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技術 活物質、電極、二次電池、電池パック及び車両

出願人 株式会社東芝
発明者 高見則雄保科圭吾石橋充中野義彦原田康宏
出願日 2019年3月13日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-045419
公開日 2020年9月17日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-149829
状態 未査定
技術分野 電池の電極及び活物質
主要キーワード ICP発光分析法 積層形状 取出穴 粒状形状 適量範囲 外周端近傍 皮膜抵抗 対象電極
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題

大電流性能サイクル寿命性能に優れた電極及び二次電池、これらを実現することが可能な活物質、該二次電池を含む電池パック及び車両を提供する。

解決手段

実施形態によれば、Liイオン吸蔵放出することが可能な単斜晶型のニオブチタン複合酸化物粒子と、ニオブチタン複合酸化物粒子の表面の少なくとも一部を被覆する炭素繊維とを含む、活物質が提供される。単斜晶型のニオブチタン複合酸化物粒子は下記(1)式を満たす。単斜晶型のニオブチタン複合酸化物粒子の平均一次粒子径が0.05μm以上2μm以下の範囲である。炭素繊維は、Fe、Co及びNiからなる群から選択される1種類以上の金属元素を含有する。炭素繊維は、下記(2)式を満たす。また、炭素繊維の平均繊維径は5nm以上100nm以下の範囲である。

概要

背景

リチウムイオン吸蔵放出する黒鉛質材料炭素質材料を負極に用いた非水電解質電池は、高エネルギー密度携帯機器用電池として商品化されている。近年、電池のエネルギー密度をさらに向上させるため、正極活物質としてLiCoO2及びLiMn2O4に替わってLiNiaCobAl1−a−bO2やLiNiaCobMn1−a−bO2などのNiを含有したリチウム金属酸化物の実用化が進められている。

一方、自動車電車などの車に搭載する場合、高温環境下での貯蔵性能サイクル性能、高出力の長期信頼性などから、正極、負極の構成材料には、化学的電気化学的な安定性、強度、耐腐食性の優れた材料が求められる。さらに、正極、負極の構成材料には、寒冷地での高い性能、低温環境下(−40℃)での高出力性能、及び、長寿命性能が要求されている。一方、非水電解質として安全性能向上の観点から不揮発性不燃性電解液の開発が進められているが、出力特性低温性能、長寿命性能の低下を伴うことからいまだ実用化されていない。

以上説明した通り、リチウムイオン電池を車などに搭載するためには、高温耐久性サイクル寿命、安全性、出力性能が課題となっている。

黒鉛質材料や炭素質材料の負極に代わって、TiO2やLi4Ti5O12などのチタン酸化物を負極として用いることで、電池の寿命性能や安全性が改善されるものの、エネルギー密度が低下する。電池のエネルギー密度の低下は、チタン酸化物の負極電位(vs.Li)が約1.5Vと高く電池電圧が低下することと、負極容量が小さいためである。そのため、電池容量を増大するためには高容量で出力性能と寿命性能に優れたチタン系酸化物が必要である。

概要

大電流性能サイクル寿命性能に優れた電極及び二次電池、これらを実現することが可能な活物質、該二次電池を含む電池パック及び車両を提供する。実施形態によれば、Liイオンを吸蔵放出することが可能な単斜晶型のニオブチタン複合酸化物粒子と、ニオブチタン複合酸化物粒子の表面の少なくとも一部を被覆する炭素繊維とを含む、活物質が提供される。単斜晶型のニオブチタン複合酸化物粒子は下記(1)式を満たす。単斜晶型のニオブチタン複合酸化物粒子の平均一次粒子径が0.05μm以上2μm以下の範囲である。炭素繊維は、Fe、Co及びNiからなる群から選択される1種類以上の金属元素を含有する。炭素繊維は、下記(2)式を満たす。また、炭素繊維の平均繊維径は5nm以上100nm以下の範囲である。 なし

目的

特開2010−287496号公報
US2012/0052401A1 米国公開公報






実施形態は、大電流性能とサイクル寿命性能に優れた電極及び二次電池、これらを実現することが可能な活物質、該二次電池を含む電池パック及び車両を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

下記(1)式を満たし、かつLiイオン吸蔵放出することが可能な単斜晶型のニオブチタン複合酸化物粒子と、前記ニオブチタン複合酸化物粒子の表面の少なくとも一部を被覆し、Fe、Co及びNiからなる群から選択される1種類以上の金属元素を含有し、かつ下記(2)式を満たす平均繊維径5nm以上100nm以下の範囲の炭素繊維とを含み、前記ニオブチタン複合酸化物粒子の平均一次粒子径が0.05μm以上2μm以下の範囲である、活物質。1.5≦(α/β)≦2.5(1)1/10000≦(γ/σ)≦1/100(2)但し、αは前記ニオブチタン複合酸化物粒子のNbのモル数で、βは前記ニオブチタン複合酸化物粒子のTiのモル数で、γは前記炭素繊維中の全金属元素の重量で、σは前記炭素繊維の炭素重量である。

請求項2

前記ニオブチタン複合酸化物粒子は、LixTiMwNb2±yO7±z(0≦x≦5、0≦y≦0.5、−0.3≦z≦0.3、0≦w≦0.01、MはTi及びNb以外の少なくとも一種類の金属)で表される単斜晶型のニオブチタン複合酸化物を含む、請求項1に記載の活物質。

請求項3

前記Mは、K及びTaよりなる群から選ばれる少なくとも一種の金属元素を含む、請求項2に記載の活物質。

請求項4

前記wは下記(3)式を満たす、請求項2〜3のいずれか1項に記載の活物質。0.001≦w≦0.005(3)

請求項5

前記(γ/σ)の値は、下記(4)式を満たす、請求項1〜4のいずれか1項に記載の活物質。1.5/10000≦(γ/σ)≦1/1000(4)

請求項6

請求項1〜5のいずれか1項に記載の活物質を含む、電極

請求項7

正極と、請求項1〜5のいずれか1項に記載の活物質を含む負極と、非水電解質とを含む、二次電池

請求項8

請求項7に記載の二次電池を含む電池パック

請求項9

通電用外部端子と、保護回路とを更に具備する請求項8に記載の電池パック。

請求項10

複数の前記二次電池を具備し、前記二次電池が、直列並列、又は直列及び並列を組み合わせて電気的に接続されている請求項8又は9に記載の電池パック。

請求項11

請求項8〜10の何れか1項に記載の電池パックを搭載した車両。

請求項12

前記車両の運動エネルギー回生エネルギーに変換する機構を含む請求項11に記載の車両。

技術分野

0001

本発明の実施形態は、活物質電極二次電池電池パック及び車両に関する。

背景技術

0002

リチウムイオン吸蔵放出する黒鉛質材料炭素質材料を負極に用いた非水電解質電池は、高エネルギー密度携帯機器用電池として商品化されている。近年、電池のエネルギー密度をさらに向上させるため、正極活物質としてLiCoO2及びLiMn2O4に替わってLiNiaCobAl1−a−bO2やLiNiaCobMn1−a−bO2などのNiを含有したリチウム金属酸化物の実用化が進められている。

0003

一方、自動車電車などの車に搭載する場合、高温環境下での貯蔵性能サイクル性能、高出力の長期信頼性などから、正極、負極の構成材料には、化学的電気化学的な安定性、強度、耐腐食性の優れた材料が求められる。さらに、正極、負極の構成材料には、寒冷地での高い性能、低温環境下(−40℃)での高出力性能、及び、長寿命性能が要求されている。一方、非水電解質として安全性能向上の観点から不揮発性不燃性電解液の開発が進められているが、出力特性低温性能、長寿命性能の低下を伴うことからいまだ実用化されていない。

0004

以上説明した通り、リチウムイオン電池を車などに搭載するためには、高温耐久性サイクル寿命、安全性、出力性能が課題となっている。

0005

黒鉛質材料や炭素質材料の負極に代わって、TiO2やLi4Ti5O12などのチタン酸化物を負極として用いることで、電池の寿命性能や安全性が改善されるものの、エネルギー密度が低下する。電池のエネルギー密度の低下は、チタン酸化物の負極電位(vs.Li)が約1.5Vと高く電池電圧が低下することと、負極容量が小さいためである。そのため、電池容量を増大するためには高容量で出力性能と寿命性能に優れたチタン系酸化物が必要である。

先行技術

0006

特開2010−287496号公報
US2012/0052401A1 米国公開公報

発明が解決しようとする課題

0007

実施形態は、大電流性能サイクル寿命性能に優れた電極及び二次電池、これらを実現することが可能な活物質、該二次電池を含む電池パック及び車両を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

実施形態によれば、Liイオンを吸蔵放出することが可能な単斜晶型のニオブチタン複合酸化物粒子と、ニオブチタン複合酸化物粒子の表面の少なくとも一部を被覆する炭素繊維とを含む、活物質が提供される。単斜晶型のニオブチタン複合酸化物粒子は下記(1)式を満たす。単斜晶型のニオブチタン複合酸化物粒子の平均一次粒子径が0.05μm以上2μm以下の範囲である。炭素繊維は、Fe、Co及びNiからなる群から選択される1種類以上の金属元素を含有する。炭素繊維は、下記(2)式を満たす。また、炭素繊維の平均繊維径は5nm以上100nm以下の範囲である。

0009

1.5≦(α/β)≦2.5 (1)
1/10000≦(γ/σ)≦1/100 (2)
但し、αは単斜晶型のニオブチタン複合酸化物粒子のNbのモル数で、βは単斜晶型のニオブチタン複合酸化物粒子のTiのモル数で、γは炭素繊維中の全金属元素の重量で、σは炭素繊維の炭素重量である。

0010

また、実施形態によれば、実施形態に係る活物質を含む電極が提供される。

0011

さらに、実施形態によれば、正極と、実施形態に係る活物質を含む負極と、非水電解質とを含む、二次電池が提供される。

0012

さらに、実施形態によれば、実施形態に係る二次電池を含む電池パックが提供される。

0013

また、実施形態によれば、実施形態に係る電池パックを含む車両が提供される。

図面の簡単な説明

0014

実施形態の二次電池の部分切欠断面図。
図1の電池についての側面図。
実施形態の二次電池を端子延出方向と垂直な方向に切断した断面図。
図3のA部の拡大断面図。
実施形態の二次電池を含む組電池の一例を示す斜視図。
実施形態の電池パックの分解斜視図。
図6の電池パックの電気回路を示すブロック図。
実施形態の二次電池が搭載された車両の例を示す模式図。
実施形態に係る車両の他の例を概略的に示した図。
実施例1の活物質の走査電子顕微鏡写真を示す図。
実施例1の活物質の走査電子顕微鏡写真を示す図。

