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技術 トナー及び二成分系現像剤

出願人 キヤノン株式会社
発明者 白山和久釜江健太郎橋本武大津剛井田隼人
出願日 2019年3月14日 (1年11ヶ月経過) 出願番号 2019-046806
公開日 2020年9月17日 (5ヶ月経過) 公開番号 2020-148924
状態 未査定
技術分野 電子写真における現像剤
主要キーワード 圧力アーム 長軸直径 ピーク差 樹脂製カップ 無機ハイブリット エステル基由来 炭酸リチウム水溶液 フィティング
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年9月17日)のものです。
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図面 (1)

課題

帯電維持性と保存安定性に優れたトナーを提供する。

解決手段

コア、及びコアの表面にシェルを有するトナー粒子を有するトナーであって、シェルが有機ケイ素重合体を有し、有機ケイ素重合体は、下記式(T3)で表される部分構造を有し、トナー粒子のテトラヒドロフラン不溶分の29Si−NMRの測定において、有機ケイ素重合体の全ピーク面積に対する、下記式(T3)で表される部分構造のピーク面積の割合[ST3]が、ST3≧0.05の関係を満たし、コアが樹脂成分を有し、樹脂成分が、エステル基含有オレフィン系共重合体酸基含有オレフィン系共重合体とを有し、トナー粒子のFT−IR−ATR法により測定されるカルボキシル指数が以下の式(1)を満たす。式(T3)R−Si(O1/2)3(式(T3)中、Rは炭素数1以上6以下のアルキル基又はフェニル基を表す。)式(1)0.15≦カルボキシル指数(Ge)≦0.40

概要

背景

近年、電子写真方式フルカラー複写機が広く普及するに従い、トナーの更なる高寿命化や高い安定性等が要求されている。高寿命化においては、特に、現像機内や容器内で長期に亘ってトナーが安定することが求められている。しかし、例えば現像機内のトナーにおいては、長期の画像出力を行うと、磁性キャリアとトナーとの間に負荷がかかり、トナーが磁性キャリア表面に付着する、いわゆるトナースペントが発生する。そして、磁性キャリアの帯電付与性の低下が発生し、トナー飛散カブリが生じることがある。また、容器内のトナーにおいては、カートリッジなどのトナー容器充填された状態で保管輸送される際に、大きな温度変化湿度変化に繰り返し曝されることでトナー同士の融着ブロッキングが発生し、その結果、現像スジが生じることがある。

そこで、特許文献1では、トナースペントやブロッキングが発生しにくいトナーとして、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂メインバインダーとして用いるトナーが提案されている。トナーの疎水性が高く、かつ、トナーが弾性を有することで、長期の画像出力においてもトナースペントを抑制することで帯電が維持できると考えられる。
また、特許文献2では、現像耐久性や保存安定性に優れたトナーとして、有機ケイ素重合体で形成されたシェルを有するトナーが提案されている。シェルである有機ケイ素重合体がT3構造を有することで、耐久性が向上し、コア粒子樹脂や、場合によっては離型剤ブリードが抑えられることで現像耐久性や保存安定性が向上する。

概要

帯電維持性と保存安定性に優れたトナーを提供する。コア、及びコアの表面にシェルを有するトナー粒子を有するトナーであって、シェルが有機ケイ素重合体を有し、有機ケイ素重合体は、下記式(T3)で表される部分構造を有し、トナー粒子のテトラヒドロフラン不溶分の29Si−NMRの測定において、有機ケイ素重合体の全ピーク面積に対する、下記式(T3)で表される部分構造のピーク面積の割合[ST3]が、ST3≧0.05の関係を満たし、コアが樹脂成分を有し、樹脂成分が、エステル基含有オレフィン系共重合体酸基含有オレフィン系共重合体とを有し、トナー粒子のFT−IR−ATR法により測定されるカルボキシル指数が以下の式(1)を満たす。式(T3)R−Si(O1/2)3(式(T3)中、Rは炭素数1以上6以下のアルキル基又はフェニル基を表す。)式(1)0.15≦カルボキシル指数(Ge)≦0.40なし

目的

本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、トナースペント抑制と保存安定性とに優れたトナーを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

コア、及び該コアの表面にシェルを有するトナー粒子を有するトナーであって、該シェルが有機ケイ素重合体を有し、該有機ケイ素重合体は、下記式(T3)で表される部分構造を有し、該トナー粒子のテトラヒドロフラン不溶分の29Si−NMRの測定において、有機ケイ素重合体の全ピーク面積に対する、下記式(T3)で表される部分構造のピーク面積の割合[ST3]が、ST3≧0.05の関係を満たし、該コアが樹脂成分を有し、該樹脂成分が、エステル基含有オレフィン系共重合体酸基含有オレフィン系共重合体とを有し、該トナー粒子のFT−IR−ATR法により測定されるカルボキシル指数が以下の式(1)を満たすことを特徴とするトナー。式(T3)R−Si(O1/2)3(式(T3)中、Rは炭素数1以上6以下のアルキル基又はフェニル基を表す。)式(1)0.15≦カルボキシル指数(Ge)≦0.40

請求項2

前記酸基含有オレフィン系共重合体の酸価が、50mgKOH/g〜300mgKOH/gである請求項1に記載のトナー。

請求項3

X線光電子分光分析を用いた測定において、前記トナー粒子の表面における、ケイ素原子の濃度dSiと酸素原子の濃度dOと炭素原子の濃度dCとの合計(dSi+dO+dC)に対するケイ素原子の濃度dSiの割合(dSi/[dSi+dO+dC])が2.5原子%以上である請求項1又は2に記載のトナー。

請求項4

透過型電子顕微鏡を用いた該トナー粒子の断面の観察によって測定される前記シェルの平均厚みDav.が、5.0nm〜100.0nmである請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナー。

請求項5

前記樹脂成分中の前記エステル基含有オレフィン系共重合体の含有量が、前記樹脂成分の全質量に対して50質量%〜90質量%である請求項1〜4のいずれか一項に記載のトナー。

請求項6

前記トナー粒子のFT−IR−ATR法により測定されるカルボキシル指数(Ge)とカルボキシル指数(D)が以下の式(2)を満たす請求項1〜5のいずれか一項に記載のトナー。式(2)1.2≦カルボキシル指数(Ge)/カルボキシル指数(D)≦2.4

請求項7

前記コアの表面がシリコーンオイルを有する請求項1〜6のいずれか一項に記載のトナー。

請求項8

前記コアの表面のX線光電子分光分析を用いて測定される、全原子の総数に対するSi−C結合に由来するケイ素原子の割合が、1.0原子%〜10.0原子%である請求項1〜7のいずれか一項に記載のトナー。

請求項9

前記酸基含有オレフィン系共重合体がエチレンアクリル酸共重合体およびエチレン−メタクリル酸共重合体からなる群より選択される少なくとも1種の共重合体を含む請求項1〜8のいずれか一項に記載のトナー。

請求項10

前記エステル基含有オレフィン系共重合体がエチレン−酢酸ビニル共重合体を含む請求項1〜9のいずれか一項に記載のトナー。

請求項11

前記エチレン−酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル由来ユニットの含有量が、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体の全質量に対して3質量%〜35質量%である請求項10に記載のトナー。

請求項12

トナーと磁性キャリアとを有する二成分系現像剤であって、該トナーが請求項1〜11のいずれか一項に記載のトナーであることを特徴とする二成分系現像剤。

技術分野

0001

本発明は、電子写真方式静電記録方式静電印刷方式、トナージェット方式に用いられるトナー及び二成分系現像剤に関する。

背景技術

0002

近年、電子写真方式のフルカラー複写機が広く普及するに従い、トナーの更なる高寿命化や高い安定性等が要求されている。高寿命化においては、特に、現像機内や容器内で長期に亘ってトナーが安定することが求められている。しかし、例えば現像機内のトナーにおいては、長期の画像出力を行うと、磁性キャリアとトナーとの間に負荷がかかり、トナーが磁性キャリア表面に付着する、いわゆるトナースペントが発生する。そして、磁性キャリアの帯電付与性の低下が発生し、トナー飛散カブリが生じることがある。また、容器内のトナーにおいては、カートリッジなどのトナー容器充填された状態で保管輸送される際に、大きな温度変化湿度変化に繰り返し曝されることでトナー同士の融着ブロッキングが発生し、その結果、現像スジが生じることがある。

0003

そこで、特許文献1では、トナースペントやブロッキングが発生しにくいトナーとして、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂メインバインダーとして用いるトナーが提案されている。トナーの疎水性が高く、かつ、トナーが弾性を有することで、長期の画像出力においてもトナースペントを抑制することで帯電が維持できると考えられる。
また、特許文献2では、現像耐久性や保存安定性に優れたトナーとして、有機ケイ素重合体で形成されたシェルを有するトナーが提案されている。シェルである有機ケイ素重合体がT3構造を有することで、耐久性が向上し、コア粒子樹脂や、場合によっては離型剤ブリードが抑えられることで現像耐久性や保存安定性が向上する。

先行技術

0004

特開2011−128410号公報
特開2016−27399号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、特許文献1に開示されているトナーは疎水性が強いが故に、トナー同士の接触を低減するためにトナー表面に付着されている無機微粒子遊離しやすく、これによってスペーサー効果が低下し、ブロッキングが発生する場合がある。
また、特許文献2に開示されているトナーは有機ケイ素重合体で形成されたシェルによって確かに現像耐久性や保存安定性が飛躍的に向上する。しかしながら、コア粒子に疎水性が高いオレフィン系共重合体をメインバインダーとして用いた場合、有機ケイ素重合体のシェルの固着が近年の高い要求を十分に満たすとは言いにくい場合がある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、トナースペント抑制と保存安定性とに優れたトナーを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明の一態様によれば、コア、及び該コアの表面にシェルを有するトナー粒子を有するトナーであって、
該シェルが有機ケイ素重合体を有し、
該有機ケイ素重合体は、下記式(T3)で表される部分構造を有し、
該トナー粒子のテトラヒドロフラン不溶分の29Si−NMRの測定において、有機ケイ素重合体の全ピーク面積に対する、下記式(T3)で表される部分構造のピーク面積の割合[ST3]が、ST3≧0.05の関係を満たし、
該コアが樹脂成分を有し、
該樹脂成分が、エステル基含有オレフィン系共重合体と酸基含有オレフィン系共重合体とを有し、
該トナー粒子のFT−IR−ATR法により測定されるカルボキシル指数が以下の式(1)を満たすトナーが提供される。
式(T3)
R−Si(O1/2)3
(式(T3)中、Rは炭素数1以上6以下のアルキル基又はフェニル基を表す。)
式(1)
0.15≦カルボキシル指数(Ge)≦0.40

