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技術 口腔用組成物

出願人 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社
発明者 松村康史榎本靖沖永敏則南部隆之真下千穂円山由郷
出願日 2019年3月19日 (2年7ヶ月経過) 出願番号 2019-051147
公開日 2020年9月24日 (1年1ヶ月経過) 公開番号 2020-152660
状態 未査定
技術分野 化粧料
主要キーワード ビーズ分散液 磁製るつぼ 内包金属 コンポジット粒子 面積平均径 濃度調整前 ペリオド 含窒素ポリマー
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (1)

課題

口腔用として新規な剤を提供する。

解決手段

当該剤を、金属ナノ粒子又は樹脂粒子を含有する口腔用剤とする。

概要

背景

特許文献1には、ユーグレナを含有する腸内フローラにおけるフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィ菌の占有率を増加させることを特徴とする賦活用食品組成物が開示されている。

概要

口腔用として新規な剤を提供する。当該剤を、金属ナノ粒子又は樹脂粒子を含有する口腔用剤とする。なし

目的

本発明の目的は、口腔用等として使用可能な新規な剤等を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

請求項2

樹脂粒子を含有する口腔用剤。

請求項3

金属ナノ粒子が、周期表第4〜12族金属を含む金属のナノ粒子である、請求項1記載の剤。

請求項4

金属ナノ粒子が、金及び白金からされた少なくとも1種を含む、請求項1又は3記載の剤。

請求項5

金属ナノ粒子の平均粒子径が80nm以下である、請求項1、3又は4に記載の剤。

請求項6

金属ナノ粒子の割合が、コンポジット全体に対して、5〜70重量%である、請求項1、3〜5のいずれかに記載の剤。

請求項7

樹脂粒子又はコンポジットの平均粒子径が100〜700nmである、請求項1〜6のいずれかに記載の剤。

請求項8

樹脂粒子が、金属イオン吸着可能な樹脂で構成されている、請求項1〜7のいずれかに記載の剤。

請求項9

樹脂粒子が、窒素含有ポリマーで構成されている、請求項1〜8のいずれかに記載の剤。

請求項10

請求項1〜9のいずれかに記載の剤を含む、口腔用組成物

請求項11

歯磨剤洗口剤入れ歯安定剤、ガム歯ブラシ歯間ブラシデンタルフロスマウスピース、及び人工歯から選択された少なくとも1種に用いるための、請求項1〜10のいずれかに記載の剤又は組成物

請求項12

口内細菌叢バランスを変えるための、請求項1〜11のいずれかに記載の剤又は組成物。

請求項13

口内細菌叢において、Fusobacterium periodonticum(フソバクテリウムペリオドティカム)、Haemophilus parainfluenzae(ヘモフィルスパラインフルエンザ)、Neisseria subflava(ナイセリア・サブフラバ)、及びPorphyromonas pasteri(ポルフィロモナスパステリ)から選択された少なくとも1種の口内細菌の存在比率を増大させるための、請求項1〜12のいずれかに記載の組成物。

請求項14

請求項1〜13のいずれかに記載の剤又は組成物を口内に使用し、口腔内細菌のバランスを変える方法。

請求項15

請求項1〜13のいずれかに記載の剤又は組成物を口内に使用し、口内細菌叢において、Fusobacterium periodonticum(フソバクテリウム・ペリオドンティカム)、Haemophilus parainfluenzae(ヘモフィルス・パラインフルエンザ)、Neisseria subflava(ナイセリア・サブフラバ)、及びPorphyromonas pasteri(ポルフィロモナス・パステリ)から選択された少なくとも1種の口内細菌の存在比率を増大させる方法。

技術分野

0001

本発明は、新規口腔用組成物等に関する。

背景技術

0002

特許文献1には、ユーグレナを含有する腸内フローラにおけるフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィ菌の占有率を増加させることを特徴とする賦活用食品組成物が開示されている。

先行技術

0003

特許第6396616号公報

発明が解決しようとする課題

0004

本発明の目的は、口腔用等として使用可能な新規な剤等を提供することにある。

課題を解決するための手段

0005

口内細菌叢口内フローラ)は、多数の細菌で構成されており、口腔疾患歯周病等)の他、全身疾患に関連することが報告されつつある。

0006

そのため、口内細菌叢のバランス(環境)を整えることは重要である。例えば、口内細菌叢のバランス(口内細菌叢を構成する細菌種やその割合)を変える(特に、善玉菌を増大させたり、悪玉菌を減らしたりする)ことで、このような疾患等を改善ないし治癒しうる

0007

このような中、本発明者は、意外なことに、特定成分(すなわち、金属ナノ粒子及び樹脂粒子)が、口内細菌叢のバランスを大きく変えうること等を見出し、さらなる検討を重ねて本発明を完成した。

