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技術 硬化性樹脂組成物および成形品

出願人 ジャパンコンポジット株式会社
発明者 清水卓爾藤田啓邦三浦彬箱谷昌宏塚本貴史
出願日 2019年3月20日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-052731
公開日 2020年9月24日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-152819
状態 未査定
技術分野 マクロモノマー系付加重合体 強化プラスチック材料
主要キーワード 加熱プレス成形法 標準温度状態 ブロック形 カテコール化合物 グラスバブルズ B型粘度計 フッ素樹脂系繊維 サーフェーシング
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年9月24日)のものです。
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図面 (2)

課題

脱型性の向上を図ることができながら、クラックの発生を抑制できる硬化性樹脂組成物および成形品を提供すること。

解決手段

硬化性樹脂組成物に、ビニルエステル樹脂と、ジシクロペンタジエンモノメタアクリレートおよび多官能(メタ)アクリレートを含有するビニルモノマーとを含有させる。そして、ジシクロペンタジエン系モノ(メタ)アクリレートの含有割合を、ジシクロペンタジエン系モノ(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートとの総和に対して、2質量%以上30質量%以下とする。

概要

背景

従来、硬化性樹脂組成物と、硬化性樹脂組成物が含浸される強化繊維とを含む繊維強化樹脂材料が知られている。

例えば、ビニルエステル樹脂と、反応性希釈剤としてのポリアルキレンオキサイドのジ(メタアクリレート誘導体と、補強材としてのガラス繊維とを含有する熱硬化性樹脂成形材料が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。

概要

脱型性の向上をることができながら、クラックの発生を抑制できる硬化性樹脂組成物および成形品を提供すること。硬化性樹脂組成物に、ビニルエステル樹脂と、ジシクロペンタジエンモノ(メタ)アクリレートおよび多官能(メタ)アクリレートを含有するビニルモノマーとを含有させる。そして、ジシクロペンタジエン系モノ(メタ)アクリレートの含有割合を、ジシクロペンタジエン系モノ(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートとの総和に対して、2質量%以上30質量%以下とする。

目的

本発明は、脱型性の向上を図ることができながら、クラックの発生を抑制できる硬化性樹脂組成物および成形品を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ビニルエステル樹脂と、ジシクロペンタジエンモノメタアクリレート、および、多官能(メタ)アクリレートを含有するビニルモノマーとを含有し、前記ジシクロペンタジエン系モノ(メタ)アクリレートの含有割合は、前記ジシクロペンタジエン系モノ(メタ)アクリレートと前記多官能(メタ)アクリレートとの総和に対して、2質量%以上30質量%以下であることを特徴とする、硬化性樹脂組成物

請求項2

前記多官能(メタ)アクリレートは、ジ(メタ)アクリレートを含むことを特徴とする、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。

請求項3

前記ビニルモノマーは、さらに、ジシクロペンタジエン系モノ(メタ)アクリレートと異なる他のモノ(メタ)アクリレートを含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物。

請求項4

前記他のモノ(メタ)アクリレートは、ベンジルメタクリレートを含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。

請求項5

請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物と、前記硬化性樹脂組成物が含浸される強化繊維とを含む繊維強化樹脂材料硬化物を含むことを特徴とする、成形品

技術分野

0001

本発明は、硬化性樹脂組成物および成形品に関する。

背景技術

0002

従来、硬化性樹脂組成物と、硬化性樹脂組成物が含浸される強化繊維とを含む繊維強化樹脂材料が知られている。

0003

例えば、ビニルエステル樹脂と、反応性希釈剤としてのポリアルキレンオキサイドのジ(メタアクリレート誘導体と、補強材としてのガラス繊維とを含有する熱硬化性樹脂成形材料が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。

先行技術

0004

特開2006−22163号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかるに、特許文献1に記載の熱硬化性樹脂成形材料を、キャビティー(凹部)を有する第1金型コア(凸部)を有する第2金型とにより、加熱プレス成形する場合がある。加熱プレス成形において、熱硬化性樹脂成形材料は、加熱された第1金型および第2金型により挟まれて流動する。

0006

このとき、熱硬化性樹脂成形材料が、空気と接触するとポリアルキレンオキサイドのジ(メタ)アクリレート誘導体の重合反応酸素により阻害されるおそれがある。とりわけ、熱硬化性樹脂成形材料の流動末端は、キャビティーの側面とコアの側面との間のシャーエッジ部分に到達すると空気と接触しやすい。シャーエッジ部分に到達した流動末端は、硬化して、成形品の周縁から突出するバリとして形成されるが、そのバリには、未反応のポリアルキレンオキサイドのジ(メタ)アクリレート誘導体が残存する場合がある。

0007

バリに未反応のポリアルキレンオキサイドのジ(メタ)アクリレート誘導体が残存すると、残存するポリアルキレンオキサイドのジ(メタ)アクリレート誘導体が作業者の手に付着して作業環境汚染する場合や、バリがべたついて金型に張り付き、成形品の金型からの脱型性が低下するという不具合がある。また、このような成形品には、脱型性の確保とともに、クラックの発生を抑制することが要求される。

0008

本発明は、脱型性の向上を図ることができながら、クラックの発生を抑制できる硬化性樹脂組成物および成形品を提供する。

課題を解決するための手段

0009

本発明[1]は、ビニルエステル樹脂と、ジシクロペンタジエンモノ(メタ)アクリレート、および、多官能(メタ)アクリレートを含有するビニルモノマーとを含有し、前記ジシクロペンタジエン系モノ(メタ)アクリレートの含有割合は、前記ジシクロペンタジエン系モノ(メタ)アクリレートと前記多官能(メタ)アクリレートとの総和に対して、2質量%以上30質量%以下である、硬化性樹脂組成物を含む。

0010

本発明[2]は、前記多官能(メタ)アクリレートは、ジ(メタ)アクリレートを含む、上記[1]に記載の硬化性樹脂組成物を含む。

0011

本発明[3]は、前記ビニルモノマーは、さらに、ジシクロペンタジエン系モノ(メタ)アクリレートと異なる他のモノ(メタ)アクリレートを含有する、上記[1]または[2]に記載の硬化性樹脂組成物を含む。

0012

本発明[4]は、前記他のモノ(メタ)アクリレートは、ベンジルメタクリレートを含む、上記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物を含む。

0013

本発明[5]は、上記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物と、前記硬化性樹脂組成物が含浸される強化繊維とを含む繊維強化樹脂材料の硬化物を含む、成形品を含む。

発明の効果

0014

本発明の硬化性樹脂組成物は、ビニルエステル樹脂と、ジシクロペンタジエン系モノ(メタ)アクリレートおよび多官能(メタ)アクリレートを含有するビニルモノマーとを含有し、ジシクロペンタジエン系モノ(メタ)アクリレートの含有割合が上記下限以上である。

