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概要
背景
1−(2,2−ジフェニルテトラヒドロフラン−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩(ANAVEX19−144またはA19−144)は、ムスカリン性アセチルコリンおよびsigma−1受容体に、低いマイクロモル範囲の親和性で結合すると考えられている化合物である。A19−144は、マウスにおいてアミロイド毒性に対する神経保護能力を示すことが報告されている。Anavex2−73(A2−73とも呼ばれる)は、系統名1−(2,2−ジフェニルテトラヒドロフラン−3−イル)−N,N−ジメチルメタンアミン塩酸塩を有し、類似の活性を示す。
特に、アミロイドβ25−35ペプチド(Aβ25−35)のオリゴマー調製物のicv注射の1週間後のマウスにおいて観察される酸化ストレス、カスパーゼ誘導、細胞損失ならびに学習および記憶欠損を、A19−144が弱めると報告されている(Villardら、J Psychopharmacol 2011年)。より最近では、A19−144が、Aβ25−35により誘導されるP−Akt減少およびP−GSK−3β増加を遮断することが報告されており、このことはPI3K神経保護経路の活性化を示す(Lahmyら、Neuropsychopharmacology、2013年)。試験された用量範囲において、A19−144は、生理的エピトープ(AT−8抗体クローン)および病理的エピトープ(AT−100クローン)においてタウの過剰リン酸化を弱めた。ANAVEX2−73も、Aβ25−35により誘導される内因性Aβ1−42播種を減少させることが報告されている。
一連のアミノテトラヒドロフラン化合物が、抗健忘、抗痙攣、抗うつおよび神経保護活性を示すことが報告されている1〜4。その中でも、テトラヒドロ−N,N−ジメチル−2,2−ジフェニル−3−フランメタンアミン塩酸塩(ANAVEX2−73)は、混合ムスカリン性/σ1タンパク質プロファイルであるが、σ2部位と比較して、σ1サブタイプに対してより良好な選択性を有する1。報告された結合分析により、σ1に対してはIC50=860nMが示され、σ2部位に対しては親和性が示されなかった。さらに、スクリーニングプロファイルにより、ムスカリン性M1〜M4受容体(IC50=3.3〜5.2μM)、ナトリウムチャネル部位2(IC50=5.1μM)、およびNMDA受容体(IC50=8.0μM)に対してマイクロモル濃度の親和性が示された。
てんかんは、世界中で約5000万人が冒される広範な疾患を呈する、慢性的な神経障害である。神経活動は、適切な脳機能に前提となる条件である。しかし、神経活動の興奮−抑制平衡が妨害されると、てんかん発作が誘導されうる。これらのてんかん発作は、(i)部分、および(ii)全般、の2つの基本的なカテゴリーにグループ分けすることができる。いかなる特定の理論にも縛られるものではないが、部分発作は特定の脳領域で発生し、最も一般的には側頭葉(海馬を含む)に局在化したまま留まり、一方、全般発作は、部分発作の二次性全般化として前脳全体に現れる。国際抗てんかん連盟は部分発作をさらに分類し、意識状態が存在するか障害を起こしているかに応じて、これらを単純型および複雑型に分けた(Dreifussら、1981年)。連盟は、全般発作を数多くの臨床発作の種類にもカテゴリー分けしており、その一部の例を以下に概説する。
「欠神発作」は頻繁に発生し、突発的な発症および進行中の活動の中断を有する。さらに、数秒だけ続く発作により、発話が遅くなるか妨げられる。
しばしば「大発作」として公知である「強直間代発作」は、全般発作のうち最も頻繁に遭遇されるものである(Dreifussら、1981年)。この全般発作の種類は2つの段階を有する:強直性の筋収縮、次いでこれが、痙攣性の動作の間代性段階に移行する。患者は発作中およびその後の可変の期間中、意識不明のままである;および
「転倒発作」として公知である「脱力発作」は、体内の特定の筋肉、筋肉群または全ての筋肉の筋緊張が突発的に失われた結果である。
その他の抗てんかん薬についても言及する。