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技術 希土類磁石の製造方法

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 佐久間紀次木下昭人
出願日 2019年3月22日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-055543
公開日 2020年9月24日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-155740
状態 未査定
技術分野 硬質磁性材料 粉末冶金 コア、コイル、磁石の製造
主要キーワード 電動サーボシリンダ 金属亜鉛粉末 乾式ジェットミル 無加圧焼結 筒型容器 液相拡散 焼結圧力 亜鉛成分
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

SmFeN粉末改質材粉末混合粉末磁場成形体を焼結したとき、焼結体残留磁化の低下を安定して抑制可能な希土類磁石の製造方法を提供する。

解決手段

SmFeN粉末を含有する磁性粉末と改質材粉末の混合粉末の磁場成形体を得ること、及び、前記磁場成形体に圧力を付加しつつ、前記磁場成形体中の磁性粉末粒子の表面に亜鉛成分固相又は液相拡散させて、前記磁場成形体を焼結すること、を含み、前記圧縮成形前又は前記圧縮成形と同時に、前記磁性粉末の粒子のうち、1μm以下の粒径を有する微粉粒子を除去すること、をさらに含む、希土類磁石の製造方法。

概要

背景

高性能希土類磁石としては、Sm−Co系希土類磁石及びNd−Fe−B系希土類磁石が実用化されているが、近年、これら以外の希土類磁石が検討されている。

例えば、Sm、Fe、及びNを含有する希土類磁石(以下、「Sm−Fe−N系希土類磁石」ということがある。)が検討されている。Sm−Fe−N系希土類磁石は、例えば、Sm、Fe、及びNを含有する磁性粉末(以下、「SmFeN粉末」ということがある。)を用いて製造される。

SmFeN粉末は、Th2Zn17型及びTh2Ni17型のいずれかの結晶構造を有する磁性相を含有する。この磁性相は、Sm−Fe結晶にNが侵入型で固溶していると考えられている。そのため、SmFeN粉末は、熱によってNが乖離して分解され易い。このことから、Sm−Fe−N系希土類磁石は、SmFeN粉末を樹脂及び/又はゴム等を用いて成形して製造されることが多い。

それ以外のSm−Fe−N系希土類磁石の製造方法としては、例えば、特許文献1に開示されている製造方法が挙げられる。この製造方法は、SmFeN粉末と金属亜鉛を含有する粉末(以下、「金属亜鉛粉末」ということがある。)を混合し、その混合粉末を磁場中で成形し、その磁場成形体を焼結液相焼結を含む)する。

概要

SmFeN粉末と改質材粉末の混合粉末の磁場成形体を焼結したとき、焼結体残留磁化の低下を安定して抑制可能な希土類磁石の製造方法を提供する。SmFeN粉末を含有する磁性粉末と改質材粉末の混合粉末の磁場成形体を得ること、及び、前記磁場成形体に圧力を付加しつつ、前記磁場成形体中の磁性粉末粒子の表面に亜鉛成分固相又は液相拡散させて、前記磁場成形体を焼結すること、を含み、前記圧縮成形前又は前記圧縮成形と同時に、前記磁性粉末の粒子のうち、1μm以下の粒径を有する微粉粒子を除去すること、をさらに含む、希土類磁石の製造方法。

目的

すなわち、本開示は、SmFeN粉末と改質材粉末の混合粉末の磁場成形体を焼結したとき、焼結体の残留磁化の低下を安定して抑制可能な希土類磁石の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

Sm、Fe、及びNを含有し、少なくとも一部がTh2Zn17型及びTh2Ni17型のいずれかの結晶構造を有する磁性相を含有する磁性粉末を準備すること、金属亜鉛及び亜鉛合金の少なくともいずれかを含有する改質材粉末を準備すること、前記磁性粉末と前記改質材粉末を混合して、混合粉末を得ること、前記混合粉末を磁場中で圧縮成形して、磁場成形体を得ること、及び前記磁場成形体に圧力を付加しつつ、前記磁場成形体中の磁性粉末粒子の表面に亜鉛成分固相又は液相拡散させて、前記磁場成形体を焼結すること、を含み、前記圧縮成形の前又は前記圧縮成形と同時に、前記磁性粉末の粒子のうち、1μm以下の粒径を有する微粉粒子を除去すること、をさらに含む、希土類磁石の製造方法。

技術分野

0001

本開示は、希土類磁石の製造方法に関する。本開示は、特に、Sm、Fe、及びNを含有し、少なくとも一部がTh2Zn17型及びTh2Ni17型のいずれかの結晶構造を有する磁性相を備える希土類磁石の製造方法に関する。

背景技術

0002

高性能希土類磁石としては、Sm−Co系希土類磁石及びNd−Fe−B系希土類磁石が実用化されているが、近年、これら以外の希土類磁石が検討されている。

0003

例えば、Sm、Fe、及びNを含有する希土類磁石(以下、「Sm−Fe−N系希土類磁石」ということがある。)が検討されている。Sm−Fe−N系希土類磁石は、例えば、Sm、Fe、及びNを含有する磁性粉末(以下、「SmFeN粉末」ということがある。)を用いて製造される。

