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技術 作業機械の油圧駆動装置

出願人 コベルコ建機株式会社
発明者 藤田雄一郎平岡京
出願日 2019年3月22日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-055179
公開日 2020年9月24日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-153505
状態 未査定
技術分野 掘削機械の作業制御 流体圧回路(1)
主要キーワード 調整用ばね 制限度合い 先端アタッチメント 中間電流 引き方向 油圧式作業機械 アーム押し 両制御弁
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

著しい作業効率の低下及び圧力損失を伴うことなく、ブーム及びバケットを共通の油圧ポンプで駆動しながらブーム上げ動作を確実に行うことが可能な油圧駆動装置を提供する。

解決手段

油圧駆動装置は、ブームシリンダ26及びバケットシリンダ28にブーム制御弁36及びバケット制御弁38をそれぞれ介して接続される第1油圧ポンプ31と、ブームシリンダ26にブーム上げ増速制御弁39を介して接続される第2油圧ポンプ32と、ブーム上げ増速制御弁39に入力されるブーム上げパイロット圧を制限するブーム上げ増速制限弁50と、ブーム上げ操作及びバケット掘削操作の複合操作時に前記ブーム上げパイロット圧の制限を小さくするようにブーム上げ増速制限弁50に指令を与える増速制限指令部60と、を備える。

概要

背景

従来、油圧ショベル等の作業機械における掘削用作業装置を駆動するための装置として、特許文献1の図3に示されるものが知られている。この装置は、ブームアーム及びバケットをそれぞれ動かすための油圧アクチュエータであるブームシリンダアームシリンダ及びバケットシリンダと、これらのシリンダ作動油を供給するための第1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプと、前記ブーム、アーム及びバケットをそれぞれ操作するためのブームリモコン弁、アームリモコン弁、及びバケットリモコン弁と、を備える。

前記第1油圧ポンプは、前記ブームシリンダ及び前記バケットシリンダに対してパラレルに作動油を供給するように当該ブームシリンダ及び当該バケットシリンダにそれぞれブームコントロールバルブ及びバケットコントロールバルブを介して接続され、前記第2油圧ポンプは前記アームシリンダに作動油を供給するように当該アームシリンダにアームコントロールバルブを介して接続されるとともに、前記ブームシリンダに増速用の作動油を供給するように当該ブームシリンダにブーム合流コントロールバルブを介して接続される。前記ブームコントロールバルブ、アームコントロールバルブ、バケットコントロールバルブ及びブーム合流コントロールバルブのそれぞれはパイロット操作式の油圧切換弁により構成され、それぞれのパイロットポートに入力されるパイロット圧に応じた開度開弁して各シリンダに供給される作動油の流量を変化させる。

前記ブームリモコン弁、前記アームリモコン弁及び前記バケットリモコン弁のそれぞれは、オペレータによる操作を受けることにより、当該操作に対応したパイロット圧が対応するコントロールバルブのパイロットポートに入力されるのを許容するように開弁する。例えば、前記バケットリモコン弁にバケットを掘削方向(すくい方向)に動かすためのバケット掘削操作が与えられると、当該バケットリモコン弁は前記バケットコントロールバルブのバケット掘削パイロットポートに前記バケット掘削操作に対応した大きさのパイロット圧すなわちバケット掘削パイロット圧が供給されるのを許容するように開弁する。また、前記ブームリモコン弁に前記ブームをブーム上げ方向に動かすためのブーム上げ操作が与えられると、当該ブームリモコン弁は前記ブームコントロールバルブ及び前記ブーム合流コントロールバルブのそれぞれのブーム上げパイロットポートに前記ブーム上げ操作に対応した大きさのパイロット圧すなわちブーム上げパイロット圧が供給されるのを許容するように開弁する。

前記装置は、さらに、前記バケット掘削パイロットポートに入力される前記バケット掘削パイロット圧を減圧するための電磁比例減圧弁と、当該電磁比例減圧弁に減圧指令を入力するコントローラと、を備える。前記コントローラは、前記ブームを上げ方向に動かすためのブーム上げ操作、前記アームを引き方向に動かすためのアーム引き操作、及び前記バケット掘削操作がそれぞれ前記ブームリモコン弁、アームリモコン弁及びバケットリモコン弁に与えられる複合操作時に前記電磁比例減圧弁に指令を与えて前記バケット掘削パイロットポートに与えられる前記バケット掘削パイロット圧を制限する(つまり前記バケット掘削操作に対応するパイロット圧よりも低くする)制御を実行する。

前記制御が行われる理由は次のとおりである。前記複合操作時におけるバケット掘削動作による負荷は概してブーム上げ動作による負荷に比べて小さい。この状態で前記第1油圧ポンプから吐出される作動油は前記ブームシリンダ及び前記バケットのシリンダのうちのバケットシリンダに偏って大流量で流れてしまい、ブーム上げ動作に必要なポンプ圧を確保できなくなるおそれがある。前記制御は、このような複合操作時に前記バケット掘削パイロット圧を制限して前記バケットコントロールバルブの開口面積を絞ることにより、前記ブーム上げ動作に必要なポンプ圧を確保することを目的とする。具体的に、前記コントローラは、特許文献1の図3及び図4に示されるように、前記複合操作時においてブーム上げパイロット圧とアーム引きパイロット圧の和を演算し、当該パイロット圧の和が一定以上の場合、つまりブームリモコン弁及びアームリモコン弁に対して大きなブーム上げ操作及びアーム上げ操作が与えられる場合、に前記バケット掘削パイロット圧を制限する制御を実行する。

概要

著しい作業効率の低下及び圧力損失を伴うことなく、ブーム及びバケットを共通の油圧ポンプで駆動しながらブーム上げ動作を確実に行うことが可能な油圧駆動装置を提供する。油圧駆動装置は、ブームシリンダ26及びバケットシリンダ28にブーム制御弁36及びバケット制御弁38をそれぞれ介して接続される第1油圧ポンプ31と、ブームシリンダ26にブーム上げ増速制御弁39を介して接続される第2油圧ポンプ32と、ブーム上げ増速制御弁39に入力されるブーム上げパイロット圧を制限するブーム上げ増速制限弁50と、ブーム上げ操作及びバケット掘削操作の複合操作時に前記ブーム上げパイロット圧の制限を小さくするようにブーム上げ増速制限弁50に指令を与える増速制限指令部60と、を備える。

目的

前記制御は、このような複合操作時に前記バケット掘削パイロット圧を制限して前記バケットコントロールバルブの開口面積を絞ることにより、前記ブーム上げ動作に必要なポンプ圧を確保することを目的とする

効果

実績

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牽制数
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請求項1

機体及び作業装置を備えた作業機械であって前記作業装置が当該機体に起伏可能に支持されるブームと当該ブームの先端部に回動可能に連結されるアームと当該アームの先端部に取付けられる掘削用バケットとを含む作業機械に設けられ、前記ブーム、前記アーム及び前記バケットを油圧により駆動するための装置であって、作動油の供給を受けることにより伸縮して前記ブームにブーム上げ動作ブーム下げ動作とを行わせるブームシリンダと、作動油の供給を受けることにより伸縮して前記アームにアーム引き動作アーム押し動作とを行わせるアームシリンダと、作動油の供給を受けて前記バケットにバケット掘削動作とバケット開き動作とを行わせるバケットシリンダと、前記ブームシリンダ及び前記バケットシリンダにそれぞれパラレルに作動油を供給するように当該ブームシリンダ及び当該バケットシリンダに接続される第1油圧ポンプと、前記ブームシリンダ及び前記バケットシリンダ以外の油圧アクチュエータに作動油を供給するための第2油圧ポンプと、前記第1油圧ポンプと前記ブームシリンダとの間に介在し、前記ブームに前記ブーム上げ動作を行わせるためのブーム上げパイロット圧及び前記ブームに前記ブーム下げ動作を行わせるためのブーム下げパイロット圧の供給を受けて前記第1油圧ポンプから前記ブームシリンダに供給される作動油の流量を変化させるように開閉動作することが可能なパイロット操作式のブーム制御弁と、前記第1油圧ポンプと前記バケットシリンダとの間に介在し、前記バケットに前記バケット掘削動作を行わせるためのバケット掘削パイロット圧及び前記バケットに前記バケット開き動作を行わせるためのバケット開きパイロット圧の供給を受けて前記第1油圧ポンプから前記バケットシリンダに供給される作動油の流量を変化させるように開閉動作することが可能なパイロット操作式のバケット制御弁と、前記第2油圧ポンプと前記ブームシリンダとの間に介在し、前記ブーム上げパイロット圧の供給を受けて前記第2油圧ポンプから前記ブームシリンダに供給される作動油の流量を変化させるように開閉動作することが可能なパイロット操作式のブーム上げ増速制御弁と、前記ブームに前記ブーム上げ動作及び前記ブーム下げ動作をそれぞれ行わせるためのブーム上げ操作及びブーム下げ操作を受けて当該ブーム上げ操作及び当該ブーム下げ操作にそれぞれ対応した前記ブーム上げパイロット圧及び前記ブーム下げパイロット圧を前記ブーム制御弁に与えるとともに前記ブーム上げパイロット圧を前記ブーム上げ増速制御弁に与えるブーム操作装置と、前記バケットに前記バケット掘削動作及び前記バケット開き動作をそれぞれ行わせるためのバケット掘削操作及びバケット開き操作を受けて当該バケット掘削操作及び当該バケット開き操作にそれぞれ対応した前記バケット掘削パイロット圧及び前記バケット開きパイロット圧を前記バケット制御弁に与えるバケット操作装置と、前記ブーム操作装置と前記ブーム上げ増速制御弁との間に介在し、増速制限指令の入力を受けることにより、前記ブーム上げ増速制御弁の開弁のために最低限必要な前記ブーム上げ操作の大きさである増速開始ブーム上げ操作量を増大させるように前記増速制限指令に応じて前記ブーム操作装置から前記ブーム制御弁に与えられる前記ブーム上げパイロット圧を制限するように作動するブーム上げ増速操作弁と、前記増速制限指令を生成して前記ブーム上げ増速操作弁に入力する増速制限指令部と、を備え、前記増速制限指令部は、前記ブーム上げ操作及び前記バケット掘削操作を前記ブーム操作装置及び前記バケット操作装置にそれぞれ同時に与える複合操作が行われているときには当該複合操作が行われていないときに比べて前記ブーム上げ増速操作弁による前記ブーム上げパイロット圧の制限を小さくして前記増速開始ブーム上げ操作量を小さくするように前記増速制限指令を変化させる、作業機械の油圧駆動装置

