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技術 圧力容器の検査方法

出願人 三菱ケミカル株式会社
発明者 西本忠弘寺田一行
出願日 2019年3月22日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-055042
公開日 2020年9月24日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-153503
状態 未査定
技術分野 ガス貯蔵容器;ガスの充填・放出 圧力容器、圧力容器の蓋
主要キーワード 接合ネジ 本体用樹脂 各圧力容器 箇所目 炭素繊維複合材 加圧試験 水圧式 耐疲労
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

製造した圧力容器の状態を非破壊で簡便に判断できる圧力容器の製造方法を提供することを目的とする。

解決手段

胴部10の両端にドーム部12が設けられ、直胴部10及びドーム部12が、容器本体と繊維強化樹脂複合材料層とで形成された圧力容器を検査する方法であって、使用圧力P0(MPa)として同じ設計に基づいて製造されたp個(ただし、pは3以上の整数である。)の圧力容器からなる圧力容器群V1、V2、・・・、Vi、・・・Vpについて、それぞれの圧力容器Viに対し、使用圧力P0以上の圧力PT(MPa)を負荷した状態で、直胴部10の軸方向において異なる3箇所の測定点a1〜a3でフープ方向の歪を測定してその標準偏差Xiを求め、前記標準偏差Xiを用いて各圧力容器Viの状態を判断する、圧力容器の検査方法

概要

背景

容器本体が繊維強化樹脂複合材料層補強された圧力容器は、軽量で高耐圧であるため、自動車用燃料タンクや、ガス等の貯蔵輸送に利用されるタンクとして用いられている。繊維強化樹脂複合材料層は、例えば、長尺強化繊維束及び硬化性樹脂を含む強化繊維複合材を容器本体の外側に巻き付け硬化させることで形成される。比強度が高い炭素繊維を用いた圧力容器は、軽量化しやすく、ガスを移動するためのタンクに特に好適である。

圧力容器の製造方法としては、長尺の強化繊維束に硬化性樹脂が含浸された強化繊維複合材を用いたフィラメントワインディング法(以下、FW法という。)が挙げられる。例えば、樹脂製の容器本体の外側に強化繊維複合材を巻き付けた後、硬化性樹脂を硬化させる(特許文献1)。硬化性樹脂を用いる場合のFW法には、ウェット方式ドライ方式がある。ウェット方式のFW法では、長尺の強化繊維束に硬化性樹脂を含浸させて強化繊維複合材とする含浸操作と、容器本体に強化繊維複合材を巻き付ける巻付操作を連続して行う。ドライ方式のFW法では、予め製造した強化繊維複合材を容器本体に巻き付ける。長尺の強化繊維束に熱可塑性樹脂が含浸された強化繊維複合材を用いる場合は、強化繊維複合材を巻き付ける工程で加熱して熱可塑性樹脂を溶融させ、強化繊維複合材同士を一体化させた後に冷却して固化させる。

概要

製造した圧力容器の状態を非破壊で簡便に判断できる圧力容器の製造方法を提供することを目的とする。直胴部10の両端にドーム部12が設けられ、直胴部10及びドーム部12が、容器本体と繊維強化樹脂複合材料層とで形成された圧力容器を検査する方法であって、使用圧力P0(MPa)として同じ設計に基づいて製造されたp個(ただし、pは3以上の整数である。)の圧力容器からなる圧力容器群V1、V2、・・・、Vi、・・・Vpについて、それぞれの圧力容器Viに対し、使用圧力P0以上の圧力PT(MPa)を負荷した状態で、直胴部10の軸方向において異なる3箇所の測定点a1〜a3でフープ方向の歪を測定してその標準偏差Xiを求め、前記標準偏差Xiを用いて各圧力容器Viの状態を判断する、圧力容器の検査方法

目的

本発明は、製造した圧力容器の状態を非破壊で簡便に判断できる圧力容器の検査方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

筒状の直胴部と、前記直胴部の両端に設けられ、前記直胴部から離れるにつれて窄む形状のドーム部とを備え、前記直胴部及び前記ドーム部が、容器本体と、前記容器本体の外側に設けられた繊維強化樹脂複合材料層とで形成された圧力容器検査する方法であって、使用圧力P0(MPa)として同じ設計に基づいて製造されたp個(ただし、pは3以上の整数である。)の圧力容器からなる圧力容器群V1、V2、・・・、Vi、・・・Vpについて、それぞれの圧力容器Viに対し、前記使用圧力P0以上の圧力PT(MPa)を負荷した状態で、前記直胴部の軸方向において異なる3箇所以上を含むq箇所(ただし、qは3以上の整数である。)でフープ方向の歪を測定してその標準偏差Xiを求め、前記標準偏差Xiを用いて各圧力容器Viの状態を判断する、圧力容器の検査方法

