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技術 信号処理回路、位置検出装置および磁気センサシステム

出願人 TDK株式会社
発明者 猿木俊司望月慎一郎
出願日 2019年3月18日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-049336
公開日 2020年9月24日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-153664
状態 未査定
技術分野 電気磁気的手段を用いた長さ、角度等の測定 感知要素の出力の伝達及び変換
主要キーワード 補正後信号 磁気センサシステム オフセット変化 位置情報生成処理 球関節 仮想球 基準原点 候補点間
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重要な関連分野

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図面 (20)

課題

3つの検出信号オフセットが変化したら、オフセット変化後の仮想球体中心座標を速やかに推定できるようにする。

解決手段

磁気センサシステム3は、磁気センサ装置4と信号処理回路5を備えている。磁気センサ装置4は、磁気センサ装置4に対する相対的な位置が変化可能な磁界発生器が発生する磁界の3つの方向の成分に対応する第1ないし第3の検出信号を生成する。信号処理回路5は、直交座標系において、あるタイミングにおける第1ないし第3の検出信号の値の組を表す座標測定点としたときに、複数のタイミングにおける複数の測定点の中から、それらを結ぶ線分の長さが最大となる第1点と第2点を抽出する最大線分抽出部71と、第1点と第2点を結ぶ線分の中点の座標を求める中点座標演算部72を含んでいる。

概要

背景

近年、種々の用途で、印加される磁界の複数の方向の成分を検出する磁気センサ装置が用いられている。この磁気センサ装置の用途の1つとしては、特許文献1、2に記載されているような、3次元的に移動可能な磁石の位置を検出する磁気式位置検出装置がある。

磁気式の位置検出装置は、例えば、磁気センサ装置と、この磁気センサ装置を中心とする所定の球面に沿って移動可能な磁石と、信号処理回路とを備えている。磁気センサ装置は、磁石によって発生されて磁気センサ装置に印加される磁界の互いに直交する3つの方向の3成分を検出し、この3成分に対応する3つの検出信号を生成する。信号処理回路は、3つの検出信号に基づいて磁石の位置を表す位置情報を生成する。

このような磁気式の位置検出装置では、磁石が発生する磁界以外の外乱磁界が磁気センサ装置に印加されたり、磁気センサ装置と磁石との位置関係が所望の位置関係からずれたりすると、3つの検出信号にオフセットが生じ、その結果、位置情報が不正確になる場合がある。

3つの検出信号に生じたオフセットを補正する方法は、従来から知られている。その一般的な方法では、三次元の直交座標系において、あるタイミングにおける3つの検出信号の値の組を表す座標測定点としたときに、複数のタイミングにおける複数の測定点の分布近似した球面を有する仮想球体を求め、この仮想の球体の中心座標を用いてオフセットを補正する。

特許文献3には、以下のように、オフセットが変化したときに新たな仮想の球体の中心座標を求める技術が記載されている。特許文献3には、X軸センサ、Y軸センサおよびZ軸センサを含む磁気検知部と、演算部とを有する磁界検知装置が記載されている。演算部は、X軸センサ、Y軸センサおよびZ軸センサの検知出力に基づいて、磁気ベクトルを、三次元座標上に中心点を有する球面座標上の座標点として求め、先に設定された球面座標から外れシフト座標点所定数以上検出されたら、複数のシフト座標点を用いて新たな球面座標の中心点を求める。球面座標の中心点は、磁気ベクトルを球面座標上の座標点として表す際の基準原点である。特許文献3における球面座標は、前述の仮想の球体に対応する。特許文献3における球面座標の中心点は、前述の仮想の球体の中心座標に対応する。

特許文献3には、新たな球面座標の中心点を求める方法として、以下の第1の方法と第2の方法が記載されている。第1の方法では、初期の球面座標の半径をRとして、1つのシフト座標点を中心とする半径Rの仮想球と、他の1つのシフト座標点を中心とする半径Rの仮想球を求め、更に、この2つの仮想球の交叉円を求め、この交叉円上で、先に設定された球面座標の中心点に最も近い点を、新たな球面座標の中心点とする。第2の方法では、2つのシフト座標点を結ぶ線の中点を通り前記線と直交する平面と、先に設定された球面座標の中心点から前記平面に降ろした垂線と前記平面との交点を求め、前記交点と前記中点とを結ぶ線上で、前記中点から半径Rだけ離れた点を、新たな球面座標の中心点とする。

概要

3つの検出信号のオフセットが変化したら、オフセット変化後の仮想の球体の中心座標を速やかに推定できるようにする。磁気センサシステム3は、磁気センサ装置4と信号処理回路5を備えている。磁気センサ装置4は、磁気センサ装置4に対する相対的な位置が変化可能な磁界発生器が発生する磁界の3つの方向の成分に対応する第1ないし第3の検出信号を生成する。信号処理回路5は、直交座標系において、あるタイミングにおける第1ないし第3の検出信号の値の組を表す座標を測定点としたときに、複数のタイミングにおける複数の測定点の中から、それらを結ぶ線分の長さが最大となる第1点と第2点を抽出する最大線分抽出部71と、第1点と第2点を結ぶ線分の中点の座標を求める中点座標演算部72を含んでいる。

目的

本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、磁気センサ装置が検出する磁界の互いに異なる3つの方向の成分と対応関係を有する3つの検出信号のオフセットが変化したら、オフセット変化後の仮想の球体の中心座標を速やかに推定できるようにした信号処理回路、位置検出装置および磁気センサシステムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

基準位置における磁界の互いに異なる3つの方向の成分と対応関係を有する第1の検出信号、第2の検出信号および第3の検出信号を生成する磁気センサ装置から出力される前記第1ないし第3の検出信号を処理する信号処理回路であって、前記第1ないし第3の検出信号の値を表すための3つの軸によって定義された直交座標系において、あるタイミングにおける前記第1ないし第3の検出信号の値の組を表す座標測定点としたときに、複数のタイミングにおける複数の測定点の中から、それらを結ぶ線分の長さが最大となる第1点と第2点を抽出する第1の処理と、前記第1の処理によって抽出された前記第1点と第2点を結ぶ線分の中点の座標を求める第2の処理とを行うことを特徴とする信号処理回路。

請求項2

前記第2の処理は、更に、前記第1点と第2点を結ぶ線分の長さの1/2を求め、これを磁界強度データとし、前記中点の座標と前記磁界強度データを保持することを特徴とする請求項1記載の信号処理回路。

請求項3

更に、前記第2の処理によって保持されている前記中点の座標および磁界強度データを用いて、前記第1ないし第3の検出信号のオフセットの変化を検出するオフセット変化検出処理を行うことを特徴とする請求項2記載の信号処理回路。

請求項4

更に、前記第1ないし第3の検出信号を用いた計算によって、球体情報を生成する球体情報生成処理を行い、前記球体情報は、複数のタイミングにおける複数の測定点の分布近似した球面を有する仮想の球体の中心座標および半径のデータを含むことを特徴とする請求項1記載の信号処理回路。

請求項5

更に、オフセット補正処理を行い、前記オフセット補正処理は、前記球体情報生成処理によって生成された前記球体情報のうちの前記中心座標のデータを用いて、前記第1ないし第3の検出信号のオフセットを補正して、第1ないし第3の補正後信号を生成することを特徴とする請求項4記載の信号処理回路。

請求項6

更に、前記第1ないし第3の検出信号のオフセットの変化を検出するオフセット変化検出処理を行い、前記オフセット変化検出処理は、オフセットの変化を検出したら前記球体情報生成処理を開始させることを特徴とする請求項4または5記載の信号処理回路。

請求項7

前記第2の処理は、更に、前記第1点と第2点を結ぶ線分の長さの1/2を求め、これを磁界強度データとし、前記中点の座標と前記磁界強度データを保持し、前記オフセット変化検出処理は、前記第2の処理によって保持されている前記中点の座標および磁界強度データの組と、前記球体情報生成処理によって生成された前記球体情報のうちの一方を用いて行われることを特徴とする請求項6記載の信号処理回路。

請求項8

前記オフセット変化検出処理は、前記球体情報生成処理を開始させてから所定時間以内に新しい球体情報が得られたときには、この新しい球体情報を用いて行われ、前記球体情報生成処理を開始させてから前記所定時間以内に新しい球体情報が得られなかったときには、前記中点の座標および磁界強度データの組を用いて行われることを特徴とする請求項7記載の信号処理回路。

請求項9

所定の磁界を発生する磁界発生器と、磁気センサ装置と、請求項1ないし8のいずれかに記載の信号処理回路とを備えた位置検出装置であって、前記磁界発生器は、前記磁気センサ装置に対する相対的な位置が所定の球面に沿って変化可能であり、前記磁気センサ装置は、前記第1ないし第3の検出信号を生成することを特徴とする位置検出装置。

請求項10

磁気センサ装置と、請求項1ないし8のいずれかに記載の信号処理回路とを備え、前記磁気センサ装置は、前記第1の検出信号を生成する第1の磁気センサと、前記第2の検出信号を生成する第2の磁気センサと、前記第3の検出信号を生成する第3の磁気センサとを含むことを特徴とする磁気センサシステム

技術分野

0001

本発明は、磁気センサ装置から出力され、磁気センサ装置に印加される磁界の互いに異なる3つの方向の成分と対応関係を有する3つの検出信号を処理する信号処理回路、ならびにこの信号処理回路を含む位置検出装置および磁気センサシステムに関する。

背景技術

0002

近年、種々の用途で、印加される磁界の複数の方向の成分を検出する磁気センサ装置が用いられている。この磁気センサ装置の用途の1つとしては、特許文献1、2に記載されているような、3次元的に移動可能な磁石の位置を検出する磁気式の位置検出装置がある。

0003

磁気式の位置検出装置は、例えば、磁気センサ装置と、この磁気センサ装置を中心とする所定の球面に沿って移動可能な磁石と、信号処理回路とを備えている。磁気センサ装置は、磁石によって発生されて磁気センサ装置に印加される磁界の互いに直交する3つの方向の3成分を検出し、この3成分に対応する3つの検出信号を生成する。信号処理回路は、3つの検出信号に基づいて磁石の位置を表す位置情報を生成する。

0004

このような磁気式の位置検出装置では、磁石が発生する磁界以外の外乱磁界が磁気センサ装置に印加されたり、磁気センサ装置と磁石との位置関係が所望の位置関係からずれたりすると、3つの検出信号にオフセットが生じ、その結果、位置情報が不正確になる場合がある。

0005

3つの検出信号に生じたオフセットを補正する方法は、従来から知られている。その一般的な方法では、三次元の直交座標系において、あるタイミングにおける3つの検出信号の値の組を表す座標測定点としたときに、複数のタイミングにおける複数の測定点の分布近似した球面を有する仮想球体を求め、この仮想の球体の中心座標を用いてオフセットを補正する。

0006

特許文献3には、以下のように、オフセットが変化したときに新たな仮想の球体の中心座標を求める技術が記載されている。特許文献3には、X軸センサ、Y軸センサおよびZ軸センサを含む磁気検知部と、演算部とを有する磁界検知装置が記載されている。演算部は、X軸センサ、Y軸センサおよびZ軸センサの検知出力に基づいて、磁気ベクトルを、三次元座標上に中心点を有する球面座標上の座標点として求め、先に設定された球面座標から外れシフト座標点所定数以上検出されたら、複数のシフト座標点を用いて新たな球面座標の中心点を求める。球面座標の中心点は、磁気ベクトルを球面座標上の座標点として表す際の基準原点である。特許文献3における球面座標は、前述の仮想の球体に対応する。特許文献3における球面座標の中心点は、前述の仮想の球体の中心座標に対応する。

0007

特許文献3には、新たな球面座標の中心点を求める方法として、以下の第1の方法と第2の方法が記載されている。第1の方法では、初期の球面座標の半径をRとして、1つのシフト座標点を中心とする半径Rの仮想球と、他の1つのシフト座標点を中心とする半径Rの仮想球を求め、更に、この2つの仮想球の交叉円を求め、この交叉円上で、先に設定された球面座標の中心点に最も近い点を、新たな球面座標の中心点とする。第2の方法では、2つのシフト座標点を結ぶ線の中点を通り前記線と直交する平面と、先に設定された球面座標の中心点から前記平面に降ろした垂線と前記平面との交点を求め、前記交点と前記中点とを結ぶ線上で、前記中点から半径Rだけ離れた点を、新たな球面座標の中心点とする。