請求項2

請求項1記載の作業機械の油圧駆動装置であって、前記増速制限指令部は、前記バケット操作装置に前記バケット掘削操作が与えられていないときの前記増速制限指令であって前記ブーム上げパイロット圧の増大に伴って前記ブーム上げ増速操作弁による前記ブーム上げパイロット圧の制限を低下させる特性をもつ基本制限指令演算する基本制限指令演算部と、前記基本制限指令を最大として前記バケット掘削パイロット圧の増大に伴って前記ブーム上げ増速操作弁による前記ブーム上げパイロット圧の制限を低下させる特性をもつ最終制限指令を演算し、当該最終制限指令を前記増速制限指令として前記ブーム上げ増速操作弁に入力する最終制限指令演算部と、を有する、作業機械の油圧駆動装置。

請求項3

請求項1または2記載の作業機械の油圧駆動装置であって、前記ブーム上げ増速制御弁は、前記ブーム制御弁の開弁特性と同等の開弁特性を有し、前記開弁特性は、入力されるブーム上げパイロット圧に対する開弁ストロークの特性である、作業機械の油圧駆動装置。

技術分野

0001

本発明は、ブームアーム及びバケットを含む作業装置を備えた油圧ショベル等の作業機械の当該作業装置を油圧により駆動するための装置に関する。

背景技術

0002

従来、油圧ショベル等の作業機械における掘削用の作業装置を駆動するための装置として、特許文献1の図3に示されるものが知られている。この装置は、ブーム、アーム及びバケットをそれぞれ動かすための油圧アクチュエータであるブームシリンダアームシリンダ及びバケットシリンダと、これらのシリンダ作動油を供給するための第1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプと、前記ブーム、アーム及びバケットをそれぞれ操作するためのブームリモコン弁、アームリモコン弁、及びバケットリモコン弁と、を備える。

0003

前記第1油圧ポンプは、前記ブームシリンダ及び前記バケットシリンダに対してパラレルに作動油を供給するように当該ブームシリンダ及び当該バケットシリンダにそれぞれブームコントロールバルブ及びバケットコントロールバルブを介して接続され、前記第2油圧ポンプは前記アームシリンダに作動油を供給するように当該アームシリンダにアームコントロールバルブを介して接続されるとともに、前記ブームシリンダに増速用の作動油を供給するように当該ブームシリンダにブーム合流コントロールバルブを介して接続される。前記ブームコントロールバルブ、アームコントロールバルブ、バケットコントロールバルブ及びブーム合流コントロールバルブのそれぞれはパイロット操作式の油圧切換弁により構成され、それぞれのパイロットポートに入力されるパイロット圧に応じた開度開弁して各シリンダに供給される作動油の流量を変化させる。

0004

前記ブームリモコン弁、前記アームリモコン弁及び前記バケットリモコン弁のそれぞれは、オペレータによる操作を受けることにより、当該操作に対応したパイロット圧が対応するコントロールバルブのパイロットポートに入力されるのを許容するように開弁する。例えば、前記バケットリモコン弁にバケットを掘削方向(すくい方向)に動かすためのバケット掘削操作が与えられると、当該バケットリモコン弁は前記バケットコントロールバルブのバケット掘削パイロットポートに前記バケット掘削操作に対応した大きさのパイロット圧すなわちバケット掘削パイロット圧が供給されるのを許容するように開弁する。また、前記ブームリモコン弁に前記ブームをブーム上げ方向に動かすためのブーム上げ操作が与えられると、当該ブームリモコン弁は前記ブームコントロールバルブ及び前記ブーム合流コントロールバルブのそれぞれのブーム上げパイロットポートに前記ブーム上げ操作に対応した大きさのパイロット圧すなわちブーム上げパイロット圧が供給されるのを許容するように開弁する。

0005

前記装置は、さらに、前記バケット掘削パイロットポートに入力される前記バケット掘削パイロット圧を減圧するための電磁比例減圧弁と、当該電磁比例減圧弁に減圧指令を入力するコントローラと、を備える。前記コントローラは、前記ブームを上げ方向に動かすためのブーム上げ操作、前記アームを引き方向に動かすためのアーム引き操作、及び前記バケット掘削操作がそれぞれ前記ブームリモコン弁、アームリモコン弁及びバケットリモコン弁に与えられる複合操作時に前記電磁比例減圧弁に指令を与えて前記バケット掘削パイロットポートに与えられる前記バケット掘削パイロット圧を制限する(つまり前記バケット掘削操作に対応するパイロット圧よりも低くする)制御を実行する。

0006

前記制御が行われる理由は次のとおりである。前記複合操作時におけるバケット掘削動作による負荷は概してブーム上げ動作による負荷に比べて小さい。この状態で前記第1油圧ポンプから吐出される作動油は前記ブームシリンダ及び前記バケットのシリンダのうちのバケットシリンダに偏って大流量で流れてしまい、ブーム上げ動作に必要なポンプ圧を確保できなくなるおそれがある。前記制御は、このような複合操作時に前記バケット掘削パイロット圧を制限して前記バケットコントロールバルブの開口面積を絞ることにより、前記ブーム上げ動作に必要なポンプ圧を確保することを目的とする。具体的に、前記コントローラは、特許文献1の図3及び図4に示されるように、前記複合操作時においてブーム上げパイロット圧とアーム引きパイロット圧の和を演算し、当該パイロット圧の和が一定以上の場合、つまりブームリモコン弁及びアームリモコン弁に対して大きなブーム上げ操作及びアーム上げ操作が与えられる場合、に前記バケット掘削パイロット圧を制限する制御を実行する。

先行技術

0007

特開2004−150198号公報

発明が解決しようとする課題

0008

前記特許文献1に記載される装置によれば、ブーム上げ操作とバケット掘削操作とが同時に行われる複合操作時には専らバケットコントロールバルブの開口面積を絞ることによりブーム上げ動作が確保されるため、バケット掘削動作の速度がオペレータの指定する速度よりも低下してしまう。また、前記開口面積の絞りにより前記バケットコントロールバルブでの圧力損失が増大する。

課題を解決するための手段

0009

本発明は、ブーム、アーム及びバケットを含む作業装置を備えた作業機械に設けられて当該作業装置を油圧により駆動する油圧駆動装置であって、前記ブーム及び前記バケットを共通の油圧ポンプにより駆動しながら、ブーム上げ操作及びバケット掘削操作の複合操作が行われるときにバケット掘削動作速度の著しい低下及び圧力損失の著しい増加を伴うことなくブーム上げ動作を確保することが可能な油圧駆動装置を提供することを目的とする。

0010

前記目的を達成するため、本発明はブーム上げ増速制御弁に着目してなされた。前記ブーム上げ増速制御弁は、ブーム及びバケットをそれぞれ動かすブームシリンダ及びバケットシリンダが接続される油圧ポンプ(以下「第1油圧ポンプ」と称する。)とは別の油圧ポンプ(以下「第2油圧ポンプ」と称する。)と、前記ブームシリンダと、の間に介在し、前記ブームシリンダと前記第1油圧ポンプとの間に介在するブーム制御弁とは別に、前記第2油圧ポンプから前記ブームシリンダにブーム上げ増速用の作動油が供給されるのを許容するように開弁するように構成されている。このブーム上げ増速制御弁を利用してブーム上げ操作とバケット掘削操作の複合操作時に前記第2油圧ポンプから前記ブームシリンダに作動油を補給することにより、前記バケットシリンダと前記第1油圧ポンプとの間に介在するバケット制御弁の開口面積の絞りを行わなくても(あるいはその絞りを抑えながら)前記ブームシリンダの作動によるブーム上げ動作を確保することが可能である。

