ電池の抵抗値を算出し、当該算出した抵抗値に基づいて得られるバックアップに必要な抵抗値及び蓄電量を満たしたときの前記サブ電池の第1温度が、所定の第1基準温度未満であるか否かを推定し、前記サブ電池の第1温度が前記第1基準温度未満であると推定した場合に、前記サブ電池が前記バックアップ電力を出力可能であると判断する、請求項1に記載の車両用電池制御装置。

請求項3

前記制御部は、前記第2電池制御として、前記第1時間よりも長い所定の第2時間による所定の放電を前記サブ電池に実施し、当該放電中の平均電流及び放電後の降下電圧を算出し、当該算出した平均電流及び降下電圧に基づいて得られる前記サブ電池の出力可能電力が、所定の第2基準温度において前記サブ電池に要求される前記バックアップ電力以上であるか否かを判定し、前記サブ電池の出力可能電力が前記第2基準温度において前記サブ電池に要求される前記バックアップ電力以上であると判定した場合に、前記サブ電池が前記バックアップ電力を出力可能であると判断する、請求項2に記載の車両用電池制御装置。

請求項4

前記制御部は、前記サブ電池の放電として自動運転の退避走行時に必要とされる電流を流す、請求項3に記載の車両用電池制御装置。

請求項5

前記制御部は、前記第2電池制御による前記サブ電池の放電中に前記サブ電池の出力電圧所定値以上の大きさの変化速度で低下したと判断した場合、前記サブ電池の放電を停止する、請求項3又は4に記載の車両用電池制御装置。

請求項6

前記制御部は、前記第2基準温度を前記サブ電池の劣化度に応じて複数設けている、請求項3乃至5のいずれかに記載の車両用電池制御装置。

請求項7

前記制御部は、前記サブ電池の蓄電量を、手動運転時には蓄電上限値に基づいて設定される第1蓄電量に制御し、自動運転時には前記第1蓄電量よりも低く、かつ、自動運転時に前記サブ電池と電気的に接続される車載機器耐久電圧に基づいて設定される第2蓄電量に制御する、請求項1乃至6のいずれかに記載の車両用電池制御装置。

技術分野

0001

本発明は、自動運転バックアップ用の電池を制御する車両用電池制御装置に関する。

背景技術

0002

特許文献1に、自動運転が可能な車両に搭載された、アクセサリーなどの電装品電力を供給する鉛電池と、自動運転バックアップ用のリチウムイオン電池とを備えた、電池制御装置が開示されている。この電池制御装置では、リチウムイオン電池を給電線から切り離した状態で鉛電池を充電している最中に自動運転の要求が発生した場合、給電線の電圧をリチウムイオン電池の開放電圧まで低下させてリチウムイオン電池を給電線に接続する。従って、リチウムイオン電池と鉛電池との両方を給電線に接続した状態で、鉛電池だけを充電することができる。これによって、特許文献1に記載の電池制御装置は、リチウムイオン電池による自動運転の退避走行時に必要なバックアップ電力の確保と、鉛電池の充電遅延防止とを両立している。

先行技術

0003

特開2018−069900号公報

発明が解決しようとする課題

0004

上記特許文献1に記載の電池制御装置は、自動運転の要求時に電池の蓄電量を確認することなく自動運転を実行している。しかしながら、車両の安全確保のためには、自動運転の要求があった場合、自動運転を実行する前にリチウムイオン電池が退避走行時に必要なバックアップ電力を出力可能であるか否かを判断することが望ましい。この判断は、通常、退避走行において消費される電流を実際に流して電池を一旦放電させて、その後、電池を所定の蓄電量まで充電する必要があるため時間が掛かる。このため、ドライバーなどから自動運転が要求されても直ちに自動運転を実行することができない。

0005

本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、ドライバーなどから要求された自動運転を素早く実行することができる車両用電池制御装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上記課題を解決するために、本発明の一態様は、自動運転時メイン電池バックアップ可能なサブ電池を制御する車両用電池制御装置であって、サブ電池の電流、電圧、及び温度に関する情報を取得するセンサーと、メイン電池とサブ電池との間に設けられるDCDCコンバーターと、手動運転時と自動運転時とでサブ電池の接続状態を切り替える切り替え部と、センサーが取得した情報に基づいてDCDCコンバーター及び切り替え部を制御し、サブ電池の充放電を制御する制御部とを備え、制御部は、イグニッションオン後の手動運転の期間に、サブ電池が自動運転の退避走行時に必要なバックアップ電力を出力可能であるか否かを、所定の第1電池制御を行って暫定的に判断し、第1電池制御を行ってサブ電池がバックアップ電力を出力可能と判断した場合に自動運転を許可し、自動運転を許可した後、所定の要求に応じて自動運転を実行し、かつ、サブ電池がバックアップ電力を出力可能であるか否かを、第1電池制御よりも精度が高い所定の第2電池制御を行って判断する。

発明の効果

0007

上記本発明の車両用電池制御装置によれば、ドライバーなどから自動運転の要求がある前にサブ電池が退避走行時に必要なバックアップ電力を出力可能と暫定的に判断していれば、自動運転を許可した後に要求された自動運転を素早く実行することができる。

