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技術 ヒートシール用フィルムおよび収納袋

出願人 三菱ケミカル株式会社
発明者 間野滋充
出願日 2019年3月22日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-054813
公開日 2020年9月24日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-152424
状態 未査定
技術分野 被包材 積層体(2) 高分子成形体の製造 包装体
主要キーワード 生産トラブル クリップ幅 ガーレー試験機法 製造トラブル 汎用ポリエチレン ロール状巻物 分散混合性 アニールロール
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年9月24日)のものです。
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課題

高強度かつ薄膜であり、適度な通気性、優れた熱寸法安定性、ならびに、発熱体高速充填加工に適したヒートシール性およびホットタック性を有しており、通気発熱性物質収納袋としてより好適に使用できるヒートシール用フィルムを提供する。

解決手段

このヒートシール用フィルムは、融点110〜130℃である直鎖状ポリエチレン70〜98質量%、および、融点50〜100℃であるメタロセン系エチレンα−オレフィン共重合体2〜30質量%を含む樹脂組成物100質量部に対して、無機充填材を50〜150質量部を含み、機械流れ方向(MD)の熱収縮率が5%以下である。また、この通気発熱性物質の収納袋は、ヒートシール用フィルムを少なくとも1層備え、開口端縁ヒートシールで結合されている。

概要

背景

従来、この種の使い捨てカイロなどの通気発熱性物質収納袋として、ポリエチレン系樹脂基材とする多孔質フィルムが用いられる場合が多く、該収納袋では通気発熱性物質を前記多孔質フィルムで覆った状態で開口周縁ヒートシールして密封している。前記収納袋として用いられるヒートシール性に優れた多孔質フィルムとして、特許文献1では、ポリエチレン樹脂とともにエチレン酢酸ビニル共重合体EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸共重合体EMA)などの樹脂を添加し、押出ラミネーション法などの多層押出で製造された多孔質フィルムが提供されている。

また、特許文献2では、ヒートシール用袋体構成部材用多孔質フィルムとして、低融点メタロセン系ポリエチレン樹脂を含有する層と、高融点のポリエチレン樹脂を含有する層とを積層した積層多孔質フィルムが提供されている。該積層多孔質フィルムは、前記低融点の易ヒートシール層表層に設けることで、機械物性とヒートシール性とを改良している。

概要

高強度かつ薄膜であり、適度な通気性、優れた熱寸法安定性、ならびに、発熱体高速充填加工に適したヒートシール性およびホットタック性を有しており、通気発熱性物質の収納袋としてより好適に使用できるヒートシール用フィルムを提供する。このヒートシール用フィルムは、融点110〜130℃である直鎖状ポリエチレン70〜98質量%、および、融点50〜100℃であるメタロセン系エチレンα−オレフィン共重合体2〜30質量%を含む樹脂組成物100質量部に対して、無機充填材を50〜150質量部を含み、機械流れ方向(MD)の熱収縮率が5%以下である。また、この通気発熱性物質の収納袋は、ヒートシール用フィルムを少なくとも1層備え、開口端縁がヒートシールで結合されている。なし

目的

本発明は、高強度かつ薄膜であり、ヒートシール性、ホットタック性および品質の安定性に優れる点に加え、EVA、EEA、EMAなどの極性基を有するエチレン共重合体を用いない1層構造のヒートシール用フィルム、および該ヒートシール用フィルムからなる収納袋を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

融点110〜130℃である直鎖状ポリエチレン70〜98質量%、および、融点50〜100℃であるメタロセン系エチレンα−オレフィン共重合体2〜30質量%を含むポリエチレン系樹脂組成物100質量部に対して、無機充填材を50〜150質量部を含み、機械流れ方向(MD)の熱収縮率が5%以下である、ヒートシール用フィルム