アセタゾラミド;ベンゾジアゼピン(例えば、クロナゼパム/Klonopin(登録商標)、クロラゼパート/Tranxene(登録商標)、ジアゼパム/Valium(登録商標)、ロラゼパム/Ativan(登録商標)、ミダゾラム);カルバマゼピン(Tegretol(登録商標)/Carbatrol(登録商標));クロルジアゼポキシド;クロバザム;副腎皮質ステロイド(cortiosteroids);エスリカルバゼピン/エスリカルバゼピンアセテート;エトスクシミド(Zarontin(登録商標));エトトイン;フェルバメート;ラコサミド(Vimpat(登録商標));ラモトリギン(Lamictal(登録商標));レベチラセタム(Keppra(登録商標));メフェニトイン(mephyntoin);メフォバルビタール(mephobarbitol);メトスクシミド(methsuxamide);オクスカルバゼピン(Trileptal(登録商標));パラメタジオン;ペランパネル(Fycompa);フェナセミド;フェノバルビタール;フェンスクシミド(phensuxamide);フェニトイン(Dilantin(登録商標));プレガバリン(Lyrica(登録商標));プリミドン(Mysoline(登録商標));プロガビド;ルフィナミド;スチリペントール;スルチアム;チアガビン(Gabitril(登録商標));トピラマート(例えば、Topamax(登録商標));トリメタジオン(tremethadione);バルプロエート(Depakote(登録商標));ビガバトリン;およびゾニサミド(Zonegram(登録商標))を注記する。
便宜上、これらの薬物およびドネペジル、メマンチン、ガランタミンおよびリバスチグミン(ribastigimine)をまとめて「抗てんかん薬」または「AED」と称する。
本明細書で引用される全ての文書と同様に、その教示全体が参照により組み込まれる、以下の出版物について言及する。
概要
抗発作治療のためのA19−144、A2−73およびある特定の抗コリンエステラーゼ阻害剤、組成物および方法の提供。本発明は、治療有効量のA19−144またはA2−73、および治療有効量の少なくとも1つのAEDを含む剤形に関する。本発明は、治療有効量のAEDと併せて、治療有効量のA19−144またはA2−73を投与するステップを含む、このような処置を必要とする対象を処置する方法をさらに包含する。一部の実施形態では、AEDはドネペジルであり、ドネペジルに関しては約0.5mg〜約23mg、特に約0.5mg〜約5mg未満、より特定して約1〜約3.5mgである。A19−144またはA2−73と組み合わせた相乗効果により、用量0.5mg未満が有効である。なし
目的
効果
実績
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この技術が所属する分野
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請求項1
本明細書に記載の発明。
技術分野
0001
本発明は、治療有効量のA19−144を単独で、および治療上有効な抗発作量の少なくとも1つの抗てんかん薬(AED)と組み合わせて含む剤形に関する。てんかんに起因する発作について特に言及する。本発明は、治療有効量のA2−73を単独で、および治療上有効な抗発作量の少なくとも1つの抗てんかん薬(AED)と組み合わせて含む剤形にさらに関する。
背景技術
0002
1−(2,2−ジフェニルテトラヒドロフラン−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩(ANAVEX19−144またはA19−144)は、ムスカリン性アセチルコリンおよびsigma−1受容体に、低いマイクロモル範囲の親和性で結合すると考えられている化合物である。A19−144は、マウスにおいてアミロイド毒性に対する神経保護能力を示すことが報告されている。Anavex2−73(A2−73とも呼ばれる)は、系統名1−(2,2−ジフェニルテトラヒドロフラン−3−イル)−N,N−ジメチルメタンアミン塩酸塩を有し、類似の活性を示す。
0003
特に、アミロイドβ25−35ペプチド(Aβ25−35)のオリゴマー調製物のicv注射の1週間後のマウスにおいて観察される酸化ストレス、カスパーゼ誘導、細胞損失ならびに学習および記憶欠損を、A19−144が弱めると報告されている(Villardら、J Psychopharmacol 2011年)。より最近では、A19−144が、Aβ25−35により誘導されるP−Akt減少およびP−GSK−3β増加を遮断することが報告されており、このことはPI3K神経保護経路の活性化を示す(Lahmyら、Neuropsychopharmacology、2013年)。試験された用量範囲において、A19−144は、生理的エピトープ(AT−8抗体クローン)および病理的エピトープ(AT−100クローン)においてタウの過剰リン酸化を弱めた。ANAVEX2−73も、Aβ25−35により誘導される内因性Aβ1−42播種を減少させることが報告されている。
0004
一連のアミノテトラヒドロフラン化合物が、抗健忘、抗痙攣、抗うつおよび神経保護活性を示すことが報告されている1〜4。その中でも、テトラヒドロ−N,N−ジメチル−2,2−ジフェニル−3−フランメタンアミン塩酸塩(ANAVEX2−73)は、混合ムスカリン性/σ1タンパク質プロファイルであるが、σ2部位と比較して、σ1サブタイプに対してより良好な選択性を有する1。報告された結合分析により、σ1に対してはIC50=860nMが示され、σ2部位に対しては親和性が示されなかった。さらに、スクリーニングプロファイルにより、ムスカリン性M1〜M4受容体(IC50=3.3〜5.2μM)、ナトリウムチャネル部位2(IC50=5.1μM)、およびNMDA受容体(IC50=8.0μM)に対してマイクロモル濃度の親和性が示された。