図面の簡単な説明

0008

本発明の一実施形態に係る車両用電池制御装置の概略構成を示す図
手動運転時の車両用電池制御装置の状態を説明する図
自動運転時の車両用電池制御装置の状態を説明する図
制御部が実行する電池制御の処理手順を説明するフローチャート
図3の第1電池制御の詳細な処理手順を説明するフローチャート
図3の第2電池制御の詳細な処理手順を説明するフローチャート
図3の第2電池制御の詳細な処理手順を説明するフローチャート
第1電池制御に用いる劣化検知パルスの一例を説明する図
第1電池制御に用いる電池標準抵抗マップの一例を示す図
電池標準抵抗マップの使用例を説明する図
電池標準抵抗マップの使用例を説明する図
第2電池制御に用いるバックアップ実電流の一例を示す図
サブ電池の異常を判断する一例を説明する図
T4判定マップの一例を示す図
T5判定マップの一例を示す図
本車両用電池制御装置における自動運転の実行タイミングを示す図
従来の車両用電池制御装置における自動運転の実行タイミングを示す図
本車両用電池制御装置における他の自動運転の実行タイミングを示す図

実施例

0009

本発明は、自動運転時にメイン電池をバックアップ可能なサブ電池を制御する車両用電池制御装置である。この車両用電池制御装置は、イグニッションオン後の手動運転の期間にサブ電池の状態を短時間で推定し、その推定結果に基づいてサブ電池が自動運転の退避走行時に必要なバックアップ電力を出力可能であると暫定的に判断できれば、自動運転を直ちに許可できる状態にする。これにより、ドライバーなどから自動運転の要求がある前にサブ電池がバックアップ電力を出力可能と暫定的に判断できていれば、自動運転を許可状態とした後に要求された自動運転を素早く実行することができる。

0010

[実施形態]
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。

0011

<構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る車両用電池制御装置1を含む電源ステムの概略構成を示す図である。図1に例示した電源システムは、メイン電池11と、サブ電池12と、1次系統機器21と、2次系統機器22と、電力供給部30と、接続切り替え回路40、制御部51、センサー(S)52、及びヒーター(H)53を含む車両用電池制御装置1と、を備えている。本電源システムは、手動運転と自動運転とを切り替え可能な車両に搭載される。

0012

メイン電池11、1次系統機器21、接続切り替え回路40、及び電力供給部30は、第1配線101で電気的に接続されている。サブ電池12及び接続切り替え回路40は、第2配線102で電気的に接続されている。2次系統機器22及び接続切り替え回路40は、第3配線103で電気的に接続されている。

0013

電力供給部30は、例えばオルタネータやDCDCコンバーターなど、所定の電力を出力することができる機器である。この電力供給部30が出力する電力は、メイン電池11、1次系統機器21、及び接続切り替え回路40に供給される。

0014

メイン電池11は、例えば鉛蓄電池やリチウムイオン電池などの充放電可能に構成された二次電池である。メイン電池11は、電力供給部30が出力する電力を蓄えたり、自らが蓄えている電力を1次系統機器21及び接続切り替え回路40に放出したりする。

0015

サブ電池12は、例えば鉛蓄電池やリチウムイオン電池などの充放電可能に構成された二次電池である。サブ電池12は、電力供給部30が出力する電力やメイン電池11の電力を接続切り替え回路40を介して蓄えたり、自らが蓄えている電力を接続切り替え回路40を介して2次系統機器22などに放出(供給)したりする。このサブ電池12は、自動運転時にメイン電池11が失陥した場合であっても、自動運転を担う2次系統機器22への電源供給をメイン電池11に代わって維持するバックアップが可能なように冗長的に設けられている。

0016

1次系統機器21は、電力供給部30が出力する電力及び/又はメイン電池11に蓄えられた電力で動作する車載機器である。

0017

2次系統機器22は、電力供給部30が出力する電力及び/又はメイン電池11に蓄えられた電力で動作する車載機器である。この2次系統機器22には、自動運転において緊急時に車両を安全な場所に停車させるまで走行させる、いわゆる退避走行をさせるために必要な機器が含まれる。2次系統機器22は、後述するように、手動運転時には電力供給部30が出力する電力及び/又はメイン電池11に蓄えられた電力で動作し、自動運転時にはさらにサブ電池12に蓄えられた電力でも動作するように構成されている。

0018

接続切り替え回路40は、第1スイッチ41、第2スイッチ42、及びDCDCコンバーター43を構成に含んでいる。第1スイッチ41は、第1配線101と第3配線103との間に開閉可能に配置されている。第2スイッチ42は、第2配線102と第3配線103との間に開閉可能に配置されている。この第1スイッチ41及び第2スイッチ42には、例えば、半導体リレーメカニカルリレーなどが用いられる。DCDCコンバーター43は、第1配線101と第2配線102との間に配置され、第1配線101を介して入力される電力の電圧を所定の電圧に変換して出力する電圧変換器である。

0019

制御部51は、例えばマイコンなどを含む自動運転ECU(Electronic Control Unit)によって構成され、図示しない車載機器から取得する車両情報イグニッションのON/OFF状態、手動運転/自動運転の状態など)に基づいて、接続切り替え回路40の第1スイッチ41及び第2スイッチ42の開閉状態を制御する。

