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図面 (20)

課題

生体分子タンパク質核酸細胞小胞体など)を体液又は生体由来溶液から短時間、高収率で分離できるデバイス及び方法の提供。

解決手段

平坦面を有する基板102と、平坦面の少なくとも一部に配置されたナノワイヤ103と、ナノワイヤの少なくとも一部を含むように形成された流体チャンバと、を備える、生体分子を分離するための流体デバイス101。

概要

背景

本願は、2018年7月6日に出願された日本特許出願特願2018−128714、2019年2月4日に出願された日本特許出願特願2019−17630及び2019年3月15日に出願された日本特許出願特願2019−049067を基礎として優先権を主張してなされた出願であり、同全ての日本特許出願の全てが全ての目的のために本願に引用される。

溶質溶液から捕捉、分離、回収、抽出、分析する(以降、単に「分離する」という場合もある。)ための数々の手法が知られている。特定の溶質を溶液又はその他の溶質から分離する手法が知られている。例えば、生体分子タンパク質核酸細胞小胞体など)を体液又は生体由来の溶液から分離する数々の分離手法が知られている。しかし、これらの手法は、一般的に時間が掛かり結果の歩留まりも低い。

一例として、超遠心分離法や凝集試薬法などのいくつかの方法が、既存の細胞外小胞を分離する方法として記載されている。最も一般的に用いられている分離手法である。しかし、数10mLのサンプル量及び4〜5時間の分離時間が必要であり、また、回収率も5〜25%程度で効率的に細胞外小胞を分離することが難しい。凝集試薬法は、対象サンプルに凝集試薬を滴下静置する簡便な手法ではある。しかし、分離には長時間の静置(0.5時間〜1晩)が必要であり、また、遠心機が使用される場合もあり、さらには粒径の変化や粒子数の減少、マーカータンパク量の減少が生じる場合もある。

概要

生体分子(タンパク質、核酸、細胞、小胞体など)を体液又は生体由来の溶液から短時間、高収率で分離できるデバイス及び方法の提供。平坦面を有する基板102と、平坦面の少なくとも一部に配置されたナノワイヤ103と、ナノワイヤの少なくとも一部を含むように形成された流体チャンバと、を備える、生体分子を分離するための流体デバイス101。B

目的

本開示は、細胞外小胞、細菌、核酸等などの生体分子又は有機分子を回収、分離、抽出、捕捉、分析及び/又は観察する方法、デバイス、システムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

平坦面を有する基板と、前記平坦面の少なくとも一部に配置されたナノワイヤと、前記ナノワイヤの少なくとも一部を含むように形成された流体チャンバと、を備える、生体分子を分離するための流体デバイス

請求項2

前記平坦面の一部と密着する接合面を有するカバーであって、前記基板の平坦面と共に前記流体チャンバを画定する凹部を有するカバーを、更に備える、請求項1に記載の流体デバイス。

請求項3

前記基板の平坦面上に前記ナノワイヤ成長用の触媒層が形成され、前記触媒層の上に前記ナノワイヤが形成されている、請求項1又は2に記載の流体デバイス。

請求項4

前記ナノワイヤの一端が、前記基板の平坦面に埋め込まれている、請求項1又は2に記載の流体デバイス。

請求項5

前記流体チャンバに溶液を導入するための投入口と、前記流体チャンバから溶液を排出するための排出口とを有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の流体デバイス。

請求項6

前記カバーは、前記流体チャンバに溶液を導入するための投入口と、前記流体チャンバから溶液を排出するための排出口とを有する、請求項2に記載の流体デバイス。

請求項7

前記カバーの凹部の表面に、前記溶液の流れを攪拌させるための微細立体構造が形成されている、請求項6に記載の流体デバイス。

請求項8

前記生体分子は、RNAを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の流体デバイス。

請求項9

前記生体分子は、細胞外小胞を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の流体デバイス。

請求項10

平坦面を有する基板と、前記平坦面の少なくとも一部に配置されたナノワイヤと、前記ナノワイヤの少なくとも一部を含むように形成された流路と、を備える流体デバイスを提供すること、及び前記流体デバイスに生体分子を含む溶液を導入すること、を備える、生体分子の分離方法

請求項11

前記生体分子は、細胞ウイルス及び菌の少なくとも一つを含む、請求項10に記載の生体分子の分離方法。

請求項12

前記生体分子は、細胞外小胞を含む、請求項11に記載の生体分子の分離方法。

請求項13

前記流体デバイスに細胞溶解液を導入することを更に備える、請求項12に記載の生体分子の分離方法。

請求項14

前記流体デバイス内に導入した前記細胞溶解液を前記流体デバイスから排出させること、前記流体デバイスから排出された前記細胞溶解液に含まれる核酸を測定すること、を更に備える、請求項13に記載の生体分子の分離方法。

請求項15

前記核酸は、RNAを含む、請求項14に記載の生体分子の分離方法。

技術分野

0001

本出願における開示は、流体デバイスに関する。本開示はまた、ナノワイヤも用いた、生体分子捕捉、分離、回収、抽出、分析などする技術に関する。

背景技術

0002

本願は、2018年7月6日に出願された日本特許出願特願2018−128714、2019年2月4日に出願された日本特許出願特願2019−17630及び2019年3月15日に出願された日本特許出願特願2019−049067を基礎として優先権を主張してなされた出願であり、同全ての日本特許出願の全てが全ての目的のために本願に引用される。

0003

溶質溶液から捕捉、分離、回収、抽出、分析する(以降、単に「分離する」という場合もある。)ための数々の手法が知られている。特定の溶質を溶液又はその他の溶質から分離する手法が知られている。例えば、生体分子(タンパク質核酸細胞小胞体など)を体液又は生体由来の溶液から分離する数々の分離手法が知られている。しかし、これらの手法は、一般的に時間が掛かり結果の歩留まりも低い。

0004

一例として、超遠心分離法や凝集試薬法などのいくつかの方法が、既存の細胞外小胞を分離する方法として記載されている。最も一般的に用いられている分離手法である。しかし、数10mLのサンプル量及び4〜5時間の分離時間が必要であり、また、回収率も5〜25%程度で効率的に細胞外小胞を分離することが難しい。凝集試薬法は、対象サンプルに凝集試薬を滴下静置する簡便な手法ではある。しかし、分離には長時間の静置(0.5時間〜1晩)が必要であり、また、遠心機が使用される場合もあり、さらには粒径の変化や粒子数の減少、マーカータンパク量の減少が生じる場合もある。

0005

本開示は、細胞外小胞、細菌、核酸等などの生体分子又は有機分子を回収、分離、抽出、捕捉、分析及び/又は観察する方法、デバイス、システムを提供する。

0006

一実施形態において、本開示は、基板、ナノワイヤ(NW)、および、カバー部材を含む分離用デバイスを提供する。一態様においては、前記基板の第1面に前記ナノワイヤが形成され、前記カバー部材は、カバー部材用基材、および、該カバー部材用基材の第2面に形成された流路を含んでいる。更なる一態様においては、前記基板の第1面の少なくとも一部と前記カバー部材用基材の第2面が液密密着されている。更なる一態様においては、前記ナノワイヤの少なくとも一部が前記流路内に配置される。

0007

更なる実施形態では、本開示は、表面、例えば平坦面を有する基板と、
前記平坦面の少なくとも一部に配置されたナノワイヤと、
前記ナノワイヤの少なくとも一部を含むように形成された流体チャンバと、
を備える、
生体分子を分離、回収するためのデバイスを提供する。

発明の効果

0008

本出願で開示する分離用デバイスは、例示的に、基材側ではなくカバー部材側に流路を形成することで、分析用デバイスの流路設計の自由度が高くなる。

図面の簡単な説明

0009

一実施形態に係る流体デバイスを記載する上面図である。
一実施形態に係る流体デバイスを記載する断面図である。
一実施形態に係る流体デバイスを記載する断面図である。
一実施形態に係る流体デバイスを記載する断面図である。
一実施形態に係るナノワイヤ基板の作成工程を記載する断面図である。
一実施形態に係るナノワイヤ基板の作成工程を記載する断面図である。
一実施形態に係るナノワイヤ基板の作成工程を記載する断面図である。
一実施形態に係るナノワイヤ基板の作成工程を記載する断面図である。
一実施形態に係るナノワイヤ基板の作成工程を記載する断面図である。
一実施形態に係るナノワイヤ基板の作成工程を記載する断面図である。
一実施形態に係るナノワイヤ基板の作成工程を記載する断面図である。
一実施形態に係るナノワイヤ基板の作成工程を記載する断面図である。
一実施形態に係るカバーを記載する断面図である。
一実施形態に係るカバーを記載する断面図である。
一実施形態に係るカバーを記載する断面図である。
一実施形態に係る流体デバイスの作成工程を記載する断面図である。
一実施形態に係る流体デバイスの作成工程を記載する断面図である。
一実施形態に係る流体デバイスの作成工程を記載する面図である。
一実施形態に係る流体デバイスの作成工程を記載する断面図である。
一実施形態に係る流体デバイスの作成工程を記載する断面図である。
一実施形態に係る流体デバイスを記載する断面図である。
一実施形態に係る流体デバイスを記載する断面図である。
一実施形態に係る流体デバイスを記載する上面図である。
一実施形態に係る流体デバイスの作成工程を記載する断面図である。
一実施形態に係る流体デバイスの作成工程を記載する断面図である。
一実施形態に係る流体デバイスの作成工程を記載する断面図である。
一実施形態に係る流体デバイスの作成工程を説記載する断面図である。
一実施形態に係る流体デバイスの作成工程を記載する断面図である。
一実施形態に係る流体デバイスの作成工程を記載する断面図である。
一実施形態に係る流体デバイスを記載する断面図である。
一実施形態に係る流体デバイスを記載する断面図である。
一実施形態に係る流体デバイスを記載する断面図である。
一実施形態に係る流体デバイスを記載する断面図である。
一実施形態に係る流体デバイスを記載する断面図である。
基板上に固定されたナノワイヤの態様を記載する断面図である。
基板上に固定されたナノワイヤの態様を記載する断面図である。
実施例1で作製したデバイスの写真である。
細胞外小胞を吸着したナノワイヤのFESEM写真である。

0010

他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。

0011

ある範囲の値が提供される場合、文脈上明らかに別段の指示がない限り、その範囲の上限と下限との単位の10分の1およびその表示された範囲内の介在値又は他の任意の記載された値は、本発明の範囲内に包含される。これらのより小さな範囲の上限および下限は独立してより小さな範囲に含まれてもよく、記載された範囲内の任意の具体的に除外された制限を条件として、本発明の範囲内にも含まれる。記載された範囲が限界の一方または両方を含む場合、それらの含まれる限界のいずれかを除外した範囲も本発明に含まれる。

0012

以下の説明では、本発明のより完全な理解を提供するために多数の具体的な詳細が述べられている。しかしながら、本発明がこれらの具体的な詳細のうちの1つまたは複数で実施され得ることは当業者には明らかであろう。他の例では、本発明を曖昧にすることを避けるために、当業者によく知られている特徴および手順は説明されていない。

0013

本明細書で使用されるとき、用語「含む」及び「備える」は、構成および方法が列挙された要素を含むが他を除外しないことを意味することを意図している。これらの移行用語のそれぞれによって定義される実施形態は、本発明の範囲内にある。したがって、方法および組成物、構成は、追加の工程および構成要素を「含む」ことができる。

0014

範囲を含む全ての数値表示、例えば長さ、pH、温度、時間、濃度、および分子量は、0.1の増分で(+)または(−)に変化する近似値である。当然のことながら、すべての数値指定の前に用語「約」があることを明示的に述べているわけではない。「約」という用語はまた、「X+0.1」または「X−0.1」などの「X」のわずかな増分に加えて正確な値「X」も含む。本明細書に記載の試薬は単なる例示であり、その同等物当技術分野において公知である。

0015

本開示は、流体中の分子を流体から分離又は回収するデバイスの一実施形態として、
平坦面を有する基板と、
前記平坦面の少なくとも一部に配置されたナノワイヤと、
前記ナノワイヤの少なくとも一部を含むように形成された流体チャンバと、
を備える、
流体から分子を分離、回収又は分析するためのデバイス
を提供する。

0016

「流体」は、溶液であってもよい。気体蒸気を含んでいてもよい。溶液の溶質は、液体であってもよく気体であってもよい。溶液は、水溶液であってもよく、非水溶液であってもよい。溶液は、分離、回収又は分析する対象物質を含んでいてもよい。