0015

しかるに、ジシクロペンタジエン系モノ(メタ)アクリレートは、酸素存在下において、ビニルエステル樹脂および/またはビニルモノマーと円滑に反応する。そのため、加熱プレス成形において、硬化性樹脂組成物の流動末端が空気と接触しても、その流動末端に未反応のビニルモノマーが残存することを抑制できる。その結果、その流動末端から形成されるバリがべたつくことを抑制でき、作業環境の汚染を抑制できるとともに、成形品の脱型性の向上を図ることができる。

0016

一方、成形品にジシクロペンタジエン系モノ(メタ)アクリレートとビニルエステル樹脂との反応により生じるユニット過度に含まれると、成形品にクラックが発生するおそれがある。しかし、ジシクロペンタジエン系モノ(メタ)アクリレートの含有割合が上記上限以下であるので、成形品にクラックが発生することを抑制できる。

図面の簡単な説明

0017

図1Aは、本発明の硬化性樹脂組成物の一実施形態を含むシートモールディングコンパウンドを、第1金型のキャビティーに配置した状態を示す。図1Bは、図1Aに続いて、シートモールディングコンパウンドを第1金型と第2金型とにより挟み込んだ状態を示す。図1Cは、図1Bに続いて、シートモールディングコンパウンドの流動末端がシャーエッジ部分に到達した状態を示す。

0018

1.硬化性樹脂組成物
本発明の硬化性樹脂組成物は、必須成分として、ビニルエステル樹脂と、ビニルモノマーとを含有する。
(1−1)ビニルエステル樹脂
ビニルエステル樹脂は、不飽和二重結合およびエステル結合を含有する。

0019

ビニルエステル樹脂として、例えば、ビニルエステル樹脂の無変性体、ビニルエステル樹脂の酸変性体などが挙げられる。

0020

ビニルエステル樹脂の無変性体は、変性されていないビニルエステル樹脂であって、エポキシ樹脂不飽和モノカルボン酸との付加反応物である。

0021

エポキシ樹脂は、少なくとも1つのエポキシ基を含有する。エポキシ樹脂として、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂(例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂など)、ノボラック型エポキシ樹脂(例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂クレゾールノボラック型エポキシ樹脂臭素化ノボラック型エポキシ樹脂など)、脂肪族型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂水添ビスフェノール型エポキシ樹脂アミン型エポキシ樹脂などが挙げられる。

0022

このようなエポキシ樹脂は、単独使用または2種以上併用することができる。

0023

このようなエポキシ樹脂は、好ましくは、ビスフェノール型エポキシ樹脂を含み、さらに好ましくは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を含み、とりわけ好ましくは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂からなる。

0024

エポキシ樹脂のエポキシ当量は、例えば、100以上、好ましくは、200以上、例えば、700以下、好ましくは、500以下、さらに好ましくは、400以下である。なお、エポキシ当量は、JIS K 7236に準拠して測定できる(以下同様)。

0025

不飽和モノカルボン酸は、少なくとも1つの不飽和二重結合と、少なくとも1つのカルボキシ基とを含有する。不飽和モノカルボン酸として、例えば、不飽和モノ脂肪酸(例えば、(メタ)アクリル酸クロトン酸ソルビン酸など)、芳香族不飽和モノカルボン酸(例えば、ケイ皮酸など)、エステル結合含有不飽和モノカルボン酸(例えば、酸無水物不飽和アルコールとの反応物など)などが挙げられる。なお、(メタ)アクリルは、メタクリルおよび/またはアクリルと同義である。

0026

このような不飽和モノカルボン酸は、単独使用または2種以上併用することができる。

0027

このような不飽和モノカルボン酸は、好ましくは、不飽和モノ脂肪酸を含み、さらに好ましくは、(メタ)アクリル酸を含み、とりわけ好ましくは、メタクリル酸を含み、特に好ましくは、メタクリル酸からなる。

0028

そして、ビニルエステル樹脂の無変性体は、上記したエポキシ樹脂のエポキシ基と上記した不飽和一塩基酸のカルボキシ基とを開環付加反応させることにより調製される。ビニルエステル樹脂の無変性体は、エポキシ基の開環により生成する水酸基を含有する。

0029

ビニルエステル樹脂の酸変性体は、酸変性されたビニルエステル樹脂であり、ビニルエステル樹脂の側鎖にカルボキシ基が導入されている。ビニルエステル樹脂の酸変性体は、例えば、上記したビニルエステル樹脂の無変性体と酸無水物との反応生成物である。

0030

酸無水物として、例えば、無水マレイン酸無水コハク酸無水フタル酸テトラヒドロ無水フタル酸ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸などが挙げられる。酸無水物は、単独使用または2種以上併用することができる。このような酸無水物は、好ましくは、無水マレイン酸を含み、さらに好ましくは、無水マレイン酸からなる。

0031

そして、ビニルエステル樹脂の酸変性体は、例えば、上記したビニルエステル樹脂の無変性体が含有する水酸基と酸無水物の酸無水物基とを反応させることにより調製される。水酸基と酸無水物基との反応により、エステル結合が形成するとともに、カルボキシ基が生成する。

0032

このようなビニルエステル樹脂は、単独使用または2種以上併用することができる。

0033

このようなビニルエステル樹脂は、例えば、ビニルエステル樹脂の無変性体および/またはビニルエステル樹脂の酸変性体を含み、好ましくは、ビニルエステル樹脂の酸変性体を含む。

0034

また、ビニルエステル樹脂がビニルエステル樹脂の酸変性体を含む場合、ビニルエステル樹脂の酸価は、例えば、10mgKOH/g以上、好ましくは、40mgKOH/g以上、例えば、150mgKOH/g以下、好ましくは、100mgKOH/g以下である。なお、ビニルエステル樹脂の酸価は、JIS K 6901に準拠して測定できる(以下同様)。

0035

ビニルエステル樹脂の含有割合は、ビニルエステル樹脂とビニルモノマーとの総和に対して、例えば、20質量%以上、好ましくは、30質量%以上、例えば、70質量%以下、好ましくは、60質量%以下、さらに好ましくは、45質量%以下である。
(1−2)ビニルモノマー
ビニルモノマーは、必須成分として、ジシクロペンタジエン系モノ(メタ)アクリレート(以下、DCPD系モノ(メタ)アクリレートとする。)と、多官能(メタ)アクリレートとを含有する。

0036

DCPD系モノ(メタ)アクリレートは、ジシクロペンタジエン骨格と、1つの(メタ)アクリロイルオキシ基とを含む。DCPD系モノ(メタ)アクリレートとして、例えば、下記一般式(1)により示されるジシクロペンテニル系モノ(メタ)アクリレートと、下記一般式(2)により示されるジシクロペンタニル系モノ(メタ)アクリレートとが挙げられる。