0005
てんかんは、世界中で約5000万人が冒される広範な疾患を呈する、慢性的な神経障害である。神経活動は、適切な脳機能に前提となる条件である。しかし、神経活動の興奮−抑制平衡が妨害されると、てんかん発作が誘導されうる。これらのてんかん発作は、(i)部分、および(ii)全般、の2つの基本的なカテゴリーにグループ分けすることができる。いかなる特定の理論にも縛られるものではないが、部分発作は特定の脳領域で発生し、最も一般的には側頭葉(海馬を含む)に局在化したまま留まり、一方、全般発作は、部分発作の二次性全般化として前脳全体に現れる。国際抗てんかん連盟は部分発作をさらに分類し、意識状態が存在するか障害を起こしているかに応じて、これらを単純型および複雑型に分けた(Dreifussら、1981年)。連盟は、全般発作を数多くの臨床発作の種類にもカテゴリー分けしており、その一部の例を以下に概説する。
0007
しばしば「大発作」として公知である「強直間代発作」は、全般発作のうち最も頻繁に遭遇されるものである(Dreifussら、1981年)。この全般発作の種類は2つの段階を有する:強直性の筋収縮、次いでこれが、痙攣性の動作の間代性段階に移行する。患者は発作中およびその後の可変の期間中、意識不明のままである;および
「転倒発作」として公知である「脱力発作」は、体内の特定の筋肉、筋肉群または全ての筋肉の筋緊張が突発的に失われた結果である。
0008
その他の抗てんかん薬についても言及する。アセタゾラミド;ベンゾジアゼピン(例えば、クロナゼパム/Klonopin(登録商標)、クロラゼパート/Tranxene(登録商標)、ジアゼパム/Valium(登録商標)、ロラゼパム/Ativan(登録商標)、ミダゾラム);カルバマゼピン(Tegretol(登録商標)/Carbatrol(登録商標));クロルジアゼポキシド;クロバザム;副腎皮質ステロイド(cortiosteroids);エスリカルバゼピン/エスリカルバゼピンアセテート;エトスクシミド(Zarontin(登録商標));エトトイン;フェルバメート;ラコサミド(Vimpat(登録商標));ラモトリギン(Lamictal(登録商標));レベチラセタム(Keppra(登録商標));メフェニトイン(mephyntoin);メフォバルビタール(mephobarbitol);メトスクシミド(methsuxamide);オクスカルバゼピン(Trileptal(登録商標));パラメタジオン;ペランパネル(Fycompa);フェナセミド;フェノバルビタール;フェンスクシミド(phensuxamide);フェニトイン(Dilantin(登録商標));プレガバリン(Lyrica(登録商標));プリミドン(Mysoline(登録商標));プロガビド;ルフィナミド;スチリペントール;スルチアム;チアガビン(Gabitril(登録商標));トピラマート(例えば、Topamax(登録商標));トリメタジオン(tremethadione);バルプロエート(Depakote(登録商標));ビガバトリン;およびゾニサミド(Zonegram(登録商標))を注記する。
0009
便宜上、これらの薬物およびドネペジル、メマンチン、ガランタミンおよびリバスチグミン(ribastigimine)をまとめて「抗てんかん薬」または「AED」と称する。
本明細書で引用される全ての文書と同様に、その教示全体が参照により組み込まれる、以下の出版物について言及する。
先行技術
0010
Vamvakides (2002) Ann Pharm Fr 60:88−92;
Vamvakides (2002) Ann Pharm Fr 60:415−22;
Espallergues et al. (2007) Br J Pharmacol 152:267−79;
Villard et al (2009) Neuropsychopharmacology 34:1552−66;
Maurice et al. (1996) Brain Res 706:181−93;
Zussy et al. (2011) Am J Pathol 179:315−34;
課題を解決するための手段
0011
0012
構造1は、系統名1−(2,2−ジフェニルテトラヒドロフラン−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩を有する。
0013
0014
構造2は、系統名1−(2,2−ジフェニルテトラヒドロフラン−3−イル)−N,N−ジメチルメタンアミン塩酸塩を有する。
0015
