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技術 硬化性樹脂組成物、硬化膜、積層体、硬化膜の製造方法、及び、半導体デバイス

出願人 富士フイルム株式会社
発明者 井上遥菜青島俊栄
出願日 2019年3月22日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-054463
公開日 2020年9月24日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-152857
状態 未査定
技術分野 付加系(共)重合体、後処理、化学変成 含窒素連結基の形式による高分子化合物一般 マクロモノマー系付加重合体
主要キーワード 円形基材 保護ラッカー 適用位置 不純物除去処理 単官能ラジカル重合性化合物 無機系吸着材 オルトトリジン 残存応力
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この項目の情報は公開日時点(2020年9月24日)のものです。
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課題

得られる硬化膜破断伸びに優れる硬化性樹脂組成物、上記硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化膜、上記硬化膜を含む積層体、上記硬化膜の製造方法、及び、上記硬化膜又は上記積層体を含む半導体デバイスを提供すること。

解決手段

ポリイミド前駆体及びポリベンゾオキサゾール前駆体よりなる群から選択された少なくとも1種のポリマー前駆体、並びに、 下記式(1−1)で表される部分構造を有し、かつ、(メタアクリロキシ基を1以上有するイソイミド化合物を含む、硬化性樹脂組成物。 式(1−1)中、R11は1価の有機基を表し、*はそれぞれ独立に、他の構造との結合部位を表し、破線部は単結合又は2重結合を表す。

概要

背景

ポリイミド樹脂ポリベンゾオキサゾール樹脂などポリマーの前駆体(以下、ポリイミド樹脂の前駆体及びポリベンゾオキサゾール樹脂の前駆体を合わせて「複素環含有ポリマー前駆体」ともいう。)を環化して硬化した樹脂は、耐熱性及び絶縁性に優れるため、様々な用途に適用されている。上記用途としては特に限定されないが、実装用の半導体デバイスを例に挙げると、絶縁膜封止材の材料、又は、保護膜としての利用が挙げられる。また、フレキシブル基板ベースフィルムカバーレイなどとしても用いられている。

例えば上述した用途において、複素環含有ポリマー前駆体は、複素環含有ポリマー前駆体を含む硬化性樹脂組成物の形態で用いられる。このような硬化性樹脂組成物を、例えば塗布等により基材に適用し、その後、加熱等により上記複素環含有ポリマー前駆体を環化することにより、硬化した樹脂を基材上に形成することができる。硬化性樹脂組成物は、公知の塗布方法等により適用可能であるため、例えば、適用される硬化性樹脂組成物の形状、大きさ、適用位置等の設計の自由度が高いなど、製造上の適応性に優れるといえる。ポリイミド樹脂等がもつ高い性能に加え、このような製造上の適応性に優れる観点から、複素環含有ポリマー前駆体を含む硬化性樹脂組成物の産業上の応用展開がますます期待されている。

例えば、特許文献1には、ポリイミドと、特定の構造のビスイミド化合物又は特定の構造のビスイソイミド化合物とを含むことを特徴とするポリイミド樹脂組成物が記載されている。

概要

得られる硬化膜破断伸びに優れる硬化性樹脂組成物、上記硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化膜、上記硬化膜を含む積層体、上記硬化膜の製造方法、及び、上記硬化膜又は上記積層体を含む半導体デバイスを提供すること。ポリイミド前駆体及びポリベンゾオキサゾール前駆体よりなる群から選択された少なくとも1種のポリマー前駆体、並びに、 下記式(1−1)で表される部分構造を有し、かつ、(メタアクリロキシ基を1以上有するイソイミド化合物を含む、硬化性樹脂組成物。 式(1−1)中、R11は1価の有機基を表し、*はそれぞれ独立に、他の構造との結合部位を表し、破線部は単結合又は2重結合を表す。なし

目的

特開第2007−137960号公報






ポリイミド前駆体等の複素環含有ポリマー前駆体を含む硬化性樹脂組成物において、得られる硬化物の破断伸びに優れる硬化性樹脂組成物の提供が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ポリイミド前駆体及びポリベンゾオキサゾール前駆体よりなる群から選択された少なくとも1種のポリマー前駆体、並びに、下記式(1−1)で表される部分構造を有し、かつ、(メタアクリロキシ基を1以上有するイソイミド化合物を含む、硬化性樹脂組成物。式(1−1)中、R11は1価の有機基を表し、*はそれぞれ独立に、他の構造との結合部位を表し、破線部は単結合又は2重結合を表す。

請求項2

前記式(1−1)におけるR11が、(メタ)アクリロキシ基を含む1価の有機基である、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。

請求項3

前記イソイミド化合物が、下記式(2−1)で表される化合物である、請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物。式(2−1)中、R21及びR22の一方は=N−RNを表し、他方は=Oを表し、R23及びR24の一方は=N−RNを表し、他方は=Oを表し、RNはそれぞれ独立に、(メタ)アクリロキシ基を含む1価の有機基を表し、A21は1又は複数の連結基を表し、破線部はそれぞれ独立に、単結合又は2重結合を表す。

請求項4

前記式(2−1)中のA21及び破線部を有する結合を形成する炭素原子により構成される構造が、下記式(3−1)〜下記式(3−4)のいずれかで表される構造である、請求項3に記載の硬化性樹脂組成物式(3−1)〜式(3−4)中、*21は式(2−1)中のR21が結合した炭素原子との結合部位を、*22は式(2−1)中のR22が結合した炭素原子との結合部位を、*23は式(2−1)中のR23が結合した炭素原子との結合部位を、*24は式(2−1)中のR24が結合した炭素原子との結合部位を、それぞれ表す。

請求項5

前記式(2−1)におけるRNのうち少なくとも1つが、下記式(A−2)で表される1価の有機基である、請求項3又は4に記載の硬化性樹脂組成物。式(A−2)中、RA1はアルキレン基を表し、RA2は(メタ)アクリロキシ基を含む1価の有機基を表し、*は=N−RNにおける窒素原子との結合部位を表す。

請求項6

前記イソイミド化合物の分子量が200〜1,000である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。

請求項7

光ラジカル重合開始剤を更に含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。

請求項8

前記ポリマー前駆体として、ポリイミド前駆体を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。

請求項9

前記ポリイミド前駆体が下記式(1)で表される繰返し単位を有する、請求項8に記載の硬化性樹脂組成物;式(1)中、A1及びA2は、それぞれ独立に酸素原子又は−NH−を表し、R111は、2価の有機基を表し、R115は、4価の有機基を表し、R113及びR114は、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。

請求項10

前記式(1)におけるR113及びR114の少なくとも一方がラジカル重合性基を含む、請求項9に記載の硬化性樹脂組成物。

請求項11

再配線層層間絶縁膜の形成に用いられる、請求項1〜10のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。

請求項12

請求項1〜11のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化膜

請求項13

請求項12に記載の硬化膜を2層以上含み、前記硬化膜同士のいずれかの間に金属層を含む積層体

請求項14

請求項1〜11のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物を基材に適用して膜を形成する膜形成工程を含む、硬化膜の製造方法。

請求項15

前記膜を露光する露光工程及び前記膜を現像する現像工程を含む、請求項14に記載の硬化膜の製造方法。

請求項16

前記膜を50〜450℃で加熱する加熱工程を含む、請求項14又は15に記載の硬化膜の製造方法。

請求項17

請求項12に記載の硬化膜又は請求項13に記載の積層体を含む、半導体デバイス

技術分野

0001

本発明は、硬化性樹脂組成物硬化膜積層体、硬化膜の製造方法、及び、半導体デバイスに関する。

背景技術

0002

ポリイミド樹脂ポリベンゾオキサゾール樹脂などポリマーの前駆体(以下、ポリイミド樹脂の前駆体及びポリベンゾオキサゾール樹脂の前駆体を合わせて「複素環含有ポリマー前駆体」ともいう。)を環化して硬化した樹脂は、耐熱性及び絶縁性に優れるため、様々な用途に適用されている。上記用途としては特に限定されないが、実装用の半導体デバイスを例に挙げると、絶縁膜封止材の材料、又は、保護膜としての利用が挙げられる。また、フレキシブル基板ベースフィルムカバーレイなどとしても用いられている。

0003

例えば上述した用途において、複素環含有ポリマー前駆体は、複素環含有ポリマー前駆体を含む硬化性樹脂組成物の形態で用いられる。このような硬化性樹脂組成物を、例えば塗布等により基材に適用し、その後、加熱等により上記複素環含有ポリマー前駆体を環化することにより、硬化した樹脂を基材上に形成することができる。硬化性樹脂組成物は、公知の塗布方法等により適用可能であるため、例えば、適用される硬化性樹脂組成物の形状、大きさ、適用位置等の設計の自由度が高いなど、製造上の適応性に優れるといえる。ポリイミド樹脂等がもつ高い性能に加え、このような製造上の適応性に優れる観点から、複素環含有ポリマー前駆体を含む硬化性樹脂組成物の産業上の応用展開がますます期待されている。

0004

例えば、特許文献1には、ポリイミドと、特定の構造のビスイミド化合物又は特定の構造のビスイソイミド化合物とを含むことを特徴とするポリイミド樹脂組成物が記載されている。

先行技術

0005

特開第2007−137960号公報

発明が解決しようとする課題

0006

ポリイミド前駆体等の複素環含有ポリマー前駆体を含む硬化性樹脂組成物において、得られる硬化物破断伸びに優れる硬化性樹脂組成物の提供が望まれている。

0007

本発明は、得られる硬化膜の破断伸びに優れる硬化性樹脂組成物、上記硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化膜、上記硬化膜を含む積層体、上記硬化膜の製造方法、及び、上記硬化膜又は上記積層体を含む半導体デバイスを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明の代表的な実施態様の例を以下に示す。
<1>ポリイミド前駆体及びポリベンゾオキサゾール前駆体よりなる群から選択された少なくとも1種のポリマー前駆体、並びに、
下記式(1−1)で表される部分構造を有し、かつ、(メタアクリロキシ基を1以上有するイソイミド化合物を含む、硬化性樹脂組成物。



式(1−1)中、R11は1価の有機基を表し、*はそれぞれ独立に、他の構造との結合部位を表し、破線部は単結合又は2重結合を表す。
<2> 上記式(1−1)におけるR11が、(メタ)アクリロキシ基を含む1価の有機基である、<1>に記載の硬化性樹脂組成物。
<3> 上記イソイミド化合物が、下記式(2−1)で表される化合物である、<1>又は<2>に記載の硬化性樹脂組成物。



式(2−1)中、R21及びR22の一方は=N−RNを表し、他方は=Oを表し、R23及びR24の一方は=N−RNを表し、他方は=Oを表し、RNはそれぞれ独立に、(メタ)アクリロキシ基を含む1価の有機基を表し、A21は1又は複数の連結基を表し、破線部はそれぞれ独立に、単結合又は2重結合を表す。
<4> 上記式(2−1)中のA21及び破線部を有する結合を形成する炭素原子により構成される構造が、下記式(3−1)〜下記式(3−4)のいずれかで表される構造である、<3>に記載の硬化性樹脂組成物



式(3−1)〜式(3−4)中、*21は式(2−1)中のR21が結合した炭素原子との結合部位を、*22は式(2−1)中のR22が結合した炭素原子との結合部位を、*23は式(2−1)中のR23が結合した炭素原子との結合部位を、*24は式(2−1)中のR24が結合した炭素原子との結合部位を、それぞれ表す。
<5> 上記式(2−1)におけるRNのうち少なくとも1つが、下記式(A−2)で表される1価の有機基である、<3>又は<4>に記載の硬化性樹脂組成物。



式(A−2)中、RA1はアルキレン基を表し、RA2は(メタ)アクリロキシ基を含む1価の有機基を表し、*は=N−RNにおける窒素原子との結合部位を表す。
<6> 上記イソイミド化合物の分子量が200〜1,000である、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の硬化性樹脂組成物。
<7>光ラジカル重合開始剤を更に含む、<1>〜<6>のいずれか1つに記載の硬化性樹脂組成物。
<8> 上記ポリマー前駆体として、ポリイミド前駆体を含む、<1>〜<7>のいずれか1つに記載の硬化性樹脂組成物。
<9> 上記ポリイミド前駆体が下記式(1)で表される繰返し単位を有する、<8>に記載の硬化性樹脂組成物;



式(1)中、A1及びA2は、それぞれ独立に酸素原子又は−NH−を表し、R111は、2価の有機基を表し、R115は、4価の有機基を表し、R113及びR114は、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。
<10> 上記式(1)におけるR113及びR114の少なくとも一方がラジカル重合性基を含む、<9>に記載の硬化性樹脂組成物。
<11>再配線層層間絶縁膜の形成に用いられる、<1>〜<10>のいずれか1つに記載の硬化性樹脂組成物。
<12> <1>〜<11>のいずれか1つに記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化膜。
<13> <12>に記載の硬化膜を2層以上含み、上記硬化膜同士のいずれかの間に金属層を含む積層体。
<14> <1>〜<11>のいずれか1つに記載の硬化性樹脂組成物を基材に適用して膜を形成する膜形成工程を含む、硬化膜の製造方法。
<15> 上記膜を露光する露光工程及び上記膜を現像する現像工程を含む、<14>に記載の硬化膜の製造方法。
<16> 上記膜を50〜450℃で加熱する加熱工程を含む、<14>又は<15>に記載の硬化膜の製造方法。
<17> <12>に記載の硬化膜又は<13>に記載の積層体を含む、半導体デバイス。

発明の効果

0009

本発明によれば、得られる硬化膜の破断伸びに優れる硬化性樹脂組成物、上記硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化膜、上記硬化膜を含む積層体、上記硬化膜の製造方法、及び、上記硬化膜又は上記積層体を含む半導体デバイスが提供される。

0010

以下、本発明の主要な実施形態について説明する。しかしながら、本発明は、明示した実施形態に限られるものではない。
本明細書において「〜」という記号を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、その工程の所期の作用が達成できる限りにおいて、他の工程と明確に区別できない工程も含む意味である。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有しない基(原子団)と共に置換基を有する基(原子団)をも包含する。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有しないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含する。
本明細書において「露光」とは、特に断らない限り、光を用いた露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線を用いた露光も含む。また、露光に用いられる光としては、水銀灯輝線スペクトルエキシマレーザーに代表される遠紫外線極紫外線EUV光)、X線、電子線等の活性光線又は放射線が挙げられる。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」及び「メタクリレート」の両方、又は、いずれかを意味し、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」及び「メタクリル」の両方、又は、いずれかを意味し、「(メタ)アクリロイル」は、「アクリロイル」及び「メタクリロイル」の両方、又は、いずれかを意味する。
本明細書において、構造式中のMeはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、Buはブチル基を表し、Phはフェニル基を表す。
本明細書において、全固形分とは、組成物の全成分から溶剤を除いた成分の総質量をいう。また本明細書において、固形分濃度とは、組成物の総質量に対する、溶剤を除く他の成分の質量百分率である。
本明細書において、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、特に述べない限り、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC測定)に従い、ポリスチレン換算値として定義される。本明細書において、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、例えば、HLC−8220GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてガードカラムHZ−L、TSKgel Super HZM−M、TSKgel Super HZ4000、TSKgel Super HZ3000、TSKgel Super HZ2000(東ソー(株)製)を用いることによって求めることができる。それらの分子量は特に述べない限り、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いて測定したものとする。また、GPC測定における検出は特に述べない限り、UV線紫外線)の波長254nm検出器を使用したものとする。
本明細書において、積層体を構成する各層の位置関係について、「上」又は「下」と記載したときには、注目している複数の層のうち基準となる層の上側又は下側に他の層があればよい。すなわち、基準となる層と上記他の層の間に、更に第3の層や要素が介在していてもよく、基準となる層と上記他の層は接している必要はない。また、特に断らない限り、基材に対し層が積み重なっていく方向を「上」と称し、又は、感光層がある場合には、基材から感光層へ向かう方向を「上」と称し、その反対方向を「下」と称する。なお、このような上下方向の設定は、本明細書中における便宜のためであり、実際の態様においては、本明細書における「上」方向は、鉛直上向きと異なることもありうる。
本明細書において、特段の記載がない限り、組成物は、組成物に含まれる各成分として、その成分に該当する2種以上の化合物を含んでもよい。また、特段の記載がない限り、組成物における各成分の含有量とは、その成分に該当する全ての化合物の合計含有量を意味する。
本明細書において、特に述べない限り、温度は、23℃、気圧は101,325Pa(1気圧)である。
本明細書において、好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。

