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技術 電解液、電気化学デバイス、リチウムイオン二次電池、及び、モジュール

出願人 ダイキン工業株式会社
発明者 高野真也高野真由子谷明範岡田倫明坂田英郎島田朋生木下信一
出願日 2020年4月20日 (8ヶ月経過) 出願番号 2020-074679
公開日 2020年9月10日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-145199
状態 未査定
技術分野 電気二重層コンデンサ等 二次電池(その他の蓄電池) 電解コンデンサのセパレータ等
主要キーワード 炭素剤 光反応装置 トリアルキルリン酸エステル 金属ファイバ フルオロアルキル化剤 含フッ素有機酸 特定金属元素 溶媒和能
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年9月10日)のものです。
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課題

解決手段

一般式(1):[化1](式中、Rfは炭素数1〜8のフッ素化アルキル基である。)で示される化合物、及び、ビニレンカーボネートを含有し、前記一般式(1)の化合物の含有量が、溶媒に対して0.001〜10体積%であることを特徴とする電解液

概要

背景

特許文献1には、下記一般式(1)で示されるビニレンカーボネート類が記載されている。



[式(1)において、R1およびR2は、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、水素原子ハロゲン原子または炭素数が1〜12のハロゲン原子を含んでいてもよいアルキル基を表す。]

特許文献2には、下記化学式が記載されている。

特許文献3には、(式4)で表される化合物が記載されている。



(式中、R9、R10は水素フッ素塩素、炭素数1〜3のアルキル基、フッ素化されたアルキル基のいずれかを表わし、R9、R10はそれぞれ同一でも異なっていても良い)

特許文献4〜7にも、不飽和環状カーボネートが記載されている。

しかしながら、いずれの文献にも、ビニレンカーボネート又はフッ素化カーボネートを含む電解液を使用したことは具体的に記載されているが、フッ素化アルキル基を有する不飽和環状カーボネートを実際に使用したことは記載されておらず、その合成方法及び入手方法も記載されていない。

概要

新規なフッ素化アルキル基を有する不飽和環状カーボネートを提供する。一般式(1):[化1](式中、Rfは炭素数1〜8のフッ素化アルキル基である。)で示される化合物、及び、ビニレンカーボネートを含有し、前記一般式(1)の化合物の含有量が、溶媒に対して0.001〜10体積%であることを特徴とする電解液。 なし

目的

本発明の目的は、上記現状に鑑み、フッ素化アルキル基を有する不飽和環状カーボネート及びその製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

一般式(1):(式中、Rfは炭素数1〜8のフッ素化アルキル基である。)で示される化合物、及び、ビニレンカーボネートを含有し、前記一般式(1)の化合物の含有量が、溶媒に対して0.001〜10体積%であることを特徴とする電解液

請求項2

請求項1記載の電解液を備える電気化学デバイス

請求項3

請求項1記載の電解液を備えるリチウムイオン二次電池

請求項4

請求項3記載のリチウムイオン二次電池を備えるモジュール

技術分野

0001

本発明は、電解液電気化学デバイスリチウムイオン二次電池、及び、モジュールに関する。

背景技術

0002

特許文献1には、下記一般式(1)で示されるビニレンカーボネート類が記載されている。



[式(1)において、R1およびR2は、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、水素原子ハロゲン原子または炭素数が1〜12のハロゲン原子を含んでいてもよいアルキル基を表す。]

0003

特許文献2には、下記化学式が記載されている。

0004

特許文献3には、(式4)で表される化合物が記載されている。



(式中、R9、R10は水素フッ素塩素、炭素数1〜3のアルキル基、フッ素化されたアルキル基のいずれかを表わし、R9、R10はそれぞれ同一でも異なっていても良い)

0005

特許文献4〜7にも、不飽和環状カーボネートが記載されている。

0006

しかしながら、いずれの文献にも、ビニレンカーボネート又はフッ素化カーボネートを含む電解液を使用したことは具体的に記載されているが、フッ素化アルキル基を有する不飽和環状カーボネートを実際に使用したことは記載されておらず、その合成方法及び入手方法も記載されていない。