0020

具体的には、制御部51は、車両が手動運転状態のとき、第1スイッチ41を閉成して第1配線101と第3配線103とを接続し、かつ、第2スイッチ42を開放して第2配線102と第3配線103とを切り離す。これにより、2次系統機器22へは、図2Aに示すように、電力供給部30が出力する電力及び/又はメイン電池11に蓄えられた電力が直接供給される。一方、制御部51は、車両が自動運転状態のとき、第1スイッチ41を開放して第1配線101と第3配線103とを切り離し、かつ、第2スイッチ42を閉成して第2配線102と第3配線103とを接続する。これにより、2次系統機器22へは、図2Bに示すように、電力供給部30が出力する電力及び/又はメイン電池11に蓄えられた電力がDCDCコンバーター43を介して間接的に供給される。

0021

また、制御部51は、センサー52から取得するサブ電池12の状態に基づいて、接続切り替え回路40のDCDCコンバーター43の電圧指示値、及びヒーター53による加熱の状態を制御する。この制御については、後述する。

0022

センサー52は、サブ電池12の近傍に設けられ、サブ電池12の状態を監視するための素子である。このセンサー52には、サブ電池12の端子電圧を測定する電圧センサー、サブ電池12に流入/流出する電流を測定する電流センサー、及びサブ電池12の温度を測定する温度センサーなどが含まれる。センサー52で監視されるサブ電池12の状態は、制御部51に出力される。

0023

ヒーター53は、サブ電池12の近傍に設けられ、サブ電池12を温めるための素子である。このヒーター53には、例えばエンジンで発生する熱を利用する熱交換器などが使用される。ヒーター53は、制御部51によって制御される。

0024

<制御>
次に、図3乃至図5Bをさらに参照して、本実施形態に係る車両用電池制御装置1が行う制御を説明する。図3は、車両用電池制御装置1の制御部51が実行する電池制御の処理手順を説明するフローチャートである。図4は、図3の第1電池制御(ステップS302)の詳細な処理手順を説明するフローチャートである。図5A及び図5Bは、図3の第2電池制御(ステップS309)の詳細な処理手順を説明するフローチャートである。

0025

(1)電池制御の流れ
図3に例示する電池制御は、車両のイグニッションがオン状態(IG−ON)になると開始され、イグニッションがオフ状態(IG−OFF)になるまで繰り返し実行される。なお、イグニッションがオンされた直後における車両の状態は、手動運転が行われる状態であるものとして説明する。

0026

ステップS301:制御部51は、第1スイッチ41を閉成し、かつ、第2スイッチ42を開放して、接続切り替え回路40を手動運転に設定する(図2A)。接続切り替え回路40が手動運転に設定されると、ステップS302に処理が進む。

0027

ステップS302:制御部51は、手動運転の期間において、短時間(第1時間)で済む簡易な第1電池制御を実施してサブ電池12の状態を推定する。この第1電池制御については、後述する。

0028

ステップS303:制御部51は、第1電池制御によるサブ電池12の推定結果に基づいて、サブ電池12が所定のバックアップ電力を出力可能な状態にあるか否かを暫定的に判断する。バックアップ電力とは、メイン電池11が失陥した場合などの緊急時にメイン電池11に代わってサブ電池12が電力供給源となったときに、2次系統機器22を駆動して少なくとも車両を安全な場所まで退避走行させるために必要な電力である。サブ電池12がバックアップ電力を出力可能な状態にある場合は(S303、はい)、ステップS304に処理が進み、サブ電池12がバックアップ電力を出力可能な状態にない場合は(S303、いいえ)、ステップS305に処理が進む。

0029

ステップS304:制御部51は、自動運転を許可する。この自動運転の許可とは、車両用電池制御装置1を、ドライバーの指示などによって発生する自動運転要求に応じて直ちに自動運転用に切り替えることができる要求待機状態にすることをいう。自動運転が許可されると、ステップS306に処理が進む。

0030

ステップS305:制御部51は、自動運転を禁止する。この自動運転の禁止とは、車両用電池制御装置1を、ドライバーの指示などによって自動運転要求が発生しても接続切り替え回路40を自動運転用に切り替えない状態にすることをいう。自動運転が禁止されると、ステップS314に処理が進む。

0031

ステップS306:制御部51は、自動運転を許可したか否かを判断する。自動運転を許可した場合は(S306、はい)、ステップS307に処理が進み、自動運転を許可していない場合は(S306、いいえ)、ステップS314に処理が進む。

0032

ステップS307:制御部51は、ドライバーの指示などによって自動運転要求が発生したか否かを判断する。自動運転要求が発生した場合は(S307、はい)、ステップS308に処理が進む。なお、自動運転要求が発生しなければ、イグニッションがオフ状態になるまで、手動運転用として予め定められたSOCとなるようにサブ電池12のSOCが制御される。

0033

ステップS308:制御部51は、第1スイッチ41を開放し、かつ、第2スイッチ42を閉成して、接続切り替え回路40を自動運転に設定する(図2B)。これにより、自動運転が開始される。接続切り替え回路40が自動運転に設定されると、ステップS309に処理が進む。

