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図面 (20)

課題

検体に負担をかけることなく、被検体の心拍呼吸などの生体情報を、高い信頼性で安定に検出できるようにする。

解決手段

一実施形態の生体情報モニタ装置は、被検体に近接して配設される少なくとも1つのアンテナからなるアンテナ装置と、高周波信号を生成する信号生成部と、前記高周波信号を用いて、前記被検体と前記アンテナとの間の電界による近傍界結合の結合量を検出する結合量検出部と、前記近傍界結合の結合量の変化に基づき、前記被検体の物理変位を検出する変位検出部と、を備える。

概要

背景

磁気共鳴イメージング装置を用いた撮像では、心臓拍動心拍)や呼吸などによる人体動きによって収集するデータが変動する。そこで、例えば、心拍に関しては、人体に心電計電極を貼り付け、心電計から出力される信号を用いて撮像タイミングを調整したり、収集したデータを心電計の信号に基づいて補正したりする手法が用いられている。

しかしながら、人体に電極を貼り付けることは患者にとって負担であり、また、撮像技師にとっても作業効率の低下の要因となる。

また、診断画像を生成するためのデータの収集とは別に、呼吸による体動モニタするためのデータ(ナビゲーションデータと呼ばれる)を収集し、ナビゲーションデータを用いて、呼吸に起因する体動の影響を補正する技術も知られている。しかしながら、この手法では、ナビゲーションデータの収集に余分な時間がかかるため、撮像時間が長くなってしまう。このような観点から、患者に負担をかけることのない、非接触型の体動モニタ装置要望されている。

非接触型の体動モニタ装置は、磁気共鳴イメージング装置を用いた撮像の場面のみならず、広くヘルスケアの分野でも要望されている。例えば、睡眠中や、車両の運転中における心拍数や呼吸の監視を、人体に負担をかけることなく非接触で行うことができるような体動モニタ装置も要望されている。

一方、従来から、電波を用いて被検体の動きを検出し、心拍数や呼吸数を検出する装置も提案されている。アンテナから被検体に向けて電波を送信し、被検体からの反射波の変動を検出して被検体の動きを検出しようというものである。

しかしながら、従来の電波を用いた検出装置では、被検体からの反射波だけではなく、被検体の周囲の種々の構造物からの反射波も同時に受信されるためにフェージングが発生し、被検体の心拍や呼吸を高い信頼性で安定に検出するのは難しい。

概要

被検体に負担をかけることなく、被検体の心拍や呼吸などの生体情報を、高い信頼性で安定に検出できるようにする。一実施形態の生体情報モニタ装置は、被検体に近接して配設される少なくとも1つのアンテナからなるアンテナ装置と、高周波信号を生成する信号生成部と、前記高周波信号を用いて、前記被検体と前記アンテナとの間の電界による近傍界結合の結合量を検出する結合量検出部と、前記近傍界結合の結合量の変化に基づき、前記被検体の物理変位を検出する変位検出部と、を備える。

目的

本発明が解決しようとする課題は、被検体に負担をかけることなく、被検体の心拍や呼吸などの生体情報を、高い信頼性で安定に検出できるようにすることである

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

検体近接して配設される少なくとも1つのアンテナからなるアンテナ装置と、高周波信号を生成する信号生成部と、前記高周波信号を用いて、前記被検体と前記アンテナとの間の電界による近傍界結合の結合量を検出する結合量検出部と、前記近傍界結合の結合量の変化に基づき、前記被検体の物理変位を検出する変位検出部と、を備える、生体情報モニタ装置

請求項2

前記信号生成部で生成された前記高周波信号は前記アンテナの入力端に入力され、前記結合量検出部は、前記アンテナの入力端に入力された前記高周波信号が前記入力端から反射されてくる反射信号を測定し、前記反射信号に基づいて前記近傍界結合の結合量を検出する、請求項1に記載の生体情報モニタ装置。

請求項3

前記結合量検出部は、前記アンテナの入力端からの反射信号の大きさを、前記アンテナの反射損失を示すS11パラメータとして検出する、請求項2に記載の生体情報モニタ装置。

請求項4

前記アンテナ装置は、第1のアンテナと第2のアンテナを具備し、前記信号生成部で生成された前記高周波信号は前記第1のアンテナに入力され、前記結合量検出部は、前記第1のアンテナに入力された前記高周波信号が前記第2のアンテナに透過する透過信号を測定し、前記透過信号に基づいて前記近傍界結合の結合量を検出する、請求項1に記載の生体情報モニタ装置。

請求項5

前記結合量検出部は、前記第1のアンテナから前記第2のアンテナに透過する前記透過信号の大きさを、前記第1のアンテナから前記第2のアンテナまでの挿入損失を示すS21パラメータとして検出する、請求項4に記載の生体情報モニタ装置。

請求項6

前記変位検出部は、心臓拍動、及び、呼吸による体動の少なくとも一方を、前記被検体の物理的変位として検出する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の生体情報モニタ装置。

請求項7

前記アンテナは、ダイポールアンテナとして構成される、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の生体情報モニタ装置。

請求項8

前記アンテナはその電圧定在波比(VSWR)が2.0以上で5.0以下の範囲となるように構成される、請求項2又は3に記載の生体情報モニタ装置。

請求項9

前記第1のアンテナはその電圧定在波比(VSWR)が2.0以上で5.0以下の範囲となるように構成され、前記第2のアンテナはその電圧定在波比(VSWR)が2.0以下の範囲となるように構成される、請求項4又は5に記載の生体情報モニタ装置。

請求項10

前記アンテナの数が1の場合は、前記アンテナは前記被検体の心臓に近接して配設される、請求項2又は3に記載の生体情報モニタ装置。

請求項11

前記アンテナの数が2以上の場合は、前記被検体の背腹方向、左右方向、及び、頭足方向の少なくともいずれかの方向において、前記被検体の心臓を挟むように配設される、請求項4又は5に記載の生体情報モニタ装置。

請求項12

被検体に近接して配設される少なくとも1つのアンテナからなるアンテナ装置と、高周波信号を生成する信号生成部と、前記高周波信号を用いて、前記被検体と前記アンテナとの間の電界による近傍界結合の結合量を検出する結合量検出部と、前記近傍界結合の結合量の変化に基づいて前記被検体の物理的変位を検出する変位検出部と、を備え、前記信号生成部は、前記被検体の体内における心臓の共振長に対応する共振周波数の前記高周波信号を生成する、生体情報モニタ装置。

請求項13

前記信号生成部は、前記心臓の大きさに対して基本モードで共振する基本モード周波数の高周波信号を生成し、前記アンテナは、前記基本モード周波数で共振するように構成される、請求項12に記載の生体情報モニタ装置。

請求項14

前記信号生成部は、前記心臓の大きさに対して2倍モードで共振する2倍モード周波数の高周波信号を生成し、前記アンテナは、前記2倍モード周波数で共振するように構成される、請求項12に記載の生体情報モニタ装置。

請求項15

前記信号生成部は、前記心臓の大きさに対して基本モードで共振する基本モード周波数の第1の高周波信号と、前記心臓の大きさに対して2倍モードで共振する2倍モード周波数の第2の高周波信号を生成とを生成し、前記アンテナ装置は、前記基本モード周波数で共振するように構成される第1のアンテナと、前記2倍モード周波数で共振するように構成される第2のアンテナとを有し、事前に行われる測定結果に基づいて、前記第1の高周波信号と前記第2の高周波信号のいずれか一方が選択される、請求項12に記載の生体情報モニタ装置。