本発明は、治療有効量のA19−144およびA2−73、ならびに治療上有効な抗発作量の少なくとも1つのAEDを含む剤形に関する。便宜上、A19−144およびA2−73を、場合により、本明細書ではまとめて「A19/2」と称する。
0016
A19/2およびAEDの組合せの特定の利点は、A19−144またはA2−73との組合せにおいて、MED未満(sub−MED)用量のAEDが治療上有効であることである。AEDは、AEDを投与された対象における記憶喪失が示唆されている。より少ないAED用量による結果は、記憶喪失または記憶障害がなくなるか減少することである。
0017
一部の実施形態では、AEDはドネペジルであり、ドネペジルに関しては約0.5mg〜約23mg、特に約0.5mg〜約5mg未満、より特定して約1〜約3.5mgである。A19−144またはA2−73と組み合わせた相乗効果により、用量0.5mg未満が有効である。
0018
他の実施形態では、AEDはガランタミン、特に約0.5mg〜約20mgである。A19/2と組み合わせた相乗効果により、用量8mg未満/日が治療上有効である。6mg/日での投薬について特に注記する。用量は約2用量で有用に送達される。
0019
前記AEDがリバスチグミン(rivastagmine)であり、特に約0.5mg〜約20mgである剤形が注目される。A19/2と組み合わせた相乗効果により、用量3mg未満/日が治療上有効である。2mg/日での投薬について特に注記する。用量は約2用量(朝晩)で有用に送達される。
0020
AEDがメマンチンである剤形がさらに注目され、特に抗発作量の約0.5mg〜約30mgに言及する。A19/2と組み合わせた相乗効果により、用量0.5mg未満/日が治療上有効である。0.4mg/日での投薬について特に注記する。
0021
本発明は、特にてんかんに関する発作活動を示す対象における、抗発作治療の治療方法をさらに含む。治療有効用量の少なくとも1つのAEDと併せて、治療有効用量のA19/2を含む。アセタゾラミド;ベンゾジアゼピン(例えば、クロナゼパム/Klonopin(登録商標)、クロラゼパート/Tranxene(登録商標)、ジアゼパム/Valium(登録商標)、ロラゼパム/Ativan(登録商標)、ミダゾラム);カルバマゼピン(Tegretol(登録商標)/Carbatrol(登録商標));クロルジアゼポキシド;クロバザム;副腎皮質ステロイド(cortiosteroids);エスリカルバゼピン/エスリカルバゼピンアセテート;エトスクシミド(Zarontin(登録商標));エトトイン;フェルバメート;ラコサミド(Vimpat(登録商標));ラモトリギン(Lamictal(登録商標));レベチラセタム(Keppra(登録商標));メフェニトイン(mephyntoin);メフォバルビタール(mephobarbitol);メトスクシミド(methsuxamide);オクスカルバゼピン(Trileptal(登録商標));パラメタジオン;ペランパネル(Fycompa);フェナセミド;フェノバルビタール;フェンスクシミド(phensuxamide);フェニトイン(Dilantin(登録商標));プレガバリン(Lyrica(登録商標));プリミドン(Mysoline(登録商標));プロガビド;ルフィナミド;スチリペントール;スルチアム;チアガビン(Gabitril(登録商標));トピラマート(例えば、Topamax(登録商標));トリメタジオン(tremethadione);バルプロエート(Depakote(登録商標));ビガバトリン;およびゾニサミド(Zonegram(登録商標))、ならびにドネペジル、メマンチン、ガランタミンおよびリバスチグミンからなる群から選択される、治療有効量の少なくとも1つのAED用量と併せて、前記治療有効量のA19−144を共に適時に投与することについてさらに注記する。約0.5mg〜約23mg、特に約0.5mg〜約5mg未満、より特定して約1〜約3.5mgで投薬されるドネペジルについて特に言及する。
0022
以下のMED未満用量を注記する、
アセタゾラミド、約8mg/kg/日未満;
クロナゼパム/Klonopin(登録商標)、大人には約1.5mg/日未満、10歳までの年齢の子供または30kgの体重には約0.01mg/kg/日未満の用量;
クロラゼパート/Tranxene(登録商標)、約30(mg)未満;
ロラゼパム/Ativan(登録商標)、約0.1mg/kg未満;
ミダゾラム(子供における鼻内ミダゾラム)約0.2mg/kg未満;
カルバマゼピン(Tegretol(登録商標)/Carbatrol(登録商標))、約7.5mg/日未満;
ジアゼパム/Valium(登録商標)、約0.2mg/kg未満;
クロルジアゼポキシド、約30mg/日未満;
クロバザム、30kgまたはそれ未満の体重には約5mg/日未満、30kgまたはそれより多い体重には約10mg/日未満;
ヒドロコルチゾン、約5mg/kg/日未満;
