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技術 パウチおよび包装材料

出願人 大日本印刷株式会社
発明者 飯尾靖也阿久津紘基多久島和弘
出願日 2019年10月11日 (1年2ヶ月経過) 出願番号 2019-188109
公開日 2020年9月17日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-147368
状態 未査定
技術分野 被包材
主要キーワード レトルト温度 加熱温水 破断強度測定 熱融着装置 補助シール 垂直落 成膜ローラ 水平落下
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年9月17日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (12)

課題

機械的強度を高めることができ、かつピンホールの発生を抑制できるパウチおよび包装材料を提供する。

解決手段

本発明の一の態様によれば、パウチ10であって、包装材料30が、第1の二軸延伸プラスチックフィルム31と、第2の二軸延伸プラスチックフィルム32と、シーラントフィルム33とをこの順に備え、第1の二軸延伸プラスチックフィルム31が、ポリエステルを主成分とし、第2の二軸延伸プラスチックフィルム32が、ポリアミドを主成分とし、シーラントフィルム33が、ポリプロピレンを主成分とし、包装材料30中に二軸延伸プラスチックフィルム31、32は2枚のみであり、包装材料30は、25℃の環境下で測定したときの一方向の破断強度が、83.0MPa以上であり、包装材料30は、25℃の環境下で測定したときの突き刺し強度が、16.0N以上である、パウチ10が提供される。

概要

背景

従来、調理済あるいは半調理済の液体、粘体あるいは液体と固体とが混在する内容物を、プラスチック製の包装材料体から構成されたパウチ充填密封したものが多く市場に出回っている。パウチにおいては、包装材料同士が接合されていない非シール部が、内容物が収容される収容部を構成しており、また包装材料同士が接合されているシール部が、収容部を密封している(例えば、特許文献1参照)。

概要

機械的強度を高めることができ、かつピンホールの発生を抑制できるパウチおよび包装材料を提供する。 本発明の一の態様によれば、パウチ10であって、包装材料30が、第1の二軸延伸プラスチックフィルム31と、第2の二軸延伸プラスチックフィルム32と、シーラントフィルム33とをこの順に備え、第1の二軸延伸プラスチックフィルム31が、ポリエステルを主成分とし、第2の二軸延伸プラスチックフィルム32が、ポリアミドを主成分とし、シーラントフィルム33が、ポリプロピレンを主成分とし、包装材料30中に二軸延伸プラスチックフィルム31、32は2枚のみであり、包装材料30は、25℃の環境下で測定したときの一方向の破断強度が、83.0MPa以上であり、包装材料30は、25℃の環境下で測定したときの突き刺し強度が、16.0N以上である、パウチ10が提供される。

目的

すなわち、機械的強度を高めることができ、かつピンホールの発生を抑制できるパウチおよび包装材料を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

包装材料を含み、かつ収容空間を有するパウチであって、前記包装材料が、第1の二軸延伸プラスチックフィルムと、第2の二軸延伸プラスチックフィルムと、シーラントフィルムとをこの順に備え、前記第1の二軸延伸プラスチックフィルムが、ポリエステルを主成分とし、前記第2の二軸延伸プラスチックフィルムが、ポリアミドを主成分とし、前記シーラントフィルムが、ポリプロピレンを主成分とし、前記包装材料中に二軸延伸プラスチックフィルムは2枚のみであり、前記包装材料は、25℃の環境下で1分間保持した後、25℃の環境下で測定したときの一方向の破断強度が、83.0MPa以上であり、前記包装材料は、25℃の環境下で1分間保持した後、25℃の環境下で測定したときの突き刺し強度が、16.0N以上である、パウチ。

請求項2

包装材料を含み、かつ収容空間を有するパウチであって、前記包装材料が、第1の二軸延伸プラスチックフィルムと、第2の二軸延伸プラスチックフィルムと、シーラントフィルムとをこの順に備え、前記第1の二軸延伸プラスチックフィルムが、ポリエステルを主成分とし、前記第2の二軸延伸プラスチックフィルムが、ポリアミドを主成分とし、前記シーラントフィルムが、ポリプロピレンを主成分とし、前記包装材料中に二軸延伸プラスチックフィルムは2枚のみであり、25℃の環境下で測定したときの前記パウチのインパクト強度が、900kJ/m2以上である、パウチ。

請求項3

前記シーラントフィルムの前記一方向における引張伸度(%)と厚さ(μm)の積が、50000を越える、請求項1に記載のパウチ。

請求項4

前記シーラントフィルムの前記一方向と直交する方向における引張伸度(%)と厚さ(μm)の積が、55000を越える、請求項1または2に記載のパウチ。

請求項5

前記シーラントフィルムが、プロピレンエチレンブロック共重合体と、エラストマーとを含む、請求項1ないし4のいずれか一項に記載のパウチ。

請求項6

前記第1の二軸延伸プラスチックフィルムが二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであり、前記第2の二軸延伸プラスチックフィルムが二軸延伸ナイロンフィルムである、請求項1ないし5のいずれか一項に記載のパウチ。

請求項7

前記パウチの前記収容空間に内容物が収容されている、請求項1ないし6のいずれか一項に記載のパウチ。

請求項8

第1の二軸延伸プラスチックフィルムと、第2の二軸延伸プラスチックフィルムと、シーラントフィルムとをこの順に備える包装材料であって、前記第1の二軸延伸プラスチックフィルムが、ポリエステルを主成分とし、前記第2の二軸延伸プラスチックフィルムが、ポリアミドを主成分とし、前記シーラントフィルムが、ポリプロピレンを主成分とし、前記包装材料中に二軸延伸プラスチックフィルムは2枚のみであり、前記包装材料は、25℃の環境下で測定したときの一方向の破断強度が、83.0MPa以上であり、前記包装材料は、25℃の環境下で測定したときの突き刺し強度が、16.0N以上である、包装材料。

請求項9

前記シーラントフィルムの前記一方向における引張伸度(%)と厚さ(μm)の積が、50000を越える、請求項8に記載の包装材料。

請求項10

前記シーラントフィルムの前記一方向と直交する方向における引張伸度(%)と厚さ(μm)の積が、55000を越える、請求項8または9に記載の包装材料。

請求項11

前記シーラントフィルムが、プロピレン・エチレンブロック共重合体と、エラストマーとを含む、請求項8ないし10のいずれか一項に記載の包装材料。

請求項12

前記第1の二軸延伸プラスチックフィルムが二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであり、前記第2の二軸延伸プラスチックフィルムが二軸延伸ナイロンフィルムである、請求項8ないし11のいずれか一項に記載の包装材料。

技術分野

0001

本発明は、パウチおよび包装材料に関する。

背景技術

0002

従来、調理済あるいは半調理済の液体、粘体あるいは液体と固体とが混在する内容物を、プラスチック製の包装材料体から構成されたパウチに充填密封したものが多く市場に出回っている。パウチにおいては、包装材料同士が接合されていない非シール部が、内容物が収容される収容部を構成しており、また包装材料同士が接合されているシール部が、収容部を密封している(例えば、特許文献1参照)。

先行技術

0003

特許第6157767号

発明が解決しようとする課題

0004

現在、パウチにおいては、輸送時等にパウチが落下して破袋することを抑制するために更なる機械的強度を求められる。また、輸送時の振動で、箱詰めされた段ボールの表面とパウチが擦れたり、あるいはパウチの角部同士が擦れたりして、パウチを構成する包装材料にピンホールが発生する場合がある。パウチにピンホールが発生してしまうと、内容物の保存性が損なわれるおそれがあるので、ピンホールの発生を抑制することが求められている。

0005

本発明は、上記問題を解決するためになされたものである。すなわち、機械的強度を高めることができ、かつピンホールの発生を抑制できるパウチおよび包装材料を提供することを目的とする。また、耐落下衝撃性に優れたパウチを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明は、以下の発明を含む。
[1]包装材料を含み、かつ収容空間を有するパウチであって、前記包装材料が、第1の二軸延伸プラスチックフィルムと、第2の二軸延伸プラスチックフィルムと、シーラントフィルムとをこの順に備える包装材料であって、前記第1の二軸延伸プラスチックフィルムが、ポリエステルを主成分とし、前記第2の二軸延伸プラスチックフィルムが、ポリアミドを主成分とし、前記シーラントフィルムが、ポリプロピレンを主成分とし、前記包装材料中に二軸延伸プラスチックフィルムは2枚のみであり、前記包装材料は、25℃の環境下で1分間保持した後、25℃の環境下で測定したときの一方向の破断強度が、83.0MPa以上であり、前記包装材料は、25℃の環境下で1分間保持した後、25℃の環境下で測定したときの突き刺し強度が、16.0N以上である、パウチ。