0017

分離、回収又は分析する対象物質は、無機分子であっても良く、有機分子であってもよい。対象物質である分子は、生体分子であってもよい。生体分子は、天然由来の分子であってもよく、人工的に合成された分子であってもよく、両方を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、対象物質である分子は、電荷を帯びていてもよい。対象物質の分子の電荷は、ナノワイヤの表面の電荷と逆の電荷であってもよい。いくつかの実施形態では、対象物質である分子は、実質的に電荷を帯びていなくてもよい。一態様では、目的の物質または生体分子は、水性担体中または組成物の形態であり得る。別の態様において、組成物は、アジュバント免疫増強アジュバント、希釈剤薬学的に許容される塩、および/または水性担体のうちの1つ以上を含み得る。

0018

「生体分子」は、生体物質であってもよい。生体物質は、生体に含まれ、又は人工的に合成された、生命現象に関して機能する高分子有機化合物の総称であり、例えばペプチド、タンパク質、脂質、核酸、ホルモン、糖、アミノ酸などを指す。生体分子は、生体分子の複合体であってもよく、例えばタンパク質の複合体であってもよく、多タンパク複合体であってもよい。生体分子は核酸であってもよい。生体分子は小胞であってもよい。回収(抽出、収集など。以下、回収ともいう。)される物質は、生体分子でなくてもよく、非生体分子であってもよい。回収される物質は、無機分子、有機分子などであってもよい。本明細書で使用される生体分子は、液体中、気体中、蒸気中、エアロゾル中、または対象の息中にあり得る。対象は、ヒト、ならびにマウスラットウサギネコイヌウシウマブタサルなどを含む動物であり得る。

0019

一態様では、生体分子は、リボ核酸(RNA)であってもよく、リボ核酸(RNA)を含んでいてもよい。RNAは、非限定的に、伝令RNAメッセンジャーRNAmRNA)、運搬RNAトランスファーRNAtRNA)、リボソームRNArRNA)、ノンコーディングRNA(ncRNA)、マイクロRNA(miRNA)、リボザイム二重鎖RNA(dsRNA)などであってもよく、それらの複数を含んでいてもよい。RNAは修飾されていてもよい。RNAやmiRNAは、がん心血管疾患神経変性疾患精神疾患慢性炎症性疾患などの発症や進行に関わっていてもよい。miRNAは、がん化を促進する又は正の制御をするタイプのRNA(onco miRNA (oncogenic miRNA、がん促進型miRNA))でもよく、がん化を抑制する又は負の制御をするタイプのRNA(Tumor Suppressor miRNA(がん抑制型miRNA))でもよい。生体分子は、エクソソーム、エクソソーム複合体であってもよい。生体分子は、エクソソーム内に含まれる分子であってもよい。

0020

一態様では、核酸は、デオキシリボ核酸(DNA)であってもよく、DNAを含んでいてもよい。DNAは、多型であってもよく、メチル化など修飾されていてもよい。

0021

生体分子は、細胞小器官であってもよく、小胞であってもよい。小胞は、非限定的に、液胞リソソーム輸送小胞、分泌ガス小胞細胞外マトリックス小胞、細胞外小胞などであってもよく、それらの複数を含んでいてもよい。細胞外小胞は、非限定的に、エクソソーム、エクソトーム、シェディングマイクロベシクル微小小胞体、膜粒子原形質膜アポトーシス性水疱などであってもよい。小胞は、核酸を内包していてもよい。

0022

生体分子は、非限定的に、細胞であってもよく、細胞を含んでいてもよい。細胞は、赤血球白血球免疫細胞などであってもよい。生体分子は、ウイルス、細菌などであってもよい。

0023

細胞、ウイルス、菌の具体例としては、細胞としては細胞膜構造を有するものが挙げられ、ブドウ球菌枯草菌大腸菌サルモネラ菌緑膿菌コレラ菌赤痢菌炭疽菌結核菌ボツリヌス菌破傷風菌レンサ球菌等の細菌類顆粒球リンパ球網赤血球、赤血球、白血球、血小板等の血球細胞、等が挙げられる。ウイルスとしては、ノロウイルスロタウイルスインフルエンザウイルスアデノウイルスコロナウイルス麻疹ウイルス風疹ウイルス肝炎ウイルスヘルペスウイルスHIV等が挙げられる。菌としてはキノコカビ酵母などが挙げられ、具体的には、白癬菌カンジダアスペルギルス出芽酵母等が挙げられる。また、細胞外小胞以外にも、ミトコンドリア、細胞外小嚢もサンプルとして挙げられる。

0024

溶液は、体液、体液由来の液体(希釈液処理液など)であってもよい。溶液は、体液でない(非体液由来)溶液でもよく、人工的に準備された液体でもよく、体液又は体液由来の溶液と非体液由来の溶液の混合液であってもよい。溶液は、サンプル測定に使用される溶液であってもよく、校正用の測定に使用される溶液であってもよい。溶液、原液のままで使用されてもよく、または、原液を希釈若しくは濃縮された液体であってもよい。溶液は、標準液校正液であってもよい。測定対象となる試料は、検体であってもよい。溶液は、回収される物質を含む、リン酸緩衝生理食塩水PBS)やN−トリス(ヒドロキシメチルメチル2−アミノエタンスルホン酸緩衝液(TES)などの生理緩衝液を含んでいてもよい。体液は添加剤を含んでいてもよい。添加剤には、例えば、安定化剤pH調整剤が加えられていてもよい。

0025

「体液」は溶液であってもよい。体液は、液体状態であってもよく、固体状態例えば凍結状態であってもよい。溶液は、生体分子などの回収対象物質を含んでいてもよく、又は回収対象物質が含まれていなくてもよく、回収対象物質を測定するための物質を含んでいてもよい

0026

体液は、動物の体液であってもよい。動物は、爬虫類哺乳類両生類であってもよい。哺乳類は、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ハムスターネズミリス、およびサル、ゴリラチンパンジー、ボノボ、ヒトなどの霊長類であってもよい。

0027

体液は、リンパ液であってもよく、組織間液、細胞間液、間質液などの組織液であってもよく、体腔液漿膜腔液、胸水腹水心嚢液、脳脊髄液髄液)、関節液滑液)、眼房水房水)であってもよい。体液は、唾液胃液胆汁膵液腸液などの消化液であってもよく、鼻水、尿、精液液、羊水乳汁であってもよい。

0028

「尿」とは、腎臓により生産される液体状の排泄物を意味する。尿は、尿道を介して対外に排出された液体又は物質であってもよく、膀胱内蓄積された液体又は物質であってもよい。「唾液」とは、唾液腺から口腔内に分泌される分泌液を意味する。

0029

体液は、侵襲的に採集、抽出、収集など(以下単に採集と呼ぶこともある)されてもよく、非侵襲的に採集されてもよい。体内から注射器などの抽出器を用いて抽出又は収集・採集されてもよい。溶液は、健常対象の体液であってもよく、特定の疾患の対象の体液であってもよく、特定の疾患に罹患している疑いのある対象又は罹患しているか否かを検査する対象の体液であってもよい。いくつかの実施形態では、疾患はがんであってもよい。がんは、固形がんであってもよく、血液がんであってもよい。固形がんは、上皮がんであってもよく、非上皮がんであってもよい。がんは、例えば非限定的に、造血細胞悪性腫瘍白血病リンパ腫多発性骨髄腫脳腫瘍乳がん子宮体がん子宮頚がん卵巣がん食道癌胃がん虫垂がん、大腸がん肝がん胆嚢がん胆管がん膵臓がん副腎がん、消化管間質腫瘍中皮腫頭頚部がん(喉頭がん、口腔がん、唾液腺がん、副鼻腔がんなど)、甲状腺がん、腎臓がん、肺がん骨肉腫ユーイング肉腫軟骨肉腫前立腺がん精巣腫瘍腎細胞がん膀胱がん横紋筋肉腫皮膚がん肛門がんなどであってもよく、これらの任意の複数からなる群から選択されてもよい。

0030

「デバイス」は、いくつかの実施形態では、溶質を溶液から分離、回収するために用いられるデバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、「デバイス」は、溶液中の物質を分析するために用いられるデバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、「デバイス」は、有機分子を溶液から分離するために用いられてもよい。いくつかの実施形態では、「デバイス」は、生体分子を溶液から分離するために用いられてもよい。「デバイス」は、流体デバイス、流路デバイスであってもよく、それらの組み合わせであってもよく、それのいずれかを含むデバイスであってもよい。

0031

「基板」とは、その上に層、構造体、デバイスなどが形成される材料又は部材を意味する。基板は、例示的に非限定的に、半導体、金属、絶縁体有機材料高分子材料などを含む。一態様では、基板は、任意の形状の構造、例えば、主面が互いに平行である平面構造、主面が互いに平行ではない場合がある湾曲構造、又はそれらの組み合わせを有することができる。基板は、三次元的な構造をしていてもよい。

0032

基板は、触媒層を積層することができる材料で形成されていてもよい。例えば、シリコンなどの半導体材料石英ガラスが、パイレックス登録商標ガラスなどのガラス材料セラミックスプラスチックなどの高分子材料等が挙げられる。

0033

いくつかの実施形態では、基板は実質的にフレキシブルであってもよく、伸縮自在であってもよい。いくつかの実施形態では、基板は実質的に非フレキシブルであってもよい。

0034

いくつかの実施形態では、デバイスはカバーを有していてもよい。「カバー」とは、基板に対抗して接触し又は接合される他の基板を意味する。カバーは、基板上に形成された構成を実質的に包む機能を有していてもよい。いくつかの態様では、流路はカバーを有していてもよい。一例では、カバーは流路の一部であってもよい。いくつかの態様では、カバーの一部が流路の一部であってもよい。いつかの実施形態では、デバイスはカバーを有していなくてもよい。一態様では、デバイスは第1基板と第2基板とを有して構成されていてもよい。一態様では、ナノワイヤは第1基板と第2基板との少なくとも一方に配置されててもよい。一態様では、デバイスは基板と流路画定部とを有して構成されていてもよい。一態様では、基板以外に流路を規定する部材を有していなくてもよい。一例では、基板表面の構造により流路が規定されてもよい。流路規定する表面構造は、段差などの機械的構成で規定されてもよい。段差などの機械的構成は、巨視的な構造でもよい。例えば、流路は、基板を掘って規定されてもよい。例えば、流路は、基板面を底面とした場合に流路の側壁を規定する部材、フィルム、第2の基板などを塗布、接着、接合などすることにより規定してもよい。例えば流路は、親水性疎水性など基板表面の化学的状態又は粗さやマイクロ構造差異で規定されてもよい。一態様では、流路はこれらの構造の組み合わせで規定されてもよい。いくつかの実施形態では、これらのいずれかの流路に、カバーが更に配置されていてもよい。

0035

本開示では、原則的に、「基板」をナノワイヤが配置された基板(ナノワイヤ基板ともいう。)を意味するものとして使用し、「カバー」又は「カバー部材」を、ナノワイヤが配置された基板とは異なる基板であって、ナノワイヤ基板に接合されて流体チャンバ又は流路を形成するように使用される部材を意味するものとして使用する。

0036

基板とカバーとには、それぞれ他方と接合又は結合する個所として規定される接合面を有していてもよい。

0037

カバーは、標準的な表面、例えば接合面に対して、凹部又は凹構造領域を有していてもよい。凹部等は、接合面の壁に囲まれていて、基板との接合により、実質的に密閉されるように構成されていてもよい。カバーと基板との接合により、実質的に流体チャンバが規定又は画定されてもよい。カバーと基板との接合部又は接合面同士の接着面は、いくつかの実施形態では液密であってもよく、いくつかの実施形態では非液密であってもよい。

0038

基板やカバーなど流体チャンバや流路を形成する部材は、一部又は全部が、無機材料で形成されていてもよく、有機材料で形成されてもよい。基板を形成する無機材料は、例えば、金属、シリコンその他の半導体材料、ガラス、セラミックスや金属酸化物などの絶縁材料であってもよい。

0039

基板やカバーなど流体チャンバや流路を形成する部材は、高分子材料で形成されていてもよい。高分子材料は、天然樹脂であってもよく、合成樹脂であってもよく、それらの混合物であってもよい。合成樹脂は、熱硬化性樹脂であってもよく、熱可塑性樹脂であってもよく、他の樹脂であってもよい。

0040

熱硬化性樹脂は、非限定的に例えば、フェノール樹脂(PF)、エポキシ樹脂(EP)、メラミン樹脂MF)、尿素樹脂ユリア樹脂、UF)、不飽和ポリエステル樹脂(UP)、アルキド樹脂ポリウレタン(PUR)、熱硬化性ポリイミド(PI)などであってもよい。

