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技術 内燃機関の排気浄化装置

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 依田公一若尾和弘
出願日 2019年3月18日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-050122
公開日 2020年9月24日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-153254
状態 未査定
技術分野 排気の後処理 内燃機関の複合的制御 内燃機関に供給する空気・燃料の電気的制御
主要キーワード 切替基準値 切替基準 総運転時間 制御中心 ゼロ近傍 上流側ケーシング 下流側ケーシング 基準量
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題

下流側触媒にて排気ガス中のNOxを適切に浄化することができる排気浄化装置を提供する。

解決手段

排気浄化装置は、上流側触媒と、下流側触媒と、機関本体から排出される排気ガスの空燃比を制御する制御装置とを備える。制御装置は、下流側触媒に流入する排気ガスの時間平均空燃比が理論空燃比よりもリッチリッチ空燃比になるように制御する通常空燃比制御と、機関本体から排出される排気ガスの空燃比を理論空燃比よりもリーンリーン空燃比に制御するリーンスパイク制御とを実行可能である。リーンスパイク制御の実行条件成立した時にS22、上流側触媒が現在吸蔵可能な酸素量である上流側吸蔵可能酸素量の推定値に基づいてリーンスパイク制御の実行期間を算出しS25、その後、算出された実行期間に亘ってS28前記リーンスパイク制御を実行する。

概要

背景

従来から、内燃機関排気通路上流側触媒下流側触媒との二つの排気浄化触媒を設け、下流側触媒の酸素吸蔵量が少なくなったときには、下流側触媒に酸素を供給する内燃機関の排気浄化装置が知られている(例えば、特許文献1、2)。

特に、特許文献1に記載された制御装置では、上流側触媒と下流側触媒との間に上流側触媒から流出して下流側触媒に流入する排気ガス空燃比を検出する下流側空燃比センサが設けられる。この下流側空燃比センサによって検出された空燃比に基づいて下流側触媒の酸素吸蔵量が推定され、推定された酸素吸蔵量が一定量以下になると下流側触媒に酸素を供給する吸蔵量回復制御が行われる。

この吸蔵量回復制御では、下流側空燃比センサによって検出された空燃比に基づいて下流側触媒の酸素吸蔵量が推定され、推定された酸素吸蔵量が予め定められた基準量に達すると、吸蔵量回復制御が終了される。

概要

下流側触媒にて排気ガス中のNOxを適切に浄化することができる排気浄化装置を提供する。排気浄化装置は、上流側触媒と、下流側触媒と、機関本体から排出される排気ガスの空燃比を制御する制御装置とを備える。制御装置は、下流側触媒に流入する排気ガスの時間平均空燃比が理論空燃比よりもリッチリッチ空燃比になるように制御する通常空燃比制御と、機関本体から排出される排気ガスの空燃比を理論空燃比よりもリーンリーン空燃比に制御するリーンスパイク制御とを実行可能である。リーンスパイク制御の実行条件成立した時にS22、上流側触媒が現在吸蔵可能な酸素量である上流側吸蔵可能酸素量の推定値に基づいてリーンスパイク制御の実行期間を算出しS25、その後、算出された実行期間に亘ってS28前記リーンスパイク制御を実行する。

目的

上記課題に鑑みて、本開示の目的は、下流側触媒にて排気ガス中のNOxを適切に浄化することができるような、従来とは異なる態様の内燃機関の排気浄化装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

内燃機関排気通路に設けられた上流側触媒と、該上流側触媒よりも排気流れ方向下流側において前記排気通路に設けられた下流側触媒と、機関本体から排出される排気ガス空燃比を制御する制御装置とを備える、内燃機関の排気浄化装置であって、前記制御装置は、前記下流側触媒に流入する排気ガスの時間平均空燃比が理論空燃比よりもリッチリッチ空燃比になるように制御する通常空燃比制御と、前記機関本体から排出される排気ガスの空燃比を理論空燃比よりもリーンリーン空燃比に制御するリーンスパイク制御とを実行可能であり、前記リーンスパイク制御の実行条件成立した時に前記上流側触媒が現在吸蔵可能な酸素量である上流側吸蔵可能酸素量の推定値に基づいて前記リーンスパイク制御の実行期間を算出し、その後、算出された実行期間に亘って前記リーンスパイク制御を実行する、内燃機関の排気浄化装置。

請求項2

前記上流側触媒に流入する排気ガスの空燃比を検出する上流側空燃比センサを更に備え、前記制御装置は、前記上流側空燃比センサによって検出された空燃比に基づいて前記上流側吸蔵可能酸素量を推定する、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。

請求項3

前記制御装置は、前記上流側空燃比センサによって検出された空燃比に基づいて推定された上流側触媒の現在の酸素吸蔵量の推定値と、前記上流側触媒が吸蔵可能な酸素量の最大値である最大吸蔵可能酸素量との差として、前記上流側吸蔵可能酸素量を算出する、請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置。

請求項4

前記制御装置は、前記下流側触媒が吸蔵可能な酸素量の最大値である前記下流側触媒の最大吸蔵可能酸素量を前記上流側触媒の最大吸蔵可能酸素量に基づいて算出する、請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置。

請求項5

前記制御装置は、前記上流側吸蔵可能酸素量と、前記下流側触媒が吸蔵可能な酸素量の最大値である前記下流側触媒の最大吸蔵可能酸素量に基づいて算出された前記リーンスパイク制御の開始時における下流側吸蔵可能酸素量とを合計した合計値に相当する酸素が前記リーンスパイク制御の実行中に前記上流側触媒に流入するように前記実行期間を算出する、請求項2〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。

請求項6

前記制御装置は、前記リーンスパイク制御の実行中には、前記上流側触媒に流入する排気ガスの空燃比が、少なくとも一時的に、前記通常空燃比制御の実行中に前記上流側触媒に流入する排気ガスが到達する最もリーンな空燃比よりもリーンになるように前記機関本体から排出される排気ガスの空燃比を制御する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。

請求項7

前記内燃機関は複数の気筒を有し、前記リーンスパイク制御の実行中には、前記複数の気筒のうち少なくとも一部の気筒に対して前記内燃機関の作動中に燃料の供給が停止される燃料カット制御が行われる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。

請求項8

前記リーンスパイク制御は、前記上流側触媒の酸素吸蔵量の推定値が予め定められた吸蔵量に到達してから実行される、請求項7に記載の内燃機関の排気浄化装置。

請求項9

前記制御装置は、前記リーンスパイク制御の開始時における前記機関本体から排出される排気ガスの空燃比のリーン度合いが前記リーンスパイク制御の終了時における前記機関本体から排出される排気ガスの空燃比のリーン度合いよりも小さくなるように、前記リーンスパイク制御の実行中に前記機関本体から排出される排気ガスの空燃比を変更する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。

請求項10

前記制御装置は、前記リーンスパイク制御の開始から前記上流側吸蔵可能酸素量に相当する量の酸素が前記上流側触媒に流入するまでにおける前記機関本体から排出される排気ガスの空燃比のリーン度合いが、前記上流側吸蔵可能酸素量に相当する量の酸素が前記上流側触媒に流入してから前記リーンスパイク制御の終了までにおける前記機関本体から排出される排気ガスの空燃比のリーン度合いよりも小さくなるように、前記リーンスパイク制御の実行中に前記機関本体から排出される排気ガスの空燃比を変更する、請求項5に記載の内燃機関の排気浄化装置。

請求項11

前記上流側触媒から流出して前記下流側触媒に流入する排気ガスの空燃比を検出する下流側空燃比センサを更に備える、請求項1〜10のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。

請求項12

前記制御装置は、前記リーンスパイク制御の実行期間を算出する際に、前記リーンスパイク制御の実行期間中における前記下流側空燃比センサの出力を利用しない、請求項11に記載の内燃機関の排気浄化装置。

請求項13

前記制御装置は、前記下流側空燃比センサによって排気ガスの空燃比がリーン空燃比になったことが検出される前に前記リーンスパイク制御が終了せしめられるように、前記リーンスパイク制御の実行中に前記機関本体から排出される排気ガスの目標空燃比が設定される、請求項12に記載の内燃機関の排気浄化装置。

技術分野

0001

本開示は、内燃機関排気浄化装置に関する。

背景技術

0002

従来から、内燃機関の排気通路上流側触媒下流側触媒との二つの排気浄化触媒を設け、下流側触媒の酸素吸蔵量が少なくなったときには、下流側触媒に酸素を供給する内燃機関の排気浄化装置が知られている(例えば、特許文献1、2)。

0003

特に、特許文献1に記載された制御装置では、上流側触媒と下流側触媒との間に上流側触媒から流出して下流側触媒に流入する排気ガス空燃比を検出する下流側空燃比センサが設けられる。この下流側空燃比センサによって検出された空燃比に基づいて下流側触媒の酸素吸蔵量が推定され、推定された酸素吸蔵量が一定量以下になると下流側触媒に酸素を供給する吸蔵量回復制御が行われる。

0004

この吸蔵量回復制御では、下流側空燃比センサによって検出された空燃比に基づいて下流側触媒の酸素吸蔵量が推定され、推定された酸素吸蔵量が予め定められた基準量に達すると、吸蔵量回復制御が終了される。

先行技術

0005

国際公開第2014/118890号
特開2013−217266号公報

発明が解決しようとする課題

0006

ところで、機関本体から下流側触媒までには或る程度の距離があるため、機関本体から排出される排気ガスの空燃比を変化させた場合に、下流側触媒に流入する排気ガスの空燃比がそれに伴って変化するまでには或る程度の時間がかかる。したがって、特許文献1に記載されたように下流側空燃比センサによって検出された空燃比に基づいて吸蔵量回復制御の終了時期を決定しても、吸蔵量回復制御の終了後に下流側触媒に多量の酸素(及びNOx)が流入することになる。この結果、下流側触媒には、酸素吸蔵量がその最大吸蔵可能酸素量(下流側触媒が吸蔵可能な酸素量の最大値)を超えるような酸素が流入し、酸素と共に流入するNOxを下流側触媒で十分に浄化することができなくなってしまう。