請求項2

前記圧力容器群のうち、前記標準偏差Xiが小さい圧力容器Viから順にn個(ただし、nは、1〜pの整数である。)の圧力容器を状態が良好であると判断する、請求項1に記載の圧力容器の検査方法。

請求項3

それぞれの圧力容器Viに対し、前記標準偏差Xiから前記フープ方向の歪のばらつきの変動係数Cvi(%)を求め、前記変動係数Cvi(%)を用いて各圧力容器Viの状態を判断する、請求項1に記載の圧力容器の検査方法。

請求項4

前記圧力PTが下記式(i)で表される条件を満たす、請求項1〜3のいずれか一項に記載の圧力容器の検査方法。1.0×P0≦PT≦1.5×P0・・・(i)

技術分野

0001

本発明は、圧力容器検査方法に関する。

背景技術

0002

容器本体が繊維強化樹脂複合材料層補強された圧力容器は、軽量で高耐圧であるため、自動車用燃料タンクや、ガス等の貯蔵輸送に利用されるタンクとして用いられている。繊維強化樹脂複合材料層は、例えば、長尺強化繊維束及び硬化性樹脂を含む強化繊維複合材を容器本体の外側に巻き付け硬化させることで形成される。比強度が高い炭素繊維を用いた圧力容器は、軽量化しやすく、ガスを移動するためのタンクに特に好適である。

0003

圧力容器の製造方法としては、長尺の強化繊維束に硬化性樹脂が含浸された強化繊維複合材を用いたフィラメントワインディング法(以下、FW法という。)が挙げられる。例えば、樹脂製の容器本体の外側に強化繊維複合材を巻き付けた後、硬化性樹脂を硬化させる(特許文献1)。硬化性樹脂を用いる場合のFW法には、ウェット方式ドライ方式がある。ウェット方式のFW法では、長尺の強化繊維束に硬化性樹脂を含浸させて強化繊維複合材とする含浸操作と、容器本体に強化繊維複合材を巻き付ける巻付操作を連続して行う。ドライ方式のFW法では、予め製造した強化繊維複合材を容器本体に巻き付ける。長尺の強化繊維束に熱可塑性樹脂が含浸された強化繊維複合材を用いる場合は、強化繊維複合材を巻き付ける工程で加熱して熱可塑性樹脂を溶融させ、強化繊維複合材同士を一体化させた後に冷却して固化させる。

先行技術

0004

特許第4714672号公報

発明が解決しようとする課題

0005

FW法は各方式で製造条件が異なる。圧力容器を設計通りに製造するには、強化繊維の特性を十分発揮させるように、所定の量の強化繊維複合材を所定の方向に配置する必要がある。しかし、FW法による圧力容器の製造では、製造条件を精密に制御することが難しく、破壊の起点となるボイドクラック等の欠陥や、強化繊維のずれ等によって、破裂圧力等の性能が安定して得られないことがある。このような性能低下の原因は、圧力容器を切断する等、圧力容器を破壊しなければ確認することができない。そのため、製造した圧力容器の状態を非破壊で簡便に判断できる検査方法が求められている。

0006

本発明は、製造した圧力容器の状態を非破壊で簡便に判断できる圧力容器の検査方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、以下の構成を有する。
[1]筒状の直胴部と、前記直胴部の両端に設けられ、前記直胴部から離れるにつれて窄む形状のドーム部とを備え、
前記直胴部及び前記ドーム部が、容器本体と、前記容器本体の外側に設けられた繊維強化樹脂複合材料層とで形成された圧力容器を検査する方法であって、
使用圧力P0(MPa)として同じ設計に基づいて製造されたp個(ただし、pは3以上の整数である。)の圧力容器からなる圧力容器群V1、V2、・・・、Vi、・・・Vpについて、それぞれの圧力容器Viに対し、前記使用圧力P0以上の圧力PT(MPa)を負荷した状態で、前記直胴部の軸方向において異なる3箇所以上を含むq箇所(ただし、qは3以上の整数である。)でフープ方向の歪を測定してその標準偏差Xiを求め、前記標準偏差Xiを用いて各圧力容器Viの状態を判断する、圧力容器の検査方法。
[2]前記圧力容器群のうち、前記標準偏差Xiが小さい圧力容器Viから順にn個(ただし、nは、1〜pの整数である。)の圧力容器を状態が良好であると判断する、[1]に記載の圧力容器の検査方法。
[3]それぞれの圧力容器Viに対し、前記標準偏差Xiから前記フープ方向の歪のばらつきの変動係数Cvi(%)を求め、前記変動係数Cvi(%)を用いて各圧力容器Viの状態を判断する、[1]に記載の圧力容器の検査方法。
[4]前記圧力PTが下記式(i)で表される条件を満たす、[1]〜[3]のいずれかに記載の圧力容器の検査方法。
1.0×P0≦PT≦1.5×P0 ・・・(i)