0041

熱可塑性樹脂は、非限定的に例えば、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニルPVC)、ポリ塩化ビニリデンポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリウレタン(PUR)、テフロン—(ポリテトラフルオロエチレンPTFE)、ABS樹脂アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)、AS樹脂、アクリル樹脂PMMA)などの汎用プラスチックであってもよく;ポリアミド(PA)、ナイロンポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE、変性PPE、PPO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、グラスファイバー強化ポリエチレンテレフタレート(GFマイナスPET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、環状ポリオレフィンCOP)などエンジニアリングプラスチックであってもよく;ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリテトラフロロエチレン(PTFE)(一般的にテフロン(登録商標)と呼ばれる。)、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、非晶ポリアリレート(PAR)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、熱可塑性ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)などのスーパーエンジニアリングプラスチックであってもよい。

0042

カバーの材料として、切削または鋳型転写しやすい材料を採用してもよい。いくつかの実施形態では、カバーの材料は、生体分子と非親和性の樹脂であってもよい。いくつかの実施形態では、カバーの材料は、光透過性を有していてもよい。カバーの材料として、例えば、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、硬質ポリエチレン製等のプラスチック、シリコン等が挙げられる。

0043

いくつかの実施形態では、基板やカバーなど流体チャンバや流路を形成する部材は、実質的にフレキシブルであってもよく、伸縮自在であってもよい。いくつかの実施形態では、基板は実質的に非フレキシブルであってもよい。

0044

いくつかの実施形態では、流体チャンバ、流路チャンバ又は流路(本開示では、単に流路、流路部とも言う。)は、複数の内壁を有していてもよい。流体チャンバ又は流路は、実質的に複数の内壁により囲まれた空間を有していてもよい。流体チャンバ又は流路は、一部における断面が多角形を有していてもよい。多角形は、例えば、3角形、4角形、5角形、6角形、8角形などであってもよい。複数の内壁は、平坦な内壁、曲面を有する内壁、それらの組み合わせで構成されていてもよい。

0045

いくつかの実施形態では、流体チャンバ又は流路は、曲面で連続した内壁を有していてもよい。例えば、流体チャンバ又は流路は、一部における断面が円や楕円その他の曲線で構成される形状を有していてもよい。

0046

いくつかの実施形態では、流体チャンバは、内壁で囲まれた閉空間を構成してもよい。溶液は開閉可能な導入口から導入されてもよい。いくつかの実施形態では、流体チャンバは、溶液の導入口と排出口を有していてもよい。いくつかの実施形態では、流体チャンバは流路として構成され、他のチャンバ又は構成要素と流体連結されていてもよい。いくつかの実施形態では、流体チャンバは、空気孔を有していてもよい。

0047

流体チャンバは、複数の流体チャンバを含んでいてもよい。

0048

流体チャンバは、接合体の外部と流体連結する孔、導入口、入口、投入口、サンプル投入孔及び/又は排出口、出口、回収口、サンプル回収孔を有していてもよい。

0049

凹部等は、基板との接合後に外部と流体連結されていてもよく、制御されて外部との流体連結が制御される流路を、一つ、複数、2つ以上、又は少なくとも一つ有していてもよい。

0050

基板は、カバーとの接合後に外部と流体連結されていてもよく、制御されて外部との流体連結が制御される流路を、一つ、複数、2つ以上、又は少なくとも一つ有していてもよい。

0051

一態様では、ナノワイヤが配置されている基板の面は、平坦面、湾曲面、又はそれらの組み合わせなどのいかなるタイプの面であってもよい。本開示では「ナノワイヤ面」は、ナノワイヤが配置、成長、又は形成された基板又はカバーの表面をいう。本開示では、この面を「第1面」とも呼ぶ。いくつかの実施形態では、「ナノワイヤ面」は、実質的にその全面にナノワイヤが配置されていてもよい。いくつかの実施形態では、「ナノワイヤ面」は、その一部にナノワイヤが配置されていてもよい。いくつかの実施形態では、ナノワイヤが配置される基板の面は、平坦でなくてもよい。例えば、基板に凹部又は流路が形成され、その底面、側面などの内壁にナノワイヤが配置されてもよい。一態様では、ナノワイヤが配置される基板の面は、段差を有していてもよい。一態様では、ナノワイヤが配置される基板の面は、厳密に平坦でなくてもよく、荒さを有していてもよい。その表面粗さは、1mm、500μm、100μm、50μm、10μm、5μm、1μm、500nm、100nm、50nm、又は10nmの値より小さく又はそれ以下であってもよい。表面粗さは、その面の垂直方向の流路サイズの1/2、1/3、1/4、1/5、1/10、1/20、1/25、1/50、1/100、1/200、1/500、1/1000、1/2000、1/5000、又は1/10000の値より小さく又はそれ以下であってもよい。表面粗さは、非限定的に例えば、Ra、Rq、Rrms、Rmax、Rv、Rp、Rt、Rkuなどで定義することができる。一態様では、表面粗さは、基板面に対する表面処理によって生じてもよい。表面処理は、例えば非限定的に、機械研磨化学処理化学機械研磨薬品処理プラズマエネルギー粒子照射、表面への物質の蒸着などであってもよい。

0052

一態様では、「第1面」とは、ナノワイヤが形成されている基板面を意味する。例えば、後述するように、基板の「第1面」の部材は、場合により、基板、触媒層または被覆層であってもよい。カバー部材の「第2面」と密着する「第1面」にナノワイヤが成長している場合には、ナノワイヤの根元にある平坦部が「第1面」であってもよい。

0053

ナノワイヤは、それが配置された基板面に対して実質的に垂直に配置されていてもよい。ナノワイヤは、それが配置された基板面に対して非垂直に配置されていてもよい。複数のナノワイヤは、それが配置された基板面に対して異なった角度で配置されていてもよい。ナノワイヤは、それが配置された基板面に対して平行に配置されていてもよい。ナノワイヤは、分岐鎖を有していてもよい。ナノワイヤは分岐鎖のない・非分岐の一本構造を有していてもよい。複数のナノワイヤは、分岐鎖を有するナノワイヤと、非分岐のナノワイヤとを含んでいてもよい。ナノワイヤは、それが配置された基板面に、一定の間隔、周期的に配置されていてもよい。ナノワイヤは、それが配置された基板面に、ランダム又は非周期的に配置されていてもよい。ナノワイヤは、基板面上の起点から成長して形成されていてもよい。ナノワイヤは、基板面上の起点から延びるように配置されていてもよい。

0054

いくつかの実施形態では、ナノワイヤは、流路又は流体チャンバを形成する材料に直接固定されていてもよい。ナノワイヤは、基板面から直接成長していてもよい。

0055

いくつかの実施形態では、ナノワイヤは、一部が基板面に埋め込まれていてもよい。ナノワイヤは、基板面に埋め込まれた成長ワイヤを起点として成長していてもよい。

0056

いくつかの実施形態では、ナノワイヤは基板面全体に亘って配置されていてもよい。いくつかの実施形態では、ナノワイヤは基板面の一部に配置されていてもよい。

0057

「ナノワイヤ」はその一端で、基板と接触し又は基板に固定されていてもよい。「ナノワイヤ」は、基板と接触又は基板に固定されていない端部を有していてもよい。その端部を「先端」と呼ぶ。ナノワイヤの一端が、基板内部に入っている場合には、その先端を「埋め込み端部」と呼ぶこともできる。

0058

「ナノワイヤ」とは、直径又は特徴的な大きさ、あるいは直径が規定されない場合には、ある断面での最大径、最小径、平均的な径、その他の特徴的な大きさが、ナノメートルレベル(nm)、サブナノメートルベル、10ナノメートルレベル、100ナノメートルレベル、あるいはサブマイクロメートルレベルである構造体をいう。「ナノワイヤ」の長さは、長手方向で規定されるサイズであって、ナノメートルレベルから10ナノメートルレベル、100ナノメートルレベル、あるいはサブマイクロメートルレベルであってもよい。「ナノワイヤ」は、ナノメートルオーダーの断面形状や直径などのサイズ(非限定的に例えば、直径1〜数百ナノメートルの直径)を有する棒状、ワイヤ状の構造体を意味する。一態様では、本明細書に記載のナノワイヤの長さは、約0.1ナノメートル〜約500ナノメートル、約1ナノメートル〜約250ナノメートル、約1ナノメートル〜約100ナノメートル、または約5ナノメートル〜約50ナノメートルである。

0059

ナノワイヤの断面は、実質的に円形楕円形正多角形、多角形、空洞体、であってもよい。ナノワイヤの外形は、実質的に円柱楕円柱多角柱であってもよい。ナノワイヤは、中空又は空洞体であってもよく、実質的に材料でつまった構造体でもよい。

0060

ナノワイヤは、一つの材料で形成されていてもよく、複数の材料で形成されていてもよい。ナノワイヤは、その表面に被覆材被覆されていてもよい。

0061

一態様では、ナノワイヤは基板面に対して物理的、化学的又は理化学的に固定されていなくてもよい。例えば、ナノワイヤ又はその集合体が基板面に接触してあるいは基板面の近傍に配置されていてもよい。ナノワイヤは、溶液が導入されることにより巨視的に動かなくてもよく、あるいは動いてもよい。いくつかの実施形態では、ナノワイヤは、機械的に基板面に接触するように、機械的に基板面に対して実質的に接触するように、又は基板面の近傍に機械的に実質的に固定されていてもよい。例えばナノワイヤの集合体(例えば巨視的に又は顕微鏡的にシート状の集合体)は、基板面に対して、はめ込みや接着剤などを用いて固定してもよい。

0062

いくつかの実施形態では、基板上に、触媒層を介さずに又は触媒層を形成せずに、直接ナノワイヤを形成してもよい。いくつかの実施形態では、ナノワイヤを形成又は成長させる基板(内壁)表面又は触媒層表面に対して、活性化処理親水化処理熱処理水熱処理などの表面処理を行ってもよい。表面処理は、例えばプラズマ処理、粒子(イオンラジカル中性原子など)ビーム照射、UV、EUVなどの光(電磁波)照射、電子ビーム照射研磨などの機械的処理などであってもよい。表面処理は、例えば金属と結合してルイス酸となる酸素の存在を高める処理であってもよい。いくつかの実施形態では、表面処理を行うことは、複数の表面処理を行うことを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、2つ、2つ以上又は複数の表面処理は、同時に行ってもよく、時系列的に行ってもよく、それらの組み合わせを行ってもよい。

0063

ナノワイヤの材料は、無機材料であっても、有機材料であってもよい。ナノワイヤは、金属、非金属、半導体、それらの混合物若しくは合金、又はそれらの酸化物や窒化物であってもよく、含んでいてもよい。ナノワイヤの材料は、高分子材料であってもよく、高分子材料を含んでいてもよい。ナノワイヤは、ワイヤであってもよく、ウィスカであってもよく、繊維であってもよく、それらの混合物又は複合物であってもよく、

0064

ナノワイヤの材料に使われる金属は、非限定的に例えば、典型金属アルカリ金属:Li、Na、K、Rb、Cs、アルカリ土類金属:Ca、Sr、Ba、Ra)、マグネシウム族元素:Be、Mg、Zn、Cd、Hg、アルミニウム族元素:Al、Ga、In、希土類元素:Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、スズ族元素:Ti、Zr、Sn、Hf、Pb、Th、鉄族元素:Fe、Co、Ni、土酸元素:V、Nb、Ta、クロム族元素:Cr、Mo、W、U、マンガン族元素:Mn、Re、貴金属銅族貨幣金属):Cu、Ag、Au、白金族元素:Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、天然放射性元素:UおよびThを母体とする放射能壊変産物:U、Th、Ra、Rn、アクチノイド超ウラン元素:Np、Pu、Am、Cm、Bk、Cf、Es、Fm、Md、No等、ウラン以降の元素、又はそれらの合金などであってもよい。ナノワイヤは、上記金属又は合金の何れか一つ又は合金若しくは混合物の酸化物であってもよく、酸化物を含んでいてもよい。ナノワイヤの材料又は少なくともナノワイヤの表面(例えば被覆材)は、非限定的に例えば、ZnO、SiO2、Li2O、MgO、Al2O3、CaO、TiO2、Mn2O3、Fe2O3、CoO、NiO、CuO、Ga2O3、SrO、In2O3、SnO2、Sm203、およびEuOなどであってもよい。

0065

ナノワイヤの成長方法は、パルスレーザーデポジション、VLS(Vapor−Liquid−Solid)法等の物理蒸着法CVD(Chemical−Vapor−Deposition)法、アーク放電法レーザー蒸発法有機金属気相選択成長法水熱合成法反応性イオンエッチング法焼成法、溶融法スパッタ法などであってもよい。

