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図面 (17)

課題

バッテリの性能低下を抑制する。

解決手段

車載温調装置1は第1熱回路3と冷凍回路2とを備える。第1熱回路はバッテリと熱交換するバッテリ熱交換部35と第1熱交換部27とを有すると共に、第1熱媒体循環するように構成される。冷凍回路は、冷媒圧縮して昇温する圧縮部21と、冷媒から熱を放熱させる第2熱交換部22と、冷媒を膨張させる膨張部25と、第1熱媒体から冷媒に吸熱させて冷媒を蒸発させる第1熱交換部とを有すると共に冷凍サイクルを実現するように構成される。第1熱回路は、バッテリ熱交換部をバイパスするバイパス流路3dと、バイパス流路を流通する第1熱媒体の流量を調整する調整装置33とを備える。調整装置は、バッテリの温度が相対的に低いときには相対的に高いときに比べて、バイパス流路に流通する前記第1熱媒体の流量比率が多くなるように制御される。

概要

背景

従来から、冷媒循環することで冷凍サイクルを実現するように構成された冷凍回路と、バッテリ熱交換するバッテリ熱交換部を有すると共に冷却水が循環するように構成された低温回路とを備えた車載温調装置が提案されている(例えば、特許文献1)。斯かる車載温調装置では、冷凍回路と低温回路とが一つの熱交換部を共有し、この熱交換部は低温回路の冷却水から冷媒へ吸熱を行って、冷凍回路の冷媒を蒸発させる。この結果、この熱交換部により、低温回路内の冷却水が冷却され、この冷却された冷却水によってバッテリ熱交換部を介してバッテリが冷却される。

また、特許文献1に記載の車載温調装置では、外部に熱を放熱して冷媒を凝縮させる凝縮部が冷凍回路に設けられ、このようにして放熱された熱は車載温調装置を搭載する車両の室内を暖房するのに用いられる。

概要

バッテリの性能低下を抑制する。車載温調装置1は第1熱回路3と冷凍回路2とを備える。第1熱回路はバッテリと熱交換するバッテリ熱交換部35と第1熱交換部27とを有すると共に、第1熱媒体が循環するように構成される。冷凍回路は、冷媒を圧縮して昇温する圧縮部21と、冷媒から熱を放熱させる第2熱交換部22と、冷媒を膨張させる膨張部25と、第1熱媒体から冷媒に吸熱させて冷媒を蒸発させる第1熱交換部とを有すると共に冷凍サイクルを実現するように構成される。第1熱回路は、バッテリ熱交換部をバイパスするバイパス流路3dと、バイパス流路を流通する第1熱媒体の流量を調整する調整装置33とを備える。調整装置は、バッテリの温度が相対的に低いときには相対的に高いときに比べて、バイパス流路に流通する前記第1熱媒体の流量比率が多くなるように制御される。

目的

上記課題に鑑みて、本開示の目的は、暖房を行うと低温回路の熱媒体の温度が低下する車載温調装置において、バッテリの性能低下を抑制することにある

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

バッテリ熱交換するバッテリ熱交換部と第1熱交換部とを有すると共に、これらを通って第1熱媒体循環するように構成された第1熱回路と、冷媒圧縮して昇温する圧縮部と、該冷媒から該冷媒及び前記第1熱媒体以外に熱を放熱させて該冷媒を凝縮させる第2熱交換部と、該冷媒を膨張させる膨張部と、前記第1熱媒体から前記冷媒に吸熱させて該冷媒を蒸発させる前記第1熱交換部とを有すると共に、これらを通って冷媒が循環することで冷凍サイクルを実現するように構成された冷凍回路と、を備え、前記第1熱回路は、前記バッテリ熱交換部をバイパスするバイパス流路と、該バイパス流路を流通する前記第1熱媒体の流量を調整する調整装置とを備え、前記調整装置は、前記バッテリの温度が相対的に低いときには相対的に高いときに比べて、前記バイパス流路に流通する前記第1熱媒体の流量比率が多くなるように制御される、車載温調装置

請求項2

車室内暖房を行うヒータコアを備えると共に該ヒータコアを通って第2熱媒体が循環するように構成された第2熱回路を更に備え、前記第2熱交換部は、前記冷媒から前記第2熱媒体へ熱を移動させるように前記冷媒と前記第2熱媒体との間で熱交換を行う、請求項1に記載の車載温調装置。

請求項3

前記調整装置は、前記バッテリの温度が予め定められた基準温度以下であるときには前記第1熱媒体を全て前記バイパス流路に流通させると共に、前記基準温度よりも高いときには前記第1熱媒体を前記バッテリ熱交換部に流通させるように構成される、請求項1又は2に記載の車載温調装置。

請求項4

前記調整装置は、前記バッテリの温度が前記基準温度よりも低い下限温度よりも低い場合、前記バッテリの温度が前記第1熱媒体の温度よりも低いときには、前記第1熱媒体を前記バッテリ熱交換部に流通させるように構成される、請求項3に記載の車載温調装置。

請求項5

前記調整装置は、前記バッテリの温度が前記基準温度よりも高い場合、前記バッテリの温度が前記第1熱媒体の温度以上であるときには、前記第1熱媒体を前記バイパス流路に流通させるように構成される、請求項3又は4に記載の車載温調装置。

技術分野

0001

本開示は、車載温調装置に関する。

背景技術

0002

従来から、冷媒循環することで冷凍サイクルを実現するように構成された冷凍回路と、バッテリ熱交換するバッテリ熱交換部を有すると共に冷却水が循環するように構成された低温回路とを備えた車載温調装置が提案されている(例えば、特許文献1)。斯かる車載温調装置では、冷凍回路と低温回路とが一つの熱交換部を共有し、この熱交換部は低温回路の冷却水から冷媒へ吸熱を行って、冷凍回路の冷媒を蒸発させる。この結果、この熱交換部により、低温回路内の冷却水が冷却され、この冷却された冷却水によってバッテリ熱交換部を介してバッテリが冷却される。

0003

また、特許文献1に記載の車載温調装置では、外部に熱を放熱して冷媒を凝縮させる凝縮部が冷凍回路に設けられ、このようにして放熱された熱は車載温調装置を搭載する車両の室内を暖房するのに用いられる。

先行技術

0004

特開2015−186989号公報

発明が解決しようとする課題

0005

ところで、特許文献1に記載の車載温調装置では、車室を暖房するためには、冷凍回路内で冷媒を循環させることが必要であり、その結果、低温回路の冷却水は冷却される。加えて、特許文献1に記載の車載温調装置では、低温回路は、循環する冷却水が必ずバッテリを通って流れるように構成されている。このため、斯かる車載温調装置では、車室を暖房するときには、バッテリが冷却されることになる。

0006

ところが、ほとんどのバッテリでは、その温度が一定温度以下に低下すると、内部抵抗が増大して、容量の低下や出力電圧の低下といった性能低下が生じる。上述したような車載温調装置では、継続的に暖房が行われると、バッテリは上記一定温度以下にまで低下してしまい、その性能低下が生じてしまう。