0004

SmFeN粉末は、Th2Zn17型及びTh2Ni17型のいずれかの結晶構造を有する磁性相を含有する。この磁性相は、Sm−Fe結晶にNが侵入型で固溶していると考えられている。そのため、SmFeN粉末は、熱によってNが乖離して分解され易い。このことから、Sm−Fe−N系希土類磁石は、SmFeN粉末を樹脂及び/又はゴム等を用いて成形して製造されることが多い。

0005

それ以外のSm−Fe−N系希土類磁石の製造方法としては、例えば、特許文献1に開示されている製造方法が挙げられる。この製造方法は、SmFeN粉末と金属亜鉛を含有する粉末(以下、「金属亜鉛粉末」ということがある。)を混合し、その混合粉末を磁場中で成形し、その磁場成形体を焼結液相焼結を含む)する。

先行技術

0006

国際公開第2015/199096号公報

発明が解決しようとする課題

0007

磁場成形体の焼結方法には、大別して、無加圧焼結法と加圧焼結法がある。いずれの焼結法においても、磁場成形体を焼結することによって、高密度の希土類磁石(焼結体)が得られる。無加圧焼結法においては、焼結中の磁場成形体に圧力を付与しないため、高密度の焼結体を得るには、900℃以上の高温で3時間以上の長時間にわたり磁場成形体を焼結することが一般的である。一方、加圧焼結法においては、焼結中の磁場成形体に圧力を付与するため、600〜800℃の低温でも0.1〜5時間の短時間で磁場成形体を焼結しても、高密度の焼結体を得られることが一般的である。

0008

SmFeN粉末と金属亜鉛粉末の混合粉末の磁場成形体を焼結する場合、SmFeN粉末の熱による分解を避けるため、加圧焼結を採用するが、通常の加圧焼結の焼結温度よりもさらに低温で焼結する。このような低温でも焼結が可能であるのは、焼結時に金属亜鉛粉末中の亜鉛成分が磁性粉末の表面に固相又は液相拡散して、焼結(固化)するためである。このように、磁場成形体中の金属亜鉛粉末は、バインダとしての機能を有する。また、磁場成形体中の金属亜鉛粉末は、SmFeN粉末中のαFe相改質し、SmFeN粉末中の酸素を吸収して保磁力を向上させる、改質材としての機能も有する。このように、バインダと改質材の両方の機能を有する粉末としては、金属亜鉛粉末のほかに、亜鉛合金粉末が挙げられる。

0009

しかし、SmFeN粉末と改質材粉末の混合粉末の磁場成形体を焼結したとき、その焼結体について、所望の密度が得られていても、残留磁化が低下していることがある、という課題を、本発明者らは見出した。

0010

本開示は、上記課題を解決するためになされたものである。すなわち、本開示は、SmFeN粉末と改質材粉末の混合粉末の磁場成形体を焼結したとき、焼結体の残留磁化の低下を安定して抑制可能な希土類磁石の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

本発明者らは、上記目的を達成すべく、鋭意検討を重ね、本開示の希土類磁石の製造方法を完成させた。本開示の希土類磁石の製造方法は、次の態様を含む。
〈1〉Sm、Fe、及びNを含有し、少なくとも一部がTh2Zn17型及びTh2Ni17型のいずれかの結晶構造を有する磁性相を含有する磁性粉末を準備すること、
金属亜鉛及び亜鉛合金の少なくともいずれかを含有する改質材粉末を準備すること、
前記磁性粉末と前記改質材粉末を混合して、混合粉末を得ること、
前記混合粉末を磁場中で圧縮成形して、磁場成形体を得ること、及び
前記磁場成形体に圧力を付加しつつ、前記磁場成形体中の磁性粉末粒子の表面に亜鉛成分を固相又は液相拡散させて、前記磁場成形体を焼結すること、
を含み、
前記圧縮成形の前又は前記圧縮成形と同時に、前記磁性粉末の粒子のうち、1μm以下の粒径を有する微粉粒子を除去すること、
をさらに含む、
希土類磁石の製造方法。

発明の効果

0012

本開示によれば、磁性粉末の粒子のうち、所定の粒径以下の微粉粒子を除去することによって、焼結体の残留磁化の低下を安定して抑制可能な希土類磁石の製造方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0013

図1は、磁性粉末の粒子のうち、所定の粒径以下の微粉粒子を除去する前後の磁性粉末の状態を示す模式図である。
図2は、微粉粒子の状態を示す模式図である。
図3は、磁性粉末の粒度飽和磁化の関係を示すグラフである。
図4は、微粉を含有する磁性粉末と微粉についての磁化曲線である。
図5は、磁場成形体をダイスキャビティに挿入した状態を示す模式図である。

0014

以下、本開示の希土類磁石の製造方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は、本開示の希土類磁石の製造方法を限定するものではない。