0066

ナノワイヤは電荷を帯びていてもよい。ナノワイヤは、回収又は抽出する物質の有する電荷と反対の電荷を有していてもよい。それにより、非限定的な例示として、細胞外小胞、核酸などの電荷を有する生体分子を効率よく、引き寄せ又吸着させることができる。

0067

ナノワイヤは、流路又は流体チャンバを形成する材料に対して他の材料又は部材を介して固定されていてもよい。ナノワイヤと壁面材料との間の材料は、ナノワイヤ成長のための触媒を有していてもよく、非触媒材料であってもよい。

0068

ナノワイヤは、触媒層、接着層、成長核を介して成長していてもよい。「層」は薄膜であってもよい。「層」は連続する膜であってもよい。「層」は非連続であってもよい。「層」は連続する膜であって、膜は穴を有していてもよい。「層」は、複数の互いに離れた薄膜であってもよい。「層」は、島であってもよく、島を含んでいてもよい。「層」は、粒子であってもよく、粒子を含んでいてもよい。

0069

ナノワイヤは、例えば、触媒層上に水熱合成方法を用いて成長させてもよい。例えば、ZnO微粒子を用いた場合は、水熱合成方法を用いて成長させてもよい。具体的に、非限定的な例示として、硝酸亜鉛六水和物(Zn(NO3)2・6HO)、ヘキサメチレンテトラミン(C6H12N4)を脱イオン水に溶解した前駆体溶液に、加熱した基板を浸漬させることで、ZnO粒子(触媒層)が露出している箇所に、ZnOナノワイヤを成長させることができる。

0070

触媒層、接着層、成長核は、金属であってもよく、合金であってもよく、非金属であってもよく、半導体であってもよく、それらの酸化物、窒化物などであってもよく、それらの混合物であってもよい。金属は、非限定的に、典型金属(アルカリ金属:Li、Na、K、Rb、Cs、アルカリ土類金属:Ca、Sr、Ba、Ra)、マグネシウム族元素:Be、Mg、Zn、Cd、Hg、アルミニウム族元素:Al、Ga、In、希土類元素:Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、スズ族元素:Ti、Zr、Sn、Hf、Pb、Th、鉄族元素:Fe、Co、Ni、土酸元素:V、Nb、Ta、クロム族元素:Cr、Mo、W、U、マンガン族元素:Mn、Re、貴金属(銅族、貨幣金属):Cu、Ag、Au、白金族元素:Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、天然放射性元素:UおよびThを母体とする放射能壊変産物:U、Th、Ra、Rn、アクチノイド、超ウラン元素:Np、Pu、Am、Cm、Bk、Cf、Es、Fm、Md、No等、ウラン以降の元素。酸化物は、それらの何れか一つ又は合金の酸化物であってもよい。

0071

ナノワイヤの成長核は、基板材料と異なる材料で形成されていてもよい。ナノワイヤの成長核は、ナノワイヤと異なる材料で形成されていてもよい。ナノワイヤの成長核は、基板材料と実質的に同じ材料で形成されていてもよい。ナノワイヤの成長核は、例えば、構造的凹凸を有する表面であってもよい。ナノワイヤの成長核は、例えば、化学的に部分部分で異なる性質を有する表面であってもよい。機械的、構造的又は化学的に異なる(まだらな)表面は、ある部分で他の部分より、ナノワイヤの成長核となりやすい場合がある。例えば、リソグラフィドライウェットエッチングなので凹凸を形成してもよい。例えば、イオンや中性原子、プラズマなどを照射することで機械的、構造的又は化学的に異なる(まだらな)表面を形成してもよい。

0072

ナノワイヤの長さは、非限定的に例えば、500nm、1μm、1.5μm、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm、10μm、11μm、12μm、13μm、14μm、15μm、17μm、20μmなどの値より大きくてもよく、それ以上でもよい。ナノワイヤの長さは、非限定的に例えば、1μm、1.5μm、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm、10μm、11μm、12μm、13μm、14μm、15μm、17μm、20μm、50μm、100μm、200μm、などの値より小さくても、それ以下でもよい。

0073

ナノワイヤの直径(又は太さ方向のサイズ)、非限定的に例えば、5nm、10nm、15nm、20nm、25nm、30nm、40nm、50nm、60nm、70nm、80nm、90nm、100nm、150nm、200nm、250nm、300nm、400nm、500nmなどの値より大きくてもよく、それ以上でもよい。ナノワイヤの直径(又は太さ方向のサイズ)、非限定的に例えば、10nm、15nm、20nm、25nm、30nm、40nm、50nm、60nm、70nm、80nm、90nm、100nm、150nm、200nm、250nm、300nm、400nm、500nm、1μmなどの値より小さくてもよく、それ以下でもよい。

0074

ナノワイヤの材料に使われる高分子は、非限定的に例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルシロキサン(PDMS)、導電高分子ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)などであってもよい。

0075

ナノワイヤは、繊維材料であってもよく、繊維材料を含んでいてもよい。繊維材料は、合成繊維であってもよく、天然繊維であってもよく、それらの混合物又は混合繊維であってもよい。繊維材料は、非限定的に例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアクリル、ポリアミド、共重合ポリエステル系繊維、ポリオレフェン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維などであってもよい。繊維材料は、非限定的に例えば、木綿、へちま等の植物繊維であってもよい。ナノワイヤに用いられる繊維材料は、織物であってもよく、不織布であってもよい。いくつかの実施形態では、ナノワイヤは、繊維材料の積層体であってもよい。いくつかの実施形態では、ナノワイヤは、短繊維の構造体であってもよい。短繊維の長さはランダムであってもよく、規則性を有していてもよい。短繊維軸がランダムに配列されていてもよく、規則的に配列されていてもよい。いくつかの実施形態では、合成繊維は、低融点材料であってもよい。低融点材料は、非限定的に例えば、共重合ポリエステル系繊維、ポリオレフェン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維などであってもよい。いくつかの実施形態では、合成繊維は、低融点ポリマーを備える芯鞘構造を有していてもよい。

0076

ナノワイヤを有する面と対向する面(表面)の間隔は、ナノワイヤの長さ(又はナノワイヤが配置されている面の垂線方向のサイズ、以下同様)の2倍であってもよく、2倍未満であってもよく、1.5倍であってもよく、2倍以上であってもよく、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍であってもよく、それらより大きくてもよい。

0077

ナノワイヤを有する面と対向する面(表面)の間隔は、ナノワイヤの長さの10倍、9倍、8倍、7倍、6倍、5倍、4倍、3倍など未満又は以下であってもよい。

0078

いくつかの実施形態において、流路内に、該流路内を通過するサンプル液乱流を発生させる又は溶液を攪拌するための非平面領域が形成されている。

0079

いくつかの実施形態では、流路内表面には、立体微細構造微細立体構造)又は三次元凹凸構造が形成されていてもよい。いくつかの実施形態では、流路内表面にカオティックミキサの機能を有する構造が形成されていてもよい。カオティックミキサにより、流路内に流れる流体を攪拌混合することができる。

0080

以下、図面を参照しつつ、分離用デバイス(以下、単に「デバイス」と記載することがある。)の各実施形態について、詳しく説明する。

0081

<第1の実施形態>
ナノワイヤは基板上に直接配置されていてもよい(非埋め込み型)。図1Aから図1Cを参照して、第1の実施形態に係る、非埋め込み型のナノワイヤを有するデバイス101について説明する。図1Aはデバイス101の上面図、図1Bはデバイス101の図1AのX−X’断面図、図1Cは、デバイス101の図1AのY−Y’断面を示す。

0082

デバイス101は、基板102、基板102の平坦面102a上に形成されたナノワイヤ103、カバー部材(カバー)104を少なくとも含んで構成されている。図1B及び図1Cに示すように、デバイス101は、ナノワイヤ103を形成するための触媒層105を含んでいる。デバイス101では、基板102上に触媒層105が形成され、触媒層105の上、すなわち第1面105a上にナノワイヤ103が形成されている(図1B)。

0083

カバー部材104には、カバー部材用基材141に対して流路142が凹形状に形成されている。

0084

本明細書において「第2面」とは、カバー部材用基材141の流路142が形成される側の面(流路142の開口部分を仮想平面とした場合、該仮想平面に続く面)を意味する。図1Bに示す例では、カバー部材用基材141の触媒層105と接している面が第2面147に相当する。

0085

いくつかの実施形態では、本開示のデバイスは、流路へのサンプル投入孔と流路からのサンプル回収孔を有していてもよい。サンプル投入孔とサンプル回収孔は、投入したサンプル液(溶液)を、ナノワイヤが形成された領域に導入し、ナノワイヤ領域を通過後にサンプル液をデバイス外部に排出するように配置されていてもよい。

0086

図1Cに示すように、本実施形態のカバー部材104は、サンプル投入孔143およびサンプル回収孔144を有している。サンプル投入孔143およびサンプル回収孔144は、図1Cに示すように、流路142の第2面から反対側の外面にカバー104を貫通している。すなわち、サンプル投入孔143およびサンプル回収孔144は、流路142とデバイス101外部とを流体連結している。

0087

図1Aから図1Cに示す実施形態では、サンプル液をデバイス101の基板102の平坦面に実質的に垂直な方向から投入および回収する例を示しているが、サンプル投入孔およびサンプル回収孔の態様はこれに限定されず他の位置、方向、形状を有していてもよい。

0088

例えば、サンプル投入孔とサンプル回収孔は、基板の平坦面に対して実質的に平行に配置されていてもよい。図2に示すデバイス201では、基板202の平坦面202a上に触媒層205が形成され、この上にナノワイヤ203が形成されている。この基板202に対してカバー204が接合され、流路242の空間が規定されている。図2に示すデバイス201では、サンプル投入孔243およびサンプル回収孔244は、このカバー204の側壁に、基板202の平坦面202aと実質的に平行な方向に形成されている。

0089

<ナノワイヤの形成1>
図1A図1C図2に示すような、触媒を用いたナノワイヤの形成方法の一例を、図3Aから図3Eを用いて説明する。
まず、基板302を準備する(図3A)。
基板302上に、ナノワイヤ303の成長の起点となる材料(触媒材料、あるいは成長の起点となる微細構造を形成する材料)を蒸着して触媒層305を形成する(図3B)。蒸着方法は、ECR(Electron Cyclo tron Resonance)スパッタリング、又は触媒をECRスパッタリング、EB(Electron Beam)蒸着、PLD(Pulsed Laser Deposition)、ALD(Atomic Layer Deposition)であってもよい。
フォトリソグラフィ用のレジスト306を触媒層305上に塗布する。ナノワイヤ303を成長させる場所を、パターニングしレジスト306を除去し、触媒層305を露出させる(図3C)。
レジストが除去され、触媒層305が露出した場所に、ナノワイヤ303を成長させる(図3D)。
残りのレジストを除去することで、基板302の触媒層305上にナノワイヤ303が形成される(図3E)。

0090

フォトリソグラフィ用のレジストとしては、OFPR8600LB、SU−8等、半導体分野で一般的に用いられているものであれば特に制限はない。レジストの除去液としては、ジメチルホルムアミドアセトン等、半導体分野で一般的な除去液であれば特に制限はない。

0091

触媒層305として触媒を用いる場合は、次の工程でナノワイヤ303を作製することができる。
(a) SiO2、Li2O、MgO、A12O3、CaO、TiO2、Mn2O3、Fe2O3、CoO、NiO、CuO、ZnO、Ga2O3、SrO、In2O3、SnO2、Sm2O3、EuO等の材料を用い、パルスレーザーデポジション、VLS(Vapor−Liquid−Solid)法等の物理蒸着法でコアナノワイヤを形成する。
(b)SiO2、TiO2等を用い、スパッタリング、EB(Electron Beam)蒸着、PVD(Physical Vapor Deposition)、ALD(Atomic Layer Deposition)等の一般的な蒸着法により、コアナノワイヤの周囲に被覆層を形成する。なお、上記(b)の被覆層は必須ではなく、必要に応じて実施してもよい。
上記ナノワイヤの成長方法は、本実施形態のみならず他の実施形態で採用されてもよい。

0092

ナノワイヤ303の直径は目的に応じて適宜調整してもよい。ZnO微粒子を用いる場合は、ZnO微粒子のサイズを変更して、ナノワイヤ303の直径を適宜調整することができる。作製したナノワイヤ3に被覆層を形成する場合は、被覆層を形成する際の蒸着時間を変えて、ナノワイヤの直径を適宜調整することができる。
上記ナノワイヤの直径の調整方法は、本実施形態のみならず他の実施形態で採用されてもよい。

