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技術 ポリカーボネート系樹脂押出発泡板の製造方法

出願人 株式会社ジェイエスピー
発明者 森田圭石川達之
出願日 2019年3月14日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2019-047302
公開日 2020年9月17日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-147693
状態 未査定
技術分野 多孔性物品の製造および廃物の回収・処理
主要キーワード テンション荷重 予備状態調節 フィブリル化ポリテトラフルオロエチレン 上下ベルト 接触通過 フェノキシアルキルエステル 成形具 長期間経過後
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

難燃性断熱性などに優れるとともに、幅方向厚み精度に優れたポリカーボネート樹脂発泡板を得ることができるポリカーボネート樹脂発泡板の製造方法を提供すること。

解決手段

ポリカーボネート系樹脂および物理発泡剤混練してなる発泡性溶融樹脂混練物押出発泡させて板状に賦形する工程を含むポリカーボネート系樹脂押出発泡板の製造方法であって、物理発泡剤が、ハイドロフルオロオレフィンを含む。

概要

背景

ポリカーボネート樹脂熱的性質電気的性質及び機械的物性等に優れるものであり、自動車分野、建築分野土木分野等への用途展開が期待されている。特に、ポリカーボネート樹脂発泡体は、断熱性耐熱性難燃性機械的物性等に優れているため、建材用途軽量構造材断熱材、内装材等への幅広い用途に利用されている。また、ポリカーボネート樹脂押出発泡板は、シロアリによる食害を防ぐ耐蟻性が高いことが知られており、建築用途需要拡大が期待される。

ポリカーボネート樹脂発泡体は利用価値が高いものであるが、ポリカーボネート系樹脂は、樹脂流動開始温度汎用樹脂に比べて高く、加工温度では溶融粘度および溶融張力が低いため、汎用樹脂に対して実施されているような押出発泡法では板状の押出発泡体を得ることが難しいことが知られている。

また、建材用途等の分野においては、ポリカーボネート系樹脂発泡板には断熱性能が求められる。特に、近年、長期に亘って断熱性を維持することのできるポリカーボネート系樹脂発泡板が望まれている。

ポリカーボネート系樹脂押出発泡板を製造する方法として、例えば、特許文献1〜3の方法が知られている。

特許文献1には、溶融粘度と溶融張力とが特定の関係を満足するポリカーボネート系樹脂を基材樹脂として用いることにより、高断面積低見掛け密度のポリカーボネート系樹脂押出発泡板を製造することが記載されている。また、特許文献2には、エポキシ基を有するアクリル系共重合体からなる増粘剤を用いて変性したポリカーボネート系樹脂を用いることにより、幅方向端部の圧縮強度が大きい板状発泡体が得られることが記載されている。特許文献3には、ポリカーボネート樹脂に対して特定のポリエステル樹脂を配合した混合物押出発泡させることにより、熱伝導率が小さく長期間に亘る優れた断熱性を有し、かつ機械的強度に優れるポリカーボネート樹脂押出発泡体が得られることが記載されている。

概要

難燃性、断熱性などに優れるとともに、幅方向厚み精度に優れたポリカーボネート樹脂発泡板を得ることができるポリカーボネート樹脂発泡板の製造方法を提供すること。ポリカーボネート系樹脂および物理発泡剤混練してなる発泡性溶融樹脂混練物を押出発泡させて板状に賦形する工程を含むポリカーボネート系樹脂押出発泡板の製造方法であって、物理発泡剤が、ハイドロフルオロオレフィンを含む。なし

目的

特に、近年、長期に亘って断熱性を維持することのできるポリカーボネート系樹脂発泡板が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

ポリカーボネート系樹脂および物理発泡剤混練してなる発泡性溶融樹脂混練物押出発泡させて板状に賦形する工程を含むポリカーボネート系樹脂押出発泡板の製造方法であって、前記物理発泡剤が、ハイドロフルオロオレフィンを含むことを特徴とするポリカーボネート系樹脂押出発泡板の製造方法。

請求項2

前記物理発泡剤の総添加量が、前記ポリカーボネート系樹脂1kgに対して0.05〜0.8mоlであることを特徴とする請求項1のポリカーボネート系樹脂押出発泡板の製造方法。

請求項3

前記物理発泡剤は、さらに、炭素数3〜5の脂肪族飽和炭化水素を含み、前記ハイドロフルオロオレフィンと前記炭素数3〜5の脂肪族飽和炭化水素との合計100mоl%に対する前記ハイドロフルオロオレフィンの割合が5〜50mоl%であることを特徴とする請求項1または2のポリカーボネート系樹脂押出発泡板の製造方法。

請求項4

前記ポリカーボネート系樹脂押出発泡板は、厚み30mm以上、かつ、幅300mm以上の発泡板であることを特徴とする請求項1から3のいずれかのポリカーボネート系樹脂押出発泡板の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、ポリカーボネート系樹脂押出発泡板の製造方法に関する。

背景技術

0002

ポリカーボネート樹脂熱的性質電気的性質及び機械的物性等に優れるものであり、自動車分野、建築分野土木分野等への用途展開が期待されている。特に、ポリカーボネート樹脂発泡体は、断熱性耐熱性難燃性機械的物性等に優れているため、建材用途軽量構造材断熱材、内装材等への幅広い用途に利用されている。また、ポリカーボネート樹脂押出発泡板は、シロアリによる食害を防ぐ耐蟻性が高いことが知られており、建築用途需要拡大が期待される。

0003

ポリカーボネート樹脂発泡体は利用価値が高いものであるが、ポリカーボネート系樹脂は、樹脂流動開始温度汎用樹脂に比べて高く、加工温度では溶融粘度および溶融張力が低いため、汎用樹脂に対して実施されているような押出発泡法では板状の押出発泡体を得ることが難しいことが知られている。