先行技術

0007

特開2003−257479号公報
特開2007−317647号公報
特開2006−164860号公報
特開2006−294414号公報
特開2011−100750号公報
特開2006−286570号公報
特開2006−179458号公報

発明が解決しようとする課題

0008

従って、フッ素化アルキル基を有する不飽和環状カーボネートは、本件出願時には知られておらず、その有用性も知られていない。

0009

本発明の目的は、上記現状に鑑み、フッ素化アルキル基を有する不飽和環状カーボネート及びその製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

本発明は、一般式(1):



(式中、Rfは炭素数1〜8のフッ素化アルキル基である。)で示される化合物である。

0011

一般式(1)において、Rfは炭素数2〜8のフッ素化アルキル基であることが好ましい。

0012

本発明は、上記化合物を含む電解液でもある。

0013

本発明は、上記電解液を備える電気化学デバイスでもある。

0014

本発明は、上記電解液を備えるリチウムイオン二次電池でもある。

0015

本発明は、上記リチウムイオン二次電池を備えるモジュールでもある。

0016

本発明は、一般式(2−1):



(式中、Xはハロゲン原子である。)で示される化合物(2−1)とフルオロアルキル化剤とを反応させて、一般式(1):



(式中、Rfは炭素数1〜8のフッ素化アルキル基である。)で示される化合物を得る工程を含むことを特徴とする製造方法でもある。

0017

本発明は、一般式(3−1):



(式中、Rfは炭素数1〜8のフッ素化アルキル基である。)で示される化合物(3−1)とハロゲン化剤とを反応させて、一般式(3−2):



(式中、Rfは上記と同じ。Xはハロゲン原子を表す。)で示される化合物(3−2)を得る工程、及び、化合物(3−2)と塩基又は金属とを反応させて、一般式(1):



(式中、Rfは上記と同じ。)で示される化合物を得る工程を含むことを特徴とする製造方法でもある。

0018

本発明は、一般式(4−1):



(式中、Rfは炭素数1〜8のフッ素化アルキル基である。)で示される化合物(4−1)と二酸化炭素とを反応させて、一般式(4−2):



(式中、Rfは上記と同じ。)で示される化合物(4−2)を得る工程、及び、化合物(4−2)と塩基又は金属とを反応させて、一般式(1):



(式中、Rfは上記と同じ。)で示される化合物を得る工程を含むことを特徴とする製造方法でもある。

0019

本発明は、ビニレンカーボネートと一般式(5−1):
Rf−X
(式中、Rfは炭素数1〜8のフッ素化アルキル基である。Xはハロゲン原子を表す。)で示される化合物(5−1)とを反応させて、一般式(5−2):



(式中、Rfは上記と同じ。Xはハロゲン原子を表す。)で示される化合物(5−2)を得る工程、及び、化合物(5−2)と塩基又は金属とを反応させて、一般式(1):



(式中、Rfは上記と同じ。)で示される化合物を得る工程を含むことを特徴とする製造方法でもある。

発明の効果

0020

本発明によれば、フッ素化アルキル基を有する不飽和環状カーボネートが提供される。この新規不飽和環状カーボネートは、リチウムイオン二次電池等の電気化学デバイスに使用する電解液を構成する成分として有用である。

0021

以下、本発明を具体的に説明する。

0022

本発明の新規化合物は、一般式(1):



(式中、Rfは炭素数1〜8のフッ素化アルキル基である。)で示されることを特徴とするフッ素化不飽和環状カーボネートである。

0023

一般式(1)において、Rfは、完全フッ素アルキル基又は部分フッ素化アルキル基のいずれであってもよいが、完全フッ素化アルキル基であることが好ましい。また、Rfは、エーテル結合を含んでいてもよい。
また、一般式(1)において、フッ素化アルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状のいずれであってもよい。