0015

磁性粉末と改質材粉末の混合粉末の磁場成形体を焼結する場合の問題について、図面を用いて説明する。

0016

図1は、磁性粉末の粒子のうち、所定の粒径以下の微粉粒子を除去する前後の磁性粉末の状態を示す模式図である。図2は、微粉粒子の状態を示す模式図である。

0017

図1に示したように、磁性粉末10には、所定の粒径以下の微粉粒子20を含有している。このような微粉粒子20を含有している磁性粉末10と改質材粉末との混合粉末の焼結体においては、焼結体の密度が低下していないにもかかわらず、残留磁化が低下していた。この理由について、発明者は次の事項を知見した。なお、本明細書において、特に断りのない限り、磁性粉末粒子とは磁性粉末を構成している粒子を意味し、改質材粒子とは改質材粉末を構成する粒子を意味し、微粉粒子とは、微粉を構成する粒子を意味する。

0018

磁性粉末10の製造方法は、大別して、a)Sm−Fe粉末を窒化してSm−Fe−N粉末を得る方法と、b)Sm−Fe合金粗粉砕し、その粗粉砕粒を窒化してから、さらにそれを粉砕してSm−Fe−N粉末を得る方法がある。いずれの方法においても、微粉の発生が避けられない。a)の方法においては、Sm−Fe粉末を得る際に微粉が発生し、b)の方法においては、窒化後の粗粉砕粒をさらに粉砕する際に微粉が発生する。そして、理論に拘束されないが、図2に示したように、磁性粉末10中の微粉粒子20には、結晶性低下部23及びαFe部25が存在していると考えられる。

0019

理論に拘束されないが、粉砕及び/又は過剰な窒化によって、微粉粒子20にはひずみが過剰に導入され、磁性相の結晶構造が乱れて、結晶性低下部23が形成される。そして、この結晶性低下部23により、飽和磁化が低下する。

0020

図3は、磁性粉末の粒度と飽和磁化の関係を示すグラフである。粒度(D50)が小さいほど飽和磁化が低下しており、粒度(D50)が1μm以下のとき、飽和磁化の低下が特に著しい。これは、粒度(D50)が小さいほど微粉の含有量が多く、図2に示した結晶性低下部23の影響が大きいためである。また、粒度(D50)が1μm以下である場合には、磁性粉末10のほとんどが微粉であることから、飽和磁化の低下が特に著しい。

0021

図3に示したように、微粉であっても(例えば、粒度(D50)が1μm以下であっても)、飽和磁化が著しく低下するものの、飽和磁化が全く消失される訳ではない。しかし、微粉はその体積に対して表面積が大きいため、焼結時に、微粉のほぼ全域に改質材粉末中の亜鉛成分が拡散する。これにより、微粉においては、焼結により、その飽和磁化のほとんどを消失する。したがって、微粉を含む磁性粉末を用いると、焼結体(希土類磁石)の残留磁化が低下する。

0022

また、理論に拘束されないが、微粉粒子20中のαFe部25は、過剰な窒化により、磁性相が分解することによって形成される。図4は、微粉を含有する磁性粉末と微粉についての磁化曲線である。図4に示した微粉の磁化曲線から理解できるように、αFe部25が多くなると、クニックが発生する。それにより、微粉を含む磁性粉末10の残留磁化は低下する。なお、クニックとは、磁化曲線(M−H曲線)の保磁力を示す領域以外の領域において、磁場の僅かな減少に対して、磁化が急激に低下することをいう。

0023

上述したa)の方法で磁性粉末10を製造する場合には、Sm−Fe粉末の製造時に生成される微粉粒子20が過剰に窒化されることによって、結晶性低下部23及びαFe25部が形成されると考えられる。上述したb)の方法で磁性粉末10を製造する場合には、窒化された粗粉砕粒をさらに粉砕するとき、結晶性低下部23が形成されると考えられる。また、粗粉砕粒の窒化時に、粗粉砕粒の最表面部の一部が過剰に窒化されて、αFe部25が形成されると考えられる。

0024

これまで説明してきたことから、磁性粉末10に微粉が含まれていると、磁性粉末10と改質材粉末との混合粉末の焼結体の残留磁化が低下する。これを解決するため、磁性粉末10の粒子のうち、微粉粒子20を除去した後、磁性粉末10と改質材粉末を混合し、その混合粉末を磁場中で圧縮成形して、それを焼結すると、焼結体(希土類磁石)の残留磁化の低下を安定して抑制することができる。なお、磁場中での圧縮成形が完了する前であれば、微粉粒子20を除去することができる。詳細は後述する。そして、これらのことは、微粉粒子20の粒界が小さいが故に、粉砕及び/又は過剰な窒化によって、微粉粒子20中に、結晶性低下部23及びαFe部25が形成され、これは、SmFeN粉末特有のものであることに依るものである。

0025

これまで述べてきた知見等によって完成された、本開示の希土類磁石の製造方法の構成要件を、次に説明する。

0026

《希土類磁石の製造方法》
本開示の希土類磁石の製造方法は、磁性粉末準備工程、改質材粉末準備工程、混合工程、磁場成形工程、焼結工程、及び微粉除去工程を含む。以下、各工程について説明する。

