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技術 冷凍機

出願人 三菱重工サーマルシステムズ株式会社
発明者 前田耕治大村真太郎
出願日 2019年3月22日 (1年11ヶ月経過) 出願番号 2019-055642
公開日 2020年9月24日 (5ヶ月経過) 公開番号 2020-153649
状態 未査定
技術分野 圧縮機、蒸発器、凝縮器、流体循環装置
主要キーワード 振動吸収構造 多角錐台形 荷重変位特性 四角錐台形 音響ダンパ 端部板 三角錐台 サイドブランチ型
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

より簡易な構成で小型の音響ダンパにより、冷凍機における騒音を良好に減衰させる。

解決手段

冷凍機100は、冷媒圧縮する圧縮機101と、圧縮機101により圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器102と、凝縮器102により凝縮された冷媒を蒸発させる蒸発器103と、圧縮機101、凝縮器102および蒸発器103を接続する複数の配管冷媒配管106a、106b、106cおよびホットガスバイパス配管109)と、複数の配管のうち、ガス流体が流れるガス流体配管としてのホットガスバイパス配管109に設けられた音響ダンパ1Aとを備える。音響ダンパ1Aは、ホットガスバイパス配管109で発生する空気振動を取り込む通路を形成するハウジング(音響ダンパ本体)と、所定のばね定数を有し、通路を閉塞する端部板内面に取り付けられて空気振動により振動する振動部とを有する。

概要

背景

従来、振動発生源で発生する振動減衰させる装置に関する技術が知られている。例えば、特許文献1には、ガスタービン燃焼器における燃焼振動を減衰させるために、燃焼器よりも上流側において空気供給部、燃料供給部および希釈剤供給部に結合された複数の4分の1波長共振器と、共振器を調整する制御装置とを備えたガスタービンシステムが開示されている。このガスタービンシステムでは、4分の1波長共振器が可変形状共振器とされており、燃焼器内圧力振動圧力センサによって検出し、検出した圧力に基づいて、可変形状共振器の形状を調整することで、所望の周波数の振動を減衰させている。

概要

より簡易な構成で小型の音響ダンパにより、冷凍機における騒音を良好に減衰させる。冷凍機100は、冷媒圧縮する圧縮機101と、圧縮機101により圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器102と、凝縮器102により凝縮された冷媒を蒸発させる蒸発器103と、圧縮機101、凝縮器102および蒸発器103を接続する複数の配管冷媒配管106a、106b、106cおよびホットガスバイパス配管109)と、複数の配管のうち、ガス流体が流れるガス流体配管としてのホットガスバイパス配管109に設けられた音響ダンパ1Aとを備える。音響ダンパ1Aは、ホットガスバイパス配管109で発生する空気振動を取り込む通路を形成するハウジング(音響ダンパ本体)と、所定のばね定数を有し、通路を閉塞する端部板内面に取り付けられて空気振動により振動する振動部とを有する。

目的

本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、より簡易な構成で小型の音響ダンパにより、冷凍機における騒音を良好に減衰させることを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

冷媒圧縮する圧縮機と、前記圧縮機により圧縮された前記冷媒を凝縮させる凝縮器と、前記凝縮器により凝縮された前記冷媒を蒸発させる蒸発器と、前記圧縮機、前記凝縮器および前記蒸発器を接続する複数の配管と、複数の前記配管のうち、ガス流体が流れるガス流体配管および前記圧縮機の吐出配管の少なくともいずれか一つに設けられた音響ダンパと、を備え、前記音響ダンパは、前記配管で発生する空気振動を取り込む通路を形成する音響ダンパ本体と、所定のばね定数を有し、前記通路を閉塞する端部板内面に取り付けられて前記空気振動により振動する振動部と、を有することを特徴とする冷凍機

請求項2

前記音響ダンパが設けられる前記ガス流体配管は、前記蒸発器から前記凝縮器へと前記冷媒をバイパスさせるホットガスバイパス配管であることを特徴とする請求項1に記載の冷凍機。

請求項3

前記振動部は、前記音響ダンパ本体に取り付けられ、前記通路と連通する空洞が内部に形成された蛇腹形状をなし、前記端部板は、前記振動部に取り付けられ、前記空洞および前記通路を閉塞する、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷凍機。

請求項4

前記音響ダンパは、前記振動部を介して前記端部板に取り付けられ、前記通路内で振動自在な振動板をさらに有し、前記振動部は、前記端部板の内面と前記振動板との間に設けられた複数の弾性部材を有する、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷凍機。