発明の効果

0008

本発明によれば、製造した圧力容器の状態を非破壊で簡便に判断できる圧力容器の検査方法を提供できる。

図面の簡単な説明

0009

本発明の圧力容器の一例を示した図であり、直胴部の軸方向に沿って切断した断面図である。
図1の圧力容器におけるドーム部近傍の拡大断面図である。
圧力容器の製造方法の一工程を示した概略構成図である。
圧力容器の直胴部におけるひずみ測定を説明する正面図である。
圧力容器の直胴部におけるひずみ測定を説明する正面図である。
実施例における圧力容器の直胴部におけるひずみ測定の測定点を示した正面図である。
例1の圧力容器Aの測定点a〜eのそれぞれにおける歪と圧力PTとの関係を示した図である。

0010

本発明の圧力容器の検査方法は、筒状の直胴部と、直胴部の両端に設けられ、直胴部から離れるにつれて窄む形状のドーム部とを備え、直胴部及びドーム部が、容器本体と、容器本体の外側に設けられた繊維強化樹脂複合材料層(以下、「複合材料層」とも記す。)とで形成された圧力容器を検査する方法である。

0011

(圧力容器)
検査対象の圧力容器は、樹脂製又は金属製の容器本体が、内圧に抗して容器本体を保つ複合材料層で補強された容器である。圧力容器は、FW法で製造される。容器本体は、内容物の出し入れのため、ドーム部に少なくとも1個の開口部を有し、開閉可能な弁が取り付けられるようになっている。容器本体の開口部には、弁の取り付けや、FW法による製造時に治具を取り付けるための口金等の金属加工部が設けられる。特に圧力容器が大きい場合は、両側のドーム部に金属加工部を設けることで、強化繊維複合材を巻き付ける際の張力で容器本体が偏芯することを抑制しやすくなる。治具の取り付けのみに利用する金属加工部は、ドーム部に開口部を形成せずに設けてもよい。

0012

検査対象の圧力容器としては、例えば、図1に例示した圧力容器1を例示できる。
圧力容器1は、図1及び図2に示すように、円筒状の直胴部10と、直胴部10の両端に設けられた、直胴部10から離れるにつれて窄む半球状のドーム部12と、を備えている。直胴部10とドーム部12とは、樹脂製の容器本体(ライナ)2と、容器本体2の外側に設けられた繊維強化樹脂複合材料層3(以下、「複合材料層3」と記す。)によって形成されている。圧力容器1における一方のドーム部12の先端部には、金属製の口金4が設けられている。口金4は、ドーム部12の先端部において、容器本体2と複合材料層3で挟まれて密着固定されている。

0013

容器本体2は、樹脂製の容器である。容器本体の形状は、この例のような円筒状の直胴部の両端に半球状のドーム部が設けられた形状には限定されない。容器本体の大きさは、圧力容器の用途等に応じて適宜設定すればよい。容器本体の厚みは、圧力容器の用途等に応じて適宜設定すればよく、例えば、1〜30mm程度とすることができる。容器本体は、例えば、ブロー成形回転成形射出成形押し出し成形、及びそれらで成形した部品接合等によって製造できる。

0014

容器本体を形成する材料としては、圧力容器に用いられている公知の材料を適宜使用でき、例えば、ガスバリア性を有する材料が挙げられる。具体例としては、例えば、高密度ポリエチレン系樹脂架橋ポリエチレンポリプロピレン樹脂環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン樹脂ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン11ナイロン12等のポリアミド系樹脂ポリエチレンテレフタレートポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂アクリロニトリルブタジエンスチレン重合(ABS)樹脂、ポリアセタール樹脂ポリカーボネート樹脂ポリフェニレンエーテル樹脂ポリフェニレンサルファイド樹脂ポリスルホン樹脂、又はポリイミド樹脂等のエンジニアリングプラスチック;等を例示できる。容器本体を形成する樹脂は、1種でもよく、2種以上でもよい。容器本体は、単層構成であってもよく、多層構成であってもよい。

