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技術 有機電界発光素子用組成物、有機電界発光素子、表示装置及び照明装置。

出願人 三菱ケミカル株式会社
発明者 長山和弘梶山良子飯田宏一朗
出願日 2019年3月18日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-049586
公開日 2020年9月24日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-152746
状態 未査定
技術分野 第5-8族元素を含む化合物及びその製造 発光性組成物 エレクトロルミネッセンス光源
主要キーワード 重量部秤量 アルカン系溶剤 二段階目 電荷輸送性高分子化合物 アモルファス物質 電子阻止 オリゴチオフェン系化合物 脂肪族アルコール系溶剤
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図面 (1)

課題

本発明は、湿式成膜法によって有機電界発光素子の作成が可能であり、従来よりも駆動電圧が低く、駆動寿命の長い有機電界発光素子を提供するものである。

解決手段

下記式(1)で表される化合物と、下記式(1)で表される化合物よりも最大発光波長長波である下記式(2)で表される化合物、及び、溶媒を含む有機電界発光素子用組成物

概要

背景

有機EL照明有機ELディスプレイなど、有機EL素子を利用する各種電子デバイス
が実用化されている。有機電界発光素子は、印加電圧が低いため消費電力が小さく、三原
色発光も可能であるため、大型のディスプレイモニターだけではなく、携帯電話スマ
トフォンに代表される中小ディスプレイへの応用が始まっている。
有機電界発光素子は発光層電荷注入層電荷輸送層など複数の層を積層することによ
り製造される。現在、有機電界発光素子の多くは、有機材料真空下で蒸着することによ
り製造されているが、真空蒸着法では、蒸着プロセスが煩雑となり、生産性に劣る。真空
蒸着法で製造された有機電界発光素子では照明やディスプレイのパネルの大型化が極めて
難しい。

近年、大型のディスプレイや照明に用いることのできる有機電界発光素子を効率よく製
造するプロセスとして、湿式成膜法塗布法)が研究されている。湿式成膜法は、真空蒸
着法に比べて安定した層を容易に形成できる利点があるため、ディスプレイや照明装置
量産化や大型デバイスへの適用が期待されている。
有機電界発光素子を湿式成膜法で製造するためには、使用される材料はすべて有機溶媒
に溶解してインクとして使用できるものである必要がある。使用材料溶解性に劣ると、
長時間加熱するなどの操作を要するため、使用前に材料が劣化してしまう可能性がある。
さらに、溶液状態で長時間均一状態を保持することができないと、溶液から材料の析出
起こり、インクジェット装置などによる成膜が不可能となる。湿式成膜法に使用される材
料には、有機溶媒に速やかに溶解することと、溶解した後析出せず均一状態を保持する、
という2つの意味での溶解性が求められる。

湿式成膜法の、真空蒸着法に対する利点として、1つの層により多くの材料種を使用す
ることができる点が挙げられる。真空蒸着法では材料種が増加すると蒸着速度を一定にコ
トロールすることが困難になるのに対して、湿式成膜法では材料種が増加しても各材料
が有機溶媒に溶解しさえすれば、一定の成分比のインクが作成可能である。
近年、この利点を利用してインクに2種以上のイリジウム錯体を用い、有機電界発光
子の発光効率を高めたり、駆動電圧を低めたりして、有機電界発光素子の性能を改善しよ
うとする試みがなされている(例えば、特許文献1及び2)。

一方、材料の化学構造に注目すると、アリーレン基を介したカルバゾール環配位子
含むイリジウム錯体を発光材料として用いることが試みられている(例えば、特許文献3
)。

概要

本発明は、湿式成膜法によって有機電界発光素子の作成が可能であり、従来よりも駆動電圧が低く、駆動寿命の長い有機電界発光素子を提供するものである。下記式(1)で表される化合物と、下記式(1)で表される化合物よりも最大発光波長長波である下記式(2)で表される化合物、及び、溶媒を含む有機電界発光素子用組成物。 なし

目的

本発明は、湿式成膜法によって有機電界発光素子の作成が可能であり、従来よりも駆動
電圧が低く、駆動寿命の長い有機電界発光素子を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

下記式(1)で表される化合物と、下記式(1)で表される化合物よりも最大発光波長長波である下記式(2)で表される化合物、及び、溶媒を含む有機電界発光素子用組成物。[上記式中、R1〜R4は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜40の(ヘテロアラルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数3〜20の(ヘテロ)アリールオキシ基、炭素数が1〜20であるアルキルシリル基、炭素数が6〜20であるアリールシリル基、炭素数2〜20のアルキルカルボニル基、炭素数7〜20のアリールカルボニル基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数6〜20のアリールアミノ基、または炭素数3〜30の(ヘテロ)アリール基、のいずれか、またはこれらの組み合わせである。置換基を複数有する場合は、同一でも良く、異なっていても良い。これらの基はさらに置換基を有していても良い。aは0〜4の整数であり、b、cは0〜3の整数である。環Aは、ピリジン環ピラジン環ピリミジン環イミダゾール環オキサゾール環、チアゾール環キノリン環イソキノリン環キナゾリン環、キノキサリン環、アザトリフェニレン環、カルボリン環のいずれかである。環Aは、置換基を有していても良く、置換基は、フッ素原子塩素原子臭素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜40の(ヘテロ)アラルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数3〜20の(ヘテロ)アリールオキシ基、アルキル基の炭素数が1〜20であるアルキルシリル基、アリール基の炭素数が6〜20であるアリールシリル基、炭素数2〜20のアルキルカルボニル基、炭素数7〜20のアリールカルボニル基、炭素数2〜20のアルキルアミノ基、炭素数6〜20のアリールアミノ基、または炭素数3〜20の(ヘテロ)アリール基のいずれか、またはこれらの組み合わせである。また、環Aに結合する隣り合う置換基どうしが結合してさらに環を形成しても良い。X1は、直接結合またはCR12R13を表す。R12、R13は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜40の(ヘテロ)アラルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数3〜20の(ヘテロ)アリールオキシ基、炭素数が1〜20であるアルキルシリル基、炭素数が6〜20であるアリールシリル基、炭素数2〜20のアルキルカルボニル基、炭素数7〜20のアリールカルボニル基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数6〜20のアリールアミノ基、または炭素数3〜30の(ヘテロ)アリール基を表すが、これらの基はさらに置換基を有していても良い。L1は補助配位子を表し、mは1〜3の整数である。補助配位子が複数ある場合は、それぞれ異なっていても良く、同一であっても良い。][式(2)中、R5は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜40の(ヘテロ)アラルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数3〜20の(ヘテロ)アリールオキシ基、炭素数が1〜20であるアルキルシリル基、炭素数が6〜20であるアリールシリル基、炭素数2〜20のアルキルカルボニル基、炭素数7〜20のアリールカルボニル基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数6〜20のアリールアミノ基、または炭素数3〜30の(ヘテロ)アリール基のいずれか、またはこれらの組み合わせである。これらの基はさらに置換基を有していても良い。dは0〜4の整数である。環Bは、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、キノリン環、イソキノリン環、キナゾリン環、キノキサリン環、アザトリフェニレン環、カルボリン環のいずれかである。環Bは、置換基を有していても良く、置換基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜40の(ヘテロ)アラルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数3〜20の(ヘテロ)アリールオキシ基、アルキル基の炭素数が1〜20であるアルキルシリル基、アリール基の炭素数が6〜20であるアリールシリル基、炭素数2〜20のアルキルカルボニル基、炭素数7〜20のアリールカルボニル基、炭素数2〜20のアルキルアミノ基、炭素数6〜20のアリールアミノ基、または炭素数3〜20の(ヘテロ)アリール基のいずれか、またはこれらの組み合わせである。置換基を複数有する場合は、同一でも良く、異なっていても良い。また、環Aに結合する隣り合う置換基どうしが結合してさらに環を形成しても良い。L2は補助配位子を表し、nは1〜3の整数である。補助配位子が複数ある場合は、それぞれ異なっていても良く、同一であっても良い。]

請求項2

式(1)は、式(1−1)で表される化合物含む、請求項1に記載の有機電界発光素子用組成物。[式(1−1)中、R1〜R4、a、b、c、環A、L1、mは、式(1)におけるR1〜R4、a、b、c、環A、L1、mと同義である。]

請求項3

式(1−1)は、式(1−2)で表される化合物含む、請求項2に記載の有機電界発光素子用組成物。[上記式(1−2)中、R1〜R4、a、b、c、環A、L1、mは、式(1−1)におけるR1〜R4、a、b、c、環A、L1、mと同義である。]

請求項4

式(1)中のmが3である、請求項1ないし請求項3いずれかに記載の有機電界発光素子用組成物。

請求項5

式(1)中のmが3未満であり、L1は式(3)、式(4)、式(5)のいずれか少なくとも一つを有する請求項1ないし請求項3いずれかに記載の有機電界発光素子用組成物。[上記式(3)、(4)、(5)中、R6、R7は、前記R1〜R4と同義である。]

請求項6

請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機電界発光素子組成物を用いて形成された発光層を有する有機電界発光素子。

請求項7

請求項6に記載の有機電界発光素子を有する表示装置

請求項8

請求項7に記載の有機電界発光素子を有する照明装置

技術分野

0001

本発明は有機電界発光素子(以下、「有機EL素子」と称す場合がある。)の発光層
形成するために有用な有機電界発光素子用組成物に関する。本発明はまた、該有機電界
光素子組成物を用いて形成された発光層を有する有機電界発光素子、該有機電界発光
子を有する表示装置及び照明装置に関する。

背景技術

0002

有機EL照明有機ELディスプレイなど、有機EL素子を利用する各種電子デバイス
が実用化されている。有機電界発光素子は、印加電圧が低いため消費電力が小さく、三原
色発光も可能であるため、大型のディスプレイモニターだけではなく、携帯電話スマ
トフォンに代表される中小ディスプレイへの応用が始まっている。
有機電界発光素子は発光層や電荷注入層電荷輸送層など複数の層を積層することによ
り製造される。現在、有機電界発光素子の多くは、有機材料真空下で蒸着することによ
り製造されているが、真空蒸着法では、蒸着プロセスが煩雑となり、生産性に劣る。真空
蒸着法で製造された有機電界発光素子では照明やディスプレイのパネルの大型化が極めて
難しい。

0003

近年、大型のディスプレイや照明に用いることのできる有機電界発光素子を効率よく製
造するプロセスとして、湿式成膜法塗布法)が研究されている。湿式成膜法は、真空蒸
着法に比べて安定した層を容易に形成できる利点があるため、ディスプレイや照明装置の
量産化や大型デバイスへの適用が期待されている。
有機電界発光素子を湿式成膜法で製造するためには、使用される材料はすべて有機溶媒
に溶解してインクとして使用できるものである必要がある。使用材料溶解性に劣ると、
長時間加熱するなどの操作を要するため、使用前に材料が劣化してしまう可能性がある。
さらに、溶液状態で長時間均一状態を保持することができないと、溶液から材料の析出
起こり、インクジェット装置などによる成膜が不可能となる。湿式成膜法に使用される材
料には、有機溶媒に速やかに溶解することと、溶解した後析出せず均一状態を保持する、
という2つの意味での溶解性が求められる。

0004

湿式成膜法の、真空蒸着法に対する利点として、1つの層により多くの材料種を使用す
ることができる点が挙げられる。真空蒸着法では材料種が増加すると蒸着速度を一定にコ
トロールすることが困難になるのに対して、湿式成膜法では材料種が増加しても各材料
が有機溶媒に溶解しさえすれば、一定の成分比のインクが作成可能である。
近年、この利点を利用してインクに2種以上のイリジウム錯体を用い、有機電界発光素
子の発光効率を高めたり、駆動電圧を低めたりして、有機電界発光素子の性能を改善しよ
うとする試みがなされている(例えば、特許文献1及び2)。

0005

一方、材料の化学構造に注目すると、アリーレン基を介したカルバゾール環配位子
含むイリジウム錯体を発光材料として用いることが試みられている(例えば、特許文献3
)。

先行技術

0006

国際公開第2015/192939号公報
国際公開第2016/125560号公報
国際公開第2003/084973号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、前述の先行技術では、照明やディスプレイ用途に対して、有機電界発光
素子の性能の点で十分ではない。
本発明は、湿式成膜法によって有機電界発光素子の作成が可能であり、従来よりも駆動
電圧が低く、駆動寿命の長い有機電界発光素子を提供するものである。

課題を解決するための手段

0008

本発明者は、1つの層により多くの材料種を使用することができる湿式成膜法の利点を
生かすべく、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、正孔輸送性を有するカルバゾール環を配
位子に含むイリジウム錯体を発光材料ではなく、正孔輸送性アシストドーパントとして用
い、正孔輸送性アシストドーパントよりも最大発光波長長波であるイリジウム錯体を発
光材料として用い、正孔輸送性アシストドーパントと発光材料を溶媒に溶解させた有機電
発光素子用組成物とし、これを用いて有機電界発光素子を作成することで、有機電界発
光素子の性能が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。

0009

本発明の有機電界発光素子用組成物は、カルバゾール環を配位子に含むイリジウム錯体
を正孔輸送性アシストドーパントとして含有するため、従来よりも駆動電圧が低い有機電
発光素子の作成が可能である。さらに、本発明の有機電界発光素子用組成物は、正孔
送性アシストドーパントが存在することで、発光層内における再結合領域が、陽極から遠
い側に広がるため、再結合及び発光に伴う負荷偏りが低減するため、従来よりも駆動寿
命の長い有機電界発光素子の作成が可能である。