0007

また、本発明の他の態様によれば、上記トナーと磁性キャリアとを有する二成分系現像剤が提供される。

発明の効果

0008

本発明によれば、トナースペント抑制による帯電維持性と保存安定性とに優れたトナー及び二成分系現像剤を提供することができる。

図面の簡単な説明

0009

本発明のトナーの29Si−NMRの測定チャートである。

0010

本発明において、数値範囲を表す「○○以上××以下」や「○○〜××」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
本発明に係るトナーは、コア、及び該コアの表面にシェルを有するトナー粒子を有する。
該シェルは有機ケイ素重合体を有し、
該有機ケイ素重合体は、下記式(T3)で表される部分構造を有し、
該トナー粒子のテトラヒドロフラン不溶分の29Si−NMRの測定において、有機ケイ素重合体の全ピーク面積に対する、下記式(T3)で表される部分構造のピーク面積の割合[ST3]が、ST3≧0.05の関係を満たす。
式(T3)
R−Si(O1/2)3
(式(T3)中、Rは炭素数1以上6以下のアルキル基又はフェニル基を表す。)

0011

また、該コアは樹脂成分を有し、
該樹脂成分は、エステル基含有オレフィン系共重合体と酸基含有オレフィン系共重合体とを有する。
該トナー粒子のFT−IR−ATR法により測定されるカルボキシル指数が以下の式(1)を満たす。
式(1)
0.15≦カルボキシル指数(Ge)≦0.40

0012

カルボキシル指数(Ge)とは以下のとおりである。
ATR法を用い、ATR結晶としてGe、赤外光入射角として45°の条件で測定し得られたFT−IRスペクトルにおいて、
酸基含有オレフィン系共重合体のカルボキシル基由来と考えられる1680cm−1以上1720cm−1以下の範囲の最大吸収ピーク強度カルボキシル基(Ge)とし、
エステル基含有オレフィン系共重合体のエステル基由来と考えられる1725cm−1以上1765cm−1以下の範囲の最大吸収ピーク強度をエステル基(Ge)としたときの、
カルボキシル基(Ge)/(エステル基(Ge)+カルボキシル基(Ge))をカルボキシル指数(Ge)とする。

0013

本発明の効果が発現するメカニズムについて、本発明者らは以下のように考えている。
トナーが磁性キャリア表面に付着するトナースペントは、トナーとキャリア衝突した際にトナーが塑性変形することが要因であると考えられる。これにより、トナーがキャリアを反発する力が小さいためにトナーとキャリアが合一する頻度が高くなると考えられる。このため、トナースペントを抑制するためにはトナーがキャリアを反発する力を高くすることが有効であると考えらえる。これはトナーが弾性を有することを意味する。また、保存安定性に関しては、トナーがカートリッジなどのトナー容器に充填された状態で保管や輸送される際に、大きな温度変化や湿度変化に繰り返し曝され、かつ、外力が作用することでトナー同士が融着することが保存安定性に大きく影響すると考えられる。これを抑制するためには、強固なシェルでトナー粒子表面を被覆することが有効である。

0014

しかしながら、本発明者らが検討を行ったところ、トナーのコア粒子の材料として疎水性が高く、弾性を有するオレフィン系共重合体を用いた場合、例えば有機ケイ素重合体を用いてシェルを形成しても、シェルがコア粒子から剥離する場合があることが分かった。これは、エステル基含有オレフィン系共重合体のエステル基やオレフィン部分と、有機ケイ素重合体のシロキサン結合有機基のそれぞれの相互作用が十分に働かないために目標とする固着の強度が得られなかったと考えられる。

0015

本発明者らが鋭意検討を行ったところ、エステル基含有オレフィン系共重合体と有機ケイ素重合体との間に酸基含有オレフィン系共重合体が介在することでシェルの固着が強固になることがわかった。エステル基含有オレフィン系共重合体と酸基含有オレフィン系共重合体とは、エステル基と酸基、および、オレフィン同士が相互作用することで強固に接着されると考えられる。また、酸基含有オレフィン系共重合体と有機ケイ素重合体とは、酸基とシロキサン結合が相互作用することで強固に接着されると考えられる。よって、コアであるエステル基含有オレフィン系共重合体とシェルである有機ケイ素重合体との間に酸基含有オレフィン系共重合体が介在することで、コアとシェルが強固に接着されたと考えられる。

0016

シェルが含有する有機ケイ素重合体は、THF(テトラヒドロフラン不溶分の29Si−NMR測定において、該有機ケイ素重合体の全ピーク面積に対する、上記式(T3)で表される部分構造のピーク面積の割合「ST3」が、ST3≧0.05の関係を満たす。ST3≧0.05の関係を満たすことは、シロキサン構造の3次元架橋構造が形成されることを意味し、高い強度が発現される。そのため、長期の保存においても、トナー同士の融着が抑制され、優れた保存安定性が得られる。一方、ST3<0.05の関係であることは、シェルが含有する有機ケイ素重合体において3次元架橋構造が形成されていないことを意味し、シェルの強度自体が弱くなる。

0017

そのため、長期の保存において、トナー同士の融着が発生し、優れた保存安定性が得られない。ST3は、有機ケイ素重合体形成に用いる有機ケイ素化合物の種類及び量、並びに、有機ケイ素重合体形成時の加水分解付加重合縮合重合反応温度、反応時間、pHによって制御することができる。
本発明に用いられる有機ケイ素重合体の代表的な製造例としては、ゾルゲル法と呼ばれる方法が挙げられる。

0018

ゾルゲル法は、金属アルコキシドM(OR)n(M:金属、O:酸素、R:炭化水素、n:金属の酸化数)を出発原料に用いて、溶媒中で加水分解及び縮合重合させ、ゾル状態を経て、ゲル化する方法である。ガラスセラミックス有機無機ハイブリットナノコンポジットを合成する方法に用いられる。この製造方法を用いれば、表層、繊維、バルク体微粒子などの種々の形状の機能性材料を液相から低温で作製することができる。
本発明において有機ケイ素重合体は、下記式(Z)で表される部分構造を有する有機ケイ素化合物を重合させて得られる有機ケイ素重合体であることが好ましい。

0019

0020

(R1は、炭素数1以上6以下のアルキル基、フェニル基、アミノ基、又は炭素数1以上5以下のアルキルアミノ基を表し、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して、ハロゲン原子ヒドロキシ基アセトキシ基、又は、アルコキシ基を表す。)

0021

R1としては、炭素数1以上6以下のアルキル基又はフェニル基であることが好ましい。R1が炭素数1以上6以下のアルキル基又はフェニル基である場合、有機ケイ素化合物が縮合重合した際に、立体障害が小さいため分子密度が高く制御され、強固な3次元架橋構造が形成されることを意味し、高い強度が発現される。そのため、優れた保存安定性が得られる。

0022

R2、R3及びR4は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アセトキシ基、又は、アルコキシ基である(以下、反応基ともいう)。これらの反応基が加水分解、付加重合及び縮合重合させて架橋構造を形成し、保存安定性に優れたトナーを得ることができる。加水分解性が室温で穏やかであり、磁性コア粒子の表面への析出性と被覆性とに優れるという観点から、アルコキシ基であることが好ましく、メトキシ基エトキシ基であることがより好ましい。また、R2、R3及びR4の加水分解、付加重合及び縮合重合は、反応温度、反応時間、反応溶媒及びpHによって制御することができる。本発明に用いられる有機ケイ素重合体を得るには、上記に示す式(Z)中のR1を除く一分子中に3つの反応基(R2、R3及びR4)を有する有機ケイ素化合物(以下、三官能性シランともいう)を1種又は複数種を組み合わせて用いるとよい。

0023

また、本発明において、有機ケイ素重合体の含有量は、トナー中に0.10質量%以上20.00質量%以下であることが好ましく、0.25質量%以上10.00質量%以下であることがより好ましい。

0024

上記式(Z)としては以下のものが挙げられる。
メチルトリメトキシシランメチルトリエトキシシランメチルジエトキシメトキシシランメチルエトキシジメトキシシランメチルトリクロロシランメチルメトキシジクロロシラン、メチルエトキシジクロロシラン、メチルジメトキシクロロシラン、メチルメトキシエトキシクロロシラン、メチルジエトキシクロロシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルジアセトキシメトキシシラン、メチルジアセトキシエトキシシラン、メチルアセトキシジメトキシシラン、メチルアセトキシメトキシエトキシシラン、メチルアセトキシジエトキシシラン、メチルトリヒドロキシシラン、メチルメトキシジヒドロキシシラン、メチルエトキシジヒドロキシシラン、メチルジメトキシヒドロキシシラン、メチルエトキシメトキシヒドロキシシラン、メチルジエトキシヒドロキシシラン、のような三官能性メチルシラン

0025

エチルトリメトキシシランエチルトリエトキシシランエチルトリクロロシランエチルトリアセトキシシラン、エチルトリヒドロキシシラン、プロピルトリメトキシシランプロピルトリエトキシシランプロピルトリクロロシラン、プロピルトリアセトキシシラン、プロピルトリヒドロキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリクロロシラン、ブチルトリアセトキシシラン、ブチルトリヒドロキシシラン、ヘキシルトリメトキシシランヘキシルトリエトキシシラン、ヘキシルトリクロロシラン、ヘキシルトリアセトキシシラン、ヘキシルトリヒドロキシシランのような三官能性のシラン。

0026

フェニルトリメトキシシランフェニルトリエトキシシランフェニルトリクロロシランフェニルトリアセトキシシラン、フェニルトリヒドロキシシランのような三官能性のフェニルシラン
3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシランのような三官能性のアミノシラン

0027

また、本発明において、本発明の効果を損なわない程度に、式(T3)で表わされるT単位構造を有する有機ケイ素化合物とともに、
一分子中に4つの反応基を有する有機ケイ素化合物(四官能性シラン)、
一分子中に2つの反応基を有する有機ケイ素化合物(二官能性シラン)又は
一分子中に1つの反応基を有する有機ケイ素化合物(一官能性シラン
を併用して得られた有機ケイ素重合体を用いてもよい。併用してもよい有機ケイ素化合物としては以下のようなものが挙げられる。

0028

ジメチルジエトキシシランテトラエトキシシランヘキサメチルジシラザン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アニリノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシランテトライソシアネートシラン、メチルトリイソシアネートシランビニルトリイソシアネートシラン、ビニルトリメトキシシランビニルトリエトキシシラン、ビニルジエトキシメトキシシラン、ビニルエトキシジメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルメトキシジクロロシラン、ビニルエトキシジクロロシラン、ビニルジメトキシクロロシラン、ビニルメトキシエトキシクロロシラン、ビニルジエトキシクロロシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルジアセトキシメトキシシラン、ビニルジアセトキシエトキシシラン、ビニルアセトキシジメトキシシラン、ビニルアセトキシメトキシエトキシシラン、ビニルアセトキシジエトキシシラン、ビニルトリヒドロキシシラン、ビニルメトキシジヒドロキシシラン、ビニルエトキシジヒドロキシシラン、ビニルジメトキシヒドロキシシラン、ビニルエトキシメトキシヒドロキシシラン、ビニルジエトキシヒドロキシシラン、のような三官能性のビニルシラン