請求項16

前記アンテナ装置は、複数の共振周波数を有する多共振アンテナとして構成され、前記信号生成部は周波数可変型として構成され、前記複数の共振周波数のうち、磁気共鳴信号との相互干渉を避ける周波数の前記高周波信号を生成する、請求項12に記載の生体情報モニタ装置。

請求項17

前記アンテナ装置は、複数の共振周波数を有する多共振アンテナとして構成され、前記信号生成部は周波数可変型として構成され、前記複数の共振周波数のうち、検出対象である前記被検体の心臓の大きさに基づく共振周波数に近い周波数を有する前記高周波信号を生成する、請求項12に記載の生体情報モニタ装置。

請求項18

前記アンテナは、心臓の大きさの個体間変化幅に基づく共振周波数の変化幅をカバーし得るような周波数帯域幅をもつ広帯域アンテナとして構成される、請求項12に記載の生体情報モニタ装置。

請求項19

前記信号生成部は、前記被検体の心臓における1/2波長が、前記心臓の大きさ以下となるような周波数の前記高周波信号を生成する、請求項12に記載の生体情報モニタ装置。

請求項20

前記信号生成器は、前記高周波信号の周波数を掃引できるように構成される、請求項12に記載の生体情報モニタ装置。

請求項21

被検体に近接して配設される少なくとも1つのアンテナからなるアンテナ装置と、高周波信号を生成する信号生成部と、前記高周波信号を用いて、前記被検体と前記アンテナとの間の電界による近傍界結合の結合量を検出する結合量検出部と、前記近傍界結合の結合量の変化に基づいて前記被検体の物理的変位を検出する変位検出部と、を備え、前記信号生成部は、前記被検体の心臓の大きさに比例する共振長によって定まる共振周波数を有する前記高周波信号を生成し、前記アンテナ装置は、前記共振周波数に対応する第1の素子と、前記共振周波数から所定の周波数だけ離調した離調周波数に対応する少なくとも1つの第2の素子とを備える多素子アンテナとして構成される、生体情報モニタ装置。

請求項22

請求項1乃至21のいずれか1項に記載の生体情報モニタ装置を具備する、磁気共鳴イメージング装置

請求項23

前記変位検出部は、前記磁気共鳴イメージング装置が前記被検体に対してRFパルスを送信する期間、及び、前記磁気共鳴イメージング装置が前記被検体から磁気共鳴信号を受信する期間を避けて、前記被検体の物理的変位を検出する、請求項22に記載の磁気共鳴イメージング装置。

請求項24

前記変位検出部は、250ミリ秒以下の間隔で、前記被検体の物理的変位を検出する、請求項22又は23に記載の磁気共鳴イメージング装置。

請求項25

前記信号生成部が生成する前記高周波信号の周波数は、前記磁気共鳴イメージング装置が使用するラーモア周波数よりも高く設定される、請求項22乃至24のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。

請求項26

前記アンテナは、前記磁気共鳴イメージング装置が具備する天板、又は、局所コイルの少なくとも一方に埋め込まれるように実装され、前記天板、又は、局所コイルの少なくとも一方には、埋め込まれた前記アンテナの位置が視認できるようにマーキングされる、請求項22乃至25のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。

技術分野

0001

本発明の実施形態は、生体情報モニタ装置及び磁気共鳴イメージング装置に関する。

背景技術

0002

磁気共鳴イメージング装置を用いた撮像では、心臓拍動心拍)や呼吸などによる人体動きによって収集するデータが変動する。そこで、例えば、心拍に関しては、人体に心電計電極を貼り付け、心電計から出力される信号を用いて撮像タイミングを調整したり、収集したデータを心電計の信号に基づいて補正したりする手法が用いられている。

0003

しかしながら、人体に電極を貼り付けることは患者にとって負担であり、また、撮像技師にとっても作業効率の低下の要因となる。

0004

また、診断画像を生成するためのデータの収集とは別に、呼吸による体動モニタするためのデータ(ナビゲーションデータと呼ばれる)を収集し、ナビゲーションデータを用いて、呼吸に起因する体動の影響を補正する技術も知られている。しかしながら、この手法では、ナビゲーションデータの収集に余分な時間がかかるため、撮像時間が長くなってしまう。このような観点から、患者に負担をかけることのない、非接触型の体動モニタ装置要望されている。

0005

非接触型の体動モニタ装置は、磁気共鳴イメージング装置を用いた撮像の場面のみならず、広くヘルスケアの分野でも要望されている。例えば、睡眠中や、車両の運転中における心拍数や呼吸の監視を、人体に負担をかけることなく非接触で行うことができるような体動モニタ装置も要望されている。

0006

一方、従来から、電波を用いて被検体の動きを検出し、心拍数や呼吸数を検出する装置も提案されている。アンテナから被検体に向けて電波を送信し、被検体からの反射波の変動を検出して被検体の動きを検出しようというものである。

0007

しかしながら、従来の電波を用いた検出装置では、被検体からの反射波だけではなく、被検体の周囲の種々の構造物からの反射波も同時に受信されるためにフェージングが発生し、被検体の心拍や呼吸を高い信頼性で安定に検出するのは難しい。

先行技術

0008

特開2009−55997号公報

発明が解決しようとする課題

0009

本発明が解決しようとする課題は、被検体に負担をかけることなく、被検体の心拍や呼吸などの生体情報を、高い信頼性で安定に検出できるようにすることである。

課題を解決するための手段

0010

一実施形態の生体情報モニタ装置は、被検体に近接して配設される少なくとも1つのアンテナからなるアンテナ装置と、高周波信号を生成する信号生成部と、前記高周波信号を用いて、前記被検体と前記アンテナとの間の電界による近傍界結合の結合量を検出する結合量検出部と、前記近傍界結合の結合量の変化に基づき、前記被検体の物理変位を検出する変位検出部と、を備える。

図面の簡単な説明

0011

第1の実施形態に係る生体情報モニタ装置の全体構成を示すブロック図。
第1の実施形態に係る生体情報モニタ装置の動作概念を説明する図。
(a)はアンテナからの反射信号実測値の一例を示すグラフ、(b)は反射信号から抽出された呼吸の波形を示すグラフ、(c)は反射信号から抽出された心拍の波形を示すグラフ。
生体情報モニタ装置で使用するアンテナとして、ループアンテナダイポールアンテナを比較した図。
第1の実施形態で使用されるアンテナの配置例を示す図。
第2の実施形態に係る生体情報モニタ装置の全体構成を示すブロック図。
第2の実施形態に係る生体情報モニタ装置の動作概念を説明する図。
(a)は送信アンテナから受信アンテナへの透過信号の実測値の一例を示すグラフ、(b)は透過信号から抽出された呼吸の波形を示すグラフ、(c)は透過信号から抽出された心拍の波形を示すグラフ。
第2の実施形態で使用される送信アンテナと受信アンテナの配置例を示す図。
第3の実施形態に係る生体情報モニタ装置の全体構成を示すブロック図。
ダイバーシティ処理を行うための4つのアンテナの配置例を示す図。
生体情報モニタ装置を備える磁気共鳴イメージング装置の構成例を示す図。
(a)は、磁気共鳴イメージング装置で使用される生体情報モニタ装置の構成例を示す図、(b)は、生体モニタ用の高周波信号の送受信期間の一例を示す図。
アンテナの位置を示す局所コイル天板マーキングの一例を示す図。
生体情報モニタ装置の使用周波数を決定する際の基本的なコンセプトを説明する図。
心臓の拍動がより安定して明確に検出される周波数を探索する実験の結果を示すグラフ。
生体情報モニタ装置での使用周波数を決定するための着想と実験結果とを検証する図。
実施形態の生体情報モニタ装置で使用する各種のアンテナの例、及びRF信号発生器の構成例を示す第1の図。
実施形態の生体情報モニタ装置で使用する各種のアンテナの例、及びRF信号発生器の構成例を示す第2の図。
実施形態のマルチエレメントアンテナ及び従来のダイポールアンテナの構成例と、これらに対応するS11パラメータ周波数特性グラフとを示す図。
S11パラメータの時間に対する変動を、実施形態のマルチエレメントアンテナと従来のダイポールアンテナとで比較した測定結果を示すグラフ。