0093

フォトリソグラフィのパターニングにより、ナノワイヤを形成する位置、その形状、面積個数密度、間隔などを制御することができる。例えば図3Dのように、基板302上のナノワイヤ303を形成する領域の触媒層305が全て露出させると、その領域では、ナノワイヤ303をランダムに成長させることができる。一方で、いくつかの実施形態では、この領域を細分化して複数の領域を基板上に規定し形成してもよい。

0094

例えば図4Cから図4Eに示すように、ドット状に触媒層405を露出させ、そこにナノワイヤ403を形成させてもよい。図3Aから図3Bと同様な方法で、基板402上に触媒層405を形成させる、その上にフォトレジスト406を塗布し、フォトリソグラフィによりパターニングし、フォトレジスト406の所定の部分のみをドット状に除去して、触媒層405を露出させる(図4D)。
レジスト406が除去され、触媒層405が露出した場所に、ナノワイヤ403を成長させる(図4D)。
残りのレジスト406を除去することで、基板402の触媒層405上の所定の位置にドット状にナノワイヤ403が形成される(図4E)。

0095

<カバーの製造>
図5に、カバー504の断面を示す。いくつかの実施形態では、カバー504の凹部又は流路部542は、カバー部材用基材541の第2面547を切削により形成してもよい。いくつかの実施形態では、カバー504の凹部又は流路部542は、カバー部材用基材541の材料に凸状の鋳型を押し付けることで形成してもよい。凸状の鋳型を押し付けることでカバー504を作製する場合、サンプル投入孔およびサンプル回収孔は、転写後に生検トレパン超音波ドリル等を用いて形成してもよい(不図示)。

0096

カバー504の形状は、例えば非限定的に、切削範囲、鋳型の形状によって変えることができる。図6に示すカバー604では、図5に示すカバー504に対して、流路部642が広くかつ深く形成されている、つまりカバー部材用基材641の側壁又は基板と対向する内壁の厚さが薄くなっている。このように、カバー側の流路部(凹部)の形状、位置は、比較的に容易に変更することができ、そして、基板のナノワイヤの形成態様とは独立に製造することができる。

0097

いくつかの実施形態では、流路の一部又は全体に、通過する溶液に乱流を発生させる構造が配置されていてもよい。例えば、図7に示すように、流路742の内壁(図7では基板平坦面に対向する内壁)に、通過するサンプル液を攪拌させるための非平面領域746を形成することもできる。非平面領域746は、例えば、凸部等を形成してもよい。カバー704は、流路部742の断面積や形状が異なる複数種類を準備することができる。非平面領域746の立体微細構造は、カオティックミキサとして機能してもよい。非平面領域746は、例えば非限定的に、凸部等として形成してもよく、凹形状として形成されていてもよく、又は凹凸構造として形成してもよい。

0098

<基板とカバーの接合>
ナノワイヤが流路内に入るように、かつ互いの接合面が密着するように、ナノワイヤが形成した基板に対して、カバーを被せ接合する。一例として、図3Aから3Eに示す工程でナノワイヤを成長させた基板302と、図5に示すカバー504(サンプル投入口とサンプル回収孔は形成済み)とを接合し、図1Aから図1Cに示すデバイス101を製造することができる。

0099

ナノワイヤが形成される又は形成された基板に、流路を規定する流路部や流体を攪拌させる表面構造を形成することは、製造工程を複雑又は困難にさせる場合がある。これに対して、ナノワイヤを有する基板と独立の部材であるカバーに流路を規定する流路部や流体を攪拌させる表面構造を形成することで、設計と製造の自由度が格段に向上しうる。カバー部材の流路は、所期の寸法、形状(例えば、断面積、断面形状、長手方向の長さ、形状など)、表面形状を有するように、基板とは実質的に独立に設計又は製造することができる。これにより、サンプルの種類に応じて、所望の特性の流路を有するデバイスを作製することができる。これにより、例えば非限定的に、サンプルの種類に応じて、所望の特性の流路を有するデバイスを作製することができる。いくつかの実施形態では、非平面領域は、基板に形成されてもよい(不図示)。基板の平坦性を実質的に損ねることなく、流路を通過するサンプルを攪拌することができる。

0100

本開示の基板は、ナノワイヤ面が実質的に平坦である。例えば、基板には流路が形成されていない。そのため、平面状の基板を用いると、基板上に形成した触媒層も平面状、換言すると、段差を有しない構造となる。したがって、図5図6及び図7に示すように、カバー部材用基材541,641,741の第2面547,647,747も平面状となる。これにより、ナノワイヤを形成した基板とカバー部材を液密に密着させることができる。必要に応じて、接着剤等を用いて、触媒層とカバーの第2面とを密着又は接着させてもよい。上記の構成は、本実施形態に限らず、いくつかの実施形態でも同様に採用してもよい。

0101

例えば図3Bから図3Eに示すように、いくつかの実施形態では、基板上に触媒層が配置、形成又は積層されていてもよい。触媒層は、物理学的又は化学的にナノワイヤの成長に関して触媒として機能していてもよい。触媒層は、物理学的又は化学的にナノワイヤの成長に関して触媒として機能していていなくてもよく、例えば成長の核又は起点として機能してもよい。いくつかの実施形態では、基板上に触媒層が配置されていなくてもよい。基板上に直接ナノワイヤが形成されてもよい。

0102

<第2の実施形態>
ナノワイヤは、その一端が基板に埋め込まれていてもよい(埋め込み型)。図8Aから図8Dを参照して、第2の実施形態に係るデバイス801について説明する。図8Eは、第2の実施形態に係るデバイス1bの断面図(図1Bに示す図と同じ方向)を示す。第2の実施形態に係るデバイス801では、触媒層を用いず、ナノワイヤの端部が基板の第1面に埋め込まれている。

0103

まず、図3Aから図3Eと同様の工程により、テンポラリ基板802上に触媒層805が形成され、この上にナノワイヤ803aが形成されている(図8A)。
このテンポラリ基板802上に、ナノワイヤ803aを包み込み固定するための、液体を塗布し、硬化させる。ナノワイヤ803aを内包し硬化したものが、基板802aとなる(図8B)。
テンポラリ基板802を触媒層805と共に、硬化した基板802aから剥離する。これにより、埋め込まれたナノワイヤ803の一端が、平坦な表面に露出している基板802aが製造される(図8C)。
この露出したナノワイヤ803の一端を起点として、ナノワイヤ803を更に成長させる。このようにして、ナノワイヤ803は、最終的にこの端部が基板802aの第1面(平坦面)に埋め込まれ、その他の部分が基板802aから突き出たナノワイヤ803を形成することができる(図8D)。
この基板802aに、カバー804を被せることで、ナノワイヤ803を内部に収容する流路842が規定されたデバイス801を作製できる(図8E)。

0104

第2の実施形態に係るデバイス801は、その一端が基板802aに刺さっている構造に依り、流路を流れる液体によってナノワイヤ803が横方向に受ける力に対する力学的安定性又は耐久性が高い。したがって、例示的に、サンプル液の流速を上げても、ナノワイヤ803が基板802aから剥がれ難くなる。

0105

いくつかの実施形態では、基板のカバーとの接合面にもナノワイヤを配置又は成長させてもよい。
<第3の実施形態>
図9に、第3の実施形態に係る非埋め込み型デバイス901の断面図(図1Bに示す図と同じ方向)を示す。基板902上に、触媒層905形成されており、その上にナノワイヤ903が形成されている。基板902にカバー904が接合され、その内部に、ナノワイヤ903の一部を収容する流路942が規定されている。

0106

第3の実施形態に係るデバイス901では、ナノワイヤ903が、触媒層905の全面に形成されている。ナノワイヤ903が触媒層905の全面に形成するには、例えば第1の実施形態で図3Aから図3Eに示した工程の内、図3C図3Dに示すような、レジストの塗付と除去の工程を行わなくてもよい。すなわち、ナノワイヤ903は基板902の接合面(触媒層905の表面)にも形成されており、そのためカバー904の第2面947にナノワイヤ903の先端が入っている。

0107

第3の実施形態に係るデバイス901は、基板902上のナノワイヤ903の形成領域を規定していないので、例示的に、流路942設計が柔軟になり、ナノワイヤ903の製造プロセスが簡単になる。

0108

<第4の実施形態>
図10に、第4の実施形態に係る埋め込み型デバイス1001の断面図(図1Bに示す図と同じ方向)を示す。基板1002上に、一端が基板1002に埋め込まれたナノワイヤ1003が形成されている。基板1002にカバー1004が接合され、その内部に、ナノワイヤ1003の一部を収容する流路1042が規定されている。

0109

第4の実施形態に係るデバイス1001では、触媒層が含まれておらず、ナノワイヤ1003の端部が基板1002aの第1面(平坦面)に埋め込まれている。デバイス1001のナノワイヤ1003の端部が第1面に埋め込まれた基板1002aは、第3の実施形態で作製した、ナノワイヤが触媒層の全面に形成されている基板(図8参照)を、図8Aの基板として用いて、その後は図8Bから図8Eと同様の手順で作製してもよい。

0110

第4の実施形態に係るデバイス1001は、例示的に、第3の実施形態に係るデバイス901の効果に加え、ナノワイヤ1003の端部が基板1002aの第1面に埋め込まれていることから、サンプル液の流速を上げても、ナノワイヤ1003が基板1002aから剥がれ難くなる。

0111

第3及び第4の実施形態示すように、ナノワイヤの成長態様は基板で規定し、流路の形状はカバーで規定すると、流路の設計に自由度が飛躍的に向上する。例えば、図11に示すように、流路1142とサンプル投入孔1143及びサンプル回収孔1144とは、カバー1104に規定されるので、基板上のナノワイヤの成長位置などとは独立に、比較的自由に設計することができる。

0112

<第5の実施形態>
図12Aから図12Fに、第5の実施形態に係る非埋め込み型デバイス1201の作成工程を説明するための断面図(図1Bに示す図と同じ方向)を示す。図12Fに示すように、第5の実施形態に係るデバイス1201では、触媒層1205が基板1202の一部に形成されており、カバー1204の第2面1247が、触媒層1205ではなく基板1202の第1面に直接密着する。

0113

図12Aから図12Fを参照して、第5の実施形態に係るデバイス1201の作製工程の一例を説明する。
まず、基板1202を準備する(図12A)。
基板1202上にレジスト1206を塗付し、触媒層1205を形成しない部分にレジスト1206が残るようにパターン現像する(図12B)。
上記作製したレジスト1206を形成した基板1202上に、ナノワイヤ1203成長の核となる材料をECRスパッタリング。又は触媒をECRスパッタリング、EB蒸着、PLD、ALDを用いて、触媒層1205を形成する(図12C)。
レジスト1206を除去する(図12D)。
触媒層1205の露出した表面にナノワイヤ1203を成長させる(図12E)。
ナノワイヤ1203を形成した基板1202に、カバー1204を被せて接合して、第5の実施形態に係るデバイス120lが完成する(図12F)。

0114

<第6の実施形態>
図13に、第6の実施形態に係る埋め込み型デバイス1301の断面図(図1Bに示す図と同じ方向)を示す。デバイス1301では、触媒層が含まれておらず、ナノワイヤ1303の端部が基板1302aの第1面(平坦面)に埋め込まれている。この基板1302aに対して、カバー1304が接合され、ナノワイヤ1303を収容する流路1342を形成している。デバイス1301のナノワイヤ1303の端部が第1面に埋め込まれた基板1302aは、第5の実施形態で作製した、ナノワイヤが触媒層の一部に形成されている基板(図12E参照)を、図8Aの基板として用いて、その後は図8Bから図8Eと同様の手順で作製してもよい。

0115

第6の実施形態に係るデバイス1301は、例えば、その一端が基板1302aに刺さっている構造に依り、流路1342を流れる液体によってナノワイヤ1303が横方向に受ける力に対する力学的安定性又は耐久性が高い。したがって、例示的に、サンプル液の流速を上げても、ナノワイヤ1303が基板1302aから剥がれ難くなる。

0116

いくつかの実施形態では、ナノワイヤは基板に固定されていてもよい。ナノワイヤの基板に対する固定は、例えば非限定的に、図8E図10図13に示すように、ナノワイヤの一部が基板内部に埋め込むことで行ってもよい。いくつかの実施形態では、ナノワイヤの成長核又は成長起点が、基板に固定されていてもよい。その成長核又は成長起点から、ナノワイヤが成長されていてもよい。いくつかの実施形態では、その成長起点は、図8E図10図13に示すように、基板に埋め込まれたナノワイヤの一部であってもよい。同一又は異なる材料を用いてナノワイヤの成長させた後に、結果的に、ナノワイヤがその一部で基板に埋め込まれた構造となる。