0007

したがって、吸蔵量回復制御の終了時期近傍において下流側触媒にて排気ガス中のNOxを十分に浄化するためには、特許文献1に記載された制御装置とは異なる制御思想にて制御される制御装置が必要になる。

0008

上記課題に鑑みて、本開示の目的は、下流側触媒にて排気ガス中のNOxを適切に浄化することができるような、従来とは異なる態様の内燃機関の排気浄化装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

本開示の要旨は以下のとおりである。

0010

(1)内燃機関の排気通路に設けられた上流側触媒と、該上流側触媒よりも排気流れ方向下流側において前記排気通路に設けられた下流側触媒と、機関本体から排出される排気ガスの空燃比を制御する制御装置とを備える、内燃機関の排気浄化装置であって、前記制御装置は、前記下流側触媒に流入する排気ガスの時間平均空燃比が理論空燃比よりもリッチリッチ空燃比になるように制御する通常空燃比制御と、前記機関本体から排出される排気ガスの空燃比を理論空燃比よりもリーンリーン空燃比に制御するリーンスパイク制御とを実行可能であり、前記リーンスパイク制御の実行条件成立した時に前記上流側触媒が現在吸蔵可能な酸素量である上流側吸蔵可能酸素量の推定値に基づいて前記リーンスパイク制御の実行期間を算出し、その後、算出された実行期間に亘って前記リーンスパイク制御を実行する、内燃機関の排気浄化装置。

0011

(2)前記上流側触媒に流入する排気ガスの空燃比を検出する上流側空燃比センサを更に備え、前記制御装置は、前記上流側空燃比センサによって検出された空燃比に基づいて前記上流側吸蔵可能酸素量を推定する、上記(1)に記載の内燃機関の排気浄化装置。

0012

(3)前記制御装置は、前記上流側空燃比センサによって検出された空燃比に基づいて推定された上流側触媒の現在の酸素吸蔵量の推定値と、前記上流側触媒が吸蔵可能な酸素量の最大値である最大吸蔵可能酸素量との差として、前記上流側吸蔵可能酸素量を算出する、上記(2)に記載の内燃機関の排気浄化装置。

0013

(4)前記制御装置は、前記下流側触媒が吸蔵可能な酸素量の最大値である前記下流側触媒の最大吸蔵可能酸素量を前記上流側触媒の最大吸蔵可能酸素量に基づいて算出する、上記(3)に記載の内燃機関の排気浄化装置。

0014

(5)前記制御装置は、前記上流側吸蔵可能酸素量と、前記下流側触媒が吸蔵可能な酸素量の最大値である前記下流側触媒の最大吸蔵可能酸素量に基づいて算出された前記リーンスパイク制御の開始時における下流側吸蔵可能酸素量とを合計した合計値に相当する酸素が前記リーンスパイク制御の実行中に前記上流側触媒に流入するように前記実行期間を算出する、上記(2)〜(4)のいずれか一つに記載の内燃機関の排気浄化装置。

0015

(6)前記制御装置は、前記リーンスパイク制御の実行中には、前記上流側触媒に流入する排気ガスの空燃比が、少なくとも一時的に、前記通常空燃比制御の実行中に前記上流側触媒に流入する排気ガスが到達する最もリーンな空燃比よりもリーンになるように前記機関本体から排出される排気ガスの空燃比を制御する、上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の内燃機関の排気浄化装置。

0016

(7)前記内燃機関は複数の気筒を有し、
前記リーンスパイク制御の実行中には、前記複数の気筒のうち少なくとも一部の気筒に対して前記内燃機関の作動中に燃料の供給が停止される燃料カット制御が行われる、上記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の内燃機関の排気浄化装置。

0017

(8)前記リーンスパイク制御は、前記上流側触媒の酸素吸蔵量の推定値が予め定められた吸蔵量に到達してから実行される、上記(7)に記載の内燃機関の排気浄化装置。

0018

(9)前記制御装置は、前記リーンスパイク制御の開始時における前記機関本体から排出される排気ガスの空燃比のリーン度合いが前記リーンスパイク制御の終了時における前記機関本体から排出される排気ガスの空燃比のリーン度合いよりも小さくなるように、前記リーンスパイク制御の実行中に前記機関本体から排出される排気ガスの空燃比を変更する、上記(1)〜(8)のいずれか一つに記載の内燃機関の排気浄化装置。

0019

(10)前記制御装置は、前記リーンスパイク制御の開始から前記上流側吸蔵可能酸素量に相当する量の酸素が前記上流側触媒に流入するまでにおける前記機関本体から排出される排気ガスの空燃比のリーン度合いが、前記上流側吸蔵可能酸素量に相当する量の酸素が前記上流側触媒に流入してから前記リーンスパイク制御の終了までにおける前記機関本体から排出される排気ガスの空燃比のリーン度合いよりも小さくなるように、前記リーンスパイク制御の実行中に前記機関本体から排出される排気ガスの空燃比を変更する、上記(5)に記載の内燃機関の排気浄化装置。

0020

(11)前記上流側触媒から流出して前記下流側触媒に流入する排気ガスの空燃比を検出する下流側空燃比センサを更に備える、上記(1)〜(10)のいずれか一つに記載の内燃機関の排気浄化装置。

0021

(12)前記制御装置は、前記リーンスパイク制御の実行期間を算出する際に、前記リーンスパイク制御の実行期間中における前記下流側空燃比センサの出力を利用しない、上記(11)に記載の内燃機関の排気浄化装置。

0022

(13)前記制御装置は、前記下流側空燃比センサによって排気ガスの空燃比がリーン空燃比になったことが検出される前に前記リーンスパイク制御が終了せしめられるように、前記リーンスパイク制御の実行中に前記機関本体から排出される排気ガスの目標空燃比が設定される、上記(12)に記載の内燃機関の排気浄化装置。

発明の効果

0023

本開示によれば、下流側触媒にて排気ガス中のNOxを適切に浄化することができるような、従来とは異なる態様の内燃機関の排気浄化装置が提供される。

図面の簡単な説明

0024

図1は、一つの実施形態に係る排気浄化装置が用いられている内燃機関を概略的に示す図である。
図2は、空燃比センサ周りの排気ガスの空燃比と空燃比センサの出力電流との関係を示す図である。
図3は、通常空燃比制御を行った場合における、目標空燃比等のタイムチャートである。
図4は、通常空燃比制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。
図5は、一つの変形例に係る通常空燃比制御における、目標空燃比等のタイムチャートである。
図6は、上流側触媒の最大吸蔵可能酸素量と下流側触媒の最大吸蔵可能酸素量との関係を表す図である。
図7は、リーンスパイク制御を行った場合における、目標空燃比等のタイムチャートである。
図8は、リーンスパイク制御に関する制御ルーチンを示すフローチャートである。
図9は、リーンスパイク制御に関する制御ルーチンを示すフローチャートである。
図10は、第三実施形態に係るリーンスパイク制御を行った場合における目標空燃比等の、図7と同様なタイムチャートである。

実施例

0025

以下、図面を参照して実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同様な構成要素には同一の参照番号を付す。

0026

<第一実施形態>
≪内燃機関全体の説明≫
図1は、第一実施形態に係る排気浄化装置が用いられる内燃機関を概略的に示す図である。図1を参照すると1は機関本体、2はシリンダブロック、3はシリンダブロック2内で往復動するピストン、4はシリンダブロック2上に固定されたシリンダヘッド、5はピストン3とシリンダヘッド4との間に形成された燃焼室、6は吸気弁、7は吸気ポート、8は排気弁、9は排気ポートをそれぞれ示す。吸気弁6は吸気ポート7を開閉し、排気弁8は排気ポート9を開閉する。本実施形態では、シリンダブロック2には複数の気筒が形成され、各気筒内で一つのピストン3が往復動する。

0027

図1に示したようにシリンダヘッド4の内壁面の中央部には点火プラグ10が配置され、シリンダヘッド4の内壁面周辺部には燃料噴射弁11が配置される。点火プラグ10は、点火信号に応じて火花を発生させるように構成される。また、燃料噴射弁11は、噴射信号に応じて、所定量の燃料を燃焼室5内に噴射する。なお、燃料噴射弁11は、吸気ポート7内に燃料を噴射するように配置されてもよい。また、本実施形態では、燃料として理論空燃比が14.6であるガソリンが用いられる。しかしながら、内燃機関は、ガソリン以外の燃料、或いはガソリンとの混合燃料を用いてもよい。

0028

各気筒の吸気ポート7はそれぞれ対応する吸気枝管13を介してサージタンク14に連結され、サージタンク14は吸気管15を介してエアクリーナ16に連結される。吸気ポート7、吸気枝管13、サージタンク14、吸気管15は吸気通路を形成する。また、吸気管15内にはスロットル弁駆動アクチュエータ17によって駆動されるスロットル弁18が配置される。スロットル弁18は、スロットル弁駆動アクチュエータ17によって回動せしめられることで、吸気通路の開口面積を変更することができる。

0029

一方、各気筒の排気ポート9は排気マニホルド19に連結される。排気マニホルド19は、各排気ポート9に連結される複数の枝部とこれら枝部が集合した集合部とを有する。排気マニホルド19の集合部は上流側排気浄化触媒(以下、「上流側触媒」という)20を内蔵した上流側ケーシング21に連結される。上流側ケーシング21は、排気管22を介して下流側排気浄化触媒(以下、「下流側触媒」という)24を内蔵した下流側ケーシング23に連結される。排気ポート9、排気マニホルド19、上流側ケーシング21、排気管22及び下流側ケーシング23は、排気通路を形成する。