請求項2

前記直鎖状ポリエチレンの密度が0.910〜0.940g/cm3である、請求項1に記載のヒートシール用フィルム。

請求項3

前記メタロセン系エチレン/α−オレフィン共重合体の密度が0.860〜0.905g/cm3である、請求項1または2に記載のヒートシール用フィルム。

請求項4

坪量が20〜100g/m2である、請求項1〜3のいずれか1つに記載のヒートシール用フィルム。

請求項5

透気度が1,000〜100,000秒/100mLである、請求項1〜4のいずれか1つに記載のヒートシール用フィルム。

請求項6

請求項1〜5のいずれか1つに記載のヒートシール用フィルムを少なくとも1層備え、開口端縁ヒートシールで結合されている通気発熱性物質収納袋

請求項7

使い捨てカイロ用の収納袋である、請求項6に記載の通気発熱性物質の収納袋。

技術分野

0001

本発明は、ヒートシール用フィルムおよび該ヒートシール用フィルムからなる収納袋に関し、詳しくは、高強度かつ薄膜で、ヒートシール性ホットタック性通気性などに優れるヒートシール用フィルムおよび該ヒートシール用フィルムからなる収納袋であって、使い捨てカイロ温湿布などの通気発熱性物質ヒートシールして収納する収納袋として好適に用いられるものである。

背景技術

0002

従来、この種の使い捨てカイロなどの通気発熱性物質の収納袋として、ポリエチレン系樹脂基材とする多孔質フィルムが用いられる場合が多く、該収納袋では通気発熱性物質を前記多孔質フィルムで覆った状態で開口周縁をヒートシールして密封している。前記収納袋として用いられるヒートシール性に優れた多孔質フィルムとして、特許文献1では、ポリエチレン樹脂とともにエチレン酢酸ビニル共重合体EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸共重合体EMA)などの樹脂を添加し、押出ラミネーション法などの多層押出で製造された多孔質フィルムが提供されている。

0003

また、特許文献2では、ヒートシール用袋体構成部材用多孔質フィルムとして、低融点メタロセン系ポリエチレン樹脂を含有する層と、高融点のポリエチレン樹脂を含有する層とを積層した積層多孔質フィルムが提供されている。該積層多孔質フィルムは、前記低融点の易ヒートシール層表層に設けることで、機械物性とヒートシール性とを改良している。

先行技術

0004

特開平10−152570号公報
特開2011−104993号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、特許文献1に記載の多孔質フィルム、すなわち、EVA、EEA、EMAなどの極性基を有するエチレン共重合体は基材との接着性に優れるものの、熱安定性に乏しいため、リサイクル使用時において樹脂ヤケが発生したり、多孔質フィルムが黄変したりするなどの種々の課題がある。
また、特許文献2に記載の融点が異なるポリエチレンを含む積層多孔質フィルムは、積層構造であるため、不良製品から樹脂原料への再利用およびリサイクルが困難となり、経済性が低いという課題がある。

0006

さらに、近年、多孔質フィルムからなる袋体へ前記通気発熱性物質を充填する充填加工機には、生産能力が高い高速な装置が用いられており、多孔質フィルムをヒートシール可能な温度まで予熱するための時間が短くなっている。また、一般的な多孔質フィルムは押出および延伸機械流れ方向(MD)へ強く配向しているため、機械流れ方向(MD)と横断方向(TD)のヒートシール温度熱伝導性)が異なる。そのため、ヒートシール温度の範囲をより広く低温側にして、高速充填を可能にすることが求められる。また、ヒートシール直後鉄粉などの発熱体が充填されるため、シール部分が高温でも破袋しないホットタック性も重要である。

0007

また、多孔質フィルムの通気性が大きくバラついている場合、使い捨てカイロ、温湿布などの通気発熱性物質が異常発熱し、使用者低温火傷などを受ける恐れがあるため、透気度均等性は重要である。
透気度の均等性を得るためには、多孔質フィルムの外観が良好、つまり延伸ムラおよび厚みムラが無く均一であることが重要である。延伸ムラおよび厚みムラの発生要因としては、高速でフィルムを搬送してフィルム状に成形する際に生じる原反不安定性(搬送時の振動によるフィルムの揺れ)、ドローレゾナンス溶融樹脂の不安定な押出、押出した樹脂の脈動など)、冷却固化バラツキ設備動作の不良などが挙げられる。