先行技術

0008

特開2009−245421号公報
特開2018−189512号公報
特開2011−185862号公報

発明が解決しようとする課題

0009

磁気センサ装置と磁石と信号処理回路とを備えた前述の磁気式の位置検出装置では、環境の変化等によって、3つの検出信号のオフセットが変化し、その結果、上記の仮想の球体の中心座標が変化し得る。中心座標が変化したときに、オフセットを補正する処理で用いる中心座標を更新しないと、補正が不正確になる。そのため、位置検出装置では、オフセットが変化したら、速やかに、そのことを認識できることが望まれ、そのためには、オフセット変化後の仮想の球体の中心座標を速やかに推定できることが望まれる。

0010

特許文献3に記載されている新たな球面座標の中心点は、上記のオフセット変化後の仮想の球体の中心座標に対応する。前述の通り、特許文献3には、新たな球面座標の中心点を求めるための第1の方法と第2の方法が記載されている。第1の方法では、2つの仮想球を求める必要がある。第2の方法では、平面の方程式を求める必要がある。第1の方法と第2の方法のいずれも、比較的複雑な演算が必要であり、ある程度時間を要する。そのため、特許文献3に記載された第1および第2の方法では、オフセット変化後の仮想の球体の中心座標を速やかに推定することが難しいという問題点がある。

0011

本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、磁気センサ装置が検出する磁界の互いに異なる3つの方向の成分と対応関係を有する3つの検出信号のオフセットが変化したら、オフセット変化後の仮想の球体の中心座標を速やかに推定できるようにした信号処理回路、位置検出装置および磁気センサシステムを提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

本発明の信号処理回路は、基準位置における磁界の互いに異なる3つの方向の成分と対応関係を有する第1の検出信号、第2の検出信号および第3の検出信号を生成する磁気センサ装置から出力される第1ないし第3の検出信号を処理する回路である。

0013

本発明の信号処理回路は、第1の処理と第2の処理とを行う。第1の処理は、第1ないし第3の検出信号の値を表すための3つの軸によって定義された直交座標系において、あるタイミングにおける第1ないし第3の検出信号の値の組を表す座標を測定点としたときに、複数のタイミングにおける複数の測定点の中から、それらを結ぶ線分の長さが最大となる第1点と第2点を抽出する。第2の処理は、第1の処理によって抽出された第1点と第2点を結ぶ線分の中点の座標を求める。

0014

第2の処理は、更に、第1点と第2点を結ぶ線分の長さの1/2を求め、これを磁界強度データとし、中点の座標と磁界強度データを保持してもよい。この場合、信号処理回路は、更に、第2の処理によって保持されている中点の座標および磁界強度データを用いて、第1ないし第3の検出信号のオフセットの変化を検出するオフセット変化検出処理を行ってもよい。

0015

本発明の信号処理回路は、更に、第1ないし第3の検出信号を用いた計算によって、球体情報を生成する球体情報生成処理を行ってもよい。球体情報は、複数のタイミングにおける複数の測定点の分布を近似した球面を有する仮想の球体の中心座標および半径のデータを含んでいてもよい。

0016

本発明の信号処理回路は、更に、オフセット補正処理を行ってもよい。オフセット補正処理は、球体情報生成処理によって生成された球体情報のうちの中心座標のデータを用いて、第1ないし第3の検出信号のオフセットを補正して、第1ないし第3の補正後信号を生成してもよい。

0017

本発明の信号処理回路は、更に、第1ないし第3の検出信号のオフセットの変化を検出するオフセット変化検出処理を行ってもよい。オフセット変化検出処理は、オフセットの変化を検出したら球体情報生成処理を開始させてもよい。この場合、第2の処理は、更に、第1点と第2点を結ぶ線分の長さの1/2を求め、これを磁界強度データとし、中点の座標と磁界強度データを保持してもよい。また、オフセット変化検出処理は、第2の処理によって保持されている中点の座標および磁界強度データの組と、球体情報生成処理によって生成された球体情報のうちの一方を用いて行われてもよい。

0018

また、オフセット変化検出処理は、球体情報生成処理を開始させてから所定時間以内に新しい球体情報が得られたときには、この新しい球体情報を用いて行われてもよく、球体情報生成処理を開始させてから所定時間以内に新しい球体情報が得られなかったときには、中点の座標および磁界強度データの組を用いて行われてもよい。

0019

本発明の位置検出装置は、所定の磁界を発生する磁界発生器と、磁気センサ装置と、本発明の信号処理回路とを備えている。磁界発生器は、磁気センサ装置に対する相対的な位置が所定の球面に沿って変化可能である。磁気センサ装置は、第1ないし第3の検出信号を生成する。

0020

本発明の磁気センサシステムは、磁気センサ装置と、本発明の信号処理回路とを備えている。磁気センサ装置は、第1の検出信号を生成する第1の磁気センサと、第2の検出信号を生成する第2の磁気センサと、第3の検出信号を生成する第3の磁気センサとを含んでいる。

発明の効果

0021

本発明の信号処理回路、位置検出装置および磁気センサシステムでは、比較的簡単な第1および第2の処理によって、第1点と第2点を結ぶ線分の中点の座標が求められる。この中点の座標は、仮想の球体の中心座標を推定した座標に相当する。これにより、本発明によれば、第1ないし第3の検出信号のオフセットが変化したら、オフセット変化後の仮想の球体の中心座標を速やかに推定することが可能になるという効果を奏する。

図面の簡単な説明

0022

本発明の第1の実施の形態に係る位置検出装置を含む関節機構の概略の構成を示す斜視図である。
図1に示した関節機構の概略の構成を示す断面図である。
本発明の第1の実施の形態に係る位置検出装置における基準座標系を説明するため説明図である。
本発明の第1の実施の形態に係る磁気センサシステムの構成を示す機能ブロック図である。
本発明の第1の実施の形態における磁気センサ組立体を示す斜視図である。
本発明の第1の実施の形態における磁気センサ装置を示す平面図である。
本発明の第1の実施の形態における磁気センサ装置の構成を示す説明図である。
本発明の第1の実施の形態における磁気センサ装置の回路構成の一例を示す回路図である。
本発明の第1の実施の形態における磁気抵抗効果素子を示す斜視図である。
本発明の第1の実施の形態における1つの抵抗部の一部を示す斜視図である。
本発明の第1の実施の形態における磁界変換部と第3の磁気センサの構成を示す説明図である。
本発明の第1の実施の形態における第1ないし第3の磁気センサと軟磁性構造体のそれぞれの一部を示す断面図である。
本発明の第1の実施の形態における第1点と第2点を抽出する第1の方法を示すフローチャートである。
本発明の第1の実施の形態における第1点と第2点を抽出する第1の方法を説明するための説明図である。
本発明の第1の実施の形態における第1点と第2点を抽出する第2の方法を示すフローチャートである。
本発明の第1の実施の形態における第1点と第2点を抽出する第2の方法を説明するための説明図である。
本発明の第1の実施の形態における第1点と第2点を抽出する第2の方法を説明するための説明図である。
本発明の第1の実施の形態における第1点と第2点を抽出する第2の方法を説明するための説明図である。
本発明の第1の実施の形態における第1点と第2点を抽出する第3の方法を示すフローチャートである。
本発明の第1の実施の形態における第1のプロセッサの動作を示すフローチャートである。
本発明の第1の実施の形態における第2のプロセッサの動作を示すフローチャートである。
本発明の第2の実施の形態に係る磁気センサシステムの構成を示す機能ブロック図である。
本発明の第2の実施の形態における第1のプロセッサの動作を示すフローチャートである。
本発明の第2の実施の形態における第2のプロセッサの動作を示すフローチャートである。

実施例

0023

[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。始めに、本発明の第1の実施の形態に係る位置検出装置1が適用された関節機構300について説明する。関節機構300は、関節を含む機構である。図1は、関節機構300の概略の構成を示す斜視図である。図2は、関節機構300の概略の構成を示す断面図である。図3は、位置検出装置1における基準座標系を説明するための説明図である。図4は、本実施の形態に係る磁気センサシステムの構成を示す機能ブロック図である。

0024

図1および図2に示したように、関節機構300は、第1の部材310と、第2の部材320と、位置検出装置1を含んでいる。

0025

第1の部材310は、軸部311と、この軸部311の長手方向の一端に連結された球状部312とを含んでいる。球状部312は、凸面312aを有している。凸面312aは、第1の球面の一部によって構成されている。第1の球面のうち、凸面312aに含まれない部分は、軸部311と球状部312の境界部分である。

0026

第2の部材320は、軸部321と、この軸部321の長手方向の一端に連結された受け部322とを含んでいる。受け部322は、凹面322aを有している。凹面322aは、第2の球面の一部によって構成されている。凹面322aは、第2の球面のうちの半分または半分に近い部分によって構成されていてもよい。

0027

第1の部材310と第2の部材320は、球状部312が受け部322に嵌り込んだ姿勢で、互いの位置関係が変化可能に連結されている。第2の球面の半径は、第1の球面の半径と等しいか、それよりもわずかに大きい。凸面312aと凹面322aは、接触していてもよいし、潤滑剤を介して対向していてもよい。第2の球面の中心は、第1の球面の中心と一致しているか、ほぼ一致している。第1の部材310と第2の部材320の連結部分が関節である。本実施の形態では特に、この関節は球関節である。

0028

位置検出装置1は、磁界発生器2と磁気センサ装置4とを備えている。位置検出装置1は、更に、図4に示した、本実施の形態に係る信号処理回路5を備えている。図4に示したように、磁気センサ装置4と信号処理回路5は、本実施の形態に係る磁気センサシステム3を構成している。従って、位置検出装置1は、磁界発生器2と磁気センサシステム3とを備えていると言える。

0029

磁界発生器2は、磁気センサ装置4に対する相対的な位置が所定の球面に沿って変化可能である。位置検出装置1は、磁気センサ装置4に対する磁界発生器2の相対的な位置を検出するための装置である。

0030

磁界発生器2は、所定の磁界を発生する。磁界発生器2は、例えば磁石である。磁気センサ装置4は、基準位置における磁界の互いに異なる3つの方向の成分と対応関係を有する第1の検出信号、第2の検出信号および第3の検出信号を生成する。基準位置については、後で詳しく説明する。

0031

信号処理回路5は、第1ないし第3の検出信号を処理して、磁気センサ装置4に対する磁界発生器2の相対的な位置を表す位置情報を生成する。

0032

図1および図2に示したように、磁界発生器2は、凹面322aから突出しないように受け部322に埋め込まれている。磁気センサ装置4は、球状部312の内部に配置されている。以下、第1の球面の中心の位置を基準位置と言う。磁気センサ装置4は、基準位置における磁界を検出するように構成されている。

0033

以下、磁界発生器2によって発生された磁界のうちの基準位置における磁界を対象磁界と言う。対象磁界の方向は、例えば、基準位置と磁界発生器2とを通過する仮想の直線に平行である。図2に示した例では、磁界発生器2は、上記の仮想の直線に沿って並ぶN極とS極を有する磁石である。S極は、N極よりも基準位置により近い。図2に示した矢印付きの複数の破線は、磁界発生器2が発生する磁界に対応する磁力線を表している。

0034

図1および図2に示した関節機構300では、球状部312が受け部322に嵌り込んだ姿勢で、第1の部材310に対する第2の部材320の相対的位置が変化可能である。これにより、磁界発生器2は、磁気センサ装置4に対する相対的な位置が、前述の所定の球面に沿って変化可能である。本実施の形態では、磁気センサ装置4に対する磁界発生器2の相対的な位置を、磁界発生器2のうちの基準位置に最も近い点の位置とする。所定の球面の中心は、第1の球面の中心と一致しているか、ほぼ一致している。所定の球面の半径は、第1の球面の半径以上である。所定の球面の半径は、第1の球面の半径または第2の球面の半径と一致していてもよい。