0037

一般式(1)

0038

[式(1)において、Rは、水素原子またはメチル基を示す。nは、0または1を示す。]
一般式(1)において、(メタ)アクリロイルオキシ基は、nが0である場合、ジシクロペンタジエン骨格の5位または6位に直接結合する。また、(メタ)アクリロイルオキシ基は、nが1である場合、エチレンオキシド基を介して、ジシクロペンタジエン骨格の5位または6位に結合する。

0039

上記一般式(1)に示されるジシクロペンテニル系モノ(メタ)アクリレートとして、例えば、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、好ましくは、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート(一般式(1)において、R=メチル基、n=1)、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート(一般式(1)において、R=水素原子、n=1)、ジシクロペンテニルアクリレート(一般式(1)において、R=水素原子、n=0)が挙げられる。

0040

一般式(2)

0041

[式(2)において、Rは、水素原子またはメチル基を示す。nは、0または1を示す。]
一般式(2)において、(メタ)アクリロイルオキシ基の結合箇所は、上記一般式(1)と同様である。

0042

上記一般式(2)に示されるジシクロペンタニル系モノ(メタ)アクリレートとして、例えば、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、好ましくは、ジシクロペンタニルオキシエチルアクリレート(一般式(2)において、R=水素原子、n=1)、ジシクロペンタニルメタクリレート(一般式(2)において、R=メチル基、n=0)が挙げられる。

0043

なお、DCPD系モノ(メタ)アクリレートは、市販品を用いることもできる。

0044

このようなDCPD系モノ(メタ)アクリレートは、単独使用または2種類以上併用できる。

0045

このようなDCPD系モノ(メタ)アクリレートは、好ましくは、上記一般式(1)に示されるジシクロペンテニル系モノ(メタ)アクリレートを含み、さらに好ましくは、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートおよび/またはジシクロペンテニル(メタ)アクリレートを含み、とりわけ好ましくは、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレートおよびジシクロペンテニルアクリレートからなる群から選択される少なくとも1種を含み、特に好ましくは、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレートを含み、最も好ましくは、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレートからなる。

0046

このようなDCPD系モノ(メタ)アクリレートの分子量は、例えば、150以上、好ましくは、200以上、例えば、400以下、好ましくは、300以下である。

0047

このようなDCPD系モノ(メタ)アクリレートの沸点は、常圧下(0.1MPa)において、例えば、150℃以上、好ましくは、200℃以上、例えば、400℃以下、好ましくは、350℃以下である。

0048

DCPD系モノ(メタ)アクリレートの含有割合は、DCPD系モノ(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートとの総和に対して、2質量%以上、好ましくは、5質量%以上、30質量%以下、好ましくは、25質量%以下、さらに好ましくは、20質量%以下である。

0049

また、ビニルモノマーにおけるDCPD系モノ(メタ)アクリレートの含有割合は、例えば、1質量%以上、好ましくは、2質量%以上、例えば、30質量%以下、好ましくは、20質量%以下である。

0050

また、DCPD系モノ(メタ)アクリレートの含有割合は、ビニルエステル樹脂とビニルモノマーとの総和に対して、例えば、0.5質量%以上、好ましくは、1質量%以上、例えば、20質量%以下、好ましくは、15質量%以下である。

0051

DCPD系モノ(メタ)アクリレートの含有割合が上記下限以上であると、硬化性樹脂組成物から成形される成形品(後述)の脱型性の向上を図ることができる。DCPD系モノ(メタ)アクリレートの含有割合が上記上限以下であると、成形品(後述)にクラックが発生することを抑制できる。

0052

多官能(メタ)アクリレートは、反応性希釈剤であって、2つ以上の(メタ)アクリロイル基を含有する。多官能(メタ)アクリレートとして、例えば、ジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。

0053

ジ(メタ)アクリレートとして、例えば、アルカングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレンジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。

0054

アルカングリコールジ(メタ)アクリレートは、分子の両末端に位置する2つの(メタ)アクリロイル基と、それら(メタ)アクリロイル基とエステル結合を形成する1つのアルカングリコールユニットオキシアルキレン基)とを含有する。

0055

アルカングリコールジ(メタ)アクリレートが含有するオキシアルキレン基の炭素数は、例えば、1以上、好ましくは、2以上、例えば、10以下、好ましくは、6以下、さらに好ましくは、4以下である。

0056

アルカングリコールジ(メタ)アクリレートとして、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。

0057

ポリオキシアルキレンジ(メタ)アクリレートは、2つの(メタ)アクリロイル基と、それら(メタ)アクリロイル基の間において繰り返し単位として位置するポリオキシアルキレンユニット(2つ以上のオキシアルキレン基)とを含有する。

0058

ポリオキシアルキレンポリ(メタ)アクリレートが含有する各オキシアルキレン基の炭素数の範囲は、例えば、上記したアルカングリコールジ(メタ)アクリレートが含有するオキシアルキレン基の炭素数の範囲と同じである。

0059

また、ポリオキシアルキレンポリ(メタ)アクリレートに含まれるオキシアルキレン基の数は、例えば、2以上、例えば、10以下、好ましくは、4以下である。

0060

ポリオキシアルキレンジ(メタ)アクリレートとして、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。

0061

トリ(メタ)アクリレートとして、例えば、アルカントリオールトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。

0062

アルカントリオールトリ(メタ)アクリレートは、3つの(メタ)アクリロイル基と、それら(メタ)アクリロイル基とエステル結合を形成するアルカントリオールユニットとを含有する。

0063

アルカントリオールトリ(メタ)アクリレートとして、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。

0064

このような多官能(メタ)アクリレートは、単独使用または2種以上併用することができる。

0065

このような多官能(メタ)アクリレートは、好ましくは、ジ(メタ)アクリレートを含み、さらに好ましくは、アルカングリコールジ(メタ)アクリレートを含み、とりわけ好ましくは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基を含有するアルカングリコールジ(メタ)アクリレートを含み、特に好ましくは、エチレングリコールジ(メタ)アクリレートを含む。また、多官能(メタ)アクリレートは、好ましくは、ジ(メタ)アクリレート(アルカングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート)からなる。

0066

多官能(メタ)アクリレートがジ(メタ)アクリレートを含むと、硬化性樹脂組成物から成形される成形品(後述)にクラックが発生することを確実に抑制することができる。

0067

このような多官能(メタ)アクリレートの分子量は、例えば、150以上、好ましくは、180以上、例えば、500以下、好ましくは、400以下、さらに好ましくは、300以下である。

0068

このような多官能(メタ)アクリレートの沸点は、常圧下(0.1MPa)において、例えば、150℃以上、好ましくは、200℃以上、例えば、500℃以下、好ましくは、350℃以下である。

