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技術 Smad3阻害剤

出願人 花王株式会社
発明者 木内里美橋爪浩二郎村瀬孝利
出願日 2020年6月18日 (8ヶ月経過) 出願番号 2020-105096
公開日 2020年9月17日 (5ヶ月経過) 公開番号 2020-147608
状態 未査定
技術分野 植物物質含有医薬 食品の着色及び栄養改善 化合物または医薬の治療活性 化粧料
主要キーワード 夏バテ 影響解析 樹脂精 調製サンプル 線維化マーカー 線維化抑制剤 腎線維化 刺激応答性
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年9月17日)のものです。
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図面 (1)

課題

Smad3阻害作用を有し、線維化抑制効果を発揮する医薬品、医薬部外品化粧料、及び医薬品、医薬部外品、化粧料、食品飼料等に配合した場合に当該効果を発揮する素材の提供。

解決手段

ローズマリー白茶マリアアザミウーロン茶ピーナツから選ばれる植物及びそれらの抽出物、並びにログウッド色素ライチポリフェノールリンゴポリフェノールからなる群から選ばれる1種以上を有効成分とするSmad3阻害剤

概要

背景

組織線維化は、コラーゲンを中心とする細胞外マトリックスが組織に過剰に産生・蓄積されることにより生じる。組織は、酸化ストレス低酸素状態、炎症、アポトーシスなどの刺激により損傷を受けた場合、損傷組織を細胞外マトリックスで置換して修復を図るが、損傷が重度の場合や、かかる刺激が慢性化した場合などには細胞外マトリックスの蓄積が過剰となり、組織がその機能を十分に果たせなくなる。線維化は、肝、骨髄心臓などの各種臓器にみられ、線維芽細胞等のコラーゲン産生細胞病態関与していると考えられている。このような組織・器官の線維化は疾患の発症段階又は進行過程で見られ、これを引き起こさないことが、疾患の予防・治療においても重要である。

多くの研究により、TGF−βは、その活性化により組織・器官の線維化を促進することがよく知られており、過度のTGF−βシグナルは、肝臓腎臓、肺における線維化(非特許文献1〜3)や腎尿細管間質性線維症(非特許文献4)の原因であると考えられている。実際に、TGF−βを抑制することで、組織線維化を予防又は治療する薬剤や方法が報告されており、TGF−β作用抑制剤の添加等により、αアクチン、コラーゲンの産生の減少、血清FN−βの向上が認められ、また、Smad3発現の抑制により、線維化が抑制されることが記されている(特許文献1〜3)。

TGF−β/Activinは、細胞膜上に存在する特異的な常活性型セリンスレオニンキナーゼであるII型受容体にて認識され、リガンド依存的I型受容体(ALK4、ALK5、ALK7)と結合する。それによりリン酸化を受け活性型となったI型受容体は、細胞内情報伝達分子であるR−Smad(receptor−regulated
Smad)の1種であるSmad2/3複合体をリン酸化する。リン酸化されたSmad2/3複合体は、Co−Smad(common partner Smad)であるSmad4とヘテロ複合体を形成し、核内に移行して、DNAへ直接結合、他の転写因子へ結合、あるいは他の転写共役因子へ結合することで、標的遺伝子の発現を制御している。
R−SmadであるSmad3の阻害は、TGF−βシグナル経路を抑制し、肝線維化腎線維化、肺線維化や腎尿細管間質性線維症といった様々な器官・組織の線維化の予防や改善に有用であることが推測される。

一方、ローズマリーは、地中海地方原産のシソ科マンネンロウ属の常緑の小低木で、その葉や花は主に料理用薬用香料として幅広く利用されている。ローズマリーにはカルノシン酸カルノソールロスマリン酸などのポリフェノール成分が多く含まれ、優れた抗酸化作用を有することが知られている。

白茶は、ツバキ科チャチャノキの葉を微発酵することにより得られるもので、清涼感及びほのかな甘さがあるため、夏バテに効果があることが知られている。

マリアアザミは、キク科マリアアザミ属の植物でオオアザミとも呼ばれ、ヨーロッパでは、古くから民間薬として使用されている。その種子は肝臓、胆嚢脾臓消化器の疾患や、母乳不足などに対して広く使用されている。