0035

ここで、図3を参照して、本実施の形態における基準座標系について説明する。基準座標系は、磁気センサ装置4を基準とした座標系であって、第1ないし第3の検出信号の値を表すための3つの軸によって定義された直交座標系である。基準座標系では、X方向、Y方向、Z方向が定義されている。図3に示したように、X方向、Y方向、Z方向は、互いに直交する。また、X方向とは反対の方向を−X方向とし、Y方向とは反対の方向を−Y方向とし、Z方向とは反対の方向を−Z方向とする。

0036

前述の通り、磁気センサ装置4は、基準位置における磁界の互いに異なる3つの方向の成分と対応関係を有する第1の検出信号、第2の検出信号および第3の検出信号を生成する。本実施の形態では特に、上記の互いに異なる3つの方向は、X方向に平行な方向と、Y方向に平行な方向と、Z方向に平行な方向である。基準座標系を定義する3つの軸は、X方向に平行な軸と、Y方向に平行な軸と、Z方向に平行な軸である。

0037

基準座標系における磁気センサ装置4の位置は変化しない。磁気センサ装置4に対する磁界発生器2の相対的な位置が変化すると、基準座標系における磁界発生器2の位置は、前述の所定の球面に沿って変化する。図3において、符号9は、所定の球面を示している。基準座標系における磁界発生器2の位置は、磁気センサ装置4に対する磁界発生器2の相対的な位置を表している。以下、基準座標系における磁界発生器2の位置を、単に磁界発生器2の位置と言う。また、基準位置を含むXY平面を基準平面と言う。

0038

位置検出装置1を含む関節機構300では、位置検出装置1によって、磁気センサ装置4に対する磁界発生器2の相対的な位置を検出することによって、第1の部材310に対する第2の部材320の相対的位置を検出することができる。関節機構300は、ロボット産業機器医療機器アミューズメント機器等に利用される。

0039

位置検出装置1は、関節機構300の他に、ジョイスティックや、トラックボールにも適用することができる。

0040

ジョイスティックは、例えば、レバーと、このレバーを揺動可能に支持する支持部とを含んでいる。位置検出装置1を、ジョイスティックに適用する場合には、例えば、レバーの揺動に伴って、磁気センサ装置4に対する磁界発生器2の相対的な位置が所定の球面に沿って変化するように、支持部の内部に磁界発生器2を設け、レバーの内部に磁気センサ装置4を設ける。

0041

トラックボールは、例えば、ボールと、このボールを回転可能に支持する支持部とを含んでいる。位置検出装置1を、トラックボールに適用する場合には、例えば、ボールの回転に伴って、磁気センサ装置4に対する磁界発生器2の相対的な位置が所定の球面に沿って変化するように、支持部の内部に磁界発生器2を設け、ボールの内部に磁気センサ装置4を設ける。

0042

次に、図4を参照して、磁気センサ装置4と信号処理回路5の構成について説明する。磁気センサ装置4は、対象磁界の互いに異なる3つの方向の成分と対応関係を有する第1の検出信号Sx、第2の検出信号Syおよび第3の検出信号Szを生成する。本実施の形態では、第1の検出信号Sxは、対象磁界の、第1の感磁方向の成分である第1の成分と対応関係を有する。第2の検出信号Syは、対象磁界の、第2の感磁方向の成分である第2の成分と対応関係を有する。第3の検出信号Szは、対象磁界の、第3の感磁方向の成分である第3の成分と対応関係を有する。

0043

本実施の形態では、磁気センサ装置4は、第1の検出信号Sxを生成する第1の磁気センサ10と、第2の検出信号Syを生成する第2の磁気センサ20と、第3の検出信号Szを生成する第3の磁気センサ30とを備えている。第1ないし第3の磁気センサ10,20,30の各々は、少なくとも1つの磁気検出素子を含んでいる。

0044

信号処理回路5は、第1のプロセッサ7と第2のプロセッサ8とを備えている。本実施の形態では、第1のプロセッサ7を構成するハードウェアは、第2のプロセッサ8を構成するハードウェアとは異なっている。第1のプロセッサ7は、例えば特定用途向け集積回路ASIC)によって構成されている。第2のプロセッサ8は、例えばマイクロコンピュータによって構成されている。

0045

次に、磁気センサ装置4と第1のプロセッサ7の構成について説明する。本実施の形態では、磁気センサ装置4は、第1のチップの形態を有している。また、第1のプロセッサ7は、第1のチップとは異なる第2のチップの形態を有している。第1のプロセッサ7は、磁気センサ装置4と一体化されていてもよい。第2のプロセッサ8は、磁気センサ装置4および第1のプロセッサ7とは別体であってもよい。本実施の形態では、一体化された磁気センサ装置4および第1のプロセッサ7を、磁気センサ組立体200と言う。

0046

図5は、磁気センサ組立体200を示す斜視図である。図5に示したように、磁気センサ装置4および第1のプロセッサ7は、いずれも直方体形状を有している。また、磁気センサ装置4および第1のプロセッサ7は、いずれも外面を有している。

0047

磁気センサ装置4の外面は、互いに反対側に位置する上面4aおよび下面4bと、上面4aと下面4bを接続する4つの側面を含んでいる。第1のプロセッサ7の外面は、互いに反対側に位置する上面7aおよび下面7bと、上面7aと下面7bを接続する4つの側面を含んでいる。磁気センサ装置4は、下面4bが第1のプロセッサ7の上面7aに対向する姿勢で、上面7a上に実装されている。

0048

磁気センサ装置4は、上面4aに設けられた端子群を備えている。第1のプロセッサ7は、上面7aに設けられた端子群を備えている。磁気センサ装置4の端子群は、例えば複数のボンディングワイヤによって、第1のプロセッサ7の端子群に接続されている。

0049

次に、図6を参照して、第1ないし第3の磁気センサ10,20,30の配置について説明する。図6は、磁気センサ装置4を示す平面図である。図6に示したように、磁気センサ装置4は、前述の第1ないし第3の磁気センサ10,20,30と、第1ないし第3の磁気センサ10,20,30を支持する基板51と、端子群とを備えている。基板51は、上面51aと下面51bを有している。なお、下面51bは、後で説明する図12に示されている。

0050

ここで、図6を参照して、基準座標系および基準平面と磁気センサ装置4の構成要素との関係について説明する。前述のように、基準座標系では、X方向、Y方向、Z方向、−X方向、−Y方向、−Z方向が定義されている。X方向とY方向は基板51の上面51aに平行な方向である。Z方向は、基板51の上面51aに垂直な方向であって、基板51の下面51bから上面51aに向かう方向である。以下、基準の位置に対してZ方向の先にある位置を「上方」と言い、基準の位置に対して「上方」とは反対側にある位置を「下方」と言う。また、磁気センサ装置4の構成要素に関して、Z方向の端に位置する面を「上面」と言い、−Z方向の端に位置する面を「下面」と言う。

0051

本実施の形態では、基板51の上面51aが基準平面である。以下、基準平面を記号RPで表す。基準平面RPは、互いに異なる第1の領域A10と第2の領域A20と第3の領域A30を含んでいる。第1の領域A10は、基準平面RPに第1の磁気センサ10を垂直投影してできる領域である。第2の領域A20は、基準平面RPに第2の磁気センサ20を垂直投影してできる領域である。第3の領域A30は、基準平面RPに第3の磁気センサ30を垂直投影してできる領域である。

0052

ここで、基準平面RP内に位置して、第3の領域A30の重心C30を通り、Z方向に垂直で且つ互いに直交する2つの直線を第1の直線L1と第2の直線L2とする。本実施の形態では特に、第1の直線L1はX方向に平行であり、第2の直線L2はY方向に平行である。

0053

本実施の形態では、第1の磁気センサ10は、X方向の互いに異なる位置に配置された第1の部分11と第2の部分12を含んでいる。第1の領域A10は、基準平面RPに第1の磁気センサ10の第1の部分11を垂直投影してできる第1の部分領域A11と、基準平面RPに第1の磁気センサ10の第2の部分12を垂直投影してできる第2の部分領域A12を含んでいる。第1および第2の部分領域A11,A12は、第1の直線L1に平行な方向における第3の領域A30の両側に位置している。

0054

また、第2の磁気センサ20は、Y方向の互いに異なる位置に配置された第1の部分21と第2の部分22を含んでいる。第2の領域A20は、基準平面RPに第2の磁気センサ20の第1の部分21を垂直投影してできる第3の部分領域A21と、基準平面RPに第2の磁気センサ20の第2の部分22を垂直投影してできる第4の部分領域A22を含んでいる。第3および第4の部分領域A21,A22は、第2の直線L2に平行な方向における第3の領域A30の両側に位置している。

0055

本実施の形態では、第1および第2の部分領域A11,A12は、いずれも第1の直線L1と交差する位置にある。また、第3および第4の部分領域A21,A22は、いずれも第2の直線L2と交差する位置にある。

0056

第1の領域A10のいかなる部分も第2の直線L2とは交差しないことが好ましい。同様に、第2の領域A20のいかなる部分も第1の直線L1とは交差しないことが好ましい。

0057

本実施の形態では特に、第1の領域A10と第2の領域A20は、上方から見て、第3の領域A30の重心C30を中心として第1の領域A10を90°回転すると第2の領域A20に重なる位置関係である。図6において、重心C30を中心として反時計回り方向に第1および第2の部分領域A11,A12を90°回転すると、第1および第2の部分領域A11,A12はそれぞれ第3および第4の部分領域A21,A22に重なる。

0058

次に、図7および図8を参照して、磁気センサ装置4の構成の一例について説明する。図7は、磁気センサ装置4の構成を示す説明図である。図8は、磁気センサ装置4の回路構成の一例を示す回路図である。

0059

前述のように、第1の磁気センサ10は、対象磁界の、第1の感磁方向の成分である第1の成分と対応関係を有する第1の検出信号Sxを生成する。第2の磁気センサ20は、対象磁界の、第2の感磁方向の成分である第2の成分と対応関係を有する第2の検出信号Syを生成する。第3の磁気センサ30は、対象磁界の、第3の感磁方向の成分である第3の成分と対応関係を有する第3の検出信号Szを生成する。

0060

本実施の形態では特に、第1の感磁方向は、X方向に平行な方向である。第1の感磁方向は、X方向と−X方向とを含む。第2の感磁方向は、Y方向に平行な方向である。第2の感磁方向は、Y方向と−Y方向とを含む。第3の感磁方向は、Z方向に平行な方向である。第3の感磁方向は、Z方向と−Z方向とを含む。

0061

また、図7に示したように、磁気センサ装置4の端子群は、第1の磁気センサ10に対応する電源端子Vxおよび出力端子Vx+,Vx−と、第2の磁気センサ20に対応する電源端子Vyおよび出力端子Vy+,Vy−と、第3の磁気センサ30に対応する電源端子Vzおよび出力端子Vz+,Vz−と、第1ないし第3の磁気センサ10,20,30で共通に使用されるグランド端子Gとを含んでいる。

0062

図8に示した例では、第1の磁気センサ10は、ホイートストンブリッジ回路を構成する4つの抵抗部Rx1,Rx2,Rx3,Rx4を含んでいる。抵抗部Rx1,Rx2,Rx3,Rx4の各々は、対象磁界の第1の成分に応じて変化する抵抗値を有する。抵抗部Rx1は、電源端子Vxと出力端子Vx+との間に設けられている。抵抗部Rx2は、出力端子Vx+とグランド端子Gとの間に設けられている。抵抗部Rx3は、電源端子Vxと出力端子Vx−との間に設けられている。抵抗部Rx4は、出力端子Vx−とグランド端子Gとの間に設けられている。