0010

即ち、本発明の要旨は、以下の通りである。
[1]下記式(1)で表される化合物と、下記式(1)で表される化合物よりも最大発光
波長が長波である下記式(2)で表される化合物、及び、溶媒を含む有機電界発光素子用
組成物。

0011

0012

[上記式中、R1〜R4は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7
〜40の(ヘテロアラルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数3〜20の(
ヘテロ)アリールオキシ基、炭素数が1〜20であるアルキルシリル基、炭素数が6〜2
0であるアリールシリル基、炭素数2〜20のアルキルカルボニル基、炭素数7〜20の
アリールカルボニル基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数6〜20のアリール
アミノ基、または炭素数3〜30の(ヘテロ)アリール基、のいずれか、またはこれらの
組み合わせである。置換基を複数有する場合は、同一でも良く、異なっていても良い。こ
れらの基はさらに置換基を有していても良い。

0013

aは0〜4の整数であり、b、cは0〜3の整数である。
環Aは、ピリジン環ピラジン環ピリミジン環イミダゾール環オキサゾール環、
チアゾール環キノリン環イソキノリン環キナゾリン環、キノキサリン環、アザトリ
フェニレン環カルボリン環のいずれかである。
環Aは、置換基を有していても良く、置換基は、フッ素原子塩素原子臭素原子、炭
素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜40の(ヘテロ)アラルキル基、炭素数1〜20
のアルコキシ基、炭素数3〜20の(ヘテロ)アリールオキシ基、アルキル基の炭素数が
1〜20であるアルキルシリル基、アリール基の炭素数が6〜20であるアリールシリル
基、炭素数2〜20のアルキルカルボニル基、炭素数7〜20のアリールカルボニル基、
炭素数2〜20のアルキルアミノ基、炭素数6〜20のアリールアミノ基、または炭素数
3〜20の(ヘテロ)アリール基のいずれか、またはこれらの組み合わせである。また、
環Aに結合する隣り合う置換基どうしが結合してさらに環を形成しても良い。

0014

X1は、直接結合またはCR12R13を表す。
R12、R13は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素
数7〜40の(ヘテロ)アラルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数3〜20
の(ヘテロ)アリールオキシ基、炭素数が1〜20であるアルキルシリル基、炭素数が6
〜20であるアリールシリル基、炭素数2〜20のアルキルカルボニル基、炭素数7〜2
0のアリールカルボニル基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数6〜20のアリ
ルアミノ基、または炭素数3〜30の(ヘテロ)アリール基を表すが、これらの基はさ
らに置換基を有していても良い。

0015

L1は補助配位子を表し、mは1〜3の整数である。補助配位子が複数ある場合は、そ
れぞれ異なっていても良く、同一であっても良い。]

0016

0017

[式(2)中、R5は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜4
0の(ヘテロ)アラルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数3〜20の(ヘテ
ロ)アリールオキシ基、炭素数が1〜20であるアルキルシリル基、炭素数が6〜20で
あるアリールシリル基、炭素数2〜20のアルキルカルボニル基、炭素数7〜20のアリ
ールカルボニル基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数6〜20のアリールアミ
ノ基、または炭素数3〜30の(ヘテロ)アリール基のいずれか、またはこれらの組み合
わせである。これらの基はさらに置換基を有していても良い。

0018

dは0〜4の整数である。
環Bは、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、イミダゾール環、オキサゾール環、
チアゾール環、キノリン環、イソキノリン環、キナゾリン環、キノキサリン環、アザトリ
フェニレン環、カルボリン環のいずれかである。
環Bは、置換基を有していても良く、置換基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、炭
素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜40の(ヘテロ)アラルキル基、炭素数1〜20
のアルコキシ基、炭素数3〜20の(ヘテロ)アリールオキシ基、アルキル基の炭素数が
1〜20であるアルキルシリル基、アリール基の炭素数が6〜20であるアリールシリル
基、炭素数2〜20のアルキルカルボニル基、炭素数7〜20のアリールカルボニル基、
炭素数2〜20のアルキルアミノ基、炭素数6〜20のアリールアミノ基、または炭素数
3〜20の(ヘテロ)アリール基のいずれか、またはこれらの組み合わせである。置換基
を複数有する場合は、同一でも良く、異なっていても良い。また、環Aに結合する隣り合
う置換基どうしが結合してさらに環を形成しても良い。

0019

L2は補助配位子を表し、nは1〜3の整数である。補助配位子が複数ある場合は、そ
れぞれ異なっていても良く、同一であっても良い。]
[2] 式(1)は、式(1−1)で表される化合物含む、[1]に記載の有機電界発光
素子用組成物。

0020

0021

[式(1−1)中、R1〜R4、a、b、c、環A、L1、mは、式(1)におけるR1
〜R4、a、b、c、環A、L1、mと同義である。]
[3]式(1−1)は、式(1−2)で表される化合物含む、[2]に記載の有機電界発
光素子用組成物。

0022

0023

[上記式(1−2)中、R1〜R4、a、b、c、環A、L1、mは、式(1−1)にお
けるR1〜R4、a、b、c、環A、L1、mと同義である。]
[4]式(1)中のmが3である、[1]ないし[3]いずれかに記載の有機電界発光素
子用組成物。
[5]式(1)中のmが3未満であり、L1は式(3)、式(4)、式(5)のいずれか
少なくとも一つを有する請求項1ないし請求項3いずれかに記載の有機電界発光素子用組
成物

0024

0025

[上記式(3)、(4)、(5)中、R6、R7は、前記R1〜R4と同義である。]
[6][1]〜[5]のいずれか1に記載の有機電界発光素子組成物を用いて形成された
発光層を有する有機電界発光素子。
[7][6]に記載の有機電界発光素子を有する表示装置。
[8][7]に記載の有機電界発光素子を有する照明装置。

発明の効果

0026

本発明により、湿式成膜法によって有機電界発光素子の作成が可能であり、従来よりも
駆動電圧が低く、駆動寿命の長い有機電界発光素子を提供することができる。

図面の簡単な説明

0027

図1は、本発明の有機電界発光素子の構造の一例を模式的に示す断面図である。

0028

以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定さ
れるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変形して実施することができる。
なお、本明細書において(ヘテロ)アラルキル基、(ヘテロ)アリールオキシ基、(ヘ
テロ)アリール基とは、それぞれヘテロ原子を含んでいてもよいアラルキル基、ヘテロ原
子を含んでいてもよいアリールオキシ基、ヘテロ原子を含んでいてもよいアリール基、を
表す。「ヘテロ原子を含んでいてもよい」とは、アリール基、アラルキル基又はアリール
オキシ基主骨格を形成する炭素原子のうち1又は2以上の炭素原子がヘテロ原子に置換
されていることを表し、ヘテロ原子としては窒素原子酸素原子硫黄原子リン原子
ケイ素原子等が挙げられ、中でも耐久性の観点から窒素原子が好ましい。

0029

[正孔輸送性アシストドーパント]
本発明の有機電界発光素子用組成物は、下記式(1)で表される化合物を正孔輸送性ア
シストドーパントとして含む。

0030

0031

[上記式中、R1〜R4は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7
〜40の(ヘテロ)アラルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数3〜20の(
ヘテロ)アリールオキシ基、炭素数が1〜20であるアルキルシリル基、炭素数が6〜2
0であるアリールシリル基、炭素数2〜20のアルキルカルボニル基、炭素数7〜20の
アリールカルボニル基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数6〜20のアリール
アミノ基、または炭素数3〜30の(ヘテロ)アリール基、のいずれか、またはこれらの
組み合わせである。置換基を複数有する場合は、同一でも良く、異なっていても良い。こ
れらの基はさらに置換基を有していても良い。

0032

aは0〜4の整数であり、b、cは0〜3の整数である。
環Aは、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、イミダゾール環、オキサゾール環、
チアゾール環、キノリン環、イソキノリン環、キナゾリン環、キノキサリン環、アザトリ
フェニレン環、カルボリン環のいずれかである。
環Aは、置換基を有していても良く、置換基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、炭
素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜40の(ヘテロ)アラルキル基、炭素数1〜20
のアルコキシ基、炭素数3〜20の(ヘテロ)アリールオキシ基、アルキル基の炭素数が
1〜20であるアルキルシリル基、アリール基の炭素数が6〜20であるアリールシリル
基、炭素数2〜20のアルキルカルボニル基、炭素数7〜20のアリールカルボニル基、
炭素数2〜20のアルキルアミノ基、炭素数6〜20のアリールアミノ基、または炭素数
3〜20の(ヘテロ)アリール基のいずれか、またはこれらの組み合わせである。また、
環Aに結合する隣り合う置換基どうしが結合してさらに環を形成しても良い。

0033

X1は、直接結合またはCR12R13を表す。
R12、R13は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素
数7〜40の(ヘテロ)アラルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数3〜20
の(ヘテロ)アリールオキシ基、炭素数が1〜20であるアルキルシリル基、炭素数が6
〜20であるアリールシリル基、炭素数2〜20のアルキルカルボニル基、炭素数7〜2
0のアリールカルボニル基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数6〜20のアリ
ールアミノ基、または炭素数3〜30の(ヘテロ)アリール基を表すが、これらの基はさ
らに置換基を有していても良い。

0034

L1は補助配位子を表し、mは1〜3の整数である。補助配位子が複数ある場合は、そ
れぞれ異なっていても良く、同一であっても良い。]

0035

0036

[式(2)中、R5は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜4
0の(ヘテロ)アラルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数3〜20の(ヘテ
ロ)アリールオキシ基、炭素数が1〜20であるアルキルシリル基、炭素数が6〜20で
あるアリールシリル基、炭素数2〜20のアルキルカルボニル基、炭素数7〜20のアリ
ールカルボニル基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数6〜20のアリールアミ
ノ基、または炭素数3〜30の(ヘテロ)アリール基のいずれか、またはこれらの組み合
わせである。これらの基はさらに置換基を有していても良い。

0037

dは0〜4の整数である。
環Bは、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、イミダゾール環、オキサゾール環、
チアゾール環、キノリン環、イソキノリン環、キナゾリン環、キノキサリン環、アザトリ
フェニレン環、カルボリン環のいずれかである。
環Bは、置換基を有していても良く、置換基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、炭
素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜40の(ヘテロ)アラルキル基、炭素数1〜20
のアルコキシ基、炭素数3〜20の(ヘテロ)アリールオキシ基、アルキル基の炭素数が
1〜20であるアルキルシリル基、アリール基の炭素数が6〜20であるアリールシリル
基、炭素数2〜20のアルキルカルボニル基、炭素数7〜20のアリールカルボニル基、
炭素数2〜20のアルキルアミノ基、炭素数6〜20のアリールアミノ基、または炭素数
3〜20の(ヘテロ)アリール基のいずれか、またはこれらの組み合わせである。置換基
を複数有する場合は、同一でも良く、異なっていても良い。また、環Aに結合する隣り合
う置換基どうしが結合してさらに環を形成しても良い。

0038

L2は補助配位子を表し、nは1〜3の整数である。補助配位子が複数ある場合は、そ
れぞれ異なっていても良く、同一であっても良い。]
R1〜R4は、耐久性の点から、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜40の(ヘ
テロ)アラルキル基、炭素数6〜20のアリールアミノ基、または炭素数3〜30の(ヘ
テロ)アリール基であることがより好ましく、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜
40の(ヘテロ)アラルキル基または炭素数3〜20の(ヘテロ)アリール基であること
がさらに好ましい
aは製造が容易な点で0であることが好ましく、正孔輸送性がさらに高められる点及び
溶解性が高められる点で1又は2であることが好ましく、1であることがさらに好ましい
。b、cは製造が容易な点で0であることが好ましく、正孔輸送性がさらに高められる点
及び溶解性が高められる点で1であることが好ましい。

0039

環Aとしては、芳香族環芳香族複素環を用いることができる。これらとしては、ピリ
ジン環、ピリミジン環、イミダゾール環、キノリン環、イソキノリン環、キナゾリン環、
キノキサリン環、アザトリフェニレン環、カルボリン環、のいずれかであり、耐久性の点
からは、ピリジン環であることがさらに好ましい。正孔輸送性アシストドーパント上で励
起子が生成しやすく、発光効率が高められる点では、キノリン環、イソキノリン環、キナ
リン環、キノキサリン環、アザトリフェニレン環、カルボリン環、のいずれかであるこ
とが好ましい。中でも、耐久性の点で、キノリン環、イソキノリン環、キナゾリン環のい
ずれかが好ましい。

0040

環A上の水素原子は、耐久性の点、及び溶解性が高められる点で、炭素数1〜20のア
キル基、炭素数7〜40の(ヘテロ)アラルキル基、炭素数3〜20の(ヘテロ)アリ
ール基で置換されていることが好ましい。また、環A上の水素原子は、製造容易な点で置
換されていないことが好ましい。環A上の水素原子は、置換基を有しても良いフェニル基
又はナフチル基で置換されていることが正孔輸送性アシストドーパント上で励起子が生成
しやすくなるため、発光効率が高められる点で好ましい。

0041

環Aに結合する隣り合う置換基どうしが結合してさらに環を形成してもよい。また、置
換基がさらに置換基を有していても良い。
カルバゾール環を含む正孔輸送性の高い構造が多く存在することから、mは2又は3で
あることが好ましく、3であることがさらに好ましい。
L1は有機配位子であり、特に制限は無いが、好ましくは1価の2座配位子であり、よ
り好ましくは下記化学式の中から選ばれる。なお、化学式中破線配位結合を表す。2
つの有機配位子L1が存在する場合には、有機配位子L1は互いに異なる構造であっても
良い。また、mが3のときは、L1は存在しない。