0007

上記課題に鑑みて、本開示の目的は、暖房を行うと低温回路の熱媒体の温度が低下する車載温調装置において、バッテリの性能低下を抑制することにある。

課題を解決するための手段

0008

本開示の要旨は以下のとおりである。

0009

(1)バッテリと熱交換するバッテリ熱交換部と第1熱交換部とを有すると共に、これらを通って第1熱媒体が循環するように構成された第1熱回路と、冷媒を圧縮して昇温する圧縮部と、該冷媒から該冷媒及び前記第1熱媒体以外に熱を放熱させて該冷媒を凝縮させる第2熱交換部と、該冷媒を膨張させる膨張部と、前記第1熱媒体から前記冷媒に吸熱させて該冷媒を蒸発させる前記第1熱交換部とを有すると共に、これらを通って冷媒が循環することで冷凍サイクルを実現するように構成された冷凍回路と、を備え、前記第1熱回路は、前記バッテリ熱交換部をバイパスするバイパス流路と、該バイパス流路を流通する前記第1熱媒体の流量を調整する調整装置とを備え、前記調整装置は、前記バッテリの温度が相対的に低いときには相対的に高いときに比べて、前記バイパス流路に流通する前記第1熱媒体の流量比率が多くなるように制御される、車載温調装置。

0010

(2)車室内の暖房を行うヒータコアを備えると共に該ヒータコアを通って第2熱媒体が循環するように構成された第2熱回路を更に備え、前記第2熱交換部は、前記冷媒から前記第2熱媒体へ熱を移動させるように前記冷媒と前記第2熱媒体との間で熱交換を行う、上記(1)に記載の車載温調装置。

0011

(3)前記調整装置は、前記バッテリの温度が予め定められた基準温度以下であるときには前記第1熱媒体を全て前記バイパス流路に流通させると共に、前記基準温度よりも高いときには前記第1熱媒体を前記バッテリ熱交換部に流通させるように構成される、上記(1)又は(2)に記載の車載温調装置。

0012

(4)前記調整装置は、前記バッテリの温度が前記基準温度よりも低い下限温度よりも低い場合、前記バッテリの温度が前記第1熱媒体の温度よりも低いときには、前記第1熱媒体を前記バッテリ熱交換部に流通させるように構成される、上記(3)に記載の車載温調装置。

0013

(5)前記調整装置は、前記バッテリの温度が前記基準温度よりも高い場合、前記バッテリの温度が前記第1熱媒体の温度以上であるときには、前記第1熱媒体を前記バイパス流路に流通させるように構成される、上記(3)又は(4)に記載の車載温調装置。

発明の効果

0014

本開示によれば、暖房を行うと低温回路の熱媒体の温度が低下する車載温調装置において、バッテリの性能低下が抑制される。

図面の簡単な説明

0015

図1は、車載温調装置を概略的に示す構成図である。
図2は、車載温調装置を搭載した車両の空調用空気通路を概略的に示す構成図である。
図3は、車載温調装置を搭載した車両を概略的に示す図である。
図4は、第1停止モードにて車載温調装置が作動している場合の作動状態を示している。
図5は、第2停止モードにて車載温調装置が作動している場合の作動状態を示している。
図6は、第1冷房モードにて車載温調装置が作動している場合の作動状態を示している。
図7は、第2冷房モードにて車載温調装置が作動している場合の作動状態を示している。
図8は、第3冷房モードにて車載温調装置が作動している場合の作動状態を示している。
図9は、暖房モードにて車載温調装置が作動している場合の作動状態を示している。
図10は、暖房モードにて車載温調装置が作動している場合の作動状態を示している。
図11は、車載温調装置の制御ルーチンを示すフローチャートである。
図12は、第1三方弁の切換の制御ルーチンを示すフローチャートである。
図13は、車載温調装置が暖房モードで作動しているときの、バッテリの温度及び低温回路の冷却水の温度の推移を示す図である。
図14は、車載温調装置が暖房モードで作動しているときの、バッテリの温度及び低温回路の冷却水の温度の推移を示す図である。
図15は、バッテリの温度及び低温回路内の冷却水の温度と、第1三方弁の設定との関係を示す図である。
図16は、第1三方弁の切換の制御ルーチンを示すフローチャートである。

実施例

0016

以下、図面を参照して実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同様な構成要素には同一の参照番号を付す。

0017

<第一実施形態>
≪車載温調装置の構成≫
図1図3を参照して、第一実施形態に係る車載温調装置1の構成について説明する。図1は、車載温調装置1を概略的に示す構成図である。本実施形態では、車載温調装置1は、特にモータによって駆動される電動車両に搭載される。

0018

車載温調装置1は、冷凍回路2、低温回路(第1熱回路)3、高温回路(第2熱回路)4及び制御装置5を備える。

0019

まず、冷凍回路2について説明する。冷凍回路2は、コンプレッサ21、コンデンサ22の冷媒配管22a、レシーバ23、第1膨張弁24、第2膨張弁25、エバポレータ26、チラー27の冷媒配管27a、第1電磁調整弁28及び第2電磁調整弁29を備える。冷凍回路2は、これら構成部品を通って冷媒が循環することで冷凍サイクルを実現するように構成される。冷媒には、例えば、ハイドロフルオロカーボン(例えば、HFC−134a)等、一般的に冷凍サイクルで冷媒として用いられる任意の物質が用いられる。

0020

冷凍回路2は、冷凍基本流路2aと、エバポレータ流路2bと、チラー流路2cとに分けられる。エバポレータ流路2bと、チラー流路2cとは互いに並列に設けられ、それぞれ冷凍基本流路2aに接続されている。

0021

冷凍基本流路2aには、冷媒の循環方向において、コンプレッサ21、コンデンサ22の冷媒配管22a及びレシーバ23がこの順番に設けられる。エバポレータ流路2bには、冷媒の循環方向において、第1電磁調整弁28、第1膨張弁24及びエバポレータ26の冷媒配管27aがこの順番に設けられる。加えて、チラー流路2cには、第2電磁調整弁29、第2膨張弁25及びチラー27がこの順番に設けられる。

0022

冷凍基本流路2aには、第1電磁調整弁28及び第2電磁調整弁29の開閉に関わらず冷媒が流れる。冷凍基本流路2aに冷媒が流れると、冷媒はコンプレッサ21、コンデンサ22の冷媒配管22a及びレシーバ23の順にこれら構成部品を通って流れる。エバポレータ流路2bには、第1電磁調整弁28が開かれているときに冷媒が流れる。エバポレータ流路2bに冷媒が流れると、冷媒は、第1電磁調整弁28、第1膨張弁24及びエバポレータ26の冷媒配管27aの順にこれら構成部品を通って流れる。チラー流路2cには、第2電磁調整弁29が開かれているときに冷媒が流れる。チラー流路2cに冷媒が流れると、冷媒は、第2電磁調整弁29、第2膨張弁25及びチラー27の順にこれら構成部品を通って流れる。

