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図面 (20)

課題

アクチュエータ回転角を検出する回転角センサ異常検出処理を適切に実行する。

解決手段

クラッチ(30)と、クラッチを駆動するアクチュエータ(74)と、アクチュエータの回転角を検出する回転角センサ(135)と、クラッチの駆動を伴う変速要求が生成され又は変速要求の生成が予測された場合に、変速要求に応じた変速動作よりも前に、アクチュエータの駆動を伴う回転角センサの異常検出処理を実行する処理部(158)とを含む、車両用駆動装置(1)が開示される。

概要

背景

ブラシレスDCモータアクチュエータの一例)のロータ位置を検出する複数のホールセンサ回転角センサの一例)からの出力に基づく複数の位置検出信号のうちいずれかの異常を検出する技術が知られている。

概要

アクチュエータの回転角を検出する回転角センサの異常検出処理を適切に実行する。クラッチ(30)と、クラッチを駆動するアクチュエータ(74)と、アクチュエータの回転角を検出する回転角センサ(135)と、クラッチの駆動を伴う変速要求が生成され又は変速要求の生成が予測された場合に、変速要求に応じた変速動作よりも前に、アクチュエータの駆動を伴う回転角センサの異常検出処理を実行する処理部(158)とを含む、車両用駆動装置(1)が開示される。

目的

本発明は、アクチュエータの回転角を検出する回転角センサの異常検出処理を適切に実行することを目的とする

効果

実績

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請求項1

クラッチと、前記クラッチを駆動するアクチュエータと、前記アクチュエータの回転角を検出する回転角センサと、前記クラッチの駆動を伴う変速要求が生成され又は前記変速要求の生成が予測された場合に、前記変速要求に応じた変速動作よりも前に、前記アクチュエータの駆動を伴う前記回転角センサの異常検出処理を実行する処理部とを含む、車両用駆動装置

請求項2

車速制御パラメータとの第1関係に基づいて前記変速要求が生成され、前記処理部は、車速と前記制御パラメータとの第2関係に基づいて、前記変速要求の生成を予測する、請求項1に記載の車両用駆動装置。

請求項3

前記処理部は、前記変速要求が生成された場合に、前記変速要求に応じた変速動作に先立って前記異常検出処理を実行する、請求項1又は2に記載の車両用駆動装置。

請求項4

前記異常検出処理は、前記クラッチの係合状態非係合状態との間の遷移が生じない範囲内で前記アクチュエータを駆動する駆動処理を含む、請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の車両用駆動装置。

請求項5

第1方向に可動係合体と、前記第1方向に交差する第2方向で前記係合体に対して相対的に移動可能であり、前記係合体が嵌まることが可能な凹部を、前記第2方向に沿って複数備える凹部形成部材と、前記第1方向に前記凹部形成部材に向けて前記係合体を付勢する弾性部材とを更に含み、前記アクチュエータは、前記係合体に対する前記凹部形成部材の移動のための駆動力を発生し、前記クラッチの係合状態と非係合状態との間の遷移は、前記係合体が複数の前記凹部のうちの一の凹部に嵌まった状態から前記係合体が他の一の凹部に嵌まる状態へ遷移を伴い、前記処理部は、前記係合体が前記一の凹部に嵌まった状態での前記駆動処理において、前記係合体が前記他の一の凹部に嵌まる状態へと遷移しない範囲で前記アクチュエータを駆動する、請求項4に記載の車両用駆動装置。

請求項6

複数の前記凹部のうちの、前記第2方向の一端側の第1凹部に対応して設けられ、該第1凹部に前記係合体が嵌まった状態からの前記係合体に対する前記凹部形成部材の移動距離であって前記第2方向の第1側への移動距離を規制する第1規制部を更に含み、前記処理部は、前記係合体が前記第1凹部に嵌まった状態での前記駆動処理において、前記凹部形成部材の移動方向が前記第1側になるように前記アクチュエータを駆動する、請求項5に記載の車両用駆動装置。

請求項7

複数の前記凹部のうちの、前記第2方向の他端側の第2凹部に対応して設けられ、該第2凹部に前記係合体が嵌まった状態からの前記係合体に対する前記凹部形成部材の移動距離であって前記第2方向の前記第1側とは逆の第2側への移動距離を規制する第2規制部を更に含み、前記処理部は、前記係合体が前記第2凹部に嵌まった状態での前記駆動処理において、前記凹部形成部材の移動方向が前記第2側になるように前記アクチュエータを駆動する、請求項6に記載の車両用駆動装置。

請求項8

前記アクチュエータは、複数の磁極を備える電気モータであり、前記処理部は、前記駆動処理において、電気角で360°以上、前記電気モータを回転させる、請求項4〜7のうちのいずれか1項に記載の車両用駆動装置。

請求項9

前記異常検出処理は、前記駆動処理の際の前記回転角センサからの出力に基づいて、前記回転角センサの異常の有無を判定する処理を更に含む、請求項4〜8のうちのいずれか1項に記載の車両用駆動装置。

請求項10

前記クラッチは、モータ車輪との間に接続され、前記クラッチの係合状態において車両の始動及び駐車が可能である、請求項1〜9のうちのいずれか1項に記載の車両用駆動装置。

請求項11

第1方向に可動な係合体と、前記第1方向に交差する第2方向で前記係合体に対して相対的に移動可能であり、前記係合体が嵌まることが可能な凹部を、前記第2方向に沿って複数備える凹部形成部材と、前記第1方向に前記凹部形成部材に向けて前記係合体を付勢する弾性部材と、複数の前記凹部のうちの、前記第2方向の一端側の一の凹部に対応して設けられ、該一の凹部に前記係合体が嵌まった状態からの前記係合体に対する前記凹部形成部材の移動距離であって前記第2方向の前記一端側とは逆側への移動距離を規制する規制部と、前記係合体に対する前記凹部形成部材の移動のための駆動力を発生するアクチュエータと、前記アクチュエータの回転角を検出する回転角センサと、前記係合体が前記一の凹部に嵌まった状態である場合に、前記凹部形成部材の移動方向が前記第2方向の前記一端側とは逆側になるように前記アクチュエータを駆動し、前記アクチュエータを駆動した際の前記回転角センサの出力に基づいて、前記回転角センサの異常検出処理を実行する処理部とを含む、車両用駆動装置。

技術分野

0001

本開示は、車両用駆動装置に関する。

背景技術

0002

ブラシレスDCモータアクチュエータの一例)のロータ位置を検出する複数のホールセンサ回転角センサの一例)からの出力に基づく複数の位置検出信号のうちいずれかの異常を検出する技術が知られている。

先行技術

0003

特開2017−169430号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところで、変速機において、クラッチの状態を非係合状態係合状態との間で遷移させる動力をアクチュエータで発生させる構成がある。この構成の場合、アクチュエータの回転角を検出する回転角センサを設け、当該回転角センサの状態を適切に監視しつつ、クラッチの制御の信頼性を高めることが有用である。

0005

そこで、1つの側面では、本発明は、アクチュエータの回転角を検出する回転角センサの異常検出処理を適切に実行することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

1つの側面では、クラッチと、
前記クラッチを駆動するアクチュエータと、
前記アクチュエータの回転角を検出する回転角センサと、
前記クラッチの駆動を伴う変速要求が生成され又は前記変速要求の生成が予測された場合に、前記変速要求に応じた変速動作よりも前に、前記アクチュエータの駆動を伴う前記回転角センサの異常検出処理を実行する処理部とを含む、車両用駆動装置が提供される。

発明の効果

0007

1つの側面では、本発明によれば、アクチュエータの回転角を検出する回転角センサの異常検出処理を適切に実行することが可能となる。

図面の簡単な説明

0008

一実施例による車両用駆動装置の構成を示す概略図である。
車両用駆動装置における遊星歯車機構速度線図である。
シフトディテント機構における一状態(N位置)を示す概略図である。
シフトディテント機構における他の一状態(Lo位置)を示す概略図である。
シフトディテント機構における他の一状態(Hi位置)を示す概略図である。
シフトディテント機構における他の一状態(第1ストッパ機能位置)を示す概略図である。
シフトディテント機構における他の一状態(第2ストッパ機能位置)を示す概略図である。
制御装置ハードウェア構成の一例を示す概略図である。
制御装置の機能構成の一例を示す概略図である。
変速制御の一例を概略的に示すタイミングチャートである。
変速要求予測部による予測方法の一例の説明図である。
アクチュエータ回転角センサの配置の説明図である。
正回転時のアクチュエータ回転角センサからの出力波形(及び該出力波形に基づく出力信号)を示す図である。
逆回転時のアクチュエータ回転角センサからの出力波形(及び該出力波形に基づく出力信号)を示す図である。
異常判定用の出力信号の関係を示す図である。
異常検出処理に関連して制御装置により実行される処理の一例を示す概略フローチャートである。
図10の異常検出処理ルーチン(ステップS118)の一例を示す概略フローチャートである。
“Nモード”での異常検出処理(ステップS208)の一例を示す概略フローチャートである。
“Lowモード”での異常検出処理(ステップS216)の一例を示す概略フローチャートである。

実施例

0009

以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。なお、本明細書において、「所定」とは、「予め定められた」という意味で使用されている。

0010

図1は、一実施例による車両用駆動装置1の構成を示す概略図である。図1では、車両用駆動装置の一部の構成がスケルトン図で示されている。

0011

車両用駆動装置1は、電気自動車用駆動装置であり、モータ10(回転電機の一例)と、遊星歯車機構20と、係合装置30(クラッチの一例)と、第1ギア列41と、第2ギア列42とを備える。