ウーロン茶は、ツバキ科チャ属チャノキの葉を半発酵して得られるもので、主に中国で産生され、飲用に広く用いられている。ウーロン茶は、血中コレステロール上昇抑制、動脈硬化抑制、抗酸化抗炎症、抗ストレス抗アレルギー、抗う蝕作用等の数多くの報告がなされている。

ピーナツは、マメ科ラッカセイ属の植物であり、ポリフェノール一種であるプロアントシアニジンが含まれ、抗酸化作用や造血機能回復効果があることが知られている。

ログウッド色素は、マメ科ログウッドの心材から、加熱した水で抽出して得られるもので、黒褐色に着色する目的で使用され、主色素であるヘマトキシリンを含む。

ライチポリフェノールは、ムクロジ科レイシ属果実から抽出されたポリフェノールであり、ロイコシアニジンなどを含み、抗酸化作用を有することが知れている。

リンゴポリフェノールは、バラ科リンゴ属の果実から抽出されたポリフェノールであり、果実ワインを含有する低アルコール飲料特有の甘さ、酸っぱさ、果実風味をそのままにして口に残る甘さをなくす、キレを良くすることや、静菌作用を有すること、鉄イオン由来の不快な錆味を抑制できることが知られている。

しかしながら、ローズマリー、白茶、マリアアザミ、ウーロン茶、ピーナツ、ログウッド色素、ライチポリフェノール、リンゴポリフェノールがSmad3に対して与える影響については全く知られていない。

概要

Smad3阻害作用を有し、線維化抑制効果を発揮する医薬品、医薬部外品化粧料、及び医薬品、医薬部外品、化粧料、食品飼料等に配合した場合に当該効果を発揮する素材の提供。ローズマリー、白茶、マリアアザミ、ウーロン茶、ピーナツから選ばれる植物及びそれらの抽出物、並びにログウッド色素、ライチポリフェノール、リンゴポリフェノールからなる群から選ばれる1種以上を有効成分とするSmad3阻害剤。なし

目的

本発明は、Smad3阻害作用を有し、線維化抑制効果を発揮する医薬品、医薬部外品又は化粧料、及び医薬品、医薬部外品、化粧料又は食品等に配合した場合に当該効果を発揮する素材を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ライチポリフェノールを有効成分とするSmad3阻害剤

請求項2

ライチポリフェノールを有効成分とする線維化抑制剤

技術分野

0001

本発明は、Smad3を阻害し、組織線維化を抑制する、Smad3阻害剤に関する。

背景技術

0002

組織の線維化は、コラーゲンを中心とする細胞外マトリックスが組織に過剰に産生・蓄積されることにより生じる。組織は、酸化ストレス低酸素状態、炎症、アポトーシスなどの刺激により損傷を受けた場合、損傷組織を細胞外マトリックスで置換して修復を図るが、損傷が重度の場合や、かかる刺激が慢性化した場合などには細胞外マトリックスの蓄積が過剰となり、組織がその機能を十分に果たせなくなる。線維化は、肝、骨髄心臓などの各種臓器にみられ、線維芽細胞等のコラーゲン産生細胞病態関与していると考えられている。このような組織・器官の線維化は疾患の発症段階又は進行過程で見られ、これを引き起こさないことが、疾患の予防・治療においても重要である。

0003

多くの研究により、TGF−βは、その活性化により組織・器官の線維化を促進することがよく知られており、過度のTGF−βシグナルは、肝臓腎臓、肺における線維化(非特許文献1〜3)や腎尿細管間質性線維症(非特許文献4)の原因であると考えられている。実際に、TGF−βを抑制することで、組織線維化を予防又は治療する薬剤や方法が報告されており、TGF−β作用抑制剤の添加等により、αアクチン、コラーゲンの産生の減少、血清FN−βの向上が認められ、また、Smad3発現の抑制により、線維化が抑制されることが記されている(特許文献1〜3)。