0063

第2の磁気センサ20は、ホイートストンブリッジ回路を構成する4つの抵抗部Ry1,Ry2,Ry3,Ry4を含んでいる。抵抗部Ry1,Ry2,Ry3,Ry4の各々は、対象磁界の第2の成分に応じて変化する抵抗値を有する。抵抗部Ry1は、電源端子Vyと出力端子Vy+との間に設けられている。抵抗部Ry2は、出力端子Vy+とグランド端子Gとの間に設けられている。抵抗部Ry3は、電源端子Vyと出力端子Vy−との間に設けられている。抵抗部Ry4は、出力端子Vy−とグランド端子Gとの間に設けられている。

0064

第3の磁気センサ30は、ホイートストンブリッジ回路を構成する4つの抵抗部Rz1,Rz2,Rz3,Rz4を含んでいる。抵抗部Rz1,Rz2,Rz3,Rz4の各々は、後述する磁界変換部から出力される出力磁界成分に応じて変化する抵抗値を有する。抵抗部Rz1は、電源端子Vzと出力端子Vz+との間に設けられている。抵抗部Rz2は、出力端子Vz+とグランド端子Gとの間に設けられている。抵抗部Rz3は、電源端子Vzと出力端子Vz−との間に設けられている。抵抗部Rz4は、出力端子Vz−とグランド端子Gとの間に設けられている。

0065

以下、抵抗部Rx1,Rx2,Rx3,Rx4,Ry1,Ry2,Ry3,Ry4,Rz1,Rz2,Rz3,Rz4のうちの任意の1つを抵抗部Rと言う。抵抗部Rは、少なくとも1つの磁気検出素子を含んでいる。本実施の形態では特に、少なくとも1つの磁気検出素子は、少なくとも1つの磁気抵抗効果素子である。以下、磁気抵抗効果素子をMR素子と記す。

0066

本実施の形態では特に、MR素子は、スピンバルブ型のMR素子である。このスピンバルブ型のMR素子は、方向が固定された磁化を有する磁化固定層と、印加磁界の方向に応じて方向が変化可能な磁化を有する自由層と、磁化固定層と自由層の間に配置されたギャップ層とを有している。スピンバルブ型のMR素子は、TMRトンネル磁気抵抗効果素子でもよいし、GMR(巨大磁気抵抗効果)素子でもよい。TMR素子では、ギャップ層はトンネルバリア層である。GMR素子では、ギャップ層は非磁性導電層である。スピンバルブ型のMR素子では、自由層の磁化の方向が磁化固定層の磁化の方向に対してなす角度に応じて抵抗値が変化し、この角度が0°のときに抵抗値は最小値となり、角度が180°のときに抵抗値は最大値となる。各MR素子において、自由層は、磁化容易軸方向が、磁化固定層の磁化の方向に直交する方向となる形状異方性を有している。

0067

図8において、塗りつぶした矢印は、MR素子における磁化固定層の磁化の方向を表している。図8に示した例では、抵抗部Rx1,Rx4の各々におけるMR素子の磁化固定層の磁化の方向は、X方向である。抵抗部Rx2,Rx3の各々におけるMR素子の磁化固定層の磁化の方向は、−X方向である。

0068

また、抵抗部Ry1,Ry4の各々におけるMR素子の磁化固定層の磁化の方向は、Y方向である。抵抗部Ry2,Ry3の各々におけるMR素子の磁化固定層の磁化の方向は、−Y方向である。抵抗部Rz1,Rz2,Rz3,Rz4の各々におけるMR素子の磁化固定層の磁化の方向については、後で説明する。

0069

出力端子Vx+と出力端子Vx−との間の電位差は、対象磁界の第1の成分と対応関係を有する。第1の磁気センサ10は、出力端子Vx+と出力端子Vx−との間の電位差に対応する第1の検出信号Sxを生成する。第1の検出信号Sxは、出力端子Vx+と出力端子Vx−との間の電位差に対して振幅やオフセットの調整を施したものであってもよい。

0070

出力端子Vy+と出力端子Vy−との間の電位差は、対象磁界の第2の成分と対応関係を有する。第2の磁気センサ20は、出力端子Vy+と出力端子Vy−との間の電位差に対応する第2の検出信号Syを生成する。第2の検出信号Syは、出力端子Vy+と出力端子Vy−との間の電位差に対して振幅やオフセットの調整を施したものであってもよい。

0071

出力端子Vz+と出力端子Vz−との間の電位差は、対象磁界の第3の成分と対応関係を有する。第3の磁気センサ30は、出力端子Vz+と出力端子Vz−との間の電位差に対応する第3の検出信号Szを生成する。第3の検出信号Szは、出力端子Vz+と出力端子Vz−との間の電位差に対して振幅やオフセットの調整を施したものであってもよい。

0072

ここで、図7を参照して、抵抗部Rx1,Rx2,Rx3,Rx4,Ry1,Ry2,Ry3,Ry4の配置の一例について説明する。この例では、第1の磁気センサ10の第1の部分11は抵抗部Rx1,Rx4を含み、第1の磁気センサ10の第2の部分12は抵抗部Rx2,Rx3を含んでいる。また、第2の磁気センサ20の第1の部分21は抵抗部Ry1,Ry4を含み、第2の磁気センサ20の第2の部分22は抵抗部Ry2,Ry3を含んでいる。

0073

図7において、塗りつぶした矢印は、MR素子における磁化固定層の磁化の方向を表している。図7に示した例では、第1の磁気センサ10の第1の部分11と、第1の磁気センサ10の第2の部分12と、第2の磁気センサ20の第1の部分21と、第2の磁気センサ20の第2の部分22の各々において、そこに含まれる複数のMR素子の磁化固定層の磁化の方向が同じ方向になる。そのため、この例によれば、複数のMR素子の磁化固定層の磁化の方向の設定が容易になる。

0074

次に、図9を参照して、MR素子の構成の一例について説明する。図9に示したMR素子100は、基板51側から順に積層された反強磁性層101、磁化固定層102、ギャップ層103および自由層104を含んでいる。反強磁性層101は、反強磁性材料よりなり、磁化固定層102との間で交換結合を生じさせて、磁化固定層102の磁化の方向を固定する。

0075

なお、MR素子100における層101〜104の配置は、図9に示した配置とは上下が反対でもよい。また、磁化固定層102は、単一の強磁性層ではなく、2つの強磁性層とこの2つの強磁性層の間に配置された非磁性金属層とを含む人工反強磁性構造であってもよい。また、MR素子100は、反強磁性層101を含まない構成であってもよい。また、磁気検出素子は、ホール素子磁気インピーダンス素子等、MR素子以外の磁界を検出する素子であってもよい。

0076

次に、図10を参照して、抵抗部Rの構成の一例について説明する。この例では、抵抗部Rは、直列に接続された複数のMR素子100を含んでいる。抵抗部Rは、更に、複数のMR素子100が直列に接続されるように、回路構成上隣接する2つのMR素子100を電気的に接続する1つ以上の接続層を含んでいる。図10に示した例では、抵抗部Rは、1つ以上の接続層として、1つ以上の下部接続層111と、1つ以上の上部接続層112とを含んでいる。下部接続層111は、回路構成上隣接する2つのMR素子100の下面に接し、この2つのMR素子100を電気的に接続する。上部接続層112は、回路構成上隣接する2つのMR素子100の上面に接し、この2つのMR素子100を電気的に接続する。

0077

次に、図11を参照して、第3の磁気センサ30の構成の一例について説明する。第3の磁気センサ30は、抵抗部Rz1,Rz2,Rz3,Rz4の他に、軟磁性材料よりなる軟磁性構造体40を含んでいる。軟磁性構造体40は、磁界変換部42と、少なくとも1つの軟磁性層を含んでいる。磁界変換部42は、対象磁界の第3の成分を受けて第3の感磁方向に垂直な方向の出力磁界成分を出力する。出力磁界成分の強度は、対象磁界の第3の成分の強度と対応関係を有する。第3の磁気センサ30は、出力磁界成分の強度を検出することによって、対象磁界の第3の成分の強度を検出する。

0078

図11に示した例では、磁界変換部42は、抵抗部Rz1に対応する下部ヨーク42B1および上部ヨーク42T1と、抵抗部Rz2に対応する下部ヨーク42B2および上部ヨーク42T2と、抵抗部Rz3に対応する下部ヨーク42B3および上部ヨーク42T3と、抵抗部Rz4に対応する下部ヨーク42B4および上部ヨーク42T4とを含んでいる。

0079

下部ヨーク42B1,42B2,42B3,42B4および上部ヨーク42T1,42T2,42T3,42T4の各々は、Z方向に垂直な方向に長い直方体形状を有している。

0080

下部ヨーク42B1および上部ヨーク42T1は、抵抗部Rz1の近傍に配置されている。下部ヨーク42B1は、抵抗部Rz1よりも、基板51の上面51aにより近い位置に配置されている。上部ヨーク42T1は、抵抗部Rz1よりも、基板51の上面51aからより遠い位置に配置されている。上方から見たときに、抵抗部Rz1は、下部ヨーク42B1と上部ヨーク42T1の間に位置している。

0081

下部ヨーク42B2および上部ヨーク42T2は、抵抗部Rz2の近傍に配置されている。下部ヨーク42B2は、抵抗部Rz2よりも、基板51の上面51aにより近い位置に配置されている。上部ヨーク42T2は、抵抗部Rz2よりも、基板51の上面51aからより遠い位置に配置されている。上方から見たときに、抵抗部Rz2は、下部ヨーク42B2と上部ヨーク42T2の間に位置している。

0082

下部ヨーク42B3および上部ヨーク42T3は、抵抗部Rz3の近傍に配置されている。下部ヨーク42B3は、抵抗部Rz3よりも、基板51の上面51aにより近い位置に配置されている。上部ヨーク42T3は、抵抗部Rz3よりも、基板51の上面51aからより遠い位置に配置されている。上方から見たときに、抵抗部Rz3は、下部ヨーク42B3と上部ヨーク42T3の間に位置している。

0083

下部ヨーク42B4および上部ヨーク42T4は、抵抗部Rz4の近傍に配置されている。下部ヨーク42B4は、抵抗部Rz4よりも、基板51の上面51aにより近い位置に配置されている。上部ヨーク42T4は、抵抗部Rz4よりも、基板51の上面51aからより遠い位置に配置されている。上方から見たときに、抵抗部Rz4は、下部ヨーク42B4と上部ヨーク42T4の間に位置している。

0084

磁界変換部42が出力する出力磁界成分は、下部ヨーク42B1および上部ヨーク42T1によって生成されて抵抗部Rz1に印加される磁界成分と、下部ヨーク42B2および上部ヨーク42T2によって生成されて抵抗部Rz2に印加される磁界成分と、下部ヨーク42B3および上部ヨーク42T3によって生成されて抵抗部Rz3に印加される磁界成分と、下部ヨーク42B4および上部ヨーク42T4によって生成されて抵抗部Rz4に印加される磁界成分を含んでいる。

0085

図11において、4つの白抜きの矢印は、それぞれ、対象磁界の第3の成分の方向がZ方向であるときに、抵抗部Rz1,Rz2,Rz3,Rz4に印加される磁界成分の方向を表している。また、図11において、4つの塗りつぶした矢印は、それぞれ、抵抗部Rz1,Rz2,Rz3,Rz4のMR素子100の磁化固定層102の磁化の方向を表している。抵抗部Rz1,Rz4のMR素子100の磁化固定層102の磁化の方向は、それぞれ、対象磁界の第3の成分の方向がZ方向であるときに抵抗部Rz1,Rz4に印加される磁界成分の方向と同じ方向である。抵抗部Rz2,Rz3のMR素子100の磁化固定層102の磁化の方向は、それぞれ、対象磁界の第3の成分の方向がZ方向であるときに抵抗部Rz2,Rz3に印加される磁界成分の方向とは反対方向である。

0086

ここで、第3の磁気センサ30の作用について説明する。対象磁界の第3の成分が存在しない状態では、抵抗部Rz1,Rz2,Rz3,Rz4のMR素子100の自由層104の磁化の方向は、磁化固定層102の磁化の方向に対して垂直である。