0030

電子制御ユニット(ECU)31はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス32を介して相互に接続されたRAM(ランダムアクセスメモリ)33、ROM(リードオンリメモリ)34、CPU(マイクロプロセッサ)35、入力ポート36及び出力ポート37を具備する。吸気管15には、吸気管15内を流れる空気流量を検出するためのエアフロメータ39が配置され、このエアフロメータ39の出力は対応するAD変換器38を介して入力ポート36に入力される。また、排気マニホルド19の集合部には排気マニホルド19内を流れる排気ガス(すなわち、上流側触媒20に流入する排気ガス)の空燃比を検出する上流側空燃比センサ40が配置される。加えて、排気管22内には排気管22内を流れる排気ガス(すなわち、上流側触媒20から流出して下流側触媒24に流入する排気ガス)の空燃比を検出する下流側空燃比センサ41が配置される。これら空燃比センサ40、41の出力も対応するAD変換器38を介して入力ポート36に入力される。

0031

本実施形態では、空燃比センサ40、41として、限界電流式の空燃比センサが用いられる。したがって、空燃比センサ40、41は、図2に示したように、空燃比センサ40、41周りの排気ガスの空燃比が高くなるほど(すなわちリーンになるほど)、空燃比センサ40、41からの出力電流が大きくなるように構成される。特に、本実施形態の空燃比センサ40、41は、空燃比センサ40、41周りの排気ガスの空燃比に対して出力電流がリニアに(比例して)変化するように構成される。なお、本実施形態では、空燃比センサ40、41として限界電流式の空燃比センサを用いているが、排気ガスの空燃比に応じて出力が変化するセンサであれば限界電流式の空燃比センサ以外の空燃比センサを用いてもよい。斯かる空燃比センサとしては、例えば、センサを構成する電極間電圧印加されずに理論空燃比近傍で急激に出力が変化する酸素センサ等が挙げられる。

0032

また、アクセルペダル42にはアクセルペダル42の踏込み量に比例した出力電圧を発生する負荷センサ43が接続され、負荷センサ43の出力電圧は対応するAD変換器38を介して入力ポート36に入力される。クランク角センサ44は例えばクランクシャフトが15度回転する毎に出力パルスを発生し、この出力パルスが入力ポート36に入力される。CPU35ではこのクランク角センサ44の出力パルスから機関回転数が計算される。一方、出力ポート37は対応する駆動回路45を介して点火プラグ10、燃料噴射弁11及びスロットル弁駆動アクチュエータ17に接続される。なお、ECU31は、機関本体1から排出される排気ガスの空燃比を制御する制御装置として機能する。

0033

上流側触媒20及び下流側触媒24は、酸素吸蔵能力を有する三元触媒である。具体的には、排気浄化触媒20、24は、セラミックから成る担体に、触媒作用を有する触媒貴金属(例えば、白金(Pt))及び酸素吸蔵能力を有する物質(例えば、セリア(CeO2))を担持させた三元触媒である。三元触媒は、三元触媒に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比に維持されていると、未燃HC、CO及びNOxを同時に浄化する機能を有する。加えて、排気浄化触媒20、24に或る程度の酸素が吸蔵されている場合には、排気浄化触媒20、24に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比に対してリッチ側或いはリーン側に若干ずれたとしても未燃HC、CO及びNOxとが同時に浄化される。

0034

すなわち、排気浄化触媒20、24が酸素吸蔵能力を有していると、すなわち排気浄化触媒20、24の酸素吸蔵量が最大吸蔵可能酸素量よりも少ないと、排気浄化触媒20、24に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比よりも若干リーンになったときには、排気ガス中に含まれる過剰な酸素が排気浄化触媒20、24内に吸蔵される。このため、排気浄化触媒20、24の表面上が理論空燃比に維持される。その結果、排気浄化触媒20、24の表面上において未燃HC、CO及びNOxが同時に浄化され、このとき排気浄化触媒20、24から流出する排気ガスの空燃比は理論空燃比となる。

0035

一方、排気浄化触媒20、24が酸素を放出することができる状態にあると、すなわち排気浄化触媒20、24の酸素吸蔵量が0よりも多いと、排気浄化触媒20、24に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比よりも若干リッチになったときには、排気ガス中に含まれている未燃HC、COを還元させるのに不足している酸素が排気浄化触媒20、24から放出される。このため、この場合にも排気浄化触媒20、24の表面上が理論空燃比に維持される。その結果、排気浄化触媒20、24の表面上において未燃HC、CO及びNOxが同時に浄化され、このとき排気浄化触媒20、24から流出する排気ガスの空燃比は理論空燃比となる。

0036

このように、排気浄化触媒20、24に或る程度の酸素が吸蔵されている場合には、排気浄化触媒20、24に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比に対してリッチ側或いはリーン側に若干ずれたとしても未燃HC、CO及びNOxとが同時に浄化され、排気浄化触媒20、24から流出する排気ガスの空燃比は理論空燃比となる。

0037

≪通常空燃比制御≫
次に、本実施形態に係る内燃機関の制御装置において通常行われる通常空燃比制御の概要を説明する。本実施形態の通常空燃比制御では、上流側空燃比センサ40の出力空燃比に基づいて上流側空燃比センサ40の出力空燃比が目標空燃比となるように燃料噴射弁11からの燃料噴射量を制御するフィードバック制御が行われる。すなわち、本実施形態の通常空燃比制御では、上流側空燃比センサ40の出力空燃比に基づいて機関本体1から排出される排気ガスの空燃比が目標空燃比となるようにフィードバック制御が行われる。なお、「出力空燃比」は、空燃比センサの出力値に相当する空燃比を意味する。

0038

また、本実施形態の通常空燃比制御では、下流側空燃比センサ41の出力空燃比等に基づいて目標空燃比が設定される。具体的には、下流側空燃比センサ41の出力空燃比が理論空燃比よりもリッチな空燃比(以下、「リッチ空燃比」という)となったときに、目標空燃比がリーン設定空燃比に設定される。この結果、機関本体1から排出される排気ガスの空燃比もリーン設定空燃比になる。ここで、リーン設定空燃比は、理論空燃比(制御中心となる空燃比)よりも或る程度リーンである予め定められた一定値の空燃比であり、例えば、14.65〜16程度とされる。加えて、本実施形態では、下流側空燃比センサ41の出力空燃比が理論空燃比よりも僅かにリッチであるリッチ判定空燃比(例えば、14.55)以下になったときに、下流側空燃比センサ41の出力空燃比がリッチ空燃比になったと判断される。

0039

目標空燃比がリーン設定空燃比に変更されると、排気ガスの酸素過不足量が積算される。酸素過不足量は、上流側触媒20に流入する排気ガスの空燃比を理論空燃比にしようとしたときに過剰となる酸素の量又は不足する酸素の量(過剰な未燃HC、CO等(以下、「未燃ガス」という)の量)を意味する。特に、目標空燃比がリーン設定空燃比となっているときには上流側触媒20に流入する排気ガス中の酸素は過剰となり、この過剰な酸素は上流側触媒20に吸蔵される。したがって、酸素過不足量の積算値(以下、「積算酸素過不足量」という)は、上流側触媒20の酸素吸蔵量の推定値であるといえる。

0040

なお、酸素過不足量の算出は、上流側空燃比センサ40の出力空燃比、及びエアフロメータ39の出力等に基づいて算出される燃焼室5内への吸入空気量の推定値又は燃料噴射弁11からの燃料供給量等に基づいて行われる。具体的には、酸素過不足量OEDは、例えば、下記式(1)により算出される。
OED=0.23×Qi×(AFup−AFR) …(1)
ここで、0.23は空気中の酸素濃度、Qiは燃料噴射量、AFupは上流側空燃比センサ40の出力空燃比、AFRは制御中心となる空燃比(本実施形態では、基本的には理論空燃比)をそれぞれ表している。

0041

このようにして算出された酸素過不足量を積算した積算酸素過不足量が、予め定められた切替基準値(予め定められた切替基準吸蔵量Crefに相当)以上になると、それまでリーン設定空燃比だった目標空燃比が、リッチ設定空燃比に設定される。リッチ設定空燃比は、理論空燃比(制御中心となる空燃比)よりも或る程度リッチである予め定められた空燃比であり、例えば、14〜14.55程度とされる。

0042

その後、下流側空燃比センサ41の出力空燃比が再びリッチ判定空燃比以下となったときに、目標空燃比が再びリーン設定空燃比とされ、その後、同様な操作が繰り返される。このように本実施形態では、機関本体1から排出される排気ガスの目標空燃比がリーン設定空燃比とリッチ設定空燃比とに交互に繰り返し設定される。換言すると、本実施形態における通常空燃比制御では、機関本体1から排出される排気ガスの空燃比がリッチ空燃比と、理論空燃比よりもリーンな空燃比(以下、「リーン空燃比」という)とに交互に切り替えられるといえる。

0043

また、本実施形態では、下流側空燃比センサ41の出力空燃比がリッチ空燃比となったときに目標空燃比がリッチ設定空燃比からリーン設定空燃比に切り替えられる。したがって、この目標空燃比の切替の際には、上流側触媒20からは一時的にリッチ空燃比の排気ガスが流出する。一方、本実施形態では、下流側空燃比センサ41の出力空燃比がリーン空燃比になる前に目標空燃比がリーン設定空燃比からリッチ設定空燃比に切り替えられる。したがって、この目標空燃比の切替の際には、上流側触媒20からはリーン空燃比の排気ガスは流出しない。したがって、上流側触媒20からは定期的にリッチ空燃比の排気ガスは流出するが、リーン空燃比の排気ガスは流出しない。このため、本実施形態では、上流側触媒20から流出して下流側触媒24に流入する排気ガスの時間平均空燃比はリッチ空燃比となる。