請求項5

前記弾性部材は、多角錐台形を連続して重ねた形状であることを特徴とする請求項4に記載の冷凍機。

請求項6

前記所定のばね定数は、10N/mm以上100N/mm以下であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の冷凍機。

請求項7

前記振動部は、1種以上の材料からなる連続した堆積層を有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の冷凍機。

技術分野

0001

本発明は、音響ダンパを備えた冷凍機に関する。

背景技術

0002

従来、振動発生源で発生する振動減衰させる装置に関する技術が知られている。例えば、特許文献1には、ガスタービン燃焼器における燃焼振動を減衰させるために、燃焼器よりも上流側において空気供給部、燃料供給部および希釈剤供給部に結合された複数の4分の1波長共振器と、共振器を調整する制御装置とを備えたガスタービンシステムが開示されている。このガスタービンシステムでは、4分の1波長共振器が可変形状共振器とされており、燃焼器内圧力振動圧力センサによって検出し、検出した圧力に基づいて、可変形状共振器の形状を調整することで、所望の周波数の振動を減衰させている。

先行技術

0003

特開2011−52954号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところで、振動発生源としては、上記特許文献1に記載されたガスタービンの燃焼器以外に、圧縮機、凝縮器および蒸発器を備えた冷凍機がある。冷凍機では、圧縮機が作動するとき、ブレード動きディフューザ羽根枚数等に応じて周期的な流量変動が生じ、圧力脈動による騒音、いわゆるNZ音が発生する。NZ音の発生は、特定の周波数特性となる性質がある。そして、NZ音が冷凍機の配管における流体音共鳴し、騒音が増幅されることがある。そのため、NZ音と配管における流体音との共鳴を抑制することが求められる。

0005

そこで、冷凍機の配管に、上記特許文献1に記載のような減衰装置、すなわち音響ダンパを取り付け、所望の周波数の振動を減衰させることが考えられる。しかしながら、所望の周波数の振動について減衰を狙うためには、音響ダンパの波長管の長さでチューニング周波数が決定されることから、上記特許文献1に記載のガスタービンシステムのように、可変形状型の音響ダンパを採用する等、音響ダンパの構造が複雑になりがちである。さらに、振動を良好に減衰させるためには、音響ダンパの体積が大きくなりやすい。その結果、音響ダンパを取り付けるためのスペース不足しがちとなる。したがって、より簡易な構成で小型の音響ダンパが求められる。

0006

本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、より簡易な構成で小型の音響ダンパにより、冷凍機における騒音を良好に減衰させることを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、冷媒を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機により圧縮された前記冷媒を凝縮させる凝縮器と、前記凝縮器により凝縮された前記冷媒を蒸発させる蒸発器と、前記圧縮機、前記凝縮器および前記蒸発器を接続する複数の配管と、複数の前記配管のうち、ガス流体が流れるガス流体配管および前記圧縮機の吐出配管の少なくともいずれか一つに設けられた音響ダンパと、を備え、前記音響ダンパは、前記配管で発生する空気振動を取り込む通路を形成する音響ダンパ本体と、所定のばね定数を有し、前記通路を閉塞する端部板内面に取り付けられて前記空気振動により振動する振動部と、を有することを特徴とする。

0008

この構成により、所定のばね定数を有する振動部によって音響ダンパの振動を吸収し、音響ダンパの音響の境界条件を変化させることができる。それにより、音響ダンパの共鳴周波数固有値を変化させることができるため、冷凍機のガス流体が流れるガス流体配管、圧縮機の吐出配管における所望の周波数の流体音を音響ダンパで良好に減衰させることが可能となる。したがって、ガス流体配管、圧縮機の吐出配管における流体音と圧縮機で発生するNZ音との共振を抑制することができる。また、音響ダンパの共鳴周波数の固有値を変化させることで、音圧レベルを低減させることができるため、同じ共鳴周波数の振動減衰を狙う音響ダンパについて小型化を図ることが可能となる。したがって、本発明によれば、より簡易な構成で小型の音響ダンパにより、冷凍機における騒音を良好に減衰させることができる。

0009

また、前記音響ダンパが設けられる前記ガス流体配管は、前記蒸発器から前記凝縮器へと前記冷媒をバイパスさせるホットガスバイパス配管であることが好ましい。この構成により、蒸発器と凝縮器との間のホットガスバイパス配管における流体音を、良好に減衰させることができる。

