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技術 石炭塔およびコークスの製造方法

出願人 JFEスチール株式会社
発明者 南里功美大塚啓司今西大輔塩飽達宏
出願日 2019年3月19日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-051236
公開日 2020年9月24日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-152785
状態 未査定
技術分野 コークス工業
主要キーワード フレコンバック 上昇割合 バインダー添加量 押出しラム 装入コンベア ロータリーフィーダー 成型炭 石炭塔
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

粉化を抑制しながら成型炭を導入できる石炭塔を提供する。

解決手段

石炭塔であって、成型炭および粉炭を含む石炭を収容し、底面に複数の排出口が設けられた石炭塔本体と、石炭塔本体のコークス排出側およびコークス押出し側の少なくとも一方に設けられ、成型炭を石炭塔本体に導入する成型炭槽と、を有し、石炭塔本体の底面には、複数の排出口が設けられ、成型炭槽は、石炭塔本体の上面よりも低い位置に設けられる。

概要

背景

コークス炉老朽化に伴い、燃焼室蓄熱室の機能が低下すると、コークス炉の炉長方向における適正な温度分布の維持が難しくなる。コークス炉の炉長方向の温度分布が適正な状態に維持されないと、コークス生産量の低下、コークス品質バラつきの増加、押出し時の発塵の増加、押出し時の詰りの発生等の問題が起きる。これら問題の中でも、コークス押出し時の窯詰りが発生するとコークスの生産性は著しく低下するので、窯詰りを低減させる技術が強く求められている。

炉蓋開閉やコークスの押出しなどで頻繁に外気にさらされるので、炉蓋近傍炉壁は他の部分よりも傷みやすい。炉蓋近傍の炭化室内の炉壁の劣化が進行すると、破孔などの現象が起こり、炭化室から燃焼室へレンガ屑石炭が流れ込むことによる流れ込み閉塞が発生する。

図1は、老朽化が進行したコークス炉に粉炭を装炭してコークスを製造したときの温度分布を示すグラフである。図1の縦軸フリュー温度(℃)であり、横軸は、燃焼室を構成する各フリューの識別番号である。

図1の点線は、フリュー温度の適正値を示し、実線は、測定されたフリュー温度を示す。また、コークス炉の炉長方向からみて、#1は最もコークス排出側[以後、コークサイド(C/S)と記載する]の炭化室であり、#32は最もコークス押出し側[以後、マシンサイド(M/S)と記載する]のフリューである。

コークス炉の老朽化が進むと、炉蓋側、すなわち、C/SおよびM/Sの炭化室の炉壁が劣化し、図1に示すように、C/SおよびM/Sのフリューの温度が大きく低下し、適正温度よりも著しく低くなる。このフリューの温度低下により、コークスの乾留不良が発生する。コークスの乾留不良が発生するとコークスの収縮量が少なくなるので、押出し時に炉壁とコークスの間に適正なスペースが確保されず、窯詰まりが発生しやすくなったり、乾留不良による発塵が発生しやすくなったりする。

また、コークス炉の炉長方向でみると、炭化室にはM/SからC/Sに向けてテーパーがついており、M/SよりもC/Sの方が、炉幅が約70mm広く設計されている。炉幅が広いC/Sの方がM/Sよりも装炭量が多くなるので、窯詰りリスクの高い劣化したコークス炉では、窯詰りリスクを低減させることを目的として、C/Sの装炭量を意図的に減らす処置(減装)が行われる。これが、コークスの生産性低下の一因になっている。またM/SにおいてもC/Sよりは影響が小さいものの、乾留不良が発生すると窯詰りのリスクが高まる。

これに対し、特許文献1には、ブリケットマシンを用いて高密度成型した成型炭をC/SやM/Sの炉蓋近傍に集中装入する装炭方法が開示されている。

この方法によれば、集中的に装入された成型炭と成型炭との間に空隙が形成されるので、炭化室内の通気抵抗が小さくなるとともに伝熱効率が向上し乾留不良が改善する。この乾留不良の改善により、コークスの収縮量の減少が抑制されるのでコークス押出し時の窯詰りリスクは低減する。しかしながら、この効果を得るには、炭化室内で成型炭が形状を維持し、成型炭と成型炭との間の空隙が保たれることが必要になる。しかしながら、成型炭を既設石炭塔を使用して炭化室に装炭すると、成型炭の大半が粉化してしまい、成型炭を用いることによる所望の効果が得られない。