0044

≪タイムチャートを用いた通常空燃比制御の説明≫
図3を参照して、上述したような操作について具体的に説明する。図3は、本実施形態に係る通常空燃比制御を行った場合における、目標空燃比AFT、上流側空燃比センサ40の出力空燃比AFup、上流側触媒20の酸素吸蔵量OSAup、上流側触媒20の積算酸素過不足量ΣOED、及び下流側空燃比センサ41の出力空燃比AFdwn及び下流側触媒24の酸素吸蔵量OSAdwnのタイムチャートである。

0045

図示した例では、時刻t1以前の状態では、目標空燃比AFTがリッチ設定空燃比AFTrichに設定されている。上流側触媒20に流入する排気ガス中に含まれている未燃ガス等は、上流側触媒20に吸蔵されている酸素と反応して上流側触媒20で浄化され、これに伴って、上流側触媒20の酸素吸蔵量OSAupは徐々に減少していく。上流側触媒20における未燃ガス等の浄化により、下流側空燃比センサ41の出力空燃比AFdwnはほぼ理論空燃比となる。

0046

上流側触媒20の酸素吸蔵量OSAupが徐々に減少してゼロに近づくと、上流側触媒20に流入した未燃ガス等の一部は上流側触媒20で浄化されずに流出し始める。この結果、下流側触媒24には未燃ガスを含んだリッチ空燃比の排気ガスが流入し、この未燃ガスは下流側触媒24に吸蔵されている酸素と反応して浄化される。これに伴って、下流側触媒24の酸素吸蔵量OSAdwnが減少する。

0047

下流側空燃比センサ41の出力空燃比AFdwnが徐々に低下して時刻t1においてリッチ判定空燃比AFrichに到達すると、本実施形態では、上流側触媒20の酸素吸蔵量OSAupを増大させるべく、目標空燃比AFTがリーン設定空燃比AFTleanに切り替えられる。また、このとき、積算酸素過不足量ΣOEDは0にリセットされる。

0048

時刻t1において、目標空燃比がリーン空燃比に切り替えられると、機関本体1から排出される排気ガスの空燃比はリッチ空燃比からリーン空燃比に変化する。この結果、時刻t1以降、上流側触媒20の酸素吸蔵量OSAupは増大する。同様に、積算酸素過不足量ΣOEDも徐々に増大していく。

0049

このとき、上流側触媒20に流入する排気ガスの空燃比はリーン空燃比となっているが、上流側触媒20の酸素吸蔵能力には十分な余裕があるため、流入する排気ガス中の酸素は上流側触媒20に吸蔵され、NOxは還元浄化される。この結果、上流側触媒20から流出する排気ガスの空燃比が理論空燃比へと変化する。

0050

その後、上流側触媒20の酸素吸蔵量OSAupは、増大し、やがて時刻t2において切替基準吸蔵量Crefに到達する。このとき、積算酸素過不足量ΣOEDは、切替基準吸蔵量Crefに相当する切替基準値OEDrefに到達する。本実施形態では、積算酸素過不足量ΣOEDが切替基準値OEDref以上になると、上流側触媒20への酸素の吸蔵を中止すべく、目標空燃比AFTがリッチ設定空燃比AFTrichに切り替えられる。また、このとき、積算酸素過不足量ΣOEDが0にリセットされる。

0051

時刻t2において目標空燃比をリッチ空燃比に切り替えると、機関本体1から排出される排気ガスの空燃比はリーン空燃比からリッチ空燃比に変化する。機関本体1から排出される排気ガス中には未燃ガス等が含まれることになるため、上流側触媒20の酸素吸蔵量OSAは徐々に減少していく。

0052

その後、時刻t3において、時刻t1と同様に、下流側空燃比センサ41の出力空燃比AFdwnがリッチ判定空燃比AFrichに到達する。これにより、目標空燃比AFTがリーン設定空燃比AFTleanに切り替えられる。その後、上述した時刻t1〜t3のサイクルが繰り返される。

0053

≪通常空燃比制御のフローチャート≫
図4は、通常空燃比制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。図示した制御ルーチンは制御装置にて一定時間間隔(例えば、数msec)で実行される。

0054

図4に示したように、まず、ステップS11において通常空燃比制御の実行条件が成立しているか否かが判定される。通常空燃比制御の実行条件は、例えば、燃料カット制御等、特殊な制御の実行中でないこと等が挙げられる。ステップS11において通常空燃比制御の実行条件が成立していると判定された場合には、制御ルーチンはステップS12へと進む。

0055

ステップS12では、リーン設定フラグFlがOFFに設定されているか否かが判定される。リーン設定フラグFlは、目標空燃比AFTがリーン空燃比に設定されるとONとされ、それ以外の場合にはOFFとされる。ステップS12においてリーン設定フラグFlがOFFに設定されていると判定された場合には、制御ルーチンはステップS13へと進む。ステップS13では、下流側空燃比センサ41の出力空燃比AFdwnがリッチ判定空燃比AFrich以下であるか否かが判定される。下流側空燃比センサ41の出力空燃比AFdwnがリッチ判定空燃比AFrichよりも大きいと判定された場合にはステップS14にて目標空燃比AFTがリッチ設定空燃比AFTrichに設定されたまま維持され、制御ルーチンが終了せしめられる。

0056

一方、上流側触媒20の酸素吸蔵量OSAが減少して、上流側触媒20から流出する排気ガスの空燃比が低下すると、ステップS13にて下流側空燃比センサ41の出力空燃比AFdwnがリッチ判定空燃比AFrich以下であると判定される。この場合には、制御ルーチンはステップS15へと進み、目標空燃比AFTがリーン設定空燃比AFTleanに切り替えられる。次いで、ステップS16ではリーン設定フラグFlがONに設定され、その後、制御ルーチンが終了せしめられる。

0057

リーン設定フラグFlがONに設定されると、次の制御ルーチンは、ステップS12からステップS17へと進む。ステップS17では、目標空燃比AFTがリーン設定空燃比AFTleanに切り替えられてからの積算酸素過不足量ΣOEDが切替基準値OEDref以上であるか否かが判定される。積算酸素過不足量ΣOEDが切替基準値OEDrefよりも少ないと判定された場合には制御ルーチンはステップS18へと進む。ステップS18では目標空燃比AFTが引き続きリーン設定空燃比AFTleanに設定されたまま維持され、その後制御ルーチンが終了せしめられる。一方、上流側触媒20の酸素吸蔵量が増大すると、やがてステップS17において積算酸素過不足量ΣOEDが切替基準値OEDref以上であると判定され、制御ルーチンはステップS19へと進む。ステップS19では、目標空燃比AFTがリッチ設定空燃比AFTrichに切り替えられる。ステップS20ではリーン設定フラグFlがOFFにリセットされ、その後制御ルーチンが終了せしめられる。

0058

≪通常空燃比制御の変形例≫
なお、燃料カット制御や、一時的に燃料供給量を増量する燃料増量制御等が行われていないときに行われる通常空燃比制御として、必ずしも上述したような制御を行う必要はない。下流側触媒24に流入する排気ガスの時間平均空燃比がリッチ空燃比になるように制御されていれば、通常空燃比制御として様々な制御を行うことができる。

0059

上記実施形態に係る通常空燃比制御では、積算酸素過不足量ΣOEDが切替基準量OEDrefに到達したときに、目標空燃比がリーン設定空燃比からリッチ設定空燃比に切り換えられていた。これに対して、本変形例では、下流側空燃比センサ41の出力空燃比がリーン空燃比になったとき(具体的には、リーン判定空燃比以上になったとき)に目標空燃比がリーン設定空燃比からリッチ設定空燃比に切り換えられる。

0060

図5を参照して、上述した操作について具体的に説明する。図5は、一つの変形例に係る通常空燃比制御における、目標空燃比AFT等の図3と同様なタイムチャートである。図示した例では、時刻t1において目標空燃比AFTがリーン設定空燃比AFTleanに切り換えられる。時刻t1以降、上流側触媒20の酸素吸蔵量OSAupは徐々に増大していき、ついには時刻t2において下流側空燃比センサ41の出力空燃比AFdwnがリーン判定空燃比AFleanに到達する。

0061

本実施形態では、下流側空燃比センサ41の出力空燃比AFdwnがリーン判定空燃比AFleanに到達すると、酸素吸蔵量OSAfrを減少させるべく、目標空燃比AFTがリッチ設定空燃比AFTrrichに切り換えられる。このとき、上流側触媒20からは一時的にリーン空燃比の排気ガスが流出し、このリーン空燃比の排気ガスは下流側触媒24に流入する。この結果、時刻t2近傍においては、下流側触媒24の酸素吸蔵量OSAdwnが増大せしめられる。その後、上述したt1〜t2のサイクルが繰り返される。

0062

なお、本変形例では、目標空燃比AFTは、時刻t1近傍において下流側触媒24に流入する未燃ガスの総量(酸素の総不足量)が、時刻t2近傍において下流側触媒24に流入する酸素の総量(酸素の総過剰量)よりも多くなるように制御される。具体的には、例えば、リーン判定空燃比AFleanと理論空燃比との差がリッチ判定空燃比AFrichと理論空燃比との差よりも大きくなるように、リーン判定空燃比AFlean及びリッチ判定空燃比AFrichが設定される。或いは、下流側空燃比センサ41の出力空燃比がリッチ判定空燃比に達してから目標空燃比をリーン空燃比に切り替えるまでの時間が、下流側空燃比センサ41の出力空燃比がリーン判定空燃比に達してから目標空燃比をリッチ空燃比に切り替えるまでの時間よりも長くなるように設定されてもよい。いずれにせよ、本変形例においても、下流側触媒24に流入する排気ガスの空燃比は、その時間平均空燃比がリッチ空燃比になるように制御される。この結果、通常空燃比制御の実行中には、下流側触媒24にNOxを含んだリーン空燃比の排気ガスが流入することが抑制され、よって下流側触媒24からNOxが流出することが抑制される。