0007

[2]包装材料を含み、かつ収容空間を有するパウチであって、前記包装材料が、第1の二軸延伸プラスチックフィルムと、第2の二軸延伸プラスチックフィルムと、シーラントフィルムとをこの順に備え、前記第1の二軸延伸プラスチックフィルムが、ポリエステルを主成分とし、前記第2の二軸延伸プラスチックフィルムが、ポリアミドを主成分とし、前記シーラントフィルムが、ポリプロピレンを主成分とし、前記包装材料中に二軸延伸プラスチックフィルムは2枚のみであり、25℃の環境下で測定したときの前記パウチのインパクト強度が、900kJ/m2以上である、パウチ。

0008

[3]前記シーラントフィルムの前記一方向における引張伸度(%)と厚さ(μm)の積が、50000を越える、上記[1]に記載のパウチ。

0009

[4]前記シーラントフィルムの前記一方向と直交する方向における引張伸度(%)と厚さ(μm)の積が、55000を越える、上記[1]または[2]に記載のパウチ。

0010

[5]前記シーラントフィルムが、プロピレンエチレンブロック共重合体と、エラストマーとを含む、上記[1]ないし[4]のいずれか一項に記載のパウチ。

0011

[6]前記第1の二軸延伸プラスチックフィルムが二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであり、前記第2の二軸延伸プラスチックフィルムが二軸延伸ナイロンフィルムである、上記[1]ないし[5]のいずれか一項に記載のパウチ。

0012

[7]前記パウチの前記収容空間に内容物が収容されている、上記[1]ないし[6]のいずれか一項に記載のパウチ。

0013

[8]第1の二軸延伸プラスチックフィルムと、第2の二軸延伸プラスチックフィルムと、シーラントフィルムとをこの順に備える包装材料であって、前記第1の二軸延伸プラスチックフィルムが、ポリエステルを主成分とし、前記第2の二軸延伸プラスチックフィルムが、ポリアミドを主成分とし、前記シーラントフィルムが、ポリプロピレンを主成分とし、前記包装材料中に二軸延伸プラスチックフィルムは2枚のみであり、前記包装材料は、25℃の環境下で測定したときの一方向の破断強度が、83.0MPa以上であり、前記包装材料は、25℃の環境下で測定したときの突き刺し強度が、16.0N以上である、包装材料。

0014

[9]前記シーラントフィルムの前記一方向における引張伸度(%)と厚さ(μm)の積が、50000を越える、上記[8]に記載の包装材料。

0015

[10]前記シーラントフィルムの前記一方向と直交する方向における引張伸度(%)と厚さ(μm)の積が、55000を越える、上記[8]または[9]に記載の包装材料。

0016

[11]前記シーラントフィルムが、プロピレン・エチレンブロック共重合体と、エラストマーとを含む、上記[8]ないし[10]のいずれか一項に記載の包装材料。

0017

[12]前記第1の二軸延伸プラスチックフィルムが二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであり、前記第2の二軸延伸プラスチックフィルムが二軸延伸ナイロンフィルムである、上記[8]ないし[11]のいずれか一項に記載の包装材料。

発明の効果

0018

本発明の一の態様によれば、機械的強度を高めることができ、かつピンホールの発生を抑制できるパウチおよび包装材料を提供することができる。また、本発明の他の態様よれば、耐落下衝撃性に優れたパウチを提供することができる。

図面の簡単な説明

0019

図1は、実施形態に係るパウチの正面図である。
図2は、図1に示されるパウチの各構成要素の寸法を説明するための図である。
図3は、実施形態に係る包装材料の断面図である。
図4は、包装材料の破断強度を測定するための試験片をパウチのおもて面から切り出すときの図である。
図5は、包装材料の破断強度を測定するための試験片をパウチの裏面から切り出すときの図である。
図6は、試験片を用いて破断強度を測定する様子を示す図である。
図7は、包装材料の突き刺し強度を測定するための試験片をパウチのおもて面から切り出すときの図である。
図8は、包装材料の突き刺し強度を測定するための試験片をパウチの裏面から切り出すときの図である。
図9は、試験片を用いて突き刺し強度を測定する様子を示す図である。
図10は、パウチのインパクト強度を測定するための試験片を切り出すときの図である。
図11は、試験片を用いてインパクト強度を測定する様子を示す図である。

0020

以下、本発明の実施形態に係るパウチおよび包装材料について、図面を参照しながら説明する。本明細書において、「フィルム」、「シート」等の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。したがって、例えば、「フィルム」はシートとも呼ばれるような部材も含む意味で用いられる。図1は、実施形態に係るパウチの正面図であり、図2は、図1に示されるパウチの各構成要素の寸法を説明するための図であり、図3は、本実施形態に係る包装材料の断面図である。図4は、包装材料の破断強度を測定するための試験片をパウチのおもて面から切り出すときの図であり、図5は、包装材料の破断強度を測定するための試験片をパウチの裏面から切り出すときの図であり、図6は、試験片を用いて破断強度を測定する様子を示す図である。図7は、包装材料の突き刺し強度を測定するための試験片をパウチのおもて面から切り出すときの図であり、図8は、包装材料の突き刺し強度を測定するための試験片をパウチの裏面から切り出すときの図であり、図9は、試験片を用いて突き刺し強度を測定する様子を示す図である。図10は、パウチのインパクト強度を測定するための試験片を切り出すときの図であり、図11は、試験片を用いてインパクト強度を測定する様子を示す図である。

0021

<<<パウチ>>>
図1に示されるパウチ10は、スタンディング形式のパウチであり、内容物を収容する収容空間10Aを有している。内容物としては、特に限定されないが、固体、液体、またはこれらの混合物が挙げられる。内容物としては例えば、カレーシチュースープ等の調理済食品が挙げられる。調理済食品は、ボイル処理レトルト処理などの加熱殺菌処理が施されていてもよい。すなわち、内容物として、加熱殺菌食品加圧加熱殺菌食品が収容されていてもよい。「レトルト処理」とは、内容物をパウチに充填してパウチを密封した後、蒸気または加熱温水を利用してパウチを加圧状態で加熱する処理である。レトルト処理の温度は、例えば120℃以上である。パウチは、内容物が充填されていない状態のパウチに限らず、内容物が充填されている状態のパウチも含む概念である。

0022

図1に示されるパウチ10は、おもて面フィルム11、裏面フィルム12および底面フィルム13を有している。おもて面フィルム11および裏面フィルム12は、矩形輪郭を有している。図1に示される状態においては、底面フィルム13は2つ折りの状態となっている。

0023

パウチ10は、上部10B、上部10Bとは反対側の底部10C、上部10Bと底部10Cの間で延びる第1側部10Dおよび第2側部10Eとを有している。第2側部10Eは、第1側部10Dとは反対側の側部である。また、本明細書における「上」、「下」、「側」、「底」の位置は、パウチを自立させた状態での位置を意味している。

0024

パウチ10の幅W1(図2参照)に対するパウチ10の高さH(図2参照)の比(H/W1)は、0.6以上2.0以下であることが好ましい。H/W1が0.6以上であれば、より多くの内容物を収容でき、またH/W1が2.0以下であれば、開封前の状態でパウチ10を安定して自立させることができる。パウチ10の高さHとは、後述する第1側部シール部16が延びる方向と平行なY方向DRYにおけるパウチ10の下縁10Gからパウチ10の上縁10Fまでの長さである。パウチの長さが一定でない場合には、パウチの高さは最も大きい値とする。パウチ10の幅W1とは、Y方向DRYと直交するX方向DRXにおけるパウチ10の第1側部10D側の側縁10Hから第2側部10Eの側縁10Iまでの長さである。パウチの幅W1が一定でない場合には、パウチの幅は最も短い値とする。本実施形態におけるパウチの寸法およびパウチを構成する各構成要素の寸法は、全て、パウチのガセット折込部を広げずにパウチをほぼ平面状にした状態で測定した値とする。

0025

図1に示されるようにパウチ10は、底部10C側にガセット方式で折り込んだ底部ガセット部14を有している。なお、図1に示されるパウチ10は、スタンディング形式のパウチであるが、パウチは平面状のパウチ(平パウチ)であってもよい。

0026

<底部ガセット部>
底部ガセット部14は、おもて面フィルム11の一部と、裏面フィルム12の一部と、底面フィルム13と、によって構成されている。底面フィルム13は、折込線14Aを介して第1部分と第2部分に区画されている。おもて面フィルム11の一部と底面フィルム13の第1部分によって第1ひだ部が形成され、裏面フィルム12の一部と底面フィルム13の第2部分によって第2ひだ部が形成されている。底部ガセット部14を設けることにより、より大きな内容物を収容したり、内容物の収容量を増やしたりすることができるとともにパウチ10を自立させることができる。

