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技術 放射性廃液処理方法および放射性廃液処理システム

出願人 株式会社東芝東芝エネルギーシステムズ株式会社
発明者 田嶋直樹澤田紘子大村恒雄関秀司新井里枝福松輝城
出願日 2019年3月18日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-050065
公開日 2020年9月24日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-153699
状態 未査定
技術分野 汚染除去及び汚染物処理
主要キーワード 移送形態 タンク接続管 通水配管 濁り具合 被吸着成分 押し出し機構 チタンケイ酸塩 補助循環
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

原子力発電所から発生する処理対象水を処理するときに発生する廃棄物を削減することができる放射性廃液処理技術を提供する。

解決手段

放射性廃液処理方法は、セシウムストロンチウムヨウ素、アンチモンルテニウムテクネチウムコバルトウランプルトニウムアメリシウムキュリウムネプツニウムバリウムカルシウムマグネシウムのうちの少なくとも1種類の特定物質が処理の対象となる第1処理対象水W1に含まれており、第1処理対象水W1の特定物質を吸着材2に吸着させるステップと、特定物質の濃度が第1処理対象水W1とは異なる第2処理対象水W2に含まれる特定物質を、第1処理対象水W1の特定物質の吸着に用いた吸着材2に吸着させるステップと、を含む。

概要

背景

放射性廃液中に溶解または微粒子で存在している物質、特に、セシウム(Cs)、ストロンチウム(Sr)、ヨウ素(I)などの放射性核種、およびその他アルファ核種(U、Pu、Np、Am、Cm)などの物質を吸着処理により分離回収する技術が知られている。

福島第一原子発電所事故に伴い、海水成分を含有する大量の汚染水放射性廃液)が発生した。この放射性廃液には、高濃度放射性CsおよびSrの他、Co、Ru、i、Sb、Tcなどの物質が含まれている。さらに、燃料部分における循環冷却水およびデブリ中には、Cs、Srの他、U、Pu、Am、Cm、Npなどのα核種も含まれる。そのため放射性廃液の海洋または地下水への流出による環境汚染リスクを有している。

また、海外の複数の原子力イトでは、事故炉で発生した汚染水処理が行われている。Cs、Srが主な処理対象となっているが、それぞれの水質中の濃度組成が大きく異なっている。放射性廃棄物処分場の確保の観点から、廃吸着材発生量を抑制することが強く望まれている。

従来、液体から放射性核種を除去する処理方法の1つに吸着法が用いられている。例えば、Srについては、A型ゼオライトなどのSi/Al比の小さなゼオライト、チタン酸塩チタンケイ酸塩などの吸着材を用いた吸着法が知られている。しかし、吸着材の吸着量には処理水質に応じた上限が存在する。例えば、吸着上限に達した吸着材を再利用する技術が知られている。例えば、吸着上限に達した吸着材から被吸着成分を脱着させて、吸着材の吸着能力回復させる技術がある。しかし、放射性廃液の処理に使用された吸着材は放射能を帯びており、このような吸着材を脱着して再利用することは行われていない。

概要

原子力発電所から発生する処理対象水を処理するときに発生する廃棄物を削減することができる放射性廃液処理技術を提供する。放射性廃液処理方法は、セシウム、ストロンチウム、ヨウ素、アンチモンルテニウムテクネチウムコバルトウランプルトニウムアメリシウムキュリウムネプツニウムバリウムカルシウムマグネシウムのうちの少なくとも1種類の特定物質が処理の対象となる第1処理対象水W1に含まれており、第1処理対象水W1の特定物質を吸着材2に吸着させるステップと、特定物質の濃度が第1処理対象水W1とは異なる第2処理対象水W2に含まれる特定物質を、第1処理対象水W1の特定物質の吸着に用いた吸着材2に吸着させるステップと、を含む。

目的

特に、福島第一原子力発電所の事故に伴い、原子力分野での吸着に適した効率的な吸着材の使用形態が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

セシウムストロンチウムヨウ素、アンチモンルテニウムテクネチウムコバルトウランプルトニウムアメリシウムキュリウムネプツニウムバリウムカルシウムマグネシウムのうちの少なくとも1種類の特定物質が処理の対象となる第1処理対象水に含まれており、前記第1処理対象水の前記特定物質を吸着材吸着させるステップと、前記特定物質の濃度が前記第1処理対象水とは異なる第2処理対象水に含まれる前記特定物質を、前記第1処理対象水の前記特定物質の吸着に用いた前記吸着材に吸着させるステップと、を含む、放射性廃液処理方法

請求項2

前記特定物質の濃度が前記第1処理対象水の2倍以上となる前記第2処理対象水に含まれる前記特定物質を、前記第1処理対象水の前記特定物質の吸着に用いた前記吸着材に吸着させる、請求項1に記載の放射性廃液処理方法。

請求項3

前記特定物質は、セシウム、ストロンチウム、ヨウ素、アンチモン、ルテニウム、テクネチウム、コバルト、ウラン、プルトニウム、アメリシウム、キュリウム、ネプツニウム、バリウムのうちの少なくとも1種類と、カルシウム、マグネシウム、ナトリウムカリウムアンモニア炭酸イオン硫酸イオン塩化物イオン水酸化物イオンのうちの少なくとも1種類と、を含む、請求項1または請求項2に記載の放射性廃液処理方法。

請求項4

前記第1処理対象水を処理する第1処理系統破過状態となった前記吸着材を、前記第2処理対象水を処理する第2処理系統で再利用する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の放射性廃液処理方法。

請求項5

前記吸着材が収容された1つの吸着塔に対して、前記第1処理対象水を処理させる形態から、前記第2処理対象水を処理させる形態に切り換えるステップを含む、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の放射性廃液処理方法。

請求項6

前記第1処理対象水を処理する第1吸着塔に収容された前記吸着材の少なくとも一部を前記第1吸着塔から抜き出して、前記第2処理対象水を処理する第2吸着塔に移送するステップを含む、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の放射性廃液処理方法。