0063

≪リーンスパイク制御≫
ところで、本実施形態に係る内燃機関では、内燃機関を搭載した車両の減速中等に燃料カット制御が行われる。燃料カット制御は、クランクシャフトやピストン3が運動している状態であっても燃料噴射弁11からの燃料の噴射を停止する制御である。斯かる燃料カット制御が行われると、機関本体1からは空気が排出されるため、両排気浄化触媒20、24には多量の空気が流入する。この結果、両排気浄化触媒20、24の酸素吸蔵量は共に最大吸蔵可能酸素量Cmaxになる。

0064

したがって、下流側触媒24に流入する排気ガスの空燃比の時間平均空燃比がリッチ空燃比になるように空燃比制御が行われていても、燃料カット制御が定期的に行われていれば、下流側触媒24の酸素吸蔵量がゼロ近傍になってしまうことはない。ところが、燃料カット制御は車両の減速中等に行われるため、必ずしも一定時間間隔で行われるわけではない。このため、場合によっては、下流側触媒24の酸素吸蔵量がゼロ近傍に到達してしまうこともある。

0065

そこで、本実施形態では、下流側触媒24の酸素吸蔵量が少なくなると、機関本体1から排出される排気ガスの空燃比をリーン空燃比に制御するリーンスパイク制御が実行される。

0066

特に、本実施形態に係るリーンスパイク制御では、リーンスパイク制御の開始時点において、リーンスパイク制御によって両排気浄化触媒20、24に供給すべき酸素の量が算出される。そして、算出された酸素の量がこれら排気浄化触媒20、24に供給されるように、リーンスパイク制御の開始時点で、リーンスパイク制御の実行期間が算出される。リーンスパイク制御は、このとき算出された実行期間に亘って実行された後に終了せしめられる。したがって、本実施形態に係るリーンスパイク制御は、フィードフォワード制御として行われる。以下では、このリーンスパイク制御について具体的に説明する。

0067

(1)リーンスパイク制御の実行条件
まず、リーンスパイク制御は、所定の実行条件が成立すると実行される。リーンスパイク制御の実行条件は、下流側触媒24の酸素吸蔵量がゼロ近傍まで少なくなったとき或いはほぼゼロになったときに成立するような条件とされる。

0068

具体的には、1番目の例では、上述した上流側触媒20の積算酸素過不足量ΣOEDと同様に、下流側空燃比センサ41の出力空燃比等に基づいて下流側触媒24の酸素過不足量が算出される。このようにして算出された下流側触媒24の酸素過不足量に基づいて下流側触媒24の酸素吸蔵量が推定される。リーンスパイク制御の実行条件は、推定された酸素吸蔵量が予め定められた下限量よりも少なくなったときに成立する。

0069

2番目の例では、リーンスパイク制御の実行条件は、リーンスパイク制御又は燃料カット制御が前回行われてから下流側空燃比センサ41の出力空燃比がリッチ空燃比になっている時間が予め定められた時間以上になったときに成立する。

0070

3番目の例では、リーンスパイク制御の実行条件は、リーンスパイク制御又は燃料カット制御が前回行われてからの通常空燃比制御の総実行時間又は内燃機関の総運転時間が予め定められた時間以上になったときに成立する。

0071

(2)目標酸素供給量の算出
リーンスパイク制御の実行条件が成立すると、リーンスパイク制御によって両排気浄化触媒20、24に供給すべき酸素の量(以下、「目標酸素供給量」ともいう)が算出される。本実施形態では、目標酸素供給量O2spは下記式(2)によって算出される。
O2sp=(Cmaxupes-OSAupes)+(Cmaxdwnes・K) …(2)
ここで、式(2)において、Cmaxupesは上流側触媒20の最大吸蔵可能酸素量の推定値、OSAupesは上流側触媒20の現在の酸素吸蔵量の推定値、Cmaxdwnは下流側触媒24の最大吸蔵可能酸素量の推定値、Kは0以上1以下の係数(例えば、0.7)をそれぞれ表す。

0072

式(2)において、第1項は上流側触媒20の最大吸蔵可能酸素量と上流側触媒20の酸素吸蔵量の推定値との差、すなわち上流側触媒20の現在吸蔵可能な酸素量(以下、「上流側吸蔵可能酸素量」ともいう)の推定値を表している。

0073

一方、式(2)において、第2項は下流側触媒24の最大可能酸素吸蔵量に所定の係数を乗算した値となっている。ここで、上述したように、リーンスパイク制御は、下流側触媒24の酸素吸蔵量がゼロ近傍の所定の量まで少なくなったときに実行される。したがって、リーンスパイク制御の開始時には、上流側触媒20に常に同程度の酸素が吸蔵されている。すなわち、リーンスパイク制御の開始時には、毎回、下流側触媒24の吸蔵可能な酸素量(以下、「下流側吸蔵可能酸素量」ともいう)は、最大吸蔵可能酸素量に対して同程度の割合となっている。このため、式(2)の第2項は、リーンスパイク制御の開始時における下流側吸蔵可能酸素量の推定値を表している。

0074

したがって、本実施形態では、リーンスパイク制御における目標酸素供給量は、リーンスパイク制御の開始時における上流側吸蔵可能酸素量の推定値と下流側吸蔵可能酸素量の推定値とを合計した合計値として、これらパラメータに基づいて算出される。そして、本実施形態では、上流側吸蔵可能酸素量は、上流側触媒20の最大吸蔵可能酸素量と、上流側空燃比センサ40によって検出された空燃比に基づいて推定された上流側触媒20の酸素吸蔵量の推定値との差として算出される。換言すると、上流側吸蔵可能酸素量は、上流側空燃比センサ40によって検出された空燃比に基づいて推定される。

0075

ここで、式(2)における上流側触媒20の現在の酸素吸蔵量の推定値OSAupesは、上述した積算酸素過不足量ΣOEDに基づいて推定される。なお、上流側触媒20の酸素吸蔵量は任意の公知な他の方法によって推定されてもよい。

0076

また、式(2)における上流側触媒20の最大吸蔵可能酸素量の推定値Cmaxupesは、例えば、図5に示したような空燃比制御を少なくとも一時的に行うことによって推定される。ここで、図5に示した空燃比制御では、時刻t1において上流側触媒20の酸素吸蔵量OSAupがゼロとなっており、時刻t2において上流側触媒20の酸素吸蔵量OSAupが最大吸蔵可能酸素量Cmaxに到達している。したがって、時刻t1から時刻t2までの間に上流側触媒20に流入した酸素の総量、すなわち時刻t2における積算酸素過不足量ΣOED(図5中のQ1)は、上流側触媒20の最大吸蔵可能酸素量Cmaxを表している。同様に、時刻t3における積算酸素過不足量ΣOED(図5中のQ2)も上流側触媒20の最大吸蔵可能酸素量Cmaxを表している。したがって、図5に示したような空燃比制御を行ったときの時刻t2及び時刻t3における積算酸素過不足量ΣOEDに基づいて、上流側触媒20の最大吸蔵可能酸素量が推定される。なお、上流側触媒20の最大吸蔵可能酸素量は任意の公知な他の方法によって推定されてもよい。

0077

加えて、式(2)における下流側触媒24の最大吸蔵可能酸素量の推定値Cmaxdwnは、例えば、上流側触媒20の最大吸蔵可能酸素量の推定値に基づいて推定される。ここで、上流側触媒20及び下流側触媒24の酸素吸蔵量は、これら触媒20、24の経年劣化に伴って減少する。そして、下流側触媒24の劣化度合いは、上流側触媒20の劣化度合いに比例して変化する。そこで、本実施形態では、例えば、図6に示したようなマップを用いて、下流側触媒24の最大吸蔵可能酸素量は上流側触媒20の最大吸蔵可能酸素量の推定値に基づいて推定される。なお、下流側触媒24の最大吸蔵可能酸素量は任意の公知な他の方法によって推定されてもよい。

0078

なお、上記式(2)の第1項が表す上流側吸蔵可能酸素量は、上流側触媒20の最大吸蔵可能酸素量の推定値Cmaxupes及び上流側触媒20の酸素吸蔵量の推定値OSAupesを用いずに、積算酸素過不足量ΣOEDから直接推定されてもよい。また、上記式(2)の第2項が表す下流側吸蔵可能酸素量は、下流側空燃比センサ41に基づいて下流側触媒24における積算酸素過不足量ΣOEDを算出すると共に、算出された積算酸素過不足量ΣOEDを用いて上流側吸蔵可能酸素量と同様にして算出されてもよい。

0079

(3)実行時間の算出
リーンスパイク制御における目標酸素供給量が算出されると、リーンスパイク制御の実行時間が算出される。リーンスパイク制御の実行時間Tspは下記式(3)によって算出される。
Tsp=O2sp・AFTslean/(AFTslean-AFST)/(Ga・0.23) …(3)
式(3)において、O2spは上記式(2)において算出された目標酸素供給量、AFTsleanはリーンスパイク制御の実行中に目標空燃比として設定される強リーン設定空燃比、AFSTは理論空燃比、Gaは吸入空気流量(g/sec)をそれぞれ表す。本実施形態では、強リーン設定空燃比AFTsleanは、リーン設定空燃比AFTleanよりもリーンとされる。また、吸入空気流量は、例えば、エアフロメータ39によって検出される。