0010

また、前記振動部は、前記音響ダンパ本体に取り付けられ、前記通路と連通する空洞が内部に形成された蛇腹形状をなし、前記端部板は、前記振動部に取り付けられ、前記空洞および前記通路を閉塞する、ことが好ましい。この構成により、蛇腹形状の振動部を、通路を閉塞する端部板と共に空気振動によって振動させることができる。すなわち、音響ダンパで空気振動が共鳴する際に、振動部が振動し、端部板が音響のインピーダンス境界となることで、音響ダンパの音響境界条件を変化させることができる。

0011

また、前記音響ダンパは、前記振動部を介して前記端部板に取り付けられ、前記通路内で振動自在な振動板をさらに有し、前記振動部は、前記端部板の内面と前記振動板との間に設けられた複数の弾性部材を有する、ことが好ましい。この構成により、通路内に配置された振動板と共に複数の弾性部材を有する振動部を空気振動により振動させることができる。すなわち、音響ダンパで空気振動が共鳴する際に、振動部が振動し、振動板が音響のインピーダンス境界となることで、音響ダンパの音響境界条件を変化させることができる。

0012

また、前記弾性部材は、多角錐台形を連続して重ねた形状であることが好ましい。この構成により、振動部のばね定数を容易に調整することができ、かつ振動部を簡易な構成とすることができる。

0013

また、前記所定のばね定数は、10N/mm以上100N/mm以下であることが好ましい。この構成により、比較的小さな負荷の作用により、振動部を変形させることができる。すなわち、微小な振動に対応して振動部を変形させて振動を吸収させることができる。

0014

また、前記振動部は、1種以上の材料からなる連続した堆積層を有することが好ましい。この構成により、振動部を積層造形によって形成することで、所定のばね定数を有する振動部を容易に得ることができる。

図面の簡単な説明

0015

図1は、第1実施形態にかかる冷凍機を示す概略構成図である。
図2は、音響ダンパを模式的に示す説明図である。
図3は、振動部の荷重変位特性の一例を示す説明図である。
図4は、第1実施形態にかかる音響ダンパにおける共鳴周波数と音圧レベルとの関係の解析結果の一例を示す説明図である。
図5は、振動部の荷重変位特性の一例を示す説明図である。
図6は、振動部の具体例を示す説明図である。
図7は、第2実施形態にかかる冷凍機が備える音響ダンパを模式的に示す説明図である。
図8は、図7に示す音響ダンパの振動部の具体例を示す説明図である。
図9は、図8に示す振動部の要部の具体例を示す説明図である。

実施例

0016

以下に、本発明にかかる冷凍機の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。

0017

[第1実施形態]
図1は、第1実施形態にかかる冷凍機を示す概略構成図である。第1実施形態にかかる冷凍機100は、例えばビル工場等の温度、湿度などを調整する空調設備、あるいは、冷凍室を冷却する空調設備の一部である。冷凍機100は、設置されているビルや工場、冷凍室に冷たい水または空気を供給し、設置されているビルや工場、冷凍室を冷却する装置である。冷凍機100は、圧縮機101と、凝縮器102と、蒸発器103と、中間冷却器104とを有する。

0018

圧縮機101と凝縮器102とは、冷媒が流通される冷媒配管106a(吐出配管)により連通されている。また、凝縮器102と蒸発器103とは、冷媒が流通される冷媒配管106bにより連通されている。中間冷却器104は、冷媒配管106bに介在されている。また、蒸発器103と圧縮機101とは、冷媒が流通される冷媒配管106cにより連通されている。すなわち、圧縮機101、凝縮器102、蒸発器103、および中間冷却器104は、冷媒配管106a、106b、106cを介して冷媒を循環させる循環経路106に設けられている。また、冷媒配管106bの経路中には、中間冷却器104の上流側にホットガスバイパス弁107が設けられ、下流側にホットガスバイパス弁108が設けられている。さらに、凝縮器102と蒸発器103とは、循環経路106を介さず蒸発器103から凝縮器102へと高温冷媒ガスをバイパスして供給するホットガスバイパス配管109が設けられている。また、ホットガスバイパス配管109には、冷媒ガスの流量を調整するための調整弁110が設けられている。