0015

容器本体には、ガスバリア性を有するエチレンビニルアルコール共重合体EVOH)等の樹脂や、扁平形フィラを含む樹脂層を挿入、又は貼り合わせてもよい。また、樹脂層を貼り合わせるための接着層を挿入してもよい。容器本体の外表面は、応力集中による疲労を抑制する点から、滑らかであることが好ましい。

0016

複合材料層3は、長尺の強化繊維束及び樹脂を含む長尺の強化繊維複合材で形成された層である。硬化性樹脂を用いる場合、複合材料層3は、強化繊維複合材の硬化物からなる。この場合、複合材料層3は、強化繊維束に硬化性樹脂が含浸された長尺の強化繊維複合材が容器本体2の外側に巻き付けられた後に、硬化性樹脂が硬化されることにより形成される。複合材料層3においては、容器本体2の内部に形成された空洞部5の周りを強化繊維複合材が周回している。

0017

複合材料層が設けられることにより、容器本体が補強され、圧力容器の破裂圧力が高くなる。複合材料層は、容器本体の外側を全体的に覆うように設けられる。圧力容器が口金を備える場合、複合材料層は、容器本体の外側における口金が治具やバルブ係止を妨げないことを考慮した上で容器本体を全体的に覆うように設けられる。

0018

強化繊維束を形成する強化繊維としては、ピッチ系ポリアクリロニトリル(PAN)系、レーヨン系等の炭素繊維、ガラス繊維アラミド繊維、高延伸ポリエチレン繊維を例示でき、炭素繊維が好ましい。特に高弾性率で容器本体の変形量を抑えやすい点では、ピッチ系炭素繊維が好ましい。高い強度が得られやすい点では、PAN系炭素繊維が好ましい。金属部分との接触による電蝕が懸念される場合は、導電性の低いガラス繊維や有機繊維等を金属との接触部に用いることが好ましい。強化繊維束を形成する強化繊維は、1種でもよく、2種以上でもよい。
1本あたりの強化繊維束のフィラメント数は、特に限定されず、例えば、6,000〜60,000本とすることができる。

0019

強化繊維複合材を形成する樹脂としては、硬化性樹脂、熱可塑性樹脂を例示でき、FWの捲回時間を短くできる点から、硬化性樹脂が好ましい。
硬化性樹脂としては、特に限定されず、熱硬化性樹脂であってもよく、光硬化性樹脂であってもよい。硬化性樹脂の具体例としては、例えば、エポキシ樹脂不飽和ポリエステル樹脂ユリア樹脂フェノール樹脂メラミン樹脂ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ビニルエステル樹脂等が挙げられる。硬化性樹脂としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0020

樹脂には、圧力容器に要求される物性や成形方式に応じて、反応性希釈剤硬化剤、促進剤、クラック防止用充填剤耐候性付与剤等の公知の添加剤を配合してもよい。

0021

複合材料層中の強化繊維の体積分率は、55体積%以上が好ましく、55〜75体積%がより好ましい。強化繊維の体積分率が前記下限値以上であれば、より少ない量の強化繊維で破裂圧力が高い圧力容器が得られる。そのため、破裂圧力が高く、軽量な圧力容器を安価に製造できる。強化繊維の体積分率が前記上限値以下であれば、外観が良好で耐疲労に優れた圧力容器が得られる。
複合材料層中の強化繊維の体積分率は、焼成法、溶解法等によって試料中の樹脂を分解し、樹脂分解前後の試料の質量を天秤により測定して強化繊維と樹脂の質量を求めた後、強化繊維及び樹脂の密度を用いて算出する。

0022

複合材料層の平均厚さは、目的の破裂圧力に応じて適宜設定できる。破裂圧力、内容量が一定でも、圧力容器の直径Dに対する長さLの比L/Dが変われば、必要な平均厚さも変わる。
複合材料層の平均厚さは、1〜35mmが好ましく、4〜25mmがより好ましい。複合材料層の平均厚さが前記範囲の下限値以上であれば、必要な破裂圧力が得られやすい。複合材料層の平均厚さが前記範囲の上限値以下であれば、強化繊維の強度発現率が高くなり、圧力容器を軽量化しやすく、コスト面でも有利である。