0034

ステップS309:制御部51は、自動運転の期間において、上記第1電池制御よりも長い時間(第2時間)が掛かり、かつ、高精度な第2電池制御を実施して、サブ電池12の状態を確認する。この第2電池制御については、後述する。

0035

ステップS310:制御部51は、第2電池制御によるサブ電池12の確認結果に基づいて、サブ電池12がバックアップ電力を出力可能な状態にあるか否かを判断する。サブ電池12がバックアップ電力を出力可能な状態にある場合は(S310、はい)、ステップS311に処理が進み、サブ電池12がバックアップ電力を出力可能な状態にない場合は(S310、いいえ)、ステップS312に処理が進む。

0036

ステップS311:制御部51は、現在実行している自動運転を継続する。その後、ステップS313に処理が進む。

0037

ステップS312:制御部51は、自動運転を禁止する。具体的には、制御部51は、現在実行している自動運転を停止して、運転権限をドライバーに移譲した後に自動運転を禁止する。自動運転が禁止されると、ステップS314に処理が進む。

0038

ステップS313:制御部51は、ドライバーの指示などによって自動運転が終了したか否かを判断する。自動運転が終了した場合は(S313、はい)、ステップS314に処理が進み、自動運転が終了していない場合は(S313、いいえ)、ステップS309に処理が進む。

0039

ステップS314:制御部51は、第1スイッチ41を閉成し、かつ、第2スイッチ42を開放して、接続切り替え回路40を手動運転に設定する(図2A)。接続切り替え回路40が手動運転に設定されると、ステップS306に処理が進む。

0040

上述したステップS301〜S314の処理は、車両のイグニッションがオフ状態になった時点で終了する。

0041

(2)第1電池制御
図3のステップS302における第1電池制御では、図4に示す以下のステップS401〜S410が行われる。

0042

ステップS401:制御部51は、サブ電池12の温度及びSOC(蓄電量)がそれぞれの基準を満足するか否かを判断する。サブ電池12の温度が低すぎたりSOCが少なすぎたりすると第1電池制御による判断の精度が低下するため、サブ電池12の温度が所定の温度基準を満足し、かつ、サブ電池12のSOCが所定のSOC基準を満足するか、をまず判断する。各基準は、サブ電池12のスペックや車両に要求される性能などに基づいて適宜設定される。サブ電池12のSOCは、センサー52から取得する情報に基づいて算出することができる。サブ電池12の温度及びSOCが各基準を満足する場合は(S401、はい)、ステップS403に処理が進み、サブ電池12の温度及びSOCが各基準を満足しない場合は(S401、いいえ)、ステップS402に処理が進む。

0043

ステップS402:制御部51は、サブ電池12の温度及びSOCが各基準を満足するまで、サブ電池12を加熱し、かつ、充電する。サブ電池12の加熱はヒーター53を用いて行われ、サブ電池12の充電はDCDCコンバーター43の電圧指示値を制御することで行われる。サブ電池12の温度及びSOCが各基準を満足すると、ステップS403に処理が進む。

0044

ステップS403:制御部51は、劣化検知パルスを用いて、サブ電池12の充放電を実施する。劣化検知パルスとは、例えば図6の左図に示すような、周期が200ミリ秒程度(第1時間)の単発パルスである。制御部51は、この劣化検知パルスを用いた充放電によって変化するサブ電池12の電圧及び電流を観測する。例えば図6の左図に示すように、制御部51は、放電ピーク時のサブ電池12の電圧及び電流の組と、充電ピーク時のサブ電池12の電圧及び電流の組とを取得できる。サブ電池12の充放電が完了すると、ステップS404に処理が進む。

0045

ステップS404:制御部51は、サブ電池12の現在の抵抗値R、サブ電池12の現在のSOC(現SOC)における出力達成温度T1、及びサブ電池12のSOCを所定の値C2に変化させたとき(SOC_C2)における出力達成温度T2を、それぞれ算出する。抵抗値R、出力達成温度T1、及び出力達成温度T2は、以下のようにして算出される。

0046

サブ電池12の抵抗値Rは、上記ステップS403において取得したサブ電池12の電圧及び電流の組に基づいて算出される。抵抗値Rは、例えば図6の右図で示すように、放電ピーク時の電圧及び電流の組(白四角□)と充電ピーク時の電圧及び電流の組(黒四角■)とを電圧電流直交座標系上にプロットし、このプロットされた2つの座標を通る直線の傾きとして算出することができる。なお、プロットされた座標が3つ以上ある場合には、最小二乗法などを用いて求まる近似直線の傾きから抵抗値Rを算出すればよい。

0047

出力達成温度T1は、現SOCにおいてサブ電池12がバックアップ電力を出力可能な状態にあるときの温度であり、出力達成温度T2は、SOC_C2においてサブ電池12がバックアップ電力を出力可能な状態にあるときの温度(第1温度)である。値C2は、自動運転時にサブ電池12の充放電の制御中心となるSOC(第2蓄電量)であり、後述する手動運転時にサブ電池12の充放電の制御中心となるSOCである値C1(第1蓄電量)よりも小さく設定される(C1>C2)。この出力達成温度T1及びT2は、サブ電池12の現在の抵抗値R、所定の電池標準抵抗マップ、及びバックアップ電力が出力可能な所定の抵抗値Rrefを用いて算出される。