0042

式(1)中のmが3未満である場合、例えばL1は式(3)、式(4)、式(5)のい
ずれか少なくとも一つを有する。

0043

0044

上記式(3)、(4)、(5)中、R6、R7は、前記R1〜R4として選択できる置
換基と同様の群から選択され、好ましい例も同様である。e、fは製造が容易な点で0で
あることが好ましく、溶解性が高められる点で1又は2であることが好ましく、1である
ことがさらに好ましい。
R8からR10はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子で置換されていても良い炭素
数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルキル基で置換されていても良いフェニル
基またはハロゲン原子を表す。より好ましくは、R8とR10がメチル基またはt−ブチ
ル基であり、R9は、水素原子、または、炭素数1〜20のアルキル基またはフェニル基
である。

0045

本発明の有機電界発光素子用組成物に含まれる正孔輸送性アシストドーパントは、式(
1)中のX1が直接結合でありカルバゾール環を形成する、すなわち、式(1−1)で表
される化合物であることが耐久性の点でさらに好ましい。

0046

0047

[上記式(1−1)中、R1〜R4、a、b、c、環A、L1、mは、式(1)における
R1〜R4、a、b、c、環A、L1、mと同義である。]
式(1−1)中のR1〜R4、a、b、c、環A、L1、mの好ましい例は、前述の式
(1)におけるR1〜R4、a、b、c、環A、L1、mと同様である。
さらに、本発明の有機電界発光素子用組成物に含まれる正孔輸送性アシストドーパント
は、カルバゾール環の3位がイリジウムに結合するフェニル基に結合する、すなわち、式
(1−2)で表される構造であることが、耐久性が高く、電荷輸送能も高い点で好ましい

0048

0049

[上記式(1−2)中、R1〜R4、a、b、c、環A、L1、mは、式(1−1)にお
けるR1〜R4、a、b、c、環A、L1、mと同義である。]
式(1−2)中のR1〜R4、a、b、c、環A、L1、mの好ましい例は、前述の式
(1)におけるR1〜R4、a、b、c、環A、L1、mと同じである。
以下に、正孔輸送性アシストドーパントの好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに
限定されるものではない。

0050

0051

発光性ドーパント
本発明の有機電界発光素子用組成物は、下記式(2)で表される化合物を発光性ドーパ
ントとして含む。発光性ドーパントは、前述の正孔輸送性アシストドーパントよりも最大
発光波長が長波である。このため、正孔輸送性アシストドーパントが励起状態になった場
合、より励起エネルギーの小さい発光性ドーパントへのエネルギー移動が起こるため、発
光性ドーパントが励起状態となった後に、発光性ドーパントからの発光が観測され得る。

0052

0053

[上記式(2)中、R5は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7
〜40の(ヘテロ)アラルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数3〜20の(
ヘテロ)アリールオキシ基、炭素数が1〜20であるアルキルシリル基、炭素数が6〜2
0であるアリールシリル基、炭素数2〜20のアルキルカルボニル基、炭素数7〜20の
アリールカルボニル基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数6〜20のアリール
アミノ基、または炭素数3〜30の(ヘテロ)アリール基のいずれか、またはこれらの組
み合わせである。これらの基はさらに置換基を有していても良い。

0054

dは0〜4の整数である。
環Bは、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、イミダゾール環、オキサゾール環、
チアゾール環、キノリン環、イソキノリン環、キナゾリン環、キノキサリン環、アザトリ
フェニレン環、カルボリン環のいずれかである。
環Bは、置換基を有していても良く、置換基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、炭
素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜40の(ヘテロ)アラルキル基、炭素数1〜20
のアルコキシ基、炭素数3〜20の(ヘテロ)アリールオキシ基、アルキル基の炭素数が
1〜20であるアルキルシリル基、アリール基の炭素数が6〜20であるアリールシリル
基、炭素数2〜20のアルキルカルボニル基、炭素数7〜20のアリールカルボニル基、
炭素数2〜20のアルキルアミノ基、炭素数6〜20のアリールアミノ基、または炭素数
3〜20の(ヘテロ)アリール基のいずれか、またはこれらの組み合わせである。置換基
を複数有する場合は、同一でも良く、異なっていても良い。また、環Aに結合する隣り合
う置換基どうしが結合してさらに環を形成しても良い。

0055

L2は有機配位子を表し、nは1〜3の整数である。]
R5は、耐久性の点から、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜40の(ヘテロ)
アラルキル基、炭素数6〜20のアリールアミノ基、または炭素数3〜30の(ヘテロ)
アリール基であることがより好ましく、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜40の
(ヘテロ)アラルキル基または炭素数3〜20の(ヘテロ)アリール基であることがさら
に好ましい
R5は、耐久性の点及び溶解性の点から、置換基を有しても良いフェニル基であって、
環Bのm−位、イリジウムのp−位に結合することが好ましい。すなわち、式(2)は、
下記式(2−1)で表される化合物であることがさらに好ましい。

0056

0057

[上記式(2−1)中、R11は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭
素数7〜40の(ヘテロ)アラルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数3〜2
0の(ヘテロ)アリールオキシ基、炭素数が1〜20であるアルキルシリル基、炭素数が
6〜20であるアリールシリル基、炭素数2〜20のアルキルカルボニル基、炭素数7〜
20のアリールカルボニル基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数6〜20のア
リールアミノ基、または炭素数3〜30の(ヘテロ)アリール基を表すが、これらの基は
さらに置換基を有していても良い。gは0〜4の整数である。]
gは製造が容易な点で0であることが好ましく、耐久性の点及び溶解性が高められる点
で1又は2であることが好ましく、1であることがさらに好ましい。

0058

環Bは、耐久性の点から、ピリジン環、ピリミジン環、イミダゾール環であることが好
ましく、ピリジン環であることがさらに好ましい。また、正孔輸送性アシストドーパント
上で励起子が生成しやすくなり、発光効率が高められる点では、キノリン環、イソキノ
ン環、キナゾリン環、キノキサリン環、アザトリフェニレン環、カルボリン環が好ましく
、中でも、耐久性の点及び赤色発光を示す点で、キノリン環、イソキノリン環、キナゾリ
ン環が特に好ましい。

0059

環B上の水素原子は、耐久性の点及び溶解性が高められる点で、炭素数1〜20のアル
キル基、炭素数7〜40の(ヘテロ)アラルキル基、炭素数3〜20の(ヘテロ)アリー
ル基で置換されていることが好ましい。また、環B上の水素原子は、置換されていないこ
とが製造容易な点で好ましい。環B上の水素原子は、置換基を有しても良いフェニル基又
はナフチル基で置換されていることが、有機電界発光素子として用いられたときに励起子
が生成しやすくなるため、発光効率が高められる点で好ましい。

0060

環Bに結合する隣り合う置換基どうしが結合して、さらに環を形成しても良い。L2は
有機配位子であり、特に制限は無いが、好ましくは1価の2座配位子であり、より好まし
い例は、L1の好ましい例として示したものと同様である。なお、2つの有機配位子L2
が存在する場合には、有機配位子L2は互いに異なる構造であっても良い。また、nが3
のときは、L2は存在しない。

0061

以下に、発光性ドーパントの好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。

0062

0063

正孔輸送性アシストドーパントと、発光性ドーパントの組み合わせ例としては、前述し
た正孔輸送性アシストドーパント具体例のいずれかの化合物と、上記発光性ドーパント具
体例のいずれかの化合物を適宜組み合わせたものを用いることができる。
[置換基の具体例]
前記炭素数1〜20のアルキル基としては、直鎖、分岐または環状のアルキル基のいず
れでもよく、より具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基n−ブチル基、n
ペンチル基n−ヘキシル基、n−オクチル基、イソプロピル基イソブチル基イソ
ペンチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。中でも、メチル基、エ
チル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基等の直鎖の炭素数1〜8のアル
キル基が好ましい。

0064

前記炭素数7〜40の(ヘテロ)アラルキル基の具体例としては、直鎖のアルキル基お
よび分岐のアルキル基、環状のアルキル基を構成する水素原子の一部が(ヘテロ)アリー
ル基で置換された基のことを指し、より具体的には、2−フェニル−1−エチル基、クミ
ル基、5−フェニル−1−ペンチル基、6−フェニル−1−ヘキシル基、7−フェニル−
1−ヘプチル基テトラヒドロナフチル基などが挙げられる。中でも、5−フェニル−1
−ペンチル基、6−フェニル−1−ヘキシル基、7−フェニル−1−ヘプチル基が好まし
い。

0065

前記炭素数1〜20のアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基エトキシ基、プロ
ピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、オ
タデシルオキシ基等が挙げられる。中でも、ヘキシルオキシ基が好ましい。
前記炭素数3〜20の(ヘテロ)アリールオキシ基の具体例としては、フェノキシ基
4−メチルフェニルオキシ基等が挙げられる。中でも、フェノキシ基が好ましい。

0066

前記炭素数1〜20であるアルキルシリル基の具体例としては、トリメチルシリル基
トリエチルシリル基トリイソプロピルシリル基、ジメチルフェニル基、t−ブチルジメ
ルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基等が挙げられ、中でもトリイソプロピル
、t−ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基が好ましい。
前記炭素数6〜20であるアリールシリル基の具体例としては、ジフェニルピリジル
リル基、トリフェニルシリル基等が挙げられ、中でもトリフェニルシリル基が好ましい。

0067

前記炭素数2〜20のアルキルカルボニル基の具体例としては、アセチル基プロピ
ニル基、ピバロイル基カプロイル基、デカノイル基、シクロヘキシルカルボニル基等が
挙げられ、中でもアセチル基、ピバロイル基が好ましい。
前記炭素数7〜20のアリールカルボニル基の具体例としては、ベンゾイル基ナフト
イル基、アントライル基等が挙げられ、中でもベンゾイル基が好ましい。

0068

前記炭素数1〜20のアルキルアミノ基の具体例としては、メチルアミノ基、ジメチル
アミノ基、ジエチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、ジヘキシルアミノ基、ジオクチル
アミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基等が挙げられ、中でもジメチルアミノ基ジシクロ
ヘキシルアミノ基が好ましい。
前記炭素数6〜20のアリールアミノ基の具体例としては、フェニルアミノ基ジフ
ニルアミノ基、ジ(4−トリル)アミノ基、ジ(2,6−ジメチルフェニル)アミノ基等
が挙げられ、中でもジフェニルアミノ基、ジ(4−トリル)アミノ基が好ましい。

0069

前記炭素数3〜30の(ヘテロ)アリール基とは、1個の遊離原子価を有する、芳香族
炭化水素基および芳香族複素環基、または複数の芳香族炭化水素が連なったものを意味す
る。
具体例としては、1個の遊離原子価を有する、ベンゼン環ナフタレン環、アントラセ
ン環、フェナントレン環、ペリレン環テトラセン環、ピレン環ベンズピレン環、クリ
セン環、トリフェニレン環、フルオランテン環フラン環ベンゾフラン環、ジベンゾ
ラン環、チオフェン環ベンゾチオフェン環、ジベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラ
ゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環インドール環、カルバゾール環、ピロ
ロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノ
チオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾー
ル環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリ
ダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シンノリン環、
キノキサリン環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環等の基が挙
げられる。複数の芳香族炭化水素が連なった基としては、ビフェニル基テルフェニル
、等が挙げられる。

0070

(ヘテロ)アリール基の中でも、耐久性の観点から、1個の遊離原子価を有する、ベン
ゼン環、ナフタレン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、カルバゾール環、ピ
リジン環、ピリミジン環、トリアジン環が好ましく、中でも、1個の遊離原子価を有し、
炭素数が1〜8のアルキル基で置換されていても良いベンゼン環、ナフタレン環またはフ
ナントレン環などの炭素数6〜18のアリール基、または、1個の遊離原子価を有し、
炭素数が1〜4のアルキル基で置換されていても良いピリジン環がより好ましく、1個の
遊離原子価を有し、炭素数が1〜8のアルキル基で置換されていても良いベンゼン環、ナ
フタレン環またはフェナントレン環などの炭素数6〜18のアリール基であることがさら
に好ましい。

0071

これら置換基の組み合わせとしては、例えばアリール基とアルキル基との組み合わせ、
アリール基とアラルキル基との組み合わせ、または、アリール基とアルキル基、アラルキ
ル基との組み合わせを用いることができる。
アリール基とアラルキル基との組み合わせとしては、例えば、ベンゼン、ビフェニル基
、テルフェニル基と、5−フェニル−1−ペンチル基、6−フェニル−1−ヘキシル基と
の組み合わせを用いることができる。また、共役を必要以上に長くすることにより発光効
率を上げる観点から、例えば環A、環Bと隣り合うアリール基にメチル基を設けることが
好ましい。

0072

[最大発光波長]
本発明における最大発光波長の測定方法を以下に示す。
常温下で、2−メチルテトラヒドロフランに、化合物を濃度1×10−4mol/L以
下で溶解した溶液について、分光光度計浜松ホトクス社製有機EL量子収率測定装
置C9920−02)で燐光スペクトルを測定する。得られた燐光スペクトル強度の最大
値を示す波長を、最大発光波長とする。