0023

口金の形態は、圧力容器に用いられる公知の形態とすることができる。圧力容器1における口金4は、貫通孔を有する略円筒状になっている。口金の内面の形状は、口金内に取り付けられるバルブ等の形状に応じて設計される。例えば、口金の貫通孔における上端寄り内周面雌螺子を形成し、ガス供給及び取出用のバルブ等をねじ込みにより取り付け可能にすることができる。貫通孔を有する略円筒状部に半径方向に張り出したフランジ部が設けられた口金は、フランジ部が複合材料層に覆われることで容器の内圧に抗する効果が高い。

0024

口金を構成する金属としては、特に限定されず、公知の金属を用いることができる。例えば、アルミニウム合金ステンレス鋼(SUS)、炭素鋼合金鋼黄銅等を例示できる。口金を構成する金属は、1種でもよく、2種以上でもよい。
口金と容器本体の間、口金と複合材料層の間には、ガスシール、接着、応力緩衝、電蝕防止等の目的で金属以外の材料を用いてもよい。

0025

(製造方法)
圧力容器は、例えば、FW法により、長尺の強化繊維複合材を容器本体に巻き付け、必要に応じて硬化させる方法で製造できる。強化繊維複合材の巻き付け中、巻き付け後、及び硬化中の強化繊維の所定位置からの移動が小さくなるように、各種材料及び条件を設定する。

0026

圧力容器の製造方法としては、強化繊維束への樹脂の含浸と、強化繊維複合材の巻き付けを連続して行うウェット方式のFW法を採用することが好ましい。例えば、複数本の長尺の強化繊維束を引き揃えた強化繊維基材に硬化性樹脂を含浸させて強化繊維複合材とする。続いて、強化繊維複合材を容器本体の外側に巻き付けた後、硬化性樹脂を硬化させて複合材料層を形成する。
硬化性樹脂を炭素繊維束に含浸させる方法は、特に限定されず、公知の方法を採用できる。

0027

圧力容器の製造方法の具体例としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
図3に示すように、複数本の長尺の炭素繊維束を引き揃えた炭素繊維束20を、複数のガイドローラ102によって、硬化性樹脂Pが収容された樹脂槽100に案内する。樹脂槽100内の硬化性樹脂Pに外周面が接するように配置された樹脂添着ロール104を回転させ、前記外周面に付着した硬化性樹脂Pを炭素繊維束20に付着させ、含浸させて炭素繊維複合材22とする。このとき、樹脂添着ロール104の外周面における硬化性樹脂Pを付着させる側に、前記外周面から所定の距離だけ離間するようにスクレーパ106を配置し、余分な硬化性樹脂Pを掻き取る。次いで、炭素繊維複合材22を容器本体2の外側に巻き付け、硬化性樹脂Pを硬化させて複合材料層を形成する。
樹脂添着ロール104の外周面とスクレーパ106の先端との距離を調節することで、硬化性樹脂Pの付着量を調節し、炭素繊維複合材における炭素繊維の体積分率を調節することができる。

0028

強化繊維束への含浸時の樹脂粘度は、10〜1000mPa・sが好ましい。樹脂粘度が前記範囲の上限値以下であれば、含浸時に強化繊維束内に樹脂が含浸しやすい。樹脂粘度が前記範囲の下限値以上であれば、巻き付けから硬化前までの間に樹脂が飛散したり、移動したりすることを抑制しやすい。樹脂粘度は、樹脂の種類、及び含浸時の樹脂温度を調節することで調節できる。

0029

ウェット方式のFW法において樹脂粘度が低い場合、樹脂が飛散しない程度の速度で容器本体を回転させ、樹脂が滴下したり、移動して偏在したりしないようにすることが好ましい。強化繊維複合材の巻き付け後、樹脂の漏出や飛散を防ぐために樹脂フィルムテープ等を強化繊維複合材の上に巻いてもよい。ドライ方式のFW法では、強化繊維束に樹脂を含浸後、巻き付けまでの保管時に樹脂が移動しないように、常温での樹脂粘度はウェット方式の場合よりも高くすることが一般的である。硬化時には樹脂が流動し、強化繊維束間及び重なっている強化繊維複合材間の空間を満たすことが可能で、かつ流動しすぎて樹脂が流失することを抑制できる粘度特性とすることが好ましい。

0030

強化繊維複合材中の樹脂量は、硬化後の強化繊維束内の繊維間の隙間、繊維束間の空間、及び重なっている強化繊維複合材間を樹脂で充填することを考慮して設定する。また、巻き込まれた気体を流出させる目的で、若干多めに設定することが好ましい。ただし、樹脂量が多すぎると、巻き付けられた強化繊維複合材の締め付けによって樹脂が絞り出され、それに伴って強化繊維が所定の位置及び角度からずれるおそれがある。樹脂量が少ない場合は、強化繊維束内、強化繊維束間、強化繊維複合材間にボイド(空隙)が生じるおそれがある。複合材料層に大きなボイドが無い場合、繊維強度に依存する静的加圧による破裂試験に対しては影響が出にくい。しかし、多量のボイドがあると樹脂破壊のきっかけとなり、疲労性能の低下を招く。