0027

Y方向DRYにおいて、パウチ10の高さHに対する底部ガセット部14の折込幅W2(図2参照)の比(W2/H)は0.1以上0.5以下であることが好ましい。上記W2/Hが0.1以上であれば、より多くの内容物を収容できる。また、W2/Hが0.5以下であれば、パウチ10を自立させたときに、パウチを安定して自立させることができる。底部ガセット部14の折込幅W2とは、底部10Cの下縁10Gから折込線14Aまでの長さである。底部ガセット部の折込幅が一定でない場合には、底部ガセット部の折込幅は最も短い値とする。底部ガセット部14の折込幅W2は、20mm以上50mm以下となっていてもよい。

0028

図1に示されるようにパウチ10は、パウチ10を密閉するためのシール部15を備えている。パウチ10におけるシール部15は、第1側部10Dに形成された第1側部シール部16と、第2側部10Eに形成された第2側部シール部17と、底部10Cに形成された第1底部シール部18および第2底部シール部19と、側縁10H、10I側にそれぞれ形成された底部補助シール部20とを備えている。なお、図1においてはパウチ10の上部は開口しているが、内容物を収容空間10Aに充填した後、熱融着されて、図1における上縁10Fと二点鎖線で囲まれた上部シール部予定領域Rに上部シール部が形成され、パウチ10が密封される。上部シール部が形成された場合、上部シール部の幅W4(図2参照)は、例えば、2mm以上15mm以下となっていることが好ましい。

0029

<第1側部シール部および第2側部シール部>
第1側部シール部16は、第1側部10Dにおいて、おもて面フィルム11と裏面フィルム12を互いに接合した部分であり、折込線14Aから上縁10Fに亘って形成されている。第2側部シール部17は、第2側部10Eにおいて、おもて面フィルム11と裏面フィルム12を互いに接合した部分であり、折込線14Aからパウチ10の上縁10Fに亘って形成されている。第1側部シール部16および第2側部シール部17の形成の際のおもて面フィルム11と裏面フィルム12の接合は、ヒートシール(熱融着)によって行われる。

0030

第1側部シール部16および第2側部シール部17の幅W3(図2参照)は、例えば、それぞれ2mm以上15mm以下となっていることが好ましい。第1側部シール部16および第2側部シール部17の幅W3がそれぞれ2mm以上であれば、第1側部シール部16および第2側部シール部17において確実にシールすることができ、また15mm以下であれば、収容空間10Aをより広く確保することができる。本明細書において、各シール部における「幅」とは、シール部の延びる方向に直交する方向の長さを意味する。なお、シール部の幅が一定でない場合には、シール部の幅は、シール部の延びる方向に直交する方向の長さのうち最も短い値とする。幅W3の下限は、4mm以上であることがより好ましく、また上限は、10mm以下であることがより好ましい。

0031

<第1底部シール部および第2底部シール部>
第1底部シール部18は、おもて面フィルム11の一部と底面フィルム13の一部を互いに接合した部分であり、第2底部シール部19は、裏面フィルム12の一部と底面フィルム13の一部を互いに接合した部分である。第1底部シール部18は、おもて面フィルム11と底面フィルム13を熱融着することによって形成されており、第2底部シール部19は、裏面フィルム12と底面フィルム13を熱融着することによって形成されている。

0032

<底部補助シール部>
底部補助シール部20は、折込線14Aよりも下方で、かつ、パウチ10の側縁10H、10Iを含むように形成されている。底部補助シール部20は、おもて面フィルム11と裏面フィルム12を互いに接合した部分である。底部補助シール部20は、底面フィルム13に設けられた切欠きを介しておもて面フィルム11と裏面フィルム12を熱融着することによって形成されている。したがって、安定してパウチ10を自立させることができる。なお、切欠きの代わりに、底面フィルム13に貫通孔を設けるようにしてもよい。

0033

図1に示されるように、第1側部シール部16および第2側部シール部17には、開封の際の起点となり得る開封開始手段21が設けられている。開封開始手段21は、第1側部シール部16および第2側部シール部17のいずれかに設けられていればよい。

0034

<<開封開始手段>>
開封開始手段21は、パウチ10の開封の際の起点となり得るものである。開封開始手段21としては、切込みや切欠き等が挙げられる。図1に示される開封開始手段21は、切欠きとなっている。

0035

<<包装材料>>
おもて面フィルム11および裏面フィルム12は、図3に示される包装材料30から構成されている。また、底面フィルム13は、図3に示される包装材料30から構成されていてもよい。包装材料30は、少なくとも、第1の二軸延伸プラスチックフィルム31と、第2の二軸延伸プラスチックフィルム32と、シーラントフィルム33とをこの順に備えている。包装材料30は、金属箔層を含んでいないものである。包装材料30は、包装材料30中に二軸延伸プラスチックフィルムを2枚のみ有している。シーラントフィルムは、パウチ10の内面を構成する層である。図3に示される包装材料30は、例えば、第1の二軸延伸プラスチックフィルム31、印刷層34、第1接着剤層35、第2の二軸延伸プラスチックフィルム32、第2接着剤層36およびシーラントフィルム33をこの順で備えている。なお、包装材料は、第1の二軸延伸プラスチックフィルム31とシーラントフィルム33との間に、所望の機能を発揮する機能層をさらに備えていてもよい。機能層としては、例えば、透明蒸着層や透明ガスバリア性塗布膜等が挙げられる。パウチ10は、ロール状に巻き取られた包装材料30を連続的に搬送しながら作製することができる。

0036

包装材料30は、25℃の環境下で1分間保持した後、25℃の環境下で測定したときの一方向の破断強度が、83.0MPa以上となっている。包装材料30における一方向の破断強度は、85.0MPa以上であることが好ましく、88.0MPa以上であることがより好ましく、91.0MPa以上であることがさらに好ましい。また、包装材料30における一方向と直交する方向の破断強度は、76.0MPa以上であることが好ましく、77.0MPa以上であることがより好ましく、78.0MPa以上であることがさらに好ましく、79.0MPa以上であることが最も好ましい。包装材料30の一方向は、例えば、パウチ10におけるX方向DRX(図1参照)であり、包装材料30の一方向と直交する方向は、例えば、パウチ10におけるY方向DRYであってもよい。また、例えば、包装材料30の流れ方向(MD)がパウチ10のX方向DRXに該当し、例えば、包装材料30の幅方向(TD)がパウチ10のY方向DRYに該当してもよい。また、例えば、包装材料30の一方向が流れ方向(MD)に該当し、例えば、包装材料の一方向と直交する方向が幅方向(TD)に該当していてもよい。

0037

包装材料30の破断強度の測定は、後述する試験片S1、S2の長さ以外については、JIS K7127に準拠して行なうものとする。まず、パウチ10のおもて面フィルム11から、シール部15を含まないようにして、一辺L1(図4参照)が15mm、一辺L1と直交する方向に延びる他辺L2(図4参照)が100mmの長方形状の試験片S1(図4参照)を5個切り出す。試験片S1は、他辺L2がX方向DRX(第1側部シール部16が延びる方向と直交する方向)と平行になるように切り出す。続いて、パウチ10の裏面フィルム12から、シール部15を含まないようにして、一辺L1(図5参照)が15mm、一辺L1と直交する方向に延びる他辺L2(図5参照)が100mmの長方形状の試験片S2(図5参照)を5個切り出す。試験片S2は、他辺L2がY方向DRY(第1側部シール部16が延びる方向と平行な方向)と平行になるように切り出す。そして、テンシロン万能材料試験機RTC−1310A(株式会社エー・アンド・デイ製)を用いて、試験片S1、S2の破断強度を測定する。具体的には、まず、図6に示されるように把持具51、52で試験片S1の長手方向の両端部を把持する。なお、図6においては、試験片S1、S2の層構成を一部省略している。そして、温度25℃、相対湿度50%の環境下に試験片S1を1分間保持した後に、温度25℃、相対湿度50%の環境下で初期把持具間距離D1(図6参照)を50mmとした状態で、引張速度300mm/分で試験片S1を試験片S1の長手方向に引張る引張試験を行い、試験片S1の破断強度を測定する。試験片S2の破断強度も試験片S1と同様の測定条件によって測定する。なお、試験片S1の破断強度は、25℃の環境下で24時間保持した試験片S1を用いて測定してもよい。そして、5個の試験片S1について、破断強度を測定し、その平均値を包装材料30のX方向DRXの破断強度とする。また、5個の試験片S2について、破断強度を測定し、その平均値を包装材料30のY方向DRYの破断強度とする。

0038

包装材料30は、25℃の環境下で測定したときの突き刺し強度が、16.0N以上となっている。上記突き刺し強度は、16.5N以上であることが好ましく、17.0N以上がより好ましい。

