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技術 透過型スクリーン

出願人 株式会社有沢製作所日華化学株式会社
発明者 丸田一野田史織吉田武司
出願日 2019年3月22日 (2年7ヶ月経過) 出願番号 2019-055148
公開日 2020年9月24日 (1年0ヶ月経過) 公開番号 2020-154242
状態 未査定
技術分野 電気信号の光信号への変換 OHP及び映写スクリーン レンズ以外の光学要素
主要キーワード ナノダイヤ 円周率π 設置方式 凸凹面 グラファイト相 視野制御 広角光 ナノダイヤモンド
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年9月24日)のものです。
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図面 (4)

課題

透過型スクリーンにおいて、遮光膜を含む前部透明シートは、外光を吸収することで映像コントラストを高めることができるが、化学処理によって形成された不均一な凸凹面を含む広角光散乱シートは、映像光拡散させるものの、映像光の拡散方向ムラを生じさせ、映像のコントラストを低下させていた。

解決手段

透過型スクリーンは、平板状の支持層部と、透明なガラスおよびバインダー樹脂の少なくとも何れかの中にダイヤモンド粒子を含有するナノダイヤ層部とが積層されたベース層と、ベース層の一面上に設けられるプリズム層とを備え、プリズム層は、第1の方向に並んだ複数のプリズム部を有し、複数のプリズム部はそれぞれ、第1の方向に交差する第2の方向に延在し、少なくとも一方の面がベース層の主面の法線方向に対して傾斜して他方の面と交差する一対の面を含む。

概要

背景

透明板の前面に、断面が三角形状であって、三角形状の凸状部の一方の傾斜面上に外光を吸収するための遮光膜が形成された前部透明シート貼付け、透明板の後面に、表面を化学処理によって粗面にされた広角光拡散シートを貼付けて形成した、広角光拡散シートの側から映像光を透過させる透過型スクリーンが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、透明基板上に、光透過層光遮光層とを交互に繰り返し配置したルーバー層からなる視野制御フィルタを設け、視野制御フィルタ上に、ダイヤモンド粒子からなる光散乱体を含有する散乱層を設け、散乱層で映像光を反射させる反射型スクリーンが知られている(例えば、特許文献2参照)。
先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]WO 02/056112
[特許文献2]特開2017−227901号公報

概要

透過型スクリーンにおいて、遮光膜を含む前部透明シートは、外光を吸収することで映像コントラストを高めることができるが、化学処理によって形成された不均一な凸凹面を含む広角光散乱シートは、映像光を拡散させるものの、映像光の拡散方向ムラを生じさせ、映像のコントラストを低下させていた。透過型スクリーンは、平板状の支持層部と、透明なガラスおよびバインダー樹脂の少なくとも何れかの中にダイヤモンド粒子を含有するナノダイヤ層部とが積層されたベース層と、ベース層の一面上に設けられるプリズム層とを備え、プリズム層は、第1の方向に並んだ複数のプリズム部を有し、複数のプリズム部はそれぞれ、第1の方向に交差する第2の方向に延在し、少なくとも一方の面がベース層の主面の法線方向に対して傾斜して他方の面と交差する一対の面を含む。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

平板状の支持層部と、透明なガラスおよびバインダー樹脂の少なくとも何れかの中にダイヤモンド粒子を含有するナノダイヤ層部とが積層されたベース層と、前記ベース層の一面上に設けられるプリズム層とを備え、前記プリズム層は、第1の方向に並んだ複数のプリズム部を有し、前記複数のプリズム部はそれぞれ、前記第1の方向に交差する第2の方向に延在し、少なくとも一方の面が前記ベース層の主面の法線方向に対して傾斜して他方の面と交差する一対の面を含む、透過型スクリーン

請求項2

前記プリズム層は更に、前記複数のプリズム部のそれぞれにおいて、前記一対の面の何れか一方の面上に設けられ、光を吸収する光吸収部を有する、を含む、請求項1に記載の透過型スクリーン。