0031

強化繊維複合材における強化繊維の体積分率は、55〜75体積%が好ましい。前記体積分率が前記範囲の下限値以上であれば、破裂圧力が高く、軽量で低コストの圧力容器が得られやすい。前記体積分率が前記範囲の上限値以下であれば、外観が良好で耐疲労に優れた圧力容器が得られやすい。

0032

硬化性樹脂を硬化させる方法は、硬化性樹脂の種類に応じて適宜選択すればよい。具体的には、熱硬化性樹脂を使用する場合は加熱により硬化させ、光硬化性樹脂を使用する場合は光照射により硬化させる。

0033

FW法による圧力容器の製造においては、強化繊維複合材の巻き付けの形態が各工程の影響で所望の形態とならず、複合材料層中に破壊の起点となるボイド等が発生し、破裂圧力が低下することがある。例えば、強化繊維複合材の重なり部分段差が大きくなると、気体を巻き込んでボイドが生じる。ドライ方式では、一般にウェット方式に比べて高粘度の樹脂が用いられるため、巻き付け後に樹脂が流動しにくいことでボイドが生じることがある。ウェット方式では、強化繊維束の形状、張力、含浸時間、樹脂粘度、樹脂添着量等が周囲の環境変化運転中の振動等で変動しやすく、強化繊維複合材の樹脂量が少なくなるとボイドが生じる。

0034

ウェット方式においては、樹脂の流動性を上げ、硬化前に巻き込んだ気体を追い出すボイド対策がある。しかし、この方法は、硬化前に流動性が高い樹脂が巻き付けた強化繊維複合材から垂れ落ちるため、強化繊維複合材の樹脂量を多めに設定する必要がある。そのため、余分な樹脂が絞り出されるのに伴い、特に容器本体に近い内側部分で強化繊維が緩んで繊維の蛇行屈曲が生じやすい。強化繊維に蛇行や屈曲が生じて配置がずれると、強化繊維の強度発現率が低下し、破裂圧力が低下する。

0035

このように、製造条件の制御によってボイドや強化繊維のずれ等を完全に防ぐことは難しい。強化繊維複合材の巻き付け量を多くすれば、破裂圧力が十分に高い圧力容器が得られるが、圧力容器が重くなるうえ、コストも高くなる。破壊試験を行った圧力容器は使用できないことから、特に軽量の圧力容器を得るためには、非破壊試験による圧力容器の検査方法が重要である。

0036

(検査方法)
本発明の圧力容器の検査方法は、非破壊試験によって圧力容器の状態を検査できる。具体的には、本発明の圧力容器の検査方法は、以下の工程(x)及び工程(y)を有する。
(x)使用圧力P0(MPa)として同じ設計に基づいて製造されたp個(ただし、pは3以上の整数である。)の圧力容器からなる圧力容器群V1、V2、・・・、Vi、・・・Vpについて、それぞれの圧力容器Viに対し、使用圧力P0以上の圧力PT(MPa)を負荷した状態で、直胴部の軸方向において異なる3箇所以上を含むq箇所(ただし、qは3以上の整数である。)でフープ方向の歪を測定する。
(y)q箇所のフープ方向の歪の標準偏差Xiを求め、標準偏差Xiを用いて各圧力容器Viの状態を判断する。

0037

pは、3以上の整数であり、3〜200の整数が好ましい。

0038

使用圧力P0は、製造する圧力容器について予め設定される使用時の内圧の最高値である。
圧力PT、すなわち試験圧力は、検査精度が高くなる点から、下記式(i)で表される条件を満たすことが好ましい。
1.0×P0≦PT≦1.5×P0 ・・・(i)
圧力PTは、圧力容器に破損が生じない範囲で、使用圧力P0に対して、1.0倍以上1.5倍以下が好ましく、1.5倍が特に好ましい。圧力PTが下限値以上であれば、使用時の歪範囲をカバーでき、上限値以内であれば、容器の欠陥を増やす可能性が少ない。圧力PTは、例えば、圧力容器内に水を充填することによって調節できる。

