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技術 廃酸液処理装置及び廃酸液処理方法

出願人 大阪瓦斯株式会社
発明者 妹尾博年
出願日 2019年3月18日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-050123
公開日 2020年9月24日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-151626
状態 未査定
技術分野 半透膜を用いた分離
主要キーワード 外部タンク内 加圧エネルギ 供給用電磁弁 各液面レベル 廃酸液 分離対象成分 温水供給源 液面レベルセンサ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (5)

課題

分離対象成分を含む廃酸液、特に、塩酸硫酸水溶液及びリン酸水溶液を処理できる廃酸液処理装置を提供する。

解決手段

廃酸液処理装置Cは、分離対象成分を含む廃酸液を処理する装置であって、廃酸液が、塩酸S、硫酸水溶液、リン酸水溶液の中から選択された一種であり、廃酸液が流通する廃酸流通部、冷媒が流通する冷媒流通部、及び廃酸流通部と冷媒流通部とを隔て、分離対象成分が透過可能な疎水性多孔質膜からなり、廃酸流通部から疎水性多孔質膜を透過した分離対象成分を冷媒流通部で凝縮して、廃酸液から分離対象成分を分離可能膜蒸留ユニット15を備えている。

概要

背景

廃液中から分離対象成分を分離する装置では、廃液から分離対象成分として水分を分離する場合、逆浸透法膜蒸留法が用いられる。逆浸透法とは、廃液に圧力をかけて逆浸透膜でろ過することで、廃液から精製水を得る手法である。

これに対し、膜蒸留法とは、廃液中の水蒸気などの分離対象成分を透過可能な疎水性多孔質膜を用い、廃液から疎水性多孔質膜を透過した分離対象成分を冷媒によって凝縮させて蒸留対象成分を含む蒸留水を得る手法である。この膜蒸留法は、逆浸透法と異なり、廃液に圧力をかける必要がないため、加圧エネルギーが不要であるという利点がある。

例えば、特許文献1には、油層内回収法オイルサンド層からビチュメン回収する際に発生する加温排水浄化処理して再利用するための排水処理方法において、上記膜蒸留法を利用し、加温排水に含有されている油分などを低減・除去した処理水を回収している。

概要

分離対象成分を含む廃酸液、特に、塩酸硫酸水溶液及びリン酸水溶液を処理できる廃酸液処理装置を提供する。廃酸液処理装置Cは、分離対象成分を含む廃酸液を処理する装置であって、廃酸液が、塩酸S、硫酸水溶液、リン酸水溶液の中から選択された一種であり、廃酸液が流通する廃酸流通部、冷媒が流通する冷媒流通部、及び廃酸流通部と冷媒流通部とを隔て、分離対象成分が透過可能な疎水性多孔質膜からなり、廃酸流通部から疎水性多孔質膜を透過した分離対象成分を冷媒流通部で凝縮して、廃酸液から分離対象成分を分離可能膜蒸留ユニット15を備えている。

目的

本発明は以上の実情に鑑みなされたものであり、分離対象成分を含む廃酸液、特に、塩酸、硫酸水溶液及びリン酸水溶液を処理できる廃酸液処理装置及び廃酸液処理方法の提供を、その目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

分離対象成分を含む廃酸液を処理する装置であって、前記廃酸液が、塩酸硫酸水溶液リン酸水溶液の中から選択された一種であり、前記廃酸液が流通する廃酸流通部、冷媒が流通する冷媒流通部、及び前記廃酸流通部と前記冷媒流通部とを隔て、前記分離対象成分が透過可能な疎水性多孔質膜からなり、前記廃酸流通部から前記疎水性多孔質膜を透過した前記分離対象成分を前記冷媒流通部で凝縮して、前記廃酸液から前記分離対象成分を分離可能膜蒸留ユニットを備える廃酸液処理装置

請求項2

前記膜蒸留ユニットに供給される前記廃酸液が貯留され、前記廃酸流通部を流通した前記廃酸液が回収される廃酸液貯留槽と、前記廃酸液貯留槽から前記膜蒸留ユニットに供給される前記廃酸液を加熱する加熱手段と、分離した前記分離対象成分を含む蒸留液を貯留する蒸留液貯留槽と、前記蒸留液貯留槽に貯留された前記分離対象成分を含む蒸留液を冷却して前記冷媒とする冷却手段とを備える請求項1に記載の廃酸液処理装置。

請求項3

前記廃酸液が塩酸であって、前記蒸留液貯留槽内の前記蒸留液中の塩化水素濃度を検出する濃度検出手段と、前記廃酸液貯留槽への前記廃酸液の供給量を調整する供給量調整手段とを更に備え、前記供給量調整手段は、前記濃度検出手段での検出結果を基に、前記廃酸液貯留槽への廃酸液の供給量を調整する請求項2に記載の廃酸液処理装置。

請求項4

前記供給量調整手段は、前記濃度検出手段で検出される前記塩化水素濃度が11%〜13%の範囲内となるように、前記廃酸液の供給量を調整する請求項3に記載の廃酸液処理装置。

請求項5

分離対象成分を含む廃酸液を処理する方法であって、前記廃酸液が、塩酸、硫酸水溶液、リン酸水溶液の中から選択された一種であり、廃酸流通部と冷媒流通部とが前記分離対象成分を透過可能な疎水性多孔質膜で隔てられた構成を備える膜蒸留ユニットの前記廃酸流通部に前記廃酸液を流通させるとともに、前記冷媒流通部に冷媒を流通させ、前記廃酸流通部から前記疎水性多孔質膜を透過した前記分離対象成分を前記冷媒流通部で凝縮させて、前記廃酸液から前記分離対象成分を分離する廃酸液処理方法

請求項6

前記廃酸液が貯留された廃酸液貯留槽から前記廃酸流通部に加熱した前記廃酸液を流通させるとともに、前記廃酸流通部を流通した前記廃酸液を前記廃酸液貯留槽に回収し、前記廃酸液から分離した前記分離対象成分を含む蒸留液を蒸留液貯留槽に回収して、当該回収した前記分離対象成分を含む蒸留液を冷却して前記冷媒として前記冷媒流通部に流通させる請求項5に記載の廃酸液処理方法。