0008

本発明は、前記課題および重要性に鑑みてなされたもので、使い捨てカイロ、温湿布などの通気発熱性物質の収納袋に用いられるヒートシール用フィルムが、要求される性能を有するようにするものである。
すなわち、本発明は、高強度かつ薄膜であり、ヒートシール性、ホットタック性および品質の安定性に優れる点に加え、EVA、EEA、EMAなどの極性基を有するエチレン共重合体を用いない1層構造のヒートシール用フィルム、および該ヒートシール用フィルムからなる収納袋を提供することを課題としている。

課題を解決するための手段

0009

上記課題を解決するため、本発明は、融点110〜130℃である直鎖状ポリエチレン70〜98質量%、および、融点50〜100℃であるメタロセン系エチレンα−オレフィン共重合体2〜30質量%を含む樹脂組成物100質量部に対して、無機充填材を50〜150質量部を含み、機械流れ方向(MD)の熱収縮率が5%以下である、ヒートシール用フィルムを提供する。

0010

また、本発明で用いる前記樹脂組成物において、前記直鎖状ポリエチレンの密度が0.910〜0.940g/cm3であることが好ましい。
さらに、本発明で用いる前記樹脂組成物において、前記メタロセン系エチレン/α−オレフィン共重合体の密度が0.860〜0.905g/cm3であることが好ましい。

0011

また、本発明のヒートシール用フィルムは、坪量が20〜100g/m2であることが好ましい。
さらに、本発明のヒートシール用フィルムは、透気度が1,000〜100,000秒/100mLであることが好ましい。

0012

また、本発明は、前記ヒートシール用フィルムを少なくとも1層備え、開口端縁がヒートシールで結合されている通気発熱性物質の収納袋を提供しており、中でも使い捨てカイロ用の収納袋として好適に用いられる。

発明の効果

0013

本発明のヒートシール用フィルムは、高価で熱安定性に乏しいEVA、EEA、EMAなどのエチレン共重合体を用いないフィルムとしているため、経済性および生産性に優れている。また、高強度かつ薄膜であり、適度な通気性、優れた熱寸法安定性、ならびに、発熱体の高速充填加工に適したヒートシール性およびホットタック性を有しており、通気発熱性物質の収納袋としてより好適に使用できる。

0014

以下、本発明のヒートシール用フィルムを詳述する。
本発明のヒートシール用フィルムは、融点110〜130℃である直鎖状ポリエチレン70〜98質量%、および、融点50〜100℃であるメタロセン系エチレン/α−オレフィン共重合体2〜30質量%を含むポリエチレン系樹脂組成物100質量部に対して、無機充填材を50〜150質量部を含み、機械流れ方向(MD)の熱収縮率が5%以下である。
このように、本発明におけるポリエチレン系樹脂組成物は、EVA、EEAおよびEMAからなるエチレン共重合体を一切配合していない。

0015

(ポリエチレン系樹脂組成物の成分)
前記ポリエチレン系樹脂組成物において、基材となる直鎖状ポリエチレンとしては、エチレン/プロピレン、エチレン/1−ブテン、エチレン/1−ヘキセン、エチレン/4−メチル−1−ペンテン、エチレン/1−オクテンなどのエチレン/α−オレフィン共重合体からなるものを用いることができる。従来の多孔質フィルムで公知のチーグラー系、フィリップス系などのマルチサイト触媒重合された直鎖状ポリエチレン(後述するメタロセン系エチレン/α−オレフィン共重合体を除く)のいずれも使用可能である。
直鎖状ポリエチレンは、短鎖分岐は有するが長鎖分岐を有しないポリエチレンである。直鎖状ポリエチレンを基材とすることにより機械特性に優れたフィルムとすることができる。