0087

対象磁界の第3の成分の方向がZ方向であるときには、抵抗部Rz1,Rz4のMR素子100では、自由層104の磁化の方向は、磁化固定層102の磁化の方向に対して垂直な方向から、磁化固定層102の磁化の方向に向かって傾く。このとき、抵抗部Rz2,Rz3のMR素子100では、自由層104の磁化の方向は、磁化固定層102の磁化の方向に対して垂直な方向から、磁化固定層102の磁化の方向とは反対方向に向かって傾く。その結果、対象磁界の第3の成分が存在しない状態と比べて、抵抗部Rz1,Rz4の抵抗値は減少し、抵抗部Rz2,Rz3の抵抗値は増加する。

0088

対象磁界の第3の成分の方向が−Z方向の場合は、上述の場合とは逆に、対象磁界の第3の成分が存在しない状態と比べて、抵抗部Rz1,Rz4の抵抗値は増加し、抵抗部Rz2,Rz3の抵抗値は減少する。

0089

抵抗部Rz1,Rz2,Rz3,Rz4の抵抗値の変化量は、第3の成分の強度に依存する。

0090

対象磁界の第3の成分の方向と強度が変化すると、抵抗部Rz1,Rz2,Rz3,Rz4のそれぞれの抵抗値は、抵抗部Rz1,Rz4の抵抗値が増加すると共に抵抗部Rz2,Rz3の抵抗値が減少するか、抵抗部Rz1,Rz4の抵抗値が減少すると共に抵抗部Rz2,Rz3の抵抗値が増加するように変化する。これにより、出力端子Vz+と出力端子Vz−との間の電位差が変化する。従って、この電位差に基づいて、対象磁界の第3の成分を検出することができる。第3の磁気センサ30は、出力端子Vz+と出力端子Vz−との間の電位差に対応する第3の検出信号Szを生成する。第3の検出信号Szは、出力端子Vz+と出力端子Vz−との間の電位差に対して振幅やオフセットの調整を施したものであってもよい。

0091

次に、図12を参照して、第1ないし第3の磁気センサ10,20,30の構造の一例について説明する。図12は、第1ないし第3の磁気センサ10,20,30のそれぞれの一部を示している。この例では、第1ないし第3の磁気センサ10,20,30は、基板51の上に配置されている。基板51は、上面51aと下面51bを有している。

0092

第1の磁気センサ10は、抵抗部Rx1,Rx2,Rx3,Rx4の他に、それぞれ絶縁材料よりなる絶縁層66A,67A,68Aを含んでいる。絶縁層66Aは、基板51の上面51aの上に配置されている。抵抗部Rx1,Rx2,Rx3,Rx4は、絶縁層66Aの上に配置されている。図12には、抵抗部Rx1,Rx2,Rx3,Rx4に含まれる複数のMR素子100のうちの1つと、それに接続された下部接続層111および上部接続層112を示している。絶縁層67Aは、絶縁層66Aの上面の上において抵抗部Rx1,Rx2,Rx3,Rx4の周囲に配置されている。絶縁層68Aは、抵抗部Rx1,Rx2,Rx3,Rx4および絶縁層67Aを覆っている。

0093

第2の磁気センサ20の構造は、第1の磁気センサ10と同様である。すなわち、第2の磁気センサ20は、抵抗部Ry1,Ry2,Ry3,Ry4の他に、それぞれ絶縁材料よりなる絶縁層66B,67B,68Bを含んでいる。絶縁層66Bは、基板51の上面51aの上に配置されている。抵抗部Ry1,Ry2,Ry3,Ry4は、絶縁層66Bの上に配置されている。図12には、抵抗部Ry1,Ry2,Ry3,Ry4に含まれる複数のMR素子100のうちの1つと、それに接続された下部接続層111および上部接続層112を示している。絶縁層67Bは、絶縁層66Bの上面の上において抵抗部Ry1,Ry2,Ry3,Ry4の周囲に配置されている。絶縁層68Bは、抵抗部Ry1,Ry2,Ry3,Ry4および絶縁層67Bを覆っている。

0094

第3の磁気センサ30は、抵抗部Rz1,Rz2,Rz3,Rz4および軟磁性構造体40の他に、それぞれ絶縁材料よりなる絶縁層61,62,63,64を含んでいる。図12に示した例では、軟磁性構造体40は、磁界変換部42と、2つの軟磁性層41,43を含んでいる。

0095

磁界変換部42は、図11に示した下部ヨーク42B1,42B2,42B3,42B4および上部ヨーク42T1,42T2,42T3,42T4を含んでいる。図12では、下部ヨーク42B1,42B2,42B3,42B4のうちの1つを符号42Bで示し、それに対応する上部ヨーク42T1,42T2,42T3,42T4のうちの1つを符号42Tで示している。

0096

軟磁性層41は、基板51の上面51aの上に配置されている。下部ヨーク42B1,42B2,42B3,42B4は、軟磁性層41の上に配置されている。絶縁層61は、軟磁性層41の上において下部ヨーク42B1,42B2,42B3,42B4の周囲に配置されている。

0097

抵抗部Rz1,Rz2,Rz3,Rz4は、絶縁層61の上に配置されている。図12には、抵抗部Rz1,Rz2,Rz3,Rz4に含まれる複数のMR素子100のうちの1つと、それに接続された下部接続層111および上部接続層112を示している。絶縁層62は、下部ヨーク42B1,42B2,42B3,42B4および絶縁層61の上において抵抗部Rz1,Rz2,Rz3,Rz4の周囲に配置されている。

0098

上部ヨーク42T1,42T2,42T3,42T4は、絶縁層62の上に配置されている。絶縁層63は、抵抗部Rz1,Rz2,Rz3,Rz4および絶縁層62の上において上部ヨーク42T1,42T2,42T3,42T4の周囲に配置されている。

0099

軟磁性層43は、上部ヨーク42T1,42T2,42T3,42T4および絶縁層63の上に配置されている。絶縁層64は、軟磁性層43を覆っている。

0100

上方から見たときに、軟磁性層41,43は、第3の磁気センサ30の全域またはほぼ全域にわたって存在する。言い換えると、基準平面RPに軟磁性層41を垂直投影してできる領域と、基準平面RPに軟磁性層43を垂直投影してできる領域は、いずれも、第3の領域A30と一致するかほぼ一致する。

0101

図12に示した例では、第1ないし第3の磁気センサ10,20,30に含まれる全ての磁気検出素子すなわちMR素子100は、基板51の上面51aすなわち基準平面RPから等しい距離の位置に配置されている。

0102

なお、磁界変換部42は、下部ヨーク42B1,42B2,42B3,42B4と、上部ヨーク42T1,42T2,42T3,42T4の一方のみを含んでいてもよい。また、軟磁性構造体40は、軟磁性層41,43の一方のみを含んでいてもよい。

0103

次に、図4を参照して、信号処理回路5が行う処理の内容と信号処理回路5の構成について説明する。信号処理回路5は、第1の処理と、第2の処理と、オフセット変化検出処理と、球体情報生成処理と、オフセット補正処理と、位置情報生成処理とを行う。前述の通り、信号処理回路5は第1のプロセッサ7と第2のプロセッサ8とを備えている。第1のプロセッサ7は、アナログ−デジタル変換器(以下、A/D変換器と記す。)70A,70B,70Cと、第1の処理を行う最大線分抽出部71と、第2の処理を行う中点座標演算部72と、オフセット変化検出処理を行うオフセット変化検出部73とを含んでいる。第2のプロセッサ8は、オフセット補正処理を行うオフセット補正部81と、球体情報生成処理を行う球体情報生成部82と、位置情報生成処理を行う位置情報生成部84とを含んでいる。

0104

最大線分抽出部71、中点座標演算部72、オフセット変化検出部73、オフセット補正部81、球体情報生成部82および位置情報生成部84は、それぞれ上述の処理を行う機能ブロックである。

0105

A/D変換器70A,70B,70Cは、それぞれ、第1ないし第3の検出信号Sx,Sy,Szをデジタル信号に変換する。デジタル信号に変換された第1ないし第3の検出信号Sx,Sy,Szは、最大線分抽出部71、オフセット変化検出部73、オフセット補正部81および球体情報生成部82に入力される。

0106

第1の処理、第2の処理、オフセット変化検出処理、球体情報生成処理、オフセット補正処理および位置情報生成処理は、それぞれ、位置検出装置1の使用時に、繰り返し実行される。

0107

ここで、前述の基準座標系において、あるタイミングにおける第1ないし第3の検出信号Sx,Sy,Szの値の組を表す座標(Sx,Sy,Sz)を測定点とする。前述のように、磁気センサ装置4に対する磁界発生器2の相対的な位置が変化すると、基準座標系における磁界発生器2の位置は、所定の球面に沿って変化する。従って、複数のタイミングにおける複数の測定点を取得し、複数の測定点を基準座標系にプロットすると、複数の測定点の分布は、球面で近似することができる。本実施の形態では、この複数の測定点の分布を近似した球面を近似球面と言う。複数の測定点は、近似球面上または近似球面の近傍に分布する。

0108

最大線分抽出部71による第1の処理は、複数のタイミングにおける複数の測定点の中から、それらを結ぶ線分の長さが最大となる第1点と第2点を抽出し、第1点と第2点を中点座標演算部72に対して出力する。

0109

中点座標演算部72による第2の処理は、第1の処理が実行された後に、第1の処理によって抽出された第1点と第2点を結ぶ線分の中点の座標と、第1点と第2点を結ぶ線分の長さの1/2を求める。以下、第1点と第2点を結ぶ線分の長さの1/2を、磁界強度データMと言う。中点座標演算部72による第2の処理は、更に、中点の座標と磁界強度データMを保持する。中点の座標は、近似球面を有する仮想の球体の中心座標を推定した座標に相当する。磁界強度データMは、上記仮想の球体の半径を推定したデータに相当する。以下の説明では、中点の座標と磁界強度データMの組を、推定球体情報と言う。

0110

以下、第1点の座標を(x1,y1,z1)と表し、第2点の座標を(x2,y2,z2)と表し、第1点と第2点を結ぶ線分の中点の座標を(mx,my,mz)と表す。mx,my,mzは、それぞれ下記の式(1)〜(3)で表される。

0111

mx=(x1+x2)/2 …(1)
my=(y1+y2)/2 …(2)
mz=(z1+z2)/2 …(3)

0112

また、磁界強度データMは、下記の式(4)で表される。

0113

M=√((x1−x2)2+(y1−y2)2+(z1−z2)2)/2 …(4)

0114

第1ないし第3の検出信号Sx,Sy,Szには、対象磁界すなわち磁界発生器2によって発生された磁界以外の要因に起因してオフセットが生じる。オフセット変化検出部73によるオフセット変化検出処理は、第2の処理によって保持されている推定球体情報を用いて、第1ないし第3の検出信号Sx,Sy,Szのオフセットの変化を検出する。

0115

オフセット変化検出部73は、オフセットの変化を検出したときに、そのことを示す通知信号Snを出力すると共に、オフセット変化検出処理を停止する。本実施の形態では、最大線分抽出部71は、通知信号Snを受信することができるように構成されていると共に、通知信号Snを受信したら第1の処理を開始するように構成されている。言い換えると、オフセット変化検出部73は、オフセットの変化を検出したら、通知信号Snを最大線分抽出部71に対して出力して、第1の処理を開始させる。中点座標演算部72による第2の処理は、第1の処理によって第1点と第2点が抽出されたら、第1点と第2点を結ぶ線分の中点の座標と磁界強度データMを求め、保持している推定球体情報を更新する。オフセット変化検出部73は、通知信号Snの出力後に、中点座標演算部72において推定球体情報が更新されたら、オフセット変化検出処理を再開する。

0116

なお、第1のプロセッサ7では、位置検出装置1の使用開始後における最初のオフセット変化検出処理が実行される前に、以下のような初期処理を実行してもよい。この初期処理では、まず、最大線分抽出部71が、第1の処理を実行して、第1点と第2点を抽出する。次に、中点座標演算部72が、第2の処理を実行して、第1点と第2点を結ぶ線分の中点の座標と磁界強度データMを求め、これらを推定球体情報として保持する。次に、オフセット変化検出部73が、オフセット変化検出処理を開始する。