0019

圧縮機101は、羽根車回転運動によって冷媒を圧縮するターボ圧縮機として構成されている。すなわち、冷凍機100は、いわゆるターボ冷凍機である。ターボ圧縮機としての圧縮機101は、電動機111によって駆動される圧縮部112を有している。圧縮部112には、電動機111により回転駆動される羽根車を同軸上に2つ備えた2段圧縮や、電動機111により回転駆動される羽根車を1つ備えた単段圧縮の方式がある。圧縮部112が2段圧縮の場合、蒸発器103から圧縮機101へ送られる気相の冷媒は、1段目の圧縮部で圧縮された後、2段目の圧縮部でさらに圧縮され、圧力と温度とが上昇しつつ冷媒配管106aを介して凝縮器102へ送られる(吐出される)。一方、圧縮部112が単段圧縮の場合、蒸発器103から圧縮機101へ送られる気相の冷媒は、圧縮部112にて圧縮され、圧力と温度とが上昇しつつ冷媒配管106aを介して凝縮器102へ送られる。

0020

凝縮器102は、冷媒冷却流体(例えば、水)が供給される冷却水配管121が接続されている。圧縮機101から凝縮器102に送られる気相の冷媒は、冷却水配管121により供給される冷媒冷却流体と熱交換して凝縮し、すなわち、冷媒冷却流体に熱を捨てて液化し、冷媒配管106bを介して蒸発器103へ送られる。冷却水配管121には、ポンプ122と冷却水供給部123が設けられている。ポンプ122は、冷却水配管121内の冷却水を循環させる。冷却水供給部123は、冷却水配管121に冷却水を供給し、冷媒と熱交換した冷却水を回収する。

0021

蒸発器103は、冷却媒体(本実施形態では水)が供給される冷水配管131が接続されている。凝縮器102から蒸発器103に送られる液相の冷媒は、冷水配管131により供給される冷却媒体と熱交換して蒸発する。この過程で、水は、液相の冷媒に熱を捨てて温度が低下する。これにより水は、冷水となる。そして、水と熱交換した液相の冷媒は、蒸発して気相の冷媒となり、冷媒配管106cを介して圧縮機101へ送られる。冷水配管131には、ポンプ132と冷水消費部134が設けられている。ポンプ132は、冷水配管131内の水(冷水)を循環させる。冷水消費部134は、冷水配管131に冷水を供給し、冷媒と熱交換し冷却された冷水を回収する。冷水消費部134は、回収した冷水を利用し、図示しない空調設備が設置されている設備の空気を冷却する。なお、冷却媒体には、水以外の流体も用いることができる。

0022

中間冷却器104は、凝縮器102において液化された後、ホットガスバイパス弁107を通過した冷媒を液相とガス相とに分離するものである。さらに、中間冷却器104は、凝縮器102と蒸発器103との間に一定の圧力差を保持すると共に、液相の冷媒の一部を蒸発させて蒸発器103での潜熱の増大を図るものである。また、中間冷却器104は、凝縮器102にて凝縮し切れなかった気相の冷媒と、液相の冷媒とが気液二相流流体として導入され、この気相の冷媒と液相の冷媒とを分離する気液分離器として機能するものであり、分離された気相の冷媒は圧縮機101へ送られ、液相の冷媒はホットガスバイパス弁108へ送られる。ホットガスバイパス弁108を通過した冷媒は蒸発器103に送られる。

0023

ホットガスバイパス弁107は、凝縮器102で液化された冷媒を膨張させる機構である。具体的には、冷媒を凝縮圧から中間圧まで減圧させる。ホットガスバイパス弁107で減圧された冷媒は、中間冷却器104に供給される。

0024

ホットガスバイパス弁108は、中間冷却器104を通過した液体の冷媒(飽和液冷媒)を膨張させる機構である。具体的には、冷媒を中間圧から蒸発圧まで減圧させる。ホットガスバイパス弁107で減圧された冷媒は、中間冷却器104に供給される。

0025

冷凍機100は、以上のような構成である。なお、冷凍機100は、上記構成に限定されない。冷凍機100は、圧縮機101と、凝縮器102と、蒸発器103とを備えていればよく、その配管構成、ポンプの配置、ホットガスバイパス弁の配置等は、種々の配置とすることができる。

0026

次に、第1実施形態にかかる冷凍機100の要部について説明する。冷凍機100では、圧縮機101が作動するとき、ブレードの動きやディフューザの羽根の枚数等に応じて、周期的な流量変動が生じ、圧力脈動による騒音、いわゆるNZ音が発生する。NZ音の発生は、特定の周波数特性となる性質がある。そして、NZ音が冷凍機100の循環経路106に含まれる各配管における流体音と共鳴し、騒音が増幅されることがある。そのため、NZ音と各配管における流体音との共鳴を抑制することが求められる。