請求項7

前記第1吸着塔から前記吸着材を抜き出すときに、前記第1吸着塔の下から上へ通水を行うステップを含む、請求項6に記載の放射性廃液処理方法。

請求項8

前記第1吸着塔から抜き出された前記吸着材を前記第1吸着塔に接続された配管を介して移送するステップを含む、請求項6または請求項7に記載の放射性廃液処理方法。

請求項9

前記第1吸着塔から前記第2吸着塔まで接続された前記配管を介して前記吸着材を移送する、請求項8に記載の放射性廃液処理方法。

請求項10

前記第1吸着塔から移送用タンクに前記吸着材を移送し、前記移送用タンクを用いて前記第2吸着塔まで前記吸着材を移送する、請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の放射性廃液処理方法。

請求項11

前記第1吸着塔から前記吸着材を抜き出すときに、前記第1吸着塔に移送用の流体を供給する、請求項6から請求項10のいずれか1項に記載の放射性廃液処理方法。

請求項12

前記移送用の流体に含まれる前記特定物質の濃度は、処理後の前記第1処理対象水に含まれる前記特定物質の濃度以下となっている、請求項11に記載の放射性廃液処理方法。

請求項13

前記第1吸着塔から抜き出された前記吸着材の移送量監視するステップを含む、請求項6から請求項12のいずれか1項に記載の放射性廃液処理方法。

請求項14

前記第1吸着塔から前記第2吸着塔まで前記吸着材を移送するときの少なくとも一部で、水力移送機構ベルトコンベアによる移送機構、スクリュによる移送機構、重力落下機構押し出し機構空気移送機構のうちの少なくとも1つの機構を用いる、請求項6から請求項13のいずれか1項に記載の放射性廃液処理方法。

請求項15

セシウム、ストロンチウム、ヨウ素、アンチモン、ルテニウム、テクネチウム、コバルト、ウラン、プルトニウム、アメリシウム、キュリウム、ネプツニウム、バリウム、カルシウム、マグネシウムのうちの少なくとも1種類の特定物質が処理の対象となる第1処理対象水に含まれており、前記第1処理対象水の前記特定物質を吸着材に吸着させる第1処理形態から、前記特定物質の濃度が前記第1処理対象水とは異なる第2処理対象水に含まれる前記特定物質を、前記第1処理対象水の前記特定物質の吸着に用いた前記吸着材に吸着させる第2処理形態に切り換えられる、放射性廃液処理システム

技術分野

0001

本発明の実施形態は、放射性廃液処理方法および放射性廃液処理システムに関する。

背景技術

0002

放射性廃液中に溶解または微粒子で存在している物質、特に、セシウム(Cs)、ストロンチウム(Sr)、ヨウ素(I)などの放射性核種、およびその他アルファ核種(U、Pu、Np、Am、Cm)などの物質を吸着処理により分離回収する技術が知られている。

0003

福島第一原子発電所事故に伴い、海水成分を含有する大量の汚染水(放射性廃液)が発生した。この放射性廃液には、高濃度放射性CsおよびSrの他、Co、Ru、i、Sb、Tcなどの物質が含まれている。さらに、燃料部分における循環冷却水およびデブリ中には、Cs、Srの他、U、Pu、Am、Cm、Npなどのα核種も含まれる。そのため放射性廃液の海洋または地下水への流出による環境汚染リスクを有している。

0004

また、海外の複数の原子力イトでは、事故炉で発生した汚染水処理が行われている。Cs、Srが主な処理対象となっているが、それぞれの水質中の濃度組成が大きく異なっている。放射性廃棄物処分場の確保の観点から、廃吸着材発生量を抑制することが強く望まれている。

0005

従来、液体から放射性核種を除去する処理方法の1つに吸着法が用いられている。例えば、Srについては、A型ゼオライトなどのSi/Al比の小さなゼオライト、チタン酸塩チタンケイ酸塩などの吸着材を用いた吸着法が知られている。しかし、吸着材の吸着量には処理水質に応じた上限が存在する。例えば、吸着上限に達した吸着材を再利用する技術が知られている。例えば、吸着上限に達した吸着材から被吸着成分を脱着させて、吸着材の吸着能力回復させる技術がある。しかし、放射性廃液の処理に使用された吸着材は放射能を帯びており、このような吸着材を脱着して再利用することは行われていない。

0006

特開2015−107457号公報

先行技術

0007

Abe, H., Shunsuke, S., Toshiaki, S., Naoki, T., Seiji, Y., Hisao, O., Akira, I., Michitaka, S. (2016). “Radioactive Waste Water Treatment for Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant - 16081,”Proc., WM2016 Conference, Phoenix, Arizona, USA.

発明が解決しようとする課題

0008

福島第一原子力発電所の事故で発生した大量の汚染水(処理対象水)では、現在も吸着処理が行われている。安定した処理が実現できてはいるものの、そこで、使用した廃吸着材が大量に発生しているという課題がある。そこで、放射性廃棄物量の発生量を抑制したいという要望がある。特に、福島第一原子力発電所の事故に伴い、原子力分野での吸着に適した効率的な吸着材の使用形態が望まれている。

0009

本発明の実施形態は、このような事情を考慮してなされたもので、原子力発電所から発生する処理対象水を処理するときに発生する廃棄物を削減することができる放射性廃液処理技術を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明の実施形態に係る放射性廃液処理方法は、セシウム、ストロンチウム、ヨウ素、アンチモンルテニウムテクネチウムコバルトウランプルトニウムアメリシウムキュリウムネプツニウムバリウムカルシウムマグネシウムのうちの少なくとも1種類の特定物質が処理の対象となる第1処理対象水に含まれており、前記第1処理対象水の前記特定物質を吸着材に吸着させるステップと、前記特定物質の濃度が前記第1処理対象水とは異なる第2処理対象水に含まれる前記特定物質を、前記第1処理対象水の前記特定物質の吸着に用いた前記吸着材に吸着させるステップと、を含む。