0117

あるいは、上記の初期処理を実行する代わりに、中点座標演算部72が、初期推定球体情報を保持していてもよい。初期推定球体情報は、中点の座標の初期値および磁界強度データMの初期値を含んでいる。中点の座標の初期値および磁界強度データMの初期値は、例えば、位置検出装置1が適用される関節機構300の構成に基づいて、関節機構300を含む機器の出荷前に決定される。位置検出装置1の使用開始後における最初のオフセット変化検出処理では、オフセット変化検出部73は、中点の座標および磁界強度データMの代わりに、中点の座標の初期値および磁界強度データMの初期値を用いてオフセットの変化を検出する。

0118

球体情報生成部82による球体情報生成処理は、第1ないし第3の検出信号Sx,Sy,Szを用いた計算によって球体情報Ssを生成する。球体情報Ssは、近似球面を有する仮想の球体の中心座標および半径のデータを含む。仮想の球体の中心座標および半径は、例えば、4つの測定点と球面の方程式を用いて、4つの測定点を含む近似球面を決定することによって求めてもよい。あるいは、仮想の球体の中心座標および半径は、5つ以上の測定点と球面の方程式と最小二乗法とを用いて、5つ以上の測定点に最も近い近似球面を決定することによって求めてもよい。

0119

本実施の形態では、球体情報生成部82は、通知信号Snを受信することができるように構成されていると共に、通知信号Snを受信したら球体情報生成処理を開始するように構成されている。言い換えると、オフセット変化検出部73によるオフセット変化検出処理は、オフセットの変化を検出したら、通知信号Snを球体情報生成部82に対して出力して、球体情報生成処理を開始させる。

0120

オフセット補正部81によるオフセット補正処理は、球体情報生成処理が実行された後に、第1ないし第3の検出信号Sx,Sy,Szと、球体情報生成処理によって生成された球体情報Ssのうちの中心座標のデータとを用いて、第1ないし第3の検出信号Sx,Sy,Szのオフセットを補正して、第1ないし第3の補正後信号を生成し、位置情報生成部84に対して出力する。

0121

なお、球体情報生成部82は、位置検出装置1の使用開始後における最初のオフセット変化検出処理が実行される前に、球体情報生成処理を実行してもよい。あるいは、球体情報生成部82は、初期球体情報を保持していてもよい。初期球体情報は、前記の仮想の球体の中心座標の初期値および半径の初期値のデータを含んでいる。中心座標の初期値および半径の初期値のデータは、例えば、位置検出装置1が適用される関節機構300の構成に基づいて、関節機構300を含む機器の出荷前に決定される。位置検出装置1の使用開始後における最初の球体情報生成処理が実行される前においては、オフセット補正部81は、中心座標のデータの代わりに中心座標の初期値のデータを用いてオフセット補正処理を行ってもよい。

0122

なお、前述の中点の座標の初期値は、中心座標の初期値と同じ値であってもよい。同様に、前述の磁界強度データMの初期値は、半径の初期値と同じ値であってもよい。

0123

位置情報生成部84における位置情報生成処理は、第1ないし第3の補正後信号に基づいて、磁気センサ装置4に対する磁界発生器2の相対的な位置を表す位置情報を生成する。

0124

次に、最大線分抽出部71による第1の処理について具体的に説明する。第1の処理では、複数のタイミングにおける複数の測定点を取得し、この複数の測定点の中から第1点と第2点を抽出する。以下、第1点と第2点を抽出する方法の例として、第1の方法、第2の方法および第3の方法について説明する。第1ないし第3の方法では、最大線分抽出部71は、複数のタイミングにおける複数の測定点を時系列データとして取得する。

0125

始めに、図13および図14を参照して、第1の方法について説明する。図13は、第1の方法を示すフローチャートである。図14は、第1の方法を説明するための説明図である。なお、前述のように、複数の測定点は、近似球面上または近似球面の近傍に分布する。図14では、便宜上、近似球面を、記号Sを付した円で表している。

0126

第1の方法では、まず、最初の測定点を第1点P1とし、次の測定点を第2点P2とする(ステップS11)。次に、第1点P1と第2点P2の間の距離を算出し、この距離を最大距離MDとする(ステップS12)。次に、最新の測定点Pを取得する(ステップS13)。次に、第1点P1と最新の測定点Pの間の距離を算出し、この距離を比較用距離Dとする(ステップS14)。

0127

次に、比較用距離Dが最大距離MDよりも大きいか否かを判断する(ステップS15)。図14は、比較用距離Dが最大距離MDよりも大きい場合を示している。図14に示したように、比較用距離Dが最大距離MDよりも大きい場合(YES)には、最新の測定点Pを第2点P2とし(ステップS16)、ステップS12に戻る。

0128

比較用距離Dが最大距離MD以下の場合(ステップS15におけるNO)には、次に、最大距離MDの最後の更新から所定時間以上経過しているか否かを判断する(ステップS17)。最大距離MDの最後の更新から所定時間以上経過している場合(ステップS17におけるYES)には、第1点P1と第2点P2を確定する(ステップS18)。最大距離MDの最後の更新から所定時間以上経過していない場合(ステップS17におけるNO)には、ステップS13に戻る。

0129

ステップS17においてYESの場合には、最大距離MDが所定値以上であるか否かを判断するようにしてもよい。そして、最大距離MDが所定値以上である場合にはステップS18に進み、最大距離MDが所定値未満の場合には、第1点P1と第2点P2を確定せずに、エラーである旨の通知を出力して、処理を終了してもよい。

0130

また、図13に示した方法では、最大線分抽出部71は、測定点Pを取得するたびに、測定点Pを第2点P2とするか否かを判断しているが、最大線分抽出部71は、最初に所定の数の測定点Pを取得してから、取得した全ての測定点Pについて、順次、第2点P2とするか否かを判断してもよい。

0131

次に、図15ないし図18を参照して、第2の方法について説明する。図15は、第2の方法を示すフローチャートである。図16ないし図18は、第2の方法を説明するための説明図である。なお、図16ないし図18では、図14と同様に、便宜上、近似球面を、記号Sを付した円で表している。

0132

第2の方法では、まず、最初の測定点を第1点P1とし、次の測定点を第2点P2とする(ステップS21)。次に、第1点P1と第2点P2の間の距離を算出し、この距離を最大距離MDとする(ステップS22)。次に、最新の測定点Pを取得する(ステップS23)。次に、第1点P1と最新の測定点Pの間の距離を算出し、この距離を第1の比較用距離D1とすると共に、第2点P2と最新の測定点Pの間の距離を算出し、この距離を第2の比較用距離D2とする(ステップS24)。

0133

次に、第1の比較用距離D1と第2の比較用距離D2の少なくとも一方が最大距離MDよりも大きいか否かを判断する(ステップS25)。図16は、第1および第2の比較用距離D1,D2が、いずれも最大距離MDよりも小さい場合を示している。図17は、第1の比較用距離D1が最大距離MDおよび第2の比較用距離D2よりも大きい場合を示している。図18は、第2の比較用距離D2が最大距離MDおよび第1の比較用距離D1よりも大きい場合を示している。

0134

図17および図18に示したように、第1の比較用距離D1と第2の比較用距離D2の少なくとも一方が最大距離MDよりも大きい場合(ステップS25におけるYES)には、次に、第2の比較用距離D2が第1の比較用距離D1よりも大きいか否かを判断する(ステップS26)。図18に示したように、第2の比較用距離D2が第1の比較用距離D1よりも大きい場合(ステップS26におけるYES)には、最新の測定点Pを第1点P1とし(ステップS27)、ステップS22に戻る。図17に示したように、第2の比較用距離D2が第1の比較用距離D1以下の場合(ステップS26におけるNO)には、最新の測定点Pを第2点P2とし(ステップS28)、ステップS22に戻る。

0135

図16に示したように、第1および第2の比較用距離D1,D2が、いずれも最大距離MD以下の場合(ステップS25におけるNO)には、次に、最大距離MDの最後の更新から所定時間以上経過しているか否かを判断する(ステップS29)。最大距離MDの最後の更新から所定時間以上経過している場合(ステップS29におけるYES)には、第1点P1と第2点P2を確定する(ステップS30)。最大距離MDの最後の更新から所定時間以上経過していない場合(ステップS29におけるNO)には、ステップS23に戻る。

0136

ステップS29においてYESの場合には、最大距離MDが所定値以上であるか否かを判断するようにしてもよい。そして、最大距離MDが所定値以上である場合にはステップS30に進み、最大距離MDが所定値未満の場合には、第1点P1と第2点P2を確定せずに、エラーである旨の通知を出力して、処理を終了してもよい。

0137

また、図15に示した方法では、最大線分抽出部71は、測定点Pを取得するたびに、測定点Pを第1点P1または第2点P2とするか否かを判断しているが、最大線分抽出部71は、最初に所定の数の測定点Pを取得してから、取得した全ての測定点Pについて、順次、第1点P1または第2点P2とするか否かを判断してもよい。

0138

次に、第3の方法について説明する。第3の方法では、予め、仮想の球体の直径の候補を3つ以上決めておき、3つ以上の仮想の球体の直径の候補のいずれかに最も近く且つ最も長い線分を形成する2つの測定点を、第1点および第2点とする。以下、第1点および第2点が確定する前の最新の時点で、各直径の候補に最も近く且つ最も長い線分を形成する2つの測定点の各々を候補点と言い、2つの候補点を合わせて候補点対と言う。

0139

以下、仮想の球体の直径の候補を第1軸ないし第9軸とした例について説明する。第1軸ないし第9軸は、複数の測定点がプロットされる基準座標系を用いて以下のように定義される。以下の説明において、αは任意の実数である。第1軸は、直線上の点の座標が(α,0,0)と表される直線に平行な軸である。第2軸は、直線上の点の座標が(0,α,0)と表される直線に平行な軸である。第3軸は、直線上の点の座標が(0,0,α)と表される直線に平行な軸である。第4軸は、直線上の点の座標が(α,α,0)と表される直線に平行な軸である。第5軸は、直線上の点の座標が(α,−α,0)と表される直線に平行な軸である。第6軸は、直線上の点の座標が(0,α,α)と表される直線に平行な軸である。第7軸は、直線上の点の座標が(0,α,−α)と表される直線に平行な軸である。第8軸は、直線上の点の座標が(α,0,α)と表される直線に平行な軸である。第9軸は、直線上の点の座標が(−α,0,α)と表される直線に平行な軸である。

0140

以下、第1点および第2点が確定する前の最新の時点で、第1軸に最も近く且つ最も長い線分を形成する2つの候補点を候補点P11,P12と言い、候補点P11,P12を合わせて第1の候補点対と言う。候補点P11は、複数の測定点のうち、第1の検出信号Sxの値が最大となる測定点である。候補点P12は、複数の測定点のうち、第1の検出信号Sxの値が最小となる測定点である。

0141

また、第1点および第2点が確定する前の最新の時点で、第2軸に最も近く且つ最も長い線分を形成する2つの候補点を候補点P21,P22と言い、候補点P21,P22を合わせて第2の候補点対と言う。候補点P21は、複数の測定点のうち、第2の検出信号Syの値が最大となる測定点である。候補点P22は、複数の測定点のうち、第2の検出信号Syの値が最小となる測定点である。

0142

また、第1点および第2点が確定する前の最新の時点で、第3軸に最も近く且つ最も長い線分を形成する2つの候補点を候補点P31,P32と言い、候補点P31,P32を合わせて第3の候補点対と言う。候補点P31は、複数の測定点のうち、第3の検出信号Szの値が最大となる測定点である。候補点P32は、複数の測定点のうち、第3の検出信号Szの値が最小となる測定点である。

0143

また、第1点および第2点が確定する前の最新の時点で、第4軸に最も近く且つ最も長い線分を形成する2つの候補点を候補点P41,P42と言い、候補点P41,P42を合わせて第4の候補点対と言う。候補点P41は、複数の測定点のうち、Sx+Syの値が最大となる測定点である。候補点P42は、複数の測定点のうち、Sx+Syの値が最小となる測定点である。