0004

TGF−β/Activinは、細胞膜上に存在する特異的な常活性型セリンスレオニンキナーゼであるII型受容体にて認識され、リガンド依存的I型受容体(ALK4、ALK5、ALK7)と結合する。それによりリン酸化を受け活性型となったI型受容体は、細胞内情報伝達分子であるR−Smad(receptor−regulated
Smad)の1種であるSmad2/3複合体をリン酸化する。リン酸化されたSmad2/3複合体は、Co−Smad(common partner Smad)であるSmad4とヘテロ複合体を形成し、核内に移行して、DNAへ直接結合、他の転写因子へ結合、あるいは他の転写共役因子へ結合することで、標的遺伝子の発現を制御している。
R−SmadであるSmad3の阻害は、TGF−βシグナル経路を抑制し、肝線維化腎線維化、肺線維化や腎尿細管間質性線維症といった様々な器官・組織の線維化の予防や改善に有用であることが推測される。

0005

一方、ローズマリーは、地中海地方原産のシソ科マンネンロウ属の常緑の小低木で、その葉や花は主に料理用薬用香料として幅広く利用されている。ローズマリーにはカルノシン酸カルノソールロスマリン酸などのポリフェノール成分が多く含まれ、優れた抗酸化作用を有することが知られている。

0006

白茶は、ツバキ科チャチャノキの葉を微発酵することにより得られるもので、清涼感及びほのかな甘さがあるため、夏バテに効果があることが知られている。

0007

マリアアザミは、キク科マリアアザミ属の植物でオオアザミとも呼ばれ、ヨーロッパでは、古くから民間薬として使用されている。その種子は肝臓、胆嚢脾臓消化器の疾患や、母乳不足などに対して広く使用されている。

0008

ウーロン茶は、ツバキ科チャ属チャノキの葉を半発酵して得られるもので、主に中国で産生され、飲用に広く用いられている。ウーロン茶は、血中コレステロール上昇抑制、動脈硬化抑制、抗酸化抗炎症、抗ストレス抗アレルギー、抗う蝕作用等の数多くの報告がなされている。

0009

ピーナツは、マメ科ラッカセイ属の植物であり、ポリフェノール一種であるプロアントシアニジンが含まれ、抗酸化作用や造血機能回復効果があることが知られている。

0010

ログウッド色素は、マメ科ログウッドの心材から、加熱した水で抽出して得られるもので、黒褐色に着色する目的で使用され、主色素であるヘマトキシリンを含む。

0011

ライチポリフェノールは、ムクロジ科レイシ属果実から抽出されたポリフェノールであり、ロイコシアニジンなどを含み、抗酸化作用を有することが知れている。

0012

リンゴポリフェノールは、バラ科リンゴ属の果実から抽出されたポリフェノールであり、果実ワインを含有する低アルコール飲料特有の甘さ、酸っぱさ、果実風味をそのままにして口に残る甘さをなくす、キレを良くすることや、静菌作用を有すること、鉄イオン由来の不快な錆味を抑制できることが知られている。

0013

しかしながら、ローズマリー、白茶、マリアアザミ、ウーロン茶、ピーナツ、ログウッド色素、ライチポリフェノール、リンゴポリフェノールがSmad3に対して与える影響については全く知られていない。

0014

特開2004−35475号公報
特開2009−226069号公報
特表2010−529049号公報

先行技術

0015

Schnabl B, et al. (2001) Hepatology. 34 : 89-100
Inazaki K, et al. (2004) Kidney Int. 66 : 597-604
Zhao Y, Geverd DA. (2002) Biochem Biophys Res Commun. 294 :319-323
Lee JM, et al. (2006) J Cell Biol. 172 : 973-981

発明が解決しようとする課題

0016

本発明は、Smad3阻害作用を有し、線維化抑制効果を発揮する医薬品、医薬部外品又は化粧料、及び医薬品、医薬部外品、化粧料又は食品等に配合した場合に当該効果を発揮する素材を提供することに関する。