0016

前記直鎖状ポリエチレンは、走査速度10℃/分に設定した示差走査熱量計DSC)で測定した場合の融解ピーク温度(JIS K7121:2012)による融点が110〜130℃であり、好ましくは115〜125℃であり、より好ましくは120〜125℃である。
また、ピクノメーター法(JIS K7112:1999 B法)による密度が0.910〜0.940g/cm3であることが好ましく、より好ましくは0.915〜0.930g/cm3である。
さらに、190℃、2.16kg荷重(JIS K7210−1:2014 条件D)におけるメルトフローレイトMFR)は、好ましくは0.5〜10g/10minであり、より好ましくは0.5〜5g/10minである。

0017

前記直鎖状ポリエチレンの配合量は、70〜98質量%であり、好ましくは85〜98質量%である。前記範囲内であることによって、十分な機械物性を確保することができる。

0018

メタロセン系エチレン/α−オレフィン共重合体とは、ジルコノセンチタノセンハフノセン(総称して、メタロセン)のカミンスキー触媒、ポストメタロセン触媒などの高活性シングルサイト触媒で重合されたエチレン/α−オレフィン共重合体のことを指す。メタロセン系エチレン/α−オレフィン共重合体は、無機充填材の混練性および均一分散性の向上、薄いフィルムへの高速成形加工性の向上、低密度および低融点であることによる弾性率の低下、延伸ムラの抑制のほか、特に低温におけるヒートシール性の向上に寄与し、上記直鎖状ポリエチレンの機能と異なる。

0019

前記メタロセン系エチレン/α−オレフィン共重合体は、前記特徴および目的より、融点が50〜100℃であり、好ましくは55〜95℃であり、より好ましくは60〜80℃である。融点が当該範囲の上限値より低いと、ヒートシール性、ホットタック性、透気度の均等性などが良好となり、当該範囲の下限値より高いと、機械物性の極端な低下がなく、フィルム同士のブロッキング成形加工時の融着などのトラブルが生じない。
また、同様の観点から、前記メタロセン系エチレン/α−オレフィン共重合体の密度は、0.860〜0.905g/cm3であることが好ましく、より好ましくは0.870〜0.905g/cm3であり、更に好ましくは0.875〜0.900g/cm3である。
さらに、押出成形方式などによる均一なフィルムの成形性、ヒートシール性、フィルムの機械強度の低下による融着時の破断防止性などの点より、MFRは好ましくは0.5〜10g/10minであり、より好ましくは0.5〜5g/10minであり、更に好ましくは1.0〜4.0g/10minである。

0020

前記メタロセン系エチレン/α−オレフィン共重合体の配合量は、2〜30質量%であり、好ましくは2〜15質量%である。該配合量が上記範囲内であることによって、無機充填材の混練性および均一分散性の向上、薄いフィルムへの成形加工性の向上、弾性率の低下、延伸ムラの抑制のほか、特に低温におけるヒートシール性の向上が実現されるとともに、十分な機械物性が確保されたヒートシール用フィルムを提供することができる。

0021

前記メタロセン系エチレン/α−オレフィン共重合体としては、例えば、日本ポリエチレン(株)製の「カーネル」、(株)プライムポリマー製の「エボリュー」、住友化学(株)製の「エクセレンFX」、Dow Chemical Company製の「AFFINITY」などが挙げられる。

0022

本発明におけるポリエチレン系樹脂組成物には、必要に応じて、長鎖分岐を有する高圧重合法低密度ポリエチレン(HP−LDPE)を添加してもよい。HP−LDPEを添加することによって、インフレーション成形におけるバブルの安定性を確保することができる。HP−LDPEは、密度0.910〜0.930g/cm3、MFR0.5〜10g/10min、融点110〜130℃、配合量は前記樹脂組成物中に2〜10質量%の範囲であることが好ましい。