0144

また、第1点および第2点が確定する前の最新の時点で、第5軸に最も近く且つ最も長い線分を形成する2つの候補点を候補点P51,P52と言い、候補点P51,P52を合わせて第5の候補点対と言う。候補点P51は、複数の測定点のうち、Sx−Syの値が最大となる測定点である。候補点P52は、複数の測定点のうち、Sx−Syの値が最小となる測定点である。

0145

また、第1点および第2点が確定する前の最新の時点で、第6軸に最も近く且つ最も長い線分を形成する2つの候補点を候補点P61,P62と言い、候補点P61,P62を合わせて第6の候補点対と言う。候補点P61は、複数の測定点のうち、Sy+Szの値が最大となる測定点である。候補点P62は、複数の測定点のうち、Sy+Szの値が最小となる測定点である。

0146

また、第1点および第2点が確定する前の最新の時点で、第7軸に最も近く且つ最も長い線分を形成する2つの候補点を候補点P71,P72と言い、候補点P71,P72を合わせて第7の候補点対と言う。候補点P71は、複数の測定点のうち、Sy−Szの値が最大となる測定点である。候補点P72は、複数の測定点のうち、Sy−Szの値が最小となる測定点である。

0147

また、第1点および第2点が確定する前の最新の時点で、第8軸に最も近く且つ最も長い線分を形成する2つの候補点を候補点P81,P82と言い、候補点P81,P82を合わせて第8の候補点対と言う。候補点P81は、複数の測定点のうち、Sz+Sxの値が最大となる測定点である。候補点P82は、複数の測定点のうち、Sz+Sxの値が最小となる測定点である。

0148

また、第1点および第2点が確定する前の最新の時点で、第9軸に最も近く且つ最も長い線分を形成する2つの候補点を候補点P91,P92と言い、候補点P91,P92を合わせて第9の候補点対と言う。候補点P91は、複数の測定点のうち、Sz−Sxの値が最大となる測定点である。候補点P92は、複数の測定点のうち、Sz−Sxの値が最小となる測定点である。

0149

次に、図19を参照して、上述のように仮想の球体の直径の候補を第1軸ないし第9軸とした場合を例にとって、第3の方法について具体的に説明する。図19は、第3の方法を示すフローチャートである。

0150

第3の方法では、まず、最初の測定点を18個の候補点P11,P12,P21,P22,P31,P32,P41,P42,P51,P52,P61,P62,P71,P72,P81,P82,P91,P92とする(ステップS31)。次に、第1ないし第9の候補点対毎に、2つの候補点間の距離である2点間距離を求める(ステップS32)。ステップS32の実行時点では、第1ないし第9の候補点対の2点間距離は全て0である。18個の候補点と第1ないし第9の候補点対毎の2点間距離は、更新されるまで、最大線分抽出部71によって保持される。

0151

次に、最新の測定点を取得する(ステップS33)。次に、最新の測定点と18個の候補点とを比較して、最新の測定点が1つ以上の候補点に該当するか否かを判断する(ステップS34)。この判断は、最新の測定点を、保持されている18個の候補点と比較することによって行われる。最新の測定点が1つ以上の候補点に該当する場合(YES)には、該当する候補点を最新の測定点によって更新する(ステップS35)。次に、更新された候補点を含む候補点対の2点間距離を更新し(ステップS36)、ステップS33に戻る。

0152

最新の測定点が1つ以上の候補点に該当しない場合(ステップS34におけるNO)には、次に、候補点の最後の更新から所定時間以上経過しているか否かを判断する(ステップS37)。候補点の最後の更新から所定時間以上経過している場合(ステップS37におけるYES)には、最大の2点間距離を有する候補点対の2つの候補点を第1点P1と第2点P2とする(ステップS38)。候補点の最後の更新から所定時間以上経過していない場合(ステップS37におけるNO)には、ステップS33に戻る。

0153

ステップS37においてYESの場合には、最大の2点間距離が所定値以上であるか否かを判断するようにしてもよい。そして、最大の2点間距離が所定値以上である場合にはステップS38に進み、最大の2点間距離が所定値未満の場合には、第1点P1と第2点P2を確定せずに、エラーである旨の通知を出力して、処理を終了してもよい。

0154

また、図19に示した方法では、最大線分抽出部71は、測定点を取得するたびに、測定点が1つ以上の候補点に該当するか否かを判断しているが、最大線分抽出部71は、最初に所定の数の測定点を取得してから、所定の数の測定点の中から18個の候補点を抽出し、更に、最大の2点間距離を有する候補点対の2つの候補点を第1点P1と第2点P2としてもよい。

0155

次に、オフセット変化検出部73によるオフセット変化検出処理について具体的に説明する。オフセット変化検出処理では、例えば、以下のようにしてオフセットが変化したと判断する。まず、あるタイミングにおける第1ないし第3の検出信号Sx,Sy,Szの値の組を取得することによって、前述の測定点(Sx,Sy,Sz)を得る。また、中点座標演算部72によって保持されている中点の座標(mx,my,mz)および磁界強度データMを取得する。次に、判定値Dを求める。本実施の形態における判定値Dは、測定点(Sx,Sy,Sz)と中点の座標(mx,my,mz)との間の距離と磁界強度データMとの差である。判定値Dは、下記の式(5)で表される。

0156

D=√((Sx−mx)2+(Sy−my)2+(Sz−mz)2)−M …(5)

0157

次に、判定値Dの絶対値と、所定の閾値とを比較する。所定の閾値は、オフセットの変化を検出するための閾値である。オフセット変化検出処理では、判定値Dの絶対値が所定の閾値以上の場合に、オフセットが変化したと判断して、通知信号Snを出力する。

0158

オフセット変化検出部73が第1ないし第3の検出信号Sx,Sy,Szの値の組を取得するタイミングは、第1のプロセッサ7のサンプリング周期と同期する。オフセット変化検出部73は、オフセット変化検出部73が第1ないし第3の検出信号Sx,Sy,Szの値の組を取得するたびに、オフセット変化検出処理を行ってもよい。この場合、第1のプロセッサ7のサンプリング周期を短くすると、オフセット変化検出処理の実行間隔も短くなる。

0159

次に、オフセット補正部81によるオフセット補正処理と位置情報生成部84による位置情報生成処理について具体的に説明する。以下の説明では、第1の補正後信号を記号CSxで表し、第2の補正後信号を記号CSyで表し、第3の補正後信号を記号CSzで表し、仮想の球体の中心座標を(cx,cy,cz)と表す。

0160

前述のように、基準座標系における磁界発生器2の位置は、所定の球面に沿って変化し、複数の測定点は、近似球面上または近似球面の近傍に分布する。また、所定の球面の中心は、第1の球面の中心すなわち基準位置と一致しているか、ほぼ一致している。従って、オフセットが生じていなければ、近似球面を有する仮想の球体の中心座標(cx,cy,cz)は、基準位置と一致するか、ほぼ一致する。しかし、オフセットが生じると、仮想の球体の中心座標(cx,cy,cz)は、基準位置からずれてしまう。

0161

基準座標系の原点は、基準位置であってもよい。この場合、オフセット補正処理は、例えば、球体情報生成処理において算出した仮想の球体の中心座標(cx,cy,cz)が基準座標系の原点(0,0,0)になるように、測定点(Sx,Sy,Sz)を点(Sx−cx,Sy−cy,Sz−cz)に変換する処理であってもよい。この場合、第1ないし第3の補正後信号CSx,CSy,CSzは、それぞれ下記の式(6)〜(8)で表される。

0162

CSx=Sx−cx …(6)
CSy=Sy−cy …(7)
CSz=Sz−cz …(8)

0163

基準座標系における点(CSx,CSy,CSz)は、基準座標系における磁界発生器2の座標と対応関係を有している。位置情報生成処理は、例えば、点(CSx,CSy,CSz)の各成分すなわち第1ないし第3の補正後信号CSx,CSy,CSzを補正して、基準座標系における磁界発生器2の座標を求める処理であってもよい。第1ないし第3の補正後信号CSx,CSy,CSzの補正は、例えば、基準座標系における原点から点(CSx,CSy,CSz)までの距離が、磁気センサ装置4から磁界発生器2までの実際の距離と等しくなるように、第1ないし第3の補正後信号CSx,CSy,CSzの各々に所定の補正係数乗算することによって行われる。

0164

次に、図20を参照して、第1の処理、第2の処理およびオフセット変化検出処理に関する第1のプロセッサ7の動作について説明する。図20は、第1のプロセッサ7の動作を示すフローチャートである。図20に示した動作では、まず、オフセット変化検出部73が、前述のように、中点座標演算部72によって保持されている推定球体情報を用いて、判定値Dを求める(ステップS41)。

0165

オフセット変化検出部73は、次に、判定値Dの絶対値が所定の閾値以上か否かを判断する(ステップS42)。ステップS42において判定値Dが所定の閾値以上ではない場合(NO)には、第1のプロセッサ7は、図20に示した動作を終了するか否かを判断する(ステップS43)。ステップS43において終了すると判断された場合(YES)には、図20に示した動作を終了する。図20に示した動作は、例えば、終了を指示する信号が第1のプロセッサ7に入力されることによって終了する。ステップS43において終了しないと判断された場合(NO)には、ステップS41に戻る。ステップS42において判定値Dが所定の閾値以上の場合(YES)には、オフセット変化検出部73は、通知信号Snを出力すると共に、オフセット変化検出処理を停止する(ステップS44)。

0166

図20に示した動作では、次に、最大線分抽出部71が、第1の処理を実行して、第1点と第2点を抽出する(ステップS45)。次に、中点座標演算部72が、第2の処理を実行して、第1点と第2点を結ぶ線分の中点の座標と磁界強度データMを求めると共に、これらを推定球体情報として保持する(ステップS46)。次に、オフセット変化検出部73が、オフセット変化検出処理を再開し(ステップS47)、ステップS41に戻る。

0167

次に、図21を参照して、球体情報Ssの生成に関連する第2のプロセッサ8の動作について説明する。図21は、球体情報Ssの生成と送信に関連する第2のプロセッサ8の動作を示すフローチャートである。図21に示した動作では、まず、球体情報生成部82が、通知信号Snを受信したか否かを確認する(ステップS51)。ステップS51において通知信号Snを受信していない場合(NO)には、第2のプロセッサ8は、図21に示した動作を終了するか否かを判断する(ステップS52)。ステップS52において終了すると判断された場合(YES)には、図21に示した動作を終了する。図21に示した動作は、例えば、終了を指示する信号が第2のプロセッサ8に入力されることによって終了する。ステップS52において終了しないと判断された場合(NO)には、所定の時間経過後、再度、ステップS51を実行する。

0168

ステップS51において通知信号Snを受信した場合(YES)には、球体情報生成部82は、球体情報Ssを生成する(ステップS53)。図21に示した動作では、ステップS53を実行したら、ステップS51に戻る。

0169

以上説明したように、本実施の形態に係る信号処理回路5、位置検出装置1および磁気センサシステム3では、複数のタイミングにおける複数の測定点の中から、それらを結ぶ線分の長さが最大となる第1点と第2点を抽出する第1の処理と、第1の処理によって抽出された第1点と第2点を結ぶ線分の中点の座標を求める第2の処理が行われる。第1点と第2点を結ぶ線分の中点の座標は、仮想の球体の中心座標を推定した座標に相当する。

0170

ところで、仮想の球体の中心座標の算出方法としては、球体情報生成処理によって球体情報Ssを生成する方法がある。前述のように、球体情報Ssすなわち仮想の球体の中心座標および半径を求めるためには、例えば、球面の方程式を用いて近似球面を決定することが必要である。そのため、球体情報Ssを生成する処理は、比較的複雑な演算が必要であり、ある程度時間を要する。

0171

これに対し、第1点と第2点を抽出する第1の処理と、第1点と第2点を結ぶ線分の中点の座標を求める第2の処理は、球体情報Ssを生成する処理よりも簡単な演算を用いて実行することができる。従って、本実施の形態によれば、オフセット変化検出処理によって第1ないし第3の検出信号Sx,Sy,Szのオフセットの変化が検出された後に、比較的簡単な第1の処理と第2の処理を実行することにより、オフセット変化後の仮想の球体の中心座標を速やかに推定することができる。

