図面 (/)

技術 水平配向型液晶表示素子、液晶組成物、表示装置、および、水平配向型液晶表示素子の製造方法

出願人 JNC株式会社JNC石油化学株式会社
発明者 平井吉治荻田和寛近藤史尚
出願日 2020年1月6日 (11ヶ月経過) 出願番号 2020-000357
公開日 2020年9月17日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-149042
状態 未査定
技術分野 液晶3-2(配向部材) 液晶材料 付加系(共)重合体、後処理、化学変成 液晶物質
主要キーワード JEITA規格 センサー特性 カルコン構造 マルチメディアディスプレイ 光フリース転位 接着幅 Bモード 光透過強度
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年9月17日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (0)

図面はありません

課題

一対の基板のうち少なくとも一方の基板にポリイミドのような配向膜事前に形成されていてもよい液晶表示素子において、液晶性化合物配向制御層を形成するにあたり、露光工程における偏光板の設置を省略した製造方法を提供し、水平配向均一性に優れた水平配向型液表示素子を提供する。

解決手段

一対の基板のうちのいずれか一方の基板にポリイミドのような配向膜を形成されていてもよい液晶表示素子へ、配向制御層形成モノマーを有する正または負の誘電率異方性を有する液晶組成物封入し、液晶組成物が等方相となる温度で加熱しながら、非偏光紫外線照射を一方の基板面に対して斜め方向から行い、配向制御層を形成する。

概要

背景

液晶表示素子において、液晶分子の動作モードに基づいた分類は、PC(phase change)、TN(twisted nematic)、STN(super twisted nematic)、ECB(electrically controlled birefringence)、OCB(optically compensated bend)、IPS(in-plane switching)、VA(vertical alignment)、FFS(fringe field switching)、FPA(field-induced photo-reactive alignment)などのモードである。素子駆動方式に基づいた分類は、PM(passive matrix)とAM(active matrix)である。PMは、スタティック(static)、マルチプレックス(multiplex)などに分類され、AMは、TFT(thin film transistor)、MIM(metal insulator metal)などに分類される。TFTの分類は非晶質シリコン(amorphous silicon)および多結晶シリコン(polycrystal silicon)である。後者は製造工程によって高温型低温型とに分類される。光源に基づいた分類は、自然光を利用する反射型バックライトを利用する透過型、そして自然光とバックライトの両方を利用する半透過型である。

液晶表示素子はネマチック相を有する液晶組成物を含有する。この組成物は適切な特性を有する。この組成物の特性を向上させることによって、良好な特性を有するAM素子を得ることができる。2つの特性における関連を下記の表1にまとめる。組成物の特性を市販されているAM素子に基づいてさらに説明する。ネマチック相の温度範囲は、素子の使用できる温度範囲に関連する。ネマチック相の好ましい上限温度は約70℃以上であり、そしてネマチック相の好ましい下限温度は約−10℃以下である。組成物の粘度は素子の応答時間に関連する。素子で動画を表示するためには短い応答時間が好ましい。1ミリ秒でもより短い応答時間が望ましい。したがって、組成物における小さな粘度が好ましい。低い温度における小さな粘度はより好ましい。

組成物の光学方性は、素子のコントラスト比に関連する。素子のモードに応じて、大きな光学異方性または小さな光学異方性、すなわち適切な光学異方性が必要である。組成物の光学異方性(Δn)と素子のセルギャップ(d)との積(Δn×d)は、コントラスト比を最大にするように設計される。適切な積の値は動作モードの種類に依存する。この値は、TNのようなモードの素子では約0.45μmである。この値は、VAモードの素子では約0.30μmから約0.40μmの範囲であり、IPSモードまたはFFSモードの素子では約0.20μmから約0.30μmの範囲である。これらの場合、小さなセルギャップの素子には大きな光学異方性を有する組成物が好ましい。組成物における大きな誘電率異方性は、素子における低いしきい値電圧、小さな消費電力と大きなコントラスト比に寄与する。したがって、正または負に大きな誘電率異方性が好ましい。組成物における大きな比抵抗は、素子における大きな電圧保持率と大きなコントラスト比とに寄与する。したがって、初期段階において大きな比抵抗を有する組成物が好ましい。長時間使用したあと、大きな比抵抗を有する組成物が好ましい。紫外線および熱に対する組成物の安定性は、素子の寿命に関連する。この安定性が高いとき、素子の寿命は長い。このような特性は、液晶モニター液晶テレビなどに用いるAM素子に好ましい。

TNモードを有するAM素子においては正の誘電率異方性を有する組成物が用いられる。VAモードを有するAM素子においては負の誘電率異方性を有する組成物が用いられる。IPSモードまたはFFSモードを有するAM素子においては正または負の誘電率異方性を有する組成物が用いられる。高分子支持配向(PSA;polymer sustained alignment)型のAM素子においては正または負の誘電率異方性を有する組成物が用いられる。高分子支持配向(PSA;polymer sustained alignment)型の液晶表示素子では、重合体を含有する液晶組成物が用いられる。まず、少量の重合性化合物を添加した組成物を素子に注入する。次に、この素子の基板の間電圧印加しながら、組成物に紫外線を照射する。重合性化合物は重合して、組成物中に重合体の網目構造を生成する。この組成物では、重合体によって液晶分子の配向を制御することが可能になるので、素子の応答時間が短縮され、画像の焼き付きが改善される。重合体のこのような効果は、TN、ECB、OCB、IPS、VA、FFS、FPAのようなモードを有する素子に期待できる。

IPSモード、FFSモード、ECBモードにおいては液晶分子を電圧無印加時に基板の主面に対して略水平な方向に配向させる必要がある。このような液晶分子の配向制御を実現させるために、ポリイミドのような配向膜が用いられてきた。近年、液晶パネルの狭額縁化が進み、配向膜とシール剤接着幅が狭くなることで接着強度が弱まり、配向膜とシール剤の界面から剥離が進行することがあった。このような問題を防止するために、従来のポリイミドのような配向膜を用いない方法が提案されている。(特許文献1〜4)
特許文献1および4の方法では、ポリイミドのような配向膜の代わりに、カルコン構造シンナメート構造、芳香族エステル構造を有する重合性化合物を液晶化合物中に添加して、配向制御層形成モノマーとして用いる。これらの重合性化合物が含まれる液晶組成物を液晶セルに注入し、液晶セルを液晶組成物の上限温度より高い温度で加熱しながら、液晶セルに直線偏光を照射する。この直線偏光によって配向制御層形成モノマーが、二量化異性化、あるいは光フリース転位するとき、その分子が一定方向に配列される。この方法では、IPSやFFSのような水平配向モードの素子を製造することができる。この方法においては、配向制御層形成モノマーが液晶組成物の上限温度より高い温度で容易に溶解し、加熱しながらの直線偏光処理後、室温に戻したとき、得られる配向制御層が液晶化合物と相分離することが重要である。ただし、配向制御層を形成するための露光工程では直線偏光の照射が必要であり、直線偏光を得るために偏光板を利用するため、光源の光利用効率半減する。非偏光を利用した配向制御層の形成方法としては、アゾベンゼンを有するデンドリマーを水平配向制御用添加剤として含有する液晶組成物を注入した液晶セルへ、基板法線方向に対して斜め方向から非偏光で露光する方法が開示されている(特許文献5)。特許文献1〜4においては、基板法線方向に対して斜め方向から非偏光で露光する方法については開示も示唆もされていない。また、特許文献5では、非偏光を利用した水平配向制御層形成は可能であるが、水平配向制御用の添加剤に含まれるアゾベンゼン構造の着色があるため問題となる場合があった。

概要

一対の基板のうち少なくとも一方の基板にポリイミドのような配向膜が事前に形成されていてもよい液晶表示素子において、液晶性化合物の配向制御層を形成するにあたり、露光工程における偏光板の設置を省略した製造方法を提供し、水平配向の均一性に優れた水平配向型液表示素子を提供する。一対の基板のうちのいずれか一方の基板にポリイミドのような配向膜を形成されていてもよい液晶表示素子へ、配向制御層形成モノマーを有する正または負の誘電率異方性を有する液晶組成物を封入し、液晶組成物が等方相となる温度で加熱しながら、非偏光の紫外線照射を一方の基板面に対して斜め方向から行い、配向制御層を形成する。なし

目的

本発明の課題は、一対の基板のうち少なくとも一方の基板にポリイミドのような配向膜が形成されていてもよい液晶表示素子において、光異性化および光二量化の少なくとも1つを生じる配向制御層形成モノマーを含有する液晶組成物を用い、非偏光の紫外線照射を一方の基板面に対して斜め方向から加熱しながら行うことにより、液晶分子が水平配向した液晶表示素子を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

対向して配置された第一の基板と第二の基板との間に液晶層が挟持され、前記第一の基板と前記液晶層との間、および、前記第二の基板と前記液晶層との間に、液晶分子配向制御する配向制御層を有し、前記液晶層は、液晶組成物から形成され、前記液晶組成物は、少なくとも1つの液晶性化合物と、第一添加物として、式(1)で表される、光照射により光フリース転位光異性化、および光二量化の少なくとも1つを生じる配向制御層形成モノマーを含有し、前記配向制御層は、少なくとも前記第一添加物を重合させてなる重合体を含有し、前記配向制御層は、前記液晶組成物が等方相を示す温度に保持して、一方の基板面の法線に対して、30度以上80度以下の角度で非偏光照射することで形成される、水平配向型液表示素子。式(1)において、R1、R2およびR3は、独立して、水素または炭素数1から10のアルキルであり、このR1、R2およびR3において、少なくとも1つの−CH2−は、−O−または−NH−で置き換えられてもよく;nは、独立して、0、1または2であり;aは、0、1、2または3であり;環A1は、シクロヘキシルシクロヘキセニルフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、テトラヒドロピラン−2−イル、テトラヒドロピラン−3−イル、1,3−ジオキサン−2−イル、1,3−ジオキサン−3−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−5−イル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、フルオレン−2−イル、フルオレン−7−イル、フェナントレン−2−イル、フェナントレン−7−イル、アントラセン−2−イル、アントラセン−6−イル、ペルヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−3−イル、ペルヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−17−イル、2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−3−イル、または2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−17−イルであり、環A2は、1,4−シクロキシレン、1,3−シクロへキシレン、1,2−シクロへキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、1,2−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、ナフタレン−1,4−ジイル、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル、デカヒドロナフタレン−1,4−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,4−ジイル、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、シクロペンタン−1,3−ジイル、シクロペンテン−1,3−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、カルバゾール−2,7−ジイル、フェナントレン−2,7−ジイル、アントラセン−2,6−ジイル、アントラセン−1,4−ジイル、ペルヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−3,17−ジイル、または2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−3,17−ジイルであり、環A3は、1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,2−ジイル、ナフタレン−1,3−ジイル、ナフタレン−1,4−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−1,6−ジイル、ナフタレン−1,7−ジイル、ナフタレン−1,8−ジイル、ナフタレン−2,3−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、ナフタレン−2,7−ジイル、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、フェナントレン−2,7−ジイル、アントラセン−2,6−ジイル、アントラセン−1,4−ジイル、ペルヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−3,17−ジイル、または2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−3,17−ジイルであり;Z1およびZ2は、独立して、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このZ1およびZ2において、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−NH−または−OCOO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素は、ハロゲンで置き換えられてもよいが、Z1およびZ2の中で少なくとも1つは、−COO−、−OCO−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−CH=CHCO−または−COCH=CH−であり;Sp1、Sp2、Sp3およびSp4は、独立して、単結合または炭素数1から12のアルキレンであり、このSp1、Sp2、Sp3およびSp4において、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−COO−、−OCO−または−OCOO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよく;c、dおよびeは、独立して、0、1、2、3または4であり、c、dおよびeの和は、1、2、3または4であり;P1、P2、P3およびP4は、独立して、重合性基である。

請求項2

前記式(1)において、R1、R2およびR3は、独立して、水素または炭素数1から10のアルキルであり、このR1、R2およびR3において、少なくとも1つの−CH2−は、−O−または−NH−で置き換えられてもよく;nは、独立して、0、1または2であり;aは、0、1、2または3であり;環A1は、シクロヘキシル、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−5−イル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、フルオレン−2−イル、フルオレン−7−イル、フェナントレン−2−イル、フェナントレン−7−イル、アントラセン−2−イルまたはアントラセン−6−イルであり、環A2は、1,4−シクロへキシレン、1,3−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、ナフタレン−1,4−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、カルバゾール−2,7−ジイル、フェナントレン−2,7−ジイル、アントラセン−2,6−ジイルまたはアントラセン−1,4−ジイルであり、環A3は、1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,2−ジイル、ナフタレン−1,3−ジイル、ナフタレン−1,4−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−1,6−ジイル、ナフタレン−1,7−ジイル、ナフタレン−1,8−ジイル、ナフタレン−2,3−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、ナフタレン−2,7−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、フェナントレン−2,7−ジイル、アントラセン−2,6−ジイル、またはアントラセン−1,4−ジイルであり;Z1およびZ2は、独立して、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このZ1およびZ2において、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−NH−または−OCOO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素は、ハロゲンで置き換えられてもよいが、Z1およびZ2の中で少なくとも1つは、−COO−、−OCO−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−CH=CHCO−または−COCH=CH−であり;Sp1、Sp2、Sp3およびSp4は、独立して、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このSp1、Sp2、Sp3およびSp4において、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−COO−、−OCO−または−OCOO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよく;c、dおよびeは、独立して、0、1、2、3または4であり、c、dおよびeの和は、1、2、3または4であり;P1、P2、P3およびP4は、独立して、式(1P−1)で表される重合性基であり;式(1P−1)において、M41およびM42は、独立して、水素、フッ素、炭素数1から5のアルキル、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から5のアルキルであり;R41は、水素、フッ素、炭素数1から10のアルキル、炭素数1から9のアルコキシ、または炭素数2から9のアルコキシアルキルであり、このR41において、少なくとも1つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよい、請求項1に記載の水平配向型液晶表示素子。

請求項3

前記配向制御層の厚みが0.0008μmから0.07μmである、請求項1または2に記載の水平配向型液晶表示素子。

請求項4

前記液晶組成物が、式(2)から式(4)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの液晶性化合物を含有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の水平配向型液晶表示素子。式(2)から式(4)において、R11およびR12は、独立して、炭素数1から10のアルキルまたは炭素数2から10のアルケニルであり、このR11およびR12において、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−COO−または−OCO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよく;環B1、環B2、環B3および環B4は、独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレンまたはピリミジン−2,5−ジイルであり;Z11、Z12およびZ13は、独立して、単結合、−(CH2)2−、−CH=CH−、−C≡C−または−COO−である。

請求項5

前記液晶組成物が、式(5)から式(7)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの液晶性化合物をさらに含有する、請求項1から4のいずれか1項に記載の水平配向型液晶表示素子。式(5)から式(7)において、R13は、炭素数1から10のアルキルまたは炭素数2から10のアルケニルであり、このR13において、少なくとも1つの−CH2−は、−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよく;X11は、フッ素、塩素、−OCF3、−OCHF2、−CF3、−CHF2、−CH2F、−OCF2CHF2または−OCF2CHFCF3であり;環C1、環C2および環C3は、独立して、1,4−シクロヘキシレン、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレン、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、またはピリミジン−2,5−ジイルであり;Z14、Z15およびZ16は、独立して、単結合、−(CH2)2−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CF−、−C≡C−、−COO−、−CF2O−、−OCF2−、−CH2O−、−CH=CF−CF2O−、−CF=CF−CF2O−または−(CH2)4−であり;L11およびL12は、独立して、水素またはフッ素である。

請求項6

前記液晶組成物が、式(8)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの液晶性化合物をさらに含有する、請求項1から5のいずれか1項に記載の水平配向型液晶表示素子。式(8)において、R14は、炭素数1から10のアルキルまたは炭素数2から10のアルケニルであり、このR14において、少なくとも1つの−CH2−は、−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよく;X12は、−C≡Nまたは−C≡C−C≡Nであり;環D1は、独立して、1,4−シクロヘキシレン、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレン、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、またはピリミジン−2,5−ジイルであり;Z17は、独立して、単結合、−(CH2)2−、−C≡C−、−COO−、−CF2O−、−OCF2−または−CH2O−であり;L13およびL14は、独立して、水素またはフッ素であり;iは、1、2、3または4である。

請求項7

前記液晶組成物が、式(9)から式(21)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの液晶性化合物をさらに含有する、請求項1から6のいずれか1項に記載の水平配向型液晶表示素子。式(9)から式(21)において、R15およびR16は、独立して、炭素数1から10のアルキルまたは炭素数2から10のアルケニルであり、このR15およびR16において、少なくとも1つの−CH2−は、−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよく;R17は、水素、フッ素、炭素数1から10のアルキル、または炭素数2から10のアルケニルであり、このR17において、少なくとも1つの−CH2−は、−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよく;環E1、環E2、環E3および環E4は、独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレン,テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、またはデカヒドロナフタレン−2,6−ジイルであり;環E5および環E6は、独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン,テトラヒドロピラン−2,5−ジイルまたはデカヒドロナフタレン−2,6−ジイルであり;Z18、Z19、Z20、およびZ21は、独立して、単結合、−(CH2)2−、−COO−、−CH2O−、−OCF2−または−OCF2−(CH2)2−であり;L15およびL16は、独立して、フッ素または塩素であり;S11は、水素またはメチルであり;Xは、独立して、−CHF−または−CF2−であり;j、k、m、n、p、q、rおよびsは、独立して、0または1であり、k、m、nおよびpの和は、0、1、2または3であり、q、rおよびsの和は、0、1、2または3であり、tは、1、2または3である。

請求項8

前記液晶組成物が、第二添加物として、前記第一添加物とは異なる重合性化合物をさらに含有し、前記配向制御層は、少なくとも前記第一添加物および前記第二添加物を重合させてなる重合体を含有する、請求項1から7のいずれか1項に記載の水平配向型液晶表示素子。

