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技術 オートタキシン測定による中枢神経への癌細胞浸潤を検出する方法及び検出試薬

出願人 東ソー株式会社国立大学法人東京大学
発明者 矢冨裕蔵野信志村拓也五十嵐浩二
出願日 2019年3月22日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-055203
公開日 2020年9月24日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-153937
状態 未査定
技術分野 生物学的材料の調査,分析 ペプチド又は蛋白質
主要キーワード 妨害因子 自動免疫測定装置 的中率 オートタキシン 画像検査 パーセンタイル リゾホスホリパーゼ 研究倫理委員会
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年9月24日)のものです。
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図面 (7)

課題

オートタキシン測定による中枢神経への癌浸潤を検出する方法を提供する。

解決手段

ヒト脳脊髄液中のオートタキシン濃度を測定することを特徴とする、中枢神経への癌細胞浸潤を検出する方法。

概要

背景

癌患者において原発臓器からの癌細胞転移は、予後を規定するため、早期にかつ正確に転移の有無を診断することが重要である。特に造血器腫瘍体内の様々な箇所に転移することが知られており、その一つに中枢神経系への浸潤がある。中枢神経への癌細胞の浸潤は画像検査髄液細胞診により発見診断されるが、髄液細胞診の感度は必ずしも高くないため複数回繰り返し実施される場合が多い。また、中枢神経への転移が確認された後も、抗がん剤による治療効果の判定のため検査として用いられる。このように髄液細胞診は転移の確認、治療の確認のための重要かつ必須な検査であるが、侵襲性が高いため繰り返し実施することは患者負担が大きいことより、転移診断における診断能の高い診断マーカーならびに治療介入による癌細胞消失を判定するための診断マーカーの開発が望まれている。

ヒトオートタキシンは、1992年M.L.StrackeらによってA2058ヒト黒色腫細胞培養培地から細胞運動性惹起する物質として単離された分子量約125KDaの糖蛋白質である。オートタキシンはそのリゾホスホリパーゼ活性によりリゾホスファチジルコリン基質としリゾホスファチジン酸LPA)を産生する酵素であることが知られている。悪性リンパ腫において血清オートタキシン濃度が上昇すること(非特許文献1、特許文献1)、脳脊髄液中のオートタキシン濃度が測定可能であること(非特許文献2)は既に知られている。

上記のとおりオートタキシンが脳脊髄液中に存在し、血清濃度に比較し高濃度に存在していることが明らかにされているが、その濃度変動と疾患の関連性は明らかにされていなかった。脳脊髄液を被検体として中枢神経への浸潤が多い造血器腫瘍を例に癌細胞の浸潤におけるオートタキシン濃度の差異を検討した結果、中枢神経に癌細胞の浸潤が認められる患者の脳脊髄液でオートタキシン濃度の上昇を確認し本発明に至った。

概要

オートタキシン測定による中枢神経への癌浸潤を検出する方法を提供する。ヒト脳脊髄液中のオートタキシン濃度を測定することを特徴とする、中枢神経への癌細胞浸潤を検出する方法。

目的

このように髄液細胞診は転移の確認、治療の確認のための重要かつ必須な検査であるが、侵襲性が高いため繰り返し実施することは患者負担が大きいことより、転移診断における診断能の高い診断マーカーならびに治療介入による癌細胞消失を判定するための診断マーカーの開発が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ヒト脳脊髄液中のオートタキシン濃度を測定することを特徴とする、中枢神経への癌細胞浸潤を検出する方法。

請求項2

癌細胞の由来造血器腫瘍である、請求項1に記載の方法。

請求項3

造血器腫瘍がリンパ腫である、請求項2に記載の方法。

請求項4

造血器腫瘍患者の脳脊髄液中のオートタキシン濃度の測定値が1.03mg/L以下であることは、造血器腫瘍の中枢神経への浸潤がないことの指標である、請求項2に記載の方法。