0024

一般式(1)において、Rfは炭素数が8以下であり、6以下であることが好ましい。また、Rfは炭素数が2以上であってよい。

0025

一般式(1)において、Rfとしては、CF3−、CF3CF2−、CF3CF2CF2−、CF3CF2CF2CF2−、CF3CF2CF2CF2CF2−、CF3CF2CF2CF2CF2CF2−、CF3CF2CF2CF2CF2CF2CF2−、CF3CF2CF2CF2CF2CF2CF2CF2−、(CF3)2CF−、CF3CH2−、CF3CF2CH2−、CF3CF2CF2CH2−、CF3CF2CF2CF2CH2−、CF3CF2CF2CF2CF2CH2−、CF3CF2CF2CF2CF2CF2CH2−、CF3CF2CF2CF2CF2CF2CF2CH2−、CF3CF2CF2CF2CF2CF2CF2CF2CH2−及び(CF3)2CFCH2−からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、CF3−、CF3CF2−、CF3CF2CF2−、CF3CF2CF2CF2−、CF3CF2CF2CF2CF2CF2−及び(CF3)2CF−からなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。

0026

上記新規化合物は、次の4つの方法により、好適に製造することができる。

0027

第1の製造方法は、一般式(2−1):

0028

(式中、Xはハロゲン原子である。)で示される化合物(2−1)とフルオロアルキル化剤とを反応させて、一般式(1):

0029

(式中、Rfは炭素数1〜8のフッ素化アルキル基である。)で示される化合物を得る工程を含むことを特徴とする。

0030

すなわち、第1の製造方法では、公知のハロゲン化不飽和環状カーボネートのフルオロアルキル化反応を行うことにより、目的のフッ素化不飽和環状カーボネートを得ることができる。

0031

一般式(2−1)におけるXは、ハロゲン原子であり、なかでも、フッ素原子塩素原子臭素原子ヨウ素原子が好ましく、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子がより好ましく、臭素原子、ヨウ素原子が特に好ましい。

0032

第1の製造方法は、フルオロアルキル化剤としてテロマーを用いる方法(1−1)、フルオロアルキル化剤として水銀化合物を用いる方法(1−2)、及び、フルオロアルキル化剤としてケイ素化合物を用いる方法(1−3)に分けられる。

0033

方法(1−1)では、フルオロアルキル化剤として、RfI(Rfは炭素数1〜8のフッ素化アルキル基である。)で示される化合物や、RfBr(Rfは上記と同じ。)で示される化合物を使用することが好ましく、ペルフルオロアルキルヨージド、ペルフルオロアルキルブロミド等を使用することがより好ましい。

0034

方法(1−1)では、化合物(2−1)とフルオロアルキル化剤との反応は有機溶媒中で行うことが好ましい。有機溶媒としては、ジエチルエーテルジイソプロピルエーテルエチルメチルエーテルシクロペンチルメチルエーテルメチル−t−ブチルエーテルテトラヒドロフラン等が好ましく、シクロペンチルメチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン等がより好ましく、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフランが特に好ましい。

0035

方法(1−1)では、化合物(2−1)とフルオロアルキル化剤との反応は亜鉛及び遷移金属触媒の存在下で行うことが好ましい。遷移金属触媒としては塩化パラジウム酢酸パラジウムビストリフェニルホスフィンパラジウムジクロライド、ビス(p−シアノフェニル)パラジウムジクロライド、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム、ビスアセチルアセトナートパラジウム、ビスジベンジリデンアセトンパラジウム等が好ましく、酢酸パラジウム、ビストリフェニルホスフィンパラジウムジクロライド、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウムがより好ましい。

0036

方法(1−1)では、化合物(2−1)とフルオロアルキル化剤との反応を超音波照射下で実施することもできる。

0037

方法(1−1)では、塩化ナトリウム水溶液等の水溶液を加えることによって、反応をクエンチすることができる。反応液に水溶液を添加すると2層に分離した液体が得られるので、分液操作によって有機層回収することにより、化合物(1)を含む溶液を得ることができる。

0038

得られた化合物(1)を含む溶液に、硫酸マグネシウム硫酸ナトリウム水和物(芒硝)、モレキュラーシーブス等の乾燥剤を加えた後、乾燥剤をろ別して、ろ液として化合物(1)を含む溶液を得たのち、該溶液を濃縮してもよい。

0039

得られた化合物(1)を含む溶液を蒸留するか、又は、当該溶液から化合物(1)を昇華させることにより、純度の高い化合物(1)を得ることができる。精製方法は、蒸留又は昇華による精製方法に限られず、所望により、溶媒抽出、乾燥、濾過、蒸留、濃縮、カラムクロマトグラフィー再結晶及びこれらの組み合わせ等の公知の精製方法によって精製することができる。