実施例

0012

(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、第1の実施形態に係る生体情報モニタ装置1の全体構成を示すブロック図である。生体情報モニタ装置1は、アンテナ10と生体情報モニタ装置本体20(以下、単に本体20と呼ぶ)とを備える。アンテナ10はアンテナ装置(図示せず)の構成である。第1の実施形態では、生体情報モニタ装置本体20は基本的には1つのアンテナを有する構成であるため、アンテナ装置は1つのアンテナから構成されることになる。一方、後述する他の実施形態では生体情報モニタ装置本体20が複数のアンテナを有することがあり、その場合は、アンテナ装置は複数のアンテナから構成されることになる。

0013

アンテナ10は人体である被検体に近接して配設される。アンテナ10は心電計の電極のように、被検体の肌に直接密着させて貼り付ける必要はなく、例えば、被検体の衣服の上に配置してもよい。また、図1では、寝台の天板510の上に横臥する被検体の胸部にアンテナ10を配設している例を示しているが、アンテナ10を配設する際の被検体の姿勢や、アンテナ10を配設する被検体の部位は、図1の例示に限定されない。例えば、アンテナ10を立位の被検体の胸部や背部に配設してもよいし、車両運転中座位の被検体の胸部や背部に配設してもよい。

0014

本体20は、RF信号発生器30、送信回路40、結合量検出回路50、及び、変位検出回路60を備えている。

0015

RF信号発生器30は、連続波の高周波信号を生成する。高周波信号の周波数は特に限定するものではないが、アンテナの寸法等から、例えば、VHF帯UHF帯の周波数が選択される。

0016

送信回路40は、高周波信号をバンドパスフィルタ(BPF)41を通過させた後、電力増幅器(PA)42によって所定の電力まで増幅し、方向性結合器(DC)43を介してアンテナ10に出力する。

0017

結合量検出回路50は、被検体とアンテナ10との間の電界による近傍界結合の結合量を検出する機能を有しており、例えば、バンドパスフィルタ(BPF)51、自動利得調整機能付きの低雑音増幅器(LNA/AGC)52、及び、検波回路53を備えて構成されている。

0018

RF信号発生器30、送信回路40、及び、結合量検出回路50は、例えば、1つのケーシング収納される印刷基板の上に実装することができる。

0019

送信回路40の方向性結合器43から出力された高周波信号はアンテナ10に入力されるが、この高周波信号の一部は被検体に向かわず、アンテナ10の入力端跳ね返されて(反射して)方向性結合器43に戻り、結合量検出回路50に分岐入力される。

0020

結合量検出回路50は、方向性結合器43の分岐端から出力される信号を、検波回路53で検波することにより、アンテナ10からの反射信号の大きさを測定する。そして、反射信号の大きさに基づいて近傍界結合の結合量を検出している。

0021

送信回路40からアンテナ10に出力される電力が一定値であることを考慮すると、結合量検出回路50は、アンテナ10の反射損失(即ち、リターンロス)を示すS11パラメータを等価的に検出していることになる。

0022

図2は、第1の実施形態に係る生体情報モニタ装置1の動作概念を説明する図である。図2(a)は被検体とアンテナ10との距離Dが小さい場合における動作、図2(b)は被検体とアンテナ10との距離Dが大きい場合における動作を模式的に説明する図である。被検体(人体)は、導電率を有する物体であるため、アンテナ10が被検体に近づくと、アンテナ10からのエネルギを吸収し易くなる。

0023

したがって、図2(a)に示すように、被検体とアンテナ10との距離Dが小さい場合は、被検体に吸収されるエネルギが大きくなる。このことは、被検体とアンテナ10との近傍界結合の結合量が大きいことを意味している。アンテナ10に入力される電力Sinは、主に、被検体に吸収される電力Sbと、アンテナ10のアンテナ端10aから反射される電力Srに分けられるが、距離Dが小さい場合は、被検体に吸収される電力Sbが大きくなり、その分だけ、アンテナ端10aから反射される電力Srが小さくなる。例えば、アンテナ10に入力される電力Sinを100とした場合、被検体に吸収される電力Sbは70で、アンテナ端10aから反射される電力Srは30となる。

0024

このことは、被検体とアンテナ10との距離Dが小さい場合は、アンテナ端10aからの反射信号が低下し、アンテナ10の反射損失(リターンロス)も小さくなることを意味している。言い換えると、アンテナ10の不整合の程度の指標である、S11パラメータが小さな値を示すことになる。S11パラメータは、アンテナ10への入力電力に対する反射電力の比の平方根で表される指標である。

0025

これに対して、図2(b)に示すように、被検体とアンテナ10との距離Dが大きい場合は、被検体に吸収されるエネルギが小さくなる。このことは、被検体とアンテナ10との近傍界結合の結合量が小さいことを意味している。この結果、距離Dが大きい場合は、被検体に吸収される電力Sbは小さくなり、その分だけ、アンテナ端10aから反射される電力Srが大きくなる。例えば、アンテナ10に入力される電力Sinを100とした場合、被検体に吸収される電力Sbは30で、アンテナ端10aから反射される電力Srは70となる。

0026

このことは、被検体とアンテナ10との距離Dが大きい場合は、アンテナ端10aからの反射信号が増加し、アンテナ10の反射損失(リターンロス)が大きくなることを意味している。言い換えると、アンテナ10の不整合の程度の指標である、S11パラメータが大きな値を示すことになる。

0027

このように、アンテナ10への入力電力を一定としたときのアンテナ端10aからの反射信号は、被検体とアンテナ10との距離Dに依存して変化する。言い換えれば、アンテナ10の不整合の程度、或いは、S11パラメータの値も、被検体とアンテナ10との距離Dに依存して変化する。そして、被検体とアンテナ10との距離Dは、心拍や呼吸等の体動によって変化するため、アンテナ端10aからの反射信号の大きさ、或いは、S11パラメータの値は、心拍や呼吸等の体動の変化に応じて変化することになる。

0028

第1の実施形態の生体情報モニタ装置1は、このような特性を利用するものであり、被検体の近傍に配設したアンテナ10からの反射信号の大きさ、或いは、S11パラメータの値を検出することにより、心拍や呼吸等の体動を検出する。