請求項3

前記一対の面のうち、前記光吸収部が設けられる前記一方の面は、前記ベース層の主面に対して60°〜90°を成し、他方の面は、前記ベース層の主面に対して30°〜50°を成す、請求項2に記載の透過型スクリーン。

請求項4

前記ベース層と前記プリズム層とを互いに貼り付けるための粘着層であって、前記ダイヤモンド粒子の色味に対する補色に着色されている粘着層を更に備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の透過型スクリーン。

請求項5

前記ベース層の、前記プリズム層が設けられる一面とは反対側の他面上に設けられるハードコート層を更に備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の透過型スクリーン。

請求項6

請求項1から5のいずれか一項に記載の透過型スクリーンと、前記透過型スクリーンの前記ベース層の側に配置され、映像を形成する映像光を透過型スクリーンに投影するプロジェクタとを備えるプロジェクタシステム

請求項7

前記第1の方向は鉛直方向であり、前記透過型スクリーンおよび前記プロジェクタは、前記映像光の主光線が、入射角の絶対値が15°〜42°で前記ベース層に入射し、前記複数のプリズム部のそれぞれにおける前記一対の面のうち、光を吸収する部材が設けられない面から、出射角の絶対値が15°以下で出射するように設置される、請求項6に記載のプロジェクタシステム。

請求項8

前記ナノダイヤ層部に含有される前記ダイヤモンド粒子の濃度は、前記ナノダイヤ層部に対して1〜20質量%である、請求項7に記載のプロジェクタシステム。

技術分野

0001

本発明は、透過型スクリーンに関する。

背景技術

0002

透明板の前面に、断面が三角形状であって、三角形状の凸状部の一方の傾斜面上に外光を吸収するための遮光膜が形成された前部透明シート貼付け、透明板の後面に、表面を化学処理によって粗面にされた広角光拡散シートを貼付けて形成した、広角光拡散シートの側から映像光を透過させる透過型スクリーンが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、透明基板上に、光透過層光遮光層とを交互に繰り返し配置したルーバー層からなる視野制御フィルタを設け、視野制御フィルタ上に、ダイヤモンド粒子からなる光散乱体を含有する散乱層を設け、散乱層で映像光を反射させる反射型スクリーンが知られている(例えば、特許文献2参照)。
先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]WO 02/056112
[特許文献2]特開2017−227901号公報

発明が解決しようとする課題

0003

上記の透過型スクリーンにおいて、前部透明シートは、遮光膜によって外光を吸収することで、スクリーン投影される映像コントラストを高めることができるが、広角光散乱シートは、映像光と同様に外光を拡散させるため、コントラストが低下する。一方、上記の反射型スクリーンは、外光と映像光のように異なる方向から散乱層に入射する光の屈折を制御する機構を備えておらず、光の制御性が低かった。

課題を解決するための手段

0004

本発明の一態様においては、平板状の支持層部と、透明なガラスおよびバインダー樹脂の少なくとも何れかの中にダイヤモンド粒子を含有するナノダイヤ層部とが積層されたベース層と、ベース層の一面上に設けられるプリズム層とを備え、プリズム層は、第1の方向に並んだ複数のプリズム部を有し、複数のプリズム部はそれぞれ、第1の方向に交差する第2の方向に延在し、少なくとも一方の面がベース層の主面の法線方向に対して傾斜して他方の面と交差する一対の面を含む、透過型スクリーンが提供される。

0005

本発明の一態様においては、上記の透過型スクリーンと、透過型スクリーンのベース層の側に配置され、映像を形成する映像光を透過型スクリーンに投影するプロジェクタとを備えるプロジェクタシステムが提供される。

0006

上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。これらの特徴群サブコンビネーションもまた発明となり得る。

図面の簡単な説明

0007

プロジェクタシステム10の模式的な側面図である。
プロジェクタシステム10の模式的な斜視図である。
映像光の入射角出射角との関係の一例を説明する表である。

0008

以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明する。下記の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。

0009

図1は、プロジェクタシステム10の模式的な側面図であり、図2は、プロジェクタシステム10の模式的な斜視図である。以降の各図では、各構成の向きに対応して、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」または「後」という用語が矢印と共に示されており、これらの用語を用いて各構成を説明する。なお、以降の説明において、上下方向には鉛直方向が含まれてもよく、前後方向および左右方向には水平方向が含まれてもよい。