0040

方法(1−2)では、フルオロアルキル化剤として、Rf2Hg(Rfは炭素数1〜8のフッ素化アルキル基である。)で示される化合物を使用することが好ましく、(CF3)2Hg、(C2F5)2Hg、(C6F13)2Hg等を使用することがより好ましい。

0041

方法(1−2)では、化合物(2−1)とフルオロアルキル化剤との反応は有機溶媒中で行うことが好ましい。有機溶媒としては、N−メチルピロリドンジメチルホルムアミドジメチルアセトアミドアセトン酢酸メチル酢酸エチル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、グライムテトラグライムスルホラン等が好ましく、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル、ジエチルエーテル、グライム、テトラグライム、スルホラン等がより好ましく、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、スルホランが特に好ましい。

0042

方法(1−2)では、化合物(2−1)とフルオロアルキル化剤との反応は金属単体又は金属塩の存在下で行うことが好ましい。金属単体としては亜鉛、銅等が好ましく、銅がより好ましい。金属塩としては、フッ化銅、塩化銅臭化銅ヨウ化銅等が好ましく、臭化銅、ヨウ化銅がより好ましい。また、金属単体と金属塩の共存下での反応も可能である。

0043

方法(1−2)では、塩化ナトリウム水溶液等の水溶液を加えることによって、反応をクエンチすることができる。反応液に水溶液を添加すると2層に分離した液体が得られるので、分液操作によって有機層を回収することにより、化合物(1)を含む溶液を得ることができる。

0044

方法(1−2)では、分液性を向上させるため、反応液に非水溶性の有機溶媒を添加して分液操作を実施してもよい。非水溶性の有機溶媒としては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、酢酸エチル等が挙げられる。

0045

得られた化合物(1)を含む溶液に、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウムの水和物(芒硝)、モレキュラーシーブス等の乾燥剤を加えた後、乾燥剤をろ別して、ろ液として化合物(1)を含む溶液を得たのち、該溶液を濃縮してもよい。

0046

得られた化合物(1)を含む溶液を蒸留するか、又は、当該溶液から化合物(1)を昇華させることにより、純度の高い化合物(1)を得ることができる。精製方法は、蒸留又は昇華による精製方法に限られず、所望により、溶媒抽出、乾燥、濾過、蒸留、濃縮、カラムクロマトグラフィー、再結晶及びこれらの組み合わせ等の公知の精製方法によって精製することができる。

0047

方法(1−3)では、フルオロアルキル化剤として、RfTMS(Rfは炭素数1〜8のフッ素化アルキル基であり、TMSはトリメチルシリル基である。)で示される化合物や、RfTESで示される化合物(Rfは上記と同じ、TESはトリエチルシリル基である。)を使用することが好ましく、CF3TMS、C2F5TMS、C4F9TMS、C6F13TMS、CF3TES、C2F5TES、C4F9TES、C6F13TES等を使用することがより好ましい。

0048

方法(1−3)では、化合物(2−1)とフルオロアルキル化剤との反応は有機溶媒中で行うことが好ましい。有機溶媒としては、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルプロピレン尿素、グライム、テトラグライム、スルホラン等が好ましく、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルプロピレン尿素等がより好ましく、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルプロピレン尿素が特に好ましい。

0049

方法(1−3)では、化合物(2−1)とフルオロアルキル化剤との反応は銅塩及び金属フッ化物の存在下で行うことが好ましい。銅塩としてはフッ化銅、塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅、酢酸銅等が好ましく、塩化銅、ヨウ化銅がより好ましい。金属フッ化物としては、フッ化リチウムフッ化ナトリウムフッ化カリウム等が好ましく、フッ化カリウムがより好ましい。

0050

方法(1−3)では、化合物(2−1)とフルオロアルキル化剤との反応は配位子の存在下で行うことも可能である。配位子としては1,10−フェナントロリンテトラメチルエチレンジアミン、2,2’−ビピリジン等が好ましく、1,10−フェナントロリン、2,2’−ビピリジンが特に好ましい。