0023

前記樹脂組成物に配合する前記無機充填材としては、炭酸カルシウム硫酸カルシウム炭酸バリウム硫酸バリウム酸化チタンタルククレイカオリナイトモンモリロナイトなどの微粒子鉱物などが挙げられる。製造するフィルムの多孔化の発現汎用性の高さ、低価格、種類の豊富さなどの利点から、本発明では炭酸カルシウムおよび硫酸バリウムが好適に用いられる。該無機充填材の平均粒子径は、好ましくは0.5〜5μm、より好ましくは0.8〜3μmである。0.5μm以上とすることで、無機充填材の分散分配不良および二次凝集がなく、均一に分散させることができる。一方、5μm以下とすることで、薄膜化した際に大きなボイドが発生することなく、強度および耐水性を十分に確保することができる。
また、前記無機充填材は、ポリエチレン樹脂との分散混合性を向上させる目的で、あらかじめ脂肪酸脂肪酸エステルなどでコーティングされて、その表面をポリエチレン樹脂となじみ易くしておくことが好ましい。

0024

無機充填材の配合量は、前記樹脂組成物100質量部に対して、50〜150質量部であり、好ましくは60〜150質量部である。該配合量が50質量部未満であると、適度な通気性を発現させるのが困難であり、150質量部を超えると、フィルムの強度および防水性が低下する。

0025

本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、その他の添加剤を添加してもよい。具体的には、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド金属石鹸高級アルコールワセリンパラフィンワックスグリセリン脂肪酸エステルポリグリセリン脂肪酸エステルソルビタン脂肪酸エステルプロピレングリコール脂肪酸エステルひまし油水添ひまし油硬化ひまし油脱水ひまし油芳香族エステル芳香族アミドポリエーテルポリエステルなどの低分子量ポリマーオリゴマー)などの可塑剤滑剤、および無機充填材を良好に分散させる添加剤が挙げられる。該添加量は、特に限定されないが、前記樹脂組成物100質量部に対して、好ましくは10質量部以下である。

0026

また、上記添加剤のほかに使用目的に応じて、相溶化剤加工助剤酸化防止剤熱安定剤光安定剤紫外線吸収剤アンチブロッキング剤防曇剤艶消し剤抗菌剤消臭剤帯電防止剤難燃剤着色剤顔料などを樹脂組成物に添加してもよい。該添加量は、特に限定されないが、前記樹脂組成物100質量部に対して、好ましくは5質量部以下である。

0027

(ヒートシール用フィルムの製造方法)
前述した直鎖状ポリエチレン、メタロセン系エチレン/α−オレフィン共重合体、無機充填材などを混合機で混合した後、混練機溶融混練させることが好ましい。具体的には、タンブラーミキサーミキシングロールバンバリーミキサーリボンブレンダースーパーミキサーなどの混合機で適当な時間混合した後、異方向二軸押出機同方向二軸押出機などの混練機を用い、混練物の均一な分散分配を促す。または、混合機による混合分散を介さずに直鎖状ポリエチレン、メタロセン系エチレン/α−オレフィン共重合体、無機充填材などを直接押出機に投入し、混練することも可能である。混練された樹脂組成物をストランドカットダイカットなどの方法により一旦ペレット化することが好ましいが、そのままダイを通じてフィルム状の原反に成形してもよい。

0028

ヒートシール用フィルムの製造は、まず、混練された樹脂組成物を溶融押出などの方式でフィルム状の原反とする。前記フィルム状の原反を製造する方法は限定されず、公知の方法を用いてフィルム状の原反を製造してもよいが、製造効率コストなどから、前記樹脂組成物を溶融押出後、インフレーションチューブラ、Tダイなどの成形方式によりフィルム状に成形する溶融押出成形方式が好ましく、中でもインフレーションがより好ましい。