0027

そこで、冷凍機100は、上記構成に加えて、循環経路106に含まれる各配管のうち、冷媒ガス(ガス流体)が流れるものに設けられた音響ダンパ1Aを備えている。音響ダンパ1Aは、サイドブランチ型の音響ダンパである。

0028

図2は、音響ダンパを模式的に示す説明図である。本実施形態において、音響ダンパ1Aは、図1および図2に示すように、ホットガスバイパス配管109の外面に取り付けられている。音響ダンパ1Aは、振動発生源としてのホットガスバイパス配管109の外側において、ホットガスバイパス配管109の延在方向である軸方向に沿って延びる音響ダンパ本体としてのハウジング2を有している。ハウジング2は、直管型に形成されてホットガスバイパス配管109の外面に接着される。音響ダンパ本体としてのハウジング2は、いわゆる4分の1波長管である。

0029

音響ダンパ1Aは、ハウジング2の内部に音響部を構成する通路3が形成されている。通路3は、一連に繋がって形成され、一端が振動発生源で発生する空気振動を取り込む入口(図示省略)として構成されている。入口は、ホットガスバイパス配管109の外面に向けて開口して設けられている。そして、ホットガスバイパス配管109は、入口が向く位置において、内側を流れる冷媒ガスによる空気振動(圧力波)を外側に通過させる複数の小孔からなる貫通孔(図示せず)が形成されており、この貫通孔を介して入口から通路3内に空気振動が取り込まれる。また、第1実施形態において、通路3は、他端が開口している。

0030

第1実施形態において、音響ダンパ1Aは、振動部50と、端部板52とを備えている。振動部50は、ハウジング2のホットガスバイパス配管109に接する側とは反対側の面に固定される。また、振動部50は、内部に空洞5(図5参照)を有し、ハウジング2の通路3と空洞5とが連通している。これにより、通路3内に取り込まれた空気振動は、空洞5に伝搬する。端部板52は、所定の剛性を有する素材により形成され、振動部50のハウジング2と接する側の面とは反対側の面に取り付けられる。これにより、端部板52は、空気振動の伝搬の下流側を閉塞して空気振動の抵抗となる終端として構成されている。

0031

図3は、振動部の荷重変位特性の一例を示す説明図である。振動部50は、弾性変形可能な素材により形成される。振動部50のばね定数は、図3に示すように、少なくとも荷重が作用し始める領域Aにおいて、比較的に小さな値となるように、すなわち小さな荷重で弾性変形するように設定されている。それにより、振動部50は、ホットガスバイパス配管109から空気振動が伝達されると、微小な振動による小さな荷重で変形することになる。その結果、微小振動に対応して振動部50を変形させ、振動を良好に吸収し、後述するように共鳴周波数における音圧レベルを低減させることが可能となる。領域Aにおける振動部50のばね定数は、10N/mm以上100N/mm以下である。なお、図3では、振動部50は、領域Aよりもさらに大きな荷重が作用する領域Bにおいては、領域Aよりも大きなばね定数を有する例を示しているが、これに限られるものではなく、領域Aと同程度であってもよい。振動部50のばね定数の非線形特性は、例えば、振動部50のヤング率密度板厚等によって調整することができる。また、図3においては、領域A、Bの荷重変位特性を線形特性で描いているが、領域A、Bともに、非線形特性であってもよい。

0032

上より、音響ダンパ1Aは、ホットガスバイパス配管109において冷媒ガスが流通する際、この冷媒ガスによる空気振動(圧力波)が、ホットガスバイパス配管109の貫通孔を通過して音響部を構成する通路3内に取り込まれる。そして、通路3を伝搬した空気振動が振動部50の内部に形成された空洞5を伝搬し、通路3の一端に形成された入口と端部板52を取り付けることにより形成される終端との間で伝搬した空気振動が共鳴しホットガスバイパス配管109内の圧力変動が減衰される。

0033

このような振動部50および端部板52がハウジング2の外面に取り付けられることにより、図2に示すように、ハウジング2の外側において、ばねとダンパとを有する仮想的な振動吸収構造が形成されることになる。これにより、音響ダンパ1Aでホットガスバイパス配管109からの空気振動が共鳴する際に、振動部50が振動し、端部板52が音響のインピーダンス境界となることで、音響ダンパ1Aの音響境界条件を変化させることができる。すなわち、振動部50および端部板52により振動が吸収されることで、音響ダンパ1Aの共鳴周波数の固有値を変化させることができ、共鳴周波数における音圧レベルを低減させることができる。