0029

図3(a)は、アンテナ10からの反射信号の実測値の一例を示すグラフである。グラフの横軸は時間を、縦軸は反射信号の振幅である。図3(a)に示すように、アンテナ10からの反射信号は、比較的長い周期振動波形(呼吸の動きに相当する波形)の上に、短い周期の振動波形(心拍に相当する波形)が重畳された波形となっている。アンテナ10からの反射信号は、結合量検出回路50の検波回路53で検出され、変位検出回路60に出力される。

0030

変位検出回路60は、例えば、プロセッサを備えた専用の印刷基板として構成してもよいし、ディスプレイを備えたパーソナルコンピュータタブレット端末装置などの情報処理装置として構成してもよい。

0031

変位検出回路60は、呼吸の動きに相当する周波数成分と、心拍に相当する周波数成分を夫々抽出するフィルタリング処理を、検波回路53で検出された反射信号に対して施すことにより、図3(b)に示す呼吸の波形や、図3(c)に示す心拍の波形を生成する。或いは、変位検出回路60は、アンテナ10からの反射信号をフーリエ変換した後、呼吸の動きに相当する周波数成分と、心拍に相当する周波数成分とを周波数上で抽出し、抽出した夫々の周波数成分を逆フーリエ変換して、図3(b)に示す呼吸の波形や、図3(c)に示す心拍の波形を生成してもよい。

0032

変位検出回路60は、生成した呼吸波形心拍波形を、適宜のディスプレイに表示させてもよいし、生成した呼吸波形や心拍波形を解析してもよい。例えば、変位検出回路60は、呼吸波形や心拍波形を解析して、呼吸数や呼吸周期、或いは、心拍数や心拍周期等を求めてもよいし、呼吸数や心拍数等から、呼吸や心拍の異常の有無を検出してもよい。

0033

図4は、生体情報モニタ装置1で使用するアンテナ10として、ループアンテナとダイポールアンテナを比較した図である。

0034

図4(a)は、ループ長共振長のループアンテナ、即ち、1波長ループアンテナを示している。1波長ループアンテナは、対向する辺の電流分布逆位相となるため、電界は打ち消されない。このため、近傍界は電界成分磁界成分より大きくなる。使用する周波数にもよるが、アンテナ形状としては、比較的大型となる。

0035

図4(b)は、ループ長が共振長より短いループアンテナを示している。このタイプのループアンテナは対応する辺の電流分布が逆位相にならないため、電界の打消しが発生する。このため、近傍界では磁界成分が電界成分より大きくなる。したがって、近傍界における人体との結合は磁界結合となる。磁界結合は、体の内部を通り易い傾向を示す。

0036

図4(c)は、半波長ダイポールアンテナを示している。半波長ダイポールアンテナは、電界の打消しがないため、近傍界では電界成分が大きい。

0037

図4(d)は、素子長が共振長よりも短いダイポールアンテナを示している。素子長が共振長(即ち、半波長)よりも短くても、電流分布形状は変化しない。したがって、半波長ダイポールアンテナと同様に、近傍界では電界成分が大きい。また、当然、半波長ダイポールアンテナよりも小型化が可能である。近傍界では電界成分が大きくなるため、近傍界における人体との結合は電界結合となる。電界結合は、体の表面を伝搬し易い傾向を示す。

0038

小型化の観点からは、ループ長が共振長より短いループアンテナ(図4(b))や、半波長より短いダイポールアンテナ(図4(d))が好ましく、生体情報モニタ装置1は、どちらのタイプのアンテナも使用することができる。ただし、ループアンテナと対比した場合、ダイポールアンテナの方が、より細かな心電波形を抽出することができる傾向が認められる。

0039

通信などの用いられる通常のアンテナは、アンテナからの反射信号をできるだけ少なくし、空間に出ていく電力をできるだけ多くすることが求められる。このため、アンテナの電圧定在波比(VSWR)はできるだけ1.0に近い値が良いとされている。これに対して、第1の実施形態の生体情報モニタ装置1では、アンテナ10からの反射信号を検出することにより、心拍や呼吸の動きを検出している。このため、アンテナ10からの反射信号がある程度有った方がむしろ好ましい。そこで、第1の実施形態の生体情報モニタ装置1で使用されるアンテナ10の電圧定在波比(VSWR)は、例えば、2.0から5.0に設定するのが好ましい。

0040

図5は、第1の実施形態の生体情報モニタ装置1で使用されるアンテナ10の配置例を示す図である。第1の実施形態で使用するアンテナ10の数は、原則、1つであるが、その配置や、アンテナ10の向きに関しては、種々のバリエーションが考えられる。基本的な考え方としては、体動の動きがなるべく顕著に現れる部位に配設するのが好ましく、心拍を検出する場合には、なるべく心臓に近い場所に配設するのが好ましい。

0041

図5はアンテナ10の種類としては、いずれもダイポールアンテナを例示している。心臓は、被検体の左右方向よりも頭足方向の方が動きの幅が大きいと言われている。そこで、図5(a)では、ダイポールアンテナの長手方向が被検体の頭足方向となるように、かつ、被検体の背腹方向については腹側において、心臓の近傍にアンテナ10を配置している。一方、図5(b)では、被検体の背側の心臓の近傍にアンテナ10を配置している(ダイポールアンテナの長手方向が被検体の頭足方向)。

0042

アンテナ10の配置に関しては、何らかの物理的な制約を受ける場合が考えられる。例えは、磁気共鳴イメージング装置での被検体の撮像時に、生体情報モニタ装置1を用いて心拍を測定する場合には、磁気共鳴イメージング装置100の局所コイル200が被検体の上に載置される。局所コイル200が胸部コイルである場合、例えば、図5(c)に示すように、胸部コイルを避けた位置で、かつ、なるべく心臓に近い位置にアンテナ10が配置される。また、例えば、アンテナ10を背側に配置する場合であって、局所コイル200がスパインコイルである場合、例えば、図5(d)に示すように、スパインコイルを避けた位置で、かつ、なるべく心臓に近い位置にアンテナ10が配置される。

0043

上述したように、第1の実施形態に係る生体情報モニタ装置1では、心拍や呼吸等の体動を、アンテナ10と人体との間の近傍界結合の結合量の変化として検出している。そして、この近傍界結合の結合量の変化を、アンテナ10の入力端から反射される反射信号の変化、或いは、アンテナ10の反射損失であるS11パラメータの値の変化として測定している。このため、第1の実施形態に係る生体情報モニタ装置1は、電波を用いた非接触な検出方法でありながら、被検体の周囲の構造物、例えば、磁気共鳴イメージング装置のガントリ構造物や検査室内の種々の装置からの反射波によるフェージングの影響を受けにくく、心拍や呼吸の動きを高い信頼性で検出することができる。

0044

(第2の実施形態)
図6は、第2の実施形態に係る生体情報モニタ装置1の全体構成を示すブロック図である。第1の実施形態の生体情報モニタ装置1は原則1つのアンテナ10を具備する形態であるのに対して、第2の実施形態の生体情報モニタ装置1は、送信アンテナ10(第1のアンテナ)と、受信アンテナ11(第2のアンテナ)の少なくとも2つのアンテナを有している。

0045

生体情報モニタ装置本体20に関しては第1の実施形態とほぼ同様の構成であり、RF信号発生器30、送信回路40、結合量検出回路50、及び、変位検出回路60を備えている。