0011

ただし、前記ブーム上げ増速制御弁の本来の目的は、前記ブーム上げ操作がある程度まで増大した時点ではじめて前記ブームシリンダへの作動油の補給を許容してブーム上げ動作の増速を開始させることにあるので、従来のブーム上げ増速制御弁の開弁特性(入力されるブーム上げパイロット圧とブーム上げ増速制御弁の開弁ストロークとの関係)は当該ブーム上げ増速制御弁が前記ブーム制御弁の開弁開始タイミングから遅れて開弁するように設定されている。従って、このような従来のブーム上げ増速制御弁をそのまま使用すると、前記ブーム上げ操作及び前記バケット掘削操作の複合操作時において当該ブーム上げ操作がある程度大きくならないと前記ブーム上げ増速制御弁は開弁することができず、よって当該開弁によるブーム上げ動作の確保を行うことはできない。

0012

本発明は、このような観点に基づいて完成されたものである。すなわち、本発明により提供されるのは、機体及び作業装置を備えた作業機械であって前記作業装置が当該機体に起伏可能に支持されるブームと当該ブームの先端部に回動可能に連結されるアームと当該アームの先端部に取付けられる掘削用のバケットとを含む作業機械に設けられ、前記ブーム、前記アーム及び前記バケットを油圧により駆動するための装置であって、作動油の供給を受けることにより伸縮して前記ブームにブーム上げ動作とブーム下げ動作とを行わせるブームシリンダと、作動油の供給を受けることにより伸縮して前記アームにアーム引き動作アーム押し動作とを行わせるアームシリンダと、作動油の供給を受けて前記バケットにバケット掘削動作とバケット開き動作とを行わせるバケットシリンダと、前記ブームシリンダ及び前記バケットシリンダにそれぞれパラレルに作動油を供給するように当該ブームシリンダ及び当該バケットシリンダに接続される第1油圧ポンプと、前記ブームシリンダ及び前記バケットシリンダ以外の油圧アクチュエータに作動油を供給するための第2油圧ポンプと、前記第1油圧ポンプと前記ブームシリンダとの間に介在し、前記ブームに前記ブーム上げ動作を行わせるためのブーム上げパイロット圧及び前記ブームに前記ブーム下げ動作を行わせるためのブーム下げパイロット圧の供給を受けて前記第1油圧ポンプから前記ブームシリンダに供給される作動油の流量を変化させるように開閉動作することが可能なパイロット操作式のブーム制御弁と、前記第1油圧ポンプと前記バケットシリンダとの間に介在し、前記バケットに前記バケット掘削動作を行わせるためのバケット掘削パイロット圧及び前記バケットに前記バケット開き動作を行わせるためのバケット開きパイロット圧の供給を受けて前記第1油圧ポンプから前記バケットシリンダに供給される作動油の流量を変化させるように開閉動作することが可能なパイロット操作式のバケット制御弁と、前記第2油圧ポンプと前記ブームシリンダとの間に介在し、前記ブーム上げパイロット圧の供給を受けて前記第2油圧ポンプから前記ブームシリンダに供給される作動油の流量を変化させるように開閉動作することが可能なパイロット操作式のブーム上げ増速制御弁と、前記ブームに前記ブーム上げ動作及び前記ブーム下げ動作をそれぞれ行わせるためのブーム上げ操作及びブーム下げ操作を受けて当該ブーム上げ操作及び当該ブーム下げ操作にそれぞれ対応した前記ブーム上げパイロット圧及び前記ブーム下げパイロット圧を前記ブーム制御弁に与えるとともに前記ブーム上げパイロット圧を前記ブーム上げ増速制御弁に与えるブーム操作装置と、前記バケットに前記バケット掘削動作及び前記バケット開き動作をそれぞれ行わせるためのバケット掘削操作及びバケット開き操作を受けて当該バケット掘削操作及び当該バケット開き操作にそれぞれ対応した前記バケット掘削パイロット圧及び前記バケット開きパイロット圧を前記バケット制御弁に与えるバケット操作装置と、前記ブーム操作装置と前記ブーム上げ増速制御弁との間に介在し、増速制限指令の入力を受けることにより、前記ブーム上げ増速制御弁の開弁のために最低限必要な前記ブーム上げ操作の大きさである増速開始ブーム上げ操作量を増大させるように前記増速制限指令に応じて前記ブーム操作装置から前記ブーム制御弁に与えられる前記ブーム上げパイロット圧を制限するように作動するブーム上げ増速操作弁と、前記増速制限指令を生成して前記ブーム上げ増速操作弁に入力する増速制限指令部と、を備える。さらに、前記増速制限指令部は、前記ブーム上げ操作及び前記バケット掘削操作を前記ブーム操作装置及び前記バケット操作装置にそれぞれ同時に与える複合操作が行われているときには当該複合操作が行われていないときに比べて前記ブーム上げ増速操作弁による前記ブーム上げパイロット圧の制限を小さくして前記増速開始ブーム上げ操作量を小さくするように前記増速制限指令を変化させる。

0013

ここでいう「ブーム上げパイロット圧の制限を小さく」する態様には、当該制限を最小にする(すなわち実質上当該ブーム上げパイロット圧の制限を解除する)ことも包含される。

0014

前記ブーム上げ増速操作弁と前記増速制限指令部の組合せは、前記第2油圧ポンプと前記ブームシリンダとの間に介在するブーム上げ増速制御弁が、本来のブーム上げ増速制御弁としての機能と、前記複合操作が行われているときに正常なブーム上げ動作を可能にする機能と、を併有することを可能にする。具体的に、前記増速制限指令部は、前記ブーム上げ操作と前記バケット掘削操作の複合操作が行われていないときには前記増速開始ブーム上げ操作量を大きくする(つまりブーム操作装置に比較的大きなブーム上げ操作が与えられるまでブーム上げ増速制御弁が開弁しないように前記ブーム上げパイロット圧の制限を行う)ような増速制限指令を前記ブーム上げ増速操作弁に入力することにより、従来のブーム上げ増速制御弁を用いる場合と同様に、前記ブーム上げ増速制御弁の開弁によるブーム上げ動作の増速の開始タイミングを遅らせることができる。一方、前記ブーム上げ操作と前記バケット掘削操作の複合操作が行われているときには前記増速開始ブーム上げ操作量を小さくする(つまりブーム操作装置に比較的小さなブーム上げ操作が与えられる時点から前記ブーム上げ増速制御弁が開弁するように前記ブーム上げパイロット圧の制限を緩和または解除する)ような増速制限指令を前記ブーム上げ増速操作弁に入力することにより、前記ブーム上げ操作が小さくても前記第2油圧ポンプから前記ブームシリンダへの作動油の補給を許容して正常なブーム上げ動作を可能にすることができる。

0015

具体的な態様として、前記増速制限指令部は、前記バケット操作装置に前記バケット掘削操作が与えられていないときの前記増速制限指令であって前記ブーム上げパイロット圧の増大に伴って前記ブーム上げ増速操作弁による前記ブーム上げパイロット圧の制限を低下させる特性をもつ基本制限指令を演算する基本制限指令演算部と、前記基本制限指令を最大として前記バケット掘削パイロット圧の増大に伴って前記ブーム上げ増速操作弁による前記ブーム上げパイロット圧の制限を低下させる特性をもつ最終制限指令を演算し、当該最終制限指令を前記増速制限指令として前記ブーム上げ増速操作弁に入力する最終制限指令演算部と、を有するものが、好適である。当該基本制限指令演算部と当該最終制限指令演算部の組合せは、簡単な演算でブーム上げ操作及びバケット掘削操作の双方を考慮した適正なブーム上げパイロット圧の制限(増速開始ブーム上げ操作量の増減)を実行することを可能にする。

0016

以上説明したように、前記増速開始ブーム上げ操作量、すなわち前記ブーム上げ増速制御弁の開弁のために最低限必要な前記ブーム上げ操作の大きさ、は前記ブーム上げ増速制限弁による前記ブーム上げパイロット圧(前記ブーム上げ増速制御弁に最終的に入力されるブーム上げパイロット圧)によって調節することが可能であるため、従来の装置と異なり、ブーム上げ増速制御弁の開弁タイミングをブーム制御弁の開弁タイミングよりも遅らせるために前記ブーム制御弁の開弁特性(すなわち入力されるブーム上げパイロット圧に対する開弁ストロークの特性)と前記ブーム増速制御弁の開弁特性とを必ずしも異ならせる必要はない。換言すれば、前記ブーム上げ増速制御弁に前記ブーム制御弁の開弁特性と同等の開弁特性を設定することも可能である。このことは、装置全体の設計を容易にしてコストを削減することを可能にする。