課題を解決するための手段

0017

本発明者らは、線維化の抑制に有効な成分の探索を行った結果、ローズマリー抽出物白茶抽出物マリアアザミ抽出物ウーロン茶抽出物、ピーナツ抽出物、ログウッド色素、ライチポリフェノール、リンゴポリフェノールが、Smad3阻害作用を有し、TGF−βシグナル経路を抑制できることを見出した。

0018

すなわち、本発明は、以下に係るものである。
(1)ローズマリー、白茶、マリアアザミ、ウーロン茶、ピーナツから選ばれる植物及びそれらの抽出物、並びにログウッド色素、ライチポリフェノール、リンゴポリフェノールからなる群から選ばれる1種以上を有効成分とするSmad3阻害剤。
(2)ローズマリー、白茶、マリアアザミ、ウーロン茶、ピーナツから選ばれる植物及びそれらの抽出物、並びにログウッド色素、ライチポリフェノール、リンゴポリフェノールからなる群から選ばれる1種以上を有効成分とする線維化抑制剤

発明の効果

0019

本発明によれば、優れたSmad3阻害作用を有し、線維化の抑制等のために有用な、医薬品、医薬部外品若しくは化粧料、或いは医薬品、医薬部外品、化粧料若しくは食品に使用される素材及び方法を提供できる。したがって、本発明によれば、Smad3を阻害し、線維化の抑制の予防又は改善が可能となる。

図面の簡単な説明

0020

Smad3リン酸化亢進抑制作用を示す図である(レーン左;低濃度サンプル、レーン右;高濃度サンプル)。

0021

本発明における「Smad3阻害」とは、Smad3が担う細胞シグナル伝達系を阻害することを言い、詳細には、Smad3の発現を遺伝子及び/又は蛋白質レベルで低下させる、或いはSmad3のリン酸化を抑制することにより、Smad3が担う細胞内シグナル経路を抑制することであり、その結果、TGF−βの作用を抑制することを言う。

0022

本発明における「線維化抑制」とは、線維芽細胞の増殖の抑制や、線維芽細胞の活性化による線維形成の抑制、線維芽細胞のアポトーシスを促進することをいう。線維芽細胞の増殖の抑制又は線維芽細胞の活性化による線維形成の抑制は、線維化マーカーmRNA発現量タンパク質発現量の測定や、線維芽細胞におけるストレスファイバーの形成を観察することによって確認することができる。
斯かる線維化抑制により、肝線維化、腎線維化、肺線維化や腎尿細管間質性線維症といった様々な器官・組織の線維化の予防又は改善を行うことができる。

0023

本発明で用いるローズマリーとはシソ科マンネンロウ属のRosmarinus officinalisを、白茶はツバキ科ツバキ属のCamellia sinensis L.を、マリアアザミはキク科マリアアザミ属のSilybum marianumを、ウーロン茶はツバキ科チャ属のCamellia sinensisを、ピーナツはマメ科ラッカセイ属のArachis hypogaea L.を各々意味する。

0024

上記植物は、任意の部位、例えば全草、葉(葉身葉柄等)、樹皮木質部、枝、果実、種子、花(花弁子房等)、根、根茎等、又はそれらの組み合わせを使用することができるが、ローズマリーは葉又は花、白茶は葉、マリアアザミは種子、ウーロン茶は葉、ピーナツは種皮を用いるのが好ましい。

0025

斯かる植物は、そのまま、破砕粉砕、搾取して用いるか、又はこれらから処理されたものを乾燥若しくは粉末化して用いるか、或いはこれらから抽出して用いることができるが、抽出物として用いるのが好ましい。
当該抽出物は、上記植物をそのまま抽出工程に付すること、或いは粉砕、切断若しくは乾燥した後に抽出工程に付すことにより取得することができる。

0026

上記抽出物としては、市販されているものを利用してもよく、又は常法により得られる各種溶剤抽出物、又はその希釈液、その濃縮液、その乾燥末、ペースト若しくはその活性炭処理したものであってもよい。一例として、抽出物は、上記植物を一定温度(低温常温又は加温)下にて抽出、又はソックスレー抽出器等の抽出器具を用いて抽出すること等の抽出手段により得ることができる。