0015

[第1の実施形態]
実施形態によれば、Liイオンを吸蔵放出することが可能な単斜晶型のニオブチタン複合酸化物粒子と、単斜晶型のニオブチタン複合酸化物粒子の表面の少なくとも一部を被覆する炭素繊維とを含む活物質が提供される。単斜晶型のニオブチタン複合酸化物粒子は下記(1)式を満たす。単斜晶型のニオブチタン複合酸化物粒子の平均一次粒子径が0.05μm以上2μm以下である。炭素繊維は、Fe、Co及びNiからなる群から選択される1種類以上の金属元素を含有し、かつ下記(2)式を満たす。炭素繊維の平均繊維径は5nm以上100nm以下の範囲である。

0016

1.5≦(α/β)≦2.5 (1)
1/10000≦(γ/σ)≦1/100 (2)
但し、αはニオブチタン複合酸化物粒子のNbのモル数で、βはニオブチタン複合酸化物粒子のTiのモル数で、γは炭素繊維中の全金属元素の重量で、σは炭素繊維の炭素重量である。

0017

上記炭素繊維は、ニオブチタン複合酸化物粒子の表面に分散しやすいため、ニオブチタン複合酸化物粒子の表面に均一に分散して表面を被覆する。その結果、電極抵抗が低下する。また、上記ニオブチタン複合酸化物は、充電容量を増大させるためにリチウム吸蔵量を多くすると、体積変化が大きくなる。実施形態の活物質は、リチウムイオンの吸蔵放出に伴う体積膨張収縮が繰り返されても炭素繊維の被覆による電子伝導ネットワークの効果を維持することができる。以上の結果、電池のレート性能とサイクル寿命性能が大幅に改善される。

0018

なお、炭素繊維中の金属元素は、高電位に晒されると電解質中に溶出するが、ニオブチタン複合酸化物のリチウムイオン吸蔵放出電位(1.5V(vs.Li/Li+)付近)では電極やセパレータ析出しないため、内部短絡を誘発する恐れがない。

0019

ニオブチタン複合酸化物粒子は、LixTiMwNb2±yO7±z(0≦x≦5、0≦y≦0.5、−0.3≦z≦0.3、0≦w≦0.01、MはTi及びNb以外の少なくとも一種類の金属)で表される単斜晶型のニオブチタン複合酸化物を含むことが望ましい。このニオブチタン複合酸化物粒子であることで、炭素繊維との混合により均一な分散と表面被覆が容易となり、電極内の電子伝導ネットワークが均一となりレート性能とサイクル寿命性能が大幅に向上する。

0020

また、Mは、K及びTaよりなる群から選ばれる少なくとも一種の金属元素を含むことが望ましい。K、Taなどの金属元素は、フラックスとして機能するため、低温熱処理によるニオブチタン複合酸化物の合成が可能となる。その結果、粒状粒子が得られやすくなる。合成時の熱処理温度が高いと、結晶成長が促進され粒子形状が棒状となる。棒状粒子は、充放電サイクルに伴う膨張収縮により割れが発生しやすい。その結果、電極において電子伝導のネットワークが遮断されてサイクル寿命が低下する可能性がある。0≦w≦0.01の適量範囲にすることで、ニオブチタン複合酸化物粒子を粒状形状とすることができ、かつ炭素繊維による表面被覆によって電子伝導のネットワークを維持することが可能となるため、サイクル寿命性能と放電レート性能は大幅に向上することができる。

0021

wは(3)式:0.001≦w≦0.005を満たすことが望ましい。これにより、元素Mによる副反応を抑えつつ、リチウムイオンの吸蔵放出に伴う粒子の割れによる電子伝導のネットワークの崩壊を抑制することができる。

0022

(2)式の(γ/σ)の値は、(4)式;1.5/10000≦(γ/σ)≦1/1000を満たすことが望ましい。これにより、活物質粒子間の電子伝導のネットワークが良好となるため、サイクル寿命性能と放電レート性能が向上する。

0023

(3)式及び(4)式を満たすことにより、活物質粒子間の電子伝導のネットワークがさらに良好となるため、サイクル寿命性能と放電レート性能が向上する効果が大きくなる。

0024

以下、活物質について詳細に説明する。

0025

単斜晶型のニオブチタン複合酸化物粒子は、(1)式;1.5≦(α/β)≦2.5を満たす。ここで、αはニオブチタン複合酸化物粒子のNbのモル数で、βはニオブチタン複合酸化物粒子のTiのモル数である。(α/β)が大きい方が活物質の容量を向上できる反面、ニオブチタン複合酸化物の電子伝導性が低下する。電子伝導性が良好で、かつ高容量を得るため、(α/β)の値が(1)式の範囲内であることが望ましい。(α/β)は0.8≦(α/β)≦1.9にすることが望ましい。この範囲であると、単斜晶型のLixTiNb2O7、NaxTiNb2O7の他にチタン酸化物相(例えばルチル型TiO2、TiOなど)を含むニオブチタン複合酸化物となるため、複合酸化物の電子伝導性が向上し、大電流放電性能に優れる。

0026

単斜晶型のニオブチタン複合酸化物粒子は、一次粒子であっても、一次粒子が凝集した二次粒子であっても良い。一次粒子であることが好ましい。ニオブチタン複合酸化物粒子に対して炭素繊維がより均一に分散するからである。

0027

単斜晶型のニオブチタン複合酸化物粒子の平均一次粒子径は0.05μm以上2μm以下の範囲であることが望ましい。この粒子サイズにすることにより、粒子内のLiイオンやNaイオン拡散に伴う抵抗が小さくなり、大電流放電性能と急速充電性能が大幅に向上する。平均一次粒子径を0.05μm以上にすることにより、高い結晶性が得られるため、高容量を得ることができる。平均一次粒子径のより好ましい下限値は0.1μmである。ニオブチタン複合酸化物粒子の平均一次粒子径は、0.5μm以下にすることがより好ましい。なお、一次粒子径は、粒子の直径であり得る。

0028

ニオブチタン複合酸化物粒子の平均一次粒子径は、例えば、以下の方法で測定される。レーザー回折分布測定装置(株式会社島津製作レーザー回折式粒度分布測定装置SALD-300)を用い、まず、ビーカー試料を約0.1gと界面活性剤と1〜2mLの蒸留水を添加して十分に攪拌した後、攪拌水槽注入し、2秒間隔で64回光度分布を測定し、粒度分布データ解析するという方法にて測定する。平均一次粒子径は、ニオブチタン複合酸化物粒子から炭素繊維を分離した後に測定される。分離方法は後述する。

0029

単斜晶型のニオブチタン複合酸化物は、LixTiMwNb2±yO7±z(0≦x≦5、0≦y≦0.5、−0.3≦z≦0.3、0≦w≦0.01、MはTi及びNb以外の少なくとも一種類の金属)で表されることが望ましい。

0030

単斜晶型のニオブチタン複合酸化物のLi量xは、充放電でのリチウムイオンの吸蔵放出により変動し得る。また、単斜晶型のニオブチタン複合酸化物は、合成時にリチウムを含有していなくても良い。また、合成時にリチウムを含まない単斜晶型のニオブチタン複合酸化物は、充放電におけるリチウムイオンの吸蔵放出によりリチウムが貯蔵され得る。

0031

Mの例には、K及びTaよりなる群から選ばれる少なくとも一種の金属元素が含まれる。K、Taなどの金属元素は、フラックスとして機能するため、低温熱処理によるニオブチタン複合酸化物の合成が可能となる。その結果、粒状粒子が得られやすくなる。0≦w≦0.01の適量範囲にすることで、ニオブチタン複合酸化物粒子を粒状形状とすることができ、かつ炭素繊維による表面被覆によって電子伝導のネットワークを維持することが可能となるため、サイクル寿命性能と放電レート性能は大幅に向上することができる。wは(3)式:0.001≦w≦0.005を満たすことが望ましい。これにより、元素Mによる副反応を抑えつつ、リチウムイオンの吸蔵放出に伴う粒子の割れによる電子伝導のネットワークの崩壊を抑制することができる。

0032

yは0以上0.5以下の範囲である。この範囲を超えると、固溶限界を超えて相分離するため、電極容量が低下する虞がある。より好ましい範囲は0.05≦y≦0.2である。

0033

zは単斜晶型ニオブチタン複合酸化物の還元状態によって変動する。zが−0.3を超えているものは、ニオブがあらかじめ還元されていて電極性能が低下するうえ、相分離する恐れがある。一方、z=+0.3までは測定誤差の範囲である。

0034

単斜晶型ニオブチタン複合酸化物は、Mg,Al、V、Fe,Mo,Sn及びWからなる群から選択される少なくとも1種を含み得る。

0035

炭素繊維は、Fe、Co及びNiからなる群から選択される1種類以上の金属元素を含有し、かつ下記(2)式を満たす。

0036

1/10000≦(γ/σ)≦1/100 (2)
γは炭素繊維中の全金属元素の重量で、σは炭素繊維の炭素重量である。

0037

上記金属元素を含む炭素繊維の例に、上記金属元素を触媒として含有した気相成長炭素繊維が含まれる。気相成長炭素繊維として、多層カーボンナノチューブ単層カーボンナノチューブなどが挙げられる。上記金属元素のうち好ましいのは、Fe、CoまたはFeとCoの両方を含むものである。

0038

(γ/σ)の値が1/10000未満であると、炭素繊維をニオブチタン複合酸化物粒子に対して均一に分散させて表面を被覆することが困難となり、サイクル寿命性能が低下する。一方、(γ/σ)の値が1/100を超えると、繊維径に対する繊維長比率(繊維長/繊維径)が適切な範囲を超えるものであるため、炭素繊維を電極内に分散することが困難となり、ニオブチタン複合酸化物粒子表面の被覆が困難となり、サイクル寿命性能は低下する。(γ/σ)の値は、(4)式;1.5/10000≦(γ/σ)≦1/1000を満たすことがより好ましい。上記金属元素の含有量は、酸処理等で調整することができる。