0034

図4は、第1実施形態にかかる音響ダンパにおける共鳴周波数と音圧レベルとの関係の解析結果の一例を示す説明図である。図4において、実線は、音響ダンパ1Aの共鳴周波数と音圧レベルとの関係を示し、破線は、比較例として振動部50を有さない音響ダンパの共鳴周波数と音圧レベルとの関係を示している。図示するように、比較例の音響ダンパでは、共鳴周波数である点P1において音圧レベルがピークとなる。一方、実施形態の音響ダンパ1Aでは、振動部50および端部板52による振動吸収構造により、2つの点P2、P3が共鳴周波数となり、この点P2、P3では、点P1に比べて音圧レベルのピークが小さくなる。このように、音響ダンパ1Aは、比較例の音響ダンパに比べて、共鳴周波数における音響レベルを低下させることができる。言い換えると、同じ周波数帯の振動を減衰させる際に、音響ダンパ1Aのサイズをより小さく、すなわちハウジング2で形成される4分の1波長管の長さを短くすることができる。本実施形態では、比較例に対して、音響ダンパ1Aのサイズ(4分の1波長管の長さ)を概ね半分程度とすることが可能である。

0035

次に、振動部50の具体的な構成について図5および図6を参照しながら説明する。図5は、振動部の荷重変位特性の一例を示す説明図であり、図6は、振動部の具体例を示す説明図である。

0036

以下の説明では、振動部50について、音響ダンパ1Aのハウジング2に取り付けられる面を「下面55」と称し、下面55と反対側に位置する面を「上面56」と称する。振動部50は、主として、下面55と上面56との間を延びる方向に沿って振動、すなわち荷重が加わることになる。振動部50は、下面55および上面56が荷重作用方向に対して直交する方向に延びる開口である。なお、下面55および上面56は、少なくとも、下面55がハウジング2の外面に沿った形状でさえあればよい。

0037

図6に示すように、振動部50は、内部に空洞5が形成され、下面55から上面56に向かう方向に沿って蛇腹形状をなす弾性体であり、所定の非線形特性のばね定数を有する。より詳細には、振動部50は、下面55側においてハウジング2の外面に取り付けられ、互いに向かい合う一対の壁部50A、50Bを有する。なお、図6においては、振動部50の内部の構造を示すため、一方の壁部50Bと対向する他方の壁部50Bの記載を省略している。振動部50は、一対の壁部50A、50Bにより囲まれた内部が空洞5とされている。一対の壁部50A、50Bは、図6に示すように、中途屈曲部50Cを有しており、ハウジング2から屈曲部50C側に向かうにつれて互いに接近し、屈曲部50Cからハウジング2とは反対方向に向かうにつれて互いに離間する。その結果、振動部50は、互いに向かい合う一対の壁部50A、50Bが、屈曲部50Cで屈曲する蛇腹形状を呈する。なお、振動部50は、互いに向かい合う一対の壁部50A、50Bが複数の屈曲部50Cを有するものであってもよい。

0038

振動部50は、下面55が開口しており、下面55側においてハウジング2に固定される。したがって、ハウジング2の内部に形成された通路3と振動部50の内部に形成された空洞5とは連通している。また、上面56に端部板52が取り付けられることにより、空気振動の伝搬の下流側が閉塞される。つまり、振動部50の空洞5は、音響ダンパ1Aの空気振動の伝搬経路の一部であり、振動部50のハウジング2と接する側と反対側の面に端部板52が取り付けられることで、空気振動の伝搬経路の下流側が閉塞される。

0039

なお、本実施形態に係る振動部50の形成方法は特に制限されないが、一例には、1種以上の材料からなる連続層堆積する所謂積層造形によって形成されることが望ましい。この場合、振動部50は、1種以上の材料からなる連続した堆積層を有する。

0040

音響ダンパ1Aは、以上のような構成である。ホットガスバイパス配管109からハウジング2の通路3へ空気振動が伝搬されると、空気振動は、通路3および空洞5内を伝搬し、伝搬経路の下流側を閉塞する端部板52に至る。そのため、端部板52には、空気振動に起因した荷重が作用する。端部板52に荷重が作用することで、一対の壁部50A、50Bが蛇腹形状に形成された振動部50が屈曲部50Cを基点として弾性変形し、振動部51がハウジング2の図6中の上下方向に変位する(弾性変形を繰り返す)。つまり、空気振動によって端部板52と振動部50とが共に振動する。第1実施形態では、振動部50を内部に空洞5を有する蛇腹形状として形成することで、図6に示すように、振動部50のばね定数を小さくすることができる。振動部50は、所定の非線形特性のばね定数を有するため、小さい荷重で変形することができる。