0012

モータ10は、車両駆動用回転トルクを発生する。なお、モータ10のタイプや構造等は任意である。モータ10は、ジェネレータ発電機)としても機能できるモータ・ジェネレータであってもよい。

0013

遊星歯車機構20は、モータ10と出力軸60との間に設けられる。本実施例では、一例として、遊星歯車機構20は、シングルピニオンタイプである。遊星歯車機構20は、サンギア21と、リングギア22と、ピニオン23と、キャリア24とを含む。

0014

係合装置30は、機械的な噛み合い状態と非噛み合い状態を選択的に形成可能なクラッチである。係合装置30は、ドッグクラッチ301、302を備える。ドッグクラッチ301、302は、それぞれ、軸方向に近接すると噛み合い状態となりかつ軸方向に離間すると非噛み合い状態となる2つの要素を備える。なお、近接とは、互いの一部が軸方向で重なる状態を含む概念である。

0015

本実施例では、図1に示すように、係合装置30は、スリーブの形態の第1要素31と、クラッチリングの形態の第2要素32A、32Bと、クラッチハブ304とを含む。この場合、係合装置30は、第1要素31と第2要素32Aとが一のドッグクラッチ301を形成し、第1要素31と第2要素32Bとが別の一のドッグクラッチ302を形成する。なお、この場合、第1要素31は、2つのドッグクラッチ301、302を形成する共通の要素である。

0016

第1要素31は、軸Isに関して実質的に回転対称な形態を有する。第1要素31は、内周側に周方向に沿って所定角度ごとに噛み合い用の歯状部311を有する。歯状部311は、例えば軸方向の端部(歯先)がチャンファの形態であってよい。各歯状部311は、径方向内側に突出する態様で軸Isに対する径方向に延在し、複数の歯状部311は、軸Isに沿った方向に視て放射状に延在する。

0017

第1要素31は、外周面に径方向内側に凹む凹溝312を有する。凹溝312は、周方向で全周にわたり延在する。凹溝312は、後述するようにシフトフォーク70と協動する。

0018

第1要素31は、クラッチハブ304に対して、軸Isに沿って並進可能であり、かつ、軸Isまわりに回転不能な態様で、設けられる。例えば、第1要素31は、クラッチハブ304とスプライン結合されてよい。クラッチハブ304は、サンギア21の軸Isと一体回転する。従って、第1要素31は、クラッチハブ304とともにサンギア21の軸Isと一体回転するが、サンギア21の軸Isに沿って並進可能である。

0019

このようにして、第1要素31は、回転状態で又は非回転状態で、図1に示す中立位置と、第2要素32Aと噛み合う位置(図1の位置P100参照)と、第2要素32Bと噛み合う位置(図1の位置P200参照)との間で、軸Isに沿って並進可能である。

0020

第2要素32Aは、軸Isに関して実質的に回転対称な形態を有する。第2要素32Aの外周面は、第1要素31の内周面よりも径が小さく、その径方向の差に応じた径方向の長さで第1要素31の歯状部311及び第2要素32Aの歯状部321A(後述)が形成される。第2要素32Aは、第1要素31の歯状部311と同様、周方向に沿って所定角度ごとに噛み合い用の歯状部321Aを有する。歯状部321Aは、第2要素32Aの外周面に周方向に沿って形成される。各歯状部321Aは、径方向外側に突出する態様で軸Isに対する径方向に延在し、複数の歯状部321Aは、軸Isに沿った方向に視て放射状に延在する。なお、複数の歯状部321Aは、一部の歯状部321Aが他の歯状部321Aに比べて、軸Isに沿った方向で第1要素31側に長くなる態様で形成されてもよい。

0021

第2要素32Aの歯状部321A及び第1要素31の歯状部311は、第2要素32Aと第1要素31とが軸方向に近接すると噛み合い状態を形成する。噛み合い状態が形成されると、第1要素31と第2要素32Aの間で軸Isまわりの回転トルクの伝達が可能となる。

0022

第2要素32Aは、第2要素32Bとは異なり、固定要素であり、例えばモータハウジング(図示せず)に固定される。

0023

第2要素32Bは、第2要素32Aと同様、軸Isに関して実質的に回転対称な形態を有し、周方向に沿って所定角度ごとに噛み合い用の歯状部321Bを有する。

0024

第2要素32Bの歯状部321B及び第1要素31の歯状部311は、第2要素32Bと第1要素31とが軸方向に近接すると噛み合い状態を形成する。噛み合い状態が形成されると、第1要素31と第2要素32Bの間で軸Isまわりの回転トルクの伝達が可能となる。

0025

第2要素32Bは、回転要素であり、後述のように、キャリア24の回転軸Icと一体回転する。

0026

第1ギア列41は、径方向で噛み合うギアG1とギアG2とからなる。ギアG1は、回転軸Icに設けられ、回転軸Icと一体回転し、ギアG2は、カウンタ軸50に設けられ、カウンタ軸50と一体回転する。

0027

第2ギア列42は、径方向で噛み合うギアG3とギアG4とからなる。ギアG3は、カウンタ軸50に設けられ、カウンタ軸50と一体回転する。ギアG4は、出力軸60に設けられ、出力軸60と一体回転する。

0028

車両用駆動装置1は、更に、シフトフォーク70と、ボールねじ機構72と、アクチュエータ74とを含む。

0029

シフトフォーク70は、第1要素31の凹溝312に摺動可能に嵌合する。すなわち、シフトフォーク70は、第1要素31の軸Isまわりの回転を可能とする一方、第1要素31の軸Isに沿った方向の相対的な移動を拘束する。

0030

シフトフォーク70は、ボールねじ機構72のナット721に結合される。なお、ナット721は、シフトフォーク70と一体的に形成されてよい。

0031

ボールねじ機構72は、ナット721と、ねじ軸722と、ボール(図示せず)等を含む。

0032

アクチュエータ74は、例えば正逆回転可能な電気モータであり、ねじ軸722に連結される。アクチュエータ74は、ねじ軸722を正回転させると、ナット721及びそれに伴いシフトフォーク70が、ねじ軸722に沿って一方側に移動され、ねじ軸722を逆回転させると、ナット721及びそれに伴いシフトフォーク70が、ねじ軸722に沿って他方側に移動される。

0033

このようにして、アクチュエータ74が駆動されると、シフトフォーク70及びそれに伴い第1要素31は、ボールねじ機構72を介して、軸Isに沿って並進駆動される。

0034

また、車両用駆動装置1は、更に、シフトディテント機構90を備える。

0035

シフトディテント機構90は、シフトフォーク70の位置を規定することで、第1要素31の軸Isに沿った方向の位置を、複数の安定化位置で規定(安定化)する機能を有する。本実施例では、複数の安定化位置は、第1要素31と第2要素32Aとが噛み合う位置と、第1要素31と第2要素32Bとが噛み合う位置と、第1要素31が第2要素32A、32Bのいずれとも噛み合わない中立位置とに対応する。

0036

シフトディテント機構90は、フォークシャフト92(凹部形成部材の一例)と、コイルばね94(弾性部材の一例)と、ロックボール96(係合体の一例)とを含む。

0037

フォークシャフト92は、シフトフォーク70と一体の部材であり、例えば、図1に模式的に示すように、ナット721に結合される。フォークシャフト92は、上述した3つの安定化位置に対応して、3つの凹部(ディテント)920、921、922を有する。凹部920、921、922は、フォークシャフト92の移動方向に沿って並ぶ態様で設けられる。

0038

コイルばね94は、ロックボール96をフォークシャフト92に向けて付勢する。コイルばね94は、一端が例えばモータハウジング(図示せず)に支持され、他端にロックボール96が設けられる。

0039

ロックボール96は、コイルばね94によりフォークシャフト92に向けて付勢されることで、フォークシャフト92に設けられる凹部920、921、922のいずれかに嵌まることができる。ロックボール96が凹部920、921、922のいずれかに嵌まると、その位置からのフォークシャフト92の安易な移動が困難となり、その位置でフォークシャフト92を安定化させる機能を有する。なお、ロックボール96が凹部920、921、922のいずれかに嵌まるときのフォークシャフト92の位置は、上述した3つの安定化位置に対応する。具体的には、ロックボール96が凹部922に嵌まる状態は、第1要素31と第2要素32Bとが噛み合う状態(後述の第2噛み合い状態)に対応し、ロックボール96が凹部920に嵌まる状態は、第1要素31が第2要素32A、32Bのいずれとも噛み合わない状態(後述の非噛み合い状態)に対応し、ロックボール96が凹部921に嵌まる状態は、第1要素31と第2要素32Aとが噛み合う状態(後述の第1噛み合い状態)に対応する。

0040

次に、図1を依然として参照しつつ、モータ10、遊星歯車機構20、係合装置30等の接続関係車両駆動に関連した接続関係)について説明する。

0041

モータ10には、遊星歯車機構20を介して出力軸(ディファレンシャル軸)60が接続される。具体的には、モータ10の出力軸は、遊星歯車機構20のリングギア22に連結され、リングギア22と一体回転する。遊星歯車機構20は、キャリア24が、出力軸60に接続される。すなわち、キャリア24の回転軸Icは、第1ギア列41を介してカウンタ軸50に接続され、カウンタ軸50が第2ギア列42を介して出力軸60に接続される。このようにして、モータ10は、遊星歯車機構20のリングギア22、キャリア24、第1ギア列41、及び第2ギア列42を介して、出力軸60に接続される。