0117

いくつかの実施形態では、ナノワイヤの成長核が基板に固定されていてもよい。成長核を含む基板を作成し、基板表面に配置された成長核上にナノワイヤを成長させてもよい。一実施形態として、図18に示すように、ナノワイヤの成長核1803aが基板1802に混ざっていてもよい。成長核1803aは、基板1082との接合力を高めるために、接着剤1803bでコーティングされていてもよい。基板1082に接着剤が混合していて、これで成長核1803aを基板に対する接合力を高めてもよい。基板1802の表面には、一部が露出した成長核が配置されている。例えば、液体の基板材料に成長核を混合し、この混合体固化して、成長核1803aを含む基板1802を作成してもよい。基板表面は、研磨されてもよい。研磨により、例えば非限定的に、基板表面の成長核の表面の不純物など不要物を除去して、成長しやすい表面を形成することができる。例えば非限定的に、成長核表面の接着用コーティング層を除去することができる。この露出した成長核1803aの表面に、ナノワイヤ1803を形成してもよい。

0118

更なる一実施形態として、図19に示すように、基板1902上に成長核1903aが塗布され、さらに接着剤層1903bが形成され、その成長核1903aを基板1902に対して固定している。例えば、液体の接着剤1903bに成長核1903aを混合し、この混合体を基板1902上に塗布して固定させてもよい。

0119

基板表面は、研磨されてもよい。研磨により、例えば非限定的に、基板表面の成長核の表面の不純物など不要物を除去して、成長しやすい表面を形成することができる。例えば非限定的に、成長核表面の接着用コーティング層、接着剤などを除去することができる。この露出した成長核1803a,1903aの表面に、ナノワイヤ1803,1903を形成してもよい。

0120

成長核1803a,1903aは単結晶粒子又は、結晶粒子アモルファス粒子などであってもよい。成長核1803a,1903bとナノワイヤ1803,1903の材料は、例えば非限定的に、ZnOであってもよい。一態様では、本明細書に記載の装置によって抽出された生体分子は、約1分〜約1時間、約10分〜約24時間、約15分〜約12時間で分析することができる。

0121

<デバイスの使用方法
いくつかの実施形態では、本開示に係るデバイスを用いて、例えば、体液由来の溶液からそこに含まれている細胞外小胞を分離することができる。シリンジポンプ等を用いて、細胞外小胞を含有するサンプル溶液培養液血清・尿等の体液など)をサンプル投入孔から流路内に送液し、サンプル回収孔から細胞外小胞を分離後の溶液を回収することができる。サンプル溶液を流し終わった後に、ナノワイヤに吸着した細胞外小胞を分析することができる。ナノワイヤの表面はプラス帯電していてもよい。これにより例えば、マイナスに帯電している細胞外小胞を効率よく回収することができる。例えば、ZnO、酸化ニッケル等のプラスに帯電する材料でナノワイヤを形成し、あるいはナノワイヤを被覆してもよい。

0122

デバイスのナノワイヤに吸着したサンプルを光学顕微鏡電子顕微鏡で観察する場合、カバーを基板から剥離してもよい。触媒層(または基板)とカバー部材を接着剤等で密着している場合はナイフ等でカバー部材を切断してもよい。顕微鏡観察により、例えば、捕捉したサンプルのサイズや個数を測定することができる。また例えば、サンプルに蛍光標識など光学的な標識を結合させることで、捕捉したサンプルの表面タンパク質定量分析を行うこともできる。

0123

本開示のデバイスは、捕捉された生体分子の分析にも用いることができる。例えば、細胞、ウイルス、菌から選ばれるサンプルから核酸を抽出する場合は、サンプルを懸濁した懸濁液をサンプル投入孔に投入する。なお、細胞、ウイルス、菌の具体例としては、細胞としては細胞膜構造を有するものが挙げられ、ブドウ球菌、枯草菌、大腸菌、サルモネラ菌、緑膿菌、コレラ菌、赤痢菌、炭疽菌、結核菌、ボツリヌス菌、破傷風菌、レンサ球菌等の細菌類、顆粒球、リンパ球、網赤血球、赤血球、白血球、血小板等の血球細胞、等が挙げられる。ウイルスとしては、ノロウイルス、ロタウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、コロナウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス、肝炎ウイルス、ヘルペスウイルス、HIV等が挙げられる。菌としてはキノコ、カビ、酵母などが挙げられ、具体的には、白癬菌、カンジダ、アスペルギルス、出芽酵母等が挙げられる。また、細胞外小胞以外にも、ミトコンドリア、細胞外小嚢もサンプルとして挙げられる。

0124

分析は、例えば非限定的に、蛍光強度の測定、質量分析イムノアッセイ、免疫染色などの光学的分析を含んでいてもよく、蛍光ラベリングハイブリダイゼーション放射性同位体ラベリングなどの化学的、生物学的、生化学的、物理的又は理化学的プロセスを含んでいてもよい。

0125

いくつかの実施形態では、ナノワイヤの領域の一部又は全体に対して電場印可してもよい。例えば、サンプル投入孔をマイナス、サンプル回収孔をプラスとなるように電場を印加してもよい。電場の印可により、サンプルの分子に対して、電気泳動力又は電気浸透力が掛かると考えられている。電場の印可により分子が力を受けて、ナノワイヤで破砕される可能性が高くなると考えられている。破砕したサンプルから、その内部の核酸などを抽出することができる。少なくとも細胞と菌において、電場印可による破砕は実証されている。その内部の核酸等の物質の少なくとも一部は、ナノワイヤに付着することなく抽出することができる。電場下で又は電気誘導により、核酸等が動くこともあり得る。ナノワイヤの表面の材料の等電点は、核酸の等電点より低くてもよい。ナノワイヤの表面の材料の等電点は、核酸の等電点より高くてもよい。ナノワイヤの表面の材料の等電点は、核酸の等電点とほぼ同じでもよい。ナノワイヤの表面の材料の等電点が、核酸の等電点より低いと、核酸がナノワイヤに付着する率を低減できる場合場ある。例えば、ナノワイヤ表面をSi02、TiO2等の材料で被覆してもよい。

0126

本開示のデバイス1は、分析装置に組み込むことで分析装置を構成することができる。いくつかの実施形態では、デバイスは外部の分析装置と連結してもよい。連結は、流体連結であってもよい。いくつかの実施形態では、デバイスと別の分析ユニットとを連結させ分析装置を構成してもよい。分析装置は、分離・回収用デバイスと分析ユニットとを備えていてもよい。
デバイスと流体連結した分析装置と併用することで、デバイスで抽出した生体分子をそのまま、迅速又は効率的に分析することもできる。更に、デバイス1に抽出した生体分子を分析する分析部を形成してもよい。いくつかの実施形態では、デバイスはその内部に分析ユニットを備えていてもよい。デバイスと分析ユニットは流体連結されていてもよい。

0127

いくつかの実施形態では、分析装置、分析ユニット、分析部は、シークエンサであってもよく、シークエンサを含んでいてもよい。シークエンサは、DNAシークエンサ、RNAシークエンサ、ペプチドシークエンサ汎用シーケンサークロマトグラフィーカラム質量分析計、又はそれらの組み合わせ、又は多用途シークエンサであってもよい。
いくつかの実施形態では、分析装置、分析ユニット、分析部は、マイクロアレイであってもよく、マイクロアレイを含んでいてもよい。マイクロアレイは、DNAマイクロアレイ、RNAマイクロアレイ、タンパク質マイクロアレイ、細胞マイクロアレイ、組織マイクロアレイ化合物マイクロアレイなどであってもよい。
例えば、デバイス1を用いて核酸を抽出する場合、サンプルから抽出した核酸はナノワイヤ間を流れる際に伸長することから、
(1)デバイス1を公知の核酸シークエンサに組み込める形状とすることで、核酸の抽出と核酸配列解析を一つの装置で実施することができる。
(2)伸長した核酸を、別途核酸シークエンサに導入することで核酸配列を解析できる。
(3)デバイス1に更に核酸の分析を行う電極等の分析部を形成することで、核酸の抽出と核酸配列の解析を一つの装置で実施できる新たな分析装置を作製することができる。

0128

<生体分子の分離回収方法
本開示はデバイスを用いた生体分子の分離方法も提供する。
いくつかの実施形態に係る生体分子の分離、回収又は抽出方法は、
基板と、基板の表面例えば平坦面上に配置されたナノワイヤと、基板と接合して基板の表面例えば平坦面と共に流体チャンバ又は流路を規定するように構成された凹部を有するカバーとを備えるデバイスを提供すること、
前記デバイス内に生体分子を含む溶液を導入すること、
を備える。

0129

いくつかの実施形態では、生体分子は細胞、ウイルス、菌であってもよい。生体分子の分離、回収又は抽出方法は、更に界面活性剤細胞溶解液などの溶液を流体チャンバ又は流路内導入することを備えていてもよい。これにより、ナノワイヤに捕捉されていた細胞、ウイルス、菌などを溶解しその中に入っている生体分子を溶液中に放出されることができる。細胞溶解液は、ライシスバッファであってもよい。細胞溶解液により細胞等内の物質が流体チャンバ内に放出され、ライシスバッファの流れとともに、デバイスの外に排出される。これにより、ナノワイヤに捕捉された細胞等(細胞外小胞など)の内部のあったRNAなどの分子を回収することができる。

0130

流路や、電極配線の配置とナノワイヤの配置とは、互いに制限を受けやすい。さらに、ナノ構造体の配置や成長は複雑な工程を経ることが多い。したがって、それにさらなる制限を受けることは、製造プロセスの複雑化につながる。

0131

ナノワイヤ基板に凹凸がある場合もある。一例として、国際公開第2015/137427号では、チップに設けた流路の底面に配置されたナノワイヤが開示されている。流路上に蓋(カバー)を接合できるように、基板の接合面の流路底面からの高さは、ナノワイヤの高さより小さくなっている。したがって、光学顕微鏡や電子顕微鏡でナノワイヤに吸着したサンプルを観察する場合、ナノワイヤの深い位置、すなわちナノワイヤの流路の底部近傍に吸着したサンプルを撮像することは難しい。チップを傾けることで、流路の開口部分からサンプルを撮像する場合、観察方向は斜めになり、流路の側面(壁面)が視界を邪魔し、流路の底部付近でナノワイヤに捕捉されたサンプル撮像することや、ピントが合わせることが難しくなる。

0132

もう一つの例として、特開2017−158484号公報では、基板にはナノワイヤを加熱するための一対の電極が開示されている。電極が形成されている部分は、電極が形成されていない部分に高くなり、段差が生じる。電極に供給する電流がサンプル液にリークすることを回避するために、電極表面を絶縁性カバー部材で覆う場合は、段差がさらに大きくなる。

0133

これに対して、ナノワイヤを一方基板(基板)の平坦面に作成し、流路を本質的に規定するマクロ構造をもう他方の基板(カバー)に製造することで、ナノワイヤの成長と、分けて設計製造することができる。例えば、基板の面が平坦なので、それは設計と製造の簡便化(例えば液密に密着させるためのカバーと基板の加工精度に対する要求が低くなる)、効率化、自由度の向上、製造制度の向上、歩留まりの向上その他の利点をもたらす。

0134

細胞外小胞は早期がん・疾病診断新規バイオマーカであるmicroRNA(micro ribonucleic acid:以下、「miRNA」と記載することがある。)やタンパク質などの生体分子を内包している。本開示に係る分離用デバイスを用いることで、例えば非限定的に、比較的少量の溶液量からでも比較的低発現の核酸やタンパク質などのバイオマーカを回収することができる。そのため、細胞外小胞由来miRNAの解析によって、効果的な未知のバイオマーカ探索や低侵襲診断を行うことができる。

0135

一態様では、本明細書に記載のデバイスは、被験体、個体、または患者における疾患または障害を検出するための方法において使用され得る。別の態様では、本明細書に記載の装置はがん、例えば早期がんを検出する。特定の用途に応じて、がんは、装置によって検出され得る任意のがん、例えば、肺がん、肝臓がん、膵臓がん、結腸直腸がん、胆嚢がん、子宮頸がん、膀胱がん、または前立腺がんであり得る。