0041

以上説明したように、第1実施形態にかかる冷凍機100は、冷媒を圧縮する圧縮機101と、圧縮機101により圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器102と、凝縮器102により凝縮された冷媒を蒸発させる蒸発器103と、圧縮機101、凝縮器102および蒸発器103を接続する複数の配管(冷媒配管106a、106b、106cおよびホットガスバイパス配管109)と、複数の配管のうち、ガス流体が流れるガス流体配管としてのホットガスバイパス配管109に設けられた音響ダンパ1Aと、を備え、音響ダンパ1Aは、ホットガスバイパス配管109で発生する空気振動を取り込む通路3を形成するハウジング2(音響ダンパ本体)と、所定のばね定数を有し、通路3を閉塞する端部板52の内面に取り付けられて空気振動により振動する振動部50と、を有する。

0042

この構成により、所定のばね定数を有する振動部50によって音響ダンパ1Aの振動を吸収し、音響ダンパ1Aの音響の境界条件を変化させることができる。それにより、音響ダンパ1Aの共鳴周波数の固有値を変化させることができるため、冷凍機100のホットガスバイパス配管109における所望の周波数の流体音を音響ダンパ1Aで良好に減衰させることが可能となる。したがって、ホットガスバイパス配管109における流体音と圧縮機101で発生するNZ音との共振を抑制することができる。また、音響ダンパ1Aの共鳴周波数の固有値を変化させることで、音圧レベルを低減させることができるため、同じ共鳴周波数の振動減衰を狙う音響ダンパ1Aについて小型化を図ることが可能となる。したがって、第1実施形態によれば、より簡易な構成で小型の音響ダンパ1Aにより、冷凍機100における騒音を良好に減衰させることができる。

0043

また、振動部50は、ハウジング2に取り付けられ、通路3と連通する空洞5が内部に形成された蛇腹形状をなし、端部板52は、振動部50に取り付けられ、空洞5および通路3を閉塞する。この構成により、蛇腹形状の振動部50を、通路3を閉塞する端部板52と共に空気振動によって振動させることができる。すなわち、音響ダンパ1Aで空気振動が共鳴する際に、振動部51が振動し、端部板52が音響のインピーダンス境界となることで、音響ダンパ1Aの音響境界条件を変化させることができる。

0044

[第2実施形態]
次に、第2実施形態にかかる冷凍機について説明する。第2実施形態にかかる冷凍機は、第1実施形態にかかる冷凍機100の音響ダンパ1Aに代えて、音響ダンパ1Bを有している。第2実施形態にかかる冷凍機の他の構成は、第1実施形態にかかる冷凍機100と同じであるため、図示および説明を省略する。

0045

図7は、第2実施形態にかかる冷凍機が備える音響ダンパを模式的に示す説明図であり、図8は、図7に示す音響ダンパの振動部の具体例を示す説明図であり、図9は、図8に示す振動部の要部の具体例を示す説明図である。図7に示す音響ダンパ1Bは、第1実施形態にかかる音響ダンパ1Aと同様に、冷凍機100のホットガスバイパス配管109に設けられる。音響ダンパ1Bは、第1実施形態の音響ダンパ1Aの振動部50に代えて振動部51を有し、端部板52に代えて端部板62を有する。また、音響ダンパ1Bは、振動板58を有している。音響ダンパ1Bの他の構成は、音響ダンパ1Aと同様であるため、説明を省略し、同一の構成要素については同一の符号を付す。

0046

図7に示すように、第2実施形態では、端部板62がハウジング2のホットガスバイパス配管109に接する側とは反対側の面に取り付けられることにより、通路3が閉塞される。また、端部板62の内面には、振動部51の一端が接続され、振動部51の他端には、所定の剛性を有する振動板58が取り付けられている。

0047

図7に示すように、振動部51は、一端が端部板62の内面に取り付けられることにより、ハウジング2の内部に設けられている。振動部51は、振動板58上に規則的に配置された複数の弾性部材60を有する。図8に示すように、一例には、複数の弾性部材60は、振動板58上に規則的に配置される。個々の弾性部材60は多角錐台形であり、一例として図9に示すように、四角錐台形を連続して重ねた形状に形成されている。詳細には、二つの四角錐台形型の弾性部材の小径側の開口が互いに当接するように重ねることにより形成されている。また、大径側の開口がそれぞれ上面56および下面55として形成されており、上面56においてハウジング2に固定される。また、個々の弾性部材60の形成方法は特に制限されないが、一例には、1種以上の材料からなる連続層を堆積する所謂積層造形によって形成されることが望ましい。この場合、個々の弾性部材60は、1種以上の材料からなる連続した堆積層を有する。上述したように弾性部材60の形状を四角錐台形として説明したが、弾性部材60は三角錐台形や五角錐台形等の多角錐台形の形状であってもよい。