0042

また、モータ10には、遊星歯車機構20を介して係合装置30が接続される。具体的には、遊星歯車機構20のキャリア24の回転軸Icには、ドッグクラッチ302の第2要素32Bが連結される。第2要素32Bは、回転軸Icまわりに、回転軸Icと一体回転する。また、遊星歯車機構20のサンギア21の回転軸である軸Isには、ドッグクラッチ301、302を形成する第1要素31が連結される。第1要素31は、軸Isと一体回転する。なお、第1要素31は、上述のように、軸Isに対して、軸方向に並進可能かつ軸まわりに回転不能に設けられる。すなわち、第1要素31は、サンギア21と一体回転するが、軸方向に移動可能である。

0043

次に、図2を参照して、車両用駆動装置1の変速について概説する。図2は、車両用駆動装置1における遊星歯車機構20の速度線図である。

0044

本実施例では、係合装置30は、第1要素31と第2要素32Aとが噛み合う状態(以下、「第1噛み合い状態」と称する)と、第1要素31と第2要素32Bとが噛み合う状態(以下、「第2噛み合い状態」と称する)と、第1要素31が第2要素32A、32Bのいずれとも噛み合わない状態(以下、「非噛み合い状態」と称する)との間で、遷移可能である。なお、第1噛み合い状態は、ドッグクラッチ301の係合状態に対応し、第2噛み合い状態は、ドッグクラッチ302の係合状態に対応し、非噛み合い状態は、ドッグクラッチ301、302の非係合状態に対応する。

0045

係合装置30の第1噛み合い状態が実現されると、低速ギア段が実現される。具体的には、第1噛み合い状態では、第2要素32Aによってサンギア21が固定される。従って、モータ10の回転速度は、遊星歯車機構20で減速されて回転軸Icに出力され(図2の“Low”のライン参照)、回転軸Icの回転速度は、更に、第1ギア列41(ギアG1及びギアG2)及び第2ギア列42(ギアG3及びギアG4)により減速されて出力軸60に出力される。

0046

係合装置30の第2噛み合い状態が実現されると、高速ギア段が実現される。具体的には、第2噛み合い状態では、第2要素32Bによってサンギア21とキャリア24の回転軸Icとが一体化される。従って、モータ10の回転速度は、遊星歯車機構20で減速されることなくそのまま回転軸Icに出力され(図2の“High”のライン参照)、回転軸Icの回転速度は、第1ギア列41(ギアG1及びギアG2)及び第2ギア列42(ギアG3及びギアG4)により減速されて出力軸60に出力される。

0047

係合装置30の非噛み合い状態が実現されると、ニュートラルが実現される。具体的には、回転軸Icが出力軸60から反力を受けた状態で、サンギア21がフリーとなる。

0048

次に、図3A図4を参照して、シフトディテント機構90の詳細を説明する。

0049

ここでは、まず、図3A図3Eを参照して、シフトディテント機構90における各状態について説明する。

0050

図3A図3Eは、シフトディテント機構90における各状態(フォークシャフト92上のロックボール96の各位置)の説明図である。図3A図3Eには、非常に模式的に各要素が示され、また、ストッパ部ST1、ST2が同様に模式的に示される。また、図3A図3Eには、軸Isに平行な方向としてX方向(第2方向の一例)と、X方向に垂直なY方向(第1方向の一例)とが示され、それぞれの方向に、X1側(第1側の一例)とX2側(第2側の一例)、Y1側とY2側とが示される。また、図3A図3Eには、説明用に、シフトフォーク70及び第1要素31の位置に対して、対応する変速段「High」、「Low」、及び「ニュートラル(N)」を表す点線Lo、Hi、Nが対応付けられている。なお、図3A図3Eでは、ストッパ部ST1、ST2と第1要素31との関係を示すために、第2要素32A、32Bの図示は省略されている。

0051

図3Aは、ロックボール96が凹部920に嵌まるときのフォークシャフト92の位置(N位置)を示す模式図であり、図3Bは、ロックボール96が凹部921に嵌まるときのフォークシャフト92の位置(以下、「Lo位置」と称する)を示す模式図であり、図3Cは、ロックボール96が凹部922に嵌まるときのフォークシャフト92の位置(以下、「Hi位置」と称する)を示す模式図である。図3Dは、ストッパ部ST1(第1規制部の一例)が機能するときのフォークシャフト92の位置(以下、「第1ストッパ機能位置」と称する)を示す模式図であり、図3Eは、ストッパ部ST2(第2規制部の一例)が機能するときのフォークシャフト92の位置(以下、「第2ストッパ機能位置」と称する)を示す模式図である。

0052

ストッパ部ST1は、機械的なストッパであり、例えば、図3Dに示すように、第1要素31に対して軸Isに沿った方向(すなわちX方向)に当接する壁の形態である。ストッパ部ST1は、第1要素31に対してX方向X1側に設けられる。これにより、ストッパ部ST1は、第1要素31に当接することで、第1要素31のX方向X1側への更なる移動を規制し、それに伴い、ロックボール96に対するフォークシャフト92のX方向X1側への更なる移動を規制する。ただし、ストッパ部ST1は、シフトフォーク70やフォークシャフト92等のような、第1要素31と一体に移動する他の部材に対して機能してもよい。

0053

ストッパ部ST2は、機械的なストッパであり、例えば、図3Eに示すように、第1要素31に対して軸Isに沿った方向に当接する壁の形態である。ストッパ部ST2は、第1要素31に対してX方向X2側に設けられる。これにより、ストッパ部ST2は、第1要素31に当接することで、第1要素31のX方向X2側への更なる移動を規制し、それに伴い、ロックボール96に対するフォークシャフト92のX方向X2側への更なる移動を規制する。ただし、ストッパ部ST2は、シフトフォーク70やフォークシャフト92等のような、第1要素31と一体に移動する他の部材に対して機能してもよい。

0054

次に、図4及び図5を参照して、車両用駆動装置1の制御系について説明する。車両用駆動装置1の制御系は、車両用駆動装置1を制御するための制御装置100を含む。

0055

図4は、制御装置100のハードウェア構成の一例を示す概略図である。図4には、制御装置100のハードウェア構成に関連付けて、他の車載電子機器130が模式的に図示されている。

0056

他の車載電子機器130は、モータ10や、アクチュエータ74に加えて、シフトポジションセンサ131や、車輪速センサ132、モータ回転数センサ134、アクチュエータ回転角センサ135(回転角センサの一例)等を含む。

0057

シフトポジションセンサ131は、ユーザ(運転者)により操作されるシフトレバーの位置を検出し、シフトレバーの位置に応じた信号を生成する。車輪速センサ132は、車速に応じた信号を生成する。モータ回転数センサ134は、モータ10の回転数に応じた信号を生成する。なお、モータ回転数センサ134は、レゾルバであってよい。アクチュエータ回転角センサ135は、アクチュエータ74の回転角に応じた信号を生成する。アクチュエータ回転角センサ135は、例えばホールIC(IntegratedCircuit)やレゾルバ等であってよい。

0058

制御装置100は、バス119で接続されたCPU(Central Processing Unit)111、RAM(Random Access Memory)112、ROM(Read Only Memory)113、補助記憶装置114、ドライブ装置115、及び通信インターフェース117、並びに、通信インターフェース117に接続された有線送受信部125及び無線送受信部126を含む。

0059

補助記憶装置114は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や、SSD(Solid State Drive)などであり、アプリケーションソフトウェアなどに関連するデータを記憶する記憶装置である。
有線送受信部125は、CAN(Controller Area Network)やLIN(Local Interconnect Network)などのプロトコルに基づく有線ネットワーク128を利用して通信可能な送受信部を含む。有線送受信部125には、他の車載電子機器130が接続される。ただし、他の車載電子機器130の一部又は全部は、バス119に接続されてもよいし、無線送受信部126に接続されてもよい。

0060

無線送受信部126は、無線ネットワークを利用して通信可能な送受信部である。無線ネットワークは、携帯電話無線通信網インターネット、VPN(Virtual Private Network)、WAN(Wide Area Network)等を含んでよい。また、無線送受信部126は、近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)部、ブルートゥース(Bluetooth、登録商標)通信部、Wi−Fi(Wireless−Fidelity)送受信部、赤外線送受信部などを含んでもよい。

0061

なお、制御装置100は、記録媒体116と接続可能であってもよい。記録媒体116は、所定のプログラムを格納する。この記録媒体116に格納されたプログラムは、ドライブ装置115を介して制御装置100の補助記憶装置114等にインストールされる。インストールされた所定のプログラムは、制御装置100のCPU111により実行可能となる。例えば、記録媒体116は、CD(Compact Disc)−ROM、フレキシブルディスク光磁気ディスク等のように情報を光学的、電気的あるいは磁気的に記録する記録媒体、ROM、フラッシュメモリ等のように情報を電気的に記録する半導体メモリ等であってよい。

0062

図5は、制御装置100の機能構成の一例を示す概略図である。なお、図5に示す機能構成は、車両用駆動装置1のすべての機能を実現するためのすべての機能構成を必ずしも表すものでなく、特定の機能にのみ関連した構成を表す。

0063

制御装置100は、図5に示すように、センサ情報取得部150と、要求ギア段検出部151と、モータ制御部152と、アクチュエータ制御部153と、アクチュエータ情報生成部154と、位置情報生成部156と、変速制御部157と、異常検出部158(処理部の一例)とを含む。センサ情報取得部150、要求ギア段検出部151、モータ制御部152、アクチュエータ制御部153、アクチュエータ情報生成部154、位置情報生成部156、変速制御部157、及び異常検出部158は、CPU111が記憶装置(例えばROM113)内の1つ以上のプログラムを実行することで実現できる。