0039

包装材料30の突き刺し強度の測定は、JIS K1707:1999 7.4に準拠して行うものとする。まず、パウチ10について、それぞれ3つ準備する。1つのパウチ10について、おもて面フィルム11から、シール部15を含まないようにして、一辺L3(図7参照)が75mm、一辺L3と直交する方向に延びる他辺L4(図7参照)が75mmの正方形状の試験片S3(図7参照)を1個切り出すとともに、裏面フィルム12から、シール部15を含まないようにして、一辺L3(図8参照)が75mm、一辺L3と直交する方向に延びる他辺L4(図8参照)が75mmの正方形状の試験片S3(図8参照)を1個切り出す。残り2つのパウチについても、同様にして試験片S3を切り出し、合計6個の試験片S3を準備する。試験片S3は、一辺L3がY方向DRY(第1側部シール部16が延びる方向と平行な方向)と平行になるように切り出す。そして、テンシロン万能材料試験機RTC−1310A(株式会社エー・アンド・デイ製)を用いて、温度25℃、相対湿度50%の環境下に試験片S3を1分間保持した後に、温度25℃、相対湿度50%の環境下で、試験片S3に対して、包装材料30の外面(第1の二軸延伸プラスチックフィルム31)側から、直径1.0mm、先端形状半径0.5mmの半円形の針53(図9参照)を、50mm/分の速度で突き刺し、針53が試験片S3を貫通するまでの応力最大値を測定する。なお、試験片S3の突き刺し強度は、25℃の環境下で24時間保持した試験片S3を用いて測定してもよい。また、図9においては、試験片S3の層構成を一部省略している。6個の試験片S3のうち5個について、応力の最大値を測定し、その平均値を包装材料の突き刺し強度とする。

0040

パウチ10のインパクト強度は、900kJ/m2以上となっている。パウチ10のインパクト強度は、1000kJ/m2以上、1100kJ/m2以上、1200kJ/m2以上、または1300kJ/m2以上が好ましい。

0041

パウチ10のインパクト強度は、次のようにして測定される。まず、パウチ10を1つ準備する。パウチについて、第1側部シール部16または第2側部シール部17を含み、おもて面フィルム11と裏面フィルム12が接合された状態の一辺L5(図10参照)が15mm、一辺L5と直交する方向に延びる他辺L6(図10参照)が50mmの長方形状の試験片S4を5個切り出す。例えば、図10に示すように、第1側部シール部16を含むように3個、第2側部シール部17を含むように2個の試験片S4を切り出す。試験片S4は、他辺L6がX方向DRX(第1側部シール部16が延びる方向と直交する方向)と平行になるように切り出す。続いて、試験片S4における一方の包装材料30のシールされていない部分と他方の包装材料30のシールされていない部分をシール部の面方向に対して直交する方向において互いに逆向きになるように、すなわちT字状になるようにした後、一方の包装材料30のシールされていない部分の端部と他方の包装材料30のシールされていない部分の端部をそれぞれ把持具54、55に固定する。このとき、シール部の面方向に対して直交する方向における初期把持具間の距離D2(図11参照)は40mmとする。続いて、冷凍機衝撃試験機(株式会社東洋精機製作所製)を用いて、温度25℃、相対湿度50%の環境下に試験片S4を1分間保持した後に、温度25℃、相対湿度50%の環境下で、一方の把持具54に対して、試験片S4における一方の包装材料30の外面(第1の二軸延伸プラスチックフィルム31)側からハンマー56で叩いて、試験片S4における一方の包装材料30と他方の包装材料30とが分離する際の衝撃強度を、テンサイ試験法によって測定する。試験片S4のインパクト強度は、25℃の環境下で24時間保持した試験片S4を用いて測定してもよい。試験片S4に衝撃を加えるためのハンマー56としては、2Jのものを用い、ハンマーの速度は2.9m/秒する。5個の試験片S4について、インパクト強度を測定し、その平均値をパウチ10のインパクト強度とする。

0042

<二軸延伸プラスチックフィルム>
二軸延伸プラスチックフィルムとは、プラスチックフィルム機械強度を向上させるために、意図的に延伸加工が施されたプラスチックフィルムである。本発明において、二軸延伸プラスチックフィルムとは、以下の(a)または(b)の少なくともどちらか一方を満たすものを指す。
(a)ヤング率が一方向および一方向と直交する方向において1000MPa以上
(b)引張伸度が一方向および一方向と直交する方向において200%以下

0043

二軸延伸プラスチックフィルムのヤング率および引張伸度の測定は、JIS K7127に準拠して行うものとする。テンシロン万能材料試験機RTC−1310A(株式会社エー・アンド・デイ製)を用いて、温度25℃、相対湿度50%の環境下に試験片を1分間保持した後に、温度25℃、相対湿度50%の環境下で試験片のヤング率測定および引張伸度測定を行う。一辺が15mm、一辺と直交する方向が150mmの長方形状の試験片を用いて測定を行い、初期把持具間距離は100mm、引張速度は300mm/分とする。なお、初期把持具間距離を100mmとして測定することができる限りにおいて、一辺と直交する方向の長さは調整可能である。

0044

(第1の二軸延伸プラスチックフィルム)
第1の二軸延伸プラスチックフィルム31は、所定の二方向において延伸されているプラスチックフィルムである。第1の二軸延伸プラスチックフィルム31は、包装材料30に所定の強度を持たせるための基材フィルムとして機能する。第1の二軸延伸プラスチックフィルム31の延伸方向は特には限定されない。例えば、第1の二軸延伸プラスチックフィルム31は、側縁10Hが延びる方向およびこの方向に直交する方向において延伸されていてもよい。第1の二軸延伸プラスチックフィルム31の延伸倍率は、例えば1.05倍以上である。

0045

第1の二軸延伸プラスチックフィルム31は、ポリエステルを主成分として含む。本明細書における「ポリエステルを主成分として含む」とは、二軸延伸プラスチックフィルムが50質量%を超えるポリエステルを含むことを意味する。ポリエステルの例としては、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETとも記す)、ポリブチレンテレフタレート(以下、PBTとも記す)などを挙げることができる。なお、第1の二軸延伸プラスチックフィルム31における、50質量%を超えるポリエステルは、一種類のポリエステルによって構成されていてもよく、二種類以上のポリエステルによって構成されていてもよい。第1の二軸延伸プラスチックフィルムとして、二軸延伸PETフィルムを用いることができる。二軸延伸PETフィルムは、PETを80質量%以上含むことが好ましい。さらに、二軸延伸PETフィルムは、PETを90質量%以上含むことがより好ましく、95%以上含むことがさらに好ましい。

0046

第1の二軸延伸プラスチックフィルム31の厚みは、好ましくは8μm以上であり、より好ましくは9μm以上であり、さらに好ましくは12μm以上である。また、第1の二軸延伸プラスチックフィルム31の厚みは、好ましくは30μm以下であり、より好ましくは25μm以下である。第1の二軸延伸プラスチックフィルム31の厚みを8μm以上にすることにより、第1の二軸延伸プラスチックフィルム31が十分な強度を有するようになる。また、第1の二軸延伸プラスチックフィルム31の厚みを30μm以下にすることにより、第1の二軸延伸プラスチックフィルム31が優れた成形性を示すようになる。このため、包装材料30を加工してパウチ10を製造する工程を効率的に実施することができる。

0047

(第2の二軸延伸プラスチックフィルム)
第2の二軸延伸プラスチックフィルム32は、例えば、第1の二軸延伸プラスチックフィルム31と同様に、所定の二方向において延伸されている基材フィルムである。例えば、第2の二軸延伸プラスチックフィルム32は、側縁10Hが延びる方向およびこの方向と直交する方向において延伸されていてもよい。第2の二軸延伸プラスチックフィルム32も、第1の二軸延伸プラスチックフィルム31と同様に、包装材料30に所定の強度を持たせるための基材フィルムとして機能する。第2の二軸延伸プラスチックフィルム32の延伸方向も、第1の二軸延伸プラスチックフィルム31の場合と同様に特には限定されない。

0048

第2の二軸延伸プラスチックフィルム32は、ポリアミドを主成分として含む。本明細書における「ポリアミドを主成分として含む」とは、第2の二軸延伸プラスチックフィルムが50質量%を超えるポリアミドを含むことを意味する。ポリアミドの例としては、脂肪族ポリアミドまたは芳香族ポリアミドを挙げることができる。脂肪族ポリアミドとてしてはナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン6とナイロン6,6との共重合体などのナイロンが挙げられ、芳香族ポリアミドとしては、ポリメタキシレンアジパミド(MXD6)などが挙げられる。第2の二軸延伸プラスチックフィルム32がポリアミドを主成分として含むことにより、第2の二軸延伸プラスチックフィルム32を備える包装材料30の突き刺し強度を高めることができる。第2の二軸延伸プラスチックフィルムとして、二軸延伸ナイロンフィルムを用いることができる。二軸延伸ナイロンフィルムは、ポリアミドを80質量%以上含むことが好ましい。さらに、二軸延伸ナイロンフィルムは、ポリアミドを90質量%以上含むことがより好ましく、95%以上含むことがさらに好ましい。