0046

本体20における第1の実施形態との相違点は、第2の実施形態の送信回路20が方向性結合器(DC)43を有していない点である。送信回路20の電力増幅器(PA)42と送信アンテナ10とは、方向性結合器(DC)43を介することなく直接接続され、結合量検出回路50のバンドパスフィルタ(BPF)51と受信アンテナ11も、方向性結合器(DC)43を介することなく直接接続されている。

0047

第2の実施形態の結合量検出回路50は、RF信号発生器30から出力された高周波信号が、送信アンテナ10から受信アンテナ11に透過する透過信号を、検波回路53で検波することにより、透過信号の大きさに基づいて近傍界結合の結合量を検出している。

0048

送信回路40から送信アンテナ10に出力される電力が一定値であることを考慮すると、結合量検出回路50は、送信アンテナ10から受信アンテナ11までの挿入損失(即ち、インサーションロス)を示すS21パラメータを等価的に検出していることになる。

0049

図7は、第2の実施形態に係る生体情報モニタ装置1の動作概念を説明する図である。図7(a)は被検体とアンテナ10との距離Dが小さい場合における動作、図7(b)は被検体とアンテナ10との距離Dが大きい場合における動作を模式的に説明する図である。前述したように、被検体(人体)は、導電率を有する物体であるため、送信アンテナ10と被検体との距離が小さいと、送信アンテナ10からのエネルギを吸収し易くなる。このため、送信アンテナ10から被検体に吸収されるエネルギは大きくなる。このことは、被検体と送信アンテナ10との近傍界結合の結合量が大きいことを意味している。

0050

また、同様に、受信アンテナ11が被検体に近づくと、被検体から受信アンテナ11へ入力されるエネルギも大きくなり、このことは、被検体と受信アンテナ11との近傍界結合の結合量が大きいことを意味している。アンテナ10に入力された電力Sinは、電力Sb1として被検体に吸収され、被検体の内部及び表面を伝搬し、電力Sb2として受信アンテナ11に透過する。距離Dが小さい場合は、送信アンテナ10から被検体に吸収される電力Sb1が大きくなり、その分だけ、被検体から入力アンテナ11へ透過する電力Sb2も大きくなる。例えば、送信アンテナ10に入力される電力Sinを100とした場合、送信アンテナ10から被検体に吸収される電力Sbは70、被検体から受信アンテナ11に放出される電力Sb2は60、したがって、受信アンテナ11から出てゆく電力Stも60となる。

0051

このことは、被検体と送信アンテナ10、受信アンテナ11との距離Dが小さい場合は、送信アンテナ10から受信アンテナ11への透過信号が増加し、送信アンテナ10から受信アンテナ11への挿入損失が小さくなることを意味している。言い換えると、送信アンテナ10から受信アンテナ11への挿入損失の指標である、S21パラメータ(真数値)が大きな値を示すことになる。

0052

これに対して、図7(b)に示すように、送信アンテナ10と被検体との距離Dが大きくなると、送信アンテナ10からのエネルギを被検体が吸収しにくくなる。このため、送信アンテナ10から被検体に吸収されるエネルギは小さくなる。このことは、被検体と受信アンテナ11との近傍界結合の結合量が小さくなることを意味している。また、同様に、受信アンテナ11と被検体との距離Dが大きくなると、被検体から受信アンテナ11へ入力されるエネルギも小さくなる。このことは、被検体と受信アンテナ11との近傍界結合の結合量も小さくなることを意味している。例えば、送信アンテナ10に入力される電力Sinを100とした場合、送信アンテナ10から被検体に吸収される電力Sbは30、被検体から受信アンテナ11に放出される電力Sb2は20、したがって、受信アンテナ11から出てゆく電力Stも20となる。

0053

このことは、被検体と送信アンテナ10との距離D、或いは、被検体と受信アンテナ11との距離Dが大きい場合は、送信アンテナ10から受信アンテナ11への透過信号が減少し、送信アンテナ10から受信アンテナ11への挿入損失が大きくなることを意味している。言い換えると、送信アンテナ10から受信アンテナ11への挿入損失の指標である、S21パラメータ(真数値)が小さな値を示すことになる。

0054

図8(a)は、送信アンテナ10から受信アンテナ11への透過信号の実測値の一例を示すグラフである。グラフの横軸は時間を、縦軸は透過信号の振幅である。第2の実施形態における透過信号は、第1の実施形態における反射信号(図3(a))に類似しており、比較的長い周期の振動波形(呼吸の動きに相当する波形)の上に、短い周期の振動波形(心拍に相当する波形)が重畳された波形となっている。この透過信号も、結合量検出回路50の検波回路53で検出され、変位検出回路60に出力される。

0055

変位検出回路60は、第1の実施形態と同様に、呼吸の動きに相当する周波数成分と、心拍に相当する周波数成分を夫々抽出するフィルタリング処理やフーリエ変換処理を、検波回路53で検出された反射信号に対して施すことにより、図8(b)に示す呼吸の波形や、図8(c)に示す心拍の波形を生成する。

0056

図9は、第2の実施形態の生体情報モニタ装置1で使用される送信アンテナ10と受信アンテナ11の配置例を示す図である。第2の実施形態で使用する送信アンテナ10と受信アンテナ11の配置や、向きに関しては、種々のバリエーションが考えられる。基本的な考え方としては、体動の動きがなるべく顕著に現れる部位を挟むように送信アンテナ10と受信アンテナ11を夫々配設するのが好ましい。例えば、心拍を検出する場合には、心臓を、被検体の背腹方向、左右方向、或いは、頭足方向のいずれかの方向に挟むように配設するのが好ましい。

0057

図9(a)、図9(b)、図9(c)はアンテナの種類としてダイポールアンテナを例示し、図9(d)はモノポールアンテナを例示している。図9(a)は、送信アンテナ10と受信アンテナ11によって、心臓を被検体の背腹方向から挟む配置例を示している。

0058

図9(b)は、送信アンテナ10と受信アンテナ11によって、心臓を被検体の左右方向から挟む配置例を示している。図9(c)は、送信アンテナ10と受信アンテナ11によって、心臓を被検体の頭足方向から挟む配置例を示している。図9(d)は、ものポールアンテナである送信アンテナ10と受信アンテナ11によって、心臓を被検体の頭足方向から挟む配置例を示している。

0059

なお、送信アンテナ10と受信アンテナ11とを特に区別する必要はなく、図9(a)〜図9(d)のいずれの例においても、送信アンテナ10と受信アンテナ11とを入れ替えた配置とすることができる。

0060

第2の実施形態の生体情報モニタ装置1で使用される送信アンテナ10の電圧定在波比(VSWR)も、第1の実施形態のアンテナ10と同様に、例えば、2.0から5.0に設定するのが好ましい。但し、受信アンテナ11に関しては、例えば、2.0以下のVSWRが好ましい。

0061

(第3の実施形態)
図10は、第3の実施形態に係る生体情報モニタ装置1の全体構成を示すブロック図である。第3の実施形態の生体情報モニタ装置1は、第1の実施形態と第2の実施形態とを組み合わせた実施形態である。具体的には、第1の実施形態に対応する第1モードと、第2の実施形態に対応する第2モードとを選択可能に構成した実施形態である。

0062

第1モードでは、アンテナ11に高周波信号を入力し、アンテナ11からの反射信号(或いは、アンテナ11のS11パラメータ)に基づいて被検体の心拍や呼吸の動き等を測定する。一方、第2モードでは、アンテナ10に高周波信号を入力し、アンテナ10からアンテナ11への透過信号(或いは、アンテナ10からアンテナ11へのS21パラメータ)に基づいて被検体の心拍や呼吸の動き等を測定する。