0023

コンプレッサ21は、冷媒を圧縮して昇温する圧縮部の一例であり、冷媒を圧縮する圧縮機として機能する。本実施形態では、コンプレッサ21は、電動式であり、コンプレッサ21への供給電力が調整されることによりその吐出容量が無段階に変化せしめられるように構成される。コンプレッサ21では、エバポレータ26又はチラー27から流出した低温低圧であって主にガス状である冷媒が、断熱的に圧縮されることにより、高温高圧であって主にガス状である冷媒に変化せしめられる。

0024

コンデンサ22は、冷媒配管22aと冷却水配管22bとを備える。コンデンサ22は、冷媒から、冷媒及び後述する低温回路3の冷却水以外に熱を放出させて冷媒を凝縮させる第2熱交換部の一例である。本実施形態では、コンデンサ22は、冷媒配管22aを流れる冷媒と後述する冷却水配管22bを流れる冷却水との間で熱交換を行い、冷媒からこの冷却水へ熱を移動させる。コンデンサ22の冷媒配管22aは、冷媒を凝縮させる凝縮部の一例であり、冷凍サイクルにおいて冷媒を凝縮させる凝縮器として機能する。また、コンデンサ22の冷媒配管22aでは、コンプレッサ21から流出した高温・高圧であって主にガス状である冷媒が、等圧的に冷却されることにより、高温・高圧の主に液状の冷媒に変化せしめられる。

0025

レシーバ23は、コンデンサ22の冷媒配管22aによって凝縮された冷媒を貯留する。また、コンデンサ22では必ずしも全ての冷媒を液化することができないため、レシーバ23は気液の分離を行うように構成される。レシーバ23からはガス状の冷媒が分離された液状の冷媒のみが流出する。なお、冷凍回路2は、レシーバ23を有する代わりに、コンデンサ22として気液分離器を内蔵したサブクール式のコンデンサを用いてもよい。

0026

第1膨張弁24及び第2膨張弁25は、冷媒を膨張させる膨張部の一例である。これら膨張弁24、25は、細径通路を備えると共に、この細径の通路から冷媒を噴霧することで冷媒の圧力を急激に低下させる。第1膨張弁24は、レシーバ23から供給された液状の冷媒を、エバポレータ26内に霧状に噴霧する。同様に、第2膨張弁25は、レシーバ23から供給された液状の冷媒を、チラー27の冷媒配管27a内に霧状に噴霧する。これら膨張弁24、25では、レシーバ23から流出した高温・高圧の液状の冷媒が、減圧されて部分的に気化することにより、低温・低圧の霧状の冷媒に変化せしめられる。なお、膨張弁は、過熱度スーパーヒート)が固定された機械式の膨張弁であってもよいし、過熱度を調整可能な電気式の膨張弁であってもよい。また、冷媒を膨張させて減圧させることができれば、膨張部として、第1膨張弁24及び第2膨張弁25の代わりに例えばエジェクタ等の他の装置が用いられてもよい。

0027

エバポレータ26は、冷媒を蒸発させる蒸発部の一例であり、冷媒を蒸発させる蒸発器として機能する。具体的には、エバポレータ26は、エバポレータ26周りの空気から冷媒へ吸熱させ、冷媒を蒸発させる。したがって、エバポレータ26では、第1膨張弁24から流出した低温・低圧の霧状の冷媒が、蒸発することにより、低温・低圧のガス状の冷媒に変化せしめられる。この結果、エバポレータ26周りの空気は冷却せしめられ、車室内の冷房を行うことができる。

0028

チラー27は、冷媒配管27aと冷却水配管27bとを備える。チラー27は、後述する低温回路3の冷却水から冷媒へ吸熱させ、冷媒を蒸発させる第1熱交換部の一例である。本実施形態では、チラー27は、後述する冷却水配管27bを流れる冷却水と冷媒配管27aを流れる冷媒との間で熱交換を行い、この冷却水から冷媒へ熱を移動させる。チラー27の冷媒配管27aは、冷媒を蒸発させる蒸発部の一例であり、冷媒を蒸発させる蒸発器として機能する。また、チラー27の冷媒配管27aでは、第2膨張弁25から流出した低温・低圧の霧状の冷媒が、蒸発することにより、低温・低圧のガス状の冷媒に変化せしめられる。この結果、低温回路3の冷却水は冷却せしめられる。

0029

第1電磁調整弁28及び第2電磁調整弁29は、冷凍回路2内における冷媒の流通態様を変更するように用いられる。第1電磁調整弁28の開度が大きくなるほどエバポレータ流路2bに流入する冷媒が多くなり、よってエバポレータ26に流入する冷媒が多くなる。また、第2電磁調整弁29の開度が大きくなるほどチラー流路2cに流入する冷媒が多くなり、よってチラー27に流入する冷媒が多くなる。なお、本実施形態では、電磁調整弁28は、その開度を調整可能な弁として構成されているが、開いた状態と閉じた状態との間で切り換えられる開閉弁であってもよい。また、第1電磁調整弁28及び第2電磁調整弁29の代わりに、冷凍基本流路2aからの冷媒をエバポレータ流路2bのみ、チラー流路2cのみ及び/又はその両方に選択的に流入させることができる三方弁が設けられてもよい。したがって、冷凍基本流路2aからエバポレータ流路2b及びチラー流路2cへ流入する流量を調整することができれば、これら電磁調整弁28、29の代わりに如何なる弁が設けられてもよい。

0030

次に、低温回路3について説明する。低温回路3は、第1ポンプ31、チラー27の冷却水配管27b、低温ラジエータ32、第1三方弁33及び第2三方弁34を備える。加えて、低温回路3は、バッテリ熱交換部35、MG熱交換部36及びPCU熱交換部37を備える。低温回路3では、これら構成部品を通って冷却水が循環する。なお、冷却水は第1熱媒体の一例であり、低温回路3内では、冷却水の代わりに任意の他の熱媒体が用いられてもよい。

0031

低温回路3は、低温基本流路3aと、低温ラジエータ流路3bと、高温機器流路3cとに分けられる。低温ラジエータ流路3bと高温機器流路3cとは互いに並列に設けられ、それぞれ低温基本流路3aに接続されている。

0032

低温基本流路3aには、冷却水の循環方向において、第1ポンプ31、チラー27の冷却水配管27b、バッテリ熱交換部35がこの順番に設けられる。また、低温基本流路3aにはバッテリ熱交換部35をバイパスするように設けられたバイパス流路3dが接続される。本実施形態では、バイパス流路3dは、冷却水の循環方向において、チラー27とバッテリ熱交換部35との間に一方の端部が接続され、バッテリ熱交換部35の下流側に他方の端部が接続される。低温基本流路3aとバイパス流路3dとの接続部には第1三方弁が設けられる。