エスリカルバゼピン/エスリカルバゼピンアセテート、約800mg/日未満;
エトスクシミド(Zarontin(登録商標))、4〜7日ごとに1日約250mg未満;
エトトイン、1日約2g未満;
フェルバメート、大人には約1200mg/日未満、2〜14歳の子供には約15mg/kg/日未満;
ラコサミド(Vimpat(登録商標))、1日2回約50mg未満
ラモトリギン(Lamictal(登録商標))、約25mg/日未満;
レベチラセタム(Keppra(登録商標));約1000mg/日未満;
メフェニトイン(mephyntoin)、約200mg/日未満;
メフォバルビタール(mephobarbitol);約400mg/日未満;
メトスクシミド(methsuxamide)、4〜7日ごとに1日約250mg未満;オクスカルバゼピン(Trileptal(登録商標));約600mg/日未満;
パラメタジオン;約150mg/日未満;
ペランパネル(Fycompa)、約2mg/日未満;
フェナセミド、1日3回約500ミリグラム未満;
フェノバルビタール、約10μg/mL未満の血清レベルを確立する;
フェンスクシミド(phensuxamide)、約0.5g未満のb.i.d;
フェニトイン(Dilantin(登録商標))、1日約100mg未満;
プレガバリン(Lyrica(登録商標))、1日2回約75mg未満;
プリミドン(Mysoline(登録商標));約10mg/kg/日未満の用量;
プロガビド、約2100mg未満の1日用量;
ルフィナミド、約400mg/日未満;
スチリペントール、1日2回約250mg未満;
スルチアム、約100mg/日未満;
チアガビン(Gabitril(登録商標))、約4mg/日未満;
トピラマート(例えば、Topamax(登録商標))、約25mg/日未満;
トリメタジオン(tremethadione)、約900mg/日未満;
バルプロエート(Depakote(登録商標))、約10mg/kg未満
ビガバトリン;約50mg/kg/日未満、および
ゾニサミド(Zonegram(登録商標))、1日1回約100mg未満。
図面の簡単な説明
0023
図1は、主要な代謝物ANAVEX19−144について示すグラフである:AV19−144の平均Cmax値および平均終末消失半減期t1/2は、10〜60mgのAV2−73用量ステップでは用量依存性増加を示し(40mgステップを除く)、それぞれ1.31〜22.28ng/mlおよび8.56時間〜28.74時間の範囲であった。
図2は、AV2−73 10mg後の14.27時間〜AV2−73 60mg後の42.68時間の範囲の用量依存性増加を示す、AV19−144の平均滞留時間を示すグラフである。
0024
以下の定義を参照すると、本発明がより良好に理解される。
0025
A.薬物投与量に関する「治療有効量」は、そのような処置を必要とする有意な数の対象における特定の薬理学的応答(そのために薬物が投与される)をもたらす投与量を意味する。ここで、望ましい薬理学的応答とは、対象が経験する発作の回数の減少である。発作、その起源および管理は様々な変数によって決まる。したがって、「そのような処置を必要とする有意な数の対象における特定の薬理学的応答(そのために薬物が投与される)」という言及は、特定の例において特定の対象に投与される「治療有効量」が、このような投与量が当業者により「治療有効量」であるとされていても、あらゆる発作の発症を食い止めるわけではないことを認識するものである。薬物投与量は、特定の例において、経口投与量、または非経口もしくは吸入投与量として測定されるか、血液中で測定される薬物レベルを参照して測定されることをさらに理解すべきである。
0026
A19−144およびA2−73の治療有効量には、0.01〜100mg/日、好ましくは0.5〜10mg/日、より好ましくは0.5〜2.0mg/日が含まれる。2日毎に1回(1週間に3回)投薬することを注記する。
0027
B.薬物投与に関する「共に適時に」は、第1の薬物が治療有効量で存在する間に第2の薬物を投与することを意味する。一部の例では、これには連続投与が必要であることを理解すべきである。一部の例では、静脈内または皮下注射などの多数の投与経路が使用される。
0028
C.A19/2投与をAED投与と組み合わせる本発明の実施において、「協調的」は、治療有効量のA19/2と概して同時に(coincident)有効な血漿レベルのAEDが対象中に存在するように、少なくとも1つのAEDを投与することを意味する。協調時間は、必然的にAED投与経路に関係する。つまり、例えば、i.m.経路は概して、血漿レベルがピークに達するのに、経口経路よりも短いリードタイムを有する。一部の実施形態では、これはA19−144またはA2−73が投与されてから約0.5〜約12時間後である。
0029