発明の効果

0017

以上のように、本発明によれば、ブーム、アーム及びバケットを含む作業装置を備えた作業機械に設けられて当該作業装置を油圧により駆動する油圧駆動装置であって、前記ブーム及び前記バケットを共通の油圧ポンプにより駆動しながら、ブーム上げ操作及びバケット掘削操作の複合操作が行われるときにバケット掘削動作速度の著しい低下及び圧力損失の著しい増加を伴うことなくブーム上げ動作を確保することが可能な油圧駆動装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

0018

本発明の実施の形態に係る油圧式作業機械である油圧ショベルを示す側面図である。
前記油圧ショベルに搭載される油圧駆動装置の構成要素を含む油圧回路及びコントローラを示す図である。
前記コントローラの機能構成を示すブロック図である。
ブーム上げパイロット圧とこれに対応して前記コントローラにより演算されるブーム上げ2速基本制限指令電流との関係を示すグラフである。
バケット掘削パイロット圧とこれに対応して前記コントローラにより演算されるブーム上げ2速最終制限指令電流との関係を示すグラフである。
前記ブーム上げパイロット圧と実際のブーム上げ2速制御弁スプールストロークとの関係を示すグラフである。

実施例

0019

本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。

0020

図1は、前記実施の形態に係る油圧ショベルを示す。なお、本発明が適用される作業機械は前記油圧ショベルに限らない。本発明は、機体と、当該機体に起伏可能に支持されるブームと、当該ブームの先端部に回動可能に連結されるアームと、当該アームの先端部に取付けられる作業アタッチメントと、を備えた作業機械に広く適用され得る。

0021

前記油圧ショベルは、地面Gの上を走行可能な下部走行体10と、前記下部走行体10に搭載される上部旋回体12と、前記上部旋回体12に搭載される作業装置14と、前記作業装置14を油圧により駆動する油圧駆動装置と、を備える。

0022

前記下部走行体10及び前記上部旋回体12は、前記作業装置14を支持する機体を構成する。前記上部旋回体12は、旋回フレーム16と、その上に搭載される複数の要素と、を有する。当該複数の要素は、エンジンを収容するエンジンルーム17や運転室であるキャブ18を含む。

0023

前記作業装置14は、掘削作業その他の必要な作業のための動作を行うことが可能であり、ブーム21、アーム22及びバケット24を含む。前記ブーム21は、前記旋回フレーム16の前端に起伏可能すなわち水平軸回りに回動可能に支持される基端部と、その反対側の先端部と、を有する。前記アーム22は、前記ブーム21の先端部に水平軸回りに回動可能に取付けられる基端部と、その反対側の先端部と、を有する。前記バケット24は、先端アタッチメントに相当するものであり、前記アーム22の先端部に回動可能に取付けられる。当該バケット24は、前記地面Gの掘削を行うことが可能であり、当該掘削のための刃先を構成する先端25を有する。

0024

前記油圧駆動装置は、前記ブーム21、前記アーム22及び前記バケット24のそれぞれを動かすための油圧アクチュエータ、すなわち、一対のブームシリンダ26、アームシリンダ27及びバケットシリンダ28を含む。これらのシリンダ26〜28のそれぞれは、作動油の供給を受けて伸縮する油圧シリンダにより構成される。

0025

前記一対のブームシリンダ26のそれぞれは、前記上部旋回体12と前記ブーム21との間に介在し、当該ブーム21に起伏動作、すなわちブーム上げ動作及びブーム下げ動作、を行わせるように伸縮する。当該ブームシリンダ26は、図2に示されるへッド側室26h及びロッド側室26rを有し、当該へッド側室26hに作動油が供給されることにより伸長して前記ブーム21をブーム上げ方向に動かすとともに前記ロッド側室26r内の作動油を排出する一方、前記ロッド側室26rに作動油が供給されることにより収縮して前記ブーム21をブーム下げ方向に動かすとともに前記へッド側室26h内の作動油を排出する。なお、本発明に係るブームシリンダは、ブーム幅方向の中央に配置された単一の油圧シリンダであってもよい。

0026

前記アームシリンダ27は、前記ブーム21と前記アーム22との間に介在し、当該アーム22に回動動作、すなわちアーム引き動作及びアーム押し動作、を行わせるように伸縮する。具体的に、当該アームシリンダ27は、図2に示されるへッド側室27h及びロッド側室27rを有し、当該へッド側室27hに作動油が供給されることにより伸長して前記アーム22をアーム引き方向(当該アーム22の先端がブーム21に近づく方向)に動かすとともに前記ロッド側室27r内の作動油を排出する一方、前記ロッド側室27rに作動油が供給されることにより収縮して前記アーム22をアーム押し方向(当該アーム22の先端がブーム21から離れる方向)に動かすとともに前記へッド側室27h内の作動油を排出する。

0027

前記バケットシリンダ28は、前記アーム22と前記バケット24との間に介在し、当該バケット24に回動動作、すなわちバケット掘削動作及びバケット開き動作、を行わせるように伸縮する。具体的に、当該バケットシリンダ28は、伸長することにより前記バケット24をバケット掘削方向(当該バケット24の先端25がアーム22に近づく方向;すくい方向)に回動させる一方、収縮することにより前記バケット24をバケット開き方向(当該バケット24の先端25がアーム22から離れる方向)に回動させる。

0028

図2は、前記油圧ショベルに搭載される油圧回路及びこれに電気的に接続されるコントローラ60を示す。図2は、より詳しくは、当該油圧回路のうち前記ブーム21、前記アーム22及び前記バケット24を油圧により駆動しかつその駆動を制御するための要素を示す。

0029

前記油圧回路は、前記ブームシリンダ26、前記アームシリンダ27及び前記バケットシリンダ28に加え、第1油圧ポンプ31と、第2油圧ポンプ32と、ブーム1速制御弁36と、アーム制御弁37と、バケット制御弁38と、ブーム上げ2速制御弁39と、第1操作器41と、第2操作器42と、を含む。

0030

前記第1及び第2油圧ポンプ31,32は、駆動源である図略のエンジンに接続され、当該エンジンが出力する動力によりそれぞれ駆動されて作動油を吐出する。

0031

前記ブーム1速制御弁36は、前記第1油圧ポンプ31と前記一対のブームシリンダ26との間に介在するブーム制御弁であり、当該第1油圧ポンプ31から当該ブームシリンダ26に供給される作動油の流量であるブーム流量を変化させるように開閉動作する。具体的に、当該ブーム1速制御弁36は、ブーム上げパイロットポート36a及びブーム下げパイロットポート36bを有するパイロット操作式の3位置方向切換弁からなり、前記第1油圧ポンプ31からタンクに至る第1センターバイパスラインCL1の途中に配置される。

0032

前記ブーム1速制御弁36は、前記ブーム上げ及びブーム下げパイロットポート36a,36bのいずれにもパイロット圧が入力されないときは中立位置に保たれ、前記第1センターバイパスラインCL1を開通して前記第1油圧ポンプ31と前記ブームシリンダ26との間を遮断し、これにより前記ブームシリンダ26を停止状態に保つ。前記ブーム1速制御弁36は、前記ブーム上げパイロットポート36aにブーム上げパイロット圧Pbrが入力されるとそのブーム上げパイロット圧Pbrの大きさに対応したストロークで前記中立位置からブーム上げ位置に切換えられ、前記第1センターバイパスラインCL1から分岐する第1供給ラインSL1を通じて前記第1油圧ポンプ31から前記一対のブームシリンダ26のそれぞれのへッド側室26hに前記ストロークに応じた流量(ブーム流量)で作動油が供給されることを許容するとともに、当該一対のブームシリンダ26のそれぞれのロッド側室26rからタンクに作動油が戻ることを許容するように、開弁する。これにより、前記ブームシリンダ26は前記ブーム上げパイロット圧Pbrに対応した速度で前記ブーム上げ方向に駆動される。前記ブーム1速制御弁36は、逆に、前記ブーム下げパイロットポート36bにブーム下げパイロット圧Pblが入力されるとそのブーム下げパイロット圧Pblの大きさに対応したストロークで前記中立位置からブーム下げ位置に切換えられ、前記第1供給ラインSL1を通じて前記第1油圧ポンプ31から前記一対のブームシリンダ26のそれぞれのロッド側室26rに前記ストロークに応じた流量で作動油が供給されることを許容するとともに、当該一対のブームシリンダ26のそれぞれのへッド側室26hからタンクに作動油が戻ることを許容するように、開弁する。これにより、前記ブームシリンダ26は前記ブーム下げパイロット圧Pblに対応した速度で前記ブーム下げ方向に駆動される。