0069

多官能(メタ)アクリレートの含有割合は、DCPD系モノ(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートとの総和に対して、70質量%以上、好ましくは、75質量%以上、さらに好ましくは、80質量%以上、98質量%以下、好ましくは、95質量%以下である。

0070

また、ビニルモノマーにおける多官能(メタ)アクリレートの含有割合は、例えば、50質量%以上、好ましくは、60質量%以上、例えば、90質量%以下、好ましくは、80質量%以下である。

0071

また、多官能(メタ)アクリレートの含有割合は、ビニルエステル樹脂とビニルモノマーとの総和に対して、例えば、20質量%以上、好ましくは、30質量%以上、例えば、60質量%以下、好ましくは、50質量%以下である。

0072

また、ビニルモノマーは、好ましくは、任意成分として、DCPD系モノ(メタ)アクリレートと異なる他のモノ(メタ)アクリレート(以下、単にモノ(メタ)アクリレートとする。)を含有する。

0073

モノ(メタ)アクリレートは、反応性希釈剤であって、1つの(メタ)アクリロイル基を含有する。モノ(メタ)アクリレートとして、例えば、アルキルモノ(メタ)アクリレート、シクロアルキルモノ(メタ)アクリレート、アラルキルモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。

0074

アルキルモノ(メタ)アクリレートは、1つのオキシ(メタ)アクリロイル基と、そのオキシ(メタ)アクリロイル基と結合するアルキル基とを含有する。

0075

アルキルモノ(メタ)アクリレートが含有するアルキル基の炭素数は、例えば、1以上、好ましくは、2以上、さらに好ましくは、4以上、例えば、18以下、好ましくは、8以下である。

0076

アルキルモノ(メタ)アクリレートとして、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。

0077

シクロアルキルモノ(メタ)アクリレートは、1つのオキシ(メタ)アクリロイル基と、そのオキシ(メタ)アクリロイル基が結合する脂肪族環とを含有する。

0078

シクロアルキルモノ(メタ)アクリレートが含有する脂肪族環の炭素数は、例えば、4以上、好ましくは、6以上、例えば、18以下、好ましくは、10以下である。

0079

シクロアルキルモノ(メタ)アクリレートとして、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。

0080

アラルキルモノ(メタ)アクリレートは、1つのオキシ(メタ)アクリロイル基と、そのオキシ(メタ)アクリロイル基と結合する芳香脂肪族基とを含有する。

0081

アラルキルモノ(メタ)アクリレートとして、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。

0082

アラルキルモノ(メタ)アクリレートが含有する芳香脂肪族基の炭素数は、例えば、6以上、好ましくは、7以上、例えば、18以下、好ましくは、10以下である。

0083

このようなモノ(メタ)アクリレートは、単独使用または2種以上併用することができる。

0084

このようなモノ(メタ)アクリレートは、好ましくは、アルキルモノ(メタ)アクリレートおよび/またはアラルキルモノ(メタ)アクリレートを含み、さらに好ましくは、アラルキルモノ(メタ)アクリレートを含み、とりわけ好ましくは、ベンジルメタクリレートを含む。また、モノ(メタ)アクリレートは、好ましくは、アルキルモノ(メタ)アクリレートまたはアラルキルモノ(メタ)アクリレートからなり、さらに好ましくは、アラルキルモノ(メタ)アクリレートからなる。

0085

モノ(メタ)アクリレートがアルキルモノ(メタ)アクリレートおよび/またはアラルキルモノ(メタ)アクリレートを含むと、硬化性樹脂組成物の粘度を好適に調整することができ、モノ(メタ)アクリレートがベンジルメタクリレートを含むと、希釈効率の向上を図ることができる。

0086

このようなモノ(メタ)アクリレートの分子量は、例えば、90以上、好ましくは、120以上、さらに好ましくは、150以上、例えば、300以下、好ましくは、250以下である。

0087

このようなモノ(メタ)アクリレートの沸点は、常圧下(0.1MPa)において、例えば、100℃以上、好ましくは、150℃以上、さらに好ましくは、200℃以上、例えば、400℃以下、好ましくは、300℃以下である。

0088

モノ(メタ)アクリレートの含有割合は、DCPD系モノ(メタ)アクリレートとモノ(メタ)アクリレートとの総和に対して、例えば、20質量%以上、好ましくは、30質量%以上、さらに好ましくは、50質量%以上、例えば、95質量%以下、好ましくは、90質量%以下である。

0089

また、ビニルモノマーにおけるモノ(メタ)アクリレートの含有割合は、例えば、3質量%以上、好ましくは、5質量%以上、さらに好ましくは、10質量%以上、例えば、35質量%以下、好ましくは、25質量%以下である。

0090

また、モノ(メタ)アクリレートの含有割合は、ビニルエステル樹脂とビニルモノマーとの総和に対して、例えば、1質量%以上、好ましくは、5質量%以上、さらに好ましくは、10質量%以上、例えば、30質量%以下、好ましくは、20質量%以下である。
(1−3)低収縮化剤
硬化性樹脂組成物は、任意成分として、低収縮化剤を含有することができる。

0091

低収縮化剤は、硬化性樹脂組成物から成形される成形品の硬化収縮および熱収縮を抑制する。

0093

このような低収縮化剤は、単独使用または2種以上併用することができる。

0094

このような低収縮化剤は、好ましくは、ポリ(メタ)アクリレート樹脂および/または、スチレン−ブタジエンブロックコポリマーを含み、さらに好ましくは、ポリ(メタ)アクリレート樹脂およびスチレン−ブタジエンブロックコポリマーを含み、とりわけ好ましくは、ポリ(メタ)アクリレート樹脂およびスチレン−ブタジエンブロックコポリマーからなる。

0095

このような低収縮化剤の数平均分子量は、例えば、5000以上、好ましくは、10000以上、例えば、200000以下、好ましくは、100000以下である。

0096

低収縮化剤の含有割合は、ビニルエステル樹脂とビニルモノマーとの総和100質量部に対して、例えば、5質量部以上、好ましくは、10質量部以下、例えば、30質量部以下、好ましくは、20質量部以下である。
(1−4)増粘剤
また、硬化性樹脂組成物は、任意成分として、増粘剤を含有することができる。

0097

増粘剤は、硬化性樹脂組成物を加熱プレス成形に適した粘度まで増粘する。増粘剤は、例えば、硬化性樹脂組成物を強化繊維(後述)に含浸させる前(好ましくは、直前)に、硬化性樹脂組成物に添加される。