請求項7

前記廃酸液が塩酸であって、前記蒸留液貯留槽内の前記蒸留液中の塩化水素濃度を検出し、当該検出した塩化水素濃度を基に、前記廃酸液貯留槽への前記廃酸液の供給量を調整する請求項6に記載の廃酸液処理方法。

請求項8

前記廃酸液貯留槽への前記廃酸液の供給量は、検出される前記塩化水素濃度が11%〜13%の範囲内となるように調整する請求項7に記載の廃酸液処理方法。

技術分野

0001

本発明は、分離対象成分を含む廃酸液から分離対象成分を分離する廃酸液処理装置及び廃酸液処理方法に関する。

背景技術

0002

廃液中から分離対象成分を分離する装置では、廃液から分離対象成分として水分を分離する場合、逆浸透法膜蒸留法が用いられる。逆浸透法とは、廃液に圧力をかけて逆浸透膜でろ過することで、廃液から精製水を得る手法である。

0003

これに対し、膜蒸留法とは、廃液中の水蒸気などの分離対象成分を透過可能な疎水性多孔質膜を用い、廃液から疎水性多孔質膜を透過した分離対象成分を冷媒によって凝縮させて蒸留対象成分を含む蒸留水を得る手法である。この膜蒸留法は、逆浸透法と異なり、廃液に圧力をかける必要がないため、加圧エネルギーが不要であるという利点がある。

0004

例えば、特許文献1には、油層内回収法オイルサンド層からビチュメン回収する際に発生する加温排水浄化処理して再利用するための排水処理方法において、上記膜蒸留法を利用し、加温排水に含有されている油分などを低減・除去した処理水を回収している。

先行技術

0005

特開2015−100775号公報

発明が解決しようとする課題

0006

ところで、処理対象たる廃液に含まれる成分は、水分の他、油分や塩分、有機物など多岐にわたり、その性質も様々である。したがって、膜蒸留法を利用してある廃液を適切に処理することができたからといって、含有成分や性質が異なる他の廃液も一様に処理することができるわけではない。

0007

また、廃液中から分離対象成分を分離する装置は、分離対象成分としての水分を含む廃液から水分を分離処理して、分離した水分を再利用する用途に用いられるだけでなく、廃液から分離対象成分を除去することで、廃液の廃棄量を減量化したり、分離対象成分の除去によって濃縮された廃液を再利用する用途にも用いられる。

0008

ところが、上記特許文献1には、単に膜蒸留法を利用して加温排水から油分等を低減・除去した処理水を回収する点が記載されているに過ぎず、膜蒸留法を利用して、廃液の廃棄量を減量化したり、廃液を濃縮して再利用したりといった用途に用いる点について何ら言及されていない。

0009

このように、膜蒸留法の利用方法について、十分な検討がなされていないのが現状である。そこで、本願発明者は、膜蒸留法を利用した廃液処理に関して鋭意研究を重ね、膜蒸留法によって処理可能な複数の廃液を見出し、これら複数の廃液を処理するための処理装置及び処理方法確立した。

0010

本発明は以上の実情に鑑みなされたものであり、分離対象成分を含む廃酸液、特に、塩酸硫酸水溶液及びリン酸水溶液を処理できる廃酸液処理装置及び廃酸液処理方法の提供を、その目的とする。

課題を解決するための手段

0011

本願発明者は、膜蒸留法により処理可能な廃液について鋭意研究を重ねた結果、塩酸、硫酸水溶液及びリン酸水溶液を膜蒸留法によって処理できるという新たな知見を得て、本発明を完成させるに至った。

0012

即ち、上記目的を達成するための本発明に係る廃酸液処理装置の特徴構成は、分離対象成分を含む廃酸液を処理する装置であって、
前記廃酸液が、塩酸、硫酸水溶液、リン酸水溶液の中から選択された一種であり、
前記廃酸液が流通する廃酸流通部、冷媒が流通する冷媒流通部、及び前記廃酸流通部と前記冷媒流通部とを隔て、前記分離対象成分が透過可能な疎水性多孔質膜からなり、前記廃酸流通部から前記疎水性多孔質膜を透過した前記分離対象成分を前記冷媒流通部で凝縮して、前記廃酸液から前記分離対象成分を分離可能膜蒸留ユニットを備える点にある。

0013

また、上記目的を達成するための本発明に係る廃酸液処理方法の特徴構成は、分離対象成分を含む廃酸液を処理する方法であって、
廃酸流通部と冷媒流通部とが前記分離対象成分を透過可能な疎水性多孔質膜で隔てられた構成を備える膜蒸留ユニットの前記廃酸流通部に前記廃酸液を流通させるとともに、前記冷媒流通部に冷媒を流通させ、前記廃酸流通部から前記疎水性多孔質膜を透過した前記分離対象成分を前記冷媒流通部で凝縮させて、前記廃酸液から前記分離対象成分を分離する点にある。

0014

上記各特徴構成によれば、塩酸、硫酸水溶液、リン酸水溶液の中から選択された一種である廃酸液を廃酸流通部に流通するとともに、冷媒を冷媒流通部に流通することで、廃酸流通部から冷媒流通部へと分離対象成分が疎水性多孔質膜を透過して移動し、冷媒流通部へと移動した分離対象成分が当該冷媒流通部で凝縮され、廃酸液から分離対象成分を分離することができる。尚、分離対象成分は、廃酸液が塩酸である場合には主に塩化水素及び水分(水蒸気)であり、廃酸液が硫酸水溶液及びリン酸水溶液である場合には主に水分(水蒸気)である。

0015

このように、上記各特徴構成を備えた廃酸液処理装置及び廃酸液処理方法では、塩酸、硫酸水溶液及びリン酸水溶液のいずれかに不純物混入した廃酸液を処理して、廃酸液中の分離対象成分を分離することができるため、廃酸液の廃棄量を減量化したり、分離対象成分たる水分の除去によって濃縮された廃酸液を再利用したり、分離した水分を蒸留液として得たりできる。