0011

(硬化性樹脂組成物)
本発明の硬化性樹脂組成物は、ポリイミド前駆体及びポリベンゾオキサゾール前駆体よりなる群から選択された少なくとも1種のポリマー前駆体(複素環含有ポリマー前駆体)、並びに、下記式(1−1)で表される部分構造を有し、かつ、(メタ)アクリロキシ基を1以上有するイソイミド化合物(以下、「特定イソイミド化合物」ともいう。)を含む。
また、本発明の硬化性樹脂組成物は、後述する光ラジカル重合開始剤を更に含むことが好ましい。



式(1−1)中、R11は1価の有機基を表し、*はそれぞれ独立に、他の構造との結合部位を表し、破線部は単結合又は2重結合を表す。

0012

本発明の硬化性樹脂組成物は、得られる硬化膜の破断伸びに優れる。
上記効果が得られるメカニズムは不明であるが、下記のように推測される。
複素環含有ポリマー前駆体及び特定イソイミド化合物を含む硬化性樹脂組成物、又は、上記硬化性樹脂組成物におけるエチレン性不飽和基の少なくとも一部が重合した組成物を、例えば加熱した場合、式(1−1)で表される部分構造、又は、上記部分構造に由来する構造は、イミド構造へと互換変性を起こすと考えられる。上記互換変性の例としては、例えば、下記式(1−1−1)で表される部分構造が、下記式(1−1−2)で表されるイミド構造へと変性する態様が挙げられる。



上記式(1−1−1)及び式(1−1−2)中、*及び波線部はそれぞれ独立に、他の構造との結合部位を表す。

0013

また、上記特定イソイミド化合物は(メタ)アクリロキシ基を有しているため、上記イミド構造は最終的に硬化膜における重合体成分に含まれると考えられる。
したがって、加熱後に得られる硬化膜には、特定イソイミド化合物に由来するイミド構造を有する重合体成分が含まれると考えられる。このイミド構造を有する重合体成分は剛直な性質を有しているため、上記イミド化合物を含む硬化膜は破断伸びに優れると推測される。
また、複素環含有ポリマー前駆体を含む硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化膜の形成においては、例えば、硬化膜上に更に硬化性樹脂組成物を適用、硬化して積層体を作成する場合等に、硬化膜が現像液又は他の組成物に接する場合がある。そのため、硬化性樹脂組成物において、例えば、現像液への耐性又は他の組成物との接触による溶解の抑制等の観点から、得られる硬化膜の耐薬品性に優れる硬化性樹脂組成物の提供が望まれている。
上述のイミド化合物は薬剤に対する溶解性が低いため、本発明の硬化性樹脂組成物によれば、耐薬品性に優れた硬化膜が得られやすいと考えられる。

0014

ここで、特許文献1には、式(1−1)で表される化合物を含む硬化性樹脂組成物については記載も示唆もない。また、特許文献1における硬化性樹脂組成物においては、硬化膜の破断伸びに更なる向上の余地があった。
以下、本発明の硬化性樹脂組成物に含まれる成分について詳細に説明する。

0015

<複素環含有ポリマー前駆体>
本発明の硬化性樹脂組成物は、複素環含有ポリマー前駆体を含む。
本発明の硬化性樹脂組成物は、上記複素環含有ポリマー前駆体として、ポリイミド前駆体及びポリベンゾオキサゾール前駆体よりなる群から選ばれた少なくとも1種の前駆体を含み、ポリイミド前駆体を含むことが好ましい。

0016

〔ポリイミド前駆体〕
得られる硬化膜の膜強度の観点からは、ポリイミド前駆体は、下記式(1)で表される繰返し単位を有することが好ましい。

0017

式(1)中、A1及びA2は、それぞれ独立に酸素原子又は−NH−を表し、R111は、2価の有機基を表し、R115は、4価の有機基を表し、R113及びR114は、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。

0018

−A1及びA2−
式(1)におけるA1及びA2は、それぞれ独立に、酸素原子又は−NH−を表し、酸素原子が好ましい。

0019

−R111−
式(1)におけるR111は、2価の有機基を表す。2価の有機基としては、直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族基、環状の脂肪族基、及び芳香族基複素芳香族基、又はこれらを2以上組み合わせた基が例示され、炭素数2〜20の直鎖の脂肪族基、炭素数3〜20の分岐の脂肪族基、炭素数3〜20の環状の脂肪族基、炭素数6〜20の芳香族基、又は、これらを2以上組み合わせた基が好ましく、炭素数6〜20の芳香族基がより好ましい。

0020

式(1)におけるR111は、ジアミンから誘導されることが好ましい。ポリイミド前駆体の製造に用いられるジアミンとしては、直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族、環状の脂肪族又は芳香族ジアミンなどが挙げられる。ジアミンは、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。

0021

具体的には、ジアミンは、炭素数2〜20の直鎖脂肪族基、炭素数3〜20の分岐鎖状又は環状の脂肪族基、炭素数6〜20の芳香族基、又は、これらを2以上組み合わせた基を含むジアミンであることが好ましく、炭素数6〜20の芳香族基を含むジアミンであることがより好ましい。芳香族基の例としては、下記が挙げられる。

0022

0023

式中、Aは、単結合、若しくは、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、−O−、−C(=O)−、−S−、−S(=O)2−、−NHC(=O)−、又は、これらを2以上組み合わせた基であることが好ましく、単結合、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキレン基、−O−、−C(=O)−、−S−及びS(=O)2−から選択される基であることがより好ましく、−CH2−、−O−、−S−、−S(=O)2−、−C(CF3)2−、及び、−C(CH3)2−よりなる群から選択される2価の基であることが更に好ましい。

0024

ジアミンとしては、具体的には、1,2−ジアミノエタン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサン;1,2−又は1,3−ジアミノシクロペンタン、1,2−、1,3−又は1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,2−、1,3−又は1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス−(4−アミノシクロヘキシルメタン、ビス−(3−アミノシクロヘキシル)メタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルシクロヘキシルメタン又はイソホロンジアミン;メタ又はパラフェニレンジアミンジアミノトルエン、4,4’−又は3,3’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−又は3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−又は3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−又は3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−又は3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(4,4’-ジアミノ-2,2’-ジメチルビフェニル)、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2−ビス(4−アミノフェニルプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、4,4’−ジアミノパラテルフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(2−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノオクタフルオロビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒドロアントラセン、3,3’,4,4’−テトラアミノビフェニル、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルエーテル、1,4−ジアミノアントラキノン、1,5−ジアミノアントラキノン、3,3−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、9,9’−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−ジメチル−3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2−(3’,5’−ジアミノベンゾイルオキシエチルメタクリレート、2,4−又は2,5−ジアミノクメン、2,5−ジメチル−パラフェニレンジアミン、アセトグアナミン、2,3,5,6−テトラメチル−パラフェニレンジアミン、2,4,6−トリメチルメタフェニレンジアミン、ビス(3−アミノプロピルテトラメチルジシロキサン、2,7−ジアミノフルオレン、2,5−ジアミノピリジン、1,2−ビス(4−アミノフェニル)エタン、ジアミノベンズアニリドジアミノ安息香酸エステル、1,5−ジアミノナフタレン、ジアミノベンゾトリフルオライド、1,3−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)オクタフルオロブタン、1,5−ビス(4−アミノフェニル)デカフルオロペンタン、1,7−ビス(4−アミノフェニル)テトラデカフルオロヘプタン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(2−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、パラビス(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノ−3−トリフルオロメチルフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ビス(3−アミノ−5−トリフルオロメチルフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノ−3−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロトリジン及び4,4’−ジアミノクアテルフェニルから選ばれる少なくとも1種のジアミンが挙げられる。

0025

また、下記に示すジアミン(DA−1)〜(DA−18)も好ましい。

0026

0027

0028

また、少なくとも2つのアルキレングリコール単位を主鎖にもつジアミンも好ましい例として挙げられる。好ましくは、エチレングリコール鎖プロピレングリコール鎖のいずれか一方又は両方を一分子中にあわせて2つ以上含むジアミン、より好ましくは芳香環を含まないジアミンである。具体例としては、ジェファーミン登録商標)KH−511、ジェファーミン(登録商標)ED−600、ジェファーミン(登録商標)ED−900、ジェファーミン(登録商標)ED−2003、ジェファーミン(登録商標)EDR−148、ジェファーミン(登録商標)EDR−176、D−200、D−400、D−2000、D−4000(以上商品名、HUNTSMAN社製)、1−(2−(2−(2−アミノプロポキシエトキシプロポキシ)プロパン−2−アミン、1−(1−(1−(2−アミノプロポキシ)プロパン−2−イルオキシ)プロパン−2−アミンなどが挙げられるが、これらに限定されない。

0029

ジェファーミン(登録商標)KH−511、ジェファーミン(登録商標)ED−600、ジェファーミン(登録商標)ED−900、ジェファーミン(登録商標)ED−2003、ジェファーミン(登録商標)EDR−148、ジェファーミン(登録商標)EDR−176の構造を以下に示す。

0030

0031

上記において、x、y、zは算術平均値である。

0032

式(1)におけるR111は、得られる硬化膜の柔軟性の観点から、−Ar0−L0−Ar0−で表されることが好ましい。Ar0は、それぞれ独立に、芳香族炭化水素基(炭素数6〜22が好ましく、6〜18がより好ましく、6〜10が特に好ましい)であり、フェニレン基が好ましい。L0は、単結合、若しくは、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、−O−、−C(=O)−、−S−、−S(=O)2−、−NHCO−、又は、これらを2以上組み合わせた基を表す。L0の好ましい範囲は、上述のAと同義である。

0033

式(1)におけるR111は、i線透過率の観点から下記式(51)又は式(61)で表される2価の有機基であることが好ましい。特に、i線透過率、入手のし易さの観点から式(61)で表される2価の有機基であることがより好ましい。

0034

0035

式(51)中、R50〜R57はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は1価の有機基であり、R50〜R57の少なくとも1つはフッ素原子、メチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、又は、トリフルオロメチル基であり、*はそれぞれ独立に、他の構造との結合部位を表す。

0036

R50〜R57の1価の有機基としては、炭素数1〜10(好ましくは炭素数1〜6)の無置換のアルキル基、炭素数1〜10(好ましくは炭素数1〜6)のフッ化アルキル基等が挙げられる。

0037

0038

式(61)中、R58及びR59は、それぞれ独立にフッ素原子、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、又は、トリフルオロメチル基である。

0039

式(51)又は(61)の構造を与えるジアミン化合物としては、ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ビス(フルオロ)−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノオクタフルオロビフェニル等が挙げられる。これらの1種を用いるか、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0040

−R115−
式(1)におけるR115は、4価の有機基を表す。4価の有機基としては、芳香環を含む4価の有機基が好ましく、下記式(5)又は式(6)で表される基がより好ましい。

0041

0042

R112は、Aと同義であり、好ましい範囲も同じである。*はそれぞれ独立に、他の構造との結合部位を表す。

0043

式(1)におけるR115が表す4価の有機基は、具体的には、テトラカルボン酸二無水物から酸二無水物基を除去した後に残存するテトラカルボン酸残基などが挙げられる。テトラカルボン酸二無水物は、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。テトラカルボン酸二無水物は、下記式(7)で表される化合物が好ましい。

0044

0045

R115は、4価の有機基を表す。R115は式(1)のR115と同義である。

0046

テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、ピロメリット酸ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルフィドテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルメタンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルメタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、1,3−ジフェニルヘキサフルオロプロパン−3,3,4,4−テトラカルボン酸二無水物、1,4,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,8,9,10−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、並びに、これらの炭素数1〜6のアルキル誘導体及び炭素数1〜6のアルコキシ誘導体から選ばれる少なくとも1種が例示される。

0047

また、下記に示すテトラカルボン酸二無水物(DAA−1)〜(DAA−5)も好ましい例として挙げられる。

0048

0049

−R113及びR114−
式(1)におけるR113及びR114はそれぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。R113及びR114の少なくとも一方がラジカル重合性基を含むことが好ましく、両方がラジカル重合性基を含むことがより好ましい。ラジカル重合性基としては、ラジカルの作用により、架橋反応することが可能な基であって、好ましい例として、エチレン性不飽和結合を有する基が挙げられる。

0050

エチレン性不飽和結合を有する基としては、ビニル基アリル基、(メタ)アクリロイル基、下記式(III)で表される基などが挙げられる。

0051

0052

式(III)中、R200は、水素原子又はメチル基を表し、メチル基が好ましい。

0053

式(III)中、R201は、炭素数2〜12のアルキレン基、−CH2CH(OH)CH2−又は炭素数4〜30の(ポリオキシアルキレン基(アルキレン基としては炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい;繰り返し数は1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)を表す。なお、(ポリ)オキシアルキレン基とは、オキシアルキレン基又はポリオキシアルキレン基を意味する。
好適なR201の例は、エチレン基プロピレン基トリメチレン基テトラメチレン基、1,2−ブタンジイル基、1,3−ブタンジイル基、ペンタメチレン基ヘキサメチレン基、オクタメチレン基ドデカメチレン基、−CH2CH(OH)CH2−が挙げられ、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、−CH2CH(OH)CH2−がより好ましい。
特に好ましくは、R200がメチル基で、R201がエチレン基である。
式(III)中、*は他の構造との結合部位を表す。
本発明におけるポリイミド前駆体の好ましい実施形態として、R113又はR114の1価の有機基として、1、2又は3つの、好ましくは1つの酸基を有する、脂肪族基、芳香族基及びアリールアルキル基などが挙げられる。具体的には、酸基を有する炭素数6〜20の芳香族基、酸基を有する炭素数7〜25のアリールアルキル基が挙げられる。より具体的には、酸基を有するフェニル基及び酸基を有するベンジル基が挙げられる。酸基は、ヒドロキシ基が好ましい。すなわち、R113又はR114はヒドロキシ基を有する基であることが好ましい。
R113又はR114が表す1価の有機基としては、現像液の溶解度を向上させる置換基が好ましく用いられる。