0004

また、建材用途等の分野においては、ポリカーボネート系樹脂発泡板には断熱性能が求められる。特に、近年、長期に亘って断熱性を維持することのできるポリカーボネート系樹脂発泡板が望まれている。

0005

ポリカーボネート系樹脂押出発泡板を製造する方法として、例えば、特許文献1〜3の方法が知られている。

0006

特許文献1には、溶融粘度と溶融張力とが特定の関係を満足するポリカーボネート系樹脂を基材樹脂として用いることにより、高断面積低見掛け密度のポリカーボネート系樹脂押出発泡板を製造することが記載されている。また、特許文献2には、エポキシ基を有するアクリル系共重合体からなる増粘剤を用いて変性したポリカーボネート系樹脂を用いることにより、幅方向端部の圧縮強度が大きい板状発泡体が得られることが記載されている。特許文献3には、ポリカーボネート樹脂に対して特定のポリエステル樹脂を配合した混合物押出発泡させることにより、熱伝導率が小さく長期間に亘る優れた断熱性を有し、かつ機械的強度に優れるポリカーボネート樹脂押出発泡体が得られることが記載されている。

先行技術

0007

特開2006−199879号公報
特開2008−144084号公報
特開2012−51971号公報

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら、特許文献1、2に記載のポリカーボネート系樹脂押出発泡板は、断熱性という点では改善の余地を残すものであった。

0009

また、特許文献1〜3に記載のポリカーボネート系樹脂押出発泡板においては、特に幅広で、高厚みの押出発泡板を製造しようとした場合、押出発泡板の幅方向に亘る厚みバラつきが大きくなりやすい傾向にあった。

0010

本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、機械強度、難燃性等に優れると共に、長期に亘る断熱性に優れ、かつ幅広で、高厚みの押出発泡板を製造する場合であっても幅方向の厚み精度に優れたポリカーボネート系樹脂発泡板を得ることができるポリカーボネート系樹脂発泡板の製造方法を提供することを課題としている。

課題を解決するための手段

0011

上記の課題を解決するため、本発明は、ポリカーボネート系樹脂および物理発泡剤混練してなる発泡性溶融樹脂混練物を押出発泡させて板状に賦形する工程を含むポリカーボネート系樹脂押出発泡板の製造方法であって、前記物理発泡剤が、ハイドロフルオロオレフィンを含むことを特徴としている。

0012

このポリカーボネート系樹脂押出発泡板の製造方法では、前記物理発泡剤の総添加量が、前記ポリカーボネート系樹脂1kgに対して0.05〜0.8molであることが好ましい。

0013

このポリカーボネート系樹脂押出発泡板の製造方法では、前記物理発泡剤は、さらに、炭素数3〜5の脂肪族飽和炭化水素を含み、前記ハイドロフルオロオレフィンと前記炭素数3〜5の脂肪族飽和炭化水素との合計100mоl%に対する前記ハイドロフルオロオレフィンの割合が5〜50mol%であることがより好ましい。

0014

このポリカーボネート系樹脂押出発泡板の製造方法では、前記ポリカーボネート系樹脂押出発泡板は、厚み30mm以上であり、かつ、幅300mm以上の発泡板であることがさらに好ましい。

発明の効果

0015

本発明のポリカーボネート系樹脂押出発泡板の製造方法によれば、ハイドロフルオロオレフィンを含む物理発泡剤を用いて押出発泡することにより、機械強度、難燃性などに優れるとともに、長期に亘る断熱性に優れ、かつ幅広で、高厚みの押出発泡板を製造する場合であっても幅方向の厚み精度に優れたポリカーボネート系樹脂発泡板を得ることができる。

0016

以下、本発明のポリカーボネート系樹脂押出発泡板(以下、単に押出発泡板と呼ぶことがある)の製造方法の一実施形態について説明する。

0017

本発明のポリカーボネート系樹脂押出発泡板の製造方法は、ポリカーボネート系樹脂と、ハイドロフルオロオレフィンを含む物理発泡剤とを溶融混錬してなる発泡性溶融樹脂混錬物を押出発泡させ、板状に賦形してポリカーボネート系樹脂押出発泡板を製造する方法である。

0018

具体的には、本発明の方法の一実施形態においては、ポリカーボネート系樹脂を主成分とする基材樹脂を押出機に供給し、加熱、混練して溶融樹脂混練物とする。さらに、物理発泡剤を押出機中に圧入して発泡性溶融樹脂混練物とし、この発泡性溶融樹脂混練物を押出機の出口に取り付けられ高圧に保たれたダイ内から大気圧下、あるいは減圧条件下などのダイ内圧力よりも低圧域に押出すことにより、ポリカーボネート系樹脂押出発泡板を得ることができる。押出発泡板を製造する場合、ダイとして、樹脂押出口が水平なフラットダイ縦型スリットが多数並列に設けられているスリットダイを用いること、あるいは多孔ダイを用いることが好ましい。さらに、押出発泡直後に、未硬化の発泡体をガイダーと呼ばれる上下板又は上下ベルトコンベアーからなる成形具内を接触通過させて賦形することが好ましく、このようにすれば、表面平滑性が良好な板状押出発泡板を得ることができる。

0019

本発明において、ポリカーボネート系樹脂とは、下記一般化学式(1)で表される、炭酸結合を有する基本構造単位を50モル%以上、好ましくは70モル%以上含むポリマーを言う。