0029

前記溶融押出成形により得られたフィルム状の原反を多孔化する方法としては、延伸開孔法が一般的であるが、その方法については限定されない。例えば、ロール延伸方式、テンター方式、同時式、逐次式等の二軸延伸方式などの公知の延伸方式を適用することができる。
本発明においては、少なくとも一軸方向に1回、または、延伸ムラおよび通気性との兼ね合いにより2回以上行なってもよい。延伸温度は30〜90℃が好ましく、より好ましくは50〜80℃である。延伸倍率は合計2.5〜5.0倍が好ましく、より好ましくは合計2.5〜4.0倍である。延伸倍率を合計2.5倍以上とすることで、均一に延伸されて十分に優れた外観を有するヒートシール用フィルムを得ることができる。また、ヒートシール用フィルムを発熱体の収納袋として用いる際に、十分に均一な通気性を有するため、使い捨てカイロなどの通気発熱性物質の異常発熱を抑制することができる。一方で、延伸倍率を合計5.0倍以下とすることで、収納袋の四方周縁をヒートシールする際に、ヒートシール性が十分に確保することができ、機械物性のバランスのとれたヒートシール用フィルムが得られる。

0030

前記ヒートシール用フィルムの延伸方向の熱収縮対策として、延伸後に熱固定および弛緩を行うことが好ましい。ここで、熱固定とは、あらかじめフィルムに熱をかけてフィルムをわざと熱収縮させ、製品ロール収縮を抑えることを指す。ロール延伸法の場合、延伸後のフィルムを加熱したロール(アニールロール)により加熱しながらドロー比巻取側ロール速度/巻出側ロール速度の比)を負数にする方法が挙げられる。また、テンター延伸法の場合、テンター出口付近でフィルムを加熱し、両端のクリップ幅を延伸後の幅より狭くすることでフィルムを自己収縮させる。

0031

前記熱固定の温度が低すぎるとフィルムが十分に熱固定されず、熱寸法安定性に劣る。一方、該温度が高すぎるとフィルムがロールに巻きついたり、破れたりするなどの製造トラブルが発生しうる。以上の点を考慮すると、本発明での熱固定温度は70〜120℃が好ましい。また、負数のドロー比は合計−20〜−5%が好ましい。規定された範囲内で熱固定を実施することで、十分な熱寸法安定性を得ることができる。本工程を経たヒートシール用フィルムはロール状巻物として長期保管しても、弾性回復、熱などによる収縮および巻き絞まり、フィルム同士の貼り付きおよびブロッキングが少なく、次工程でも問題なく加工できる。なお、前記延伸と同様に熱固定も複数回実施してもよい。

0032

(ヒートシール用フィルムの物性)
本発明のヒートシール用フィルムの熱収縮率は、5%以下であり、好ましくは4%以下である。熱収縮率が5%以下であることによって、フィルムが収縮し、外観不良が発生したり、通気発熱性物質の発熱不良が発生したりすることを防止することができる。
なお、本発明における熱収縮率は、60℃、1時間の条件下の機械流れ方向(MD)の熱収縮率をいう。

0033

本発明のヒートシール用フィルムの坪量は、好ましくは20〜100g/m2であり、より好ましくは40〜80g/m2である。坪量が20g/m2以上であることにより、使い捨てカイロ、温湿布などの通気発熱性物質の収納袋として引張強度引裂強度および剛性を十分に確保することができる。また、坪量が100g/m2以下であることにより、十分な軽量感を得ることができる。

0034

本発明のヒートシール用フィルムの透気度は、通気性に基づき発熱する通気発熱性物質が適温となるように、好ましくは1,000〜100,000秒/100mLであり、より好ましくは5,000〜50,000秒/100mLである。ここで、透気度とは、JIS P8117:2009(ガーレー試験機法)に規定される方法に準じた透気度測定装置(例えば、旭精工(株)製、王研式透気度測定機、EGO1−55型)を用いて測定されるものをいう。