0033

前記アーム制御弁37は、前記第2油圧ポンプ32と前記アームシリンダ27との間に介在し、当該第2油圧ポンプ32から当該アームシリンダ27に供給される作動油の流量であるアーム流量を変化させるように開閉動作する。具体的に、当該アーム制御弁37は、アーム引きパイロットポート37a及びアーム押しパイロットポート37bを有するパイロット操作式の3位置方向切換弁からなり、前記第2油圧ポンプ32に接続された第2センターバイパスラインCL2の途中に配置される。

0034

前記アーム制御弁37は、前記アーム引き及びアーム押しパイロットポート37a,37bのいずれにもパイロット圧が入力されないときは中立位置に保たれ、前記第2センターバイパスラインCL2を開通して前記第2油圧ポンプ32と前記アームシリンダ27との間を遮断し、これにより、前記アームシリンダ27を停止状態に保つ。前記アーム制御弁37は、前記アーム引きパイロットポート37aにアーム引きパイロット圧Parが入力されるとそのアーム引きパイロット圧Parの大きさに対応したストロークで前記中立位置からアーム引き位置に切換えられ、前記第2センターバイパスラインCL2から分岐する第2供給ラインSL2を通じて前記第2油圧ポンプ32から前記アームシリンダ27のへッド側室27hに前記ストロークに応じた流量(アーム流量)で作動油が供給されることを許容するとともに、当該アームシリンダ27のロッド側室27rからタンクに作動油が戻ることを許容するように、開弁する。これにより、前記アームシリンダ27は前記アーム引きパイロット圧Parに対応した速度で前記アーム引き方向に駆動される。前記アーム制御弁37は、逆に、前記アーム押しパイロットポートにアーム押しパイロット圧Papが入力されるとそのアーム押しパイロット圧Papの大きさに対応したストロークで前記中立位置からアーム押し位置に切換えられ、前記第2油圧ポンプ32から前記第2供給ラインSL2を通じて前記アームシリンダ27のロッド側室27rに前記ストロークに応じた流量(アーム流量)で作動油が供給されることを許容するとともに、当該アームシリンダ27のへッド側室27hからタンクに作動油が戻ることを許容するように、開弁する。これにより、前記アームシリンダ27は前記アーム押しパイロット圧Papに対応した速度で前記アーム押し方向に駆動される。

0035

前記バケット制御弁38は、前記第1油圧ポンプ31と前記バケットシリンダ28との間に介在し、当該第1油圧ポンプ31から当該バケットシリンダ28に供給される作動油の流量であるバケット流量を変化させるように開閉動作する。具体的に、当該バケット制御弁38は、バケット掘削パイロットポート38a及びバケット開きパイロットポート38bを有するパイロット操作式の3位置方向切換弁からなり、前記第1センターバイパスラインCL1において前記ブーム1速制御弁36の下流側に配置される。

0036

前記バケット制御弁38は、前記バケット掘削及びバケット開きパイロットポート38a,38bのいずれにもパイロット圧が入力されないときは中立位置に保たれ、前記第1センターバイパスラインCL1を開通して前記第1油圧ポンプ31と前記バケットシリンダ28との間を遮断し、これにより、前記バケットシリンダ28を停止状態に保つ。前記バケット制御弁38は、前記バケット掘削パイロットポート38aにバケット掘削パイロット圧Pkeが入力されるとそのバケット掘削パイロット圧Pkeの大きさに対応したストロークで前記中立位置からバケット掘削位置に切換えられ、前記第1センターバイパスラインCL1から分岐する前記第1供給ラインSL1を通じて前記第1油圧ポンプ31から前記一対のバケットシリンダ28のへッド側室28hに前記ストロークに応じた流量(バケット流量)で作動油が供給されることを許容するとともに、当該バケットシリンダ28のそれぞれのロッド側室28rからタンクに作動油が戻ることを許容するように、開弁する。これにより、前記バケットシリンダ28は前記バケット掘削パイロット圧Pkeに対応した速度で前記バケット掘削方向に駆動される。前記バケット制御弁38は、逆に、前記バケット開きパイロットポート38bにバケット開きパイロット圧Pkoが入力されるとそのバケット開きパイロット圧Pkoの大きさに対応したストロークで前記中立位置からバケット開き位置に切換えられ、前記第1供給ラインSL1を通じて前記第1油圧ポンプ31から前記バケットシリンダ28のそれぞれのロッド側室28rに前記ストロークに応じた流量で作動油が供給されることを許容するとともに、当該バケットシリンダ28のそれぞれのへッド側室28hからタンクに作動油が戻ることを許容するように、開弁する。これにより、前記バケットシリンダ28は前記バケット開きパイロット圧Pkoに対応した速度で前記バケット開き方向に駆動される。

0037

従って、前記第1油圧ポンプ31は前記ブームシリンダ26及び前記バケットシリンダ28に対して作動油をパラレルに供給するように前記ブーム1速制御弁36及び前記バケット制御弁38に接続される。

0038

前記ブーム上げ2速制御弁39は、前記第2供給ラインSL2と前記一対のブームシリンダ26との間に介在するブーム増速制御弁であり、前記第2油圧ポンプ32から吐出される作動油の一部が前記第1油圧ポンプ31から吐出される作動油と合流して前記一対のブームシリンダ26のそれぞれのへッド側室26hに供給されることを許容するように開弁動作する。具体的に、当該ブーム上げ2速制御弁39は、ブーム上げパイロットポート39aを有するパイロット操作式の2位置切換弁により構成される。当該ブーム上げ2速制御弁39は、前記ブーム上げパイロットポート39aに前記一定以上のブーム上げパイロット圧Pbrが供給されないときは合流阻止位置に保持されて前記第2供給ラインSL2と前記ブームシリンダ26との間を遮断することにより前記合流を阻止する一方、前記ブーム上げパイロットポート39aに前記一定以上のブーム上げパイロット圧Pbrが供給されるとそのブーム上げパイロット圧Pbrの大きさに対応したストロークで合流許容位置に切換えられて前記第2供給ラインSL2から前記ブームシリンダ26のへッド側室26hへの作動油の供給(すなわち第1油圧ポンプ31からの作動油への第2油圧ポンプ32からの作動油の合流)を許容する。従って、前記第2油圧ポンプ32は、前記アームシリンダ27及び前記ブームシリンダ26にパラレルに作動油を供給するように前記アーム制御弁37及び前記ブーム上げ2速制御弁39に接続される。

0039

この実施の形態に係る前記ブーム上げ2速制御弁39には、従来のブーム上げ2速制御弁(ブーム上げ増速制御弁)と異なり、前記ブーム1速制御弁36の開弁特性と同等の開弁特性が与えられている。ここでいう開弁特性とは、当該ブーム1速制御弁36及びブーム上げ2速制御弁39のブーム上げパイロットポート36a,39aにそれぞれ入力される前記ブーム上げパイロット圧Pbrと、これに対応して当該ブーム1速及びブーム上げ2速制御弁36,39のスプールがブーム上げ方向に開弁するストローク(スプールストロークまたは開弁ストローク)との関係を意味する。具体的には、前記ブーム1速制御弁36の開弁が開始されるブーム上げパイロット圧Pbrと同等のブーム上げパイロット圧Pbrが前記ブーム上げパイロットポート39aに入力されることにより前記ブーム上げ2速制御弁39が開弁を開始するように、つまり、前記ブーム上げパイロットポート36a,39aに互いに同等のブーム上げパイロット圧Pbrが入力される場合には前記ブーム1速制御弁36及び前記ブーム上げ2速制御弁39が同時に開弁を開始するように、両制御弁36,39における調整用ばねのばね圧が、設定されている。

0040

ただし、この実施の形態では、後に詳述するように、前記両制御弁36,39の開弁特性が同じであっても、前記ブーム上げ2速制御弁39に最終的に入力されるブーム上げパイロット圧Pbrfが制限されることにより、ブーム上げパイロット圧Pbrの増大に伴って前記ブーム1速制御弁36が実際に開弁を開始するタイミングと前記ブーム上げ2速制御弁39が開弁を開始するタイミングとの間に差を与えることが可能となっている。

0041

前記第1操作器41は、ブーム操作を受けるブーム操作装置としての機能と、バケット操作を受けるバケット操作装置としての機能と、を併有する。

0042

前記ブーム操作は、前記ブーム21を動かすためにオペレータから前記第1操作器41に与えられる操作であって、当該ブーム21に前記ブーム上げ動作を行わせるためのブーム上げ操作と、当該ブーム21に前記ブーム下げ動作を行わせるためのブーム下げ操作と、を含む。前記ブーム操作装置としての機能は、前記ブーム上げ操作または前記ブーム下げ操作を受けることにより当該ブーム上げ操作または当該ブーム下げ操作に対応した前記ブーム上げパイロット圧Pbrまたは前記ブーム下げパイロット圧Pboを前記ブーム1速制御弁36及び前記ブーム上げ2速制御弁39のそれぞれに入力する機能である。