0064

センサ情報取得部150は、シフトポジションセンサ131や、車輪速センサ132、アクチュエータ回転角センサ135等から各種センサ情報を取得する。

0065

要求ギア段検出部151は、シフトポジションセンサ131からのセンサ情報に基づいて、変速段の変更要求(以下、「変速要求」とも称する)があるか否かを判定する。要求ギア段検出部151は、変速要求がある場合は、実現すべき変速段(以下、「要求ギア段」)を判定(検出)する。本実施例では、一例として、変速段は、「High」と「Low」の2段と、「ニュートラル」とを含む。マニュアルモードの場合は、要求ギア段検出部151は、シフトポジションセンサ131からのセンサ情報に基づいて、変速要求及び要求ギア段を検出できる。

0066

また、要求ギア段検出部151は、例えばシフトポジションセンサ131からのセンサ情報が「D」レンジシフト位置を表すときは、例えば車速とアクセル開度との関係に基づいて、要求ギア段を検出する。なお、変速要求及び要求ギア段は、外部(上位)のECU(Electronic Control Unit)から取得されてもよい。

0067

モータ制御部152は、モータ10を制御する。モータ制御部152は、運転者からの要求トルク(例えばアクセル開度から導出)に基づいて、モータ10の出力トルク制御目標値である目標トルクを決定し、当該目標トルクが実現されるようにモータ10を制御する。また、いわゆる自動運転モードがある車両においては、目標トルクは、周辺監視センサミリ波レーダやLiDAR:Light Detection and Ranging、画像センサ等)からの周辺情報インフラ情報等に基づいて決定されてもよい。以下では、運転者からの要求トルクや周辺環境等から決まる目標トルクを、後述する変速制御中の他の因子から定まる目標トルクと区別するために、「運転者要求トルク」と称する場合がある。

0068

モータ制御部152は、変速制御部157と協動して、変速制御を行う際、通常のトルク制御状態と、モータ回転数目標回転数となるようにモータ10を制御する回転数制御状態とを選択的に形成する。なお、変速制御中におけるトルク制御状態では、目標トルクは、上述した態様とは異なる態様で決定される(図6を参照して後述)。

0069

アクチュエータ制御部153は、アクチュエータ74を制御する。すなわち、アクチュエータ制御部153は、変速制御部157と協動して、係合装置30の状態を、非噛み合い状態、第1噛み合い状態、及び第2噛み合い状態間で遷移させる遷移処理を行う。

0070

本実施例では、アクチュエータ制御部153は、異常検出部158と協動して、異常検出用のアクチュエータ駆動処理を行う。異常検出用のアクチュエータ駆動処理は、係合装置30の状態が変化しない(非噛み合い状態、第1噛み合い状態、及び第2噛み合い状態間で変化しない)範囲内で、アクチュエータ74を駆動することにより実現される。なお、異常検出用のアクチュエータ駆動処理は、フィードバック制御により実現されてもよいし、アクチュエータ74に印加する駆動電流所定値に維持されるようなフィードバック制御により実現されてもよい。異常検出用のアクチュエータ駆動処理の詳細は、後述する。

0071

なお、図1に示すような駆動系では、上述からも明らかなように、係合装置30の係合状態において車両の始動及び駐車が可能である。係合装置30の係合状態においてモータ10が回転されると車輪に回転トルクが伝達されるが、モータ10は、基本的には、車両の始動時や駐車状態で駆動されないためである。このため、本実施例では、車両の始動時及び駐車状態において非噛み合い状態(ニュートラル)が形成されるようにするための遷移処理は不要であり、実行されないものとする。すなわち、本実施例では、車両のメインスイッチ(図示せず)がオフされても、非噛み合い状態に遷移するための遷移処理は実行されず、係合装置30の状態は変化しないものとする。

0072

アクチュエータ情報生成部154は、アクチュエータ回転角センサ135からのセンサ情報に基づいて、アクチュエータ回転数を表すアクチュエータ情報を生成する。また、アクチュエータ情報生成部154は、アクチュエータ制御部153からの情報に基づいて、アクチュエータ74に印加される駆動電流を表すアクチュエータ情報を生成してもよい。あるいは、アクチュエータ74が、アクチュエータ74を流れる電流アクチュエータ電流値)を検出する電流センサを備える場合、アクチュエータ情報生成部154は、当該電流センサからアクチュエータ電流値を表すアクチュエータ情報を生成してもよい。なお、アクチュエータ情報は、上述したような各種情報のうちの任意の1つ又は2つ以上の組み合わせを表してよい。

0073

本実施例では、一例として、アクチュエータ情報は、アクチュエータ74に印加される駆動電流と、フォークシャフト92のストローク量と、アクチュエータ回転数とを表すものとする。

0074

なお、本実施例では、アクチュエータ74により駆動される物体(例えばフォークシャフト92)のストローク量を(直接的に)検出するストロークセンサが設けられてもよいが、設けられなくてもよい。ストロークセンサが設けられない場合、アクチュエータ情報が表すストローク量は、アクチュエータ回転数のような、ストローク量に相関するパラメータから導出されることになる。具体的には、例えばアクチュエータ回転角センサ135がホールICである場合、ホールICは、アクチュエータ74の出力軸の回転に応じたパルス(例えば3相のそれぞれごとのパルス)を出力する。この場合、アクチュエータ情報生成部154は、ホールICからのパルスの変化態様に基づいて、ねじ軸722の回転方向(すなわちフォークシャフト92の移動方向がX1側かX2側か)や、ねじ軸722の回転角度(すなわちフォークシャフト92のストローク量)を導出できる。

0075

位置情報生成部156は、アクチュエータ情報生成部154により取得されるアクチュエータ情報に基づいて、フォークシャフト92の位置情報を生成する。なお、フォークシャフト92の位置情報は、シフト基準位置からの距離で表されてよい。例えば、フォークシャフト92の位置情報は、例えばシフト基準位置を“0点”とし、X1側を“負(−)”としX2側を“正(+)”として、フォークシャフト92の位置を、シフト基準位置からの距離で表してよい。

0076

位置情報生成部156により生成されるフォークシャフト92の位置情報は、制御装置100における各種制御に用いることができる。例えば、フォークシャフト92の位置情報は、上述した遷移処理等に利用できる。例えば、アクチュエータ制御部153は、フォークシャフト92の位置情報に基づいて、遷移処理におけるフォークシャフト92のストローク量をフィードバック制御してもよい。

0077

変速制御部157は、要求ギア段検出部151が変速要求を検出すると、変速制御(変速動作の一例)を行う。具体的には、変速制御部157は、モータ制御部152及びアクチュエータ制御部153と協動して、当該変速要求に係る要求ギア段が実現されるように、モータ10及びアクチュエータ74を制御する。

0078

図6は、変速制御部157により実現される変速制御の一例を概略的に示すタイミングチャートである。図6では、上から順に、制御モード、要求ギア段、モータ回転数、モータトルク、ストローク、及びアクチュエータトルク各時系列が示される。なお、図6に示す各パラメータについて、要求ギア段は、要求ギア段検出部151による検出結果に対応し、モータ回転数は、モータ回転数センサ134からのセンサ情報に対応し、ストロークは、アクチュエータ情報のストローク量に対応し、アクチュエータトルクは、アクチュエータ情報の駆動電流に対応する。ストロークにおける「Hi」は、上述したHi位置に対応し、「Lo」は、上述したLo位置に対応し、ストロークにおける「N」は、上述したN位置に対応する。

0079

図6に示す例では、変速制御部157は、制御モードを、“ギア保持”モード、“トルク抜き”モード、“ドグ抜き”モード、“回転同期”モード、“ドグ係合”モード、及び“トルク復帰”モード間で、切り替えながら、変速制御を実行する。

0080

具体的には、図6に示す例では、時点t60では、要求ギア段が“Low”であり、当該要求ギア段が実現されている状態(“ギア保持”モード)である。時点t61で変速要求が発生し、要求ギア段が“Low”から“High”に変更される。変速要求が発生すると、“トルク抜き”モードが実現され、モータトルクが徐々に低下される。モータトルクが所定値まで低下すると、時点t62で“ドグ抜き”モードが実現され、モータ回転数がLow同期回転数L61に同期された状態で、第1噛み合い状態から非噛み合い状態への遷移処理が実行される。第1噛み合い状態から非噛み合い状態への遷移処理が完了すると、時点t63で“回転同期モード”が実現され、モータ回転数がHigh同期回転数L62へと同期される。なお、この間は、モータトルクは、回転数制御で決まる。モータ回転数がHigh同期回転数L62に同期すると、時点t64で“ドグ係合”モードが実現され、非噛み合い状態から第2噛み合い状態への遷移処理が実行される。非噛み合い状態から第2噛み合い状態への遷移処理が完了すると、時点t65で“トルク復帰”モードが実現され、モータトルクが、運転者要求トルクに向けて徐々に増加される。モータトルクが運転者要求トルクに復帰すると、時点t66で“ギア保持”モードが実現される。すなわち、変速制御が完了して“ギア保持”モードに復帰する。なお、“ギア保持”モードでは、モータ10は、上述のように運転者要求トルクが実現されるように制御(トルク制御)される。

0081

異常検出部158は、アクチュエータ回転角センサ135の異常を検出するための異常検出処理を実行する。検出対象のアクチュエータ回転角センサ135の異常は、任意であるが、いくつかの例は後述する。

0082

異常検出部158は、変速要求予測部1581と、アクチュエータ駆動部1582と、センサ出力判定部1583とを含む。

0083

変速要求予測部1581は、変速要求の生成(発生)を予測する。例えば、変速要求予測部1581は、シフトポジションセンサ131からのセンサ情報が「D」レンジのシフト位置を表すときは、例えば車速とアクセル開度との関係に基づいて、変速要求の生成を予測する。