0048

電池標準抵抗マップとは、図7に例示するように、電池の温度[℃]と電池のSOC[%]とをパラメータとして電池の抵抗値[Ω]を求めることができる二次元対応表である。この電池標準抵抗マップは、例えば、電池を用いた実験によって得た実測値に基づいて生成されてもよいし、電池のスペックを用いて演算された設計値に基づいて生成されてもよい。図7では、電池のSOC=60%かつ温度=−15℃であれば抵抗値R=r15となり、電池のSOC=40%かつ温度=5℃であれば抵抗値R=r53となることを表している。

0049

図8A及び図8Bを参照して、具体的に説明する。サブ電池12がSOC=60%かつ温度=10℃のときの実測値が抵抗値Rであった場合(図8Aの右図網掛け箇所)を考える。この場合、まず、電池標準抵抗マップにおける条件が同じSOC=60%かつ温度=10℃であるときの抵抗値r65を参照する。次に、電池標準抵抗マップにおいて、予測したい条件の抵抗値と参照先の抵抗値r65との比率を求める。例えば、サブ電池12がSOC=40%かつ温度=0℃であるときの抵抗値R43(図8Aの右図太枠箇所)を予測したい場合は、電池標準抵抗マップにおいて条件が同じSOC=40%かつ温度=0℃であるときの抵抗値r43と参照先の抵抗値r65との比率(=r43/r65)を求める。そして、この求めた比率をサブ電池12の実測値である抵抗値Rに乗算することで、サブ電池12の抵抗値R43を予測することができる(R43=R×r43/r65)。

0050

同様の手順を用いて、サブ電池12の現SOCであるSOC=60%のときの全温度(−15〜+15℃)における抵抗値R13〜R73、及びサブ電池12のSOC_C2であるSOC=40%のときの全温度(−15〜+15℃)における抵抗値R15〜R75が、それぞれ予測される(図8B)。

0051

そして、現SOC(60%)であるときのサブ電池12の抵抗値R13〜R73、及びSOC_C2(40%)であるときのサブ電池12の抵抗値R13〜R73の予測が終了すると、最後に出力達成温度T1及びT2が算出される。出力達成温度T1及びT2の算出には、サブ電池12に関して予め規定されたバックアップ電力が出力可能な抵抗値Rrefに基づいて決定される。例えば、サブ電池12のSOC=60%において、R15〜R35が抵抗値Rrefを満足する場合には、出力達成温度T1として−5℃が算出される。また、サブ電池12のSOC=40%において、R13〜R23が抵抗値Rrefを満足する場合には、出力達成温度T2として−10℃が算出される。

0052

ステップS405:制御部51は、上記ステップS404で算出した出力達成温度T2が所定の判定温度T3未満か否かを判断する。判定温度T3は、バックアップ用として適切に使用できないほど電池が劣化しているか否かを判定するために予め設定された温度(第1基準温度)である。典型的には、判定温度T3は、電池の交換を必要と判断する温度とされる。この判断は、温度変化によってサブ電池12をバックアップ電力が出力可能な抵抗値を満足させることはできるが、過度に温度を上昇させなければならないような場合には、バックアップ用として適切ではないと判定するために実施される。出力達成温度T2が判定温度T3未満である場合は(S405、はい)、ステップS406に処理が進み、出力達成温度T2が判定温度T3以上である場合は(S405、いいえ)、ステップS407に処理が進む。

0053

ステップS406:制御部51は、サブ電池12がバックアップ電力を出力することが可能であると暫定的に判断する。バックアップ電力が出力可能と判断されると、ステップS408に処理が進む。

0054

ステップS407:制御部51は、サブ電池12がバックアップ電力を出力することが不可能であると暫定的に判断する。バックアップ電力が出力不可能と判断されると、第1電池制御が終了する。

0055

ステップS408:制御部51は、サブ電池12の温度が上記ステップS404で算出した出力達成温度T1以上か否かを判断する。この判断は、現在のサブ電池12がバックアップ電力を出力可能である出力達成温度T1以上の状態にあるか否かを判断するために行われる。サブ電池12の温度が出力達成温度T1以上である場合は(S408、はい)、ステップS410に処理が進み、サブ電池12の温度が出力達成温度T1未満である場合は(S408、いいえ)、ステップS409に処理が進む。

0056

ステップS409:制御部51は、サブ電池12の温度が出力達成温度T1に達するまで、サブ電池12を加熱する。サブ電池12の加熱はヒーター53を用いて行われる。サブ電池12の温度が出力達成温度T1に達すると、ステップS410に処理が進む。

0057

ステップS410:制御部51は、サブ電池12の充放電の制御中心となるSOC(制御SOC)を値C1に設定する。この値C1は、手動運転のときに設定されるサブ電池12の制御SOCであり、手動運転から自動運転への切り替えを素早く行えるように、蓄電上限値に基づいて過充電とならない範囲で可能な限り高く設定されることが望ましい。サブ電池12の制御SOCが値C1に設定されると、第1電池制御が終了する。