0027

既知抽出方法としては、例えば、固液抽出圧搾抽出、液液抽出、浸漬、煎出浸出還流抽出超音波抽出マイクロ波抽出、攪拌等が挙げられる。抽出時間を短縮する場合には、攪拌を伴う固液抽出が望ましい。この固液抽出の好適な条件の一例としては、10〜100℃下、100〜400rpm/minで1〜30分間の攪拌が挙げられる。浸漬の好適な一例として、10〜50℃で、1時間〜14日間の浸漬が挙げられる。また、抽出時間を短縮する場合には、攪拌を伴う固液抽出が望ましい。
上記抽出物の酸化を防止するため、煮沸脱気窒素ガス等の不活性ガス通気して溶存酸素を除去しつつ、いわゆる非酸化的雰囲気下で抽出する手段を併用してもよい。

0029

これらの溶剤のうち、水、アルコール類(より好ましくは炭素数1〜5)、ケトン類、炭化水素類から選ばれる1種以上のものが好ましい。このうち、水、エタノール、水−エタノール混合液、アセトン、ヘキサンがより好ましい。水−エタノール混合液を使用する場合には、混合液中のエタノール濃度(V/V)は、好ましくは0.01容量%以上、より好ましくは20容量%以上、更に好ましくは40容量%以上、好ましくは100容量%未満、より好ましくは99.5容量%以下である。また、0.01容量%以上100容量%未満が好ましく、20容量%以上100容量%未満がより好ましく、40〜99.5容量%が更に好ましい。

0030

溶剤の使用量としては、上記植物(乾燥質量換算)1質量部に対して、1〜50質量部が好ましく、2〜30質量部がより好ましい。抽出温度としては、0〜100℃が好ましく、4〜85℃がより好ましく、4〜60℃が更に好ましい。抽出時間としては、1分〜150日間が好ましく、5分〜50日間がより好ましく、10分〜30日間が更に好ましい。

0031

斯くして得られる抽出物は、抽出液や画分を単独で又は混合して、そのまま用いてもよく、適宜な溶媒希釈した希釈液として用いてもよく、或いは濃縮エキス乾燥粉末としたり、ペースト状に調製したものでもよい。また、凍結乾燥し、用時に、通常抽出に用いられる溶剤、例えば水、エタノール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、水−エタノール混合液、水−プロピレングリコール混合液、水−ブチレングリコール混合液等の溶剤で希釈して用いることもできる。また、リポソーム等のベシクルマイクロカプセル等に内包させて用いることもできる。

0032

上記抽出物は、食品上・医薬品上許容し得る規格適合し本発明の効果を発揮するものであれば粗精製物であってもよく、更に得られた粗精製物を既知の分離精製方法を適宜組み合わせ不活性な夾雑物を除去してこれらの純度を高めてもよい。精製手段としては、有機溶剤沈殿遠心分離限界濾過膜高速液体クロマトグラフカラムクロマトグラフ、液液分配ゲルろ過分離、活性炭処理等が挙げられる。

0033

具体的な抽出物として、ローズマリー抽出物は、例えば、葉又は花を、二酸化炭素で置換した環境下で、温時〜熱時含水エタノール若しくはエタノールで抽出、又は温時〜熱時ヘキサン、メタノール若しくは含水メタノールで抽出し、溶媒を除去して得られたものや、市販品の「RM−21Bベース」(三菱化学フーズ)を使用することができる。ウーロン茶抽出物は、例えば、葉より製した半発酵茶を、熱時、水で抽出したものや、市販品の「ウーロン茶エキス」(三栄源エフエフアイ)を使用することができる。白茶抽出物、マリアアザミ抽出物及びピーナツ抽出物は、後記実施例において示す各種市販品を使用することができる。

0034

本発明で用いるログウッド色素は、マメ科ログウッド属のHaematoxylon campechianumの心材を抽出して得られた色素成分を意味する。具体的には、ログウッド心材を、熱時水で抽出して得られたものや、市販品の「ヘマテイン」(一丸ファルコス)を使用することができる。