0051

方法(1−3)では、塩化ナトリウム水溶液等の水溶液を加えることによって、反応をクエンチすることができる。反応液に水溶液を添加すると2層に分離した液体が得られるので、分液操作によって有機層を回収することにより、化合物(1)を含む溶液を得ることができる。

0052

方法(1−3)では、分液性を向上させるため、反応液に非水溶性の有機溶媒を添加して分液操作を実施してもよい。非水溶性の有機溶媒としては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、酢酸エチル等が挙げられる。

0053

得られた化合物(1)を含む溶液に、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウムの水和物(芒硝)、モレキュラーシーブス等の乾燥剤を加えた後、乾燥剤をろ別して、ろ液として化合物(1)を含む溶液を得たのち、該溶液を濃縮してもよい。

0054

得られた化合物(1)を含む溶液を蒸留するか、又は、当該溶液から化合物(1)を昇華させることにより、純度の高い化合物(1)を得ることができる。精製方法は、蒸留又は昇華による精製方法に限られず、所望により、溶媒抽出、乾燥、濾過、蒸留、濃縮、カラムクロマトグラフィー、再結晶及びこれらの組み合わせ等の公知の精製方法によって精製することができる。

0055

第2の製造方法は、一般式(3−1):

0056

(式中、Rfは炭素数1〜8のフッ素化アルキル基である。)で示される化合物(3−1)とハロゲン化剤とを反応させて、一般式(3−2):

0057

(式中、Rfは上記と同じ。Xはハロゲン原子を表す。)で示される化合物(3−2)を得る工程、及び、化合物(3−2)と塩基とを反応させて、一般式(1):

0058

(式中、Rfは上記と同じ。)で示される化合物を得る工程を含むことを特徴とする。

0059

すなわち、第2の製造方法では、公知のフッ素化飽和環状カーボネートハロゲン化反応を行った後、脱ハロゲン化水素反応を行うことにより、目的のフッ素化不飽和環状カーボネートを得ることができる。ハロゲン化反応により得られたフッ素化飽和環状カーボネートは、単離する必要がなく、そのまま脱ハロゲン化水素反応に供することも可能である。

0060

一般式(3−1)及び一般式(3−2)におけるRfは、上述した一般式(1)におけるRfと同じである。
一般式(3−2)におけるXは、ハロゲン原子であり、なかでも、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましい。

0061

上記ハロゲン化剤としては、フッ素(F2)、塩素(Cl2)、臭素(Br2)、ヨウ素(I2)等のハロゲン単体又はハロゲン化試薬を使用することができ、なかでも、フッ素(F2)、塩素(Cl2)、臭素(Br2)又はハロゲン化試薬が好ましい。

0062

化合物(3−1)とハロゲン単体との反応は、溶媒中で行うことができ、含ハロゲン溶媒などの有機溶媒中で行うことが好ましい。上記有機溶媒としては、ハロゲンとしてフッ素を使用する場合は含フッ素溶媒であることが好ましく、塩素、臭素又はヨウ素を使用する場合は四塩化炭素等の有機溶媒中で行うことが好ましい。

0063

ハロゲン化試薬を使用する場合も、上記反応は有機溶媒中で行うことができる。この場合の有機溶媒は、次の工程で使用する塩基と反応しない有機溶媒であれば特に制限されない。

0064

上記ハロゲン化試薬としては、フッ素原子を有するもの(フッ素化剤)、塩素原子を有するもの(塩素化剤)、臭素原子を有するもの(臭素化剤)、及び、ヨウ素原子を有するもの(ヨウ素化剤)、のいずれであってもよい。

0065

フッ素化剤としては、1−フルオロピリジニウムテトラフルオロボレート、1−フルオロピリジニウムトリフレート、1−フルオロ−2,4,6−トリメチルピリジニウムテトラフルオロボレート、1−フルオロ−2,4,6−トリフルオロメチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、N−フルオロ−N’−(クロロメチル)−トリエチレンジアミンビス(テトラフルオロボレート)、N−フルオロベンゼンスルホンイミドテトラブチルアンモニウムジフルオロトリフェニル錫、2,6−ジクロロ−1−フルオロピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、1,1’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジニウムビス(テトラフルオロボラート)等が挙げられ、N−フルオロ−N’−(クロロメチル)−トリエチレンジアミンビス(テトラフルオロボレート、又は、N−フルオロベンゼンスルホンイミドが好ましい。

