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技術 エタノール

出願人 積水化学工業株式会社
発明者 濱地心柳橋宣利西山悠
出願日 2019年3月18日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-050436
公開日 2020年9月24日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-150807
状態 未査定
技術分野 微生物による化合物の製造 高分子組成物
主要キーワード ガス導入温度 脱水膜 エタノール含有液 気体成分中 固体成分濃度 多孔質タイプ 水分分離装置 水分除去処理
関連する未来課題
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課題

特定の無機成分を含むエタノールを提供する。

解決手段

本発明によるエタノールは、無機成分を含み、ケイ素含有量が10mg/L以上100mg/L以下である。

概要

背景

我々の生活のさまざまなところに、石油化学製品が使われている。一方で、身近な製品であるが故、大量生産大量消費により様々な環境問題を引き起こしていることが地球規模で大きな問題となっている。例えば、石油化学工業製品の代表であるポリエチレンポリ塩化ビニルは大量消費され、使い捨てられており、それら廃棄物が環境汚染の大きな一因となっている。加えて、石油化学工業製品を大量生産する上で、化石燃料資源枯渇への危惧や、大気中の二酸化炭素増加という地球規模での環境問題も議論されている。

そのような環境問題への地球規模での意識の高まりから、近年、石油化学工業製品の原料であるナフサ以外の原料で各種有機物質を製造する手法が検討されている。例えば、トウモロコシ等の可食原料から糖発酵法によってバイオエタノールを製造する方法が注目されている。しかし、このような可食原料を用いた糖発酵法は、限られた農地面積食料以外の生産に用いることから、食料価格の高騰を招く等の問題が指摘されている。

この問題点を解決するために、従来、廃棄されていたような非可食原料を用いることも検討されている。具体的には、非可食原料として廃材古紙由来セルロース等を使用して発酵法によりアルコール類を製造する方法や、上記のようなバイオマス原料ガス化し、合成ガスから触媒を用いてアルコール類を製造する方法等が提案されているが未だ実用化されていないのが現状である。また、これらの脱石化原料から種々の石油化学製品を製造できたとしても、最終的には自然には分解しない廃プラスチックとなるため、環境問題の抜本的な解決策としては有効ではないといえる。

ところで、現在、日本国内で廃棄されている可燃性ごみは約6,000万トン/年にも及ぶ。そのエネルギー量は約200兆キロカロリーに相当し、日本国内のプラスチック原料用ナフサの持つエネルギー量を大きく上回っており、これらのゴミも重量な資源であるといえる。これらごみ資源を石油化学製品に転換できれば、石油資源に依らない究極資源循環社会を実現することが可能となる。上記観点から、特許文献1および2等には、廃棄物から合成ガス(CO及びH2を主成分とするガス)を製造し、その合成ガスから発酵法によりエタノールを製造する技術が開示されている。

しかしながら、特許文献3においても指摘されているように、廃棄物から製造した合成ガス中には、解明されていない多種多様不純物が含まれており、そのなかには微生物にとって毒性をもつものも存在するため、合成ガスから微生物発酵によりアルコールを生産する上でその生産性が大きな課題となっていた。また、合成ガスを微生物発酵して得られたアルコールにも、合成ガス中の不純物に起因した種々の成分が含まれており、これらの成分は蒸留等の精製処理によっても完全には除去できない。そのため、合成ガスの微生物発酵により得られたアルコールからの誘導品開発が大きな技術課題であった。

概要

特定の無機成分を含むエタノールを提供する。本発明によるエタノールは、無機成分を含み、ケイ素含有量が10mg/L以上100mg/L以下である。なし

目的

本発明は、かかる背景技術に鑑みなされたものであり、その課題は、既存の石化原料よりも産業的価値のある実用的な新規なアルコール及びその誘導品を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

無機成分を含み、ケイ素含有量が10mg/L以上100mg/L以下である、エタノール

請求項2

一酸化炭素および水素を含むガス基質とする、請求項1に記載のエタノール。

請求項3

微生物発酵由来である、請求項1または2に記載のエタノール。

請求項4

前記エタノールがシリカを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のエタノール。

請求項5

前記一酸化炭素および水素を含むガスが廃棄物由来である、請求項2に記載のエタノール。

請求項6

炭素源を一酸化炭素および水素を含む合成ガスに変換する工程と、前記一酸化炭素および水素を含む合成ガスを微生物発酵槽に供給し、微生物発酵によりエタノール含有液を得る微生物発酵工程と、前記エタノール含有液を、微生物を含む液体ないし固体成分とエタノールを含む気体成分とに分離する分離工程と、前記気体成分を凝縮させて液化する液化工程と、前記液化工程で得られた液体物からエタノールを精製する精製工程と、を含み、前記精製されたエタノール中のケイ素の含有量が10mg/L以上100mg/L以下である、エタノールの製造方法。

請求項7

前記合成ガスを精製する工程を更に含む、請求項6に記載の方法。

請求項8

前記炭素源が廃棄物由来である、請求項6または7に記載の方法。

請求項9

化成品用である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のエタノール。

請求項10

燃料用である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のエタノール。

請求項11

ポリマー原料用である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のエタノール。

請求項12

請求項1〜5のいずれか一項に記載のエタノールを原料とする化成品。

請求項13

請求項1〜5のいずれか一項に記載のエタノールおよび/または請求項1〜5のいずれか一項に記載のエタノールを原料とするエチル−t−ブチルエーテルを含む、燃料。

請求項14

請求項1〜5のいずれか一項に記載のエタノールを原料とするポリマー原料。

請求項15

エチレンプロピレンブタジエン酢酸エチルイソブテン、(メタアクリル酸メチルアクリル酸アミノヘキサン酸、およびジエチルカーボネートからなる群から選択される、請求項14に記載のポリマー原料。

請求項16

請求項14または15に記載のポリマー原料を原料とするポリマー

請求項17

請求項16に記載のポリマーからなる成形品

技術分野

0001

本発明は、エタノールに関し、より詳細には、特定の微量成分の含有量を調節したエタノールに関する。さらに、本発明は、従来の石油資源由来バイオマス資源由来によらない、一酸化炭素および水素を含むガス基質とする資源循環型の新規なエタノールに関する。

背景技術

0002

我々の生活のさまざまなところに、石油化学製品が使われている。一方で、身近な製品であるが故、大量生産大量消費により様々な環境問題を引き起こしていることが地球規模で大きな問題となっている。例えば、石油化学工業製品の代表であるポリエチレンポリ塩化ビニルは大量消費され、使い捨てられており、それら廃棄物が環境汚染の大きな一因となっている。加えて、石油化学工業製品を大量生産する上で、化石燃料資源枯渇への危惧や、大気中の二酸化炭素増加という地球規模での環境問題も議論されている。

0003

そのような環境問題への地球規模での意識の高まりから、近年、石油化学工業製品の原料であるナフサ以外の原料で各種有機物質を製造する手法が検討されている。例えば、トウモロコシ等の可食原料から糖発酵法によってバイオエタノールを製造する方法が注目されている。しかし、このような可食原料を用いた糖発酵法は、限られた農地面積食料以外の生産に用いることから、食料価格の高騰を招く等の問題が指摘されている。

0004

この問題点を解決するために、従来、廃棄されていたような非可食原料を用いることも検討されている。具体的には、非可食原料として廃材古紙由来セルロース等を使用して発酵法によりアルコール類を製造する方法や、上記のようなバイオマス原料ガス化し、合成ガスから触媒を用いてアルコール類を製造する方法等が提案されているが未だ実用化されていないのが現状である。また、これらの脱石化原料から種々の石油化学製品を製造できたとしても、最終的には自然には分解しない廃プラスチックとなるため、環境問題の抜本的な解決策としては有効ではないといえる。

0005

ところで、現在、日本国内で廃棄されている可燃性ごみは約6,000万トン/年にも及ぶ。そのエネルギー量は約200兆キロカロリーに相当し、日本国内のプラスチック原料用ナフサの持つエネルギー量を大きく上回っており、これらのゴミも重量な資源であるといえる。これらごみ資源を石油化学製品に転換できれば、石油資源に依らない究極の資源循環社会を実現することが可能となる。上記観点から、特許文献1および2等には、廃棄物から合成ガス(CO及びH2を主成分とするガス)を製造し、その合成ガスから発酵法によりエタノールを製造する技術が開示されている。

0006

しかしながら、特許文献3においても指摘されているように、廃棄物から製造した合成ガス中には、解明されていない多種多様不純物が含まれており、そのなかには微生物にとって毒性をもつものも存在するため、合成ガスから微生物発酵によりアルコールを生産する上でその生産性が大きな課題となっていた。また、合成ガスを微生物発酵して得られたアルコールにも、合成ガス中の不純物に起因した種々の成分が含まれており、これらの成分は蒸留等の精製処理によっても完全には除去できない。そのため、合成ガスの微生物発酵により得られたアルコールからの誘導品開発が大きな技術課題であった。

先行技術

0007

特開2016−059296号公報
国際公開2015−037710号公報
特開2018−058042号公報

発明が解決しようとする課題

0008

本発明者らの検討によれば、例えば、従来のエタノールに代表されるC2原料は、種々の化学製品出発原料と知られているが、上述したように、石油資源やバイオマス資源によらない資源(循環型資源)から製造されるアルコールは、ナフサ由来化学原料とは異なり、様々な微量の未知物質が含有されていることが分かった。しかしながら、従来技術では物質の特性も不明であり、全ての物質を取り除けばよいのか、特定の物質のみを除去すればよいのか、従来は十分な検討がなされてこなかった。そのため、上記特許文献において循環型資源から製造されたアルコールが提案されていても、当該アルコールを実用化するにはまだまだ技術改良の余地が残されているのが現状であった。

0009

一方、上記文献によれば一般的な発酵・蒸留方法や最適な合成ガスの組成等が開示されているものの、その工程等の詳細は記載されておらず、また得られたアルコール物質の特定すらもされていない。

0010

そこで、本発明は、かかる背景技術に鑑みなされたものであり、その課題は、既存の石化原料よりも産業的価値のある実用的な新規なアルコール及びその誘導品を提供することにある。

課題を解決するための手段

0011

本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、循環型資源から製造されるアルコールに含まれる多種多様な微量な物質を特定し、更に含有量を新規な製造方法により特定範囲に制御することが可能となり、加えてその種々の誘導品が、既存の石化由来アルコールに比べて優れた効果を発揮することがわかった。例えば、エタノールからブタジエンを合成する工程において、従来の石化由来エタノールを用いた場合よりもエタノール転化率が向上し、石化由来のアルコールと同等ないしそれ以上に実用的なレベルのアルコールが得られることを見出し、本発明に至った。

0012

より具体的には、廃棄物を炭素原とする一酸化炭素および水素を含むガス基質からエタノールを製造した場合、当該エタノールからブタジエンを合成するとエタノールの転化率が向上する事実を見出し、この理由を詳細に調べたところ、一酸化炭素および水素を含むガスを基質とする循環型資源由来のエタノールには、微量な無機物質が存在することが判明した。本発明はかかる知見に基づくものである。

0013

即ち、本発明は以下の要旨を含む。
[1]無機成分を含み、ケイ素の含有量が10mg/L以上100mg/L以下である、エタノール。
[2]一酸化炭素および水素を含むガスを基質とする、[1]に記載のエタノール。
[3]微生物発酵由来である、[1]または[2]に記載のエタノール。
[4] 前記エタノールがシリカを含む、[1]〜[3]のいずれかに記載のエタノール。
[5] 前記一酸化炭素および水素を含むガスが廃棄物由来である、[2]に記載のエタノール。
[6]炭素源を一酸化炭素および水素を含む合成ガスに変換する工程と、
前記一酸化炭素および水素を含む合成ガスを微生物発酵槽に供給し、微生物発酵によりエタノール含有液を得る微生物発酵工程と、
前記エタノール含有液を、微生物を含む液体ないし固体成分とエタノールを含む気体成分とに分離する分離工程と、
前記気体成分を凝縮させて液化する液化工程と、
前記液化工程で得られた液体物からエタノールを精製する精製工程と、
を含み、
前記精製されたエタノール中のケイ素の含有量が10mg/L以上100mg/L以下である、エタノールの製造方法。
[7] 前記合成ガスを精製する工程を更に含む、[6]に記載の方法。
[8] 前記炭素源が廃棄物由来である、[6]または[7]に記載の方法。
[9]化成品用である、[1]〜[5]のいずれかに記載のエタノール。
[10]燃料用である、[1]〜[5]のいずれかに記載のエタノール。
[11]ポリマー原料用、[1]〜[5]のいずれかに記載のエタノール。
[12] [1]〜[5]のいずれかに記載のエタノールを原料とする化成品。
[13] [1]〜[5]のいずれかに記載のエタノールおよび/または[1]〜[5]のいずれかに記載のエタノールを原料とするエチル−t−ブチルエーテルを含む、燃料。
[14] [1]〜[5]のいずれかに記載のエタノールを原料とするポリマー原料。
[15]エチレンプロピレン、ブタジエン、酢酸エチルイソブテン、(メタアクリル酸メチルアクリル酸アミノヘキサン酸、およびジエチルカーボネートからなる群から選択される、[14]に記載のポリマー原料。
[16] [14]または[15]に記載のポリマー原料を原料とするポリマー
[17] [16]に記載のポリマーからなる成形品