0054

R113又はR114が、水素原子、2−ヒドロキシベンジル、3−ヒドロキシベンジル及び4−ヒドロキシベンジルであることが、水性現像液に対する溶解性の点からは、より好ましい。

0055

有機溶剤への溶解度の観点からは、R113又はR114は、1価の有機基であることが好ましい。1価の有機基としては、直鎖又は分岐のアルキル基、環状アルキル基、芳香族基が好ましく、芳香族基で置換されたアルキル基がより好ましい。

0056

アルキル基の炭素数は1〜30が好ましい(環状の場合は3以上)。アルキル基は直鎖、分岐、環状のいずれであってもよい。直鎖又は分岐のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基ヘキシル基、ヘプチル基オクチル基、ノニル基、デシル基ドデシル基テトラデシル基、オクタデシル基、イソプロピル基イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、1−エチルペンチル基、及び2−エチルヘキシル基が挙げられる。環状のアルキル基は、単環の環状のアルキル基であってもよく、多環の環状のアルキル基であってもよい。単環の環状のアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基シクロヘプチル基及びシクロオクチル基が挙げられる。多環の環状のアルキル基としては、例えば、アダマンチル基ノルボルニル基ボルニル基、カンフェニル基、デカヒドロナフチル基トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、カンホロイル基ジシクロヘキシル基及びピネニル基が挙げられる。また、芳香族基で置換されたアルキル基としては、次に述べる芳香族基で置換された直鎖アルキル基が好ましい。

0058

また、ポリイミド前駆体は、繰返し単位中にフッ素原子を有することも好ましい。ポリイミド前駆体中のフッ素原子含有量は10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。上限は特にないが50質量%以下が実際的である。

0059

また、基材との密着性を向上させる目的で、シロキサン構造を有する脂肪族基を式(1)で表される繰返し単位に共重合してもよい。具体的には、ジアミン成分として、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、ビス(パラアミノフェニル)オクタメチルペンタシロキサンなどが挙げられる。

0060

式(1)で表される繰返し単位は、式(1−A)又は式(1−B)で表される繰返し単位であることが好ましい。

0061

0062

A11及びA12は、酸素原子又は−NH−を表し、R111及びR112は、それぞれ独立に、2価の有機基を表し、R113及びR114は、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、R113及びR114の少なくとも一方は、ラジカル重合性基を含む基であることが好ましく、ラジカル重合性基であることがより好ましい。

0063

A11、A12、R111、R113及びR114の好ましい範囲は、それぞれ、式(1)におけるA1、A2、R111、R113及びR114の好ましい範囲と同義である。

0064

R112の好ましい範囲は、式(5)におけるR112と同義であり、中でも酸素原子であることがより好ましい。

0065

式中のカルボニル基のベンゼン環への結合位置は、式(1−A)において、4,5,3’,4’であることが好ましい。式(1−B)においては、1,2,4,5であることが好ましい。

0066

ポリイミド前駆体において、式(1)で表される繰返し単位は1種であってもよいが、2種以上であってもよい。また、式(1)で表される繰返し単位の構造異性体を含んでいてもよい。また、ポリイミド前駆体は、上記の式(1)の繰返し単位のほかに、他の種類の繰返し単位も含んでもよい。

0067

本発明におけるポリイミド前駆体の一実施形態として、全繰返し単位の50モル%以上、更には70モル%以上、特には90モル%以上が式(1)で表される繰返し単位であるポリイミド前駆体が例示される。上限としては100モル%以下が実際的である。

0068

ポリイミド前駆体の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは2,000〜500,000であり、より好ましくは5,000〜100,000であり、更に好ましくは10,000〜50,000である。また、数平均分子量(Mn)は、好ましくは800〜250,000であり、より好ましくは、2,000〜50,000であり、更に好ましくは、4,000〜25,000である。

0069

ポリイミド前駆体の分子量の分散度は、1.5〜3.5が好ましく、2〜3がより好ましい。
本明細書において、分子量の分散度とは、重量平均分子量を数平均分子量により除した値(重量平均分子量/数平均分子量)をいう。

0070

ポリイミド前駆体は、ジカルボン酸又はジカルボン酸誘導体とジアミンとを反応させて得られる。好ましくは、ジカルボン酸又はジカルボン酸誘導体を、ハロゲン化剤を用いてハロゲン化させた後、ジアミンと反応させて得られる。

0071

ポリイミド前駆体の製造方法では、反応に際し、有機溶剤を用いることが好ましい。有機溶剤は1種でもよいし、2種以上でもよい。

0072

有機溶剤としては、原料に応じて適宜定めることができるが、ピリジンジエチレングリコールジメチルエーテルジグリム)、N−メチルピロリドン及びN−エチルピロリドンが例示される。

0073

ポリイミド前駆体の製造に際し、固体析出する工程を含んでいることが好ましい。具体的には、反応液中のポリイミド前駆体を、水中に沈殿させ、テトラヒドロフラン等のポリイミド前駆体が可溶な溶剤に溶解させることによって、固体析出することができる。

0074

〔ポリベンゾオキサゾール前駆体〕
ポリベンゾオキサゾール前駆体は、下記式(2)で表される繰返し単位を含むことが好ましい。

0075

式(2)中、R121は、2価の有機基を表し、R122は、4価の有機基を表し、R123及びR124は、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。

0076

−R121−
式(2)中、R121は、2価の有機基を表す。2価の有機基としては、脂肪族基(炭素数1〜24が好ましく、1〜12がより好ましく、1〜6が特に好ましい)及び芳香族基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜12が特に好ましい)の少なくとも一方を含む基が好ましい。R121を構成する芳香族基としては、上記式(1)のR111の例が挙げられる。上記脂肪族基としては、直鎖の脂肪族基が好ましい。R121は、4,4’−オキシジベンゾイルクロリドに由来することが好ましい。

0077

−R122−
式(2)中、R122は、4価の有機基を表す。4価の有機基としては、上記式(1)におけるR115と同義であり、好ましい範囲も同様である。R122は、2,2'−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンに由来することが好ましい。

0078

−R123及びR124−
R123及びR124は、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、上記式(1)におけるR113及びR114と同義であり、好ましい範囲も同様である。

0079

ポリベンゾオキサゾール前駆体は上記の式(2)の繰返し単位のほかに、他の種類の繰返し単位も含んでよい。

0080

閉環に伴う硬化膜の反りの発生を抑制できる点で、ポリベンゾオキサゾール前駆体は、下記式(SL)で表されるジアミン残基を他の種類の繰返し単位として更に含むことが好ましい。

0081

0082

Zは、a構造とb構造を有し、R1sは水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基(好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜3)であり、R2sは炭素数1〜10の炭化水素基(好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜3)であり、R3s、R4s、R5s、R6sのうち少なくとも1つは芳香族基(好ましくは炭素数6〜22、より好ましくは炭素数6〜18、特に好ましくは炭素数6〜10)で、残りは水素原子又は炭素数1〜30(好ましくは炭素数1〜18、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜6)の有機基で、それぞれ同一でも異なっていてもよい。a構造及びb構造の重合は、ブロック重合でもランダム重合でもよい。Z部分において、好ましくは、a構造は5〜95モル%、b構造は95〜5モル%であり、a+bは100モル%である。

0083

式(SL)中、好ましいZとしては、b構造中のR5s及びR6sがフェニル基であるものが挙げられる。また、式(SL)で示される構造の分子量は、400〜4,000であることが好ましく、500〜3,000がより好ましい。分子量は、一般的に用いられるゲル浸透クロマトグラフィによって求めることができる。上記分子量を上記範囲とすることで、ポリベンゾオキサゾール前駆体の脱水閉環後の弾性率を下げ、反りを抑制できる効果と溶解性を向上させる効果を両立することができる。

0084

ポリベンゾオキサゾール前駆体が、他の種類の繰返し単位として式(SL)で表されるジアミン残基を含む場合、硬化性樹脂組成物のアルカリ可溶性を向上させる点で、更に、テトラカルボン酸二無水物から酸二無水物基の除去後に残存するテトラカルボン酸残基を繰返し単位として含むことが好ましい。このようなテトラカルボン酸残基の例としては、式(1)中のR115の例が挙げられる。

0085

ポリベンゾオキサゾール前駆体の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは2,000〜500,000であり、より好ましくは5,000〜100,000であり、更に好ましくは10,000〜50,000である。また、数平均分子量(Mn)は、好ましくは800〜250,000であり、より好ましくは、2,000〜50,000であり、更に好ましくは、4,000〜25,000である。

0086

ポリベンゾオキサゾール前駆体の分子量の分散度は、1.5〜3.5が好ましく、2〜3がより好ましい。

0087

本発明の硬化性樹脂組成物における、複素環含有ポリマー前駆体の含有量は、硬化性樹脂組成物の全固形分に対し20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、40質量%以上であることが更に好ましく、50質量%以上であることが一層好ましく、60質量%以上であることがより一層好ましく、70質量%以上であることが更に一層好ましい。また、本発明の硬化性樹脂組成物における、複素環含有ポリマー前駆体の含有量は、硬化性樹脂組成物の全固形分に対し、99.5質量%以下であることが好ましく、99質量%以下であることがより好ましく、98質量%以下であることが更に好ましく、97質量%以下であることが一層好ましく、95質量%以下であることがより一層好ましい。

0088

本発明の硬化性樹脂組成物は、複素環含有ポリマー前駆体を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。

0089

<特定イソイミド化合物>
本発明の硬化性樹脂組成物は、下記式(1−1)で表される部分構造を有し、かつ、(メタ)アクリロキシ基を1以上有するイソイミド化合物(特定イソイミド化合物)を含む。



式(1−1)中、R11は1価の有機基を表し、*はそれぞれ独立に、他の構造との結合部位を表し、破線部は単結合又は2重結合を表す。

0090

特定イソイミド化合物は、(メタ)アクリロキシ基を1以上有する。特定イソイミド化合物における(メタ)アクリロキシ基の数は、1〜6であることが好ましく、硬化膜の破断伸びの観点からは、2〜4であることがより好ましい。

0091

〔式(1−1)で表される部分構造〕
式(1ー1)中、R11はエチレン性不飽和基を有する基であることが好ましく、アリル基、ビニルフェニル基、(メタ)アクリルアミド基、及び、(メタ)アクリロキシ基よりなる群から選ばれた少なくとも1種を有する基であることがより好ましく、(メタ)アクリロキシ基を有する基であることがより好ましい。
また、式(1−1)中、R11は下記式(A−1)で表される基であることが好ましい。

0092

式(A−1)中、R12は水素原子又はメチル基を表し、L11は単結合又は2価の有機基を表し、L12はn1+1価の有機基を表し、n1は1以上の整数を表し、*は式(1−1)中の窒素原子との結合部位を表す。

0093

式(A−1)中、R12は水素原子であることが好ましい。

0094

式(A−1)中、L11はそれぞれ独立に、単結合、又は、アルキレン基、アリーレン基エステル結合(−C(=O)O−)、エーテル結合(−O−)、カルボニル基(−C(=O)−)、ウレタン結合(−O−C(=O)−NRN1−)、ウレア結合(−NRN1−C(=O)−NRN1−)、アミド結合(−C(=O)−NRN1−)、アミノ基(−NRN1−)、若しくは、これらを2以上組み合わせた基が好ましく、単結合、又は、アルキレン基、エステル結合、エーテル結合、カルボニル基、若しくは、これらを2以上組み合わせた基がより好ましい。
上記アルキレン基は、炭素数1〜20のアルキレン基が好ましく、炭素数2〜10のアルキレン基がより好ましい。
上記アリーレン基は、炭素数6〜20のアリーレン基が好ましく、フェニレン基がより好ましい。
RN1は水素原子又は炭化水素基を表し、水素原子、アルキル基又はアリール基が好ましく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基がより好ましく、水素原子が更に好ましい。RN1が分子中に複数存在する場合、複数のRN1は同一であってもよいし、異なっていてもよい。

0095

式(A−1)中、L12は炭化水素基、エステル結合、エーテル結合、カルボニル基、ウレタン結合、ウレア結合、アミド結合、アミノ基、又は、これらを2以上組み合わせた基が好ましく、飽和脂肪族炭化水素基、エステル結合、エーテル結合、又は、これらを2以上組み合わせた基がより好ましい。

0096

また、式(A−1)中、L12は、飽和脂肪族炭化水素基であるか、又は、L12における式(1−1)中の窒素原子と結合する部位が飽和脂肪族炭化水素基であり、かつ、飽和脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、エステル結合、エーテル結合、カルボニル基、ウレタン結合、ウレア結合、アミド結合及びアミノ基よりなる群から選ばれた少なくとも2つの基を組み合わせた基であることが好ましい。
上記飽和脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜20の飽和脂肪族炭化水素基が好ましく、炭素数2〜15の飽和脂肪族炭化水素基がより好ましい。
また、上記芳香族炭化水素基としては、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基が好ましく、ベンゼンから水素原子を2〜6個除いた基であることがより好ましい。
式(A−1)中、n1は1〜10の整数であることが好ましく、1〜6の整数であることがより好ましく、1〜4の整数であることが更に好ましく、1又は2であることが特に好ましい。

0097

式(1−1)中、破線部は2重結合であることが好ましい。破線部が2重結合である場合の構造の例としては、例えば、下記式(1−2)で表される構造、又は、下記式(1−3)で表される構造等が挙げられる。下記構造中、R11は上述の式(1−1)におけるR11と同義であり、*はそれぞれ独立に、他の構造との結合部位を表す。

0098

特定イソイミド化合物は、式(1−1)で表される部分構造を、1つのみ有していてもよいし、2以上有していてもよい。特定イソイミド化合物が式(1−1)で表される部分構造を2以上有する場合、2以上の式(1−1)で表される部分構造は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。

0099

〔式(2−1)で表される化合物〕
特定イソイミド化合物は、下記式(2−1)で表される化合物であることが好ましい。



式(2−1)中、R21及びR22の一方は=N−RNを表し、他方は=Oを表し、R23及びR24の一方は=N−RNを表し、他方は=Oを表し、RNはそれぞれ独立に、(メタ)アクリロキシ基を含む1価の有機基を表し、A21は1又は複数の連結基を表し、破線部はそれぞれ独立に、単結合又は2重結合を表す。

0100

式(2−1)中、RNは上述の式(1−2)で表される基であることが好ましい。RNが式(1−2)で表される基である場合、式(1−2)で表される基の説明における「式(1−1)中の窒素原子」の記載は、「式(2−1)中のRNが結合する窒素原子」と読み替えるものとする。
式(2−1)中、R21及びR23が=N−RNであってもよいし、R21及びR24が=N−RNであってもよいし、R22及びR23が=N−RNであってもよいし、R22及びR24が=N−RNであってもよいが、R21及びR23が=N−RNであることが好ましい。
式(2−1)中、R21及びR22の一方における=N−RNと、R23及びR24の一方における=N−RNとは同一であってもよいし異なっていてもよいが、共重合性の観点からは、同一であることが好ましい。