0098

増粘剤として、例えば、アルカリ土類金属酸化物(例えば、酸化マグネシウムなど)、アルカリ土類金属水酸化物(例えば、水酸化マグネシウム水酸化カルシウムなど)、ポリイソシアネート(例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートMDI)などの芳香族ポリイソシアネート、例えば、水添キシリレンジイソシアネート(H6XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(H12MDI)、ノルボルナンメタンジイソシアネート(NBDI)などの脂環族ポリイソシアネート、例えば、キシリレンジイソシアネート(XDI)などの芳香脂肪族ポリイソシアネートヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)などの脂肪族ポリイソシアネート、および、それらの変性体など)が挙げられる。

0099

このような増粘剤は、単独使用または2種以上併用することができる。

0100

増粘剤は、硬化性樹脂組成物に含有されるビニルエステル樹脂に応じて適宜選択される。

0101

具体的には、ビニルエステル樹脂がビニルエステル樹脂の無変性体からなる場合、増粘剤としてポリイソシアネートが選択され、増粘剤は、ポリイソシアネートを含み、好ましくは、芳香族ポリイソシアネートを含み、さらに好ましくは、MDIを含む。

0102

また、ビニルエステル樹脂がビニルエステル樹脂の酸変性体を含有する場合、増粘剤としてアルカリ土類金属酸化物が選択され、増粘剤は、アルカリ土類金属酸化物を含み、好ましくは、酸化マグネシウムを含む。

0103

このような増粘剤の配合割合は、ビニルエステル樹脂とビニルモノマーとの総和100質量部に対して、例えば、0.5質量部以上、例えば、15質量部以下、好ましくは、10質量部以下である。
(1−5)その他の添加剤
また、硬化性樹脂組成物は、任意成分として、その他の添加剤を含有することができる。その他の添加剤として、例えば、重合禁止剤重合開始剤湿潤分散剤分離防止剤内部離型剤充填材などが挙げられる。その他の添加剤は、単独使用または2種以上併用することができる。

0104

重合禁止剤として、例えば、ハイドロキノン化合物(例えば、ハイドロキノンメチルハイドロキノン、2−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、トリメチルハイドロキノンメトキシハイドロキノンなど)、ベンゾキノン化合物(例えば、p−ベンゾキノン、2,5−ジ−t−ブチルベンゾキノンなど)、ナフトキノン化合物(例えば、ナフトキノンなど)、カテコール化合物(例えば、p−t−ブチルカテコールなど)、芳香族アミン化合物(例えば、フェノチアジンなど)、N−オキシル化合物などが挙げられる。重合禁止剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。

0105

このような重合禁止剤は、好ましくは、ベンゾキノン化合物を含み、さらに好ましくは、p−ベンゾキノンを含む。

0106

重合禁止剤の含有割合は、ビニルエステル樹脂とビニルモノマーとの総和100質量部に対して、例えば、0.001質量部以上、好ましくは、0.005質量部以上、例えば、0.5質量部以下、好ましくは、0.1質量部以下である。

0107

重合開始剤として、例えば、パーオキサイドが挙げられる。パーオキサイドとして、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−アミルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ヘキシルパーオキシアセテートなどが挙げられる。パーオキサイドは、単独使用または2種以上併用することができる。

0108

このような重合開始剤は、好ましくは、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを含む。

0109

重合開始剤の含有割合は、ビニルエステル樹脂とビニルモノマーとの総和100質量部に対して、例えば、0.5質量部以上、好ましくは、0.8質量部以上、例えば、10質量部以下、好ましくは、3質量部以下である。

0110

湿潤分散剤として、例えば、酸基を有するコポリマー、酸性ポリエステル不飽和脂肪酸ポリアミンアミド不飽和ポリカルボン酸ポリマーホウ酸エステルなどが挙げられる。湿潤分散剤は、単独使用または2種以上併用することができる。

0111

このような湿潤分散剤は、好ましくは、酸基を有するコポリマーを含む。

0112

湿潤分散剤の含有割合は、ビニルエステル樹脂とビニルモノマーとの総和100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.5質量部以上、例えば、5質量部以下、好ましくは、2質量部以下である。

0113

分離防止剤として、例えば、低収縮化剤に親和性を有する高分子ブロックコポリマー、高分子コポリマーのアルキルアンモニウム塩不飽和酸ポリカルボン酸ポリエステルなどが挙げられる。分離防止剤は、単独使用または2種以上併用することができる。

0114

このような分離防止剤は、好ましくは、低収縮化剤に親和性を有する高分子ブロックコポリマーを含む。

0115

分離防止剤の含有割合は、ビニルエステル樹脂とビニルモノマーとの総和100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.5質量部以上、例えば、5質量部以下、好ましくは、2質量部以下である。

0116

内部離型剤として、例えば、脂肪酸(例えば、ステアリン酸ラウリン酸など)、脂肪酸金属塩(例えば、ステアリン酸亜鉛ステアリン酸カルシウムなど)、パラフィン液体ワックスフッ素ポリマーシリコン系ポリマーなどが挙げられる。内部離型剤は、単独使用または2種以上併用することができる。

0117

このような分離防止剤は、好ましくは、脂肪酸金属塩を含み、さらに好ましくは、ステアリン酸亜鉛を含む。

0118

内部離型剤の含有割合は、ビニルエステル樹脂とビニルモノマーとの総和100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは、3質量部以上、例えば、10質量部以下である。

0119

充填材として、例えば、無機充填材が挙げられる。無機充填材として、例えば、酸化物(例えば、アルミナチタニアなど)、水酸化物(例えば、水酸化アルミニウムなど)、炭酸塩(例えば、炭酸カルシウムなど)、硫酸塩(例えば、硫酸バリウムなど)、シリカ(例えば、結晶性シリカ溶融シリカフュームドシリカ乾式シリカアエロジル)など)、ガラスパウダー中空フィラー(例えば、ガラス中空球シリカ中空球、アルミナ中空球など)、ケイ酸塩(例えば、珪砂珪藻土マイカクレーカオリンタルクなど)、フッ化物(例えば、ホタル石など)、リン酸塩(例えば、リン酸カルシウムなど)、粘土鉱物(例えば、スメクタイトなど)などが挙げられる。充填材は、単独使用または2種以上併用することができる。

0120

このような充填材は、好ましくは、中空フィラーおよび/または炭酸塩を含み、さらに好ましくは、ガラス中空球および/または炭酸カルシウムを含み、とりわけ好ましくは、ガラス中空球または炭酸カルシウムを含む。

0121

充填材の含有割合は、ビニルエステル樹脂とビニルモノマーとの総和100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは、10質量部以上、例えば、300質量部以下、好ましくは、250質量部以下である。

0122

さらに必要に応じて、硬化性樹脂組成物は、着色剤難燃剤導電剤紫外線吸収剤などを適宜の割合で含有してもよい。
(1−6)スチレン系モノマー
また、硬化性樹脂組成物は、好ましくは、スチレン系モノマーを実質的に含有しない。つまり、硬化性樹脂組成物は、好ましくは、スチレンフリーである。