発明の効果

0014

本発明によれば、特定の微量な無機成分を含むエタノールとすることにより、市販の工業用エタノールに比べて種々の異質な効果を得ることができる。例えば、本発明によれば、エタノールを原料としてブタジエンを合成する際のエタノール転化率を向上させたり、カルボン酸にエタノールを加えてカルボン酸エステルを合成する際の反応率を向上させたり、エタノールを燃料として用いた際の燃焼効率を向上させたりすることができる。加えて、既存のアルコールであっても、特定の無機成分を特定量含有させることでも同様の効果が得られることが期待される。

0015

また、本発明によるエタノールは、例えば、ブタジエン、エチレン、プロピレン、イソブテン、アセトアルデヒド酢酸、酢酸エチル、(メタ)アクリル酸メチル、エチル−t−ブチルエーテルエチレングリコールエステル組成物ポリエステル、アクリル酸、アミノヘキサン酸、ジエチルカーボネート、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリイソブチレンポリメチルメタクリレートPMMA)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンフラノエート(PEF)、ポリウレタン(PU)等の製造の原料として用いることができる。また、本発明によるエタノールは、化粧品香水、燃料、不凍液殺菌剤消毒剤清掃剤カビ取り剤洗剤洗髪剤石鹸制汗剤洗顔シート溶剤塗料接着剤希釈剤食品添加物等の化成品の様々な用途に用いることができる。

0016

以下、本発明を実施する好ましい形態の一例について説明する。ただし、下記の実施形態は本発明を説明するための例示であり、本発明は下記の実施形態に何ら限定されるものではない。

0017

<定義>
本発明において「エタノール」とは、化合物として純粋なエタノール(化学式:CH3CH2OHで表されるエタノール)を意味するものではなく、合成ないし精製を経て製造されたエタノールに不可避的に含まれる不純物(夾雑物成分)を含む組成物を意味するものとする。

0018

<エタノール>
本発明によるエタノールは、無機成分としてSi(ケイ素)を10mg/L以上100mg/L以下含有するものである。ケイ素は、エタノール中ではシリカやオルガノシロキサンとして含まれていてもよく、シリカとして含まれていることが好ましい。

0019

エタノール中のSi濃度は、従来公知の方法により測定することができる。Si濃度の測定方法としては、例えば、誘導結合プラズマ質量分析装置(Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometry:ICP−MS)を用いて、直接Si(シリコン)を分析する方法が挙げられる。この方法は、シリカ(SiO2)をICP−MS内でイオン化し、Si(シリコン)を測定することによりシリカ濃度定量分析する方法である。こうした、ICP−MSを用いて直接Si(シリコン)を分析する方法では、原子吸光用標準溶液(Si)を濃度調整後に分析して検量線を作成し、この検量線に基づき、被測定試料を分析することによってSi(シリコン)濃度を求めるものである。

0020

また、ローダミンB法によりシリカ濃度を分析する方法もある。このローダミンB法によりシリカ濃度を分析する方法では、硫酸、ローダミンB、モリブデン酸、および数種類シリカ標準溶液を作製する。そして、蛍光光度計を用いてセル内にこれら薬液注入し、蛍光光度計のローダミンBの蛍光強度モニタリングする。そしてシリカ標準溶液の濃度と蛍光強度の消光度合いにより検量線を作成する。この検量線に基づき、被測定試料を分析することによりシリカ濃度を求めるものである。

0021

本発明によるエタノールは、一酸化炭素および水素を含むガスを基質とするエタノールや、微生物発酵由来のエタノールであることが好ましい。これらのエタノールであれば、上記濃度でケイ素を含有させることが製造工程において簡便だからである。ここで、純度が100%、即ち不純物を全く含まないエタノールには、上記濃度でケイ素は含まれない。また、通常、市販されている化石燃料由来の工業用エタノールや、セルロース等のバイオマス原料を用いて発酵法により製造したエタノールには上記濃度でケイ素は含まれないが、上記濃度となるようにケイ素を添加してもよい。

0022

理論に拘束されるわけではないが、一酸化炭素および水素を含むガスを基質とする微生物発酵由来のエタノールは、その製造工程において、使用される合成ガスが、一酸化炭素および水素以外にも種々の微量成分を含んでいると考えられる。そのため、蒸留等の精製工程を経て得られたアルコールであっても、無機物質等の不純物を全て除去することは困難であり、アルコール中には不可避的に無機物質が含まれているものと考えられる。本発明においては、これらの不可避的物質がエタノール中に含まれることにより、エタノールを原料としてブタジエンを合成する際のエタノール転化率を向上させたり、カルボン酸にエタノールを加えてカルボン酸エステルを合成する際の反応率を向上させたり、エタノールを燃料として用いた際の燃焼効率を向上させたりすることができるものと考えられる。

0023

エタノール中のSi(ケイ素)の含有量は、エタノールに対して、好ましくは15mg/L以上であり、より好ましくは20mg/L以上であり、さらに好ましくは30mg/L以上であり、また、好ましくは90mg/L以下であり、より好ましくは80mg/L以下であり、さらに好ましくは70mg/L以下である。Siの含有量とは、Si化合物Si元素換算量である。Siの含有量が上記数値範囲にあることで、エタノールを原料としてブタジエンを合成する際のエタノール転化率を向上させたり、カルボン酸にエタノールを加えてカルボン酸エステルを合成する際の反応率を向上させたり、エタノールを燃料として用いた際の燃焼効率を向上させたりすることができる。

0024

本発明によるエタノールには、Si以外の無機成分が含まれていてもよい。例えば、K、Na、Fe、Cr等の無機成分を含んでいてもよい。これらの元素を含む化合物は、無機化合物の場合もあるが有機金属化合物の場合もある。

0025

エタノール中にKが含まれる場合、Kの含有量は、エタノールに対して、好ましくは1.0mg/L以上であり、より好ましくは1.5mg/L以上であり、さらに好ましくは2.0mg/L以上であり、さらにより好ましくは2.5mg/L以上であり、また、好ましくは10mg/L以下であり、より好ましくは7mg/L以下であり、さらに好ましくは5mg/L以下である。Kの含有量とは、K化合物のK元素換算量である。Kの含有量が上記数値範囲にあることで、エタノールを原料としてブタジエンを合成する際のエタノール転化率を向上させたり、カルボン酸にエタノールを加えてカルボン酸エステルを合成する際の反応率を向上させたり、エタノールを燃料として用いた際の燃焼効率を向上させたりすることができる。

0026

エタノール中にNaが含まれる場合、Naの含有量は、エタノールに対して、好ましくは150mg/L以上であり、より好ましくは170mg/L以上であり、さらに好ましくは190mg/L以上であり、また、好ましくは1000mg/L以下であり、より好ましくは500mg/L以下であり、さらに好ましくは400mg/L以下であり、より好ましくは300mg/L以下である。Naの含有量とは、Na化合物のNa元素換算量である。Naの含有量が上記数値範囲にあることで、エタノールを原料としてブタジエンを合成する際のエタノール転化率を向上させたり、カルボン酸にエタノールを加えてカルボン酸エステルを合成する際の反応率を向上させたり、エタノールを燃料として用いた際の燃焼効率を向上させたりすることができる。

0027

エタノール中にFeが含まれる場合、Feの含有量は、エタノールに対して、好ましく2.0mg/L以下であり、より好ましくは1.5mg/L以下であり、さらに好ましくは1.0mg/L以下であり、さらにより好ましくは0.5mg/L以下である。Feの含有量とは、Fe化合物Fe元素換算量である。Feの含有量が上記数値範囲にあることで、エタノールを原料としてブタジエンを合成する際のエタノール転化率を向上させたり、カルボン酸にエタノールを加えてカルボン酸エステルを合成する際の反応率を向上させたり、エタノールを燃料として用いた際の燃焼効率を向上させたりすることができる。

0028

エタノール中にCrが含まれる場合、Crの含有量は、エタノールに対して、好ましくは0.6mg/L以下であり、より好ましくは0.5mg/L以下である。Crの含有量とは、Cr化合物Cr元素換算量である。Crの含有量が上記数値範囲にあることで、エタノールを原料としてブタジエンを合成する際のエタノール転化率を向上させたり、カルボン酸にエタノールを加えてカルボン酸エステルを合成する際の反応率を向上させたり、エタノールを燃料として用いた際の燃焼効率を向上させたりすることができる。

0029

本発明のエタノールは、後記するように微生物発酵槽から得られたエタノール含有液を抽出し、更に精製して得られるものであるが、上記した不可避的物質以外に他の成分が含まれていてもよい。例えば、微量の芳香族化合物が含まれていてもよい。芳香族化合物としては、トルエンエチルベンゼンo−キシレンm−キシレン、およびp−キシレンが挙げられ、これらの1種のみが含まれても良いし、2種以上が含まれても良い。芳香族化合物としては、エチルベンゼンが含まれることが好ましい。

0030

エタノール中に含まれる芳香族化合物の含有量(総和)は、エタノール全体に対して、好ましくは0.4mg/L以上であり、より好ましくは0.5mg/L以上であり、さらに好ましくは0.7mg/L以上であり、さらに好ましくは1.0mg/L以上であり、また、好ましくは10mg/L以下であり、より好ましくは7mg/L以下であり、さらに好ましくは5mg/L以下であり、さらにより好ましくは3mg/L以下である。芳香族化合物の含有量が上記数値範囲にあることで、エタノールを原料としてブタジエンを合成する際のエタノール転化率を向上させたり、カルボン酸にエタノールを加えてカルボン酸エステルを合成する際の反応率を向上させたり、エタノールを燃料として用いた際の燃焼効率を向上させたりすることができる。

0031

エタノール中にエチルベンゼンが含まれる場合、エチルベンゼンの含有量は、エタノール全体に対して、好ましくは0.1mg/L以上であり、より好ましくは0.2mg/L以上であり、さらに好ましくは0.3mg/L以上であり、さらにより好ましくは0.5mg/L以上であり、また、好ましくは5mg/L以下であり、より好ましくは3mg/L以下であり、さらに好ましくは2mg/L以下であり、さらにより好ましくは1mg/L以下である。エチルベンゼンの含有量が上記数値範囲にあることで、エタノールを原料としてブタジエンを合成する際のエタノール転化率を向上させたり、カルボン酸にエタノールを加えてカルボン酸エステルを合成する際の反応率を向上させたり、エタノールを燃料として用いた際の燃焼効率を向上させたりすることができる。

0032

エタノール中にトルエンが含まれる場合、トルエンの含有量は、エタノール全体に対して、好ましくは0.01mg/L以上であり、より好ましくは0.02mg/L以上であり、さらに好ましくは0.03mg/L以上であり、さらにより好ましくは0.05mg/L以上であり、また、好ましくは1mg/L以下であり、より好ましくは0.5mg/L以下であり、さらに好ましくは0.2mg/L以下であり、さらにより好ましくは0.1mg/L以下である。トルエンの含有量が上記数値範囲にあることで、エタノールを原料としてブタジエンを合成する際のエタノール転化率を向上させたり、カルボン酸にエタノールを加えてカルボン酸エステルを合成する際の反応率を向上させたり、エタノールを燃料として用いた際の燃焼効率を向上させたりすることができる。