0058

上記ステップS401〜S410の処理に従った第1電池制御を実施することで、サブ電池12の状態を短時間で暫定的に判断することができる。

0059

(3)第2電池制御
図3のステップS309における第2電池制御では、図5A及び図5Bに示す以下のステップS501〜S516の処理が行われる。なお、図5Aの処理と図5Bの処理とは、結合子X及び結合子Yでそれぞれ結ばれる。

0060

ステップS501:制御部51は、手動運転が自動運転に切り替わって、自動運転が開始された直後か否かを判断する。具体的には、図3のフローチャートにおいて、ステップS308から処理が進んできた場合には自動運転が開始された直後であると判断され、ステップS313から処理が進んできた場合には自動運転が開始された直後ではないと判断される。自動運転の開始直後である場合は(S501、はい)、ステップS502に処理が進み、自動運転の開始直後ではない場合は(S501、いいえ)、ステップS512に処理が進む。

0061

ステップS502:制御部51は、サブ電池12のSOCが値C1以上であるか否かを判断する。サブ電池12のSOCが少なくとも値C1だけあれば、後述するバックアップに必要な実際の電流を放電する処理においてサブ電池12のSOCが2次系統機器22の動作が停止するレベルまで低下しないため、この判断が行われる。サブ電池12のSOCが値C1以上である場合は(S502、はい)、ステップS504に処理が進み、サブ電池12のSOCが値C1未満である場合は(S502、いいえ)、ステップS503に処理が進む。

0062

ステップS503:制御部51は、サブ電池12のSOCが値C1になるまで、サブ電池12を充電する。サブ電池12の充電は、DCDCコンバーター43の電圧指示値を制御することで行われる。サブ電池12のSOCが値C1になると、ステップS504に処理が進む。

0063

ステップS504:制御部51は、バックアップに必要な実際の電流(バックアップ実電流)によるサブ電池12の放電を開始する。このバックアップ実電流とは、緊急時にメイン電池11に代わってサブ電池12が、少なくとも車両を安全な場所へ退避させるまで2次系統機器22を動作させるために必要な電流であり、例えば図9に示すような、所定の電流を長時間(第2時間。例えば15秒)に亘って供給し続ける必要がある。バックアップ実電流を時間を掛けて流すため、上述した第1電池制御よりもサブ電池12の状態を高精度に判断することができる。バックアップ実電流によるサブ電池12の放電が開始されると、ステップS505に処理が進む。

0064

ステップS505:制御部51は、サブ電池12の電圧の低下が正常であるか否かを判断する。この判断は、サブ電池12に何らかの異常(セル異常など)があることを判断するために行われる。上記ステップS504では、図9に示すように一定値のバックアップ実電流を流しているため、放電開始時を除けばサブ電池12の電圧は所定値(正値)未満の大きさの変化速度dで低下するものと考えられる。しかし、図10の左図に示すように、サブ電池12に何らかの異常がある場合には、サブ電池12の電圧が所定値以上の大きさの変化速度dで急峻に大きく低下する現象が生じるので、この現象を判断してサブ電池12の電圧が2次系統機器22の動作を保証する最低保証電圧(一例として10.5V)を下回らないようにする。なお、通常の車両走行時に発生する電動ブレーキ電動パワーステアリングの作動による正常な電圧低下と区別するために、突入電流に基づいた放電電流の変動の有無を検出した場合には(図10の右図)、サブ電池12の電圧が所定値以上の大きさの変化速度で低下しても正常と判断する。サブ電池12の電圧低下が正常である場合は(S505、はい)、ステップS506に処理が進み、サブ電池12の電圧低下が正常でない場合は(S505、いいえ)、ステップS507に処理が進む。

0065

ステップS506:制御部51は、サブ電池12の電圧低下が正常であるため、バックアップ実電流によるサブ電池12の放電が予定通り終了したか否かを判断する。サブ電池12の放電が終了した場合は(S506、はい)、ステップS508に処理が進み、サブ電池12の放電がまだ終了していない場合は(S506、いいえ)、ステップS505に処理が進む。

0066

ステップS507:制御部51は、サブ電池12の電圧低下が異常であるため、サブ電池12の放電を中止する。異常を判断した時点で放電を直ちに中止することで、サブ電池12の電圧が最低保証電圧以下に低下することを回避し、2次系統機器22の動作停止を防止できる。サブ電池12の放電を中止した後、ステップS517に処理が進む。

0067

ステップS508:制御部51は、サブ電池12が、最低保証電圧を維持しつつ、2次系統機器22に供給することが可能な実際の電力(出力可能電力P)を算出する。この出力可能電力Pは、バックアップ実電流による放電が終了した時点におけるサブ電池12の電圧値(放電後降下電圧Vend)と放電期間中にサブ電池12から流した電流の平均値平均電流Iave)とに基づいて、下記式[1]から算出可能である(図9を参照)。出力可能電力Pが算出されると、ステップS509に処理が進む。
出力可能電力P = 放電後降下電圧Vend × 平均電流Iave …[1]