0123

硬化性樹脂組成物がスチレン系モノマーを実質的に含有しなければ、環境負荷の低減を図ることができる。

0124

スチレン系モノマーとして、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロロスチレンなどが挙げられる。

0125

スチレン系モノマーの含有割合は、ビニルエステル樹脂とビニルモノマーとの総和100質量部に対して、例えば、1.0質量部以下、好ましくは、0.5質量部以下、さらに好ましくは、0質量部である。
2.繊維強化樹脂材料
このような硬化性樹脂組成物は、必須成分(ビニルエステル樹脂およびビニルモノマー)と、必要に応じて任意成分とを混合することにより調製される。

0126

このような硬化性樹脂組成物の粘度(at 25℃)は、増粘剤が添加される前において、例えば、1000mPa・s以上、好ましくは、2000mPa・s以上、例えば、30000mPa・s以下、好ましくは、25000mPa・s以下である。なお、粘度(at 25℃)は、例えば、B型粘度計により測定できる(以下同様)。

0127

そして、硬化性樹脂組成物は、シートモールディングコンパウンド(SMC)、シックモールディングコンパウンド(TMC)、バルクモールディングコンパウンドBMC)などの繊維強化樹脂材料に好適に用いられる。つまり、硬化性樹脂組成物の用途として、例えば、SMC用樹脂組成物、TMC用樹脂組成物、BMC用樹脂組成物などが挙げられる。

0128

繊維強化樹脂材料は、上記した硬化性樹脂組成物と、強化繊維とを含む。硬化性樹脂組成物は、強化繊維に含浸する。

0129

強化繊維として、例えば、無機繊維(例えば、ガラス繊維、炭素繊維金属繊維セラミック繊維など)、有機繊維(例えば、ポリビニルアルコール系繊維ポリエステル系繊維ポリアミド系繊維フッ素樹脂系繊維フェノール系繊維など)、天然繊維(例えば、ケナフなど)などが挙げられる。強化繊維は、単独使用または2種以上併用することができる。

0130

このような強化繊維は、好ましくは、無機繊維を含み、さらに好ましくは、炭素繊維および/またはガラス繊維を含み、とりわけ好ましくは、炭素繊維またはガラス繊維からなる。

0131

強化繊維の形状として、例えば、ロービングクロスなどのクロス状チョップドストランドマットプリフォーマブルマット、コンティニュアンスストランドマットサーフェーシングマットなどのマット状、ストランド状、ロービング状、不織布状、ペーパー状などが挙げられる。

0132

このような強化繊維の形状のうち、好ましくは、ロービング状が挙げられ、より具体的には、ロービング状の強化繊維が、所定の長さに切断されたチョップドストランドが挙げられる。

0133

強化繊維の長さおよび強化繊維の配合割合は、硬化性樹脂組成物の用途に応じて適宜変更される。

0134

硬化性樹脂組成物がSMC用樹脂組成物である場合、強化繊維の長さは、例えば、10mm以上、好ましくは、16mm以上、例えば、50mm以下、好ましくは、30mm以下であり、強化繊維の配合割合は、繊維強化樹脂材料の総量に対して、例えば、10質量%以上、好ましくは、20質量%以上、例えば、60質量%以下、好ましくは、50質量%以下である。

0135

このようなSMC用樹脂組成物は、例えば、シート形状を有する。SMC用樹脂組成物の厚みは、例えば、0.5mm以上6.0mm以下である。

0136

また、硬化性樹脂組成物がTMC用樹脂組成物である場合、強化繊維の長さは、例えば、5mm以上、好ましくは、10mm以上、例えば、50mm以下、好ましくは、30mm以下であり、強化繊維の配合割合は、繊維強化樹脂材料の総量に対して、例えば、5質量%以上、好ましくは、10質量%以上、例えば、60質量%以下、好ましくは、50質量%以下である。

0137

このようなTMC用樹脂組成物は、例えば、板状やシート形状を有する。TMC用樹脂組成物の厚みは、例えば、2.0mm以上12.0mm以下である。

0138

また、硬化性樹脂組成物がBMC用樹脂組成物である場合、強化繊維の長さは、例えば、2mm以上、好ましくは、5mm以上、例えば、30mm以下、好ましくは、20mm以下であり、強化繊維の配合割合は、繊維強化樹脂材料の総量に対して、例えば、5質量%以上、好ましくは、10質量%以上、例えば、40質量%以下、好ましくは、30質量%以下である。

0139

このようなBMC用樹脂組成物は、例えば、円筒直方体ブロック形状を有する。BMC用樹脂組成物のブロック単位は、例えば、0.1kg以上30kg以下である。

0140

これら繊維強化樹脂材料(SMC用樹脂組成物、TMC用樹脂組成物およびBMC用樹脂組成物)は、必要に応じて、20℃以上80℃以下、0.5時間以上120時間以下で熟成された後、公知の成形法により、硬化するとともに成形される。

0141

成形法として、例えば、加熱プレス成形法、加熱トランスファー成形法、加熱射出成形法などが挙げられ、好ましくは、加熱プレス成形法が挙げられる。

0142

以下において、繊維強化樹脂材料がSMC用樹脂組成物であり、成形法が加熱プレス成形法である態様について詳述する。

0143

加熱プレス成形法において、図1A〜図1Cに示すように、SMC用樹脂組成物は、プレス成形機1により成形される。

0144

プレス成形機1は、第1金型2と、第2金型3とを備える。第1金型2は、キャビティー(凹部)2Aを有する。第2金型3は、コア(凸部)3Aを有する。第2金型3は、コア3Aが、第1金型2のキャビティー2Aと向かい合うように配置される。

0145

そして、図1Aに示すように、シート形状を有するSMC用樹脂組成物を、キャビティー2A内において、例えば、複数積層するように配置する。

0146

次いで、図1Bに示すように、第1金型2および第2金型3を所定の金型温度に加熱した後、コア3Aがキャビティー2Aに嵌るように、第2金型3を第1金型2に向かって移動させる。これによって、SMC用樹脂組成物は、第1金型2および第2金型3に挟まれて流動する。