0029

アリルトリメトキシシランアリルトリエトキシシラン、アリルトリクロロシラン、アリルトリアセトキシシラン、アリルトリヒドロキシシラン、のような三官能性のアリルシラン
t−ブチルジメチルクロロシラン、t−ブチルジメチルメトキシシラン、t−ブチルジメチルエトキシシラン、t−ブチルジフェニルクロロシラン、t−ブチルジフェニルメトキシシラン、t−ブチルジフェニルエトキシシラン、クロロ(デシルジメチルシラン、メトキシ(デシル)ジメチルシラン、エトキシ(デシル)ジメチルシラン、クロロジメチルフェニルシラン、メトキシジメチルフェニルシラン、エトキシジメチルフェニルシラン、クロロトリメチルシラン、メトキシトリメチルシランエトキシトリメチルシラントリフェニルクロロシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン、クロロメチルジクロロ)メチルシラン、クロロメチル(ジメトキシ)メチルシラン、クロロメチル(ジエトキシ)メチルシラン、ジ−tert−ブチルジクロロシラン、ジ−tert−ブチルジメトキシシラン、ジ−tert−ブチルジエトキシシラン、ジブチルジクロロシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジブチルジエトキシシラン、ジクロロデシルメチルシラン、ジメトキシデシルメチルシラン、ジエトキシデシルメチルシラン、ジクロロジメチルシランジメトキシジメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジクロロ(メチル)−n−オクチルシラン、ジメトキシ(メチル)−n−オクチルシラン、ジエトキシ(メチル)−n−オクチルシラン。

0030

トナーに含有される有機ケイ素重合体における、式(T3)で表される部分構造の確認には以下の方法を用いる。
式(T3)中のRで表されるアルキル基、フェニル基、アルキルアミノ基の有無は、13C−NMRにより確認した。また、式(T3)の詳細な構造は1H−NMR、13C−NMR及び29Si−NMRにより確認した。使用した装置及び測定条件を以下に示す。

0031

(測定条件)
装置:BRUKER製 AVANCE III 500
プローブ:4mm MAS BB/1H
測定温度:室温
試料回転数:6kHz
試料:測定試料(NMR測定用のトナー粒子のTHF不溶分)150mgを直径4mmのサンプルチューブに入れた。
当該方法にて、式(T3)中のRで表されるアルキル基、フェニル基、アルキルアミノ基の有無を確認した。シグナルが確認できたら、式(T3)の構造は“あり”とした。

0032

(13C−NMR(固体)の測定条件)
測定核周波数:125.77MH
基準物質:Glycine(外部標準:176.03ppm)
観測幅:37.88kHz
測定法:CP/MAS
コンタクト時間:1.75ms
繰り返し時間:4s
積算回数:2048回
LB値:50Hz

0033

(29Si−NMR(固体)の測定条件)
(測定条件)
装置:BRUKER製 AVANCE III 500
プローブ:4mm MAS BB/1H
測定温度:室温
試料回転数:6kHz
試料:測定試料(NMR測定用のトナー粒子のTHF不溶分)150mgを直径4mmのサンプルチューブに入れる。
測定核周波数:99.36MHz
基準物質:DSS(外部標準:1.534ppm)
観測幅:29.76kHz
測定法:DD/MAS、CP/MAS
29Si 90°パルス幅:4.00μs@−1dB
コンタクト時間:1.75ms〜10ms
繰り返し時間:30s(DD/MAS)、10s(CP/MAS)
積算回数:2048回
LB値:50Hz

0034

<T3構造、X1構造、X2構造、X3構造、X4構造の確認及び定量方法
T3、X1、X2、X3及びX4の部分構造は、1H−NMR、13C−NMR及び29Si−NMRにより確認できる。
トナーのTHF不溶分の29Si−NMR測定後に、磁性キャリアにおける置換基及び結合基の異なる複数のシラン成分カーブフィティングにて、
下記式(X4)で示されるケイ素に結合するO1/2の数が4.0であるX4構造、
下記式(X3)で示されるケイ素に結合するO1/2の数が3.0であるX3構造、
下記式(X2)で示されるケイ素に結合するO1/2の数が2.0であるX2構造、
下記式(X1)で示されるケイ素に結合するO1/2の数が1.0であるX1構造、又は
式(T3)で表わされるT単位構造
ピーク分離して、各ピーク面積比から各成分のモル%を算出する。

0035

0036

(式(X1)中のRi、Rj、Rkはケイ素に結合している有機基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基又はアルコキシ基)

0037

0038

(式(X2)中のRg、Rhはケイ素に結合している有機基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基又はアルコキシ基)

0039

0040

(式(X3)中のRfはケイ素に結合している有機基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基又はアルコキシ基)

0041

0042

カーブフィティングは日本電子(株)製のJNM−EX400用ソフトのEXcalibur for Windows(商品名) version 4.2(EX series)を用いて行う。メニューアイコンから「1D Pro」をクリックして測定データを読み込む。次に、メニューバーの「Command」から「Curve fitting function」を選択し、カーブフィティングを行う。その一例を図1に示す。合成ピーク(b)と測定結果(d)との差分である合成ピーク差分(a)のピークが最も小さくなるようにピーク分割を行う。

0043

X1構造の面積、X2構造の面積、X3構造の面積、及びX4構造の面積を求めて以下の式によりSX1、SX2、SX3、及びSX4を求める。
本発明では化学シフト値シランモノマーを特定して、トナー粒子の29Si−NMRの測定によって得られた全ピーク面積からモノマー成分の面積を取り除いた残りの面積を有機ケイ素重合体の全ピーク面積とした。有機ケイ素重合体の全ピーク面積は、X1構造の面積とX2構造の面積とX3構造の面積とX4構造の面積との合計となる。

0044

SX1+SX2+SX3+SX4=1.00
SX1={X1構造の面積/(X1構造の面積+X2構造の面積+X3構造の面積+X4構造の面積)}
SX2={X2構造の面積/(X1構造の面積+X2構造の面積+X3構造の面積+X4構造の面積)}
SX3={X3構造の面積/(X1構造の面積+X2構造の面積+X3構造の面積+X4構造の面積)}
SX4={X4構造の面積/(X1構造の面積+X2構造の面積+X3構造の面積+X4構造の面積)}
ST3={T3構造の面積/(X1構造の面積+X2構造の面積+X3構造の面積+X4構造の面積)}

0045

X1構造、X2構造、X3構造及びT3構造におけるケイ素の化学シフト値を以下に示す。
X1構造の一例(Ri=Rj=−OC2H5、Rk=−CH3):−47ppm
X2構造の一例(Rg=−OC2H5、Rh=−CH3):−56ppm
X3構造及びT3構造の一例(Rf=−CH3):−65ppm
また、X4構造がある場合のケイ素の化学シフト値を以下に示す。
X4構造:−108ppm

0046

<トナーに含有される有機ケイ素重合体の分離方法
トナーから有機ケイ素重合体のTHF不溶分を得るためには、まず、強酸でコアを溶出させ、有機ケイ素重合体を残存・乾固させたのちに、THFを添加し、THF不溶分を得る。
本発明のコアは、エステル基含有オレフィン系共重合体と酸基含有オレフィン系共重合体を有する。
前記エステル基含有オレフィン系共重合体の好適例としては、
下記式(A)で示され、下記式(A)中のR11がHであるユニット、および、
下記式(B)で示され、下記式(B)中のR12がHであり、R13がCH3であるユニットを有する共重合体が挙げられる。
この共重合体は、エチレン−酢酸ビニル共重合体と呼ばれる。エチレン−酢酸ビニル共重合体は、弾性を有するため、トナースペント抑制に優れるという観点から好ましい。

0047

0048

また、前記エステル基含有オレフィン系共重合体の別の好適例を以下に記す。
前記式(A)で示され、前記式(A)中のR11がHであるユニット、および、
前記式(C)で示され、前記式(C)中のR14がHであり、R15がCH3であるユニットを有する共重合体である。
この共重合体は、エチレン−アクリル酸メチル共重合体と呼ばれる。また、前記エステル基含有オレフィン系共重合体のさらに別の好適例を以下に記す。
前記式(A)で示され、前記式(A)中のR11がHであるユニット、および、
前記式(C)で示され、前記式(C)中のR14がHであり、R15がC2H5であるユニットを有する共重合体である。
この共重合体は、エチレン−アクリル酸エチル共重合体と呼ばれる。

0049

また、前記エステル基含有オレフィン系共重合体のさらに別の好適例を以下に記す。
前記式(A)で示され、前記式(A)中のR11がHであるユニット、および、
前記式(C)で示され、前記式(C)中のR14がCH3であり、R15がCH3であるユニットを有する共重合体である。
この共重合体は、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体と呼ばれる。
エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体およびエチレン−メタクリル酸メチル共重合体はいずれも高い極性を有するため、シェルの固着が強くなるという観点から好ましい。
前記樹脂成分中に、前記エステル基含有オレフィン系共重合体は、1種又は複数種含有されてもよい。

0050

また、前記酸基含有オレフィン系共重合体の好適例を以下に記す。
前記式(A)で示され、前記式(A)中のR11がHであるユニット、および、
前記式(C)で示され、前記式(C)中のR14がHであり、R15がHであるユニットを有する共重合体である。
この共重合体は、エチレン−アクリル酸共重合体と呼ばれる。

0051

前記酸基含有オレフィン系共重合体の別の好適例を以下に記す。
前記式(A)で示され、前記式(A)中のR11がHであるユニット、および、
前記式(C)で示され、前記式(C)中のR14がCH3であり、R15がHであるユニットを有する共重合体である。
この共重合体は、エチレン−メタクリル酸共重合体と呼ばれる。

0052

本発明のトナーのトナー粒子においては、樹脂成分として、前記エステル基含有オレフィン系共重合体や前記酸基含有オレフィン系共重合体以外に、他の重合体を併用してもよい。具体的には、下記の重合体などを用いることが可能である。ポリスチレンポリ−p−クロルスチレンポリビニルトルエンなどのスチレンおよびその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体ポリ塩化ビニルフェノール樹脂天然変性フェノール樹脂天然樹脂変性マレイン酸樹脂アクリル樹脂メタクリル樹脂ポリ酢酸ビニルシリコーン樹脂ポリエステル樹脂ポリウレタンポリアミド樹脂フラン樹脂エポキシ樹脂キシレン樹脂ポリエチレン樹脂ポリプロピレン樹脂などが挙げられる。