0039

また、(3)式及び(4)式を満たすことにより、活物質粒子間の電子伝導のネットワークがさらに良好となるため、サイクル寿命性能と放電レート性能が向上する効果が大きくなる。

0040

炭素繊維の平均繊維径は5nm以上100nm以下の範囲である。平均繊維径を5nm未満あるいは100nmを超えると、炭素繊維をニオブチタン複合酸化物粒子に対して均一に分散させてニオブチタン複合酸化物粒子表面を被覆することが困難になる。平均繊維径のより好ましい範囲は10nm以上90nm以下の範囲である。

0041

炭素繊維の添加比率(ニオブチタン複合酸化物粒子の重量に対する炭素繊維重量の比率、炭素繊維/ニオブチタン複合酸化物)は0.1重量%以上5重量%以下の範囲が好ましい。この範囲であると電子伝導ネットワークの均一化と高い電極密度の維持ができ、電極抵抗低減と電極体積比容量を高めることができる。より好ましい範囲は0.2重量%以上3重量%以下の範囲である。

0042

炭素繊維の繊維径に対する繊維長の比率(繊維長/繊維径)は10以上1000以下が好ましい。この範囲であると、電子伝導ネットワークの均一化と高い電極密度の維持ができ、電極抵抗低減と電極体積比容量を高めることができる。より好ましい範囲は100以上800以下の範囲である。

0043

実施形態の活物質は、例えば、以下の方法により製造することができる。まず、出発原料を混合する。ニオブチタン複合酸化物の出発原料として、Liと、Tiと、Nbとを含む酸化物または塩を用いる。また、ニオブチタン複合酸化物のその他の添加元素のための出発原料として用いる塩は、水酸化物塩炭酸塩硝酸塩のような、比較的低融点で分解して酸化物を生じる塩であることが好ましい。また、一次粒子径を小さくするため、出発原料に平均粒径が2μm以下、好ましくは平均粒径が0.5μm以下の粉末を用いることが好ましい。

0044

出発原料は、モル比(α/β)が1.5≦(α/β)≦2.5となる割合で混合する。また、その他の添加元素M(Ti及びNb以外の少なくとも一種類の金属、好ましくはK,Taよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素)は、Nbの一部を元素Mで置換した結晶の全電荷中性に保たれるようなモル比で混合することが好ましい。これにより、TiMwNb2±yO7±z(0≦y≦0.5、0≦w≦0、01、−0.3≦z≦0.3、MはTi及びNb以外の少なくとも一種類の金属)で表される単斜晶型のニオブチタン複合酸化物を含む活物質を得ることができる。一方、全電荷が中性に保たれないような添加方法であっても、添加量を調整することで、TiMwNb2±yO7±zが得られる。

0045

次に、得られた混合物粉砕し、できるだけ均一な混合物を得る。次いで、得られた混合物を焼成する。焼成は500〜1200℃の温度範囲で、より好ましくは700〜1000℃の範囲で行う。焼成温度を1000℃以下で行うことで既存の設備を利用することができる。この方法によりTiMwNb2±yO7±zで表される平均一次粒子径が2μm以下の単斜晶型のニオブチタン複合酸化物を含む粉末を得ることができる。また、水熱合成方法を用いて平均一次粒子径が1μm以下の単斜晶型のニオブチタン複合酸化物の粉末を得ることができる。このニオブチタン複合酸化物を電極として電気化学的にリチウムイオンを吸蔵させるとLixTiMwNb2±yO7±z(0≦x≦5、このましくは0<x≦5)の結晶構造を維持した結晶となる(電池充電状態)。

0046

炭素繊維をニオブチタン複合酸化物粒子表面に被覆する方法は、炭素繊維の粉末を水溶液に加えて攪拌混合し、所定濃度に均一に分散させた分散溶媒を作製する。その後、分散溶媒にニオブチタン複合酸化物粒子を加え攪拌混合した後、結着剤(例えば、セルロースナノファイバーカルボキシメチルセルローススチレンブタジエンゴム等)、導電剤(例えば、黒鉛、炭素繊維、アセチレンブラック等の炭素材料)を加え攪拌混合してスラリーを作製する。結着剤として特にセルロースナノファイバーを用いることで炭素繊維の分散状態が良くなり、ニオブチタン酸化物粒子表面の被覆が均一化され電極抵抗が低減されるため好ましい。

0047

スラリーを集電体に塗布し、乾燥し、プレスすることで集電体に活物質含有層が形成され、電極が得られる。活物質含有層を電子顕微鏡(例えば走査電子顕微鏡、Scanning Electron Microscope、SEM)で観察することにより、平均繊維径5nm以上100nm以下の炭素繊維がニオブチタン複合酸化物粒子表面の少なくとも一部に付着、例えば結着剤や金属等により一体化されていることが確認できる。SEM写真の一例を実施例で示す。

0048

先ず、活物質を含む電極が、二次電池に含まれている場合には、以下の方法で電極を取り出す。ここでは、電極が負極である場合を一例に挙げて説明する。先ず、二次電池を放電状態にする。具体的には、25℃の環境下で、0.2C以下の電流値放電下限電圧まで二次電池を放電して、放電状態にする。放電状態にした電池を、アルゴンガス充填されたグローブボックスに入れる。グローブボックス内で電池から対象電極(例えば負極)を取り出す。取り出した電極をエチルメチルエーテル溶媒洗浄する。このようにして電極試料を得る。

0049

得られた電極試料を用い、炭素繊維中の金属元素の存在量の定量分析、炭素繊維の平均繊維径の算出方法を以下に説明する。

0050

電極試料について、超音波処理により炭素繊維とニオブチタン複合酸化物粒子を集電体から剥離して遠心分離を用いて炭素繊維を抽出する。抽出に使用する溶媒の種類は、電極に含まれる結着剤の種類に応じて変更する。例えば、結着剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)あるいはスチレンブタジエンゴム(SBR)を含む場合、抽出溶媒に水が用いられる。一方、結着剤としてポリフッ化ビニリデンPVdF)を含む場合、抽出溶媒にn−メチルピロリドン(NMP)などの有機溶媒が用いられる。この抽出により、ニオブチタン複合酸化物粒子と炭素繊維が分離される。
上記の方法で抽出した炭素繊維をIPC(ICP-MS:Inductively Coupled Plasma - Mass Spectrometry誘導結合プラズマ質量分析)にて炭素繊維の炭素重量及び炭素繊維中の金属元素の重量を求める。

0051

上記の方法で抽出した炭素繊維を走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)で倍率10000倍で観察し、視野内の炭素繊維の全長の25%、50%、75%の位置での幅(直径)を測定する。測定した幅の値の平均を、求める平均繊維径とする。測定は、視野内に存在する全ての炭素繊維を対象として行う。

0052

上記の方法で抽出したニオブチタン複合酸化物粒子について、TiとNbの元素のモル比率をICP(Inductively Coupled Plasma、誘導結合プラズマ分析を行うことで得る。ICP分析は、具体的には、試料となるニオブチタン複合酸化物粒子をPtるつぼに計り取り、アルカリ溶融にて分解を行い、測定溶液を作製する。そして、NbおよびTiは内標準法を用いるICP発光分析法、例えばICP発光分光分析装置(株式会社日立ハイテクサイエンス)のSPS-4000)にて定量測定することができる。

0053

また、上記の方法で抽出したニオブチタン複合酸化物粒子について、前述の方法で平均一次粒子径を測定する。

0054

以上説明した第1の実施形態の活物質によれば、(1)式を満たし、平均一次粒子径が0.05μm以上2μm以下の単斜晶型のニオブチタン複合酸化物粒子と、Fe、Co及びNiからなる群から選択される1種類以上の金属元素を含有し、(2)式を満たし、かつ平均繊維径が5nm以上100nm以下の範囲の炭素繊維とを含むため、大電流性能とサイクル寿命性能とに優れた電極用あるいは二次電池用活物質を提供することができる。

0055

(第2の実施形態)
第2の実施形態によれば、電極が提供される。電極は、第1の実施形態の活物質を含む。電極は、集電体と、集電体の少なくとも一方の主面に保持され、活物質及び結着剤、必要に応じて導電剤を含む活物質含有層とを含む。

0056

活物質は、第1の実施形態に係る活物質のみであっても、この活物質以外の他の活物質を含むものであっても良い。

0057

他の活物質の例に、金属酸化物金属硫化物、金属フッ化物金属窒化物が含まれる。サイクル寿命性能を改善する観点から、チタン含有金属酸化物が好ましい。チタン含有金属酸化物の例に、リチウムチタン含有酸化物、チタン含有酸化物が含まれる。リチウムチタン含有酸化物の例には、スピネル構造を有するもの(例えば、一般式Li4/3+aTi5/3O4(0≦a≦2))、ラムスライド構造を有するもの(例えば、一般式Li2+aTi3O7(0≦a≦1)、Li1+bTi2O4(0≦b≦1)、Li1.1+bTi1.8O4(0≦b≦1)、Li1.07+bTi1.86O4(0≦b≦1))、Nb、Mo,W,P、V、Sn、Cu、Ni及びFeよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素を含有するリチウムチタン含有複合酸化物等が含まれる。また、リチウムチタン含有酸化物の例に、Li2+aAdTi6−bBbO14−c(AはNa,K,Mg,Ca,Srから選ばれる一種以上の元素、BはTi以外の金属元素、0≦a≦5、0≦b≦6、0≦c≦0.6、0≦d≦3)で表されるリチウムチタン含有複合酸化物が含まれる。リチウムチタン含有複合酸化物の結晶構造は、空間群Cmcaの結晶構造であり得る。

0058

チタン含有酸化物は、一般式LiaTiO2(0≦a≦2)で表すことができる。この場合、充電前の組成式はTiO2である。チタン酸化物の例には、単斜晶構造ブロンズ構造(B))のチタン酸化物、ルチル構造のチタン酸化物、アナターゼ構造のチタン酸化物等が含まれる。単斜晶構造(ブロンズ構造(B))のTiO2(B)が好ましく、熱処理温度が300〜600℃の低結晶性のものが好ましい。

0059

活物質の粒子形状は、粒状が好ましいが、繊維状が含まれていても良い。

0060

電極の多孔度(集電体を除く)は、20〜50%の範囲にすることが望ましい。これにより、電極と非水電解質との親和性に優れ、かつ高密度な電極を得ることができる。多孔度のさらに好ましい範囲は、25〜50%である。