0066

塩素化剤としては、次亜塩素酸tert−ブチル、N−クロロフタルイミド、N−クロロコハク酸イミド塩化シアヌル塩化オキサリルジクロロイソシアヌル酸ナトリウムトリクロロイソシアヌル酸トリクロロメタン塩化チオニル等が挙げられ、N−クロロフタルイミド、N−クロロコハク酸イミド、塩化オキサリル、トリクロロメタン、又は、塩化チオニルが好ましい。

0067

臭素化剤としては、三臭化ホウ素、N−ブロモアセトアミドブロモジメチルブロミド、N−ブロモフタルイミド、N−ブロモサッカリン、N−ブロモコハク酸イミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトリブロミド、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、ジブロモイソシアヌル酸、5,5−ジブロモメルドラム酸、4−ジメチルアミノピリジニウムブロミドペルブロミド、ピリジニウムブロミドペルブロミド、2,4,4,6−テトラブロモ−2,5−シクロヘキサジエノン、テトラブチルアンモニウムトリブロミド、トリメチルフェニルアンモニウムブロミド、トリフェニルホスフィンジブロミド等が挙げられ、三臭化ホウ素、N−ブロモフタルイミド、N−ブロモコハク酸イミド、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、ジブロモイソシアヌル酸、又は、5,5−ジブロモメルドラム酸が好ましい。

0068

ヨウ素化剤としては、1,3−ジヨード−5,5−ジメチルヒダントイン、N−ヨードサッカリン、N−ヨードコハク酸イミド等が挙げられる。

0069

化合物(3−1)とハロゲン単体との反応は、加熱又は光を照射することによって、進行させることができる。光としては、紫外線が好ましい。

0070

そして、還元剤を加えることによって、反応をクエンチすることができる。還元剤は水溶液として添加することができる。化合物(3−1)とハロゲン化剤との反応を非水溶性の有機溶媒中で行った場合、反応生成物還元剤水溶液を添加すると2層に分離した液体が得られるので、分液操作によって有機層を回収することにより、化合物(3−2)を含む溶液を得ることができる。

0071

次に、化合物(3−2)と塩基又は金属とを反応させる。

0072

上記反応は、化合物(3−2)を得るための反応で使用した溶媒中で行うことができる。また、化合物(3−2)を含む溶液から溶媒を留去した後、化合物(3−2)を得るための反応で使用した溶媒とは異なる溶媒を添加して、その溶媒中で化合物(3−2)と塩基又は金属とを反応させてもよい。

0073

上記塩基としては、有機塩基及び無機塩基のいずれかを使用することができ、なかでも、トリエチルアミンジイソプロピルエチルアミン、tert−ブトキシカリウムが好ましい。

0074

上記金属としては亜鉛が好ましい。

0075

上記塩基又は金属は、還元剤を加えて反応をクエンチさせた後に回収した化合物(3−2)を含む溶液に添加してもよい。また、化合物(3−1)とハロゲン化剤とを反応して得られる溶液に、還元剤と塩基又は金属とを同時に加えてもよく、この場合、2つの工程を同じ容器で連続して実施することができる。

0076

そして、酸性水溶液を加えることによって、反応をクエンチすることができる。化合物(3−2)と塩基又は金属との反応を非水溶性の有機溶媒中で行った場合、反応生成物に酸性水溶液を添加すると2層に分離した液体が得られるので、分液操作によって有機層を回収することにより、化合物(1)を含む溶液を得ることができる。

0077

得られた化合物(1)を含む溶液に、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウムの水和物(芒硝)、モレキュラーシーブス等の乾燥剤を加えた後、乾燥剤をろ別して、ろ液として化合物(1)を含む溶液を得たのち、該溶液を濃縮してもよい。