0016

また、本発明に係る廃酸液処理装置の更なる特徴構成は、前記膜蒸留ユニットに供給される前記廃酸液が貯留され、前記廃酸流通部を流通した前記廃酸液が回収される廃酸液貯留槽と、
前記廃酸液貯留槽から前記膜蒸留ユニットに供給される前記廃酸液を加熱する加熱手段と、
分離した前記分離対象成分を含む蒸留液を貯留する蒸留液貯留槽と、
前記蒸留液貯留槽に貯留された前記分離対象成分を含む蒸留液を冷却して前記冷媒とする冷却手段とを備える点にある。

0017

また、本発明に係る廃酸液処理方法の更なる特徴構成は、前記廃酸液が貯留された廃酸液貯留槽から前記廃酸流通部に加熱した前記廃酸液を流通させるとともに、前記廃酸流通部を流通した前記廃酸液を前記廃酸液貯留槽に回収し、
前記廃酸液から分離した前記分離対象成分を含む蒸留液を蒸留液貯留槽に回収して、当該回収した前記分離対象成分を含む蒸留液を冷却して前記冷媒として前記冷媒流通部に流通させる点にある。

0018

上記特徴構成によれば、廃酸流通部に流通される廃酸液が予め廃酸液貯留槽に貯留されており、廃酸液は、廃酸液貯留槽から廃酸流通部に流通される際に所定温度まで加熱され、この加熱された廃酸液が廃酸流通部に流通され、廃酸流通部を流通した廃酸液が廃酸液貯留槽に回収される。このように、廃酸液を廃酸液貯留槽と廃酸流通部との間で循環させることで、廃酸液から徐々に分離対象成分を分離して当該廃酸液を所望の濃縮倍率となるまで容易に濃縮でき、廃酸液の廃棄量を減量化したり、濃縮した廃酸液を回収して再利用したりできる。

0019

また、上記特徴構成によれば、廃酸液から分離した分離対象成分を含む蒸留液を蒸留液貯留槽に回収し、この回収した蒸留液を冷却して冷媒として利用する。このように、回収した蒸留液を冷媒として利用することで、冷媒を別途用意する必要がなく、コスト削減を図ることができる。

0020

ところで、本願発明者は、研究を重ねる過程で、廃酸液として塩酸を処理する場合、当該塩酸に含まれる塩化水素の蒸気圧が低いため、膜蒸留ユニットにおいて、水分だけでなく塩化水素も分離され、冷媒流通部で凝縮し、これら水分及び塩化水素が分離対象成分として含まれる蒸留液を得ることができ、塩酸を処理するにあたって、廃酸液貯留槽への廃酸液(塩酸)の供給量を調整することで、所望の塩化水素濃度を有する蒸留液(塩酸)を得ることができることを見出した。

0021

即ち、本発明に係る廃酸液処理装置の更なる特徴構成は、前記廃酸液が塩酸であって、
前記蒸留液貯留槽内の前記蒸留液中の塩化水素濃度を検出する濃度検出手段と、
前記廃酸液貯留槽への前記廃酸液の供給量を調整する供給量調整手段とを更に備え、
前記供給量調整手段は、前記濃度検出手段での検出結果を基に、前記廃酸液貯留槽への廃酸液の供給量を調整する点にある。

0022

また、本発明に係る廃酸液処理方法の更なる特徴構成は、前記廃酸液が塩酸であって、
前記蒸留液貯留槽内の前記蒸留液中の塩化水素濃度を検出し、当該検出した塩化水素濃度を基に、前記廃酸液貯留槽への前記廃酸液の供給量を調整する点にある。

0023

上記各特徴構成によれば、膜蒸留ユニットにおいて、水分だけでなく塩化水素も分離されて冷媒流通部で凝縮し、これら水分及び塩化水素が分離対象成分として含まれる蒸留液が蒸留液貯留槽に回収される。そして、この蒸留液貯留槽内の蒸留液中の塩化水素濃度を検出し、検出した塩化水素濃度が所望の濃度となるように、廃酸液貯留槽へ供給する廃酸液の量を調整することで、所望の塩化水素濃度を有した蒸留液を得ることができる。したがって、例えば、廃塩酸から所望の塩化水素濃度を有した蒸留液、即ち、不純物が除去された塩酸を回収して再利用することが可能となる。

0024

尚、回収する蒸留液中の塩化水素濃度は、再利用する際の用途によって適宜設定するものであるが、蒸留液中の塩化水素濃度が低すぎると再利用する際の用途が限られてしまう。一方、蒸留液中の塩化水素濃度を高くするためには、相応の処理時間を要することになる。したがって、再利用する際の用途の幅と処理時間との兼ね合いから、回収する蒸留液中の塩化水素濃度は、11%〜13%(w/v)であることが好ましい。

0025

即ち、本発明に係る廃酸液処理装置の更なる特徴構成は、前記供給量調整手段は、前記濃度検出手段で検出される前記塩化水素濃度が11%〜13%(w/v)の範囲内となるように、前記廃酸液の供給量を調整する点にある。

0026

また、本発明に係る廃酸液処理方法の更なる特徴構成は、前記廃酸液貯留槽への前記廃酸液の供給量は、検出される前記塩化水素濃度が11%〜13%(w/v)の範囲内となるように調整する点にある。

図面の簡単な説明

0027

実施形態に係る廃酸液処理装置の概略構成を示す図である。
膜蒸留ユニットの概略構成を示す図である。
制御装置の構成を示す機能ブロック図である。
廃酸液(塩酸)を処理する一連フローを説明するためのフローチャートである。

実施例

0028

以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係る廃酸液処理装置及び廃酸液処理方法について説明する。尚、以下においては、廃酸液として、所定の処理に用いられ、少なくともFeイオンを含有する塩酸(廃塩酸)を一例として説明する。

0029

図1に示すように、本実施形態における廃酸液処理装置Cは、廃塩酸(廃酸液)Sが貯留された廃酸液貯留槽1や、廃酸液貯留槽1から廃塩酸Sが供給される2つの膜蒸留ユニット15、廃酸液貯留槽1から膜蒸留ユニット15に供給される廃塩酸Sを加熱する加熱部10(加熱手段)、膜蒸留ユニット15で分離した分離対象成分を含む蒸留液Dを貯留する蒸留液貯留槽25、蒸留液貯留槽25に貯留された蒸留液Dを冷却して冷媒とする冷却部35(冷却手段)、蒸留液貯留槽25内の蒸留液Dの導電率を検出する導電率センサ31、廃酸液貯留槽1への廃塩酸Sの供給量を調整する廃酸液補充用ポンプP1、廃酸液処理装置Cの運転を制御する制御装置40などを備える。