0035

本発明で用いるライチポリフェノールは、ムクロジ科レイシ属のLitchi chinensisの果実を抽出して得られたポリフェノールを意味する。具体的には、ライチの果実を含水エタノールで抽出後、緑茶抽出物と混合・加熱により低分子化し製造して得られたものや、市販品の「オリゴノール」(アミノアップ化学)を使用することができる。

0036

本発明で用いるリンゴポリフェノールはバラ科リンゴ属のMalus pumilaの未熟果実を抽出して得られたポリフェノールを意味する。具体的には、リンゴの未熟果実を圧搾抽出後、樹脂精製にて製造して得られたものや、市販品の「アップルフェノンC−100」(アサフードアンドヘルスケア)を使用することができる。

0037

後記実施例に示すように、ローズマリー抽出物、白茶抽出物、マリアアザミ抽出物、ウーロン茶抽出物、ピーナツ抽出物、ログウッド色素、ライチポリフェノール、及びリンゴポリフェノールは、Smad3を阻害する作用を有する。従って、上記ローズマリー、白茶、マリアアザミ、ウーロン茶、ピーナツ、ログウッド色素、ライチポリフェノール、及びリンゴポリフェノールは、TGF−β刺激応答性のSmad3のリン酸化亢進を抑制し、Smad3阻害のために有用である。また、これらにはSmad3シグナルを抑制することにより、TGF−βシグナルを抑制し、線維化抑制効果が期待できる。

0038

したがって、本発明で用いる上記ローズマリー、白茶、マリアアザミ、ウーロン茶、ピーナツから選ばれる植物及びそれらの抽出物、ログウッド色素、ライチポリフェノール、リンゴポリフェノールは、Smad3阻害剤又は線維化抑制剤(以下、「Smad3阻害剤等」とする)として、使用することができ、更にこれらの剤を製造するために使用することができる。

0039

なお、当該使用は、ヒト若しくは非ヒト動物、又はそれらに由来する検体における使用であり得、また治療的使用であっても非治療的使用であってもよい。
ここで、「非治療的」とは、医療行為を含まない概念、すなわち人間を手術、治療又は診断する方法を含まない概念、より具体的には医師又は医師の指示を受けた者が人間に対して手術、治療又は診断を実施する方法を含まない概念である。

0040

従って、本発明のSmad3阻害剤等を含む組成物は、Smad3の阻害、線維化の抑制の各効果を奏する医薬品、医薬部外品、化粧料又は食品となり、Smad3阻害剤等は、医薬品、医薬部外品、化粧料若しくは食品へ配合するための素材又は製剤として有用である。

0041

上記医薬品(医薬部外品も含む)の剤形は、例えば注射剤坐剤吸入剤経皮吸収剤、各種外用剤錠剤カプセル剤顆粒剤散剤シロップ剤等の何れでもよく、投与形態も、経口投与内用)、非経口投与外用、注射)の何れであってもよい。このような種々の剤型医薬製剤を調製するには、例えば本発明の有効成分を、又は他の薬学的に許容される賦形剤結合剤増量剤崩壊剤界面活性剤滑沢剤分散剤緩衝剤保存剤、嬌味剤、香料、被膜剤担体希釈剤、他の薬効成分等を適宜組み合わせて用いることができる。

0042

上記化粧料(医薬部外品も含む)は、皮膚外用剤洗浄剤メイクアップ化粧料等の形態とすることができ、使用方法に応じて、ローション乳液ゲルクリーム軟膏剤粉末顆粒等の種々の剤型で提供することができる。このような種々の剤型の化粧料は、例えば本発明の有効成分と、皮膚化粧料に配合され得る、油性成分、保湿剤粉体、色素、乳化剤可溶化剤、洗浄剤、紫外線吸収剤増粘剤、薬効成分、香料、樹脂防菌防黴剤植物抽出物、アルコール類、ビタミン類等を適宜組み合わせることにより調製することができる。

0043

上記医薬品や化粧料(医薬部外品も含む)における本発明の有効成分(乾燥物換算)の含有量は、特に限定されないが、製剤全質量の0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上であり、そして95質量%以下、好ましくは80質量%以下、更に好ましくは60質量%以下である。また、0.01〜95質量%、好ましくは0.1〜80質量%、更に好ましくは1.0質量%〜60質量%が挙げられる。