請求項9

前記第二添加物が、式(16α)で表される、請求項8に記載の水平配向型液晶表示素子。式(16α)において、環Fおよび環Iは、独立して、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、テトラヒドロピラン−2−イル、テトラヒドロピラン−3−イル、1,3−ジオキサン−2−イル、1,3−ジオキサン−3−イル、ピリミジン−2−イル、ピリジン−2−イル、ピリミジン−5−イル、フルオレン−2−イル、フルオレン−7−イル、フェナントレン−2−イル、フェナントレン−7−イル、アントラセン−2−イル、アントラセン−6−イル、ペルヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−3−イル、ペルヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−17−イル、2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−3−イル、または2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−17−イルであり、この環Fおよび環Iにおいて、少なくとも1つの水素は、フッ素、塩素、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数1から12のアルキルで置き換えられてもよく;環Gは、独立して、1,4−シクロへキシレン、1,3−シクロへキシレン、1,2−シクロへキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、1,2−フェニレン、ナフタレン−1,2−ジイル、ナフタレン−1,3−ジイル、ナフタレン−1,4−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−1,6−ジイル、ナフタレン−1,7−ジイル、ナフタレン−1,8−ジイル、ナフタレン−2,3−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、ナフタレン−2,7−ジイル、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、カルバゾール−2,7−ジイル、フェナントレン−2,7−ジイル、アントラセン−2,6−ジイル、アントラセン−1,4−ジイル、ペルヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−3,17−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイルまたはピリジン−2,5−ジイルであり、この環Gにおいて、少なくとも1つの水素は、フッ素、塩素、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数1から12のアルキルで置き換えられてもよく;Z22およびZ23は、独立して、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このZ22およびZ23において、少なくとも1つの−CH2−は、−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH2)2−は、−CH=CH−、−C≡C−、−C(CH3)=CH−、−CH=C(CH3)−または−C(CH3)=C(CH3)−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよく;P11、P12およびP13は、独立して、重合性基であり;Sp11、Sp12およびSp13は、独立して、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このSp11、Sp12およびSp13において、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−COO−、−OCO−または−OCOO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよく;uは、0、1または2であり;f、gおよびhは、独立して、0、1、2、3または4であり、f、gおよびhの和は、2以上である。

請求項10

前記第一の基板上、および、前記第二の基板上のうちのいずれか一方に、前記液晶層を配向させる配向膜を有する、請求項1から9のいずれか1項に記載の水平配向型液晶表示素子。

請求項11

請求項1から9のいずれか1項に記載の水平配向型液晶表示素子を製造する水平配向型液晶表示素子の製造方法であって、対向して配置された前記第一の基板と前記第二の基板との間に、前記液晶組成物を挟持する工程と、前記液晶組成物を、ネマチック相から等方相への転移温度TNI以上の温度範囲に保持し、前記液晶組成物に非偏光を、一方の基板面の法線に対して、30度以上80度以下の角度で照射し、少なくとも前記第一添加物を重合させることによって前記配向制御層を形成する工程とを、備える、水平配向型液晶表示素子の製造方法。

請求項12

請求項10に記載の水平配向型液晶表示素子を製造する水平配向型液晶表示素子の製造方法であって、前記第一の基板、および、前記第二の基板のうちのいずれか一方に、前記液晶層を配向させる配向膜を形成する工程と、対向して配置された前記第一の基板と前記第二の基板との間に、前記液晶組成物を挟持する工程と、前記液晶組成物を、ネマチック相から等方相への転移温度TNI以上の温度範囲に保持し、前記液晶組成物に非偏光を、一方の基板面の法線に対して、30度以上80度以下の角度で照射し、少なくとも前記第一添加物を重合させることによって前記配向制御層を形成する工程とを、備える、水平配向型液晶表示素子の製造方法。

請求項13

前記液晶組成物を、TNI以上、TNI+15℃以下の温度範囲に保持して、波長280nmから400nmの範囲にピークを有し、照度が2mW/cm2から300mW/cm2の範囲で、0.03J/cm2から35J/cm2の露光量となる範囲で非偏光紫外線を照射する、請求項11または12に記載の水平配向型液晶表示素子の製造方法。

請求項14

請求項11から13のいずれか1項に記載の非偏光または非偏光紫外線を照射し、さらに、追加の非偏光紫外線を、前記液晶組成物を20℃以上45℃以下の温度範囲に保持して、波長330nmから400nmにピークを有し、照度が1mW/cm2から50mW/cm2の範囲で、1J/cm2から10J/cm2の露光量となる範囲で照射する、請求項11から13のいずれか1項に記載の水平配向型液晶表示素子の製造方法。

請求項15

請求項1から10のいずれか1項に記載の液晶表示素子、または、請求項11から14のいずれか1項に記載の水平配向型液晶表示素子の製造方法に用いる液晶組成物であって、ネマチック相から等方相への転移温度TNIを有し、少なくとも1つの液晶性化合物と、第一添加物として、前記式(1)で表される配向制御層形成モノマーを少なくとも1つと、を含有する、液晶組成物。

請求項16

請求項1から10のいずれか1項に記載の液晶表示素子、または、請求項11から14のいずれか1項に記載の水平配向型液晶表示素子の製造方法に用いる液晶組成物であって、ネマチック相から等方相への転移温度TNIを有し、少なくとも1つの液晶性化合物と、第一添加物として、前記式(1)で表される配向制御層形成モノマーを少なくとも1つと、第二添加物として、前記式(16α)で表される重合性化合物を少なくとも1つと、を含有する、液晶組成物。

請求項17

請求項1から10のいずれか1項に記載の水平配向型液晶表示素子と;バックライトと;を備える、表示装置

技術分野

0001

本発明は、水平配向型液表示素子および液晶組成物に関する。特に、ポリイミドのような配向膜が両側の基板事前に形成されていなくても、光フリース転位光異性化および光二量化の少なくとも1つを生じる配向制御層形成モノマーを含有する液晶組成物を用い、この液晶組成物に対し、一方の基板面に対して斜め方向から加熱非偏光照射を行うことにより、液晶分子の水平配向が得られる液晶表示素子に関する。

背景技術

0002

液晶表示素子において、液晶分子の動作モードに基づいた分類は、PC(phase change)、TN(twisted nematic)、STN(super twisted nematic)、ECB(electrically controlled birefringence)、OCB(optically compensated bend)、IPS(in-plane switching)、VA(vertical alignment)、FFS(fringe field switching)、FPA(field-induced photo-reactive alignment)などのモードである。素子駆動方式に基づいた分類は、PM(passive matrix)とAM(active matrix)である。PMは、スタティック(static)、マルチプレックス(multiplex)などに分類され、AMは、TFT(thin film transistor)、MIM(metal insulator metal)などに分類される。TFTの分類は非晶質シリコン(amorphous silicon)および多結晶シリコン(polycrystal silicon)である。後者は製造工程によって高温型低温型とに分類される。光源に基づいた分類は、自然光を利用する反射型バックライトを利用する透過型、そして自然光とバックライトの両方を利用する半透過型である。

0003

液晶表示素子はネマチック相を有する液晶組成物を含有する。この組成物は適切な特性を有する。この組成物の特性を向上させることによって、良好な特性を有するAM素子を得ることができる。2つの特性における関連を下記の表1にまとめる。組成物の特性を市販されているAM素子に基づいてさらに説明する。ネマチック相の温度範囲は、素子の使用できる温度範囲に関連する。ネマチック相の好ましい上限温度は約70℃以上であり、そしてネマチック相の好ましい下限温度は約−10℃以下である。組成物の粘度は素子の応答時間に関連する。素子で動画を表示するためには短い応答時間が好ましい。1ミリ秒でもより短い応答時間が望ましい。したがって、組成物における小さな粘度が好ましい。低い温度における小さな粘度はより好ましい。

0004

0005

組成物の光学方性は、素子のコントラスト比に関連する。素子のモードに応じて、大きな光学異方性または小さな光学異方性、すなわち適切な光学異方性が必要である。組成物の光学異方性(Δn)と素子のセルギャップ(d)との積(Δn×d)は、コントラスト比を最大にするように設計される。適切な積の値は動作モードの種類に依存する。この値は、TNのようなモードの素子では約0.45μmである。この値は、VAモードの素子では約0.30μmから約0.40μmの範囲であり、IPSモードまたはFFSモードの素子では約0.20μmから約0.30μmの範囲である。これらの場合、小さなセルギャップの素子には大きな光学異方性を有する組成物が好ましい。組成物における大きな誘電率異方性は、素子における低いしきい値電圧、小さな消費電力と大きなコントラスト比に寄与する。したがって、正または負に大きな誘電率異方性が好ましい。組成物における大きな比抵抗は、素子における大きな電圧保持率と大きなコントラスト比とに寄与する。したがって、初期段階において大きな比抵抗を有する組成物が好ましい。長時間使用したあと、大きな比抵抗を有する組成物が好ましい。紫外線および熱に対する組成物の安定性は、素子の寿命に関連する。この安定性が高いとき、素子の寿命は長い。このような特性は、液晶モニター液晶テレビなどに用いるAM素子に好ましい。

0006

TNモードを有するAM素子においては正の誘電率異方性を有する組成物が用いられる。VAモードを有するAM素子においては負の誘電率異方性を有する組成物が用いられる。IPSモードまたはFFSモードを有するAM素子においては正または負の誘電率異方性を有する組成物が用いられる。高分子支持配向(PSA;polymer sustained alignment)型のAM素子においては正または負の誘電率異方性を有する組成物が用いられる。高分子支持配向(PSA;polymer sustained alignment)型の液晶表示素子では、重合体を含有する液晶組成物が用いられる。まず、少量の重合性化合物を添加した組成物を素子に注入する。次に、この素子の基板の間電圧印加しながら、組成物に紫外線を照射する。重合性化合物は重合して、組成物中に重合体の網目構造を生成する。この組成物では、重合体によって液晶分子の配向を制御することが可能になるので、素子の応答時間が短縮され、画像の焼き付きが改善される。重合体のこのような効果は、TN、ECB、OCB、IPS、VA、FFS、FPAのようなモードを有する素子に期待できる。

0007

IPSモード、FFSモード、ECBモードにおいては液晶分子を電圧無印加時に基板の主面に対して略水平な方向に配向させる必要がある。このような液晶分子の配向制御を実現させるために、ポリイミドのような配向膜が用いられてきた。近年、液晶パネルの狭額縁化が進み、配向膜とシール剤接着幅が狭くなることで接着強度が弱まり、配向膜とシール剤の界面から剥離が進行することがあった。このような問題を防止するために、従来のポリイミドのような配向膜を用いない方法が提案されている。(特許文献1〜4)
特許文献1および4の方法では、ポリイミドのような配向膜の代わりに、カルコン構造シンナメート構造、芳香族エステル構造を有する重合性化合物を液晶化合物中に添加して、配向制御層形成モノマーとして用いる。これらの重合性化合物が含まれる液晶組成物を液晶セルに注入し、液晶セルを液晶組成物の上限温度より高い温度で加熱しながら、液晶セルに直線偏光を照射する。この直線偏光によって配向制御層形成モノマーが、二量化異性化、あるいは光フリース転位するとき、その分子が一定方向に配列される。この方法では、IPSやFFSのような水平配向モードの素子を製造することができる。この方法においては、配向制御層形成モノマーが液晶組成物の上限温度より高い温度で容易に溶解し、加熱しながらの直線偏光処理後、室温に戻したとき、得られる配向制御層が液晶化合物と相分離することが重要である。ただし、配向制御層を形成するための露光工程では直線偏光の照射が必要であり、直線偏光を得るために偏光板を利用するため、光源の光利用効率半減する。非偏光を利用した配向制御層の形成方法としては、アゾベンゼンを有するデンドリマーを水平配向制御用添加剤として含有する液晶組成物を注入した液晶セルへ、基板法線方向に対して斜め方向から非偏光で露光する方法が開示されている(特許文献5)。特許文献1〜4においては、基板法線方向に対して斜め方向から非偏光で露光する方法については開示も示唆もされていない。また、特許文献5では、非偏光を利用した水平配向制御層形成は可能であるが、水平配向制御用の添加剤に含まれるアゾベンゼン構造の着色があるため問題となる場合があった。

先行技術

0008

国際公開第2018/008581号
国際公開第2017/102068号
国際公開第2018/155322号
国際公開第2018/155323号
特開2015−64465号公報

発明が解決しようとする課題

0009

本発明の課題は、一対の基板のうち少なくとも一方の基板にポリイミドのような配向膜が形成されていてもよい液晶表示素子において、光異性化および光二量化の少なくとも1つを生じる配向制御層形成モノマーを含有する液晶組成物を用い、非偏光の紫外線照射を一方の基板面に対して斜め方向から加熱しながら行うことにより、液晶分子が水平配向した液晶表示素子を提供することである。

課題を解決するための手段

0010

本発明は、一対の基板のうちいずれか一方の基板にポリイミドのような配向膜が形成されていてもよい液晶表示素子において、非偏光の紫外線露光を一方の基板面に対して斜め方向から加熱しながら行うことで、光フリース転位、光二量化および光異性化の少なくとも1つを生じる配向制御層形成モノマーからなる配向制御層を液晶セル内に形成することにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、下記の態様などを含む。

0011

[1] 対向して配置された第一の基板と第二の基板との間に液晶層が挟持され、
前記第一の基板と前記液晶層との間、および、前記第二の基板と前記液晶層との間に、液晶分子を配向制御する配向制御層を有し、
前記液晶層は、液晶組成物から形成され、
前記液晶組成物は、少なくとも1つの液晶性化合物と、第一添加物として、式(1)で表される、光照射により光フリース転位、光異性化、および光二量化の少なくとも1つを生じる配向制御層形成モノマーを含有し、
前記配向制御層は、少なくとも前記第一添加物を重合させてなる重合体を含有し、
前記配向制御層は、前記液晶組成物が等方相を示す温度に保持して、一方の基板面の法線に対して、30度以上80度以下の角度で非偏光を照射することで形成される、水平配向型液晶表示素子。

0012

0013

式(1)において、
R1、R2およびR3は、独立して、水素または炭素数1から10のアルキルであり、このR1、R2およびR3において、少なくとも1つの−CH2−は、−O−または−NH−で置き換えられてもよく;
nは、独立して、0、1または2であり;
aは、0、1、2または3であり;
環A1は、シクロヘキシルシクロヘキセニルフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、テトラヒドロピラン−2−イル、テトラヒドロピラン−3−イル、1,3−ジオキサン−2−イル、1,3−ジオキサン−3−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−5−イル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、フルオレン−2−イル、フルオレン−7−イル、フェナントレン−2−イル、フェナントレン−7−イル、アントラセン−2−イル、アントラセン−6−イル、ペルヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−3−イル、ペルヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−17−イル、2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−3−イル、または2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−17−イルであり、
環A2は、1,4−シクロキシレン、1,3−シクロへキシレン、1,2−シクロへキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、1,2−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、ナフタレン−1,4−ジイル、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル、デカヒドロナフタレン−1,4−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,4−ジイル、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、シクロペンタン−1,3−ジイル、シクロペンテン−1,3−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、カルバゾール−2,7−ジイル、フェナントレン−2,7−ジイル、アントラセン−2,6−ジイル、アントラセン−1,4−ジイル、ペルヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−3,17−ジイル、または2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−3,17−ジイルであり、
環A3は、1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,2−ジイル、ナフタレン−1,3−ジイル、ナフタレン−1,4−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−1,6−ジイル、ナフタレン−1,7−ジイル、ナフタレン−1,8−ジイル、ナフタレン−2,3−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、ナフタレン−2,7−ジイル、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、フェナントレン−2,7−ジイル、アントラセン−2,6−ジイル、アントラセン−1,4−ジイル、ペルヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−3,17−ジイル、または2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−3,17−ジイルであり;
Z1およびZ2は、独立して、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このZ1およびZ2において、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−NH−または−OCOO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素は、ハロゲンで置き換えられてもよいが、Z1およびZ2の中で少なくとも1つは、−COO−、−OCO−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−CH=CHCO−または−COCH=CH−であり;
Sp1、Sp2、Sp3およびSp4は、独立して、単結合または炭素数1から12のアルキレンであり、このSp1、Sp2、Sp3およびSp4において、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−COO−、−OCO−または−OCOO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよく;
c、dおよびeは、独立して、0、1、2、3または4であり、c、dおよびeの和は、1、2、3または4であり;
P1、P2、P3およびP4は、独立して、重合性基である。

0014

[2] 前記式(1)において、
R1、R2およびR3は、独立して、水素または炭素数1から10のアルキルであり、このR1、R2およびR3において、少なくとも1つの−CH2−は、−O−または−NH−で置き換えられてもよく;
nは、独立して、0、1または2であり;
aは、0、1、2または3であり;
環A1は、シクロヘキシル、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−5−イル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、フルオレン−2−イル、フルオレン−7−イル、フェナントレン−2−イル、フェナントレン−7−イル、アントラセン−2−イルまたはアントラセン−6−イルであり、
環A2は、1,4−シクロへキシレン、1,3−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、ナフタレン−1,4−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、カルバゾール−2,7−ジイル、フェナントレン−2,7−ジイル、アントラセン−2,6−ジイルまたはアントラセン−1,4−ジイルであり、
環A3は、1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,2−ジイル、ナフタレン−1,3−ジイル、ナフタレン−1,4−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−1,6−ジイル、ナフタレン−1,7−ジイル、ナフタレン−1,8−ジイル、ナフタレン−2,3−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、ナフタレン−2,7−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、フェナントレン−2,7−ジイル、アントラセン−2,6−ジイル、またはアントラセン−1,4−ジイルであり;
Z1およびZ2は、独立して、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このZ1およびZ2において、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−NH−または−OCOO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素は、ハロゲンで置き換えられてもよいが、Z1およびZ2の中で少なくとも1つは、−COO−、−OCO−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−CH=CHCO−または−COCH=CH−であり;
Sp1、Sp2、Sp3およびSp4は、独立して、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このSp1、Sp2、Sp3およびSp4において、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−COO−、−OCO−または−OCOO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよく;
c、dおよびeは、独立して、0、1、2、3または4であり、c、dおよびeの和は、1、2、3または4であり;
P1、P2、P3およびP4は、独立して、式(1P−1)で表される重合性基であり;

0015

0016

式(1P−1)において、
M41およびM42は、独立して、水素、フッ素、炭素数1から5のアルキル、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から5のアルキルであり;
R41は、水素、フッ素、炭素数1から10のアルキル、炭素数1から9のアルコキシ、または炭素数2から9のアルコキシアルキルであり、このR41において、少なくとも1つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよい、[1]に記載の水平配向型液晶表示素子。