0049

第2の二軸延伸プラスチックフィルム32の厚みは、好ましくは12μm以上であり、より好ましくは15μm以上である。また、第2の二軸延伸プラスチックフィルム32の厚みは、好ましくは30μm以下であり、より好ましくは25μm以下である。

0050

<シーラントフィルム>
次に、シーラントフィルム33について説明する。シーラントフィルム33は、単層であってもよく、多層であってもよい。また、シーラントフィルム33は、好ましくは未延伸のフィルムからなる。なお「未延伸」とは、全く延伸されていないフィルムだけでなく、製膜の際に加えられる張力に起因してわずかに延伸されているフィルムも含む概念である。

0051

シーラントフィルムとは、以下の(c)または(d)の少なくともどちらか一方を満たすものを指す。
(c)ヤング率が一方向および一方向と直交する方向において1000MPa未満
(d)引張伸度が一方向および一方向と直交する方向において300%以上

0052

シーラントフィルムのヤング率および引張伸度の測定は、JIS K7127に準拠して行うものとする。テンシロン万能材料試験機RTC−1310A(株式会社エー・アンド・デイ製)を用いて、温度25℃、相対湿度50%の環境下に試験片を1分間保持した後に、温度25℃、相対湿度50%の環境下で試験片のヤング率測定および引張伸度測定を行う。一辺が15mm、一辺と直交する方向が150mmの長方形状の試験片を用いて測定を行い、初期把持具間距離は100mm、引張速度は300mm/分とする。なお、初期把持具間距離を100mmとして測定することができる限りにおいて、一辺と直交する方向の長さは調整可能である。

0053

包装材料30から構成されたパウチ10には、レトルト処理などの殺菌処理高温で施される。したがって、シーラントフィルム33は、これらの高温での処理に耐える耐熱性を有するものが用いられる。

0054

シーラントフィルム33を構成する材料の融点は、150℃以上であることが好ましく、160℃以上であることがより好ましい。シーラントフィルム33の融点を高くすることにより、パウチ10のレトルト処理を高温で実施することが可能になり、このため、レトルト処理に要する時間を短くすることができる。なお、シーラントフィルム33を構成する材料の融点は、第1の二軸延伸プラスチックフィルム31、第2の二軸延伸プラスチックフィルム32を構成する樹脂の融点より低い。

0055

シーラントフィルム33は、ポリプロピレンを主成分として含む。本明細書における「ポリプロピレンを主成分として含む」とは、シーラントフィルムが50質量%を超えるポリプロピレンを含むことを意味する。プロピレンを主成分とする材料としては、具体的には、プロピレン・エチレンブロック共重合体、プロピレン・エチレンランダム共重合体ホモポリプロピレンなどのポリプロピレン、又はポリプロピレンとポリエチレンとを混合したものなどを挙げることができる。ここで、「プロピレン・エチレンブロック共重合体」とは、下記式(1)に示される構造式を有する材料を意味する。また、「プロピレン・エチレンランダム共重合体」とは、下記式(2)に示される構造式を有する材料を意味する。また、「ホモポリプロピレン」とは、下記式(3)に示される構造式を有する材料を意味する。

0056

上記式(1)中、m1、m2、m3は、1以上の整数を表す。

0057

上記式(2)中、m、nは、1以上の整数を表す。

0058

上記式(3)中、mは、1以上の整数を表す。

0059

プロピレンを主成分とする材料として、ポリプロピレンとポリエチレンとを混合したものを用いる場合には、材料は、海島構造を有していてもよい。ここで、「海島構造」とは、ポリプロピレンが連続する領域の内に、ポリエチレンが不連続に分散している構造をいう。

0060

好ましくは、シーラントフィルム33は、プロピレン・エチレンブロック共重合体を含む単層のフィルムである。例えば、シーラントフィルム33は、プロピレン・エチレンブロック共重合体を主成分とする単層の未延伸フィルムである。プロピレン・エチレンブロック共重合体を用いることにより、シーラントフィルム33の耐衝撃性を高めることができ、これにより、落下時の衝撃によりパウチ10が破袋してしまうことを抑制することができる。また、包装材料30の耐突き刺し性を高めることができる。

0061

プロピレン・エチレンブロック共重合体は、例えば、ポリプロピレンからなる海成分と、エチレン・プロピレン共重合ゴム成分からなる島成分と、を含む。海成分は、プロピレン・エチレンブロック共重合体の耐ブロッキング性、耐熱性、剛性シール強度などを高めることに寄与し得る。また、島成分は、プロピレン・エチレンブロック共重合体の耐衝撃性を高めることに寄与し得る。従って、海成分と島成分の比率を調整することにより、プロピレン・エチレンブロック共重合体を含むシーラントフィルム33の機械特性を調整することができる。

0062

プロピレン・エチレンブロック共重合体において、ポリプロピレンからなる海成分の質量比率は、エチレン・プロピレン共重合ゴム成分からなる島成分の質量比率よりも高い。例えば、プロピレン・エチレンブロック共重合体において、ポリプロピレンからなる海成分の質量比率は、少なくとも51質量%以上であり、好ましくは60質量%以上であり、更に好ましくは70質量%以上である。

0063

単層のシーラントフィルム33は、プロピレン・エチレンブロック共重合体からなる第1の熱可塑性樹脂に加えて、第2の熱可塑性樹脂を更に含む。第2の熱可塑性樹脂としては、α−オレフィン共重合体、ポリエチレンなどを挙げることができる。α−オレフィン共重合体は、例えば直鎖状低密度ポリエチレンである。ポリエチレンの例としては、低密度ポリエチレン中密度ポリエチレン高密度ポリエチレンを挙げることができる。第2の熱可塑性樹脂は、シーラントフィルム33の耐衝撃性を高めることに寄与し得る。

0064

低密度ポリエチレンとは、密度が0.910g/cm3以上0.925g/cm3以下のポリエチレンである。中密度ポリエチレンは、密度が0.926g/cm3以上0.940g/cm3以下のポリエチレンである。高密度ポリエチレンとは、密度が0.941g/cm3以上0.965g/cm3以下のポリエチレンである。低密度ポリエチレンは、例えば、1000気圧以上2000気圧未満高圧でエチレンを重合することにより得られる。中密度ポリエチレン及び高密度ポリエチレンは、例えば、1気圧以上1000気圧未満の中圧又は低圧でエチレンを重合することにより得られる。

0065

なお、中密度ポリエチレン及び高密度ポリエチレンは、エチレンとα−オレフィンとの共重合体を部分的に含んでいてもよい。また、中圧又は低圧でエチレンを重合する場合であっても、エチレンとα−オレフィンとの共重合体を含む場合は、中密度又は低密度のポリエチレンが生成され得る。このようなポリエチレンが、上述の直鎖状低密度ポリエチレンと称される。直鎖状低密度ポリエチレンは、中圧又は低圧でエチレンを重合することにより得られる直鎖状ポリマーにα−オレフィンを共重合させて短鎖分岐を導入することによって得られる。α−オレフィンの例としては、1−ブテン(C4)、1−ヘキセン(C6)、4−メチルペンテン(C6)、1−オクテン(C8)などを挙げることができる。直鎖状低密度ポリエチレンの密度は、例えば0.915g/cm3以上0.945g/cm3以下である。

0066

なお、プロピレン・エチレンブロック共重合体の第2の熱可塑性樹脂を構成するα−オレフィン共重合体は、上述の直鎖状低密度ポリエチレンには限られない。α−オレフィン共重合体とは、下記の式(4)に示される構造式を有する材料を意味する。

0067

R1、R2はいずれも、H(水素原子)、またはCH3、C2H5などのアルキル基である。また、jおよびkはいずれも、1以上の整数である。また、jはkよりも大きい。すなわち、式(4)に示すα−オレフィン共重合体においては、R1を含む左側の構造がベースとなる。R1は例えばHであり、R2は例えばC2H5である。

0068

シーラントフィルム33において、プロピレン・エチレンブロック共重合体からなる第1の熱可塑性樹脂の質量比率は、α−オレフィン共重合体又はポリエチレンを少なくとも含む第2の熱可塑性樹脂の質量比率よりも高い。例えば、単層のシーラントフィルム33において、プロピレン・エチレンブロック共重合体からなる第1の熱可塑性樹脂の質量比率は、少なくとも51質量%以上であり、好ましくは60質量%以上であり、更に好ましくは70質量%以上である。

0069

上述のように、第2の熱可塑性樹脂は、シーラントフィルム33の耐衝撃性を高めることに寄与し得る。従って、単層のシーラントフィルム33における、α−オレフィン共重合体又はポリエチレンを少なくとも含む第2の熱可塑性樹脂の質量比率を調整することにより、シーラントフィルム33の機械特性を調整することができる。