0073

本発明の有機電界発光素子用組成物に含まれる発光性ドーパントは、正孔輸送性アシ
トドパントに比べて、最大発光波長が長波である。
発光性ドーパントの最大発光波長は、580nm以上が好ましく、590nm以上がよ
り好ましく、600nm以上がさらに好ましく、700nm以下が好ましく、680nm
以下がより好ましい。最大発光波長がこの範囲であることで、有機電界発光素子として好
適な赤色発光材料の好ましい色を発現できる傾向にある。

0074

正孔輸送性アシストドーパントの最大波長と、発光性ドーパントの最大発光波長とは、
10nm以上離れていることが好ましい。
また、式(2)で表される発光性ドーパントが、式(1)で表される正孔輸送性アシス
トドーパントに対して1〜4倍、好ましくは2〜3倍のmol濃度を有することが好まし
い。これにより、正孔輸送性アシストドーパントからのエネルギー高確率で発光性ドー
パントへ移行されるため、正孔輸送性アシストドーパントからの直接発光されることが少
なくなりより高い発光効率が得られる。

0075

イリジウム錯体化合物合成方法
本発明の有機電界発光素子用組成物に含まれる正孔輸送性アシストドーパント及び発光
性ドーパントは、イリジウム錯体化合物である。イリジウム錯体化合物の合成方法を以下
に示す。
イリジウム錯体化合物の配位子は、既知の方法の組み合わせなどにより合成され得る。
配位子の合成は、アリールボロン酸類とハロゲン化ヘテロアリール類との鈴木−浦カッ
プリング反応、2−ホルミル又はアシルアニリン類あるいは互いにオルト位にあるアシル
アミノピリジン類等とのFriedlaender環化反応(Chem.Rev.20
09、109、2652、又は、Organic Reactions,28(2),3
7−201)など既知の反応により合成することができる。

0076

<イリジウム錯体化合物の合成方法>
イリジウム錯体化合物は、配位子と塩化イリジウム水和物などを原料として、既知の
方法の組み合わせにより合成できる。以下に説明する。
イリジウム錯体化合物の合成方法としては、判りやすさのためにフェニルピリジン配位
子を例として用いた下記式[A]に示すような塩素架橋イリジウム二核錯体を経由する方
法(M.G.Colombo,T.C.Brunold,T.Riedener,H.U
.GudelInorg.Chem.,1994,33,545−550)、下記式[B
]二核錯体からさらに塩素架橋をアセチルアセトナート交換させ単核錯体へ変換したの
目的物を得る方法(S.Lamansky,P.Djurovich,D.Murph
y,F.Abdel−Razzaq,R.Kwong,I.Tsyba,M.Borz,
B.Mui,R.Bau,M.Thompson,Inorg.Chem.,2001,
40,1704−1711)等が例示できるが、これらに限定されるものではない。

0077

例えば、下記式[A]で表される典型的な反応の条件は以下のとおりである。
第一段階として、第一の配位子2当量と塩化イリジウムn水和物1当量の反応により塩
素架橋イリジウム二核錯体を合成する。溶媒は通常2−エトキシエタノールと水の混合溶
媒が用いられるが、無溶媒あるいは他の溶媒を用いてもよい。配位子を過剰量用いたり、
塩基等の添加剤を用いたりして反応を促進することもできる。塩素に代えて臭素など他の
架橋性陰イオン配位子を使用することもできる。

0078

反応温度に特に制限はないが、通常は0℃以上が好ましく、50℃以上がより好ましい
。また、250℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましい。反応温度がこの範囲で
あることで副生物分解反応を伴うことなく目的の反応のみが進行し、高い選択性が得ら
れる傾向にある。

0079

0080

二段階目は、トリフルオロメタンスルホン酸銀のようなハロゲンイオン捕捉剤を添加し
第二の配位子と接触させることにより目的とする錯体を得る。溶媒は通常エトキシエタノ
ール又はジグリムが用いられるが、配位子の種類により無溶媒あるいは他の溶媒を使用す
ることができ、複数の溶媒を混合して使用することもできる。ハロゲンイオン捕捉剤を添
加しなくても反応が進行する場合があるので必ずしも必要ではないが、反応収率を高め、
より量子収率が高いフェイシャル異性体を選択的に合成するには該捕捉剤の添加が有利で
ある。反応温度に特に制限はないが、通常0℃〜250℃の範囲で行われる。

0081

下記式[B]で表される典型的な反応条件を説明する。
第一段階の二核錯体は式[A]と同様に合成できる。
二段階は、該二核錯体にアセチルアセトンのような1,3−ジオン化合物を1当量以
上、及び、炭酸ナトリウムのような該1,3−ジオン化合物の活性水素を引き抜き得る塩
基性化合物を1当量以上反応させることにより、1,3−ジオナト配位子が配位する単核
錯体へと変換する。通常原料の二核錯体を溶解しうるエトキシエタノールジクロロメタ
ンなどの溶媒が使用されるが、配位子が液状である場合無溶媒で実施することも可能であ
る。反応温度に特に制限はないが、通常は0℃〜200℃の範囲内で行われる。

0082

0083

第三段階は、第二の配位子を1当量以上反応させる。溶媒の種類と量は特に制限はなく
、第二の配位子が反応温度で液状である場合には無溶媒でもよい。反応温度も特に制限は
ないが、反応性が若干乏しいため100℃〜300℃の比較的高温下で反応させることが
多い。そのため、グリセリンなど高沸点の溶媒が好ましく用いられる。
最終反応後は未反応原料反応副生物及び溶媒を除くために精製を行う。通常の有機合
化学における精製操作を適用することができるが、上記の非特許文献記載のように主と
して順相シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製が行われる。展開液にはヘキ
サンヘプタンジクロロメタンクロロホルム酢酸エチルトルエンメチルエチル
ケトンメタノールの単一又は混合液を使用できる。精製は条件を変え複数回行ってもよ
い。その他のクロマトグラフィー技術(逆相シリカゲルクロマトグラフィー、サイズ排除
クロマトグラフィー、ペーパークロマトグラフィー)や、分液洗浄再沈殿再結晶、粉
体の懸濁洗浄減圧乾燥などの精製操作を必要に応じて施すことができる。

0084

[溶媒]
本発明の有機電界発光素子用組成物には、溶媒を含む。
本発明の有機電界発光素子用組成物は、通常、湿式成膜法で層や膜を形成するために用
いられ、特に有機電界発光素子の発光層を形成するために用いられることが好ましい。
有機電界発光素子用組成物における、正孔輸送性アシストドーパントの含有量は、通常
0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、通常20重量%以下、好ましくは1
0重量%以下である。正孔輸送性アシストドーパントの含有量をこの範囲とすることによ
り、該組成物を有機電界発光素子用途に利用した場合に、隣接する層(例えば、正孔輸送
層や正孔阻止層)から発光層へ、効率よく正孔や電子注入が行われ、駆動電圧を低減す
ることができる。

0085

なお、有機電界発光素子用組成物は、正孔輸送性アシストドーパントを1種のみ含まれ
ていても、2種以上が組み合わされて含まれていてもよい。
有機電界発光素子用組成物における、発光性ドーパントの含有量は、通常0.01重量
%以上、好ましくは0.1重量%以上、通常20重量%以下、好ましくは10重量%以下
である。発光性ドーパントの含有量をこの範囲とすることにより、該組成物を有機電界発
光素子用途に利用した場合に、励起エネルギーが隣接する層(例えば、正孔輸送層や正孔
阻止層)に移動することが少なく、また、励起子同士の相互作用により消光することが少
なくなるため、発光効率を高めることができる。

0086

なお、有機電界発光素子用組成物中に、発光性ドーパントが2種以上含まれる場合は、
最大発光波長が、最も長波のドーパントを、本発明における発光性ドーパントとする。
有機電界発光素子用組成物における、正孔輸送性アシストドーパントの含有量と発光性
ドーパントの含有量の比は、より駆動電圧を低減することができる点で、正孔輸送性アシ
ストドーパントの方が多いことが好ましく、より発光スペクトルの幅が狭くなり鮮やかな
発光が得られる点で、発光性ドーパントの方が多いことが好ましい。

0087

本発明の有機電界発光素子用組成物に含有される溶媒は、湿式成膜により正孔輸送性ア
シストドーパント及び発光性ドーパントを含む層を形成するために用いる、揮発性を有す
液体成分である。
該溶媒は、溶質である正孔輸送性アシストドーパント、発光性ドーパントが良好に溶解
する溶媒であれば特に限定されない。また、後述する電荷輸送性化合物を溶解する溶媒で
あることが好ましい。好ましい溶媒としては、例えば、n−デカンシクロヘキサン、エ
チルシクロヘキサンデカリンビシクロヘキサン等のアルカン類;トルエン、キシレン
メシチレンフェニルシクロヘキサンテトラリン等の芳香族炭化水素類;クロロベン
ゼン、ジクロロベンゼントリクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類;1,2
ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソールフェネトール、2−
メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルア
ソール、2,4−ジメチルアニソール、ジフェニルエーテル等の芳香族エーテル類;酢
酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル安息香酸エチル安息香酸プロピ
ル、安息香酸n−ブチル等の芳香族エステル類シクロヘキサノンシクロオクタノン、
フェンコン等の脂環族ケトン類シクロヘキサノール、シクロオクタノール等の脂環族ア
ルコール類;メチルエチルケトンジブチルケトン等の脂肪族ケトン類;ブタノール、ヘ
キサノール等の脂肪族アルコール類エチレングリコールジメチルエーテルエチレン
リコールジエチルエーテルプロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート
PGMEA)等の脂肪族エーテル類等が挙げられる。中でも好ましくは、アルカン類や
芳香族炭化水素類であり、特に、フェニルシクロヘキサンは湿式成膜プロセスにおいて好
ましい粘度と沸点を有している。

0088

これらの溶媒は1種類を単独で用いてもよく、また2種類以上を任意の組み合わせ、及
比率で用いてもよい。
溶媒の沸点は、通常80℃以上、好ましくは100℃以上、より好ましくは150℃以
上、特に好ましくは200℃以上である。また、通常沸点270℃以下、好ましくは25
0℃以下、より好ましくは240℃以下である。この範囲を下回ると、湿式成膜時におい
て、組成物からの溶媒蒸発により、成膜安定性が低下する可能性がある。

0089

溶媒の含有量は、組成物100重量部に対して、好ましくは10重量部以上、より好ま
しくは50重量部以上、特に好ましくは80重量部以上であり、また、好ましくは99.
95重量部以下、より好ましくは99.9重量部以下、特に好ましくは99.8重量部以
下である。
通常発光層の厚みは3〜200nm程度であるが、溶媒の含有量がこの下限を下回ると
、組成物の粘性が高くなりすぎ、成膜作業性が低下する可能性がある。一方、この上限を
上回ると、成膜後、溶媒を除去して得られる膜の厚みが稼げなくなるため、成膜が困難と
なる傾向がある。

0090

[電荷輸送性化合物]
本発明の有機電界発光素子用組成物には、電荷輸送性化合物を含むことが好ましい。
電荷輸送性化合物としては、従来有機電界発光素子用材料として用いられているものを
使用することができる。例えば、トリアリールアミンビスカルバゾールトリアリール
トリアジン、トリアリールピリミジン及びそれらの誘導体、アリールアミノ基やカルバゾ
リル基が置換されたナフタレンペリレンピレンアントラセンクリセンナフタ
ン、フェナントレン、コロネンフルオランテン、ベンゾフェナントレン、フルオレン
アセトナフトフルオランテンなどの縮合芳香族環化合物が挙げられる。

0091

また、電荷輸送性化合物は高分子であってもよく、高分子の電荷輸送性化合物としては
ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)、ポリ[(9,9−ジオクチ
ルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(4,4’−(N−(4−sec−ブチルフェ
ニル))ジフェニルアミン)]、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイ
ル)−co−(1,4−ベンゾ−2{2,1’−3}−トリアゾール)]などのポリフル
レン系材料、ポリ[2−メトキシ−5−(2−ヘチルヘキシルオキシ)−1,4−フェ
ニレビニレン]などのポリフェニレンビニレン系材料などが挙げられる。

0092

これらの電荷輸送性化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の組み
合わせ、および比率で用いてもよい。
[有機電界発光素子]
本発明の有機電界発光素子は、本発明の有機電界発光素子用組成物を用いて湿式成膜法
により形成した層を含むものである。

0093

本発明の有機電界発光素子は、好ましくは、基板上に少なくとも陽極、陰極及び陽極と
陰極の間に少なくとも1層の有機層を有するものであって、前記有機層のうち少なくとも
1層が本発明の有機電界発光素子用組成物を用いて湿式成膜法により形成した層を含む。
前記有機層は発光層を含む。
本発明の有機電界発光素子用組成物を用いて湿式成膜法により形成した層は、発光層で
あることが好ましい。

0094

本発明において湿式成膜法とは、成膜方法、即ち、塗布方法として、例えば、スピン
ート法、ディップコート法ダイコート法バーコート法ブレードコート法ロール
ート法、スプレーコート法キャピラリーコート法、インクジェット法ノズルプリン
ィング法、スクリーン印刷法グラビア印刷法フレキソ印刷法等、湿式で成膜される方
法を採用し、これらの方法で成膜された膜を乾燥して膜形成を行う方法をいう。

0095

図1は本発明の有機電界発光素子10に好適な構造例を示す断面の模式図である。図1
において、符号1は基板、符号2は陽極、符号3は正孔注入層、符号4は正孔輸送層、符
号5は発光層、符号6は正孔阻止層、符号7は電子輸送層、符号8は電子注入層、符号9
は陰極を各々表す。
これらの構造に適用する材料は、公知の材料を適用することができ、特に制限はないが
、各層に関しての代表的な材料や製法を一例として以下に記載する。以下において、公報
論文等を引用している場合、該当内容を当業者の常識の範囲で適宜、適用、応用するこ
とができるものとする。