0017

[3] 前記配向制御層の厚みが0.0008μmから0.07μmである、[1]または[2]に記載の水平配向型液晶表示素子。

0018

[4] 前記液晶組成物が、式(2)から式(4)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの液晶性化合物を含有する、[1]から[3]のいずれかに記載の水平配向型液晶表示素子。

0019

0020

式(2)から式(4)において、
R11およびR12は、独立して、炭素数1から10のアルキルまたは炭素数2から10のアルケニルであり、このR11およびR12において、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−COO−または−OCO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよく;
環B1、環B2、環B3および環B4は、独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレンまたはピリミジン−2,5−ジイルであり;
Z11、Z12およびZ13は、独立して、単結合、−(CH2)2−、−CH=CH−、−C≡C−または−COO−である。

0021

[5] 前記液晶組成物が、式(5)から式(7)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの液晶性化合物をさらに含有する、[1]から[4]のいずれかに記載の水平配向型液晶表示素子。

0022

0023

式(5)から式(7)において、
R13は、炭素数1から10のアルキルまたは炭素数2から10のアルケニルであり、このR13において、少なくとも1つの−CH2−は、−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよく;
X11は、フッ素、塩素、−OCF3、−OCHF2、−CF3、−CHF2、−CH2F、−OCF2CHF2または−OCF2CHFCF3であり;
環C1、環C2および環C3は、独立して、1,4−シクロヘキシレン、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレン、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、またはピリミジン−2,5−ジイルであり;
Z14、Z15およびZ16は、独立して、単結合、−(CH2)2−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CF−、−C≡C−、−COO−、−CF2O−、−OCF2−、−CH2O−、−CH=CF−CF2O−、−CF=CF−CF2O−または−(CH2)4−であり;
L11およびL12は、独立して、水素またはフッ素である。

0024

[6] 前記液晶組成物が、式(8)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの液晶性化合物をさらに含有する、[1]から[5]のいずれかに記載の水平配向型液晶表示素子。

0025

0026

式(8)において、
R14は、炭素数1から10のアルキルまたは炭素数2から10のアルケニルであり、このR14において、少なくとも1つの−CH2−は、−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよく;
X12は、−C≡Nまたは−C≡C−C≡Nであり;
環D1は、独立して、1,4−シクロヘキシレン、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレン、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、またはピリミジン−2,5−ジイルであり;
Z17は、独立して、単結合、−(CH2)2−、−C≡C−、−COO−、−CF2O−、−OCF2−または−CH2O−であり;
L13およびL14は、独立して、水素またはフッ素であり;
iは、1、2、3または4である。

0027

[7] 前記液晶組成物が、式(9)から式(21)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの液晶性化合物をさらに含有する、[1]から[6]のいずれかに記載の水平配向型液晶表示素子。

0028

0029

0030

式(9)から式(21)において、
R15およびR16は、独立して、炭素数1から10のアルキルまたは炭素数2から10のアルケニルであり、このR15およびR16において、少なくとも1つの−CH2−は、−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよく;
R17は、水素、フッ素、炭素数1から10のアルキル、または炭素数2から10のアルケニルであり、このR17において、少なくとも1つの−CH2−は、−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよく;
環E1、環E2、環E3および環E4は、独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレン,テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、またはデカヒドロナフタレン−2,6−ジイルであり;
環E5および環E6は、独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン,テトラヒドロピラン−2,5−ジイルまたはデカヒドロナフタレン−2,6−ジイルであり;
Z18、Z19、Z20、およびZ21は、独立して、単結合、−(CH2)2−、−COO−、−CH2O−、−OCF2−または−OCF2−(CH2)2−であり;
L15およびL16は、独立して、フッ素または塩素であり;
S11は、水素またはメチルであり;
Xは、独立して、−CHF−または−CF2−であり;
j、k、m、n、p、q、rおよびsは、独立して、0または1であり、k、m、nおよびpの和は、0、1、2または3であり、q、rおよびsの和は、0、1、2または3であり、tは、1、2または3である。

0031

[8] 前記液晶組成物が、第二添加物として、前記第一添加物とは異なる重合性化合物をさらに含有し、前記配向制御層は、少なくとも前記第一添加物および前記第二添加物を重合させてなる重合体を含有する、[1]から[7]のいずれかに記載の水平配向型液晶表示素子。

0032

[9] 前記第二添加物が、式(16α)で表される、[8]に記載の水平配向型液晶表示素子。

0033

0034

式(16α)において、
環Fおよび環Iは、独立して、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、テトラヒドロピラン−2−イル、テトラヒドロピラン−3−イル、1,3−ジオキサン−2−イル、1,3−ジオキサン−3−イル、ピリミジン−2−イル、ピリジン−2−イル、ピリミジン−5−イル、フルオレン−2−イル、フルオレン−7−イル、フェナントレン−2−イル、フェナントレン−7−イル、アントラセン−2−イル、アントラセン−6−イル、ペルヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−3−イル、ペルヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−17−イル、2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−3−イル、または2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−17−イルであり、この環Fおよび環Iにおいて、少なくとも1つの水素は、フッ素、塩素、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数1から12のアルキルで置き換えられてもよく;
環Gは、独立して、1,4−シクロへキシレン、1,3−シクロへキシレン、1,2−シクロへキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、1,2−フェニレン、ナフタレン−1,2−ジイル、ナフタレン−1,3−ジイル、ナフタレン−1,4−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−1,6−ジイル、ナフタレン−1,7−ジイル、ナフタレン−1,8−ジイル、ナフタレン−2,3−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、ナフタレン−2,7−ジイル、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、カルバゾール−2,7−ジイル、フェナントレン−2,7−ジイル、アントラセン−2,6−ジイル、アントラセン−1,4−ジイル、ペルヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−3,17−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイルまたはピリジン−2,5−ジイルであり、この環Gにおいて、少なくとも1つの水素は、フッ素、塩素、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数1から12のアルキルで置き換えられてもよく;
Z22およびZ23は、独立して、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このZ22およびZ23において、少なくとも1つの−CH2−は、−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH2)2−は、−CH=CH−、−C≡C−、−C(CH3)=CH−、−CH=C(CH3)−または−C(CH3)=C(CH3)−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよく;
P11、P12およびP13は、独立して、重合性基であり;
Sp11、Sp12およびSp13は、独立して、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このSp11、Sp12およびSp13において、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−COO−、−OCO−または−OCOO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよく;
uは、0、1または2であり;
f、gおよびhは、独立して、0、1、2、3または4であり、f、gおよびhの和は、2以上である。

0035

[10] 前記第一の基板上、および、前記第二の基板上のうちのいずれか一方に、前記液晶層を配向させる配向膜を有する、[1]から[9]のいずれかに記載の水平配向型液晶表示素子。

0036

[11] [1]から[9]のいずれかに記載の水平配向型液晶表示素子を製造する水平配向型液晶表示素子の製造方法であって、
対向して配置された前記第一の基板と前記第二の基板との間に、前記液晶組成物を挟持する工程と、
前記液晶組成物を、ネマチック相から等方相への転移温度TNI以上の温度範囲に保持し、前記液晶組成物に非偏光を、一方の基板面の法線に対して、30度以上80度以下の角度で照射し、少なくとも前記第一添加物を重合させることによって前記配向制御層を形成する工程とを、備える、水平配向型液晶表示素子の製造方法。

0037

[12] [10]に記載の水平配向型液晶表示素子を製造する水平配向型液晶表示素子の製造方法であって、
前記第一の基板、および、前記第二の基板のうちのいずれか一方に、前記液晶層を配向させる配向膜を形成する工程と、
対向して配置された前記第一の基板と前記第二の基板との間に、前記液晶組成物を挟持する工程と、
前記液晶組成物を、ネマチック相から等方相への転移温度TNI以上の温度範囲に保持し、前記液晶組成物に非偏光を、一方の基板面の法線に対して、30度以上80度以下の角度で照射し、少なくとも前記第一添加物を重合させることによって前記配向制御層を形成する工程とを、備える、水平配向型液晶表示素子の製造方法。

0038

[13] 前記液晶組成物を、TNI以上、TNI+15℃以下の温度範囲に保持して、波長280nmから400nmの範囲にピークを有し、照度が2mW/cm2から300mW/cm2の範囲で、0.03J/cm2から35J/cm2の露光量となる範囲で非偏光紫外線を照射する、[11]または[12]に記載の水平配向型液晶表示素子の製造方法。

0039

[14] [11]から[13]のいずれかに記載の非偏光または非偏光紫外線を照射し、さらに、追加の非偏光紫外線を、前記液晶組成物を20℃以上45℃以下の温度範囲に保持して、波長330nmから400nmにピークを有し、照度が1mW/cm2から50mW/cm2の範囲で、1J/cm2から10J/cm2の露光量となる範囲で照射する、[11]から[13]のいずれかに記載の水平配向型液晶表示素子の製造方法。

0040

[15] [1]から[10]のいずれかに記載の液晶表示素子、または、[11]から[14]のいずれかに記載の水平配向型液晶表示素子の製造方法に用いる液晶組成物であって、ネマチック相から等方相への転移温度TNIを有し、少なくとも1つの液晶性化合物と、第一添加物として、前記式(1)で表される配向制御層形成モノマーを少なくとも1つと、を含有する、液晶組成物。

0041

[16] [1]から[10]のいずれかに記載の液晶表示素子、または、[11]から[14]のいずれかに記載の水平配向型液晶表示素子の製造方法に用いる液晶組成物であって、ネマチック相から等方相への転移温度TNIを有し、少なくとも1つの液晶性化合物と、第一添加物として、前記式(1)で表される配向制御層形成モノマーを少なくとも1つと、第二添加物として、前記式(16α)で表される重合性化合物を少なくとも1つと、を含有する、液晶組成物。

0042

[17] [1]から[10]のいずれかに記載の水平配向型液晶表示素子と;バックライトと;を備える、表示装置

0043

本例示は、次の項も含む。(a)重合性化合物、重合開始剤重合禁止剤光学活性化合物酸化防止剤紫外線吸収剤光安定剤熱安定剤、および消泡剤のような添加物の少なくとも2つをさらに含有する上記の液晶組成物。(b)上記の液晶組成物に化合物(1)、または化合物(16α)とは異なる重合性化合物を添加することによって調製した重合性組成物。(c)上記の液晶組成物に化合物(1)、および化合物(16α)を添加することによって調製した重合性組成物。(d)重合性組成物を重合させることによって調製した液晶複合体

発明の効果

0044

本発明によれば、第一の基板上、または、第二の基板上のいずれか一方に事前に配向膜が形成されていてもよい液晶表示素子において、配向制御層形成モノマーを含む誘電率異方性が正または負の液晶組成物を、等方相の状態に加熱しながら非偏光を一方の基板面に対して斜め方向から照射することで配向制御層が形成された液晶表示素子を用いることにより、透過率特性、コントラスト比が優れた水平配向型液晶表示素子を実現することができる。

0045

この明細書における用語の使い方は次のとおりである。「液晶組成物」および「液晶表示素子」の用語をそれぞれ「組成物」および「素子」と略すことがある。「液晶表示素子」は液晶表示パネルおよび液晶表示モジュールの総称である。「液晶性化合物」は、ネマチック相、スメクチック相などの液晶相を有する化合物および液晶相を有しないが、ネマチック相の温度範囲、粘度、誘電率異方性のような特性を調節する目的で組成物に混合される化合物の総称である。この化合物は、例えば1,4−シクロヘキシレンや1,4−フェニレンのような六員環を有し、その分子構造は棒状(rod like)である。また、この化合物を棒状の分子の集合体と仮想した場合、この棒状の分子のことを、「液晶分子」と称する場合がある。「重合性化合物」は、組成物中に重合体を生成させる目的で添加する化合物である。

0046

液晶組成物は、複数の液晶性化合物を混合することによって調製される。この液晶組成物に、光学活性化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、色素、消泡剤、重合性化合物、重合開始剤、重合禁止剤、極性化合物のような添加物が必要に応じて添加される。液晶性化合物の割合は、添加物を添加した場合であっても、添加物を含まない液晶組成物の重量に基づいた重量百分率(重量%)で表される。添加物の割合は、添加物を含まない液晶組成物の重量に基づいた重量百分率(重量部)で表される。すなわち、液晶性化合物や添加物の割合は、液晶性化合物の全重量に基づいて算出される。重量百万分率(ppm)が用いられることもある。重合開始剤の割合も、添加物を含まない液晶組成物の重量に基づいた重量百分率(重量部)で表される。

0047

式(1)で表される化合物を「化合物(1)」と略すことがある。化合物(1)は、式(1)で表される1つの化合物、2つの化合物の混合物、または3つ以上の化合物の混合物を意味する。このルールは、式(2)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物などにも適用される。六角形で囲んだB1、C1、D1、E1、Fなどの記号は、それぞれ環B1、環C1、環D1、環E1、環Fなどに対応する。六角形は、シクロヘキサン環ベンゼン環のような六員環またはナフタレン環のような縮合環を表す。式(1)、式(16α)などにおいて、六角形の一辺を横切る直線は、環上の任意の水素が、−(R1)nや−Sp11−P11などの基で置き換えられてもよいことを表す。‘f’などの添え字は、置き換えられた基の数を示す。添え字が0のとき、そのような置き換えはない。添え字‘f’が2以上のとき、環F上には複数の−Sp11−P11が存在する。−Sp11−P11が表す複数の基は、同一であってもよく、または異なってもよい。これらのルールは、他の式においても適用される。「環Fおよび環Iは、独立して、X、Y、またはZである」の表現では、主語が複数であるから、「独立して」を用いる。主語が「環F」であるときは、主語が単数であるから「独立して」を用いない。

0048

末端基R11の記号を複数の成分化合物に用いた。これらの化合物において、任意の2つのR11が表す2つの基は、同一であってもよいし、または異なってもよい。例えば、化合物(2)のR11がエチルであり、化合物(3)のR11がエチルであるケースがある。化合物(2)のR11がエチルであり、化合物(3)のR11がプロピルであるケースもある。このルールは、他の末端基、環、結合基などの記号にも適用される。式(8)において、iが2のとき、2つの環D1が存在する。この化合物において、2つの環D1が表す2つの基は、同一であってもよいし、または異なってもよい。このルールは、iが2より大きいときの任意の2つの環D1にも適用される。このルールは、他の環、結合基などの記号にも適用される。

0049

「少なくとも1つの‘A’」の表現は、‘A’の数は任意であることを意味する。「少なくとも1つの‘A’は、‘B’で置き換えられてもよい」の表現は、‘A’の数が1つのとき、‘A’の位置は任意であり、‘A’の数が2つ以上のときも、それらの位置は制限なく選択できる。このルールは、「少なくとも1つの‘A’が、‘B’で置き換えられた」の表現にも適用される。「少なくとも1つのAが、B、C、またはDで置き換えられてもよい」という表現は、少なくとも1つのAがBで置き換えられた場合、少なくとも1つのAがCで置き換えられた場合、および少なくとも1つのAがDで置き換えられた場合、さらに複数のAがB、C、Dの少なくとも2つで置き換えられた場合を含むことを意味する。例えば、少なくとも1つの−CH2−(または、−(CH2)2−)が−O−(または、−CH=CH−)で置き換えられてもよいアルキルには、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルケニル、アルケニルオキシアルキルが含まれる。なお、連続する2つの−CH2−が−O−で置き換えられて、−O−O−のようになることは好ましくない。アルキルなどにおいて、メチル部分(−CH2−H)の−CH2−が−O−で置き換えられて−O−Hになることも好ましくない。

0050

液晶性化合物において、アルキルは、直鎖状または分岐状であり、環状アルキルを含まない。直鎖状アルキルは、一般的に分岐状アルキルよりも好ましい。これらのことは、アルコキシ、アルケニルなどの末端基についても同様である。1,4−シクロヘキシレンに関する立体配置は、ネマチック相の上限温度を上げるためにシスよりもトランスが好ましい。2−フルオロ−1,4−フェニレンは、下記の2つの二価基を意味する。化学式において、フッ素は左向き(L)であってもよいし、右向き(R)であってもよい。このルールは、テトラヒドロピラン−2,5−ジイルのような、環から水素を2つ除くことによって生成した非対称な二価基にも適用される。

0051

0052

本発明の水平配向型液晶表示素子では、液晶組成物中に、重合性基を有し、光照射により光フリース転位、光異性化および光二量化の少なくとも1つを生じる配向制御層形成モノマーを添加した液晶組成物を素子に封入する。
第一添加物としての配向制御層形成モノマーは、重合性基としてα−アルコキシアルキルアクリレートを有する場合、α−アルコキシアルキルアクリレートが基板や事前に形成された配向膜と相互作用しやすいと考えられるため、紫外線露光工程より前の工程である液晶組成物の封入工程で配向制御層形成モノマーが基板界面側に移動すると考えられる。また、重合性基としてα−フルオロアクリレートを有する配向制御層形成モノマーは、液晶化合物との相溶性アクリレートより良くなる傾向があるので、析出を抑制できるようになると考えられる。
また、中心構造(結合基)として、−NH−を有する配向制御層形成モノマーは、基板や事前に形成された配向膜と相互作用しやすいと考えられるため、液晶組成物の封入工程で配向制御層形成モノマーが基板界面側に移動しやすいと考えられる。
上記の重合性基や結合基を有してもよい配向制御層形成モノマーは、式(1)で表される化合物である。