0101

また、式(2−1)におけるRNのうち少なくとも1つが、下記式(A−2)で表される1価の有機基であることが好ましい。



式(A−2)中、RA1はアルキレン基を表し、RA2は(メタ)アクリロキシ基を含む1価の有機基を表し、*は=N−RNにおける窒素原子との結合部位を表す。

0102

式(A−2)中、RA1は炭素数1〜20のアルキレン基が好ましく、炭素数3〜10のアルキレン基がより好ましい。
式(A−2)中、RA2は(メタ)アクリロキシ基を1〜10個含むことが好ましく、1〜6個含むことがより好ましく、1〜4個含むことが更に好ましい。
また、RA2は、(メタ)アクリロキシ基を少なくとも含み、かつ、(メタ)アクリロキシ基、炭化水素基、エステル結合、エーテル結合、カルボニル基、ウレタン結合、ウレア結合、アミド結合、及び、アミノ基よりなる群から選ばれた少なくとも2つの基を組み合わせた基であることが好ましく、(メタ)アクリロキシ基を少なくとも含み、かつ、(メタ)アクリロキシ基、飽和脂肪族炭化水素基、エステル結合、エーテル結合、及び、アミノ基よりなる群から選ばれた少なくとも2つの基を組み合わせた基であることがより好ましい。

0103

式(2−1)中、A21は1又は複数の連結基を表し、2つの連結基を表すことが好ましい。上記連結基としては、炭化水素基、エステル結合(−C(=O)O−)、エーテル結合(−O−)、カルボニル基(−C(=O)−)、ウレタン結合(−O−C(=O)−NRN1−)、ウレア結合(−NRN1−C(=O)−NRN1−)、アミド結合(−C(=O)−NRN1−)、アミノ基(−NRN1−)、又は、これらを2以上組み合わせた基が好ましく、炭化水素基、エステル結合、エーテル結合、カルボニル基、又は、これらを2以上組み合わせた基であることがより好ましい。RN1は上述の通りである。
また、式(2−1)中のA21及び破線部を有する結合を形成する炭素原子により構成される構造は、下記式(3−1)〜下記式(3−4)のいずれかで表される構造であることが好ましい。



式(3−1)〜式(3−4)中、Aは−O−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−、−S−、又は、−SO2−を表し、*21は式(2−1)中のR21が結合した炭素原子との結合部位を、*22は式(2−1)中のR22が結合した炭素原子との結合部位を、*23は式(2−1)中のR23が結合した炭素原子との結合部位を、*24は式(2−1)中のR24が結合した炭素原子との結合部位を、それぞれ表す。
例えば、式(2−1)中のA21及び破線部を有する結合を形成する炭素原子により構成される構造は、下記式(3−1)により表される構造である場合、式(2−1)で表される化合物は、下記式(3’−1)で表される化合物となる。



式(3’−1)中、R21〜R24はそれぞれ、式(2−1)中のR21〜R24と同義であり、好ましい態様も同様である。

0104

また、式(2−1)で表される化合物は、公知の置換基を更に有していてもよい。

0105

〔分子量〕
特定イソイミド化合物の分子量(分子量分布を有する場合は、重量平均分子量)は、200〜1,000であることが好ましく、250〜900であることがより好ましく、300〜850であることが更に好ましい。

0106

〔具体例〕
特定イソイミド化合物の具体例としては、下記構造の化合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。

0107

合成方法
特定イソイミド化合物は、例えば、カルボン酸無水物と、アミノ基及び(メタ)アクリロキシ基と、を有する化合物を室温で反応させてアミド酸を合成した後に、得られたアミド酸を、例えば脱水縮合剤の存在下でイソイミド化することにより得ることができる。
上記合成方法は、例えば、特開平09−188760号公報等を参照して行うことができる。

0108

〔含有量〕
特定イソイミド化合物の含有量は、本発明の硬化性樹脂組成物の全固形分に対して、0.5〜50質量%であることが好ましい。下限は3質量%以上がより好ましく、6質量%以上が更に好ましい。上限は、45質量%以下であることがより好ましく、40質量%以下であることが更に好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、特定イソイミド化合物を1種のみ含んでもよいし、2種以上を含んでもよい。2種以上を併用する場合にはその合計量が上記の範囲となることが好ましい。

0109

オニウム塩
本発明の硬化性樹脂組成物は、オニウム塩を含むことが好ましい。
オニウム塩の種類等は特に定めるものではないが、アンモニウム塩イミニウム塩スルホニウム塩ヨードニウム塩又はホスホニウム塩が好ましく挙げられる。
これらの中でも、熱安定性が高い観点からはアンモニウム塩又はイミニウム塩が好ましく、ポリマーとの相溶性の観点からはスルホニウム塩、ヨードニウム塩又はホスホニウム塩が好ましい。

0110

また、オニウム塩はオニウム構造を有するカチオンアニオンとの塩であり、上記カチオンとアニオンとは、共有結合を介して結合していてもよいし、共有結合を介して結合していなくてもよい。
すなわち、オニウム塩は、同一の分子構造内に、カチオン部と、アニオン部と、を有する分子内塩であってもよいし、それぞれ別分子であるカチオン分子と、アニオン分子と、がイオン結合した分子間塩であってもよいが、分子間塩であることが好ましい。また、本発明の感光性樹脂組成物において、上記カチオン部又はカチオン分子と、上記アニオン部又はアニオン分子と、はイオン結合により結合されていてもよいし、解離していてもよい。
オニウム塩におけるカチオンとしては、アンモニウムカチオンピリジニウムカチオンスルホニウムカチオンヨードニウムカチオン又はホスホニウムカチオンが好ましく、テトラアルキルアンモニウムカチオン、スルホニウムカチオン及びヨードニウムカチオンよりなる群から選択される少なくとも1種のカチオンがより好ましい。

0111

本発明において用いられるオニウム塩は、熱塩基発生剤であってもよい。
熱塩基発生剤とは、加熱により塩基を発生する化合物をいい、例えば、40℃以上に加熱すると塩基を発生する酸性化合物等が挙げられる。

0112

〔アンモニウム塩〕
本発明において、アンモニウム塩とは、アンモニウムカチオンと、アニオンとの塩を意味する。

0113

−アンモニウムカチオン−
アンモニウムカチオンとしては、第四級アンモニウムカチオンが好ましい。
また、アンモニウムカチオンとしては、下記式(101)で表されるカチオンが好ましい。



式(101)中、R1〜R4はそれぞれ独立に、水素原子又は炭化水素基を表し、R1〜R4の少なくとも2つはそれぞれ結合して環を形成してもよい。

0114

式(101)中、R1〜R4はそれぞれ独立に、炭化水素基であることが好ましく、アルキル基又はアリール基であることがより好ましく、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基であることが更に好ましい。R1〜R4は置換基を有していてもよく、置換基の例としては、ヒドロキシ基、アリール基、アルコキシ基アリールオキシ基アリールカルボニル基アルキルカルボニル基アルコキシカルボニル基アリールオキシカルボニル基アシルオキシ基等が挙げられる。
R1〜R4の少なくとも2つはそれぞれ結合して環を形成する場合、上記環はヘテロ原子を含んでもよい。上記ヘテロ原子としては、窒素原子が挙げられる。

0115

アンモニウムカチオンは、下記式(Y1−1)及び(Y1−2)のいずれかで表されることが好ましい。

0116

式(Y1−1)及び(Y1−2)において、R101は、n価の有機基を表し、R1は式(101)におけるR1と同義であり、Ar101及びAr102はそれぞれ独立に、アリール基を表し、nは、1以上の整数を表す。
式(Y1−1)において、R101は、脂肪族炭化水素芳香族炭化水素、又は、これらが結合した構造からn個の水素原子を除いた基であることが好ましく、炭素数2〜30の飽和脂肪族炭化水素、ベンゼン又はナフタレンからn個の水素原子を除いた基であることがより好ましい。
式(Y1−1)において、nは1〜4であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることが更に好ましい。
式(Y1−2)において、Ar101及びAr102はそれぞれ独立に、フェニル基又はナフチル基であることが好ましく、フェニル基がより好ましい。

0117

−アニオン−
アンモニウム塩におけるアニオンとしては、カルボン酸アニオンフェノールアニオン、リン酸アニオン及び硫酸アニオンから選ばれる1種が好ましく、塩の安定性熱分解性を両立させられるという理由からカルボン酸アニオンがより好ましい。すなわち、アンモニウム塩は、アンモニウムカチオンとカルボン酸アニオンとの塩がより好ましい。
カルボン酸アニオンは、2個以上のカルボキシ基を持つ2価以上のカルボン酸のアニオンが好ましく、2価のカルボン酸のアニオンがより好ましい。この態様によれば、感光性樹脂組成物の安定性、硬化性及び現像性をより向上できる。特に、2価のカルボン酸のアニオンを用いることで、感光性樹脂組成物の安定性、硬化性及び現像性を更に向上できる。

0118

カルボン酸アニオンは、下記式(X1)で表されることが好ましい。



式(X1)において、EWGは、電子求引性基を表す。

0119

本実施形態において電子求引性基とは、ハメット置換基定数σmが正の値を示すものを意味する。ここでσmは、都野雄甫総説有機合成化学協会誌第23巻第8号(1965)p.631−642に詳しく説明されている。なお、本実施形態における電子求引性基は、上記文献に記載された置換基に限定されるものではない。
σmが正の値を示す置換基の例としては、CF3基(σm=0.43)、CF3C(=O)基(σm=0.63)、HC≡C基(σm=0.21)、CH2=CH基(σm=0.06)、Ac基(σm=0.38)、MeOC(=O)基(σm=0.37)、MeC(=O)CH=CH基(σm=0.21)、PhC(=O)基(σm=0.34)、H2NC(=O)CH2基(σm=0.06)などが挙げられる。なお、Meはメチル基を表し、Acはアセチル基を表し、Phはフェニル基を表す(以下、同じ)。

0120

EWGは、下記式(EWG−1)〜(EWG−6)で表される基であることが好ましい。



式(EWG−1)〜(EWG−6)中、Rx1〜Rx3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヒドロキシ基又はカルボキシ基を表し、Arは芳香族基を表す。

0121

本発明において、カルボン酸アニオンは、下記式(XA)で表されることが好ましい。



式(XA)において、L10は、単結合、又は、アルキレン基、アルケニレン基、芳香族基、−NRX−及びこれらの組み合わせよりなる群から選ばれる2価の連結基を表し、RXは、水素原子、アルキル基、アルケニル基又はアリール基を表す。

0122

カルボン酸アニオンの具体例としては、マレイン酸アニオン、フタル酸アニオン、N−フェニルイミノ二酢酸アニオン及びシュウ酸アニオンが挙げられる。

0123

特定前駆体の環化が低温で行われやすく、また、感光性樹脂組成物の保存安定性が向上しやすい観点から、本発明におけるオニウム塩は、カチオンとしてアンモニウムカチオンを含み、上記オニウム塩がアニオンとして、共役酸のpKa(pKaH)が2.5以下であるアニオンを含むことが好ましく、1.8以下であるアニオンを含むことがより好ましい。
上記pKaの下限は特に限定されないが、発生する塩基が中和されにくく、特定前駆体などの環化効率を良好にするという観点からは、−3以上であることが好ましく、−2以上であることがより好ましい。
上記pKaとしては、Determination of Organic Structures by Physical Methods著者:Brown, H. C., McDaniel, D. H., Hafliger, O., Nachod, F. C.; 編纂:Braude, E. A., Nachod, F. C.; Academic Press, New York, 1955)や、Data for Biochemical Research(著者:Dawson, R.M.C.et al; Oxford, Clarendon Press, 1959)に記載の値を参照することができる。これらの文献に記載の無い化合物については、ACD/pKa(ACD/Labs製)のソフトを用いて構造式より算出した値を用いることとする。

0124

アンモニウム塩の具体例としては、以下の化合物を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。

0125

〔イミニウム塩〕
本発明において、イミニウム塩とは、イミニウムカチオンと、アニオンとの塩を意味する。アニオンとしては、上述のアンモニウム塩におけるアニオンと同様のものが例示され、好ましい態様も同様である。

0126

−イミニウムカチオン−
イミニウムカチオンとしては、ピリジニウムカチオンが好ましい。
また、イミニウムカチオンとしては、下記式(102)で表されるカチオンも好ましい。

0127

式(102)中、R5及びR6はそれぞれ独立に、水素原子又は炭化水素基を表し、R7は炭化水素基を表し、R5〜R7の少なくとも2つはそれぞれ結合して環を形成してもよい。
式(102)中、R5及びR6は上述の式(101)におけるR1〜R4と同義であり、好ましい態様も同様である。
式(102)中、R7はR5及びR6の少なくとも1つと結合して環を形成することが好ましい。上記環はヘテロ原子を含んでもよい。上記ヘテロ原子としては、窒素原子が挙げられる。また、上記環としてはピリジン環が好ましい。

0128

イミニウムカチオンは、下記式(Y1−3)〜(Y1−5)のいずれかで表されるものであることが好ましい。



式(Y1−3)〜(Y1−5)において、R101は、n価の有機基を表し、R5は式(102)におけるR5と同義であり、R7は式(102)におけるR7と同義であり、n及びmは、1以上の整数を表す。
式(Y1−3)において、R101は、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、又は、これらが結合した構造からn個の水素原子を除いた基であることが好ましく、炭素数2〜30の飽和脂肪族炭化水素、ベンゼン又はナフタレンからn個の水素原子を除いた基であることがより好ましい。
式(Y1−3)において、nは1〜4であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることが更に好ましい。
式(Y1−5)において、mは1〜4であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることが更に好ましい。

0129

イミニウム塩の具体例としては、以下の化合物を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。

0130

〔スルホニウム塩〕
本発明において、スルホニウム塩とは、スルホニウムカチオンと、アニオンとの塩を意味する。アニオンとしては、上述のアンモニウム塩におけるアニオンと同様のものが例示され、好ましい態様も同様である。

0131

−スルホニウムカチオン−
スルホニウムカチオンとしては、第三級スルホニウムカチオンが好ましく、トリアリールスルホニウムカチオンがより好ましい。
また、スルホニウムカチオンとしては、下記式(103)で表されるカチオンが好ましい。

0132

式(103)中、R8〜R10はそれぞれ独立に炭化水素基を表す。
R8〜R10はそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基であることが好ましく、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基であることがより好ましく、炭素数6〜12のアリール基であることが更に好ましく、フェニル基であることが更に好ましい。
R8〜R10は置換基を有していてもよく、置換基の例としては、ヒドロキシ基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基等が挙げられる。これらの中でも、置換基として、アルキル基、又は、アルコキシ基を有することが好ましく、分岐アルキル基又はアルコキシ基を有することがより好ましく、炭素数3〜10の分岐アルキル基、又は、炭素数1〜10のアルコキシ基を有することが更に好ましい。
R8〜R10は同一の基であっても、異なる基であってもよいが、合成適性上の観点からは、同一の基であることが好ましい。

0133

スルホニウム塩の具体例としては、以下の化合物を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。

0134

〔ヨードニウム塩〕
本発明において、ヨードニウム塩とは、ヨードニウムカチオンと、アニオンとの塩を意味する。アニオンとしては、上述のアンモニウム塩におけるアニオンと同様のものが例示され、好ましい態様も同様である。

0135

−ヨードニウムカチオン−
ヨードニウムカチオンとしては、ジアリールヨードニウムカチオンが好ましい。
また、ヨードニウムカチオンとしては、下記式(104)で表されるカチオンが好ましい。