0020

上記一般化学式(1)において、Rはビスフェノール類芳香族炭化水素である。

0021

ポリカーボネート系樹脂は、例えば、炭酸ジエステル芳香族ジヒドロキシ化合物原料として、アルカリ金属化合物触媒のもとにエステル交換反応法により製造される芳香族ポリカーボネート樹脂が好ましく用いられる。エステル交換反応法において、原料の芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えば下記のようなものが例示される。具体的には、2,2−ビス(ビス(4−ヒドロキシフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3、5−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン(=テトラブロモビスフェノールA)、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、3,3’−5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシフェニル、4−ヒドロキシフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、 ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン等が挙げられる。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は、単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。これらのうち、エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3、5−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン(=テトラブロモビスフェノールA)などが好ましい。

0022

炭酸ジエステルは、例えば、ジフェニルカーボネートジトリルカーボネート等で代表される置換ジフェニルカーボネートやジメチルカーボネートジエチルカーボネート、ジ−t−ブチルカーボネート等で代表されるジアルキルカーボネートが挙げられる。

0023

ポリカーボネート系樹脂は、250℃の条件下における溶融張力(メルトテンション)が、7cN〜50cNであることが好ましい。ポリカーボネート系樹脂の溶融張力が上記範囲内であると、ポリカーボネート系樹脂はより発泡性に優れるため、広幅で、高厚みの低見掛け密度の押出発泡板をより容易に製造することができる。この観点から、溶融張力は、8cN〜40cNであることがより好ましく、9cN〜30cNであることがさらに好ましく、10cN〜25cNであることが特に好ましい。このような特性を有するポリカーボネート系樹脂としては、高分量成分や長鎖分岐を有するものが好ましく挙げられる。また、溶融張力が上記範囲を下回るポリカーボネート系樹脂を混合して使用することもできる。

0024

ポリカーボネート系樹脂の溶融張力は、株式会社東洋精機製作所製のキャピログラフ1Dによって測定することができる。具体的には、例えば、シリンダー径9.55mm、長さ350mmのシリンダーと、ノズル径2.095mm、長さ8.0mmのオリフィスを用い、シリンダー及びオリフィスの設定温度を250℃とし、熱風循環式乾燥機により120℃で5時間乾燥させた試料(ポリカーボネート系樹脂)の必要量をシリンダー内に入れ、4分間放置してから、ピストン速度を10mm/分として溶融樹脂をオリフィスから紐状押出して、この紐状物を直径45mmの張力検出用プーリー掛け、4分で引き取り速度が0m/分から200m/分に達するように一定の増速引取り速度を増加させながら引取りローラーで紐状物を引取って紐状物が破断した際の直前張力極大値を得る。ここで、引取り速度が0m/分から200m/分に達するまでの時間を4分とした理由は、樹脂の熱劣化を抑えるとともに得られる値の再現性を高めるためである。この操作を異なる試料を使用し、計10回の測定を行い、10回で得られた極大値の最も大きな値から順に3つの値と、極大値の最も小さな値から順に3つの値を除き、残った中間の4つの極大値を相加平均して得られた値を溶融張力(cN)とする。

0025

上述した方法で溶融張力を測定し、引取り速度が200m/分に達しても紐状物が切れない場合には、引取り速度を200m/分の一定速度にして得られる溶融張力(cN)の値を採用する。詳しくは、上記測定と同様にして、溶融樹脂をオリフィスから紐状に押出して、この紐状物を張力検出用プーリーに掛け、4分間で0m/分から200m/分に達するように一定の増速で引取り速度を増加させながら引取りローラーを回転させ、回転速度が200m/分になるまで待つ。回転速度が200m/分に到達してから溶融張力のデータの取り込みを開始し、30秒後にデータの取り込みを終了する。この30秒の間に得られたテンション荷重曲線から得られたテンション最大値(Tmax)とテンション最小値(Tmin)の平均値(Tave)を溶融張力とする。ここで、Tmaxとは、テンション荷重曲線において、検出されたピーク(山)値の合計値を検出された個数で除した値であり、Tminとは、テンション荷重曲線において、検出されたディップ(谷)値の合計値を検出された個数で除した値である。なお、溶融樹脂をオリフィスから紐状に押出す際には紐状物に、できるだけ気泡が入らないようにする。

0026

また、ポリカーボネート系樹脂の溶融粘度は、250℃、剪断速度100sec−1の条件下において、2×103Pa・s〜8×103Pa・sであることが好ましい。ポリカーボネート系樹脂の溶融粘度がこの範囲内であると、押出安定性により優れる。この観点から、溶融粘度は、3×103Pa・s〜7×103Pa・sであることがより好ましい。

0027

ポリカーボネート系樹脂の溶融粘度の測定は、250℃、剪断速度100sec−1の条件下において測定するものとし、株式会社東洋精機製作所製のキャピログラフ1Dによって測定される。具体的には、シリンダー径9.55mm、長さ350mmのシリンダーと、ノズル径1.0mm、長さ10.0mmのオリフィスを用い、シリンダー及びオリフィスの設定温度を250℃にし、熱風循環式乾燥機により120℃で5時間乾燥させた測定試料(ポリカーボネート系樹脂)をシリンダー内に入れ、4分間放置してから測定し、そこで得られた溶融粘度(Pa・s)を採用する。なお、測定の際にオリフィスから押出されるストランドには気泡ができるだけ混入しないようにする。

0028

また、発泡性溶融樹脂混錬物に含まれる基材樹脂には、ポリカーボネート系樹脂以外にも、各種の樹脂を含むことができる。ポリカーボネート系樹脂以外の樹脂としては、ポリスチレン系樹脂ポリエチレン系樹脂ポリエステル系樹脂アクリル系樹脂等が挙げられる。基材樹脂としてポリエステル樹脂を配合して製造した押出発泡板は、長期に亘る断熱性に優れたものとなる。