0010

図1に示すように、プロジェクタシステム10は、プロジェクタ20と、透過型スクリーン100とを備える。プロジェクタ20は、透過型スクリーン100の後方且つ上方に配置され、映像を形成する映像光を透過型スクリーン100に投影する。透過型スクリーン100は、プロジェクタ20によって投影された映像光を散乱させる。これにより、透過型スクリーン100の前方にいる観察者15に対して、透過型スクリーン100に映し出した映像を見せることができる。なお、プロジェクタ20によって投影された映像光は透過型スクリーン100の前方及び後方に一様に散乱するため、観察者15は、透過型スクリーン100の後方からも当該映像を見ることができる。

0011

図2に示すように、透過型スクリーン100は、ベース層101と、ベース層101の一面上に設けられるプリズム層102とを備える。透過型スクリーン100は更に、ベース層101とプリズム層102とを互いに貼り付けるための粘着層110と、ベース層101の、プリズム層102が設けられる一面とは反対側の他面上に設けられるハードコート層111とを備える。

0012

また、図2に示す通り、透過型スクリーン100に対して、プロジェクタ20は、ベース層101の側に配置される。透過型スクリーン100は、前方および後方から見て、例えば正方形長方形などに形成されており、長方形の場合には左右方向に横長であってもよい。なお、図2においては、2本の波線の間に含まれる透過型スクリーン100の上下方向の一部の図示と、2本の波線の間に含まれる透過型スクリーン100の左右方向の一部の図示とを省略している。

0013

ベース層101は、平板状の支持層部103と、ナノダイヤ層部104とが積層されている。本実施形態のベース層101は、図示の通り、透過型スクリーン100の後方から、ナノダイヤ層部104、支持層部103の順に積層されている。これにより、本実施形態の透過型スクリーン100においては、プリズム層102は、ベース層101の支持層部103の一面上に設けられる。なお、これに代えて、ベース層101は、透過型スクリーン100の後方から、支持層部103、ナノダイヤ層部104の順に積層され、プリズム層102は、ナノダイヤ層部104の一面上に設けられてもよい。

0014

支持層部103は、透過型スクリーン100の全体を支持する高強度で透明な支持体であり、好ましくは光学的に等方な材料であり、例えば透明なPETフィルムであってもよい。支持層部103の厚みは、例えば100μmであってもよい。

0015

ナノダイヤ層部104は、透明なガラスおよびバインダー樹脂の少なくとも何れかの中にダイヤモンド粒子を含有する。ダイヤモンド粒子は、相対的に濃度(含有量)が高くなると拡散性が強まり、均一な拡散性が得られる。一方、相対的に濃度が低くなると拡散性が弱まり透過方向への指向性が強くなる傾向を有する。ナノダイヤ粒子は、ガラスビーズシリカビーズ等の光拡散材料に比べて、添加量が少なくても大きな光拡散量が得られる。

0016

ナノダイヤ層部104は、ダイヤモンド粒子を、透明なガラスおよびバインダー樹脂の少なくとも何れかの中に分散させて形成するのが好ましく、特に高分子樹脂の中に分散させて形成するのが好ましい。バインダー樹脂は、例えばポリプロピレン樹脂アクリル樹脂エポキシ樹脂ポリカーボネート樹脂ポリエステル樹脂スチレン樹脂アクリルスチレン共重合樹脂ウレタン樹脂などである。バインダー樹脂は、好ましくは光学的に等方な材料であってもよい。

0017

ダイヤモンド粒子は、天然ダイヤモンドの粒子又は人工ダイヤモンドの粒子を用いることができる。人工ダイヤモンドとしては、単結晶ダイヤモンド多結晶ダイヤモンド等があるが、例えば、爆射法で得られたグラファイト相を有する単結晶ナノダイヤモンド酸化処理して得られるものが好ましい。爆射法で得られたナノダイヤモンド(グラファイト相を有するナノダイヤモンド)は、ダイヤモンドの表面をグラファイト系炭素が覆ったコアシェル構造を有しており、そのため黒く着色している。このため酸化処理を施すことにより、グラファイト相がほとんど除去されたダイヤモンド粒子とするのが好ましい。