0053

本発明において、酸基含有オレフィン系共重合体とは、ポリエチレンポリプロピレンのようなオレフィン由来のユニットを主たるユニットとするものである。その骨格に、さらに、酸基を有するユニットを共重合によって導入したポリマーである。酸基を有するユニットとしては、例えば、アクリル酸メタクリル酸マレイン酸イタコン酸スルホン酸ビニルなどが挙げられる。酸基としてはカルボキシル基、スルホ基が挙げられる。

0054

また、酸基含有オレフィン系共重合体は、物性に影響しない程度で、オレフィン由来のユニットや上記酸基を有するユニット以外のその他のユニットを含んでもよい。
本発明のトナーでは酸基含有オレフィン系共重合体がトナー粒子の表層に存在している。トナー粒子の表面に酸基含有オレフィン系共重合体が存在していることはFT−IR−ATR法により確認できる。
FT−IR−ATR(Attenuated Total Reflection:全反射測定)法では、試料より高い屈折率を有する結晶(ATR結晶)に、試料を密着させ、臨界角以上の入射角で赤外光を結晶に入射させる。すると、入射光は密着した試料と結晶との界面で全反射をする。この時、赤外光は試料と結晶との界面で反射するのではなく、試料側にわずかににじみこんでから全反射する。このにじみこみ深さは、波長、入射角、試料の屈折率及びATR結晶の屈折率に依存する。

0055

dp=λ/(2πn1)×[sin2θ−(n1/n2)2]−1/2
dp:にじみ込み深さ
n1:試料の屈折率(本発明では1.5としている)
n2:ATR結晶の屈折率(ATR結晶がGeの場合の屈折率;4.0、ATR結晶がKRS5の場合の屈折率;2.4)
θ:入射角
このため、ATR結晶の屈折率や入射角を変えることで、にじみこみ深さの異なるFT−IRスペクトルを得ることができる。

0056

具体的には、ATR法を用い、下記の条件で測定しFT−IRスペクトルを得る。
・ATR結晶:Ge
・赤外光入射角:45°
得られたFT−IRスペクトルにおいて、
酸基含有オレフィン系共重合体のカルボキシル基由来と考えられる1680cm−1以上1720cm−1以下の範囲の最大吸収ピーク強度をカルボキシル基(Ge)とし、
エステル基含有オレフィン系共重合体のエステル基由来と考えられる1725cm−1以上1765cm−1以下の範囲の最大吸収ピーク強度をエステル基(Ge)としたときの、
カルボキシル基(Ge)/(エステル基(Ge)+カルボキシル基(Ge))をカルボキシル指数(Ge)とする。
前記カルボキシル指数(Ge)は、トナー粒子表面からトナー粒子中心部に向かうトナー粒子深さ方向において、トナー粒子の表面から約0.4μmにおける結着樹脂に対する酸基含有オレフィン系共重合体の存在比率に係る指数である。

0057

カルボキシル指数(Ge)は0.15〜0.40であり、好ましくは0.20〜0.30である。カルボキシル指数(Ge)が上記範囲にあることで、酸基含有オレフィン系共重合体(コア)と有機ケイ素重合体(シェル)との接着力が高くなる。カルボキシル指数(Ge)が0.15未満である場合、酸基とシロキサン結合との相互作用の総和が減少することで酸基含有オレフィン系共重合体と有機ケイ素重合体との接着が弱くなり、保存安定性が劣る。一方、カルボキシル指数(Ge)が0.40を超える場合、表面近傍の極性が高くなりすぎるために帯電維持性が劣る。

0058

本発明において、酸基含有オレフィン系共重合体の酸価は、50mgKOH/g〜300mgKOH/gであることが好ましく、100mgKOH/g〜200mgKOH/gであることがより好ましい。酸基含有オレフィン系共重合体の酸価が上記範囲内であることで、有機ケイ素重合体のシェルの固着が強くなる。酸価含有オレフィン系共重合体の酸価が50mgKOH/g未満である場合、有機ケイ素重合体のシェルの固着が弱くなり、保存安定性が劣る。一方、酸価含有オレフィン系共重合体の酸価が300mgKOH/gを超える場合、表面近傍の極性が高くなるために帯電維持性が劣る。

0059

なお、酸価とは、試料1g中に含有されている遊離脂肪酸樹脂酸のような酸成分を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数である。測定方法は、JIS−K0070に準じ以下のように測定する。

0060

(1)試薬
溶剤トルエンエチルアルコール混液(2:1)を、使用直前フェノールフタレイン指示薬として0.1mol/Lの水酸化カリウムエチルアルコール溶液で中和しておく。
フェノールフタレイン溶液:フェノールフタレイン1gをエチルアルコール(95体積%)100mLに溶かす。
・0.1mol/Lの水酸化カリウムエチルアルコール溶液:水酸化カリウム7.0gをできるだけ少量の水に溶かしエチルアルコール(95体積%)を加えて1Lとし、2〜3日間静置した後に濾過する。標定はJIS K 8006(試薬の含量試験滴定に関する基本事項)に準じて行う。

0061

(2)操作
試料として樹脂1〜20gを精し、これに上記溶剤100mLおよび指示薬として上記フェノールフタレイン溶液数滴を加え、試料が完全に溶けるまで十分に振る。固体試料の場合は水浴上で加温して溶かす。冷却後これを上記0.1mol/Lの水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定し、指示薬の微紅色が30秒間続いたときを中和の終点とする。

0062

(3)計算式
次の式によって酸価を算出する。
A=B×f×5.611/S
A:酸価(mgKOH/g)
B:0.1mol/Lの水酸化カリウムエチルアルコール溶液の使用量(mL)
f:0.1mol/Lの水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクター
S:試料の量(g)
本発明のトナーは、X線光電子分光分析を用いた測定において、
前記トナー粒子の表面における、ケイ素原子の濃度dSiと酸素原子の濃度dOと炭素原子の濃度dCとの合計(dSi+dO+dC)に対するケイ素原子の濃度dSiの比率(dSi/[dSi+dO+dC])が2.5原子%以上であることが好ましく、
10.0原子%以上であることがより好ましい。
(dSi/[dSi+dO+dC])が上記範囲であることで、有機ケイ素重合体のシェルがコアを十分に被覆しているため、保存安定性が向上するため好ましい。
(dSi/[dSi+dO+dC])が2.5原子%未満である場合、有機ケイ素重合体のシェルがコアを十分に被覆していないため、保存安定性が劣る場合がある。
(dSi/[dSi+dO+dC])は、上記式(T3)中のRの構造、有機ケイ素重合体形成時の加水分解、付加重合の縮合重合の反応温度、反応時間、pHによって制御することができる。

0063

<X線光電子分光の測定方法>
トナー表面の有機ケイ素重合体のシェルに由来するケイ素原子の量は、X線光電子分光(XPS)によって求めたものである。測定に使用した装置および測定条件は、下記のとおりである。
装置 :Quantum2000(アルバックファイ(株)製)
サンプル測定範囲 :Φ100μm
光電子取り込み角度:45°
X線ビーム径50μm 12.5W 15kV
PassEnergy :46.95eV
Step Size :0.200eV
Sweep数 :1〜20
設定測定時間 :30min

0064

測定原理としては、X線源を利用して光電子を発生させ、物質固有の科学的な結合に基づくエネルギー計測する。X線としては単色化されたAl−Kαを使用し、前記の条件で測定を行う。そして、結合エネルギー102ev〜103evにおけるケイ素原子のピーク面積と、結合エネルギー285ev〜288evにおける炭素原子のピーク面積とに基づいて、トナー粒子表面に存在するシリコーンオイル量を定量することができる。

0065

トナーに無機微粒子としてシリカ外添されている場合でも、ケイ素原子のピーク面積をシリコーンオイル由来のピーク面積とシリカ由来のピーク面積とに分けて面積を求めることができる。結合エネルギー102ev〜103evのピーク面積がシリコーンオイルに由来し、結合エネルギー103eV〜104eVのピーク面積がシリカ(SiO2)に由来する。

0066

本発明のトナーは、透過型電子顕微鏡を用いたトナー粒子の断面の観察によって測定される前記シェルの平均厚みDav.が、5.0nm〜100.0nmであることが好ましく、30.0〜70.0nmであることがより好ましい。シェルの平均厚みが上記範囲であることで、強固なシェルが形成されるため、保存安定性が向上する。シェルの平均厚みが5.0nm未満である場合、シェルの強度が弱くなるため、保存安定性が劣る。一方、シェルの平均厚みが100.0nmを超える場合、トナーの弾性が低下するため、トナースペントが発生しやすくなる。シェルの平均厚みは、トナー一粒の断面の形態を測定することによって求めることができる。トナー一粒の断面の形態を測定する具体的方法としては、以下のとおりである。

0067

<トナー一粒の断面の形態を測定する方法>
まず、光硬化性のエポキシ樹脂中にトナーを十分に分散させた後、紫外線照射して上記エポキシ樹脂を硬化させる。得られた硬化物を、ダイヤモンド刃を備えたミクロトームを用いて切断し、厚さ100nmの薄片状のサンプルを作製する。上記サンプルに四酸化ルテニウムを用い染色を施した後、透過型電子顕微鏡(TEM)(商品名:電子顕微鏡Tecnai TF20XT、FEI社製)を用い、加速電圧120kVの条件でトナーの断面を観察してTEM画像を得る。この際、トナー粒子の断面としては、後述するトナー粒子の個数平均粒径(D1)の測定法に従い、同トナーを測定した際の個数平均粒径(D1)の0.9倍〜1.1倍の長軸径を有するものを選択する。

0068

<トナー粒子の個数平均粒径(D1)の測定方法>
トナーの個数平均粒径(D1)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置コールターカウンターMultisizer 3」(登録商標ベックマン・コールター(株)製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター(株)製)を用いる。なお、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩ナトリウムイオン交換水に溶解して濃度が1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター(株)製)が使用できる。

0069

なお、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行う。専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモード総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター(株))を用いて得られた値を設定する。「閾値ノイズレベル測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。

0070

具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに電解水溶液200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッド攪拌反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れ気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに電解水溶液30mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤陰イオン界面活性剤有機ビルダーからなるpH7の精密測定洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍希釈した希釈液を0.3mL加える。

0071

(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス(株)製)を準備する。超音波分散器の水槽内に3.3Lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを2mL添加する。
(4)上記(2)のビーカーを該超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。

0072

(5)上記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー10mgを少量ずつ該電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した該(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した上記(5)の電解質水溶液滴下し、測定濃度が5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の専用ソフトにて解析を行い、個数平均粒径(D1)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ個数%と設定したときの、「分析/個数統計値算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。