0080

すなわち、本実施形態では、リーンスパイク制御の実行時間は、リーンスパイク制御における目標酸素供給量、強リーン設定空燃比AFTslean、吸入空気流量に基づいて算出される。リーンスパイク制御における目標酸素供給量が上流側吸蔵可能酸素量の推定値及び下流側吸蔵可能酸素量の推定値に基づいて算出されることを考慮すると、本実施形態ではリーンスパイク制御の実行時間は、上流側吸蔵可能酸素量の推定値及び下流側吸蔵可能酸素量の推定値に基づいて算出されるということもできる。特に、本実施形態では、リーンスパイク制御の実行時間は、上流側吸蔵可能酸素量の推定値と下流側吸蔵可能酸素量の推定値とを合計した合計値に相当する酸素がリーンスパイク制御の実行中に上流側触媒20に流入するように算出される。また、本実施形態では、以上からわかるように、リーンスパイク制御の実行期間は、リーンスパイク制御の実行期間中における下流側空燃比センサ41の出力を利用せずに、算出される。

0081

リーンスパイク制御の実行時間が算出されると、通常空燃比制御が停止されて、リーンスパイク制御が開始される。リーンスパイク制御が開始されると、目標空燃比が強リーン設定空燃比AFTsleanに設定され、よって機関本体1から強リーン設定空燃比AFTsleanの排気ガスが排出されることになる。

0082

リーンスパイク制御は上述したように算出された実行時間に亘って実行され、その後、終了せしめられる。リーンスパイク制御が終了されると通常空燃比制御が再開される。このとき、目標空燃比は、強リーン設定空燃比AFTsleanからリッチ設定空燃比AFTrichに切り替えられることになる。

0083

≪タイムチャートを用いたリーンスパイク制御の説明≫
図7は、リーンスパイク制御を行った場合における目標空燃比AFT等のタイムチャートである。図7中の積算酸素供給量は、リーンスパイク制御の実行中に上流側触媒20に供給された酸素の積算値を示している。

0084

図7に示した例では、上流側触媒20から流出した排気ガスが下流側触媒24に流入するまでも或る程度の遅れが生じることが考慮されている。一方、説明を分かりやすくするために、目標空燃比AFTを切り替えてから、切り替え後の空燃比の排気ガスが上流側触媒20に到達するまでに生じる遅れは考慮されていない。

0085

図示した例では、時刻t1以前には、図3に示した通常空燃比制御が行われており、また、時刻t1以前から下流側触媒24の酸素吸蔵量OSAdwnが比較的減少している。

0086

図7に示した例では、時刻t1において、リーンスパイク制御の実行条件が成立する。したがって、時刻t1において、リーンスパイク制御の実行時間Tspが算出されると共に、目標空燃比AFTがリッチ設定空燃比AFTrichから強リーン設定空燃比AFTsleanに切り替えられる。

0087

時刻t1において目標空燃比が強リーン設定空燃比AFTsleanに切り替えられると、上流側空燃比センサ40の出力空燃比AFupがリーン空燃比に変化し、上流側触媒20への積算酸素供給量が増大していく。この結果、上流側触媒20の酸素吸蔵量OSAupが徐々に増大し、時刻t2において最大吸蔵可能酸素量Cmaxに到達する。したがって、時刻t2以降は、上流側触媒20からは酸素を含んだリーン空燃比の排気ガスが流出する。しかしながら、上流側触媒20と下流側触媒24との間には距離があるため、時刻t2以降直ぐには下流側触媒24にはリーン空燃比の排気ガスが到達しない。このため、時刻t2以降も下流側空燃比センサ41の出力空燃比AFdwnはほぼ理論空燃比のまま維持される。

0088

その後、時刻t3になると、時刻t1からの経過時間が実行時間Tspに到達する。このとき、リーンスパイク制御の実行中における上流側触媒20への積算酸素供給量は目標酸素供給量O2spに相当する量となっている。経過時間が実行時間Tspに到達した時刻t3ではリーンスパイク制御が終了され、通常空燃比制御が再開される。このため、時刻t3では目標空燃比が強リーン設定空燃比AFTsleanからリッチ設定空燃比AFTrichに切り替えられる。したがって、時刻t3においては、上流側空燃比センサ40の出力空燃比AFupがリッチ空燃比に変化し、上流側触媒20の酸素吸蔵量OSAが徐々に減少してく。

0089

図7に示した例では、その後、時刻t4において、時刻t2以降に上流側触媒20から流出したリーン空燃比の排気ガスが下流側触媒24に到達する。したがって、時刻t4以降においては、下流側空燃比センサ41の出力空燃比がリーン空燃比になると共に、下流側触媒24の酸素吸蔵量OSAdwnが徐々に増加していく。その後、時刻t5において、時刻t3にて目標空燃比AFTをリッチ設定空燃比に切り替えたことに伴って、下流側触媒24に流入する排気ガスの空燃比がほぼ理論空燃比に戻る。本実施形態では、時刻t5において、下流側触媒24の酸素吸蔵量OSAdwnがその最大吸蔵可能酸素量Cmaxの近傍の量になっており、よって下流側触媒24の酸素吸蔵量OSAdwnが回復せしめられる。

0090

≪フローチャート≫
図8は、リーンスパイク制御に関する制御ルーチンを示すフローチャートである。図示した制御ルーチンは制御装置にて一定時間間隔で実行される。

0091

まず、ステップS21において、リーンスパイク制御の実行フラグがOFFになっているか否かが判定される。実行フラグは、リーンスパイク制御の実行中にはONにされ、それ以外のときにはOFFにされるフラグである。ステップS21において、実行フラグがOFFであると判定された場合には、制御ルーチンはステップS22へと進む。

0092

ステップS22では、リーンスパイク制御の実行条件が成立しているか否かが判定される。実行条件は、例えば、上述したしたように下流側触媒24の酸素吸蔵量OSAdwnの推定値が下限量よりも少なくなったときに成立する。実行条件が成立していないと判定された場合には、制御ルーチンはステップS23へと進む。ステップS23では、通常空燃比制御が実行され、制御ルーチンが終了せしめられる。

0093

一方、ステップS22において、リーンスパイク制御の実行条件が成立していると判定された場合には、制御ルーチンはステップS24へと進む。ステップS24では、上記式(2)に基づいて目標酸素供給量O2spが算出される。次いで、ステップS25では、ステップS24で算出された目標酸素供給量O2spに基づいて上記式(3)を用いて実行時間Tspが算出される。次いで、ステップS26では、リーンスパイク制御が開始され、よって目標空燃比が強リーン設定空燃比AFTsleanに設定される。次いで、ステップS27では、リーンスパイク制御の実行フラグがONにセットされ、制御ルーチンが終了せしめられる。

0094

リーンスパイク制御の実行フラグがONに設定されると、次の制御ルーチンは、ステップS21からステップS28へと進む。ステップS28では、リーンスパイク制御を開始してからの経過時間Tが、リーンスパイク制御の開始前にステップS25で算出された実行時間Tsp以上になったか否かが判定される。ステップS28において、経過時間Tが実行時間Tsp未満であると判定された場合には、リーンスパイク制御が継続され、制御ルーチンが終了せしめられる。

0095

一方、ステップS28において、経過時間Tが実行時間Tsp以上になったと判定された場合には、制御ルーチンはステップS29へと進む。ステップS29では、リーンスパイク制御が終了される。次いで、ステップS30においてリーンスパイク制御の実行フラグがOFFにリセットされる。次いで、ステップS23において通常空燃比制御が実行され、よって目標空燃比がリッチ設定空燃比AFTrichに設定される。

0096

≪作用・効果≫
ところで、リーンスパイク制御の実行中における目標空燃比のリーン度合いが小さいと、下流側触媒24に流入する排気ガス中のNOx濃度に対する酸素濃度が低い。このためリーン空燃比の排気ガスが流入しても下流側触媒24の酸素吸蔵量が増大しにくい。これに対して、本実施形態ではリーンスパイク制御の実行中には目標空燃比が比較的リーン度合いの大きいリーン空燃比に設定される。したがって、下流側触媒24に流入する排気ガス中のNOx濃度に対する酸素濃度は高く、よってリーンスパイク制御の実行中には下流側触媒24の酸素吸蔵量が増大し易い。

0097

一方、上述したように、目標空燃比を切り替えてから、切り替え後の空燃比の排気ガスが下流側触媒24に流入するまでには遅れが発生する。特に、リーンスパイク制御の実行中の目標空燃比をリーン度合いの大きいリーン空燃比に設定すると、図7に示したように、下流側空燃比センサ41の出力空燃比がリーン空燃比になった時点で既に下流側触媒24の酸素吸蔵量を回復させるには十分な量の酸素が機関本体1からは排出されていることがある。

0098

このように下流側触媒24に流入するまでに遅れが生じるため、下流側空燃比センサ41の出力空燃比がリーン空燃比に変化してからリーンスパイク制御を終了すると、下流側触媒24には必要以上に酸素が流入する。そして、場合によっては下流側触媒24の酸素吸蔵量OSAdwnがその最大吸蔵可能酸素量に到達して下流側触媒24から酸素及びNOxが流出する虞がある。

0099

これに対して、本実施形態では、リーンスパイク制御の開始時に、リーンスパイク制御の実行時間が設定され、その実行時間の経過後にリーンスパイク制御が終了される。すなわち、本実施形態では、リーンスパイク制御の実行中における下流側空燃比センサ41の出力空燃比とは無関係にリーンスパイク制御の終了タイミングが設定される。このため、下流側触媒24に必要以上に酸素が流入して、下流側触媒24からNOxが流出するのを抑制することができる。