0018

溶剤等との親和性を高めるため、ダイヤモンド粒子の表面をケイ素又はフッ素で修飾して用いても良い。特にダイヤモンド粒子をフッ素処理して得られたフッ素化ダイヤモンド粒子は、高分子樹脂への分散性に優れており、光を散乱するフィラーとして好適である。

0019

ダイヤモンド粒子は特に限定されないが、比重が3.25g/cm3より大きいものであるのが好ましく、3.5g/cm3以下であるのが好ましい。爆射法で得られたダイヤモンドは、1〜10nm程度の径を有するナノサイズのダイヤモンドが凝集したメジアン径10〜250nm(動的光散乱法)の粒子であるので、光を散乱するフィラーとして使用する場合、さらに凝集させて使用するのが好ましい。

0020

ダイヤモンド粒子のメジアン径は、0.01〜1μmであるのが好ましい。特に、ダイヤモンド粒子のメジアン径は、コントラストをより向上させる観点から、1μm以下であるのが好ましく、0.7μm以下であるのがより好ましく、0.4μm以下であるのが更に好ましい。また、ダイヤモンド粒子のメジアン径は、明度をより向上させる観点から、0.01μm以上であるのが好ましく、0.03μm以上であるのがより好ましい。

0021

ダイヤモンド粒子の2次粒子径は、一例として、800nm、600nm、200nmなどであってもよい。結晶構造は、一例として、単結晶または多結晶であってもよい。ナノダイヤ濃度は、一例として、コントラスト及び明度をより向上させる観点から、ガラス又はバインダー樹脂に対して3〜15質量%であってもよい。

0022

なお、ダイヤモンド粒子に追加して、金属系無機粒子を用いてもよい。金属系無機粒子は、金属酸化物又は金属酸化物以外のものを微粒化したものが用いられる。金属酸化物としては、酸化ジルコニウム酸化チタン酸化亜鉛酸化アルミニウム酸化セリウム等を挙げることができ、金属酸化物以外としては、チタン酸バリウム硫酸バリウム等を挙げることができる。特に、投射光散乱性、粒子の凝集性及び製造コストの観点から、酸化ジルコニウム、酸化チタン粒子酸化セリウム粒子、チタン酸バリウム及び硫酸バリウム粒子を用いるのが好ましい。これらの金属系無機粒子は、1種のみで使用しても良く、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0023

金属系無機粒子は、市販のものを使用してもよく、例えば、酸化ジルコニウム粒子としては、SZR−W、SZR−CW、SZR−M、SZR−K(以上、堺化学工業(株)製、商品名)等、酸化チタン粒子としては、GT−10W2(堺化学工業(株)製)等を好適に使用することができる。

0024

金属系無機粒子は、ガラス又は高分子樹脂中一次粒子の単独で存在しても良いが、少なくとも一部が凝集した状態で存在するのが好ましい。一次粒子の単独で存在する場合も、凝集状態で存在する場合も、金属系無機粒子のメジアン径は、0.01〜1μmであるのが好ましい。特に、金属系無機粒子のメジアン径は、コントラストをより向上させる観点から、1μm以下であるのが好ましく、0.7μm以下であるのがより好ましく、0.4μm以下であるのが更に好ましい。また、金属系無機粒子のメジアン径は、明度をより向上させる観点から、0.01μm以上であるのが好ましく、0.03μm以上であるのがより好ましい。

0025

ナノダイヤ層部104の厚みは、例えば6μmであってもよい。ナノダイヤ層部104は、バインダー樹脂を用いる場合、ダイヤモンド粒子を含有する樹脂溶液を支持層部103の表面に塗布することにより形成しても良いし、あらかじめ作製したダイヤモンド粒子を含有するバインダー樹脂からなるシートを支持層部103上に貼り付けて形成しても良い。上記の樹脂溶液を支持層部103の表面に塗布することによりナノダイヤ層部104を形成する場合、熱硬化性又はUV硬化性のバインダー樹脂を用いるのが好ましい。塗布方法としては、バーコート法ディップコート法フローコート法スプレーコート法スピンコート法ローラーコート法等が挙げられる。