0033

エタノール中にo−キシレンが含まれる場合、o−キシレンの含有量は、エタノール全体に対して、好ましくは0.1mg/L以上であり、より好ましくは0.2mg/L以上であり、さらに好ましくは0.3mg/L以上であり、さらにより好ましくは0.5mg/L以上であり、また、好ましくは5mg/L以下であり、より好ましくは3mg/L以下であり、さらに好ましくは2mg/L以下であり、さらにより好ましくは1mg/L以下である。o−キシレンの含有量が上記数値範囲にあることで、エタノールを原料としてブタジエンを合成する際のエタノール転化率を向上させたり、カルボン酸にエタノールを加えてカルボン酸エステルを合成する際の反応率を向上させたり、エタノールを燃料として用いた際の燃焼効率を向上させたりすることができる。

0034

エタノール中にm−キシレンおよび/またはp−キシレンが含まれる場合、m−キシレンおよび/またはp−キシレンの含有量(総和)は、エタノール全体に対して、好ましくは0.2mg/L以上であり、より好ましくは0.3mg/L以上であり、さらに好ましくは0.4mg/L以上であり、さらにより好ましくは0.5mg/L以上であり、また、好ましくは5mg/L以下であり、より好ましくは3mg/L以下であり、さらに好ましくは2mg/L以下であり、さらにより好ましくは1mg/L以下である。m−キシレンおよび/またはp−キシレンの含有量が上記数値範囲にあることで、エタノールを原料としてブタジエンを合成する際のエタノール転化率を向上させたり、カルボン酸にエタノールを加えてカルボン酸エステルを合成する際の反応率を向上させたり、エタノールを燃料として用いた際の燃焼効率を向上させたりすることができる。

0035

また、本発明によるエタノールは、微量の脂肪族炭化水素がさらに含まれていてもよい。脂肪族炭化水素としては、n−ヘキサン、n−ヘプタンn−オクタン、n−デカン、n−ドデカン、およびn−テトラデカンヘキサデカン等が挙げられ、これらの1種のみが含まれても良いし、2種以上が含まれても良い。脂肪族炭化水素としては、n−ヘキサン、n−デカン、およびn−ドデカンの1種以上が含まれることが好ましい。

0036

エタノール中に含まれる脂肪族炭化水素の含有量(総和)は、エタノール全体に対して、好ましくは0.16mg/L以上であり、好ましくは0.2mg/L以上、より好ましくは0.3mg/L以上、さらに好ましくは0.5mg/L以上であり、また、10mg/L以下であり、好ましくは7mg/L以下、より好ましくは5mg/L以下、さらに好ましくは3mg/L以下である。脂肪族炭化水素の含有量が上記数値範囲にあることで、エタノールを原料としてブタジエンを合成する際のエタノール転化率を向上させたり、カルボン酸にエタノールを加えてカルボン酸エステルを合成する際の反応率を向上させたり、エタノールを燃料として用いた際の燃焼効率を向上させたりすることができる。

0037

エタノール中にn−ヘキサンが含まれる場合、n−ヘキサンの含有量は、エタノール全体に対して、好ましくは0.1mg/L以上であり、より好ましくは0.2mg/L以上であり、さらに好ましくは0.3mg/L以上であり、さらにより好ましくは0.5mg/L以上であり、また、好ましくは5mg/L以下であり、より好ましくは3mg/L以下であり、さらに好ましくは2mg/L以下であり、さらにより好ましくは1mg/L以下である。n−ヘキサンの含有量が上記数値範囲にあることで、エタノールを原料としてブタジエンを合成する際のエタノール転化率を向上させたり、カルボン酸にエタノールを加えてカルボン酸エステルを合成する際の反応率を向上させたり、エタノールを燃料として用いた際の燃焼効率を向上させたりすることができる。

0038

エタノール中にn−ヘプタンが含まれる場合、n−ヘプタンの含有量は、エタノール全体に対して、好ましくは0.01mg/L以上であり、より好ましくは0.02mg/L以上であり、さらに好ましくは0.03mg/L以上であり、さらにより好ましくは0.05mg/L以上であり、また、好ましくは1mg/L以下であり、より好ましくは0.5mg/L以下であり、さらに好ましくは0.2mg/L以下であり、さらにより好ましくは0.1mg/L以下である。n−ヘプタンの含有量が上記数値範囲にあることで、エタノールを原料としてブタジエンを合成する際のエタノール転化率を向上させたり、カルボン酸にエタノールを加えてカルボン酸エステルを合成する際の反応率を向上させたり、エタノールを燃料として用いた際の燃焼効率を向上させたりすることができる。

0039

エタノール中にn−オクタンが含まれる場合、n−オクタンの含有量は、エタノール全体に対して、好ましくは0.01mg/L以上であり、より好ましくは0.02mg/L以上であり、さらに好ましくは0.03mg/L以上であり、さらにより好ましくは0.05mg/L以上であり、また、好ましくは1mg/L以下であり、より好ましくは0.5mg/L以下であり、さらに好ましくは0.2mg/L以下であり、さらにより好ましくは0.1mg/L以下である。n−オクタンの含有量が上記数値範囲にあることで、エタノールを原料としてブタジエンを合成する際のエタノール転化率を向上させたり、カルボン酸にエタノールを加えてカルボン酸エステルを合成する際の反応率を向上させたり、エタノールを燃料として用いた際の燃焼効率を向上させたりすることができる。

0040

エタノール中にn−デカンが含まれる場合、n−デカンの含有量は、エタノール全体に対して、好ましくは0.01mg/L以上であり、より好ましくは0.02mg/L以上であり、さらに好ましくは0.03mg/L以上であり、さらにより好ましくは0.05mg/L以上であり、また、好ましくは1mg/L以下であり、より好ましくは0.5mg/L以下であり、さらに好ましくは0.2mg/L以下であり、さらにより好ましくは0.1mg/L以下である。n−デカンの含有量が上記数値範囲にあることで、エタノールを原料としてブタジエンを合成する際のエタノール転化率を向上させたり、カルボン酸にエタノールを加えてカルボン酸エステルを合成する際の反応率を向上させたり、エタノールを燃料として用いた際の燃焼効率を向上させたりすることができる。

0041

エタノール中にn−ドデカンが含まれる場合、n−ドデカンの含有量は、エタノール全体に対して、好ましくは0.01mg/L以上であり、より好ましくは0.02mg/L以上であり、さらに好ましくは0.03mg/L以上であり、さらにより好ましくは0.05mg/L以上であり、また、好ましくは1mg/L以下であり、より好ましくは0.5mg/L以下であり、さらに好ましくは0.2mg/L以下であり、さらにより好ましくは0.1mg/L以下である。n−ドデカンの含有量が上記数値範囲にあることで、エタノールを原料としてブタジエンを合成する際のエタノール転化率を向上させたり、カルボン酸にエタノールを加えてカルボン酸エステルを合成する際の反応率を向上させたり、エタノールを燃料として用いた際の燃焼効率を向上させたりすることができる。

0042

エタノール中にn−テトラデカンが含まれる場合、n−テトラデカンの含有量は、エタノール全体に対して、好ましくは0.01mg/L以上であり、より好ましくは0.02mg/L以上であり、さらに好ましくは0.03mg/L以上であり、さらにより好ましくは0.05mg/L以上であり、また、好ましくは1mg/L以下であり、より好ましくは0.5mg/L以下であり、さらに好ましくは0.2mg/L以下であり、さらにより好ましくは0.1mg/L以下である。n−テトラデカンの含有量が上記数値範囲にあることで、エタノールを原料としてブタジエンを合成する際のエタノール転化率を向上させたり、カルボン酸にエタノールを加えてカルボン酸エステルを合成する際の反応率を向上させたり、エタノールを燃料として用いた際の燃焼効率を向上させたりすることができる。

0043

エタノール中にヘキサデカンが含まれる場合、ヘキサデカンの含有量は、エタノール全体に対して、好ましくは0.01mg/L以上であり、より好ましくは0.02mg/L以上であり、さらに好ましくは0.03mg/L以上であり、さらにより好ましくは0.05mg/L以上であり、また、好ましくは1mg/L以下であり、より好ましくは0.5mg/L以下であり、さらに好ましくは0.2mg/L以下であり、さらにより好ましくは0.1mg/L以下である。ヘキサデカンの含有量が上記数値範囲にあることで、エタノールを原料としてブタジエンを合成する際のエタノール転化率を向上させたり、カルボン酸にエタノールを加えてカルボン酸エステルを合成する際の反応率を向上させたり、エタノールを燃料として用いた際の燃焼効率を向上させたりすることができる。

0044

また、本発明によるエタノールは、微量のジアルキルエーテルがさらに含まれていてもよい。ジアルキルエーテルとしては、ジメチルエーテルジエチルエーテルジプロピルエーテルジブチルエーテル、およびジペンチルエーテルが挙げられ、これらの1種のみが含まれても良いし、2種以上が含まれても良い。ジアルキルエーテルとしては、ジブチルエーテルが含まれることが好ましい。

0045

エタノール中に含まれるジアルキルエーテルの含有量(総和)は、エタノール全体に対して、好ましくは0.001mg/L以上であり、好ましくは0.01mg/L以上、より好ましくは0.1mg/L以上、さらに好ましくは1.0mg/L以上であり、また、100mg/L以下であり、好ましくは80mg/L以下、より好ましくは50mg/L以下、さらに好ましくは30mg/L以下である。ジアルキルエーテルの含有量が上記数値範囲にあることで、エタノールを原料としてブタジエンを合成する際のエタノール転化率を向上させたり、カルボン酸にエタノールを加えてカルボン酸エステルを合成する際の反応率を向上させたり、エタノールを燃料として用いた際の燃焼効率を向上させたりすることができる。

0046

エタノール中にジブチルエーテルが含まれる場合、ジブチルエーテルの含有量は、エタノールに対して、好ましくは1mg/L以上であり、より好ましくは2mg/L以上であり、さらに好ましくは5mg/L以上であり、さらにより好ましくは10mg/L以上であり、また、好ましくは50mg/L以下であり、より好ましくは40mg/L以下であり、さらに好ましくは30mg/L以下であり、さらにより好ましくは25mg/L以下である。ジブチルエーテルの含有量が上記数値範囲にあることで、エタノールを原料としてブタジエンを合成する際のエタノール転化率を向上させたり、カルボン酸にエタノールを加えてカルボン酸エステルを合成する際の反応率を向上させたり、エタノールを燃料として用いた際の燃焼効率を向上させたりすることができる。

0047

本発明のエタノールは、上記したような無機成分、および所望により微量の芳香族炭化水素や脂肪族炭化水素等の有機成分が含まれるものであるが、エタノール中の主成分であるエタノール(化合物として純粋なエタノール)の濃度は、エタノール全体に対して、75体積%以上、好ましくは80体積%以上、より好ましくは90体積%以上、さらに好ましくは95体積%以上であり、さらにより好ましくは98体積%以上であり、また、好ましくは99.999体積%以下、より好ましくは99.99体積%以下、さらに好ましくは99.9体積%以下、さらにより好ましくは99.5体積%以下である。

0048

本発明のエタノール中のエタノール濃度は目的とする用途に応じて設定すればよく、例えば、化粧品等であれば90体積%以上のものを、消毒剤用エタノールであれば75体積%以上のものが好ましく用いられ、上限も同様に用途に応じて便宜設定することができる。輸送コスト等から製品としてはエタノールの濃度が高い程好ましい。

0049

<エタノールの製造方法>
上記したような特有ガスクロマトグラフピークを有するエタノールを製造する方法としては、例えば、廃棄物や排ガス由来の一酸化炭素を含む合成ガスを微生物発酵によってエタノールを製造することができる。このような方法においては、廃棄物や排ガス由来の原料ガス中の芳香族化合物等の含有量および精製条件を制御し、最終製品に含まれる芳香族化合物量等を制御してもよい。以下、一例として、廃棄物や排ガス由来の一酸化炭素を含む合成ガスを微生物発酵によってエタノールを製造する方法について説明する。