0136

一態様では、がんなどの疾患は、約1分〜約1時間、約10分〜約24時間、約15分〜約12時間、約30分〜約6時間で識別または検出され得る。

0137

別の態様では、約0.25ml以下、約0.5ml、約1ml、約2ml、約3ml、約4ml、約5ml、約10mlなどの量以下又はそれより少量の試料容量、あるいは約0.1〜約5ml、約0.25〜約3ml、または約0.5〜約2mlの試料容量が、本明細書に記載の装置に使用されてもよい。別の態様では、そのようなサンプル容量は、RNAなどの生体分子を分離し検出して、がんなどの疾患または障害を識別するために十分な量である。一態様では、サンプル体積は、1ml、500μl、300μl、250μl、200μl、150μl、100μl、50μl、30μl、20μl又は10μlなどの容量より小さく又はそれ以下で改善された回収を生み出すことができる。この体積は、少なくとも1mlから20mlなどの容量を必要とする、標準的な遠心分離法やその他の従来の分離手法よりも優れている。一態様では、採取された尿などの体液やその希釈液であってもよい。

0138

本明細書に記載のデバイスは、RNAなどの標的生体分子の約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約99%、約99.5%、約99.9%などの改善された収率を生み出すことができる。この収率は、わずか5〜25%の回収率しか得られない標準的な遠心分離法やその他の従来の分離手法よりも優れている。

0139

一態様では、本明細書に記載の装置はキットに組み立てられる。一態様では、キットは、例えば、本明細書に記載の装置を含んでいてもよい。緩衝液、試薬、試験管、および説明書などの他の材料がキットに付随していてもよい。一態様では、緩衝液は細胞溶解緩衝液を含んでいてもよい。

0140

以下に実施例を掲げ、本出願で開示する実施形態を具体的に説明するが、この実施例は単に実施形態の説明のためのものである。本出願で開示する発明の範囲を限定し、あるいは制限するものではない。

0141

<実施例1>
[デバイスの作製]
以下の手順により、デバイスを作製した。以下の手順は第6の実施形態の作製手順に基づく。
<鋳型の作製>
(1)Si(100)基板の表面に、ポジ型フォトレジスト(OFPR8600;東京応化工業(株)製)を、500rpmで5sec、3000rpmで120secの条件でスピンコータによって回転塗布した。その後、ホットプレート上にて90°C、12min加熱することで溶媒蒸発させ、レジストを基板上に固定させた。
(2)ナノワイヤを成長させる部分が露光するように設計したフォトマスクを、加熱後の基板上に重ねた。露光機で600mJ/cm2のi線を照射後、基板を現像液に浸漬することで露光した部分のポジ型フォトレジストを剥離した。現像液から基板を取り出し流水洗浄を行った後、ホットプレートにて90°C、5min加熱することで、ポジ型フォトレジストのパターニングを完了した。
(3)スパッタリング装置を用い、1.2×10−2Pa、14minの条件でCrのスパッタリングを行い、135nmのCr層をポジ型フォトレジストおよび基板上に堆積させた。
(4)ホットプレート上で70°Cに温めた2−プロパノールに、Cr層を堆積した基板を40min浸漬した後、超音波機器により2minの超音波処理を行うことで、ナノワイヤを成長させる部分以外のレジストを大まかに除去した。その後、別の容器に入れた70°Cに加熱した2−プロパノールに基板を移し、10min浸漬した後に1minの超音波処理を行うことで、ナノワイヤを成長させる部分以外のレジストを完全に除去した。最後に、さらに別の容器に入れた70°Cに加熱した2−プロパノールで濯ぐことで、基板上に乗った細かいCr粒子を除去した。この基板を400°Cの電気炉で2h加熱することでCr層を酸化させ、ナノワイヤを成長させるための触媒層を作製した。
(5)超純水200mLに対して、ヘキサメチレンテトラミン(hexamethylenetetramine:HMTA)が15mMとなるように溶解し、スターラによって7min撹拌した。さらに、硝酸亜鉛六水和物(Zn(NO3)2・6H2O、98%、シグマアドリッチ社製)が15mMとなるように溶解し、7min撹拌することでナノワイヤ成長溶液を作製した。上記(4)で作製した基板をナノワイヤ成長溶液に浸漬し、送風定温高温器にて95°C、3h加熱することでナノワイヤを成長させた。その後、基板を超純水で洗い流し、非特異的に成長したナノワイヤを除去することで鋳型を作製した。

0142

<ナノワイヤの端部が埋め込まれた基板の作製>
(6)上記(5)で作製した鋳型をシャーレに入れた。次に、PDMSプレポリマー硬化剤重量比10:1で容器に入れた後、2000rpmで2min、2200rpmで6minの条件で混合したものを、シャーレに注ぎ込み、2h真空引きすることでポリマー中気泡を取り除いた。2h経過後、80°Cのホットプレート上で2h加熱することで重合を進行させてポリマーを硬化させた。これらの操作によって、基板上に形成したノワイヤがPDMS中に埋め込まれた。ナノワイヤが埋め込まれたPDMS基板を元の基板から剥離した。
(7)上記(5)と同様の手順により、剥離したPDMS基板上にナノワイヤを成長させた。その後、PDMS基板を超純水で洗い流し、非特異的に成長したナノワイヤを除去することで、ナノワイヤの端部が第1面に埋め込まれた基板を作製した。

0143

<カバー部材(カバー)の作製>
(8)Si基板上にネガ型フォトレジストをスピンコータで塗布し、流路部分が露光できる形状のフォトマスクを被せ、露光・現像することで、流路を形成する部分が凸状となる鋳型を作製した。
(9)上記(8)で作製した鋳型を用いた以外は、上記(6)と同様の手順で鋳型上にポリマーを重合・硬化させた。この硬化させたポリマーを切り抜き、流路に0.32mmのパンチでサンプル投入およびサンプル回収孔をあけることで、カバー部材を作製した。

0144

カバー部材の作製方法や形態は上記に限られない。いくつかの実施形態では、基板とカバー部材の接着は、有機接着剤により接着してもよい。粘着シートを用いてもよい。表面に接着剤や粘着シートがある、カバー部材や基板を用いてもよい。基板とカバー部材の接着は、陽極接合など固体同士の接合により行ってもよい。いくつかの実施形態では、カバー部材は、シーリング剤を含んでいてもよく、シーリング剤で構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、カバー部材は、PDMSで形成されていてもよい。

0145

いくつかの実施形態では、カバー部材は、単一部材として形成されていてもよい。例えば、流路は、カバー部材の凹部として形成されてもよい。

0146

カバー部材は、複数部材からなっていてもよい。例えば、流路の側壁を規定する部材と、流路の上部(基板と対向する内壁)を規定する部材とからなっていてもよい。カバー部材は、例えば、流路の側壁を規定するような打ち抜き部を有する部材と、流路の上部(基板と対向する内壁)を規定する部材とからなっていてもよい。カバー部材は、例えば、例えば、流路の側壁を規定するような打ち抜き部を有する部材であって、流路の高さ(基板上面と、基板と対向する内壁)のサイズを規定するスペーサとして構成されていてもよい。カバー部材は、スペーサと、流路の上部を規定する部材(カバー)とを有していてもよい。カバー部材、カバー、スペーサは、1層構造であってもよく、2層構造、3層構造などの複数層N層)を有する構造を有していてもよい。

0147

図14に、ある実施形態に係る流路(流体)デバイス(又は分析用、抽出用、回収用、若しくは補足用デバイス)51の断面を模式的に示す。いくつかの実施形態では、カバー部材は、複数の部材の組み合せで構成されていてもよい。例えば、カバー部材は、複数の層を重ねて又は貼り合わされて構成されていてもよい。図13の流路デバイスは、2つ(2層)のカバー部材54,55を有する。流路デバイス51は、基板52と、基板52上に配置されたナノワイヤ53を有している。ナノワイヤ53は、基板52上に直接配置されていてもよく、基板52にその一端(端部)で埋め込まれていてもよく、基板52上の触媒(不図示)の上に形成されてもよい。

0148

図14は、例示的又は説明上の構成を説明するためのものであり、ナノワイヤ53の基板52上でのナノワイヤの配置又は成長の方法又は態様は限定するものではない。カバー(又は上面カバー、以下同様)54が基板52対して、スペーサ55を介して貼り合わされている。いくつかの実施形態では、スペーサ55は、実質的に一様な厚さの平板部材であってもよい。それにより、例えば、基板52とカバー54との間の距離を流路内に実質的に均一に保つことができる。また例えば、貼り合わせる工程を簡略にすることができる。いくつかの実施形態では、スペーサは、流路部分が切り抜かれた構造を有していてもよい。スペーサの流路部の切り抜き又は貫通部の形成は、機械的にパンチやカッティングで行ってもよく、化学的にエッチングにより行ってもよく、その他の方法で行ってもよい。いくつかの実施形態では、スペーサの切り抜き又は貫通部は、スペーサに閉構造(例えば穴)として形成されてもよい。いくつかの実施形態では、スペーサの切り抜き又は貫通部は、一部(一か所又は複数か所)がスペーサの辺又は角に空いた開構造(例えば、外部に通じる流路口)を有して形成されてもよい。厚さ方向の内壁が、基板52のナノワイヤ53が配置された面と、カバー54の内壁とともに、流路の構造を規定していてもよい。

0149

図15に、ある実施形態に係る流路デバイス(又は分析用、抽出用、回収用、若しくは捕捉用デバイス)61の断面を模式的に示す。図15に示すデバイス61は、基板62と、基板62上に配置されたナノワイヤ63と、上面カバー64と、基板62と上面カバー64との間に挟まれたスペーサ65a,65b,65cとを有して構成されている。デバイス61は、基板62と、スペーサ65a,65b,65cと、上面カバー64とが貼り合わされて構成されている。図15では、スペーサが3層の構造を有している。いつかの実施形態では、スペーサ主部材65aの上面と下面に接着層(又は粘着層)65b,65cが配置されていてもよい。いくつかの実施形態では、接着層65b,65cは、実質的に接着剤(又は粘着剤)からなっていてもよい。いくつかの実施形態では、接着層65b,65cは、実質的に接着フィルムからなっていてもよく、その上面下面に粘着物質が塗布されていてもよい。いくつかの実施形態では、上下の両スペーサ65b,65cは、非粘着性のフィルムであってもよい。

0150

図14図15に示すいくつかの実施形態では、流路の内壁に、非平面領域あるいはいわゆるカオティックミキサを含んでいてもよい

0151

図16に、ある実施形態に係る流路デバイス(又は分析用、抽出用、回収用、若しくは補足用デバイス)71の断面を模式的に示す。図16に示すデバイス71は、基板72と、基板72上に配置されたナノワイヤ73と、上面カバー74と、基板72と上面カバー74との間に挟まれたスペーサ75とを有して構成されている。デバイス71は、基板72と、スペーサ75と、上面カバー74とが貼り合わされて構成されている。図15の上面カバー74は、非平面領域又は凹凸構造76を有している。いくつかの実施形態では、この凹凸構造76はカオティックミキサを構成していてもよい。いくつかの実施形態では、内部空間内に配置された凹凸や構造体が、いわゆるカオティックミキサ(カオス混合器、流体攪拌器)であってもよく、内部空間を流れる流体に対して、非線形的及び/又は3次元的流動を起こさせる構造を有していてもよい。そのような構造は、例えば、流路内に段差や断面積の変化、流路の向きの変更などを有していてもよい。カオティックミキサ構造76は、例えば、流体が流路内を流れる際に、移流又は乱流を起こさせる。これにより、例えば、流体内の捕捉対象物質とナノワイヤ73との実質的な接触確率を向上させることができる。

0152

カバー部材は、3つ以上の部材又は層を有して構成してもよい。例えば、図14に示すデバイスの上面カバー54を複数部材又は複数層で形成してもよい。例えば、図14に示すデバイスのスペーサ55を複数部材又は複数層で形成してもよい。例えば、図14に示すデバイスの上面カバー54とスペーサ55とを両方、複数部材又は複数層で形成してもよい。

0153

いくつかの実施形態では、スペーサは、流体の攪拌構造を有していてもよく、流体を攪拌させる機能を有する構造を有していてもよい。いくつかの実施形態では、スペーサは、複数層の重ね合わせ又は組み合わせで構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、重ね合わせされた複数層が、実質的に同一の切り抜き(貫通孔)を有していてもよい。いくつかの実施形態では、複数層が重ね合わせられた際に、貫通孔が実質的に互いに重なっていてもよい。いくつかの実施形態では、重ね合わせされた複数層の少なくとも1層が他の層の少なくとも1つの層と異なる切り抜き(貫通孔)を有していてもよい。いくつかの実施形態では、複数層が重ね合わせられた際に、互いの貫通孔が同一でなくてもよい。いくつかの実施形態では、複数層が重ね合わせられた際に、一つの層の貫通孔が、少なくとも一つの他の層の貫通孔と実質的に重ね合わさってなくてもよい。いくつかの実施形態では、重ね合わせられた複数層の、少なくとも一部の複数の層の貫通孔がずれていてもよい。いくつかの実施形態では、複数層が、それぞれの貫通孔が互い違いになるように、重ね合わされていてもよい。いくつかの実施形態では、貫通孔の側面が三次元構造を有していてもよい。いくつかの実施形態では、ある一つのスペーサ層の貫通孔の側面が三次元構造を有していてもよい。いくつかの実施形態では、貫通孔の側面の三次元構造は、実質的に厚さ方向に形成された側面を有した各層の貫通孔を、厚さ方向に組み合わせることで構成してもよい。いつかの実施形態では、複数層間での貫通孔のずれ又は互い違いに重ね合わされた構成を用いて、流路の側面にカオティックミキサ又は流体を攪拌させる構造を形成してもよい。