0027

〈磁性粉末準備工程〉
磁性粉末を準備する。本開示の希土類磁石の製造方法に用いる磁性粉末は、Sm、Fe、及びNを含有し、少なくとも一部がTh2Zn17型及びTh2Ni17型のいずれかの結晶構造を有する磁性相を含有すれば、特に制限はない。磁性相の結晶構造としては、前述の構造のほかに、TbCu7型の結晶構造を有する相等が挙げられる。なお、Smはサマリウム、Feは鉄、そして、Nは窒素である。また、Thはトリウム、Znは亜鉛、Niはニッケル、Tbはテルビウム、そして、Cuは銅である。

0028

磁性粉末中には、例えば、組成式(Sm(1−i)Ri)2(Fe(1−j)Coj)17Nhで表される磁性相を含有してもよい。本開示の製造方法で得られる希土類磁石(以下、「成果物」ということがある。)は、磁性粉末中の磁性相に由来して、磁気特性発現する。なお、i、j、及びhは、モル比である。

0029

磁性粉末中の磁性相には、本開示の製造方法の効果及び成果物の磁気特性を阻害しない範囲で、Rを含有していてもよい。このような範囲は、上記組成式のiで表される。iは、例えば、0以上、0.10以上、又は0.20以上であってよく、0.50以下、0.40以下、又は0.30以下であってよい。Rは、Sm以外の希土類元素並びにY及びZrから選ばれる1種以上である。本明細書で、希土類元素とは、Sc、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、及びLuである。なお、Yはイットリウム、Zrはジルコニウム、Scはスカンジウム、Laはランタン、Ceはセリウム、Prはプラセオジム、Ndはネオジム、Pmはプロメチウム、Smはサマリウム、Euはユウロビウム、Gdはガドリニウム、Tbはテルビウム、Dyはジスプロシウム、Hoはホルミウム、Erはエルビウム、Tmはツリウム、Ybはイッテルビウム、そして、Luはルテニウムである。

0030

(Sm(1−i)Ri)2(Fe(1−j)Coj)17Nhについては、典型的には、Sm2(Fe(1−j)Coj)17NhのSmの位置にRが置換しているが、これに限られない。例えば、Sm2(Fe(1−j)Coj)17Nhに、侵入型でRの一部が配置されていてもよい。

0031

磁性粉末中の磁性相には、本開示の製造方法の効果及び成果物の磁気特性を阻害しない範囲で、Coを含有してもよい。このような範囲は、上記組成式で、jで表される。jは、0以上、0.10以上、又は0.20以上であってよく、0.52以下、0.40以下、又は0.30以下であってよい。

0032

(Sm(1−i)Ri)2(Fe(1−j)Coj)17Nhについては、典型的には、(Sm(1−i)Ri)2Fe17NhのFeの位置にCoが置換しているが、これに限られない。例えば、(Sm(1−i)Ri)2Fe17Nhに、侵入型でCoの一部が配置されていてもよい。

0033

磁性粉末中の磁性相は、(Sm(1−i)Ri)2(Fe(1−j)Coj)17で表される結晶粒に、Nが侵入型で存在することによって、磁気特性の発現及び向上に寄与する。

0034

(Sm(1−i)Ri)2(Fe(1−j)Coj)17Nhについては、hは1.5〜4.5をとり得るが、典型的には、(Sm(1−i)Ri)2(Fe(1−j)Coj)17N3である。hは、1.8以上、2.0以上、又は2.5以上であってもよく、4.2以下、4.0以下、又は3.5以下であってもよい。(Sm(1−i)Ri)2(Fe(1−j)Coj)17Nh全体に対する(Sm(1−i)Ri)2(Fe(1−j)Coj)17N3の含有量は、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%がより一層好ましい。一方、(Sm(1−i)Ri)2(Fe(1−j)Coj)17Nhのすべてが(Sm(1−i)Ri)2(Fe(1−j)Coj)17N3でなくてもよい。(Sm(1−i)Ri)2(Fe(1−j)Coj)17Nh全体に対する(Sm(1−i)Ri)2(Fe(1−j)Coj)17N3の含有量は、98質量%以下、95質量%以下、又は92質量%以下であってよい。

0035

磁性粉末は、(Sm(1−i)Ri)2(Fe(1−j)Coj)17Nhで表される磁性相の他に、本開示の製造方法の効果及び成果物の磁気特性を実質的に阻害しない範囲で、酸素及びM1並びに不可避的不純物元素を含有してもよい。成果物の磁気特性を確保する観点からは、磁性粉末全体に対する、(Sm(1−i)Ri)2(Fe(1−j)Coj)17Nhで表される磁性相の含有量は、80質量%以上、85質量%以上、又は90質量%以上であってよい。一方、磁性粉末全体に対して、(Sm(1−i)Ri)2(Fe(1−j)Coj)17Nhで表される磁性相の含有量を過度に高くしなくとも、実用上問題はない。したがって、その含有量は、97質量%以下、95質量%以下、又は93質量%以下であってよい。(Sm(1−i)Ri)2(Fe(1−j)Coj)17Nhで表される磁性相の残部が、酸素及びM1の含有量となる。また、M1の一部は、侵入型及び/又は置換型で、磁性相に存在していてもよい。