0172

また、本実施の形態では、第2の処理は、更に、磁界強度データMを求め、中点の座標と磁界強度データMを推定球体情報として保持する。オフセット変化検出処理は、第2の処理によって保持されている推定球体情報を用いて行われる。従って、本実施の形態によれば、第1ないし第3の検出信号Sx,Sy,Szのオフセットの変化が検出された後にオフセット変化検出処理を停止した場合に、比較的簡単な第1の処理と第2の処理を実行することにより、オフセット変化検出処理を速やかに再開することができる。

0173

[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。始めに、図22を参照して、本実施の形態に係る信号処理回路5が第1の実施の形態と異なる点について説明する。図22は、本実施の形態に係る磁気センサシステム3の構成を示す機能ブロック図である。

0174

本実施の形態に係る信号処理回路5は、第1の実施の形態で説明した第1の処理、第2の処理、オフセット変化検出処理、球体情報生成処理、オフセット補正処理および位置情報生成処理に加えて、球体情報受信保持処理と、球体情報送信処理とを行う。信号処理回路5の第1のプロセッサ7は、第1の実施の形態で説明した最大線分抽出部71、中点座標演算部72およびオフセット変化検出部73に加えて、球体情報受信・保持処理を行う球体情報受信・保持部74を含んでいる。信号処理回路5の第2のプロセッサ8は、第1の実施の形態で説明したオフセット補正部81、球体情報生成部82および位置情報生成部84に加えて、球体情報送信処理を行う球体情報送信部83を含んでいる。

0175

球体情報受信・保持部74および球体情報送信部83は、それぞれ上述の処理を行う機能ブロックである。また、球体情報受信・保持処理と球体情報送信処理は、それぞれ、位置検出装置1の使用時に、繰り返し実行される。

0176

球体情報送信部83による球体情報送信処理は、球体情報生成部82による球体情報生成処理が実行された後に、球体情報生成処理によって生成された球体情報Ssを球体情報受信・保持部74に送信する。球体情報受信・保持部74による球体情報受信・保持処理は、球体情報送信部83から送信される球体情報Ssを受信すると共に保持する。

0177

本実施の形態では、オフセット変化検出部73によるオフセット変化検出処理は、中点座標演算部72による第2の処理によって保持されている中点の座標および磁界強度データMの組すなわち推定球体情報と、球体情報受信・保持部74による球体情報受信・保持処理によって保持されている球体情報Ss、すなわち球体情報生成処理によって生成された球体情報Ssのうちの一方を用いて行われる。

0178

第1の実施の形態で説明したように、球体情報生成部82は、通知信号Snを受信することができるように構成されていると共に、通知信号Snを受信したら球体情報生成処理を開始するように構成されている。オフセット変化検出部73によるオフセット変化検出処理は、オフセットの変化を検出したら、通知信号Snを球体情報生成部82に対して出力して、球体情報生成処理を開始させる。球体情報生成部82による球体情報生成処理は、通知信号Snを受信したら、最新の球体情報Ssの生成を開始する。球体情報受信・保持部74による球体情報受信・保持処理は、新しい球体情報Ssを受信したら、保持している球体情報Ssを更新する。

0179

なお、球体情報生成部82が、第1の実施の形態で説明した初期球体情報を保持している場合、第1のプロセッサ7と第2のプロセッサ8では、位置検出装置1の使用開始後における最初の球体情報生成処理が実行される前に、以下のような初期処理を実行してもよい。この初期処理では、球体情報送信部83は、初期球体情報を球体情報受信・保持部74に送信する。球体情報受信・保持部74は、初期球体情報を受信すると共に保持する。最初の球体情報生成処理が実行される前においては、オフセット変化検出部73は、推定球体情報を用いてオフセットの変化を検出してもよいし、第1の実施の形態で説明した初期推定球体情報を用いてオフセットの変化を検出してもよいし、初期球体情報を用いてオフセットの変化を検出してもよい。

0180

以下、オフセット変化検出部73によるオフセット変化検出処理について具体的に説明する。オフセット変化検出処理では、推定球体情報を用いる第1の場合と、球体情報Ssを用いる第2の場合のいずれにおいても、第1の実施の形態におけるオフセット変化検出処理と同様に、判定値Dを求め、判定値Dの絶対値と、所定の閾値とを比較し、判定値Dの絶対値が所定の閾値以上の場合に、オフセットが変化したと判断して、通知信号Snを出力する。第1の場合における判定値Dの算出方法は、第1の実施の形態と同じである。すなわち、第1の場合における判定値Dは、前出の式(5)で表される。

0181

第2の場合における判定値Dは、以下のようにして求められる。まず、あるタイミングにおける第1ないし第3の検出信号Sx,Sy,Szの値の組を取得することによって、前述の測定点(Sx,Sy,Sz)を得る。また、球体情報受信・保持部74によって保持されている球体情報Ssを取得する。次に、測定点(Sx,Sy,Sz)と球体情報Ssによる仮想の球体の中心座標(cx,cy,cz)との間の距離と、この距離と球体情報Ssによる仮想の球体の半径rとの差を求める。この差が、第2の場合における判定値Dである。第2の場合における判定値Dは、下記の式(9)で表される。

0182

D=√((Sx−cx)2+(Sy−cy)2+(Sz−cz)2)−r …(9)

0183

次に、図23を参照して、第1の処理、第2の処理、オフセット変化検出処理および球体情報受信・保持処理に関する第1のプロセッサ7の動作について説明する。図23は、第1のプロセッサ7の動作を示すフローチャートである。

0184

図23に示した動作では、まず、オフセット変化検出部73が、球体情報受信・保持部74が保持する球体情報Ssの方が、中点座標演算部72が保持する推定球体情報よりも新しいか否かを確認する(ステップS61)。球体情報Ssの方が新しい場合(YES)には、オフセット変化検出部73は、球体情報Ssを用いて、式(9)によって、判定値Dを求める(ステップS62)。球体情報Ssの方が新しくない場合(NO)には、オフセット変化検出部73は、推定球体情報を用いて、式(5)によって、判定値Dを求める(ステップS63)。

0185

なお、最初の球体情報生成処理が実行される前においては、球体情報受信・保持部74は、球体情報Ssを保持していないため、ステップS63が実行される。中点座標演算部72が初期推定球体情報を保持している場合、最初の球体情報生成処理が実行される前においては、ステップS63の代わりに、オフセット変化検出部73が初期推定球体情報を用いて判定値Dを求める処理が実行されてもよい。この場合、判定値Dは、式(5)における中点の座標および磁界強度データMをそれぞれ中点の座標の初期値および磁界強度データMの初期値に置き換えることによって求めることができる。あるいは、球体情報受信・保持部74が初期球体情報を保持している場合、最初の球体情報生成処理が実行される前においては、ステップS63の代わりに、オフセット変化検出部73が初期球体情報を用いて判定値Dを求める処理が実行されてもよい。この場合、判定値Dは、式(9)における仮想の球体の中心座標および半径rをそれぞれ仮想の球体の中心座標の初期値および半径rの初期値に置き換えることによって求めることができる。

0186

図23に示した動作では、ステップS62の実行後またはステップS63の実行後に、オフセット変化検出部73が、判定値Dの絶対値が所定の閾値以上か否かを判断する(ステップS64)。ステップS64において判定値Dが所定の閾値以上ではない場合(NO)には、第1のプロセッサ7は、図23に示した動作を終了するか否かを判断する(ステップS65)。ステップS65において終了すると判断された場合(YES)には、図23に示した動作を終了する。図23に示した動作は、例えば、終了を指示する信号が第1のプロセッサ7に入力されることによって終了する。ステップS65において終了しないと判断された場合(NO)には、ステップS61に戻る。ステップS64において判定値Dが所定の閾値以上の場合(YES)には、オフセット変化検出部73は、通知信号Snを出力すると共に、オフセット変化検出処理を停止する(ステップS66)。

0187

図23に示した動作では、次に、最大線分抽出部71が、第1の処理を実行して、第1点と第2点を抽出する(ステップS67)。次に、中点座標演算部72が、第2の処理を実行して、第1点と第2点を結ぶ線分の中点の座標と磁界強度データMを求めると共に、これらを推定球体情報として保持する(ステップS68)。次に、オフセット変化検出部73が、オフセット変化検出処理を再開し(ステップS69)、ステップS61に戻る。

0188

次に、図24を参照して、球体情報Ssの生成と送信に関連する第2のプロセッサ8の動作について説明する。図24は、球体情報Ssの生成と送信に関連する第2のプロセッサ8の動作を示すフローチャートである。図24に示した動作では、まず、球体情報生成部82が、通知信号Snを受信したか否かを確認する(ステップS71)。ステップS71において通知信号Snを受信していない場合(NO)には、第2のプロセッサ8は、図24に示した動作を終了するか否かを判断する(ステップS72)。ステップS72において終了すると判断された場合(YES)には、図24に示した動作を終了する。図24に示した動作は、例えば、終了を指示する信号が第2のプロセッサ8に入力されることによって終了する。ステップS72において終了しないと判断された場合(NO)には、所定の時間経過後、再度、ステップS71を実行する。

0189

ステップS71において通知信号Snを受信した場合(YES)には、球体情報生成部82は、球体情報Ssを生成する(ステップS73)。次に、球体情報送信部83が、球体情報Ssを球体情報受信・保持部74に送信する(ステップS74)。図24に示した動作では、ステップS74を実行したら、ステップS71に戻る。

0190

以上説明したように、本実施の形態では、オフセット変化検出処理は、第2の処理によって保持されている中点の座標および磁界強度データMの組すなわち推定球体情報と、球体情報生成処理によって生成された球体情報Ssのうちの一方を用いて行われる。中点の座標は、仮想の球体の中心座標を推定した座標に相当し、磁界強度データMは、仮想の球体の半径を推定したデータに相当する。推定球体情報を用いる場合には、第1の実施の形態と同様に、オフセット変化検出処理を速やかに再開することができる。

0191

一方、球体情報生成処理によって生成された球体情報Ssは、中点の座標および磁界強度データMのような仮想の球体の中心座標および半径の推定値ではなく、仮想の球体の中心座標および半径そのものである。従って、本実施の形態によれば、球体情報生成処理によって生成された球体情報Ssを用いてオフセット変化検出処理を行うことにより、第1ないし第3の検出信号Sx,Sy,Szのオフセットの変化を精度よく検出することができる。

0192

また、本実施の形態では、オフセット変化検出処理は、球体情報生成処理を開始させてから所定時間以内に新しい球体情報Ssが得られたときには、この新しい球体情報Ssを用いて行われ、球体情報生成処理を開始させてから所定時間以内に新しい球体情報Ssが得られなかったときには、推定球体情報を用いて行われる。これにより、本実施の形態によれば、オフセット変化検出処理を速やかに再開することができる。また、本実施の形態によれば、球体情報受信・保持部74が、球体情報送信部83から送信された球体情報Ssを受信できなかった場合であっても、オフセット変化検出処理を再開することができる。

0193

本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。

0194

なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、最大線分抽出部71、中点座標演算部72、オフセット変化検出部73および球体情報受信・保持部74は、第2のプロセッサ8に設けられていてもよい。

0195

また、本発明の信号処理回路および磁気センサシステムは、磁気センサ装置に対する磁界発生器の相対的な位置を検出する場合に限らず、所定の磁界の中で回転可能に構成された磁気センサ装置の姿勢を検出する場合にも適用することができる。

0196

1…位置検出装置、2…磁界発生器、3…磁気センサシステム、4…磁気センサ装置、5…信号処理回路、7…第1のプロセッサ、8…第2のプロセッサ、10…第1の磁気センサ、20…第2の磁気センサ、30…第3の磁気センサ、71…最大線分抽出部、72…中点座標演算部、81…オフセット補正部、82…球体情報生成部、84…位置情報生成部、200…磁気センサ組立体、300…関節機構。

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