0070

また、シーラントフィルム33は、熱可塑性エラストマー等のエラストマーを更に含んでいてもよい。熱可塑性エラストマーを用いることにより、シーラントフィルム33の耐衝撃性や耐突き刺し性を更に高めることができる。

0071

熱可塑性エラストマーは、例えば水添スチレン系熱可塑性エラストマーである。水添スチレン系熱可塑性エラストマーは、少なくとも1個のビニル芳香族化合物主体とする重合体ブロックAと少なくとも1個の水素添加された共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBからなる構造を有する。また、熱可塑性エラストマーは、エチレン・α−オレフィンエラストマーであってもよい。エチレン・α−オレフィンエラストマーは、低結晶性もしくは非晶性共重合体エラストマーであり、主成分としての50〜90質量%のエチレンと共重合モノマーとしてのα−オレフィンとのランダム共重合体である。

0072

シーラントフィルム33におけるプロピレン・エチレンブロック共重合体の含有率は、例えば80質量%以上であり、好ましくは90質量%以上である。

0073

プロピレン・エチレンブロック共重合体の製造方法としては、触媒を用いて原料であるプロピレンやエチレンなどを重合させる方法が挙げられる。触媒としては、チーグラー・ナッタ型やメタロセン触媒などを用いることができる。

0074

シーラントフィルム33の厚みは、好ましくは30μm以上であり、より好ましくは40μm以上である。また、シーラントフィルム33の厚みは、好ましくは100μm以下であり、より好ましくは80μm以下である。

0075

プロピレン・エチレンブロック共重合体を含む単層のシーラントフィルム33としては、後述するZK500のような、高い引張伸度を有し、耐衝撃性を備えるタイプがある。このタイプのシーラントフィルム33は、好ましくは、熱間シール強度が低いという特性も更に備える。これにより、パウチ10の加熱時に収容空間10Aの内圧が過大になることを抑制することができる。

0076

流れ方向(MD)におけるシーラントフィルム33の、25℃の環境下で1分間保持した後25℃の環境下で測定した引張伸度(%)は、好ましくは800%以上であり、より好ましくは900%以上であり、1000%以上、または1100%以上であってもよい。また、流れ方向(MD)におけるシーラントフィルム33の引張伸度(%)とシーラントフィルム33の厚み(μm)の積は、好ましくは50000を超え、より好ましくは55000以上であり、または60000以上であってもよい。

0077

幅方向(TD)におけるシーラントフィルム33の、25℃の環境下で1分間保持した後25℃の環境下で測定した引張伸度は、好ましくは1050%以上であり、より好ましくは1100%以下である。また、幅方向(TD)におけるシーラントフィルムの引張伸度(%)とシーラントフィルムの厚み(μm)の積は、好ましくは55000を超え、より好ましくは60000以上である。シーラントフィルム33が高い引張伸度を有することにより、落下時の衝撃などによりパウチ10が破袋してしまうことを抑制することができる。

0078

流れ方向(MD)におけるシーラントフィルム33の、25℃の環境下で1分間保持した後25℃の環境下で測定した引張弾性率は、好ましくは670MPa以下であり、より好ましくは650MPa以下である。また、流れ方向(MD)におけるシーラントフィルム33の引張弾性率(MPa)とシーラントフィルム33の厚み(μm)の積は、好ましくは35000未満であり、より好ましくは34000以下である。

0079

幅方向(TD)におけるシーラントフィルム33の、25℃の環境下で1分間保持した後25℃の環境下で測定した引張弾性率は、好ましくは550MPa以下であり、より好ましくは500MPa以下である。また、幅方向(TD)におけるシーラントフィルム33の引張弾性率(MPa)とシーラントフィルム33の厚み(μm)の積は、好ましくは28000未満であり、より好ましくは25000以下である。

0080

シーラントフィルム33の引張弾性率は、シーラントフィルム33の引張伸度と同様の測定方法および同様の測定条件で、測定するものとする。

0081

<印刷層>
印刷層34は、内容物や包装製品の情報を付与したり、またはパウチに美観を付与したりするための層であり、例えば、色材およびバインダ樹脂を含む。印刷層34を形成することにより、パウチ10に絵柄を形成することができる。本明細書における「絵柄」とは、特に限定されず、例えば、図、文字模様パターン記号、柄、マーク等を広く含む。グラビア印刷用インキとしては、DICグラフィックス株式会社製のフィナートを用いることができる。

0082

印刷層34は、その他、任意の添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、滑剤ブロッキング防止剤充填剤硬化剤顔料分散剤消泡剤レベリング剤ワックスシランカップリング剤防腐剤酸化防止剤紫外線吸収剤防錆剤可塑剤難燃剤顕色剤等が挙げられる。これらの添加剤は、特に印刷適正、印刷効果等の改善を目的に使用され、その種類、使用量は、印刷方法印刷基材印刷条件により適宜選択できる。印刷層34は、第1の二軸延伸プラスチックフィルム31にグラビア印刷等の印刷法により形成することができる。

0083

(色材)
色材は、特に限定されず、公知の顔料染料を用いることができ、所望の色に合わせて適宜選択する。

0085

<第1接着剤層>
第1接着剤層35は、第1の二軸延伸プラスチックフィルム31と第2の二軸延伸プラスチックフィルム32とをドライラミネート法により接着するための接着剤を含む。

0086

第1接着剤層35を構成する接着剤は、主剤及び溶剤を含む第1組成物と、硬化剤及び溶剤を含む第2組成物とを混合して作製した接着剤組成物から生成される。具体的には、接着剤は、接着剤組成物中の主剤と溶剤とが反応して生成された硬化物を含む。

0087

接着剤の例としては、ポリウレタンなどを挙げることができる。ポリウレタンは、主剤としてのポリオールと、硬化剤としてのイソシアネート化合物とが反応することにより生成されるポリオールとイソシアネート化合物との硬化物である。ポリウレタンの例としては、ポリエーテルポリウレタンポリエステルポリウレタンなどを挙げることができる。ポリエーテルポリウレタンは、主剤としてのポリエーテルポリオールと、硬化剤としてのイソシアネート化合物とが反応することにより生成される硬化物である。ポリエステルポリウレタンは、主剤としてのポリエステルポリオールと、硬化剤としてのイソシアネート化合物とが反応することにより生成される硬化物である。

0088

イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートMDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)などの芳香族系イソシアネート化合物ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)などの脂肪族系イソシアネート化合物、あるいは、上記各種イソシアネート化合物の付加体または多量体を用いることができる。

0089

第1接着剤層35の厚みは、好ましくは2μm以上であり、より好ましくは3μm以上である。また、第1接着剤層35の厚みは、好ましくは6μm以下であり、より好ましくは5μm以下である。

0090

<第2接着剤層>
第2接着剤層36は、第2の二軸延伸プラスチックフィルム32とシーラントフィルム33とをドライラミネート法により接着するための接着剤を含む。第2接着剤層36の接着剤の例としては、第1接着剤層35の場合と同様に、ポリウレタンなどを挙げることができる。以下に説明する構成、材料や特性以外にも、第2接着剤層36の構成、材料や特性として、第1接着剤層35と同様のものを採用することができる。

0091

第2接着剤層36の厚みは、好ましくは2μm以上であり、より好ましくは3μm以上である。また、第2接着剤層36の厚みは、好ましくは6μm以下であり、より好ましくは5μm以下である。

0092

ところで、接着剤の硬化剤を構成するイソシアネート化合物としては、上述のように、芳香族系イソシアネート化合物及び脂肪族系イソシアネート化合物が存在する。このうち芳香族系イソシアネート化合物は、加熱殺菌などの高温環境下において、食品用途で使用できない成分が溶出する。ところで、第2接着剤層36は、シーラントフィルム33に接している。このため、第2接着剤層36が芳香族系イソシアネート化合物を含む場合、芳香族系イソシアネート化合物から溶出された成分が、シーラントフィルム33に接する収容空間10Aに収容されている内容物に付着することがある。このような課題を考慮し、好ましくは、第2接着剤層36を構成する接着剤として、主剤としてのポリオールと、硬化剤としての脂肪族系イソシアネート化合物とが反応することにより生成される硬化物を用いる。これにより、第2接着剤層36に起因する、食品用途で使用できない成分が、内容物に付着することを防止することができる。

0093

<透明蒸着層>
透明蒸着層は、第1の二軸延伸プラスチックフィルム31または第2の二軸延伸プラスチックフィルム32の面上に形成されている。

0094

透明蒸着層は、酸素ガスおよび水蒸気などの透過を阻止するガスバリア性の機能を有する層として機能する。なお、透明蒸着層は二層以上設けられてもよい。透明蒸着層を二層以上有する場合、それぞれが、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。透明蒸着層の形成方法としては、例えば、真空蒸着法スパッタリング法、およびイオンプレティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)、あるいは、プラズマ化学気相成長法熱化学気相成長法、および光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等を挙げることができる。具体的には、ローラー式蒸着膜成膜装置を用いて、成膜ローラー上において蒸着層を形成することができる。