0036

上述のM1としては、Ga、Ti、Cr、Zn、Mn、V、Mo、W、Si、Re、Cu、Al、Ca、B、Ni、及びCから選ばれる1種以上が挙げられる。不可避的不純物元素とは、原材料及び/又は磁性粉末を製造等するに際し、その含有を回避することが避けられない、あるいは、回避するためには著しい製造コストの上昇を招くような不純物元素のことをいう。これらの元素は、置換型及び/又は侵入型で上述した磁性相に存在していてもよいし、上述した磁性相以外の相に存在していてもよい。あるいは、これらの相の粒界に存在していてもよい。なお、Gaはガリウム、Tiはチタン、Crはクロム、Znは亜鉛、Mnはマンガン、Vはバナジウム、Moはモリブデン、Wはタングステン、Siはシリコン、Reはレニウム、Cuは銅、Alはアルミニウム、Caはカルシウム、Bはホウ素、Niはニッケル、そして、Cは炭素である。

0037

磁性粉末の粒径D50は、成果物が所望の磁気特性を有する限りにおいて、特に制限はない。D50は、例えば、1μm超、2μm以上、3μm以上、4μm以上、5μm以上、6μm以上、7μm以上、8μm以上、又は9μm以上であってよく、20μm以下、19μm以下、18μm以下、17μm以下、16μm以下、15μm以下、14μm以下、13μm以下、12μm以下、11μm以下、又は10μm以下であってよい。なお、D50は、メジアン径を意味する。また、磁性粉末のD50は、例えば、乾式レーザ回折散乱法によって測定される。

0038

本開示の製造方法では、磁性粉末に、後述する改質材粉末を混合する。磁性粉末中の酸素は、改質材粉末中の金属亜鉛又は亜鉛合金粉末に吸収されることで、成果物の磁気特性、特に保磁力を向上させることができる。磁性粉末中の酸素の含有量は、製造工程中で、改質材粉末が、磁性粉末中の酸素を吸収する量を考慮して決定すればよい。磁性粉末の酸素含有量は、磁性粉末全体に対して、低い方が好ましい。磁性粉末の酸素含有量は、磁性粉末全体に対して、2.00質量%以下が好ましく、1.34質量%以下がより好ましく、1.05質量%以下がより一層好ましい。一方、磁性粉末中の酸素の含有量を極度に低減することは、製造コストの増大を招く。このことから、磁性粉末の酸素の含有量は、磁性粉末全体に対して、0.1質量%以上、0.2質量%以上、又は0.3質量%以上であってよい。

0039

磁性粉末は、これまで説明してきたことを満足すれば、その製造方法に特に制限はなく、市販品を用いてもよい。磁性粉末の製造方法としては、例えば、サマリウム酸化物及び鉄粉から還元拡散法でSm−Fe粉末を製造し、窒素と水素混合ガス窒素ガス、及びアンモニアガス等の雰囲気中で600℃以下の加熱処理をして、Sm−Fe−N粉末を得る方法等が挙げられる。あるいは、例えば、溶解法でSm−Fe合金を製造し、その合金を粗粉砕して得た粗粉砕粒を窒化し、それを所望の粒径になるまで、さらに粉砕する方法等が挙げられる。粉砕には、例えば、乾式ジェットミル乾式ボールミル湿式ボールミル、又は湿式ビーズミル等を用いることができる。これらを組み合わせて用いてもよい。

0040

〈改質材粉末準備工程〉
改質材粉末を準備する。本開示の製造方法で用いる改質材粉末は、金属亜鉛及び亜鉛合金の少なくともいずれかを含有する。

0041

金属亜鉛とは、合金化されていない亜鉛のことを意味する。金属亜鉛の純度は、95.0質量%以上、98.0質量%以上、99.0質量%以上、又は99.9質量%以上であってよい。

0042

亜鉛合金をZn−M2で表すと、M2は、Zn(亜鉛)と合金化して、亜鉛合金の溶融開始温度を、Znの融点よりも降下させる元素及び不可避的不純物元素であることが好ましい。亜鉛合金の溶融開始温度を、Znの融点よりも降下させるM2としては、ZnとM2とで共晶合金を形成する元素が挙げられる。このようなM2としては、典型的には、Sn、Mg、及びAl並びにこれらの組み合せ等が挙げられる。Snはスズ、Mgはマグネシウム、そして、Alはアルミニウムである。これらの元素による融点降下作用、及び、成果物の特性を阻害しない元素についても、M2として選択することができる。また、不可避的不純物元素とは、改質材粉末の原材料に含まれる不純物等、その含有を回避することが避けられない、あるいは、回避するためには著しい製造コストの上昇を招くような不純物元素のことをいう。

0043

Zn−M2で表される亜鉛合金において、Zn及びM2の割合(モル比)は、焼結温度が適正になるように適宜決定すればよい。亜鉛合金全体に対するM2の割合(モル比)は、例えば、0.05以上、0.10以上、又は0.20以上であってよく、0.90以下、0.80以下、0.70以下、0.60以下、0.50以下、0.40以下、又は0.30以下であってよい。