0136

式(104)中、R11及びR12はそれぞれ独立に炭化水素基を表す。
R11及びR12はそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基であることが好ましく、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基であることがより好ましく、炭素数6〜12のアリール基であることが更に好ましく、フェニル基であることが更に好ましい。
R11及びR12は置換基を有していてもよく、置換基の例としては、ヒドロキシ基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基等が挙げられる。これらの中でも、置換基として、アルキル基、又はアルコキシ基を有することが好ましく、分岐アルキル基又はアルコキシ基を有することがより好ましく、炭素数3〜10の分岐アルキル基、又は、炭素数1〜10のアルコキシ基を有することが更に好ましい。
R11及びR12は同一の基であっても、異なる基であってもよいが、合成適性上の観点からは、同一の基であることが好ましい。

0137

ヨードニウム塩の具体例としては、以下の化合物を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。

0138

〔ホスホニウム塩〕
本発明において、ホスホニウム塩とは、ホスホニウムカチオンと、アニオンとの塩を意味する。アニオンとしては、上述のアンモニウム塩におけるアニオンと同様のものが例示され、好ましい態様も同様である。

0139

−ホスホニウムカチオン−
ホスホニウムカチオンとしては、第四級ホスホニウムカチオンが好ましく、テトラアルキルホスホニウムカチオン、トリアリールモノアルキルホスホニウムカチオン等が挙げられる。
また、ホスホニウムカチオンとしては、下記式(105)で表されるカチオンが好ましい。

0140

式(105)中、R13〜R16はそれぞれ独立に、水素原子又は炭化水素基を表す。
R13〜R16はそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基であることが好ましく、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基であることがより好ましく、炭素数6〜12のアリール基であることが更に好ましく、フェニル基であることが更に好ましい。
R13〜R16は置換基を有していてもよく、置換基の例としては、ヒドロキシ基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基等が挙げられる。これらの中でも、置換基として、アルキル基、又はアルコキシ基を有することが好ましく、分岐アルキル基又はアルコキシ基を有することがより好ましく、炭素数3〜10の分岐アルキル基、又は、炭素数1〜10のアルコキシ基を有することが更に好ましい。
R13〜R16は同一の基であっても、異なる基であってもよいが、合成適性上の観点からは、同一の基であることが好ましい。

0141

ホスホニウム塩の具体例としては、以下の化合物を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。

0142

本発明の感光性樹脂組成物がオニウム塩を含む場合、オニウム塩の含有量は、本発明の感光性樹脂組成物の全固形分に対し、0.1〜50質量%が好ましい。下限は、0.5質量%以上がより好ましく、0.85質量%以上が更に好ましく、1質量%以上が一層好ましい。上限は、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下が更に好ましく、10質量%以下が一層好ましく、5質量%以下であってもよく、4質量%以下であってもよい。
オニウム塩は、1種又は2種以上を用いることができる。2種以上を用いる場合は、合計量が上記範囲であることが好ましい。

0143

<熱塩基発生剤>
本発明の硬化性樹脂組成物は、熱塩基発生剤を含んでもよい。
熱塩基発生剤は、上述のオニウム塩に該当する化合物であってもよいし、上述のオニウム塩以外の他の熱塩基発生剤であってもよい。
他の熱塩基発生剤としては、ノニオン系熱塩基発生剤が挙げられる。
ノニオン系熱塩基発生剤としては、式(B1)又は式(B2)で表される化合物が挙げられる。

0144

式(B1)及び式(B2)中、Rb1、Rb2及びRb3はそれぞれ独立に、第3級アミン構造を有しない有機基、ハロゲン原子又は水素原子である。ただし、Rb1及びRb2が同時に水素原子となることはない。また、Rb1、Rb2及びRb3はいずれもカルボキシ基を有することはない。なお、本明細書で第3級アミン構造とは、3価の窒素原子の3つの結合手がいずれも炭化水素系の炭素原子と共有結合している構造を指す。したがって、結合した炭素原子がカルボニル基をなす炭素原子の場合、つまり窒素原子とともにアミド基を形成する場合はこの限りではない。

0145

式(B1)、(B2)中、Rb1、Rb2及びRb3は、これらのうち少なくとも1つが環状構造を含むことが好ましく、少なくとも2つが環状構造を含むことがより好ましい。環状構造としては、単環及び縮合環のいずれであってもよく、単環又は単環が2つ縮合した縮合環が好ましい。単環は、5員環又は6員環が好ましく、6員環が好ましい。単環は、シクロヘキサン環及びベンゼン環が好ましく、シクロヘキサン環がより好ましい。

0146

より具体的にRb1及びRb2は、水素原子、アルキル基(炭素数1〜24が好ましく、2〜18がより好ましく、3〜12が更に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜24が好ましく、2〜18がより好ましく、3〜12が更に好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜18がより好ましく、6〜10が更に好ましい)、又はアリールアルキル基(炭素数7〜25が好ましく、7〜19がより好ましく、7〜12が更に好ましい)であることが好ましい。これらの基は、本発明の効果を奏する範囲で置換基を有していてもよい。Rb1とRb2とは互いに結合して環を形成していてもよい。形成される環としては、4〜7員の含窒素複素環が好ましい。Rb1及びRb2は特に、置換基を有してもよい直鎖、分岐、又は環状のアルキル基(炭素数1〜24が好ましく、2〜18がより好ましく、3〜12が更に好ましい)であることが好ましく、置換基を有してもよいシクロアルキル基(炭素数3〜24が好ましく、3〜18がより好ましく、3〜12が更に好ましい)であることがより好ましく、置換基を有してもよいシクロヘキシル基が更に好ましい。

0147

Rb3としては、アルキル基(炭素数1〜24が好ましく、2〜18がより好ましく、3〜12が更に好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜18がより好ましく、6〜10が更に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜24が好ましく、2〜12がより好ましく、2〜6が更に好ましい)、アリールアルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜19がより好ましく、7〜12が更に好ましい)、アリールアルケニル基(炭素数8〜24が好ましく、8〜20がより好ましく、8〜16が更に好ましい)、アルコキシル基(炭素数1〜24が好ましく、2〜18がより好ましく、3〜12が更に好ましい)、アリールオキシ基(炭素数6〜22が好ましく、6〜18がより好ましく、6〜12が更に好ましい)、又はアリールアルキルオキシ基(炭素数7〜23が好ましく、7〜19がより好ましく、7〜12が更に好ましい)が挙げられる。中でも、シクロアルキル基(炭素数3〜24が好ましく、3〜18がより好ましく、3〜12が更に好ましい)、アリールアルケニル基、アリールアルキルオキシ基が好ましい。Rb3には更に本発明の効果を奏する範囲で置換基を有していてもよい。

0148

式(B1)で表される化合物は、下記式(B1−1)又は下記式(B1−2)で表される化合物であることが好ましい。

0149

式中、Rb11及びRb12、並びに、Rb31及びRb32は、それぞれ、式(B1)におけるRb1及びRb2と同じである。
Rb13はアルキル基(炭素数1〜24が好ましく、2〜18がより好ましく、3〜12が更に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜24が好ましく、2〜18がより好ましく、3〜12が更に好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜18がより好ましく、6〜12が更に好ましい)、アリールアルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜19がより好ましく、7〜12が更に好ましい)であり、本発明の効果を奏する範囲で置換基を有していてもよい。中でも、Rb13はアリールアルキル基が好ましい。

0150

Rb33及びRb34は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜3が更に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜8がより好ましく、2〜3が更に好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜18がより好ましく、6〜10が更に好ましい)、アリールアルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜19がより好ましく、7〜11が更に好ましい)であり、水素原子が好ましい。

0151

Rb35は、アルキル基(炭素数1〜24が好ましく、1〜12がより好ましく、3〜8が更に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜12がより好ましく、3〜8が更に好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜18がより好ましく、6〜12が更に好ましい)、アリールアルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜19がより好ましく、7〜12が更に好ましい)であり、アリール基が好ましい。

0152

式(B1−1)で表される化合物は、式(B1−1a)で表される化合物もまた好ましい。

0153

Rb11及びRb12は式(B1−1)におけるRb11及びRb12と同義である。
Rb15及びRb16は水素原子、アルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が更に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましく、2〜3が更に好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜18がより好ましく、6〜10が更に好ましい)、アリールアルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜19がより好ましく、7〜11が更に好ましい)であり、水素原子又はメチル基が好ましい。
Rb17はアルキル基(炭素数1〜24が好ましく、1〜12がより好ましく、3〜8が更に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜12がより好ましく、3〜8が更に好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜18がより好ましく、6〜12が更に好ましい)、アリールアルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜19がより好ましく、7〜12が更に好ましい)であり、中でもアリール基が好ましい。

0154

ノニオン系熱塩基発生剤の分子量は、800以下であることが好ましく、600以下であることがより好ましく、500以下であることが更に好ましい。下限としては、100以上であることが好ましく、200以上であることがより好ましく、300以上であることが更に好ましい。

0155

上述のオニウム塩のうち、熱塩基発生剤である化合物の具体例、又は、他の熱塩基発生剤の具体例としては、以下の化合物を挙げることができる。

0156

0157

熱塩基発生剤の含有量は、本発明の硬化性樹脂組成物の全固形分に対し、0.1〜50質量%が好ましい。下限は、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましい。上限は、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下が更に好ましい。熱塩基発生剤は、1種又は2種以上を用いることができる。2種以上を用いる場合は、合計量が上記範囲であることが好ましい。

0158

光重合開始剤
本発明の硬化性樹脂組成物は、光重合開始剤を含むことが好ましい。
光重合開始剤は、光ラジカル重合開始剤であることが好ましい。光ラジカル重合開始剤としては、特に制限はなく、公知の光ラジカル重合開始剤の中から適宜選択することができる。例えば、紫外線領域から可視領域の光線に対して感光性を有する光ラジカル重合開始剤が好ましい。また、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよい。

0159

光ラジカル重合開始剤は、約300〜800nm(好ましくは330〜500nm)の範囲内で少なくとも約50L・mol−1・cm−1のモル吸光係数を有する化合物を、少なくとも1種含有していることが好ましい。化合物のモル吸光係数は、公知の方法を用いて測定することができる。例えば、紫外可視分光光度計(Varian社製Cary−5 spectrophotometer)にて、酢酸エチル溶剤を用い、0.01g/Lの濃度で測定することが好ましい。

0160

光ラジカル重合開始剤としては、公知の化合物を任意に使用できる。例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を有する化合物、オキサジアゾール骨格を有する化合物、トリハロメチル基を有する化合物など)、アシルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィン化合物ヘキサアリールビイミダゾールオキシム誘導体等のオキシム化合物有機過酸化物チオ化合物ケトン化合物芳香族オニウム塩ケトオキシムエーテルアミノアセトフェノン化合物ヒドロキシアセトフェノンアゾ系化合物アジド化合物メタロセン化合物有機ホウ素化合物鉄アレーン錯体などが挙げられる。これらの詳細については、特開2016−027357号公報の段落0165〜0182、国際公開第2015/199219号の段落0138〜0151の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。

0161

ケトン化合物としては、例えば、特開2015−087611号公報の段落0087に記載の化合物が例示され、この内容は本明細書に組み込まれる。市販品では、カヤキュアーETX(日本化薬(株)製)も好適に用いられる。

0162

光ラジカル重合開始剤としては、ヒドロキシアセトフェノン化合物、アミノアセトフェノン化合物、及び、アシルホスフィン化合物も好適に用いることができる。より具体的には、例えば、特開平10−291969号公報に記載のアミノアセトフェノン開始剤、特許第4225898号に記載のアシルホスフィンオキシド系開始剤も用いることができる。

0163

ヒドロキシアセトフェノン系開始剤としては、IRGACURE 184(IRGACUREは登録商標)、DAROCUR 1173、IRGACURE 500、IRGACURE−2959、IRGACURE 127(商品名:いずれもBASF社製)を用いることができる。

0164

アミノアセトフェノン系開始剤としては、市販品であるIRGACURE 907、IRGACURE 369、及び、IRGACURE 379(商品名:いずれもBASF社製)を用いることができる。

0165

アミノアセトフェノン系開始剤として、365nm又は405nm等の波長光源吸収極大波長マッチングされた特開2009−191179号公報に記載の化合物も用いることができる。

0166

アシホスフィン系開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイドなどが挙げられる。また、市販品であるIRGACURE−819やIRGACURE−TPO(商品名:いずれもBASF社製)を用いることができる。

0167

メタロセン化合物としては、IRGACURE−784(BASF社製)などが例示される。

0168

光ラジカル重合開始剤として、より好ましくはオキシム化合物が挙げられる。オキシム化合物を用いることにより、露光ラチチュードをより効果的に向上させることが可能になる。オキシム化合物は、露光ラチチュード(露光マージン)が広く、かつ、光硬化促進剤としても働くため、特に好ましい。

0169

オキシム化合物の具体例としては、特開2001−233842号公報に記載の化合物、特開2000−080068号公報に記載の化合物、特開2006−342166号公報に記載の化合物を用いることができる。

0170

好ましいオキシム化合物としては、例えば、下記の構造の化合物や、3−ベンゾイルオキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノブタン−2−オン、及び2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オンなどが挙げられる。本発明の硬化性樹脂組成物においては、特に光ラジカル重合開始剤としてオキシム化合物(オキシム系の光重合開始剤)を用いることが好ましい。オキシム系の光重合開始剤は、分子内に >C=N−O−C(=O)− の連結基を有する。

0171

0172

市販品ではIRGACURE OXE 01、IRGACURE OXE 02、IRGACURE OXE 03、IRGACURE OXE 04(以上、BASF社製)、アデカオプトマーN−1919((株)ADEKA製、特開2012−014052号公報に記載の光ラジカル重合開始剤2)も好適に用いられる。また、TR−PBG−304(常州強力電子新材料有限公司製)、アデカアークルズNCI−831及びアデカアークルズNCI−930((株)ADEKA製)も用いることができる。また、DFI−091(ダイトーケミックス(株)製)を用いることができる。

0173

また、フッ素原子を有するオキシム化合物を用いることも可能である。そのようなオキシム化合物の具体例としては、特開2010−262028号公報に記載されている化合物、特表2014−500852号公報の段落0345に記載されている化合物24、36〜40、特開2013−164471号公報の段落0101に記載されている化合物(C−3)などが挙げられる。

0174

最も好ましいオキシム化合物としては、特開2007−269779号公報に示される特定置換基を有するオキシム化合物や、特開2009−191061号公報に示されるチオアリール基を有するオキシム化合物などが挙げられる。

0175

光ラジカル重合開始剤は、露光感度の観点から、トリハロメチルトリアジン化合物ベンジルジメチルケタール化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン化合物、ホスフィンオキサイド化合物、メタロセン化合物、オキシム化合物、トリアリールイミダゾールダイマーオニウム塩化合物ベンゾチアゾール化合物ベンゾフェノン化合物アセトフェノン化合物及びその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体及びその塩、ハロメチルオキサジアゾール化合物、3−アリール置換クマリン化合物よりなる群から選択される化合物が好ましい。