0033

また、低温ラジエータ流路3bには、低温ラジエータ32が設けられる。高温機器流路3cには、冷却水の循環方向において、MG熱交換部36及びPCU熱交換部37がこの順番に設けられる。高温機器流路3cには、MGやPCU以外の高温機器と熱交換する熱交換部が設けられてもよい。低温基本流路3aと低温ラジエータ流路3b及び高温機器流路3cとの間には第2三方弁34が設けられる。

0034

第1ポンプ31は、低温回路3内を循環する冷却水を圧送する。本実施形態では、第1ポンプ31は、電動式のウォータポンプであり、第1ポンプ31への供給電力が調整されることによりその吐出容量が無段階に変化せしめられるように構成される。

0035

低温ラジエータ32は、低温回路3内を循環する冷却水と車両100の外部の空気(外気)との間で熱交換を行う熱交換器である。低温ラジエータ32は、冷却水の温度が外気の温度よりも高いときには冷却水から外気への放熱を行い、冷却水の温度が外気の温度よりも低いときには外気から冷却水への吸熱を行うように構成される。

0036

第1三方弁33は、チラー27の冷却水配管27bから流出した冷却水がバッテリ熱交換部35とバイパス流路3dとの間で選択的に流通せしめられるように構成される。低温基本流路3aでは、第1三方弁33がバッテリ熱交換部35側に設定されているときには、冷却水は第1ポンプ31、チラー27の冷却水配管27b、バッテリ熱交換部35の順にこれら構成部品を通って流れる。一方、第1三方弁33がバイパス流路3d側に設定されているときには、冷却水は、バッテリ熱交換部35には流通しないため、第1ポンプ31及びチラー27のみを通って流れる。

0037

第2三方弁34は、低温基本流路3aから流出した冷媒が、低温ラジエータ流路3bと高温機器流路3cとの間で選択的に流通せしめられるように構成される。第2三方弁34が低温ラジエータ流路3b側に設定されていると、低温基本流路3aから流出した冷却水は低温ラジエータ32を通って流れる。一方、第2三方弁34が高温機器流路3c側に設定されていると、低温基本流路3aから流出した冷却水は、MG熱交換部36及びPCU熱交換部37の順にこれら構成部品を通って流れる。加えて、第2三方弁34を冷却水が両方に流れるように設定できる場合には、低温基本流路3aから流出した冷却水は、その一部が低温ラジエータ32を通って流れ、残りがMG熱交換部36及びPCU熱交換部37の順にこれら構成部品を通って流れる。

0038

なお、バッテリ熱交換部35及びバイパス流路3dに流入する冷却水の流量を適切に調整することができれば、第1三方弁33の代わりに、調整弁や開閉弁等の他の調整装置が用いられてもよい。同様に、低温ラジエータ流路3b及び高温機器流路3cに流入する冷却水の流量を適切に調整することができれば、第2三方弁34の代わりに、調整弁や開閉弁等の他の調整装置が用いられてもよい。

0039

バッテリ熱交換部35は、車両100のバッテリ(図示せず)と熱交換するように構成される。具体的には、バッテリ熱交換部35は、例えば、バッテリの周りに設けられた配管を備え、この配管を流れる冷却水とバッテリとの間で熱交換が行われるように構成される。

0040

MG熱交換部36は、車両100のモータジェネレータ(MG。図示せず)と熱交換するように構成される。具体的には、MG熱交換部36は、MGの周りを流れるオイルと冷却水との間で熱交換が行われるように構成される。また、PCU熱交換部37は、車両100のパワーコントロールユニット(PCU。図示せず)と熱交換するように構成される。具体的には、PCU熱交換部37は、PCUの周りに設けられた配管を備え、この配管を流れる冷却水とバッテリとの間で熱交換が行われるように構成される。

0041

次に、高温回路4について説明する。高温回路4は、第2ポンプ41、コンデンサ22の冷却水配管22b、高温ラジエータ42、第3三方弁43、電気ヒータ44及びヒータコア45を備える。高温回路4でもこれら構成部品を通って冷却水が循環する。なお、この冷却水は第2熱媒体の一例であり、高温回路4内では、冷却水の代わりに任意の他の熱媒体が用いられてもよい。

0042

また、高温回路4は、高温基本流路4aと、高温ラジエータ流路4bと、ヒータ流路4cとに分けられる。高温ラジエータ流路4bとヒータ流路4cとは互いに並列に設けられ、それぞれ高温基本流路4aに接続されている。

0043

高温基本流路4aには、冷却水の循環方向において、第2ポンプ41、コンデンサ22の冷却水配管22bがこの順番に設けられる。高温ラジエータ流路4bには、高温ラジエータ42が設けられる。また、ヒータ流路4cには、冷却水の循環方向において、電気ヒータ44及びヒータコア45がこの順番に設けられる。高温基本流路4aと高温ラジエータ流路4b及びヒータ流路4cとの間には第3三方弁43が設けられる。

0044

第2ポンプ41は、高温回路4内を循環する冷却水を圧送する。本実施形態では、第2ポンプ41は、第1ポンプ31と同様な、電動式のウォータポンプである。また、高温ラジエータ42は、低温ラジエータ32と同様に、高温回路4内を循環する冷却水と外気との間で熱交換を行う熱交換器である。

0045

第3三方弁43は、コンデンサ22の冷却水配管22bから流出した冷却水が高温ラジエータ流路4bとヒータ流路4cとの間で選択的に流通せしめられるように構成される。第3三方弁43が、高温ラジエータ流路4b側に設定されていると、コンデンサ22の冷却水配管22bから流出した冷却水は高温ラジエータ流路4bを通って流れる。一方、第3三方弁43が、ヒータ流路4c側に設定されていると、コンデンサ22の冷却水配管22bから流出した冷却水は電気ヒータ44及びヒータコア45を通って流れる。なお、高温ラジエータ流路4b及びヒータ流路4cに流入する冷却水の流量を適切に調整することができれば、第3三方弁43の代わりに、調整弁や開閉弁等の他の調整装置が用いられてもよい。

0046

電気ヒータ44は、冷却水を加熱する加熱器として機能する。電気ヒータ44は、例えば冷却水が流れる配管の周りに配置された抵抗発熱体を備え、この抵抗発熱体に電力を供給することによって配管内の冷却水が加熱されるように構成される。電気ヒータ44は、例えば、外気の温度が極めて低く、その結果、冷凍回路2において冷媒が適切に機能しないような場合に暖房を行う際に用いられる。

0047

ヒータコア45は、高温回路4内を循環する冷却水とヒータコア45周りの空気との間で熱交換を行って、車室内の暖房を行うように構成される。具体的には、ヒータコア45は、冷却水からヒータコア45周りの空気へ排熱するように構成される。したがって、ヒータコア45に高温の冷却水が流れると、冷却水の温度が低下すると共に、ヒータコア45周りの空気が暖められる。