0044

改質材粉末の粒径は、特に制限はないが、磁性粉末(微粉を除く)の粒径よりも細かい方が好ましい。改質材粉末の粒径は、D´50(メジアン径)で、例えば、0.1μm以上、0.5μm以上、1μm以上、又は2μm以上であってよく、12μm以下、11μm以下、10μm以下、9μm以下、8μm以下、7μm以下、6μm以下、5μm以下、又は4μm以下であってよい。また、改質材粉末の粒径D´50(メジアン径)は、例えば、乾式レーザ回折・散乱法によって測定される。

0045

改質材粉末の酸素含有量が少ないと、磁性粉末中の酸素を多く吸収できて好ましい。この観点からは、改質材粉の酸素含有量は、改質材粉末全体に対し、5.0質量%以下が好ましく、3.0質量%がより好ましく、1.0質量%以下がより一層好ましい。一方、改質材粉末の酸素の含有量を極度に低減することは、製造コストの増大を招く。このことから、改質材粉末の酸素の含有量は、改質材粉末全体に対して、0.1質量%以上、0.2質量%以上、又は0.3質量%以上であってよい。

0046

〈混合工程〉
磁性粉末と改良材粉末を混合して、混合粉末を得る。混合方法に、特に制限はない。混合方法としては、乳鉢マラーホイールミキサーアジテータ式ミキサー、メカノフュージョンV型混合器、及びボールミル等を用いて混合する方法が挙げられる。これらの方法を組み合わせてもよい。なお、V型混合器は、2つの筒型容器をV型に連結した容器を備え、その容器を回転することにより、容器中の粉末が、重力遠心力で集合と分離が繰り返され、混合される装置である。

0047

上述したように、改質材粉末は、バインダと改質材の両方の機能を有する。しかし、改質材粉末は、成果物の磁化に寄与しないため、改質材粉末の混合量が過剰であると、成果物の磁化が低下する。バインダ及び改質材としての機能を確保する観点から、混合粉末全体に対して、亜鉛成分が、1質量%以上、3質量%以上、6質量%以上、又は9質量%以上になるように、改質材粉末を混合してよい。成果物の磁化の低下を抑制する観点から、混合粉末全体に対して、亜鉛成分が、20質量%以下、18質量%以下、又は16質量%以下になるように、改質材粉末を混合してよい。なお、亜鉛成分とは、改質材粉末中の亜鉛の量を意味し、例えば、改質材粉末が金属亜鉛と亜鉛合金の両方を含有する場合には、金属亜鉛中の亜鉛の量と亜鉛合金中の亜鉛の量の合計である。

0048

〈磁場成形工程〉
混合粉末を磁場中で圧縮成形して、磁場成形体を得る。これにより、磁場成形体に配向性を付与することができ、成果物(希土類磁石)に異方性を付与して残留磁化を向上させることができる。

0049

磁場成形方法は、周囲に磁場発生装置を設置した成形型を用いて、混合粉末を圧縮成形する方法等、常法でよい。成形圧力は、50MPa以上、100MPa以上、又は150MPa以上であってよく、1500MPa以下、1000MPa以下、又は500MPa以下であってよい。印加する磁場の大きさは、0.3T以上、0.5T以上、又は1.0T以上であってよく、5.0T以下、4.0T以下、又は3.0T以下であってよい。磁場の印加方法としては、電磁石を用いた静磁場を印加する方法、及び交流を用いたパルス磁場を印加する方法等が挙げられる。

0050

〈焼結工程〉
磁場成形体に圧力を付加しつつ、磁場成形体中の磁性粉末粒子の表面に亜鉛成分を固相又は液相拡散させて、磁場成形体を焼結(加圧焼結)する。

0051

加圧焼結の方法は、特に限定されないが、磁場成形体を焼結する方法の一例について、図面を用いて説明する。図5は、磁場成形体をダイスのキャビティに挿入した状態を示す模式図である。キャビティ65を有するダイス60と、キャビティ65の内部を摺動可能なパンチ50を準備する。そして、キャビティ65の内部に磁場成形体70を挿入し、パンチ50で磁場成形体70に圧力を付加しつつ、磁場成形体70を焼結する。

0052

図5に示したパンチ50は円柱型であり、ダイス60のキャビティ65は円筒型であるが、これに限られず、成果物の形状によって、パンチ50及びキャビティ65の形状を種々変更できる。また、ダイス60の外形については、操業上の都合等、種々の事情に応じて適宜選択できる。

0053

パンチ50には加圧装置(図示しない)が連結され、パンチ50をキャビティ65の内部で軸方向(図5の上下方向)に摺動させることにより、磁場成形体70に圧力を付与する。図5に示した態様においては、二つのパンチ50を備えているが、両方を摺動させてもよいし、いずれか一方を摺動させてもよい。加圧装置としては、例えば、油圧シリンダ空圧シリンダ、又は電動サーボシリンダ並びにこれらの組合せ等が挙げられる。また、パンチ50及びダイス60の少なくともいずれかに、その内部又は外周にヒータ(図示しない)が設置されるか、あるいは、パンチ50及びダイス60の少なくともいずれかを、加熱炉に挿入できるようにする。典型的には、例えば、ダイス60の外周にヒータ又は加熱炉を設置することが挙げられる。