0030

廃酸液貯留槽1は、有底円筒状の容器であり、上部には、一端が外部タンク(図示せず)に接続された廃酸液供給路L1が接続されており、この廃酸液供給路L1には、廃酸液貯留槽1への廃塩酸Sの供給を断続して供給量を調整するための廃酸液補充用ポンプP1(後述するポンプ制御部48とともに供給量調整手段を構成する)が設けられている。

0031

廃酸液貯留槽1には、その上部及び下部に、当該廃酸液貯留槽1と膜蒸留ユニット15との間で廃塩酸Sを循環させる廃酸液循環路L2が接続されており、本実施形態に係る廃酸液処理装置Cにおいては、廃酸液貯留槽1から膜蒸留ユニット15に供給された廃塩酸Sが廃酸液貯留槽1に戻るようになっている。

0032

また、廃酸液循環路L2のうち廃酸液貯留槽1から膜蒸留ユニット15へと廃塩酸Sが流通する部分には、廃酸液貯留槽1側から順に、廃酸液貯留槽1内の廃塩酸Sを所定の供給圧で膜蒸留ユニット15に供給するための廃酸液供給用ポンプP2と、廃酸液貯留槽1から膜蒸留ユニット15への廃塩酸Sの供給を断続するための廃酸液供給用電磁弁V1と、後述する加熱部10を構成する熱交換器11と、廃塩酸Sの導電率を検出する廃酸液用導電率センサ3と、廃酸液循環路L2内の圧力を検出する第一廃酸液用圧力センサ4と、廃塩酸Sの温度を検出する第一廃酸液用温度センサ5とが設けられている。一方、廃酸液循環路L2のうち膜蒸留ユニット15から廃酸液貯留槽1へと廃塩酸Sが流通する部分には、膜蒸留ユニット15側から順に、廃酸液循環路L2内の圧力を検出する第二廃酸液用圧力センサ6と、廃塩酸Sの温度を検出する第二廃酸液用温度センサ7が設けられている。尚、廃酸液用導電率センサ3、第一廃酸液用圧力センサ4、第二廃酸液用圧力センサ6、第一廃酸液用温度センサ5及び第二廃酸液用温度センサ7は、検出結果を制御装置40に適宜送信する。

0033

また、廃酸液循環路L2における廃酸液供給用ポンプP2と廃酸液供給用電磁弁V1との間には、廃酸液貯留槽1から濃縮された廃塩酸Sを外部に排出するための廃酸液排出路L4が分岐接続されており、この廃酸液排出路L4には、廃塩酸Sの外部への排出を断続するための廃酸液排出用電磁弁V3が設けられている。

0034

更に、廃酸液貯留槽1には、廃酸液用液面レベルセンサ2が設けられており、この廃酸液用液面レベルセンサ2は、廃酸液貯留槽1内の廃塩酸Sの液面レベルを検出し、検出結果を制御装置40に送信する。

0035

加熱部10は、廃酸液循環路L2のうち廃酸液貯留槽1から膜蒸留ユニット15に廃塩酸Sを供給する部分に設けられた熱交換器11と、当該熱交換器11に所定温度の温水を供給する温水供給源12とからなり、廃酸液貯留槽1から膜蒸留ユニット15へ供給される廃塩酸Sは、熱交換器11において温水によって加熱される。尚、温水供給源12から供給される温水の温度は特に限定されないが、例えば、コージェネレーションシステムで発生した排温水を利用する場合には、85℃程度である。

0036

次に、膜蒸留ユニット15について説明するが、本実施形態に係る廃酸液処理装置Cが備える2つの膜蒸留ユニット15は、同一の構成を備えたものであるため、一方の膜蒸留ユニット15について説明し、他方の膜蒸留ユニット15については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。膜蒸留ユニット15は、図1及び図2に示すように、PVDFポリフッ化ビニリデン)からなる中空糸状の複数の疎水性多孔質膜16と、複数の疎水性多孔質膜16が所定間隔を空けて束状で収容される収容容器17と、収容容器17の両端部に取り付けられた2つのキャップ18,19とを備えている。

0037

疎水性多孔質膜16は、膜壁無数の孔16a(孔径0.8μm程度)が形成され、この孔16aを通して、廃塩酸S中の分離対象成分(塩化水素及び水(水蒸気))が透過可能になっている。また、疎水性多孔質膜16の内周面及び外周面には撥水処理が施されている。更に、疎水性多孔質膜16は、その両端部が開口しており、両端部を揃えた状態で各端部にキャップ18,19が取り付けられている。

0038

収容容器17は、円筒状の樹脂部材であり、周壁下部に廃酸液供給口17aが形成され、周壁上部に廃酸液排出口17bが形成されており、廃酸液供給口17a及び廃酸液排出口17bには、廃酸液循環路L2が接続されている。

0039

また、上側キャップ18には、疎水性多孔質膜16の開口部分と連通する冷媒供給口18aが形成され、下側キャップ19には、同じく疎水性多孔質膜16の開口部分と連通する冷媒排出口19aが形成されており、冷媒供給口18a及び冷媒排出口19aには、蒸留液貯留槽25と膜蒸留ユニット15との間で冷媒としての蒸留液Dを循環させる冷媒循環路L3が接続されている。

0040

このような構成を備えた膜蒸留ユニット15においては、廃酸液供給口17aから収容容器17内に廃塩酸Sが供給され、供給された廃塩酸Sが疎水性多孔質膜16の外周面に接触しながら上方に向けて流通し、廃酸液排出口17bから排出される。また、詳細については後述するが、冷媒供給口18aから疎水性多孔質膜16の中空部に冷媒としての蒸留液Dが供給され、供給された蒸留液Dが疎水性多孔質膜16の内周面に接触しながら下方に向けて流通し、冷媒排出口19aから排出される。即ち、この膜蒸留ユニット15においては、各疎水性多孔質膜16間の隙間部分が廃酸流通部20となり、中空糸状の疎水性多孔質膜16の中空部が冷媒流通部21となっている。