0176

更に好ましい光ラジカル重合開始剤は、トリハロメチルトリアジン化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン化合物、ホスフィンオキサイド化合物、メタロセン化合物、オキシム化合物、トリアリールイミダゾールダイマー、オニウム塩化合物、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物であり、トリハロメチルトリアジン化合物、α−アミノケトン化合物、オキシム化合物、トリアリールイミダゾールダイマー、ベンゾフェノン化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が一層好ましく、メタロセン化合物又はオキシム化合物を用いるのがより一層好ましく、オキシム化合物が更に一層好ましい。

0177

また、光ラジカル重合開始剤は、ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)等のN,N’−テトラアルキル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1,2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトンアルキルアントラキノン等の芳香環と縮環したキノン類ベンゾインアルキルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン、アルキルベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体などを用いることもできる。また、下記式(I)で表される化合物を用いることもできる。

0178

0179

式(I)中、RI00は、炭素数1〜20のアルキル基、1個以上の酸素原子によって中断された炭素数2〜20のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、フェニル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、ハロゲン原子、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、炭素数2〜12のアルケニル基、1個以上の酸素原子によって中断された炭素数2〜18のアルキル基及び炭素数1〜4のアルキル基の少なくとも1つで置換されたフェニル基、又はビフェニルであり、RI01は、式(II)で表される基であるか、RI00と同じ基であり、RI02〜RI04は各々独立に炭素数1〜12のアルキル、炭素数1〜12のアルコキシ基又はハロゲンである。

0180

0181

式中、RI05〜RI07は、上記式(I)のRI02〜RI04と同じである。

0182

また、光ラジカル重合開始剤は、国際公開第2015/125469号の段落0048〜0055に記載の化合物を用いることもできる。

0183

光重合開始剤を含む場合、その含有量は、本発明の硬化性樹脂組成物の全固形分に対し0.1〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜20質量%であり、更に好ましくは0.5〜15質量%であり、一層好ましくは1.0〜10質量%である。光重合開始剤は1種のみ含有していてもよいし、2種以上含有していてもよい。光重合開始剤を2種以上含有する場合は、その合計が上記範囲であることが好ましい。

0184

熱重合開始剤
本発明の硬化性樹脂組成物は、重合開始剤として熱重合開始剤を含んでもよく、とくに熱ラジカル重合開始剤を含んでもよい。熱ラジカル重合開始剤は、熱のエネルギーによってラジカルを発生し、重合性を有する化合物の重合反応を開始又は促進させる化合物である。熱ラジカル重合開始剤を添加することによって、複素環含有ポリマー前駆体の環化と共に、複素環含有ポリマー前駆体の重合反応を進行させることもできるので、より高度な耐熱化が達成できることとなる。

0185

熱ラジカル重合開始剤として、具体的には、特開2008−063554号公報の段落0074〜0118に記載されている化合物が挙げられる。

0186

熱ラジカル重合開始剤を含む場合、その含有量は、本発明の硬化性樹脂組成物の全固形分に対し0.1〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜20質量%であり、更に好ましくは5〜15質量%である。熱ラジカル重合開始剤は1種のみ含有していてもよいし、2種以上含有していてもよい。熱ラジカル重合開始剤を2種以上含有する場合は、その合計が上記範囲であることが好ましい。

0187

重合性化合物
ラジカル重合性化合物
本発明の硬化性樹脂組成物は重合性化合物を含むことが好ましい。
重合性化合物としては、ラジカル重合性化合物を用いることができる。ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合性基を有する化合物である。ラジカル重合性基としては、ビニル基、アリル基、ビニルフェニル基、(メタ)アクリロイル基などのエチレン性不飽和結合を有する基が挙げられる。ラジカル重合性基は、(メタ)アクリロイル基が好ましく、反応性の観点からは、(メタ)アクリロキシ基がより好ましい。

0188

ラジカル重合性化合物が有するラジカル重合性基の数は、1個でもよく、2個以上でもよいが、ラジカル重合性化合物はラジカル重合性基を2個以上有することが好ましく、3個以上有することがより好ましい。上限は、15個以下が好ましく、10個以下がより好ましく、8個以下が更に好ましい。

0189

ラジカル重合性化合物の分子量は、2,000以下が好ましく、1,500以下がより好ましく、900以下が更に好ましい。ラジカル重合性化合物の分子量の下限は、100以上が好ましい。

0190

本発明の硬化性樹脂組成物は、現像性の観点から、ラジカル重合性基を2個以上含む2官能以上のラジカル重合性化合物を少なくとも1種含むことが好ましく、3官能以上のラジカル重合性化合物を少なくとも1種含むことがより好ましい。また、2官能のラジカル重合性化合物と3官能以上のラジカル重合性化合物との混合物であってもよい。例えば2官能以上の重合性モノマー官能基数とは、1分子中におけるラジカル重合性基の数が2個以上であることを意味する。

0191

ラジカル重合性化合物の具体例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸メタクリル酸イタコン酸クロトン酸イソクロトン酸、マレイン酸など)やそのエステル類アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と多価アルコール化合物とのエステル、及び不飽和カルボン酸と多価アミン化合物とのアミド類である。また、ヒドロキシ基やアミノ基、スルファニル基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル又はアミド類と、単官能若しくは多官能イソシアネート類又はエポキシ類との付加反応物や、単官能若しくは多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル又はアミド類と、単官能若しくは多官能のアルコール類アミン類チオール類との付加反応物、更に、ハロゲノ基トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル又はアミド類と、単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸スチレン等のビニルベンゼン誘導体、ビニルエーテルアリルエーテル等に置き換え化合物群を使用することも可能である。具体例としては、特開2016−027357号公報の段落0113〜0122の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。

0192

また、ラジカル重合性化合物は、常圧下で100℃以上の沸点を持つ化合物も好ましい。その例としては、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートグリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールエチレンオキサイドプロピレンオキサイドを付加させた後、(メタ)アクリレート化した化合物、特公昭48−041708号公報、特公昭50−006034号公報、特開昭51−037193号各公報に記載されているようなウレタン(メタ)アクリレート類、特開昭48−064183号、特公昭49−043191号、特公昭52−030490号各公報に記載されているポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレート及びこれらの混合物を挙げることができる。また、特開2008−292970号公報の段落0254〜0257に記載の化合物も好適である。また、多官能カルボン酸グリシジル(メタ)アクリレート等の環状エーテル基とエチレン性不飽和結合を有する化合物を反応させて得られる多官能(メタ)アクリレートなども挙げることができる。

0193

また、上述以外の好ましいラジカル重合性化合物として、特開2010−160418号公報、特開2010−129825号公報、特許第4364216号公報等に記載される、フルオレン環を有し、エチレン性不飽和結合を有する基を2個以上有する化合物や、カルド樹脂も使用することが可能である。

0194

更に、その他の例としては、特公昭46−043946号公報、特公平01−040337号公報、特公平01−040336号公報に記載の特定の不飽和化合物や、特開平02−025493号公報に記載のビニルホスホン酸系化合物等もあげることができる。また、特開昭61−022048号公報に記載のペルフルオロアルキル基を含む化合物を用いることもできる。更に日本接着協会誌 vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光重合性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。

0195

上記のほか、特開2015−034964号公報の段落0048〜0051に記載の化合物、国際公開第2015/199219号の段落0087〜0131に記載の化合物も好ましく用いることができ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。

0196

また、特開平10−062986号公報において式(1)及び式(2)としてその具体例と共に記載の、多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後に(メタ)アクリレート化した化合物も、ラジカル重合性化合物として用いることができる。

0197

更に、特開2015−187211号公報の段落0104〜0131に記載の化合物も他のラジカル重合性化合物として用いることができ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。

0198

ラジカル重合性化合物としては、ジペンタエリスリトールトリアクリレート(市販品としては KAYARADD−330;日本化薬(株)製)、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート(市販品としては KAYARAD D−320;日本化薬(株)製、A−TMMT:新中化学工業(株)製)、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(市販品としては KAYARAD D−310;日本化薬(株)製)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(市販品としては KAYARADDPHA;日本化薬(株)製、A−DPH;新中村化学工業社製)、及びこれらの(メタ)アクリロイル基がエチレングリコール残基又はプロピレングリコール残基を介して結合している構造が好ましい。これらのオリゴマータイプも使用できる。

0199

ラジカル重合性化合物の市販品としては、例えばサートマー社製のエチレンオキシ鎖を4個有する4官能アクリレートであるSR−494、エチレンオキシ鎖を4個有する2官能メタクリレートであるサートマー社製のSR−209、231、239、日本化薬(株)製のペンチレンオキシ鎖を6個有する6官能アクリレートであるDPCA−60、イソブチレンオキシ鎖を3個有する3官能アクリレートであるTPA−330、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(日本製紙社製)、NKエステルM−40G、NKエステル4G、NKエステルM−9300、NKエステルA−9300、UA−7200(新中村化学工業社製)、DPHA−40H(日本化薬(株)製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社化学社製)、ブレンマーPME400(日油(株)製)などが挙げられる。

0200

ラジカル重合性化合物としては、特公昭48−041708号公報、特開昭51−037193号公報、特公平02−032293号公報、特公平02−016765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−049860号公報、特公昭56−017654号公報、特公昭62−039417号公報、特公昭62−039418号公報に記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、ラジカル重合性化合物として、特開昭63−277653号公報、特開昭63−260909号公報、特開平01−105238号公報に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する化合物を用いることもできる。

0201

ラジカル重合性化合物は、カルボキシ基、リン酸基等の酸基を有するラジカル重合性化合物であってもよい。酸基を有するラジカル重合性化合物は、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルが好ましく、脂肪族ポリヒドロキシ化合物の未反応のヒドロキシ基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を持たせたラジカル重合性化合物がより好ましい。特に好ましくは、脂肪族ポリヒドロキシ化合物の未反応のヒドロキシ基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を持たせたラジカル重合性化合物において、脂肪族ポリヒドロキシ化合物がペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールである化合物である。市販品としては、例えば、東亞合成(株)製の多塩基酸変性アクリルオリゴマーとして、M−510、M−520などが挙げられる。

0202

酸基を有するラジカル重合性化合物の好ましい酸価は、0.1〜40mgKOH/gであり、特に好ましくは5〜30mgKOH/gである。ラジカル重合性化合物の酸価が上記範囲であれば、製造上の取扱性に優れ、更には、現像性に優れる。また、重合性が良好である。上記酸価は、JIS K 0070:1992の記載に準拠して測定される。

0203

本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化膜の弾性率制御に伴う反り抑制の観点から、ラジカル重合性化合物として、単官能ラジカル重合性化合物を好ましく用いることができる。単官能ラジカル重合性化合物としては、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸誘導体、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等のN−ビニル化合物類、アリルグリシジルエーテルジアリルフタレートトリアリルトリメリテート等のアリル化合物類等が好ましく用いられる。単官能ラジカル重合性化合物としては、露光前の揮発を抑制するため、常圧下で100℃以上の沸点を持つ化合物も好ましい。

0204

また、本発明の硬化性樹脂組成物は、水素結合性の窒素原子を有し、かつ、2つ以上のエチレン性不飽和基を含む基を有する重合性化合物を含んでもよい。このような重合性化合物を含む場合には、架橋後の重合性化合物同士、又は、架橋後の重合性化合物とポリイミド樹脂又はポリベンゾオキサゾール樹脂等が水素結合することにより、強固な膜が形成され、硬化膜の耐薬品性、破断伸びが向上すると考えられる。
水素結合性の窒素原子を有し、かつ、2つ以上のエチレン性不飽和基を含む基を有する重合性化合物としては、ウレタン結合、ウレア結合、及び、アミド結合よりなる群から選ばれた少なくとも一種の構造を含む重合性化合物が挙げられる。
このような化合物の具体例としては、例えば、下記化合物が挙げられる。

0205

〔上述したラジカル重合性化合物以外の重合性化合物〕
本発明の硬化性樹脂組成物は、上述したラジカル重合性化合物以外の重合性化合物を更に含むことができる。上述したラジカル重合性化合物以外の重合性化合物としては、ヒドロキシメチル基アルコキシメチル基又はアシルオキシメチル基を有する化合物;エポキシ化合物オキセタン化合物ベンゾオキサジン化合物が挙げられる。

0206

−ヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基又はアシルオキシメチル基を有する化合物−
ヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基又はアシルオキシメチル基を有する化合物としては、下記式(AM1)、(AM4)又は(AM5)で示される化合物が好ましい。

0207

(式中、tは、1〜20の整数を示し、R104は炭素数1〜200のt価の有機基を示し、R105は、−OR106又は、−OCO−R107で示される基を示し、R106は、水素原子又は炭素数1〜10の有機基を示し、R107は、炭素数1〜10の有機基を示す。)



(式中、R404は炭素数1〜200の2価の有機基を示し、R405は、−OR406又は、−OCO−R407で示される基を示し、R406は、水素原子又は炭素数1〜10の有機基を示し、R407は、炭素数1〜10の有機基を示す。)



(式中uは3〜8の整数を示し、R504は炭素数1〜200のu価の有機基を示し、R505は、−OR506又は、−OCO−R507で示される基を示し、R506は、水素原子又は炭素数1〜10の有機基を示し、R507は、炭素数1〜10の有機基を示す。)

0208

式(AM4)で示される化合物の具体例としては、46DMOC、46DMOEP(以上、商品名、旭有機材工業(株)製)、DML−MBPC、DML−MBOC、DML−OCHP、DML−PCHP、DML−PC、DML−PTBP、DML−34X、DML−EP、DML−POP、dimethylolBisOC−P、DML−PFP、DML−PSBP、DML−MTrisPC(以上、商品名、本州化学工業(株)製)、NIKALAC MX−290(商品名、(株)三和ケミカル製)、2,6−dimethoxymethyl−4−t−butylphenol、2,6−dimethoxymethyl−p−cresol、2,6−diacetoxymethyl−p−cresolなどが挙げられる。

0209

また、式(AM5)で示される化合物の具体例としては、TriML−P、TriML−35XL、TML−HQ、TML−BP、TML−pp−BPF、TML−BPA、TMOM−BP、HML−TPPHBA、HML−TPHAP、HMOM−TPPHBA、HMOM−TPHAP(以上、商品名、本州化学工業(株)製)、TM−BIP−A(商品名、旭有機材工業(株)製)、NIKALAC MX−280、NIKALAC MX−270、NIKALAC MW−100LM(以上、商品名、(株)三和ケミカル製)が挙げられる。

0210

−エポキシ化合物(エポキシ基を有する化合物)−
エポキシ化合物としては、一分子中にエポキシ基を2以上有する化合物であることが好ましい。エポキシ基は、200℃以下で架橋反応し、かつ、架橋に由来する脱水反応が起こらないため膜収縮が起きにくい。このため、エポキシ化合物を含有することは、硬化性樹脂組成物の低温硬化及び反りの抑制に効果的である。

0211

エポキシ化合物は、ポリエチレンオキサイド基を含有することが好ましい。これにより、より弾性率が低下し、また反りを抑制することができる。ポリエチレンオキサイド基は、エチレンオキサイドの繰返し単位数が2以上のものを意味し、繰返し単位数が2〜15であることが好ましい。