0029

ポリカーボネート系樹脂以外の他の樹脂の配合量は、ポリカーボネート系樹脂100重量部に対して50重量部未満であることが好ましく、30重量部未満であることがより好ましく、20重量部未満であることがさらに好ましい。

0030

本発明の製造方法では、物理発泡剤として、ハイドロフルオロオレフィン(以下、HFOと呼ぶことがある)が用いられる。ハイドロフルオロオレフィンは、オゾン破壊係数が低く、地球温暖化係数も非常に小さく、環境に与える負担が小さい発泡剤である。さらに、気体状態の熱伝導率が低く、燃えにくい特性を有することが知られている。物理発泡剤としてハイドロフルオロオレフィンを使用することにより、得られる押出発泡板の難燃性が向上するとともに、長期に亘る断熱性に優れるものとなる。さらに、物理発泡剤としてハイドロフルオロオレフィンを用いて製造された押出発泡板は、幅方向の厚み精度が良好なものとなる。

0031

上述したように、ポリカーボネート系樹脂押出発泡板は、押出直後にガイダーと呼ばれる成形具により賦形されて略長方形の断面を有する板状の発泡体として製造される。従来、特に幅広で、高厚みのポリカーボネート系樹脂押出発泡板を製造しようとした場合には、ガイダーで賦形された後においても押出発泡板の幅方向に亘る厚みにバラつきが生じる場合があった。このような厚み精度の低い押出発泡板は、押出発泡板を所望の寸法に切削加工する場合には、端材が多く発生することとなるため、厚み精度が良好な押出発泡板を製造する方法が望まれていた。

0032

本発明の製造方法では、物理発泡剤としてハイドロフルオロオレフィンを用いることにより、高厚みの押出発泡板を製造する場合であっても幅方向の厚み精度が良好なポリカーボネート系樹脂押出発泡板を得ることができる。この理由は明らかではないが、物理発泡材としてハイドロフルオロオレフィンが配合されることにより、ポリカーボネート系樹脂中において物理発泡剤の濃度が均一なものとなり、より良好に押出発泡されるとともに、ガイダーにより良好に賦形することができるためであると考えられる。

0033

本発明において用いられるハイドロフルオロオレフィンとしては、炭素数3〜5のハイドロフルオロオレフィン、さらに具体的には、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(トランスHFO−1234ze)、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(シスHFO−1234ze)、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HFO−1233zd)等が挙げられる。なお、これらのハイドロフルオロオレフィンには一部塩素が導入されたヒドロクロロフルオロオレフィンも含まれる。これらの発泡剤は単独でまたは2種以上を併用することもできる。中でも、難燃性、断熱性、取り扱い性等の観点から、ハイドロフルオロオレフィンとして、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HFO−1233zd)を用いることが好ましい。

0034

ハイドロフルオロオレフィンの添加量は、ポリカーボネート系樹脂1kgに対して0.01〜0.8mоlであることが好ましい。ハイドロフルオロオレフィンの添加量がこの範囲内であると、得られる押出発泡板の難燃性がより向上するとともに、長期に亘る断熱性により優れるものとなる。さらに、得られる押出発泡板の幅方向の厚み精度がより良好なものとなる。この観点から、ハイドロフルオロオレフィンの添加量は、ポリカーボネート系樹脂1kgに対して0.02〜0.5mоlであることがより好ましく、0.03〜0.3mоlであることがさらに好ましい。

0035

本発明の製造方法において使用する物理発泡剤は、ハイドロフルオロオレフィンに加えて、炭素数3〜5の脂肪族飽和炭化水素を含むことが好ましい。炭素数3〜5の脂肪族飽和炭化水素としては、ノルマルプロパン、シクロプロパンイソブタンノルマルブタンシクロブタンイソペンタンノルマルペンタン、シクロペンタンなどのうちの1種または2種以上を例示することができる。

0036

なかでも、工業用ブタン(m−Bu)として知られているノルマルブタン(n−Bu)とイソブタン(i−Bu)の混合物(n−Bu/i−Bu=70/30の混合物)をハイドロフルオロオレフィンとともに物理発泡剤として使用することが特に好ましい。これにより、押出発泡板の優れた難燃性、長期断熱性能等を維持しつつ、機械的強度により優れ、幅方向の厚み精度に優れる押出発泡板をより容易に製造することができる。

0037

本発明の製造方法においては、物理発泡剤の総添加量が、ポリカーボネート系樹脂1kgに対して0.05〜0.8molであることが好ましい。物理発泡剤の総添加量がこの範囲内であると、所望の見掛け密度の押出発泡板をより容易に得ることができる。この観点から、物理発泡剤の総添加量はポリカーボネート系樹脂1kgに対して0.1〜0.6mоlであることがより好ましく、0.2〜0.45mоlであることがさらに好ましい。

0038

また、ハイドロフルオロオレフィンと炭素数3〜5の脂肪族飽和炭化水素との合計100mоl%に対するハイドロフルオロオレフィンの割合が5〜50mоl%であることが好ましい。物理発泡剤の総添加量およびハイドロフルオロオレフィンの配合量の割合がこの範囲であると、押出発泡板の断熱性、難燃性をより確実に向上させることができ、幅方向の厚み精度もより良好になる。この観点から、ハイドロフルオロオレフィンの配合量の割合は7〜35mоl%であることがより好ましく、10〜25mоl%であることがさらに好ましい。