0061

集電体の例に、ニッケル箔銅箔ステンレス箔アルミニウム箔アルミニウム合金箔が含まれる。集電体は、アルミニウム箔またはアルミニウム合金箔であることが望ましい。アルミニウム箔の純度は99.99%以上が好ましい。アルミニウム合金は、マグネシウム亜鉛ケイ素などの元素を含む合金であることが好ましい。一方、鉄、銅、ニッケルクロムなどの遷移金属は100ppm以下にすることが好ましい。集電体は、箔形状以外にメッシュ形状も用いることができる。

0062

集電体の厚さは、20μm以下が好ましく、より好ましくは15μm以下である。

0063

導電剤としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラックコークス(熱処理温度が800℃〜2000℃の平均粒子径10μm以下であることが望ましい)、カーボンナノチューブ、炭素繊維、黒鉛、TiO、TiC、TiN等の金属化合物粉末、Al,Ni,Cu、Feなどの金属粉末等を1種もしくは混合して用いることができる。繊維径1μm以下のカーボンナノチューブ、炭素繊維を用いることにより、電極抵抗が低減してサイクル寿命性能が向上する。

0064

結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレンPTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴムアクリル系ゴムスチレンブタジェンゴム(SBR)、セルロースナノファイバー(CeNF),カルボキシメチルセルロース(CMC)、コアシェルバインダーポリイミドなどが挙げられる。結着剤の種類は、1種類または2種類以上にすることができる。

0065

活物質含有層において、活物質、導電剤及び結着剤の配合比は、活物質90〜99重量%、導電剤0〜8重量%、結着剤2〜7重量%の範囲にすることが好ましい。

0066

活物質及び電極のN2吸着によるBET比表面積は、例えば、以下の条件で測定される。粉末の活物質1gまたは2x2cm2の電極を2枚切り取り、これをサンプルとする。BET比表面積測定装置は、ユアサアイオニクス株式会社製を使用し、窒素ガス吸着ガスとする。

0067

電極の多孔度は、活物質含有層の体積を、多孔度が0%の時の活物質含有層体積と比較し、多孔度が0%の時の活物質含有層体積からの増加分を空孔体積とみなして算出したものである。なお、活物質含有層の体積は、集電体の両面に活物質含有層が形成されている場合、両面の活物質含有層の体積を合計したものとする。

0068

電極は、例えば、第1の実施形態で説明した方法により得ることが可能である。

0069

第2の実施形態の電極によれば、第1の実施形態の活物質を含むため、大電流性能とサイクル寿命性能とに優れた電極を提供することができる。

0070

(第3の実施形態)
第3の実施形態によれば、正極と、負極と、非水電解質とを含む二次電池が提供される。第2の実施形態の電極は、正極または負極として使用可能である。ここでは、電極を負極として使用した例を説明する。第3の実施形態の二次電池は、正極と負極の間にセパレータを配置することができ、また、これらと非水電解質を収納するための容器をさらに含むことができる。

0071

以下、正極、非水電解質、セパレータ、容器について説明する。

0072

(正極)
この正極は、正極集電体と、集電体の片面もしくは両面、両方の主面のうちの少なくとも一方の主面に保持され、活物質、導電剤および結着剤を含む正極活物質含有層とを含む。

0073

正極活物質の例には、Niを含有するリチウム金属酸化物、スピネル構造のリチウムマンガン酸化物リチウムコバルト複合酸化物リチウムニッケル複合酸化物リチウムニッケルコバルト複合酸化物、リチウムコバルトアルミニウム複合酸化物リチウムニッケルアルミニウム複合酸化物、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物、スピネル構造のリチウムマンガンニッケル複合酸化物リチウムマンガンコバルト複合酸化物オリビン構造リチウム含有リン酸化合物フッ素化硫酸鉄、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物などが含まれる。また、非水電解質中アニオンを吸蔵する黒鉛、炭素材料やキャパシター容量を持つ活性炭素を正極として用いることができる。使用する正極活物質の種類は1種又は2種類以上にすることができる。

0074

スピネル構造のリチウムマンガン複合酸化物としては、例えば、LixMn2O4(0<x≦1)、LixMnO2(0<x≦1)、LiMn1.5Ni0.5O4などが挙げられる。

0075

リチウムコバルト複合酸化物としては、例えば、LixCoO2(0<x≦1)などが挙げられる。

0076

リチウムニッケルアルミニウム複合酸化物としては、例えば、LixNi1−yAlyO2(0<x≦1、0<y≦1)などが挙げられる。

0077

リチウムニッケルコバルト複合酸化物としては、例えば、LixNi1−y−zCoyMnzO2(0<x≦1、0<y≦1、0≦z≦1、0<1−y−z<1)などが挙げられる。

0078

リチウムマンガンコバルト複合酸化物としては、例えば、LixMnyCo1−yO2(0<x≦1、0<y<1)などが挙げられる。

0079

スピネル構造のリチウムマンガンニッケル複合酸化物としては、例えば、LixMn2−yNiyO4(0<x≦1、0<y<2)などが挙げられる。

0080

オリビン構造のリチウム含有リン酸化合物としては、例えば、LixFePO4(0<x≦1)、LixFe1−yMnyPO4(0<x≦1、0≦y≦1)、LixCoPO4(0<x≦1)、LixMnPO4(0<x≦1)、LiMn1-x-yFexMgyPO4(0≦x≦0.5及び0≦y≦0.5)などが挙げられる。
フッ素化硫酸鉄としては、例えば、LixFeSO4F(0<x≦1)などが挙げられる。

0081

リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物としては、例えば、LixNi1−y—zCoyMnzO2(0<x≦1.1、0<y≦0.5、0<z≦0.5、0<1−y−z<1)などが挙げられる。

0082

Niを含有するリチウム金属酸化物は、例えば、リチウムニッケル酸化物(例えばLiNiO2),リチウムニッケルコバルト酸化物(例えばLiNiaCo1−aO2)、リチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物(例えばLiNiaCobAl1−a−bO2)、リチウムニッケルコバルトマンガン酸化物(例えば、LiNiaCobMn1−a−bO4、但し、0<a<1、0<b<1、0<(1−a−b)<1)などが挙げられる。ここで、Niを含有するリチウム金属酸化物を、一般式LiNixM1−xO2(MはNi以外の少なくとも1種類の金属)で表すと、xは0.5以上1以下の範囲が好ましい。この範囲を満たす酸化物は、高容量で高エネルギー密度のため、実施形態に係る活物質と組み合わせることで、高温サイクル寿命性能、高出力性能及び安全性能を大幅に高めることができる。

0083

より好ましい正極材料は、サイクル寿命性能から、LiFePO4、LixFe1−yMnyPO4が好ましい。電池容量から、LiNixM1−xO2(MはNi以外の少なくとも1種類の金属で、0.5≦x≦1)が好ましい。

0084

また、正極活物質粒子の表面の少なくとも一部に、Mg、Al、Ti、Nb,Sn、Zr、Ba、B及びCよりなる群から選択される少なくとも一種の元素(以下、第1元素と称する)が存在していても良い。このような正極活物質は、高温環境下での非水電解質の酸化分解反応を抑制することできるため、抵抗上昇を抑制することができる。これにより、二次電池の高温サイクル寿命性能を大幅に向上することができる。
第1元素は、粒子径0.001〜1μmの金属酸化物粒子及び/またはリン酸化物粒子の形態で付着、もしくは金属酸化物層及び/またはリン酸化物層として正極活物質粒子の表面の少なくとも一部を被覆していることが好ましい。あるいは、第1元素は、正極活物質粒子の表面層に固溶していても良い。金属酸化物の例には、MgO、Al2O3、SnO、ZrO2,TiO2,BaO、B2O3などが含まれる。リン酸化物の例には、AlPO4、Mg3(PO4)2、Sn3(PO4)2などが含まれる。また、第1元素としてCを用いる場合、平均粒子1μm以下のカーボン粒子が活物質表面に付着していることが好ましい。第1元素の金属酸化物、リン酸化物、カーボン粒子の量は、正極活物質の0.001〜3重量%であることが好ましい。

0085

正極活物質粒子は、一次粒子の形態であっても、一次粒子が凝集した二次粒子であっても良い。また、一次粒子と二次粒子が混在していても良い。

0086

正極活物質粒子の平均一次粒子径は、0.05μm以上3μm以下にすることができる。また、正極活物質粒子の平均二次粒子径は、3μm以上20μm以下にすることができる。

0087

導電剤は、電子伝導性を高め、集電体との接触抵抗を抑え得る。導電剤としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、炭素繊維、黒鉛等を挙げることができる。

0088

結着剤は、活物質と導電剤を結着させ得る。結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴム、スチレンブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース(CMC)、アクリル系材料などの高分子体が挙げられる。結着剤は、高分子繊維を含む活物質含有層に柔軟性を付与することができる。PVdF及びスチレンブタジエンゴムが柔軟性を高める効果に優れている。

0089

正極活物質、導電剤及び結着剤の配合比は、正極活物質80〜95重量%、導電剤3〜19重量%、結着剤1〜7重量%の範囲にすることが好ましい。

0090

正極は、例えば、正極活物質、導電剤及び結着剤を適当な溶媒に懸濁し、この懸濁物をアルミニウム箔またはアルミニウム合金箔の集電体に塗布し、乾燥し、プレスを施すことにより作製される。正極活物質含有層のBET法による比表面積は、0.1〜2m2/gの範囲であることが好ましい。

0091

集電体は、アルミニウム箔またはアルミニウム合金箔であることが好ましい。集電体の厚さは、20μm以下にすることができ、より好ましくは15μm以下である。

0092

(非水電解質)
非水電解質としては、電解質を有機溶媒に溶解することにより調製される液状の有機電解質、液状の有機溶媒と高分子材料複合化したゲル状の有機電解質、またはリチウム塩電解質と高分子材料を複合化した固体非水電解質が挙げられる。また、リチウムイオンを含有した常温溶融塩イオン性融体)を非水電解質として使用してもよい。高分子材料としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリエチレンオキサイド(PEO)等を挙げることができる。

0093

液状の有機電解質は、電解質を0.5〜2.5mol/Lの濃度で有機溶媒に溶解することにより、調製される。

0094

電解質としては、リチウム塩ナトリウム塩を用いることができる。例えば、LiBF4、LiPF6、LiAsF6、LiClO4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2、LiN(C2F5SO2)2、Li(CF3SO2)3C、LiB[(OCO)2]2などが挙げられる。使用する電解質の種類は、1種類または2種類以上にすることができる。中でも、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を含むことが好ましい。これによりの有機溶媒の化学的安定性が高まり、負極上の皮膜抵抗を小さくすることができ、低温性能とサイクル寿命性能を大幅に向上することができる。