0073

上記した観察方法において、四酸化ルテニウムによりトナー粒子中の非晶性樹脂が強く染色される。その結果、非晶性樹脂を主成分とするシェル部分が染色され、染色されていない結晶性樹脂を主成分とするコア部分がコントラストとして観察可能となる。なお、観察倍率は20,000倍とする。

0074

<シェルの平均厚みDav.の算出方法
得られたTEM画像をもとに、トナー一粒の断面の重心を通る最も長い線分をトナー一粒の長軸とし、その長さを長軸直径R(nm)とする。長軸上における二つのコア/シェル界面間の長さをr(nm)としたときに、(R−r)/2(nm)をシェルの厚みとする。
この測定をトナー100個について行い、その相加平均値をシェルの平均厚みDav.とする。

0075

本発明において、エステル基含有オレフィン系共重合体の含有量が、樹脂成分の全質量に対して50質量%〜90質量%であることが好ましく、65質量%〜85質量%であることがより好ましい。エステル基含有オレフィン系共重合体の含有量が上記範囲であることで、適度な弾性を発現することでトナースペント抑制に優れる。エステル基含有オレフィン系共重合体の含有量が50質量%未満である場合、弾性が低下するためにトナースペント抑制に劣る。一方、エステル基含有オレフィン系共重合体の含有量が90質量%を超える場合、相対的に酸基含有オレフィン系共重合体の含有量が減少するために有機ケイ素重合体のシェルの固着が弱くなるため、保存安定性が劣る。

0076

本発明のトナーでは酸基含有オレフィン系共重合体がトナー粒子の内部に対して表層に偏在していることがより好ましい。
酸基含有オレフィン系共重合体がトナー表層に偏在していることはFT−IR−ATR法により確認できる。

0077

カルボキシル指数(D)は、ATR結晶としてダイヤモンド/KRS5を用いる以外は前記のカルボキシル指数(Ge)と同様に測定を行い、
KRS5:臭化タリウム(TlBr)とヨウ化タリウム(TlI)の混晶
すなわち、カルボキシル指数(D)は、
酸基含有オレフィン系共重合体のカルボキシル基由来と考えられる1680cm−1以上1720cm−1以下の範囲の最大吸収ピーク強度をカルボキシル基(D)とし、
エステル基含有オレフィン系共重合体のエステル基由来と考えられる1725cm−1以上1765cm−1以下の範囲の最大吸収ピーク強度をエステル基(D)としたときの
カルボキシル基(D)/(エステル基(D)+カルボキシル基(D))である。
前記カルボキシル指数(D)は、トナー粒子表面からトナー粒子中心部に向かうトナー粒子深さ方向において、トナー粒子表面から約1.2μmにおける結着樹脂に対する酸基含有オレフィン系共重合体の存在比率に係る指数である。

0078

カルボキシル指数(Ge)は、トナー粒子の表面近傍(トナー粒子の表面から約0.4μm)における酸基含有オレフィン系共重合体の量の度合いを示している。
カルボキシル指数(D)はトナー粒子の内部を含めた領域(トナー粒子表面から約1.2μm)における酸基含有オレフィン系共重合体の量の度合いを示している。

0079

なお、カルボキシル指数(Ge)とカルボキシル指数(D)は以下の方法で測定できる。
FT−IRスペクトルは、ユニバーサルATR測定アクセサリー(Universal ATR Sampling Accessory)を装着したフーリエ変換赤外分光分析装置(Spectrum One:PerkinElmer社製)を用い、ATR法で測定する。具体的な測定手順は以下のとおりである。
赤外光の入射角は45°に設定する。ATR結晶としては、GeのATR結晶(屈折率=4.0)、又はダイヤモンド/KRS5のATR結晶(屈折率=2.4)を用いる。その他の条件は以下のとおりである。

0080

Range
Start:4000cm−1
End:600cm−1(GeのATR結晶)、400cm−1(KRS5のATR結晶)
Duration
Scan number:16
Resolution:4.00cm−1
Advanced:CO2/H2O補正あり

0081

<カルボキシル指数(Ge)の測定方法並びに算出方法>
(1)GeのATR結晶(屈折率=4.0)を装置に装着する。
(2)Scan typeをBackground、UnitsをEGYに設定し、バックグラウンドを測定する。
(3)Scan typeをSample、UnitsをAに設定する。
(4)トナー粒子をATR結晶の上に、0.01g精秤する。
(5)圧力アームでサンプルを加圧する。(Force Gaugeは90)
(6)サンプルを測定する。
(7)得られたFT−IRスペクトルを、Automatic Correctionでベースライン補正をする。
(8)1680cm−1以上1720cm−1以下の範囲の吸収ピーク強度最大値を算出し、カルボキシル基(Ge)とする。
(9)1725以上1765cm−1以下の範囲の吸収ピーク強度の最大値を算出し、エステル基(Ge)とする。
(10)カルボキシル基(Ge)/(エステル基(Ge)+カルボキシル基(Ge))をカルボキシル指数(Ge)とする

0082

<カルボキシル指数(D)の測定方法並びに算出方法>
(1)ダイヤモンド/KRS5のATR結晶(屈折率=2.4)を装置に装着する。
(2)Scan typeをBackground、UnitsをEGYに設定し、バックグラウンドを測定する。
(3)Scan typeをSample、UnitsをAに設定する。
(4)トナー粒子をATR結晶の上に、0.01g精秤する。
(5)圧力アームでサンプルを加圧する。(Force Gaugeは90)
(6)サンプルのFT−IRスペクトルを測定する。
(7)得られたFT−IRスペクトルを、Automatic Correctionでベースライン補正をする。
(8)1680cm−1以上1720cm−1以下の範囲の吸収ピーク強度の最大値を算出し、カルボキシル基(D)とする。
(9)1725cm−1以上1765cm−1以下の範囲の吸収ピーク強度の最大値を算出し、エステル基(D)とする。
(10)カルボキシル基(D)/(エステル基(D)+カルボキシル基(D))をカルボキシル指数(D)とする

0083

カルボキシル指数(Ge)/カルボキシル指数(D)の値は、トナー粒子中の酸基含有オレフィン系共重合体が表面に偏在する度合いを示す値である。この値が、1.2〜2.4であることが好ましく、1.5〜2.1であることがより好ましい。カルボキシル指数(Ge)/カルボキシル指数(D)の値が上記範囲にあることで、弾性の発現とシェルの固着とに優れる。カルボキシル指数(Ge)/カルボキシル指数(D)の値が1.2未満の場合、トナー表面の酸基含有オレフィン系共重合体が中心部にも多く存在するために弾性の発現が弱くなるため、トナースペントが発生しやすくなる。一方、カルボキシル指数(Ge)/カルボキシル指数(D)の値が2.4を超える場合、表面近傍の極性が高くなるために帯電維持性が劣る場合がある。

0084

コア表面がシリコーンオイルを有することが好ましい。コアとシェルとの間にシリコーンオイルが一部介在することでシェルの固着が強化される。
これは、シリコーンオイルがコアの酸基含有オレフィン系共重合体とシェルの有機ケイ素重合体との間に介在することによって、
酸基含有オレフィン系共重合体のオレフィン部とシリコーンオイルの有機基とが相互に作用し、かつ、
シリコーンオイルの有機基と有機ケイ素重合体の有機基とが相互に作用することで固着が強化されるためと考えられる。

0085

シリコーンオイルとしては、以下のものを用いることができる。ジメチルシリコーンオイルメチルフェニルシリコーンオイルメチルハイドロジェンシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイルカルボキシ変性シリコーンオイルアルキル変性シリコーンオイルフッ素変性シリコーンオイルなど。シリコーンオイルの動粘度は、5mm2/s以上1,000mm2/s以下であることが好ましく、20mm2/s以上1,000mm2/s以下であることがより好ましい。

0086

また、コア表面のX線光電子分光分析を用いて測定される、全原子の総数に対するSi−C結合に由来するケイ素原子の割合が、1.0原子%〜10.0原子%であることが好ましく、3.0原子%〜7.0原子%であることがより好ましい。コア表面のシリコーンオイルのSi−C結合に由来するケイ素原子の割合が上記範囲にあることで、酸基含有オレフィン共重合体のオレフィン部とシェルとの間に効果的に介在するためにシェルの固着が強化されるため、保存安定性が優れる。コア表面のシリコーンオイルのSi−C結合に由来するケイ素原子の割合が1.0原子%未満である場合、上記の相互作用が弱まるためにシェルの固着が劣る。また、コア表面のシリコーンオイルのSi−C結合に由来するケイ素原子の割合が10.0原子%を超える場合、酸基部分にもシリコーンオイルが介在しやすくなるためにシェルの固着が劣る。

0087

シリコーンオイルの添加量は、前記樹脂成分100質量部に対して5質量部〜20質量部の範囲であることが、コアとシェルとの間にシリコーンオイルを適量介在させる観点から好ましい。コア表面のシリコーンオイル量は、シリコーンオイルの粘度、添加量、トナー製法によって変化してくる。シリコーンオイルの添加量が、前記樹脂成分100質量部に対して5質量部〜20質量部である場合、コア表面に存在するシリコーンオイル量が適正な範囲に制御されており、酸基含有オレフィン共重合体のオレフィン部とシェルの間に適量を介在することができる。このため、シェルの固着強度を向上させる観点から好ましい。

0088

コア表面のX線光電子分光測定の条件は、予めシェルの平均厚みDav.を前述した方法で求めた上で、深さ分析により行う。シェルの平均厚みDav.をエッチングするために必要な時間等の条件を検量線から求め,求めた条件でエッチングを行った上でX線光電子分光測定を実施する。この際の測定条件は前述の条件と同様である。
本発明の酸基含有オレフィン系共重合体がエチレンーアクリル酸共重合体およびエチレン−メタクリル酸共重合体からなる群より選択される少なくとも1種の共重合体を含むことがシェルの固着が強化されるために好ましい。

0089

本発明のエステル基含有オレフィン系共重合体がエチレン−酢酸ビニル共重合体を含むことが弾性発現に優れるという観点から好ましい。
本発明のエチレン−酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル由来のユニットの含有量が、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体の全質量に対して3質量%〜35質量%であることが好ましく、10質量%〜30質量%であることがより好ましい。エチレン−酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル由来のユニットの含有量が上記範囲にあることで、弾性が適度に発現されるためにトナースペント抑制に優れる。エチレン−酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル由来のユニットの含有量が3質量%未満である場合、弾性が低下するため、トナースペントが発生しやすくなることで、帯電維持性が劣る。一方、エチレン−酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル由来のユニットの含有量が35質量%を超える場合、トナーが軟らかくなるために弾性が低下する。これによって、トナースペントが発生しやすくなるため、帯電維持性が劣る。