0043

前記バケット操作は、前記バケット24を動かすためにオペレータから前記第1操作器41に与えられる操作であって、前記バケット24に前記バケット掘削動作を行わせるためのバケット掘削操作と、前記バケット24に前記バケット開き動作を行わせるためのバケット開き操作と、を含む。前記バケット操作装置としての機能は、前記バケット掘削操作及び前記バケット開き操作のいずれかを受けることにより当該バケット掘削操作または当該バケット開き操作に対応した前記バケット掘削パイロット圧Pkeまたは前記バケット開きパイロット圧Pkoを前記バケット制御弁38に入力する機能である。

0044

具体的に、前記第1操作器41は、ブーム操作部材及びバケット操作部材として機能する第1操作レバー41aと、ブーム指令部及びバケット指令部として機能する第1パイロット弁41bと、を有する。

0045

前記第1操作レバー41aは、前記運転室内においてオペレータにより前記ブーム操作及び前記バケット操作を受けることが可能となるように配置される。前記ブーム操作は、前記第1操作レバー41aを所定のブーム操作方向に回動させる操作であり、前記ブーム上げ操作及び前記ブーム下げ操作は前記第1操作レバー41aを互いに逆向きに回動させる操作である。前記バケット操作は、前記第1操作レバー41aを前記ブーム操作方向と直交するバケット操作方向に回動させる操作であり、前記バケット掘削操作及び前記バケット開き操作は前記第1操作レバー41aを互いに逆向きに回動させる操作である。また、当該第1操作レバー41aは、前記ブーム操作方向と前記バケット操作方向とが複合された方向に操作を受けることも可能であり、この操作は前記ブーム操作と前記バケット操作とが混合された操作、すなわち、前記ブーム21と前記バケット24とを同時に動かすブーム−バケット複合操作、に相当する。

0046

前記第1パイロット弁41bは、図示されないパイロット油圧源(例えばパイロットポンプ)と、前記ブーム1速制御弁36、前記ブーム上げ2速制御弁39及び前記バケット制御弁38のそれぞれのパイロットポートと、の間に介在する。

0047

前記第1パイロット弁41bは、前記第1操作レバー41aに与えられる前記ブーム操作に連動して開弁することにより、前記ブーム1速制御弁36のパイロットポート36a,36bのうち前記ブーム操作の方向に対応するパイロットポートに対して当該ブーム操作の大きさに対応した大きさのブーム上げパイロット圧Pbrまたはブーム下げパイロット圧Pblが前記パイロット油圧源から入力されることを許容するように開弁する。例えば、当該第1パイロット弁41bは、前記第1操作レバー41aに前記ブーム上げ操作が与えられると、前記ブーム1速制御弁36のブーム上げパイロットポート36aさらには前記ブーム上げ2速制御弁39のブーム上げパイロットポート39aに対して前記ブーム上げ操作の大きさに対応したブーム上げパイロット圧Pbrがブーム上げパイロットライン46,49をそれぞれ通じて供給されるのを許容するように開弁する。

0048

また、前記第1パイロット弁41bは、前記第1操作レバー41aに与えられる前記バケット操作に連動して開弁することにより、前記バケット制御弁38のパイロットポート38a,38bのうち前記バケット操作の方向に対応するパイロットポートに対して当該バケット操作の大きさに対応した大きさのバケット掘削パイロット圧Pkeまたはバケット開きパイロット圧Pkoが前記パイロット油圧源から入力されることを許容するように開弁する。例えば、当該第1パイロット弁41bは、前記第1操作レバー41aに前記バケット掘削操作が与えられると、前記バケット掘削パイロットポート38aに対して前記バケット掘削操作の大きさに対応したバケット掘削パイロット圧Pkeがバケット掘削パイロットライン48を通じて供給されるのを許容するように開弁する。

0049

前記第2操作器42は、アーム操作を受けるアーム操作装置としての機能を有する。前記アーム操作は、前記アーム22を動かすためにオペレータから前記第2操作器42に与えられる操作であって、当該アーム22に前記アーム引き動作を行わせるためのアーム引き操作と、当該アーム22に前記アーム押し動作を行わせるためのアーム押し操作と、を含む。前記アーム操作装置としての機能は、前記アーム引き操作及び前記アーム押し操作のいずれかを受けることにより当該アーム引き操作または当該アーム押し操作に対応した前記アーム引きパイロット圧Parまたは前記アーム押しパイロット圧Pbpを前記アーム制御弁37に入力する機能である。

0050

具体的に、前記第1操作器41は、アーム操作部材として機能する第2操作レバー42aと、アーム指令部として機能する第2パイロット弁42bと、を有する。

0051

前記第2操作レバー42aは、前記運転室内においてオペレータにより前記アーム操作を受けることが可能となるように配置される。前記アーム操作は、前記第2操作レバー42aを所定のアーム操作方向に回動させる操作であり、前記アーム引き操作及び前記アーム押し操作は前記第2操作レバー42aを互いに逆向きに回動させる操作である。

0052

前記第2パイロット弁42bは、前記パイロット油圧源と、前記アーム制御弁37のパイロットポート37a,37bと、の間に介在する。当該第2パイロット弁42bは、前記第2操作レバー42aに与えられる前記アーム操作に連動して開弁し、前記パイロットポート37a,37bのうち前記アーム操作の方向に対応するパイロットポート(アーム引きパイロットポート37aまたはアーム押しパイロットポート37b)に対して当該アーム操作の大きさに対応した大きさのアーム引きパイロット圧Pacまたはアーム押しパイロット圧Papが前記パイロット油圧源から入力されることを許容するように開弁する。例えば、当該第2パイロット弁42bは、前記第2操作レバー42aに前記アーム引き操作が与えられると、前記アーム引きパイロットポート37aに対して前記アーム引き操作の大きさに対応したアーム引きパイロット圧Parがアーム引きパイロットライン47を通じて供給されるのを許容するように開弁する。

0053

前記ブーム上げ2速制限弁50は、前記ブーム上げパイロットライン(ブーム上げ2速用パイロットライン)49の途中に設けられて、前記のようにブーム操作装置として機能する前記第1操作器41と前記ブーム上げ2速制御弁39の前記ブーム上げパイロットポート39aとの間に介在し、前記コントローラ60から入力されるブーム上げ2速制限指令(正確には後述のようなブーム上げ2速最終制限指令)に応じて、当該第1操作器41から最終的に前記ブーム上げパイロットポート(ブーム上げ2速用パイロットポート)39aに供給される前記ブーム上げパイロット圧Pbrの大きさを制限するように、作動する。具体的に、この実施の形態に係る前記ブーム上げ2速制限弁50は、ソレノイド52を有する電磁逆比例減圧弁により構成され、前記ソレノイド52に流される励磁電流、すなわち前記ブーム上げ2速制限指令に相当するブーム上げ2速制限指令電流Ir、が大きいほど当該ブーム上げ2速制限弁50の二次圧、すなわち最終的に前記ブーム上げパイロットポート39aに入力されるブーム上げパイロット圧(ブーム上げ2速用パイロット圧)Pbrf、の最大値をより小さい値に抑える(つまり当該ブーム上げパイロット圧Pbrfを制限する)ように、開弁作動する。

0054

前記油圧回路は、ブーム上げパイロット圧センサ56、アーム引きパイロット圧センサ57及びバケット掘削パイロット圧センサ58をさらに含む。これらのパイロット圧センサ56〜58のそれぞれは、検出対象であるパイロット圧に対応する電気信号であるパイロット圧検出信号を生成して前記コントローラ60に入力する。

0055

前記パイロット圧センサ56〜58は、それぞれ、前記ブーム上げ操作、前記アーム引き操作及び前記バケット掘削操作の大きさを検出するために装備される。具体的に、前記ブーム上げパイロット圧センサ56は、前記第1操作器41から前記ブーム1速制御弁36及び前記ブーム上げ2速制御弁39の前記ブーム上げパイロットポート36a,39aに向けて出力される前記ブーム上げパイロット圧(ブーム上げ2速制御弁39については前記ブーム上げ2速制限弁50の一次圧)Pbrを検出する。前記アーム引きパイロット圧センサ57は、前記第2操作器42から前記アーム制御弁37の前記アーム引きパイロットポート37aに入力される前記アーム引きパイロット圧Parを検出する。前記バケット掘削パイロット圧センサ58は、前記第1操作器41から前記バケット制御弁38の前記バケット掘削パイロットポート38aに入力される前記バケット掘削パイロット圧Pkeを検出する。

0056

前記コントローラ60は、前記複数の圧力センサから入力される圧力検出信号に基づいて前記ブーム上げ2速制限指令(増速制限指令)を生成し、当該ブーム上げ2速制限指令を前記ブーム上げ2速制限弁50に入力することにより、最終的に前記ブーム上げ2速パイロットポート39aに入力されるブーム上げパイロット圧Pbrfの制限、すなわち、前記第1操作器41に与えられるブーム上げ操作に対応する前記ブーム上げ2速制御弁39の開弁ストロークの制限、を制御する。前記制御を行うための機能として、前記コントローラ60は、図3に示される基本制限指令演算部62及び最終制限指令演算部64を有する。