0147

金型温度は、例えば、80℃以上、好ましくは、130℃以上、例えば、200℃以下、好ましくは、150℃以下である。

0148

また、第2金型3の投影面積による成形圧力は、例えば、1MPa以上、好ましくは、5MPa以上、例えば、30MPa以下、好ましくは、15MPa以下である。

0149

すると、図1Cに示すように、SMC用樹脂組成物の流動末端が、キャビティー2Aの側面とコア3Aの側面との間の間隔であるシャーエッジ部分4に到達する。

0150

この状態でSMC用樹脂組成物が硬化することにより、所望の形状を有する成形品と、成形品の周縁から突出するバリとが一体に成形される。

0151

その後、必要に応じて、バリを除去することにより、成形品が調製される。つまり、成形品は、SMC用樹脂組成物(繊維強化樹脂材料)の硬化物を含み、好ましくは、SMC用樹脂組成物(繊維強化樹脂材料)からなる。
3.作用効果
上記した硬化性樹脂組成物は、ビニルエステル樹脂と、DCPD系モノ(メタ)アクリレートおよび多官能(メタ)アクリレートを含有するビニルモノマーとを含有する。そして、DCPD系モノ(メタ)アクリレートの含有割合が、DCPD系モノ(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートとの総和に対して、上記下限以上である。

0152

そのため、加熱プレス成形において、硬化性樹脂組成物の流動末端に未反応のビニルモノマーが残存することを抑制でき、成形品の周縁から突出するバリがべたつくことを抑制できる。その結果、作業環境の汚染を抑制できるとともに、成形品の脱型性の向上を図ることができる。

0153

また、DCPD系モノ(メタ)アクリレートの含有割合が、DCPD系モノ(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートとの総和に対して、上記上限以下であるので、成形品にクラックが発生することを抑制できる。

0154

また、上記した硬化性樹脂組成物は、好ましくは、スチレン系モノマーを実質的に含有せず、スチレンフリーである。そのため、環境負荷の低減を図ることができる。

0155

しかるに、繊維強化樹脂材料に利用できる熱硬化性樹脂として、ビニルエステル樹脂に加えて、不飽和ポリエステル樹脂も知られている。

0156

そのため、上記した硬化性樹脂組成物において、ビニルエステル樹脂に代えて不飽和ポリエステル樹脂を使用することも検討されるが、不飽和ポリエステル樹脂は、スチレン系モノマーと容易に反応可能である一方、(メタ)アクリレート系モノマー(DCPD系モノ(メタ)アクリレートおよび多官能(メタ)アクリレート)と容易に反応できない。

0157

その結果、スチレンフリーの硬化性樹脂組成物において、不飽和ポリエステル樹脂を使用すると、不飽和ポリエステル樹脂が(メタ)アクリレート系モノマーと反応できず、成形品に要求される機械物性(例えば、曲げ強さ曲げ弾性率など)や低収縮性を十分に確保できない。

0158

一方、上記した硬化性樹脂組成物では、ビニルエステル樹脂と、DCPD系モノ(メタ)アクリレートおよび多官能(メタ)アクリレートを含有するビニルモノマーとを含有するので、ビニルエステル樹脂と、DCPD系モノ(メタ)アクリレートおよび/または多官能(メタ)アクリレートとを反応させることができる。その結果、硬化性樹脂組成物がスチレンフリーであっても、成形品に優れた機械物性および低収縮性を付与することができる。

0159

以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。また、以下の記載において特に言及がない限り、「部」および「%」は質量基準である。
<ビニルエステル樹脂の調製>
合成例1
攪拌機還流冷却器ガス導入管を備えた反応容器フラスコ)に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量185)1850質量部(10.0当量)、ビスフェノールA 219質量部(1.92当量)、触媒としてトリエチルベンジルアンモニウムクロライド0.4質量部を仕込み窒素を吹き込みながら、150℃で5時間反応させて、エポキシ当量が256のエポキシ樹脂を得た。120℃まで冷却後、重合禁止剤としてハイドロキノン2.0質量部、触媒としてトリエチルベンジルアンモニウムクロライド 2.0質量部、メタクリル酸712質量部(8.28当量)を添加し、空気を吹き込みながら110℃で8時間反応させ、酸価7.5mgKOH/gのビニルエステル樹脂(ビニルエステル樹脂の無変性体)を得た。

0160

合成例2
合成例1と同様にして、ビニルエステル樹脂(ビニルエステル樹脂の無変性体)を得た後、無水マレイン酸396質量部(4.04mol)を添加し、80℃で2時間反応させて、酸価79.7mgKOH/gのビニルエステル樹脂(酸変性体)を得た。

0161

合成例3
合成例1と同様の反応容器に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量185)1850質量部(10.0当量)、ビスフェノールA 477質量部(4.18当量)、触媒としてトリエチルベンジルアンモニウムクロライド0.4質量部を仕込み、窒素を吹き込みながら、150℃で5時間反応させて、エポキシ当量が400のエポキシ樹脂を得た。120℃まで冷却後、重合禁止剤としてハイドロキノン2.0質量部、触媒としてトリエチルベンジルアンモニウムクロライド 2.0質量部、メタクリル酸513質量部(5.97当量)を添加し、空気を吹き込みながら110℃で8時間反応させてビニルエステル樹脂(ビニルエステル樹脂の無変性体)を得た。

0162

次いで、ビニルエステル樹脂(ビニルエステル樹脂の無変性体)に、無水マレイン酸285質量部(2.91mol)を添加して、80℃で2時間反応させて、酸価58.5mgKOH/gのビニルエステル樹脂(ビニルエステル樹脂の酸変性体)を得た。
<不飽和ポリエステル樹脂の調製>
合成例4
温度計窒素ガス導入管、還流冷却器および攪拌機を備えたフラスコに、イソフタル酸1.0モル、プロピレングリコール10.5モルを仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら200℃〜210℃で反応させた。その後、酸価が20mgKOH/gになった時点で、150℃まで冷却し、無水マレイン酸9.0モルを仕込み、再び210℃〜220℃で反応させ、酸価25.6mgKOH/gの不飽和ポリエステル樹脂を得た。

0163

<繊維強化樹脂材料の調製>
実施例1〜16
表1〜3に示すように、各合成例のビニルエステル樹脂と、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレートと、多官能メタクリレートと、他のモノメタクリレートと、低収縮化剤と、重合禁止剤と、重合開始剤と、湿潤分散剤と、分離防止剤と、内部剥離剤と、充填材とを、表1〜3に示す処方で混合して、硬化性樹脂組成物を調製した。なお、実施例14および16では、低収縮化剤および充填材を配合しなかった。硬化性樹脂組成物の粘度を表1〜3に示す。

0164

次いで、硬化性樹脂組成物に、表1〜3に示す増粘剤を添加後、表1〜3に示す強化繊維のロービングを連続的に1インチ(25mm)に切断したチョップドストランドを、公知のSMC含浸機により、表1〜3に示す含有割合となるように添加して、厚さ2mmの繊維強化樹脂材料(SMC)を調製した。その後、繊維強化樹脂材料を、40℃で24時間熟成させた。

0165

比較例1
表4に示すように、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレートを配合しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、硬化性樹脂組成物および繊維強化樹脂材料(SMC)を調製した。硬化性樹脂組成物の粘度を表4に示す。