請求項5

造血器腫瘍患者の脳脊髄液中のオートタキシン濃度の測定値が1.18mg/L以上であることは、造血器腫瘍の中枢神経への浸潤があることの指標である、請求項2に記載の方法。

請求項6

リンパ腫患者の脳脊髄液中のオートタキシン濃度の測定値が1.08mg/L以下であることは、リンパ腫の中枢神経への浸潤がないことの指標である、請求項3に記載の方法。

請求項7

リンパ腫患者の脳脊髄液中のオートタキシン濃度の測定値が1.13mg/L以上であることは、リンパ腫の中枢神経への浸潤があることの指標である、請求項3に記載の方法。

請求項8

脳脊髄液中のオートタキシン以外の物質の濃度を測定することをさらに含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。

請求項9

脳脊髄液中の物質が、チミジンキナーゼβ2ミクログロブリン、可溶性IL−2R、可溶性CD23、又はTNFαである、請求項8に記載の方法。

請求項10

オートタキシンを、オートタキシンを特異的に認識する抗体を用いた免疫化学的方法により測定する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。

請求項11

オートタキシンを特異的に認識する抗体を含有することを特徴とする、中枢神経への癌細胞の浸潤の検出に使用するための試薬

技術分野

0001

本発明はヒト脳脊髄液中のオートタキシン濃度を測定することにより、中枢神経への癌細胞浸潤を検出する方法および検出試薬に関する。

背景技術

0002

癌患者において原発臓器からの癌細胞の転移は、予後を規定するため、早期にかつ正確に転移の有無を診断することが重要である。特に造血器腫瘍体内の様々な箇所に転移することが知られており、その一つに中枢神経系への浸潤がある。中枢神経への癌細胞の浸潤は画像検査髄液細胞診により発見診断されるが、髄液細胞診の感度は必ずしも高くないため複数回繰り返し実施される場合が多い。また、中枢神経への転移が確認された後も、抗がん剤による治療効果の判定のため検査として用いられる。このように髄液細胞診は転移の確認、治療の確認のための重要かつ必須な検査であるが、侵襲性が高いため繰り返し実施することは患者負担が大きいことより、転移診断における診断能の高い診断マーカーならびに治療介入による癌細胞消失を判定するための診断マーカーの開発が望まれている。

0003

ヒトオートタキシンは、1992年M.L.StrackeらによってA2058ヒト黒色腫細胞培養培地から細胞運動性惹起する物質として単離された分子量約125KDaの糖蛋白質である。オートタキシンはそのリゾホスホリパーゼ活性によりリゾホスファチジルコリン基質としリゾホスファチジン酸LPA)を産生する酵素であることが知られている。悪性リンパ腫において血清オートタキシン濃度が上昇すること(非特許文献1、特許文献1)、脳脊髄液中のオートタキシン濃度が測定可能であること(非特許文献2)は既に知られている。

0004

上記のとおりオートタキシンが脳脊髄液中に存在し、血清濃度に比較し高濃度に存在していることが明らかにされているが、その濃度変動と疾患の関連性は明らかにされていなかった。脳脊髄液を被検体として中枢神経への浸潤が多い造血器腫瘍を例に癌細胞の浸潤におけるオートタキシン濃度の差異を検討した結果、中枢神経に癌細胞の浸潤が認められる患者の脳脊髄液でオートタキシン濃度の上昇を確認し本発明に至った。