0063

RF信号発生器30と第1送信回路40は、第1モードにおける高周波信号の発生機能に対応する構成である。RF信号発生器30aと第2送信回路40aは、第2モードにおける高周波信号の発生機能に対応する構成である。結合量検出回路50は第1モードと第2モードの双方に共通に用いられる構成である。

0064

ダイバーシティ判定回路70は、第1モードで検出される反射信号と、第2モードで検出される透過信号をモニタし、第1モードと第2モードのどちらかを選択する。第1モードで反射信号をモニタするときには、ダイバーシティ判定回路70は、図10に示している状態、即ち、第1送信回路40のスイッチ44と、結合量検出回路50のスイッチ54をどちらも方向性結合器43側に切り替える。第2モードで透過信号をモニタするときには、スイッチ44とスイッチ54とを、図10に示している状態の反対側に切り替える。

0065

ダイバーシティ判定回路70は、反射信号の変動幅と透過信号の変動幅とを比較し、変化幅の大きい方のモードを選択する。例えば、反射信号の変動幅の方が透過信号の変動幅よりも大きいと判定された場合は、ダイバーシティ判定回路70は第1モードを選択する。また、例えば、ダイバーシティ判定回路70は、反射信号と透過信号を夫々フーリエ変換し、心拍に対応する周波数成分が大きい方のモードを選択してもよいし、呼吸に対応する周波数成分が大きい方のモードを選択してもよい。

0066

ダイバーシティ判定回路70は、第1モードと第2モードのずれかを選択した後は、選択したモードに対応する状態にスイッチ44、スイッチ54を設定し、選択したモードを用いて、反射信号或いは透過信号を測定し、心拍や呼吸動等の体動信号を検出する。
(第3の実施形態の変形例)

0067

第3の実施形態の変形例の生体情報モニタ装置1は、2つ以上のアンテナ10、11を用いて、ダイバーシティ処理を行う。このダイバーシティ処理では、最も良好に体動信号を検出することができる1つのアンテナを選択する、或いは、最も良好に体動信号を検出することができる2以上のアンテナの組み合わせを選択する。

0068

図11は、ダイバーシティ処理を行うための4つのアンテナの配置例を示す図である。この場合、例えば、図11(a)に示すように、4つのダイポールアンテナ10、11を、心臓を囲むように配置してもよい。また、図11(b)に示すように、ダイポールアンテナを中央で略直角に折り曲げたタイプのアンテナ10、11を、を用いて心臓を囲むように配置してもよい。

0069

第1の実施形態の生体情報モニタ装置1でダイバーシティ処理を行う場合や、第3の実施形態の第1モードでダイバーシティ処理を行う場合には、最も良好に体動信号を検出することができる1つのアンテナを、4つのアンテナの中から選択する。

0070

また、第2の実施形態の生体情報モニタ装置1でダイバーシティ処理を行う場合や、第3の実施形態の第2モードでダイバーシティ処理を行う場合には、例えば、1つの送信アンテナ10を選択し、残りの3つの受信アンテナ11の中から、最も良好に体動信号を検出することができる1つのアンテナを選択する、或いは、残りの3つの受信アンテナ11を任意の組み合わせで合成処理を行う。

0071

第3の実施形態の変形例では、例えば、図10に示したダイバーシティ判定回路70と類似の機能を有する回路を設ければよい。そして、この回路が、上述したアンテナの選択処理やアンテナの合成処理を行う。

0072

(磁気共鳴イメージング装置)
図12は、上述した各実施形態に係る生体情報モニタ装置1を具備する磁気共鳴イメージング装置100の構成例を示す図である。

0073

磁気共鳴イメージング装置100は、静磁場磁石112、傾斜磁場コイル110、WB(Whole Body)コイル120等を有しており、これらの構成品円筒状の筐体に収納されている。また、磁気共鳴イメージング装置100は、寝台本体520と天板510とを具備する寝台500、及び、被検体に近接して配設される局所コイル200を有している。

0074

さらに、磁気共鳴イメージング装置100は、傾斜磁場電源310、RF受信器320、RF送信器330、及びシーケンスコントローラ340を備えている。また、磁気共鳴イメージング装置100は、処理回路400、記憶回路410、ディスプレイ420、及び入力デバイス430を有するコンピュータ、即ち、コンソールを有している。

0075

生体情報モニタ装置1は、図1図6図10に示す本体20に加えて、アンテナ10、11を有している。アンテナ10、11は、被検体に近接して配設されるが、被検体の肌に直接貼付する必要はない。アンテナ10、11は、それぞれ単独に被検体の近傍に配設してもよいが、図12に示すように、局所コイル200の中に内蔵させることもできるし、天板510の中に内蔵させてもよい。

0076

図13(a)は、磁気共鳴イメージング装置100で使用される生体情報モニタ装置1の構成例を示す図である。磁気共鳴イメージング装置100は、上述した各実施形態のいずれでも使用可能であるが、図13は、一例として、第2の実施形態の生体情報モニタ装置1を図示している。磁気共鳴イメージング装置100では、RF送信器330から非常に大きな電力のMRRFパルスが出力され、このRFパルスがWBコイル120から被検体にむけて放射される。このため、非常に大きなRF電力がアンテナ10、11を介して、生体情報モニタ装置1の本体20に入力される。

0077

そこで、磁気共鳴イメージング装置100で使用される生体情報モニタ装置1は、保護用のスイッチ45とスイッチ55が、送信回路40の出力端と、結合量検出回路50の入力端に夫々設けられている。保護用のスイッチ45とスイッチ55は、磁気共鳴イメージング装置100の本体側から送られてくる制御信号を用いて、オンオフされる。

0078

図13(b)は、生体モニタ用の高周波信号の送受信期間の一例を示す図である。図13(b)に示すように、生体モニタ用の高周波信号は、磁気共鳴イメージング装置100と生体情報モニタ装置1の互いの干渉を回避するため、MR用RFパルスの送信期間と、MR信号受信期間を避けた期間に送受信される。

0079

生体モニタ用の高周波信号の送受信期間の繰り返し周期Tは、心拍の周期と呼吸の周期から規定することができる。心拍の周波数は概ね2Hz又はそれ以下と想定でき、また、呼吸の周波数は概ね0.5Hz又はそれ以下と想定することができる。サンプリング定理から、高い方の周波数の2倍、即ち、4Hz以上の周波数でサンプリングすれば、心拍の波形と呼吸の波形を測定することができる。したがって、繰り返し周期Tを250ms(=1/4Hz)以下に設定すればよい。

0080

生体モニタ用の高周波信号の周波数は、磁気共鳴イメージング装置100で使用するラーモア周波数より高い周波数が好ましい。生体モニタ用の高周波信号の周波数をラーモア周波数よりも高く設定することにより、生体モニタ用の高周波信号自体のみならずその高調波が、磁気共鳴イメージング装置100のMR信号の受信帯域入りこむことを避けることができる。

0081

図14は、アンテナ10、11の位置を示す局所コイル200や天板510のマーキングの一例を示す図である。前述したように、生体情報モニタ装置1のアンテナ10、11は局所コイル200や寝台500の天板510に埋め込んで実装することができる。心拍を測定する場合、アンテナ10、11は、被検体の心臓の近傍に配設するのが好ましい。そこで、ユーザが、局所コイル200や天板510に埋め込まれたアンテナ10、11を容易に視認できるようにマーキングを付し、このマーキングが被検体の心臓の近傍となるように、被検体の位置や局所コイル200の位置を調整すればよい。