発明の効果

0011

本発明の実施形態により、原子力発電所から発生する処理対象水を処理するときに発生する廃棄物を削減することができる放射性廃液処理技術が提供される。

図面の簡単な説明

0012

第1実施形態の放射性廃液処理システムを示す図。
第1実施形態の放射性廃液処理方法を示すフローチャート
第2実施形態の放射性廃液処理システムを示す図。
第2実施形態の放射性廃液処理方法を示すフローチャート。
第3実施形態の放射性廃液処理システムを示す図。
第3実施形態の放射性廃液処理方法を示すフローチャート。

実施例

0013

(第1実施形態)
以下、本実施形態を添付図面に基づいて説明する。まず、第1実施形態の放射性廃液処理システムおよび放射性廃液処理方法について図1から図2を用いて説明する。

0014

図1の符号1は、第1実施形態の放射性廃液処理システムである。この放射性廃液処理システム1は、原子力発電所から発生する放射性廃液としての処理対象水W1,W2を浄化処理する。例えば、処理対象水W1,W2に含まれる特定物質を、吸着材2に吸着させて浄化処理を行う。

0015

本実施形態の特定物質は、セシウム(Cs)、ストロンチウム(Sr)、ヨウ素(I)、アンチモン(Sb)、ルテニウム(Ru)、テクネチウム(Tc)、コバルト(Co)、ウラン(U)、プルトニウム(Pu)、アメリシウム(Am)、キュリウム(Cm)、ネプツニウム(Np)、バリウム(Ba)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)のうちの少なくとも1種類を含む。

0016

なお、特定物質は、放射性核種としてのセシウム(Cs)、ストロンチウム(Sr)、ヨウ素(I)、アンチモン(Sb)、ルテニウム(Ru)、テクネチウム(Tc)、コバルト(Co)、ウラン(U)、プルトニウム(Pu)、アメリシウム(Am)、キュリウム(Cm)、ネプツニウム(Np)、バリウム(Ba)のうちの少なくとも1種類と、海水由来の物質としてのカルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、アンモニア(NH3)、炭酸イオン(CO2− HCO3−)、硫酸イオン(SO42−)、塩化物イオン(Cl−)、水酸化物イオン(OH−)のうちの少なくとも1種類と、を含むものでも良い。

0017

つまり、特定物質は、放射性廃液の汚染源となっている放射性核種と、海水由来の物質との両方を含むものでも良い。海水由来の物質は、人体に対して無害なものである。しかし、処理対象水W1,W2に含まれる放射性核種を吸着材2に吸着させる場合に、海水由来の物質がその吸着作用阻害してしまう場合がある。特に、吸着材2には、放射性核種よりも海水由来の物質の方を多く吸着するものがある。そこで、本実施形態の放射性廃液処理システム1では、放射性核種と海水由来の物質との両方を処理できるようにしている。

0018

本実施形態では、放射性核種と海水由来の物質との少なくとも2種類の特定物質を含む処理対象水W1,W2を、吸着材2で除去することができる。特に、放射性物質の吸着を阻害する海水由来の物質を効率的に除去することができる。

0019

図1に示すように、放射性廃液処理システム1は、吸着材2を収容する第1吸着塔3と、吸着材2を収容する第2吸着塔4とを備える。吸着材2は、ゼオライトまたはチタン系の物質で形成され、紛体またはスラリーの状態で吸着塔3,4に収容される。なお、吸着材2の種類は、吸着の対象となる特定物質に応じて調整される。この吸着材2は、比重が1より僅かに大きく、水に沈むものであるが、ほぼ水と同じ比重を有している。そのため、水の流速または圧力が所定の値以上になると、水と一緒に吸着材2を流すことができる。

0020

第1吸着塔3には、処理前の第1処理対象水W1が貯留される第1処理前タンク5が第1供給配管6を介して接続される。さらに、処理後の第1処理対象水W1が貯留される第1処理後タンク7が第1排出配管8を介して接続される。

0021

第2吸着塔4には、処理前の第2処理対象水W2が貯留される第2処理前タンク9が第2供給配管10を介して接続される。さらに、処理後の第2処理対象水W2が貯留される第2処理後タンク11が第2排出配管12を介して接続される。

0022

処理前の第1処理対象水W1には、所定の濃度の特定物質が含まれている。さらに、処理前の第2処理対象水W2には、処理前の第1処理対象水W1の2倍以上の濃度の特定物質が含まれている。つまり、処理前の第1処理対象水W1と処理前の第2処理対象水W2とでは、含有される特定物質の濃度が異なる。なお、本実施形態の濃度とは、イオン濃度でも良いし、重量濃度でも良いし、体積濃度でも良いし、モル濃度でも良い。

0023

本実施形態では、第2処理前タンク9に貯留される処理対象水W2の特定物質の濃度が最も高い。第2処理後タンク11および第1処理前タンク5に貯留される処理対象水W1,W2は、少なくとも第1処理後タンク7に貯留される処理対象水W1よりも特定物質の濃度が高い。

0024

なお、処理前の第2処理対象水W2は、処理前の第1処理対象水W1に含まれる特定物質と同一の特定物質の濃度が、処理前の第1処理対象水W1と異なるものであれば良い。さらに、処理前の第1処理対象水W1に含まれる特定物質が2種類ある場合において、処理前の第2処理対象水W2は、少なくとも1種類の特定物質の濃度が、処理前の第1処理対象水W1の以上あれば良い。例えば、処理前の第1処理対象水W1にセシウムとカルシウムとの2種類の特定物質が含まれている場合に、処理前の第2処理対象水W2に含まれるセシウムの濃度が2倍以上あれば、カルシウムの濃度が処理前の第1処理対象水W1よりも低くても良い。

0025

また、本実施形態において、処理前の第1処理対象水W1と処理前の第2処理対象水W2とで特定物質の濃度が異なる態様には、いずれか一方の処理前の処理対象水W1,W2に特定物質が全く含まれていないこと、つまり、濃度がゼロであることが含まれる。