0084

図7は、変速要求予測部1581による予測方法の一例の説明図である。図7では、横軸に車速を取り、縦軸に運転者要求トルクを取り、変速線L71、L72が実線で示されるとともに、予測用変速線L71A、L72Aが破線で示される。

0085

図7に示す例では、変速要求は、変速線L71、L72で示される車速と運転者要求トルク(制御パラメータの一例)との関係(第1関係の一例)に基づいて、生成される。なお、変形例では、運転者要求トルクに代えて、アクセル開度や、目標加速度目標駆動力等が使用されてもよい。例えば、変速線L71はダウン変速線であり、車速と運転者要求トルクとで定まる点が、変速線L71を右から左へ跨ぐと、要求ギア段が“High”から“Low”に変更される変速要求が生成される。同様に、変速線L72はアップ変速線であり、車速と運転者要求トルクとで定まる点が、変速線L72を左から右へ跨ぐと、要求ギア段が“Low”から“High”に変更される変速要求が生成される。

0086

図7に示す例では、変速要求予測部1581は、予測用変速線L71A、L72Aで示される車速と運転者要求トルク(制御パラメータの一例)との関係(第2関係の一例)に基づいて、変速要求の生成を予測する。なお、変速線L71、L72の場合と同様、変形例では、運転者要求トルクに代えて、アクセル開度や、目標加速度、目標駆動力等が使用されてもよい。

0087

予測用変速線L71Aは、ダウン変速線である変速線L71に対応した予測用変速線であり、変速線L71に対して車速が高い側に所定車速ΔV1だけオフセットする態様で設定される。この場合、変速要求予測部1581は、車速と運転者要求トルクとで定まる点が、予測用変速線L71Aを右から左へ跨ぐと(車速の高い側から低い側へと跨ぐと)、要求ギア段が“High”から“Low”に変更される変速要求の生成を予測する。なお、所定車速ΔV1は任意であるが、所定車速ΔV1が大きくなるにつれて予測精度が低下し、所定車速ΔV1が小さくなるにつれて予測タイミングが遅くなる関係となる。従って、所定車速ΔV1は、後述する異常検出処理に要する時間等を考慮して、必要な予測精度と予測タイミングから適合されてよい。

0088

予測用変速線L72Aは、アップ変速線である変速線L72に対応した予測用変速線であり、変速線L72に対して車速が低い側に所定車速ΔV2だけオフセットする態様で設定される。この場合、変速要求予測部1581は、車速と運転者要求トルクとで定まる点が、予測用変速線L72Aを左から右へ跨ぐと、要求ギア段が“Low”から“High”に変更される変速要求の生成を予測する。なお、所定車速ΔV2は、所定車速ΔV1と同一であってもよく、所定車速ΔV1と同様の態様で適合されてよい。

0089

なお、図7に示す例では、予測用変速線L71A、L72Aは1種類であるが、これに限られない。例えば、モータ10の電力源としての高圧バッテリ(図示せず)の状態等に応じて、変速線L71、L72が変化する構成の場合、変速線L71、L72の種類ごとに、予測用変速線L71A、L72Aが設定されてもよい。

0090

アクチュエータ駆動部1582は、変速要求予測部1581により変速要求の生成が予測された場合に、アクチュエータ制御部153に、異常検出用のアクチュエータ駆動処理を実行させる。異常検出用のアクチュエータ駆動処理は、上述したとおりであるが、詳細は後述する。

0091

センサ出力判定部1583は、異常検出用のアクチュエータ駆動処理の際に得られるアクチュエータ回転角センサ135からのセンサ情報に基づいて、アクチュエータ回転角センサ135の異常の有無を判定する。例えば、センサ出力判定部1583は、アクチュエータ回転角センサ135からのセンサ情報が異常値を表す場合は、アクチュエータ回転角センサ135の異常を検出してもよい。異常の有無の判定方法の一例は、図8図9Cを参照して後述する。

0092

図8図9Cは、異常の有無の判定方法の一例の説明図であり、図8は、アクチュエータ回転角センサ135の配置の説明図であり、図9Aは、正回転時のアクチュエータ回転角センサ135からの出力波形(及び該出力波形に基づく出力信号)を示す図であり、図9Bは、逆回転時のアクチュエータ回転角センサ135からの出力波形(及び該出力波形に基づく出力信号)を示す図である。また、図9Cは、異常判定用の出力信号の関係を示す図である。

0093

図8図9Cに示す例では、アクチュエータ74は、3相の電気モータであり、ロータ741と、ステータ742とを含む。図8では、一例として、ロータ741は、極数が4つであり(図8で示される“S”、“N”は永久磁石磁極を表す)、ステータ742は、スロット数が3つであり、4極3スロットの電気モータを構成する。なお、極数やスロット数、相数は、任意であり、他の数値が用いられてもよい。

0094

アクチュエータ回転角センサ135は、図8に示すように、3つのホールIC135−1、135−2、135−3からなる。ホールIC135−1、135−2、135−3は、それぞれ、ロータ741の回転に応じて、異なるパターンでロータ741の各磁極に径方向に対向するように、配置される。図8に示す例では、ホールIC135−1、135−2、135−3は、ロータ741まわりに、等間隔(120°ごと)に配置される。この場合、図9A及び図9Bに示すように、例えば、ホールIC135−1は、U相に係る出力信号を生成し、ホールIC135−2は、V相に係る出力信号を生成し、ホールIC135−3は、W相に係る出力信号を生成する。図9A及び図9Bに示すように、ホールIC135−1、135−2、135−3は、U相、V相、及びW相の各出力信号が120°ずつ位相がずれる態様で、ロータ741まわりに配置される。これにより、ホールIC135−1、135−2、135−3の各出力信号から、アクチュエータ74の回転方向及び回転角を導出できる。

0095

ここで、図9A及び図9Bのそれぞれの下側の表には、上側の出力波形に対応した出力信号の値(“0”又は“1”)の時系列が、各相で示される。ここでは、出力信号“1”は、パルス状の出力波形が“High”の状態に対応し、出力信号“0”は、パルス状の出力波形が“Low”の状態に対応する。図9A及び図9Bのそれぞれの下側の表からわかるように、U相、V相、及びW相の各出力信号は、電気角360°で、60°ごとにいずれか1相の出力信号の値が変わる態様で1セットを形成し、電気角360°ごとに、同セットを繰り返す。従って、電気角360°にわたる出力信号の各値の切り替わりパターン(6通りの出力信号の出現パターン)をチェックすることで、ホールIC135−1、135−2、135−3の異常の有無を精度良く判定できることがわかる。従って、異常検出用のアクチュエータ駆動処理は、好ましくは、アクチュエータ74が電気角360°以上で回転されるように実現される。この場合、センサ出力判定部1583は、電気角360°にわたる出力信号の各値の切り替わりパターンをチェックすることで、ホールIC135−1、135−2、135−3の異常の有無を精度良く判定できる。

0096

具体的には、センサ出力判定部1583は、図9Cに示す関係を利用して、出力信号の各値の切り替わりパターンをチェックしてよい。図9Cには、切り替わり前の出力信号と、切り替わり後の出力信号との関係が示される。切り替わり前の出力信号とは、ある一時点のU相、V相、及びW相の各出力信号の値の組み合わせであり、“0”又は“1”の3つの値の組み合わせである。切り替わり後の出力信号とは、当該ある一時点の各出力信号の値の組み合わせから組み合わせが変わった後の各出力信号の値の組み合わせであり、“0”又は“1”の3つの値の組み合わせである。

0097

図9Cに示す関係は、図9A及び図9Bのそれぞれの下側の表と整合する。例えば、正回転時、切り替わり前の出力信号が“101”であるとき、切り替わり後の出力信号は、“100”となるはずである。また、逆回転時、切り替わり前の出力信号が“101”であるとき、切り替わり後の出力信号は、“001”となるはずである。従って、切り替わり前の出力信号が“101”であるとき、切り替わり後の出力信号が“100”又は“001”である場合、正常な出力信号の切り替わりであると判定できる。この場合、センサ出力判定部1583は、電気角360°分の切り替わり(すなわち6回の切り替わり)をチェックすることで、電気角360°にわたる出力信号の切り替わりパターンをチェックできる。

0098

換言すると、センサ出力判定部1583は、図9Cに示す“正常”の関係を有する出力信号の組み合わせが得られない場合は、アクチュエータ回転角センサ135が異常であると判定できる。例えば、切り替わり前の出力信号(判定の際に得られる出力信号)が“000”や“111”である場合は、その段階でアクチュエータ回転角センサ135が異常であると判定してもよい。なお、異常の際の出力信号の切り替わりパターンとしては、2相が同時に切り替わる場合や、上述のようにすべてが“000”や“111”である場合、アクチュエータ74の回転にもかかわらず出力信号の切り替わりが発生しない場合等がありえる。なお、アクチュエータ74の回転にもかかわらず出力信号の切り替わりが発生しない場合は、機械的な異常(アクチュエータ回転角センサ135以外の異常)の可能性もあるため、かかる機械的な異常の可能性が排除された場合に、アクチュエータ回転角センサ135が異常であると判定されてもよい。

0099

なお、センサ出力判定部1583は、電気角360°分の切り替わりを切り替わりごとにチェックしてもよいし、電気角360°分の切り替わりをまとめてチェックしてもよい。前者の場合は、異常な切り替わりが発生した時点で異常検出用のアクチュエータ駆動処理を終了できる。