0095

有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート(PC)やエチレンカーボネート(EC)などの環状カーボネートジエチルカーボネート(DEC)やジメチルカーボネートDMC)あるいはメチルエチルカーボネート(MEC)などの鎖状カーボネートジメトキシエタン(DME)やジエトキシエタン(DEE)などの鎖状エーテルテトラヒドロフラン(THF)、ジオキソランDOX)などの環状エーテルγ−ブチロラクトン(GBL)、アセトニトリル(AN)、スルホラン(SL)などを挙げることができる。これらの有機溶媒は、単独または2種以上の混合物の形態で用いることができる。特に、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)及びγ—ブチロラクトン(GBL)よりなる群から選択される一種類以上を主体とすることにより、沸点が200℃以上となり熱安定性が高くなり好ましい。特に、γ—ブチロラクトン(GBL)を含むことにより、低温環境下での出力性能も高くなり好ましい。また、高濃度のリチウム塩を溶解して使用することが可能となるため、リチウム塩は、有機溶媒に対して、1.5〜2.5mol/Lの範囲で溶解させることが好ましい。これにより低温環境下においても高出力を取り出すことができるためである。リチウム塩濃度を1.5mol/L以上にすることによって、大電流で放電中に正極と電解質界面のリチウムイオン濃度が急激に低下するのを回避することができ、大幅な出力低下を抑制することができる。一方、リチウム塩濃度を2.5mol/L以下にすることによって、非水電解質の粘度を低くしてリチウムイオンの移動速度を高くすることができ、高出力を得ることができる。

0096

また、常温溶融塩(イオン性融体)は、リチウムイオンまたはナトリウムイオン有機物カチオンおよび有機物アニオンから構成されることが好ましい。また、常温溶融塩は、室温以下で液体状であることが望ましい。

0097

以下、常温溶融塩を含む電解質について説明する。

0098

常温溶融塩とは、常温において少なくとも一部が液状を呈する塩をいい、常温とは電源通常作動すると想定される温度範囲をいう。電源が通常作動すると想定される温度範囲とは、上限が120℃程度、場合によっては60℃程度であり、下限は−40℃程度、場合によっては−20℃程度である。中でも、−20℃以上、60℃以下の範囲が適している。

0099

リチウムイオンを含有した常温溶融塩には、リチウムイオンと有機物カチオンとアニオンから構成されるイオン性融体を使用することが望ましい。また、このイオン性融体は、室温以下でも液状であることが好ましい。

0100

有機物カチオンとしては以下の化1に示す骨格を有するアルキルイミダゾリウムイオン、四級アンモニウムイオンが挙げられる。

0101

0102

アルキルイミダゾリウムイオンとしては、ジアルキルイミダゾリウムイオントリアルキルイミダゾリウムイオン、テトラアルキルイミダゾリウムイオンなどが好ましい。ジアルキルイミダゾリウムとしては、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムイオン(MEI+)が好ましい。トリアルキルイミダゾリウムイオンとしては、1,2−ジエチル−3−プロピルイミダゾリウムイオン(DMPI+)が好ましい。テトラアルキルイミダゾリウムイオンとして、1,2−ジエチル−3,4(5)−ジメチルイミダゾリウムイオンが好ましい。

0103

四級アンモニウムイオンとしては、テトラアルキルアンモニウムイオンや環状アンモニウムイオンなどが好ましい。テトラアルキルアンモニウムイオンとしては、ジメチルエチルメトキシエチルアンモニウムイオン、ジメチルエチルメトキシメチルアンモニウムイオン、ジメチルエチルエトキシエチルアンモニウムイオン、トリメチルプロピルアンモニウムイオンが好ましい。

0104

アルキルイミダゾリウムイオンまたは四級アンモニウムイオン(特にテトラアルキルアンモニウムイオン)を用いることにより、融点を100℃以下、より好ましくは20℃以下にすることができる。さらに負極との反応性を低くすることができる。

0105

リチウムイオンの濃度は、20mol%以下であることが好ましい。より好ましい範囲は、1〜10mol%の範囲である。前記範囲にすることにより、20℃以下の低温においても液状の常温溶融塩を容易に形成できる。また常温以下でも粘度を低くすることができ、イオン伝導度を高くすることができる。

0106

アニオンとしては、BF4-、PF6-、AsF6-、ClO4-、CF3SO3-、CF3COO-、CH3COO-、CO32-、(FSO2)2N−、N(CF3SO2)2-、N(C2F5SO2)2-、(CF3SO2)3C-などから選ばれる一種以上のアニオンを共存させることが好ましい。複数のアニオンを共存させることにより、融点が20℃以下の常温溶融塩を容易に形成できる。より好ましいアニオンとしては、BF4-、(FSO2)2N−、CF3SO3-、CF3COO-、CH3COO-、CO32-、N(CF3SO2)2-、N(C2F5SO2)2-、(CF3SO2)3C-が挙げられる。これらアニオンによって0℃以下の常温溶融塩の形成がより容易になる。
(セパレータ)
正極と負極の間にはセパレータを配置することができる。セパレータとして、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などのオレフィン多孔質膜セルロース繊維製のものを用いることができる。セパレータの気孔率は50%以上にすることができる。さらに、表面に無機粉末をコートしたセパレータを用いることができる。

0107

セルロース繊維の繊維径は10μm以下にすることが望ましい。セルロース繊維製セパレータの形態は、不織布、フィルム、紙などを挙げることができる。特に、気孔率60%以上のセルロース繊維製セパレータであると、非水電解質の含浸性が良く、低温から高温まで高い出力性能を出すことができる。気孔率のより好ましい範囲は62%〜80%である。また、気孔率60%以上のセルロース繊維製セパレータは、第1の実施形態に係る活物質を含む負極と組み合わせることにより、長期充電保存、フロート充電過充電におけるセパレータと負極との反応を抑制することができ、リチウム金属デンドライド析出による負極と正極の短絡の問題を回避する事ができる。さらに、セルロース繊維の繊維径を10μm以下にすることで、セパレータと非水電解質との親和性が向上して電池抵抗を小さくすることができる。より好ましくは3μm以下である。

0108

セパレータは、厚さが10〜100μm、好ましくは20〜100μm、密度が0.2〜0.9g/cm3であることが好ましい。この範囲であると、機械的強度と電池抵抗の軽減のバランスを取ることができ、高出力と内部短絡しにくい電池を提供することができる。また、高温環境下での熱収縮が少なく良好な高温貯蔵性能を出すことが出来る。

0109

(容器)
正極、負極及び非水電解質が収容される容器には、金属製容器や、ラミネートフィルム製容器を使用することができる。

0110

金属製容器としては、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、ステンレスなどからなる金属缶角形円筒形の形状のものが使用できる。また、容器の板厚は、0.5mm以下にすることが望ましく、さらに好ましい範囲は0.3mm以下である。

0111

ラミネートフィルムとしては、例えば、アルミニウム箔を樹脂フィルムで被覆した多層フィルムなどを挙げることができる。樹脂としては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ナイロンポリエチレンテレフタレート(PET)などの高分子を用いることができる。また、ラミネートフィルムの厚さは0.2mm以下にすることが好ましい。アルミニウム箔の純度は99.5%以上が好ましい。

0112

アルミニウム合金からなる金属缶は、マンガン、マグネシウム、亜鉛、ケイ素などの元素を含むアルミニウム純度99.8%以下の合金から形成されることが好ましい。アルミニウム合金からなる金属缶の強度が飛躍的に増大することにより肉厚を薄くすることができる。その結果、薄型で軽量かつ高出力で放熱性に優れた電池を実現することができる。

0113

また樹脂フィルムを被覆しないステンレス箔(厚さ0.1〜0.3mm)を用いて加工された薄型大判形状のカップ成型体を容器として用いることができる。

0114

なお、電池の種類は、角形に限られず、円筒形、薄型、コイン型等の様々な種類にすることができる。また、二次電池は、正極と負極の間にセパレータを介在させた電極群を含み得る。電極群の形状は、扁平形状に限られず、例えば、円筒形、積層形状等にすることができる。

0115

二次電池は、さらに電極群の正極と電気的に接続される正極端子および電極群の負極と電気的に接続される負極端子を含み得る。

0116

(負極端子)
負極端子は、負極活物質のLi吸蔵放出電位において電気化学的に安定であり、かつ導電性を有する材料から形成することができる。具体的には、負極端子の材料としては、銅、ニッケル、ステンレス若しくはアルミニウム、又は、Mg,Ti,Zn,Mn,Fe,Cu,及びSiからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含むアルミニウム合金が挙げられる。負極端子の材料としては、アルミニウム又はアルミニウム合金を用いることが好ましい。負極端子は、負極集電体との接触抵抗を低減するために、負極集電体と同様の材料からなることが好ましい。

0117

(正極端子)
正極端子は、リチウムの酸化還元電位に対し3V以上4.5V以下の電位範囲(vs.Li/Li+)において電気的に安定であり、且つ導電性を有する材料から形成することができる。正極端子の材料としては、アルミニウム、或いは、Mg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu及びSiからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含むアルミニウム合金が挙げられる。正極端子は、正極集電体との接触抵抗を低減するために、正極集電体と同様の材料から形成されることが好ましい。

0118

実施形態の二次電池は、バイポーラ構造を有する二次電池であり得る。これにより複数直列セルと同等の電圧を有する二次電池を1個のセルで作製できる利点がある。

0119

実施形態の二次電池の例を図1図5を参照して説明する。

0120

図1及び図2に、金属製容器を用いた二次電池の一例を示す。

0121

電極群1は、矩形筒状の金属製容器2内に収納されている。電極群1は、正極3の正極活物質含有層及び負極4の負極活物質含有層の間にセパレータ5を介在させて偏平形状となるようにこれらを渦巻き状に捲回した構造を有する。セパレータ5は、正極活物質含有層または負極活物質含有層の表面を被覆している。図2に示すように、電極群1の端面に位置する正極3の端部の複数個所それぞれに帯状正極リード6が電気的に接続されている。また、この端面に位置する負極4の端部の複数個所それぞれに帯状の負極リード7が電気的に接続されている。この複数ある正極リード6は、一つに束ねられた状態で正極導電タブ8と電気的に接続されている。正極リード6と正極導電タブ8から正極端子が構成されている。また、負極リード7は、一つに束ねられた状態で負極導電タブ9と接続されている。負極リード7と負極導電タブ9から負極端子が構成されている。金属製の封口板10は、金属製容器2の開口部に溶接等により固定されている。正極導電タブ8及び負極導電タブ9は、それぞれ、封口板10に設けられた取出穴から外部に引き出されている。封口板10の各取出穴の内周面は、正極導電タブ8及び負極導電タブ9との接触による短絡を回避するために、絶縁部材11で被覆されている。