0096

<基板1>
基板1は、有機電界発光素子の支持体となるものであり、通常、石英ガラスの板、金
属板又は金属箔プラスチックフィルム又はシート等が用いられる。これらのうち、ガラ
ス板や、ポリエステルポリメタクリレートポリカーボネートポリスルホン等の透明
合成樹脂の板が好ましい。基板1は、外気による有機電界発光素子の劣化が起こり難い
ことからガスバリア性の高い材質とするのが好ましい。特に合成樹脂製の基板等のように
ガスバリア性の低い材質を用いる場合は、基板1の少なくとも片面に緻密なシリコン酸化
膜等を設けてガスバリア性を上げるのが好ましい。

0097

<陽極2>
陽極2は、発光層側の層に正孔を注入する機能を担う。陽極2は、通常、アルミニウム
、金、銀、ニッケルパラジウム白金等の金属;インジウム及び/又はスズの酸化物
金属酸化物ヨウ化銅等のハロゲン化金属カーボンブラック或いはポリ(3−メチル
チオフェン)、ポリピロールポリアニリン等の導電性高分子等により構成される。

0098

陽極2の形成は、通常、スパッタリング法、真空蒸着法等の乾式法により行われること
が多い。銀等の金属微粒子、ヨウ化銅等の微粒子、カーボンブラック、導電性金属酸化
物微粒子、導電性高分子微粉末等を用いて陽極2を形成する場合には、適当なバインダー
樹脂溶液に分散させて、基板上に塗布することにより形成することもできる。導電性高分
子の場合は、電解重合により直接基板上に薄膜を形成したり、基板上に導電性高分子を塗
布したりして陽極2を形成することもできる(Appl.Phys.Lett.,60巻
,2711頁,1992年)。

0099

陽極2は、通常、単層構造であるが、適宜、積層構造としてもよい。陽極2が積層構造
である場合、1層目の陽極上に異なる導電材料を積層してもよい。
陽極2の厚みは、必要とされる透明性と材質等に応じて、決めればよい。特に高い透明
性が必要とされる場合は、可視光透過率が60%以上となる厚みが好ましく、80%以
上となる厚みが更に好ましい。陽極2の厚みは、通常5nm以上、好ましくは10nm以
上であり、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下とするのが好ましい。

0100

透明性が不要な場合は、陽極2の厚みは必要な強度等に応じて任意に厚みとすればよく
、この場合、陽極2は基板1と同一の厚みでもよい。
陽極2の表面に成膜を行う場合は、成膜前に、紫外線+オゾン、酸素プラズマ、アルゴ
プラズマ等の処理を施すことにより、陽極上の不純物を除去すると共に、そのイオン化
ポテンシャルを調整して正孔注入性を向上させておくのが好ましい。

0101

<正孔注入層3>
陽極2側から発光層5側に正孔を輸送する機能を担う層は、通常、正孔注入輸送層又は
正孔輸送層と呼ばれる。陽極2側から発光層5側に正孔を輸送する機能を担う層が2層以
上ある場合に、より陽極2側に近い方の層を正孔注入層3と呼ぶことがある。正孔注入層
3は、陽極2から発光層5側に正孔を輸送する機能を強化する点で、用いることが好まし
い。正孔注入層3を用いる場合、通常、正孔注入層3は、陽極2上に形成される。

0102

正孔注入層3の膜厚は、通常1nm以上、好ましくは5nm以上で、通常1000nm
以下、好ましくは500nm以下である。
正孔注入層3の形成方法は、真空蒸着法でも、湿式成膜法でもよい。成膜性が優れる点
では、湿式成膜法により形成することが好ましい。
正孔注入層3は、正孔輸送性化合物を含むことが好ましく、正孔輸送性化合物と電子受
容性化合物とを含むことがより好ましい。更には、正孔注入層3中にカチオンラジカル
合物を含むことが好ましく、カチオンラジカル化合物と正孔輸送性化合物とを含むことが
特に好ましい。

0103

(正孔輸送性化合物)
正孔注入層形成用組成物は、通常、正孔注入層3となる正孔輸送性化合物を含有する。
湿式成膜法の場合は、通常、更に溶剤も含有する。正孔注入層形成用組成物は、正孔輸
送性が高く、注入された正孔を効率よく輸送できるのが好ましい。このため、正孔移動度
が大きく、トラップとなる不純物が製造時や使用時等に発生し難いのが好ましい。また、
安定性に優れ、イオン化ポテンシャルが小さく、可視光に対する透明性が高いことが好ま
しい。特に、正孔注入層3が発光層5と接する場合は、発光層5からの発光を消光しない
ものや発光層5とエキサイプレックスを形成して、発光効率を低下させないものが好まし
い。

0104

正孔輸送性化合物としては、陽極2から正孔注入層3への電荷注入障壁の観点から、4
.5eV〜6.0eVのイオン化ポテンシャルを有する化合物が好ましい。正孔輸送性化
合物の例としては、芳香族アミン系化合物フタロシアニン系化合物ポルフィリン系化
合物、オリゴチオフェン系化合物ポリチオフェン系化合物ベンジルフェニル系化合物
フルオレン基で3級アミンを連結した化合物、ヒドラゾン系化合物シラザン系化合物
キナクリドン系化合物等が挙げられる。

0105

上述の例示化合物のうち、非晶質性及び可視光透過性の点から、芳香族アミン化合物
好ましく、芳香族三級アミン化合物が特に好ましい。芳香族三級アミン化合物とは、芳香
三級アミン構造を有する化合物であって、芳香族三級アミン由来の基を有する化合物も
含む。
芳香族三級アミン化合物の種類は、特に制限されないが、表面平滑化効果により均一な
発光を得やすい点から、重量平均分子量が1000以上1000000以下の高分子化
物(繰り返し単位が連なる重合型化合物)を用いるのが好ましい。芳香族三級アミン高分
子化合物の好ましい例としては、下記式(I)で表される繰り返し単位を有する高分子化
合物等が挙げられる。

0106

0107

(式(I)中、Ar1及びAr2は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香
族基又は置換基を有していてもよい複素芳香族基を表す。Ar3〜Ar5は、それぞれ独
立して、置換基を有していてもよい芳香族基又は置換基を有していてもよい複素芳香族基
を表す。Qは、下記の連結基群の中から選ばれる連結基を表す。また、Ar1〜Ar5の
うち、同一のN原子に結合する二つの基は互いに結合して環を形成してもよい。

0108

下記に連結基を示す。

0109

0110

(上記各式中、Ar6〜Ar16は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香
族基又は置換基を有していてもよい複素芳香族基を表す。Ra〜Rbは、それぞれ独立し
て、水素原子又は任意の置換基を表す。)
Ar1〜Ar16の芳香族基及び複素芳香族基としては、高分子化合物の溶解性、耐熱
性、正孔注入輸送性の点から、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、チオフェ
ン環、ピリジン環由来の基が好ましく、ベンゼン環、ナフタレン環由来の基がさらに好ま
しい。

0111

式(I)で表される繰り返し単位を有する芳香族三級アミン高分子化合物の具体例とし
ては、国際公開第2005/089024号パンフレットに記載のもの等が挙げられる。
電子受容性化合物
正孔注入層3は、正孔輸送性化合物の酸化により、正孔注入層3の導電率を向上させる
ことができるため、電子受容性化合物を含有していることが好ましい。

0112

電子受容性化合物としては、酸化力を有し、上述の正孔輸送性化合物から一電子受容
能力を有する化合物が好ましく、具体的には、電子親和力が4eV以上である化合物が
好ましく、電子親和力が5eV以上である化合物が更に好ましい。
このような電子受容性化合物としては、例えば、トリアリールホウ素化合物ハロゲン
化金属、ルイス酸有機酸オニウム塩アリールアミンとハロゲン化金属との塩、アリ
ルアミンとルイス酸との塩よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物等が挙げ
られる。具体的には、4−イソプロピル−4’−メチルジフェニルヨードニウムテトラ
ス(ペンタフルオロフェニルボラートトリフェニルスルホニウムテトラフルオロボラ
ート等の有機基の置換したオニウム塩(国際公開第2005/089024号);塩化鉄
(III)(特開平11−251067号公報)、ペルオキソ二硫酸アンモニウム等の高
原子価無機化合物テトラシアノエチレン等のシアノ化合物;トリス(ペンタフルオロ
フェニル)ボラン(特開2003−31365号公報)等の芳香族ホウ素化合物フラ
レン誘導体及びヨウ素等が挙げられる。

0113

(カチオンラジカル化合物)
カチオンラジカル化合物としては、正孔輸送性化合物から一電子取り除いた化学種であ
るカチオンラジカルと、対アニオンとからなるイオン化合物が好ましい。カチオンラジカ
ルが正孔輸送性の高分子化合物由来である場合、カチオンラジカルは高分子化合物の繰り
返し単位から一電子取り除いた構造となる。

0114

カチオンラジカルとしては、正孔輸送性化合物として前述した化合物から一電子取り除
いた化学種であることが好ましい。正孔輸送性化合物として好ましい化合物から一電子取
り除いた化学種であることが、非晶質性、可視光の透過率、耐熱性、及び溶解性などの点
から好適である。
カチオンラジカル化合物は、前述の正孔輸送性化合物と電子受容性化合物を混合するこ
とにより生成させることができる。前述の正孔輸送性化合物と電子受容性化合物とを混合
することにより、正孔輸送性化合物から電子受容性化合物へと電子移動が起こり、正孔輸
送性化合物のカチオンラジカルと対アニオンとからなるカチオンイオン化合物が生成する

0115

PEDOT/PSS(Adv.Mater.,2000年,12巻,481頁)やエメ
ラルジン塩酸塩(J.Phys.Chem.,1990年,94巻,7716頁)等の高
分子化合物由来のカチオンラジカル化合物は、酸化重合脱水素重合)することによって
も生成する。
ここでいう酸化重合は、モノマー酸性溶液中で、ペルオキソ二硫酸塩等を用いて化学
的に、又は、電気化学的に酸化するものである。この酸化重合(脱水素重合)の場合、モ
ノマーが酸化されることにより高分子化されるとともに、酸性溶液由来のアニオンを対ア
オンとする、高分子の繰り返し単位から一電子取り除かれたカチオンラジカルが生成す
る。

0116

(湿式成膜法による正孔注入層3の形成)
湿式成膜法により正孔注入層3を形成する場合、通常、正孔注入層3となる材料を可溶
な溶剤(正孔注入層用溶剤)と混合して成膜用の組成物(正孔注入層形成用組成物)を調
製し、この正孔注入層形成用組成物を正孔注入層3の下層に該当する層(通常は、陽極2
)上に湿式成膜法により成膜し、乾燥させることにより形成させる。成膜した膜の乾燥は
、湿式成膜法による発光層5の形成における乾燥方法と同様に行うことができる。

0117

正孔注入層形成用組成物中における正孔輸送性化合物の濃度は、本発明の効果を著しく
損なわない限り任意であるが、膜厚の均一性の点では、低い方が好ましく、正孔注入層3
欠陥が生じ難い点では、高い方が好ましい。正孔注入層形成用組成物中における正孔輸
送性化合物の濃度は、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上が更に好ましく
、0.5質量%以上が特に好ましく、70質量%以下が好ましく、60質量%以下が更に
好ましく、50質量%以下が特に好ましい。

0118

溶剤としては、例えば、エーテル系溶剤エステル系溶剤芳香族炭化水素系溶剤、ア
ミド系溶剤などが挙げられる。
エーテル系溶剤としては、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレング
リコールジエチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート
(PGMEA)等の脂肪族エーテル及び1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメト
シベンゼン、アニソール、フェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン
、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール等
芳香族エーテル等が挙げられる。

0119

エステル系溶剤としては、例えば、酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メ
チル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸n−ブチル等の芳香族エステル等が
挙げられる。
芳香族炭化水素系溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキシルベンゼ
ン、3−イソプロピルビフェニル、1,2,3,4−テトラメチルベンゼン、1,4−ジ
イソプロピルベンゼンメチルナフタレン等が挙げられる。

0120

アミド系溶剤としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルア
セトアミド等が挙げられる。
これらの他、ジメチルスルホキシド等も用いることができる。
正孔注入層3の湿式成膜法による形成は、通常、正孔注入層形成用組成物を調製後に、
これを、正孔注入層3の下層に該当する層(通常は、陽極2)上に塗布成膜し、乾燥する
ことにより行われる。正孔注入層3は、通常、成膜後に、加熱や減圧乾燥等により塗布膜
を乾燥させる。

0121

(真空蒸着法による正孔注入層3の形成)
真空蒸着法により正孔注入層3を形成する場合には、通常、正孔注入層3の構成材料
前述の正孔輸送性化合物、電子受容性化合物等)の1種類又は2種類以上を真空容器内に
設置された坩堝に入れ(2種類以上の材料を用いる場合は、通常各々を別々の坩堝に入れ
)、真空容器内を真空ポンプで10−4Pa程度まで排気した後、坩堝を加熱して(2種
類以上の材料を用いる場合は、通常各々の坩堝を加熱して)、坩堝内の材料の蒸発量を制
御しながら蒸発させ(2種類以上の材料を用いる場合は、通常各々独立に蒸発量を制御し
ながら蒸発させ)、坩堝に向き合って置かれた基板上の陽極2上に正孔注入層3を形成さ
せる。2種類以上の材料を用いる場合は、それらの混合物を坩堝に入れ、加熱、蒸発させ
て正孔注入層3を形成することもできる。