0039

工程(x)では、各圧力容器Viの直胴部の軸方向において異なる3箇所以上を含むq箇所でフープ方向の歪を測定する。
FW法で製造される圧力容器は、一般に容器が直胴部の軸方向に対して垂直方向破断して破壊部分が飛散しないように、フープ方向の強化繊維複合材が破裂強度に最もクリティカルになるように設計される。そのため、破裂圧力と歪との相関を見るために、フープ方向に沿って歪を測定する。具体的には、圧力容器の直胴部のフープ層の強化繊維束の繊維軸方向の歪を測定する。

0040

歪の測定箇所は、直胴部の軸方向において異なる3箇所以上を含むq箇所である。
本発明では、q箇所の測定箇所が、直胴部の軸方向における両側のドーム部とのそれぞれの境界近傍の2箇所と、直胴部の軸方向の中央の1箇所の合計3箇所を含むことが好ましい。例えば、図4に示すように、直胴部10における両側のドーム部12との境界近傍の2箇所の測定点a1,a3と、直胴部10の軸方向の中央の1箇所の測定点a2とを、直胴部10の軸方向に並べる態様が挙げられる。直胴部10の軸方向において異なる位置であれば、図5に示すように、3箇所の測定点a1〜a3を周方向において異なる位置にしてもよい。

0041

q個の測定箇所は、直胴部の軸方向において異なる測定箇所を3箇所以上含んでいれば、直胴部の軸方向は同じ位置で、周方向に異なる2箇所以上の測定箇所を含んでいてもよい。歪と破裂圧力との相関が高く、圧力容器の状態の検査精度がより高くなる点では、q個の測定箇所がすべて直胴部の軸方向において互いに異なる位置であることが好ましい。

0042

qは、3以上の整数であり、3〜15の整数が好ましく、3〜6の整数がより好ましい。qが前記範囲の下限値以上であれば、圧力容器の状態を高い精度で検査できる。qが前記範囲の上限値以下であれば、コストの増加や作業負荷を抑えることができる。

0043

歪の測定方法としては、特に限定されず、ひずみゲージ法、オプティカルファイバー法、画像相関法等を例示できる。

0044

工程(y)では、q箇所のフープ方向の歪の標準偏差Xiを求め、標準偏差Xiを用いて各圧力容器Viの状態を判断する。
標準偏差Xiは、下記式(1)及び(2)から求められる。

0045

0046

ただし、前記式(1)及び(2)中、εijは、圧力容器Viのj箇所目の歪の測定値である。εiaveは、圧力容器Viのq箇所の歪の平均値である。

0047

例えば、圧力容器群のうち、標準偏差Xiが小さい圧力容器Viから順にn個(ただし、nは、1〜pの整数である。)の圧力容器を状態が良好であると判断する。nは、使用圧力P0、容器本体及び複合材料層の材料、成形条件等、圧力容器の設計に応じて適宜設定できる。

0048

本発明では、他の容器と比較しやすくなる点から、それぞれの圧力容器Viに対し、標準偏差Xiからフープ方向の歪のばらつきの変動係数Cvi(%)を求め、変動係数Cvi(%)を用いて各圧力容器Viの状態を判断することが好ましい。
変動係数Cviは、下記式(3)から求められる。

0049

0050

変動係数Cviは圧力容器の破裂圧力と相関があり、変動係数Cviが低いほど、破裂圧力が高い圧力容器である。そのため、圧力容器の設計に応じて変動係数Cviの閾値を設定して、製造した圧力容器群のうち、変動係数Cviが閾値以下の圧力容器を状態が良好であると判断することができる。
変動係数Cviの閾値は、圧力容器の設計に応じて適宜設定でき、例えば、後述の製造例のような材料、積層構成、形状、及び製造条件の場合、10%とすることができる。

0051

以上説明したように、本発明では、p個の圧力容器のそれぞれに対し、圧力PTを負荷した状態で、直胴部の軸方向において異なる3箇所以上を含むq箇所でフープ方向の歪を測定し、その標準偏差Xiを用いて各圧力容器Viの状態を判断する。標準偏差Xi、及び標準偏差Xiから求められる変動係数Cviは、圧力容器の破裂圧力と相関があるため、非破壊で圧力容器の状態を判断することができる。このように、本発明の圧力容器の検査方法によれば、ボイドの発生、強化繊維束の蛇行や屈曲等による破裂圧力の低下の有無を非破壊で判断できるため、破裂圧力が高い圧力容器を安定して確保することができる。
また、強化繊維複合材の巻き付け量を過度に多くしなくても、破裂圧力が高い圧力容器を確保できるため、圧力容器を軽量化することができ、コスト面でも有利である。