0026

第1吸着塔3を備える第1処理対象水W1を処理する第1処理系統13(第1処理装置)と、第2吸着塔4を備える第2処理対象水W2を処理する第2処理系統14(第2処理装置)とが設けられている。なお、第1吸着塔3で用いた吸着材2を第2吸着塔4で再利用することができる。使用済みの吸着材2は、放射性廃棄物となるため、この吸着材2を再利用し、複数の処理系統13,14で使用することで、放射性廃棄物の発生量が低減される。

0027

第1吸着塔3に収容された吸着材2を用いて第1処理対象水W1を処理する形態が第1処理形態である。この第1吸着塔3で用いた吸着材2を第2吸着塔4に移送し、この第2吸着塔4で第2処理対象水W2を処理する形態が第2処理形態となっている。本実施形態の放射性廃液処理システム1は、第1処理形態から第2処理形態に切り換え可能となっている。

0028

なお、吸着材2が第2処理形態にて処理する処理前の第2処理対象水W2の特定物質の濃度は、第1処理形態にて最後(形態の切換直前)に処理した処理前の第1処理対象水W1の濃度の2倍以上となっている。つまり、第1処理形態から第2処理形態に切り換えられる前後(直前と直後)で、吸着材2に接触する処理対象水W1,W2に含まれる特定物質の濃度が異なっている。

0029

なお、第1吸着塔3に収容された吸着材2を第2吸着塔4に移送するときにおいて、既に第2吸着塔4に別の吸着材2が収容されている場合には、予め第2吸着塔4の吸着材2を抜き出しておくようにする。

0030

なお、第1処理系統13と第2処理系統14とで1つの水処理システムを構成しても良い。その場合に、同一の汚染源から発生した1種類の処理対象水を処理する系統において、第1処理系統13は、第2処理系統14の下流側に設けられたものでも良い。つまり、第2吸着塔4で処理された後の第2処理対象水W2が、第1吸着塔3で処理される前の第1処理対象水W1であっても良い。

0031

次に、第1吸着塔3に収容された吸着材2を第2吸着塔4まで移送する機構、つまり、第1処理形態から第2処理形態に切り換える切換機構について説明する。

0032

第1吸着塔3は、円筒形を成す容器であり、その円筒の軸が垂直方向を向くように設置されている。第1吸着塔3の下部(底板部)には、第1通水配管15が接続される。また、第1吸着塔3の上部(天井部)には、第1循環配管16が接続される。さらに、第1通水配管15および第1循環配管16は、第1液送ポンプ17に接続される。第1通水配管15および第1循環配管16によりループ状流路が形成される。なお、第1液送ポンプ17には、補給水タンク18が補給接続管19を介して接続される。

0033

第1液送ポンプ17は、第1移送配管20を介して移送ポンプ21に接続される。さらに、移送ポンプ21は、第2移送配管22を介して第2吸着塔4に接続される。また、第2移送配管22には、移送される吸着材2の移送量監視するためのモニタ23(検出器)が設けられる。

0034

第2吸着塔4は、円筒形を成す容器であり、その円筒の軸が垂直方向を向くように設置されている。第2吸着塔4の下部(底板部)には、第2通水配管24が接続される。また、第2吸着塔4の上部(天井部)には、第2循環配管25が接続される。さらに、第2通水配管24および第2循環配管25は、第2液送ポンプ26に接続される。第2通水配管24および第2循環配管25によりループ状の流路が形成される。なお、第2液送ポンプ26には、第2処理前タンク9がタンク接続管27を介して接続される。

0035

放射性廃液処理システム1は、第1液送ポンプ17と移送ポンプ21と第2液送ポンプ26とを制御する制御部28を備える。なお、第1液送ポンプ17と移送ポンプ21と第2液送ポンプ26の制御を人手により行っても良い。

0036

モニタ23で検出された吸着材2の移送量は、制御部28に入力される。また、制御部28は、経過時間をカウントする計時部を備える。

0037

モニタ23は、レーザなどの光を用いた監視装置となっている。このモニタ23により第2移送配管22を流れる水のスラリー濃度濁り具合)を取得する。制御部28は、スラリー濃度と移送ポンプ21による流量とその時間を集計することで、吸着材2の移送量を算出することができる。この算出した移送量により、第1吸着塔3から第2吸着塔4まで吸着材2の移送が完了したか否かを把握することができる。

0038

第1処理系統13において、第1吸着塔3から吸着材2を抜き出すときには、補給水タンク18から移送用流体である補給水W3を第1液送ポンプ17に供給し、第1液送ポンプ17を駆動させる。すると、第1通水配管15から第1吸着塔3の下部に補給水W3が供給され、第1吸着塔3の上部から第1循環配管16に補給水W3が流出される。つまり、第1吸着塔3の下から上へ補給水W3の通水を行うことができる。この通水によって、第1液送ポンプ17と第1通水配管15と第1吸着塔3と第1循環配管16とを循環するループ状の流路が形成される。この通水により吸着材2が流動化し、補給水W3と一緒に流れるようになる。

0039

そして、移送ポンプ21を駆動することで、第1移送配管20および第2移送配管22を介して補給水W3と一緒に吸着材2が第2吸着塔4に移送される。

0040

第2処理系統14では、第2処理前タンク9から処理前の第2処理対象水W2を第2液送ポンプ26に供給し、第2液送ポンプ26を駆動させる。すると、第2通水配管24から第2吸着塔4の下部に第2処理対象水W2が供給され、第2吸着塔4の上部から第2循環配管25に第2処理対象水W2が流出される。つまり、第2吸着塔4の下から上へ通水を行うことができる。この通水によって、第2通水配管24と第2循環配管25と第2液送ポンプ26とを循環するループ状の流路が形成される。この通水によって、第1吸着塔3から移送された吸着材2が整えられる。そして、第2吸着塔4の内部で偏りなく吸着材2が収容される。