0041

蒸留液貯留槽25は、有底円筒状の容器であり、上部及び下部に、当該蒸留液貯留槽25と膜蒸留ユニット15との間で蒸留液Dを循環させる冷媒循環路L3が接続されており、本実施形態に係る廃酸液処理装置Cにおいては、蒸留液貯留槽25から膜蒸留ユニット15に供給された蒸留液Dが蒸留液貯留槽25に戻るようになっている。尚、廃酸液処理運転開始前においては、水や所定濃度の塩酸が予め蒸留液貯留槽25に貯留された状態となっている。

0042

また、冷媒循環路L3のうち蒸留液貯留槽25から膜蒸留ユニット15へと蒸留液Dが流通する部分には、蒸留液貯留槽25側から順に、蒸留液貯留槽25内の蒸留液Dを所定の供給圧で膜蒸留ユニット15に供給するための蒸留液供給用ポンプP3と、後述する冷却部35を構成する熱交換器36と、蒸留液貯留槽25から膜蒸留ユニット15への蒸留液Dの供給を断続するための蒸留液供給用電磁弁V2と、冷媒循環路L3を流通する蒸留液Dの流量を検出する流量計26と、蒸留液Dの温度を検出する第一蒸留液用温度センサ27と、冷媒循環路L3内の圧力を検出する第一蒸留液用圧力センサ28とが設けられている。一方、冷媒循環路L3のうち膜蒸留ユニット15から蒸留液貯留槽25へと蒸留液Dが流通する部分には、膜蒸留ユニット15側から順に、冷媒循環路L3内の圧力を検出する第二蒸留液用圧力センサ29と、蒸留液Dの温度を検出する第二蒸留液用温度センサ30と、蒸留液Dの導電率を検出する蒸留液用導電率センサ31(後述する制御装置40の濃度算出部43とともに濃度検出手段を構成する)とが設けられている。尚、流量計26、第一蒸留液用温度センサ27、第二蒸留液用温度センサ30、第一蒸留液用圧力センサ28、第二蒸留液用圧力センサ29及び蒸留液用導電率センサ31は、検出結果を制御装置40に送信する。

0043

また、冷媒循環路L3における熱交換器36と蒸留液供給用電磁弁V2との間には、蒸留液貯留槽25から蒸留液Dを外部に排出するための蒸留液排出路L5が分岐接続されており、この蒸留液排出路L5には、蒸留液Dの外部への排出を断続するための蒸留液排出用電磁弁V4が設けられている。

0044

更に、蒸留液貯留槽25には、蒸留液用液面レベルセンサ32が設けられており、この蒸留液用液面レベルセンサ32は、蒸留液貯留槽25内の蒸留液Dの液面レベルを検出し、検出結果を制御装置40に送信する。

0045

冷却部35は、冷媒循環路L3のうち蒸留液貯留槽25から膜蒸留ユニット15に蒸留液Dを供給する部分に設けられた熱交換器36と、当該熱交換器36に所定温度の冷気を供給する冷気供給源37とからなり、蒸留液貯留槽25から膜蒸留ユニット15へ供給される蒸留液Dは、熱交換器36において冷気によって冷却される。尚、冷気供給源37から供給される冷気の温度は、廃酸流通部20を流通する廃塩酸Sの温度よりも低ければ特に限定されず、初期コストランニングコストの面から冷却塔を使用する場合には、外気と同程度(20℃〜35℃程度)であるが、膜蒸留ユニット15において、廃酸流通部20から疎水性多孔質膜16を透過して冷媒流通部21に移動した分離対象成分を凝縮し易くするという観点からすれば、より低温であることが好ましい。

0046

次に、制御装置40について説明する。図3に示すように、制御装置40は、入力受付部41や検出結果取得部42、濃度算出部43、液量算出部44、液量判定部45、濃度判定部46、電磁弁制御部47及びポンプ制御部48を備えるとともに、各種情報が記憶される記憶部49や各種情報を表示する表示部50などを備えている。

0047

入力受付部41は、操作盤51からの入力を受け付ける機能部であり、例えば、ユーザが廃塩酸の処理を開始するための所定の操作を操作盤51に対して行った場合には、操作盤51からの入力として運転開始指令を受け付ける。また、ユーザが所望の塩化水素濃度(11%〜13%(w/v))を有する蒸留液Dを得るために操作盤51に所定の数値を入力する操作を行った場合には、操作盤51からの入力として目標濃度指令を受け付ける。

0048

検出結果取得部42は、各液面レベルセンサ2,32、各導電率センサ3,31、各圧力センサ4,6,28,29、各温度センサ5,7,27,30及び流量計26から送信される検出結果を取得する機能部である。尚、検出結果取得部42で取得された検出結果は、表示部50に適宜表示されるようにしても良く、この場合、ユーザが表示された検出結果を見て、廃酸液処理装置Cに異常が発生の有無を確認することができる。

0049

濃度算出部43は、廃酸液貯留槽1内の廃塩酸S中の塩化水素濃度の算出や蒸留液貯留槽25内の蒸留液D中の塩化水素濃度の算出を担う機能部である。具体的に、濃度算出部43は、検出結果取得部42で取得された廃酸液用導電率センサ3の検出結果たる導電率、及び予め定められた廃塩酸S中の塩化水素濃度と導電率との相関関係を基にして、廃酸液貯留槽1から膜蒸留ユニット15へと供給される廃塩酸S(廃酸液貯留槽1内に貯留されている廃塩酸Sに相当)中の塩化水素濃度を算出する。また、濃度算出部43は、検出結果取得部42で取得された蒸留液用導電率センサ31の検出結果たる導電率、及び予め定められた蒸留液D中の塩化水素濃度と導電率との相関関係を基にして、膜蒸留ユニット15から蒸留液貯留槽25へと供給される蒸留液D(蒸留液貯留槽25内に貯留されている蒸留液Dに相当)中の塩化水素濃度を算出する。尚、本実施形態において、廃塩酸S中の塩化水素濃度と導電率との相関関係及び蒸留液D中の塩化水素濃度と導電率との相関関係は、所定濃度の塩酸を所定の倍率希釈してその都度導電率を測定し、縦軸を塩化水素濃度、横軸を導電率として、測定結果プロットすることで予め得られるものである。また、上記のようにして算出された廃塩酸Sや蒸留液D中の塩化水素濃度は、制御装置40の表示部50に表示されるようにしても良く、この場合、ユーザが表示された塩化水素濃度を見て、廃塩酸Sや蒸留液D中の塩化水素濃度が想定値から大きくずれているか否かを確認することができる。