0044

また、上記食品には、線維化抑制等をコンセプトとし、必要に応じてその旨を表示した病者用食品、栄養機能食品又は特定保健用食品等の機能性食品包含される。

0045

食品の形態は、固形、半固形又は液状であり得る。食品の例としては、パン類麺類クッキー等の菓子類ゼリー類、乳製品冷凍食品インスタント食品でんぷん加工製品加工肉製品、その他加工食品、おコーヒー飲料果実飲料炭酸飲料ゼリー状飲料等の飲料、スープ類調味料栄養補助食品等、及びそれらの原料が挙げられる。
また食品は、サプリメントのように、上記の経口投与製剤と同様、錠剤形態丸剤形態、カプセル形態液剤形態、シロップ形態粉末形態顆粒形態等であってもよい。

0046

斯かる食品は、任意の飲食品材料や、溶剤、軟化剤、油、乳化剤、防腐剤、香科、安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、保湿剤、増粘剤、固着剤、分散剤、湿潤剤等を適宜組み合わせて配合し、調製することができる。

0047

また、当該食品における本発明の有効成分(乾燥物換算)の含有量は、特に限定されないが、製剤全質量の0.0001質量%以上、好ましくは0.001質量%以上、更に好ましくは0.01質量%以上であり、そして50質量%以下、好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。例えば、0.0001%〜50質量%、好ましくは0.001〜20質量%、更に好ましくは0.01〜10質量%が挙げられる。

0048

本発明の有効成分を医薬品或いはサプリメントに配合して使用する場合の投与量は、対象者の状態、体重、性別年齢又はその他の要因に従って変動し得るが、経口投与の場合の成人1人当たりの1日の投与量は、特に限定されないが、当該有効成分(乾燥物換算)として、通常1mg以上、好ましくは5mg以上、更に好ましくは15mg以上であり、そして10g以下、好ましくは5g以下、更に好ましくは1g以下である。

0049

また、上記製剤は、任意の投与計画に従って投与され得るが、1日1回〜数回に分け、数週間〜数ヶ月間継続して投与することが好ましい。
また、投与又は摂取対象としては、それを必要としている若しくは希望している動物であれば特に限定されないが、Smad3阻害又は線維化抑制を必要とする若しくは希望するヒトが挙げられる。

0050

上述した実施形態に関し、本発明においては更に以下の態様が開示される。
<1>ローズマリー、白茶、マリアアザミ、ウーロン茶、ピーナツから選ばれる植物及びそれらの抽出物、並びにログウッド色素、ライチポリフェノール、リンゴポリフェノールからなる群から選ばれる1種以上を有効成分とするSmad3阻害剤。
<2>ローズマリー、白茶、マリアアザミ、ウーロン茶、ピーナツから選ばれる植物及びそれらの抽出物、並びにログウッド色素、ライチポリフェノール、リンゴポリフェノールからなる群から選ばれる1種以上を有効成分とする線維化抑制剤。
<3>Smad3阻害剤又は線維化抑制剤を製造するための、ローズマリー、白茶、マリアアザミ、ウーロン茶、ピーナツから選ばれる植物及びそれらの抽出物、並びにログウッド色素、ライチポリフェノール、リンゴポリフェノールからなる群から選ばれる1種以上の使用。
<4>Smad3阻害剤又は線維化抑制剤に使用するための、ローズマリー、白茶、マリアアザミ、ウーロン茶、ピーナツから選ばれる植物及びそれらの抽出物、並びにログウッド色素、ライチポリフェノール、リンゴポリフェノールからなる群から選ばれる1種以上。
<5>ローズマリー、白茶、マリアアザミ、ウーロン茶、ピーナツから選ばれる植物及びそれらの抽出物、並びにログウッド色素、ライチポリフェノール、リンゴポリフェノールからなる群から選ばれる1種以上の有効量を、投与又は摂取することを特徴とするSmad3阻害方法又は線維化抑制方法。
<6>前記<3>において、使用は非治療的使用である。
<7>前記<5>において、方法は非治療的方法である。
<8>前記<5>において、投与又は摂取の対象は、線維化抑制を必要とする若しくは希望するヒトである。