0090

なお、エチレン−酢酸ビニル共重合体において、酢酸ビニル由来のユニットの含有量は、一般的な分析手法を用いて測定することができ、例えば、核磁気共鳴法(NMR)や熱分解ガスクロマトグラフィー法などの手法が適用できる。
1H−NMRによる測定は以下の方法で行われる。
前記式(A)で示されるユニット中の水素原子、前記式(B)で示されるユニット中のR13中の水素原子、前記式(C)で示されるユニット中のR15中の水素原子の積分値をそれぞれ比較することで、それぞれのユニット比率が算出できる。
例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニルに由来するユニット比率:15質量%)のユニット比率の算出は、テトラメチルシランが0.00ppmの内部標準として含まれる重アセトン0.5mLに、試料約5mgを溶解させた溶液を試料管に入れ、繰り返し時間を2.7秒、積算回数を16回の条件で1H−NMRを測定する。1.14〜1.36ppmのピークが、エチレンに由来するユニット中のCH2−CH2に相当する。2.04ppm付近のピークが、酢酸ビニルに由来するユニット中のCH3に相当する。それらのピークの積分値からユニット比率を算出することができる。

0091

本発明のトナーのトナー粒子においては、樹脂成分として、前記エステル基含有オレフィン系共重合体や前記酸基含有オレフィン系共重合体以外に、他の重合体を併用してもよい。具体的には、下記の重合体などを用いることが可能である。ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などが挙げられる。

0092

また、本発明のトナーのトナー粒子は、融点が50℃以上100℃以下の脂肪族炭化水素化合物を、樹脂成分100質量部に対して、1質量部以上40質量部以下含有することが好ましい。
本発明のトナーのトナー粒子は、脂肪族炭化水素化合物を含有すること好ましい。脂肪族炭化水素化合物は、樹脂成分100質量部に対して10質量部以上30質量部以下含有されることが帯電維持性に優れるという観点からより好ましい。
具体的な脂肪族炭化水素化合物としては、ヘキサコサンや、トリアコンタンヘキサトリアコンタンなどの炭素数が20以上60以下の飽和炭化水素が挙げられる。

0093

本発明のトナーは、着色剤を含有していてもよい。着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラックイエロー着色剤マゼンタ着色剤およびシアン着色剤とを用いて黒色に調色したものが挙げられる。着色剤には、顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。

0094

マゼンタトナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269、282;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。

0095

マゼンタトナー用染料としては、以下のものが挙げられる。
C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27;C.I.ディスパーバイオレット1のような油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28のような塩基性染料

0096

シアントナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントブルー2、3、15:2、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格フタルイミドメチル基を1個以上5個以下置換した銅フタロシアニン顔料
シアントナー用染料としては、C.I.ソルベントブルー70が挙げられる。

0097

イエロートナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
イエロートナー用染料としては、C.I.ソルベントイエロー162が挙げられる。

0098

これらの着色剤は、単独又は混合して、さらには固溶体の状態で用いることができる。上記着色剤は、色相角彩度明度耐光性、OHP透明性、およびトナーへの分散性の点から選択される。
本発明において、着色剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
また、本発明のトナーは、高精細な画像を得るという観点から、体積基準メジアン径が3.0μm以上10.0μm以下であることが好ましく、4.0μm以上7.0μm以下であることがより好ましい。

0099

本発明のトナーの製造方法について説明する。本発明のトナーは、任意の方法で製造することができるが、後述の乳化凝集法で製造される乳化凝集トナーであることが好ましい。その理由は、酸基含有オレフィン系共重合体に含まれる酸基(例えばカルボキシ基)が乳化粒子の表面に存在しやすく、凝集制御が容易となり、結果として粒度分布シャープになるためである。加えて、酸基含有オレフィン系共重合体に含まれる酸基がトナー粒子の表面に存在させやすく、さらに偏在させることが容易なために好ましい。

0100

乳化凝集法とは、目的の粒子径に対して、十分に小さい樹脂微粒子分散液を前もって準備し、その樹脂微粒子水系媒体中で凝集することによりトナー粒子を製造する製造方法である。
乳化凝集法では、乳化工程を経て樹脂微粒子を作製する工程(1)、樹脂微粒子を凝集させて凝集体粒子を作製する工程(2)、凝集体粒子を融合させる工程(3)を経てトナーが製造される。また必要に応じて、工程(2)の後、又は工程(3)の後にシェル化工程を設けることができる。さらに必要に応じて、工程(3)の後、冷却工程および洗浄工程を経る。
以下、乳化凝集法を用いたトナーの製造方法を具体的に記載するが、本発明は、これに限定されるわけではない。

0101

<樹脂微粒子を作製する工程(1)>
乳化凝集法においては、初めに樹脂微粒子を準備する。樹脂微粒子は公知の方法で製造できるが、以下の方法で作製することが好ましい。
前記エステル基含有オレフィン系共重合体と酸基含有オレフィン系共重合体とを有機溶媒に溶解し、均一な溶解液を形成する。その後、塩基性化合物および必要に応じて界面活性剤を添加する。界面活性剤の存在下、さらに、この溶解液に水系媒体を添加し微粒子を形成する。最後に溶剤を除去し樹脂微粒子が分散された樹脂微粒子分散液を作製させることが好ましい。前記エステル基含有オレフィン系共重合体と酸基含有オレフィン系共重合体とを共乳化手法で樹脂微粒子を形成した場合には、微粒化した有機相の中で前記エステル基含有オレフィン系共重合体と酸基含有オレフィン系共重合体とが微粒子中で混ざりあう。トナー中での相溶性が高まり、結果としてトナーと紙との密着性が高まる。より具体的には、前記エステル基含有オレフィン系共重合体と酸基含有オレフィン系共重合体とを有機溶媒に加熱溶解し、界面活性剤や塩基を加える。続いて、界面活性剤の存在下でホモジナイザーなどによりせん断力を付与しながら水系媒体をゆっくり添加することで樹脂を含む共乳化液(樹脂微粒子分散液)を作製する。又は、水系媒体を添加後にホモジナイザーなどによりせん断力を付与することで樹脂を含む共乳化液を作製する。その後、加熱又は減圧して溶剤を除去することにより、樹脂微粒子の共乳化液(樹脂微粒子分散液)を作製する。

0102

有機溶媒に溶解させる樹脂成分の濃度としては有機溶媒100質量%に対して10質量%〜50質量%が好ましく、30質量%〜50質量%がより好ましい。溶解させるために使用する有機溶媒としては、前記樹脂を溶解できるものであればどのようなものでも使用可能であるが、トルエン、キシレン酢酸エチルなどの前記エステル基含有オレフィン系共重合体に対する溶解度の高い溶媒が好ましい。

0103

上記乳化時に使用する界面活性剤としては、特に限定されるものではない。例えば、以下のものが挙げられる。硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、カルボン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系のアニオン界面活性剤アミン塩型、4級アンモニウム塩型などのカチオン界面活性剤ポリエチレングリコール系アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系非イオン系界面活性剤

0104

乳化時に使用する塩基としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどの無機塩基トリエチルアミントリメチルアミンジメチルアミノエタノールジエチルアミノエタノールなどの有機塩基が挙げられる。該塩基は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂微粒子の体積基準のメジアン径は0.05μm以上1.0μm以下であることが好ましく、0.1μm以上0.6μm以下がより好ましい。体積基準のメジアン径が上記の範囲内である場合、所望の粒径を有するトナー粒子が得られやすくなる。なお、体積基準のメジアン径は動的光散乱式粒度分布計(ナノトラックUPA−EX150:日機装(株)製)を使用することで測定可能である。

0105

<凝集体粒子を作製する工程(2)>
凝集体粒子を作製する工程(2)とは、上述の樹脂微粒子分散液に、着色剤微粒子分散液や、離型剤微粒子分散液を混合し、混合液を調製し、ついで、調製された混合液中に含まれる粒子を凝集させて、凝集体粒子を形成させる工程である。凝集体粒子を形成させる方法としては、例えば凝集剤を上記混合液中に添加・混合し、温度を上げたり、機械的動力などを適宜加えたりする方法が好適に例示できる。

0106

工程(2)で使用する着色剤微粒子分散液は、上述の着色剤を分散させて調製される。着色剤微粒子は公知の方法で分散されるが、例えば、回転せん断型ホモジナイザー、ボールミルサンドミルアトライターなどのメディア式分散機高圧対向衝突式の分散機などが好ましく用いられる。また、必要に応じて分散安定性を付与する界面活性剤や高分子分散剤を添加することができる。

0107

工程(2)で使用する離型剤微粒子分散液は、上述の離型剤を水系媒体中に分散させて調製される。離型剤は公知の方法で分散されるが、例えば、回転せん断型ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、アトライターなどのメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機などが好ましく用いられる。また、必要に応じて分散安定性を付与する界面活性剤や高分子分散剤を添加することができる。

0108

工程(2)で使用する凝集剤としては、例えば、ナトリウム、カリウムなどの1価の金属の金属塩カルシウムマグネシウムなどの2価の金属の金属塩;鉄、アルミニウムなどの3価の金属;ポリ塩化アルミなどの多価金属塩が挙げられる。工程(2)の粒子径制御性に優れるという観点から塩化カルシウム硫酸マグネシウムなどの2価の金属塩が好ましい。
前記凝集剤の添加・混合は、室温以上から75℃の温度範囲で行うことが好ましい。この温度条件下で上記混合を行うと、凝集が安定した状態で進行する。上記混合は、公知の混合装置、ホモジナイザー、ミキサーなどを用いて行うことができる。

0109

工程(2)で形成される凝集体粒子の平均粒径としては、特に制限はないが、通常、得ようとするトナー粒子の平均粒径と同じ程度になるよう4.0μm以上7.0μm以下に制御するとよい。制御は、例えば、上記凝集剤などの添加・混合時の温度と上記攪拌混合の条件を適宜設定・変更することにより容易に行うことができる。なお、トナー粒子の粒度分布はコールター法による粒度分布解析装置(コールターマルチサイザーIII:ベックマン・コールター(株)製)にて測定できる。

0110

<コア粒子を作製する工程(3)>
コア粒子を作製する工程(3)とは、上記凝集体粒子を、前記エステル基含有オレフィン系共重合体の融点以上に加熱し融合することで、凝集体粒子の表面を平滑化した粒子を製造する工程である。一旦、工程(3)に入る前に、トナー粒子間の融着を抑えるため、キレート剤pH調整剤、界面活性剤などを凝集体溶液に適宜投入することができる。