0078

得られた化合物(1)を含む溶液を蒸留するか、又は、当該溶液から化合物(1)を昇華させることにより、純度の高い化合物(1)を得ることができる。精製方法は、蒸留又は昇華による精製方法に限られず、所望により、溶媒抽出、乾燥、濾過、蒸留、濃縮、カラムクロマトグラフィー、再結晶及びこれらの組み合わせ等の公知の精製方法によって精製することができる。

0079

第3の製造方法は、一般式(4−1):



(式中、Rfは炭素数1〜8のフッ素化アルキル基である。)で示される化合物(4−1)と二酸化炭素とを反応させて、一般式(4−2):



(式中、Rfは上記と同じ。)で示される化合物(4−2)を得る工程、及び、化合物(4−2)と塩基とを反応させて、一般式(1):



(式中、Rfは上記と同じ。)で示される化合物を得る工程を含むことを特徴とする。

0080

すなわち、第3の製造方法では、公知のフッ素化エポキシ化合物に二酸化炭素を作用させてフッ素化飽和環状カーボネートを得た後、脱ハロゲン化水素反応により、得られたフッ素化飽和環状カーボネートから目的のフッ素化不飽和環状カーボネートを得ることができる。得られたフッ素化飽和環状カーボネートは、単離する必要がなく、そのまま脱ハロゲン化水素反応に供することも可能である。

0081

一般式(4−1)及び一般式(4−2)におけるRfは、上述した一般式(1)におけるRfと同じである。

0082

化合物(4−1)と二酸化炭素との反応は、溶媒中で行うことができ、溶媒は有機溶媒であっても水であってもよい。有機溶媒としては、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、グライム、テトラグライム、スルホラン等が好ましく、中でもN−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル、ジエチルエーテル、グライム、テトラグライム、スルホラン等が好ましく、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、アセトン、スルホランがより好ましい。

0083

化合物(4−1)と二酸化炭素との反応は、塩の存在下で行うことが好ましい。塩としては、NaF、NaCl、NaBr、NaI、LiF、LiCl、LiBr、LiI、KF、KCl、KBr及びKIからなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、LiF、LiCl、LiBr及びLiIからなる群より選択される少なくとも1種がより好ましい。

0084

化合物(4−1)と二酸化炭素との反応は、0〜100℃で実施することができ、15〜80℃で実施することが好ましい。

0085

そして、有機溶媒を用いて反応を行う場合、水等を加えることによって、反応をクエンチすることができる。

0086

水を溶媒として反応を行う場合、有機溶媒での抽出をクエンチ操作に代えることができる。

0087

化合物(4−1)と二酸化炭素との反応を水溶性の有機溶媒中で行い、水を添加して反応をクエンチした場合、反応生成物に非水溶性の有機溶媒を添加すると2層に分離した液体が得られるので、分液操作によって有機層を回収することにより、化合物(4−2)を含む溶液を得ることができる。非水溶性の有機溶媒としては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、酢酸エチル等が挙げられる。

0088

化合物(4−2)を含む溶液に、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウムの水和物(芒硝)、モレキュラーシーブス等の乾燥剤を加えた後、乾燥剤をろ別して、ろ液として化合物(4−2)を含む溶液を得たのち、該溶液を次の工程に供してもよい。

0089

次に、化合物(4−2)と塩基又は金属とを反応させる。

0090

上記反応は、化合物(4−2)を得るための反応で使用した溶媒中で行うことができる。また、化合物(4−2)を含む溶液から溶媒を留去した後、化合物(4−2)を得るための反応で使用した溶媒とは異なる溶媒を添加して、その溶媒中で化合物(4−2)と塩基又は金属とを反応させてもよい。

0091

上記塩基としては、有機塩基及び無機塩基のいずれかを使用することができ、なかでも、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、tert−ブトキシカリウムが好ましい。

0092

上記金属としては亜鉛が好ましい。

0093

上記塩基又は金属は、水等を加えて反応をクエンチさせた後に回収した化合物(4−2)を含む溶液に添加してもよい。また、化合物(4−1)とハロゲン化剤とを反応して得られる溶液に、水等と塩基又は金属とを同時に加えてもよく、この場合、2つの工程を同じ容器で連続して実施することができる。