0048

図2は、車載温調装置1を搭載した車両100の空調用の空気通路6を概略的に示す構成図である。空気通路6では、図中に矢印で示した方向に空気が流れる。図2に示した空気通路6は、車両100の外部又は車室の空気吸い込み口に接続されており、空気通路6には制御装置5による制御状態に応じて外気又は車室内の空気が流入する。また、図2に示した空気通路6は、車室内へ空気を吹き出す吹き出し口に接続されており、空気通路6からは制御装置5による制御状態に応じてこのうち任意の吹き出し口に空気が供給される。

0049

図2に示したように、本実施形態の空調用の空気通路6には、空気の流れ方向において、ブロワ61と、エバポレータ26と、エアミックスドア62と、ヒータコア45とがこの順番に設けられる。

0050

ブロワ61は、ブロワモータ61aとブロワファン61bとを備える。ブロワ61は、ブロワモータ61aによってブロワファン61bが駆動されると、外気又は車室内の空気が空気通路6に流入して、空気通路6を通って空気が流れるように構成される。

0051

エアミックスドア62は、空気通路6を通って流れる空気のうち、ヒータコア45を取って流れる空気の流量を調整する。エアミックスドア62は、空気通路6を流れる全ての空気がヒータコア45を流れる状態と、空気通路6を流れる全ての空気がヒータコア45を流れない状態と、その間の状態との間で調整できるように構成される。

0052

このように構成された空気通路6では、ブロワ61が駆動されているときに、エバポレータ26に冷媒が循環されている場合には、空気通路6を通って流れる空気が冷却される。また、ブロワ61が駆動されているときに、ヒータコア45に冷却水が循環されていて且つ空気がヒータコア45を流れるようにエアミックスドア62が制御されている場合には、空気通路5内を通って流れる空気が暖められる。

0053

図3は、車載温調装置1を搭載した車両100を概略的に示す図である。図3に示したように、車両100のフロントグリルの内側に、低温ラジエータ32及び高温ラジエータ42が配置される。したがって、車両100が走行しているときにはこれらラジエータ32、42には走行風が当たる。また、これらラジエータ32、42に隣接してファン71が設けられる。ファン71は駆動されるとラジエータ32、42に風が当たるように構成される。したがって、車両100が走行していないときでも、ファン71を駆動することにより、ラジエータ32、42に風を当てることができる。

0054

図1を参照すると、制御装置5は、電子制御ユニット(ECU)51を備える。ECU51は、各種演算を行うプロセッサと、プログラムや各種情報を記憶するメモリと、各種アクチュエータや各種センサと接続されるインタフェースとを備える。

0055

また、制御装置5は、バッテリの温度を検出するバッテリ温度センサ52と、チラー27の冷却水配管27bから流出した冷却水の温度を検出する第1水温センサ53と、ヒータコア45に流入する冷却水の温度を検出する第2水温センサ54とを備える。ECU51はこれらセンサに接続され、ECU51にはこれらセンサからの出力信号が入力される。

0056

加えて、ECU51は、車載温調装置1の各種アクチュエータに接続されて、これらアクチュエータを制御する。具体的には、ECU51は、コンプレッサ21、電磁調整弁28、29、ポンプ31、41、三方弁33、34、43、電気ヒータ44、ブロワモータ61a、エアミックスドア62及びファン71に接続されて、これらを制御する。

0057

≪車載温調装置の作動≫
次に、図4図10を参照して、車載温調装置1の代表的な作動状態について説明する。図4図10では、冷媒や冷却水が流れている流路が実線で、冷媒や冷却水が流れていない流路が破線でそれぞれ示されている。また、図中の太い矢印は、熱の移動方向を示している。

0058

図4は、車室の冷房及び暖房のいずれもが作動しておらず且つバッテリが或る程度の高温になって冷却が必要なときに、第1停止モードにて車載温調装置1が作動している場合の作動状態を示している。

0059

図4に示したように、第1停止モードでは、コンプレッサ21及び第2ポンプ41の作動は停止される。したがって、冷凍回路2内では冷媒は循環せず、また、高温回路4内では冷却水は循環しない。一方、第1停止モードでは、第1ポンプ31が駆動せしめられる。したがって、低温回路3内では冷却水が循環する。

0060

また、第1停止モードでは、第1三方弁33は冷却水がバッテリ熱交換部35に流通するように設定される。また、図4に示した例では、第2三方弁34は、冷却水が低温ラジエータ流路3b及び高温機器流路3cの両方に流れるように設定される。しかしながら、第2三方弁34は、冷却水が低温ラジエータ流路3bのみに流れるように設定されてもよい。

0061

この結果、第1停止モードでは、バッテリ熱交換部35においてバッテリの熱が冷却水に移動される。このため、バッテリが冷却されると共に、冷却水の温度が外気の温度以上に上昇する。その後、冷却水は低温ラジエータ32にて外気と熱交換することによって冷却され、再びバッテリ熱交換部35に流入する。したがって、第1停止モードでは、バッテリ熱交換部にてバッテリから熱が吸収されると共に低温ラジエータ32にてその熱が放出される。

0062

図5は、車室の冷房及び暖房のいずれもが作動しておらず且つバッテリが非常に高温になって冷却が必要なときに、第2停止モードにて車載温調装置1が作動している場合の作動状態を示している。

0063

図5に示したように、第2停止モードでは、コンプレッサ21、第1ポンプ31及び第2ポンプ41のいずれもが作動せしめられる。したがって、冷凍回路2、低温回路3及び高温回路4のいずれにおいても冷媒又は冷却水が循環する。

0064

また、第2停止モードでは、第1電磁調整弁28が閉じられ且つ第2電磁調整弁29が開かれる。したがって、エバポレータ26には冷媒は流通せず、チラー27に冷媒が流通する。加えて、第2停止モードでは、第1三方弁33は冷却水がバッテリ熱交換部35に流通するように設定される。また、図5に示した例では、第2三方弁34は、冷却水が低温ラジエータ流路3b及び高温機器流路3cの両方に流れるように設定される。これによって、MG熱交換部36やPCU熱交換部37にも冷却水が流れるため、MGやPCUの冷却を行うことができる。しかしながら、第2三方弁34は、冷却水が低温ラジエータ流路3bのみに流れるように設定されてもよい。さらに第2停止モードでは、第3三方弁43は、冷却水が高温ラジエータ流路4bに流通するように設定される。

0065

この結果、第2停止モードでは、チラー27にて低温回路3内の冷却水の熱が冷媒に移動されて、この冷却水が冷却される。その後、この低温の冷却水がバッテリ熱交換部35に流れ、バッテリが冷却される。一方、コンデンサ22にて冷媒の熱が高温回路4に移動されて、高温回路4内の冷却水が暖められる。その後、この高温の冷却水が高温ラジエータ42にて外気と熱交換することによって冷却され、再びコンデンサ22に流入する。したがって、第2停止モードでは、バッテリ熱交換部35にてバッテリから熱が吸収されると共に高温ラジエータ42にてその熱が放出される。