0039

さらに、本発明の製造方法においては、ポリカーボネート系樹脂と物理発泡剤とを含む発泡性溶融混合物を円滑に発泡させるために、気泡調整剤を添加することができる。気泡調整剤としては、例えば、タルクシリカ等の無機粉末多価カルボン酸酸性塩、多価カルボン酸と炭酸ナトリウム又は重炭酸ナトリウムとの混合物などを例示することができる。気泡調整剤の添加量は、基材樹脂100重量部当り0.01〜1.0重量部、更に0.05〜0.5重量部であることが好ましい。

0040

また、ポリカーボネート系樹脂を主成分とする基材樹脂には、難燃剤熱安定剤耐候性向上剤着色剤などのような、通常の発泡体に添加される公知の添加剤も添加することができる。

0041

例えば、添加剤として、メタキシレンスルホン酸ナトリウム塩ナフタレンスルホン酸ナトリウムジクロロベンゼンスルホン酸ナトリウム塩パーフルオロブタンスルホン酸ナトリウム塩、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム塩などの有機アルカリ金属塩オルガノポリシロキサンリン系難燃剤ポリテトラフルオロエチレンフィブリル化ポリテトラフルオロエチレンなどの難燃性向上剤を適時、適量添加することができる。特に、有機アルカリ金属塩は少量で難燃性を向上させることができるため好ましい。

0042

本発明の製造方法においては、特定の増粘剤を添加することが、ポリカーボネート樹脂の発泡成形性をさらに向上させ、高発泡倍率で高い独立気泡率を有する発泡体を容易に製造することができるので好ましい。このような増粘剤としては、エポキシ基を有するアクリル系重合体が挙げられる。このような増粘剤によりポリカーボネート樹脂の発泡成形性を向上させるのは、増粘剤のエポキシ基がポリカーボネート樹脂末端と結合し、直鎖状ポリカーボネート樹脂の場合には分岐構造が導入されたこと、分岐状ポリカーボネート樹脂の場合にはさらなる分岐構造が導入されたことによるものと推測される。

0043

増粘剤は、エポキシ基を有するアクリル系単量体重合したものであってもよいし、エポキシ基を有するアクリル系単量体とその他の共重合性単量体との共重合体であってもよい。いずれにしても、増粘剤としてのエポキシ基を有するアクリル系重合体は、エポキシ基を有するアクリル系単量体単位の量を5重量%以上含有する重合体または共重合体であればよい。増粘剤におけるエポキシ基を有するアクリル系単量体単位は、5重量%〜95重量%が好ましく、10重量%〜50重量%が好ましく、15重量%〜40重量%であることが特に好ましい。エポキシ基を有するアクリル系単量体単位の含有量が少なすぎると増粘剤の使用量を多くしなければならず、逆にその含有量が多すぎても効果が頭打ちとなってしまうためコスト増につながる。

0044

エポキシ基を有するアクリル系単量体として、(メタアクリル酸グリシジルシクロヘキセンオキシド構造を有する(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。これらは、一種または二種以上を用いることができる。好ましくは(メタ)アクリル酸グリシジルである。尚、上記(メタ)アクリル酸グリシジル等において用いられた(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸とメタクリル酸包括して表現したものである。例えば、(メタ)アクリル酸グリシジルとは、アクリル酸グリシジルとメタクリル酸グリシジルを意味する。

0045

その他の共重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の炭素数が1〜22のアルキル基(アルキル基は直鎖、分岐鎖でもよい)を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、(メタ)アクリル酸フェノキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸イソボルニルエステル、(メタ)アクリル酸アルコキシシリルアルキルエステル等があげられる。他には無水マレイン酸フマル酸、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルジアルキルアミド酢酸ビニル等のビニルエステル類ビニルエーテル類、(メタ)アリルエーテル類スチレン、αーメチルスチレン等の芳香族系ビニル単量体エチレンプロピレン等のαオレフィンモノマーが挙げられる。これらは、一種または二種以上を用いることができる。

0046

なお、増粘剤としては、エポキシ基を有するアクリル系単量体単位を10重量%〜50重量%含有するアクリル系共重合体として市販されており、例えば、東亞合成株式会社製のARUFON UGシリーズが好適に使用できる。その中でも特にARUFON UG−4030、ARUFON UG−4035、ARUFON UG−4040が好ましい。

0047

増粘剤は、未変性のポリカーボネート樹脂に添加され、加熱下で溶融混練されることにより、増粘剤のエポキシ基とポリカーボネート系樹脂の末端のカルボキシル基とが反応し、結合することにより、増粘剤に複数のポリカーボネート系樹脂が結合した長鎖分岐構造高分子量変性ポリカーボネート樹脂が形成されるものと考えられる。その結果、変性ポリカーボネート樹脂を押出発泡に供した場合、独立気泡の形成が容易となり、また高発泡化のために発泡剤を多量に添加してもダイ内での溶融樹脂圧力を十分に維持できるため、ダイ内での早すぎる発泡を抑制できる。このため機械強度、軽量性等に優れる押出発泡板をより容易に製造することができる。

0048

次に、本発明の方法によって製造される押出発泡板の特性などについて説明する。

0049

押出発泡板は、厚みが10mm以上であることが好ましく、30mm以上であることがより好ましく、50mm以上であることがさらに好ましい。押出発泡板の厚みの上限は、概ね120mm程度である。

0050

押出発泡板の厚みは、押出発泡板の幅方向垂直断面(押出発泡板の押出方向に対する垂直断面)の幅方向の端から他方の端までを等間隔に等分して両端を除く20箇所以上の測定点を定め、続いて、前記20箇所以上の測定点における押出発泡板の厚みをそれぞれ測定し、測定値相加平均値とすることができる。