0122

蒸着時の真空度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、通常0.1
×10−6Torr(0.13×10−4Pa)以上、9.0×10−6Torr(12
.0×10−4Pa)以下である。蒸着速度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限
定されないが、通常0.1Å/秒以上、5.0Å/秒以下である。蒸着時の成膜温度は、
本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、好ましくは10℃以上、50℃以
下で行われる。

0123

<正孔輸送層4>
正孔輸送層4は、陽極2側から発光層5側に正孔を輸送する機能を担う層である。正孔
輸送層4は、本発明の有機電界発光素子では、必須の層では無いが、陽極2から発光層5
に正孔を輸送する機能を強化する点では、この層を設けることが好ましい。正孔輸送層4
を設ける場合、通常、正孔輸送層4は、陽極2と発光層5の間に形成される。正孔注入層
3がある場合、正孔輸送層4は正孔注入層3と発光層5の間に形成される。

0124

正孔輸送層4の膜厚は、通常5nm以上、好ましくは10nm以上で、通常300nm
以下、好ましくは100nm以下である。
正孔輸送層4の形成方法は、真空蒸着法でも、湿式成膜法でもよい。成膜性が優れる点
では、湿式成膜法により形成することが好ましい。
正孔輸送層4は、通常、正孔輸送層4となる正孔輸送性化合物を含有する。正孔輸送層
4に含まれる正孔輸送性化合物としては、特に、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル
−N−フェニルアミノ]ビフェニルで代表される、2個以上の3級アミンを含み2個以上
の縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香族ジアミン(特開平5−234681号公報)
、4,4’,4’’−トリス(1−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン等のス
ターバースト構造を有する芳香族アミン化合物(J.Lumin.,72−74巻、98
5頁、1997年)、トリフェニルアミンの四量体から成る芳香族アミン化合物(Che
m.Commun.,2175頁、1996年)、2,2’,7,7’−テトラキス−(
ジフェニルアミノ)−9,9’−スピロビフルオレン等のスピロ化合物(Synth.M
etals,91巻、209頁、1997年)、4,4’−N,N’−ジカルバゾールビ
フェニルなどのカルバゾール誘導体などが挙げられる。ポリビニルカルバゾール、ポリビ
ニルトリフェニルアミン(特開平7−53953号公報)、テトラフェニルベンジジン
含有するポリアリーレンエーテルサルホン(Polym.Adv.Tech.,7巻、3
3頁、1996年)等も好ましく使用できる。

0125

(湿式成膜法による正孔輸送層4の形成)
湿式成膜法で正孔輸送層4を形成する場合は、通常、上述の正孔注入層3を湿式成膜法
で形成する場合と同様にして、正孔注入層形成用組成物の代わりに正孔輸送層形成用組成
物を用いて形成させる。
湿式成膜法で正孔輸送層4を形成する場合は、通常、正孔輸送層形成用組成物は、更に
溶剤を含有する。正孔輸送層形成用組成物に用いる溶剤は、上述の正孔注入層形成用組成
物で用いる溶剤と同様の溶剤を使用することができる。

0126

正孔輸送層形成用組成物中の正孔輸送性化合物の濃度は、正孔注入層形成用組成物中の
正孔輸送性化合物の濃度と同様の範囲とすることができる。
正孔輸送層4の湿式成膜法による形成は、前述の正孔注入層3の成膜法と同様に行うこ
とができる。
(真空蒸着法による正孔輸送層4の形成)
真空蒸着法で正孔輸送層4を形成する場合も、通常、上述の正孔注入層3を真空蒸着法
で形成する場合と同様にして、正孔注入層3の構成材料の代わりに正孔輸送層4の構成材
料を用いて形成させることができる。蒸着時の真空度、蒸着速度及び温度などの成膜条件
などは、正孔注入層3の真空蒸着時と同様の条件で成膜することができる。

0127

<発光層5>
発光層5は、一対の電極間に電界が与えられた時に、陽極2から注入される正孔と陰極
9から注入される電子が再結合することにより励起され、発光する機能を担う層である。
発光層5は、陽極2と陰極9の間に形成される層である。発光層5は、陽極2の上に正
孔注入層3がある場合は、正孔注入層3と陰極9の間に形成され、陽極2の上に正孔輸送
層4がある場合は、正孔輸送層4と陰極9との間に形成される。

0128

発光層5の膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、膜に欠陥が生
じ難い点では厚い方が好ましく、一方、薄い方が低駆動電圧としやすい点で好ましい。発
光層5の膜厚は、3nm以上が好ましく、5nm以上が更に好ましく、通常200nm以
下が好ましく、100nm以下が更に好ましい。
発光層5は、本発明の有機電界発光素子用組成物を用いて湿式塗布法により形成される
ことが好ましい。

0129

本発明の有機電界発光素子用組成物を用いて湿式塗布法により形成された発光層以外に
も発光材料及び電荷輸送材料を含んでもよく、以下、他の発光材料及び電荷輸送材料につ
いて詳述する。
(発光材料)
発光材料は、所望の発光波長で発光し、本発明の効果を損なわない限り特に制限はなく
、公知の発光材料を適用可能である。発光材料は、蛍光発光材料でも、燐光発光材料でも
よいが、発光効率が良好である材料が好ましく、内部量子効率の観点から燐光発光材料が
好ましい。

0130

蛍光発光材料としては、例えば、以下の材料が挙げられる。
青色発光を与える蛍光発光材料(青色蛍光発光材料)としては、例えば、ナフタレン、
ペリレン、ピレン、アントラセン、クマリン、クリセン、p−ビス(2−フェニルエテニ
ル)ベンゼン及びそれらの誘導体等が挙げられる。
緑色発光を与える蛍光発光材料(緑色蛍光発光材料)としては、例えば、キナクリドン
誘導体、クマリン誘導体、Al(C9H6NO)3などのアルミニウム錯体等が挙げられ
る。

0131

黄色発光を与える蛍光発光材料(黄色蛍光発光材料)としては、例えば、ルブレン、ペ
リミドン誘導体等が挙げられる。
赤色発光を与える蛍光発光材料(赤色蛍光発光材料)としては、例えば、DCM(4−
(dicyanomethylene)−2−methyl−6−(p−dimethy
laminostyryl)−4H−pyran)系化合物、ベンゾピラン誘導体、ロー
ダミン誘導体、ベンゾチオキサンテン誘導体、アザベンゾチオキサンテン等が挙げられる

0132

燐光発光材料としては、例えば、長周期型周期表(以下、特に断り書きの無い限り「周
期表」という場合には、長周期型周期表を指すものとする。)の第7〜11族から選ばれ
る金属を含む有機金属錯体等が挙げられる。周期表の第7〜11族から選ばれる金属とし
て、好ましくは、ルテニウムロジウム、パラジウム、銀、レニウムオスミウムイリ
ジウム、白金、金等が挙げられる。

0133

有機金属錯体の配位子としては、(ヘテロ)アリールピリジン配位子、(ヘテロ)アリ
ールピラゾール配位子などの(ヘテロ)アリール基とピリジン、ピラゾール、フェナント
ロリンなどが連結した配位子が好ましく、特にフェニルピリジン配位子、フェニルピラゾ
ール配位子が好ましい。ここで、(ヘテロ)アリールとは、アリール基又はヘテロアリ
ル基を表す。

0134

好ましい燐光発光材料として、具体的には、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウ
ム、トリス(2−フェニルピリジン)ルテニウム、トリス(2−フェニルピリジン)パラ
ジウム、ビス(2−フェニルピリジン)白金、トリス(2−フェニルピリジン)オスミウ
ム、トリス(2−フェニルピリジン)レニウム等のフェニルピリジン錯体及びオクタエチ
白金ポルフィリン、オクタフェニル白金ポルフィリン、オクタエチルパラジウムポル
ィリン、オクタフェニルパラジウムポルフィリン等のポルフィリン錯体等が挙げられる。

0135

高分子系の発光材料としては、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル
)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(4,4’−(
N−(4−sec−ブチルフェニル))ジフェニルアミン)]、ポリ[(9,9−ジオク
チルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(1,4−ベンゾ−2{2,1’−3}−ト
リアゾール)]などのポリフルオレン系材料、ポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルヘ
キシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン]などのポリフェニレンビニレン系材料が
挙げられる。

0136

電荷輸送性材料
電荷輸送性材料は、正電荷(正孔)又は負電荷(電子)輸送性を有する材料であり、本
発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、公知の材料を適用可能である。
電荷輸送性材料は、従来、有機電界発光素子の発光層5に用いられている化合物等を用
いることができ、特に、発光層5のホスト材料として使用されている化合物が好ましい。

0137

電荷輸送性材料としては、具体的には、芳香族アミン系化合物、フタロシアニン化合
物、ポルフィリン系化合物、オリゴチオフェン系化合物、ポリチオフェン系化合物、ベン
ジルフェニル系化合物、フルオレン基で3級アミンを連結した化合物、ヒドラゾン系化合
物、シラザン系化合物、シラナミン系化合物、ホスファミン系化合物、キナクリドン系化
合物等の正孔注入層3の正孔輸送性化合物として例示した化合物等が挙げられる他、アン
トラセン系化合物、ピレン系化合物カルバゾール系化合物ピリジン系化合物、フェナ
トロリン系化合物、オキサジアゾール系化合物、シロール系化合物等の電子輸送性化合
物等が挙げられる。

0138

電荷輸送性材料としては、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミ
ノ]ビフェニルで代表される2個以上の3級アミンを含み2個以上の縮合芳香族環が窒素
原子に置換した芳香族ジアミン(特開平5−234681号公報)、4,4’,4’’−
トリス(1−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン等のスターバースト構造を有
する芳香族アミン系化合物(J.Lumin.,72−74巻、985頁、1997年)
、トリフェニルアミンの四量体から成る芳香族アミン系化合物(Chem.Commun
.,2175頁、1996年)、2,2’,7,7’−テトラキス−(ジフェニルアミノ
)−9,9’−スピロビフルオレン等のフルオレン系化合物(Synth.Metals
,91巻、209頁、1997年)、4,4’−N,N’−ジカルバゾールビフェニルな
どのカルバゾール系化合物等の正孔輸送層4の正孔輸送性化合物として例示した化合物等
も好ましく用いることができる。その他、2−(4−ビフェニリル)−5−(p−ターシ
ャルブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(tBu−PBD)、2,5−ビ
ス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール(BND)などのオキサジアゾール
系化合物、2,5−ビス(6’−(2’,2”−ビピリジル))−1,1−ジメチル−3
,4−ジフェニルシロール(PyPySPyPy)等のシロール系化合物、バソフェナン
トロリン(BPhen)、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナン
トロリン(BCP、バソクプロイン)などのフェナントロリン系化合物等も挙げられる。

0139

(湿式成膜法による発光層5の形成)
本発明の有機電界発光素子は、本発明の有機電界発光素子用組成物を用いて、湿式塗布
用により形成した発光層を有する。
発光層5として、本発明の有機電界発光素子用組成物を用いて、湿式塗布用により形成
した発光層の他にも、発光層を有しても良い。この発光層の形成方法は、真空蒸着法でも
、湿式成膜法でもよいが、成膜性に優れることから、湿式成膜法が好ましい。

0140

湿式成膜法により発光層5を形成する場合は、通常、上述の正孔注入層3を湿式成膜法
で形成する場合と同様にして、正孔注入層形成用組成物の代わりに、発光層5となる材料
を可溶な溶剤(発光層用溶剤)と混合して調製した発光層形成用組成物を用いて形成させ
る。
溶剤としては、例えば、正孔注入層3の形成について挙げたエーテル系溶剤、エステル
系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、アミド系溶剤の他、アルカン系溶剤ハロゲン化芳香族
炭化水系溶剤脂肪族アルコール系溶剤、脂環族アルコール系溶剤脂肪族ケトン系溶剤
及び脂環族ケトン系溶剤などが挙げられる。用いる溶剤は、本発明のイリジウム錯体化合
含有組成物の溶剤としても例示した通りである。以下に溶剤の具体例を挙げるが、本発
明の効果を損なわない限り、これらに限定されるものではない。

0141

例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル
、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート(PGMEA)等の脂肪族
エーテル系溶剤;1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソー
ル、フェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトル
ン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール、ジフェニルエーテル等
芳香族エーテル系溶剤;酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル、安息
香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸n−ブチル等の芳香族エステル系溶剤;トルエ
ン、キシレン、メシチレン、シクロヘキシルベンゼン、テトラリン、3−イソプロピルビ
フェニル、1,2,3,4−テトラメチルベンゼン、1,4−ジイソプロピルベンゼン
メチルナフタレン等の芳香族炭化水素系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−
ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤;n−デカン、シクロヘキサン、エチルシクロヘ
キサン、デカリン、ビシクロヘキサン等のアルカン系溶剤;クロロベンゼン、ジクロロベ
ンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素系溶剤;ブタノール、ヘキサ
ノール等の脂肪族アルコール系溶剤;シクロヘキサノール、シクロオクタノール等の脂環
族アルコール系溶剤;メチルエチルケトン、ジブチルケトン等の脂肪族ケトン系溶剤;シ
クロヘキサノン、シクロオクタノン、フェンコン等の脂環族ケトン系溶剤等が挙げられる
。これらのうち、アルカン系溶剤及び芳香族炭化水素系溶剤が特に好ましい。