0050

エタノールの製造方法は、炭素源を一酸化炭素および水素を含む合成ガスに変換する工程と、前記一酸化炭素および水素を含む合成ガスを微生物発酵槽に供給し微生物発酵によりエタノール含有液を得る微生物発酵工程と、前記エタノール含有液を、微生物を含む液体ないし固体成分とエタノールを含む気体成分とに分離する分離工程と、前記気体成分を凝縮させて液化する液化工程と、液化工程で得られた液体物からエタノールを精製する精製工程と、を工程として含むが、必要に応じて、原料ガス生成工程、合成ガス調製工程、排水処理工程等を含んでもよい。以下、各工程について説明する。

0051

<原料ガス生成工程>
原料ガス生成工程は、ガス化部において、炭素源をガス化させることによって原料ガスを生成する工程である。原料ガス生成工程では、ガス化炉を用いてもよい。ガス化炉は、炭素源を燃焼不完全燃焼)させる炉であり、例えば、シャフト炉キルン炉流動床炉ガス化改質炉等が挙げられる。ガス化炉は、廃棄物を部分燃焼させることにより、高い炉床負荷、優れた運転操作性が可能となるため、流動床炉式であることが好ましい。廃棄物を低温(約450〜600℃)かつ低酸素雰囲気の流動床炉中でガス化することで、ガス(一酸化炭素、二酸化炭素、水素、メタン等)および炭素分を多く含むチャーに分解する。さらに廃棄物に含まれる不燃物炉底から、衛生的でかつ酸化度の低い状態で分離されるため、不燃物中の鉄やアルミニウム等といった有価物を選択回収することが可能である。従って、このような廃棄物のガス化は、効率の良い資源リサイクルが可能である。

0052

原料ガス生成工程における上記ガス化の温度は、特に制限されるものではないが、通常100〜2500℃であり、好ましくは200〜2100℃である。

0053

原料ガス生成工程におけるガス化の反応時間は、通常2秒以上、好ましくは5秒以上である。

0054

原料ガス生成工程において使用される炭素源は、特に限定されず、例えば、製鉄所コークス炉高炉高炉ガス)、転炉石炭火力発電所に用いる石炭焼却炉(特にガス化炉)に導入される一般廃棄物および産業廃棄物、各種産業によって副生した二酸化炭素等、リサイクルを目的として種々の炭素含有材料も好適に利用することができる。

0055

より詳しくは、炭素源には、廃棄物であることが好ましく、具体的には、プラスチック廃棄物、生ゴミ、都市固形廃棄物(MSW)、産業固形廃棄物廃棄タイヤバイオマス廃棄物布団や紙等の家庭ごみ建築部材等の廃棄物や、石炭、石油石油由来化合物、天然ガスシェールガス等が挙げられ、その中でも各種廃棄物が好ましく、分別コストの観点から、未分別の都市固形廃棄物がより好ましい。

0056

炭素源をガス化して得られる原料ガスは、一酸化炭素および水素を必須成分として含むが、二酸化炭素、酸素窒素をさらに含んでもよい。その他の成分として、原料ガスは、ススタール窒素化合物硫黄化合物リン系化合物芳香族系化合物等の成分をさらに含んでもよい。

0057

原料ガスは、上記原料ガス生成工程において、炭素源を燃焼(不完全燃焼)させる熱処理通称:ガス化)を行うことにより、即ち、炭素源を部分酸化させることにより、一酸化炭素を、特に制限はないが、0.1体積%以上、好ましくは10体積%以上、より好ましくは20体積%以上含むガスとして生成してもよい。

0058

<合成ガス精製工程>
合成ガス精製工程は、原料ガスから、様々な汚染物質ばいじん粒子、不純物、好ましくない量の化合物等の特定の物質を除去ないし低減する工程である。原料ガスが廃棄物由来である場合には、通常、原料ガスは、一酸化炭素を0.1体積%以上80体積%以下、二酸化炭素を0.1体積%以上70体積%以下、水素を0.1体積%以上80体積%以下含み、さらに窒素化合物を1mg/L以上、硫黄化合物を1mg/L以上、リン化合物を0.1mg/L以上、および/または芳香族系化合物を10mg/L以上含む傾向にある。また、その他の環境汚染物質、ばいじん粒子、不純物等の物質が含まれる場合もある。そのため、微生物発酵槽へ合成ガスを供給するにあたっては、原料ガスから、微生物の安定培養に好ましくない物質や、好ましくない量の化合物等を低減ないし除去し、原料ガスに含まれる各成分の含有量が微生物の安定培養に好適な範囲となるようにしておくことが好ましい。

0059

特に、合成ガス精製工程では、上記の再生吸着材充填した圧力スイング吸着装置を用いて、合成ガス中の二酸化炭素ガスを再生吸着材(ゼオライト)に吸着させ、合成ガス中の二酸化炭素ガス濃度を低減する。さらに、合成ガスには、従来公知の他の処理工程を行って、不純物の除去やガス組成の調整を行ってもよい。他の処理工程としては、例えば、ガスチラー水分分離装置)、低温分離方式(深冷方式)の分離装置サイクロンバグフィルターのような微粒子(スス)分離装置、スクラバー水溶性不純物分離装置)、脱硫装置硫化物分離装置)、膜分離方式の分離装置、脱酸素装置圧力スイング吸着方式の分離装置(PSA)、温度スイング吸着方式の分離装置(TSA)、圧力温度スイング吸着方式の分離装置(PTSA)、活性炭を用いた分離装置、脱酸素触媒、具体的には、銅触媒またはパラジウム触媒を用いた分離装置等のうちの1種または2種以上を用いて処理することができる。

0060

本発明のエタノールの製造方法において使用する合成ガスは、少なくとも一酸化炭素を必須成分として含み、水素、二酸化炭素、窒素をさらに含んでもよい。

0061

本発明において使用する合成ガスは、炭素源をガス化させることによって原料ガスを生成し(原料ガス生成工程)、次いで、原料ガスから一酸化炭素、二酸化炭素、水素および窒素の各成分の濃度調整とともに、上記したような物質や化合物を低減ないし除去する工程を経ることで得られたガスを、合成ガスとして用いてもよい。

0062

合成ガス中の一酸化炭素濃度は、合成ガス中の一酸化炭素、二酸化炭素、水素および窒素の合計濃度に対して、通常20体積%以上80体積%以下であり、好ましくは25体積%以上50体積%以下であり、より好ましくは35体積%以上45体積%以下である。

0063

合成ガス中の水素濃度は、合成ガス中の一酸化炭素、二酸化炭素、水素および窒素の合計濃度に対して、通常10体積%以上80体積%以下であり、好ましくは30体積%以上55体積%以下であり、より好ましくは40体積%以上50体積%以下である。

0064

合成ガス中の二酸化炭素濃度は、合成ガス中の一酸化炭素、二酸化炭素、水素および窒素の合計濃度に対して、通常0.1体積%以上40体積%以下、好ましくは0.3体積%以上30体積%以下であり、より好ましくは0.5体積%以上10体積%以下、特に好ましくは1体積%以上6体積%以下である。

0065

合成ガス中の窒素濃度は、合成ガス中の一酸化炭素、二酸化炭素、水素および窒素の合計濃度に対して、通常40体積%以下であり、好ましくは1体積%以上20体積%以下であり、より好ましくは5体積%以上15体積%以下である。

0066

一酸化炭素、二酸化炭素、水素および窒素の濃度は、原料ガス生成工程において炭素源の炭化水素(炭素および水素)や窒素の元素組成を変更することや、燃焼温度や燃焼時供給ガスの酸素濃度等の燃焼条件を適宜変更することで、所定の範囲とすることができる。例えば、一酸化炭素や水素濃度を変更したい場合は、廃プラ等の炭化水素(炭素および水素)の比率が高い炭素源に変更し、窒素濃度を低下させたい場合は原料ガス生成工程において酸素濃度の高いガスを供給する方法等がある。

0067

本発明において使用される合成ガスは、上記した成分以外にも、特に制限はないが、硫黄化合物、リン化合物、窒素化合物等を含んでいてもよい。これらの化合物のそれぞれの含有量は、好ましくは0.05mg/L以上、より好ましくは0.1mg/L以上、さらに好ましくは0.5mg/L以上であり、また、好ましくは2000mg/L以下、より好ましくは1000mg/L以下、さらに好ましくは80mg/L以下、さらにより好ましくは60mg/L以下、特に好ましくは40mg/L以下である。硫黄化合物、リン化合物、窒素化合物等を下限値以上の含有量とすることにより、微生物が好適に培養できるという利点があり、また上限値以下の含有量とすることにより、微生物が消費しなかった各種栄養源によって培地汚染されないという利点がある。

0068

硫黄化合物としては、通常、二酸化硫黄、CS2,COS、H2Sが挙げられ、中でもH2Sと二酸化硫黄が微生物の栄養源として消費しやすい点で好ましい。そのため、合成ガス中にH2Sと二酸化硫黄の和が上記範囲で含まれていることがより好ましい。
リン化合物としては、リン酸が微生物の栄養源として消費しやすい点が好ましい。そのため、合成ガス中にリン酸が上記範囲で含まれていることがより好ましい。
窒素化合物としては、一酸化窒素二酸化窒素アクリルニトリルアセトニトリル、HCN等が挙げられ、HCNが微生物の栄養源として消費しやすい点で好ましい。そのため合成ガス中に、HCNが上記範囲で含まれていることがより好ましい。

0069

また、合成ガスは、芳香族化合物を0.01mg/L以上90mg/L以下含んでもよく、好ましくは0.03mg/L以上、より好ましくは0.05mg/L以上、さらに好ましくは0.1mg/L以上であり、かつ、好ましくは70mg/L以下、より好ましくは50mg/L以下、さらに好ましくは30mg/L以下である。下限値以上の含有量とすることにより、微生物が好適に培養できる傾向にあり、又、上限値以下の含有量とすることにより、微生物が消費しなかった各種栄養源によって培地が汚染されにくい傾向にある。

0070

<微生物発酵工程>
微生物発酵工程は、微生物発酵槽において、上記した合成ガスを微生物発酵させて、エタノールを製造する工程である。微生物発酵槽は、連続発酵装置とすることが好ましい。一般に、微生物発酵槽は任意の形状のものを用いることができ、撹拌型エアリフト型、気泡塔型、ループ型オープンボンド型、フォトバイオ型が挙げられるが、本発明においては、微生物発酵槽が、主槽部と還流部とを有する公知のループリアクターを好適に用いることができる。この場合、前記の液状の培地を、主槽部と還流部の間で循環させる循環工程をさらに備えるのが好ましい。

0071

微生物発酵槽に供給する合成ガスは、上記した合成ガスの成分条件充足する限り、原料ガス生成工程を経て得られたガスをそのまま合成ガスとして用いてもよいし、原料ガスから不純物等を低減ないし除去したガスに、別の所定のガスを追加してから合成ガスを用いてもよい。別の所定ガスとして、例えば二酸化硫黄等の硫黄化合物、リン化合物、および窒素化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を加えて合成ガスとしてもよい。

0072

微生物発酵槽には、合成ガスと微生物培養液とが連続的に供給されてもよいが、合成ガスと微生物培養液とを同時に供給する必要はなく、予め微生物培養液を供給した微生物発酵槽に合成ガスを供給してもよい。ある種の嫌気性微生物は、発酵作用によって、合成ガス等の基質ガスから、エタノール等を生成することが知られており、この種のガス資化性微生物は、液状の培地で培養される。例えば、液状の培地とガス資化性細菌とを供給して収容しておき、この状態で液状の培地を撹拌しつつ、微生物発酵槽内に合成ガスを供給してもよい。これにより、液状の培地中でガス資化性細菌を培養して、その発酵作用により合成ガスからエタノールを生成することができる。

0073

微生物発酵槽において、培地等の温度(培養温度)は、任意の温度を採用してよいが、好ましくは30〜45℃程度、より好ましくは33〜42℃程度、さらに好ましくは36.5〜37.5℃程度とすることができる。また、培養時間は、好ましくは連続培養で12時間以上、より好ましくは7日以上、特に好ましくは30日以上、最も好ましくは60日以上であり、上限は特に設定されないが設備の定修等の観点から720日以下が好ましく、より好ましくは365日以下である。なお、培養時間とは、種菌培養槽に添加してから、培養槽内培養液全量排出するまでの時間を意味するものとする。