0122

図3及び図4に、ラミネートフィルム製外装部材を用いた二次電池の一例を示す。

0123

図3及び図4に示すように、扁平状の捲回電極群1は、2枚の樹脂フィルムの間に金属層を介在したラミネートフィルムからなる袋状外装部材12内に収納されている。扁平状の捲回電極群1は、外側から負極4、セパレータ15、正極3、セパレータ15の順で積層した積層物を渦巻状に捲回し、この積層物をプレス成型することにより形成される。最外層の負極4は、図4に示すように負極集電体4aの内面側の片面に負極活物質を含む負極活物質含有層4bを形成した構成を有し、その他の負極4は、負極集電体4aの両面に負極活物質含有層4bを形成して構成されている。正極3は、正極集電体3aの両面に正極活物質含有層3bを形成して構成されている。

0124

捲回電極群1の外周端近傍において、負極端子13は最外層の負極4の負極集電体4aに接続され、正極端子14は内側の正極3の正極集電体3aに接続されている。これらの負極端子13および正極端子14は、袋状外装部材12の開口部から外部に延出されている。袋状外装部材12の開口部をヒートシールすることにより捲回電極群1を密封している。ヒートシールする際、負極端子13および正極端子14は、この開口部にて袋状外装部材12により挟まれる。

0125

以上説明した第3の実施形態の二次電池によれば、第1の実施形態の活物質または第2の実施形態の電極を含むため、高容量で、大電流性能とサイクル寿命性能に優れた二次電池を提供することができる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態の組電池は、第3の実施形態の二次電池を複数含む。

0126

組電池の例には、電気的に直列及び/又は並列に接続された複数の単位セル構成単位として含むもの、電気的に直列接続された複数の単位セルからなる第1ユニットまたは電気的に並列接続された複数の単位セルからなる第2ユニットを含むもの等を挙げることができる。これらの構成のうちの少なくとも一つの形態を組電池は含んでいて良い。

0127

二次電池の複数個を電気的に直列及び/又は並列接続する形態の例には、それぞれが外装部材を備えた複数の電池を電気的に直列及び/又は並列接続するもの、共通の筐体内に収容された複数の電極群またはバイポーラ型電極体を電気的に直列及び/又は並列接続するものが含まれる。前者の具体例は、複数個の二次電池の正極端子と負極端子を金属製のバスバー(例えば、アルミニウム、ニッケル、銅)で接続するものである。後者の具体例は、1個の筐体内に複数個の電極群またはバイポーラ型電極体を隔壁により電気化学的に絶縁した状態で収容し、これらを電気的に直列接続するものである。二次電池の場合、電気的に直列接続する電池個数を5〜7の範囲にすることにより、鉛蓄電池との電圧互換性が良好になる。鉛蓄電池との電圧互換性をより高くするには、単位セルを5個または6個直列接続した構成が好ましい。

0128

組電池が収納される筐体には、アルミニウム合金、鉄、ステンレスなどからなる金属缶、プラスチック容器等が使用できる。また、容器の板厚は、0.5mm以上にすることが望ましい。

0129

組電池の一例を図5を参照して説明する。図5に示す組電池200は、図1に示す角型の二次電池1001〜1005を単位セルとして複数備える。電池1001の正極導電タブ8と、その隣に位置する電池1002の負極導電タブ9とが、リードあるいはバスバー21によって電気的に接続されている。さらに、この電池1002の正極導電タブ8とその隣に位置する電池1003の負極導電タブ9とが、リードあるいはバスバー21によって電気的に接続されている。このように電池1001〜1005間が直列に接続されている。

0130

以上説明した第4の実施形態の組電池は、第3の実施形態の二次電池を備えるため、高容量で、優れた充放電サイクル寿命と大電流性能とを実現することができる。
(第5の実施形態)
第5の実施形態に係る電池パックは、第1の実施形態に係る二次電池(単電池)を1個又は複数個具備することができる。複数の二次電池は、電気的に直列、並列、又は直列及び並列を組み合わせて接続され、組電池を構成することもできる。第5の実施形態に係る電池パックは、複数の組電池を含んでいてもよい。

0131

第5の実施形態に係る電池パックは、保護回路を更に具備することができる。保護回路は、二次電池の充放電を制御する機能を有する。或いは、電池パックを電源として使用する装置(例えば、電子機器、自動車等)に含まれる回路を、電池パックの保護回路として使用することもできる。

0132

また、第5の実施形態に係る電池パックは、通電用外部端子を更に具備することもできる。通電用の外部端子は、二次電池からの電流を外部に出力するため、及び二次電池に電流を入力するためのものである。言い換えれば、電池パックを電源として使用する際、電流が通電用の外部端子を通して外部に供給される。また、電池パックを充電する際、充電電流(自動車等の車両の動力回生エネルギーを含む)は通電用の外部端子を通して電池パックに供給される。

0133

次に、第5の実施形態に係る電池パックの一例について、図面を参照しながら説明する。

0134

図6は、第5の実施形態に係る電池パックの一例を概略的に示す分解斜視図である。図7は、図6に示す電池パックの電気回路の一例を示すブロック図である。

0135

図6及び図7に示す電池パック300は、収容容器31と、蓋32と、保護シート33と、組電池200と、プリント配線基板34と、配線35と、図示しない絶縁板とを備えている。

0136

図6に示す収容容器31は、長方形の底面を有する有底角型容器である。収容容器31は、保護シート33と、組電池200と、プリント配線基板34と、配線35とを収容可能に構成されている。蓋32は、矩形型の形状を有する。蓋32は、収容容器31を覆うことにより、上記組電池200等を収容する。収容容器31及び蓋32には、図示していないが、外部機器等へと接続するための開口部又は接続端子等が設けられている。

0137

組電池200は、複数の単電池100と、正極側リード22と、負極側リード23と、粘着テープ24とを備えている。

0138

複数の単電池100の少なくとも1つは、第3の実施形態に係る二次電池である。複数の単電池100の各々は、図7に示すように電気的に直列に接続されている。複数の単電池100は、電気的に並列に接続されていてもよく、直列接続及び並列接続を組み合わせて接続されていてもよい。複数の単電池100を並列接続すると、直列接続した場合と比較して、電池容量が増大する。

0139

粘着テープ24は、複数の単電池100を締結している。粘着テープ24の代わりに、熱収縮テープを用いて複数の単電池100を固定してもよい。この場合、組電池200の両側面に保護シート33を配置し、熱収縮テープを周回させた後、熱収縮テープを熱収縮させて複数の単電池100を結束させる。

0140

正極側リード22の一端は、組電池200に接続されている。正極側リード22の一端は、1以上の単電池100の正極と電気的に接続されている。負極側リード23の一端は、組電池200に接続されている。負極側リード23の一端は、1以上の単電池100の負極と電気的に接続されている。

0141

プリント配線基板34は、収容容器31の内側面のうち、一方の短辺方向の面に沿って設置されている。プリント配線基板34は、正極側コネクタ342と、負極側コネクタ343と、サーミスタ345と、保護回路346と、配線342a及び343aと、通電用の外部端子350と、プラス側配線(正側配線)348aと、マイナス側配線(負側配線)348bとを備えている。プリント配線基板34の一方の主面は、組電池200の一側面と向き合っている。プリント配線基板34と組電池200との間には、図示しない絶縁板が介在している。

0142

正極側コネクタ342に、正極側リード22の他端22aが電気的に接続されている。負極側コネクタ343に、負極側リード23の他端23aが電気的に接続されている。

0143

サーミスタ345は、プリント配線基板34の一方の主面に固定されている。サーミスタ345は、単電池100の各々の温度を検出し、その検出信号を保護回路346に送信する。

0144

通電用の外部端子350は、プリント配線基板34の他方の主面に固定されている。通電用の外部端子350は、電池パック300の外部に存在する機器と電気的に接続されている。通電用の外部端子350は、正側端子352と負側端子353とを含む。

0145

保護回路346は、プリント配線基板34の他方の主面に固定されている。保護回路346は、プラス側配線348aを介して正側端子352と接続されている。保護回路346は、マイナス側配線348bを介して負側端子353と接続されている。また、保護回路346は、配線342aを介して正極側コネクタ342に電気的に接続されている。保護回路346は、配線343aを介して負極側コネクタ343に電気的に接続されている。更に、保護回路346は、複数の単電池100の各々と配線35を介して電気的に接続されている。

0146

保護シート33は、収容容器31の長辺方向の両方の内側面と、組電池200を介してプリント配線基板34と向き合う短辺方向の内側面とに配置されている。保護シート33は、例えば、樹脂又はゴムからなる。

0147

保護回路346は、複数の単電池100の充放電を制御する。また、保護回路346は、サーミスタ345から送信される検出信号、又は、個々の単電池100若しくは組電池200から送信される検出信号に基づいて、保護回路346と外部機器への通電用の外部端子350(正側端子352、負側端子353)との電気的な接続を遮断する。

0148

サーミスタ345から送信される検出信号としては、例えば、単電池100の温度が所定の温度以上であることを検出した信号を挙げることができる。個々の単電池100若しくは組電池200から送信される検出信号としては、例えば、単電池100の過充電、過放電及び過電流を検出した信号を挙げることができる。個々の単電池100について過充電等を検出する場合、電池電圧を検出してもよく、正極電位又は負極電位を検出してもよい。後者の場合、参照極として用いるリチウム電極を個々の単電池100に挿入する。