0068

ステップS509:制御部51は、上記ステップS508で算出したサブ電池12の出力可能電力Pが、所定の保証温度T4における電力条件を満足するか否かを判断する。保証温度T4は、使用開始からそれほど時間が経過しておらず電池の経年劣化が小さい場合に、バックアップの実行可能を保証したいサブ電池12の最低温度(第2基準温度)である。この判断は、所定の判定マップに基づいて行われる。判定マップは、サブ電池12の温度[℃]とSOC[%]とをパラメータとしてバックアップを実行可能な出力可能電力Pが示された二次元対応表である。

0069

図11Aに、保証温度T4=−15℃における判定マップの一例を示す。図11AのT4判定マップは、温度=−15℃かつSOC=40%においてサブ電池12がバックアップの実行を可能とするために、各状態においてサブ電池12が満足すべき出力可能電力Pの値(P11〜P53)を示している。例えば、温度=0℃かつSOC=45%であるときに算出したサブ電池12の出力可能電力Pが、T4判定マップで示される出力可能電力P42以上であれば、サブ電池12が温度=−15℃かつSOC=40%に変化してもバックアップの実行可能を保証できるものと判定される。

0070

よって、このステップS509では、上記ステップS508で算出されたサブ電池12の出力可能電力Pが、その算出時におけるサブ電池12の温度及びSOCに対応したT4判定マップの出力可能電力P以上であるか否かを判定することによって、保証温度T4における電力条件を満足するか否かを判断する。出力可能電力Pが保証温度T4における電力条件を満足する場合は(S509、はい)、ステップS511に処理が進み、出力可能電力Pが保証温度T4における電力条件を満足しない場合は(S509、いいえ)、ステップS510に処理が進む。

0071

ステップS510:上記ステップS509において出力可能電力Pが保証温度T4における電力条件を満足しないため、制御部51は、経年劣化によってサブ電池12の出力が低下していると判定し、次にサブ電池12の出力可能電力Pが所定の保証温度T5における電力条件を満足するか否かを判断する。この保証温度T5は、劣化が進んでいるサブ電池12をヒーター53で温度管理しながら継続使用する場合において、バックアップの実行可能を保証したいサブ電池12の最低温度(第2基準温度)であり、上記保証温度T4よりも高く設定される。この判断も、サブ電池12の温度[℃]とSOC[%]とをパラメータとしてバックアップを実行可能な出力可能電力Pが示された判定マップに基づいて行われる。

0072

図11Bに、保証温度T5=−10℃における判定マップの一例を示す。図11BのT5判定マップは、温度=−10℃かつSOC=40%においてサブ電池12がバックアップの実行を可能とするために、各状態においてサブ電池12が満足すべき出力可能電力Pの値(P111〜P143)を示している。例えば、温度=0℃かつSOC=45%であるときに算出したサブ電池12の出力可能電力Pが、T5判定マップで示される出力可能電力P132以上であれば、サブ電池12が温度=−10℃かつSOC=40%に変化してもバックアップの実行可能を保証できるものと判定される。

0073

よって、このステップS510では、上記ステップS508で算出されたサブ電池12の出力可能電力Pが、その算出時におけるサブ電池12の温度及びSOCに対応したT5判定マップの出力可能電力P以上であるか否かを判定することによって、保証温度T5における電力条件を満足するか否かを判断する。出力可能電力Pが保証温度T5における電力条件を満足する場合は(S510、はい)、ステップS512に処理が進み、出力可能電力Pが保証温度T5における電力条件を満足しない場合は(S510、いいえ)、ステップS517に処理が進む。

0074

なお、上記ステップS509及びS510では、2つの保証温度T4及びT5を用いて、サブ電池12の出力可能電力Pが所定の電力条件を満足するか否かの判断を行う場合を説明した。しかし、この判断は、保証温度T4だけで行ってもよいし、サブ電池12の経年劣化による出力の低下具合劣化度)に応じて3つ以上の保証温度を段階的に用いて行ってもよい。

0075

ステップS511:制御部51は、保証温度T4を監視温度として設定する。監視温度は、実行中の自動運転を継続すべきか否かを判断するための基準である。監視温度が設定されると、ステップS513に処理が進む。

0076

ステップS512:制御部51は、保証温度T5を監視温度として設定する。監視温度が設定されると、ステップS513に処理が進む。

0077

ステップS513:制御部51は、サブ電池12の充放電の制御中心となるSOC(制御SOC)を値C2に設定する。この値C2は、自動運転のときに設定されるサブ電池12の制御SOCであり、1次系統機器21よりも耐久電圧が低い2次系統機器22に応じて適切に設定されることが望ましい。サブ電池12の制御SOCが値C2に設定されると、ステップS514に処理が進む。

0078

ステップS514:制御部51は、サブ電池12のSOCが値C2で制御可能か否かを判断する。この判断は、上記ステップS513において制御SOCを値C2に設定したものの、実際の動作においてサブ電池12を値C2で制御できない状況(異常や劣化)を検出するために行われる。サブ電池12のSOCを値C2で制御可能である場合は(S514、はい)、ステップS515に処理が進み、サブ電池12のSOCを値C2で制御不可能である場合は(S514、いいえ)、ステップS517に処理が進む。