0074

微生物培養液に含まれる微生物(種)は、一酸化炭素を主たる原料として合成ガスを微生物発酵させることによってエタノールを製造できるものであれば、特に限定されない。例えば、微生物(種)は、ガス資化性細菌の発酵作用によって、合成ガスからエタノールを生成するものであること、特にアセチルOA代謝経路を有する微生物であることが好ましい。ガス資化性細菌のなかでも、クロストリジウム(Clostridium)属がより好ましく、クロストリジウム・オートエタノゲナムが特に好ましいが、これに限定されるものではない。以下、さらに例示する。

0075

ガス資化性細菌は、真性細菌および古細菌の双方を含む。真性細菌としては、例えば、クロストリジウム(Clostridium)属細菌、ムーレラ(Moorella)属細菌、アセトバクテリウム(Acetobacterium)属細菌、カルボキシセラ(Carboxydocella)属細菌、ロドシュードモナス(Rhodopseudomonas)属細菌、ユーバクテリウム(Eubacterium)属細菌、ブチリバクテリウム(Butyribacterium)属細菌、オリゴトロファ(Oligotropha)属細菌、ブラディリゾビウム(Bradyrhizobium)属細菌、好気性水素酸化細菌であるラルソトニア(Ralsotonia)属細菌等が挙げられる。

0076

一方、古細菌としては、例えば、Methanobacterium属細菌、Methanobrevibacter属細菌、Methanocalculus属、Methanococcus属細菌、Methanosarcina属細菌、Methanosphaera属細菌、Methanothermobacter属細菌、Methanothrix属細菌、Methanoculleus属細菌、Methanofollis属細菌、Methanogenium属細菌、Methanospirillium属細菌、Methanosaeta属細菌、Thermococcus属細菌、Thermofilum属細菌、Arcaheoglobus属細菌等が挙げられる。これらの中でも、古細菌としては、Methanosarcina属細菌、Methanococcus属細菌、Methanothermobacter属細菌、Methanothrix属細菌、Thermococcus属細菌、Thermofilum属細菌、Archaeoglobus属細菌が好ましい。

0077

さらに、一酸化炭素および二酸化炭素の資化性に優れることから、古細菌としては、Methanosarcina属細菌、Methanothermobactor属細菌、またはMethanococcus属細菌が好ましく、Methanosarcina属細菌、またはMethanococcus属細菌が特に好ましい。なお、Methanosarcina属細菌の具体例として、例えば、Methanosarcina barkeri、Methanosarcina mazei、Methanosarcina acetivorans等が挙げられる。

0078

以上のようなガス資化性細菌の中から、目的とするエタノールの生成能の高い細菌が選択されて用いられる。例えば、エタノール生成能の高いガス資化性細菌としては、クロストリジウム・オートエタノゲナム(Clostridium autoethanogenum)、クロストリジウム・ユングダリイ(Clostridium ljungdahlii)、クロストリジウム・アセチクム(Clostridium aceticum)、クロストリジウム・カルボキシジボランス(Clostridium carboxidivorans)、ムーレラ・サーモアセチカ(Moorella thermoacetica)、アセトバクテリウム・ウッディイ(Acetobacterium woodii)等が挙げられ、これらのなかでもクロストリジウム・オートエタノゲナムが特に好ましい。

0079

上記した微生物(種)を培養する際に用いる培地は、菌に応じた適切な組成であれば特に限定されないが、主成分の水と、この水に溶解または分散された栄養分(例えば、ビタミン、リン酸等)とを含有する液体である。このような培地の組成は、ガス資化性細菌が良好に成育し得るように調製される。例えば、微生物にクロストリジウム属を用いる場合の培地は、米国特許出願公開2017/260552号の「0097」〜「0099」等を参考にすることができる。

0080

微生物発酵工程により得られたエタノール含有液は、微生物やその死骸微生物由来タンパク質等を含む懸濁液として得ることができる。懸濁液中タンパク質濃度は、微生物の種類により異なるが、通常は30〜1000mg/Lである。なお、エタノール含有液中のタンパク質濃度は、ケルダール法により測定することができる。

0081

<分離工程>
微生物発酵工程により得られたエタノール含有液は、次いで分離工程に付される。本発明においては、エタノール含有液を、0.01〜1000kPa(絶対圧)の条件下、室温〜500℃に加熱して、微生物を含む液体ないし固体成分と、エタノールを含む気体成分とに分離する。従来の方法では、微生物発酵工程により得られたエタノール含有液を蒸留し、所望とするエタノールを分離精製していたが、エタノール含有液には微生物や微生物由来のタンパク質等が含まれるため、エタノール含有液をそのまま蒸留すると蒸留装置内発泡が生じ連続的な運転が妨げられる場合があった。また、発泡性液体精製方法として膜式エバポレーターを使用することが知られているが、膜式エバポレーターは濃縮効率が低く、固体成分を含む液体の精製には適していない。本発明においては、微生物発酵工程により得られたエタノール含有液から蒸留操作等により所望のエタノールを分離精製する前に、エタノール含有液を加熱し、微生物を含む液体ないし固体成分と、エタノールを含む気体成分とに分離し、分離されたエタノールを含む気体成分のみから、所望とするエタノールを分離精製するものである。分離工程を実施することにより、エタノールの分離精製時の蒸留操作において、蒸留装置内で発泡が生じなくなるため、連続的に蒸留操作を行うことができる。また、エタノール含有液中のエタノール濃度よりも、エタノールを含む気体成分中に含まれるエタノール濃度の方が高くなるため、後述する精製工程において、効率的にエタノールの分離精製を行うことができる。

0082

本発明においては、微生物やその死骸、微生物由来のタンパク質等が含まれる液体ないし固体成分と、エタノールを含む気体成分とに効率的に分離する観点から、好ましくは10〜200kPaの条件下、より好ましくは50〜150kPaの条件下、さらに好ましくは常圧下で、好ましくは50〜200℃の温度、より好ましくは80℃〜180℃の温度、さらに好ましくは100〜150℃の温度でエタノール含有液の加熱を行う。

0083

分離工程における加熱時間は、気体成分を得ることができる時間であれば特に制限はないが、効率性または経済性の観点から、通常は5秒〜2時間、好ましくは5秒〜1時間、より好ましくは5秒〜30分である。

0084

上記した分離工程は、熱エネルギーにより、エタノール含有液を液体ないし固体成分(微生物やその死骸、微生物由来のタンパク質等)と気体成分(エタノール)とに効率的に分離できる装置であれば特に制限なく使用することができ、例えば、回転乾燥機流動層乾燥機真空型乾燥機伝導加熱型乾燥機等の乾燥装置を用いることができるが、特に固体成分濃度が低いエタノール含有液から液体ないし固体成分と気体成分とに分離する際の効率の観点からは伝導加熱型乾燥機を用いることが好ましい。伝導加熱型乾燥機の例としては、ドラム型乾燥機ディスク型乾燥機等が挙げられる。

0085

<液化工程>
液化工程は、上記分離工程で得られたエタノールを含む気体成分を、凝縮により液化する工程である。液化工程で用いられる装置は、特に限定されないが、熱交換器、特にコンデンサー凝縮器)を用いることが好ましい。凝縮器の例としては、水冷式空冷式蒸発式等が挙げられ、それらのなかでも水冷式が好ましい。凝縮器は一段でもよいし、複数段からなるものでもよい。

0086

液化工程により得られた液化物には、微生物やその死骸、微生物由来のタンパク質等のエタノール含有液に含まれていた成分が含まれていないことが好ましいといえるが、本発明においては、液化物中にタンパク質が含まれていることを排除するものではない。液化物中にタンパク質が含まれる場合であっても、その濃度は、40mg/L以下であることが好ましく、より好ましくは20mg/L以下、さらに好ましくは15mg/L以下である。

0087

凝縮器によって得られた気体成分の凝縮熱は、後述する精製工程において熱源として再利用してもよい。凝縮熱を再利用することで、効率的かつ経済的にエタノールを製造することができる。

0088

<精製工程>
次に、液化工程で得られた液化物から、エタノールを精製する。微生物発酵工程で得られたエタノール含有液は、微生物等の成分が既に除去されている場合に、上記した分離工程を経ないで精製工程に供給することができる。精製工程は、液化工程において得られたエタノール含有液を、目的のエタノールの濃度を高めた留出液と、目的のエタノールの濃度を低下させた缶出液とに分離する工程である。精製工程に用いられる装置は、例えば、蒸留装置浸透気化膜を含む処理装置、ゼオライト脱水膜を含む処理装置、エタノールより沸点の低い低沸点物質を除去する処理装置、エタノールより沸点の高い高沸点物質を除去する処理装置、イオン交換膜を含む処理装置等が挙げられる。これらの装置は単独でまたは2種以上を組み合わせてもよい。単位操作としては、加熱蒸留や膜分離を好適に用いてもよい。

0089

加熱蒸留では、蒸留装置を用いて、所望のエタノールを留出液として、高純度で得ることができる。エタノールの蒸留時における蒸留器内の温度は、特に限定されないが、100℃以下であることが好ましく、70〜95℃程度であることがより好ましい。蒸留器内の温度を前記範囲に設定することにより、エタノールとその他の成分との分離、即ち、エタノールの蒸留をより確実に行うことができる。

0090

特に、液化工程において得られたエタノール含有液を、100℃以上のスチームを用いた加熱器を備えた蒸留装置に導入し、蒸留塔底部の温度を30分以内に90℃以上まで上昇させた後、上記エタノール含有液を蒸留塔中部から導入し、塔底部、塔中部、頭頂部の各部の温度差が、±15℃以内にて蒸留工程を行うことにより、高純度のエタノールを得ることができる。蒸留温度差は、好ましくは±13℃であり、より好ましくは±11℃である。上記蒸留温度差であれば、その他の成分との分離、即ち、エタノールの蒸留をより確実に行うことができる。

0091

理論に拘束されるわけではないが、上記エタノール含有液には、沸点が100℃以下のオルガノシロキサン(例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンヘキサメチルジシロキサン等)の形態でケイ素が含まれていると考えられる。このようなエタノールを蒸留して得られたエタノールには、エタノールと沸点が近いオルガノシロキサンを残留させることで、微量のケイ素を含有させることができる。本発明においては、上記の蒸留条件を調節することにより、留出液に含まれるエタノール中のケイ素含有量を調節することができる。その結果、最終的なエタノール中のケイ素含有量を調節することができる。なお、上記分離工程において、分離装置へのガス導入温度を20℃〜40℃に保持してオルガノシロキサンを合成ガス内で安定化させることで、最終的なエタノール中のケイ素含有量を調節することもできる。

0092

エタノールの蒸留時における蒸留装置内の圧力は、常圧であってもよいが、好ましくは大気圧未満、より好ましくは60〜95kPa(絶対圧)程度である。蒸留装置内の圧力を前記範囲に設定することにより、エタノールの分離効率を向上させること、ひいてはエタノールの収率を向上させることができる。エタノールの収率(蒸留後に留出液に含まれるエタノールの濃度)は、好ましくは90体積%以上であり、より好ましくは95体積%以上である。

0093

膜分離では、公知の分離膜を適宜用いることができ、例えばゼオライト膜を好適に用いることができる。

0094

精製工程において分離された留出液に含まれるエタノールの濃度は、20体積%〜99.99体積%であることが好ましく、より好ましくは60体積%〜99.9体積%である。
一方、缶出液に含まれるエタノールの濃度は、0.001体積%〜10体積%であることが好ましく、より好ましくは0.01体積%〜5体積%である。

0095

精製工程において分離された缶出液は、窒素化合物を実質的に含まない。なお、本発明において「実質的に含まない」とは、窒素化合物の濃度が0mg/Lであることを意味するものではなく、精製工程で得られる缶出液が排水処理工程を必要としない程度の窒素化合物濃度であることを意味する。分離工程においては、微生物発酵工程で得られたエタノール含有液から所望とするエタノールを精製するのではなく、上記のようにエタノール含有液を微生物を含む液体ないし固体成分と、エタノールを含む気体成分とに分離する。その際に、窒素化合物は、微生物を含む液体ないし固体成分側に残るため、エタノールを含む気体成分中には窒素化合物がほとんど含まれていない。そのため、気体成分を液化した液化物からエタノールを精製する際に得られる缶出液には窒素化合物が実質的に含まれていないと考えられる。缶出液が窒素化合物に含まれる場合であっても、窒素化合物の濃度は、0.1〜200mg/L、好ましくは0.1〜100mg/L、より好ましくは0.1〜50mg/Lである。