0008

すなわち、本発明は、以下の発明等に関する。
[1]
金属ナノ粒子(特に、樹脂粒子とのコンポジットの形態で金属ナノ粒子、すなわち、金属ナノ粒子と樹脂粒子とのコンポジット)を含有する口腔用剤
[2]
樹脂粒子を含有する口腔用剤。
[3]
金属ナノ粒子が、周期表第4〜12族金属を含む金属のナノ粒子である、[1]記載の剤。
[4]
金属ナノ粒子が、金及び白金からされた少なくとも1種を含む、[1]又は[3]記載の剤。
[5]
金属ナノ粒子の平均粒子径が80nm以下である、[1]、[3]又は[4]に記載の剤。
[6]
金属ナノ粒子の割合が、コンポジット全体に対して、5〜70重量%である、[1]、[3]〜[5]のいずれかに記載の剤。
[7]
樹脂粒子又はコンポジットの平均粒子径が100〜700nmである、[1]〜[6]のいずれかに記載の剤。
[8]
樹脂粒子が、金属イオン吸着可能な樹脂で構成されている、[1]〜[7]のいずれかに記載の剤。
[9]
樹脂粒子が、窒素含有ポリマー(例えば、ビニルピリジンポリマー等)で構成されている、[1]〜[8]のいずれかに記載の剤。
[10]
[1]〜[9]のいずれかに記載の剤を含む、口腔用組成物。
[11]
歯磨剤洗口剤入れ歯安定剤、ガム歯ブラシ歯間ブラシデンタルフロスマウスピース、及び人工歯から選択された少なくとも1種に用いるための、[1]〜[10]のいずれかに記載の剤又は組成物
[12]
口内細菌叢のバランスを変える(口内環境を整える)ための、[1]〜[11]のいずれかに記載の剤又は組成物。
[13]
口内細菌叢において、Fusobacterium periodonticum(フソバクテリウムペリオドティカム)、Haemophilus parainfluenzae(ヘモフィルスパラインフルエンザ)、Neisseria subflava(ナイセリア・サブフラバ)、及びPorphyromonas pasteri(ポルフィロモナスパステリ)から選択された少なくとも1種の口内細菌の存在比率を増大させるための、[1]〜[12]のいずれかに記載の組成物。
[14]
[1]〜[13]のいずれかに記載の剤又は組成物を口内(口腔内)に使用し、口腔内細菌のバランスを変える方法。
[15]
[1]〜[13]のいずれかに記載の剤又は組成物を口内(口腔内)に使用し、口内細菌叢において、Fusobacterium periodonticum(フソバクテリウム・ペリオドンティカム)、Haemophilus parainfluenzae(ヘモフィルス・パラインフルエンザ)、Neisseria subflava(ナイセリア・サブフラバ)、及びPorphyromonas pasteri(ポルフィロモナス・パステリ)から選択された少なくとも1種の口内細菌の存在比率を増大させる方法。

発明の効果

0009

本発明では、新規な剤等を提供できる。このような剤は金属ナノ粒子及び/又は樹脂粒子を含んでおり、口腔用として好適であり、口腔用添加剤(口腔用組成物)を構成しうる。

0010

本発明の剤等の一態様では、口内細菌叢のバランス(細菌種や細菌の存在比率)を変え(整え)うる。そのため、本発明によれば、口内環境を変える、特に、口内環境を整えることも可能である。

0011

特に、本発明の剤等の一態様では、口内細菌叢を構成する細菌のうち、特定の善玉菌(善玉菌の存在比率)を(選択的に)増大させたり、特定の悪玉菌(悪玉菌の存在比率)を(選択的に)低減しうる。そして、このような善玉菌の増大及び/又は悪玉菌の低減により、口内細菌叢における、悪玉菌に対する善玉菌の割合(相対割合)を増大しうる。

0012

従って、上記のように、口内細菌叢に作用する本発明の剤等は、口内症状・疾患(口腔疾患、例えば、口臭虫歯、歯周病等)、さらには口内細菌叢が関係しうる全身症状・疾患(例えば、誤嚥性肺炎大腸がん、血管の老化)の治癒、改善、向上等の他、予防又は維持(例えば、血管柔軟性の維持等)への寄与が期待でき、極めて有用である。

図面の簡単な説明

0013

樹脂粒子に複数の金属ナノ粒子が固定化された構造を有する金属−樹脂複合体粒子の一例を示す図(断面模式図)である。

0014

<金属ナノ粒子>
金属ナノ粒子において、金属としては、特に限定されないが、例えば、周期表第4〜12族金属(例えば、チタンジルコニウムコバルトロジウムイリジウムニッケルパラジウム、白金、銅、銀、金、亜鉛、これらの合金等)が挙げられる。

0015

金属(金属ナノ粒子)は、単独で又は2種以上組み合わせてもよく、単体又は合金であってもよい。

0016

これらのうち、銀、ニッケル、銅、金、白金、パラジウム等が好ましく、特に、金、白金が好ましい。

0017

そのため、金属は、少なくともこれらの金属(例えば、金及び白金から選択された少なくとも1種等)を含んでいてもよい。

0018

なお、前記のように、金属は、合金であってもよい。このような合金の一例を挙げると、金を含む合金(金合金)、白金を含む合金(白金合金)等が挙げられる。合金において、各金属の割合は、特に限定されず、例えば、合金に占める主たる金属の割合は10質量%以上等であってもよい。具体的には、金合金は、例えば、金と金以外の金属種からなり、金を10重量%以上含有する合金であってもよく、白金合金は、例えば、白金と白金以外の金属種からなり、白金を10重量%以上含有する合金であってもよい。

0019

金属ナノ粒子の粒径は、ナノサイズであればよいが、例えば、平均粒子径で、500nm以下(例えば、300nm以下、200nm以下、150nm以下等)程度の範囲から選択でき、100nm以下(例えば、0.1〜90nm)、80nm以下(例えば、1〜80nm)、70nm以下(例えば、1〜70nm)、50nm以下(例えば、1〜50nm)程度であってもよい。

0020

このような粒径範囲であれば、効率よく口内細菌叢のバランスを変えうる。

0021

なお、平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)観察により測長される粒子径平均値であってもよい。