0142

より均一な膜を得るためには、成膜直後液膜から溶剤が適当な速度で蒸発することが
好ましい。このため、用いる溶剤の沸点は、前述の通り、通常80℃以上、好ましくは1
00℃以上、より好ましくは120℃以上で、通常270℃以下、好ましくは250℃以
下、より好ましくは沸点230℃以下である。
溶剤の使用量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、発光層形成用
成物、即ちイリジウム錯体化合物含有組成物中の合計含有量は、低粘性なために成膜作業
が行いやすい点で多い方が好ましく、厚膜で成膜しやすい点では低い方が好ましい。前述
の通り、溶剤の含有量は、イリジウム錯体化合物含有組成物において好ましくは1質量%
以上、より好ましくは10質量%以上、特に好ましくは50質量%以上で、好ましくは9
9.99質量%以下、より好ましくは99.9質量%以下、特に好ましくは99質量%以
下である。

0143

湿式成膜後の溶剤除去方法としては、加熱又は減圧を用いることができる。加熱方法
おいて使用する加熱手段としては、膜全体に均等に熱を与えることから、クリーンオーブ
ン、ホットプレートが好ましい。
加熱工程における加熱温度は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、乾
燥時間を短くする点では温度が高いほうが好ましく、材料へのダメージが少ない点では低
い方が好ましい。加温温度の上限は通常250℃以下であり、好ましくは200℃以下、
さらに好ましくは150℃以下である。加温温度の下限は通常30℃以上であり、好まし
くは50℃以上、さらに好ましくは80℃以上である。上記上限を超える温度は、通常用
いられる電荷輸送材料又は燐光発光材料の耐熱性より高く、分解や結晶化する可能性があ
り好ましくない。加熱温度が上記下限未満では溶剤の除去に長時間を要するため、好まし
くない。加熱工程における加熱時間は、発光層形成用組成物中の溶剤の沸点や蒸気圧、材
料の耐熱性、および加熱条件によって適切に決定される。

0144

(真空蒸着法による発光層5の形成)
真空蒸着法により発光層5を形成する場合には、通常、発光層5の構成材料(前述の発
光材料、電荷輸送性化合物等)の1種類又は2種類以上を真空容器内に設置された坩堝に
入れ(2種類以上の材料を用いる場合は、通常各々を別々の坩堝に入れ)、真空容器内を
真空ポンプで10−4Pa程度まで排気した後、坩堝を加熱して(2種類以上の材料を用
いる場合は、通常各々の坩堝を加熱して)、坩堝内の材料の蒸発量を制御しながら蒸発さ
せ(2種類以上の材料を用いる場合は、通常各々独立に蒸発量を制御しながら蒸発させ)
、坩堝に向き合って置かれた正孔注入層3又は正孔輸送層4の上に発光層5を形成させる
。2種類以上の材料を用いる場合は、それらの混合物を坩堝に入れ、加熱、蒸発させて発
光層5を形成することもできる。

0145

蒸着時の真空度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、通常0.1
×10−6Torr(0.13×10−4Pa)以上、9.0×10−6Torr(12
.0×10−4Pa)以下である。蒸着速度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限
定されないが、通常0.1Å/秒以上、5.0Å/秒以下である。蒸着時の成膜温度は、
本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、好ましくは10℃以上、50℃以
下で行われる。

0146

<正孔阻止層6>
発光層5と後述の電子注入層8との間に、正孔阻止層6を設けてもよい。正孔阻止層6
は、発光層5の上に、発光層5の陰極9側の界面に接するように積層される層である。
正孔阻止層6は、陽極2から移動してくる正孔を陰極9に到達するのを阻止する役割
、陰極9から注入された電子を効率よく発光層5の方向に輸送する役割とを有する。正孔
阻止層6を構成する材料に求められる物性としては、電子移動度が高く正孔移動度が低い
こと、エネルギーギャップ(HOMO、LUMOの差)が大きいこと、励起三重項準位
T1)が高いことが挙げられる。

0147

このような条件を満たす正孔阻止層6の材料としては、例えば、ビス(2−メチル−8
キノリノラト)(フェノラト)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)
(トリフェニルシラノラト)アルミニウム等の混合配位子錯体、ビス(2−メチル−8−
キノラト)アルミニウム−μ−オキソ−ビス−(2−メチル−8−キノリノラト)アルミ
ニウム二核金属錯体等の金属錯体、ジスチリルビフェニル誘導体等のスチリル化合物(特
開平11−242996号公報)、3−(4−ビフェニルイル)−4−フェニル−5(4
−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール等のトリアゾール誘導体(特
開平7−41759号公報)、バソクプロイン等のフェナントロリン誘導体(特開平10
−79297号公報)などが挙げられる。国際公開第2005/022962号に記載の
2,4,6位が置換されたピリジン環を少なくとも1個有する化合物も、正孔阻止層6の
材料として好ましい。

0148

正孔阻止層6の形成方法に制限はなく、前述の発光層5の形成方法と同様にして形成す
ることができる。
正孔阻止層6の膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.
3nm以上、好ましくは0.5nm以上で、通常100nm以下、好ましくは50nm以
下である。

0149

<電子輸送層7>
電子輸送層7は素子の電流効率をさらに向上させることを目的として、発光層5又は正
素子層6と電子注入層8との間に設けられる。
電子輸送層7は、電界を与えられた電極間において陰極9から注入された電子を効率よ
く発光層5の方向に輸送することができる化合物より形成される。電子輸送層7に用いら
れる電子輸送性化合物としては、陰極9又は電子注入層8からの電子注入効率が高く、か
つ、高い電子移動度を有し注入された電子を効率よく輸送することができる化合物である
ことが必要である。

0150

このような条件を満たす電子輸送性化合物としては、例えば、8−ヒドロキシキノリン
のアルミニウム錯体などの金属錯体(特開昭59−194393号公報)、10−ヒドロ
キシベンゾ[h]キノリンの金属錯体、オキサジアゾール誘導体、ジスチリルビフェニル
誘導体、シロール誘導体3−ヒドロキシフラボン金属錯体、5−ヒドロキシフラボン
属錯体、ベンズオキサゾール金属錯体、ベンゾチアゾール金属錯体、トリスベンズイミダ
ゾリルベンゼン(米国特許第5645948号明細書)、キノキサリン化合物(特開平6
−207169号公報)、フェナントロリン誘導体(特開平5−331459号公報)、
2−t−ブチル−9,10−N,N’−ジシアノアントラキノンジイミン、n型水素化非
晶質炭化シリコン、n型硫化亜鉛、n型セレン化亜鉛などが挙げられる。

0151

電子輸送層7の膜厚は、通常1nm以上、好ましくは5nm以上で、通常300nm以
下、好ましくは100nm以下である。
電子輸送層7は、発光層5と同様にして湿式成膜法、或いは真空蒸着法により発光層5
又は正孔阻止層6上に積層することにより形成される。通常は、真空蒸着法が用いられる

0152

<電子注入層8>
電子注入層8は、陰極9から注入された電子を効率よく、電子輸送層7又は発光層5へ
注入する役割を果たす。
電子注入を効率よく行うには、電子注入層8を形成する材料は、仕事関数の低い金属が
好ましい。例としては、ナトリウムセシウム等のアルカリ金属バリウムカルシウム
などのアルカリ土類金属等が用いられる。

0153

電子注入層8の膜厚は、0.1〜5nmが好ましい。
陰極9と電子輸送層7との界面に電子注入層8として、LiF、MgF2、Li2O、
Cs2CO3等の極薄絶縁膜(膜厚0.1〜5nm程度)を挿入することも、素子の効率
を向上させる有効な方法である(Appl.Phys.Lett.,70巻,152頁,
1997年;特開平10−74586号公報;IEEETrans.Electron.
Devices,44巻,1245頁,1997年;SID 04 Digest,15
4頁)。

0154

さらに、バソフェナントロリン等の含窒素複素環化合物や8−ヒドロキシキノリンのア
ルミニウム錯体などの金属錯体に代表される有機電子輸送材料に、ナトリウム、カリウム
、セシウム、リチウムルビジウム等のアルカリ金属をドープする(特開平10−270
171号公報、特開2002−100478号公報、特開2002−100482号公報
などに記載)ことにより、電子注入・輸送性が向上し優れた膜質両立させることが可能
となるため好ましい。この場合の膜厚は通常5nm以上、好ましくは10nm以上で、通
常200nm以下、好ましくは100nm以下である。

0155

電子注入層8は、発光層5と同様にして湿式成膜法或いは真空蒸着法により、発光層5
或いはその上の正孔阻止層6又は電子輸送層7上に積層することにより形成される。
湿式成膜法の場合の詳細は、前述の発光層5の場合と同様である。
<陰極9>
陰極9は、発光層5側の層(電子注入層8又は発光層5など)に電子を注入する役割を
果たす。陰極9の材料としては、前記の陽極2に使用される材料を用いることが可能であ
るが、効率よく電子注入を行なう上では、仕事関数の低い金属を用いることが好ましく、
例えば、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀等の金属又は
それらの合金などが用いられる。陰極9の材料としては、例えば、マグネシウム−銀合金
、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金等の低仕事関数の合金電
極などが挙げられる。

0156

素子の安定性の点では、陰極9の上に、仕事関数が高く、大気に対して安定な金属層
積層して、低仕事関数の金属からなる陰極9を保護するのが好ましい。積層する金属とし
ては、例えば、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、クロム、金、白金等の金属が挙げられ
る。
陰極の膜厚は通常、陽極2と同様である。

0157

<その他の構成層
以上、図1に示す層構成の素子を中心に説明したが、本発明の有機電界発光素子におけ
る陽極2及び陰極9と発光層5との間には、その性能を損なわない限り、上記説明にある
層の他にも、任意の層を有していてもよく、また発光層5以外の任意の層を省略してもよ
い。

0158

例えば、正孔阻止層8と同様の目的で、正孔輸送層4と発光層5の間に電子阻止層を設
けることも効果的である。電子阻止層は、発光層5から移動してくる電子が正孔輸送層4
に到達することを阻止することで、発光層5内で正孔との再結合確率を増やし、生成した
励起子を発光層5内に閉じこめる役割と、正孔輸送層4から注入された正孔を効率よく発
光層5の方向に輸送する役割がある。

0159

電子阻止層に求められる特性としては、正孔輸送性が高く、エネルギーギャップ(HO
MO、LUMOの差)が大きいこと、励起三重項準位(T1)が高いことが挙げられる。
発光層5を湿式成膜法で形成する場合、電子阻止層も湿式成膜法で形成することが、素
子製造が容易となるため、好ましい。
このため、電子阻止層も湿式成膜適合性を有することが好ましく、このような電子阻止
層に用いられる材料としては、F8−TFBに代表されるジオクチルフルオレンとトリフ
ェニルアミンの共重合体(国際公開第2004/084260号)等が挙げられる。

0160

図1とは逆の構造、即ち、基板1上に陰極9、電子注入層8、電子輸送層7、正孔阻止
層6、発光層5、正孔輸送層4、正孔注入層3、陽極2の順に積層することも可能である
。少なくとも一方が透明性の高い2枚の基板の間に本発明の有機電界発光素子を設けるこ
とも可能である。
図1に示す層構成を複数段重ねた構造(発光ユニットを複数積層させた構造)とするこ
とも可能である。その際には段間(発光ユニット間)の界面層(陽極がITO、陰極がA
lの場合はその2層)の代わりに、例えばV2O5等を電荷発生層として用いると段間の
障壁が少なくなり、発光効率・駆動電圧の観点からより好ましい。

0161

本発明は、有機電界発光素子が、単一の素子、アレイ状に配置された構造からなる素子
、陽極と陰極がX−Yマトリックス状に配置された構造のいずれにおいても適用すること
ができる。
[表示装置及び照明装置]
本発明の表示装置及び照明装置は、上述のような本発明の有機電界発光素子を用いたも
のである。本発明の表示装置及び照明装置の形式や構造については特に制限はなく、本発
明の有機電界発光素子を用いて常法に従って組み立てることができる。

0162

例えば、「有機ELディスプレイ」(オーム社、平成16年8月20日発刊、時任静士
、安達千波矢、田英幸著)に記載されているような方法で、本発明の表示装置および照
明装置を形成することができる。

0163

以下、実施例を示して本発明について更に具体的に説明する。本発明は以下の実施例に
限定されるものではなく、本発明はその要旨を逸脱しない限り任意に変更して実施できる
。合成例に記載される反応はすべて窒素気流下で実施され、反応に用いられる溶媒は、必
要に応じて窒素バブリングなど適切な方法で脱気を行った。
<合成例1:化合物1の合成>

0164

0165

500mlナス型フラスコに、1−ブロモ−3−n−ヘキシルベンゼン12.28g
、3−N−カルバゾルフェニルボロン酸14.54g、テトラキス(トリフェニルホス
フィン)パラジウム(0) 1.82g、2M−リン酸三カリウム水溶液75ml、ト
エン100mlおよびエタノール50mlを入れ、105℃のオイルバスで105
分間還流させながら撹拌した。室温まで冷却後、水相を除去し、溶媒を減圧下除去して得
られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(中性シリカゲル展開溶媒ジク
メタン・ヘキサン)で精製したところ、無色油状物質として3−N−カルバゾル−3’
−n−ヘキシル−1,1’−ビフェニルを20.79g得た。