0053

配向制御層形成モノマーは、本発明の紫外線照射により構造が方向性をもって変化するため、液晶分子の配向制御に寄与する。また、重合性基を有するため、配向制御層形成モノマーからなる重合体は配向制御膜としての役割を有する。
配向制御層形成モノマーが、芳香族エステル構造を有する場合、本発明の紫外線照射により光フリース転位を生じる。芳香族エステル構造を有すると、紫外光を吸収し、芳香族エステル部位がラジカル開裂しヒドロキシケトンへの転位、すなわちフリース転位を生じる。
本発明では基板面に対して斜め方向から非偏光紫外線を照射することにより、紫外線は偏光する(詳細は、特開2006−18106号公報参照)。光フリース転位において、芳香族エステル部位の光分解は、偏光方向と芳香族エステル部位の長軸方向が同一方向であった場合に生じる。液晶分子は、配向制御層形成モノマーが光フリース転位した後の構造体に沿って配向するため、結果として、基板の傾斜方向に対して直交方向に配向する。光分解後は再結合し、互変異性化により水酸基が分子内に生じる。この水酸基により、基板界面の相互作用が生じ、配向制御層形成モノマーが基板界面側や事前に形成された配向膜に異方性を持って吸着しやすくなると考えられる。また、α−アルコキシアルキルアクリレートのような重合性基を有している場合や、中心構造にアミン結合を有する場合は基板界面側での重合が生じやすく、これにより重合体が基板界面側に固定化される。α−フルオロアクリレートのような重合性基を有している場合は、重合性部位が液晶化合物と比較的相溶化しやすいため、基板界面側や事前に形成された配向膜への異方性を持った吸着は、より均一になりやすいと考えられる。このような性質を利用して液晶分子を配向させることが可能な薄膜を形成する。このような性質を有する配向制御層形成モノマーとしては、式(1−1)から式(1−73)で表される化合物が挙げられる。
配向制御層形成モノマーがビニレン構造を有する場合、紫外光が照射されることにより、光二量化、光異性化や光分解を生じる。ビニレン基を有する配向制御層形成モノマーは、紫外光が照射されることでトランス体からシス体への光異性化や、二量化によるシクロブタン環の形成が生じると考えられる。この性質を利用して液晶分子を配向させることが可能な薄膜を形成する。ビニレン基が含まれるカルコン構造やシンナメート構造を有する場合でも同様な効果があるため好ましい。このような性質を有する配向制御層形成モノマーとしては、式(1−38)から式(1−41)、および式(1−72)で表される化合物が挙げられる。

0054

液晶化合物への添加後は、配向制御層形成モノマーを溶解させるために組成物を加温する。この組成物を、第一の基板上、または、第二の基板上のいずれか一方に事前に配向膜が形成された素子に注入する。次に、素子を加温し、液晶層を等方相の状態にして、一方の基板面に対して斜め方向から非偏光を照射することによって、配向制御層形成モノマーを光フリース転位、光二量化、あるいは光異性化させ、重合させる。斜め方向からの紫外線照射により、配向制御層形成モノマーは一定方向に配列され、重合体を形成し、その重合体からなる薄膜は、配向制御層としての機能を有する。
この配向制御層の厚みは、0.0008μmから0.07μmの範囲であり、好ましい配向制御層の厚みは、0.001μmから0.05μmの範囲である。配向制御層の厚みは、配向制御層形成モノマーの添加量、および、セルギャップに基づいて算出できる。なお、事前に形成された配向膜を有する場合において、セルギャップは、事前に形成された配向膜厚みを含めて算出しない。つまり、事前に形成された配向膜を有する場合において、セルギャップは、第一の基板と第二の基板上の配向膜との間隔、あるいは、第一の基板上の配向膜と第二の基板との間隔である。一方で、事前に形成された配向膜を有しない場合において、セルギャップは、第一の基板と第二の基板との間隔である。例えば、配向制御層形成モノマーが第一添加物からなる場合には、配向制御層の厚みは、下記式(F1)に基づいて算出できる。
配向制御層の厚み(単位:μm)={セルギャップ(単位:μm)×第一添加物の添加量(単位:重量部)/100(単位:重量部)}/2・・・(F1)
また、配向制御層形成モノマーが第一添加物および第二添加物からなる場合には、配向制御層の厚みは、下記式(F2)に基づいて算出できる。
配向制御層の厚み(単位:μm)=[セルギャップ(単位:μm)×{第一添加物の添加量(単位:重量部)+第二添加物の添加量(単位:重量部)}/100(単位:重量部)]/2・・・(F2)

0055

第一添加物としての配向制御層形成モノマーは、本明細書においては化合物(1)と称される。第一添加物とは異なる第二添加物としての重合性化合物は、本明細書においては化合物(16α)と称される。さらに、構造の詳細に言及する場合など必要に応じて、化合物(16α)、化合物(16α−A)と分けて称される。
以下に、1.化合物(1)および化合物(16α)、2.化合物(1)および化合物(16α)の合成、化合物(1)および化合物(16α)を含む組成物として3.液晶組成物、当該組成物を含有する素子として4.液晶表示素子を順に説明する。

0056

1.化合物(1)および化合物(16α)、それを用いた液晶組成物の例示
1−1.化合物(1)および化合物(16α)
式(1)で表される化合物。

0057

0058

式(1)において、
R1、R2およびR3は、独立して、水素または炭素数1から10のアルキルであり、このR1、R2およびR3において、少なくとも1つの−CH2−は、−O−または−NH−で置き換えられてもよい。
nは、独立して、0、1または2である。
aは、0、1、2または3である。
環A1は、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、テトラヒドロピラン−2−イル、テトラヒドロピラン−3−イル、1,3−ジオキサン−2−イル、1,3−ジオキサン−3−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−5−イル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、フルオレン−2−イル、フルオレン−7−イル、フェナントレン−2−イル、フェナントレン−7−イル、アントラセン−2−イル、アントラセン−6−イル、ペルヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−3−イル、ペルヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−17−イル、2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−3−イル、または2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−17−イルであり、好ましくは、シクロヘキシル、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−5−イル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、フルオレン−2−イル、フルオレン−7−イル、フェナントレン−2−イル、フェナントレン−7−イルまたはアントラセン−2−イル、アントラセン−6−イルである。
環A2は、1,4−シクロへキシレン、1,3−シクロへキシレン、1,2−シクロへキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、1,2−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、ナフタレン−1,4−ジイル、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル、デカヒドロナフタレン−1,4−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,4−ジイル、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、シクロペンタン−1,3−ジイル、シクロペンテン−1,3−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、カルバゾール−2,7−ジイル、フェナントレン−2,7−ジイル、アントラセン−2,6−ジイル、アントラセン−1,4−ジイル、ペルヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−3,17−ジイル、または2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−3,17−ジイルであり、好ましくは、1,4−シクロへキシレン、1,3−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、ナフタレン−1,4−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、カルバゾール−2,7−ジイル、フェナントレン−2,7−ジイルまたはアントラセン−2,6−ジイル、アントラセン−1,4−ジイルである。
環A3は、1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,2−ジイル、ナフタレン−1,3−ジイル、ナフタレン−1,4−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−1,6−ジイル、ナフタレン−1,7−ジイル、ナフタレン−1,8−ジイル、ナフタレン−2,3−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、ナフタレン−2,7−ジイル、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、フェナントレン−2,7−ジイル、アントラセン−2,6−ジイル、アントラセン−1,4−ジイル、ペルヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−3,17−ジイル、または2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−3,17−ジイルであり、好ましくは、1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,2−ジイル、ナフタレン−1,3−ジイル、ナフタレン−1,4−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−1,6−ジイル、ナフタレン−1,7−ジイル、ナフタレン−1,8−ジイル、ナフタレン−2,3−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、ナフタレン−2,7−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、フェナントレン−2,7−ジイル、アントラセン−2,6−ジイル、またはアントラセン−1,4−ジイルである。
Z1およびZ2は、独立して、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このZ1およびZ2において、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−NH−または−OCOO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素は、ハロゲンで置き換えられてもよいが、Z1およびZ2の中で少なくとも1つは、−COO−、−OCO−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−CH=CHCO−または−COCH=CH−であり、aが2または3のとき、2つのZ2は異なっていてもよい。
Sp1、Sp2、Sp3およびSp4は、独立して、単結合または炭素数1から12のアルキレンであり、好ましくは、単結合または炭素数1から10のアルキレンである。このSp1、Sp2、Sp3およびSp4において、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−COO−、−OCO−または−OCOO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよいが、好ましくは、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよい。
c、dおよびeは、独立して、0、1、2、3または4であり、c、dおよびeの和は、1、2、3または4である。
P1、P2、P3およびP4は、独立して、重合性基であり、好ましくは式(1P−1)で表される重合性基である。

0059

0060

式(1P−1)において、
M41およびM42は、独立して、水素、フッ素、炭素数1から5のアルキル、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から5のアルキルである。
R41は、水素、フッ素、炭素数1から10のアルキル、炭素数1から9のアルコキシ、または炭素数2から9のアルコキシアルキルであり、このR41において、少なくとも1つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよい。

0061

P1、P2、P3およびP4が式(1P−1)で表される重合性基である場合、P1、P2、P3およびP4の少なくとも1つの式(1P−1)では、R41が、炭素数2から9のアルコキシアルキルであることが好ましい。
一方で、P1、P2、P3およびP4が式(1P−1)で表される重合性基である場合に、少なくとも1つのR41は、炭素数2から9のアルコキシアルキル以外の基であってもよい。このような場合、式(1)で表される化合物としては、式(1−A)で表される化合物が挙げられる。より好ましい化合物としては、式(1−A−1)から(1−A−3)で表される化合物が挙げられる。

0062

0063

0064

0065

上記式において、
P10およびP20は、独立して、重合性基であり、好ましくは、アクリロイルオキシメタアクリロイルオキシ、α−フルオロアクリロイルオキシ、α−アルコキシアクリロイルオキシ、トリフルオロメチルアクリロイルオキシ、ビニルビニルオキシ、またはエポキシである。
Sp10およびSp20は、独立して、単結合または炭素数1から12のアルキレンであり、このアルキレンの少なくとも1つの水素は、フッ素またはヒドロキシで置き換えられていてもよく、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−COO−、−OCO−、または式(Q−1)で表される基で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。
式(Q−1)において、M10、M20およびM30は、独立して、水素、フッ素、炭素数1から5のアルキル、または少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数1から5のアルキルであり、Sp101は、単結合または炭素数1から12のアルキレンであり、このアルキレンの少なくとも1つの水素は、フッ素またはヒドロキシで置き換えられていてもよく、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−COO−または−OCO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。
Z10、Z20およびZ30は、独立して、単結合、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−OCO−(CH2)2−、−(CH2)2−COO−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、−C≡C−、−C≡C−C≡C−、−CONH−、−NHCO−、−(CH2)4−、−(CH2)2−または−(CF2)2−であり、好ましくは、単結合、−COO−、−OCO−、−OCO−(CH2)2−、−(CH2)2−COO−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、−C≡C−、−C≡C−C≡C−または−(CH2)2−である。
A10およびA30は、独立して、1,4−フェニレン、1,4−シクロヘキシレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、ビフェニレン−4,4’−ジイルまたは1,3−ジオキサン−2,5−ジイルであり、この1,4−フェニレンにおいて、少なくとも1つの水素は、フッ素、塩素、シアノ、ヒドロキシ、ホルミルアセトキシアセチルトリフルオロアセチルジフルオロメチル、トリフルオロメチル、炭素数1から5のアルキル、炭素数1から5のアルコキシ、またはP10−Sp10−Z10−で置き換えられていてもよく、このフルオレン−2,7−ジイルにおいて、少なくとも1つの水素は、フッ素、炭素数1から5のアルキルで置き換えられていてもよく、このビフェニレン−4,4’−ジイルにおいて、少なくとも1つの水素は、フッ素、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、炭素数1から5のアルキル、または炭素数1から5のアルコキシで置き換えられていてもよく、好ましいA10およびA30は、独立して、1,4−フェニレン、1,4−シクロヘキシレン、ナフタレン−2,6−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、またはビフェニレン−4,4’−ジイルであり、この1,4−フェニレンにおいて、少なくとも1つの水素は、フッ素、シアノ、ヒドロキシ、アセトキシ、アセチル、トリフルオロアセチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、炭素数1から5のアルキル、または炭素数1から5のアルコキシで置き換えられていてもよく、このフルオレン−2,7−ジイルにおいて、少なくとも1つの水素は、フッ素、炭素数1から5のアルキルで置き換えられていてもよく、このビフェニレン−4,4’−ジイルにおいて、少なくとも1つの水素は、フッ素、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、炭素数1から5のアルキル、または炭素数1から5のアルコキシで置き換えられていてもよい。
A20は、式(A20−1)で表される基、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、式(A20−2)で表される基、ナフタレン−1,5−ジイル、式(A20−3)で表される基または式(A20−4)で表される基であり、好ましくは、式(A20−1)で表される基、式(A20−2)で表される基、式(A20−3)で表される基または式(A20−4)で表される基であり、より好ましくは、式(A20−1)で表される基、式(A20−3)で表される基または式(A20−4)で表される基である。
式(A20−1)において、Y10、Y11、Y12およびY13は、独立して、水素、フッ素、塩素、シアノ、ヒドロキシ、ホルミル、アセトキシ、アセチル、トリフルオロアセチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、炭素数1から5のアルキル、または炭素数1から5のアルコキシであるが、Y10とY13の少なくとも一方は、水素である。好ましいY10、Y11、Y12およびY13は、独立して、水素、フッ素、塩素、シアノ、ヒドロキシ、ホルミル、アセトキシ、アセチル、トリフルオロアセチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、炭素数1から5のアルキル、または炭素数1から5のアルコキシであるが、Y10とY13の少なくとも一方は、水素である。より好ましいY10、Y11、Y12およびY13は、独立して、水素、フッ素、ヒドロキシ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、炭素数1から5のアルキル、または炭素数1から5のアルコキシであるが、Y10とY13の少なくとも一方は、水素である。
式(A20−2)において、Y14、Y15、Y16、Y17、Y18およびY19は、独立して、水素、フッ素、炭素数1から5のアルキル、または炭素数1から5のアルコキシであるが、Y14とY19の少なくとも一方は、水素である。
式(A20−3)において、Y20、Y21、Y22、Y23、Y24、Y25、Y26およびY27は、独立して、水素、フッ素、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、炭素数1から5のアルキル、または炭素数1から5のアルコキシであるが、Y20とY27の少なくとも一方は、水素である。
式(A20−4)において、Y28、Y29、Y30、Y31、Y32およびY33は、独立して、水素、フッ素、炭素数1から5のアルキルであるが、Y28とY31の少なくとも一方は、水素である。
式(1−A)において、n10およびn30は、独立して、0、1、2または3である。
式(1−A−1)から式(1−A−3)において、
R10は、独立して、水素、フッ素、またはメチルであり、好ましくは、水素またはメチルである。
R31は、独立して、水素またはメチルであり、好ましくは、水素である。
L10は、独立して、水素、フッ素、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、炭素数1から5のアルキル、炭素数1から5のアルコキシまたはP10−Sp10−Z10−であり、好ましくは、水素、フッ素、トリフルオロメチル、炭素数1から5のアルキル、または炭素数1から5のアルコキシである。ここで、P10は、アクリロイルオキシ、メタアクリロイルオキシ、α−フルオロアクリロイルオキシ、α−アルコキシアクリロイルオキシ、トリフルオロメチルアクリロイルオキシ、ビニル、ビニルオキシ、またはエポキシである。
n10は、0、1、2または3である。
n11は、独立して、0、1、2、3または4であり、好ましくは、0、1または2であり、より好ましくは、0または1である。

0066

式(16α)で表される化合物。

0067

0068

式(16α)において、
環Fおよび環Iは、独立して、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、テトラヒドロピラン−2−イル、テトラヒドロピラン−3−イル、1,3−ジオキサン−2−イル、1,3−ジオキサン−3−イル、ピリミジン−2−イル、ピリジン−2−イル、ピリミジン−5−イル、フルオレン−2−イル、フルオレン−7−イル、フェナントレン−2−イル、フェナントレン−7−イル、アントラセン−2−イル、アントラセン−6−イル、ペルヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−3−イル、ペルヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−17−イル、2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−3−イル、または2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−17−イルであり、この環Fおよび環Iにおいて、少なくとも1つの水素は、フッ素、塩素、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数1から12のアルキルで置き換えられてもよい。
環Gは、1,4−シクロへキシレン、1,3−シクロへキシレン、1,2−シクロへキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、1,2−フェニレン、ナフタレン−1,2−ジイル、ナフタレン−1,3−ジイル、ナフタレン−1,4−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−1,6−ジイル、ナフタレン−1,7−ジイル、ナフタレン−1,8−ジイル、ナフタレン−2,3−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、ナフタレン−2,7−ジイル、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、カルバゾール−2,7−ジイル、フェナントレン−2,7−ジイル、アントラセン−2,6−ジイル、アントラセン−1,4−ジイル、ペルヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−3,17−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイルまたはピリジン−2,5−ジイルであり、この環Gにおいて、少なくとも1つの水素は、フッ素、塩素、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数1から12のアルキルで置き換えられてもよい。
Z22およびZ23は、独立して、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このZ22およびZ23において、少なくとも1つの−CH2−は、−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH2)2−は、−CH=CH−、−C≡C−、−C(CH3)=CH−、−CH=C(CH3)−または−C(CH3)=C(CH3)−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよい。
P11、P12およびP13は、独立して、重合性基である。
好ましいP11、P12またはP13は、式(P−1)から式(P−7)で表される基の群から選択される重合性基である。より好ましいP11、P12またはP13は、式(P−1)、式(P−2)、式(P−3)または式(P−6)で表される基である。さらに好ましいP11、P12またはP13は、式(P−1)で表される基である。

0069

0070

式(P−1)から式(P−7)において、
M11、M12、およびM13は、独立して、水素、フッ素、炭素数1から5のアルキル、または少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数1から5のアルキルである。好ましいM11、M12またはM13は、反応性を上げるために水素またはメチルである。さらに好ましいM11は、メチルであり、さらに好ましいM12またはM13は、水素である。
R4は、炭素数1から10のアルキル、炭素数1から9のアルコキシ、または炭素数2から9のアルコキシアルキルであり、このR4において、少なくとも1つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよいが、好ましくは、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよい。
特に好ましいP11、P12またはP13は、−OCO−CH=CH2、−OCO−C(CH3)=CH2、−OCO−C(F)=CH2または−OCO−C(CH2COCH3)=CH2である。

0071

式(16α)において、
Sp11、Sp12およびSp13は、独立して、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このSp11、Sp12およびSp13において、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−COO−、−OCO−または−OCOO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよい。
uは、0、1または2である。
f、gおよびhは、独立して、0、1、2、3または4であり、f、gおよびhの和は、2以上である。