0095

透明蒸着層は、透明性を有する無機材料から構成されている。無機材料の例としては、金属酸化物無機酸化物を挙げることができる。金属酸化物としては、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の金属の酸化物が挙げられる。無機酸化物としては、ケイ素(Si)の酸化物が挙げられる。透明蒸着層を構成する無機材料としては、アルミニウム酸化物酸化アルミニウム)またはケイ素酸化物が好ましい。

0096

透明蒸着層の厚みは、好ましくは、40Å以上130Å以下、より好ましくは、50Å以上120Å以下である。

0097

<透明ガスバリア性塗布膜>
透明ガスバリア性塗布膜は、透明性を有し、透明蒸着層の面上に形成されている。透明ガスバリア性塗布膜は、酸素ガスおよび水蒸気などの透過を抑制する層として機能する層である。透明ガスバリア性塗布膜は、一般式R3nM(OR4)m(ただし、式中、R3、R4は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも一種以上のアルコキシドと、上記のようなポリビニルアルコ−ル系樹脂および/またはエチレン・ビニルアルコ−ル共重合体とを含有し、さらに、ゾルゲル法触媒、酸、水、および、有機溶剤の存在下に、ゾルゲル法によって重縮合する透明ガスバリア性組成物により得られる。

0098

上記の一般式R3nM(OR4)mで表されるアルコキシドとしては、アルコキシドの部分加水分解物、アルコキシドの加水分解縮合物の少なくとも一種以上を使用することができる。また、上記のアルコキシドの部分加水分解物としては、アルコキシ基のすべてが加水分解されている必要はなく、1個以上が加水分解されているもの、および、その混合物であってもよい。アルコキシドの加水分解の縮合物としては、部分加水分解アルコキシドの2量体以上のもの、具体的には、2〜6量体のものを使用される。

0099

上記の一般式R3nM(OR4)mで表されるアルコキシドにおいて、Mで表される金属原子としては、ケイ素、ジルコニウム、チタン、アルミニウム、その他などを使用することができる。本実施形態において、好ましい金属としては、例えば、ケイ素、チタンなどを挙げることができる。また、本実施の形態において、アルコキシドの用い方としては、単独または二種以上の異なる金属原子のアルコキシドを同一溶液中に混合して使うこともできる。

0100

また、上記の一般式R3nM(OR4)mで表されるアルコキシドにおいて、R3で表される有機基の具体例としては、例えば、メチル基エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、その他などのアルキル基を挙げることができる。また、上記の一般式R3nM(OR4)mで表されるアルコキシドにおいて、R4で表される有機基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、その他などを挙げることができる。なお、同一分子中にこれらのアルキル基は同一であっても、異なってもよい。

0101

上記のガスバリア性組成物を調製する際、例えば、シランカップリング剤などを添加してもよい。上記のシランカップリング剤としては、既知有機反応性基含有オルガノアルコキシシランを用いることができる。本実施形態においては、特に、エポキシ基を有するオルガノアルコキシシランが好適に用いられ、具体的には、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン等を使用することができる。上記のようなシランカップリング剤は、一種または二種以上を混合して用いてもよい。

0102

包装材料30の具体例としては、例えば以下の包装材料が挙げられる。なお、「/」は、層を列記する場合に、層と層との境界を示す表記として用いている。層については、パウチの外側から内側に向かって記載するものとする。すなわち最も右側に記載された層がシーラントフィルムである。
二軸延伸PETフィルム/印刷層/接着剤層/二軸延伸ナイロンフィルム/接着剤層/シーラントフィルム
二軸延伸PETフィルム/透明蒸着層/透明ガスバリア性塗布膜/印刷層/接着剤層/二軸延伸ナイロンフィルム/接着剤層/シーラントフィルム

0103

本実施形態によれば、25℃の環境下で測定したときの一方向(例えば、流れ方向(MD))の包装材料30の破断強度が83.0MPa以上であるので、破断強度が高い。これにより、パウチ10の機械的強度を向上させることができ、パウチ10が落下したときの破袋を抑制することができる。

0104

本実施形態によれば、25℃の環境下で測定したときの包装材料30の突き刺し強度が、16.0N以上であるので、突き刺し強度が高く、これによりピンホールの発生を抑制できる。

0105

本実施形態によれば、パウチ10のインパクト強度が、900kJ/m2以上となっているので、インパクト強度が高い。これにより、耐落下衝撃性に優れたパウチ10を得ることができる。

0106

本発明を詳細に説明するために、以下に実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの記載に限定されない。

0107

<実施例1>
まず、第1の二軸延伸プラスチックフィルムとして、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(製品名「E5100」、東洋紡株式会社製)を準備した。続いて、このフィルムに印刷層を形成した。印刷層の厚みは1.0μmであった。また、第2の二軸延伸プラスチックフィルムとして、厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(製品名「ボニールQC」、興人フィルム&ケミカルズ株式会社)を準備した。また、シーラントフィルムとして、厚さ60μmの未延伸ポリプロピレンフィルム(製品名「ZK500」、東レフィルム加工株式会社製)を準備した。ZK500は、上述のプロピレン・エチレンブロック共重合体およびエラストマーを含むものであった。

0108

ZK500は、一般的な未延伸ポリプロピレンフィルムに比べて高い引張伸度を有する。具体的には、流れ方向(MD)におけるZK500の引張伸度は、厚みが50μmの場合に1180%であり、厚みが60μmの場合に1100%である。したがって、流れ方向におけるZK500の引張伸度(%)と厚み(μm)の積は、厚みが50μmの場合に59000であり、厚みが60μmの場合に66000である。また、幅方向(TD)におけるZK500の引張伸度は、厚みが50μmの場合に1240%であり、厚みが60μmの場合に1150%である。したがって、幅方向におけるZK500の引張伸度(%)と厚み(μm)の積は、厚みが50μmの場合に62000であり、厚みが60μmの場合に69000である。

0109

続いて、ドライラミネート法により、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、印刷層、第1接着剤層、二軸延伸ナイロンフィルム、第2接着剤層、および未延伸ポリプロピレンフィルムを順に積層し、包装材料を作製した。第1接着剤層および第2接着剤層としては、ロックペイント株式会社製の2液型ポリウレタン系接着剤(主剤:RU−40、硬化剤:H−4)を用いた。なお、主剤のRU−40は、ポリエステルポリオールである。第1接着剤層および第2接着剤層の厚さは、3.0μmであった。

0110

そして、上記で作製した包装材料3枚を用いて、200mlの水を充填の上、図1に示すスタンディングパウチを作製した。具体的には、まず、底面となる包装材料においては、シーラントフィルムである未延伸ポリプロピレンフィルムが外側となるように2つ折りにして、折線を介して連設された第1部分および第2部分を形成しておき、また2つ折りの状態で、裁断後にパウチとしたとき底面の横方向の両縁部の下端近傍となる箇所を直径10mmの円状に打ち抜き、貫通孔を形成した。

0111

そして、おもて面フィルムとなる包装材料および裏面フィルムとなる包装材料の間の所定の位置に2つ折りにした底面フィルムとなる包装材料を配置して、以下の条件で熱融着して、第1側部シール部、第2側部シール部、第1底部シール部、および第2底部シール部を形成した。これにより、上部が開口したパウチが得られた。なお、貫通孔の部分においては、2つ折りにした底面フィルムとなる包装材料が存在しないので、おもて面フィルムとなる包装材料および裏面フィルムとなる包装材料が直接融着して、補助底部シール部が形成された。
(熱融着条件)
熱融着装置ヒートシーラーTP−701−A(テスター産業社株式会社製)
熱融着温度:220℃
・熱融着圧力:0.1MPa
・熱融着時間:1秒間

0112

その後、パウチに対して開口から水200mlを充填した後、上記熱融着条件と同様の条件で熱融着して上部シール部を形成し、パウチを密封した。その後、パウチに対して以下の条件でレトルト処理を行って、レトルト処理が施された実施例1に係る包装材料およびパウチを作製した。実施例1においては、包装材料の流れ方向(MD)がパウチのX方向DRXに該当し、包装材料の幅方向(TD)がパウチのY方向DRYに該当している。
(レトルト処理)
・方式:スプレー式
レトルト温度:121℃
レトルト時間:30分

0113

作製されたパウチにおいては、パウチの高さHが160mm、パウチの幅W1が147mm、部ガセット部の折込部の幅W2が46mm、第1側部シール部および第2側部シール部の幅W3が7.0mm、上部シール部の幅W4が10.0mmであった。