0051

また、押出発泡板は、幅が300mm以上であることが好ましく、350mm以上であることがより好ましく、400mm以上であることがさらに好ましい。押出発泡板の幅の上限は、2000mm程度である。

0052

本発明の製造方法によれば、厚みが厚く、幅の広い押出発泡板を得ようとした場合であっても、厚みのバラつきが良好に抑制された押出発泡板を容易に製造することができる。本発明において、押出発泡板の厚みのバラつきは、具体的には、幅方向の厚み精度R値によって特定される。本発明の製造方法によれば、厚み精度R値を4.0未満、好ましくは3.0以下に抑制することができる。

0053

押出発泡板の幅方向の厚み精度R値は、上述した押出発泡板の厚みの測定において、10箇所以上の測定点における厚みの最大値(Thm)と最小値(Thm)との差((Thm)−(Thm))[単位はmm]により算出される値である。

0054

さらに、押出発泡板の断面積は、10cm2〜2000cm2が好ましく、より好ましくは40cm2〜1500cm2であり、さらに好ましくは75cm2〜1000cm2であり、特に好ましくは100cm2〜500cm2である。断面積が10cm2以上あれば、幅、厚みとの関係において、断熱性や機械的強度が優れたものとなる。

0055

押出発泡板の見掛け密度は、40kg/m3〜300kg/m3であることが好ましく、より好ましくは45kg/m3〜200kg/m3であり、更に好ましくは50kg/m3〜150kg/m3である。見掛け密度が、40kg/m3以上であれば、充分な機械的強度、特に圧縮強度が優れたものとなる。一方、200kg/m3以下であれば、断熱性、軽量性、柔軟性が良好であり、また、切断等の二次加工性が良いので多種多様の用途展開が可能になる。押出発泡板の見掛け密度は、JIS K 7222:2005に基づいて測定される見掛けコア密度の値である。

0056

押出発泡板の中央部の独立気泡率は、55%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%を超えることがさらに好ましい。また、押出発泡板の端部の独立気泡率は、55%以上であり、70%以上であることが好ましく、80%以上であることが特に好ましい。独立気泡率が上記範囲内であると、圧縮強度、曲げ強度等が十分なものとなり、幅広い用途でより好適に使用することができる。

0057

また、本発明の押出発泡板は、押出発泡板の中央部の独立気泡率と端部の独立気泡率が共に55%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることがさらに好ましい。

0058

さらに、押出発泡板の中央部の独立気泡率(A)と端部の独立気泡率(B)との差の絶対値[│(A)−(B)│]が10%以内であることが好ましく、8%以内であることがより好ましい。押出発泡板の中央部の独立気泡率(A)と端部の独立気泡率(B)との差の絶対値が上記範囲内であると、押出発泡板の独立気泡率が幅方向に亘って均一なものとなり、幅方向の厚み精度により優れた押出発泡板となる。本発明の製造方法によれば、物理発泡剤としてハイドロフルオロオレフィンを含むことにより、押出発泡板の独立気泡率が幅方向に亘って均一なものとなりやすい。

0059

押出発泡板の独立気泡率Fc(%)の値は、エアピクノメーター法(空気比較式比重計を使用する方法)により、発泡体試験片の樹脂の容積と独立気泡部分の容積との和である発泡体試験片の実容積Vxを求め、下記(1)式に基づいて算出される値である。

0060

Fc={[Vx−Va(ρf/ρs)]/[Va−Va(ρf/ρs)]}×100
・・・(1)
ただし、(1)式中、Fc、Vx、Va、ρf、ρsは次のことを表す。
Fc:独立気泡率(%)
Vx:発泡体試験片の実容積(cm3)
Va:発泡体試験片の見掛けの容積(外形寸法から算出される見掛けの容積)(cm3)
ρf:発泡体試験片の見掛け密度(g/cm3)
ρs:発泡体試験片の基材樹脂の密度(g/cm3)

0061

押出発泡板の独立気泡率の測定において、幅中央部の独立気泡率を測定するための試験片は、ポリカーボネート系樹脂押出発泡板の幅方向中央部より、押出方向に25mm、幅方向に25mm、厚み方向は成形時のスキン層を除いて厚み20mmの大きさとなるように試験片を切り出す。この際、ポリカーボネート系樹脂押出発泡板の幅方向中央部と試験片の幅方向中央部が一致するようにする。

0062

また、幅端部の独立気泡率を測定するための試験片は、押出発泡板の幅方向の両端から50mmまでの部分を切り取り、残った押出発泡板の両端から、それぞれ、押出方向に25mm、幅方向に25mm、厚み方向は成形時のスキン層を除いて20mmの大きさとなるように試験片を切り出す。両端からそれぞれ切り出された試験片の独立気泡率を、幅中央部の独立気泡率と同様にしてそれぞれ求め、その平均値を幅端部の独立気泡率とする。

0063

なお、幅中央部の独立気泡率及び幅端部の独立気泡率の測定において、試験片の厚みが20mm未満である場合には、複数枚の試験片を重ねて合計厚みが20mmに最も近づくようにして測定する。

0064

押出発泡板の厚み方向の平均気泡径は0.08mm〜3.0mmであることが好ましい。平均気泡径がこの範囲内のものは、押出発泡板の表面平滑性等に優れ、圧縮強さ、断熱性等の基材樹脂の基本物性を十分に発揮させることができる。この観点から、厚み方向の平均気泡径は0.2〜2.5mmであることがより好ましく、0.5〜2.0mmであることがさらに好ましい。