0054

磁場成形体に圧力を付与しつつ、磁場成形体を焼結する(以下、「加圧焼結する」ということがある。)ことができれば、パンチ50及びダイス60の態様は、図5に示した態様に限られない。図5に示した態様では、ダイス60に貫通孔を設け、貫通孔をキャビティ65としているが、これに限られない。例えば、ダイス60に、底部が閉塞されたキャビティ65を設け、底部と反対側にパンチ50を設けてもよい。

0055

磁場成形時の成形型を、加圧焼結時に用いるパンチ50及びダイス60と共用してもよい。その際、キャビティ内の混合粉末に磁場を適用し易く、かつ加圧焼結時の高温及び高圧に耐えられる観点から、パンチ50及びダイス60材質は、例えば、WC超硬合金及び/又はインコネル等が好ましい。

0056

磁場成形体70が含有する金属亜鉛又は亜鉛合金の融点のうち、最も低い融点をT℃とする。このとき、焼結温度が(T−30)℃以上であれば、磁場成形体70中の金属亜鉛又は亜鉛合金が軟化又は液化し、磁場成形体70中の磁性相に亜鉛成分を固相又は液相拡散させることができる。これにより、金属亜鉛又は亜鉛合金がバインダとして機能して、磁場成形体70中の個々の磁性粉末の粒子を互いに連結する。また、亜鉛成分が磁性粉末中のαFeを改質して保磁力向上に寄与する。そして、亜鉛成分が磁性粉末中の酸素を吸収して保磁力向上に寄与する。これらの観点からは、焼結温度は、(T−20)℃以上、(T−10)℃以上、又はT℃以上であってもよい。なお、金属亜鉛の融点は、溶融開始温度とする。また、亜鉛合金が共晶合金である場合には、溶融開始温度は、共晶温度とする。

0057

「磁場成形体70が含有する金属亜鉛又は亜鉛合金の融点のうち、最も低い融点をT℃としたとき、磁場成形体70を、(T−30)℃以上で焼結する」とは、例えば、次のことを意味する。

0058

磁場成形体70が、金属亜鉛を含有し、かつ、亜鉛合金を含有しない場合には、Tは金属亜鉛の融点である。金属亜鉛の融点は419.5℃であるため、磁場成形体70を、389.5(419.5−30)℃以上で焼結する。

0059

磁場成形体70が、金属亜鉛を含有せず、かつ、亜鉛合金を含有する場合には、Tは亜鉛合金の融点である。亜鉛合金が複数種類の亜鉛合金である場合には、それらの亜鉛合金の融点のうち、最も低い融点をTとする。例えば、亜鉛合金として、Zn−Sn合金(共晶温度:200℃)とZn−Mg合金(共晶温度:341℃)を含有する場合には、170(200−30)℃以上で磁場成形体70を焼結する。

0060

磁場成形体70が、金属亜鉛と亜鉛合金の両方を含有する場合には、Tは、亜鉛合金の融点である。例えば、改良材粉末が、金属亜鉛とZn−Mg合金(共晶温度:341℃)とを含有する場合、焼結温度は、311(341−30)℃以上である。

0061

これまでの説明から、焼結温度は、典型的には、150℃以上、170℃以上、200℃以上、240℃以上、280℃以上、300℃以上、390℃以上、400℃以上、410℃以上、420℃以上、又は430℃以上であってよい。

0062

一方、焼結温度が、磁場成形体70が含有する磁性相の分解温度未満であれば、磁性相のNが乖離して分解することはなく、上述した亜鉛成分の磁性粉末への固相又は液相拡散が成立し、磁場成形体70の焼結体が得られる。焼結温度としては、500℃以下、480℃以下、又は450℃以下であってよい。

0063

焼結圧力については、磁場成形体70の密度を高めることができる焼結圧力を、適宜選択できる。焼結圧力は、典型的には、50MPa以上、100MPa以上、200MPa以上、又は400MPa以上であってよく、2GPa以下、1.5GPa以下、1.0GPa以下、又は700MPa以下であってよい。

0064

焼結時間は、磁場成形体70の質量等によって、適宜決定すればよい。焼結時間には、熱処理温度に達するまでの昇温時間は含まない。焼結時間は、例えば、5分以上、10分以上、30分以上、又は50分以上であってよく、600分以下、240分以下、又は120分以下であってよい。

0065

焼結時間が経過したら、焼結体を冷却して、焼結を終了する。冷却速度は、速い方が、焼結体(成果物)の酸化等を抑制することができる。冷却速度は、例えば、0.5〜200℃/秒であってよい。