0041

そして、第1吸着塔3に収容された吸着材2の全部または所定の量が、第2吸着塔4に移送された時点でポンプ17,21,26を停止する。

0042

本実施形態では、まず、第1吸着塔3にて第1処理対象水W1の特定物質を吸着材2に吸着させる。そして、第1吸着塔3に収容された吸着材2が破過状態になるまで使用する。ここで、破過状態とは、特定物質の吸着能力が上限に達した状態を示す。例えば、第1処理対象水W1に含まれる特定物質の濃度が、第1吸着塔3を通過する前と後とでほぼ同じ濃度である場合には、第1吸着塔3の吸着材2が破過状態になったと見なすことができる。

0043

なお、破過状態を示す吸着能力の上限値は、それぞれの処理系統13,14に応じて異なる値が設定される。例えば、第1処理系統13で破過状態となった吸着材2であっても、第2処理系統14では未だ破過状態ではない場合がある。また、所定の吸着材2が、第1処理系統13で処理する第1処理対象水W1に含まれる1種類の特定物質に対する吸着能力が上限に達しても、第2処理系統14で処理する第2処理対象水W2に含まれる他の種類の特定物質に対する吸着能力が上限に達していない場合がある。

0044

本実施形態では、第1吸着塔3に収容された吸着材2を第2吸着塔4まで移送することで、第1処理対象水W1を処理する第1処理系統13で破過状態となった吸着材2を、第2処理対象水W2を処理する第2処理系統14で再利用することができる。つまり、第2吸着塔4にて第2処理対象水W2の特定物質を、第1処理対象水W1の特定物質の吸着に用いた吸着材2に吸着させる。このようにすれば、第1処理系統13では、破過状態となった吸着材2を再利用できるため、廃棄物となる吸着材2の量を削減できる。

0045

なお、処理対象水W1,W2に複数種類の特定物質が含まれているときに、1つの種類の特定物質に対しては破過状態になったとしても、他の種類の特定物質については未だ破過状態となっていない場合がある。そこで、このような吸着の対象となる特定物質が異なる複数種類の処理対象水W1,W2を処理する場合に、1種類の処理対象水W1の処理に用いた吸着材2を、他の種類の処理対象水W2の処理に用いるようにする。

0046

また、第1処理対象水W1を処理する第1吸着塔3に収容された吸着材2の少なくとも一部を第1吸着塔3から抜き出して、第2処理対象水W2を処理する第2吸着塔4に移送するようにしている。このようにすれば、第1吸着塔3を用いて第1処理対象水W1を処理する第1処理形態から第2吸着塔4を用いて第2処理対象水W2を処理する第2処理形態に切り換えることができる。

0047

また、特定物質の濃度が処理前の第1処理対象水W1の2倍以上となる処理前の第2処理対象水W2に含まれる特定物質を、第1処理対象水W1の特定物質の吸着に用いた吸着材2に吸着させる。このようにすれば、第1処理対象水W1の処理に用いた吸着材2を第2処理対象水W2の処理に再利用するときに、第2処理対象水W2の処理効率を向上させることができる。また、第1処理対象水W1の処理のときに吸着材2に吸着された特定物質が、第2処理対象水W2の処理のときに溶け出してしまうことを抑制することができる。

0048

また、第1吸着塔3から吸着材2を抜き出すときに、第1吸着塔3の下から上へ通水を行うようにしている。このようにすれば、作業者が吸着材2に触れずに第1吸着塔3から吸着材2を抜き出すことができるため、作業者の被ばくを抑えることができる。さらに、第1吸着塔3に対して、吸着材2の脱着操作を行わないで、効率的に移送することができる。

0049

また、第1吸着塔3から抜き出された吸着材2を、第1吸着塔3から第2吸着塔4まで接続された配管16,20,22を介して移送するようにしている。このようにすれば、第1吸着塔3から吸着材2を抜き出すときに、作業者が吸着材2に触れずに行うことができるため、作業者の被ばくを抑えることができる。

0050

また、第1吸着塔3から吸着材2を抜き出すときには、補給水タンク18から移送用の流体である補給水W3を第1液送ポンプ17に供給することで、作業者が吸着材2に触れずに、吸着材2を抜き出すことができる

0051

また、移送用の流体である補給水W3に含まれる特定物質の濃度は、第1吸着塔3の吸着材2で処理後の第1処理対象水W1に含まれる特定物質の濃度以下となっていることが好ましい。このようにすれば、吸着材2の吸着能力を維持したまま移送することができる。

0052

なお、本実施形態では、補給水タンク18に貯留された補給水W3を第1吸着塔3に通水することで、吸着材2を抜き出しているが、その他の態様であっても良い。例えば、第1処理後タンク7に貯留された処理後の第1処理対象水W1を第1吸着塔3に通水することで、吸着材2を抜き出しても良い。

0053

なお、特に図示はしないが、それぞれの配管には、バルブが設けられている。それぞれの配管に水を流すときには、対応するバルブが開放され、水を流さないときには、対応するバルブが閉鎖される制御がなされる。また、バルブの開閉の制御を人手により行っても良い。

0054

次に、第1実施形態の放射性廃液処理システム1が実行する放射性廃液処理方法について図2のフローチャートを用いて説明する。この放射性廃液処理システム1の動作によって受動的に生じる作用を含めて説明する。なお、図1を適宜参照する。

0055

図2に示すように、まず、ステップS11において、作業者は、各種のバルブを制御し、処理前の第1処理対象水W1を第1処理前タンク5から第1吸着塔3に供給する。そして、第1吸着塔3の吸着材2が第1処理対象水W1に含まれる特定物質を吸着する。処理後の第1処理対象水W1は、第1処理後タンク7に貯留される。なお、制御部28がバルブの制御を行っても良い。

0056

次のステップS12において、作業者は、第1吸着塔3の吸着材2が破過状態になったか否かを判定する。この判定は、第1処理対象水W1の処理量または第1処理系統13における吸着材2の使用期間を参照して行われる。なお、制御部28がこの判定を行っても良い。ここで、第1吸着塔3の吸着材2が破過状態でない場合(ステップS12がNO)は、前述のステップS11に戻る。一方、第1吸着塔3の吸着材2が破過状態である場合(ステップS12がYES)は、ステップS13に進む。