0066

図6は、車室の冷房が作動していて且つバッテリの温度がそれほど高くないときに、第1冷房モードにて車載温調装置1が作動している場合の作動状態を示している。

0067

図6に示したように、第1冷房モードでは、コンプレッサ21及び第2ポンプ41が駆動せしめられる。したがって、冷凍回路2内では冷媒が循環し、高温回路4内では冷却水が循環する。一方、第1冷房モードでは、第1ポンプ31の作動は停止され、よって低温回路3内では冷却水は循環しない。

0068

また、第1冷房モードでは、第1電磁調整弁28が開かれ且つ第2電磁調整弁29が閉じられる。したがって、エバポレータ26には冷媒が流通するが、チラー27には冷媒が流通しない。また、第1冷房モードでは、第3三方弁43は、冷却水が高温ラジエータ流路4bに流通するように設定される。

0069

この結果、第1冷房モードでは、エバポレータ26にて周囲の空気の熱が冷媒に移動されて、周囲の空気が冷却される。一方、コンデンサ22にて冷媒の熱が高温回路4に移動されて、高温回路4内の冷却水が暖められる。その後、この高温の冷却水が高温ラジエータ42にて外気と熱交換することによって冷却され、再びコンデンサ22に流入する。したがって、第1冷房モードでは、エバポレータ26において周囲の空気から熱が吸収されると共に高温ラジエータ42にてその熱が放出される。

0070

図7は、車室の冷房が作動していて且つバッテリが或る程度の高温になって冷却が必要なときに、第2冷房モードにて車載温調装置1が作動している場合の作動状態を示している。

0071

図7に示したように、第2冷房モードでは、コンプレッサ21、第1ポンプ31及び第2ポンプ41のいずれもが作動せしめられる。また、第2冷房モードでは、第1電磁調整弁28が開かれ且つ第2電磁調整弁29が閉じられ、第3三方弁43は、冷却水が高温ラジエータ流路4bに流通するように設定される。また、図5に示した例では、第2三方弁34は、冷却水が低温ラジエータ流路3b及び高温機器流路3cの両方に流れるように設定される。しかしながら、第2三方弁34は、冷却水が低温ラジエータ流路3bのみに流れるように設定されてもよい。

0072

この結果、第2冷房モードでは、冷凍回路2及び高温回路4において、図6に示した第1冷房モードと同様な熱の移動が発生する。また、第2冷房モードでは、バッテリ熱交換部35においてバッテリの熱が冷却水に移動され、その後、冷却水は低温ラジエータ32にて外気と熱交換することによって冷却され、再びバッテリ熱交換部35に流入する。したがって、第2冷房モードでは、エバポレータ26において周囲の空気から熱が吸収されると共に高温ラジエータ42にてその熱が放出され、且つバッテリ熱交換部35にてバッテリから熱が吸収されると共に低温ラジエータ32にてその熱が放出される。

0073

図8は、車室の冷房が作動していて且つバッテリが非常に高温になって冷却が必要なときに、第3冷房モードにて車載温調装置1が作動している場合の作動状態を示している。

0074

図8に示したように、第3冷房モードでは、コンプレッサ21、第1ポンプ31及び第2ポンプ41のいずれもが作動せしめられる。また、第3冷房モードでは、第1電磁調整弁28及び第2電磁調整弁29がいずれも開かれ、よってエバポレータ26及びチラー27のいずれにも冷媒が流通する。このときの各電磁調整弁28、29の開度は、冷房強度やバッテリの温度等に応じて調整される。加えて、第3冷房モードでは、第1三方弁33は冷却水がバッテリ熱交換部35に流通するように設定される。また、図8に示した例では、第2三方弁34は、冷却水が低温ラジエータ流路3b及び高温機器流路3cの両方に流れるように設定される。しかしながら、第2三方弁34は、冷却水が低温ラジエータ流路3bのみに流れるように設定されてもよい。さらに第3冷房モードでは、第3三方弁43は、冷却水が高温ラジエータ流路4bに流通するように設定される。

0075

この結果、第3冷房モードでは、チラー27にて低温回路3内の冷却水の熱が冷媒に移動されて、この冷却水が冷却される。その後、この低温の冷却水がバッテリ熱交換部35に流れ、バッテリが冷却される。また、第3冷房モードでは、エバポレータ26にて周囲の空気の熱が冷媒に移動されて、周囲の空気が冷却される。一方、コンデンサ22にて冷媒の熱が高温回路4に移動されて、高温回路4内の冷却水が暖められる。その後、この高温の冷却水が高温ラジエータ42にて外気と熱交換することによって冷却され、再びコンデンサ22に流入する。したがって、第3冷房モードでは、バッテリ熱交換部35にてバッテリから熱が吸収され且つエバポレータ26において周囲の空気から熱が吸収されると共に高温ラジエータ42にてその熱が放出される。

0076

なお、第1冷房モード、第2冷房モード及び第3冷房モードにおいて、冷房に加えて除湿を行う場合には、第3三方弁43は、冷却水が高温ラジエータ流路4bに加えてヒータコア45にも流通するように設定される。これにより、空気通路6を通って流れる空気がエバポレータ26で冷却された後にヒータコア45にて加熱され、空気の湿度が低下せしめられる。

0077

図9及び図10は、車室の暖房が作動していて且つバッテリが通常の作動温度以上であるときに、暖房モードにて車載温調装置1が作動している場合の作動状態を示している。特に、図9は、バッテリ熱交換部35に冷却水が流通するように第1三方弁33が設定されている場合を、図10は、バイパス流路3dに冷却水が流通するように第1三方弁33が設定されている場合を、それぞれ示している。

0078

図9及び図10に示したように、暖房モードでは、コンプレッサ21、第1ポンプ31及び第2ポンプ41のいずれもが作動せしめられる。したがって、冷凍回路2、低温回路3及び高温回路4のいずれにおいても冷媒又は冷却水が循環する。

0079

また、暖房モードでは、第1電磁調整弁28が閉じられ且つ第2電磁調整弁29が開かれる。したがって、エバポレータ26には冷媒は流通せず、チラー27に冷媒が流通する。また、図9及び図10に示した例では、第2三方弁34は、冷却水が低温ラジエータ流路3b及び高温機器流路3cの両方に流れるように設定される。しかしながら、第2三方弁34は、冷却水が低温ラジエータ流路3bのみに流れるように設定されてもよい。さらに暖房モードでは、第3三方弁43は、冷却水がヒータ流路4cに流通するように設定される。

0080

この結果、暖房モードでは、チラー27にて低温回路3内の冷却水の熱が冷媒に移動されて、この冷却水が冷却される。図9に示したようにバッテリ熱交換部35に冷却水が流通するように第1三方弁33が設定されている場合には、この低温の冷却水がバッテリ熱交換部35及び低温ラジエータ32に流れ、バッテリや外気から冷却水へ熱が吸収される。一方、図10に示したようにバイパス流路3dに冷却水が流通するように第1三方弁33が設定されている場合には、この低温の冷却水が低温ラジエータ32に流れ、外気から冷却水へ熱が吸収される。