特許文献2には、成型炭をスプレーコーティングすることでベルトコンベアジャンクションで落下する際の粉化率を低減する技術が開示されている。

概要

粉化を抑制しながら成型炭を導入できる石炭塔を提供する。石炭塔であって、成型炭および粉炭を含む石炭を収容し、底面に複数の排出口が設けられた石炭塔本体と、石炭塔本体のコークス排出側およびコークス押出し側の少なくとも一方に設けられ、成型炭を石炭塔本体に導入する成型炭槽と、を有し、石炭塔本体の底面には、複数の排出口が設けられ、成型炭槽は、石炭塔本体の上面よりも低い位置に設けられる。

目的

本発明は、これら従来技術を解決するためになされたもので、その目的は、M/SおよびC/Sの少なくとも一方の石炭塔に、粉化を抑制しながら成型炭を導入できる石炭塔を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

成型炭および粉炭を含む石炭を収容し、底面に複数の排出口が設けられた石炭塔本体と、前記石炭塔本体のコークス排出側およびコークス押出し側の少なくとも一方に設けられ、前記成型炭を石炭塔本体に導入する成型炭槽と、を有し、前記石炭塔本体の底面には、複数の排出口が設けられ、前記成型炭槽は、前記石炭塔本体の上面よりも低い位置に設けられる、石炭塔。

請求項2

前記成型炭槽の高さは4m以下である、請求項1に記載の石炭塔。

請求項3

前記石炭塔本体には、前記成型炭槽から前記成型炭が導入される導入口が設けられ、前記石炭塔本体の底面から前記導入口までの高さは4m以下である、請求項1または請求項2に記載の石炭塔。

請求項4

前記石炭塔本体には、さらに前記複数の排出口を仕切側壁が設けられ、前記側壁のうち、前記成型炭槽が設けられた側の排出口と、それ以外の排出口とを仕切る側壁の高さは、前記石炭塔本体の底面から前記導入口までの高さ以上である、請求項3に記載の石炭塔。

請求項5

前記石炭塔本体には、さらに前記複数の排出口を仕切る側壁と、前記成型炭槽が設けられた側の排出口とそれ以外の排出口とを仕切る側壁の高さを高くする仕切り壁と、が設けられ、前記石炭塔本体の底面から前記仕切り壁の上端までの高さは、前記石炭塔本体の底面から前記導入口までの高さ以上である、請求項3に記載の石炭塔。

請求項6

請求項1から請求項5の何れか一項に記載の石炭塔に前記粉炭と前記成型炭とを導入し、前記炭化室に前記粉炭と前記成型炭を装炭し、乾留してコークスを製造するコークスの製造方法であって、前記成型炭は、前記成型炭槽から前記石炭塔本体に導入される、コークスの製造方法。

請求項7

前記成型炭の圧潰強度は1.2kN/個以上であり、前記成型炭の体積は12cc以上である、請求項6に記載のコークスの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、炭化室石炭を装炭する石炭塔およびコークスの製造方法に関する。

背景技術

0002

コークス炉老朽化に伴い、燃焼室蓄熱室の機能が低下すると、コークス炉の炉長方向における適正な温度分布の維持が難しくなる。コークス炉の炉長方向の温度分布が適正な状態に維持されないと、コークスの生産量の低下、コークス品質バラつきの増加、押出し時の発塵の増加、押出し時の詰りの発生等の問題が起きる。これら問題の中でも、コークス押出し時の窯詰りが発生するとコークスの生産性は著しく低下するので、窯詰りを低減させる技術が強く求められている。

0003

炉蓋開閉やコークスの押出しなどで頻繁に外気にさらされるので、炉蓋近傍炉壁は他の部分よりも傷みやすい。炉蓋近傍の炭化室内の炉壁の劣化が進行すると、破孔などの現象が起こり、炭化室から燃焼室へレンガ屑や石炭が流れ込むことによる流れ込み閉塞が発生する。

0004

図1は、老朽化が進行したコークス炉に粉炭を装炭してコークスを製造したときの温度分布を示すグラフである。図1縦軸フリュー温度(℃)であり、横軸は、燃焼室を構成する各フリューの識別番号である。