0026

プリズム層102は、上下方向に並んだ複数のプリズム部105を有する。プリズム層102は更に、複数のプリズム部105のそれぞれにおいて、一対の面の何れか一方の面上に設けられ、光を吸収する光吸収部109を有する。本実施形態における光吸収部109は、各プリズム部105の上面106の表面上に形成されている。なお、各プリズム部105は、光吸収部109を設けられていなくてもよい。

0027

本実施形態における複数のプリズム部105は、上下方向に互いに平行に並んでいる。図2に示す通り、複数のプリズム部105はそれぞれ、上下方向に直交する左右方向に延在する。ここで言う「直交」とは、「交差」の一例である。各プリズム部105の左右方向の長さは、ベース層101の左右方向の長さと等しい。

0028

また、複数のプリズム部105はそれぞれ、三角形状の断面を有し、少なくとも一方の面がベース層101の主面の法線方向である前後方向に対して傾斜して他方の面と交差する一対の面を含む。本実施形態における複数のプリズム部105はそれぞれ、前後方向に対して傾斜する上面106および下面108を有し、上面106と下面108とは左右方向に延在する交線107で交差する。なお、ベース層101の主面とは、ベース層101の前面の細かい凸凹を無視した仮想的な平面である。以降の主面に関する説明においても、同様とし、重複する説明を省略する。

0029

上面106および下面108は、ベース層101の前面に対して前方に飛び出している。図2に示す通り、使用状態において、上面106は透過型スクリーン100の前方且つ上方を向いており、下面108は透過型スクリーン100の前方且つ下方を向いている。

0030

一対の面のうち、上面106は、ベース層101の主面に対して60°〜90°を成し、下面108は、ベース層101の主面に対して30°〜50°を成してもよい。上面106とベース層101の主面との間の角度を上記範囲内であることを前提として、下面108とベース層101の主面との間の角度が30°よりも小さい場合、透過型スクリーン100の前方且つ上方から入射する外光を上面106上の光吸収部109が吸収する割合が下がり、透過型スクリーン100に投影される映像のコントラストが低下する。一方で、上記の前提のもと、下面108とベース層101の主面との間の角度が50°よりも大きい場合、透過型スクリーン100の後方且つ上方から入射する映像光を下面108上の光吸収部109が吸収する割合が上がるため、透過型スクリーン100に投影される映像光のコントラストが上昇するが、映像の明るさが低下する。

0031

一例として、下面108とベース層101の主面との間の角度は40°であり、上面106とベース層101の主面との間の角度は80°である。各プリズム部105の下面108とベース層101の主面との間の角度をθとした場合、製造工程の簡略化の観点からは、角度θを複数のプリズム部105の全てに対して等しくすることが好ましい。一方で、各プリズム部105の角度θは、画質向上の観点からは、他のプリズム部105との間で異ならせることが好ましい。

0032

各プリズム部105の上下方向の長さ、すなわち複数のプリズム部105のピッチは、例えば約100μmから300μm程度である。各プリズム部105の前後方向の長さ、すなわち複数のプリズム部105の高さは、例えば約70μmから200μm程度である。なお、各プリズム部105の左右方向の長さは、ベース層101の左右方向の長さよりも短くてもよい。

0033

各プリズム部105を構成する材料のうち、バインダー樹脂は、ベース層101のナノダイヤ層部104と同様に、例えばポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、アクリルスチレン共重合樹脂、ウレタン樹脂である。

0034

光吸収部109は、バインダー樹脂及びフィラーを含む。バインダー樹脂は、例えばウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂である。フィラーは、例えばカーボンブラック黒色色素粒子である。「光吸収部」という用語は、透過型スクリーン100の他の構成要素、例えば複数のプリズム部105、ベース層101などと比較して光吸収率が高い部分を意味する。