0066

焼結雰囲気については、磁場成形体70及び焼結体(成果物)の酸化を抑制するため、不活性ガス雰囲気が好ましい。不活性ガス雰囲気には、窒素ガス雰囲気を含む。

0067

〈微粉除去工程〉
磁性粉末10の粒子のうち、1μm以下の粒径を有する微粉粒子20を除去する。このような粒径の微粉粒子20を除去することによって、成果物の残留磁化の低下を抑制することができる。この観点からは、除去する微粉粒子20の粒径は、0.9μm以下、0.8μm以下、0.7μm以下、0.6μm以下、0.5μm以下、0.4μm以下、0.3μm以下、又は0.2μm以下であってもよい。除去する微粉粒子20の粒径の下限に特に制限はない。微粉粒子20の下限は、例えば、0.01μm、0.02μm、0.03μm、0.04μm、0.05μm、0.06μm、0.07μm、0.08μm、又は0.09μmであってよい。

0068

上述した粒径の微粉粒子20を除去することができれば、除去方法に、特に制限はない。除去方法としては、サイクロン分級装置を用いる方法、ふるいを用いる方法、磁界を利用する方法、又は静電気を利用する方法等が挙げられる。これらの組合せであってもよい。磁界を利用する方法は、磁界中(磁場中)で粉末を落下させたとき、粗粉と微粉とで、鉛直方向からの離間距離が異なることを利用する方法である。印加する磁界(磁場)の大きさについては、粉末、特に、磁性粉末が磁化しない程度の大きさとする。静電気を利用する方法は、電界中(電場中)で粉末を落下させたとき、粗粉と微粉とで、鉛直方向からの離間距離が異なることを利用する方法である。

0069

上述した磁場中での圧縮成形が完了する前であれば、微粉粒子を除去することができる。すなわち、磁場中での圧縮成形の前又は磁場中での圧縮成形と同時に、微粉粒子を除去することができる。例えば、磁性粉末を準備しながら、微粉粒子を除去してもよい。この場合、例えば、サイクロン分級装置の内部で、窒化した粗粉砕を粉砕することが挙げられる。あるいは、例えば、磁性粉末を準備した後、磁性粉末と改質材粉末を混合する前に、微粉粒子を除去してもよい。この場合、例えば、準備した磁性粉末をサイクロン分級装置の内部に装入して、微粉粒子を除去することが挙げられる。あるいは、例えば、磁性粉末と改質材粉末の混合中又は後に、微粉粒子を除去してもよい。この場合、サイクロン分級装置の内部で、磁性粉末と改質材粉末を混合すること、あるいは、サイクロン分級装置に混合粉末を装入して、微粉粒子を除去することが挙げられる。あるいは、例えば、磁場中での圧縮成形中に微粉粒子を除去してもよい。この場合、例えば、サイクロン分級装置の内部に、磁場中での圧縮成形装置を設置して、混合粉末を圧縮成形することが挙げられる。そして、これまで例示した方法を組み合わせてもよい。また、これまで例示した方法で、サイクロン分級装置を用いる方法は、ふるいを用いる方法並びに磁界又は静電気を用いる方法に置き換えてもよい。

0070

以下、本開示の希土類磁石の製造方法を実施例及び比較例により、さらに具体的に説明する。なお、本開示の希土類磁石の製造方法は、以下の実施例で用いた条件に限定されるものではない。

0071

試料の準備》
希土類磁石の試料を次の要領で準備した。

0072

磁性粉末として、SmFeN粉末を準備した。SmFeN粉末は、99質量%のSm2Fe17N3を含有していた。SmFeN粉末の粒度は表1に示すとおりであった。

0073

改質材粉末として、金属亜鉛粉末を準備した。金属亜鉛粉末の粒度(D´50)は0.5μmであった。また、金属亜鉛粉末の純度は99.9999質量%であった。

0074

SmFeN粉末と金属亜鉛粉末を混合する前に、SmFeN粉末をサイクロン分級装置の内部に装入して、粒径が1μm以下の微粉を除去した。サイクロン分級装置としては、日清エンジニアリング社製のエアロファインクラシファイア(A−20)を用いた。

0075

磁性粉末中の微粉を除去した後、V型混合機を用いて、磁性粉末と改質材粉末を混合して、混合粉末を得た。混合粉末全体に対する金属亜鉛の混合量は、表1に示すとおりであった。

0076

混合粉末を磁場中で圧縮成形し磁場成形体70を得た。圧縮成形の圧力は200MPaであった。印加した磁場は1Tであった。

0077

図1に示したパンチ50及びダイス60を用いて磁場成形体70を焼結した。具体的には、磁場成形体70をダイス60のキャビティ65に挿入し、パンチ50で磁場成形体70を加圧しつつ、5分にわたり焼結した。

0078

《評価》
各試料(焼結体)について、密度と磁気特性を測定した。測定は室温で行った。密度はアルキメデス法で測定し、磁気特性は振動試料型磁力計VSM)を用いて測定した。

0079

評価結果を表1に示す。

0080

実施例

0081

微粉除去をした実施例の試料は、微粉除去をしなかった比較例と比べて、残留磁化の低下を抑制できていることを確認できた。これにより、本開示の希土類磁石の製造方法の効果を確認できた。

0082

10磁性粉末
20微粉粒子
23結晶性低下部
25 αFe部
50パンチ
60ダイス
65キャビティ
70磁場成形体

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