0057

前記基本制限指令演算部62は、ブーム上げ2速基本制限指令電流Iroを演算する。当該ブーム上げ2速基本制限指令電流Iroは、前記第1操作器41に前記バケット掘削操作が与えられていない時(例えばブーム上げ単独操作時)において当該第1操作器41から出力されるブーム上げパイロット圧Pbrに対応して生成されるブーム上げ2速制限指令に相当する。当該ブーム上げ2速基本制限指令演算部62は、基本的には前記ブーム上げパイロット圧Pbrの増大に伴って前記ブーム上げ2速基本制限指令電流Iroを小さくする(つまりブーム上げパイロットポート39aに最終的に入力されるブーム上げパイロット圧Pbrfの制限を小さくする)ような当該ブーム上げ2速基本制限指令電流Iroの算定を行う。このことは、前記ブーム上げパイロット圧Pbrの増大に伴って前記ブーム上げ2速制御弁39のブーム上げパイロットポート39aに最終的に入力されるブーム上げパイロット圧(ブーム上げ2速用パイロット圧)Pbrfを前記ブーム1速制御弁36のブーム上げパイロットポート36aに入力されるブーム上げパイロット圧Pbrに近づけることを意味する。

0058

この実施の形態に係る前記ブーム上げ2速基本制限指令演算部62は、図4に示されるようなマップ、すなわち、前記ブーム上げパイロット圧センサ56によって検出されるブーム上げパイロット圧(前記ブーム上げ2速制限弁50の一次圧)Pbrに基づいて決定されるべきブーム上げ2速基本制限指令電流Iroを特定するマップ、を格納しており、当該マップに基づいて前記ブーム上げパイロット圧Pbrに対応した前記ブーム上げ2速基本制限指令電流Iroを決定する。

0059

前記マップにおける前記ブーム上げパイロット圧Pbrと前記ブーム上げ2速基本制限指令電流Iroとの関係は次の通りである。

0060

i)ブーム上げパイロット圧Pbrが予め設定された最大制限判定値Pbr1以下である場合(Pbr≦Pbr1):Iro=Irmax(最大電流
ii)ブーム上げパイロット圧Pbrが前記最大制限判定値Pbr1よりも大きな値であって予め設定された制限解除判定値Pbr2(>Par1)以上である場合(Pbr≧Pbr2):Iro=Irmin(最小電流
iii)ブーム上げパイロット圧Pbrが前記最大制限判定値Pbr1よりも大きくかつ前記制限解除判定値Pbr2よりも小さい場合(Pbr1<Pbr<Pbr2):前記最大電流Irmaxから最小電流Irminに至るまでの範囲内で前記ブーム上げパイロット圧Pbrの増大に伴って減少する値(中間電流)。

0061

このように、前記基本制限指令演算部62は、前記ブーム上げパイロット圧Pbrが小さいときは大きなブーム上げ2速基本制限指令電流Iroを算定し、逆に前記ブーム上げパイロット圧Pbrが大きいときは小さいブーム上げ2速基本制限指令電流Iroを算定する。このことは、前記ブーム上げ単独操作時、すなわち、前記ブーム操作装置にブーム上げ操作が与えられるが前記バケット操作装置にバケット掘削操作が与えられていない時、において、ブーム上げパイロット圧Pbrが小さいうちは最終的にブーム上げ2速制御弁39に入力されるブーム上げパイロット圧Pbrfを大きく制限することにより、前記ブーム上げ2速制御弁39に前記ブーム1速制御弁36の開弁特性と同じ開弁特性が与えられているにもかかわらず、前記ブーム上げ2速制御弁39が開弁するために最低限必要なブーム上げ操作の大きさである増速開始ブーム上げ操作量を大きくすることを可能にする。つまり、前記ブーム上げ2速制御弁39が本来のブーム上げ増速制御弁としての機能、このことは、ブーム上げ操作がある程度まで大きくなった時点ではじめて増速用の作動油が前記第2油圧ポンプ32から前記一対のブームシリンダ26に供給されることを許容する機能、を発揮することを可能にする。

0062

前記最終制限指令演算部64は、ブーム上げ2速最終制限指令電流Irfを演算する。当該ブーム上げ2速最終制限指令電流Irfは、前記ブーム上げ単独操作時だけでなく、前記第1操作器41に前記ブーム上げ操作及び前記バケット掘削操作の双方を与えるブーム−バケット複合操作が行われているときにも適用されるブーム上げ2速最終制限指令に相当する。当該ブーム上げ2速基本制限指令演算部62は、前記ブーム上げ2速基本制限指令電流Iroを最大値とし、前記バケット掘削操作に対応する前記バケット掘削パイロット圧Pkeの増大に伴って前記ブーム上げ2速最終制限指令電流Irfを小さくする(つまり前記複合操作が行われているときに最終的にブーム上げ2速制御弁39のブーム上げパイロットポート39aに与えられるブーム上げパイロット圧Pbrfの制限を小さくする)ような当該ブーム上げ2速基本制限指令電流Iroの算定を行う。このことは、前記バケット掘削パイロット圧Pkeの増大に伴って前記ブーム上げ2速制御弁39のブーム上げパイロットポート39aに最終的に入力されるブーム上げパイロット圧(ブーム上げ2速用パイロット圧)Pbrfを前記ブーム1速制御弁36のブーム上げパイロットポート36aに入力されるブーム上げパイロット圧Pbrに近づけることを意味する。

0063

この実施の形態に係る前記ブーム上げ2速最終制限指令演算部64は、図5に示されるようなマップ、すなわち、前記ブーム上げ2速基本制限指令電流Iroと前記バケット掘削パイロット圧Pkeに基づいて決定されるべきブーム上げ2速最終制限指令電流Irfを特定するマップ、を格納しており、当該マップに基づいて前記ブーム上げパイロット圧Pbrに対応した前記ブーム上げ2速最終制限指令電流Irfを決定する。

0064

前記マップにおける前記バケット掘削パイロット圧Pkeと前記ブーム上げ2速最終制限指令電流Irfとの関係は次の通りである。

0065

i)バケット掘削パイロット圧Pkeが予め設定された最大制限判定値Pke1以下である場合(ブーム上げ単独操作の場合も含む;Pke≦Pke1):Irf=Iro(ブーム上げ2速基本制限指令電流と同等)
ii)バケット掘削パイロット圧Pkeが前記最大制限判定値Pbr1よりも大きな値であって予め設定された制限解除判定値Pke2(>Pke1)以上である場合(Pke≧Pke2):Irf=Irmin(最小電流)
iii)バケット掘削パイロット圧Pkeが前記最大制限判定値Pke1よりも大きくかつ前記制限解除判定値Pke2よりも小さい場合(Pke1<Pke<Pke2):前記ブーム上げ2速基本制限指令電流Iroから前記最小電流Irminに至るまでの範囲内で前記バケット掘削パイロット圧Pkeの増大に伴って減少する値(中間電流)。

0066

前記最終制限指令演算部64は、前記のようにして決定した前記ブーム上げ2速最終指令電流Irfを実際のブーム上げ2速指令電流Irとして前記ブーム上げ2速制限弁50のソレノイド52に流し、これにより、前記ブーム上げ2速制御弁39のブーム上げパイロットポート39aに最終的に入力されるブーム上げパイロット圧Pbrfの制限を制御する。具体的に、当該最終制限指令演算部64は、ブーム上げ単独操作時、及び、ブーム上げ操作及びバケット掘削操作の複合操作が行われているが当該バケット掘削操作が極めて小さい時、は前記ブーム上げ2速基本制限指令電流Iroをそのままブーム上げ2速最終制限指令電流Irfとして適用することにより、前記ブーム上げ2速制御弁39が本来の機能、つまりブーム上げ操作がある程度増大した時点ではじめて開弁して前記第2油圧ポンプ32から前記一対のブームシリンダ26に増速用の作動油が供給されるのを許容する機能、を発揮することを可能にする。一方、当該最終制限指令演算部64は、ブーム上げ操作及びある程度の大きさのバケット掘削操作の複合操作が行われているとき、つまり、第1油圧ポンプ31から吐出される作動油の多くがバケットシリンダ28に流れてブーム上げ動作を阻害するおそれがあるとき、は前記ブーム上げ2速最終制限指令電流Irfを前記ブーム上げ2速基本制限指令電流Iroよりも下げて前記ブーム上げ2速制御弁39に入力される前記ブーム上げパイロット圧Pbrfの制限を小さくすることにより、ブーム上げ操作が小さい状態でも前記第2油圧ポンプ32から前記ブーム上げ2速制御弁39を通じて前記一対のブームシリンダ26に作動油が補給されて前記ブーム上げ動作が行われることを可能にする。