0166

0167

1Lナス型フラスコに、3−N−カルバゾル−3’−n−ヘキシル−1,1’−ビフェ
ニル20.79g、N−ブロモこはくイミド8.14g、ジクロロメタン720
mlを加え、室温で2時間撹拌後、トリフルオロ酢酸1.5mlを加えさらに105分
間撹拌した。溶媒を減圧下除去した後得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(逆相シリカゲル、展開溶媒:アセトニトリルテトラヒドロフラン)で精製を試み
たところ、薄い黄緑色の油状物質として中間体1を22.22g得た。ただし、このもの
液体クロマトグラフ分析によると、原料および過剰に臭素化されたと推定される不純物
を含み、LC面百値の純度は90%であった。

0168

0169

1Lナス型フラスコに、中間体1(LC純度90%) 22.22g、ビス(ピナコラ
ート)ジボロン15.44g、酢酸カリウム21.75g、[1,1’−ビス(ジフ
ェニルホスフィノフェロセン]パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン付加物
1.08gおよびジメチルスルホキシド250mlを入れ、90℃のオイルバス中
140分間撹拌した。その後水 400mlを加え、ジクロロメタン 150mlで2回
抽出し、飽和食塩水150mlで洗浄した後、硫酸マグネシウムをかさで20ml加え
て乾燥した。ろ過し、溶媒を減圧下除去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト
ラフィー(中性シリカゲル、展開溶媒:ジクロロメタン・ヘキサン)で精製したところ、
無色アモルファスとして中間体2を10.27g得た。

0170

0171

300mlナス型フラスコに、2−(3−ブロモフェニル)−5−フェニルピリジン
3.84g、中間体2 6.35g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム
(0) 0.31g、2M−リン酸三カリウム水溶液20ml、トルエン40mlお
よびエタノール25mlを入れ、105℃のオイルバスで6時間還流させながら撹拌し
た。室温まで冷却後、水相を除去し、溶媒を減圧下除去して得られた残渣をシリカゲル
ラムクロマトグラフィー(中性シリカゲル、展開溶媒:ジクロロメタン・ヘキサン)で精
製したところ、薄い黄色のアモルファス物質として中間体3を6.37g得た。なお、2
−(3−ブロモフェニル)−5−フェニルピリジンは、特許公開2014−423436
0号記載の方法で合成した。

0172

0173

100mlナス型フラスコに、中間体3 5.97g、トリス(アセチルアセトナト
イリジウム(III) 1.14g、グリセリン22.5gを入れ、オイルバスを室温
から230℃に昇温し6時間撹拌した。室温まで冷却後、残渣を水 50mlで洗浄し、
ジクロロメタン100mlで溶解した後、硫酸マグネシウムをかさで10ml加えて乾
燥させた。ろ過後、溶媒除去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(
中性シリカゲル、展開溶媒:ジクロロメタン・ヘキサン)で精製したところ、橙色固体
化合物1を0.91g得た。化合物1の最大発光波長は、566nmであった。

0174

<合成例2:化合物2の合成>

0175

0176

1Lナス型フラスコに、2−クロロー5−ヨードピリジン9.99g、中間体4 1
8.06g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0) 1.20g、2
M−リン酸三カリウム水溶液50ml、トルエン100mlおよびエタノール40
mlを入れ、100℃のオイルバスで7時間還流させながら撹拌した。室温まで冷却後、
水相を除去し、溶媒を減圧下除去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(中性シリカゲル、展開溶媒:ジクロロメタン・ヘキサン)で精製したところ、薄い黄
色のアモルファス物質として中間体5を16.48g得た。なお、中間体4は、特許公開
2016/194784A1号記載の中間体(9)の方法で合成した。

0177

0178

1Lナス型フラスコに、中間体5 16.48g、m−メトキシフェニルボロン酸
.80g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0) 2.01g、2M
−リン酸三カリウム水溶液60ml、トルエン100mlおよびエタノール50m
lを入れ、100℃のオイルバスで4時間還流させながら撹拌した。室温まで冷却後、水
相を除去し、溶媒を減圧下除去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(中性シリカゲル、展開溶媒:ジクロロメタン・ヘキサン)で精製したところ、薄い黄色
のアモルファス物質として中間体6を18.28g得た。

0179

0180

1Lナス型フラスコに、中間体6 18.28g、乾燥ジクロロメタン40mlを入
れ、氷水浴に浸した。その後撹拌しながら1M−三臭化ホウジクロロメタン溶液40
mlを15分間かけてシリンジ注入した。さらに室温で2時間撹拌した後、1M−三臭化
ホウ素ジクロロメタン溶液を25ml加え、引き続き室温で1時間撹拌した。その後水
500mlで分液洗浄を試みたが油相が懸濁したので、2M−リン酸三カリウム水溶液
200ml、酢酸エチル1Lを加えて、懸濁した油相を減圧下溶媒除去し得られた黄色
残渣にさらに酢酸エチルを加えて分離した水相を除去し、酢酸エチル相を減圧下溶媒除去
した。

0181

得られた黄色残渣18.20gを1Lナス型フラスコに入れ、乾燥ジクロロメタン2
00mlとトリエチルアミン14mlに溶解させた後、トリフルオロメタンスルホン酸
無水物 12mlを室温で加えたところ、発熱した。そのまま1.5時間撹拌した後、水
1Lで分液洗浄し、油相を減圧下溶媒除去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマ
グラフィー(中性シリカゲル、展開溶媒:ジクロロメタン・ヘキサン)で精製したとこ
ろ、褐色アモルファス物質として中間体7を9.62g得た。

0182

0183

1Lナス型フラスコに、中間体7 9.62g、ビス(ピナコラート)ジボロン4.
12g、酢酸カリウム6.95g、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノフェロ
セン]パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン付加物0.43gおよびジメチ
スルホキシド80mlを入れ、90℃のオイルバス中で90分間撹拌した。その後水
1Lを加え、ジクロロメタン 300mlで抽出し、油相を減圧下除去して得られた残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(中性シリカゲル、展開溶媒:ジクロロメタン
)で精製したところ、黄色アモルファスとして中間体8を3.45g得た。

0184

0185

1Lナス型フラスコに、中間体8 3.45g、2−ブロモ−9,9−ジメチル−10
−フェニル−9,10−ジヒドロアクリジン(東京化成社製) 2.36g、テトラキス
(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0) 0.13g、2M−リン酸三カリウム水
溶液10ml、トルエン20mlおよびエタノール10mlを入れ、105℃のオ
イルバスで2時間還流させながら撹拌した。室温まで冷却後、水相を除去し、溶媒を減圧
下除去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(中性シリカゲル、展開
溶媒:ジクロロメタン・酢酸エチル)で精製したところ、薄い黄色のアモルファス物質と
して中間体9を1.03g得た。

0186

0187

100mlナス型フラスコに、中間体9 1.03g、トリス(アセチルアセトナト)
イリジウム(III) 0.15g、グリセリン1mlを入れ、オイルバスを180℃
から235℃まで7.5時間かけて昇温し、さらに235℃で2.5時間撹拌した。いっ
たん室温まで冷却した後再昇温し、245℃で35時間撹拌した。室温まで冷却後、残渣
を水 10mlで洗浄し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(中性
リカゲル、展開溶媒:ジクロロメタン・ヘキサン)で精製したところ、黄橙色固体の化合
物2を0.42g得た。化合物2の最大発光波長は560nmであった。

0188

<素子実施例>
[実施例1]
有機電界発光素子を以下の方法で作製した。
ガラス基板上にインジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を130nmの厚さに堆
積したもの(三容真空社製、スパッタ成膜品)を通常のフォトリソグラフィー技術と塩酸
エッチングを用いて2mm幅ストライプパターニングして陽極を形成した。このよう
にITOをパターン形成した基板を、界面活性剤水溶液による超音波洗浄超純水による
水洗、超純水による超音波洗浄、超純水による水洗の順で洗浄後、圧縮空気で乾燥させ、
最後に紫外線オゾン洗浄を行った。

0189

正孔注入層形成用組成物として、下記式(P1)の繰り返し構造を有する正孔輸送性高
分子化合物3.0重量%と、酸化剤(HI1)0.3重量%とを、安息香酸エチルに溶解
させた組成物を調製した。

0190

0191

この溶液を、大気中で上記基板上にスピンコートし、大気中ホットプレート230℃、
30分で乾燥させ、膜厚42nmの均一な薄膜を形成し、正孔注入層とした。
次に、下記の構造式HT−1)を有する電荷輸送性高分子化合物100質量部を、シ
クロヘキシルベンゼンに溶解させ、3.0wt%の溶液を調製した。
この溶液を、上記正孔注入層を塗布成膜した基板上に窒素グローブボックス中でスピン
コートし、窒素グローブボックス中のホットプレートで230℃、30分間乾燥させ、膜
厚41nmの均一な薄膜を形成し、正孔輸送層とした。

0192

0193

引続き、発光層の材料として、下記の構造式(H−1)を50質量部、下記の構造式(
H−2)を50質量部、上記化合物1を17.1質量、および下記構造式(D−1)を2
重量部秤量し、シクロヘキシルベンゼンに溶解させ8.0wt%の溶液を調製した。

0194

0195

この溶液を、上記正孔輸送層を塗布成膜した基板上に窒素グローブボックス中でスピン
コートし、窒素グローブボックス中のホットプレートで120℃、20分間乾燥させ、膜
厚80nmの均一な薄膜を形成し、発光層とした。
発光層までを成膜した基板を真空蒸着装置に設置し、装置内を2×10−4Pa以下に
なるまで排気した。

0196

次に、下記の構造式(HB−1)および8−ヒドロキシキノリノラトリチウムを2:3
膜厚比で、発光層上に真空蒸着法にて1Å/秒の速度で共蒸着し、膜厚30nmの正孔
阻止層を形成した。

0197

0198

続いて、陰極蒸着用マスクとして2mm幅のストライプ状シャドーマスクを、陽極の
ITOストライプとは直交するように基板に密着させて、別の真空蒸着装置内に設置した
。そしで陰極として、アルミニウムをモリブデンボートにより加熱して、蒸着速度1〜8
.6Å/秒で膜厚80nmのアルミニウム層を形成して陰極を形成した。以上の様にして
、2mm×2mmのサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子が得られた。

0199

[実施例2]
発光層組成を、(H−1):(H−2):化合物2:(D−1)=50:50:21:
20としたこと以外は、実施例1と同様にして素子を作製した。化合物2は実施例1の化
合物1と等モル数で発光層内に含有されている。なお、D−1の最大発光波長は、605
nmである。

0200

[比較例1]
発光層組成を、(H−1):(H−2):(D−2):(D−1)=50:50:12
.5:20としたこと以外は、実施例1と同様にして素子を作製した。(D−2)は実施
例1内の化合物1と等モル数で発光層内に含有されている。(D−2)の構造式を下記に
示す。D−2の最大発光波長は555nmである。

0201

0202

[素子の評価]
得られた実施例1、実施例2、および比較例1の有機電界発光素子を、輝度1000c
d/m2で発光させたときの電流効率(cd/A)を測定し、比較例1を100としたと
きの相対値(相対電流効率)を下記の表1に記した。表1の結果に表すが如く、(D−2
)を用いて作製した有機電界発光素子に比較して、本発明の化合物1または化合物2を発
光層材料に使用した有機電界発光素子では、効率が向上することが判った。

0203

0204

[実施例3]
発光層組成を、(H−1):(H−2):化合物1:(D−3)=50:50:17.
1:20としたこと以外は、実施例1と同様にして素子を作製した。(D−3)の構造式
を下記に示す。D−3の最大発光波長は、654nmである。

0205

0206

[実施例4]
発光層組成を、(H−1):(H−2):化合物2:(D−3)=50:50:21:
20としたこと以外は、実施例1と同様にして素子を作製した。
[比較例2]
発光層組成を、(H−1):(H−2):(D−2):(D−3)=50:50:12
.5:20としたこと以外は、実施例1と同様にして素子を作製した。

0207

[素子の評価]
得られた実施例3、実施例4、および比較例2の有機電界発光素子を、輝度1000c
d/m2で発光させたときの電流効率(cd/A)を測定し、比較例2を100としたと
きの相対値(相対電流効率)を下記の表2に記した。表1の結果に表すが如く、(D−2
)を用いて作製した有機電界発光素子に比較して、本発明の化合物1または化合物2を発
光層材料に使用した有機電界発光素子では、効率が向上することが判った。

0208

0209

[実施例5]
発光層組成を、(H−1):(H−2):化合物1:(D−4)=50:50:17.
1:20としたこと以外は、実施例1と同様にして素子を作製した。(D−4)の構造式
を下記に示す。D−4の最大発光波長は、635nmである。

0210

0211

[比較例3]
発光層組成を、(H−1):(H−2):(D−2):(D−4)=50:50:12
.5:20としたこと以外は、実施例1と同様にして素子を作製した。
[素子の評価]
得られた実施例5、および比較例3の有機電界発光素子を、輝度1000cd/m2で
発光させたときの電流効率(cd/A)を測定し、比較例2を100としたときの相対値
を下記の表2に記した。表1の結果に表すが如く、(D−2)を用いて作製した有機電界
発光素子に比較して、本発明の化合物1を発光層材料に使用した有機電界発光素子では、
効率が向上することが判った。

実施例

0212

0213

1基板2陽極3正孔注入層4正孔輸送層5発光層6正孔阻止層
7電子輸送層8電子注入層9陰極10 有機電界発光素子

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