0035

光吸収部109は、映像光とは異なる方向、例えば使用状態における透過型スクリーン100の前方且つ上方から入射する照明光などの外光を吸収する。これにより、透過型スクリーン100によって拡散される映像光のコントラストが向上する。

0036

なお、図2に示す通り、複数のプリズム部105はそれぞれ、一対の面の上記何れか一方の面ではない他方の面、すなわち下面108上において、光吸収部109のような部材を設けられていない。従って、当該面は、当該面に入射する光を吸収せずに透過または反射させる。

0037

粘着層110は、ダイヤモンド粒子の色味に対する補色に着色されていてもよい。ナノダイヤ粒子の色味は、その粒径に依存し、例えば黄色や青色である。よって、粘着層110は、ナノダイヤ粒子によって変色されるプロジェクタ20からの映像光を、元の色となるよう補正するものである。

0038

ハードコート層111は、透過型スクリーン100の後方に位置する、ベース層101のナノダイヤ層部104の表面が、例えば引っ掻きによって削り落とされないように保護する。ハードコート層111は、ハードコート剤をベース層101上に塗布することにより形成されてもよい。ハードコート層111の塗布方法としては、バーコート法、ディップコート法、フローコート法、スプレーコート法、スピンコート法、ローラーコート法等の方法が挙げられる。ハードコート層111とベース層101との間に、密着性を改良するための中間層を設けてもよい。なお、透過型スクリーン100の強度は、ベース層101の支持層部103によってある程度担保されているため、透過型スクリーン100はハードコート層111を備えなくてもよい。

0039

図3は、映像光の入射角と出射角との関係の一例を説明する表である。本例において、透過型スクリーン100の各プリズム部105は、ベース層101の主面に対する下面108の角度を40°、および、ベース層101の主面に対する上面106の角度を80°とする。なお、プリズム部105の屈折率は1.6とする。

0040

表の1行目には、1列目から順に、プロジェクタ20の設置方法、透過型スクリーン100に入射するプロジェクタ20からの映像光の入射角θn[°]、透過型スクリーン100から出射する当該映像光の出射角θs[°]、透過型スクリーン100に入射してから出射する当該映像光の簡易的な説明図を示す。説明図に示す通り、透過型スクリーン100の主面の法線方向に対して上方となる入射角θnおよび出射角θsを正とし、当該法線方向に対して下方となる入射角θnおよび出射角θsを負とする。

0041

表の1列目には、天吊式および床置式の2つのプロジェクタ20設置方法を示す。当該天吊式のプロジェクタ20と共に用いられる透過型スクリーン100は、表中の説明図に示す通り、図1および図2に図示した透過型スクリーン100と同じ構成を有する。一方で、当該床置式のプロジェクタ20と共に用いられる透過型スクリーン100は、表中の説明図に示す通り、単に、図1および図2に図示した透過型スクリーン100を、前後は維持しつつ上下左右反転させたものである。よって、本実施形態における床置式のプロジェクタ20と共に用いられる透過型スクリーン100において、光吸収部109が設けられる上面106は下方に位置し、光吸収部109が設けられない下面108は上方に位置する。

0042

表に示す通り、プロジェクタ20を天吊式で設置する場合、一例として、入射角θnが35°で出射角θsが−9°となり、入射角θnを25°にすると出射角θsが2°となり、更に、入射角θnを15°にすると出射角θsが15°となり、以降、入射角θnをより小さくするに連れて出射角θsがより大きくなる。一方、プロジェクタ20を床置式で設置する場合、一例として、入射角θnが−35°で出射角θsが9°となり、入射角θnを−25°にすると出射角θsが−2°となり、更に、入射角θnを−15°にすると出射角θsが−15°となり、以降、入射角θnをより大きくするに連れて出射角θsがより小さくなる。表に示す通り、両設置方式における入射角θnおよび出射角θsの関係は、正負反転するだけであって、絶対値が等しい。そのため、以降の説明においては、何れか一方の設置方式における入射角θnおよび出射角θsのみについて言及し、他方の設置方式における入射角θnおよび出射角θsについての言及を省略する場合がある。