0149

なお、保護回路346としては、電池パック300を電源として使用する装置(例えば、電子機器、自動車等)に含まれる回路を用いてもよい。

0150

また、この電池パック300は、上述したように通電用の外部端子350を備えている。したがって、この電池パック300は、通電用の外部端子350を介して、組電池200からの電流を外部機器に出力するとともに、外部機器からの電流を、組電池200に入力することができる。言い換えると、電池パック300を電源として使用する際には、組電池200からの電流が、通電用の外部端子350を通して外部機器に供給される。また、電池パック300を充電する際には、外部機器からの充電電流が、通電用の外部端子350を通して電池パック300に供給される。この電池パック300を車載用電池として用いた場合、外部機器からの充電電流として、車両の動力の回生エネルギーを用いることができる。

0151

なお、電池パック300は、複数の組電池200を備えていてもよい。この場合、複数の組電池200は、直列に接続されてもよく、並列に接続されてもよく、直列接続及び並列接続を組み合わせて接続されてもよい。また、プリント配線基板34及び配線35は省略してもよい。この場合、正極側リード22及び負極側リード23を通電用の外部端子の正側端子と負側端子としてそれぞれ用いてもよい。

0152

このような電池パックは、例えば大電流を取り出したときにサイクル性能が優れていることが要求される用途に用いられる。この電池パックは、具体的には、例えば、電子機器の電源、定置用電池、各種車両の車載用電池(鉄道車両用電池を含む)として用いられる。電子機器としては、例えば、デジタルカメラを挙げることができる。この電池パックは、車載用電池として特に好適に用いられる。

0153

第5の実施形態に係る電池パックは、第1の実施形態に係る活物質、第2の実施形態に係る電極、第3の実施形態に係る二次電池、又は第4の実施形態に係る組電池を備えている。したがって、高容量で、大電流性能とサイクル寿命性能とに優れた電池パックを実現することができる。

0154

(第6の実施形態)
第6の実施形態によると、車両が提供される。この車両は、第5の実施形態に係る電池パックを搭載している。

0155

第6の実施形態に係る車両において、電池パックは、例えば、車両の動力の回生エネルギーを回収するものである。車両は、この車両の運動エネルギーを回生エネルギーに変換する機構(例えばregenerator(再生器))を含んでいてもよい。

0156

第6の実施形態に係る車両の例としては、例えば、二輪乃至四輪のハイブリッド電気自動車、二輪乃至四輪の電気自動車アシスト自転車、及び鉄道用車両が挙げられる。

0157

第6の実施形態に係る車両における電池パックの搭載位置は、特には限定されない。例えば、電池パックを自動車に搭載する場合、電池パックは、車両のエンジンルーム車体後方又は座席の下に搭載することができる。

0158

第6の実施形態に係る車両は、複数の電池パックを搭載してもよい。この場合、それぞれの電池パックが含む電池同士は、電気的に直列に接続されてもよく、電気的に並列に接続されてもよく、又は直列接続及び並列接続を組み合わせて電気的に接続されてもよい。例えば、各電池パックが組電池を含む場合は、組電池同士が電気的に直列に接続されてもよく、又は電気的に並列に接続されてもよく、直列接続及び並列接続を組み合わせて電気的に接続されてもよい。或いは、各電池パックが単一の電池を含む場合は、それぞれの電池同士が電気的に直列に接続されてもよく、電気的に並列に接続されてもよく、又は直列接続及び並列接続を組み合わせて電気的に接続されてもよい。

0159

次に、第6の実施形態に係る車両の一例について、図面を参照しながら説明する。

0160

図8は、第6の実施形態に係る車両の一例を概略的に示す部分透過図である。

0161

図8に示す車両400は、車両本体40と、第5の実施形態に係る電池パック300とを含んでいる。図8に示す例では、車両400は、四輪の自動車である。

0162

この車両400は、複数の電池パック300を搭載してもよい。この場合、電池パック300が含む電池(例えば、単電池または組電池)は、直列に接続されてもよく、並列に接続されてもよく、直列接続及び並列接続を組み合わせて接続されてもよい。

0163

図8では、電池パック300が車両本体40の前方に位置するエンジンルーム内に搭載されている例を図示している。上述したとおり、電池パック300は、例えば、車両本体40の後方又は座席の下に搭載してもよい。この電池パック300は、車両400の電源として用いることができる。また、この電池パック300は、車両400の動力の回生エネルギーを回収することができる。

0164

次に、図9を参照しながら、第6の実施形態に係る車両の実施態様について説明する。

0165

図9は、第6の実施形態に係る車両における電気系統に関する制御システムの一例を概略的に示した図である。図9に示す車両400は、電気自動車である。

0166

図9に示す車両400は、車両本体40と、車両用電源41と、車両用電源41の上位の制御装置である車両ECU(ECU:Electric Control Unit;電気制御装置)42と、外部端子(外部電源に接続するための端子)43と、インバータ44と、駆動モータ45とを備えている。

0167

車両400は、車両用電源41を、例えばエンジンルーム、自動車の車体後方又は座席の下に搭載している。なお、図9に示す車両400では、車両用電源41の搭載箇所については概略的に示している。

0168

車両用電源41は、複数(例えば3つ)の電池パック300a、300b及び300cと、電池管理装置(BMU:Battery Management Unit)411と、通信バス412とを備えている。

0169

電池パック300aは、組電池200aと組電池監視装置301a(例えば、VTM:Voltage Temperature Monitoring)とを備えている。電池パック300bは、組電池200bと組電池監視装置301bとを備えている。電池パック300cは、組電池200cと組電池監視装置301cとを備えている。電池パック300a〜300cは、前述の電池パック300と同様の電池パックであり、組電池200a〜200cは、前述の組電池200と同様の組電池である。組電池200a〜200cは、電気的に直列に接続されている。電池パック300a、300b、及び300cは、それぞれ独立して取り外すことが可能であり、別の電池パック300と交換することができる。

0170

組電池200a〜200cのそれぞれは、直列に接続された複数の単電池を備えている。複数の単電池の少なくとも1つは、第3の実施形態に係る二次電池である。組電池200a〜200cは、それぞれ、正極端子413及び負極端子414を通じて充放電を行う。

0171

電池管理装置411は、組電池監視装置301a〜301cとの間で通信を行い、車両用電源41に含まれる組電池200a〜200cに含まれる単電池100のそれぞれについて電圧及び温度などに関する情報を収集する。これにより、電池管理装置411は、車両用電源41の保全に関する情報を収集する。

0172

電池管理装置411と組電池監視装置301a〜301cとは、通信バス412を介して接続されている。通信バス412では、1組の通信線が複数のノード(電池管理装置411と1つ以上の組電池監視装置301a〜301cと)で共有されている。通信バス412は、例えばCAN(Control Area Network)規格に基づいて構成された通信バスである。

0173

組電池監視装置301a〜301cは、電池管理装置411からの通信による指令に基づいて、組電池200a〜200cを構成する個々の単電池の電圧及び温度を計測する。ただし、温度は1つの組電池につき数箇所だけで測定することができ、全ての単電池の温度を測定しなくてもよい。

0174

車両用電源41は、正極端子413と負極端子414との間の電気的な接続の有無を切り替え電磁接触器(例えば図9に示すスイッチ装置415)を有することもできる。スイッチ装置415は、組電池200a〜200cへの充電が行われるときにオンになるプリチャージスイッチ(図示せず)、及び、組電池200a〜200cからの出力が負荷へ供給されるときにオンになるメインスイッチ(図示せず)を含んでいる。プリチャージスイッチ及びメインスイッチのそれぞれは、スイッチ素子の近傍に配置されたコイルに供給される信号によりオン又はオフに切り替わるリレー回路(図示せず)を備えている。スイッチ装置415等の電磁接触器は、電池管理装置411又は車両400全体の動作を制御する車両ECU42からの制御信号に基づいて、制御される。

0175

インバータ44は、入力された直流電圧を、モータ駆動用3相交流(AC)の高電圧に変換する。インバータ44の3相の出力端子は、駆動モータ45の各3相の入力端子に接続されている。インバータ44は、電池管理装置411又は車両全体の動作を制御するための車両ECU42からの制御信号に基づいて、制御される。インバータ44が制御されることにより、インバータ44からの出力電圧が調整される。

0176

駆動モータ45は、インバータ44から供給される電力により回転する。駆動モータ45の回転によって発生する駆動力は、例えば差動ギアユニットを介して車軸および駆動輪Wに伝達される。

0177

また、図示はしていないが、車両400は、回生ブレーキ機構を備えている。回生ブレーキ機構は、車両400を制動した際に駆動モータ45を回転させ、運動エネルギーを電気エネルギーとしての回生エネルギーに変換する。回生ブレーキ機構で回収した回生エネルギーは、インバータ44に入力され、直流電流に変換される。変換された直流電流は、車両用電源41に入力される。

0178

車両用電源41の負極端子414には、接続ラインL1の一方の端子が接続されている。接続ラインL1の他方の端子は、インバータ44の負極入力端子417に接続されている。接続ラインL1には、負極端子414と負極入力端子417との間に電池管理装置411内の電流検出部(電流検出回路)416が設けられている。

0179

車両用電源41の正極端子413には、接続ラインL2の一方の端子が、接続されている。接続ラインL2の他方の端子は、インバータ44の正極入力端子418に接続されている。接続ラインL2には、正極端子413と正極入力端子418との間にスイッチ装置415が設けられている。

0180

外部端子43は、電池管理装置411に接続されている。外部端子43は、例えば、外部電源に接続することができる。

0181

車両ECU42は、運転者などの操作入力応答して電池管理装置411を含む他の管理装置及び制御装置とともに車両用電源41、スイッチ装置415、及びインバータ44等を協調制御する。車両ECU42等の協調制御によって、車両用電源41からの電力の出力及び車両用電源41の充電等が制御され、車両400全体の管理が行われる。電池管理装置411と車両ECU42との間では、通信線により、車両用電源41の残容量など、車両用電源41の保全に関するデータ転送が行われる。

0182

第6の実施形態に係る車両は、第5の実施形態に係る電池パックを搭載している。したがって、低温から高温に亘る広い温度範囲で走行性能に優れた車両を実現することができる。

0183

以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明するが、本発明は以下に掲載される実施例に限定されるものでない。
(実施例1)
正極活物質に、平均二次粒子径が5μmのリチウムニッケルコバルトマンガン酸化物(LiNi0.6Co0.2Mn0.2O2)を用いた。正極活物質90重量%に対し、導電剤としてアセチレンブラックを5重量%、結着剤として5重量%のPVdFをそれぞれ配合した。これらをn−メチルピロリドン(NMP)溶媒に分散してスラリーを調製した後、スラリーを厚さ15μmのアルミニウム合金箔(純度99%)の両面に塗布し、乾燥し、プレス工程を経て、片面当り正極材料層(正極活物質含有層)の厚さが38μm、電極密度2.0g/cm3の正極を作製した。