D.「単位剤形」は、単一の薬物投与実体を意味する。例として、A19−144またはA2−73と、少なくとも1つのAEDとを両方組み合わせた単一の錠剤、カプセル剤、糖衣錠、またはトローチ剤、坐剤またはシリンジが単位剤形の例である。
0030
E.本発明の文脈における「治療効果の増強」は、同じ用量の所与の各成分単独と比較して、A19−144もしくはA2−73と、少なくとも1つのAEDとの開示される組合せによる発作の緩和(潜伏期の増加);または、一方もしくは両方の成分の用量が、それ以外の場合で(見かけ上)最小限有効な用量となる用量を下回る(「MED未満」)ことを意味する。
0031
F.本明細書で使用される場合、「予防」は、1年間にわたって測定して、発作が完全になくなるか、発作の頻度が少なくとも20%、好ましくは50%、より好ましくは80%減少することを意味する。
0032
いかなる特定の理論にも縛られるものではないが、A19/2は、脳細胞を毒性から保護するだけでなく、タウ病理およびアミロイド量の減少に寄与する、疾患修飾または病理修飾剤として作用すると考えられている。薬物動態データにより、経口投与後に、AV2−73がその主要な代謝物であるAV19−144へ急速かつ大量に生体内変換されることが明らかとなっている。
0034
A2−73および代謝物AV19−144を、タンデム質量分析とともに、妥当な高速液体クロマトグラフィー法(HPLC)を使用して、血漿および尿中において決定した。ヒト血漿から分離後、分析物をLC−MS/MSに注入した。内部標準法(AV2−73)およびピーク面積比法(AV19−144)により、血漿および尿中における定量を実施した。二次加重(1/x)回帰を行い、分析物濃度を決定した。ドイツ化学品法の§19に記載される通りの優良試験所基準(GLP)の原則に従って研究を実施した。検証はEG−Dok.CPMP/ICH/381/95に基づき、「FDA−Guidance
for Industry, Bioanalytical Method Validation」(2001年5月)に従って報告された。
0035
A19−144Aと、ドネペジルまたはメマンチンとの投与スケジュールおよび組合せの影響について開示する。
0036
Aβ25−35(0日目)前の−7日目〜−1日目の間、A19−144を1日1回、0.1または0.3mg/kg ipで投与した。これにより、Aβ25−35の7日後には、Aβ25−35により誘導される記憶欠損(Y迷路における自発交替行動および受動回避反応)および海馬における脂質過酸化が遮断される。A19−144(0.3mg/kg ip)は、Aβ25−35(0日目)後の7日目〜13日目の間1日1回投与された場合でも、Aβ25−35の14日後に測定される記憶欠損および脂質過酸化増加に対して有効である。
0037
ペプチドAβ25−35により誘導される毒性および学習障害を防止または緩和するのに、ペプチドの1週間前の間に注射するとA19−144およびA2−73の両方が有効であると考えられている。ペプチド後投与は必要でない。いかなる特定の理論にも縛られるものではないが、この発作前保護スケジュールにより、脳をアミロイド毒性から治療的に保護するための神経調節機構が引き起こされる(ムスカリン性およびσ1受容体に影響を及ぼすと考えられる)。σ1受容体の慢性的な活性化により、ERストレス応答が促進され、脂質ラフト組成が改変され、細胞生理における長期的な改変が持続されることが示されている7、8。
0038
A19−144は、ペプチドの1週間後に繰り返し注射すると、Aβ25−35により誘導される毒性および学習障害を反転させることができる。これは化合物の回復効果であるとともに、脳における毒性量を減少させる遅延能力である。いかなる特定の理論にも縛られるものではないが、ムスカリン性受容体(PI3K/AKTおよびMAPK経路を伴う)により活性化され、σ1受容体活性化により調節される保護経路が、これらの効果に関与している可能性がある。
0039
アミロイド毒性に対する、A19−144およびA2−73の抗健忘および神経保護効果は、前保護および後保護において有効であり、これは、薬物がアミロイドペプチド曝露の前または後に投与される場合、および、ドネペジルとの組合せが、各薬物の治療有効性を増強することを意味する。バルプロエート、エトスクシミドおよびガバペンチンのそれぞれと組み合わせたA19−144およびA2−73も有効である。
0040
(実施例1)
発作予防:A19−144
13才男性が、1日あたり発作6.6回のベースラインで、1日あたり発作4〜7回を経験している。A19−144を5日間、2.0mgで毎日投与する。投薬後8週間の間、発作が1日あたり2.2回に減少する。
(実施例2)
発作予防:A19−144およびドネペジル
0041
実施例1の13才男性は、実施例1に明記される通り、投薬後6ヶ月時点で1日あたり発作2.2回を経験している。5日間、2.0mgで毎日A19−144投与を継続しつつ、共に適時に5日間、低用量ドネペジル(毎日4mg)を対象に投与する。投薬後6ヶ月時点で、発作は検出されない。認知試験により、ドネペジル投与前の対象と比較して、記憶の低下が検出されない。