0052

以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。本実施例では、炭素繊維束への樹脂添着量を変更して複数の圧力容器を製造し、その状態を確認した。
原料
本実施例に使用した原料を以下に示す。
(炭素繊維束)
炭素繊維束(A−1):Mitsubishi Chemical Carbon fiber and Compasites社製の商品名「Grafil 37−800WD」(フィラメント数:30,000本、繊維繊度:1.675g/m)。

0053

硬化性樹脂組成物
硬化性樹脂組成物(B−1):ビスフェノールA型エポキシ樹脂(Huntsman社製、商品名「Araldite LY 564/1564」)100質量部に対して、硬化剤(Huntsman社製、商品名「Aradur 917」)を98質量部、促進剤(Huntsman社製、商品名「Accelerator 960−1」)を3質量部配合した組成物

0054

(容器本体用樹脂
容器本体用樹脂(C−1):ポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン社製、商品名「ノバテックHB111R」)。

0055

(口金)
アルミ合金6061に熱処理T6を施したブロックから、容器本体との接合ネジ、及びFW装置の軸及び加圧ノズルを取り付けるためのネジを切った口金を切削加工によって得た。

0056

[製造例1]
容器本体用樹脂(C−1)を用いたブロー成形により、図1に例示した容器本体2を作製した。容器本体2のドーム部先端の口金接合部のネジ部にアルミ接着剤を塗布し、口金4をねじ込みながら接着固定した。
使用圧力P0(MPa)よりも十分に大きい目標の破裂圧力を表1に示すとおりに設定し、それを満たすように炭素繊維複合材の樹脂添着量及び巻き付け量を調節し、FW法で圧力容器A〜Iを製造した。
具体的には、樹脂添着ロール104を用いて長尺の炭素繊維束(A−1)に硬化性樹脂組成物(B−1)を添着し、容器本体2の外側に巻き付けた後、硬化炉に導いて95℃で加熱し、硬化して圧力容器を得た。硬化炉における加熱時間(硬化時間)は、炭素繊維複合材の巻き付け量に応じて2〜12時間の範囲で決定した。製造中は、樹脂添着ロール104の外周面とスクレーパ106の先端との距離を調節し、樹脂添着ロール104の外周面上の硬化性樹脂組成物(B−1)の厚みを調節することで、炭素繊維束(A−1)への硬化性樹脂組成物(B−1)の添着量を調節した。

0057

[容器発現率
各圧力容器について、水圧式加圧試験器により、破裂圧力を測定した。目標の破裂圧力に対する破裂圧力の測定値の割合を容器発現率として算出した。

0058

[例1]
以下の3つの検査方法で圧力容器A〜Iの状態を検査した。
(検査方法I)
設計の使用圧力P0に対して1.5倍の圧力PT(MPa)を負荷した状態の圧力容器の直胴部において、軸方向の両側のドーム部との境界近傍と、中央の3箇所(図6の測定点a〜c)のフープ方向の歪をひずみゲージを用いて測定し、式(1)〜(3)からフープ方向の歪の変動係数Cviを求めた。

0059

(検査方法II)
検査方法Iの3点に加え、直胴部の軸方向の中央において、検査方法Iでの測定点bから周方向に90°方向の2箇所のフープ方向の歪を同様に測定し、合計5箇所(図6の測定点a〜e)のフープ方向の歪を用いて式(1)〜(3)から変動係数Cviを求めた。
圧力容器Aの測定点a〜eのそれぞれにおける歪と圧力PTとの関係を図7に示す。

0060

(検査方法III)
検査方法I、IIで測定した直胴部の軸方向の中央における周方向の3箇所(図6の測定点b、d、e)のフープ方向の歪を用いて式(1)〜(3)から変動係数Cviを求めた。
各検査方法による標準偏差Xi及び変動係数Cviを表1に示す。

0061

実施例

0062

表1及び図7に示すように、直胴部の軸方向の異なる3箇所のフープ方向の歪を用いる検査方法I、IIは、変動係数Cviと容器発現率との相関が見られ、変動係数Cviが低いほど容器発現率が高かった。特に直胴部の軸方向の異なる3箇所のフープ方向の歪のみを用いた検査方法Iは、変動係数Cviと容器発現率との相関が高かった。
一方、直胴部の周方向の異なる3箇所のフープ方向の歪を用いる検査方法IIIは、変動係数Cviと容器発現率との相関が低かった。

0063

1…圧力容器、2…容器本体、3…繊維強化樹脂複合材料層、4…口金、10…直胴部、12…ドーム部。

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