0005

図1点線は、フリュー温度の適正値を示し、実線は、測定されたフリュー温度を示す。また、コークス炉の炉長方向からみて、#1は最もコークス排出側[以後、コークサイド(C/S)と記載する]の炭化室であり、#32は最もコークス押出し側[以後、マシンサイド(M/S)と記載する]のフリューである。

0006

コークス炉の老朽化が進むと、炉蓋側、すなわち、C/SおよびM/Sの炭化室の炉壁が劣化し、図1に示すように、C/SおよびM/Sのフリューの温度が大きく低下し、適正温度よりも著しく低くなる。このフリューの温度低下により、コークスの乾留不良が発生する。コークスの乾留不良が発生するとコークスの収縮量が少なくなるので、押出し時に炉壁とコークスの間に適正なスペースが確保されず、窯詰まりが発生しやすくなったり、乾留不良による発塵が発生しやすくなったりする。

0007

また、コークス炉の炉長方向でみると、炭化室にはM/SからC/Sに向けてテーパーがついており、M/SよりもC/Sの方が、炉幅が約70mm広く設計されている。炉幅が広いC/Sの方がM/Sよりも装炭量が多くなるので、窯詰りリスクの高い劣化したコークス炉では、窯詰りリスクを低減させることを目的として、C/Sの装炭量を意図的に減らす処置(減装)が行われる。これが、コークスの生産性低下の一因になっている。またM/SにおいてもC/Sよりは影響が小さいものの、乾留不良が発生すると窯詰りのリスクが高まる。

0008

これに対し、特許文献1には、ブリケットマシンを用いて高密度成型した成型炭をC/SやM/Sの炉蓋近傍に集中装入する装炭方法が開示されている。

0009

この方法によれば、集中的に装入された成型炭と成型炭との間に空隙が形成されるので、炭化室内の通気抵抗が小さくなるとともに伝熱効率が向上し乾留不良が改善する。この乾留不良の改善により、コークスの収縮量の減少が抑制されるのでコークス押出し時の窯詰りリスクは低減する。しかしながら、この効果を得るには、炭化室内で成型炭が形状を維持し、成型炭と成型炭との間の空隙が保たれることが必要になる。しかしながら、成型炭を既設の石炭塔を使用して炭化室に装炭すると、成型炭の大半が粉化してしまい、成型炭を用いることによる所望の効果が得られない。

0010

特許文献2には、成型炭をスプレーコーティングすることでベルトコンベアジャンクションで落下する際の粉化率を低減する技術が開示されている。

先行技術

0011

特開平6−212162号公報
特開平1−272692号公報

発明が解決しようとする課題

0012

特許文献2に開示されている技術は、成型炭をスプレーコーティングしてベルトコンベアのジャンクションにて落下する際の粉化率を低減する技術であるが、高さが10m以上にもなる石炭塔で落下する際の粉化率を低減できる技術ではない。本発明は、これら従来技術を解決するためになされたもので、その目的は、M/SおよびC/Sの少なくとも一方の石炭塔に、粉化を抑制しながら成型炭を導入できる石炭塔を提供すること、および当該石炭塔を用いてコークスを製造するコークスの製造方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0013

このような課題を解決する本発明の特徴は、以下の通りである。
(1)成型炭および粉炭を含む石炭を収容し、底面に複数の排出口が設けられた石炭塔本体と、前記石炭塔本体のコークス排出側およびコークス押出し側の少なくとも一方に設けられ、前記成型炭を石炭塔本体に導入する成型炭槽と、を有し、前記石炭塔本体の底面には、複数の排出口が設けられ、前記成型炭槽は、前記石炭塔本体の上面よりも低い位置に設けられる、石炭塔。
(2)前記成型炭槽の高さは4m以下である、(1)に記載の石炭塔。
(3)前記石炭塔本体には、前記成型炭槽から前記成型炭が導入される導入口が設けられ、前記石炭塔本体の底面から前記導入口までの高さは4m以下である、(1)または(2)に記載の石炭塔。
(4)前記石炭塔本体には、さらに前記複数の排出口を仕切側壁が設けられ、前記側壁のうち、前記成型炭槽が設けられた側の排出口と、それ以外の排出口とを仕切る側壁の高さは、前記石炭塔本体の底面から前記導入口までの高さ以上である、(3)に記載の石炭塔。
(5)前記石炭塔本体には、さらに前記複数の排出口を仕切る側壁と、前記成型炭槽が設けられた側の排出口とそれ以外の排出口とを仕切る側壁の高さを高くする仕切り壁と、が設けられ、前記石炭塔本体の底面から前記仕切り壁の上端までの高さは、前記石炭塔本体の底面から前記導入口までの高さ以上である、(3)に記載の石炭塔。
(6)(1)から(5)の何れか1つに記載の石炭塔に前記粉炭と前記成型炭とを導入し、前記炭化室に前記粉炭と前記成型炭を装炭し、乾留してコークスを製造するコークスの製造方法であって、前記成型炭は、前記成型炭槽から前記石炭塔本体に導入される、コークスの製造方法。
(7)前記成型炭の圧潰強度は1.2kN/個以上であり、前記成型炭の体積は12cc以上である、(6)に記載のコークスの製造方法。