0022

金属ナノ粒子は、市販品を利用してもよく、公知の方法(例えば、適当な分散剤還元剤の存在下、対応する金属化合物還元する方法等)を利用して製造したものを用いてもよい。

0023

また、金属ナノ粒子は、金属ナノ粒子をそのまま使用してもよく、特に、樹脂粒子とのコンポジット(複合体)を構成してもよい。換言すれば、本発明の剤は、金属ナノ粒子を、樹脂粒子とのコンポジットとの形態で金属ナノ粒子(すなわち、金属ナノ粒子と樹脂粒子とのコンポジット)を含有してもよい。

0024

後述するように、樹脂粒子だけでも口内細菌叢のバランスを変えうるが、樹脂粒子と金属ナノ粒子とを組み合わせることで、より一層大きく口内細菌叢のバランスを変えたり、コンポジット化したりすることで金属ナノ粒子による口内細菌叢のバランスを変えるという機能を安定的に発揮しうる。また、コンポジット化することで、多様性を有する細菌叢の形成を効率よく維持しやすい。

0025

コンポジットにおいて、金属ナノ粒子と樹脂粒子の存在形態は、特に限定されないが、例えば、樹脂粒子に金属ナノ粒子が固定化(又は分散)されていてもよい。換言すれば、コンポジットは、樹脂粒子に金属ナノ粒子が固定化(又は分散)された構造を有するコンポジット粒子(金属−樹脂複合体粒子)であってもよい。

0026

このようなコンポジット粒子(コンポジットビーズ)において、金属ナノ粒子の存在形態は、特に限定されず、例えば、樹脂粒子に内包され(含まれ)ていてもよく、樹脂粒子表面に存在していてもよく、一部が樹脂粒子外に露出して(一部が樹脂粒子に内包されて又は埋もれて)いてもよく、これらを組み合わせて有する存在形態であってもよい。

0027

図1は、本発明において使用可能なコンポジット粒子(樹脂粒子に複数の金属ナノ粒子が固定化された構造を有する金属−樹脂複合体粒子)の一例を示す図(断面模式図)である。金属−樹脂複合体粒子(コンポジット粒子)100は、樹脂粒子10と、金属粒子(金属ナノ粒子)20とを備えている。

0028

ここで、金属粒子20には、樹脂粒子10に完全に内包された金属粒子(以下、「内包金属粒子30」ともいう。)、樹脂粒子10内に埋包された部位及び樹脂粒子10外に露出した部位を有する金属粒子(以下、「一部露出金属粒子40」ともいう。)及び樹脂粒子10の表面に吸着している金属粒子(以下、「表面吸着金属粒子50」ともいう。)が存在する。

0029

一部露出金属粒子40及び内包金属粒子30は、表面吸着金属粒子50と比較して樹脂粒子10との接触面積が大きいことに加え、埋包状態によるアンカー効果等の物理的吸着力が強く、樹脂粒子10から脱離しにくい。そのため、金属−樹脂複合体100を使用すると、耐久性、安定性を優れたものにすることができる。

0030

内包金属粒子30は、その表面の全てが、樹脂粒子10を構成する樹脂に覆われているものである。また、一部露出金属粒子40は、例えば、その表面積の5%以上100%未満が、樹脂粒子10を構成する樹脂に覆われているものであってもよい。また、表面吸着金属粒子50は、その表面積の0%を超えて5%未満が、樹脂粒子10を構成する樹脂に覆われているものであってもよい。

0031

金属−樹脂複合体100における金属粒子20(内包金属粒子30、一部露出金属粒子40及び表面吸着金属粒子50の合計)の割合(担持量)は、例えば、金属−樹脂複合体100の重量(複合体100全体)に対して、5〜70重量%であることが好ましく、より好ましくは15〜70重量%であってもよい。
このような範囲であれば、効率よく金属ナノ粒子と樹脂粒子とを組み合わせることによる効果を得やすい。

0032

金属粒子20の10〜90重量%(例えば、20〜80重量%)が、一部露出金属粒子40及び表面吸着金属粒子50であってもよい。耐久性の観点から、表面吸着金属粒子50が、金属粒子20の20重量%以下であってもよい。

0033

金属粒子20の60〜100重量%が、表層部60に存在し、表層部60に存在する金属粒子20の5〜90重量%が、一部露出金属粒子40または表面吸着金属粒子50であってもよい。換言すれば、表層部60に存在する金属粒子20の10〜95重量%が内包金属粒子30であってもよい。

0034

ここで、前記「表層部」とは、樹脂粒子10の表面から、深さ方向に粒子半径の50%の範囲を意味してもよい。また、前記「三次元的に分布」とは、金属粒子20が、樹脂粒子10の面方向だけでなく、深さ方向にも分散されていることを意味してもよい。一方、前記「二次元的に分布」とは、金属粒子20が、樹脂粒子10の表面から深さ方向に等距離に分散されていることを意味してもよい。なお、樹脂粒子10の表面が曲面であるため、実際には金属粒子20も二次元平面内にはとどまりえない。よって、樹脂粒子10の表面に対して金属粒子20が二次元「的」に分布と称するものである。樹脂粒子10および金属粒子20を投影した面内における金属粒子20の投影の分布を意図するものではない。「二次元的に分布」の例としては、金属粒子20の全てが表面吸着金属粒子50である場合が挙げられる。

0035

コンポジットにおいて、金属粒子(金属粒子20)の粒径(D3)は、前記と同様の範囲から選択でき、例えば、平均粒子径で、500nm以下(例えば、300nm以下、200nm以下、150nm以下等)、100nm以下(例えば、0.1〜90nm)、80nm以下(例えば、1〜80nm)、70nm以下(例えば、1〜70nm)、50nm以下(例えば、1〜50nm)程度であってもよい。