0154

<第7の実施形態>
図17を参照して、ある実施形態にかかるデバイス1701について説明する。図17は、ある実施形態に係るデバイス1701の断面図(図1Bに示す図と同じ方向)である。図17に示すデバイス1701は、ナノワイヤ1703が配置された基板1702aと、ナノワイヤ面に対向して接合されたカバー(カバー部材天井部)1741と、基板1702aとカバー1741との間に挟まれ弾性体1751とを有している。弾性性1751は、基板1702とカバー1741に押されて弾性変形し、それぞれの面と液密に接触している。基板1702a、カバー1741、弾性体1751に囲まれた領域として、流路1742が実質的に規定される。弾性体1751は、流路1742の側壁を形成している。弾性体1751は、Oリングであってもよい。Oリング1751と基板1702a、及びOリング1751とカバー1741は、接着剤等を用いて密着されていない。Oリング1751は、組み立てで、弾性材料変形してもよく、塑性変形してもよく、弾塑性変形してもよく、変形しなくてもよい。組み立て後に、Oリング1751は、基板172aとカバー部材天井部1741aとの面間隔スペース)を規定してもよく、スペーサとして機能してもよい。いくつかの実施形態では、Oリング1751は、基板1702a、及び/又はカバー部材天井部1741aに対して接着剤等を用いて密着されていてもよい。いくつかの実施形態では、カバー部材天井部1741aと基板172aとを、ネジなどを用いてかしめてもよい。Oリングを圧力印加により弾性変形させてもよい。これにより例示的に、Oリング1751と基板1702a及びOリング1751とカバー部材天井部1741を、接着剤等を用いなくても液密に保持することができる。いくつかの実施形態では、Oリング1751と基板1702a、及びOリング1751とカバー1741とは、接着剤等を用いて密着してもよい。

0155

図17に示す実施形態に係るデバイス1701は、基板1702aとOリング1751とカバー部材天井部1741を簡単に取り外すことが可能である。このため、この構成は例示的に、基板1702aのみを交換してOリング1751とカバー部材天井部1741を再利用することができ、製造コストを低減することができる。この構成により、例示的に、基板1702aをカバー1741から簡単に分離できるため、基板1702a上のナノワイヤ1703に吸着したサンプルを容易に観察することができる。Oリング1751は、シリコーンゴム天然ゴム、テフロン、ウレタンなどの弾性体であってもよい。円形のOリングは、円形だけでなく、四角形状の角リング、D字形状のDリング、X字形状のXリングなどであってもよい。

0156

<デバイスの作製>
作製した基板の第1面とカバー部材の第2面を重ね、境界部分をPEEKチューブチュービングし、チューブの根元と基板とカバー部材間の境界に未硬化のPDMSを塗布、180°Cのホットプレート上にて30min加熱することによって接着を完了した。基板の第1面とカバー部材の第2面は平面であったことから、特に問題なく接着することができた。以上の手順により、実施例1のデバイスを作製した。また、サンプル投入孔およびサンプル回収孔にはサンプル投入用および回収用のチューブを挿入し、挿入部分を接着剤で固定した。図20に、実施例1で作製したデバイスの写真を示す。

0157

<デバイスを用いた細胞外小胞の吸着>
次に、実施例1で作製したデバイスを用い、細胞外小胞の吸着とFESEMフィールドエミッション走査型電子顕微鏡)観察を行った。

0158

<サンプルの調整>
市販の尿1mLを1.5mL遠沈管に分注し、この遠沈管を冷却遠心機にセットし、3000Xg,15min,4°Cの条件で遠心分離することによって不純物を沈殿させた。
以下、この不純物を除いた上澄み部分のことを「尿サンプル」と記載する。

0159

<ナノワイヤへの細胞外小胞の吸着>
「作製した尿サンプル1mLを、シリンジポンプによって流量50μL/minの条件でサンプル投入孔からデバイス内に導入することで、ナノワイヤに細胞外小胞を吸着させた。

0160

<ナノワイヤに吸着した細胞外小胞の観察>
上記<ナノワイヤへの細胞外小胞の吸着>で尿サンプルを流した後、カバー部材を基板から剥離し、ナノワイヤ3のFESEM撮像を行った。図21に、撮像したFESEM写真を示す。写真の白色の矢印で示す部分が吸着した細胞外小胞である。実施例1で作製したデバイスは電極を含んでいない。そのため、チャージアップ等の問題は発生せず、図21に示すように良好なFESEM像を得られた。また、ナノワイヤの周辺に壁面が無いことから、ピント調整も問題なく実施ができた。

0161

本開示は以下の実施形態を含む:

基板、ナノワイヤ、および、カバー部材を含む分析用デバイスであって、
前記基板の第1面に前記ナノワイヤが形成され、
前記カバー部材は、
カバー部材用基材、および、該カバー部材用基材の第2面に形成された流路を含み、
前記基板の第1面の少なくとも一部と前記カバー部材用基材の第2面が液密に密着されており、
前記ナノワイヤの少なくとも一部が前記流路内に配置される、
分析用デバイス。

前記基板の第1面に前記ナノワイヤ形成用の触媒層が形成され、
前記触媒層の少なくとも一部に前記ナノワイヤが形成されている、
実施形態1に記載の分析用デバイス。

前記基板の第1面には前記触媒層のみが形成され、
前記触媒層上には前記ナノワイヤのみが形成されている、
実施形態2に記載の分析用デバイス。

前記ナノワイヤの端部が、前記基板の第1面に埋め込まれている、
実施形態1に記載の分析用デバイス。

前記基板の第1面にはナノワイヤのみが形成されている、
実施形態4に記載の分析用デバイス。

前記基板の第1面と前記カバー部材の第2面とを重ねた際に、前記第1面と前記第2面の重なる面が双方とも平面である、
実施形態1〜5の何れか一項に記載の分析用デバイス。

前記カバー部材が、サンプル投入札およびサンプル回収孔を含む、
実施形態1〜6の何れか一項に記載の分析用デバイス。

前記流路に、該流路内を通過するサンプル液に乱流を発生させるための非平面領域が形成されている、
実施形態1〜7の何れか一項に記載の分析用デバイス。
A1
接合面と凹部とを有するカバーと、
基板と、
前記基板の第1面の少なくとも一部に配置されたナノワイヤと、
を備え、
前記基板の前記第1面の一部と前記カバーの前記接合面とが密着され、前記カバーの前記凹部と前記凹部に面する前記ナノワイヤ面の部分とで流体チャンバを画定する、
分離用デバイス。
A2
前記基板は、前記第1面の少なくとも一部に前記ナノワイヤを形成するための触媒層を有し、
前記ナノワイヤは、前記触媒層上に形成されている、
実施形態A1に記載の分離用デバイス。
A3
前記ナノワイヤの一方の端部が、前記基板に埋め込まれている、
実施形態A1に記載の分離用デバイス。
A4
前記カバー部材は、前記流体チャンバに溶液を外部から導入する導入口と前記流体チャンバから溶液を外部に排出する排出口とを有する、
実施形態A1〜3の何れか一項に記載の分離用デバイス。
A5
前記流体チャンバの内壁に、該流体チャンバ内を流れる前記溶液に対して乱流を発生させるような凹凸構造を有する、
実施形態A4に記載の分離用デバイス。
B1
平坦面を有する基板と、
前記平坦面の少なくとも一部に配置されたナノワイヤと、
前記ナノワイヤの少なくとも一部を含むように形成された流体チャンバと、
を備える、
生体分子を分離するための流体デバイス。
B2
前記平坦面の一部と密着する接合面を有するカバーであって、前記基板の平坦面と共に前記流路を画定する凹部を有するカバーを、
更に備える、
実施形態B1に記載の流体デバイス。
B2b
平坦面を有する基板と、
前記平坦面の少なくとも一部に配置されたナノワイヤと、
前記平坦面の一部と密着する接合面を有するカバーであって、前記基板の平坦面と共に前記ナノワイヤの少なくとも一部を含むように流路を画定する凹部を有するカバーとを
を備える、
生体分子を分離するための流体デバイス。
B3
前記基板の平坦面上に前記ナノワイヤ成長用の触媒層が形成され、
前記触媒層の上に前記ナノワイヤが形成されている、
実施形態B1、B2又はB2bに記載の流体デバイス。
B4
前記ナノワイヤの一端が、前記基板の平坦面に埋め込まれている、
実施形態B1、B2又はB2bに記載の流体デバイス。
B5
前記流体チャンバに溶液を導入するための投入口と、前記流体チャンバから溶液を排出するための排出口とを有する、
実施形態B1からB4のいずれか一項に記載の流体デバイス。
B6
前記カバーは、前記流体チャンバに溶液を導入するための投入口と、前記流体チャンバから溶液を排出するための排出口とを有する、
実施形態B2又はB2bに記載の流体デバイス。
B7
前記カバーの凹部の表面に、前記溶液の流れを攪拌させるための微細立体構造が形成されている、
実施形態B6に記載の流体デバイス。
B8
前記生体分子は、RNAを含む、
実施形態B1からB7のいずれか一項に記載の流体デバイス。
B9
前記生体分子は、細胞外小胞を含む、
実施形態B1からB7のいずれか一項に記載の流体デバイス。
B10
平坦面を有する基板と、
前記平坦面の少なくとも一部に配置されたナノワイヤと、
前記ナノワイヤの少なくとも一部を含むように形成された流路と、
を備える流体デバイスを提供すること、及び
前記流体デバイスに生体分子を含む溶液を導入すること、
を備える、
生体分子の分離方法。
B11
前記生体分子は、細胞、ウイルス及び菌の少なくとも一つを含む、
実施形態B10に記載の生体分子の分離方法。
B12
前記生体分子は、細胞外小胞を含む、
実施形態B11に記載の生体分子の分離方法。
B13
前記流体デバイスに細胞溶解液を導入すること
を更に備える、
実施形態B12に記載の生体分子の分離方法。
B14
前記流体デバイス内に導入した前記細胞溶解液を前記流体デバイスから排出させること、
前記流体デバイスから排出された前記細胞溶解液に含まれる核酸を測定すること、
を更に備える、
実施形態B13に記載の生体分子の分離方法。
B15
前記核酸は、RNAを含む、
実施形態B14に記載の生体分子の分離方法。

実施例

0162

以上、本開示の幾つかの実施形態及び実施例について説明したが、これらの実施形態及び実施例は、本開示を例示的に説明するものである。例えば、上記各実施形態は本開示を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必要に応じて寸法、構成、材質回路を追加変更してもよい。なお、上記に挙げた本開示の一または複数の特徴を任意に組み合わせた実施形態も本開示の範囲に含まれる。特許請求の範囲は、本開示の技術的思想から逸脱することのない範囲で、実施形態に対する多数の変形形態包括するものである。したがって、本明細書に開示された実施形態及び実施例は、例示のために示されたものであり、本開示の範囲を限定するものと考えるべきではない。

0163

51、61、71、101、201、801、901、1001、1201、1301、1701…デバイス
52、62、72、102、202、302、402、802、802a、902、1002a、1202、1302a、1702a、1802、1902…基板、
53、63、73、103、203、303、403、803、803a、903、1003、1203、1303、1703、1803、1903…ナノワイヤ
54、64、74、1741…上面カバー
55、65a、65b、65c、75…スペーサ
76、746…非平面領域
102a、202a…平坦面
104、204、504、604、704、804、904、1004、1104、1204、1304…カバー部材(カバー)
105、205、305、405、805、905、1205…触媒層
105a…第1面
141、241、541、641、741、1041、1341…カバー部材用基材
142、242、542、642、742、842、942、1042、1342、1742…流路
143、243、1143…サンプル投入孔
144、244、1144…サンプル回収孔
147、547、647、747、947…第2面
306、406、1206…レジスト
802…テンポラリ基板
1751…弾性体(Oリング)
1803a、1903a…ナノワイヤの成長核
1803b…接着剤
1903b…接着層

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