発明の効果

0014

本発明の石炭塔を用いることで、C/SおよびM/Sの少なくとも一方の石炭塔の高さよりも低い位置に設けられた成型炭槽から石炭塔本体に成型炭を導入できるので、成型炭槽を設けた側に導入される成型炭の粉化が抑制される。これにより、C/SおよびM/Sの少なくとも一方の炭化室に装炭される成型炭の粉化も抑制できるので、所定の強度および体積の成型炭を用いることで石炭の乾留効率が向上し、この結果、コークス押出し時の窯詰まりや発塵を抑制できる。

図面の簡単な説明

0015

老朽化が進行したコークス炉に粉炭を装炭してコークスを製造したときの温度分布を示すグラフである。
本実施形態に係る石炭塔10を含むコークス炉100の断面模式図である。
落下高さと粉率との関係を示すグラフである。
落下高さと粉率との関係を示すグラフである。
石炭塔本体12の正面図、側壁図および断面図である。
石炭塔本体12の部分断面模式図である。

0016

以下、本発明を発明の実施形態を通じて詳細に説明する。図2は、本実施形態に係る石炭塔10を含むコークス炉100の断面模式図である。本実施形態に係る石炭塔10は、石炭塔本体12と、コークス炉100のC/SおよびM/Sに設けられた2つの成型炭槽22と、を有する。本実施形態において、C/Sはコークス炉100の炉長方向におけるコークス排出側を意味し、M/Sはコークス押出し側を意味する。石炭塔本体12の上部には装入コンベア14が設けられている。本実施形態では、装入コンベア14からC/SおよびM/S以外の排出口の上に粉炭42を導入する。ここで、粉炭とは、3mm以下の粒径を有する粒子の割合が70〜90質量%程度に粉砕された粉状の石炭を指し、その中に成型炭を含んでいてもよい。

0017

石炭塔本体12の底部には、複数の排出口18が設けられている。側壁16は、複数の排出口18を仕切るように、排出口18の間に設けられている。側壁16は、排出口18側に向かうに従って低くなるように傾斜している。側壁16の傾斜角度は、成型炭40の安息角および粉炭42の安息角よりも大きい角度にすることが好ましい。このような角度で側壁16を設けることで、石炭塔本体12に導入された成型炭40および粉炭42は、排出口18に向かって側壁16を滑り落ちるので、排出口18から排出されない石炭を少なくできる。

0018

側壁16のうち、炉長方向におけるC/SおよびM/Sの排出口と、それ以外の排出口とを仕切る側壁の上には仕切り壁17が設けられている。仕切り壁17を設けることで、仕切り壁17が設けられた側壁16の高さを高くしている。これにより、成型炭40がC/SおよびM/Sの排出口以外の排出口の上に導入されること、および、粉炭がC/SおよびM/Sの排出口の上に導入されることを抑制できる。なお、仕切り壁17を設けることに代えて、仕切り壁17を設けた位置の側壁の高さを高くしてもよく、また、全ての側壁16の高さを高くしてもよい。

0019

成型炭槽22は、M/SおよびC/Sの石炭塔本体12の外側であって石炭塔本体12の上面よりも低い位置、すなわち、石炭塔本体12の上面よりも下側に設けられている。成型炭槽22は、成型炭ホッパー24と、スロープ26と、を有する。成型炭ホッパー24に収容された成型炭40は、スロープ26を通じて石炭塔本体12のM/SおよびC/Sの排出口の上に導入される。