0079

ステップS515:制御部51は、サブ電池12の温度が監視温度以上であるか否かを判断する。この判断は、サブ電池12の温度が上記保証温度(T4又はT5)よりも低下していないかを検出するために行われる。サブ電池12の温度が監視温度以上である場合は(S515、はい)、ステップS516に処理が進み、サブ電池12の温度が監視温度未満である場合は(S515、いいえ)、ステップS517に処理が進む。

0080

ステップS516:制御部51は、サブ電池12がバックアップ電力を出力することが可能であると判断する。この出力可能が判断されると、第2電池制御が終了する。

0081

ステップS517:制御部51は、サブ電池12がバックアップ電力を出力することが不可能であると判断する。この出力不可能が判断されると、第2電池制御が終了する。

0082

上記ステップS501〜S517の処理に従った第2電池制御を実施することで、サブ電池12の状態をバックアップ実電流を用いて精度よく判断することができる。

0083

(4)タイミングチャート
図12及び図13を参照して、本実施形態に係る車両用電池制御装置1において、ドライバーから要求された自動運転を素早く実行することができることを説明する。図12は、本実施形態に係る車両用電池制御装置1における自動運転の実行タイミングを示す図である。図13は、従来の車両用電池制御装置における自動運転の実行タイミングを示す図である。

0084

図12に示す本車両用電池制御装置1では、手動運転の段階で第1電池制御を実施して、自動運転を許可している(タイミング(1))。これにより、実際に自動運転要求が発生すると(タイミング(2))直ちに自動運転を開始することができる。この自動運転の実行と並行して第2電池制御を実施し、その後にサブ電池12で自動運転のバックアップが可能であることを精度よく判断できれば(タイミング(3))、自動運転をそのまま継続する。

0085

これに対して、図13に示す従来の車両用電池制御装置では、実際に自動運転要求が発生してから電池制御を実施する。このため、実際に自動運転要求が発生しても(タイミング(2))、判断ができるまで自動運転を開始することができない(タイミング(3))。よって、タイミング(2)からタイミング(3)までの期間分、自動運転の開始が遅れることになる。

0086

なお、例えば寒冷地などサブ電池12の温度が低くSOCが低下しているような状況では、図14に示すように、イグニッションONと同時にヒーター53でサブ電池12を温めて温度を上昇させてもよい。これにより、イグニッションON後に短時間で出力電力を確保することができ、素早く自動運転を許可状態にすることが可能となる。

0087

[作用・効果]
上述した本発明の一実施形態に係る車両用電池制御装置1によれば、イグニッションオン後の手動運転の期間に、サブ電池12の状態を短時間で推定し(第1電池制御)、その推定結果に基づいてサブ電池12が自動運転の退避走行時に必要なバックアップ電力を出力可能であるか否かを暫定的に判断する(第1電池制御)。そして、サブ電池12がバックアップ電力を出力可能であると暫定的に判断できれば、自動運転を直ちに許可できる状態にする。これにより、ドライバーなどから自動運転の要求がある前にサブ電池12がバックアップ電力を出力可能であると暫定的に判断できていれば、自動運転を許可状態とした後に要求された自動運転を素早く実行することができる。

0088

また、本実施形態に係る車両用電池制御装置1によれば、自動運転を許可した後にドライバーなどからの要求に応じて自動運転を実際に実行すると、自動運転の退避走行時に必要とされるバックアップ電流を実際に流して、サブ電池12がバックアップ電力を出力可能であるか否かを高精度に判断する(第2電池制御)。これにより、サブ電池12がバックアップ電力を出力可能であることを確実に判断することができる。

0089

また、本実施形態に係る車両用電池制御装置1によれば、第2電池制御によるサブ電池12の放電中にサブ電池12の出力電圧が所定値以上の大きさの変化速度で低下したと判断した場合、サブ電池12の放電を停止する。これにより、サブ電池12の電圧が2次系統機器22の動作を保証する最低保証電圧以下に低下することを回避し、2次系統機器22の動作停止を防止できる。

0090

さらに、本実施形態に係る車両用電池制御装置1によれば、自動運転時におけるサブ電池12の充放電の制御中心となる制御SOC(SOC_C2)を、2次系統機器22の耐久電圧に基づいて設定する。この制御により、自動運転時には2次系統機器22の保護とバックアップの保証とを両立させることができる。

0091

以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は、車両用電池制御装置、車両用電池制御装置を含んだ電源システム、車両用電池制御装置が実行する電池制御方法、電池制御プログラム及び当該プログラムを記憶したコンピューター読み取り可能な非一時的な記録媒体、あるいは車両用電池制御装置を搭載した車両として捉えることができる。

0092

本発明の車両用電池制御装置は、自動運転のバックアップ用の電池を備えた車両などに利用可能である。

0093

1車両用電池制御装置
11メイン電池
12サブ電池
21 1次系統機器
222次系統機器
30電力供給部
40接続切り替え回路
41 第1スイッチ
42 第2スイッチ
43DCDCコンバーター
51 制御部
52センサー
53 ヒーター

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