0100

ところで、アクチュエータ回転角センサ135からのセンサ情報は、上述のとおり、アクチュエータ制御部153による遷移処理等で利用される。従って、アクチュエータ回転角センサ135からのセンサ情報の精度は、高い信頼性で遷移処理を実現するために有用となる。

0101

かかる観点から、アクチュエータ回転角センサ135の異常検出処理は、アクチュエータ制御部153による遷移処理(及び当該遷移処理が実行される変速制御)に先立って実行されることが望ましい。アクチュエータ回転角センサ135の異常は、不定期的に生じえ、例えば車両起動時に正常であったとしてもその後の同トリップ中に異常になる場合もあるためである。

0102

この点、本実施例では、上述のように、車両のメインスイッチ(図示せず)がオフされても、非噛み合い状態に遷移するための遷移処理は実行されず、係合装置30の状態は変化しない。従って、車両の始動直後の変速要求に応じた遷移処理が実行される可能性が低い。また、変速段数は“High”と“Low”の2速だけであり、走行中においても変速機会が比較的少ない。このように、本実施例では、変速要求に応じた遷移処理が実行される機会が比較的少なくなる傾向となる。

0103

特に、本実施例のように、変速要求に応じた遷移処理が実行される機会が比較的少ない場合は、それに応じてアクチュエータ74を駆動する機会が比較的少なく、その結果、アクチュエータ回転角センサ135の出力信号の切り替わりパターンをチェックする機会が比較的少なくなる傾向となる。

0104

従って、単に、変速要求に応じた遷移処理中のアクチュエータ回転角センサ135の出力信号の切り替わりパターンをチェックするだけの比較例(図示せず)の場合、アクチュエータ回転角センサ135の異常検出処理の頻度が不十分となる可能性がある。また、このような比較例では、アクチュエータ回転角センサ135が異常である状態で変速要求に応じた遷移処理が開始されてしまう可能性もある。

0105

これに対して、本実施例によれば、アクチュエータ回転角センサ135の異常検出処理は、上述のように、変速要求予測部1581により変速要求の発生が予測された場合に実行されるので、上述のような比較例で生じる不都合を効果的に低減できる。

0106

具体的には、本実施例によれば、変速要求に応じた遷移処理の直前に異常検出処理を実行できる可能性が高くなり、異常検出処理の結果に応じて、その後に生じる可能性の高い変速要求に対して、当該変速要求に応じた遷移処理を高い信頼性で実行可能であるかどうかを判定できる。例えば、異常検出処理の結果が“異常”を示す場合は、その後に生じる変速要求に応じた遷移処理を禁止等することができ、信頼性の高い態様で変速要求に応じた遷移処理を実現できる。また、異常検出処理の結果が“正常”を示す場合は、その後に生じる変速要求に応じた遷移処理を許可することができる。この場合、異常検出処理からその後に生じる変速要求に応じた遷移処理までの間に、アクチュエータ回転角センサ135の異常が生じる可能性は低いので、信頼性の高い態様で変速要求に応じた遷移処理を実現できる。

0107

また、本実施例では、変速要求予測部1581により変速要求の発生が予測された場合にアクチュエータ回転角センサ135の異常検出処理が実行されるので、変速要求が発生した場合に同異常検出処理が実行される場合に比べて、変速要求に応じた遷移処理を早く開始して早く終了させることができる。ただし、変形例では、異常検出部158は、変速要求が発生した場合に、アクチュエータ回転角センサ135の異常検出処理を実行することとしてもよい。この場合、異常検出部158は、図6に示した変速制御に先立って異常検出処理を実行してよい。すなわち、図6に示す例では、変速制御部157は、時点t61で“異常検出待機”モード(図示せず)となり、その間、異常検出部158は、時点t61からの異常検出処理を実行し、変速制御部157は、異常検出処理の結果が“正常”を示す場合に、“トルク抜き”モードに移行して図6に示す変速制御を実現してよい。

0108

なお、変形例では、異常検出部158は、変速要求予測部1581により変速要求の発生が予測された場合に加えて、車両起動時や、走行中に定期的に(例えば所定距離走行するごとに)又は不定期的に(例えば停車状態が形成されるごとに)、異常検出処理を実行してもよい。

0109

次に、図10図13を参照して、異常検出処理に関連する制御装置100の動作例について説明する。以降の処理フロー図(フローチャート)においては、各ステップの入力と出力の関係を損なわない限り、各ステップの処理順序入れ替えてもよい。

0110

図10は、異常検出処理に関連して制御装置100により実行される処理の一例を示す概略フローチャートである。

0111

ステップS101では、制御装置100のセンサ情報取得部150は、各種センサ情報を取得する。

0112

ステップS102では、制御装置100の要求ギア段検出部151は、要求ギア段を検出する。

0113

ステップS103では、制御装置100のアクチュエータ情報生成部154は、アクチュエータ情報を生成する。

0114

ステップS104では、制御装置100の位置情報生成部156は、フォークシャフト92の位置情報を生成する。

0115

ステップS106では、制御装置100の変速制御部157は、変速禁止フラグF10が“0”であるか否かを判定する。変速禁止フラグF10は、変速制御が禁止された状態において“1”となり、それ以外は“0”となる。変速禁止フラグF10の初期値(車両起動時の値)は、“0”である。判定結果が“YES”の場合、ステップS108に進み、それ以外の場合は、今回周期の処理は終了する(従って、この場合、変速制御は禁止されることになる)。なお、変速制御が禁止された状態では、運転者に注意を促すために、メータ等に警報等が出力されてよい。

0116

ステップS108では、制御装置100の変速制御部157は、変速制御実行中フラグF11が“1”であるか否かを判定する。変速制御実行中フラグF11は、変速制御部157により変速制御が実行されている状態において“1”となり、それ以外は“0”となる。変速制御実行中フラグF11の初期値(車両起動時の値)は、“0”である。判定結果が“YES”の場合、ステップS110に進み、それ以外の場合は、ステップS116に進む。

0117

ステップS110では、変速制御部157は変速制御を実行する。変速制御の一例は、図6を参照して上述したとおりであり、ここでは詳細に説明しない。

0118

ステップS112では、変速制御部157は、変速制御が完了したか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合、ステップS114に進み、それ以外の場合は、今回周期の処理を終了する。

0119

ステップS114では、変速制御部157は、変速制御実行中フラグF11を“0”にリセットする。

0120

ステップS116では、変速制御部157は、異常検出処理中フラグF12が“1”であるか否かを判定する。異常検出処理中フラグF12は、異常検出部158により異常検出処理が実行されている状態において“1”となり、それ以外は“0”となる。異常検出処理中フラグF12の初期値(車両起動時の値)は、“0”である。判定結果が“YES”の場合、ステップS118に進み、それ以外の場合は、ステップS120に進む。

0121

ステップS118では、制御装置100の異常検出部158は、異常検出処理ルーチンに処理を移行する。異常検出処理ルーチンの一例は、図11図13を参照して後述する。

0122

ステップS120では、変速制御部157は、ステップS102での検出結果に基づいて、変速要求が発生したか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合、ステップS122に進み、それ以外の場合は、ステップS124に進む。

0123

ステップS122では、変速制御部157は、変速制御実行中フラグF11を“1”にセットする。ステップS122が終了すると、ステップS110に進み、変速制御が開始される。

0124

ステップS124では、異常検出部158の変速要求予測部1581は、変速要求の生成(発生)を予測したか否かを判定する。変速要求予測部1581による予測方法は、図7を参照して上述したとおりである。判定結果が“YES”の場合、ステップS126に進み、それ以外の場合は、今回周期の処理を終了する。

0125

ステップS126では、異常検出部158は、異常検出処理中フラグF12を“1”にセットする。ステップS126が終了すると、ステップS118に進み、異常検出処理が開始される。

0126

図11は、図10の異常検出処理ルーチン(ステップS118)の一例を示す概略フローチャートである。

0127

ステップS200では、異常検出部158は、モード設定済フラグF13が“0”であるか否かを判定する。モード設定済フラグF13は、異常検出処理のモードが設定された状態において“1”となり、それ以外は“0”となる。モード設定済フラグF13の初期値(車両起動時の値)は、“0”である。判定結果が“YES”の場合、ステップS202に進み、それ以外の場合は、ステップS224に進む。

0128

ステップS202では、異常検出部158は、ステップS104で得たフォークシャフト92の位置情報に基づいて、係合装置30の状態が非噛み合い状態であるか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合、ステップS204に進み、それ以外の場合は、ステップS210に進む。

0129

ステップS204では、異常検出部158は、動作モードを“Nモード”にセットする。“Nモード”は、係合装置30の状態が非噛み合い状態であるときに実行される異常検出処理のモードである。

0130

ステップS206では、異常検出部158は、モード設定済フラグF13を“1”にセットする。

0131

ステップS208では、異常検出部158は、“Nモード”で異常検出処理を実行する。“Nモード”での異常検出処理の一例は、図12を参照して後述する。

0132

ステップS210では、異常検出部158は、ステップS104で得たフォークシャフト92の位置情報に基づいて、係合装置30の状態が第1噛み合い状態であるか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合、ステップS212に進み、それ以外の場合は、ステップS218に進む。

0133

ステップS212では、異常検出部158は、動作モードを“Lowモード”にセットする。“Lowモード”は、係合装置30の状態が第1噛み合い状態であるときに実行される異常検出処理のモードである。