0020

成型炭ホッパー24には、成型炭40が収容される。成型炭ホッパー24の容積は、最もC/SもしくはM/Sの排出口から排出される容積と合わせて、C/SおよびM/Sの炭化室34に装炭される量の成型炭40を収容できる容積であることが好ましい。なお、成型炭ホッパー24の容積が小さい場合には、成型炭ホッパー24への成型炭40の装入および石炭塔本体12へ導入を複数回繰り返して、炭化室34に装炭される量の成型炭40を石炭塔本体12へ導入してもよい。

0021

成型炭ホッパー24への成型炭40の装入は、成型炭装入用の専用コンベア(不図示)を用いて行ってもよく、フレコンバックを用いて行ってもよい。スロープ26は、成型炭ホッパー24の底部と、石炭塔本体12の導入口20とを接続する。スロープ26は、成型炭40の安息角以上の角度で傾斜して設けられている。なお、スロープ26に代えて、成型炭40を石炭塔本体12に切出す装置、例えば、テーブルフィーダーまたはロータリーフィーダーを設けてもよい。

0022

複数の排出口18の位置は、炭化室34の装炭孔36の位置に対応した装炭車装炭ホッパー30の位置に対応して設けられている。このため、C/SおよびM/Sの排出口から排出された成型炭40は、装炭ホッパー30、シュート32および装炭孔36を通じて、C/SおよびM/Sの炭化室34に装炭される。また、粉炭42は、C/SおよびM/Sの排出口以外の排出口から排出され、C/SおよびM/S以外の炭化室34に装炭される。炭化室34に装炭された成型炭40および粉炭42は、乾留されてコークスとなる。このようにして、石炭塔10を含むコークス炉100を用いてコークスが製造される。

0023

なお、図2では、石炭塔の複数の排出口18が装炭車のホッパー30の位置に対応して設けられ、装炭車のホッパー30が炭化室の装入孔36の位置に対応して設けられた例を示したが、これに限らない。例えば、一つの排出口18から複数の装炭車ホッパー30に石炭を供給するようにしてもよく、複数の排出口18から一つの装炭車ホッパー30に石炭を供給するようにしてもよい。同様に、一つの装炭車ホッパー30から複数の装炭孔36に石炭を供給してもよく、複数の装炭車ホッパーから一つの装炭孔36に石炭を供給してもよい。

0024

但し、成型炭ホッパー24を設けた側に近い石炭塔の排出口18は、成型炭ホッパー24から導入された成型炭を排出できるように、他の排出口18とは分けて設けることが好ましい。このため、石炭塔の排出口18はコークス炉の炉長方向(M/SとC/Sを結ぶ方向)に複数設けられていることが好ましく、石炭塔の両側に成型炭ホッパー24を設ける場合には、3つ以上の排出口18を設けることが好ましい。

0025

本実施形態に係る石炭塔10では、石炭塔本体12のC/SおよびM/Sに成型炭槽22を設け、成型炭槽22からC/SおよびM/Sの石炭塔本体12に成型炭40を導入し、C/SおよびM/S以外の石炭塔本体12に粉炭42を導入する。また、成型炭槽22は、石炭塔本体12の上面よりも低い位置に設けられているので、成型炭槽22から石炭塔本体12に導入された成型炭40の落下距離は、装入コンベア14から導入された成型炭の落下距離よりも短くなる。落下距離が短くなると落下の際に成型炭が受ける衝撃も小さくなるので、成型炭槽22から成型炭40を導入することで、成型炭40が受ける落下衝撃は小さくなり、C/SおよびM/Sの石炭塔本体12に導入される成型炭40の粉化が抑制され、これにより、C/SおよびM/Sの炭化室34に装炭される成型炭40の粉率も小さくなる。

0026

炭化室34に装炭される成型炭40の粉率が小さくなれば、成型炭40と成型炭40との間の空隙が確保されるので伝熱効率が向上する。この伝熱効率の向上により、老朽化により炭化室内の温度が低下したとしても、当該温度低下による乾留不良が抑制される。この乾留不良の抑制により、乾留不良によるコークスの収縮量の減少が抑制されるので、C/SおよびM/Sのコークス押出し時の窯詰まりや発塵を抑制できる。