0036

金属−樹脂複合体100の粒子径D1の平均値(平均粒子径)は、金属粒子の担持量等の観点から、例えば100〜1000nmであってもよく、好ましくは100nm以上700nm未満であり、より好ましくは、100nm以上650nm未満であってもよい。ここで、金属−樹脂複合体100の粒子径D1は、樹脂粒子10の粒子径D2に、一部露出金属粒子40又は表面吸着金属粒子50の突出部位の長さを加えた値を意味してもよく、例えば、レーザー回折散乱法、動的光散乱法、または遠心沈降法により測定することができる。

0037

コンポジットにおいて、金属ナノ粒子の割合は、例えば、コンポジット全体(金属ナノ粒子及び樹脂粒子の総量)に対して、1重量%以上(例えば、2〜90重量%)、好ましくは3重量%以上(例えば、4〜80重量%)、さらに好ましくは5重量%以上(例えば、5〜70重量%)程度であってもよく、8重量%以上、10重量%以上、15重量%以上(例えば、15〜70重量%)などであってもよい。

0038

このような割合であれば、効率よく金属ナノ粒子と樹脂粒子とを組み合わせることによる効果を得やすい。

0039

コンポジット(又は樹脂粒子)の平均粒子径は、例えば、50nm以上(例えば、80nm以上)、好ましくは100nm以上(例えば、100〜700nm)、さらに好ましくは100〜650nmであってもよい。
平均粒子径は、レーザー回折/散乱法、動的光散乱法、または遠心沈降法により測定してもよい。
なお、コンポジットが、一部露出金属粒子や表面吸着金属粒子を含む場合、コンポジットの粒子径は、樹脂粒子のみならず、このような金属粒子部分の長さを加えたもの(すなわち、コンポジットとしての粒子径)であってもよい。

0040

樹脂粒子(樹脂粒子を構成する樹脂)は、特に限定されず、例えば、スチレン系樹脂ポリスチレン等)、ビニルアルコール系樹脂(例えば、ポリビニルアルコール)、ポリ(p−スチレンスルホン酸ナトリウム)、メラミン樹脂尿素樹脂アクリル樹脂セルロース系樹脂セルロースなど)等が挙げられる。

0041

特に、樹脂粒子は、金属ナノ粒子を固定化(分散)するという観点から、金属(金属イオン)を吸着可能である(例えば、吸着可能な構造又は部位を有する)のが好ましい。

0042

代表的には、樹脂粒子は、含窒素樹脂含窒素ポリマー)粒子であることが好ましい。含窒素ポリマー中の窒素原子は、金属ナノ粒子の前駆体であるアニオン性金属イオン(例えば、アニオン性金属錯イオン)を化学吸着しやすいため、好ましい。

0043

なお、含窒素ポリマー中に吸着した金属イオンを還元し、金属ナノ粒子を形成すると、生成した金属ナノ粒子の一部は、内包金属粒子または一部露出金属粒子となりうる。

0044

また、アクリル酸重合体のように、カルボン酸等はカチオン性金属イオンを吸着することができるため、金属ナノ粒子の前駆体であるカチオン性金属イオンを吸着しやすく、金属ナノ粒子を形成することが可能であり、上記のいずれかの金属との合金を作ることも可能である。

0045

一方、金属イオンを吸着することが可能な置換基を構造に有する含窒素ポリマー以外の樹脂粒子、例えばポリスチレン等の場合、前記金属イオンを樹脂内部に吸着しにくい。その結果、生成した金属ナノ粒子の大部分は、表面吸着金属ナノ粒子となる。上記のとおり、表面吸着金属粒子は、樹脂粒子との接触面積が小さいため、樹脂と金属の接着力が小さく、樹脂粒子から金属ナノ粒子が脱離する影響が大きい傾向にある。

0046

上記含窒素ポリマーは、主鎖または側鎖に窒素原子を有する樹脂(窒素含有モノマー重合成分とするポリマー)であってもよく、例えば、ポリアミン(ビニルピリジン系ポリマー等)、ポリアミドポリペプチドポリウレタンポリ尿素ポリイミドポリイミダゾールポリオキサゾールポリピロールポリアニリン、これらに対応するモノマー及び共重合性モノマー(例えば、アクリル系モノマー)との共重合体がある。好ましくは、ビニルピリジン系ポリマー[ポリ−2−ビニルピリジン、ポリ−3−ビニルピリジン、ポリ−4−ビニルピリジン、ビニルピリジンと共重合性モノマー(例えば、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート等のアクリル系モノマー)との共重合体等]である。
また、側鎖に窒素原子を有する場合は、例えば、アクリル樹脂、フェノール樹脂エポキシ樹脂幅広く利用することが可能である。
なお、樹脂粒子は、架橋されていてもよく、ラテックスラテックス粒子、ラテックスルビーズ)として使用してもよい。

0047

コンポジット(金属−樹脂複合体)の製造方法は、特に限定されない。例えば、乳化重合法により製造した樹脂粒子の分散液に、金属イオン(金属錯イオンであってもよい)を含有する溶液を加えて、金属イオンを樹脂粒子に吸着させる(以下、「金属イオン吸着樹脂粒子」という。)。さらに、前記金属イオン吸着樹脂粒子を還元剤溶液中に加えることで、金属イオンを還元して金属ナノ粒子を生成させ、金属−樹脂複合体を得てもよい。