0082

(生体情報モニタ装置の使用周波数)
前述したように、生体情報モニタ装置1の使用周波数は、磁気共鳴イメージング装置100で使用するラーモア周波数より高い周波数が好ましい。以下、生体情報モニタ装置1で使用する周波数について、より具体的に述べる。

0083

前述したように、生体情報モニタ装置1は、被検体と、生体情報モニタ装置1のアンテナ10との間の電界による近傍界結合の結合量を検出し、近傍界結合の結合量の変化に基づいて被検体の物理的変位を検出する。ここで、被検体の物理的変位の典型的な例の1つは、被検体の心臓の拍動である。

0084

そこで、本発明者らは、被検体の心臓の拍動を高感度で検出することができる周波数という観点から、生体情報モニタ装置1の使用周波数を決定しようと考えた。さらに、本発明者らは、心臓の拍動を高感度で検出することができる周波数は、被検体の体内における心臓の共振長に対応する周波数(即ち、共振周波数)であろうという着想を得た。そして、さらに、その着想を確認するための実験を行い、その着想を肯定する実験結果を得た。

0085

図15は、生体情報モニタ装置1の使用周波数を決定する際の基本的なコンセプトを説明する図である。図15に示すように、被検体の心臓の大きさ、例えば、心臓の頭足方向の長さを、心臓の等価長Lcrと考える。この場合、この等価長Lcrに対して共振する周波数の波長λbの1/2(即ち、λb/2)が、被検体の体内における心臓の共振長となる。ここでの共振長は、基本モード共振に対応するものであり、等価長Lcrと波長λbは、Lcr=λb/2、によって関係づけられる。
なお、同じ等価長Lcr(即ち、同じ心臓の大きさ)に対して、n倍モード共振も存在する。この場合、等価長Lcrとn倍モード共振の波長λbとは、
Lcr=(n)・λb/2 (式1)
によって関係づけられる。つまり、共振モード次数nが高くなるほど、共振する波長λbは短くなり、この逆数である共振周波数は高くなる。

0086

一方、被検体の体内での波長λbは、体外での波長λ(即ち、空気中での波長λ)よりも短くなる。体内の比誘電率をεr(>1)で表記すると、体内での波長λbは、
λb=λ・(1/√εr) (式2)
で表される。(1/√εr)は、一般に、波長短縮率と呼ばれている指標である。空気中の波長λと周波数fは、f=c/λ、の関係があるので(cは光速)、(式1)、(式2)より、n倍モード共振における共振周波数fnと心臓の等価長Lcrとの間には、
fn=c/λ=c/(λb・√εr)
=n・c/(2Lcr・√εr) (式3)
の関係がある。

0087

ここで、人体の比誘電率εrが脂肪の比誘電率で近似できるものとし、脂肪の比誘電率εrを、εr=11、と仮定する。そして、共振周波数の単位をMHzとし、心臓の等価長Lcrの単位をcm(センチメートル)とすると(式3)は以下のようになる。
fn(MHz)=n・(4520)/Lcr(cm) (式4)
したがって、基本モード共振(n=1)での共振周波数f1と、2倍モード共振(n=2)での共振周波数f2は、それぞれ以下のようになる。
f1(MHz)=(4520)/Lcr(cm) 基本モード共振 (式5)
f2(MHz)=(9040)/Lcr(cm) 2倍モード共振 (式6)

0088

成人の心臓の大きさは、横方向(被検体の左右方向)で9〜11cm、縦方向(被検体の頭足方向)で12〜15cm程度であると言われている。そこで、(式5)、(式6)における心臓の等価長Lcrを14cmであると仮設定すると、基本モード共振での共振周波数f1は322MHzとなり、2倍モード共振での共振周波数f2は644MHzとなる。

0089

そこで、本発明者らは、約300MHzから約650MHzに亘って、生体情報モニタ装置1の周波数を変化させて、心臓の拍動がより安定して明確に検出される周波数を探索する実験を行った。この実験では、図1に示す第1の実施形態の構成を用いて、リターンロス(S11パラメータ)を測定した。

0090

図16は、実験結果を示す12個のグラフを配列した図である。各グラフの横軸は時間であり数字は秒に対応している。また、各グラフの縦軸は、相対値で示したS11パラメータの値である。S11パラメータの変動周期は概ね1秒強であり、拍動周期に対応していることが明らかである。

0091

この実験では、ボランティアA、ボランティアB、ボランティアCの3名の被検体に対して、基準周波数の異なる4つのアンテナ(300MHz用、400MHz用、500MHz用、600MHz用の4つのアンテナ)を用いて測定を行った。図16の第1列は、300MHz用のアンテナを用いて、ボランティアA、ボランティアB、ボランティアCの夫々に対して、S11パラメータの変化が最も顕著に表れるような周波数を300MHz近傍で微調して測定したグラフを示している。各グラフの上部に示す周波数は、微調後の周波数である。同様に、図16の第2列は400MHz用のアンテナを用いて測定した結果を、第3列は500MHz用のアンテナを用いて測定した結果を、第4列は600MHz用のアンテナを用いて測定した結果を夫々示している。

0092

いずれの測定結果においても、心臓の拍動に対応するS11パラメータの変化が読み取れるものの、第1列の300MHz帯と、第2列の500MHz帯では、一部の測定結果に波形の乱れ(例えば、ボランティアBの300MHz帯と500MHz帯における測定結果の波形の乱れ等)がみられる。また、ボランティアCの300MHz帯の測定結果では、S11パラメータの変動振幅が、他の周波数帯に比べて明らかに小さい。

0093

これに対して、400MHz帯及び650MHz帯では、どのボランティアに対しても、S11パラメータの変化は比較的安定しており、特に、ボランティアBとボランティアCに対しては、変動振幅が大きく、かつ、測定期間中にほぼ一定の変動振幅を示す良好な測定結果が得られた。

0094

これらの実験結果から、生体情報モニタ装置1において、400MHz帯及び650MHz帯が、心臓の拍動を検出するための使用周波数として好適であると考えられる。

0095

前述したように、本発明者らは、心臓の拍動を高感度で検出することができる周波数は、被検体の体内における心臓の共振長に対応する周波数(即ち、共振周波数)であろうという着想の下、上記の実験を行った。図17は、上記の実験結果と、本発明者らの着想を検証する図である。

0096

実験結果で得られた第1の好適な周波数である400MHz帯を、基本モード共振に対応する(式5)に当てはめると、心臓の等価長Lcr(=基本モード共振における心臓の共振長λb/2)は、11.3cmとなる。この大きさは、前述した成人の心臓の大きさを矛盾しない範囲であると考えられる。

0097

また、実験結果で得られた第2の好適な周波数である650MHz帯を、2倍モード共振に対応する(式6)に当てはめると、心臓の等価長Lcr(=2倍モード共振における心臓の共振長λb)は、13.9cmとなる。この大きさも、前述した成人の心臓の大きさを矛盾しない範囲であると考えられる。