0065

平均気泡径の測定方法は、以下のとおりである。押出発泡板厚み方向の平均気泡径(DT:mm)及び押出発泡板幅方向の平均気泡径(DW:mm)は、まず、押出発泡板の幅方向垂直断面(押出発泡板の押出方向と直交する垂直断面)を、押出発泡板押出方向の平均気泡径(DL:mm)は押出発泡板の押出方向垂直断面(押出発泡板の押出方向に平行に、幅方向の中央部で二等分する垂直断面)の顕微鏡拡大写真を得る。次いで、該拡大写真上において測定しようとする方向に直線を引き、その直線と交差する気泡の数を計数し、直線の長さ(当然のことながら、この長さは拡大写真上の直線の長さではなく、写真の拡大率を考慮した直線の真の長さを指す。)を計数された気泡の数で割ることによって、各々の方向における平均気泡径を求める。

0066

平均気泡径の測定方法について詳述すると、厚み方向の平均気泡径(DT:mm)の測定は幅方向垂直断面の中央部及び両端部の計3箇所の顕微鏡拡大写真を得、各々の写真上において、厚み方向に押出発泡板の全厚みに亘る直線を引き各々の直線の長さと該直線と交差する気泡の数から各直線上に存在する気泡の平均径(直線の長さ/該直線と交差する気泡の数)を求め、求められた3箇所の平均径の算術平均値を厚み方向の平均気泡径(DT:mm)とする。

0067

幅方向の平均気泡径(DW:mm)は幅方向垂直断面の、中央部及び両端部の計3箇所の顕微鏡拡大写真を得、各々の写真上において、押出発泡板を厚み方向に二等分する位置に、3mmに拡大率を乗じた長さの直線を幅方向に引き、該直線と該直線と交差する気泡の数から、各直線上に存在する気泡の平均径を式(3mm/(該直線と交差する気泡の数−1))にて求め、求められた3箇所の平均径の算術平均値を幅方向の平均気泡径(DW:mm)とする。

0068

押出方向の平均気泡径(DL:mm)は、押出発泡板の幅方向を二等分する位置で、押出発泡板を押出方向に切断して得られた押出方向垂直断面の、中央部及び両端部の計3箇所の顕微鏡拡大写真を得、各々の写真上において、押出発泡板を厚み方向に二等分する位置に、3mmに拡大率を乗じた長さの直線を押出方向に引き、該直線と該直線と交差する気泡の数から、各直線上に存在する気泡の平均径を式(3mm/(該直線と交差する気泡の数−1))にて求め、求められた3箇所の平均径の算術平均値を押出方向の平均気泡径(DL:mm)とする。また、押出発泡板の水平方向の平均気泡径(DH:mm)は、DWとDLの相加平均値とする。

0069

さらに、ポリカーボネート樹脂押出発泡板においては、気泡変形率が1.5〜3.5であることが好ましい。気泡変形率とは、上記測定方法により求められたDTをDHで除すことにより算出される値(DT/DH)であり、気泡変形率が1よりも小さいほど気泡は扁平であり、1よりも大きいほど縦長である。気泡変形率が上記範囲内にあることにより、機械的強度に優れ、更に高い断熱性を有する押出発泡板となる。また、耐蟻性により優れる押出発泡板となる。上記観点から、上記気泡変形率は、1.8〜3.2であることがより好ましく、2.0〜3.0であることがさらに好ましい。

0070

本発明の製造方法によれば、物理発泡剤としてハイドロフルオロオレフィンを含むことにより、押出発泡板の気泡変形率を上記好ましい範囲とすることができる。また、物理発泡材としてさらに炭素数3〜5の脂肪族飽和炭化水素を含むことにより、押出発泡板の気泡変形率をより容易に上記好ましい範囲とすることができる。

0071

本明細書におけるポリカーボネート樹脂押出発泡板の熱伝導率は、JIS A1412−2(1999年)記載の熱流計法(試験体1枚・対称構成方式高温側38℃、低温側8℃、平均温度23℃)に基づいて測定される値である。なお、ISO 11561に準拠して、以下のように促進試験を行うことにより製造から長期間経過後の熱伝導率を評価することができる。この方法によれば、例えば、厚さ30mmの発泡板を製造直後に厚さ10mmにスライスし、製造後90日後にスライスした発泡板の熱伝導率を測定すると、この熱伝導率は30mm厚みの発泡板の約270日経過後の値に相当する。

0072

押出発泡板の難燃性の指標としては、酸素指数を用いることができる。押出発泡板の酸素指数はJIS K7201−2(2007)に記載の酸素指数法による高分子材料燃焼試験法に準拠して測定される。

0073

押出発泡板の圧縮強さは以下の方法により測定される。まず、押出発泡板の幅方向の中央部より、押出方向に50mm、幅方向に50mm、厚み25mmとなるように成形表皮の存在しない試験片を直方体状となるように切り出す。この際、押出発泡板の幅方向中央部と試験片の幅方向中央部が一致するようにする。次にこの試験片に対し、圧縮速度を10%×Tmm/分(但し、Tは試験片の初期厚みである。)とし、JIS K7220(1999年)に基づいて10%圧縮時の荷重を求め、これを試験片の受圧面積で除して算出することにより圧縮強さを求めることができる。

0074

本発明の製造方法によれば、物理発泡剤としてハイドロフルオロオレフィンを用いることにより、機械強度、難燃性等に優れるとともに、長期に亘って断熱性を良好に維持することができる押出発泡板を得ることができる。また、見掛け密度が小さく、幅広で、高厚みとすることができる。このため、本発明のポリカーボネート系樹脂押出発泡板は、建築土木等の幅広い用途に対応することができる。さらに、本発明の製造方法によれば、幅広で、高厚みの押出発泡板を製造する場合であっても幅方向の厚み精度に優れたポリカーボネート系樹脂発泡板を得ることができる。