0134

ステップS214では、異常検出部158は、モード設定済フラグF13を“1”にセットする。

0135

ステップS216では、異常検出部158は、“Lowモード”で異常検出処理を実行する。“Lowモード”での異常検出処理の一例は、図13を参照して後述する。

0136

ステップS218では、異常検出部158は、動作モードを“Highモード”にセットする。“Highモード”は、係合装置30の状態が第2噛み合い状態であるときに実行される異常検出処理のモードである。

0137

ステップS220では、異常検出部158は、モード設定済フラグF13を“1”にセットする。

0138

ステップS222では、異常検出部158は、“Highモード”で異常検出処理を実行する。“Highモード”での異常検出処理は、図13を参照して後述する“Lowモード”での異常検出処理に関連して後述する。

0139

ステップS224では、異常検出部158は、動作モードが“Nモード”であるか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合、ステップS208に進み、それ以外の場合は、ステップS226に進む。

0140

ステップS226では、異常検出部158は、動作モードが“Lowモード”であるか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合、ステップS216に進み、それ以外の場合は、ステップS222に進む。

0141

図12は、“Nモード”での異常検出処理(ステップS208)の一例を示す概略フローチャートである。

0142

ステップS302では、異常検出部158は、ステップS101で得たセンサ情報のうちの、アクチュエータ回転角センサ135からのセンサ情報に基づいて、センサ情報が正常であるか否かを判定する。すなわち、異常検出部158は、アクチュエータ回転角センサ135の出力信号自体が正常であり、かつ、その切り替わり方が正常であるか否かを判定する。正常であるか否かの判定方法は、図9C等を参照して上述した異常の判定方法のとおりであってよい。今回周期で得たセンサ情報に基づいてアクチュエータ回転角センサ135の異常を検出しない場合、すなわち今回周期で得たセンサ情報が正常であると判定した場合は、ステップS304に進み、それ以外の場合(すなわち今回周期で得たセンサ情報に基づいてアクチュエータ回転角センサ135の異常を検出した場合)は、ステップS310に進む。

0143

ステップS304では、異常検出部158は、非噛み合い状態から第1噛み合い状態に向かう側(X1側)又は第2噛み合い状態に向かう側(X2側)に所定ストローク量だけ離れた位置に向けてフォークシャフト92を移動させる(異常検出用のアクチュエータ駆動処理)。所定ストローク量は、電気角360°に対応するストローク量である。所定ストローク量は、非噛み合い状態から第1又は第2噛み合い状態への遷移が生じる際のストローク量よりも有意に小さい。従って、ステップS304の異常検出用のアクチュエータ駆動処理によって係合装置30の状態が変化することはない。

0144

ステップS306では、異常検出部158は、ステップS103で得たアクチュエータ情報に基づいて、フォークシャフト92が所定ストローク量だけストロークしたか否かを判定する。なお、フォークシャフト92が所定ストローク量だけストロークしたか否かは、異常検出用のアクチュエータ駆動処理時のストローク量を“0”として判定される。判定結果が“YES”の場合、ステップS308に進み、それ以外の場合は、今回周期の処理を終了する。

0145

ステップS308では、異常検出部158は、異常検出用のアクチュエータ駆動処理を終了して、異常検出処理中フラグF12及びモード設定済フラグF13を“0”にリセットする。なお、異常検出用のアクチュエータ駆動処理を終了する際には、異常検出部158は、アクチュエータ74の駆動電流を“0”にしてコイルばね94及びロックボール96の作用によりフォークシャフト92をN位置へと復帰させてもよいし、アクチュエータ74を駆動してフォークシャフト92をN位置に復帰させてもよい。なお、この際、異常検出部158は、復帰の際に得られるアクチュエータ回転角センサ135からのセンサ情報に基づいて、センサ情報が正常であるか否かを更に判定してもよい。

0146

ステップS310では、異常検出部158は、変速禁止フラグF10を“1”にセットする。

0147

ステップS312では、異常検出部158は、異常検出用のアクチュエータ駆動処理を終了して、異常検出処理中フラグF12及びモード設定済フラグF13を“0”にリセットする。なお、ステップS308の場合と同様、異常検出用のアクチュエータ駆動処理を終了する際には、異常検出部158は、アクチュエータ74の駆動電流を“0”にしてコイルばね94及びロックボール96の作用によりフォークシャフト92をN位置へと復帰させてもよいし、アクチュエータ74を駆動してフォークシャフト92をN位置に復帰させてもよい。なお、この際、異常検出部158は、復帰の際に得られるアクチュエータ回転角センサ135からのセンサ情報に基づいて、センサ情報が正常であるか否かを更に判定してもよい。

0148

なお、図12に示す例では、ステップS304において、異常検出部158は、非噛み合い状態から第1噛み合い状態に向かう側(X1側)又は第2噛み合い状態に向かう側(X2側)に所定ストローク量だけフォークシャフト92を移動させるが、これに限られない。すなわち、ステップS304において、異常検出部158は、非噛み合い状態から第1噛み合い状態に向かう側(X1側)に所定ストローク量だけフォークシャフト92を移動させてから、非噛み合い状態に戻して、第2噛み合い状態に向かう側(X2側)に所定ストローク量だけフォークシャフト92を移動させてもよい。

0149

図13は、“Lowモード”での異常検出処理(ステップS216)の一例を示す概略フローチャートである。

0150

図13に示すステップS402、ステップS406〜ステップS412は、図12に示したステップS302、ステップS306〜ステップS312とそれぞれ実質的に同一であるので、説明を省略する。

0151

ステップS404では、異常検出部158は、第1噛み合い状態から非噛み合い状態に向かう側とは逆側(すなわち第1ストッパ機能位置に向かう側であるX1側)に所定ストローク量だけ離れた位置に向けてフォークシャフト92を移動させる(異常検出用のアクチュエータ駆動処理)。所定ストローク量は、上述したとおり、電気角360°に対応するストローク量である。なお、第1ストッパ機能位置とLo位置との間の距離は、所定ストローク量よりも大きくなるように設定される。従って、ステップS404の異常検出用のアクチュエータ駆動処理によって係合装置30の状態が変化することはないし、ストッパ部ST1にフォークシャフト92が当たることもない。ただし、変形例では、ストッパ部ST1にフォークシャフト92が当たるような所定ストローク量が設定されてもよい。

0152

なお、“Highモード”での異常検出処理(ステップS222)の図示は省略されるが、ステップS404に対応する処理では、異常検出部158は、第2噛み合い状態から非噛み合い状態に向かう側とは逆側(すなわち第2ストッパ機能位置に向かう側であるX2側)に所定ストローク量だけフォークシャフト92を移動させる(異常検出用のアクチュエータ駆動処理)。この場合も、所定ストローク量は、上述したとおり、電気角360°に対応するストローク量である。

0153

このように、図10図13に示す処理によれば、変速要求の発生が予測される場合に、異常検出処理が実行されるので、上述したような効果が得られる。

0154

また、図10図13に示す処理によれば、異常検出処理中フラグF12が“1”である状態では、変速要求が発生した場合でも変速制御が実行されないので(ステップS116で“YES”となり、ステップS120が待機状態となるので)、異常検出処理の結果が反映されない態様で変速制御が実行されることを防止できる。

0155

また、図10図13に示す処理によれば、“Lowモード”での異常検出処理は、第1ストッパ機能位置に向かうX1側に所定ストローク量だけフォークシャフト92を移動させることにより実現される。従って、仮にアクチュエータ回転角センサ135に異常がある場合でも、異常検出処理に起因して係合装置30の状態が変化することを確実に防止できる。これは、“Highモード”での異常検出処理についても同様である。ただし、変形例では、“Lowモード”での異常検出処理は、X2側に所定ストローク量だけフォークシャフト92を移動させることにより実現されてもよい。同様に、“Highモード”での異常検出処理は、X1側に所定ストローク量だけフォークシャフト92を移動させることにより実現されてもよい。

0156

以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。

0157

例えば、上述した実施例は、図1に示す特定の車両用駆動装置1への適用例が説明されているが、アクチュエータ74を用いて遷移処理(係合装置30の状態を遷移させる処理)を実現する構成であれば、変速段数や各種の接続態様等がどのような車両用駆動装置に対しても適用可能である。従って、適用可能な駆動装置は、電気自動車用に限られず、ハイブリッド車用であってよいし、モータ10を駆動源としない(すなわち内燃機関だけを駆動源とする)車両用であってよい。

0158

また、上述した実施例では、変速要求予測部1581は、変速線を利用して変速要求の生成を予測しているが、これに限られない。なお、変速線を利用して変速要求の生成を予測する構成では、変速要求の生成の前に必ず変速要求の生成の予測を実現できる。しかしながら、変速線を利用せずに変速要求の生成を予測する構成では、変速要求の生成の前に必ず変速要求の生成を予測できるとは限らない。従って、変速線を利用せずに変速要求の生成を予測する構成では、変速要求の生成が予測された場合に加えて、変速要求の生成が予測される前に変速要求が生成された場合(すなわち予測できなった場合)にも、異常検出部158による異常検出処理が実行されてもよい。

0159

また、上述した実施例では、異常検出処理は、異常の有無を表す処理結果を出力するものであるが、これに限られない。例えば、異常検出処理は、異常の可能性の高さや確率のような情報を処理結果として出力してもよい。これは、例えばアクチュエータ回転角センサ135の出力信号が“000”である場合であっても、配線等の異常の可能性もあり、必ずしもアクチュエータ回転角センサ135の異常であるとは限らない場合があるためである。

0160

<付記>
以上の実施例に関し、更に以下を開示する。なお、以下で記載する効果のうちの、一の形態に対する追加的な各形態に係る効果は、当該追加的な各形態に起因した付加的な効果である。