0057

ステップS13において、制御部28は、第1液送ポンプ17を駆動し、補給水タンク18の補給水W3を第1吸着塔3に供給する。そして、第1吸着塔3の下から上へ補給水W3の通水が行われる。

0058

次のステップS14において、補給水W3の流れに伴って吸着材2が第1吸着塔3から第1循環配管16を介して抜き出される。ここで、第1液送ポンプ17と第1通水配管15と第1吸着塔3と第1循環配管16とを循環するループ状の流路が形成される。この通水により吸着材2が流動化し、補給水W3と一緒に流れるようになる。

0059

次のステップS15において、制御部28は、移送ポンプ21を駆動することで、第1移送配管20および第2移送配管22を介して補給水W3と一緒に吸着材2を第2吸着塔4に移送する。なお、第1液送ポンプ17と第1通水配管15と第1吸着塔3と第1循環配管16とを循環するループ状の流れと、吸着材2の第2吸着塔4に対する移送とを同時に行っても良い。

0060

次のステップS16において、制御部28は、第2移送配管22を介して移送される吸着材2の移送量をモニタ23によって監視する。なお、作業者がこの監視を行っても良い。

0061

次のステップS17において、制御部28は、監視される移送量に基づいて、第1吸着塔3から第2吸着塔4までの吸着材2の移送が完了したか否かを判定する。なお、作業者がこの判定を行っても良い。ここで、吸着材2の移送が完了していない場合(ステップS17がNO)は、前述のステップS13に戻る。一方、吸着材2の移送が完了した場合(ステップS17がYES)は、ステップS18に進む。

0062

次のステップS18において、作業者は、各種のバルブを制御し、処理前の第2処理対象水W2を第2処理前タンク9から第2吸着塔4に供給する。そして、第2吸着塔4の吸着材2が第2処理対象水W2に含まれる特定物質を吸着する。処理後の第2処理対象水W2は、第2処理後タンク11に貯留される。なお、制御部28がバルブの制御を行っても良い。

0063

以上により、放射性廃液処理方法を終了する。なお、吸着材2が抜き出された第1吸着塔3に新しい吸着材2を投入しても良い。

0064

本実施形態では、第1移送配管20および第2移送配管22を介して吸着材2を第1吸着塔3から第2吸着塔4まで移送している。つまり、水力移送機構を用いて吸着材2の移送を行っているが、その他の態様であっても良い。例えば、第1吸着塔3から第2吸着塔4まで吸着材2を移送するときの少なくとも一部で、ベルトコンベアによる移送機構、スクリュによる移送機構、重力落下機構、押し出し機構、または空気移送機構を用いても良い。このようにすれば、吸着材2の移送形態に応じて適切な機構を用いることができる。

0065

なお、各機構の一例を述べる。ベルトコンベアによる移送機構とは、ベルトコンベアにより吸着材2を移送する機構である。スクリュによる移送機構とは、アルキメディアン・スクリュなどのスクリュ状の機械要素を用いて吸着材2を移送する機構である。重力落下機構とは、第1吸着塔3が第2吸着塔4の上部に設けられており、第1吸着塔3の底板を開放することで、第2吸着塔4の内部に吸着材2を落下させて移送する機構である。押し出し機構とは、ピストンなどの機械要素を用いて第1吸着塔3から吸着材2を押し出して移送する機構である。空気移送機構とは、補給水W3の替りに移送用の流体として空気を用いる移送機構である。

0066

本実施形態では、第1吸着塔3が設けられた第1処理系統13と、第2吸着塔4が設けられた第2処理系統14のみを例示しているが、処理系統が3つ以上あっても良い。そして、第1処理系統13にて破過状態になった吸着材2を第2処理系統14に移送し、さらに、第2処理系統14にて破過状態になった吸着材2を第3処理系統に移送しても良い。

0067

(第2実施形態)
次に、第2実施形態の放射性廃液処理方法および放射性廃液処理システム1Aについて図3から図4を用いて説明する。なお、前述した実施形態に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。

0068

図3に示すように、第2実施形態の放射性廃液処理システム1Aは、第1吸着塔3から第2吸着塔4まで吸着材2を移送する途中の段階で用いる移送用タンク29を備える。

0069

移送用タンク29には、第1吸着塔3から延びる第1循環配管16が接続される。そして、移送用タンク29から延びる補助循環配管30が第1液送ポンプ17に接続される。また、第1液送ポンプ17から延びる第1移送配管20が移送用タンク29に接続される。さらに、移送用タンク29から延びる補助移送配管31が移送ポンプ21に接続される。第1通水配管15、第1循環配管16、移送用タンク29、補助循環配管30によりループ状の流路が形成される。

0070

なお、第1循環配管16には、移送される吸着材2の移送量を監視するためのモニタ32が設けられる。このモニタ32で検出された吸着材2の移送量は、制御部28に入力される。

0071

第1処理系統13において、第1吸着塔3から吸着材2を抜き出すときには、補給水タンク18から移送用の流体である補給水W3を第1液送ポンプ17に供給し、第1液送ポンプ17を駆動させる。まず、第1液送ポンプ17から第1通水配管15を介して第1吸着塔3の下部に補給水W3を供給する。そして、第1吸着塔3の上部から第1循環配管16に補給水W3が流出され、移送用タンク29に流入される。そして、第1液送ポンプ17と第1通水配管15と第1吸着塔3と第1循環配管16と移送用タンク29と補助循環配管30を循環するループ状の流路が形成される。この通水により吸着材2が流動化し、補給水W3と一緒に流れるようになる。

0072

第1吸着塔3から抜き出された吸着材2は、移送用タンク29に収容される。なお、移送用タンク29において、補助循環配管30に繋がる出口側に、吸着材2のみを保持して水を通過させるフィルタを設けても良い。

0073

第1吸着塔3から抜き出された吸着材2の移送量をモニタ32により監視する。そして、第1吸着塔3から第2吸着塔4まで充分な量の吸着材2が移送された後、第1液送ポンプ17を一旦停止する。