0111

キレート剤の例としては、エチレンジアミンテトラ酢酸EDTA)およびそのNa塩などのアルカリ金属塩グルコン酸ナトリウム酒石酸ナトリウムクエン酸カリウムおよびクエン酸ナトリウムニトリトリアセテートNTA)塩、COOHおよびOHの両方の官能基を含む多くの水溶性ポリマー類高分子電解質)が挙げられる。

0112

上記加熱の温度としては、凝集体粒子に含まれる前記エステル基含有オレフィン系共重合体の融点以上から、前記エステル基含有オレフィン系共重合体又は酸基含有オレフィン系共重合体が熱分解する温度の間であればよい。加熱・融合の時間としては、加熱の温度が高ければ短い時間で足り、加熱の温度が低ければ長い時間が必要である。すなわち、加熱・融合の時間は、加熱の温度に依存するので一概に規定することはできないが、一般的には10分以上10時間以下である。

0113

また、本発明では酸基含有オレフィン系共重合体が表面に偏在することが好ましいので、酸基含有オレフィン系共重合体の融点以上に加熱することが好ましい。酸基含有オレフィン系共重合体の融点以上で加熱することによって、親水性が高い酸基含有オレフィン系共重合体が表面に自発的に偏在化する。

0114

<冷却工程>
冷却工程とは、上記粒子を含む水系媒体の温度を、前記エステル基含有オレフィン系共重合体の結晶化温度より低い温度まで冷却する工程である。冷却を結晶化温度より低い温度まで行わないと、粗大粒子が発生してしまう。具体的な冷却速度は0.1℃/分以上50℃/分以下である。

0115

また、冷却中又は冷却後に前記エステル基含有オレフィン系共重合体の結晶化速度が速い温度に保持し、結晶化を促進させるアニーリングを行うことが好ましい。30℃以上70℃以下の温度で保持することで結晶化が促進されてトナーの保管時のブロッキング性が良化する。

0116

<洗浄工程>
上記工程を経て作製した粒子を、洗浄、濾過、繰り返すことによりトナー粒子中の不純物を除去することができる。具体的にはエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)およびそのNa塩などのキレート剤を含有した水溶液を用いてトナー粒子を洗浄し、さらに純水で洗浄することが好ましい。純水での洗浄は濾過を複数回繰り返すことによりトナー粒子中の金属塩や界面活性剤などを除くことができる。濾過の回数は3回以上20回以下が製造効率の点から好ましく、3回以上10回以下がより好ましい。

0117

有機溶剤と接触させる工程および分離工程
有機溶剤と接触させる工程および分離工程においては、必要に応じて、洗浄工程で得られたコア粒子を、有機溶剤と接触させ、分離することによって、有機溶剤との親和性が高い低分子量のシリコーンオイルが洗浄される。その結果、分子量分布がシャープなシリコーンオイルの薄膜がコア表面の一部に形成させることができる。用いられる有機溶剤は、従来の離型剤を洗浄するような溶剤とは異なり、むしろシリコーンオイルとの親和性が高すぎないことが重要である。親和性が高すぎると、シリコーンオイルをコア粒子から引き抜きすぎてしまい、シェルの固着が低下する。従って、本発明の有機溶剤とシリコーンオイルとの親和性を制御することが重要である。具体的な有機溶剤としては、エタノールメタノールプロパノールイソプロパノール、酢酸エチル、酢酸メチル酢酸ブチル、及びこれらの混合物などが挙げられる。

0118

<乾燥工程>
上記工程で得たコア粒子の乾燥を行い、必要に応じて、シリカ、アルミナチタニア炭酸カルシウムなどの無機粒体や、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂などの樹脂粒子を、乾燥状態剪断力印加して添加してもよい。これらの無機粒体や樹脂粒子は、流動性助剤クリーニング助剤などの外添剤として機能する。

0119

<シェル化工程>
有機ケイ素重合体をコア粒子の表層にシェル化させる具体的態様について説明するが、本発明はこれらに限定されるわけではない。
第一製法としては、先にコアを得た後、コア粒子を水系媒体中に投入して、水系媒体中でコア粒子に有機ケイ素重合体の表層を形成する態様が挙げられる。
第二製法としては、以下のように形成する態様が挙げられる。すなわち、コア粒子の表面に、有機ケイ素重合体を形成するための有機ケイ素化合物を含有する溶媒をスプレードライ法によりコア粒子の表面に噴射し、熱風及び冷却により表面を重合又は乾燥させて、有機ケイ素重合体をコア粒子の表層に形成する。

0120

本発明のトナーの製造方法として、上述した製造方法の中でも、第一製法が好ましい。有機ケイ素化合物の縮合重合度が制御しやすいため、シェルの強度を制御しやすい。この際、コア粒子をスラリー化しやすくするために各種界面活性剤を添加してもよい。
縮合工程のpHは、任意の条件で行うことができるが、有機ケイ素化合物の縮合は、水系媒体のpHに影響する。そのため、水系媒体のpHを制御することで、本発明の効果をより高めることが可能である。

0121

酸性条件下では、アルコキシ基の加水分解はプロトン触媒として求電子的に進むため、分子内のアルコキシ基の加水分解は逐次的に進行する。よって、シラノール基が有機ケイ素化合物の縮合体中に残りやすく、疎水化が進みにくい。また、3次元的な縮合反応が起こりにくく、分子量も上がりにくい。一方、塩基性条件下では、アルコキシ基の加水分解は水酸化物イオンを触媒として求核的に進むため、分子内のアルコキシ基の加水分解は一斉に進行する。よって、シラノール基が有機ケイ素化合物の縮合体中に残りにくく、疎水化が進みやすい。また、3次元的な縮合反応が起こりやすく、分子量が上がりやすい。その結果、水系媒体中で大きなシリカ粒子を形成することができる。

0122

そして、有機ケイ素重合体の疎水性が高くなると、水系媒体中での安定性が低くなり、磁性コア粒子に移行しやすくなる。その結果、得られた磁性キャリアの表面は凹凸が形成できるため、塩基性条件下で縮合工程を行うことが好ましい。また、塩基性条件下で縮合工程を行う場合、有機ケイ素重合体の分子量が高くなりやすいため、水系媒体に溶解する有機ケイ素化合物の量を低減することが可能となる。よって、排水中の有機ケイ素化合物を減らすことが可能となり、排水処理の負荷を低減できるという観点からも好ましい。
具体的には、縮合工程における水系媒体のpHは7.5以上12.0以下が好ましく。8.0以上11.0以下がより好ましい。縮合工程のpHは公知の酸又は塩基で制御することができる。

0123

pHを調整する酸としては、塩酸硫酸硝酸ホウ酸フッ化水素酸臭化水素酸、過マンガン酸チオシアン酸ホスホン酸リン酸二リン酸ヘキサフルオロリン酸テトラフルオロホウ酸トリポリリン酸等の無機酸や、アスパラギン酸、塩酸、硫酸、硝酸、ホウ酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、過マンガン酸、チオシアン酸、ホスホン酸、リン酸、二リン酸、ヘキサフルオロリン酸、テトラフルオロホウ酸、トリポリリン酸等の無機酸や、アスパラギン酸、o−アミノ安息香酸p−アミノ安息香酸イソニコチン酸オキサロ酢酸クエン酸、2−グリセリン酸グルタミン酸シアノ酢酸シュウ酸トリクロロ酢酸、o−ニトロ安息香酸ニト酢酸ピクリン酸ピコリン酸ピルビン酸フマル酸フロオロ酢酸、ブロモ酢酸、o−ブロモ安息香酸、マレイン酸、マロン酸等の有機酸が挙げられる。これらの酸は特段の制限なく用いることができる。また、これらの酸は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。

0124

pHを調整する塩基としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属やその水溶液、アルカリ金属塩やその水溶液、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属やその水溶液、アルカリ土類金属塩アンモニア尿素を含むアミン類などが挙げられる。より具体的には、例えば水酸化リチウム水溶液水酸化ナトリウム水溶液水酸化カリウム水溶液水酸化カルシウム水溶液水酸化マグネシウム水溶液、炭酸リチウム水溶液炭酸ナトリウム水溶液炭酸カリウム水溶液アンモニア水溶液、尿素等が挙げられる。これらの塩基は特段の制限なく用いることができる。また、これらの塩基は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。

0125

以下、本発明を実施例と比較例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、実施例および比較例の部数および%は特に断りが無い場合、すべて質量基準である。

0126

<樹脂微粒子1分散液の製造例>
・トルエン(和光純薬製) 300g
・エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−A(前記式(A)および(B)中、R11=H、R12=H、R13=CH3、前記式(B)で示されるユニットの含有量:エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA−Aの全質量に対して15質量%、酸価:0mgKOH/g)
75g
・酸基含有オレフィン系共重合体A(エチレン−メタクリル酸共重合体、酸価:90mgKOH/g) 25g
以上の処方された材料を混合し、温度90℃で溶解させてトルエン溶液を得た。

0127

別途、イオン交換水700gに下記の材料を混合し、温度90℃で溶解させて水溶液を得た。
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.7g
ラウリン酸ナトリウム1.5g
N,N−ジメチルアミノエタノール0.8g

0128

次いで上記のトルエン溶液と水溶液とを混ぜ合わせ、超高速攪拌装置T.K.ロボミックス((株)プライミクス製)を用いて7000rpmで攪拌した。さらに、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業(株)製)用いて200MPaの圧力で乳化液を作製した。その後、エバポレーターを用いて、トルエンを除去し、イオン交換水で濃度調整を行い樹脂微粒子1の濃度20%の水系分散液(樹脂微粒子1分散液)を得た。

0129

<樹脂微粒子2分散液〜樹脂微粒子30分散液の製造例>
樹脂微粒子1分散液の製造例において、それぞれの樹脂の種類、樹脂毎の酸価、樹脂毎の配合量を表1となるように変更した以外は同様に反応を行い、樹脂微粒子2分散液〜樹脂微粒子30分散液を得た。

0130

<着色剤微粒子分散液の製造>
・着色剤10.0質量部
シアン顔料大日精化工業(株)製:Pigment Blue 15:3)
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンRK) 1.5質量部
・イオン交換水88.5質量部
以上を混合し、溶解し、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業(株)製)を用いて約1時間分散して、着色剤を分散させてなる着色剤微粒子の濃度10%の水系分散液(着色剤微粒子分散液)を調製した。

0131

<脂肪族炭化水素化合物微粒子分散液の製造>
・脂肪族炭化水素化合物(HNP−51、融点78℃、日本精(株)製)
20.0質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンRK) 1.0質量部
・イオン交換水79.0質量部
以上を攪拌装置付きの混合容器に投入した後、90℃に加熱し、クレアミクスモーションエムテクニック製)へ循環させて分散処理を60分間行った。分散処理の条件は、以下のようにした。
ローター外径3cm
クリアランス0.3mm
ローター回転数19000rpm
スクリーン回転数19000rpm
分散処理後、ローター回転数1000rpm、スクリーン回転数0rpm、冷却速度10℃/分の冷却処理条件にて40℃まで冷却することで、脂肪族炭化水素化合物微粒子の濃度20%の水系分散液(脂肪族炭化水素化合物微粒子分散液)を得た。