0027

次に、成型炭槽22を設ける高さについて説明する。体積が36ccの成型炭6kgを所定高さから落下し、落下した成型炭を目開き15mmのを用いて篩分けし、篩下となった15mm未満の破砕された成型炭および発生粉(以下、15mm未満の成型炭と称する)の質量を測定した。粉率は、下記(1)式を用いて算出した。なお、以後の説明において、15mm以上の成型炭とは、目開き15mmの篩を用いて篩分けし、篩上となった成型炭を意味する。

0028

(15mm未満の成型炭の質量/落下させた成型炭の全質量)×100・・・(1)

0029

また、同様の検討を、強度を変えた成型炭を用いて実施した。成型炭の強度は、成型時に添加するバインダーの量を変えることで調整した。成型炭の強度は、圧潰強度で評価した。圧潰強度は、圧縮試験機を用いて成型炭を鉛直方向に10mm/分の速さで圧縮し、圧潰するまでに測定される強度の最大値を12個の成型炭を用いて12回測定し、測定された12個の測定値のうち、最大値と最小値を除く10個の測定値を平均することで算出した。この結果を図3に示す。

0030

図3は、落下高さと粉率との関係を示すグラフである。図3の縦軸は粉率(質量%)であり、横軸は落下高さ(m)である。図3に示すように、落下高さと粉率との関係を圧潰強度が0.6kN/個、1.2kN/個、1.4kN/個および1.7kN/個である成型炭を用いて確認した。この結果、圧潰強度に関わらず、4m以下の落下高さでは落下高さに対する粉率の上昇割合は小さくなり、4mより高い落下高さでは落下高さに対する粉率の上昇割合が大きくなった。したがって、8mの落下を行う場合には、1回で8m落下させるよりも4mの落下を2回行う方が、落下後の成型炭40の粉率を小さくできることがわかる。

0031

炭化室34に装炭される成型炭の割合を60質量%以上にすることで、成型炭の間の空隙が効果的に形成され、当該成型炭を含む石炭の乾留効率は向上する。一般的な炭化室の高さは8mであるので、炭化室34への装炭時に15〜25質量%の成型炭が粉化する。したがって、石炭塔本体12に導入する際の成型炭の粉率を10質量%以下にできれば、炭化室34に装炭される成型炭の割合は60質量%以上になり、石炭の乾留効率を向上させることができる。

0032

石炭塔本体12の底面における粉率を10質量%以下にするには、図3から圧潰強度が1.2kN/個以上である成型炭を用いること、および、高さ4m以下の落下を2回以下にすることが必要であることがわかった。

0033

図4は、落下高さと粉率との関係を示すグラフである。図4の縦軸は粉率(質量%)であり、横軸は落下高さ(m)である。体積を変えた成型炭6kgを所定高さから落下し、落下させた成型炭を目開き15mmの篩を用いて篩分けし、篩下となった15mm未満の成型炭の質量を測定した。粉率は、上記(1)式を用いて算出した。この時、それぞれの体積の成型炭は、36ccで1.7kNの成型炭と同じ石炭、同じバインダー添加量の条件で成型した。

0034

図4に示すように、落下高さと粉率との関係を成型炭体積が6cc、12cc、36cc、360ccである成型炭を用いて確認した。この結果、成型炭体積に関わらず、4m以下の落下高さでは落下高さに対する粉率の上昇割合は小さくなり、4mより高い落下高さでは落下高さに対する粉率の上昇割合が大きくなった。また、石炭塔本体12の底面における粉率を10質量%以下にするには、図4から成型炭体積が12cc以上である成型炭を用いること、および、高さ4m以下の落下を2回以下にすることが必要であることがわかった。これらの結果から、圧潰強度が1.2kN/個以上であり、体積が12cc以上の成型炭を用いることが好ましく、これにより、石炭塔本体12の底面における成型炭の粉率を10質量%以下にできる。

0035

図5は、石炭塔本体12の正面図、側壁図および断面図である。図5では、説明の簡略化のため、M/Sに設けられた成型炭槽の図示を省略してある。図5に示すように、石炭塔10には、C/SおよびM/Sに排出口18の数に対応した数の成型炭槽22が設けられている。図5に示した例では、石炭塔10の装炭車移動方向に3つの排出口18が設けられているので、石炭塔本体12の外周には、3つの成型炭槽22が設けられている。但し、排出口18の数および成型炭槽22の数は、あくまで一例であり、排出口18の数および成型炭槽22の数は3つに限らない。また、装炭車移動方向に対し排出口18に対応した数の成型炭槽22を設けた例を示したが、これに限らず、成型炭槽22の数は、排出口18の数より少なくてもよい。このように、成型炭槽22の数が排出口18の数より少ない場合には、成型炭槽22が複数のスロープ26を有し、1つの成型炭槽22から複数の排出口18へ成型炭40を導入してもよい。