0048

金属イオンを含有する溶液は、金属イオンに対応する金属化合物を溶媒に溶解することで得ることができる。例えば、金属粒子として、金粒子を使用する場合、金属錯イオンを含有する溶液としては、塩化金酸HAuCl4)水溶液等が挙げられる。また、白金粒子を使用する場合、塩化白金酸(H2PtCl6)水溶液等が挙げられる。また、金属化合物として金属錯体を用いてもよい。
また、金属イオンを含有する溶液の溶媒として、水の代わりに、メタノールエタノールn−プロパノール2−プロパノールn−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール等の含水アルコール又はアルコール塩酸硫酸硝酸等の酸等を用いても良い。

0049

また、前記溶液に、必要に応じて、例えば、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子化合物界面活性剤アルコール類テトラヒドロフランジエチルエーテルジイソプロピルエーテル等のエーテル類アルキレングリコールポリアルキレングリコール、これらのモノアルキルエーテル又はジアルキルエーテルグリセリン等のポリオール類アセトンメチルエチルケトン等のケトン類等の各種水混和性有機溶媒等の添加剤を添加してもよい。このような添加剤は、金属イオンの還元反応速度を促進し、また生成される金属ナノ粒子の大きさを制御するのに有効となる。

0050

また、還元剤は、公知の物を用いることができる。例えば、水素化ホウ素ナトリウムジメチルアミンボランクエン酸次亜リン酸ナトリウム抱水ヒドラジン塩酸ヒドラジン硫酸ヒドラジンホルムアルデヒドショ糖ブドウ糖アスコルビン酸ホスフィン酸ナトリウムハイドロキノン、硫酸ヒドラジン、ホルムアルデヒド、ロッシェル塩等が挙げられる。このうち、水素化ホウ素ナトリウム又は、ジメチルアミンボラン、クエン酸が好ましい。還元剤溶液には、必要に応じて界面活性剤を添加したり、溶液のpHを調整したりすることが出来る。pH調整にはホウ酸リン酸等の緩衝剤、塩酸や硫酸などの酸、水酸化ナトリウム水酸化カリウムなどのアルカリにより調整することが出来る。
さらに還元剤溶液の温度により、金属イオンの還元速度を調整することで、形成する金属粒子の粒径をコントロールすることが出来る。

0051

また、前記金属イオン吸着樹脂粒子中の金属イオンを還元して金属ナノ粒子を生成させる際、前記金属イオン吸着樹脂粒子を還元剤溶液に添加してもよいし、還元剤を前記金属イオン吸着樹脂粒子に添加してもよいが、内包金属粒子及び一部露出金属粒子を生成させる場合には、後者が好ましい。

0052

<樹脂粒子>
樹脂粒子としては、上記例示の樹脂粒子が挙げられる。すなわち、コンポジットにおいて使用可能な樹脂粒子を(金属ナノ粒子と組み合わせることなく)使用しうる。

0053

樹脂粒子の具体的態様(樹脂の種類、粒径等)は前記と同様である。

0054

例えば、樹脂粒子の平均粒子径は、例えば、50nm以上(例えば、80nm以上)、好ましくは100nm以上(例えば、100〜700nm)、さらに好ましくは100〜650nmであってもよく、レーザー回折/散乱法、動的光散乱法、または遠心沈降法により測定してもよい。

0055

また、樹脂粒子を構成する樹脂は、含窒素ポリマー(例えば、ビニルピリジン系ポリマー等)であってもよく、架橋されていてもよく、ラテックス(ラテックス粒子、ラテックスルビーズ)として使用してもよい。

0056

<剤及び組成物>
本発明の剤は、金属ナノ粒子又は樹脂粒子を含有(少なくとも含有)している。
このような剤において、金属ナノ粒子又は樹脂粒子は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。また、金属ナノ粒子(コンポジットであってもよい)と樹脂粒子とを組み合わせてもよい。

0057

このような剤は、口腔用(口腔用剤、口腔用添加剤、口腔(内)に添加又は適用するための剤)として好適である。

0058

また、本発明の剤は、組成物を構成してもよい。そのため、本発明は、前記剤(又は金属ナノ粒子又は樹脂粒子)を含有する組成物を包含する。このような組成物もまた、剤の用途に対応して、口腔用(口腔用組成物、口腔(内)に添加又は適用するための組成物)として好適に使用できる

0059

組成物は、その用途や組成物の形態に応じて、適宜、他の成分を含んでいてもよい。このような他の成分としては、例えば、溶媒、界面活性剤、油分、粘結剤増粘剤清涼化剤多価アルコール甘味剤湿潤剤保存料酵素香料フッ化物研磨剤色素薬効成分等が挙げられるが、特に限定されない。他の成分は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。

0060

本発明の剤及び組成物は、上記のように口腔用として用いることができる。

0061

具体的な用途としては、オーラルケア用品[例えば、歯磨剤(歯磨き粉液体歯磨き等)、洗口剤(マウスウォッシュ洗口液デンタルリンス口内洗浄剤等)、入れ歯安定剤、ガム、歯ブラシ(ブラシ部分)、歯間ブラシ(ブラシ部分)、デンタルフロス、マウスピース(ナイトガード等])、人工歯(差し歯、入れ歯)等が挙げられる。

0062

金属ナノ粒子及び樹脂粒子は、口腔(口内)に使用・適用することで、口内細菌(口内細菌叢、口内フローラ)のバランスを変動させうる。
そのため、本発明の剤又は組成物(金属ナノ粒子及び樹脂粒子)は、口内細菌(口内細菌叢を構成する口内細菌)のバランスを変える(口内環境を整える)ために用いてもよい。

0063

なお、口内細菌(口内細菌叢を構成する口内細菌)の種類(菌種)は、適用対象によって異なるものであり(個体差があり)、特に限定されない。例えば、口内細菌は、Streptococcus(ストレプトコッカス)属、Neisseria(ナイセリア)属、Actinomyces(アクチノマイセス)属等に属する細菌であってもよい。