0072

式(16α)で表される化合物の中で好ましい化合物として、化合物(16α−A)が挙げられる。
化合物(16α−A)は、式(16α)で表される化合物のうち、以下の条件を満たすものである。
uは、0または1である。
uが0のとき、
環Fおよび環Iは、シクロヘキシルであり、この環Fおよび環Iにおいて、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよい。
Z22は、単結合である。
uが1のとき、
環Fおよび環Iは、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、テトラヒドロピラン−2−イル、テトラヒドロピラン−3−イル、1,3−ジオキサン−2−イル、1,3−ジオキサン−3−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−5−イル、ピリジン−2−イル、またはピリジン−3−イルである。
環Gは、1,4−シクロヘキシレンである。
この環F、環Gおよび環Iにおいて、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよい。
Z22およびZ23は、独立して、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このZ22およびZ23において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよいが、Z22とZ23の少なくとも一方は、単結合である。

0073

1−2.化合物(1)および化合物(16α)の態様
1−2−1.化合物(1)の態様
化合物(1)は、ラジカル重合性の重合性基を有する。化合物(1)は、紫外線照射により系内にラジカルが生じると、重合性基が反応し、重合体となる。また、前記のように、α−アルコキシアルキルアクリレート構造は、基板表面と非共有結合的に相互作用する傾向があるので有用である。用途の一つは、液晶表示素子に使われる液晶組成物用の添加物である。化合物(1)は液晶化合物を配向させる重合体形成の目的で添加される。このような添加物は、液晶組成物への高い溶解度を有し、素子に密閉された条件下では化学的に安定であることが好ましい。化合物(1)は、このような特性をかなりの程度で充足する。

0074

化合物(1)の好ましい例について説明をする。好ましい化合物(1)は、下記のように、化合物(1−1)から化合物(1−73)である。下記化合物におけるn1およびm1は、独立して、2から8の整数であり、好ましくは、2から6であり、より好ましくは、2から4である。R10は、独立して、水素、メチル、フッ素またはトリフルオロメチルであり、好ましくは、水素、メチルまたはフッ素である。また、化合物(1)は、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。

0075

0076

0077

0078

0079

0080

0081

0082

0083

0084

0085

0086

0087

1−2−2.化合物(16α)および化合物(16α−A)の態様
化合物(16α)および化合物(16α−A)は、化合物(1)とは異なる中心骨格の構造を有することを特徴とする。
化合物(16α)は、紫外線照射によりラジカルが生じやすく、反応性(重合性)を上げるのに有用である。反応性を上げることで、紫外線照射後に残存する配向制御層形成モノマーなどのモノマー成分を低減することができるようになるため、素子の電気的信頼性が向上する。
化合物(16α−A)は、ビシクロヘキシル構造と重合性基とを有することを特徴とする。この化合物は、紫外線照射により系内にラジカルが生じると、重合性基が反応し、重合体となる。また、α−ヒドロキシメチルアクリレートやα−メトキシメチルアクリレートを有する化合物は、基板表面と非共有結合的に相互作用する傾向があるので有用である。この化合物は重合体の電気的抵抗を上げる目的で添加してもよい。この化合物は、液晶組成物への高い溶解度を有し、素子に密閉された条件下では化学的に安定であり、そして液晶表示素子に用いた場合の電圧保持率が大きいことが好ましい。この化合物は、このような特性をかなりの程度で充足する。

0088

化合物(16α)の好ましい例について説明をする。好ましい化合物(16α)は、下記のように、化合物(16α−1)から化合物(16α−29)である。化合物(16α)は単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。

0089

0090

0091

0092

0093

式(16α−1)から式(16α−29)において、
P11、P12およびP13は、独立して、式(P−1)から式(P−3)および式(P−6)で表される重合性基の群から選択される基であり、ここでM11、M12およびM13は、独立して、水素、フッ素、炭素数1から5のアルキル、または少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数1から5のアルキルである。また、R4は、炭素数1から10のアルキル、炭素数1から9のアルコキシ、または炭素数2から9のアルコキシアルキルであり、このR4において、少なくとも1つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよいが、好ましくは、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよい。

0094

0095

Sp11、Sp12およびSp13は、独立して、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このSp11、Sp12およびSp13において、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−COO−、−OCO−または−OCOO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−(CH2)2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよい。

0096

化合物(16α−A)の好ましい例について説明をする。好ましい化合物(16α−A)は、下記のように、化合物(16α−A−1)から化合物(16α−A−13)である。下記化合物におけるM11は、独立して、水素、メチルまたはフッ素である。化合物(16α−A)は単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。

0097

0098

0099

式(2)から(21)において、液晶組成物の成分である液晶性化合物が示されている。化合物(2)から(4)は小さな誘電率異方性を有する。化合物(5)から(7)は、正に大きな誘電率異方性を有する。化合物(8)はシアノ基を有するので正により大きな誘電率異方性を有する。化合物(9)から(21)は、負に大きな誘電率異方性を有する。これらの化合物の具体的な例は、あとで述べる。

0100

2.化合物(1)および化合物(16α)の合成
2−1.化合物(1)の合成
化合物(1)の合成法について説明する。化合物(1−1)から化合物(1−41)は、国際公開第2017/047177号に記載された方法などに準拠して合成する。
化合物(1−42)から化合物(1−71)の合成法について説明する。これらの化合物は、国際公開第1995/022586号、特開2005−206579号公報、国際公開第2006/049111号、Macromolecules, 26, 1244-1247 (1993)、特開2003−238491号公報、国際公開第2010/133278号、特開2000−178233号公報、特開2012−1623号公報、特開2011−227187号公報に記載された方法に準拠して合成する。
α−フルオロアクリレートのような重合性基を有する化合物は、特開2005−112850号公報に記載の方法に準拠して合成する。α−トリフルオロメチルアクリレートのような重合性基を有する配向制御層形成モノマーは、特開2004−175728号公報に記載の方法に準拠して合成する。α−アルコキシアルキルアクリレートを有する化合物は、国際公開第2019/116979号に記載の方法に準拠して合成する。分子内に芳香族エステル部位とトラン部位を有する化合物は、国際公開第2001/053248号に準拠して合成する。分子内に芳香族エステル部位とシンナメート構造を有する化合物は、国際公開第2017/102068号に準拠して合成する。

0101

2−2.化合物(16α)の合成
化合物(16α−A−1)から化合物(16α−A−13)の合成法について説明する。これらの化合物は、国際公開第2008/061606号に記載された方法などに準拠して合成する。α−アルコキシアルキルアクリレートを有する化合物は、国際公開第2019/116979号に記載の方法に準拠して合成する。
合成法を記載しなかった化合物は、公知の有機合成化学の方法を適切に組み合わせることにより合成できる。「オーガニックシンセシス」(Organic Syntheses, John Wiley & Sons, Inc)、「オーガニック・リアクションズ」(Organic Reactions, John Wiley &Sons, Inc)、「コンプリヘンシブ・オーガニック・シンセシス」(Comprehensive Organic Synthesis, Pergamon Press)、「新実験化学講座」(丸善)などの成書を参照してもよい。

0102

3.液晶組成物
3−1.配向制御層形成モノマー(成分A)
液晶組成物は、第一添加物を成分Aとして含み、下に示す成分B、C、D、およびEから選択された液晶性化合物をさらに含むことが好ましい。
液晶組成物は、第一添加物として、芳香族エステル部位を有する重合性化合物として化合物(1)を含有する。化合物(1)は、系内で発生したラジカルにより反応が開始する重合性基を有する。化合物(1)の例は、前記の通りである。化合物(1)は、配向制御層形成モノマーとして重合することにより、配向制御能を有する重合体として寄与する。

0103

化合物(1)の好ましい割合は、配向制御層を好ましい厚みの範囲とするため、配向制御層形成モノマーの添加量および液晶表示素子のセルギャップに基づき算出される。計算式は下記式(F3)の通りである。
配向制御層形成モノマーの添加量(単位:重量部)={配向制御層の厚み(単位:μm)/セルギャップ(単位:μm)×100(単位:重量部)}×2・・・(F3)
例えば、セルギャップが3.2μmである場合、配向制御層の厚みは0.0008μmから0.07μmの範囲であるので、この場合の配向制御層形成モノマーの添加量(重量部)の範囲は、約0.05重量部から約4.4重量部の範囲となる。好ましい配向制御層の厚みが0.001μmから0.05μmの範囲のとき、配向制御層形成モノマーの添加量(重量部)の範囲は、約0.06重量部から約3.1重量部の範囲となる。
例えば、セルギャップが3.2μmである場合で、かつ、配向制御層形成モノマーとして、第一添加物のみを用いる場合、化合物(1)の好ましい割合は、約0.05重量部から約4.4重量部の範囲であり、さらに好ましい割合は、約0.06重量部から約3.1重量部の範囲である。

0104

液晶組成物は、第二添加物としての化合物(16α)を含有してもよい。第二添加物としては、前記の通り、化合物(16α)および化合物(16α−A)が挙げられる。
化合物(16α)の好ましい割合は、配向制御層を好ましい厚みの範囲とするため、上記の通り、配向制御層形成モノマーの添加量および液晶表示素子のセルギャップに基づき算出される。
配向制御層形成モノマーとして、第一添加物および第二添加物を用いる場合、第一添加物および第二添加物の総量が、配向制御層形成モノマーの添加量となる。
例えば、セルギャップが3.2μmである場合で、かつ、配向制御層形成モノマーとして、第一添加物および第二添加物を用いる場合、化合物(1)および化合物(16α)の総量の好ましい割合は、約0.05重量部から約4.4重量部の範囲であり、さらに好ましい割合は、約0.06重量部から約3.1重量部の範囲である。

0105

化合物(1)に対する化合物(16α)あるいは化合物(16α−A)の重量比(化合物(1)/化合物(16α)あるいは化合物(16α−A))は、配向制御層の高抵抗化のために約1/9以上であり、紫外線に対して高い反応性を得るために約9/1以下である。さらに好ましい重量比は、約6/1から約1/2の範囲である。最も好ましい重量比は、約5/1から約1/2の範囲である。第一添加物および第二添加物の総量は、好ましい配向制御層の厚みを超えない範囲で設定する。

0106

3−2.液晶性化合物(成分Bから成分E)
成分Bは、化合物(2)から(4)である。成分Cは、化合物(5)から(7)である。成分Dは、化合物(8)である。成分Eは、化合物(9)から(21)である。この組成物は、化合物(2)から(21)とは異なる、その他の液晶性化合物を含んでもよい。この組成物を調製するときには、正または負の誘電率異方性の大きさなどを考慮して成分B、C、D、およびEを選択することが好ましい。成分を適切に選択した組成物は、高い上限温度、低い下限温度、小さな粘度、適切な光学異方性(すなわち、大きな光学異方性または小さな光学異方性)、正または負に大きな誘電率異方性、大きな比抵抗、熱または紫外線に対する安定性、および適切な弾性定数(すなわち、大きな弾性定数または小さな弾性定数)を有する。

0107

成分Bは、2つの末端基がアルキルなどである化合物(2)から(4)である。成分Bの好ましい例として、化合物(2−1)から(2−11)、化合物(3−1)から(3−19)、および化合物(4−1)から(4−7)を挙げることができる。成分Bの化合物において、R11およびR12は、独立して、炭素数1から10のアルキルまたは炭素数2から10のアルケニルであり、このR11およびR12において、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−COO−または−OCO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよい。

0108

0109

成分Bは、誘電率異方性の絶対値が小さいので、中性に近い化合物である。化合物(2)は、主として粘度の減少または光学異方性の調整に効果がある。化合物(3)および(4)は、上限温度を高くすることによってネマチック相の温度範囲を広げる効果、または光学異方性の調整に効果がある。

0110

成分Bの含有量を増加させるにつれて組成物の誘電率異方性が小さくなるが粘度は小さくなる。そこで、素子のしきい値電圧の要求値を満たす限り、含有量は多いほうが好ましい。IPS、VAなどのモード用の組成物を調製する場合には、成分Bの含有量は、液晶組成物の重量に基づいて、好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは40重量%以上である。

0111

成分Cは、右末端にフッ素、塩素、またはフッ素含有基を有する化合物(5)から(7)である。成分Cの好ましい例として、化合物(5−1)から(5−16)、化合物(6−1)から(6−113)、および化合物(7−1)から(7−61)を挙げることができる。成分Cの化合物において、R13は、炭素数1から10のアルキルまたは炭素数2から10のアルケニルであり、このR13において、少なくとも1つの−CH2−は−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく、X11は、フッ素、塩素、−OCF3、−OCHF2、−CF3、−CHF2、−CH2F、−OCF2CHF2または−OCF2CHFCF3である。

0112

0113

0114

0115

0116

0117

0118

0119

成分Cは、誘電率異方性が正であり、熱、光などに対する安定性が非常に優れているので、IPS、FFS、OCBなどのモード用の組成物を調製する場合に用いられる。成分Cの含有量は、液晶組成物の重量に基づいて1重量%から99重量%の範囲が適しており、好ましくは10重量%から97重量%の範囲であり、さらに好ましくは40重量%から95重量%の範囲である。成分Cを誘電率異方性が負である組成物に添加する場合、成分Cの含有量は液晶組成物の重量に基づいて30重量%以下が好ましい。成分Cを添加することにより、組成物の弾性定数を調整し、素子の電圧−透過率曲線を調整することが可能となる。

0120

成分Dは、右末端基が−C≡Nまたは−C≡C−C≡Nである化合物(8)である。成分Dの好ましい例として、化合物(8−1)から(8−64)を挙げることができる。成分Dの化合物において、R14は、炭素数1から10のアルキルまたは炭素数2から10のアルケニルであり、このR14において、少なくとも1つの−CH2−は、−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよく、X12は、−C≡Nまたは−C≡C−C≡Nである。

0121

0122

0123

成分Dは、誘電率異方性が正であり、その値が大きいので、TNなどのモード用の組成物を調製する場合に主として用いられる。この成分Dを添加することにより、組成物の誘電率異方性を大きくすることができる。成分Dは、液晶相の温度範囲を広げる、粘度を調整する、または光学異方性を調整する、という効果がある。成分Dは、素子の電圧−透過率曲線の調整にも有用である。

0124

TNなどのモード用の組成物を調製する場合には、成分Dの含有量は、液晶組成物の重量に基づいて1重量%から99重量%の範囲が適しており、好ましくは10重量%から97重量%の範囲、さらに好ましくは40重量%から95重量%の範囲である。成分Dを誘電率異方性が負である組成物に添加する場合、成分Dの含有量は液晶組成物の重量に基づいて30重量%以下が好ましい。成分Dを添加することにより、組成物の弾性定数を調整し、素子の電圧−透過率曲線を調整することが可能となる。

0125

成分Eは、化合物(9)から(21)である。これらの化合物は、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレンのように、ラテラル位が2つのフッ素または塩素で置換されたフェニレンなどを有する。成分Eの好ましい例として、化合物(9−1)から(9−9)、化合物(10−1)から(10−19)、化合物(11−1)から(11−2)、化合物(12−1)から(12−3)、化合物(13−1)から(13−11)、化合物(14−1)から(14−3)、および化合物(15−1)から(15−3)を挙げることができる。成分Eの化合物において、R15およびR16は、独立して、炭素数1から10のアルキルまたは炭素数2から10のアルケニルであり、このR15およびR16において、少なくとも1つの−CH2−は、−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよく、R17は、水素、フッ素、炭素数1から10のアルキル、または炭素数2から10のアルケニルであり、このR17において、少なくとも1つの−CH2−は、−O−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよい。

0126

0127

0128

0129

成分Eは、誘電率異方性が負に大きい。成分Eは、IPS、VA、PSAなどのモード用の組成物を調製する場合に用いられる。成分Eの含有量を増加させるにつれて組成物の誘電率異方性が負に大きくなるが、粘度が大きくなる。そこで、素子のしきい値電圧の要求値を満たす限り、含有量は少ないほうが好ましい。誘電率異方性が−5程度であることを考慮すると、充分な電圧駆動をさせるには、含有量が40重量%以上であることが好ましい。

0130

成分Eのうち、化合物(9)は、二環化合物であるので、主として、粘度の減少、光学異方性の調整、または誘電率異方性の増加に効果がある。化合物(10)および(11)は、三環化合物であるので、上限温度を高くする、光学異方性を大きくする、または誘電率異方性を大きくするという効果がある。化合物(12)から(21)は、誘電率異方性を大きくするという効果がある。

0131

IPS、VA、PSAなどのモード用の組成物を調製する場合には、成分Eの含有量は、液晶組成物の重量に基づいて、好ましくは40重量%以上であり、さらに好ましくは50重量%から95重量%の範囲である。成分Eを誘電率異方性が正である組成物に添加する場合は、成分Eの含有量が液晶組成物の重量に基づいて30重量%以下が好ましい。成分Eを添加することにより、組成物の弾性定数を調整し、素子の電圧−透過率曲線を調整することが可能となる。

0132

以上に述べた成分B、C、D、およびEを適切に組み合わせることによって、高い上限温度、低い下限温度、小さな粘度、適切な光学異方性、正または負に大きな誘電率異方性、大きな比抵抗、紫外線に対する高い安定性、熱に対する高い安定性、大きな弾性定数などの特性の少なくとも1つを充足する液晶組成物を調製することができる。必要に応じて、成分B、C、D、およびEとは異なる液晶性化合物を添加してもよい。