0036

図5に示したL1は、成型炭槽22の高さ寸法である。L1は4m以下であることが好ましい。L1を4m以下にすることで、L1を4mより長くした場合よりも成型炭ホッパー24に装入する際の成型炭40の粉化を抑制できる。また、L2は、導入口20から石炭塔本体12の底面までの高さ寸法である。L2は4m以下であることが好ましい。L2を4m以下にすることで、L2を4mより長くした場合よりも導入口20から石炭塔本体12に成型炭40を導入する際の成型炭40の粉化を抑制できる。

0037

本実施形態に係る石炭塔10では、L1およびL2を4m以下にしている。L1およびL2を4m以下にすることで、L1およびL2を加算した距離が4mより長くなる場合に、L1およびL2を1回で落下させる場合よりも成型炭の粉化を抑制できる。このように、成型炭の粉化を抑制できる石炭塔10から圧潰強度が1.2kN/個以上であって体積が12cc以上の成型炭を導入する。これにより、石炭塔本体12のC/SおよびM/Sに導入される15mm以上の成型炭の粉率を10質量%以下にできる。

0038

上述したように、石炭塔本体12に導入される15mm以上の成型炭の粉率を10質量%以下にできれば、C/SおよびM/Sの炭化室34に装炭される15mm以上の成型炭の割合を60質量%以上にできるので、炭化室34に装炭された石炭の乾留効率が向上する。この乾留効率の向上により、老朽化に伴いCSおよびMSの炉壁の劣化が進行したコークス炉を用いたとしてもCSおよびMSにおける乾留不良が抑制され、これにより、コークス押出し時の窯詰まりや発塵を抑制できる。一方、成型炭の粉率の低下を抑制できない石炭塔を用いた場合、圧潰強度が1.2kN/個以上であって体積が12cc以上の成型炭を用いたとしても、炭化室34に装炭される成型炭が粉化してしまうので、コークス押出し時の窯詰まりや発塵を抑制できない。

0039

なお、図2に示した石炭塔10では、M/SおよびC/Sの石炭塔本体12の外側に成型炭槽22を設けた例を示したが、これに限らない。成型炭槽22は、M/SおよびC/Sの少なくとも一方に設けられていればよい。M/SおよびC/Sの少なくとも一方に成型炭槽22を設ければ、成型炭槽22が設けられた側の炭化34において乾留効率が向上し、乾留不良による収縮量の減少が抑制されるので、成型炭槽22を設けない石炭塔10を用いた場合よりもコークス押出し時の窯詰まりや発塵を抑制できる。

0040

図6は、成型炭槽22が設けられた位置における石炭塔本体12の部分断面模式図である。図6を用いて仕切り壁17の高さを説明する。図6に示した例では、石炭塔本体12の底面から側壁16の上端までの高さは、石炭塔本体12の底面から導入口20までの高さより低い。石炭塔本体12の底面から側壁16までの高さが導入口20の高さよりも低いと、側壁16を超えてC/Sの排出口の隣の排出口の上に導入される成型炭40が多くなる。このため、本実施形態の石炭塔10では、側壁16に仕切り壁17を設けて、石炭塔本体12の底面から仕切り壁17の上端までの高さを石炭塔本体12の底面から導入口20までの高さと同じにしている。これにより、仕切り壁17を超えてC/Sの排出口の隣の排出口の上に導入される成型炭40を少なくできる。

0041

石炭塔本体12の底面から仕切り壁17の上端までの高さは、導入口20から石炭塔本体12の底面までの高さ以上であることが好ましい。石炭塔本体12の底面から仕切り壁17の上端までの高さを導入口20から石炭塔本体12の底面までの高さ以上にすることで、仕切り壁17を超える成型炭40を少なくできるとともに、粉炭42が、C/SおよびM/Sの排出口の上に導入されることも抑制できる。