0096

また、上記と同様の理由により、精製工程において分離された缶出液はリン化合物を実質的に含まない。なお、「実質的に含まない」とは、リン化合物の濃度が0mg/Lであることを意味するものではなく、精製工程で得られる缶出液が排水処理工程を必要としない程度のリン化合物濃度であることを意味する。缶出液がリン化合物に含まれる場合であっても、リン化合物の濃度は、0.1〜100mg/L、好ましくは0.1〜50mg/L、より好ましくは0.1〜25mg/Lである。このように、本発明の方法によれば、エタノールの精製工程において排出される缶出液には、窒素化合物やリン化合物が実質的に含まれておらず、他の有機物も殆ど含まれていないと考えられるため、従来必要とされていた排水処理工程を簡素化することができる。

0097

<排水処理工程>
精製工程において分離された缶出液は、排水処理工程に供給されてもよい。排水処理工程において、缶出液からさらに窒素化合物やリン化合物等の有機物を除去することができる。本工程では、缶出液を嫌気処理または好気処理することで有機物を除去してもよい。除去された有機物は、精製工程における燃料(熱源)として利用してもよい。

0098

排水処理工程における処理温度は、通常は0〜90℃、好ましくは20〜40℃、より好ましくは30〜40℃である。

0099

分離工程を経て得られた缶出液は、微生物等を含む液体ないし固体成分が除去されているため、微生物発酵工程から直接精製工程に供給されて得られた缶出液よりも、排水処理などの負荷が軽減される。

0100

排水処理工程において、缶出液を処理して得られる処理液中の窒素化合物濃度は、好ましくは0.1〜30mg/L、より好ましくは0.1〜20mg/L、さらに好ましくは0.1〜10mg/Lであり、窒素化合物が含まれないことが特に好ましい。また、処理液中のリン化合物濃度は、好ましくは0.1〜10mg/L、より好ましくは0.1〜5mg/L、さらに好ましくは0.1〜1mg/Lであり、缶出液中にリン化合物が含まれないことが特に好ましい。

0101

<エタノールの用途>
本発明によるエタノールは、様々な有機化合物製造原料として用いることができる。例えば、本発明によるエタノールは、ブタジエン、エチレン、プロピレン、イソブテン、アセトアルデヒド、酢酸、酢酸エチル、(メタ)アクリル酸メチル、エチル−t−ブチルエーテルエチレングリコール、エステル組成物、ポリエステル、アクリル酸、アミノヘキサン酸、ジエチルカーボネート、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリイソブチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンフラノエート(PEF)、ポリウレタン(PU)等の製造の原料として用いることができる。以下、本発明のエタノールを原料としてブタジエンを合成する方法、ならびにポリエチレンおよびポリエステルを製造する方法を一例として説明するが、他の化成品やポリマー原料にも使用できることはいうまでもない。

0102

<ブタジエンの合成方法
ブタジエンは、主に石油からエチレンを合成(即ち、ナフサクラッキング)する際に副生するC4留分を精製することにより製造されており、合成ゴムの原料である。しかし、近年、石油から得られる化学工業原料に代えて、化石燃料由来ではないエタノール(微生物発酵由来のエタノール)を1,3−ブタジエンに変換する技術が切望されている。このような微生物発酵由来のエタノールを原料としてブタジエンを合成する方法としては、触媒としてMgOを使用する方法、Al2O3とZnOの混合物を使用する方法、マグネシウムシリケート構造を有する触媒等が知られている。触媒としては、上記した以外にも、バナジウムマンガン、鉄、コバルトニッケル、銅、亜鉛ガリウムニオブ、銀、インジウムセリウム等が使用される。

0103

本発明のエタノールと上記した触媒とを接触させ加熱することによりエタノール転化反応が生じて、1,3−ブタジエンを合成することができる。本発明のエタノールを原料としてブタジエンを合成することで、石油資源に依らない究極の資源循環社会を実現することが可能となる。

0104

当該転化反応を進行させるための加熱温度としては、反応系内の温度が、例えば300〜450℃、好ましくは350〜400℃となる程度である。反応系内の温度が上記範囲を下回ると、触媒活性が十分に得られなくなって反応速度が低下し製造効率が低下する傾向がある。一方、反応系内の温度が上記範囲を上回ると、触媒が劣化し易くなる恐れがある。

0105

反応は、回分式、半回分式、連続式等の慣用の方法により行うことができる。回分式または半回分式を採用した場合は、エタノールの転化率を高くすることができるが、本発明に係るエタノールであれば、連続式を採用しても、従来に比べて効率よくエタノールを転化することができる。この理由は明らかではないが、本発明のような一酸化炭素および水素を含むガスを基質とする循環型資源由来のエタノールには、ガスクロマトグラフ質量分析法によって測定されたガスクロマトグラフにおいて、化石燃料由来のエタノールには見られない特有のピークが存在することによるものと考えられる。

0106

原料を上記触媒に接触させる方法としては、例えば、懸濁床方式、流動床方式、固定床方式等を挙げることができる。また、気相法、液相法のいずれであってもよい。触媒の回収や再生処理が簡便な点で、上記触媒を反応管に充填して触媒層を形成し、原料をガスとして流通させて気相にて反応させる固定床式気相連続流反応装置を用いることが好ましい。 気相で反応を行う場合、本発明のエタノールをガス化して希釈することなく反応器に供給してもよく、窒素、ヘリウムアルゴン炭酸ガスなどの不活性ガスにより適宜希釈して反応器に供給してもよい。

0107

エタノールの転化反応が終了した後、反応生成物(1,3−ブタジエン)は、例えば、濾過濃縮、蒸留、抽出等の分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製することができる。

0108

<ポリエチレン>
本発明によるエタノールは、汎用プラスチックとして多岐に使用されているポリエチレンの原料としても好適に使用することができる。従来のポリエチレンは、石油からエチレンを合成し、エチレンモノマー重合することにより製造されていた。本発明のエタノールを使用してポリエチレンを製造することにより、石油資源に依らない究極の資源循環社会を実現することが可能となる。

0109

先ず、本発明によるエタノールを原料として、ポリエチレンの原料であるエチレンを合成する。エチレンの製造方法は、特に限定されず、従来公知の方法により得ることができ、一例として、エタノールの脱水反応によりエチレンを得ることができる。エタノールの脱水反応によりエチレンを得る際には通常触媒が用いられるが、この触媒は、特に限定されず、従来公知の触媒を用いることができる。プロセス上有利なのは、触媒と生成物の分離が容易な固定床流通反応であり、例えば、γ—アルミナ等が好ましい。

0110

脱水反応は吸熱反応であるため、通常加熱条件で行う。商業的に有用な反応速度で反応が進行すれば、加熱温度は限定されないが、好ましくは100℃以上、より好ましくは250℃以上、さらに好ましくは300℃以上の温度が適当である。上限も特に限定されないが、エネルギー収支および設備の観点から、好ましくは500℃以下、より好ましくは400℃以下である。

0111

反応圧力も特に限定されないが、後続気液分離を容易にするため常圧以上の圧力が好ましい。工業的には触媒の分離の容易な固定床流通反応が好適であるが、液相懸濁床、流動床等でもよい。

0112

エタノールの脱水反応においては、原料として供給するエタノール中に含まれる水分量によって反応の収率が左右される。一般的に、脱水反応を行う場合には、水の除去効率を考えると水が無いほうが好ましい。しかしながら、固体触媒を用いたエタノールの脱水反応の場合、水が存在しないと他のオレフィン、特にブテン生成量が増加する傾向にある。許容される水の含有量の下限は、0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上必要である。上限は特に限定されないが、物質収支上および熱収支の観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。

0113

上記のようにしてエタノールの脱水反応を行うことにより、エチレン、水および少量の未反応エタノールの混合部が得られるが、常温において約5MPa以下ではエチレンは気体であるため、これら混合部から気液分離により水やエタノールを除きエチレンを得ることができる。この方法は公知の方法で行えばよい。続いて気液分離により得られたエチレンはさらに蒸留され、このときの操作圧力が常圧以上であること以外は、蒸留方法、操作温度、および滞留時間等は特に制約されない。

0114

本発明のような一酸化炭素および水素を含むガスを基質とする循環型資源由来のエタノールには、ガスクロマトグラフ質量分析法によって測定されたガスクロマトグラフにおいて、化石燃料由来のエタノールには見られない特有のピークが存在する。そのため、エタノールから得られたエチレンには、極微量の不純物が含まれていると考えられる。エチレンの用途によっては、これら極微量の不純物が問題となるおそれがあるので、精製により除去しても良い。精製方法は、特に限定されず、従来公知の方法により行うことができる。好適な精製操作としては、例えば、吸着精製法をあげることができる。用いる吸着剤は特に限定されず、従来公知の吸着剤を用いることができる。例えば、エチレン中の不純物の精製方法として苛性水処理を併用してもよい。苛性水処理をする場合は、吸着精製前に行うことが望ましい。その場合、苛性処理後、吸着精製前に水分除去処理を施す必要がある。

0115

エチレンを含むモノマー重合方法は、特に限定されず、従来公知の方法により行うことができる。重合温度重合圧力は、重合方法や重合装置に応じて、適宜調節するのがよい。重合装置についても特に限定されず、従来公知の装置を用いることができる。以下、エチレンを含むモノマーの重合方法の一例を説明する。

0116

ポリオレフィン、特に、エチレン重合体やエチレンとα−オレフィン共重合体の重合方法は、目的とするポリエチレンの種類、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、および直鎖状低密度ポリエチレンLLDPE)等の密度分岐の違いにより、適宜選択することができる。例えば、重合触媒として、チーグラーナッタ触媒等のマルチサイト触媒や、メタロセン系触媒等のシングルサイト触媒を用いて、気相重合スラリー重合溶液重合、および高圧イオン重合のいずれかの方法により、1段または2段以上の多段で行うことが好ましい。

0117

上記のシングルサイト触媒とは、均一な活性種を形成しうる触媒であり、通常、メタロセン系遷移金属化合物非メタロセン遷移金属化合物活性化用助触媒とを接触させることにより、調整される。シングルサイト触媒は、マルチサイト触媒に比べて、活性点構造が均一であるため、高分子量かつ均一度の高い構造の重合体を重合することができるため好ましい。シングルサイト触媒としては、特に、メタロセン系触媒を用いることが好ましい。メタロセン系触媒は、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表IV族の遷移金属化合物と、助触媒と、必要により有機金属化合物と、担体の各触媒成分とを含む触媒である。

0118

シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物において、そのシクロペンタジエニル骨格とは、シクロペンタジエニル基置換シクロペンタジエニル基等である。置換シクロペンタジエニル基としては、炭素数1〜30の炭化水素基等の置換基を有するものである。遷移金属としては、ジルコニウムチタンハフニウム等が挙げられ、特にジルコニウム、ハフニウムが好ましい。該遷移金属化合物は、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子としては通常2個を有し、各々のシクロペンタジエニル骨格を有する配位子は架橋基により互いに結合しているものが好ましい。上記した遷移金属化合物は、一種または二種以上の混合物を触媒成分とすることができる。

0119

助触媒としては、上記した遷移金属化合物を重合触媒として有効になしうる、または触媒的に活性化された状態のイオン性電荷を均衝させうるものをいう。助触媒としては、有機アルミニウムオキシ化合物ベンゼン可溶のアルミノキサンやベンゼン不溶の有機アルミニウムオキシ化合物、イオン交換性層状珪酸塩ホウ素化合物活性水素基含有あるいは非含有のカチオン非配位性アニオンからなるイオン性化合物酸化ランタン等のランタノイド塩酸化スズフルオロ基を含有するフェノキシ化合物等が挙げられる。

0120

上記した遷移金属化合物は、無機または有機化合物の担体に担持して使用されてもよい。該担体としては無機または有機化合物の多孔質酸化物が好ましく、具体的には、モンモリロナイト等のイオン交換性層状珪酸塩、SiO2、Al2O3、MgO、ZrO2、TiO2、B2O3、CaO、ZnO、BaO、ThO2等またはこれらの混合物が挙げられる。