0064

特に、本発明では、口内細菌の中でも、特定の菌(菌種)を増大させうる。このような菌としては、金属ナノ粒子や樹脂粒子の種類等に応じて選択できるが、例えば、Fusobacterium periodonticum(フソバクテリウム・ペリオドンティカム)、Haemophilus parainfluenzae(ヘモフィルス・パラインフルエンザ)、Neisseria subflava(ナイセリア・サブフラバ)、Porphyromonas pasteri(ポルフィロモナス・パステリ)等が挙げられる。

0065

このような菌は、口内細菌の中でも、善玉菌(又はその近縁)と考えられており、その存在比率を高めることは、口内環境の改善につながるため好ましい。

0066

そのため、本発明の剤又は組成物、口内細菌叢において、このような特定の口内細菌(例えば、Fusobacterium periodonticum、Haemophilus parainfluenzae、Neisseria subflava、及びPorphyromonas pasteriから選択された少なくとも1種の口内細菌)の存在比率を増大させるために用いることもできる。

0067

このような特定の善玉菌の増大を伴うことで、口内細菌叢において相対的に善玉菌の存在比率を増大させてもよい。

0068

なお、特定の菌を増大できる理由は定かではないが、本発明の剤又は組成物は、特定の菌に対して、生存に有利な変化(例えば、遺伝子発現)を生じさせるようである。

0069

一方、本発明では、口内細菌の中でも、特定の菌(菌種)を低減しうる。このような菌としては、金属ナノ粒子や樹脂粒子の種類等に応じて選択できるが、例えば、Fusobacterium nucleatum subsp. polymorphum(フソバクテリウム・ヌクレアタムポリモルファム)等が挙げられる。

0070

このような菌は、口内細菌の中でも、悪玉菌(又はその近縁)と考えられており、その存在比率を低減することは、口内環境の改善につながるため好ましい。

0071

特定の悪玉菌の低減を伴うことで、口内細菌叢において相対的に悪玉菌の存在比率を低減させてもよい。

0072

なお、特定の菌を低減できる理由は定かではないが、本発明の剤又は組成物は、特定の菌に対して、不利な変化(遺伝子発現、細胞膜傷害など)を生じさせるようである。

0073

次に、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。以下の実施例、比較例において特にことわりのない限り、各種測定、評価は下記によるものである。

0074

固形分濃度測定及び金属担持量の測定>
磁製るつぼ濃度調整前の樹脂複合体の分散液1gを入れ、70℃、3時間乾燥を行った。乾燥前後の重量を測定し、下記式により固形分濃度を算出した。

0075

固形分濃度(重量%)=[乾燥後の重量(g)/乾燥前の重量(g)]×100

0076

また、上記乾燥処理後のサンプルを、さらに500℃、5時間熱処理を行い、熱処理前後の重量を測定し、下記式より金属担持量を算出した。

0077

金属担持量(重量%)=[熱処理後の重量(g)/熱処理前の重量(g)]×100

0078

<樹脂粒子及び樹脂複合体の平均粒子径の測定>
ディスク遠心式粒度分布測定装置(CPSDisc Centrifuge DC24000 UHR、CPS instruments, Inc.社製)を用いて測定した。測定は、樹脂粒子又は樹脂複合体を水に分散させた状態で行った。

0079

<金属ナノ粒子の平均粒子径の測定>
樹脂複合体分散液をカーボン支持膜付き金属性メッシュ滴下して作製した基板を、電界放出走査電子顕微鏡(FE−SEM;日立ハイテクノロジーズ社製、SU−9000)により観測した画像から、任意の100個の金属ナノ粒子の面積平均径を測定した。

0080

<細菌叢の解析
試料被験者唾液又は培養後の唾液)を滅菌プラスチック遠沈管に2ml採取した。マイクロピペットを使用し30回ピペッティングすることで唾液を懸濁した。唾液細菌の細菌叢を解析するために、採取した唾液のうち、500μlをマイクロチューブにて遠心(13,200rpm、4分)し、−80℃で凍結保存した。

0081

凍結した唾液細菌を解凍し、QIAamp UCP Pathogen Mini Kit (QIAGEN)を用いてマニュアルに従いDNAを抽出した。解凍した菌体をDX reagent を含む500μlのATLbufferに懸濁し、Pathogen Lysis Tube Sに加え、Mixer Mill MM301 (Restch)を用いて菌体を粉砕した(振動周波数30Hz、3分間)。マニュアルに従い50μlのAVEbufferにDNAを溶出し、DNA濃度を測定した。

0082

抽出されたDNAを鋳型にして、ポリメラーゼ連鎖反応PCR)により細菌の16SrRNA遺伝子のV3-V4領域を増幅した(1st PCR)。 PCRにはEX Taq HS Premix(Takara)12.5μl + 鋳型DNA(5ng/μl) 2.5 μl +プライマー1(341F, 1μM)5μl + プライマー2(806R, 1μM)5μlを混合し、98℃10 秒, 55℃30秒, 72℃ 1分 を23サイクル繰り返した。アガロースゲル電気泳動により単一の長さのDNAが増幅されていることを確認した後、AMpure XP beads(Beckman Coulter)によりDNAを精製した。