0133

本発明の液晶組成物に用いられる第一添加物および第二添加物のような重合性化合物は、液晶組成物中に重合体を生成させる目的で添加される。化合物(1)は、単独あるいは2種以上の組み合わせで用いてもよい。また、化合物(16α)および化合物(16α−A)は、単独あるいは2種以上の組み合わせで用いてもよい。化合物(1)と化合物(16α)および化合物(16α−A)のいずれかから共重合体を形成させてもよい。共重合体を形成する場合、化合物(1)は、化合物(16α)および化合物(16α−A)のいずれかと共有結合で固定化され、化合物(1)は、重合性基や中心構造が基板表面と非共有結合的に相互作用した状態でも固定化される。このような共重合により、液晶分子の配向する能力がさらに向上すると同時に、化合物(1)、化合物(16α)および化合物(16α−A)が液晶組成物中に拡散するのを防ぐ。化合物(1)、化合物(16α)および化合物(16α−A)は重合によって重合体を与え、化合物(16α−A)により高抵抗化すると考えられる。この重合体は配列されているので、基板表面においては、液晶分子に適切なプレチルトを付与できる。この重合体は、液晶分子の配向を安定化するので、素子の応答時間を短縮し、そして画像の焼き付きを改善する。化合物(16α)の好ましい例は、アクリレート化合物メタクリレート化合物、α−フルオロアクリレート化合物、α−メトキシメチルアクリレート化合物、ビニル化合物ビニルオキシ化合物プロペニルエーテル化合物エポキシ化合物オキシランオキセタン)、およびビニルケトン化合物である。さらに好ましい例は、少なくとも1つのアクリロイルオキシを有する化合物、少なくとも1つのメタクリロイルオキシを有する化合物、少なくとも1つのα−フルオロアクリロイルオキシを有する化合物、および少なくとも1つのα−メトキシメチルアクイルオキシを有する化合物である。さらに好ましい例には、アクリロイルオキシとメタクリロイルオキシの両方を有する化合物、メタクリロイルオキシとα−フルオロアクリロイルオキシの両方を有する化合物、メタクリロイルオキシとα−メトキシメチルアクロイルオキシを有する化合物、アクリロイルオキシとα−メトキシメチルアクロイルオキシの両方を有する化合物、およびアクリロイルオキシとα−フルオロアクロイルオキシの両方を有する化合物も含まれる。

0134

3−3.その他の添加物
液晶組成物は公知の方法によって調製される。例えば、成分化合物を混合し、そして加熱によって互いに溶解させる。用途に応じて、この組成物に第一添加物および第二添加物以外のその他の添加物を添加してもよい。添加物の例は、重合開始剤、重合禁止剤、光学活性化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、消泡剤などである。このような添加物は当業者によく知られており、文献に記載されている。

0135

重合開始剤を添加することによって、重合性化合物を速やかに重合させることができる。反応温度を最適化することによって、残存する重合性化合物の量を減少させることができる。光ラジカル重合開始剤の例は、IGMResins社のOmniradシリーズからTPO、127、1173、2022、2100、4265、184、369、379、500、651、754、819、907、BP、LR8953X、および2959である。

0136

光ラジカル重合開始剤の追加例は、4−メトキシフェニル−2,4−ビストリクロロメチルトリアジン、2−(4−ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール、9−フェニルアクリジン、9,10−ベンズフェナジンベンゾフェノンミヒラーケトン混合物、ヘキサアリールビイミダゾールメルカプトベンズイミダゾール混合物、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オンベンジルジメチルケタール、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2,4−ジエチルキサントン/p−ジメチルアミノ安息香酸メチル混合物、およびベンゾフェノン/メチルトリエタノールアミン混合物である。

0137

液晶組成物に光ラジカル重合開始剤を添加したあと、紫外線を照射することによって重合を行うことができる。しかし、未反応の重合開始剤または重合開始剤の分解生成物は、素子に画像の焼き付きなどの表示不良を引き起こすかもしれない。これを防ぐために重合開始剤を添加しないまま光重合を行ってもよい。照射する光の好ましい波長は、150nmから500nmの範囲である。さらに好ましい波長は、250nmから450nmの範囲であり、最も好ましい波長は、300nmから400nmの範囲である。

0138

重合性化合物を保管するとき、重合を防止するために重合禁止剤を添加してもよい。重合性化合物は、通常は重合禁止剤を除去しないまま組成物に添加される。重合禁止剤の例は、ヒドロキノンメチルヒドロキノンのようなヒドロキノン誘導体、4−t−ブチルカテコール、4−メトキシフェノ−ル、およびフェノチアジンなどである。

0139

光学活性化合物は、液晶分子にらせん構造誘起して必要なねじれ角を与えることによって逆ねじれを防ぐ、という効果を有する。光学活性化合物を添加することによって、らせんピッチを調整することができる。らせんピッチの温度依存性を調整する目的で2つ以上の光学活性化合物を添加してもよい。光学活性化合物の好ましい例として、下記の化合物(Op−1)から(Op−18)を挙げることができる。化合物(Op−18)において、環Jは、1,4−シクロへキシレンまたは1,4−フェニレンであり、R28は、炭素数1から10のアルキルである。

0140

0141

酸化防止剤は、大きな電圧保持率を維持するために有効である。酸化防止剤の好ましい例として、下記の化合物(AO−1)から(AO−3)、IRGANOX 415、IRGANOX 565、IRGANOX 1010、IRGANOX 1035、IRGANOX 3114、およびIRGANOX 1098(商品名:BASF社)を挙げることができる。紫外線吸収剤は、上限温度の低下を防ぐために有効である。紫外線吸収剤の好ましい例は、ベンゾフェノン誘導体ベンゾエート誘導体トリアゾール誘導体などである。具体例として下記の化合物(AO−4)および(AO−5);TINUVIN 329、TINUVIN P、TINUVIN 326、TINUVIN 234、TINUVIN 213、TINUVIN 400、TINUVIN 328、およびTINUVIN 99−2(商品名:BASF社);および1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)を挙げることができる。

0142

立体障害のあるアミンのような光安定剤は、大きな電圧保持率を維持するために好ましい。光安定剤の好ましい例として、下記の化合物(AO−6)および(AO−7)、TINUVIN 144、TINUVIN 765、およびTINUVIN 770DF(商品名:BASF社)を挙げることができる。また、光安定剤の好ましい例として、下記の化合物(AO−8)から化合物(AO−23)を挙げることができる。熱安定剤も大きな電圧保持率を維持するために有効であり、好ましい例としてIRGAFOS 168(商品名:BASF社)を挙げることができる。消泡剤は、泡立ちを防ぐために有効である。消泡剤の好ましい例は、ジメチルシリコーンオイル、およびメチルフェニルシリコーンオイルなどである。

0143

0144

0145

0146

化合物(AO−1)において、R40は、炭素数1から20のアルキル、炭素数1から20のアルコキシ、−COOR41、または−(CH2)2−COOR41であり、ここでR41は、炭素数1から20のアルキルである。化合物(AO−2)から(AO−6)において、R42は、炭素数1から20のアルキルであり、R43は、水素、メチル、またはO・(酸素ラジカル)であり、環Kは、1,4−シクロへキシレンまたは1,4−フェニレンであり、zは、1、2または3である。

0147

4.液晶表示素子
上記の液晶組成物は、PC、TN、STN、OCB、またはPSAなどの動作モードを有し、アクティブマトリックス方式で駆動する液晶表示素子に使用できる。この組成物は、PC、TN、STN、OCB、VA、IPSまたはFFSなどの動作モードを有し、パッシブマトリクス方式で駆動する液晶表示素子にも使用することができる。これらの素子は、反射型、透過型、および半透過型のいずれのタイプにも適用ができる。

0148

この組成物は、ネマチック液晶マイクロカプセル化して作製したNCAP(nematic curvilinear aligned phase)素子、液晶中三次元網目状高分子を形成して作製したポリマー分散型液晶表示素子(PDLCD)、そしてポリマーネットワーク液晶表示素子(PNLCD)にも使用できる。また、この組成物を用いて、PSAモードの液晶表示素子が作製される。PSAモードの素子は、アクティブマトリックス、およびパッシブマトリクスのような駆動方式で駆動させることができる。このような素子は、反射型、透過型、および半透過型のいずれのタイプにも適用ができる。重合性化合物の添加量を増やすことによって、高分子分散(polymer dispersed)モードの素子も作製することができる。

0149

配向膜は、液晶分子を一定方向に配列させるための膜である。一般にはポリイミドの薄膜が用いられる。本発明の液晶表示素子では、このような配向膜を、片側の基板側に事前に形成した状態で有していてもよい。例えば、このような配向膜を、片側の基板側に事前に形成した場合、もう一方の基板上および事前に形成された配向膜上に配向制御層を形成するために、配向制御層形成モノマーとして化合物(1)などを含有する組成物が用いられる。化合物(1)が重合によって重合体を与える。この重合体は、配向膜の機能を有するので、配向膜の代わりに用いることができる。
このような素子を製造する方法の一例は、次のとおりである。アレイ基板カラーフィルター基板と呼ばれる2つの基板を有する素子を用意する。この基板の少なくとも1つは、電極を有する。このとき、この基板上には、第一の電極と、第一の電極と同一の基板上に設けられ、この第一の電極との間に電界を生じさせる第二の電極が設けられていることが好ましい。アレイ基板またはカラーフィルター基板側のいずれか一方に、ポリイミドなどの配向膜を事前に形成してもよい。この事前に形成された配向膜には、ラビング処理や偏光紫外線による光配向処理が行われていてもよい。適用できるポリイミド系の配向膜は、プレチルト角が0度以上5度以下、好ましくは0度以上3度以下となることが好ましい。光配向処理を行う場合は、光異性化型、あるいは光分解型のポリイミドを用いることが好ましい。このような光配向膜としては、具体的には、国際公開2011/115078号、国際公開2011/115079号、国際公開2013/161569号、特開2016−080985号公報、特開2016−224415号公報、特開2018−106096号公報、国際公開2013/161569号などに開示されている。
次に、電極が形成された面が内側になるように対向させ、スペーサを介してセルギャップを調整し、両基板を貼りあわせて素子とする。得られる液晶層の厚みが1μmから100μmとなるように調整するのが好ましい。好ましくは1.5μmから10μmである。次に、上記の化合物(1)を含む液晶組成物を素子に注入する。なお、この液晶組成物には、必要に応じて添加物をさらに添加してもよい。この素子を、液晶組成物のネマチック相から等方相への転移温度(TNI)以上に加熱し、液晶組成物を等方相状態に変化させた状態で非偏光の紫外線照射を、一方の基板面に対して斜め方向から行う。好ましい非偏光紫外線の照射角度は、一方の基板面の法線に対して、30度以上80度以下である。より好ましくは、45度以上80度以下であり、さらに好ましくは60度以上80度以下である。
なお、この斜め方向からの紫外線照射により、液晶組成物に偏光紫外線を照射した場合と同様に、配向制御層を形成できる。そのため、露光工程における偏光板の設置を省略できる。結果として、製造設備コストを減らすことができる。
この斜め方向からの紫外線照射を「第一の紫外線照射」ということがある。ここでの紫外線露光は、事前に形成された配向膜になされたラビング処置や光配向処理で規定される液晶の配向方向を打ち消さないように基板の傾斜方向を規定するのが好ましい。
次に、液晶層を20℃以上TNI未満の温度範囲に保持して、基板面の法線方向から非偏光紫外線照射を追加で行ってもよい。この非偏光紫外線照射を「第二の紫外線照射」ということがある。第二の紫外線照射を行うことによって、系内に残存している重合性化合物や、未反応の重合性基を完全に消費できる場合がある。ここでは、第一の紫外線照射である斜め方向からの紫外線照射により配向制御層がほぼ形成されているので、後述のように、第二の紫外線照射は、基板面の法線方向からの非偏光でも液晶配向均一性は維持される。このような紫外線照射によって、液晶分子に均一な水平配向を誘起する配向制御層が生成し、目的の素子が作製される。

0150

この手順において、液晶層を液晶組成物の等方相への転移温度(TNI)以上の温度範囲に保持し、例えば波長280nmから400nmの範囲にピークを有する紫外線で照射すると、配向制御層形成モノマーである化合物(1)が芳香族エステル部位を有する場合、芳香族エステル部位が光分解し、ラジカルが形成され、光フリース転位する。光フリース転位において、芳香族エステル部位の光分解は、斜め方向からの露光で形成される偏光紫外線の偏光方向と芳香族エステル部位の長軸方向が同一方向であった場合に生じる。光分解後は再結合し、互変異性化により水酸基が分子内に生じる。この水酸基により、基板界面の相互作用が生じ、配向制御層形成モノマーが基板界面側に異方性を持って相互作用しやすくなると考えられる。配向制御層形成モノマーである化合物(1)がビニレン構造を有する場合、紫外光が照射されることにより、光二量化や光異性化を生じる。ビニレン基を有する配向制御層形成モノマーは、紫外光が照射されることでトランス体からシス体への光異性化や、二量化によるシクロブタン環の形成が生じ、異方性を形成し、配向制御層形成モノマーが基板界面側に相互作用すると考えられる。
上記いずれの場合も、化合物(1)が重合性基を有しているため、重合により、重合体が基板界面側に固定化される。この重合体が、液晶分子を均一に配向させる配向制御層となる。化合物(16α)あるいは化合物(16α−A)を添加する場合、化合物(1)が重合する際、化合物(16α)あるいは化合物(16α−A)も共重合するので配向制御層に組み込まれる。
次に、第二の紫外線照射として、液晶層を20℃以上TNI未満の温度範囲に保持し、例えば波長330nmから400nmにピークを有する非偏光紫外線を基板面の法線方向から照射すると、配向制御層形成モノマーである化合物(1)が芳香族エステル部位を有する場合、配向制御層中に残存している芳香族エステル部位が光フリース転位する、あるいは、未反応の配向制御層形成モノマーおよび化合物(16α)あるいは化合物(16α−A)が配向制御層に沿って重合すると考えられる。ここでの光フリース転位は、第一の紫外線照射で方向付けられた重合体の内部で生じるため、配向制御層の異方性が高まる方向に転位反応が進行する傾向にあると考えられる。配向制御層形成モノマーである化合物(1)がビニレン構造を有する場合、配向制御層中に残存している未反応のビニレンが光二量化や光異性化する、あるいは、未反応の配向制御層形成モノマーおよび化合物(16α)あるいは化合物(16α−A)が配向制御層に沿って重合すると考えられる。ここでの光二量化や光異性化は、第一の紫外線照射で方向付けられた重合体の内部で生じるため、配向制御層の異方性が高まる方向に転位反応が進行する傾向にあると考えられる。
未反応の配向制御層形成モノマーおよび化合物(16α)あるいは化合物(16α−A)の追加重合も配向制御層の異方性付与に寄与すると考えられる。
液晶セルとしての特性、例えば液晶表示素子として初期配向の均一性は、液晶分子に作用する配向規制力を大きくすることで向上すると考えられる。上記のような配向制御層の異方性を上昇させることで、液晶分子に作用する配向規制力は大きくなると期待される。
本発明の素子では、片側の基板にポリイミドのような事前に形成された配向膜を有していてもよく、基板上またはその配向膜上へ、0.0008μmから0.07μmの厚みである配向制御層が形成される。配向制御層の厚みは、0.0008μmから0.07μmであり、0.001μmから0.05μmであることが好ましい。この範囲であれば、初期配向の均一性や透過率特性のバランスに優れた素子が得られるようになるため、好ましい。
このような配向制御層の効果によって、配向規制力が大きくなることから、素子のコントラスト向上や応答時間の短縮が期待される。

0151

基板への紫外線照射について説明する。本発明では、一段階で紫外線照射を行う場合と、少なくとも二段階で紫外線を照射する場合がある。一段階で紫外線照射を行う場合には、第一の紫外線照射のみを行う。また、二段階で紫外線を照射する場合には、第一の紫外線照射、および第二の紫外線照射を行う。光源の例は、低圧水銀ランプ殺菌ランプ蛍光ケミカルランプブラックライト)、高圧放電ランプ高圧水銀ランプメタルハライドランプ)、およびショートアーク放電ランプ超高圧水銀ランプキセノンランプ水銀キセノンランプ)である。光源の好ましい例は、メタルハライドランプ、キセノンランプ、超高圧水銀ランプおよび高圧水銀ランプである。光源と液晶素子との間にフィルターなどを設置して特定の波長領域のみを通すことにより、照射光源の波長領域を選択してもよい。
第一の紫外線照射における液晶層の保持温度は、TNI以上の温度範囲である。好ましい液晶層の保持温度は、TNI以上TNI+15℃以下の温度範囲である。
第一の紫外線照射で照射する紫外線は、波長約280nmから約400nmの範囲にピークを有する紫外線である。好ましい紫外線は、波長約300nmから約400nmにピークを有し、基板面の法線に対して0度で照射したときの照度が約2mW/cm2から約300mW/cm2の範囲で、約0.03J/cm2から約35J/cm2の露光量(照度(単位:mW/cm2)と照射時間(単位:秒)の積)となる範囲である紫外線である。より好ましい紫外線は、313nm付近、335nm付近および365nm付近にピークを有し、照度が約2mW/cm2から約300mW/cm2の範囲で、約0.03J/cm2から約33J/cm2の露光量となる範囲である紫外線である。この第一の紫外線照射によって大部分の重合性化合物が重合する。
なお、第一の紫外線照射は、前述のとおり、一方の基板面に対して斜め方向から紫外線照射を行うが、このように光源を傾斜させた場合に、基板面上で照度を測定するとセンサー特性角度依存性および波長分散性)により正確な値を得られない傾向にある。そのため、本明細書においては、照度として、光源を傾斜させなかった場合の照度(基板面の法線に対して0度で照射したときの照度)を測定している。

0152

第二の紫外線照射における液晶層の保持温度は、20℃以上TNI未満の温度範囲である。好ましい液晶層の保持温度は、20℃以上45℃以下の温度範囲である。
第二の紫外線照射で照射する紫外線は、波長約330nmから約400nmにピークを有する紫外線である。好ましい紫外線は、波長約330nmから約400nmにピークを有し、照度が約1mW/cm2から約50mW/cm2の範囲で、約1J/cm2から約10J/cm2の露光量となる範囲である紫外線である。より好ましい紫外線は、335nm付近および365nm付近にピークを有し、照度が約1mW/cm2から約50mW/cm2の範囲で、約1J/cm2から約10J/cm2の露光量となる範囲である紫外線である。この第二の紫外線照射によって、追加のフリース転位、光二量化あるいは光異性化を生じさせることができる。また、未反応の配向制御層形成モノマーおよび化合物(16α)あるいは化合物(16α−A)を重合体に変換することができる。このような追加重合を行う場合、未反応物は極めて少なくなる。したがって、電圧保持率の大きな素子が得られることが期待される。

0153

水平配向型素子において、電圧無印加時に液晶分子は基板面に対して略水平配向する。この素子では、配向制御層の作用によって、液晶分子が基板に対して水平配向される。液晶分子と基板との角度(すなわちプレチルト角)は、0度以上5度以下である。好ましくは0度以上3度以下である。このような水平配向を、櫛型電極と組み合わせることにより広視野角を達成できる。