0043

本実施形態のプロジェクタシステム10によれば、透過型スクリーン100は、ベース層101の主面に対する上面106および下面108の角度を、例えば上記の範囲内において設計可能なプリズム部105を備えるため、透過型スクリーン100の前方に拡散させる映像光の制御性を高めることができる。また、本実施形態のプロジェクタシステム10によれば、プロジェクタ20からの映像光を、例えば粗面や、ガラスビーズや、シリカビーズなどによって拡散させるのではなく、ダイヤモンド粒子によって拡散させるので、映像光の拡散方向ムラが生じず、透過型スクリーン100に投影される映像のコントラストを高めることができる。

0044

一例として、プロジェクタ20を天吊式で設置する場合、透過型スクリーン100およびプロジェクタ20を、映像光の主光線が、入射角15°〜42°でベース層101に入射し、複数のプリズム部105のそれぞれにおける一対の面のうち、光を吸収する部材である光吸収部109が設けられない面から、出射角−15°から15°で出射するように設置することによって、透過型スクリーン100の前方で透過型スクリーン100を観察する観察者15の目により多くの映像光を届かせることができる。また、プロジェクタ20を床置式で設置する場合、透過型スクリーン100およびプロジェクタ20を、映像光の主光線が、入射角−42°〜−15°でベース層101に入射し、複数のプリズム部105のそれぞれにおける一対の面のうち、光吸収部109が設けられない面から、出射角−15°から15°で出射するように設置することによっても、同様の効果を得ることができる。

0045

ナノダイヤ層部104が複数のプリズム部105と積層されて用いられる場合、ナノダイヤ層部104の透明度が低いと、点状且つ丸くて目立ち難いホットスポットではではなく、線状で目立ち易いホットスポットが生じることがある。そこで、上記の何れの設置方法においても、ナノダイヤ層部104に含有されるダイヤモンド粒子の濃度をナノダイヤ層部104に対して1〜20質量%とし、ナノダイヤ層部104のヘーズ値を85%以上、より好ましくは95%以上とすることによって、映像光の拡散量を高めることができ、且つ、線状で目立ち易いホットスポットの発生を抑止でき、これによって、ホットスポットによる影響を緩和することができる。なお、このような入射角で映像光を透過型スクリーン100に入射させる場合であっても、透過型スクリーン100が設置される天井又は床までの距離が確保されている場合、プロジェクタ20は長焦点プロジェクタ、短焦点プロジェクタ、および超短焦点プロジェクタの何れでもよい。

0046

なお、ナノダイヤ層部104のヘーズ値は、ナノダイヤ層部104の拡散光線透過率をナノダイヤ層部104の全光線透過率除算して百分率で表したものである。ナノダイヤ層部104の拡散光線透過率は、ヘーズメーター(日本電色工業製、品番:NDH 7000SPII)を用い、JIS K7136(2000年)に準拠して測定したものである。

0047

他の一例として、プロジェクタ20を天吊式で設置する場合、透過型スクリーン100およびプロジェクタ20を、映像光の主光線が、入射角0°〜5°でベース層に入射し、複数のプリズム部105のそれぞれにおける一対の面のうち、光吸収部109が設けられない面から、出射角35°以上で出射するように設置することによって、映像光の主光線が観察者15の目に届き難くなり、ホットスポットによる影響を緩和することができる。プロジェクタ20を床置式で設置する場合も同様である。更に、当該プロジェクタシステム10によれば、プリズム層102を備えない場合に比べて、プロジェクタ20が長焦点プロジェクタであって観察者15の視線方向に位置する場合であっても、ホットスポットによる影響を緩和することができる。また、これら何れの設置方法においても、上記と同様に、ナノダイヤ層部104に含有されるダイヤモンド粒子の濃度をナノダイヤ層部104に対して1〜20質量%とし、ナノダイヤ層部104のヘーズ値を85%以上、より好ましくは95%以上とすることによって、映像光の拡散量を高めることができ、且つ、線状で目立ち易いホットスポットの発生を抑止でき、これによって、ホットスポットによる影響を緩和することができる。