0098

上記のように、実施形態の生体情報モニタ装置1では、被検体の体内における心臓の共振長に対応する共振周波数を有する高周波信号を使用するのが好適であると考える。さらには、心臓の大きさに対して基本モードで共振する基本モード周波数を有する高周波信号、或いは、心臓の大きさに対して2倍モードで共振する2倍モード周波数を有する高周波信号を使用するのがより好適であると考える。
図18及び図19は、実施形態の生体情報モニタ装置1で使用する各種のアンテナ10の例、及びRF信号発生器30の構成例を示す図である。

0099

図18(a)は、心臓の大きさに対して基本モードで共振する基本モード周波数f1の高周波信号(例えば、約400MHzの高周波信号)を生成するRF信号発生器30と、基本モード周波数f1で共振するアンテナ10(例えば、半波長ダイポールアンテナ)を示している。

0100

図18(b)は、心臓の大きさに対して2倍モードで共振する2倍モード周波数f2の高周波信号(例えば、約650MHzの高周波信号)を生成するRF信号発生器30と、2倍モード周波数f2で共振するアンテナ10(例えば、半波長ダイポールアンテナ)を示している。

0101

図18(c)は、心臓の大きさに対して基本モードで共振する基本モード周波数f1の高周波信号(例えば、約400MHzの高周波信号)を生成するRF信号発生器30と、心臓の大きさに対して2倍モードで共振する2倍モード周波数f2の高周波信号(例えば、約650MHzの高周波信号)を生成するRF信号発生器30と、基本モード周波数f1で共振するように構成される第1のアンテナ30と、2倍モード周波数で共振するように構成される第2のアンテナ30と、基本モード周波数f1の高周波信号と2倍モード周波数f2の高周波信号とを選択するスイッチSW1、SW2を備える構成を例示している。基本モード周波数f1の高周波信号と2倍モード周波数f2の高周波信号のうち、どちらの信号を選択するかは、例えば、事前に行われる測定結果に基づく。例えば、S11パラメータの変動振幅の大きい方の信号が選択される。

0102

また、図18(a)乃至図18(c)に示した構成において、いくつかの変形例が考えられる。例えば、図18(a)乃至図18(c)に示した各構成のRF信号発生器30において、被検体の心臓における1/2波長が、心臓の大きさ以下となるような周波数の高周波信号を生成するようにしてもよい。

0103

また、前述したように、心臓の大きさは成人であっても個体間でばらつきをもっている。そこで、図18(a)乃至図18(c)に示した各アンテナを、心臓の大きさの個体間変化幅に基づく共振周波数の変化幅をカバーし得るような周波数帯域幅をもつ広帯域アンテナとして構成してもよい。

0104

また、図18(a)乃至図18(c)に示した各構成のRF信号発生器30を、心臓の大きさの個体間変化幅に基づく共振周波数の変化幅をカバーし得るように、高周波信号の周波数を掃引可能な信号発生器として構成してもよい。

0105

一方、成人と幼児のように心臓の大きさが大きく異なる場合には、心臓の共振長に対応する共振周波数も大きく異なってくるため、図18(a)乃至図18(c)に示した単共振型のアンテナでは双方の共振周波数をカバーしきれない場合も考えられる。

0106

このような場合には、図19に例示するような、多共振アンテナ10と、周波数可変型のRF信号発生器30とを有する構成が好適である。多共振アンテナ10は、例えば、複数の共振周波数にそれぞれ対応する複数の異なる長さの素子を有するアンテナとして構成される。このような構成により、成人と幼児のように心臓の共振長が大きく異なる場合であって、検出対象である特定の被検体に対して、その心臓の大きさに合わせた適切な周波数を選択し、使用することが可能となる。また、このような構成は、当然ながら、成人における心臓の共振長の個体間のばらつきや、測定時における心臓の向きのばらつきにも対応可能である。

0107

さらに、図19に示した多共振アンテナ10と、周波数可変型のRF信号発生器30とを有する構成では、磁気共鳴信号との相互干渉を避ける周波数の高周波信号を使用することが可能である。仮に、基本モード周波数と2倍モード周波数のどちらかが、磁気共鳴イメージング装置1のラーモア周波数と相互干渉したとしても、基本モード周波数と2倍モード周波数のうち、相互干渉のない方の周波数を選択することができる。

0108

ここまでは、心臓の拍動を良好に検出するという観点から、図15乃至図19を用いて、生体情報モニタ装置1の使用周波数を選択し、この使用周波数に対応するアンテナ構成の説明を行ってきた。

0109

これに対して、以下では、図20及び図21を用いて、心臓の拍動を良好に検出できる同時に、呼吸動を十分に抑制することができるアンテナ構成について説明する。図20は、実施形態の生体情報モニタ装置1で使用するマルチエレメントアンテナの構成例(図20(a))と、この構成例に対応するS11パラメータの周波数特性を示すグラフ(図20(b))とを示している。図20(a)に示すマルチエレメントアンテナは、例えば、600MHzに対応する長さLbを有するダイポールアンテナと、この長さと異なる長さLa(例えば、La=0.8Lb)を有するダイポールアンテナの2つのダイポールアンテナを組み合わせたアンテナとして構成されている。

0110

また、図20には、マルチエレメントアンテナに対する比較例として、従来のダイポールアンテナ(図20(c))と、これに対応するS11パラメータ特性の周波数特性を示すグラフ(図20(d))とを示している。

0111

ふたつのグラフは、いずれも、横軸が周波数(MHz)であり、縦軸は、相対値で示したS11パラメータの値である。また、2つのグラフにおいて、実線は、最大呼気位(息を最大限まで吐いた状態)でのS11パラメータの値を示し、破線は、最大吸気位(息を最大限まで吸った状態)でのS11パラメータの値を示している。

0112

2つのグラフから容易に判るように、S11パラメータの最大呼気位における値と最大吸気位における値との差(即ち、同一周波数における実線と破線との差)は、従来のダイポールアンテナに対して、マルチエレメントアンテナの方が小さい。このことは、マルチエレメントアンテナの方が従来のダイポールアンテナに対して呼吸動の影響を受けにくいことを意味している。

0113

図21は、S11パラメータの時間に対する変動を、実施形態のマルチエレメントアンテナ(実線)と、従来のダイポールアンテナ(破線)とで比較した測定結果を示すグラフである。従来のダイポールアンテナでは、呼吸動による変動(周期が5秒程度の変動)が大きく出現している一方、心臓の拍動による変動が呼吸動による変動に埋もれてしまう場合があり得る。これに対して、実施形態のマルチエレメントアンテナでは、呼吸動による変動が抑制されるため、呼吸動による緩やかな変動に重畳されて、心臓の拍動による変動(周期が1秒弱程度の変動)も明確に観測されている。

0114

このように、マルチエレメントアンテナを用いた生体情報モニタ装置1では、呼吸動の影響を抑制しつつ、心臓の拍動を検出するという効果を得ることができる。

0115

以上説明してきた各実施形態の生体情報モニタ装置1によれば、被検体に負担をかけることなく、被検体の心拍や呼吸などの生体情報を、高い信頼性で安定に検出できる。

0116

本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

0117

1生体情報モニタ装置
10アンテナ、送信アンテナ
11受信アンテナ
20 生体情報モニタ装置本体(本体)
30、30aRF信号発生器
40送信回路、第1送信回路
40a 第2送信回路
43方向性結合器
50 結合量検出回路
53検波回路
60変位検出回路
70ダイバーシティ判定回路
100磁気共鳴イメージング装置
200局所コイル
330RF送信器
510 天板

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