0154

実施例(合成例、使用例を含む)により、本発明をさらに詳しく説明する。本発明はこれらの実施例によっては制限されない。本発明は、使用例の組成物の少なくとも2つを混合することによって調製した混合物をも含む。

0155

特に記載のないかぎり、反応は窒素雰囲気下で行った。化合物(1)および化合物(16α)あるいは化合物(16α−A)は、合成例などに示した手順により合成した。合成した化合物は、NMR分析などの方法により同定した。特性は、下記の方法により測定した。

0156

NMR分析:測定には、ブルカーバオスピン社製のDRX−500を用いた。1H−NMRの測定では、試料をCDCl3などの重水素化溶媒に溶解させ、測定は、室温で、500MHz、積算回数16回の条件で行った。テトラメチルシラン内部標準として用いた。19F−NMRの測定では、CFCl3を内部標準として用い、積算回数24回で行った。核磁気共鳴スペクトルの説明において、sはシングレット、dはダブレット、tはトリプレット、qはカルテット、quinはクインテット、sexはセクステット、mはマルチプレット、brはブロードであることを意味する。

0157

ガスクロマト分析:測定には、島津製作所製のGC−2010型ガスクロマトグラフを用いた。カラムは、Agilent Technologies Inc.製のキャピラリカラムDB−1(長さ60m、内径0.25mm、膜厚0.25μm)を用いた。キャリアーガスとしてはヘリウム(1mL/分)を用いた。試料気化室の温度を300℃、検出器(FID)部分の温度を300℃に設定した。試料はアセトンに溶解して、1重量%の溶液となるように調製し、得られた溶液1μLを試料気化室に注入した。記録計には島津製作所製のGCSolutionシステムなどを用いた。

0158

HPLC分析:測定には、島津製作所製のProminence(LC−20AD;SPD−20A)を用いた。カラムはワイエムシー製のYMC−PackODS−A(長さ150mm、内径4.6mm、粒子径5μm)を用いた。溶出液アセトニトリルと水を適宜混合して用いた。検出器としてはUV検出器RI検出器、CORONA検出器などを適宜用いた。UV検出器を用いた場合、検出波長は254nmとした。試料はアセトニトリルに溶解して、0.1重量%の溶液となるように調製し、この溶液1μLを試料室に導入した。記録計としては島津製作所製のC−R7Aplusを用いた。

0159

測定試料:相構造および転移温度(透明点融点重合開始温度など)を測定するときには、化合物そのもの、または、組成物を試料として用いた。

0160

測定方法:特性の測定は下記の方法で行った。これらの多くは、社団法人電子情報技術産業協会(JEITA;Japan Electronics and Information Technology Industries Association)で審議制定されるJEITA規格(JEITA・ED−2521B)に記載された方法、またはこれを修飾した方法であった。測定に用いたTN素子には、薄膜トランジスター(TFT)を取り付けなかった。

0161

(1)相構造
偏光顕微鏡を備えた融点測定装置ホットプレートメトラー社FP−52型ホットステージ)に試料を置いた。この試料を、3℃/分の速度で加熱しながら相状態とその変化を偏光顕微鏡で観察し、相の種類を特定した。

0162

(2)転移温度(℃)
測定には、パーキンエルマー社製の走査熱量計、DiamondDSCシステムまたはエスエスアイナノテクノロジー社製の高感度示差走査熱量計、X−DSC7000を用いた。試料は、3℃/分の速度で昇降温し、試料の相変化に伴う吸熱ピークまたは発熱ピーク開始点外挿により求め、転移温度を決定した。化合物の融点、重合開始温度もこの装置を使って測定した。化合物が固体からスメクチック相、ネマチック相などの液晶相に転移する温度を「液晶相の下限温度」と略すことがある。化合物が液晶相から液体に転移する温度を「透明点」と略すことがある。

0163

結晶はCと表した。結晶の種類の区別がつく場合は、それぞれをC1、C2のように表した。スメクチック相はS、ネマチック相はNと表した。スメクチック相の中で、スメクチックA相スメクチックB相、スメクチックC相、またはスメクチックF相の区別がつく場合は、それぞれSA、SB、SC、またはSFと表した。液体(アイソトロピック)はIと表した。転移温度は、例えば、「C 50.0 N 100.0 I」のように表記した。これは、結晶からネマチック相への転移温度が50.0℃であり、ネマチック相から液体への転移温度が100.0℃であることを示す。

0164

(3)ネマチック相の上限温度(TNIまたはNI;℃)
偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレートに試料を置き、1℃/分の速度で加熱した。試料の一部がネマチック相から等方性液体に変化したときの温度を測定した。ネマチック相の上限温度を「上限温度」と略すことがある。試料が液晶性化合物と母液晶との混合物であるときは、TNIの記号で示した。試料が液晶性化合物と成分B、C、Dのような化合物との混合物であるときは、NIの記号で示した。

0165

(4)ネマチック相の下限温度(TC;℃)
ネマチック相を有する試料をガラス瓶に入れ、0℃、−10℃、−20℃、−30℃、および−40℃のフリーザー中に10日間保管したあと、液晶相を観察した。例えば、試料が−20℃ではネマチック相のままであり、−30℃では結晶またはスメクチック相に変化したとき、TC<−20℃と記載した。ネマチック相の下限温度を「下限温度」と略すことがある。

0166

(5)粘度(バルク粘度;η;20℃で測定;mPa・s)
測定には、東京計器株式会社製のE型回転粘度計を用いた。

0167

(6)光学異方性(屈折率異方性;25℃で測定;Δn)
測定は、波長589nmの光を用い、接眼鏡に偏光板を取り付けたアッベ屈折計により行なった。主プリズムの表面を一方向にラビングしたあと、試料を主プリズムに滴下した。屈折率(n‖)は偏光の方向がラビングの方向と平行であるときに測定した。屈折率(n⊥)は偏光の方向がラビングの方向と垂直であるときに測定した。光学異方性(Δn)の値は、Δn=n‖−n⊥、の式から計算した。

0168

(7)比抵抗(ρ;25℃で測定;Ωcm)
電極を備えた容器に試料1.0mLを注入した。この容器に直流電圧(10V)を印加し、10秒後の直流電流を測定した。比抵抗は次の式から算出した。(比抵抗)={(電圧)×(容器の電気容量)}/{(直流電流)×(真空の誘電率)}。

0169

誘電率異方性が正の試料と負の試料とでは、特性の測定法が異なることがある。誘電率異方性が正であるときの測定法は、項(8a)から(12a)に記載した。誘電率異方性が負の場合は、項(8b)から(12b)に記載した。

0170

(8a)粘度(回転粘度;γ1;25℃で測定;mPa・s)
正の誘電率異方性:測定は、M. Imai et al., Molecular Crystals and Liquid Crystals, Vol. 259, 37 (1995) に記載された方法に従った。ツイスト角が0度であり、そして2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が5μmであるTN素子に試料を入れた。この素子に16Vから19.5Vの範囲で0.5V毎に段階的に印加した。0.2秒の無印加のあと、ただ1つの矩形波矩形パルス;0.2秒)と無印加(2秒)の条件で印加を繰り返した。この印加によって発生した過渡電流(transient current)のピーク電流(peak current)とピーク時間(peak time)を測定した。これらの測定値とM.Imaiらの論文、40頁の計算式(10)とから回転粘度の値を得た。この計算で必要な誘電率異方性の値は、この回転粘度を測定した素子を用い、下に記載した方法で求めた。

0171

(8b)粘度(回転粘度;γ1;25℃で測定;mPa・s)
負の誘電率異方性:測定は、東陽テクニカ株式会社の回転粘性測定システムLCM−2型を用いた。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が10μmのVA素子に試料を注入した。この素子に矩形波(55V、1ms)を印加した。この印加によって発生した過渡電流(transient current)のピーク電流(peak current)とピーク時間(peak time)を測定した。これらの測定値および誘電率異方性を用いて、回転粘度の値を得た。誘電率異方性は、測定(9b)に記載された方法で測定した。

0172

(9a)誘電率異方性(Δε;25℃で測定)
正の誘電率異方性:2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が9μmであり、そしてツイスト角が80度であるTN素子に試料を入れた。この素子にサイン波(10V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の長軸方向における誘電率(ε‖)を測定した。この素子にサイン波(0.5V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の短軸方向における誘電率(ε⊥)を測定した。誘電率異方性の値は、Δε=ε‖−ε⊥、の式から計算した。

0173

(9b)誘電率異方性(Δε;25℃で測定)
負の誘電率異方性:誘電率異方性の値は、Δε=ε‖−ε⊥、の式から計算した。誘電率(ε‖およびε⊥)は次のように測定した。
1)誘電率(ε‖)の測定:よく洗浄したガラス基板にオクタデシルトリエトキシシラン(0.16mL)のエタノール(20mL)溶液を塗布した。ガラス基板をスピンナーで回転させたあと、150℃で1時間加熱した。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が4μmであるVA素子に試料を入れ、この素子を紫外線で硬化する接着剤で密閉した。この素子にサイン波(0.5V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の長軸方向における誘電率(ε‖)を測定した。
2)誘電率(ε⊥)の測定:よく洗浄したガラス基板にポリイミド溶液を塗布した。このガラス基板を焼成した後、得られた配向膜にラビング処理をした。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が9μmであり、ツイスト角が80度であるTN素子に試料を入れた。この素子にサイン波(0.5V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の短軸方向における誘電率(ε⊥)を測定した。

0174

(10a)弾性定数(K;25℃で測定;pN)
正の誘電率異方性:測定には横河・ヒューレットパッカード株式会社製のHP4284A型LCRメータを用いた。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が20μmである水平配向素子に試料を入れた。この素子に0Vから20Vの電荷を印加し、静電容量および印加電圧を測定した。測定した静電容量(C)と印加電圧(V)の値を「液晶デバイスハンドブック」(日刊工業新聞社)、75頁にある式(2.98)、式(2.101)を用いてフィッティングし、式(2.99)からK11およびK33の値を得た。次に171頁にある式(3.18)に、先ほど求めたK11およびK33の値を用いてK22を算出した。弾性定数Kは、このようにして求めたK11、K22およびK33の平均値で表した。

0175

(10b)弾性定数(K11およびK33;25℃で測定;pN)
負の誘電率異方性:測定には株式会社東陽テクニカ製のEC−1型弾性定数測定器を用いた。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が20μmである垂直配向素子に試料を入れた。この素子に20Vから0Vの電荷を印加し、静電容量および印加電圧を測定した。静電容量(C)と印加電圧(V)の値を、「液晶デバイスハンドブック」(日刊工業新聞社)、75頁にある式(2.98)、式(2.101)を用いてフィッティングし、式(2.100)から弾性定数の値を得た。

0176

(11a)しきい値電圧(Vth;25℃で測定;V)
正の誘電率異方性:測定には大塚電子株式会社製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプであった。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が0.45/Δn(μm)であり、ツイスト角が80度であるノーマリーホワイトモード(normally white mode)のTN素子に試料を入れた。この素子に印加する電圧(32Hz、矩形波)は0Vから10Vまで0.02Vずつ段階的に増加させた。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%である電圧−透過率曲線を作成した。しきい値電圧は透過率が90%になったときの電圧で表した。

0177

(11b)しきい値電圧(Vth;25℃で測定;V)
負の誘電率異方性:測定には大塚電子株式会社製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプであった。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が4μmであり、ラビング方向がアンチパラレルであるノーマリーブラックモード(normally black mode)のVA素子に試料を入れ、この素子を紫外線で硬化する接着剤を用いて密閉した。
この素子に印加する電圧(60Hz、矩形波)は0Vから20Vまで0.02Vずつ段階的に増加させた。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%である電圧−透過率曲線を作成した。しきい値電圧は透過率が10%になったときの電圧で表した。

0178

(12a)応答時間(τ;25℃で測定;ms)
正の誘電率異方性:測定には大塚電子株式会社製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプであった。ローパス・フィルター(Low-pass filter)は5kHzに設定した。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が5.0μmであり、ツイスト角が80度であるノーマリーホワイトモード(normally white mode)のTN素子に試料を入れた。この素子に矩形波(60Hz、5V、0.5秒)を印加した。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%であるとみなした。立ち上がり時間(τr:rise time;ミリ秒)は、透過率が90%から10%に変化するのに要した時間である。立ち下がり時間(τf:fall time;ミリ秒)は透過率10%から90%に変化するのに要した時間である。応答時間は、このようにして求めた立ち上がり時間と立ち下がり時間との和で表した。

0179

(12b)応答時間(τ;25℃で測定;ms)
負の誘電率異方性:測定には大塚電子株式会社製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプであった。ローパス・フィルター(Low-pass filter)は5kHzに設定した。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が3.2μmであり、ラビング方向がアンチパラレルであるノーマリーブラックモード(normally black mode)のPVA素子に試料を入れた。この素子を紫外線で硬化する接着剤を用いて密閉した。この素子にしきい値電圧を若干超える程度の電圧を1分間印加し、次に5.6Vの電圧を印加しながら23.5mW/cm2の紫外線を8分間照射した。この素子に矩形波(60Hz、10V、0.5秒)を印加した。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%であるとみなした。応答時間は透過率90%から10%に変化するのに要した時間(立ち下がり時間;fall time;ミリ秒)で表した。

0180

(13)電圧保持率
重合性化合物を重合させた素子に60℃でパルス電圧(1Vで60マイクロ秒)を印加して充電した。減衰する電圧を高速電圧計で500ミリ秒間測定し、単位周期における電圧曲線横軸との間の面積Aを求めた。面積Bは減衰しなかったときの面積である。電圧保持率は面積Bに対する面積Aの百分率で表した。

0181

(14)照度
紫外線照度の測定には、ウシ電機株式会社製の紫外線照度計、UIT−250型(センサー:UVD−S313およびUVD−S365)を用いた。

0182

(15)水平配向の均一性
配向制御層が形成された素子を偏光顕微鏡にセットして液晶の配向状態を観察した。偏光顕微鏡の偏光子検光子は各々の透過軸が直交するように配置した。まず、液晶分子の配向方向と偏光顕微鏡の偏光子の透過軸が平行となるように、すなわち、液晶分子の配向方向と偏光顕微鏡の偏光子の透過軸がなす角度が0度となるように、素子を偏光顕微鏡の水平回転ステージ上に設置した。素子の下側、すなわち、偏光子側から光を照射し、検光子を透過する光の有無を観察した。検光子を透過する光が観察されなかった場合(黒状態)、配向は「良好」であると判定した。この黒状態における光透過強度の測定は横河電機株式会社製のマルチメディアディスプレイテスタ・3298を用いた。同様の観察において検光子を透過する光が観察された場合は、配向は「不良」であると判定した。次に、素子を偏光顕微鏡の水平回転ステージ上で回転させ、偏光顕微鏡の偏光子の透過軸と液晶分子の配向方向がなす角度を0度から変化させた。検光子を透過する光の強度は、偏光顕微鏡の偏光子の透過軸と液晶分子の配向方向がなす角度が大きくなるにしたがい増大し、その角度が45度である時に、ほぼ最大となることを確認した。この光透過状態における光強度の測定も黒状態における光透過強度の測定と同様に行った。得られた光透過強度から、下記式により、透過率比を算出した。
(透過率比)=(光透過状態での光透過強度)/(黒状態での光透過強度)
なお、本発明では透過率比が100より大きい場合を、均一性が良好な水平配向とする。

0183

(16)プレチルト角(度)
プレチルト角の測定には、シンテック株式会社製のOpti−Proを使用した。

0184

(17)膜厚
配向膜の膜厚測定はSEM走査型電子顕微鏡、株式会社日立ハイテクノロジー製SU−70)を用いて行った。
配向制御層の厚みは、以下の式(F4)に基づいて算出した。
配向制御層の厚み(単位:μm)={セルギャップ(単位:μm)×配向制御層形成モノマーの添加量(単位:重量部)/100(単位:重量部)}/2・・・(F4)
ここで、セルギャップは、第一の基板と第二の基板上の配向膜との間隔、あるいは、第一の基板上の配向膜と第二の基板との間隔であり、通常、スペーサの厚みと等しい。

0185

化合物(1)は、以下に示した化合物から選ばれる。

0186

0187

0188

0189

0190

0191

0192

化合物(16α)は、以下に示した化合物から選ばれる。

0193

0194

0195

0196

化合物(16α−A)は、以下に示した化合物から選ばれる。

0197

0198

組成物中の化合物は、下記の表2の1)〜5)の定義に基づいて記号により表した。表2において、1,4−シクロヘキシレンに関する立体配置はトランスである。記号の後にあるかっこ内の番号は化合物の番号に対応する。(−)の記号はその他の液晶性化合物を意味する。液晶性化合物の割合(百分率)は、液晶組成物の重量に基づいた重量百分率(重量%)である。最後に、液晶組成物の特性値をまとめた。特性は、先に記載した方法にしたがって測定し、測定値を(外挿することなく)そのまま記載した。

0199

0200

0201

0202

0203

0204

[組成物(M1)]
2−HH−3 (2−1) 21%3−HH−4 (2−1) 5%3−HB−O2 (2−5) 2.5%1−BB−3 (2−8) 4%3−HHB−1 (3−1) 1.5%3−HBB−2 (3−4) 9.5%2−H1OB(2F,3F)−O2 (9−5) 7%3−H1OB(2F,3F)−O2 (9−5) 11%3−HDhB(2F,3F)−O2 (10−3) 3.5%3−HH1OB(2F,3F)−O2 (10−5) 8%2−HBB(2F,3F)−O2 (10−7) 3%3−HBB(2F,3F)−O2 (10−7) 9%5−HBB(2F,3F)−O2 (10−7) 7%V−HBB(2F,3F)−O2 (10−7) 8%
NI=80.8℃;Tc<−20℃;Δn=0.108;Δε=−3.8;Vth=2.02V;η=19.8mPa・s;γ1=115.0mPa・s.

0205

[組成物(M2)]
2−HH−3 (2−1) 21%3−HH−4 (2−1) 5%3−HBB−2 (3−4) 9%3−HHB−3 (3−1) 8%5−HBB(F,F)−F (6−24) 20%3−HBB(F,F)−F (6−24) 30%2−HHBB(F,F)−F (7−6) 3%3−HHBB(F,F)−F (7−6) 4%NI=85.1℃;Tc<−20℃;Δn=0.109;Δε=5.3;Vth=1.83V;η=20.1mPa・s;γ1=82.4mPa・s.