0184

次に、負極活物質を合成するため、平均粒子径0.1μmの酸化チタン粉末アナターゼ型TiO2)と平均粒子径0.1μmの五酸化ニオブ粉末(Nb2O5:純度99.9%、Kを0.05%とTaを0.05%含有)をモル比で1:1となるように量し、混合した。この粉末を1000℃で20時間熱処理を施した。得られた試料は、粉末X線回折測定から回折図が得られ、リートベルト法による結晶構造解析結果から、合成した試料が目的とする単斜晶型の結晶を有することが確認された。平均一次粒子径は1μmであった。

0185

TiとNbの元素のモル比率は、ICP分析を行うことで得られた。ICP分析は、具体的には、いったん試料となる活物質をPtるつぼに計り取り、アルカリ溶融にて分解を行い、測定溶液を作製した。そして、NbおよびTiは内標準法を用いるICP発光分析法株式会社日立ハイテクサイエンス社製SPS-4000)にて定量測定した。その結果、試料の組成はTiK0.002Ta0.001Nb1.99O7で表された。Tiモル数に対するNbモル数の比(α/β)は1.99であった。
得られたTiK0.002Ta0.001Nb1.99O7粉末を、平均繊維径20nm、Co,Ni及びFeからなる金属元素を含む多層カーボンナノチューブ(MCNT)の粉末5重量%を分散させた水溶液に加え、攪拌混合して均一に分散させた。なお、金属元素重量の炭素繊維の炭素重量に対する比率(γ/σ)は、前述の方法で測定され、0.001であった。また、炭素繊維の繊維径に対する繊維長の比率(繊維長/繊維径)は200であった。その後、この分散液に、結着剤としてセルロースナノファイバー(CeNF),カルボキシメチルセルロース(CMC)及びスチレンブタジエンゴム(SBR)と、導電剤として黒鉛とアセチレンブラック(AB)を加え、ボールミルを用いて回転数1000rpmで、かつ攪拌時間が2時間の条件で攪拌を行い、負極スラリーを作製した。TiK0.002Ta0.001Nb1.99O7とMCNTと黒鉛とABとCeNFとCMCとSBRの配合の重量比率は、90:2:3:1:1:1:2に調整した。炭素繊維の添加比率(ニオブチタン複合酸化物粒子の重量に対する炭素繊維重量の比率)を下記表1に示す。
得られたスラリーを厚さ15μmのアルミニウム箔(純度99.3%)に塗布し、乾燥し、加熱プレス工程を経ることにより、片面当りの負極材料層(負極活物質含有層)の厚さが30μm、電極密度が2.7g/cm3の負極を作製した。また、負極材料層のBET比表面積(負極材料層1g当り表面積)は5m2/gであった。

0186

一方、パルプ原料とする厚さ12μm、気孔率65%、平均繊維径1μmの再生セルロース繊維製セパレータを正極に接触させて覆った。負極をセパレータを介して正極に対向するように重ね、負極活物質含有層でセパレータを介して正極活物質含有層を覆い、これらを渦巻状に捲回して電極群を作製した。

0187

この電極群をさらにプレスすることにより扁平状に成形した。厚さが0.3mmのアルミニウム合金(Al純度99%)からなる薄型の金属缶からなる容器に電極群を収納した。

0188

一方、有機溶媒として、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)の混合溶媒体積比率25:25:50)にリチウム塩としての六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1.2mol/L溶解することにより液状の有機電解質(非水電解液)を調製した。この非水電解質を容器内の電極群に注液し、前述した図1に示す構造を有し、厚さ14mm、幅62mm、高さ94mmの薄型の非水電解質二次電池を作製した。電池の放電容量は10Ahで、中間電圧(50%放電時の電圧)は2.25Vであった。
(実施例2〜18および比較例1〜6)
モル比(α/β)、炭素繊維中の金属元素の種類、重量比率(γ/σ)、炭素繊維の平均繊維径、M元素の種類とw、ニオブチタン複合酸化物粒子の平均一次粒子径、炭素繊維の添加比率(炭素繊維/ニオブチタン複合酸化物)を下記表1,2に示すようにすること以外は、実施例1で説明したのと同様にして薄型の非水電解質二次電池を作製した。

0189

(比較例7)
モル比(α/β)、M元素の種類とw、及び平均一次粒子径が表2に示す通りであるニオブチタン複合酸化物粒子を、5重量%のスクロース水溶液に添加し、これらを攪拌した後、80℃で乾燥させた。得られた前駆体をアルゴン雰囲気で550℃で6時間熱処理を施すことにより、ニオブチタン複合酸化物粒子の表面を炭素層で被覆した。炭素層は、Si,Na及びKを(γ/σ)が表2に記載の量で含有した炭素繊維であった。炭素繊維の平均繊維径及び炭素繊維の添加比率(炭素繊維/ニオブチタン複合酸化物)を表2に示す。得られた活物質を、TiK0.002Ta0.001Nb1.99O7とMCNTの混合物の代わりに用いること以外は、実施例1と同様にして負極を作製した。
なお、炭素繊維中の金属元素は、スクロース水溶液中に含有する不純物由来するものであり、また、(γ/σ)の値が0.2になるのは、不純物の多い原料(スクロース水溶液)を用いて550℃の低温で熱処理した結果、不純物が揮発しなかったためであると推測される。

0190

得られた負極を用いること以外は、実施例1で説明したのと同様にして薄型の非水電解質二次電池を作製した。

0191

得られた二次電池について、25℃で1Cレートの定電流で3.0Vまで1.5時間で充電した後、1.5Vまで1Cレートで放電した時の放電容量を測定した。サイクル試験として、25℃で1Cレートの定電流で3.0Vまで1.5時間で充電した後、1.5Vまで1Cレートで放電する充放電サイクルを繰り返し、容量低下幅が20%となったサイクル数をサイクル寿命回数とした。大電流放電性能として、1C放電容量に対する10C放電容量の容量維持率を求めた。これらの測定結果を下記表3,4に示す。

0192

0193

0194

0195

0196

表1〜4から明らかなように、実施例1〜18の電池は、比較例1〜7と同等またはそれ以上の電池容量を実現しつつ、サイクル寿命と大電流放電性能(10C放電容量維持率)が比較例1〜7よりも優れる。特に、電池容量は、実施例2、3、6,10、16が優れていた。大電流放電性能おいては、実施例3、9、16が優れた性能を得た。また、サイクル寿命においては実施例1,3、5、7、9、11、16、17が優れた性能を得た。

0197

また、実施例3,13〜17の比較により、添加比率が0.1重量%以上5重量%以下の範囲においては、添加比率が高い方が、放電容量、サイクル寿命、大電流放電性能に優れていることがわかる。

0198

実施例11,12と、炭素繊維の平均繊維径が10nm以上90nm以下の範囲である他の実施例とを比較すると、実施例11,12は、サイクル寿命性能が優れており、高い水準にある一方で、大電流放電性能が70%代に留まっている。実施例6,7,8,18の結果から、平均一次粒子径が小さい方が大電流放電性能に優れ、平均一次粒子径が大きい方が優れたサイクル寿命性能を得られやすいと言える。

0199

比較例1は、(1)式を満たし、かつ平均一次粒子径が0.05μm以上2μm以下の単斜晶型のニオブチタン複合酸化物粒子を含むものの、炭素繊維を用いていないため、容量、サイクル寿命及び大電流放電性能が実施例に比して劣っている。比較例2は、炭素繊維を含まないばかりか、ニオブチタン複合酸化物粒子の組成が(1)式から外れているため、比較例1に比して容量が低い。比較例3〜5は、(1)式を満たすものの、(2)式、w及び平均一次粒径が適正範囲から外れているため、容量、サイクル寿命及び大電流放電性能が実施例に比して劣っている。一方、比較例6は、(1)式、(2)式、w及び平均一次粒径が適正範囲から外れているため、容量、サイクル寿命及び大電流放電性能が実施例に比して劣っている。ニオブチタン複合酸化物粒子の表面に熱分解反応により炭素繊維がコーティングされている比較例7によると、容量、サイクル寿命及び大電流放電性能が実施例に比して劣っている。

0200

実施例1の負極活物質のSEM写真を図10図11に示す。図10に示す通り、視野内のニオブチタン複合酸化物粒子500は、凝集したものが少なく、独立した一次粒子を多く含む。ニオブチタン複合酸化物粒子500を拡大したのが、図11に示すSEM写真である。図11に示す通り、ニオブチタン複合酸化物粒子500の表面の少なくとも一部に、カーボンナノチューブ501が付着している。実施例2〜18の負極活物質についても、SEM観察により、ニオブチタン複合酸化物粒子の表面の少なくとも一部に、カーボンナノチューブが付着していることを確認した。

0201

以上説明した少なくとも一つの実施形態または実施例の活物質によれば、(1)式を満たし、平均一次粒子径が0.05μm以上2μm以下の単斜晶型のニオブチタン複合酸化物粒子と、Fe、Co及びNiからなる群から選択される1種類以上の金属元素を含有し、(2)式を満たし、かつ平均繊維径が5nm以上100nm以下の範囲の炭素繊維とを含むため、大電流性能とサイクル寿命性能とに優れた電極用活物質を提供することができる。

実施例

0202

本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

0203

1…電極群、2…容器(外装部材)、3…正極、3a…正極集電体、3b…正極活物質含有層、4…負極、4a…負極集電体、4b…負極活物質含有層、5…セパレータ、6…正極リード、7…負極リード、8…正極導電タブ、9…負極導電タブ、10…封口板、11…絶縁部材、12…外装部材、13…負極端子、14…正極端子、21…リード(バスバー)、34…プリント配線基板、40…車両本体、41…車両用電源、42…車両ECU、43…外部端子、44…インバータ、45…駆動モータ、100…単位電池、1001〜1005…二次電池、200…組電池、200a〜c…組電池、300…電池パック、300a〜c…電池パック、301a〜c…組電池監視装置、345…サーミスタ、346…保護回路、350…通電用の外部端子、400…車両、411…電池管理装置、412…通信バス、413…正極端子、414…負極端子、L1、L2…接続ライン、W…駆動輪。

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