0051

(1)Smad3のリン酸化に与える影響解析
HEK293細胞を、6well dishに3×105 cells / wellとなるように播種し、5% charcoal−treated FBS含有High glucoseDMEM(Invitrogen)中で一晩培養した。翌日、下記素材を終濃度0.002質量%(低濃度サンプル)又は終濃度0.01質量%(高濃度サンプル)にてそれぞれ添加した無血清DMEMに交換した。2時間後、0.03μg/mL TGF−β1和光純薬)を添加し、20分間インキュベートした細胞について、培地を除去しPBS洗浄した。

0052

素材としては、ローズマリー抽出物は製品名「RM−21Bベース」(三菱化学フーズ)を、白茶抽出物はWhite tea extract(Organic Herb Inc.)、マリアアザミ抽出物はマリアアザミエキス(研光通商)、ログウッド色素は製品名「ヘマテイン」(一丸ファルコス)を、ピーナツ抽出物はピーナツ種皮エキス末(常盤植物化学)を、ライチポリフェノールは製品名「オリゴノール」(アミノアップ化学)を、リンゴポリフェノールは製品名「アップルフェノンC−100」(アサヒフードアンドヘルスケア)を、ウーロン茶は製品名「ウーロン茶エキス」(三栄源エフエフアイ)を使用した。

0053

(2)ウエスタンブロッティング
PBSで洗浄した細胞に下記Lysis bufferを加えよホモジナイズした。上に15分間静置後、超音波にて破砕し、12000rpm、4℃で10分間遠心した上清タンパク質溶液として得た。SDS−PAGEには、1レーンあたりタンパク質25μg分、4xSDS Sample buffer (Novagen)を1/4容量含む調製サンプルに対し、95℃で5分間熱変性をかけたものを用いた。Immun−BlotTMPVDFMembrane(BioRad)に転写し、以下の手順でブロッキング、抗体反応を行い、ECLprime Western blotting detection system (Amersham) を用いてSmad3及びリン酸化Smad3の検出を行った。これによりTGF−β刺激応答性のSmad3リン酸化亢進が、各素材により阻害されるかを評価した。なお、内部標準として、α−TubulinとSmad3について、併せて検出を行った。図1における(−)は上記TGF−β1を添加しなかったもの、(+)は上記TGF−β1を添加したものを示す。

0054

5%スキムミルク/TBS−T,1時間 (室温)
↓ TBS−Tにて洗浄
一次抗体/ Can Get SignalTM solution1 (TOYOBO),O/N (4℃)
↓ TBS−Tにて洗浄
二次抗体/ Can Get SignalTM solution2 (TOYOBO), 1時間 (室温)
↓ TBS−Tにて洗浄
検出
※ TBS−T; 0.1% Tween20/Tris Buffered Saline (TBS)

0055

Lysis buffer:RIPA buffer (SIGMA)
Protease inhibiter cocktail (1/1000量、SIGMA)
Phosphatase Inhibitor Cocktail 1 (1/100量、SIGMA)
Phosphatase Inhibitor Cocktail 2 (1/100量、SIGMA)
一次抗体:anti−Smad3(Cell signaling ♯9513),1000倍希釈
anti−phospho Smad3(Cell signaling ♯9520),1000倍希釈
anti−α−tubulin(Cell signaling ♯2144),1000倍希釈
二次抗体: anti−rabbitIgG, HRP linked(GEヘルスケア),1000倍希釈

実施例

0056

図1より、ローズマリー抽出物、白茶抽出物、マリアアザミ抽出物、ウーロン茶抽出物、ピーナツ抽出物、ログウッド色素、ライチポリフェノール、及びリンゴポリフェノールは、TGF−β刺激応答性のSmad3リン酸化亢進が抑制され、高濃度処理群(レーン右側)においてはより顕著な抑制効果が認められた。

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