0067

この効果を、図6を参照しながら説明する。図6は、前記ブーム上げ2速制御弁39のブーム上げパイロットポート39aに最終的に入力されるブーム上げパイロット圧(つまり前記ブーム上げ2速制限弁50により制限された後のブーム上げパイロット圧)Pbrfと、これに対応して作動する前記ブーム上げ2速制御弁39の実際のスプールストローク(ブーム上げ方向への開弁ストローク)Sbと、の関係を実線L1で示したものである。つまり、当該実線L1は前記ブーム上げ2速制御弁39の本来の開弁特性(この実施の形態では前記ブーム1速制御弁36の開弁特性と同等の特性)を示している。図6に示されるスプールストロークSboは、前記ブーム上げ2速制御弁39を作動油が流れることを許容するのに最低限必要なスプールストローク、つまり実質的な開弁開始ストロークであり、このスプールストロークSboに対応するブーム上げパイロット圧Pbr1が開弁開始パイロット圧に相当する。

0068

図6において、ブーム上げ操作及びバケット掘削操作の複合操作が行われているときに前記第1操作器41から所定の大きさのブーム上げパイロット圧Pbraが出力された場合を想定する。このブーム上げパイロット圧Pbraが仮に制限されることなくブーム上げ2速制御弁39に入力されたとすると、当該ブーム上げ2速制御弁39のスプールストロークSbはストロークSb1となるが(図6の点P1)、実際には前記ブーム上げパイロット圧Pbraが前記ブーム上げ2速制限弁50による制限を受けて減圧されてから前記ブーム上げ2速制御弁39に入力されるため、当該ブーム上げ2速制御弁39の実際のスプールストロークSbは前記ストロークSb1よりも小さいストロークSb2となる(点P2)。

0069

このように、前記ブーム上げ2速制御弁39に最終的に入力されるブーム上げパイロット圧Pbrfが前記ブーム上げ2速制限弁50によって制限されることにより、当該ブーム上げ2速制御弁39の見かけ上の開弁特性(前記第1操作器41から出力されて前記ブーム上げパイロットセンサ56により検出されるブーム上げパイロット圧Pbrfに対する前記ブーム上げ2速制御弁39のスプールストロークSbの特性)は、図6に示されるように点P3を通る二点鎖線L2で示された特性となる。前記点P3は、図6において前記点P1を通る水平線と前記点P2を通る垂直線との交点である。前記二点鎖線L2で示される見かけ上の開弁特性において、前記開弁開始ストロークSboに対応する開弁開始パイロット圧Pbr2は、前記本来の開弁特性における開弁開始パイロット圧Pbr1よりも大きい。このことは、前記ブーム上げパイロット圧Pbrfの制限によって前記ブーム上げ2速制御弁39の見かけ上の開弁特性が実線L1に示される本来の開弁特性から二点鎖線L2に示される開弁特性に移行するのに伴い、前記増速開始ブーム上げ操作量、すなわち、ブーム上げ2速制御弁39を開弁させるのに最小限必要なブーム上げ操作の大きさ、が増大することを意味する。

0070

このように、前記ブーム上げ2速制限弁50及び前記コントローラ60の組合せによる最終的なブーム上げパイロット圧(実際にブーム上げ2速制御弁39に入力されるブーム上げパイロット圧)Pbrfの制限は、前記ブーム上げ2速制御弁39がその本来の開弁特性(実線L1;この実施の形態ではブーム1速制御弁36の開弁特性と同等の特性)よりもスプールストロークが抑制された見かけ上の開弁特性(二点鎖線L2)を有すること、つまりブーム上げ1速制御弁36よりも遅れて開弁を開始する特性を有すること(ブーム上げ1速制御弁36の増速開始ブーム上げ操作量よりも大きな増速開始ブーム上げ操作量を有すること)を可能にし、逆に前記ブーム上げパイロット圧Pbrfの制限の解除は、前記ブーム上げ2速制御弁39の開弁特性が本来の開弁特性(実線L1)に復帰すること、つまりブーム上げ1速制御弁36と同時に開弁を開始する特性を有すること(ブーム上げ1速制御弁36の増速開始ブーム上げ操作量と同等の増速開始ブーム上げ操作量を有すること)を可能にする。すなわち、前記ブーム上げ2速制御弁39に入力される前記ブーム上げパイロット圧Pbrfの制限及び解除の制御は、当該ブーム上げ2速制御弁39が少なくとも実線L1及び二点鎖線L2に示される2種類の開弁特性を併有することを可能にする。このうち、二点鎖線L2で示される開弁特性は、ブーム上げ操作がある程度大きくなった時点で開弁を開始する特性であるため、ブーム上げ単独操作時においてブーム上げ動作を増速させるのに適しており、実線L1で示される開弁特性は、ブーム上げ操作が小さい時点から開弁を始める特性であるため、ブーム上げ操作及びバケット掘削操作の複合操作が行われているときにブーム上げ動作を確保するのに適している。

0071

本発明は、以上説明した実施の形態に限定されない。本発明は、例えば次のような態様を包含する。

0072

(A)増速制限指令部について
本発明に係る増速制限指令部による制御、すなわち、ブーム上げ増速制御弁(前記実施の形態ではブーム上げ2速制御弁39)に入力されるブーム上げパイロット圧の制限及びその解除または緩和のための制御、は図3に示される基本制限指令演算部62と最終制限指令演算部64との組み合わせによるものに限定されない。例えば、当該増速制限指令部は、ブーム操作装置から出力されるブーム上げパイロット圧に対する制限後のブーム上げパイロット圧(最終的にブーム上げ増速制御弁に入力されるブーム上げパイロット圧)の特性(ブームパイロット圧制限特性)として、予め設定された複数の特性、例えば、複合操作が行われていないときのブームパイロット圧制限特性(例えば図4に示される特性)と、複合操作が行われているときの特性(例えば図4に示される特性よりもブーム上げパイロット圧の制限を小さくした特性;無制限の特性も含む。)と、を記憶し、これらのうち前記複合操作の有無に基づいて適用すべきブームパイロット圧制限特性を選択するものであってもよい。

0073

(B)ブーム上げ増速制御弁の本来の開弁特性について
本発明に係るブーム上げ増速制御弁(前記実施の形態ではブーム上げ2速制御弁39)の本来の開弁特性、すなわち、実際に当該ブーム上げ増速制御弁に入力されるブーム上げパイロット圧に対する開弁ストロークの特性、は、必ずしもブーム制御弁(前記実施の形態ではブーム1速制御弁)の開弁特性と同等でなくてもよい。当該ブーム上げ増速制御弁の見かけ上の開弁特性(ブーム操作装置から出力されるブーム上げパイロット圧に対する開弁ストロークの特性)は、上述のように、当該ブーム上げ増速制御弁に入力されるブーム上げパイロット圧の制限によって自由に変化させることが可能であるからである。しかし、前記ブーム制御弁の開弁特性と前記ブーム上げ増速制御弁の開弁特性を同等にすることは、装置全体の設計を容易にしてコストの削減を図ることを可能にする。

0074

(C)それぞれの操作装置について
本発明に係るブーム操作装置及びバケット操作装置は、前記実施の形態のように共通の第1操作器41により構成されるものに限られず、それぞれ別の操作器(例えばリモコン弁)により構成されてもよい。また、本発明においてアームの操作を可能にするための手段は特に限定されない。

0075

(D)バケット掘削パイロット圧の制限について
前記のように、本発明に係るブーム上げ増速制限弁及び増速制限指令部は、ブーム上げ増速制御弁に入力されるブーム上げパイロット圧の制限及びその解除によって、バケット制御弁に入力されるバケット掘削パイロット圧の制限を要することなくブーム上げ動作の確保を可能にするものであるが、複合操作が行われているときのブーム上げ動作をより確実にするために、前記ブーム上げ増速制限弁に入力される前記ブーム上げパイロット圧の制限の解除または緩和と併せて前記バケット掘削パイロット圧の制限が行われてもよい。この場合も、当該バケット掘削パイロット圧の制限度合いを従来よりも低くして作業効率の低下及び圧力損失の増大を効果的に抑制することが可能である。

0076

10下部走行体(機体)
12上部旋回体(機体)
14作業装置
21ブーム
22アーム
24バケット
26ブームシリンダ
27アームシリンダ
28バケットシリンダ
31 第1油圧ポンプ
32 第2油圧ポンプ
36 ブーム1速制御弁(ブーム制御弁)
36aブーム上げパイロットポート
38バケット制御弁
38aバケット掘削パイロットポート
39 ブーム上げ2速制御弁(ブーム上げ増速制御弁)
41 第1操作器(ブーム操作装置及びバケット操作装置)
41a 第1操作レバー
41b 第1パイロット弁
50 ブーム上げ2速制限弁(ブーム上げ増速制限弁)
56ブーム上げパイロット圧センサ
58 バケット掘削パイロット圧センサ
60コントローラ(増速制限指令部)
62基本制限指令演算部
64 最終制限指令演算部

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