0042

5個の装入孔を有し、幅0.43m、長さ15.4m、高さ6.5mの炭化室(窯)と、C/SおよびM/Sに成型炭槽が設置された石炭塔とを有するコークス炉を用いて、成型炭および粉炭を装炭してコークスを製造した実施例を説明する。本実施例では、老朽化によって押出し時の負荷が高い窯を試験窯として1窯選定して使用した。また、試験窯の炭化室の装炭孔をC/SからM/Sへ向けて#1装炭孔〜#5装炭孔とした。また、実施例で使用した粉炭は、3mm以下が78質量%の粉砕した石炭(粉炭)である。

0043

[実施例1]
実施例1の発明例1〜13では、C/Sの成型炭槽から成型炭を、最もC/Sに近い#1装炭孔を通じて炭化室に装炭し、他の装炭孔#2〜#5を通じて粉炭を装炭してコークスを製造した。一方、比較例1では、炭化室に粉炭のみを装炭してコークスを製造した。コークスの製造条件と、窯出し時の発塵およびコークスの押出し負荷の評価結果を表1に示す。

0044

0045

表1において、1回目成型炭落下高さとは、成型炭ホッパー24での落下高さであり、成型炭をホッパーに装入するためのコンベアの落ち口の高さを調整することにより落下高さを調整した。2回目成型炭落下高さは石炭塔内での成型炭の落下高さであり、成型炭ホッパー24からの石炭塔への導入口20の高さを可変として、その高さを調整することによって落下高さを調整した。落下後推定15mm未満粉率の値は、図3図4実験結果に基づいて、用いた成型炭の種類と落下高さから推定した。窯出時のC/Sの発塵の評価は、目視で行い、発塵が大きかった例を×とし、わずかに発塵が認められた例を○とし、発塵が見られなかった例を○○とした。コークス押出し負荷は、押出し中における押出しラム駆動電流値(以下、単に電流値と記載する)の最大値が300Aを越えた例を×とし、比較例1の条件での操業時における最大電流値平均値をμ、最大電流値の標準偏差をσとしたとき、測定された最大電流値が(μ−σ)以上μ以下の場合を○、(μ−2σ)以上(μ−σ)未満の場合を○○、(μ−2σ)未満の場合を○○○とした。

0046

表1に示すように、発明例1〜13では比較例1よりも窯出し時の発塵および押出し負荷ともに改善した。この結果から、本実施形態に係る石炭塔を用いてC/Sの炭化室に成型炭を装炭することで、C/Sの炭化室に装炭された成型炭の粉化を抑制でき、これにより、窯出し時の発塵、押出し負荷を改善できることが確認された。この結果は、成型炭の粉化が抑えられたことで、成型炭間の空隙に粉が入り込む粉の量が減り、その部分の嵩密度が下がって乾留が促進された結果、乾留不良の発生による発塵と、コークスの収縮不足による押出し負荷の増大が抑制されたものと考えられる。

0047

[実施例2]
実施例2の発明例14〜26では、M/Sの成型炭槽から成型炭を、最もM/Sに近い#5装炭孔を通じて炭化室に装炭し、他の装炭孔#1〜#4を通じて粉炭を装炭してコークスを製造した。一方、比較例2では、炭化室に粉炭のみを装炭してコークスを製造した。コークスの製造条件と、窯出し時の発塵およびコークスの押出し負荷の評価結果を表2に示す。なお、表2における評価方法等は、表1と同じである。また、M/Sでは比較例2および発明例14〜26において発塵が認められなかったので、発塵の観測結果を表2に示していない。これは、選定窯の特性であった可能性もあるが、M/Sにおいては窯幅が狭く乾留不良が発生しにくいこと、および、押出し時にコークスを炭化室内に押し込む方向であるのでM/Sに発塵がなかった可能性が考えられる。

0048

実施例

0049

表2に示すように、発明例14〜26では比較例2よりも押出し負荷が改善した。この結果から、本実施形態に係る石炭塔を用いてM/Sの炭化室に成型炭を装炭することで、M/Sの炭化室に装炭された成型炭の粉化を抑制でき、これにより、押出し負荷を改善できることが確認された。

0050

10石炭塔
12 石炭塔本体
14装入コンベア
16側壁
17仕切り壁
18 排出口
20 導入口
22成型炭槽
24 成型炭ホッパー
26スロープ
30装炭ホッパー
32シュート
34炭化室
36装炭孔
40 成型炭
42粉炭
100 コークス炉

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