0048

実施例1として、床置式のプロジェクタと、図3の表内に示す、床置式のプロジェクタ20と共に用いられる透過型スクリーン100と同じ構成を有する透過型スクリーン(日華化学(株)社製の透過型スクリーンディアルミエ NDL−1000(登録商標)+株式会社有沢製作所製のnexy(登録商標))とを備えるプロジェクタシステムを用意した。また、当該透過型スクリーンの主面に入射する映像光の入射角は25°に設定した。また、ナノダイヤ層部104に含有されるダイヤモンド粒子の濃度を、ナノダイヤ層部104に対して5〜7質量%とした。
[比較例1]

0049

比較例1として、光吸収部が設けられたプリズム層を有さない透過型スクリーン(日華化学(株)社製の透過型スクリーンディアルミエ NDL−1000(登録商標))を用いる点を除いては、実施例1のプロジェクタシステムと構成が同じプロジェクタシステムを用意した。比較例1においても、当該透過型スクリーンの主面に入射する映像光の入射角は25°に設定した。

0050

また、実施例1のプロジェクタシステムによる透過型スクリーンが光吸収部が設けられたプリズム部を有することによってコントラストが向上することを確認するため、比較例1の透過型スクリーンおよび実施例1の透過型スクリーンを用いてコントラスト値を測定した。コントラスト値の測定方法は、以下の手順[1]から[4]に従う。
[1]スクリーン中心照度が約100[lx]になるように照明を設定。
[2]プロジェクタから白色映像をスクリーンに投射輝度計でスクリーン中心の輝度を測定(測定値をWとする)。
[3]プロジェクタから黒色映像をスクリーンに投射。輝度計でスクリーン中心の輝度を測定(測定値をBとする)。
[4]WをBで除算した値をコントラスト値とする。

0051

下記の表1に示す通り、比較例1の透過型スクリーンのコントラスト値は6であったのに対して、実施例1の透過型スクリーンのコントラスト値は22であった。比較例1の透過型スクリーンのコントラスト値に対する、実施例1の透過型スクリーンのコントラスト値の向上率は、約4倍である。

0052

なお、実施例1のプロジェクタシステムによる透過型スクリーンが、光吸収部が設けられたプリズム部を有することによってゲインが低下することも確認するため、比較例1の透過型スクリーンおよび実施例1の透過型スクリーンを用いてゲイン値を測定した。ゲイン値の測定方法は、以下の手順[A]から[C]に従う。

0053

[A]暗室で、プロジェクタから白色映像をスクリーンに投射。輝度計でスクリーン中心の輝度を測定(測定値をI[cd/m2]とする)。
[B]暗室で、プロジェクタから白色映像をスクリーンに投射。照度計でスクリーン中心のプロジェクタ照度を測定(測定値をE[lx]とする)。
[C]Eを円周率πで除算した値で、Iを除算した値をゲイン値とする。

0054

下記の表1に示す通り、比較例1の透過型スクリーンのゲイン値は0.5であったのに対して、実施例1の透過型スクリーンのゲイン値は1.2であった。実施例1では、入射光がプリズムで角度変換されることによって、ゲインが向上している。

0055

以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。

0056

例えば、本実施形態においては、複数のプリズム部105が並ぶ方向を、上下方向または鉛直方向として説明した。しかしながら、本実施形態の透過型スクリーン100は、透過型スクリーンを鉛直に立てたときに、複数のプリズム部が並ぶ方向が鉛直方向となるように設計された透過型スクリーンであって、製造誤差等によって実際は鉛直方向に対して若干の角度を有するものも含む。

0057

例えば、透過型スクリーン100は、設置される場所や寸法に応じて、任意の位置に積層されるガラス層を更に備え、これによって、歪みの発生を防止してもよい。

実施例

0058

特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システムプログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。

0059

10プロジェクタシステム、15観察者、20プロジェクタ、100透過型スクリーン、101ベース層、102プリズム層、103支持層部、104ナノダイヤ層部、105プリズム部、106 上面、107交線、108 下面、109光吸収部、110粘着層、111 ハードコート層

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