0050

液量算出部44は、廃酸液貯留槽1内の廃塩酸Sの液量の算出や蒸留液貯留槽25内の蒸留液Dの液量の算出を担う機能部である。具体的に、液量算出部44は、検出結果取得部42で取得された廃酸液用液面レベルセンサ2の検出結果たる廃酸液貯留槽1内の廃塩酸Sの液面レベル、及び記憶部49に記憶されている、廃酸液貯留槽1に関する液面レベルと液量との対応関係を基にして、廃酸液貯留槽1内の廃塩酸Sの液量を算出する。また、液量算出部44は、検出結果取得部42で取得された蒸留液用液面レベルセンサ32の検出結果たる蒸留液貯留槽25内の蒸留液Dの液面レベル、及び記憶部49に記憶されている、蒸留液貯留槽25に関する液面レベルと液量との対応関係を基にして、蒸留液貯留槽25内の蒸留液Dの液量を算出する。尚、廃酸液貯留槽1に関する液面レベルと液量との対応関係は廃酸液貯留槽1の形状、蒸留液貯留槽25に関する液面レベルと液量との対応関係は蒸留液貯留槽25の形状を基に、それぞれ予め決定されるものである。また、上記のようにして算出された廃酸液貯留槽1内の廃塩酸Sの液量や蒸留液貯留槽25内の蒸留液Dの液量についても、制御装置40の表示部50に適宜表示されるようにしても良く、この場合、ユーザが表示された液量を見て、各液量が想定値から大きくずれているか否かを確認することができる。

0051

液量判定部45は、液量算出部44で算出された液量が、廃酸液貯留槽1及び蒸留液貯留槽25についてそれぞれ設定された上限限界液量又は下限限界液量であるか否かを判定する機能部である。

0052

濃度判定部46は、濃度算出部43で算出された膜蒸留ユニット15から蒸留液貯留槽25へと供給される蒸留液D(蒸留液貯留槽25内に貯留されている蒸留液Dに相当)中の塩化水素濃度が目標濃度に到達したか否かを判定する機能部である。

0053

電磁弁制御部47は、各電磁弁V1,V2,V3,V4の開閉状態を制御する機能部であり、ポンプ制御部48は、各ポンプP1,P2,P3の作動を制御する機能部である。

0054

具体的に、本実施形態に係る廃酸液処理装置Cにより廃酸液処理運転を行う場合、廃酸液排出用電磁弁V3及び蒸留液排出用電磁弁V4を閉弁した状態で、廃酸液供給用電磁弁V1及び蒸留液供給用電磁弁V2を開弁した状態となるように、電磁弁制御部47が各電磁弁V1,V2,V3,V4の開閉状態を制御するとともに、廃酸液補充用ポンプP1、廃酸液供給用ポンプP2及び蒸留液供給用ポンプP3が廃塩酸S又は蒸留液Dを供給する状態となるように、ポンプ制御部48が各ポンプP1,P2,P3の作動を制御する。尚、膜蒸留ユニット15における疎水性多孔質膜16の膜性能耐久性の観点から、疎水性多孔質膜16の廃酸流通部20側と冷媒流通部21側とに略同じような圧力を掛ける必要がある。したがって、ポンプ制御部48は、疎水性多孔質膜16の廃酸流通部20側と冷媒流通部21側とに略同じような圧力が掛かるように、廃酸液供給用ポンプP2及び蒸留液供給用ポンプP3の作動をそれぞれ制御する。

0055

これにより、廃酸液供給路L1を通して外部タンクから廃酸液貯留槽1へと廃塩酸Sが供給されるとともに、廃酸液貯留槽1に供給された廃塩酸Sが加熱部10によって所定温度に加熱され、この加熱された廃塩酸Sが廃酸液循環路L2を通して膜蒸留ユニット15の廃酸流通部20へ供給される。また、蒸留液貯留槽25内の蒸留液Dが冷却部35によって所定温度に冷却され、この冷却された蒸留液Dが冷媒として冷媒循環路L3を通して膜蒸留ユニット15の冷媒流通部21へ供給される。そして、膜蒸留ユニット15において、加熱された廃塩酸S中の水が気化した水蒸気及び塩化水素が疎水性多孔質膜16を透過して廃酸流通部20から冷媒流通部21に移動し、水蒸気が冷媒流通部21において凝集して水となり、この水と塩化水素とが蒸留液Dとして蒸留液貯留槽25に回収され、回収された蒸留液Dが再度膜蒸留ユニット15へと供給される。一方、廃酸流通部20を流通した廃塩酸Sは、廃酸液貯留槽1に返送され、再度膜蒸留ユニット15に供給される。

0056

このように、本実施形態に係る廃酸液処理装置Cによれば、廃塩酸Sが廃酸液貯留槽1と膜蒸留ユニット15との間で循環するとともに、蒸留液Dが蒸留液貯留槽25と膜蒸留ユニット15との間で循環し、廃酸液貯留槽1側ではFeイオンなどの不純物を含む廃塩酸Sが濃縮され、蒸留液貯留槽25側では不純物が除去された塩酸が蒸留液Dとして分離される。

0057

ここで、本実施形態に係る廃酸液処理装置Cにおいては、蒸留液貯留槽25内に所定量の水を蒸留液Dとして貯留した状態で廃酸液処理運転を開始すると、時間の経過とともに膜蒸留ユニット15において分離された水及び塩化水素が蒸留液Dに混入することで、蒸留液D中の塩化水素濃度が徐々に高くなるため、一定時間運転を行うことで、所望の塩化水素濃度を有する蒸留液Dを得ることができる。しかしながら、廃酸液貯留槽1内の廃塩酸Sの液量は、膜蒸留ユニット15において水及び塩化水素が分離されることで徐々に減少する。したがって、入力受付部41が目標濃度指令を受け付けている場合、蒸留液D中の塩化水素濃度が目標濃度に達する前に、廃酸液貯留槽1内の廃塩酸Sの液量が下限限界液量に達してしまい運転を続けることができなくなる場合がある。