0035

本発明のヒートシール用フィルムの機械流れ方向(MD)のヒートシール最低温度は、延伸開孔時および熱固定時において、結合されるフィルム同士または熱固定ロールにフィルムが貼り付くなどの生産トラブルを抑制する観点から、好ましくは90℃以上であり、より好ましくは95℃以上であり、良好なヒートシール性を得る観点から、好ましくは120℃以下であり、より好ましくは110℃以下である。
なお、本発明におけるヒートシール温度は、実施例に記載の方法により測定されるものをいう。

0036

(ヒートシール用フィルムを用いた通気発熱性物質の収納袋)
本発明の収納袋は、本発明のヒートシール用フィルムを少なくとも1層備え、開口端縁がヒートシールで結合されている通気発熱性物質の収納袋である。
より具体的には、本発明の収納袋は、本発明のヒートシール用フィルムを、全面又は少なくとも一面に用いて袋体に形成したものである。該収納袋は、例えば、ヒートシール用フィルムの端縁を結合してなる袋体などの従来に準じた袋形態(四方袋三方袋、ピロー袋など)とすることができる。
フィルム端縁の結合には適宜な方式を採用し得るが、本発明では収納袋の製造効率などの点より融着方式が好適に用いられる。融着には、加熱によるヒートシールに限定されず、超音波融着などの公知の方式を採ることができる。なお、本発明の収納袋ではヒートシールにより熱融着でフィルムの端縁を結合している。

0037

前記収納袋は、ヒートシール用フィルムの通気性を利用し、使い捨てカイロ、温湿布などを形成する通気発熱性物質を好適に収納する。該収納袋の製造方法は特に限定されないが、該収納袋を例えば四方袋とし、両面2枚のヒートシール用フィルムの間に、例えば使い捨てカイロの通気発熱性物質を配置して、四方端縁をヒートシールで結合して使い捨てカイロを形成することができる。なお、収納袋は四方袋に限定されず、上記した他の袋形態としてもよい。また、本発明のヒートシール用フィルムと不織布などの他素材とで収納袋を形成してもよい。

0038

以下、本発明の実施例および比較例を記載するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

0039

実施例および比較例において使用した原材料は以下のとおりである。
ポリエチレン系樹脂の密度は、JIS K7112:1999に基づき測定した。
ポリエチレン系樹脂の融点は、JIS K7121:2012に基づき測定した。
ポリエチレン系樹脂のMFRは、JIS K6922−1:1997に基づき測定した。
<直鎖状ポリエチレン>
LLDPE:日本ポリエチレン(株)製 ノバテックLL UF230(密度0.921g/cm3、融点121℃、MFR1.0g/10min)
<メタロセン系エチレン/α−オレフィン共重合体>
・m−LLDPE 1:日本ポリエチレン(株)製カーネルKS340T(密度0.880g/cm3、融点60℃、MFR3.5g/10min)
・m−LLDPE 2:日本ポリエチレン(株)製 カーネル KF260T(密度0.901g/cm3、融点93℃、MFR2.0g/10min)
・m−LLDPE 3:日本ポリエチレン(株)製 ハーモレックスNF324A(密度0.906g/cm3、融点120℃、MFR1.0g/10min)
高密度ポリエチレン
・HDPE:日本ポリエチレン(株)製 ノバテックHD HF560(密度0.963g/cm3、融点135℃、MFR7.0g/10min)
<エチレン/α−オレフィン共重合体ゴム
EBR:三井化学(株)製タフマーA1050S(密度0.862g/cm3、融点45℃、MFR1.2g/10min)
<無機充填材>
炭酸カルシウム:備粉化工業(株)製ライトBS−0(平均粒子径1.1μm、脂肪酸表面処理
<可塑剤>
硬化ひまし油:ケイエフトレーディング(株)製 HCO−P
<酸化防止剤>
BASFジャパン(株)製 IRGANOX B225