0081

また、コンデンサ22にて冷媒の熱が高温回路4に移動されて、高温回路4内の冷却水が暖められる。その後、この高温の冷却水がヒータコア45にてその周りの空気と熱交換することによって冷却され、これに伴って周囲の空気が昇温される。したがって、暖房モードでは、低温ラジエータ32にて外気から熱が吸収され、且つ場合によってはバッテリ熱交換部35にてバッテリから熱が吸収されると共に、ヒータコア45にてその熱が放出される。

0082

なお、暖房モードにおいて、暖房に加えて除湿を行う場合には、第1電磁調整弁28が開かれ、冷媒がエバポレータ26にも流通せしめられる。これにより、空気通路6を通って流れる空気がエバポレータ26で冷却された後にヒータコア45にて加熱され、空気の湿度が低下せしめられる。

0083

≪車載温調装置の制御≫
次に、図11及び図12を参照して、車載温調装置1の制御について説明する。図11は、車載温調装置1の制御ルーチンを示すフローチャートである。図示した制御ルーチンは一定の時間間隔毎に実行される。

0084

まず、ステップS11において、車両100の冷房がOFFになっているか否かが判定される。車両100の冷房のON/OFFは、例えば、ユーザの設定温度や車室内の温度等に基づいて自動的に切り換えられる。ステップS11において冷房がOFFになっていると判定された場合には、ステップS12へと進む。

0085

ステップS12では、車両100の暖房がOFFになっているか否かが判定される。車両100の冷房のON/OFFも、例えば、ユーザの設定温度や車室内の温度等に基づいて自動的に切り換えられる。ステップS12において暖房がOFFになっていると判定された場合には、ステップS13へと進む。

0086

ステップS13では、高温機器の冷却が必要であるか否かが判定される。ここで、高温機器とは、車載温調装置1を用いた冷却が必要になる機器を意味し、具体的にはバッテリ、MGやPCU等が挙げられる。ステップS13において、高温機器の冷却が不要であると判定された場合には、ステップS14へと進む。ステップS14では、車載温調装置1の作動が停止せしめられる。したがって、コンプレッサ21、第1ポンプ31及び第2ポンプ41が全て停止せしめられる。

0087

一方、ステップS13において、高温機器の冷却が必要であると判定された場合には、ステップS15へと進む。ステップS15では、冷凍回路2のチラー27を用いて高温機器を強く冷却する必要であるか否かが判定される。ステップS15において、強い冷却は不要であると判定された場合には、ステップS16へ進み、図4を用いて説明した第1停止モードにて車載温調装置1が作動せしめられる。一方、ステップS15において、強い冷却が必要であると判定された場合には、ステップS17へ進み、図5を用いて説明した第2停止モードにて車載温調装置1が作動せしめられる。

0088

ステップS12において、車両100の暖房がONになっていると判定された場合には、ステップS18へと進む。ステップS18では、図9及び図10を用いて説明した暖房モードにて車載温調装置1が作動せしめられる。

0089

ステップS11において、車両100の冷房がONになっていると判定された場合には、ステップS19へと進む。ステップS19では、ステップS13と同様に、高温機器の冷却が必要であるか否かが判定される。ステップS19において、高温機器の冷却が不要であると判定された場合には、ステップS20へと進む。ステップS20では、図6を用いて説明した第1冷房モードにて車載温調装置1が作動せしめられる。

0090

一方、ステップS19において、高温機器の冷却が必要であると判定された場合には、ステップS21へと進む。ステップS21では、ステップS15と同様に、強い冷却が必要であるか否かが判定される。ステップS21において、強い冷却は不要であると判定された場合には、ステップS22へと進み、図7を用いて説明した第2冷房モードにて車載温調装置1が作動せしめられる。一方、ステップS21において、強い冷却が必要であると判定された場合には、ステップS23へと進み、図8を用いて説明した第3冷房モードにて車載温調装置1が作動せしめられる。

0091

図12は、第1三方弁33の切換の制御ルーチンを示すフローチャートである。図示した制御ルーチンは、一定の時間間隔毎に実行される。

0092

まず、ステップS31において、バッテリの温度Tbが検出される。バッテリの温度Tbは、例えば、バッテリ温度センサ52によって検出される。次いで、ステップS32において、バッテリの温度Tbが、基準温度Tbrefよりも高いか否かが判定される。ここで、基準温度Tbrefは、例えば、バッテリの作動に最も適した温度又はその近傍の温度である。具体的には、基準温度Tbrefは、10℃〜30℃、好ましくは20℃である。

0093

ステップS32においてバッテリの温度Tbが基準温度Tbrefよりも高いと判定された場合には、ステップS33へと進む。ステップS33では、バッテリ熱交換部35に全ての冷却水が流通するように第1三方弁33が設定される。一方、ステップS32において、バッテリの温度Tbが基準温度Tbref以下であると判定された場合には、ステップS34へと進む。ステップS34では、バイパス流路3dに全ての冷却水が流通するように第1三方弁33が設定される。

0094

≪作用・効果≫
次に、図13及び図14を参照して、本実施形態に係る車載温調装置1の作用・効果について説明する。図13及び図14は、時刻t0において車載温調装置1にて暖房モードが開始されたときの、バッテリの温度Tb及び低温回路3の冷却水の温度Twの推移をそれぞれ示している。

0095

図13は、バイパス流路3dが設けられていない場合における温度の推移を示している。上述したように、暖房モードでは、ヒータコア45にて放出される熱が、低温回路3の冷却水から奪われていく。このため、低温回路3の冷却水の温度は徐々に低下していく。このときバイパス流路3dが設けられていない場合には、低温回路3の全ての冷却水はバッテリ熱交換部35を流通する。したがって、バッテリの温度Tbも徐々に低下し、バッテリの最適な作動温度(すなわち、基準温度Tbref近傍)から離れていってしまう。

0096

ここで、バッテリは、その温度が一定温度以下に低下すると、内部抵抗が増大して、容量の低下や出力電圧の低下といった性能低下が生じる。したがって、バイパス流路3dが設けられていない場合、車載温調装置1を暖房モードで作動させると、バッテリの性能低下を招いてしまう。

0097

これに対して、本実施形態では、バッテリの温度Tbが基準温度Tbref以下であるときには、バイパス流路3dに冷却水が流通するように第1三方弁33が設定される。このため、図14に示したように、低温回路3の冷却水の温度が低下しても、バッテリの温度は低下しない。特に、図14に示した例では、時刻t0以降、バッテリ自らの発熱により、バッテリの温度は基準温度Tbrefに向けて徐々に上昇している。したがって、本実施形態によれば、バッテリがその最適温度から離れて冷却されることが抑制され、よってバッテリの性能低下が抑制される。