0058

そこで、本実施形態に係る廃酸液処理装置Cにおいては、入力受付部41が目標濃度指令を受け付けている場合、廃酸液処理運転中において、蒸留液Dが所望の濃度となるように、ポンプ制御部48が廃酸液補充用ポンプP1の作動を制御する。具体的に、本実施形態においては、濃度算出部43で算出される蒸留液貯留槽25内の蒸留液D中の塩化水素濃度が目標濃度になるまで間、ポンプ制御部48は、廃酸液貯留槽1内の廃塩酸Sの液量が上限限界液量であると液量判定部45で判定された場合、廃酸液補充用ポンプP1の作動を停止し、一方、分離対象成分の減少によって廃酸液貯留槽1内の廃塩酸Sの液量が減少した結果、廃酸液貯留槽1内の廃塩酸Sの液量が下限限界液量であると判定された場合、廃酸液補充用ポンプP1の作動を開始する。

0059

これにより、蒸留液貯留槽25内の蒸留液Dが所望の塩化水素濃度となるまで廃酸液処理運転を行うことができる。尚、廃酸液貯留槽1に供給すべき廃塩酸Sが外部タンク内にない場合、制御装置40は廃酸液処理運転自体を一旦停止する。外部タンク内の廃塩酸Sの有無は、外部タンクに適宜センサを設ける、或いは、ユーザが外部タンク内を目視で確認するといった態様を示すことができ、制御装置40は、外部タンクに設けられたセンサの検出結果や外部タンク内を確認したユーザによる操作盤51への操作に基づいて、廃酸液処理運転を停止する。

0060

また、蒸留液貯留槽25内に貯留された蒸留液Dを排出する場合、電磁弁制御部47及びポンプ制御部48は、各ポンプP1,P2の作動状態及び各電磁弁V2,V4の開閉状態を制御する。即ち、蒸留液貯留槽25内の蒸留液Dの液量が上限限界液量に達すると、廃酸液補充用ポンプP1及び廃酸液供給用ポンプP2の作動が停止し、廃酸液貯留槽1への廃塩酸Sの供給や廃酸液貯留槽1から膜蒸留ユニット15への廃塩酸Sの供給が停止されるとともに、蒸留液供給用電磁弁V2が閉弁した状態且つ蒸留液排出用電磁弁V4が開弁した状態となり、蒸留液貯留槽25から膜蒸留ユニット15への蒸留液Dの供給が停止され、蒸留液排出路L5を通して蒸留液貯留槽25内の蒸留液Dが外部へと排出される。尚、蒸留液Dの排出は、廃酸液処理運転中において、蒸留液貯留槽25内の蒸留液Dの液量が上限限界液量であると液量判定部45で判定された場合や、ユーザが蒸留液Dを排出するための操作を操作盤51に対して行った場合に行われる。

0061

また、廃酸液貯留槽1内に貯留された廃塩酸Sを排出する場合、電磁弁制御部47及びポンプ制御部48は、各ポンプP1,P3の作動状態及び各電磁弁V1,V3の開閉状態を制御する。即ち、廃酸液貯留槽1内の廃塩酸Sが所定の濃縮倍率に達すると、廃酸液補充用ポンプP1及び蒸留液供給用ポンプP3の作動が停止し、廃酸液貯留槽1への廃塩酸Sの供給や蒸留液貯留槽25から膜蒸留ユニット15への蒸留液Dの供給が停止されるとともに、廃酸液供給用電磁弁V1が閉弁した状態且つ廃酸液排出用電磁弁V3が開弁した状態となり、廃酸液貯留槽1から膜蒸留ユニット15への蒸留液Dの供給が停止され、廃酸液排出路L4を通して廃酸液貯留槽1内の廃塩酸Sが外部へと排出される。尚、廃塩酸Sの排出は、廃酸液処理運転を開始してからの廃酸液貯留槽1への廃塩酸Sの積算投入量と廃酸液用液面レベルセンサ2の検出結果とから廃酸液貯留槽1内の廃塩酸Sが所定の濃縮倍率(例えば、3倍程度)となった場合や、ユーザが廃塩酸Sを排出するための操作を操作盤51に対して行った場合などに行われる。

0062

記憶部49は、濃度算出部43での処理に用いられる相関関係や、液量算出部44での処理に用いられる液面レベルと液量との対応関係、検出結果取得部42で取得される各種検出結果などが記憶される機能部である。

0063

次に、以上の構成を備えた廃酸液処理装置Cを用いて、少なくともFeイオンを含む廃塩酸を処理する一連のフローについて、図4を参照して説明する。尚、以下の説明において、蒸留液貯留槽25には、蒸留液Dとしての水が予め貯留されているものとする。

0064

まず、工程#10において、入力受付部41が運転開始指令及び目標濃度指令を受け付けた場合には、工程#11へ移行し、運転開始指令及び目標温度指令を受け付けていない場合には、工程#10を繰り返す。

0065

次に、工程#11において、電磁弁制御部47が廃酸液供給用電磁弁V1、蒸留液供給用電磁弁V2、廃酸液排出用電磁弁V3及び蒸留液排出用電磁弁V4を閉弁した状態となるように、これら各電磁弁V1,V2,V3,V4の開閉状態を制御するとともに、ポンプ制御部48が廃酸液補充用ポンプP1を作動させることで、外部タンクから廃酸液貯留槽1への廃塩酸Sの供給を開始し、工程#12へ移行する。

0066

工程#12では、液量判定部45が廃酸液貯留槽1内の廃塩酸Sの液量が上限限界液量に到達したか否かを判定し、到達した場合には工程#13に移行し、到達していない場合には工程#12を繰り返す。

0067

工程#13において、ポンプ制御部48が廃酸液補充用ポンプP1の作動を停止させることで、外部タンクから廃酸液貯留槽1への廃塩酸Sの供給を停止し、工程#14に移行する。