(実施例3)
発作予防:A19−144
0042
57才女性が、1日あたり発作6.6回のベースラインで、1日あたり発作6〜8回を経験している。A19−144を5日間、2.0mgで毎日投与する。投薬後8週間の間、発作が1日あたり1.2回に減少する。
(実施例4)
発作予防:A19−144およびエスリカルバゼピンアセテート
0043
実施例3の57才女性は、実施例3に明記される通り、投薬後6ヶ月時点で1日あたり発作平均1.2回を経験している。5日間、2.0mgで毎日A19−144投与を継続しつつ、共に適時に5日間、600mg/日で低用量エスリカルバゼピンアセテートを対象に投与する。投薬後6ヶ月時点で、発作は検出されない。認知試験により、エスリカルバゼピンアセテート投与前の対象と比較して、記憶の低下が検出されない。
(実施例5)
発作予防:A19−144およびラコサミド
0044
10才女性が、1日あたり発作3.2回を経験している。対象には、ラコサミドを5日間、1日あたり2回、60mgで投与し、A19−144を5日間、2.0mgで毎日共に適時に投与する。投薬後6ヶ月時点で、発作は検出されない。
(実施例6)
発作予防:A19−144およびレベチラセタム
0045
9才女性が、1日あたり発作平均3.3回を経験している。対象には、レベチラセタムを5日間、1日あたり2回、400mgで投与し、A19−144 3.0mgを5日間、毎日共に適時に投与する。投薬後6ヶ月時点で、発作は検出されない。認知試験により、レベチラセタム投与前の対象と比較して、記憶の低下が検出されない。
0047
Anavex19−144およびA2−73については、投与量は約0.01〜100mg/日、好ましくは0.5〜10mg/日、より好ましくは0.5〜2mg/日である。2日毎に1回(1週間に3回)投薬することを注記する。ADは慢性疾患であり、そのため診断して直ちに処置を開始することが好ましい。ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミンおよびメマンチン、ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミンの投与量は、有利にはA19−144またはA2−73と組み合わせて使用される。一部の実施形態では、これらはMED未満用量で投与されうる。
0048
少なくとも1つのAED投与と組み合わせたA19−144およびA2−73投与を含み、単独で使用される場合の活性用量と比較して、A19−144またはA2−73およびAEDの前記治療有効量のうち少なくとも1つは、治療量未満(MED未満)である、本発明の方法が特に注目される。本発明の実施では、A19/2の用量またはAEDの用量のいずれか、またはその両方がMED未満量で使用される。これは、1つより多くのAEDが単一の対象の処置に使用されることを除外しないが、特定の実施形態は、A19−144またはA2−73および1つのAEDからなり、ここで、一方または両方の薬物がMED未満量で投与されることが企図される。組合せ治療におけるA19−144またはA2−73の、非限定的で有用な用量は以下の通りである。
0049
ドネペジル1〜3mg/日または5mgを2日毎に1回;リバスチグミン1mg/日;ガランタミン1日1回8〜10mg/日;およびメマンチン1〜5mg/日。
0050
1日あたり1回経口投与されるドネペジル投与量5mgまたは10mgが注目される。投与量最大約23mg/日についても注記する。
0051
報告されたガランタミン投与量は、約8〜16mgを1日2回である。投与量範囲約0.5〜約8mg、任意選択で約1〜約6mgについて注記する。
0052
報告されたリバスチグミン(rivastigamine)投与量は、朝食および夕食時の1日2回、経口的に約1.5mgで開始される。一部の実施形態では、処置の約2週間後に、リバスチグミン投与量を1日2回で約3mgに増加させる。その後の、1日2回で4.5mgおよび6mgへの増加について注記する。リバスチグミンは、経皮パッチ形態で特に有用である。有用な初期のパッチ用量は4.6mg/24時間であるが、範囲1〜8mgについて注記する。一部の実施形態では、処置の約4週間後の維持パッチ用量を、その用量が有益である限り、約8〜16mg、特に9.5mg/24時間から増加させる。次いでこの用量を、約9〜20mg、特に約13.3mg/24時間に増加させてよい。
0053
有用なメマンチン用量は、初期は1日1回、経口的に約5mgであり、次いで1週あたり5mgずつ上方に調整する。有用な維持用量が、5mgを1日1回〜最大10mgを1日2回であることを注記する。有用な用量は約0.5〜約20mgであり、より少ない(MED未満)用量が企図される。
0054
ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミンまたはメマンチンの投薬は毎日であってよいが、1日2回〜1日おきから、1週あたり1回、またはそれ未満の頻度をさらに含む。当然のことながら、経皮投薬も継続投薬である。
0056
個別のまたは組み合わせた本発明の組成物は、従来の賦形剤、すなわち、活性組成物と有害に反応しない、非経口、経腸(例えば経口または吸入)または局所適用に適した、薬学的に許容される有機または無機担体物質と混合して使用される。適切な薬学的に許容される担体として、水、塩溶液、アルコール、アラビアゴム、植物油、ベンジルアルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ラクトース、アミロースまたはデンプンなどの炭水化物、ステアリン酸マグネシウム、タルク、二酸化チタン、ケイ酸、粘性パラフィン、香油、脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられるが、これに限定されない。医薬調製物は滅菌することができ、必要に応じて助剤、例えば、活性組成物と有害に反応しない、潤滑剤、保存料、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を及ぼすための塩、緩衝剤、着色料、香味料および/または芳香物質などと混合する。必要であれば、これらをその他の活性な薬剤、例えばビタミンと組み合わせてもよい。
0057
本発明の一部の実施形態では、剤形はこのような組成物の使用説明書を含む。
0058
非経口適用に特に適切なのは、注射可能な無菌溶液、好ましくは油もしくは水溶液、および懸濁剤、乳剤、または坐剤を含む埋込剤である。アンプル、バイアル、および注射器カートリッジは好都合な単位投与量である。
0059
また非経口適用に特に適切なのは、錠剤、糖衣錠、液剤、滴剤、坐剤またはカプセル剤である。甘味を付けたビヒクルが使用されるシロップ剤、エリキシル剤などを使用することができる。舌下およびバッカル形態についても注記する。
0060
徐放性または定方向放出性組成物を、例えば、リポソーム、または活性成分が例えばマイクロカプセル化、多層コーティングなどによって差示的に分解されるコーティングにより保護されているものに製剤化することができる。新規の組成物を凍結乾燥させ、得られた凍結乾燥物を、例えば注射用製品の調製に使用することもできる。
実施例
0061
概して、本発明の組成物は、単位投与量あたり、薬学的に許容される担体中にA19−144またはA2−73を約1〜約100mg、およびドネペジルまたはAEDを0.5〜5mg含む単位剤形に調剤される。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
治療有効量のA19−144またはA2−73、および治療有効量の少なくとも1つのAEDを含む剤形。
(項目2)
前記抗発作剤A19−144またはA2−73が約0.5〜約20mgである、項目1に記載の剤形。
(項目3)
前記少なくとも1つのAEDが、アセタゾラミド、ベンゾジアゼピン、カルバマゼピン、クロルジアゼポキシド、クロバザム、副腎皮質ステロイド(cortiosteroids)、エスリカルバゼピン、エスリカルバゼピンアセテート、エトスクシミド、エトトイン、フェルバメート、ラコサミド、ラモトリギン、レベチラセタム、メフェニトイン(mephyntoin)、メフォバルビタール(mephobarbitol)、メトスクシミド(methsuxamide)、オクスカルバゼピン、パラメタジオン、ペランパネル、フェナセミド、フェノバルビタール;フェンスクシミド(phensuxamide);フェニトイン、プレガバリン、プリミドン、プロガビド、ルフィナミド、スチリペントール、スルチアム、チアガビン、トピラマート、トリメタジオン(tremethadione)、バルプロエート、ビガバトリン、ゾニサミド、ドネペジル、メマンチン、ガランタミンまたはリバスチグミンからなる群から選択される、項目1に記載の剤形。
(項目4)
前記AEDがMED未満量で存在する、項目3に記載の剤形。
(項目5)
前記剤形が単位剤形である、項目1に記載の剤形。
(項目6)
処置を必要とする対象を処置する方法であって、治療有効量のAEDと併せて、治療有効量のA19−144またはA2−73を投与することを含む、方法。
(項目7)
前記治療有効量の前記AEDがMED未満量である、項目6に記載の方法。
(項目8)
治療有効量のAEDと併せてA19−144またはA2−73を投与することが共に適時である、項目6に記載の方法。
(項目9)
治療有効量のAEDと併せてA19−144またはA2−73を投与することが協調的である、項目6に記載の方法。
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