0206

[組成物(M3)]
3−HH−V (2−1) 18%3−HH−4 (2−1) 11%5−HB−O2 (2−5) 2%3−HHB−1 (3−1) 5%3−HHB−3 (3−1) 5%3−HHB−O1 (3−1) 6%3−HHB(F,F)−F (6−3) 10%3−BB(F)B(F,F)−F (6−69) 7%3−BB(F,F)XB(F,F)−F (6−97) 14%3−HHXB(F,F)−F (6−100) 2%3−GHB(F,F)−F (6−109) 4%4−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (7−47) 10%5−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (7−47) 6%NI=78.4℃;Tc<−20℃;Δn=0.108;Δε=10.4;Vth=1.35V;η=17.8mPa・s;γ1=79.9mPa・s.

0207

[組成物(M4)]
3−HH−V (2−1) 34%V−HHB−1 (3−1) 12%V−HBB−2 (3−4) 5%3−HBB−2 (3−4) 5%3−BB(F,F)XB(F,F)−F (6−97) 15%3−GB(F,F)XB(F,F)−F (6−113) 4%3−HHB(F,F)XB(F,F)−F (7−29) 8%3−HBBXB(F,F)−F (7−32) 5%3−BB(F,F)XB(F)B(F,F)−F (7−56) 4%4−GB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (7−57) 4%5−GB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (7−57) 4%NI=77.4℃;Tc<−20℃;Δn=0.108;Δε=10.2;Vth=1.35V;η=13.2mPa・s;γ1=69.0mPa・s.

0208

[組成物(M5)]
3−HH−V (2−1) 29%3−HH−V1 (2−1) 2%V−HHB−1 (3−1) 5%2−BB(2F,3F)−O2 (9−3) 3%3−BB(2F,3F)−O2 (9−3) 10.5%3−H2B(2F,3F)−O2 (9−4) 5%V2−HHB(2F,3F)−O2 (10−1) 12%V−HHB(2F,3F)−O2 (10−1) 11.5%3−HH2B(2F,3F)−O2 (10−4) 9%V−HBB(2F,3F)−O2 (10−7) 11%V−HBB(2F,3F)−O4 (10−7) 2%NI=89.1℃;Tc<−20℃;Δn=0.107;Δε=−3.7;Vth=2.32V;γ1=129.7mPa・s.

0209

[組成物(M6)]
2−HH−3 (2−1) 20%3−HH−VFF(2−1) 6%V−HBB−2 (3−4) 10%
3−HB(2F,3F)−O2 (9−1) 12%
5−HB(2F,3F)−O2 (9−1) 11%
3−HHB(2F,3F)−O2 (10−1) 9%
V−HHB(2F,3F)−O1 (10−1) 3%
V−HHB(2F,3F)−O2 (10−1) 8%
2−HBB(2F,3F)−O2 (10−7) 3%
3−HBB(2F,3F)−O2 (10−7) 9%
4−HBB(2F,3F)−O2 (10−7) 9%
NI=85.7℃;Tc<−20℃;Δn=0.104;Δε=−3.5;Vth=2.12V;γ1=102mPa・s.

0210

[実施例1]
上記の組成物(M2)100重量部に、第一添加物として化合物(1−52−1)を0.5重量部の割合で添加した。そして、酸化防止剤として、R40がヘプチル基(C7H15−)である化合物(AO−1)を、組成物(M2)100重量部に対して、150重量ppmの割合で添加した。この組成物のネマチックから等方相への転移温度は、約84℃であった。3.2μmのスペーサとシール剤を介して2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)を3.2μmに設定した配向膜を有しない櫛歯電極を有する液晶素子(以下ではIPS素子または単に素子ということがある)に、この組成物を100℃(ネマチック相の上限温度以上)で注入した。なお、上記3.2μmのスペーサは早川ゴム株式会社のハヤビーズ 3DS-XDを用いた。組成物を100℃に保持しながら、第一の紫外線照射として、波長313nm、波長335nmおよび波長365nmにピークを有する紫外線を上記素子の一方の基板面の法線に対して、60度で、5分照射した(なお、基板面の法線に対して0度で照射したときの波長313nmの照度は7mW/cm2であり、露光量は2.1J/cm2ある。)ウシオ電機株式会社製UIT−150およびUVD−S313を用いて測定した。)。紫外線の照射ランプは、ウシオ電機株式会社製のUSH−250BYを用いた。露光機ユニットはウシオ電機株式会社製ML−251A/Bを用いた。ここで得られる配向制御層の計算厚みは、0.008μmとなる。
次に配向制御層が形成された素子を偏光顕微鏡にセットして液晶の水平配向の均一性を観察したところ、光抜けは観察されず配向は良好であった。
また、素子を偏光顕微鏡の水平回転ステージ上で回転させ、偏光顕微鏡の偏光子の透過軸と液晶分子の配向方向がなす角度を0度から変化させた。検光子を透過する光の強度は、偏光顕微鏡の偏光子の透過軸と液晶分子の配向方向がなす角度が大きくなるにしたがい増大し、その角度が45度である時に、ほぼ最大となることを確認した。以上により得られた素子では液晶分子が素子の基板の主面に対して略水平な方向に配向しており、「水平配向」であると判定した。
水平配向の均一性を評価するために、液晶分子の配向方向と偏光顕微鏡の偏光子の透過軸がなす角度が0度となるときの光透過強度と、45度となるときの光透過強度の比(透過率比)を前記式に従い算出したところ、約300であり、均一性は良好と判断した。

0211

[実施例2]
実施例1における第一の紫外線照射を、素子の一方の基板面の法線に対して、80度で、30分(波長313nmにおける露光量は、12.6J/cm2)照射したこと以外は、実施例1と同様な方法でIPS素子を作製した。ここで得られる配向制御層の計算厚みは、0.008μmとなる。配向制御層が形成されたIPS素子を実施例1と同様に偏光顕微鏡で観察したところ、光抜けは観察されず配向は良好であり、「水平配向」であった。また水平配向の均一性は、約520であり、均一性は良好と判断した。

0212

[実施例3]
実施例1における第一の紫外線照射を、素子の一方の基板面の法線に対して、40度で、5分(波長313nmにおける露光量は、2.1J/cm2)照射したこと以外は、実施例1と同様な方法でIPS素子を作製した。ここで得られる配向制御層の計算厚みは、0.008μmとなる。配向制御層が形成されたIPS素子を実施例1と同様に偏光顕微鏡で観察したところ、光抜けは観察されず配向は良好であり、「水平配向」であった。また水平配向の均一性は、約170であり、均一性は良好と判断した。

0213

[実施例4]
実施例1における第一添加物を化合物(1−44−1)に変更したこと以外は、実施例1と同様に組成物を調製した。この組成物のネマチックから等方相への転移温度は、約84℃であった。第一の紫外線照射を、素子の一方の基板面の法線に対して80度で、60分(波長313nmにおける露光量は、25.2J/cm2)照射したこと以外は、実施例1と同様な方法でIPS素子を作製した。ここで得られる配向制御層の計算厚みは、0.008μmとなる。配向制御層が形成されたIPS素子を実施例1と同様に偏光顕微鏡で観察したところ、光抜けは観察されず配向は良好であり、「水平配向」であった。また水平配向の均一性は、約420であり、均一性は良好と判断した。

0214

[実施例5]
実施例4における第一の紫外線照射時間を30分(波長313nmにおける露光量は、12.6J/cm2)としたこと以外は、実施例4と同様な方法でIPS素子を作製した。ここで得られる配向制御層の計算厚みは、0.008μmとなる。配向制御層が形成されたIPS素子を実施例1と同様に偏光顕微鏡で観察したところ、光抜けは観察されず配向は良好であり、「水平配向」であった。また水平配向の均一性は、約160であり、均一性は良好と判断した。

0215

[実施例6]
組成物(M1)100重量部に、第一添加物として化合物(1−73−2)を0.4重量部の割合で添加し、第二添加物として化合物(16α—1−5)を0.1重量部の割合で添加した。そして、酸化防止剤として、R40がヘプチル基(C7H15−)である化合物(AO−1)を、組成物(M1)100重量部に対して、150重量ppmの割合で添加した。この組成物のネマチックから等方相への転移温度は、約81℃であった。3.2μmのスペーサとシール剤を介して2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)を3.2μmに設定した配向膜を有しない櫛歯電極を有する液晶素子(以下ではIPS素子または単に素子ということがある)に、この組成物を100℃(ネマチック相の上限温度以上)で注入した。なお、上記3.2μmのスペーサは早川ゴム株式会社のハヤビーズ 3DS-XDを用いた。組成物を100℃に保持しながら、第一の紫外線照射として、波長325nm以下の波長をカットするフィルターを用い、波長335nmおよび波長365nmにピークを有する紫外線を上記素子の一方の基板面の法線に対して、80度で、30分照射した(なお、基板面の法線に対して0度で照射したときの波長365nmの照度は18mW/cm2であり、露光量は約32.4J/cm2ある。)ウシオ電機株式会社製UIT−150およびUVD−S365を用いて測定した。)。紫外線の照射ランプは、ウシオ電機株式会社製のUSH−250BYを用いた。露光機ユニットはウシオ電機株式会社製ML−251A/Bを用いた。ここで得られる配向制御層の計算厚みは、0.008μmとなる。
次に配向制御層が形成された素子を偏光顕微鏡にセットして液晶の水平配向の均一性を観察したところ、光抜けは観察されず配向は良好であった。
また、素子を偏光顕微鏡の水平回転ステージ上で回転させ、偏光顕微鏡の偏光子の透過軸と液晶分子の配向方向がなす角度を0度から変化させた。検光子を透過する光の強度は、偏光顕微鏡の偏光子の透過軸と液晶分子の配向方向がなす角度が大きくなるにしたがい増大し、その角度が45度である時に、ほぼ最大となることを確認した。以上により得られた素子では液晶分子が素子の基板の主面に対して略水平な方向に配向しており、「水平配向」であると判定した。
水平配向の均一性を評価するために、液晶分子の配向方向と偏光顕微鏡の偏光子の透過軸がなす角度が0度となるときの光透過強度と、45度となるときの光透過強度の比(透過率比)を前記式に従い算出したところ、約500であり、均一性は良好と判断した。

0216

[実施例7]
実施例6に記載の第一添加物を化合物(1−73−2)から化合物(1−72−1)に変更したこと以外は、実施例6と同様に組成物を調製した。この組成物のネマチックから等方相への転移温度は、約81℃であった。実施例6と同様な方法で、第一の紫外線照射を、素子の一方の基板面の法線に対して80度で、30分(波長365nmにおける露光量は、32.4J/cm2)照射し、実施例6と同様な方法でIPS素子を作製した。ここで得られる配向制御層の計算厚みは、0.008μmとなる。配向制御層が形成されたIPS素子を実施例6と同様に偏光顕微鏡で観察したところ、光抜けは観察されず配向は良好であり、「水平配向」であった。また水平配向の均一性は、約520であり、均一性は良好と判断した。

0217

[実施例8]
[ポリイミド系光配向膜を片側の基板に有する空IPSセルの作成例]
ガラス基板上に形成された櫛歯電極側の表面へ、ポリアミック酸ワニス(特開2018−106096号公報の実施例1に記載されている)を利用し、特開2018−106096号公報の実施例1記載の方法に準拠して光配向処理を行った。得られたポリイミド系光配向膜の厚みは約0.10μmであった。この光配向膜が事前に形成された基板と、電極を有しないガラス基板を、3.2μmのスペーサ(早川ゴム株式会社のハヤビーズ 3DS-XD)とシール剤を介してセルを貼りあわせ、セルギャップが3.2μmの空IPSセルを組み立てた。
[本発明の液晶組成物を利用したIPS素子の作成例]
組成物(M2)100重量部に、第一添加物として化合物(1−52−1)を0.5重量部の割合で添加した。そして、酸化防止剤として、R40がヘプチル基(C7H15−)である化合物(AO−1)を、組成物(M2)100重量部に対して、150重量ppmの割合で添加した。この組成物のネマチックから等方相への転移温度は、約84℃であった。空IPSセルに、実施例1と同様に、この組成物を100℃(ネマチック相の上限温度以上)で注入した。組成物を100℃に保持しながら、第一の紫外線照射として、波長313nm、波長335nmおよび波長365nmにピークを有する紫外線を上記素子の一方の基板面の法線に対して、80度で、30分(波長313nmにおける露光量は、12.6J/cm2)照射し、IPS素子を得た。なお、基板の傾斜方向は事前に形成された光配向膜への光配向処理方向で規定された液晶の配向方向を打ち消さないように設定した。ここで得られる配向制御層の計算厚みは、0.008μmとなる。配向制御層が形成されたIPS素子を実施例1と同様に偏光顕微鏡で観察したところ、光抜けは観察されず配向は良好であり、「水平配向」であった。また水平配向の均一性は、約550であり、均一性は良好と判断した。

0218

[実施例9]
[ポリイミド系ラビング配向膜を片側の基板に有する空IPSセルの作成例]
ガラス基板に形成された櫛歯電極側の表面へ、スピンナー(ミカサ株式会社製、スピンコーター(1H−DX2))にて塗布した。なお、ポリアミック酸ワニス(特開2016−080985号公報の実施例1に記載されている液晶配向剤)の粘度に応じてスピンナーの回転速度を調整し、配向膜が下記の厚みになるようにした。塗膜後、ホットプレート(アズワン株式会社製、ECホットプレート(EC−1200N))上で70℃にて80秒間加熱乾燥した。続いて、クリーンオーブン(エスペック株式会社、PVHC−231)中で、230℃にて15分間焼成した。焼成後の塗膜面を、レーヨン布YA−20−R(吉川化工株式会社製)を取り付けたロール径130mmのラビング装置を用いて、ロール回転数1000rpm、ロール進行速度60mm/sec、押し込み量0.3mmの条件でラビング処理を行った。得られたポリイミド系ラビング配向膜の厚みは約0.10μmであった。このラビング配向膜が事前に形成された基板と、電極を有しないガラス基板を、3.2μmのスペーサ(早川ゴム株式会社のハヤビーズ 3DS-XD)とシール剤を介してセルを貼りあわせ、セルギャップが3.2μmの空IPSセルを組み立てた。
[本発明の液晶組成物を利用したIPS素子の作成例]
組成物(M1)100重量部に、第一添加物として化合物(1−73−2)を0.5重量部の割合で添加した。そして、酸化防止剤として、R40がヘプチル基(C7H15−)である化合物(AO−1)を、組成物(M1)100重量部に対して、150重量ppmの割合で添加した。この組成物のネマチックから等方相への転移温度は、約81℃であった。空IPSセルに、実施例1と同様に、この組成物を100℃(ネマチック相の上限温度以上)で注入した。組成物を100℃に保持しながら、第一の紫外線照射として、波長325nm以下の波長をカットするフィルターを用い、波長335nmおよび波長365nmにピークを有する紫外線を上記素子の一方の基板面の法線に対して、80度で、30分(波長365nmにおける露光量は、32.4J/cm2)照射し、IPS素子を得た。なお、基板の傾斜方向は事前に形成されたラビング配向膜へのラビング処理方向で規定された液晶の配向方向を打ち消さないように設定した。ここで得られる配向制御層の計算厚みは、0.008μmとなる。配向制御層が形成されたIPS素子を実施例1と同様に偏光顕微鏡で観察したところ、光抜けは観察されず配向は良好であり、「水平配向」であった。また水平配向の均一性は、約550であり、均一性は良好と判断した。

0219

[比較例1]
実施例1における第一の紫外線照射時の温度を室温(25℃)としたこと以外は、実施例1と同様な方法でIPS素子を作製した。ここで得られる配向制御層の計算厚みは、0.008μmとなる。配向制御層が形成されたIPS素子を実施例1と同様に偏光顕微鏡で観察したところ、光抜けが観察され、配向は不良であり、ランダム配向であった。

0220

[比較例2]
実施例1における第一の紫外線照射を、素子の一方の基板面の法線に対して、20度としたこと以外は、実施例1と同様な方法でIPS素子を作製した。ここで得られる配向制御層の計算厚みは、0.008μmとなる。配向制御層が形成されたIPS素子を実施例1と同様に偏光顕微鏡で観察したところ、光抜けが観察され、配向は不良であり、ランダム配向であった。

実施例

0221

実施例1から9の素子は、光抜けがほとんどないため透過率比が大きく、水平配向の均一性は高いといえる。
一方、比較例1の素子では、水平配向しなかった。室温(25℃)では、素子内の液晶層は等方相温度未満であることから液晶相を呈しており、紫外線露光前はランダム配向である。そのため、斜め方向からの紫外線露光を行っても、配向制御層へ配向制御能を付与できなかったと考えられる。
比較例2の素子でも、水平配向しなかった。素子内の液晶層が等方相であっても、斜め方向の角度が小さすぎるため、紫外線が十分に偏光しなかったためと考えられる。
このことから、本発明の化合物(1)を用いて得られる配向制御層の形成を、特定の露光条件の範囲とすることで、偏光板を露光機に設置しなくても、均一配向性に優れた水平配向型の液晶表示素子が得られることが分かる。
同様な効果は、他の液晶組成物、他の第一添加物を用いても期待できる。さらに、第一添加物と第二添加物を併用する場合や、片方の基板に配向膜が形成されている場合でも同様な効果を期待できる。
実施例では、第一の紫外線照射のみであったが、第二の紫外線照射を行う場合においても同様な効果が期待される。
本発明の液晶表示素子を用いることで、液晶組成物の誘電率異方性が正の場合や、負の場合でも同様な効果が得られる。また、第一添加物および第二添加物は紫外線照射により配向制御層形成に消費されるので、液晶組成物の誘電率異方性への影響はほとんどないと考えられる。
本発明の液晶表示素子は、配向制御層形成時の紫外線照射における露光装置への偏光板が不要であるため、製造工程における負荷が軽減されており、得られる素子は、均一な水平配向を有し、信頼性に優れていると結論できる。この素子では、光抜けが防止されるので、コントラストなどの特性にも優れているといえる。

0222

本発明の方法で製造された液晶表示素子は、液晶モニター、液晶テレビ、電子ペーパー、高分子分散モードを利用した調光素子などに用いることができる。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