0005

特開2015−111154号公報

先行技術

0006

Br.J.Haematol. 2008;143:60-709.
Clin.Chim.Acta 2009;405:160-162

発明が解決しようとする課題

0007

これまでにオートタキシンの血液中の濃度が様々な疾病により変動することが報告されているが、脳脊髄液中のオートタキシン濃度と疾患との関連性に関しては報告がなかった。本発明の目的は脳脊髄液中のオートタキシン濃度を測定することにより、中枢神経への癌細胞の浸潤を検出する方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、様々な疾患での脳脊髄液中のオートタキシン濃度を測定し、鋭意検討を重ねた結果、中枢神経への癌細胞浸潤が認められる患者において脳脊髄液中のオートタキシン濃度が高値を示すことを見いだし、本発明に到達した。即ち本発明は下記の発明を包含する:
<1>
ヒト脳脊髄液中のオートタキシン濃度を測定することを特徴とする、中枢神経への癌細胞の浸潤を検出する方法。
<2>
癌細胞の由来が造血器腫瘍である、<1>に記載の方法。
<3>
造血器腫瘍がリンパ腫である、<2>に記載の方法。
<4>
造血器腫瘍患者の脳脊髄液中のオートタキシン濃度の測定値が1.03mg/L以下であることは、造血器腫瘍の中枢神経への浸潤がないことの指標である、<2>に記載の方法。
<5>
造血器腫瘍患者の脳脊髄液中のオートタキシン濃度の測定値が1.18mg/L以上であることは、造血器腫瘍の中枢神経への浸潤があることの指標である、<2>に記載の方法。
<6>
リンパ腫患者の脳脊髄液中のオートタキシン濃度の測定値が1.08mg/L以下であることは、リンパ腫の中枢神経への浸潤がないことの指標である、<3>に記載の方法。
<7>
リンパ腫患者の脳脊髄液中のオートタキシン濃度の測定値が1.13mg/L以上であることは、リンパ腫の中枢神経への浸潤があることの指標である、<3>に記載の方法。
<8>
脳脊髄液中のオートタキシン以外の物質の濃度を測定することをさらに含む、<1>〜<7>のいずれか1項に記載の方法。
<9>
脳脊髄液中の物質が、チミジンキナーゼβ2ミクログロブリン、可溶性IL−2R、可溶性CD23、又はTNFαである、<8>に記載の方法。
<10>
オートタキシンを、オートタキシンを特異的に認識する抗体を用いた免疫化学的方法により測定する、<1>〜<9>のいずれか1項に記載の方法。
<11>
オートタキシンを特異的に認識する抗体を含有することを特徴とする、中枢神経への癌細胞の浸潤の検出に使用するための試薬

発明の効果

0009

本発明によれば、ヒト脳脊髄液検体中のオートタキシンを測定することにより中枢神経への癌細胞の浸潤を検出することが可能である。特許文献1に記載の免疫学的定量試薬を用い測定を実施すれば、検体中に含まれる内在性の測定妨害因子競合酵素の影響を受けることなく、かつ短時間でヒトオートタキシンを定量可能であり簡便、低コストで診断可能な、中枢神経への癌細胞浸潤を検出する試薬を提供することが可能である。またオートタキシンの測定と同時に、脳脊髄液中の物質を測定し、その測定値とオートタキシン測定値とを組み合わせることにより、診断効率を高めることができる。この時の脳脊髄液中の物質としては、例えばチミジンキナーゼ、β2ミクログロブリン、可溶性IL−2R、可溶性CD23、又はTNFαなどを挙げることができる。

図面の簡単な説明

0010

実施例2において中枢神経浸潤の有無を基準に2群に分類し、造血器腫瘍患者の脳脊髄液検体のオートタキシン濃度分布を示す。箱ひげ図の表示は典型的表記であり、具体的には中央の箱は25−75パーセンタイル中央値を示しており、上限下限の各棒線は95パーセンタイルを示している。有意差はMann-WhitneyU検定によるP値を示している。
実施例2において中枢神経浸潤の有無を基準に2群に分類し、リンパ腫患者の脳脊髄液検体のオートタキシン濃度分布を示す。箱ひげ図の表示は図1と同様である。有意差はMann-Whitney U検定によるP値を示している。
実施例3において中枢神経浸潤の有無を基準に2群に分類し、造血器腫瘍患者の脳脊髄液検体のオートタキシン濃度による弁別能を示すROC曲線を示す。
実施例3において中枢神経浸潤の有無を基準に2群に分類し、リンパ腫患者の脳脊髄液検体のオートタキシン濃度による弁別能を示すROC曲線を示す。
比較例1において中枢神経浸潤の有無を基準に2群に分類し、造血器腫瘍患者の血清検体のオートタキシン濃度分布を示す。箱ひげ図の表示は図1と同様である。Mann-Whitney U検定による有意差は認められなかった。
比較例1において中枢神経浸潤の有無を基準に2群に分類し、リンパ腫患者の血清検体のオートタキシン濃度分布を示す。箱ひげ図の表示は図1と同様である。Mann-Whitney U検定による有意差は認められなかった。