0098

また、本実施形態に係る車載温調装置1によれば、車室の暖房及び冷房に加えて、高温機器の冷却も一つの冷凍回路2によって行われる。したがって、冷暖房用と、高温機器の冷却用に別々の冷凍回路2を設ける必要がなく、車載温調装置1の製造コストを低く抑えることができる。

0099

≪変形例≫
なお、上記実施形態では、第1三方弁33がバイパス流路3d側に全ての冷却水が流れる状態とバッテリ熱交換部35側に全ての冷却水が流れる状態との間で切り換えられていている。しかしながら、これら二つの状態の間に、バイパス流路3d及びバッテリ熱交換部35の両方に冷却水が流れる状態が設けられてもよい。この場合、例えば、バッテリの温度が基準温度Tbref近傍で徐々に上昇していくにつれて、バッテリ熱交換部35側に流れる流量が段階的に又は連続的に多くなるように第1三方弁33が制御されてもよい。この場合、例えば、バッテリの温度Tbが基準温度Tbref以下であるときには、バイパス流路3dに少なくとも一部の冷却水が流通するように第1三方弁33が設定される。また、バッテリの温度Tbが基準温度Tbrefよりも高いときには、バッテリ熱交換部35に少なくとも一部の冷却水が流通するように第1三方弁33が設定される。したがって、本実施形態では、第1三方弁33は、バッテリの温度Tbが相対的に低いときには相対的に高いときに比べて、バイパス流路3dに流通する第1熱媒体の流量比率が多くなるように制御されているといえる。

0100

また、上記実施形態では、高温回路4が設けられているが、高温回路4を設ける代わりに、コンデンサ22が空気通路6内の空気を直接加熱するように(すなわち、ヒータコアとして機能するように)構成されてもよい。

0101

加えて、上記実施形態では、車載温調装置1が暖房モードで作動しているときに、バッテリの温度Tbに基づいて第1三方弁33が制御されている。しかしながら、車載温調装置1が暖房モード以外のモードで作動しているときにも、図12に示したようにバッテリの温度Tbに基づいて第1三方弁33が制御されてもよい。

0102

<第二実施形態>
次に、図15及び図16を参照して、第二実施形態に係る車載温調装置1について説明する。第二実施形態に係る車載温調装置1の構成及び制御は基本的に第一実施形態に係る車載温調装置の構成及び制御と同様である。したがって、以下では、第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。

0103

ところで、上記第一実施形態では、バッテリの温度Tbが基準温度Tbref以下であるか否かのみに基づいて第1三方弁33の切換が行われている。これに対して、第二実施形態に係る車載温調装置1では、バッテリの温度Tbと低温回路3内の冷却水の温度との関係に基づいて第1三方弁33の切換が行われる。

0104

図15は、バッテリの温度Tb及び低温回路3内の冷却水の温度Twと、第1三方弁33の設定との関係を示す図である。図15から分かるように、本実施形態では、バッテリの温度Tbが下限温度Tbmin以上であって基準温度Tbref以下であるときには、第1三方弁33は全ての冷却水がバイパス流路3dに流通するように設定される。

0105

また、バッテリの温度Tbが下限温度Tbminよりも低い場合、バッテリの温度Tbが低温回路3内の冷却水の温度Tw以上であるときには、第1三方弁33は全ての冷却水がバイパス流路3dに流通するように設定される。一方、この場合、バッテリの温度Tbが低温回路3内の冷却水の温度Twよりも低いときには、第1三方弁33は全ての冷却水がバッテリ熱交換部35に流通するように設定される。

0106

さらに、バッテリの温度Tbが基準温度Tbrefよりも高い場合、バッテリの温度Tbが低温回路3内の冷却水の温度Tw以上であるときには、第1三方弁33は全ての冷却水がバッテリ熱交換部35に流通するように設定される。一方、この場合、バッテリの温度Tbが低温回路3内の冷却水の温度Twよりも低いときには、第1三方弁33は全ての冷却水がバイパス流路3dに流通するように設定される。

0107

図16は、第1三方弁33の切換の制御ルーチンを示すフローチャートである。図示した制御ルーチンは、一定の時間間隔毎に実行される。

0108

まず、ステップS41では、図12のステップS31と同様に、バッテリの温度Tbが検出される。次いで、ステップS42では、低温回路3の冷却水の温度Twが検出される。低温回路3の冷却水の温度Twは、例えば、第1水温センサ53によって検出される。

0109

次いで、ステップS43では、バッテリの温度Tbが基準温度Tbrefよりも高く且つ低温回路3の冷却水の温度Tw以上であるか否かが判定される。加えて、ステップS44では、バッテリの温度Tbが下限温度Tbminよりも低く且つ低温回路3の冷却水の温度Twよりも低いか否かが判定される。ステップS43における条件及びステップS44における条件をいずれも満たさない場合には、ステップS45へと進む。ステップS45では、バイパス流路3dに冷却水が流通するように第1三方弁33が設定される。一方、ステップS43における条件及びステップS44における条件の少なくとも何れか一方を満たす場合には、ステップS46へと進む。ステップS46では、バッテリ熱交換部35に冷却水が流通するように第1三方弁33が設定される。

0110

本実施形態によれば、バッテリの温度Tbが下限温度Tbminよりも低い場合、バッテリの温度Tbよりも低温回路3の冷却水の温度が高いときには、バッテリ熱交換部35に冷却水が流通せしめられる。この結果、バッテリ熱交換部35では、冷却水からバッテリへ熱が移動し、よってバッテリが暖められる。したがって、バッテリの温度が過剰に低下するのを抑制することができる。

0111

また、本実施形態によれば、バッテリの温度Tbが基準温度Tbrefよりも高い場合、バッテリの温度Tbよりも低温回路3の冷却水の温度が高いときには、バイパス流路3dに冷却水が流通せしめられる。この結果、バッテリ熱交換部35には冷却水が流れず、よって冷却水からバッテリへ熱が移動しない。このため、バッテリが基準温度(すなわち、最適な作動温度近傍)から離れるように昇温されるのが防止され、バッテリの温度を最適な作動温度近傍に維持することができる。

0112

なお、上記第二実施形態では、第1三方弁33がバイパス流路3d側に全ての冷却水が流れる状態とバッテリ熱交換部35側に全ての冷却水が流れる状態との間で切り換えられていている。しかしながら、これら二つの状態の間に、バイパス流路3d及びバッテリ熱交換部35の両方に冷却水が流れる状態が設けられてもよい。この場合、例えば、バッテリの温度が基準温度Tbref近傍で徐々に上昇していくにつれて、バッテリ熱交換部35側に流れる流量が段階的に又は連続的に多くなるように第1三方弁33が制御されてもよい。

0113

以上、本開示に係る好適な実施形態を説明したが、本開示はこれら実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載内で様々な修正及び変更を施すことができる。

0114

1車載温調装置
2冷凍回路
3低温回路
3dバイパス流路
4高温回路
5制御装置
6空気通路
22コンデンサ
27チラー
33 第1三方弁
35バッテリ熱交換部

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