0074

次に、第1液送ポンプ17は、補給水W3の供給先を切り換え、第1液送ポンプ17から第1移送配管20を介して移送用タンク29に補給水W3を供給する。そして、移送ポンプ21を駆動することで、移送用タンク29から補助移送配管31および第2移送配管22を介して補給水W3と一緒に吸着材2が第2吸着塔4に移送される。

0075

そして、移送用タンク29に収容された吸着材2の全部または所定の量が、第2吸着塔4に移送された時点で移送ポンプ21を停止する。

0076

なお、第2処理系統14が第1処理系統13から離れた場所に設けられている場合には、第1吸着塔3から抜き出した吸着材2を移送用タンク29に収容した後に、この移送用タンク29を第1処理系統13から取り外しても良い。そして、移送用タンク29を第2処理系統14まで移動させても良い。つまり、移送用タンク29を車両または船舶などを用いて移送しても良い。そして、移送用タンク29を第2処理系統14に接続した後に、移送用タンク29に収容された吸着材2を第2吸着塔4に導入させても良い。第2実施形態では、移送用タンク29を用いることで、第1吸着塔3から第2吸着塔4まで配管が接続されていなくても、吸着材2を移送することができる。

0077

次に、第2実施形態の放射性廃液処理システム1Aが実行する放射性廃液処理方法について図4のフローチャートを用いて説明する。この放射性廃液処理システム1Aの動作によって受動的に生じる作用を含めて説明する。なお、図3を適宜参照する。

0078

図4に示すように、まず、ステップS21において、作業者は、各種のバルブを制御し、処理前の第1処理対象水W1を第1処理前タンク5から第1吸着塔3に供給する。そして、第1吸着塔3の吸着材2が第1処理対象水W1に含まれる特定物質を吸着する。処理後の第1処理対象水W1は、第1処理後タンク7に貯留される。なお、制御部28がバルブの制御を行っても良い。

0079

次のステップS22において、作業者は、第1吸着塔3の吸着材2が破過状態になったか否かを判定する。なお、制御部28がこの判定を行っても良い。ここで、第1吸着塔3の吸着材2が破過状態でない場合(ステップS22がNO)は、前述のステップS21に戻る。一方、第1吸着塔3の吸着材2が破過状態である場合(ステップS22がYES)は、ステップS23に進む。

0080

ステップS23において、制御部28は、第1液送ポンプ17を駆動し、補給水タンク18の補給水W3を第1吸着塔3に供給する。そして、第1吸着塔3の下から上へ補給水W3の通水が行われる。

0081

次のステップS24において、補給水W3の流れに伴って吸着材2が第1吸着塔3から第1循環配管16を介して抜き出される。ここで、第1液送ポンプ17と第1通水配管15と第1吸着塔3と第1循環配管16と移送用タンク29と補助循環配管30を循環するループ状の流路が形成される。この通水により吸着材2が流動化し、補給水W3と一緒に流れるようになる。

0082

次のステップS25において、第1吸着塔3から抜き出された吸着材2は、第1循環配管16を介して移送用タンク29まで移送される。そして、第1吸着塔3から抜き出された吸着材2は、移送用タンク29に収容される。

0083

次のステップS26において、制御部28は、第1循環配管16を介して移送される吸着材2の移送量をモニタ32によって監視する。なお、作業者がこの監視を行っても良い。

0084

次のステップS27において、制御部28は、監視される移送量に基づいて、第1吸着塔3から移送用タンク29までの吸着材2の移送が完了したか否かを判定する。なお、作業者がこの判定を行っても良い。ここで、吸着材2の移送が完了していない場合(ステップS27がNO)は、前述のステップS23に戻る。一方、吸着材2の移送が完了した場合(ステップS27がYES)は、ステップS28に進む。

0085

ステップS28において、第1液送ポンプ17は、補給水W3の供給先を切り換え、第1液送ポンプ17から第1移送配管20を介して移送用タンク29に補給水W3を供給する。この補給水W3の流れに伴って吸着材2が移送用タンク29から補助移送配管31を介して抜き出される。

0086

次のステップS29において、制御部28は、移送ポンプ21を駆動することで、補助移送配管31および第2移送配管22を介して補給水W3と一緒に吸着材2が第2吸着塔4まで移送される。

0087

次のステップS30において、制御部28は、第2移送配管22を介して移送される吸着材2の移送量をモニタ23によって監視する。なお、作業者がこの監視を行っても良い。

0088

次のステップS31において、制御部28は、監視される移送量に基づいて、移送用タンク29から第2吸着塔4までの吸着材2の移送が完了したか否かを判定する。なお、作業者がこの判定を行っても良い。ここで、吸着材2の移送が完了していない場合(ステップS31がNO)は、前述のステップS28に戻る。一方、吸着材2の移送が完了した場合(ステップS31がYES)は、ステップS32に進む。

0089

ステップS32において、作業者は、各種のバルブを制御し、処理前の第2処理対象水W2を第2処理前タンク9から第2吸着塔4に供給する。そして、第2吸着塔4の吸着材2が第2処理対象水W2に含まれる特定物質を吸着する。処理後の第2処理対象水W2は、第2処理後タンク11に貯留される。なお、制御部28がバルブの制御を行っても良い。

0090

以上により、放射性廃液処理方法を終了する。なお、吸着材2が抜き出された第1吸着塔3に新しい吸着材2を投入しても良い。

0091

第2実施形態では、第1吸着塔3から移送用タンク29に吸着材2を移送し、この移送用タンク29を用いて第2吸着塔4まで吸着材2を移送する。そのため、第2吸着塔4が第1吸着塔3の遠隔地にあっても吸着材2を移送することができる。

0092

(第3実施形態)
次に、第3実施形態の放射性廃液処理方法および放射性廃液処理システム1Bについて図5から図6を用いて説明する。なお、前述した実施形態に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。

0093

図5に示すように、第3実施形態の放射性廃液処理システム1Bは、1つの処理系統33に1つの吸着塔34が設けられている。

0094

この1つの吸着塔34には、処理前の第1処理対象水W1が貯留される第1処理前タンク5が第1供給配管6を介して接続される。さらに、処理後の第1処理対象水W1が貯留される第1処理後タンク7が第1排出配管8を介して接続される。