0048

振動板58は、所定の剛性を有する板状部材であり、振動部51の他端に取り付けられる。振動板58は、振動部51を構成する個々の弾性部材60の下面に固定されている。また、振動板58は、ハウジング2の内面と間隔を空けて配置され、振動板58とハウジング2の間に隙間が形成されている。言い換えると、振動板58は、振動部51(複数の弾性部材60)を介して端部板62に取り付けられ、通路3内で振動自在とされている。

0049

音響ダンパ1Bは、以上のような構成である。ホットガスバイパス配管109からハウジング2の通路3へ空気振動が伝搬されると、空気振動は、通路3内を伝搬し、伝搬経路の下流側を閉塞する端部板62に至る。その過程で、振動板58には、空気振動に起因した荷重が作用し、複数の弾性部材60を有する振動部51に伝達される。その結果、振動部51に荷重が作用することで振動部51が振動して弾性変形し、振動部51がハウジング2の図7中の上下方向に変位する(弾性変形を繰り返す)。これに伴い、振動部51に固定された振動板58もハウジング2の図7中の上下方向に変位する。つまり、空気振動によって振動板58と振動部51とが共に振動する。振動部51は、所定の非線形特性のばね定数を有するため、小さい荷重で変形することができる。

0050

以上説明したように、第2実施形態において、音響ダンパ1Bは、振動部51を介して端部板62に取り付けられ、通路3内で振動自在な振動板58をさらに有し、振動部51は、端部板62の内面と振動板58との間に設けられた複数の弾性部材60を有する。

0051

この構成により、通路3内に配置された振動板58と共に複数の弾性部材60を有する振動部51を空気振動により振動させることができる。すなわち、音響ダンパ1Bで空気振動が共鳴する際に、振動部51が振動し、振動板58が音響のインピーダンス境界となることで、音響ダンパ1Bの音響境界条件を変化させることができる。

0052

また、第2実施形態では、振動部51すなわち複数の弾性部材60がハウジング2の内部に配置される。振動部51をハウジング2の内部に設けることにより、振動部51をハウジング2の外面に設ける場合に比べて、音響ダンパ1Bの小型化を図ることが可能となる。

0053

また、振動部51が複数の弾性部材60を有することにより、空気振動(圧力波)に起因する荷重の作用方向が振動減衰性能に及ぼす影響を小さくすることができ、安定した振動減衰性能を維持することができる。

0054

また、弾性部材60は、多角錐台形を連続して重ねた形状である。この構成により、振動部51のばね定数を容易に調整することができ、かつ振動部51を簡易な構成とすることができる。

0055

第1実施形態および第2実施形態において、音響ダンパ1A、1Bが設けられるガス流体配管は、蒸発器103から凝縮器102へと冷媒をバイパスさせるホットガスバイパス配管109とした。この構成により、蒸発器103と凝縮器102との間のホットガスバイパス配管109における流体音を、良好に減衰させることができる。ただし、音響ダンパ1A、1Bは、ホットガスバイパス配管109のみならず、冷凍機100に含まれる複数の配管のうち、ガス流体が流れる配管および圧縮機101の吐出配管(冷媒配管106a)の少なくともいずれか1つに設けられてもよい。

0056

また、第1実施形態および第2実施形態において、振動部50、51の所定のばね定数は、10N/mm以上100N/mm以下である。この構成により、比較的小さな負荷の作用により、振動部50、51を変形させることができる。すなわち、微小な振動に対応して振動部50、51を変形させて振動を吸収させることができる。ただし、振動部50、51の所定のばね定数は、これに限られない。

0057

また、第1実施形態および第2実施形態において、振動部50、51は、1種以上の材料からなる連続した堆積層を有することが好ましい。振動部50、51を積層造形によって形成することで、所定のばね定数を有する振動部50、51を容易に得ることができる。

0058

1A,1B音響ダンパ
2ハウジング
3通路
5 空洞
50,51振動部
52,62端部板
58振動板
60弾性部材
100冷凍機
101圧縮機
102凝縮器
103蒸発器
106循環経路
106a,106b,106c冷媒配管
109 ホットガスバイパス配管

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