0011

本発明においてオートタキシンを測定する方法には特に限定はないが、例えばオートタキシンを認識する抗体を用いた免疫化学的方法があげられる。より具体的には、オートタキシンを認識する抗体を含有する中枢神経浸潤検出試薬を用いて行うことができる。このとき、例えば測定対象のオートタキシンを認識する固相化抗体と、それとは異なる部位で測定対象のオートタキシンを認識する標識化抗体とを含む試薬を用いてサンドイッチ法により行うことができる。

0012

造血器腫瘍としては特に限定は無く、例えばリンパ腫、白血病多発性骨髄腫等があげられるが、好ましくはリンパ腫である。

0013

以下に実施例を示すが、本発明は実施例に記載された例に限られるものではない。以下の実験を行うに当たっては、各施設研究倫理委員会での承認のもと実施した。オートタキシン濃度測定は、自動免疫測定装置AIシリーズ(東ソー社製)を用い実施した。

0014

実施例1:患者背景とオートタキシン濃度の測定
対象者年齢例数、オートタキシン濃度を表1に示す。対象者の脳脊髄液のオートタキシン濃度は特許文献1記載のサンドイッチELISA測定法の試薬を用いて測定した。年齢ならびにオートタキシン濃度は平均値±標準偏差を示している。

0015

実施例2:脳脊髄液オートタキシン測定による、腫瘍の中枢神経浸潤有無の診断能
実施例1の対象者において、腫瘍の中枢神経浸潤の有無を基準に2群に分類し、造血器腫瘍全体を母集団としたときの濃度分布図1に、リンパ腫を母集団としたときの濃度分布を図2に示す。脳脊髄液検体はサイトスピン後の上清中のオートタキシン濃度を測定した。腫瘍の中枢神経浸潤は、細胞学的診断検査もしくは画像診断検査にて腫瘍による浸潤の有無を診断した結果を採用した。

0016

実施例3:腫瘍の中枢神経浸潤の弁別能解析
実施例2の測定値を用いてROC解析を行った。ROC解析から得られた曲線下面積、感度又は特異度が0.9以上になるポイントでのカットオフ値、その際の特異度又は感度、陽性的中率(PPV)、陰性的中率(NPV)を表2に示す。また得られたROC曲線を図3および図4に示す。なお中枢神経浸潤の偽陽性を少なくしたい場合には、特異度を優先したカットオフ値を用いて診断を行うのが好ましい。また、中枢神経浸潤の偽陰性を少なくしたい場合には、感度を優先したカットオフ値を用い診断を行うのが好ましい。例えば具体的には表2において、造血器腫瘍ではカットオフ値1.03mg/L以下であれば陰性と判断でき、カットオフ値1.18mg/L以上であれば陽性と判断できることを示している。この間の濃度の場合は診断判定を保留し、さらに他の検査結果を考慮し診断することが望ましいことを示している。

実施例

0017

比較例1:血清オートタキシン測定による腫瘍の中枢神経浸潤有無の診断能
実施例1の対象者において、腫瘍の中枢神経浸潤の有無を基準に2群に分類し、造血器腫瘍全体を母集団としたときの血清オートタキシン濃度分布を図5に、リンパ腫を母集団としたときの血清オートタキシン濃度分布を図6に示す。造血器腫瘍ならびにリンパ腫患者において、浸潤の有無により血清オートタキシン濃度に有意差を認めず、血清オートタキシン濃度では、腫瘍の中枢神経浸潤有無の診断はできないことが示された。

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