0083

なお、PCRに用いたプライマー(5’から3’への塩基配列)は以下の通りである。

0084

341F: TCGTCGGCAGCGTCAGATGTGTATAAGAGACAGCCTACGGGNGGGWGCAG
806R: GTCTCGTGGGCTCGGAGATGTGTATAAGAGACAGGGACTACHVGGGTWTCTAAT
プライマー(P1): CAAGCAGAAGACGGCATACGAGATTCGCCTTAGTCTCGTGGGCTCGG
プライマー(P2): AATGATACGGCGACCACCGAGATCTACACTAGATCGCTCGTCGGCAGCGTC
2ndPCR用のプライマーP1およびP2は、複数試料を同時に解析する場合は、識別のために、試料ごとに一部の塩基配列が異なるものを用いることがある。

0085

次に、16S Metagenomic Sequencing Library Preparation guide (Illumina)に従い、配列解読用のライブラリを作製した。プライマーP1( 1μM)5μl + プライマーP2(1μM)5μl + Enzyme Premix EX Taq HS 25μl + 精製された1stPCRの産物DNA5μl +精製水10μl を混和して2nd PCR行なった。PCRは、95℃ 3minの後、98℃ 10 秒、55℃30 秒、72℃ 1分を8サイクル繰り返し、最後に72℃5min伸長した。1st PCR後と同様に、AMpure XP beadsによって2ndPCR産物を精製し、4 nMの濃度に希釈した。4 nMに希釈した複数の試料に由来するDNAを混和し、等モルのPhiX DNAと混和し、Miseq Reagent Kit v2 を用いてIllumina Miseqシーケンサーにより2 x 250bpでpair-end配列解読を行なった。得られたDNA配列をCLC Genomics Workbench により97%の相同性を基準にOperational Taxonomical Unit(OTU)クラスタリングを行い、試料に含まれる各OTUのリード数計測した。Human Oral Microbiome Detabase (Version 14.51)を用いて、16SrRNAV3-V4領域の配列との相同性から、各OTUにあてはまる既知の細菌種を決定した。
そして、各実験条件から得られた総リード数から各OTU(細菌種)の比率を計算した。

0086

[合成例1]
<樹脂粒子(ラテックスビーズ)の合成>
メチルトリn−オクチルアンモニウムクロリド(1g)及び50重量%のポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート水溶液(10g)を300gの純水に溶解した後、2−ビニルピリジン(48g)及びジビニルベンゼン(2g)を加え、窒素気流下において150rpm、30℃で50分、次いで60℃で30分間撹拌した。撹拌後、18.0gの純水に溶解した2,2−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン二塩酸塩(0.5g)を滴下し、150rpm、60℃で5時間撹拌した後、40℃まで空冷しながら撹拌することで、平均粒子径430nmのラテックスビーズを得た。遠心分離(13500xg、40分)により沈殿させ、上澄みを除去した後、純水に再度分散させることで不純物を除去した。その後、濃度調整を行い10重量%のラテックスビーズ分散液を得た。

0087

[合成例2]
白金ナノ粒子−樹脂複合体(Ptナノコンポジットビーズ)の作製>
純水130gに合成例1で得たラテックスビーズ分散液(50g)を加えた後、400mMの塩化白金酸水溶液(55g)を加え、30℃で3時間撹拌した。その後、遠心分離(1700xg、30分)によりラテックスビーズを沈殿させ、上澄みを除去することで余分な塩化白金酸を除去した。その後、濃度調整を行い、5.0重量%白金イオン吸着樹脂粒子分散液を調製した。

0088

次に、純水4760gに前記5.0重量%白金イオン吸着樹脂粒子分散液(70g)を加え、3℃で撹拌しながら、132mMのジメチルアミンボラン水溶液(138g)を22分かけて滴下した後、3℃で1時間、25℃で3時間撹拌することで、平均粒子径450nmのPtナノコンポジットビーズを得た。Ptナノコンポジットビーズは、遠心分離により沈殿させ、上澄みを除去した濃縮液透析処理により精製した後、濃度調整することで、1.0重量%のPtナノコンポジットビーズ分散液を得た。作製したPtナノコンポジットビーズにおける白金ナノ粒子の平均粒子径は3.8nm、白金の担持量は38重量%であった。

0089

[合成例3]
金ナノ粒子−樹脂複合体(Auナノコンポジットビーズ)の作製>
純水130gに合成例1で得たラテックスビーズ分散液(50g)を加えた後、400mMの塩化金酸水溶液(82g)を、30℃で3時間撹拌した。その後、遠心分離(1700xg、30分)によりラテックスビーズを沈殿させ、上澄みを除去することで余分な塩化金酸を除去した。その後、濃度調整を行い、5.0重量%金イオン吸着樹脂粒子分散液を調製した。

0090

次に、純水4780gに前記5.0重量%金イオン吸着樹脂粒子分散液(65g)を加え、3℃で撹拌しながら、528mMのジメチルアミンボラン水溶液(20g)を2分かけて滴下した後、3℃で1時間、25℃で3時間撹拌することで、平均粒子径452nmのAuナノコンポジットビーズを得た。Auナノコンポジットビーズは、遠心分離により沈殿させ、上澄みを除去した濃縮液を透析処理により精製した後、濃度調整することで、1.0重量%のAuナノコンポジットビーズ分散液を得た。作製したAuナノコンポジットビーズにおける金ナノ粒子の平均粒子径は23.2nm、金の担持量は50重量%であった。

0091

[実施例1]
唾液細菌叢の多様性を維持することができるSHI培地を用いて、ある被験者の唾液細菌の培養を、下記のようにして行なった。

0092

すなわち、懸濁した唾液0.12ml+SHI培地1.068ml+滅菌水0.012mlを混合して、37℃、嫌気条件下で20時間培養を行なった。20時間の培養後、遠心し(13,200rpm、4分)、上清を除き−80℃で凍結保存した。
SHI培地は、非特許文献(Y Tian et al. 2010 Molecular Oral Microbiology 25; 357-367.)を参考に作製した。