0166

比較例2
表4に示すように、多官能メタクリレートおよび他のモノメタクリレートを配合しなかった点、および、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレートの配合割合を変更した点以外は、実施例1と同様にして、硬化性樹脂組成物および繊維強化樹脂材料(SMC)を調製した。硬化性樹脂組成物の粘度を表4に示す。

0167

比較例3
表4に示すように、他のモノメタクリレートを配合しなかった点、および、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレートおよび多官能メタクリレートの配合割合を変更した点以外は、実施例1と同様にして、硬化性樹脂組成物および繊維強化樹脂材料(SMC)を調製した。硬化性樹脂組成物の粘度を表4に示す。

0168

比較例4
表4に示すように、他のモノメタクリレートを配合しなかった点、多官能メタクリレートをエチレングリコールジメタクリレートからトリメチロールプロパントリメタクリレートに変更した点、および、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレートおよび多官能メタクリレートの配合割合を変更した点以外は、実施例1と同様にして、硬化性樹脂組成物および繊維強化樹脂材料(SMC)を調製した。硬化性樹脂組成物の粘度を表4に示す。

0169

比較例5
表4に示すように、合成例2のビニルエステル樹脂を合成例4の不飽和ポリエステル樹脂に変更したこと以外は、実施例3と同様にして、硬化性樹脂組成物および繊維強化樹脂材料(SMC)を調製した。硬化性樹脂組成物の粘度を表4に示す。
<評価>
(脱型性試験
図1に示すSMC成形用油圧プレスを準備した。SMC成形用油圧プレスは、キャビティーを有する第1金型と、コアを有する第2金型とを備える。キャビティーは、300mm×300mmのサイズを有する。シャーエッジ部分(キャビティーの側面とコアの側面との間)の隙間は、100μmであり、コアは、その分、キャビティーよりも小さい。

0170

次いで、各実施例および各比較例において得られた繊維強化樹脂材料(SMC)を、210mm×210mmに切断して、第1金型のキャビティーに、3枚積層して配置した。

0171

次いで、コアがキャビティーに嵌るように、第2金型を第1金型に向かって移動させ、成形力882kN(投影面積による成形圧力10MPa)、金型温度140℃にて5分間、繊維強化樹脂材料を硬化させた。

0172

このとき、繊維強化樹脂材料は、第1金型および第2金型に挟まれて流動し、繊維強化樹脂材料の流動末端がシャーエッジ部分に到達した。

0173

これによって、300mm×300mm×厚さ約3mmのサイズを有する成形板と、成形板の周縁から突出するバリとが一体に成形された。

0174

次いで、第2金型を成形体から脱型した。そして、成形体の脱型性を、下記の基準により評価した。その結果を表1〜4に示す。
○:成形体が第1金型に残る、または、第2金型についても簡単に取れる。
×:成形体が第2金型につき、さらに簡単に取れず金型と成形体との間の部分に竹製や銅製のへらをいれないと取れない。

0175

なお、比較例5の繊維強化樹脂材料を用いた成形では、脱型時に成形体が割れたため、成形体の脱型性を×として評価した。また、比較例5について、下記の成形収縮率密度および曲げ強さは、測定できなかった。

0176

(バリのベタツキ評価)
また、上記のように成形された成形体のバリのベタツキを、下記の基準により評価した。その結果を表1〜4に示す。
○:第2金型に付着したバリがウェスや竹製のへらで簡単に取れる。
×:第2金型に付着したバリが粘着した状態で簡単に取れない。

0177

外観試験
また、上記のように成形された成形板の表面外観を、目視により下記の基準により評価した。その結果を表1〜4に示す。
○:成形板表面にクラックがなく、成形板に蛍光灯を映してもあまり歪まずに映る。
△:成形板表面に微小なクラックが発生、または蛍光灯が歪んで映る。
×:成形板表面にクラックが発生、かつ、蛍光灯が歪んで映る。

0178

(成形収縮率)
上記のように成形した成形板を24時間25℃室に放置した後、成形板の縦横の寸法を測定した。また、25℃における第1金型のキャビティーの縦横の寸法を測定した。そして、下記式により、成形収縮率を算出した。
成形収縮率(%)=[キャビティー寸法(mm)−成形板寸法(mm)]/キャビティー寸法(mm)×100(キャビティー寸法、成型板寸法は各々縦横方向の平均値を用いる。また、各寸法は25℃での寸法である。)
そして、下記の基準により、繊維強化樹脂材料の成形収縮率を評価した。その結果を表1〜5に示す。
○:収縮率が0.05%以下。
△:収縮率が0.05%を超過し、0.10%以下。
×:収縮率が0.10%を超過。

0179

(密度)
成形収縮率の測定に用いた成形板を用いて、25℃の水を用いアルキメデス法により同成形板の密度を求めた。その結果を表1〜4に示す。

0180

(曲げ強さ)
成形収縮率の測定に用いた成形板より機械加工により幅15mm長さ80mmの矩形試験片採取し同試験片を用いて、JIS K7017:1999に準拠しA法(3点曲げ)材料クラスIIに準拠し標準温度状態25℃において、曲げ強さを測定した。その結果を表1〜4に示す。

0181

0182

0183

0184

実施例

0185

なお、各表における各化合物の詳細を下記する。
ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート:商品ファンクリルFA−512MT日立化成社製)
エチレングリコールジメタクリレート:商品名ライトエステルEG(共栄社化学社製)
トリメチロールプロパントリメタクリレート:商品名ライトエステルTMP(共栄社化学社製)
イソブチルメタクリレート:商品名ライトエステルIB(共栄社化学社製)
ベンジルメタクリレート:商品名ライトエステルBZ(共栄社化学社製)
ポリメチルメタクリレート粉末:商品名ダイヤナールBR−75(三菱ケミカル社製)
スチレン−ブタジエン共重合体粉末:商品名アサプレンT−432(旭化成社製)
重合禁止剤:パラベンゾキノン
重合開始剤:t−Butyl peroxy isopropyl monocarbonat
湿潤分散剤:商品名BYK−W996 (BYK−ChemieGmbH社製)
分離防止剤:商品名BYK−W972 (BYK−Chemie GmbH社製)
内部離型剤:ステアリン酸亜鉛粉末
ガラス中空球:商品名グラスバブルズフィラーK−37(住友スリエム社製、真密度0.37,耐圧強度21MPa/カタログ値)
炭酸カルシウム:商品名NS#400(日東粉化工業社製、平均粒子径1.7μm/カタログ値)
MgO :商品名キョーワマグ#100(協和化学工業社製)
MDI:商品名コスモネートPH(三井化学社製)
ガラス繊維(1インチ):商品名ER59B 4800(CPICグラスファイバー社製)
炭素繊維(1インチ):商品名T700SC−12000(東レ社製)

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