0161

(1)一の形態は、クラッチ(30)と、
前記クラッチを駆動するアクチュエータ(74)と、
前記アクチュエータの回転角を検出する回転角センサ(135)と、
前記クラッチの駆動を伴う変速要求が生成され又は前記変速要求の生成が予測された場合に、前記変速要求に応じた変速動作よりも前に、前記アクチュエータの駆動を伴う前記回転角センサの異常検出処理を実行する処理部(158)とを含む、車両用駆動装置(1)である。

0162

本形態によれば、クラッチの駆動を伴う変速要求が生成され又は変速要求の生成が予測された場合に、アクチュエータの駆動を伴う回転角センサの異常検出処理が実行される。クラッチの駆動を伴う変速要求が生成され又は変速要求の生成が予測された場合は、その直後に、変速要求に応じた変速動作が実行される可能性が高い。従って、このような場合に、事前に(変速要求に応じた変速動作よりも前に)異常検出処理が実行されることで、その後の変速動作の信頼性を高めることができる。すなわち、本形態によれば、異常検出処理を適切に実行できる。

0163

(2)また、本形態においては、好ましくは、車速と制御パラメータとの第1関係に基づいて前記変速要求が生成され、
前記処理部は、車速と前記制御パラメータとの第2関係に基づいて、前記変速要求の生成を予測する。

0164

この場合、変速要求が生成される前に、当該変速要求の生成を予測することが容易となる。特に、変速要求の生成が予測された場合は、その直後に、変速要求に応じた変速動作が実行される可能性が高い。従って、このような場合に、事前に異常検出処理が実行されることで、その後に生じうる変速要求に応じた変速動作の信頼性を高めつつ、その後に生じうる変速要求に応じた変速動作を速やかに開始できる。

0165

(3)また、本形態においては、好ましくは、前記処理部は、前記変速要求が生成された場合に、前記変速要求に応じた変速動作に先立って前記異常検出処理を実行する。

0166

かかる構成によれば、変速要求が生成される場合に、当該変速要求に応じた変速動作の信頼性を高めることができる。特に、変速要求に応じた変速動作に先立って実行された異常検出処理の後であって、当該変速要求に応じた変速動作までの間に、回転角センサが異常になる可能性は低い。従って、この場合、変速要求に応じた変速動作の信頼性を大幅に高めることができる。

0167

(4)また、本形態においては、好ましくは、前記異常検出処理は、前記クラッチの係合状態と非係合状態との間の遷移が生じない範囲内で前記アクチュエータを駆動する駆動処理を含む。

0168

この場合、クラッチの係合状態と非係合状態との間の遷移を伴うことなく、異常検出処理を実行できる。

0169

(5)また、本形態においては、好ましくは、第1方向(Y)に可動な係合体(96)と、
前記第1方向に交差する第2方向(X)で前記係合体に対して相対的に移動可能であり、前記係合体が嵌まることが可能な凹部(920、921、922)を、前記第2方向に沿って複数備える凹部形成部材(92)と、
前記第1方向に前記凹部形成部材に向けて前記係合体を付勢する弾性部材(94)とを更に含み、
前記アクチュエータは、前記係合体に対する前記凹部形成部材の移動のための駆動力を発生し、
前記クラッチの係合状態と非係合状態との間の遷移は、前記係合体が複数の前記凹部のうちの一の凹部に嵌まった状態から前記係合体が他の一の凹部に嵌まる状態へ遷移を伴い、
前記処理部は、前記係合体が前記一の凹部に嵌まった状態での前記駆動処理において、前記係合体が前記他の一の凹部に嵌まる状態へと遷移しない範囲で前記アクチュエータを駆動する。

0170

この場合、弾性部材及び係合体の作用によってクラッチの係合状態と非係合状態との間の遷移が実現されてしまうような不都合を、防止しつつ、異常検出処理を実行できる。

0171

(6)また、本形態においては、好ましくは、複数の前記凹部のうちの、前記第2方向の一端側の第1凹部(921)に対応して設けられ、該第1凹部に前記係合体が嵌まった状態からの前記係合体に対する前記凹部形成部材の移動距離であって前記第2方向の第1側への移動距離を規制する第1規制部(ST1)を更に含み、
前記処理部は、前記係合体が前記第1凹部に嵌まった状態での前記駆動処理において、前記凹部形成部材の移動方向が前記第1側になるように前記アクチュエータを駆動する。

0172

この場合、異常検出処理においては、第1規制部に向かう方向で凹部形成部材の移動が実現されるので、異常検出処理に起因してクラッチの係合状態が損なわれる可能性を最小化できる。

0173

(7)また、本形態においては、好ましくは、複数の前記凹部のうちの、前記第2方向の他端側の第2凹部(922)に対応して設けられ、該第2凹部に前記係合体が嵌まった状態からの前記係合体に対する前記凹部形成部材の移動距離であって前記第2方向の前記第1側とは逆の第2側への移動距離を規制する第2規制部(ST2)を更に含み、
前記処理部は、前記係合体が前記第2凹部に嵌まった状態での前記駆動処理において、前記凹部形成部材の移動方向が前記第2側になるように前記アクチュエータを駆動する。

0174

この場合、第2規制部に向かう方向で凹部形成部材の移動が実現されるので、異常検出処理に起因してクラッチの係合状態が損なわれる可能性を最小化できる。また、係合体が第1凹部に嵌まった状態では第1規制部に向かう方向で凹部形成部材の移動が実現され、係合体が第2凹部に嵌まった状態では第2規制部に向かう方向で凹部形成部材の移動が実現されるので、クラッチの係合状態を損なうことのない態様での異常検出処理の実行機会を効率的に増加できる。

0175

(8)また、本形態においては、好ましくは、前記アクチュエータは、複数の磁極を備える電気モータであり、
前記処理部は、前記駆動処理において、電気角で360°以上、前記電気モータを回転させる。

0176

この場合、回転角センサの出力を電気角で360°以上にわたってチェックできるので、異常検出処理の結果の信頼性を高めることができる。

0177

(9)また、本形態においては、好ましくは、前記異常検出処理は、前記駆動処理の際の前記回転角センサからの出力に基づいて、前記回転角センサの異常の有無を判定する処理を更に含む。

0178

この場合、回転角センサからの出力自体(例えば出力信号の切り替わり態様)に基づいて、回転角センサの異常の有無を精度良く判定できる。

0179

(10)また、本形態においては、好ましくは、前記クラッチは、モータ(10)と車輪との間に接続され、
前記クラッチの係合状態において車両の始動及び駐車が可能である。

0180

この場合、車両の始動直後に変速要求が発生する可能性が低く、少なくともその分だけクラッチの状態が遷移する機会(及びそれに伴いアクチュエータの駆動機会)が少なくなる傾向となる。本形態によれば、このような傾向となる場合であっても、変速要求に応じた変速動作よりも前に、アクチュエータの駆動を伴う回転角センサの異常検出処理を行うことで、変速動作の信頼性を高めることができる。

0181

(11)他の一の形態は、第1方向(Y)に可動な係合体(96)と、
前記第1方向に交差する第2方向(X)で前記係合体に対して相対的に移動可能であり、前記係合体が嵌まることが可能な凹部(920、921、922)を、前記第2方向に沿って複数備える凹部形成部材(92)と、
前記第1方向に前記凹部形成部材に向けて前記係合体を付勢する弾性部材(94)と、
複数の前記凹部のうちの、前記第2方向の一端側の一の凹部に対応して設けられ、該一の凹部に前記係合体が嵌まった状態からの前記係合体に対する前記凹部形成部材の移動距離であって前記第2方向の前記一端側とは逆側への移動距離を規制する規制部(ST1、ST2)と、
前記係合体に対する前記凹部形成部材の移動のための駆動力を発生するアクチュエータ(74)と、
前記アクチュエータの回転角を検出する回転角センサ(135)と、
前記係合体が前記一の凹部に嵌まった状態である場合に、前記凹部形成部材の移動方向が前記第2方向の前記一端側とは逆側になるように前記アクチュエータを駆動し、前記アクチュエータを駆動した際の前記回転角センサの出力に基づいて、前記回転角センサの異常検出処理を実行する処理部(158)とを含む、車両用駆動装置(1)である。

0182

この場合、規制部に向かう方向で凹部形成部材の移動が実現されるので、クラッチの係合状態と非係合状態との間の遷移を伴うことなく、回転角センサの異常検出処理を実行できる。

0183

1車両用駆動装置
10モータ
20遊星歯車機構
21サンギア
22リングギア
23ピニオン
24キャリア
30係合装置
31 第1要素
32A 第2要素
32B 第2要素
41 第1ギア列
42 第2ギア列
50カウンタ軸
60出力軸(ディファレンシャル軸)
70シフトフォーク
72ボールねじ機構
74アクチュエータ
90シフトディテント機構
92フォークシャフト
94コイルばね
96ロックボール
100制御装置
130車載電子機器
131シフトポジションセンサ
132車輪速センサ
134モータ回転数センサ
135アクチュエータ回転角センサ
150センサ情報取得部
151要求ギア段検出部
152モータ制御部
153アクチュエータ制御部
154アクチュエータ情報生成部
156位置情報生成部
157変速制御部
158異常検出部
1581変速要求予測部
1582アクチュエータ駆動部
1583センサ出力判定部
301ドッグクラッチ
302 ドッグクラッチ
304クラッチハブ
311 歯状部
312凹溝
321A 歯状部
321B 歯状部
920 凹部(ディテント)
921 凹部(ディテント)
922 凹部(ディテント)
721ナット
722 ねじ軸
ST1ストッパ部
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