0075

本発明のポリカーボネート系樹脂押出発泡板の製造方法は、以上の実施形態に限定されるものではない。

0076

本発明のポリカーボネート系樹脂押出発泡板の製造方法について、実施例とともに説明するが、本発明のポリカーボネート系樹脂押出発泡板の製造方法は、以下の実施例に何ら限定されるものではない。

0077

<1>材料
以下の材料を、表3に示す配合で使用した。

0078

(1)ポリカーボネート系樹脂
表1に示したポリカーボネート系樹脂を使用した。

0079

(2)増粘剤
表2に示した増粘剤を使用した。増粘剤は非晶性ポリエチレンテレフタレート70重量部に対して30重量部配合してマスターバッチとしたものを使用した。

0080

(3)物理発泡剤
m−Bu:ノルマルブタンとイソブタンとの混合ブタン(n−Bu/i−Bu=70/30の混合物)
n−Bu:ノルマルブタン
HFO−1233zd:1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン
c−P:シクロペンタン

0081

<2>製造方法
押出機として、口径65mmの押出機( 以下「第一押出機」という。) と口径90mmの押出機(以下、「第二押出機」という。)と口径150m m 押出機(「第三押出機」という)とを直列に連結したものを使用した。ダイとして、先端に幅115mm、間隙3mmの長方形断面の開口部を備えたものを使用した。

0082

原料として、表1に示すポリカーボネート系樹脂を表3に示す配合割合で配合したものを用い、ポリカーボネート系樹脂100重量部に対して、増粘剤マスターバッチ1.2重量部 、発泡剤を表3に示す割合で混合した混合物を用いた。

0083

ポリカーボネート系樹脂および気泡調整剤を第一押出機に供給した。約300℃まで加熱し、溶融混練し、第一押出機の先端付近で表3に示す発泡剤を表3の示す添加量で溶融樹脂中に圧入して発泡性溶融樹脂混合物とした。続く第二押出機及び第三押出機で表3に示す樹脂温度に調整して発泡性溶融樹脂混合物とした。表3に示すダイ圧で発泡性溶融樹脂混合物をダイ開口部からダイ下流側に平行に取り付けられた上板下板とからなる成形装置(ガイダー)の上下板間に押出し、上下板内面と接触通過させることにより軟化温度以下に冷却しつつ引取機により引取ることによって、幅400mmの板状ポリカーボネート樹脂押出発泡板を得た。なお、ガイダー間の間隙は50mmとした。

0084

<3>測定・評価方法
押出発泡板の見掛け密度、厚み、厚み方向の平均気泡径、平均気泡変形率、独立気泡率(中央部、端部)、10%圧縮強さについては、上述した実施形態で説明した方法によって測定した。

0085

(厚み精度R値)
上述した方法によって算出した。すなわち、押出発泡板の幅方向の厚み精度R値は、押出発泡板の厚みの測定において、20箇所の測定点における厚みの最大値(Thm)と最小値(Thm)との差((Thm)−(Thm))により算出される値である。

0086

(見掛け密度)
押出発泡板から3個の試験片(幅350mm×長さ1820mm×厚み50mm)を切り出し、上記方法により見掛け密度を測定し、算術平均した。

0087

(熱伝導率)
押出発泡板体全体から、(幅200mm×長さ200mm×厚み50mm)の試料を3個切出し、この試験片を23℃、湿度50%の雰囲気下で270日静置した後、JIS A1412−2(1999年)記載の平板熱流計法(熱流計2枚方式、高温側38℃、低温側8℃、平均温度23℃)に準拠して熱伝導率を測定し、算術平均した。

0088

(酸素指数)
酸素指数をJIS K7201−2(2007)に記載の酸素指数法による高分子材料の燃焼試験法に準拠して測定した。試験片は押出発泡板体から(幅10mm×長さ150mm×厚み50mm)のサイズに3個の試験片を切り出し、温度60度雰囲気下で4週間予備状態調節した後、気温23度、相対湿度50%にて168時間調節したものを用いた。測定器には難燃性試験機(スガ試験機株式会社製 ON−1D型)を使用した。3個の試験片について得られた値は算術平均した。

0089

(成形性・外観
押出発泡板の成形性・外観は押出発泡板の表面を観察し、以下の指標により評価した。
○:割れ欠け・穴あき・スポット等がない
×:外観不良、割れ・欠け・穴あき・スポット等が発生

0090

<4>結果
上記製造方法で得られたポリカーボネート系樹脂押出発泡板の特性、評価結果を表3に示す。

0091

表3に示したように、物理発泡剤としてハイドロフルオロオレフィン(HFO−1233zd)を使用した実施例1−4の押出発泡板は、独立気泡率が高く、熱伝導率および酸素指数が良好であり、優れた難燃性、断熱性を有していることが確認された。また、実施例1−4は、10%圧縮強さ、成形性・外観性も良好であり、特に幅方向の厚み精度に優れていることが確認された。また、物理発泡剤として、ハイドロフルオロオレフィン(HFO−1233zd)とm−Buとを併用し、100mоl%に対するハイドロフルオロオレフィンの配合量の割合が5〜50mоl%である実施例1−3は、実施例4と比較して、幅方向の厚み精度、10%圧縮強さがより良好であった。

実施例

0092

一方、物理発泡剤として、シクロペンタン(c−P)を使用した比較例1、2の押出発泡板は、実施例1−4の押出発泡板と比較して、独立気泡率が低く、熱伝導率および酸素指数も劣っていることが確認された。また、比較例1、2の押出発泡板は、幅方向の厚み精度R値が高く、実施例1−4の押出発泡板と比較して、幅方向の厚み精度が劣っていることが確認された。

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