0100

特に、本実施形態では、図7に示したように、下流側空燃比センサ41の出力空燃比がリーン空燃比に変化する前にリーンスパイク制御が終了せしめられる。したがって、本実施形態では、下流側空燃比センサ41によって排気ガスの空燃比がリーン空燃比になったことが検出される前にリーンスパイク制御が終了せしめられるように、リーンスパイク制御の実行中に機関本体1から排出される排気ガスの目標空燃比が設定されているといえる。

0101

≪変形例≫
なお、本実施形態では、リーンスパイク制御の実行中の目標空燃比は、リーン設定空燃比AFTleanよりもリーンな強リーン設定空燃比AFTsleanに設定される。しかしながら、リーンスパイク制御の実行中の目標空燃比は、必ずしもリーンスパイク制御の実行期間全体に亘ってリーン設定空燃比AFTleanよりもリーンでなくてもよい。すなわち、リーンスパイク制御の実行中の目標空燃比は、少なくとも一時的に通常空燃比制御の実行中における最もリーンな空燃比よりもリーンであることが好ましい。換言すると、リーンスパイク制御の実行中には機関本体1から排出される排気ガスの空燃比が、少なくとも一時的に、通常空燃比制御の実行中に機関本体1から排出される排気ガスが到達する最もリーンな空燃比よりもリーンになるように排気ガスの空燃比が制御されるのが好ましい。

0102

また、上記実施形態では、上流側触媒20の酸素吸蔵量は上流側空燃比センサ40の出力空燃比に基づいて推定される。しかしながら、上流側触媒20の酸素吸蔵量は、上流側空燃比センサ40の出力空燃比に基づかずに、エアフロメータ39によって検出された吸入空気流量や燃料噴射弁11からの燃料供給量に基づいて推定されてもよい。

0103

加えて、上記実施形態では、下流側吸蔵可能酸素量を下流側触媒24の最大吸蔵可能酸素量に基づいて推定している(上記式(2)の第2項)。しかしながら、下流側吸蔵可能酸素量は、上流側吸蔵可能酸素量と同様に、下流側触媒24の最大吸蔵可能酸素量と下流側触媒24の酸素吸蔵量の推定値とに基づいて算出されてもよい。この場合、下流側触媒24の酸素吸蔵量は、下流側空燃比センサ41の出力空燃比に基づいて推定される。

0104

さらに、上記実施形態では、リーンスパイク制御の実行時間が最初に算出され、この実行時間に亘ってリーンスパイク制御が実行される。しかしながら、実行時間の代わりに、実行時間に応じて変化する他のパラメータが用いられてもよい。したがって、例えば、リーンスパイク制御の実行時間の代わりに、リーンスパイク制御が実行されるサイクル数が最初に算出され、このサイクル数に亘ってリーンスパイク制御が実行されてもよい。以上を考慮すると、制御装置は、リーンスパイク制御の実行期間を最初に算出し、この実行期間に亘ってリーンスパイク制御を実行しているといえる。

0105

<第二実施形態>
次に、第二実施形態に係る排気浄化装置について説明する。第二実施形態に係る排気浄化装置の構成及び制御は基本的に第一実施形態に係る排気浄化装置の構成及び制御と同様である。したがって、以下では、第一実施形態に係る排気浄化装置とは異なる部分を中心に説明する。

0106

上記第一実施形態では、リーンスパイク制御において、目標空燃比が通常空燃比制御におけるリーン設定空燃比よりもリーンになるように制御されていた。これに対して、本実施形態では、リーンスパイク制御において、内燃機関の複数の気筒のうち少なくとも一部の気筒において内燃機関の作動中に燃料噴射弁11からの燃料の噴射を停止する燃料カット制御が行われる。

0107

本実施形態では、上記第一実施形態と同様にリーンスパイク制御における目標酸素供給量が算出され、その後、リーンスパイク制御の実行時間が算出される。このとき、リーンスパイク制御の実行中に機関本体1から排出される排気ガスの平均空燃比AFTavは下記式(4)によって算出される。そして、リーンスパイク制御の実行時間Tspは、下記式(5)によって算出される。
AFTav=AFTco・Nall/(Nall-Nfc) …(4)
Tsp=O2sp・AFTav/(AFTav-AFST)/(Ga・0.23) …(5)
式(4)において、AFTavはリーンスパイク制御中に燃焼が行われている気筒から排出される排気ガスの目標空燃比(例えば、理論空燃比)、Nallは内燃機関の全ての気筒の数、Nfcは燃料カット制御が行われている気筒の数をそれぞれ表している。

0108

すなわち、本実施形態では、リーンスパイク制御の実行時間は、リーンスパイク制御における目標酸素供給量、燃焼が行われている気筒から排出される排気ガスの目標空燃比AFTco、燃料カット制御が行われる気筒の数Nfc、吸入空気流量に基づいて算出される。リーンスパイク制御の実行時間の算出にもリーンスパイク制御における目標酸素供給量が用いられていることから、本実施形態でもリーンスパイク制御の実行時間は、上流側吸蔵可能酸素量の推定値及び下流側吸蔵可能酸素量の推定値に基づいて算出されるということができる。

0109

本実施形態によれば、リーンスパイク制御において燃料カット制御が行われる。燃料カット制御が行われている気筒からは空気が排出されることから、この気筒からの排気ガス中にはNOxが含まれない。したがって、リーンスパイク制御の実行中には下流側触媒24にはNOx濃度の低い排気ガスが流入することになり、下流側触媒24からNOxが流出することが抑制される。

0110

なお、一部の気筒において燃料カット制御が行われる場合には、例えば燃料カット制御が行われない気筒において一時的に燃焼室5に供給される空気及び燃料を増量し、燃料カット制御の開始や終了に伴う内燃機関の出力変動を抑制するようにしてもよい。

0111

≪変形例≫
次に、図9を参照して、第二実施形態の変形例に係る排気浄化装置について説明する。ところで、一つの気筒で燃料カット制御を一回(1サイクル)行うと、比較的多くの酸素が機関本体1から流出することになる。このため、燃料カット制御のみでは、リーンスパイク制御中に機関本体1からの酸素の排気系への供給量微調整することができない。そこで、本変形例では、リーンスパイク制御の実行条件が成立しても、直ぐにはリーンスパイク制御を開始せず、上流側触媒20の酸素吸蔵量が適切な量になってからリーンスパイク制御を開始するようにしている。

0112

具体的には、本実施形態では、上記第一実施形態と同様にリーンスパイク制御における目標酸素供給量O2spが算出される。その後、燃料カット制御が一つの気筒で一回行われることによって機関本体1から流出する酸素量O2oneが、例えば下記式(6)によって算出される。
O2one=Ga・0.23/(Nall/Nfc・RE/60) …(6)
式(6)において、REは機関回転速度(rpm)を表している。

0113

その後、リーンスパイク制御における目標酸素供給量O2spを一回の燃料カット制御で流出する酸素量O2oneで除算し、この結果得られた整商をQ、剰余をRとする。ここで、剰余Rは燃料カット制御をQ回行った際に、リーンスパイク制御における目標酸素供給量O2spに対して足りない酸素量を示している。

0114

そこで、本実施形態では、リーンスパイク制御の実行条件が成立したときには、目標空燃比がリーン設定空燃比(通常空燃比制御において設定される空燃比)に設定される。そして、リーンスパイク制御の実行条件が成立したときから剰余Rに相当する酸素量が上流側触媒20に流入するまで目標空燃比がリーン設定空燃比のまま維持される。換言すると、本実施形態では、上流側触媒20の酸素吸蔵量の推定値がリーンスパイク制御の実行条件が成立したときの値から剰余R分だけ増えた量に到達してからリーンスパイク制御が開始される。

0115

図9は、本変形例に係るリーンスパイク制御に関する制御ルーチンを示すフローチャートである。図示した制御ルーチンは制御装置にて一定時間間隔で実行される。なお、ステップS41〜S44及びS52〜S53はそれぞれ図8のステップS21〜S24及びS29〜S30と同様であるため、説明を省略する。

0116

ステップS45では、ステップS44で算出された目標酸素供給量O2spに基づいてリーンスパイク制御の実行時間Tspが算出される。具体的には、上記式(6)を用いて燃料カット制御が一つの気筒で一回行われることによって機関本体1から流出する酸素量O2oneが算出され、目標酸素供給量O2spをこの酸素量O2oneで除算して、整商Q及び剰余Rが算出される。このようにして算出された整商Qに、燃料カット制御が行われる時間間隔を乗算した値が実行時間Tspとして算出される。

0117

次いで、ステップS46では、剰余Rに基づいて遅延時間Tdが算出される。具体的には、目標空燃比をリーン設定空燃比にしたときに単位時間に上流側触媒20に流入する酸素量で剰余Rを除算することによって算出される。次いで、ステップS48では、リーンスパイク制御の実行フラグがONにセットされ、制御ルーチンが終了せしめられる。

0118

リーンスパイク制御の実行フラグがONに設定されると、次の制御ルーチンは、ステップS41からステップS49へと進む。ステップS41では、リーンスパイク制御の実行条件が成立してからの経過時間Tが、ステップS46で算出された遅延時間Td以上になったか否かが判定される。ステップS49において、経過時間Tが遅延時間Td未満であると判定された場合には、リーンスパイク制御が開始されることなく制御ルーチンが終了せしめられる。

0119

一方、ステップS49において、経過時間Tが遅延時間Td以上になったと判定された場合には、制御ルーチンはステップS50へと進む。ステップS50ではリーンスパイク制御が実行される。次いでステップS51では、経過時間Tが遅延時間Tdと実行時間Tspとの和以上であるか否かが判定される。経過時間Tが遅延時間Tdと実行時間Tspとの和未満であると判定された場合には、リーンスパイク制御が継続され、制御ルーチンが終了せしめられる。一方、ステップS51において、経過時間Tが遅延時間Tdと実行時間Tspとの和以上であると判定された場合にはステップS52へと進む。