0068

工程#14において、電磁弁制御部47が廃酸液排出用電磁弁V3及び蒸留液排出用電磁弁V4を閉弁した状態且つ廃酸液供給用電磁弁V1及び蒸留液供給用電磁弁V2を開弁した状態となるように、これら各電磁弁V1,V2,V3,V4の開閉状態を制御するとともに、ポンプ制御部48が廃酸液供給用ポンプP2及び蒸留液供給用ポンプP3を作動させることで、廃酸液処理運転を開始し、工程#15へ移行する。

0069

工程#15では、液量判定部45が廃酸液貯留槽1内の廃塩酸Sの液量が下限限界液量に到達したか否かを判定し、到達した場合には工程#16に移行し、到達していない場合には工程#19に移行する。

0070

工程#16において、ポンプ制御部48が廃酸液補充用ポンプP1を作動させることで、外部タンクから廃酸液貯留槽1への廃塩酸Sの供給を再開し、工程#17に移行する。

0071

工程#17では、液量判定部45が廃酸液貯留槽1内の廃塩酸Sの液量が上限限界液量に到達したか否かを判定し、到達した場合には工程#18に移行し、到達していない場合には工程#17を繰り返す。

0072

工程#18において、ポンプ制御部48が廃酸液補充用ポンプP1の作動を停止させることで、外部タンクから廃酸液貯留槽1への廃塩酸Sの供給を停止し、工程#19に移行する。

0073

工程#19では、蒸留液用導電率センサ31が蒸留液貯留槽25内の蒸留液Dの導電率を検出し、検出結果取得部42が蒸留液用導電率センサ31から送信される検出結果を取得し、濃度算出部43が蒸留液貯留槽25内に貯留されている蒸留液D中の塩化水素濃度を算出し、工程#20に移行する。

0074

工程#20では、濃度判定部46が濃度算出部43で算出された蒸留液D中の塩化水素濃度が目標濃度に到達したか否かを判定し、到達した場合には工程#21に移行し、到達していない場合には工程#15に戻る。

0075

工程#21では、ポンプ制御部48が廃酸液供給用ポンプP2及び蒸留液供給用ポンプP3の作動が停止した状態となるように、これら各ポンプP2,P3の作動を制御することで、廃酸液処理運転を停止する。

0076

このように、本実施形態に係る廃酸液処理装置Cによれば、膜蒸留法を利用することによって、Feイオンを含有する廃塩酸Sから水及び塩化水素を分離対象成分として分離し、廃塩酸Sを所望の濃縮倍率となるまで容易に濃縮でき、廃塩酸Sの廃棄量を減量化したり、濃縮した廃塩酸を回収して再利用したりできるだけでなく、蒸留液Dとして比較的不純物の混入が少ない塩酸を得ることができる。
また、蒸留液D中の塩化水素濃度を基にして、廃酸液貯留槽1内に供給する廃塩酸Sの量を調整するようにしていることで、蒸留液D中の塩化水素濃度が所望の目標濃度となるまで廃酸液処理運転を行うことができ、所望の塩化水素濃度を有する蒸留液Dを得ることができる。

0077

因みに、本願発明者は、予め150Lの水を蒸留液貯留槽に貯留した状態で、塩化水素濃度が10.7〜11.4%(w/v)である廃塩酸(1L当たり129〜139gに相当するFeイオンを含有)を、膜蒸留法によって合計9263.4L処理する実験を行ったところ、処理過程で適宜計測した廃酸液貯留槽内の廃塩酸の塩化水素濃度は、8.3〜10.9%(w/v)であり、含有するFeイオンの1L当たりの量は153〜179gであった。また、最終的に塩化水素濃度が12.5%(w/v)である2900.4Lの蒸留液(塩酸)を得ることができた。更に、得られた塩酸中のFeイオンの1L当たりの量は25gと非常に少なかった。
このように、本願発明者は、膜蒸留法によってFeイオンを含有する廃塩酸を処理することで、Feイオンの含有量が非常に少ない塩酸を回収でき、廃塩酸の減量化を図れることを実験的に確認している。

0078

〔別実施形態〕
〔1〕上記実施形態においては、廃酸液として廃塩酸を処理する態様を示したが、処理対象となる廃酸液としては、硫酸水溶液又はリン酸水溶液の廃液であっても良い。本願発明者は、廃酸液として硫酸水溶液又はリン酸水溶液の廃液を膜蒸留法を用いて処理した場合に、これらの廃液から水を分離対象成分として分離することができ、廃液の減量化を図れることを実験的に確認している。

0079

〔2〕上記実施形態においては、廃塩酸Sが廃酸液貯留槽1と膜蒸留ユニット15との間で循環するとともに、蒸留液Dが蒸留液貯留槽25と膜蒸留ユニット15との間で循環するようにしているが、塩酸、硫酸水溶液、リン酸水溶液のうちのいずれか一種である廃酸液から分離対象成分を分離し、廃酸液の減量化を図るという観点からすれば、廃塩酸Sや蒸留液Dが循環しない構成を採用しても良い。

0080

〔3〕上記実施形態においては、膜蒸留ユニット15を2つ備えた構成としたが、これに限られるものではなく、膜蒸留ユニット15の数は1つでも良いし、3つ以上でも良い。

0081

〔4〕上記実施形態においては、蒸留液用導電率センサ31の検出結果たる導電率を基にして、膜蒸留ユニット15から蒸留液貯留槽25へと供給される蒸留液D(蒸留液貯留槽25内に貯留されている蒸留液Dに相当)中の塩化水素濃度を算出するようにしているが、これに限られるものではなく、例えば、蒸留液用導電率センサに代えてpHセンサを採用し、当該pHセンサの検出結果たるpHを基にして、塩化水素濃度を算出するようにしても良い。

0082

〔5〕上記実施形態(別実施形態を含む)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。

0083

本発明は、廃酸液を処理する廃酸液処理装置及び廃酸液処理方法に利用できる。

0084

1廃酸液貯留槽
2導電率センサ(導電率測定手段)
10 加熱部(加熱手段)
15膜蒸留ユニット
20廃酸流通部
21冷媒流通部
25蒸留液貯留槽
31 導電率センサ(濃度検出手段)
35 冷却部(冷却手段)
P1 廃酸液補充用ポンプ(供給量調整手段)
C 廃酸液処理装置
D 蒸留液
S廃塩酸(廃酸液)

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