0132

<シリコーンオイル乳化液の製造>
・シリコーンオイル 20.0質量部
(ジメチルシリコーンオイル信越化学製:KF96−50CS)
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンRK) 1.0質量部
・イオン交換水79.0質量部
以上を混合し、溶解し、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業(株)製)を用いて約1時間分散して、シリコーンオイルを分散させてなるシリコーンオイルの濃度20%の水系分散液を調製した。

0133

<コア1の製造例>
・樹脂微粒子1分散液 500g
・着色剤微粒子分散液80g
・脂肪族炭化水素化合物微粒子分散液150g
・シリコーンオイル乳化液50g
・イオン交換水160g
上記の各材料を丸型ステンレス製フラスコに投入、混合した後、10%硫酸マグネシウム水溶液60gを添加した。続いてホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて5000rpmで10分間分散した。その後、加熱用ウォーターバス中で攪拌翼を用いて、混合液が攪拌されるような回転数を適宜調節しながらで73℃まで加熱した。

0134

上記凝集粒子の分散液に、5%エチレンジアミン4酢酸ナトリム水溶液330gを追加した後、攪拌を継続しながら、98℃まで加熱した。そして、98℃で1時間保持することで凝集粒子を融合させた。
その後、50℃まで冷却し3時間保持することでエチレン−酢酸ビニル共重合体の結晶化を促進させた。その後、25℃まで冷却し、濾過・固液分離した後、濾物を0.5%エチレンジアミン4酢酸ナトリム水溶液で洗浄し、さらにイオン交換水で洗浄を行った。洗浄終了後減圧乾燥機を用いて乾燥することで、コア1を得た。

0135

<コア2〜37の製造例>
コア1の製造例において、それぞれの樹脂微粒子やそれぞれの配合量を表1となるように変更した以外はコア1と同様にしてコア2〜37を得た。

0136

0137

表1中の略号は以下のとおりである。
EVA:エチレン酢酸ビニル
EMA:エチレンメタクリル酸

0138

<分散安定剤水溶液の製造例>
・Na3PO4水溶液(0.1モル/リットル) 100.0部
・イオン交換水70.0部
HCl水溶液(1.0モル/リットル) 2.4部
還流冷却管温度計を備えた反応容器に、上記材料を投入した。続いて、高速攪拌装置TK−ホモミキサーを用いて、反応容器内を12,000rpmで攪拌しながら、温度60℃に保持した。
・CaCl2水溶液(1.0モル/リットル) 85.0部
ここに、上記材料を徐々に添加し、微細難水溶性分散安定剤Ca3(PO4)2を含む分散安定剤水溶液を得た。

0139

シラン化合物加水分解液1の製造例>
・メチルトリエトキシシラン50.0部
・イオン交換水50.0部
攪拌機を備えた反応容器に、上記材料を投入し、10質量%塩酸を用いてpHを3.0に調整し、攪拌しながら加水分解を行い、シラン化合物加水分解液1を得た。加水分解の完了は、当初2相に分離している液が1相になったことをもって確認した。

0140

<シラン化合物加水分解液2〜6の製造例>
シラン化合物加水分解液1の製造例において、それぞれのシラン化合物を表2のとおりとなるように変更した以外は同様にして反応を行い、シラン化合物加水分解液2〜6を得た。

0141

0142

界面活性剤水溶液の製造例>
ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル10.0部
・イオン交換水90.0部
攪拌機を備えた反応容器に、上記材料を投入し、攪拌しながら溶解を行い、界面活性剤水溶液を得た。

0143

<トナー1の製造例>
工程1(スラリー化工程)
・コア1 15.0部
・分散安定剤水溶液100.0部
・界面活性剤水溶液0.8部
温度計を備えた反応容器に、上記材料を投入した。反応容器内を25℃にしなから、ホモジナイザー(IKAジャパン(株)製:ウルトラタラクスT50)5,000rpmで6分間分散し、コア分散液1を得た。

0144

工程2(縮合工程)
・コア分散液1 100.0部
・シラン化合物加水分解液1 1.8部
攪拌機、温度計を備えた反応容器に、上記材料を投入した。反応容器内を200rpmで攪拌しながら70℃まで昇温させた。そして、1mol/LのNaOH水溶液でpH9.0に調整し、240分間攪拌し、縮合反応を行った。続いて、希塩酸でpH1.5に調整し、分散安定剤を除去した。その後、(有)製作所製濾紙(No.5C:空孔径1μm)を用いて濾過し、粒子と濾液とを分離した。その後、50℃まで冷却し3時間保持することでエチレン−酢酸ビニル共重合体の結晶化を促進させた。その後、25℃まで冷却し、ろ過・固液分離した後、ろ過物を5%エチレンジアミン4酢酸ナトリウム水溶液で洗浄し、さらにイオン交換水で洗浄を行った。洗浄終了後に減圧乾燥機を用いて乾燥することでトナー1を得た。得られたトナー1の体積基準のメジアン径は5.4μm、ST3は0.40、ケイ素原子の濃度は10.0原子%、シェルの平均厚みDav.は50nmであった。

0145

<トナー2〜37の製造例>
トナー1の製造例において、コア、及び、シラン化合物加水分解液を表3となるように変更した以外は同様の操作を行い、トナー2〜37を得た。トナー2〜37の物性を表3に示す。

0146

0147

<二成分系現像剤1の製造例>
92.0部の磁性キャリアと8.0部のトナー1とをV型混合機(V−20、(株)セイシン企業製)により混合し、二成分系現像剤1を得た。

0148

<二成分系現像剤2〜37の製造例>
二成分系現像剤1の製造例において、表4のように変更する以外は同様の操作を行い、二成分系現像剤2〜37を得た。

0149

<実施例1>
上記二成分系現像剤1を用いて、評価を行った。
画像形成装置として、キヤノン(株)製imageRUNNERADVANCE C5560改造機を用い、シアン位置の現像器に二成分系現像剤1を入れた。装置の改造点としては、定着温度プロセススピード現像剤担持体直流電圧VDC、静電潜像担持体帯電電圧VD、及び、レーザーパワーを自由に設定できるように変更した。画像出力評価は、所望の画像比率FFh画像(ベタ画像)を出力し、紙上におけるFFh画像上のトナーの載り量が所望の値になるようにVDC、VD、及びレーザーパワーを調整して、後述の評価を行った。
FFhとは、256階調16進数で表示した値であり、00hが256階調の1階調目白地部)であり、FFhが256階調の256階調目(ベタ部)である。

0150

項目の評価は、通紙耐久試験の前後ともに行った。
・通紙耐久試験:下記の画像を10000枚出力した。
紙:GFC−081(81.0g/m2)(キヤノンマーケティングジャパン(株))
紙上のトナーの載り量(通紙耐久試験前):0.35mg/cm2
(通紙耐久試験前に現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧VD、及びレーザーパワーにより調整。通紙耐久試験中及び通紙耐久試験後は変化させない。)
評価画像:上記A4用紙の中心にFFhの画像比率1%の帯チャート画像を配置
定着試験環境:高温高湿環境:温度30℃/相対湿度80%(以下「H/H」)
プロセススピード:377mm/sec
以下の評価方法に基づいて評価し、その結果を表4に示す。

0151

[帯電維持性]
紙:GFC−081(81.0g/m2)(キヤノンマーケティングジャパン(株))
紙上のトナーの載り量(通紙耐久試験前):0.35mg/cm2
(通紙耐久試験前に現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧VD、及びレーザーパワーにより調整。通紙耐久試験中及び通紙耐久試験後は変化させない。)
評価画像:上記A4用紙の中心にFFhの2cm×5cmの画像を配置
試験環境:高温高湿環境:温度30℃/相対湿度80%(以下「H/H」)
静電潜像担持体上のトナーを金属円筒管円筒フィルターを用いて吸引捕集することにより、トナーの摩擦帯電量を算出した。具体的には、静電潜像担持体上のトナーの摩擦帯電量は、ファラデーケージ(Faraday−Cage)によって測定した。

0152

ファラデー・ケージとは、同軸の2重筒のことで内筒外筒絶縁されている。この内筒の中に電荷量Qの帯電体を入れたとすると、静電誘導によりあたかも電荷量Qの金属円筒が存在するのと同様になる。この誘起された電荷量をエレクトロメーター(ケスレー6517A ケスレー社製)で測定し、内筒中のトナー質量M(kg)で電荷量Q(mC)を割ったもの(Q/M)をトナーの摩擦帯電量とした。
トナーの摩擦帯電量(mC/kg)=Q/M

0153

通紙耐久試験前に、静電潜像担持体上に上記評価画像を形成し、中間転写体転写される前に、静電潜像担持体の回転を止め、静電潜像担持体上のトナーを、金属円筒管と円筒フィルターにより吸引捕集し、[試験前のQ/M]を測定した。
次に、通紙耐久試験後、通紙耐久試験前と同様の操作を行い、通紙耐久試験後の静電潜像担持体上の単位質量当たりの電荷量Q/M(mC/kg)を測定した。
そして、下記式を用いて、帯電変動差を算出した。得られた帯電変動差を下記の評価基準に従って評価した。評価がA〜Dであれば、本発明の効果が得られていると判断した。
帯電変動差=(|通紙耐久試験前のQ/M−通紙耐久試験後のQ/M|/|通紙耐久試験前のQ/M|)/100

0154

(評価基準)
A:帯電変動差が5%未満
B:帯電変動差が5%以上10%未満
C:帯電変動差が10%以上15%未満
D:帯電変動差が15%以上20%未満
E:帯電変動差が20%以上

0155

[保存安定性]
100ccの樹脂製カップにトナー5gを入れ、温度及び湿度可変型の恒温槽(温度55℃、相対湿度41%)に48時間静置し、静置後にトナーの凝集性を評価した。凝集性は、ホソカワミクロン(株)製粉体特性評価装置パウダテスタPT-Xを用いて0.5mmの振幅にて10秒間、目開き20μmのメッシュで振るった後に、残ったトナーの残存率評価指標とした。得られた残存率を下記の評価基準に従って評価した。評価がA〜Dであれば、本発明の効果が得られていると判断した。

0156

(評価基準)
A:残存率2.0%未満
B:残存率2.0%以上5.0%未満
C:残存率5.0%以上10.0%未満
D:残存率10.0%以上15.0%未満
E:残存率15.0%以上

0157

<実施例2〜32、及び、比較例1〜5>
二成分系現像剤2〜37を用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表4に示す。

実施例

0158

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