0120

本実施形態によれば、比較的リーン度合いの小さいリーン設定空燃比や、比較的リッチ度合いの小さいリッチ設定空燃比に目標空燃比を設定して、上流側触媒20の酸素吸蔵量OSAupを適切に調整してからリーンスパイク制御が開始される。このため、下流側触媒24に流入する酸素量を適切に調整することができる。

0121

なお、本変形例では、リーンスパイク制御の実行条件が成立したときに目標空燃比がリーン設定空燃比に設定される。しかしながら、リーンスパイク制御の実行条件が成立したときの目標空燃比がリッチ空燃比である場合には、目標空燃比をリッチ空燃比に維持したままリーンスパイク制御の開始を遅延させてもよい。その場合、一回の燃料カット制御で流出する酸素量O2oneから剰余Rを減算した量をR’とすると、リーンスパイク制御の実行条件が成立したときから上記R’に相当する量の酸素を還元できる未燃ガスが流入するまでリーンスパイク制御の実行が遅延せしめられる。換言すると、上流側触媒20の酸素吸蔵量の推定値が、リーンスパイク制御の実行条件が成立したときの値からR’分だけ減った量に到達してからリーンスパイク制御が開始される。

0122

<第三実施形態>
次に、図10を参照して、第三実施形態に係る排気浄化装置について説明する。第三実施形態に係る排気浄化装置の構成及び制御は基本的に第一実施形態及び第二実施形態に係る排気浄化装置の構成及び制御と同様である。したがって、以下では、第一実施形態及び第二実施形態に係る排気浄化装置とは異なる部分を中心に説明する。

0123

上記第一実施形態及び第二実施形態では、リーンスパイク制御の実行中にはサイクル当たりの平均空燃比は一定に維持されている。例えば、第一実施形態では、リーンスパイク制御の実行中には目標空燃比は強リーン設定空燃比AFTsleanに維持されている。これに対して本実施形態では、リーンスパイク制御の開始時における機関本体1から排出される排気ガスの空燃比のリーン度合いが、リーンスパイク制御の終了時における機関本体1から排出される排気ガスの空燃比のリーン度合いよりも小さくなるように、リーンスパイク制御の実行中に機関本体1から排出される排気ガスの空燃比が変更される。特に、本実施形態では、リーンスパイク制御の開始時における目標空燃比がリッチ設定空燃比AFTleanに設定されると共に、リーンスパイク制御の終了時における目標空燃比が強リーン設定空燃比AFTsleanに設定される。

0124

具体的には、本実施形態では、リーンスパイク制御の実行条件が成立すると、上述したような方法で上流側吸蔵可能酸素量の推定値O2sp1es及び下流側吸蔵可能酸素量の推定値O2sp2esが算出される。そして、目標空燃比をリーン設定空燃比に設定している第1実行時間Tsp1が下記式(7)によって算出され、目標空燃比を強リーン設定空燃比に設定している第2実行時間Tsp2が下記式(8)によって算出される。
Tsp1= O2sp1es・AFTlean/(AFTlean-AFST)/(Ga・0.23) …(7)
Tsp2= O2sp2es・AFTslean/(AFTslean-AFST)/(Ga・0.23) …(8)

0125

すなわち、本実施形態では、第1実行時間Tsp1が上流側吸蔵可能酸素量の推定値O2sp1esに基づいて算出される。加えて、第2実行時間Tsp2が下流側吸蔵可能酸素量の推定値O2sp2esに基づいて算出される。そして、これら実行時間Tsp1及びTsp2は、リーンスパイク制御の実行期間中における下流側空燃比センサ41の出力を利用せずに、算出される。

0126

第1実行時間及び第2実行時間が算出されると、通常空燃比制御が停止されて、リーンスパイク制御が開始される。リーンスパイク制御が開始されると、まず目標空燃比がリーン設定空燃比AFTleanに設定され、よって上流側触媒20にリーン設定空燃比AFTleanの排気ガスが流入することになる。目標空燃比がリーン設定空燃比AFTleanに設定された状態は、第1実行時間Tsp1に亘って維持される。

0127

その後、リーンスパイク制御が開始されてから第1実行時間が経過すると、目標空燃比が強リーン設定空燃比AFTsleanに変更され、よって上流側触媒20に強リーン設定空燃比AFTsleanの排気ガスが流入することになる。目標空燃比が強リーン設定空燃比AFTsleanに設定された状態は、第2実行時間Tsp2に亘って維持される。

0128

したがって、本実施形態では、リーンスパイク制御の開始から上流側吸蔵可能酸素量に相当する量の酸素が上流側触媒20に流入するまでにおける機関本体1から排出される排気ガスの空燃比のリーン度合いが、上流側吸蔵可能酸素量に相当する量の酸素が上流側触媒20に流入してからリーンスパイク制御の終了までにおける機関本体1から排出される排気ガスの空燃比のリーン度合いよりも小さくなるように、リーンスパイク制御の実行中に機関本体1から排出される排気ガスの空燃比が変更される。

0129

図10は、本実施形態に係るリーンスパイク制御を行った場合における目標空燃比AFT等の、図7と同様なタイムチャートである。図10においても、図7と同様に、上流側触媒20から流出した排気ガスが下流側触媒24に流入するまでも或る程度の遅れが生じることが考慮されている。

0130

図示した例では、時刻t1において、リーンスパイク制御の実行条件が成立し、リーンスパイク制御が開始される。本実施形態では、リーンスパイク制御の開始直後は、目標空燃比AFTが通常空燃比制御と同様なリーン設定空燃比AFTleanに設定される。この結果、上流側触媒20の酸素吸蔵量OSAupが徐々に増大し、時刻t1から第1実行時間Tsp1が経過した時刻t2において最大吸蔵可能酸素量Cmaxに到達する。

0131

時刻t2では、目標空燃比AFTが強リーン設定空燃比AFTsleanに変更される。また、時刻t2以降は上流側触媒20からリーン空燃比の排気ガスが流出するが、直ぐには下流側触媒24に到達しない。

0132

その後、時刻t3になると、時刻t2からの経過時間が第2実行時間Tsp2に到達する。したがって、時刻t3において、リーンスパイク制御が終了され、通常空燃比制御が再開され、目標空燃比がリッチ設定空燃比AFTrichに切り替えられる。

0133

その後、時刻t4において、時刻t2以降に上流側触媒20から流出したリーン空燃比の排気ガスが下流側触媒24に到達し、下流側触媒24の酸素吸蔵量OSAdwnが徐々に増加していく。そして、時刻t5において、時刻t3にて目標空燃比AFTをリッチ設定空燃比に切り替えたことに伴って下流側触媒24に流入する排気ガスの空燃比がほぼ理論空燃比に戻る。本実施形態では、時刻t5において、下流側触媒24の酸素吸蔵量OSAdwnがその最大吸蔵可能酸素量Cmaxの近傍の量になっている。

0134

≪作用・効果≫
ところで、上流側触媒20の酸素吸蔵量の推定値に誤差が生じていた場合、上流側触媒の20の実際の酸素吸蔵量は最大吸蔵可能酸素量Cmaxに到達しているのに、その推定値は最大吸蔵可能酸素量Cmaxに到達しないことがある。リーンスパイク制御の開始時から目標空燃比をリーン度合いの大きいリーン空燃比に設定していると、このような誤差が生じていることに気付かずにリーンスパイク制御が最後まで実行されることになるため、両排気浄化触媒20、24への目標酸素供給量が過剰になる可能性がある。

0135

これに対して、本実施形態によれば、リーンスパイク制御の開始後、上流側触媒20の酸素吸蔵量OSAupが最大吸蔵可能酸素量Cmaxに到達するまでは、目標空燃比がリーン度合いの低いリーン空燃比に設定される。このため、上流側触媒20の酸素吸蔵量の推定値に上述したような誤差が生じていた場合、上流側触媒の20の実際の酸素吸蔵量は最大吸蔵可能酸素量Cmaxに到達した後にリーン空燃比の排気ガスが下流側空燃比センサ41に到達する。この結果、下流側触媒24の酸素吸蔵量を回復させるべく、目標空燃比を強リーン設定空燃比AFTsleanに切り替える前に下流側空燃比センサ41の出力空燃比がリーン空燃比に変化する。

0136

したがって、本実施形態によれば、リーンスパイク制御を最後まで実行する前に上流側触媒20の酸素吸蔵量の推定値に誤差が生じていることを検出することができる。リーンスパイク制御の実行中に下流側空燃比センサ41の出力空燃比がリーン空燃比に変化したことが検出された時点でリーンスパイク制御を中止したりリーンスパイク制御の実行時間を修正したりすることで、両排気浄化触媒20、24への酸素供給量が過剰になることを抑制することができる。

0137

なお、本実施形態では、上流側吸蔵可能酸素量に相当する量の酸素が上流側触媒20に流入したタイミングで、目標空燃比が切り替えられている。しかしながら、上流側触媒20の酸素吸蔵量の推定値に誤差が生じていた場合にリーンスパイク制御を最後まで実行する前にその誤差を検知することができれば、目標空燃比を切り替えるタイミングは斯かるタイミングとは異なるタイミングであってもよい。

0138

以上、本開示に係る好適な実施形態を説明したが、本開示はこれら実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載内で様々な修正及び変更を施すことができる。

0139

1機関本体
11燃料噴射弁
20上流側触媒
24下流側触媒
31 ECU
40上流側空燃比センサ
41 下流側空燃比センサ

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