0095

さらに、この1つの吸着塔34には、処理前の第2処理対象水W2が貯留される第2処理前タンク9が第2供給配管10を介して接続される。さらに、処理後の第2処理対象水W2が貯留される第2処理後タンク11が第2排出配管12を介して接続される。

0096

放射性廃液処理システム1Bは、第1供給配管6に設けられるバルブ35と、第1排出配管8に設けられるバルブ36と、第2供給配管10に設けられるバルブ37と、第2排出配管12に設けられるバルブ38とを制御する制御部28を備える。

0097

第1処理形態では、第1供給配管6に設けられるバルブ35と、第1排出配管8に設けられるバルブ36とを開放し、他のバルブ37,38を閉鎖する。ここで、吸着塔34にて第1処理対象水W1の特定物質を吸着材2に吸着させる。そして、吸着塔34に収容された吸着材2が破過状態になるまで使用する。吸着材2が破過状態になったら、第1処理形態から第2処理形態に切り換える。

0098

第2処理形態では、第2供給配管10に設けられるバルブ37と、第2排出配管12に設けられるバルブ38とを開放し、他のバルブ35,36を閉鎖する。そして、吸着塔34にて第2処理対象水W2の特定物質を吸着材2に吸着させる。

0099

次に、第3実施形態の放射性廃液処理システム1Bが実行する放射性廃液処理方法について図6のフローチャートを用いて説明する。この放射性廃液処理システム1Bの動作によって受動的に生じる作用を含めて説明する。なお、図5を適宜参照する。

0100

図6に示すように、まず、ステップS41において、制御部28は、第1供給配管6に設けられるバルブ35と、第1排出配管8に設けられるバルブ36とを開放し、他のバルブ37,38を閉鎖する。ここで、処理前の第1処理対象水W1を第1処理前タンク5から吸着塔34に供給する。そして、吸着塔34にて第1処理対象水W1の特定物質を吸着材2に吸着させる。処理後の第1処理対象水W1は、第1処理後タンク7に貯留される。なお、作業者がバルブ35〜38の制御を行っても良い。

0101

次に、ステップS42において、作業者は、吸着塔34の吸着材2が破過状態になったか否かを判定する。なお、制御部28がこの判定を行っても良い。ここで、吸着塔34の吸着材2が破過状態でない場合(ステップS42がNO)は、前述のステップS41に戻る。一方、吸着塔34の吸着材2が破過状態である場合(ステップS42がYES)は、ステップS43に進む。

0102

次に、ステップS43において、制御部28は、第2供給配管10に設けられるバルブ37と、第2排出配管12に設けられるバルブ38とを開放し、他のバルブ35,36を閉鎖する。このようにバルブ35〜38の開閉の切り換えが行われることで、第1処理形態から第2処理形態に切り換えることができる。

0103

次に、ステップS44において、処理前の第2処理対象水W2を第2処理前タンク9から吸着塔34に供給する。そして、吸着塔34にて第2処理対象水W2の特定物質を吸着材2に吸着させる。処理後の第2処理対象水W2は、第2処理後タンク11に貯留される。なお、作業者がバルブ35〜38の制御を行っても良い。

0104

第3実施形態の放射性廃液処理システム1Bでは、吸着材2が収容された1つの吸着塔34に対して、第1処理対象水W1を処理させる第1処理形態から、第2処理対象水W2を処理させる第2処理形態に切り換えることができる。このようにすれば、第1処理対象水W1を処理する第1処理形態から第2処理対象水W2を処理する第2処理形態に変更するときに、吸着塔34に対する吸着材2の入れ替えを行わずに済む。そのため、作業者が吸着材2に触れずに済むようになり、作業者の被ばくを抑えることができる。

0105

本実施形態に係る放射性廃液処理方法を第1実施形態から第3実施形態に基づいて説明したが、いずれか1の実施形態において適用された構成を他の実施形態に適用しても良いし、各実施形態において適用された構成を組み合わせても良い。

0106

なお、本実施形態のフローチャートにおいて、各ステップが直列に実行される形態を例示しているが、必ずしも各ステップの前後関係が固定されるものでなく、一部のステップの前後関係が入れ替わっても良い。また、一部のステップが他のステップと並列に実行されても良い。

0107

なお、本実施形態では、第1処理系統13に1つの第1吸着塔3が設けられる態様を例示しているが、その他の態様であっても良い。例えば、第1処理系統13に2つ以上の第1吸着塔3が設けられても良い。また、本実施形態では、第2処理系統14に1つの第2吸着塔4が設けられる態様を例示しているが、その他の態様であっても良い。例えば、第2処理系統14に2つ以上の第2吸着塔4が設けられても良い。

0108

以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、特定物質の濃度が第1処理対象水とは異なる第2処理対象水に含まれる特定物質を、第1処理対象水の特定物質の吸着に用いた吸着材に吸着させるステップを含むことにより、原子力発電所から発生する処理対象水を処理するときに発生する廃棄物を削減することができる。

0109

本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

0110

1(1A,1B)…放射性廃液処理システム、2…吸着材、3…第1吸着塔、4…第2吸着塔、5…第1処理前タンク、6…第1供給配管、7…第1処理後タンク、8…第1排出配管、9…第2処理前タンク、10…第2供給配管、11…第2処理後タンク、12…第2排出配管、13…第1処理系統、14…第2処理系統、15…第1通水配管、16…第1循環配管、17…第1液送ポンプ、18…補給水タンク、19…補給接続管、20…第1移送配管、21…移送ポンプ、22…第2移送配管、23…モニタ、24…第2通水配管、25…第2循環配管、26…第2液送ポンプ、27…タンク接続管、28…制御部、29…移送用タンク、30…補助循環配管、31…補助移送配管、32…モニタ、33…処理系統、34…吸着塔、35〜38…バルブ、W1…第1処理対象水、W2…第2処理対象水、W3…補給水。

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