0212

エポキシ化合物の例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂;ビスフェノールF型エポキシ樹脂;プロピレングリコールジグリシジルエーテル等のアルキレングリコール型エポキシ樹脂;ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコール型エポキシ樹脂;ポリメチル(グリシジロキシプロピル)シロキサン等のエポキシ基含有シリコーンなどを挙げることができるが、これらに限定されない。具体的には、エピクロン(登録商標)850−S、エピクロン(登録商標)HP−4032、エピクロン(登録商標)HP−7200、エピクロン(登録商標)HP−820、エピクロン(登録商標)HP−4700、エピクロン(登録商標)EXA−4710、エピクロン(登録商標)HP−4770、エピクロン(登録商標)EXA−859CRP、エピクロン(登録商標)EXA−1514、エピクロン(登録商標)EXA−4880、エピクロン(登録商標)EXA−4850−150、エピクロンEXA−4850−1000、エピクロン(登録商標)EXA−4816、エピクロン(登録商標)EXA−4822(以上商品名、DIC(株)製)、リカレジン(登録商標)BEO−60E(商品名、新日本理化(株))、EP−4003S、EP−4000S(以上商品名、(株)ADEKA製)などが挙げられる。この中でも、ポリエチレンオキサイド基を含有するエポキシ樹脂が、反りの抑制及び耐熱性に優れる点で好ましい。例えば、エピクロン(登録商標)EXA−4880、エピクロン(登録商標)EXA−4822、リカレジン(登録商標)BEO−60Eは、ポリエチレンオキサイド基を含有するので好ましい。

0213

−オキセタン化合物(オキセタニル基を有する化合物)−
オキセタン化合物としては、一分子中にオキセタン環を2つ以上有する化合物、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ]メチル}ベンゼン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシルメチル)オキセタン、1,4−ベンゼンジカルボン酸−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メチル]エステル等を挙げることができる。具体的な例としては、東亞合成(株)製のアロンオキセタンシリーズ(例えば、OXT−121、OXT−221、OXT−191、OXT−223)が好適に使用することができ、これらは単独で、又は2種以上混合してもよい。

0214

−ベンゾオキサジン化合物(ベンゾオキサゾリル基を有する化合物)−
ベンゾオキサジン化合物は、開環付加反応に由来する架橋反応のため、硬化時に脱ガスが発生せず、更に熱収縮を小さくして反りの発生が抑えられることから好ましい。

0215

ベンゾオキサジン化合物の好ましい例としては、B−a型ベンゾオキサジン、B−m型ベンゾオキサジン(以上、商品名、四国化成工業社製)、ポリヒドロキシスチレン樹脂のベンゾオキサジン付加物フェノールノボラックジヒドロベンゾオキサジン化合物が挙げられる。これらは単独で用いるか、又は2種以上混合してもよい。

0216

重合性化合物を含有する場合、その含有量は、本発明の硬化性樹脂組成物の全固形分に対して、0質量%超60質量%以下であることが好ましい。下限は5質量%以上がより好ましい。上限は、50質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることが更に好ましい。

0217

重合性化合物は1種を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。2種以上を併用する場合にはその合計量が上記の範囲となることが好ましい。

0218

<溶剤>
本発明の硬化性樹脂組成物は、溶剤を含有することが好ましい。溶剤は、公知の溶剤を任意に使用できる。溶剤は有機溶剤が好ましい。有機溶剤としては、エステル類、エーテル類ケトン類芳香族炭化水素類スルホキシド類、アミド類などの化合物が挙げられる。

0219

エステル類として、例えば、酢酸エチル酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチルギ酸アミル酢酸イソアミルプロピオン酸ブチル酪酸イソプロピル酪酸エチル酪酸ブチル乳酸メチル乳酸エチルγ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトンアルキルオキシ酢酸アルキル(例えば、アルキルオキシ酢酸メチル、アルキルオキシ酢酸エチル、アルキルオキシ酢酸ブチル(例えば、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル等))、3−アルキルオキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、3−アルキルオキシプロピオン酸メチル、3−アルキルオキシプロピオン酸エチル等(例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等))、2−アルキルオキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、2−アルキルオキシプロピオン酸メチル、2−アルキルオキシプロピオン酸エチル、2−アルキルオキシプロピオン酸プロピル等(例えば、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル))、2−アルキルオキシ−2−メチルプロピオン酸メチル及び2−アルキルオキシ−2−メチルプロピオン酸エチル(例えば、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル等)、ピルビン酸メチルピルビン酸エチルピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチルアセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等が好適なものとして挙げられる。

0221

ケトン類として、例えば、メチルエチルケトンシクロヘキサノンシクロペンタノン2−ヘプタノン3−ヘプタノン等が好適なものとして挙げられる。

0222

芳香族炭化水素類として、例えば、トルエンキシレンアニソールリモネン等が好適なものとして挙げられる。

0223

スルホキシド類として、例えば、ジメチルスルホキシドが好適なものとして挙げられる。

0224

アミド類として、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が好適なものとして挙げられる。

0225

溶剤は、塗布面性状の改良などの観点から、2種以上を混合する形態も好ましい。

0226

本発明では、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、エチルカルビトールアセテートブチルカルビトールアセテート、N−メチル−2−ピロリドン、プロピレングリコールメチルエーテル、及びプロピレングリコールメチルエーテルアセテートから選択される1種の溶剤、又は、2種以上で構成される混合溶剤が好ましい。ジメチルスルホキシドとγ−ブチロラクトンとの併用が特に好ましい。

0227

溶剤の含有量は、塗布性の観点から、本発明の硬化性樹脂組成物の全固形分濃度が5〜80質量%になる量とすることが好ましく、5〜75質量%となる量にすることがより好ましく、10〜70質量%となる量にすることが更に好ましく、40〜70質量%となるようにすることが一層好ましい。溶剤含有量は、所望の厚さと塗布方法によって調節すればよい。

0228

溶剤は1種のみ含有していてもよいし、2種以上含有していてもよい。溶剤を2種以上含有する場合は、その合計が上記範囲であることが好ましい。

0229

マイグレーション抑制剤
本発明の硬化性樹脂組成物は、更にマイグレーション抑制剤を含むことが好ましい。マイグレーション抑制剤を含むことにより、金属層(金属配線)由来の金属イオン硬化性樹脂組成物層内へ移動することを効果的に抑制可能となる。

0230

マイグレーション抑制剤としては、特に制限はないが、複素環(ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピラゾール環、イソオキサゾール環、イソチアゾール環、テトラゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペリジン環ピペラジン環、モルホリン環、2H−ピラン環及び6H−ピラン環、トリアジン環)を有する化合物、チオ尿素類及びスルファニル基を有する化合物、ヒンダードフェノール系化合物サリチル酸誘導体系化合物、ヒドラジド誘導体系化合物が挙げられる。特に、1,2,4−トリアゾールベンゾトリアゾール等のトリアゾール系化合物、1H−テトラゾール、5−フェニルテトラゾール等のテトラゾール系化合物が好ましく使用できる。

0231

又はハロゲンイオンなどの陰イオン捕捉するイオントラップ剤を使用することもできる。

0232

その他のマイグレーション抑制剤としては、特開2013−015701号公報の段落0094に記載の防錆剤、特開2009−283711号公報の段落0073〜0076に記載の化合物、特開2011−059656号公報の段落0052に記載の化合物、特開2012−194520号公報の段落0114、0116及び0118に記載の化合物、国際公開第2015/199219号の段落0166に記載の化合物などを使用することができる。

0233

マイグレーション抑制剤の具体例としては、下記化合物を挙げることができる。

0234

0235

硬化性樹脂組成物がマイグレーション抑制剤を有する場合、マイグレーション抑制剤の含有量は、硬化性樹脂組成物の全固形分に対して、0.01〜5.0質量%であることが好ましく、0.05〜2.0質量%であることがより好ましく、0.1〜1.0質量%であることが更に好ましい。

0236

マイグレーション抑制剤は1種のみでもよいし、2種以上であってもよい。マイグレーション抑制剤が2種以上の場合は、その合計が上記範囲であることが好ましい。

0237

重合禁止剤
本発明の硬化性樹脂組成物は、重合禁止剤を含むことが好ましい。

0238

重合禁止剤としては、例えば、ヒドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−tert−ブチル−p−クレゾールピロガロール、p−tert−ブチルカテコール、1,4−ベンゾキノン、ジフェニル−p−ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシアミンアルミニウム塩、フェノチアジン、N−ニトロソジフェニルアミン、N−フェニルナフチルアミンエチレンジアミン四酢酸、1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸グリコールエーテルジアミン四酢酸、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、5−ニトロソ−8−ヒドロキシキノリン、1−ニトロソ−2−ナフトール、2−ニトロソ−1−ナフトール、2−ニトロソ−5−(N−エチル−N−スルホプロピルアミノ)フェノール、N−ニトロソ−N−(1−ナフチル)ヒドロキシアミンアンモニウム塩、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−tert−ブチル)フェニルメタンなどが好適に用いられる。また、特開2015−127817号公報の段落0060に記載の重合禁止剤、及び、国際公開第2015/125469号の段落0031〜0046に記載の化合物を用いることもできる。

0239

また、下記化合物を用いることができる(Meはメチル基である)。

0240

0241

本発明の硬化性樹脂組成物が重合禁止剤を有する場合、重合禁止剤の含有量は、本発明の硬化性樹脂組成物の全固形分に対して、0.01〜5質量%であることが好ましく、0.02〜3質量%であることがより好ましく、0.05〜2.5質量%であることが更に好ましい。

0242

重合禁止剤は1種のみでもよいし、2種以上であってもよい。重合禁止剤が2種以上の場合は、その合計が上記範囲であることが好ましい。

0243

金属接着性改良剤
本発明の硬化性樹脂組成物は、電極配線などに用いられる金属材料との接着性を向上させるための金属接着性改良剤を含んでいることが好ましい。金属接着性改良剤としては、シランカップリング剤などが挙げられる。

0244

シランカップリング剤の例としては、国際公開第2015/199219号の段落0167に記載の化合物、特開2014−191002号公報の段落0062〜0073に記載の化合物、国際公開第2011/080992号の段落0063〜0071に記載の化合物、特開2014−191252号公報の段落0060〜0061に記載の化合物、特開2014−041264号公報の段落0045〜0052に記載の化合物、国際公開第2014/097594号の段落0055に記載の化合物が挙げられる。また、特開2011−128358号公報の段落0050〜0058に記載のように異なる2種以上のシランカップリング剤を用いることも好ましい。また、シランカップリング剤は、下記化合物を用いることも好ましい。以下の式中、Etはエチル基を表す。

0245

0246

また、金属接着性改良剤としては、特開2014−186186号公報の段落0046〜0049に記載の化合物、特開2013−072935号公報の段落0032〜0043に記載のスルフィド系化合物を用いることもできる。

0247

金属接着性改良剤の含有量は複素環含有ポリマー前駆体100質量部に対して、好ましくは0.1〜30質量部であり、より好ましくは0.5〜15質量部の範囲であり、更に好ましくは0.5〜5質量部の範囲である。上記下限値以上とすることで硬化工程後の硬化膜と金属層との接着性が良好となり、上記上限値以下とすることで硬化工程後の硬化膜の耐熱性、機械特性が良好となる。金属接着性改良剤は1種のみでもよいし、2種以上で
あってもよい。2種以上用いる場合は、その合計が上記範囲であることが好ましい。

0248

<その他の添加剤
本発明の硬化性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、各種の添加物、例えば、熱酸発生剤、N−フェニルジエタノールアミンなどの増感剤、連鎖移動剤界面活性剤高級脂肪酸誘導体、無機粒子硬化剤硬化触媒充填剤酸化防止剤紫外線吸収剤凝集防止剤等を配合することができる。これらの添加剤を配合する場合、その合計配合量は硬化性樹脂組成物の固形分の3質量%以下とすることが好ましい。

0249

〔増感剤〕
本発明の硬化性樹脂組成物は、増感剤を含んでいてもよい。増感剤は、特定の活性放射線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感剤は、熱硬化促進剤、熱ラジカル重合開始剤、光ラジカル重合開始剤などと接触して、電子移動エネルギー移動発熱などの作用が生じる。これにより、熱硬化促進剤、熱ラジカル重合開始剤、光ラジカル重合開始剤は化学変化を起こして分解し、ラジカル、酸又は塩基を生成する。
増感剤としては、N−フェニルジエタノールアミン等の増感剤が挙げられる。
また、増感剤としては、増感色素を用いてもよい。
増感色素の詳細については、特開2016−027357号公報の段落0161〜0163の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。

0250

本発明の硬化性樹脂組成物が増感剤を含む場合、増感剤の含有量は、本発明の硬化性樹脂組成物の全固形分に対し、0.01〜20質量%であることが好ましく、0.1〜15質量%であることがより好ましく、0.5〜10質量%であることが更に好ましい。増感剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。

0251

〔連鎖移動剤〕
本発明の硬化性樹脂組成物は、連鎖移動剤を含有してもよい。連鎖移動剤は、例えば高分子辞典第三版(高分子学会編、2005年)683−684頁に定義されている。連鎖移動剤としては、例えば、分子内にSH、PH、SiH、及びGeHを有する化合物群が用いられる。これらは、低活性のラジカルに水素供与して、ラジカルを生成するか、若しくは、酸化された後、脱プロトンすることによりラジカルを生成しうる。特に、チオール化合物を好ましく用いることができる。

0252

また、連鎖移動剤は、国際公開第2015/199219号の段落0152〜0153に記載の化合物を用いることもできる。

0253

本発明の硬化性樹脂組成物が連鎖移動剤を有する場合、連鎖移動剤の含有量は、本発明の硬化性樹脂組成物の全固形分100質量部に対し、0.01〜20質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましく、1〜5質量部が更に好ましい。連鎖移動剤は1種のみでもよいし、2種以上であってもよい。連鎖移動剤が2種以上の場合は、その合計が上記範囲であることが好ましい。

0254

〔界面活性剤〕
本発明の硬化性樹脂組成物には、塗布性をより向上させる観点から、各種類の界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤ノニオン系界面活性剤カチオン系界面活性剤アニオン系界面活性剤シリコーン系界面活性剤などの各種類の界面活性剤を使用できる。また、下記界面活性剤も好ましい。下記式中、主鎖の構成単位を示す括弧各構成単位の含有量(モル%)を、側鎖の構成単位を示す括弧は各構成単位の繰り返し数をそれぞれ表す。



また、界面活性剤は、国際公開第2015/199219号の段落0159〜0165に記載の化合物を用いることもできる。

0255

本発明の硬化性樹脂組成物が界面活性剤を有する場合、界面活性剤の含有量は、本発明の硬化性樹脂組成物の全固形分に対して、0.001〜2.0質量%であることが好ましく、より好ましくは0.005〜1.0質量%である。界面活性剤は1種のみでもよいし、2種以上であってもよい。界面活性剤が2種以上の場合は、その合計が上記範囲であることが好ましい。

0256

〔高級脂肪酸誘導体〕
本発明の硬化性樹脂組成物は、酸素に起因する重合阻害を防止するために、ベヘン酸ベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体を添加して、塗布後の乾燥の過程で硬化性樹脂組成物の表面に偏在させてもよい。

0257

また、高級脂肪酸誘導体は、国際公開第2015/199219号の段落0155に記載の化合物を用いることもできる。

0258

本発明の硬化性樹脂組成物が高級脂肪酸誘導体を有する場合、高級脂肪酸誘導体の含有量は、本発明の硬化性樹脂組成物の全固形分に対して、0.1〜10質量%であることが好ましい。高級脂肪酸誘導体は1種のみでもよいし、2種以上であってもよい。高級脂肪酸誘導体が2種以上の場合は、その合計が上記範囲であることが好ましい。