0114

<実施例2>
厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(製品名「E5100」、東洋紡株式会社製)の代わりに、第1の二軸延伸プラスチックフィルムとして、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(製品名「FE2001」、フタムラ化学株式会社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、包装材料を作製した。そして、この包装材料3枚を用いて、実施例1と同様にして、実施例2に係るパウチを作製した。実施例2においては、包装材料の流れ方向(MD)がパウチのX方向DRXに該当し、包装材料の幅方向(TD)がパウチのY方向DRYに該当している。

0115

<実施例3>
厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(製品名「ボニールQC」、興人フィルム&ケミカルズ株式会社)の代わりに、第2の二軸延伸プラスチックフィルムとして、厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(製品名「ユニロンG−101」、出光ユニテック株式会社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、包装材料を作製した。そして、この包装材料3枚を用いて、実施例1と同様にして、実施例3に係るパウチを作製した。実施例3においては、包装材料の流れ方向(MD)がパウチのX方向DRXに該当し、包装材料の幅方向(TD)がパウチのY方向DRYに該当している。

0116

<比較例1>
比較例1においては、厚さ60μmの未延伸ポリプロピレンフィルム(製品名「ZK500」、東レフィルム加工株式会社製)の代わりに、シーラントフィルムとして、厚さ60μmの未延伸ポリプロピレンフィルム(製品名「ZK99S」、東レフィルム加工株式会社)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、包装材料を作製した。そして、この包装材料3枚を用いて、実施例1と同様にして、比較例1に係るパウチを作製した。比較例1においては、包装材料の流れ方向(MD)がパウチのX方向DRXに該当し、包装材料の幅方向(TD)がパウチのY方向DRYに該当している。

0117

破断強度測定
実施例1〜3および比較例1に係るレトルト処理後のパウチを構成する包装材料の破断強度を測定した。なお、破断強度の測定は、後述する試験片の長さ以外については、JIS K7127に準拠して行われた。図4に示すように、各パウチのおもて面から、シール部を含まないようにして、一辺L1が15mm、一辺L1と直交する方向に延びる他辺L2が100mmの長方形状の試験片S1を5個切り出した。試験片S1は、他辺L2がX方向(第1側部シール部が延びる方向と直交する方向)と平行になるように切り出した。続いて、図5に示すように、各パウチの裏面から、シール部を含まないようにして、一辺L1が15mm、一辺L1と直交する方向に延びる他辺L2が100mmの長方形状の試験片S2を5個切り出した。試験片S2は、他辺L2がY方向(第1側部シール部が延びる方向と平行な方向)と平行になるように切り出した。そして、テンシロン万能材料試験機RTC−1310A(株式会社エー・アンド・デイ製)を用いて、温度25℃、相対湿度50%の環境下に各試験片S1を1分間保持した後に、温度25℃、相対湿度50%の環境下で初期把持具間距離D1が50mmとなり、かつ引張速度が300mm/分となるように引張試験を行い、試験片S1の破断強度を測定した。5個の試験片S1について、破断強度を測定し、その平均値を包装材料のX方向の破断強度とした。また、同様にして、試験片S2の破断強度を測定した。5個の試験片S2について、破断強度を測定し、その平均値を包装材料のY方向の破断強度とした。

0118

<突き刺し強度>
実施例1〜3および比較例1に係るレトルト処理後のパウチを構成する包装材料の突き刺し強度をJIS K1707:1999 7.4に準拠して測定した。まず、実施例1〜3および比較例1に係るレトルト処理後のパウチについて、それぞれ3つ準備した。1つのパウチについて、図7に示すようにおもて面から、シール部を含まないようにして、一辺L3が75mm、一辺L3と直交する方向に延びる他辺L4が75mmの正方形状の試験片S3を1個切り出すとともに、図8に示すように裏面から、シール部を含まないようにして、一辺L3が75mm、一辺L3と直交する方向に延びる他辺L4が75mmの正方形状の試験片S3を1個切り出した。残り2つのパウチについても、同様にして試験片S3を切り出し、合計6個の試験片S3を準備した。試験片S3は、一辺L3がY方向(第1側部シール部が延びる方向と平行な方向)と平行になるように切り出した。そして、テンシロン万能材料試験機RTC−1310A(株式会社エー・アンド・デイ製)を用いて、温度25℃、相対湿度50%の環境下に各試験片を1分間保持した後に、温度25℃、相対湿度50%の環境下で、試験片に対して、包装材料の外面(二軸延伸PETフィルム)側から、直径1.0mm、先端形状半径0.5mmの半円形の針を、50mm/分の速度で突き刺し、針が試験片を貫通するまでの応力の最大値を測定した。6個の試験片のうち5個について、応力の最大値を測定し、その平均値を包装材料の突き刺し強度とした。

0119

<インパクト強度>
実施例1〜3および比較例1に係るレトルト処理後のパウチのインパクト強度を測定した。まず、実施例1〜3および比較例1に係るレトルト処理後のパウチを1つ準備した。各パウチについて、第1側部シール部または第2側部シール部を含み、おもて面フィルムと裏面フィルムが接合された状態の一辺L5が15mm、一辺L5と直交する方向に延びる他辺L6が50mmの長方形状の試験片S4を5個切り出した。具体的には、図10に示すように、第1側部シール部を含むように3個、第2側部シール部を含むように2個の試験片S4を切り出した。試験片S4は、他辺L6がX方向(第1側部シール部が延びる方向と直交する方向)と平行になるように切り出した。続いて、試験片S4における一方の包装材料のシールされていない部分と他方の包装材料のシールされていない部分をシール部の面方向に対して直交する方向において互いに逆向きになるように、すなわちT字状になるようにした後、一方の包装材料のシールされていない部分の端部と他方の包装材料のシールされていない部分の端部をそれぞれ把持具に固定した。このとき、シール部の面方向に対して直交する方向における初期把持具間の距離D2は40mmとした。続いて、冷凍機付衝撃試験機(株式会社東洋精機製作所製)を用いて、温度25℃、相対湿度50%の環境下に試験片S4を1分間保持した後に、温度25℃、相対湿度50%の環境下で、一方の把持具に対して、試験片S4における一方の包装材料の外面(二軸延伸PETフィルム)側からハンマーで叩いて、試験片S4における一方の包装材料と他方の包装材料とが分離する際の衝撃強度を、テンサイル試験法によって測定した。試験片S4に衝撃を加えるためのハンマーとしては、2Jのものを用い、ハンマーの速度は2.9m/秒とした。5個の試験片について、インパクト強度を測定し、その平均値をパウチのインパクト強度とした。

0120

落下試験
実施例1〜3および比較例1に係るレトルト処理後のパウチに対して落下試験を行った。落下試験は、冷蔵保存されたパウチと常温保存されたパウチについてそれぞれ行った。冷蔵保存されたパウチとしては、3℃の環境下で1週間保存したものを用い、常温保存されたパウチとしては、25℃の環境下で1週間保存したものを用いた。そして、冷蔵保存されたパウチおよび常温保存されたパウチについて以下の落下試験を行った。

0121

まず、パウチが水平方向を向くようにして(パウチの裏面が下側を向くようにして)、高さ120cmの位置からパウチを落下させる水平落下試験を行った。この水平落下試験は連続で10回行われた。次に、パウチが垂直方向を向くようにして(パウチのガセット部が下側を向くようにして)、高さ120cmの位置から落下させる垂直落下試験を行った。この垂直落下試験は連続で10回行われた。水平落下試験開始から垂直落下試験終了までの作業に要する時間を約2分であった。水平落下試験を10回、垂直落下試験を10回行い、パウチが破袋しなかった場合を「OK」とした。この作業をパウチ10袋について行い、「OK」であったパウチの数をカウントし、パウチ10袋に対して「OK」であったパウチの数を求めた。なお、表1の落下試験の結果は、分母が落下試験を行ったパウチの数であり、分子が落下試験でOKであったパウチの数である。

0122

以下、包装材料の構成および評価結果を表1に示す。

0123

以下、結果について述べる。表1に示されるように、実施例1〜3に係るパウチを構成する包装材料は、比較例1に係るパウチを構成する包装材料に比べて、破断強度が高いため、パウチの機械的強度を高めることができる。また、実施例1〜3に係るパウチを構成する包装材料は、比較例1に係るパウチを構成する包装材料に比べて、突き刺し強度が高いため、ピンホールの発生を抑制することができる。

実施例

0124

また、比較例1に係るパウチはインパクト強度が低かったので、耐落下衝撃性に劣っていた。これに対し、実施例1〜3に係るパウチはインパクト強度が高いため、耐落下衝撃性に優れていた。

0125

10…パウチ
10A…収容空間
11…おもて面フィルム
12…裏面フィルム
13…底面フィルム
15…シール部
30…包装材料
31…第1の二軸延伸プラスチックフィルム
32…第2の二軸延伸プラスチックフィルム
33…シーラントフィルム

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