0121

更に必要により使用される有機金属化合物としては、有機アルミニウム化合物有機マグネシウム化合物有機亜鉛化合物等が例示される。このうち有機アルミニウムが好適に使用される。

0122

また、ポリオレフィンとして、エチレンの重合体やエチレンとα−オレフィンの共重合体を、単独で用いてもよいし、二種以上混合して用いてもよい。

0123

<アセトアルデヒド>
アセトアルデヒドは工業用原料として重要な化学薬品である。アセトアルデヒドは、例えば、酢酸や酢酸エチルの原料として有用である。

0124

アセトアルデヒドは、従来公知の方法によりエタノールを酸化して製造することができる。例えば、エタノールを塩素によって酸化して、アセトアルデヒドを製造することができる。塩素は、通常、気体状態でエタノールと反応させる。塩素は略100%の濃度で供給してもよいし、不活性ガス(例えば、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン等)によって希釈して供給してもよい。この場合の希釈の程度は、反応効率を考慮して、50重量%以下、好ましくは25重量%以下が挙げられる。エタノールと塩素とは、例えば、エタノール水溶液100gに対して、25〜100sccmの供給量で反応させることが好ましい。

0125

エタノールの塩素による酸化は、塩素ガス塩化水素五塩化リン三塩化リンオキシ塩化リン塩化チオニル次亜塩素酸化合物等の塩素含有化合物を使用して行うことが好ましい。この酸化は、例えば、光反応熱反応触媒反応等により実現することができる。これらの中でも、エタノールの塩素ガスによる光塩素化熱塩素化による酸化が好ましく、より好ましくは塩素ガスによる光塩素化による酸化である。光反応としては、紫外線可視光線等の種々の波長の光を照射する方法が挙げられるが、これらの中でも、300〜500nm程度の波長を有する光源からの光を照射して反応させることが好ましい。光源は、特に限定されることはなく、蛍光灯水銀ランプハロゲンランプキセノンランプメタルハライドランプエキシマランプLEDランプ等を用いることができる。反応温度は、0〜80℃程度、好ましくは0〜50℃程度が適している。反応時間は、1〜5時間程度が適している。

0126

また、他の例として、エタノールを気相で酸素分子および触媒の存在下で酸化して、アセトアルデヒドを製造することができる。このような触媒としては、例えば、金微粒子を分散・固定した卑金属酸化物を用いることができる。卑金属酸化物としては、La2O3、MoO3、Bi2O3、SrO、Y2O3、MgO、BaO、WO3、CuOおよびそれらを1種類以上含む複合酸化物が挙げられる。

0127

エタノールの酸化反応は、エタノールと酸素分子を含有する気体を前記触媒と、例えば100〜280℃で接触させることによって行われる。反応に用いられる酸素分子は、酸素ガスとして供給されてもよいし、空気が用いられてもよい。また前記気体である原料ガスには、必要に応じ希釈ガスキャリアガス)が含有されてもよい。このとき反応に用いられる装置は、通常気相反応を行う際に利用されている一般的な装置によればよい。例えば、触媒を反応管内に充填し、反応管を所定の温度に加熱した状態で、エタノールおよび酸素ガスあるいは空気を含有する気体を反応管に送り込み、これら原料ガスと触媒とを接触させ、反応ガスを回収することにより行われる。反応圧は、常圧で行われればよく、必要であれば0.5〜5Pa(気圧)程度加圧してもよい。希釈ガスとしては、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素などのいわゆる不活性ガスが用いられる。希釈ガスの使用量は、原料ガスの組成、流量、反応熱などを案して適宜決定すればよいが、通常エタノールに対し、1〜100容量倍とされることが好ましい。

0128

反応管に供給されるエタノールと酸素分子(酸素ガス)の割合は、特に限定されるわけではないが、通常エタノールに対し、酸素ガスあるいは空気中の酸素ガス0.5〜100体積%であり、好ましくは1〜10体積%、より好ましくは2〜5体積%である。触媒の使用量も、特に限定されるものではないが、反応管の内径が6〜10mmの条件であれば、一般的には0.1〜1.0g程度とされればよい。実用的には、ガス流量との関係で、空間速度(SV)が10,000〜40,000hr−1・ml・gcat−1程度の範囲内となる量を使用することが好ましい。

0129

さらに、アセトアルデヒドは、エタノールを触媒の存在下で脱水素化して製造することもできる。このような触媒としては、例えば、活性種としての銅を含有する固体触媒を用いることができる。活性種としての銅は、エタノールをアセトアルデヒドに変換する活性を有する形態であればよく、金属銅単体)、銅化合物酸化物水酸化物銅塩硫酸銅リン酸銅硝酸銅炭酸銅などの無機酸塩;カルボン酸の銅塩などの有機酸塩など)など)のいずれの形態であってもよい。固体触媒は、このような銅単体及び銅化合物から選択された少なくとも一種を含有すればよい。活性種としての銅は、金属銅の形態であるのが好ましい。また、銅は、金属銅又は銅化合物の形態で、そのまま用いてもよく、担体に担持させた形態で用いてもよい。なお、活性種としての銅は、固体触媒の主たる触媒として作用すればよく、助触媒などと組み合わせて用いてもよい。また、固体触媒は、銅及び助触媒の双方が担体に担持された形態であってもよい。

0130

上記脱水素反応は、エタノールを固体触媒と接触できればよく、液相反応であってもよいが、通常、気体状のエタノールと固体触媒とを気相で接触させる気相反応である場合が多い。エタノールとアセトアルデヒドとの平衡関係触媒寿命などの点から、150〜350℃、好ましくは170〜300℃、さらに好ましくは200〜280℃程度であってもよい。なお、反応温度は、高温であるほど、平衡がアセトアルデヒド側に移行するため、転化率を向上できる。反応は、加圧下で行ってもよいが、簡便性の点から常圧下で行ってもよい。また、エタノール転化率に有利である点から減圧下で行うこともできる。

0131

<酢酸>
酢酸は工業用原料として重要な化学薬品である。酢酸は、例えば、酢酸ビニルモノマー無水酢酸酢酸エステル等の原料として有用である。

0132

酢酸は、従来公知の方法によりアセトアルデヒドの酸化によって製造することができる。例えば、アセトアルデヒドを触媒の存在下で空気酸化によって、酢酸を製造することができる。触媒としては、酢酸マンガン酢酸コバルトが挙げられる。

0133

<エチル−t−ブチルエーテル>
エチル−t−ブチルエーテル(ETBE)は工業用原料として重要な化学薬品である。ETBEは、例えば、ガソリン代替燃料、特にハイオク燃料として有用である。

0134

ETBEは、従来公知の方法によりエタノールとイソブテンから合成することができる。例えば、エタノールとイソブテンを反応触媒の存在下で反応させて製造することができる。原料のエタノールに対するイソブテンのモル比は0.1〜10モルであることが好ましく、0.5〜2モルであることがより好ましい。

0135

反応触媒としては陽イオン交換樹脂を用いることが好ましく、強酸性陽イオン交換樹脂を用いることがより好ましい。このような強酸性陽イオン交換樹脂としては、イオン交換基としてスルホン酸基(−SO3H)等の強酸基が導入された多孔質タイプMR形)のスチレン系樹脂が好ましい。強酸性陽イオン交換樹脂の粒径は、0.5〜1.0mmであることが好ましい。反応触媒の使用量は、エタノール1モルに対して、1〜90gであることが好ましく、1〜90gであることがより好ましく、4〜9gであることが更に好ましい。

0136

また、反応触媒の使用方法は、特に限定されず、固定床、流動床、懸濁床の状態で反応に用いることができる。また、イソブテンとエタノールとを反応させる形式は、特に制限はないが、エタノールが液相を保持出来る加圧気液混相反応方式で施すことが好ましい。この場合、得られるETBEの収率がより向上する。

0137

エステル
エタノールを種々のカルボン酸と反応させることにより多種多様なエステルを合成することができる。例えば、エタノールと安息香酸とから安息香酸エチルが得られ、またエタノールからエチレンを経てポリエステルの原料であるジエチレングリコール等を得ることもできる。本発明のエタノールを使用してポリエチレンを製造することにより、石油資源に依らない究極の資源循環社会を実現することが可能となる。

0138

ポリエステルは、ジオール単位ジカルボン酸単位とからなり、ジオール単位としてエチレングリコールを用い、ジカルボン酸単位としてテレフタル酸およびイソフタル酸等を用いて重縮合反応により得られるものである。エチレングリコールは、本発明のエタノールを原料としたものであり、例えば、エタノールを、従来公知の方法により、エチレンオキサイドを経由してエチレングリコールを生成する方法等によりエチレングリコールを得ることができる。

0139

ジカルボン酸としては、芳香族ジカルボン酸脂肪族ジカルボン酸、およびそれらの誘導体を制限なく使用することができる。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸およびイソフタル酸等が挙げられ、芳香族ジカルボン酸の誘導体としては、芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステル、具体的には、メチルエステルエチルエステルプロピルエステルおよびブチルエステル等が挙げられる。これらの中でも、テレフタル酸が好ましく、芳香族ジカルボン酸の誘導体としては、ジメチルテレフタレートが好ましい。また、脂肪族ジカルボン酸としては、具体的には、シュウ酸コハク酸グルタル酸アジピン酸セバシン酸ドデカン二酸ダイマー酸ならびにシクロヘキサンジカルボン酸等の通常炭素数が2以上40以下の鎖状或いは脂環式ジカルボン酸が挙げられる。また、脂肪族ジカルボン酸の誘導体として、上記脂肪族ジカルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステルおよびブチルエステル等の低級アルキルエステルや、例えば無水コハク酸等の上記脂肪族ジカルボン酸の環状酸無水物が挙げられる。これらのなかでも、アジピン酸、コハク酸、ダイマー酸またはこれらの混合物が好ましく、コハク酸を主成分とするものが特に好ましい。脂肪族ジカルボン酸の誘導体としては、アジピン酸およびコハク酸のメチルエステル、またはこれらの混合物がより好ましい。

0140

ポリエステルは、上記したジオール単位とジカルボン酸単位とを重縮合させる従来公知の方法により得ることができる。具体的には、上記のジカルボン酸成分とジオール成分とのエステル化反応及び/又はエステル交換反応を行った後、減圧下での重縮合反応を行うといった溶融重合の一般的な方法や、有機溶媒を用いた公知の溶液加熱脱水縮合方法によって製造することができる。

0141

重縮合反応は、重合触媒の存在下に行うのが好ましく、重合触媒としては、チタン化合物ジルコニウム化合物及びゲルマニウム化合物等が挙げられる。

0142

ジカルボン酸成分とジオール成分とのエステル化反応及び/又はエステル交換反応の反応温度は、通常、150〜260℃の範囲であり、反応雰囲気は、通常窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下である。

0143

重縮合反応工程において、鎖延長剤カップリング剤)を反応系に添加してもよい。鎖延長剤は、重縮合終了後、均一な溶融状態で、無溶媒で反応系に添加し、重縮合により得られたポリエステルと反応させる。

0144

得られたポリエステルは、固化させた後、さらに重合度を高めたり、環状三量体などのオリゴマーを除去するために、必要に応じて固相重合を行ってもよい。

0145

ポリエステルの製造工程において、その特性が損なわれない範囲において各種の添加剤を添加してもよく、例えば、可塑剤、紫外線安定化剤着色防止剤艶消し剤消臭剤難燃剤、耐候剤、帯電防止剤摩擦低減剤離型剤抗酸化剤イオン交換剤着色顔料等を添加することができる。

0146

本発明によるエタノールは、上記したポリマーに限られず、他の種々のポリマーの原料として使用することができ、得られたポリマーの成形品はカーボンニュートラルな材料であるため、石油資源に依らない究極の資源循環社会を実現することが可能となる。

0147

<エタノールを含む製品>
本発明によるエタノールは、上記したようなポリマー原料としてのみならず、様々な製品にも使用することができる。製品としては、例えば、化粧品、香水、燃料、不凍液、殺菌剤、消毒剤、清掃剤、カビ取り剤、洗剤、洗髪剤、石鹸、制汗剤、洗顔シート、溶剤、塗料、接着剤、希釈剤、食品添加物等の化成品が挙げられる。これらの用途に用いることで、用途に応じた適切な効果を発揮することができる。