0093

なお、培養前後の細菌叢を解析・比較したところ、このようなSHI培地による培養は、特定の少数の細菌種に偏ることなく、多様な細菌叢を維持して培養できていること、そして、培養前の細菌比率を比較的維持しながら培養できていることを確認した。

0094

このように、SHI培地による培養が、口内細菌の培養に適していることを確認したため、SHI培地による培養において、ラテックスビーズや金属ナノ粒子がどのように影響するかを次のようにして確認した。

0095

すなわち、ある被験者の懸濁した唾液0.12ml及びSHI培地1.068mlを用意し、以下のいずれかの条件で、37℃、嫌気条件下で20時間培養を行なった。20時間の培養後、遠心し(13,200rpm、4分)、上清を除き−80℃で凍結保存した。

0096

・純水0.012mlを添加(コントロール)

0097

・樹脂粒子添加:合成例1で得られたラテックスビーズ分散液0.012ml(培養液に対する濃度濃度0.1mg/ml)を添加

0098

・金ナノ粒子添加:合成例2で得られたAuナノコンポジットビーズ分散液0.012ml(培養液に対する濃度0.1mg/ml)を添加

0099

・白金ナノ粒子添加:合成例3で得られたPtナノコンポジットビーズ分散液0.012ml(培養液に対する濃度0.1mg/ml)を添加

0100

各条件にて得られた培養後の細菌叢を解析した結果を下記表に示す。
なお、表において、細菌の種類には、何も添加することなくSHI培地を用いて培養した場合(コントロール)において、細菌叢中、存在比率の高いものをピックアップして示した。

0101

0102

上記の表の結果から明らかなように、樹脂粒子、金ナノ粒子又は白金ナノ粒子は、いずれも、細菌叢のバランス(細菌叢に存在する細菌種の存在比率)を大きく変えることがわかった。

0103

しかも、このようなバランスは、細菌叢に示す存在比率として、特定の善玉菌が増えたり、特定の悪玉菌を減らすといった、口内環境において、好ましい傾向を示すものであった。

0104

例えば、Fusobacterium periodonticum、Haemophilus parainfluenzae、及びNeisseria subflavaは、善玉菌として知られているが、樹脂粒子、金ナノ粒子及び白金ナノ粒子の添加により、いずれも、細菌叢に占める存在比率が大きくなっている。

0105

一方、Fusobacterium nucleatum subsp. polymorphumは、悪玉菌として知られるが、樹脂粒子、金ナノ粒子及び白金ナノ粒子の添加により、いずれも、細菌叢に占める存在比率が減っている。

0106

[実施例2(異なる細菌叢における樹脂粒子の効果の確認)]
実施例1における樹脂粒子と同様の傾向が、異なる細菌叢においても見られるか確認するため、次のような実験を行った。

0107

すなわち、実施例1において、唾液として、異なる被験者の唾液を用い、条件を、コントロール(添加無し)及び樹脂粒子添加としたこと以外は、実施例1と同様にして、培養・細菌叢の解析を行った。

0108

その結果、実施例1とは細菌種及びその存在比率が全く異なる細菌叢であることがわかったが、このような細菌叢においても、樹脂粒子の添加で培養することにより、コントロールに比べて、細菌叢のバランスが大きく変わることがわかった。

0109

善玉菌・悪玉菌に対しても同様の傾向が見られ、例えば、実施例1の細菌叢にも存在していた細菌種である「Fusobacterium periodonticum」は、存在比率が、コントロールで「18.57%」、樹脂粒子添加で「22.65%」と大きく増大していた。また、善玉菌として知られる「Porphyromonas pasteri」もまた、存在比率が、コントロールで「5.99%」、樹脂粒子添加で「7.17%」と増大していた。

0110

[実施例3(異なる細菌叢における金属ナノ粒子の効果の確認)]
実施例1における金属ナノ粒子と同様の傾向が、異なる細菌叢においても見られるか確認するため、次のような実験を行った。

0111

すなわち、実施例1において、唾液として、異なる被験者(実施例2とも異なる被験者)の唾液を用い、条件を、コントロール(添加無し)、金ナノ粒子添加、及び白金ナノ粒子添加としたこと以外は、実施例1と同様にして、培養・細菌叢の解析を行った。

0112

その結果、実施例1とは細菌種及びその存在比率が全く異なる細菌叢であることがわかったが、このような細菌叢においても、金属ナノ粒子の添加で培養することにより、コントロールに比べて、細菌叢のバランスが大きく変わることがわかった。

0113

善玉菌・悪玉菌に対しても同様の傾向が見られ、例えば、実施例1の細菌叢にも存在していた細菌種である「Fusobacterium periodonticum」は、存在比率が、コントロールで「5.57%」に対して、金ナノ粒子添加で「10.87%」、白金ナノ粒子添加で「12.20%」と大きく増大していた。

0114

他にも、善玉菌として知られる「Porphyromonas pasteri」については、存在比率が、コントロール「4.61%」に対して金ナノ粒子添加で「6.86%」、善玉菌として知られる「Haemophilus parainfluenzae」については、存在比率が、コントロールで「20.40%」に対して白金ナノ粒子添加で「29.63%」という、善玉菌が増大する結果を示した。

実施例

0115

以上、本発明の実施の形態を例示の目的で詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態により制約されることはない。

0116

本発明によれば、口腔用等として好適な新規な剤や組成物を提供できる。

0117

10樹脂粒子
20金属粒子
30内包金属粒子
40一部露出金属粒子
50表面吸着金属粒子
60表層部
100 樹脂複合体

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