0259

<その他の含有物質についての制限>
本発明の硬化性樹脂組成物の水分含有量は、塗布面性状の観点から、5質量%未満が好ましく、1質量%未満がより好ましく、0.6質量%未満が更に好ましい。

0260

本発明の硬化性樹脂組成物の金属含有量は、絶縁性の観点から、5質量ppm(parts per million)未満が好ましく、1質量ppm未満がより好ましく、0.5質量ppm未満が更に好ましい。金属としては、ナトリウムカリウムマグネシウムカルシウム、鉄、クロムニッケルなどが挙げられる。金属を複数含む場合は、これらの金属の合計が上記範囲であることが好ましい。

0261

また、本発明の硬化性樹脂組成物に意図せずに含まれる金属不純物を低減する方法としては、本発明の硬化性樹脂組成物を構成する原料として金属含有量が少ない原料を選択する、本発明の硬化性樹脂組成物を構成する原料に対してフィルターろ過を行う、装置内をポリテトラフルオロエチレン等でライニングしてコンタミネーションを可能な限り抑制した条件下で蒸留を行う等の方法を挙げることができる。

0262

本発明の硬化性樹脂組成物は、半導体材料としての用途を考慮すると、ハロゲン原子の含有量が、配線腐食性の観点から、500質量ppm未満が好ましく、300質量ppm未満がより好ましく、200質量ppm未満が更に好ましい。中でも、ハロゲンイオンの状態で存在するものは、5質量ppm未満が好ましく、1質量ppm未満がより好ましく、0.5質量ppm未満が更に好ましい。ハロゲン原子としては、塩素原子及び臭素原子が挙げられる。塩素原子及び臭素原子、又は塩素イオン及び臭素イオンの合計がそれぞれ上記範囲であることが好ましい。

0263

本発明の硬化性樹脂組成物の収容容器としては従来公知の収容容器を用いることができる。また、収容容器としては、原材料や硬化性樹脂組成物中への不純物混入を抑制することを目的に、容器内壁を6種6層の樹脂で構成された多層ボトルや、6種の樹脂を7層構造にしたボトルを使用することも好ましい。このような容器としては例えば特開2015−123351号公報に記載の容器が挙げられる。

0264

<硬化性樹脂組成物の調製>
本発明の硬化性樹脂組成物は、上記各成分を混合して調製することができる。混合方法は特に限定はなく、従来公知の方法で行うことができる。

0265

また、硬化性樹脂組成物中のゴミ微粒子等の異物を除去する目的で、フィルターを用いたろ過を行うことが好ましい。フィルター孔径は、1μm以下が好ましく、0.5μm以下がより好ましく、0.1μm以下が更に好ましい。フィルターの材質は、ポリテトラフロロエチレンポリエチレン又はナイロンが好ましい。フィルターは、有機溶剤であらかじめ洗浄したものを用いてもよい。フィルターろ過工程では、複数種のフィルターを直列又は並列に接続して用いてもよい。複数種のフィルターを使用する場合は、孔径又は材質が異なるフィルターを組み合わせて使用してもよい。また、各種材料を複数回ろ過してもよい。複数回ろ過する場合は、循環ろ過であってもよい。また、加圧してろ過を行ってもよい。加圧してろ過を行う場合、加圧する圧力は0.05MPa以上0.3MPa以下が好ましい。
フィルターを用いたろ過の他、吸着材を用いた不純物除去処理を行ってもよい。フィルターろ過と吸着材を用いた不純物除去処理とを組み合わせてもよい。吸着材としては、公知の吸着材を用いることができる。例えば、シリカゲルゼオライトなどの無機系吸着材活性炭などの有機系吸着材が挙げられる。

0266

<硬化性樹脂組成物の用途>
本発明の硬化性樹脂組成物は、再配線層用層間絶縁膜の形成に用いられることが好ましい。
また、その他、半導体デバイスの絶縁膜の形成、又は、ストレスバッファ膜の形成等にも用いることができる。

0267

(硬化膜、積層体、半導体デバイス、及びそれらの製造方法)
次に、硬化膜、積層体、半導体デバイス、及びそれらの製造方法について説明する。

0268

本発明の硬化膜は、本発明の硬化性樹脂組成物を硬化してなる。本発明の硬化膜の膜厚は、例えば、0.5μm以上とすることができ、1μm以上とすることができる。また、上限値としては、100μm以下とすることができ、30μm以下とすることもできる。

0269

本発明の硬化膜を2層以上、更には、3〜7層積層して積層体としてもよい。本発明の積層体は、硬化膜を2層以上含み、上記硬化膜同士のいずれかの間に金属層を含む態様が好ましい。例えば、第一の硬化膜、金属層、第二の硬化膜の3つの層がこの順に積層された層構造を少なくとも含む積層体が好ましく挙げられる。上記第一の硬化膜及び上記第二の硬化膜は、いずれも本発明の硬化膜であり、例えば、上記第一の硬化膜及び上記第二の硬化膜のいずれもが、本発明の硬化性樹脂組成物を硬化してなる膜である態様が好ましく挙げられる。上記第一の硬化膜の形成に用いられる本発明の硬化性樹脂組成物と、上記第二の硬化膜の形成に用いられる本発明の硬化性樹脂組成物とは、組成が同一の組成物であってもよいし、組成が異なる組成物であってもよいが、製造適性上の観点からは、組成が同一の組成物であることが好ましい。本発明の積層体における金属層は、再配線層などの金属配線として好ましく用いられる。

0270

本発明の硬化膜の適用可能な分野としては、半導体デバイスの絶縁膜、再配線層用層間絶縁膜、ストレスバッファ膜などが挙げられる。そのほか、封止フィルム基板材料フレキシブルプリント基板のベースフィルムやカバーレイ、層間絶縁膜)、又は上記のような実装用途の絶縁膜をエッチングパターン形成することなどが挙げられる。これらの用途については、例えば、サイエンステクノロジー(株)「ポリイミドの高機能化と応用技術」2008年4月、本雅明/監修、CMCテクカルライブラリーポリイミド材料基礎と開発」2011年11月発行、日本ポリイミド芳香族系高分子研究会/編「最新ポリイミド 基礎と応用」エヌ・ティーエス,2010年8月等を参照することができる。

0271

また、本発明における硬化膜は、オフセット版面又はスクリーン版面などの版面の製造、成形部品のエッチングへの使用、エレクトロニクス、特に、マイクロエレクトロニクスにおける保護ラッカー及び誘電層の製造などにも用いることもできる。

0272

本発明の硬化膜の製造方法(以下、単に「本発明の製造方法」ともいう。)は、本発明の硬化性樹脂組成物を基材に適用して膜を形成する膜形成工程を含むことが好ましい。
本発明の硬化膜の製造方法は、上記膜形成工程、並びに、上記膜を露光する露光工程及び上記膜を現像する現像工程を含むことが好ましい。
また、本発明の硬化膜の製造方法は、上記膜形成工程、及び、必要に応じて上記現像工程を含み、かつ、上記膜を50〜450℃で加熱する加熱工程を含むことがより好ましい。
具体的には、以下の(a)〜(d)の工程を含むことも好ましい。
(a)硬化性樹脂組成物を基材に適用して膜(硬化性樹脂組成物層)を形成する膜形成工程
(b)膜形成工程の後、膜を露光する露光工程
(c)露光された上記膜を現像する現像工程
(d)現像された上記膜を50〜450℃で加熱する加熱する加熱工程
上記加熱工程において加熱することにより、露光で硬化した樹脂層を更に硬化させることができる。この加熱工程で、例えば上述の熱塩基発生剤が分解し、十分な硬化性が得られる。

0273

本発明の好ましい実施形態に係る積層体の製造方法は、本発明の硬化膜の製造方法を含む。本実施形態の積層体の製造方法は、上記の硬化膜の製造方法に従って、硬化膜を形成後、更に、再度、(a)の工程、又は(a)〜(c)の工程、又は(a)〜(d)の工程を行う。特に、上記各工程を順に、複数回、例えば、2〜5回(すなわち、合計で3〜6回)行うことが好ましい。このように硬化膜を積層することにより、積層体とすることができる。本発明では特に硬化膜を設けた部分の上又は硬化膜の間、又はその両者に金属層を設けることが好ましい。なお、積層体の製造においては、(a)〜(d)の工程をすべて繰り返す必要はなく、上記のとおり、少なくとも(a)、好ましくは(a)〜(c)又は(a)〜(d)の工程を複数回行うことで硬化膜の積層体を得ることができる。
<膜形成工程(層形成工程)>
本発明の好ましい実施形態に係る製造方法は、硬化性樹脂組成物を基材に適用して膜(層状)にする、膜形成工程(層形成工程)を含む。

0274

基材の種類は、用途に応じて適宜定めることができるが、シリコン窒化シリコンポリシリコン酸化シリコンアモルファスシリコンなどの半導体作製基材、石英ガラス光学フィルムセラミック材料蒸着膜磁性膜反射膜、Ni、Cu、Cr、Feなどの金属基材、紙、SOG(Spin On Glass)、TFT(薄膜トランジスタアレイ基材プラズマディスプレイパネル(PDP)の電極板など特に制約されない。本発明では、特に、半導体作製基材が好ましく、シリコン基材がより好ましい。
また、基材としては、例えば板状の基材(基板)が用いられる。

0275

また、樹脂層の表面や金属層の表面に硬化性樹脂組成物層を形成する場合は、樹脂層や金属層が基材となる。

0276

硬化性樹脂組成物を基材に適用する手段としては、塗布が好ましい。

0277

具体的には、適用する手段としては、ディップコート法エアーナイフコート法カーテンコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法エクストルージョンコート法スプレーコート法スピンコート法スリットコート法、及びインクジェット法などが例示される。硬化性樹脂組成物層の厚さの均一性の観点から、より好ましくはスピンコート法、スリットコート法、スプレーコート法、インクジェット法である。方法に応じて適切な固形分濃度や塗布条件を調整することで、所望の厚さの樹脂層を得ることができる。また、基材の形状によっても塗布方法を適宜選択でき、ウェハ等の円形基材であればスピンコート法やスプレーコート法、インクジェット法等が好ましく、矩形基材であればスリットコート法やスプレーコート法、インクジェット法等が好ましい。スピンコート法の場合は、例えば、500〜2,000rpmの回転数で、10秒〜1分程度適用することができる。
また、あらかじめ仮支持体上に上記付与方法によって付与して形成した塗膜を、基材上に転写する方法を適用することもできる。
転写方法に関しては特開2006−023696号公報の段落0023、0036〜0051や、特開2006−047592号公報の段落0096〜0108に記載の作製方法を本発明においても好適に用いることができる。

0278

<乾燥工程>
本発明の製造方法は、上記膜(硬化性樹脂組成物層)を形成後、膜形成工程(層形成工程)の後に、溶剤を除去するために乾燥する工程を含んでいてもよい。好ましい乾燥温度は50〜150℃で、70℃〜130℃がより好ましく、90℃〜110℃が更に好ましい。乾燥時間としては、30秒〜20分が例示され、1分〜10分が好ましく、3分〜7分がより好ましい。

0279

<露光工程>
本発明の製造方法は、上記膜(硬化性樹脂組成物層)を露光する露光工程を含んでもよい。露光量は、硬化性樹脂組成物を硬化できる限り特に定めるものではないが、例えば、波長365nmでの露光エネルギー換算で100〜10,000mJ/cm2照射することが好ましく、200〜8,000mJ/cm2照射することがより好ましい。

0280

露光波長は、190〜1,000nmの範囲で適宜定めることができ、240〜550nmが好ましい。

0281

露光波長は、光源との関係でいうと、(1)半導体レーザー(波長830nm、532nm、488nm、405nm etc.)、(2)メタルハライドランプ、(3)高圧水銀灯、g線(波長 436nm)、h線(波長 405nm)、i線(波長 365nm)、ブロード(g,h,i線の3波長)、(4)エキシマレーザー、KrFエキシマレーザー(波長 248nm)、ArFエキシマレーザー(波長 193nm)、F2エキシマレーザー(波長 157nm)、(5)極端紫外線;EUV(波長 13.6nm)、(6)電子線等が挙げられる。本発明の硬化性樹脂組成物については、特に高圧水銀灯による露光が好ましく、中でも、i線による露光が好ましい。これにより、特に高い露光感度が得られうる。

0282

現像処理工程>
本発明の製造方法は、露光された膜(硬化性樹脂組成物層)に対して、現像処理を行う(上記膜を現像する)現像処理工程を含んでもよい。現像を行うことにより、露光されていない部分(非露光部)が除去される。現像方法は、所望のパターンを形成できれば特に制限は無く、例えば、パドルスプレー、浸漬、超音波等の現像方法が採用可能である。

0283

現像は現像液を用いて行う。現像液は、露光されていない部分(非露光部)が除去されるのであれば、特に制限なく使用できる。現像液は、有機溶剤を含むことが好ましく、現像液が有機溶剤を90%以上含むことがより好ましい。本発明では、現像液は、ClogP値が−1〜5の有機溶剤を含むことが好ましく、ClogP値が0〜3の有機溶剤を含むことがより好ましい。ClogP値は、ChemBioDrawにて構造式を入力して計算値として求めることができる。

0284

有機溶剤は、エステル類として、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、アルキルオキシ酢酸アルキル(例:アルキルオキシ酢酸メチル、アルキルオキシ酢酸エチル、アルキルオキシ酢酸ブチル(例えば、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル等))、3−アルキルオキシプロピオン酸アルキルエステル類(例:3−アルキルオキシプロピオン酸メチル、3−アルキルオキシプロピオン酸エチル等(例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等))、2−アルキルオキシプロピオン酸アルキルエステル類(例:2−アルキルオキシプロピオン酸メチル、2−アルキルオキシプロピオン酸エチル、2−アルキルオキシプロピオン酸プロピル等(例えば、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル))、2−アルキルオキシ−2−メチルプロピオン酸メチル及び2−アルキルオキシ−2−メチルプロピオン酸エチル(例えば、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル等)、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等、並びに、エーテル類として、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等、並びに、ケトン類として、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、N−メチル−2−ピロリドン等、並びに、芳香族炭化水素類として、例えば、トルエン、キシレン、アニソール、リモネン等、スルホキシド類としてジメチルスルホキシドが好適に挙げられる。

0285

本発明では、特にシクロペンタノン、γ−ブチロラクトンが好ましく、シクロペンタノンがより好ましい。

0286

現像液は、50質量%以上が有機溶剤であることが好ましく、70質量%以上が有機溶剤であることがより好ましく、90質量%以上が有機溶剤であることが更に好ましい。また、現像液は、100質量%が有機溶剤であってもよい。

0287

現像時間としては、10秒〜5分が好ましい。現像時の現像液の温度は、特に定めるものではないが、通常、20〜40℃で行うことができる。

0288

現像液を用いた処理の後、更に、リンスを行ってもよい。リンスは、現像液とは異なる溶剤で行うことが好ましい。例えば、硬化性樹脂組成物に含まれる溶剤を用いてリンスすることができる。リンス時間は、5秒〜1分が好ましい。

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