0148

<燃料>
本発明によるエタノールは、燃料(例えば、ジェット燃料灯油軽油、ガソリン)等の原材料にも使用することができる。エタノールは、高い殺菌能を有するため、これらは、エンジン配管のような燃料系内で細菌等が繁殖するのを防止するための殺菌剤としても機能することができる。

0149

日本国の社団法人自動車技術規格(2006)では、燃料エタノール中のエタノールの濃度は、99.5体積%以上と定められている。他国でも(例えば、インド)でも、燃料エタノール中のエタノールの濃度は、99.5体積%以上と規定されている。したがって、純度99.5〜99.9体積%のエタノールは、エタノール専用車に好適に使用することができる。また、燃料エタノールは、エタノール専用車以外の用途にも使用することができるため、純度99.5〜99.9体積%のエタノールは、汎用性が特に高くなる。

0150

また、発明によるエタノールはガソリンと混合して、エタノール混合ガソリンとして使用することもできる。エタノール混合ガソリンを用いることで、環境負荷を低減することができる。エタノール混合ガソリンに用いられるエタノールは、純度が92.0体積%以上であって、好ましくは95.0体積%以上、更に好ましくは99.5体積%以上である。

0151

エタノール混合ガソリン中のエタノールの含有量は好ましくは1体積%以上15体積%以下であり、より好ましくは2体積%以上12体積%以下であり、更に好ましくは3体積%以上10体積%以下である。エタノールの含有量が1体積%以上であれば、エタノール配合によるオクタン価向上の利点が得られ、15体積%以下とすることで他のガソリン基材との共沸現象により蒸発特性が著しく変化することがなく、ガソリン自動車の適正な運転性が確保できる。

0152

また、エタノール混合ガソリン中の水分量は好ましくは0.01質量%以上0.9質量%以下であり、より好ましくは0.01質量%以上0.7質量%以下である。水分量の下限はガソリン基材の飽和水分量やエタノール中の水分量に依存するものであるが、実質的に0.01質量%程度である。上限は0.9質量%以下であれば、相分離を防止することができ、相分離した場合であっても、ガソリン層によってガソリンエンジンの適正な運転が可能となる。なお、水分量は、JIS K 2275に記載の“原油及び石油製品水分試験方法”により測定することができ、例えばカールフィッシャー式電量滴定法を用いることができる。

0153

ガソリン基材としては、通常使用されるガソリン基材を任意に用いることができ、特に限定されない。ガソリン基材としては、例えば、原油を常圧蒸留して得られる軽質ナフサ、好ましくはそれを脱硫した脱硫軽質ナフサ重質ナフサを脱硫後、接触改質して得られる接触改質ガソリン、及びそれを脱ベンゼン処理した脱ベンゼン接触改質ガソリン脱ベンゼン軽質接触改質ガソリン脱ベンゼン重質接触改質ガソリン、及びそれらを混合したもの、接触分解水素化分解法などで得られる分解ガソリン軽質分解ガソリン重質分解ガソリン、及びそれらを混合したもの、軽質ナフサを異性化して得られる異性化ガソリン等が挙げられる。

0154

さらに、発明によるエタノールを原料としたETBEはガソリンと混合して、ETBE混合ガソリンとして使用することができる。ETBE混合ガソリンを用いることで、環境負荷を低減することができる。ETBE混合ガソリンのETBEの含有量は好ましくは1体積%以上15体積%以下であり、より好ましくは2体積%以上12体積%以下であり、更に好ましくは3体積%以上10%以下である。ETBEの含有量が1体積%以上であれば、ETBE配合によるオクタン価向上の利点が得られ、15体積%以下とすることで他のガソリン基材との共沸現象により蒸発特性が著しく変化することがなく、ガソリン自動車の適正な運転性が確保できる。

0155

以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。

0156

エタノール成分評価方法
以下の実施例、比較例において、エタノール中のケイ素の含有量を、パーキンエルマー社製の誘導結合プラズマ質量分析装置(Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometry:ICP−MS)ELAN DRCIIを用いて測定した。

0157

<ブタジエン定量方法
ブタジエンの定量評価を、ガスクロマトグラフィー装置GC−2014、SHIMADZU社製)を用いた解析により行った。測定条件は以下のとおりとした。
<GC/MS法分析条件
カラム:Rt−Q−BOND(長さ30m、内径0.32mm、膜厚10μm)
オーブン温度:60℃、11.5分間→10℃/分→100℃、14.5分間→10℃/分→250℃
サンプリング時間:5分
キャリアガス:He(30cm/s)
スプリット比率:75

0158

<安息香酸エチル定量方法>
安息香酸エチルの定量評価を、ガスクロマトグラフィー装置を用いた解析により行った。測定条件は以下のとおりとした。
<GC/MS法の分析条件>
カラム:DB−1(長さ30.0m、内径0.254mm、膜厚0.25m)
昇温条件:30℃−300℃ 15℃/min
キャリアガス:He 100kPa
スプリット比:50

0159

<燃焼効率定量方法>
エタノールの燃焼効率の定量評価をFTT社製のコーンカロリーメータを用いた総発熱量解析により行った。

0160

[実施例1]
<エタノールの調製>
以下のようにして、エタノールを製造した。
(原料ガス生成工程)
ごみ焼却設備で一般廃棄物を燃焼した後に排出されるガスを用いた。原料ガスの成分は、一酸化炭素約30体積%、二酸化炭素約30体積%、水素約30体積%および窒素は約10体積%であった。

0161

(合成ガス精製工程)
上記にて製造された原料ガスを不純物除去装置であるPSA装置を用いて、ガス温度を80℃まで加温した条件にて、合成ガス中に含まれている二酸化炭素を、もとの含有量(約30体積%)の60〜80体積%となるように除去した後、150℃のスチームを用いた二重管式熱交換器にて、ガスの昇温と25℃の冷却水を用いた二重管式熱交換器を用いて再冷却を行い、不純物を析出させ析出した不純物をフィルターで除去することにより、合成ガスを製造した。

0162

(微生物発酵工程)
主反応器、合成ガス供給孔、および排出孔を備えた、クロストリジウム・オートエタノゲナム(微生物)の種菌と、菌培養用の液状培地(リン化合物、窒素化合物および各種ミネラル等を適切量含む)を充填した連続発酵装置(微生物発酵槽)に、上記のようにして得られた合成ガスを連続的に供給し、培養(微生物発酵)を連続300時間行った。その後、排出孔からエタノールを含有する培養液を約8000L抜き出した。

0163

(分離工程)
上記発酵工程で得られた培養液を、固液分離フィルター装置を用いて培養液導入圧200kPa以上の条件にて、エタノール含有液を得た。

0164

(蒸留工程)
続いて、エタノール含有液を、170℃のスチームを用いた加熱器を備えた蒸留装置に導入した。蒸留塔底部の温度を8〜15分以内に101℃まで上昇させた後、上記エタノール含有液を蒸留塔中部から導入し、連続運転時においては、塔底部を101℃、塔中部を99℃、頭頂部を91℃にて、15秒/Lの条件にて連続運転し、精製されたエタノールを得た。得られたエタノール中のケイ素の含有量は50mg/Lであった。

0165

(ブタジエンの製造方法)
上記のようにして得られたエタノールを用いてブタジエンを製造した。先ず、得られたエタノールは、反応に供するガスとするため、90℃に熱した単管にエタノールを通して気化させ、気化したエタノールガスを窒素と合流させた。この際のエタノールガスの流量をSV360L/hr/L、窒素をSV840L/hr/Lとなるようにマスフローコントロールすることでエタノール30体積%(気体換算)と窒素70体積%(気体換算)との混合ガスとした。続いて、Hf、ZnおよびCeを主成分とするブタジエン合成用触媒0.85gが充填された直径1/2インチ(1.27cm)、長さ15.7インチ(40cm)のステンレス製円筒型の反応管を、温度350℃、圧力(反応床の圧力)0.1MPaに保持しながら上記混合ガスを連続的に供給することにより、ブタジエン含有ガスを得た。得られたブタジエン含有ガスをGC−2014(SHIMADZU社製)のガスクロマトグラフィー装置を用いてブタジエンの含有量を定量した。結果は表1に示されるとおりであった。

0166

[比較例1]
化石燃料由来エタノールである99度エタノール(甘糟化学産業株式会社製)を用いて、実施例1と同様の方法によりブタジエンを製造し、実施例1と同様にしてブタジエンの含有量を定量した。結果は表1に示されるとおりであった。なお、化石燃料由来エタノールである99度エタノール中のSi濃度は測定不可検出限界以下)であった。

0167

[比較例2]
植物の糖化発酵由来である99度エタノール(甘糟化学産業株式会社製)を用いて、実施例1と同様の方法によりブタジエンを製造し、実施例1と同様にしてブタジエンの含有量を定量した。結果は表1に示されるとおりであった。なお、植物の糖化発酵由来である99度エタノール中のSi濃度は測定不可(検出限界以下)であった。

0168

0169

表1に示されるとおり、ごみ焼却設備で一般廃棄物を燃焼した後に排出されるガスを用いて製造されたエタノールは、従来の化石燃料由来のエタノールや植物からの糖化発酵由来のエタノールに比べて、ブタジエンへの変換効率が高いことが分かった。

0170

[実施例2]
(安息香酸エチルの製造)
実施例1で使用したエタノールと同じエタノールを用い、以下のようにして安息香酸エチルを製造した。先ず、アルゴン気流下において、安息香酸36.8gとエタノール200mlを混合させ、濃硫酸9mlを加えて還流させながら時間攪拌した。その後、室温まで放冷し、減圧下で未反応エタノールを除去し、ジエチルエーテル100mlで合成した安息香酸エチルを回収した。回収した液を蒸留水洗浄し、硫化マグネシウムを用いて乾燥させた後、ろ過濃縮した。
得られたろ液を、ガスクロマトグラフィー装置を用いて成分分析を行い、安息香酸エチル合成量を定量した。その際の分析条件を以下に示す。分析結果は表2に示されるとおりであった。
カラム:DB−1(長さ30.0m、内径0.254mm、膜厚0.25m)
昇温条件:30−300℃ 15℃/min
キャリアガス:He 100kPa
スプリット比:50

0171

[比較例3]
比較例1で使用した石油化学由来のエタノールを用いた以外は実施例2と同様にして安息香酸エチルを製造し、定量した。分析結果は表2に示されるとおりであった。

0172

[比較例4]
比較例2で使用した石油化学由来のエタノールを用いた以外は実施例2と同様にして安息香酸エチルを製造し、定量した。分析結果は表2に示されるとおりであった。

0173

0174

表2に示されるとおり、ごみ焼却設備で一般廃棄物を燃焼した後に排出されるガスを用いて製造されたエタノールは、従来の化石燃料由来のエタノールや植物からの糖化発酵由来のエタノールに比べて、安息香酸エチルへの変換効率が高いことが分かった。

0175

[実施例3]
実施例1で使用したエタノールと同じエタノールを用いエタノールの燃焼効率を定量した。燃料効率は、無加熱条件下にて、長さ60mm×幅60mm×高さ30mmの耐熱容器にエタノール30gを加えたのち着火し、コーンカロリーメータ(FTT社製)内で完全に燃焼しきるまでの酸素減少量を測定し、酸素減少量に基づいて総発熱量を算出することにより定量した。定量結果は表3に示されるとおりであった。

0176

[比較例5]
比較例1で使用したエタノールを使用した以外は、実施例3と同様にしてエタノールの燃焼効率を定量した。定量結果は表3に示されるとおりであった。

0177

[比較例6]
比較例2で使用したエタノールを使用した以外は、実施例3と同様にしてエタノールの燃焼効率を定量した。定量結果は表3に示されるとおりであった。

0178

実施例

0179

表3に示されるとおり、ごみ焼却設備で一般廃棄物を燃焼した後に排出されるガスを用いて製造されたエタノールは、従来の化石燃料由来のエタノールや植物からの糖化発酵由来のエタノールに比べて、燃焼効率が高いことが分かった。

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