0040

実施例1〜2
表1に示す原材料すべてをスーパーミキサーに投入し所定時間混合させ、同方向二軸押出機で押出温度180℃で溶融混練させ、ストランドカット方式コンパウンドペレットを得た。その後、単軸押出機とインフレーション・ダイによってフィルム状に成形した。ロール式縦延伸機を用いて延伸温度60℃、延伸倍率2.6倍でMD方向の一軸延伸を行い、MD方向に10%の弛緩を行いながら90℃で熱固定することでヒートシール用フィルムを得た。

0041

比較例1〜4
原材料および原材料の配合量を表1に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様の製造条件でヒートシール用フィルムを得た。

0042

(ヒートシール用フィルムの測定方法および評価)
実施例1〜2および比較例1〜4を以下の項目で評価した。評価結果は表1に示す。

0043

(1)坪量(g/m2)
得られたヒートシール用フィルムから試験片(MD:250mm、TD:200mm)を採取した後、電子天秤で質量(g)を測定し、その数値を20倍して坪量とした。

0044

(2)透気度(秒/100mL)
透気度はJIS P8117:2009(ガーレー試験機法)に規定される方法に準じて測定される100mLの空気がサンプルを通過する秒数であり、例えば、旭精工(株)製王研式透気度測定機EGO1−55型を用いて測定することができる。本発明において、サンプルを無作為に10点測定し、その平均値を透気度とした。

0045

(3)熱収縮率(%)(熱寸法安定性)
ヒートシール用フィルムから試験片(MD:200mm、TD:10mm)を採取し、槽内温度60℃に設定した対流オーブンに1.0時間静置加熱した。その後、機械流れ方向(MD)の長さL(mm)を測定した。ヒートシール用フィルムの3箇所を無作為に選んで測定し、式「(L−200)/200×100(%)」により、それぞれの熱収縮率を求め、その算術平均値をヒートシール用フィルムの熱収縮率とした。

0046

(4)ヒートシール最低温度(℃)(ホットタック性およびヒートシール性)
ヒートシール試験装置((株)井元製作所製IMC−3014型)を用い、時間2秒、圧力0.5MPaの条件の下、シール加熱温度を1℃ずつ上昇させ、汎用ポリエチレンシートと当該ヒートシール用フィルムを融着させた。試験後にフィルムが剥離しない最低温度を、ヒートシール最低温度とした。

0047

(5)ブロッキング
ヒートシール用フィルムについて、フィルム同士のブロッキングの程度を、以下の基準で判断した。
A: ブロッキング なし
B: ブロッキングはあるが、剥離が可能
C: ブロッキングがあり、剥離が困難

0048

(6)外観(延伸ムラの有無)
ヒートシール用フィルムについて、フィルムの外観を目視によって、以下の基準で判断した。
A:延伸ムラなし、均一に延伸白化している
B:延伸ムラはほとんどないが、均一に延伸されている
C:小さな延伸ムラがある

0049

(7)総合判定
ヒートシール用フィルムについて、以下の基準で総合判定を行った。
A:ブロッキングおよび外観の評価がAである
B:ブロッキングおよび外観の評価の少なくともいずれかがBであるとともに、評価Cがない
C:ブロッキングおよび外観の評価が少なくともいずれかがCである
上記基準によれば、例えば、ブロッキングの評価がBであり、外観の評価がCである場合、総合判定はCである。

0050

実施例

0051

表1より、実施例1〜2は、ブロッキングもなく、熱寸法安定性、低温シール性、ホットタック性、外観に優れるため、使い捨てカイロ、温湿布などの通気発熱性物質を充填した場合も実用生産に耐えうる。
一方、比較例1〜4は、ブロッキングや外観不良が発生し、特に、比較例3〜4は熱寸法安定性に劣っている。

0052

本発明のヒートシール用フィルムは、高強度かつ薄膜であり、ヒートシール性、ホットタック性、熱寸法安定性、外観に優れるため、使い捨てカイロ、温湿布などの通気発熱性物質の収納袋として好適に使用できる。

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