0094

そして、酸性水溶液を加えることによって、反応をクエンチすることができる。化合物(4−2)と塩基又は金属との反応を非水溶性の有機溶媒中で行った場合、反応生成物に酸性水溶液を添加すると2層に分離した液体が得られるので、分液操作によって有機層を回収することにより、化合物(1)を含む溶液を得る。

0095

得られた化合物(1)を含む溶液に、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウムの水和物(芒硝)、モレキュラーシーブス等の乾燥剤を加えた後、乾燥剤をろ別して、ろ液として化合物(1)を含む溶液を得たのち、該溶液を濃縮してもよい。

0096

得られた化合物(1)を含む溶液を蒸留するか、又は、当該溶液から化合物(1)を昇華させることにより、純度の高い化合物(1)を得ることができる。精製方法は、蒸留又は昇華による精製方法に限られず、所望により、溶媒抽出、乾燥、濾過、蒸留、濃縮、カラムクロマトグラフィー、再結晶及びこれらの組み合わせ等の公知の精製方法によって精製することができる。

0097

第4の製造方法は、ビニレンカーボネートと一般式(5−1):
Rf−X
(式中、Rfは炭素数1〜8のフッ素化アルキル基である。Xはハロゲン原子を表す。)で示される化合物(5−1)とを反応させて、一般式(5−2):



(式中、Rfは上記と同じ。Xはハロゲン原子を表す。)で示される化合物(5−2)を得る工程、及び、
化合物(5−2)と塩基又は金属とを反応させて、一般式(1):



(式中、Rfは上記と同じ。)で示される化合物を得る工程を含むことを特徴とする。

0098

すなわち、第4の製造方法では、公知のビニレンカーボネートにフッ素化アルキルハライドを作用させてフッ素化飽和環状カーボネートを得た後、脱ハロゲン化水素反応により、得られたフッ素化飽和環状カーボネートから目的のフッ素化不飽和環状カーボネートを得ることができる。得られたフッ素化飽和環状カーボネートは、単離する必要がなく、そのまま脱ハロゲン化水素反応に供することも可能である。

0099

一般式(5−1)及び一般式(5−2)におけるRfは、上述した一般式(1)におけるRfと同じである。
一般式(5−1)及び一般式(5−2)におけるXは、ハロゲン原子であり、なかでも、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく、ヨウ素原子が特に好ましい。

0100

ビニレンカーボネートと化合物(5−1)との反応は、無溶媒で行ってもよく、溶媒中で行ってもよい。溶媒中で行う場合、溶媒は有機溶媒であっても水であってもよい。有機溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールヘキサンベンゼントルエンベンゾトリフルオリド、ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン等が好ましく、ベンゼン、トルエン、ベンゾトリフルオリド、ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン等がより好ましく、トルエン、ベンゾトリフルオリド、ジクロロメタンが更に好ましい。

0101

ビニレンカーボネートと化合物(5−1)との反応は、ラジカル開始剤を添加するか、又は、ラジカル開始剤を用いずに加熱することにより、進行させることができる。

0102

ラジカル開始剤としては、有機系ラジカル開始剤、無機系ラジカル開始剤を用いることができる。

0103

有機系ラジカル開始剤としてはアゾ化合物有機過酸化物有機金属化合物が好ましい。アゾ化合物としては2,2’−アゾビスイソブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、ジメチル−1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)等が好ましい。有機過酸化物としては、ジベンゾイルペルオキシド、ジ−(3−メチルベンゾイル)ペルオキシド、ベンゾイル(3−メチルベンゾイル)ペルオキシド、1,1−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、2,2−ジ(t−ブチルペルオキシ)ブタン、t−ブチルクミルペルオキシド、ジ−t−ヘキシルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルペルオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン等が好ましい。有機金属化合物としては、トリエチルボランジエチル亜鉛トリメチルアルミニウム等が好ましい。

0104

無機系ラジカル開始剤としては、金属単体、金属塩等を用いることができる。金属単体としては亜鉛、銅、銀などが好ましく、複数の金属単体の存在下に反応を行ってもよい。金属塩としてはNa2S2O3、Na2S2O4、CuF、CuCl、CuBr、CuI、FeCl2、FeBr2、FeSO4、Fe(acac)2、AgF、AgCl、AgBr、AgI等が用いられ、Na2S2O3、Na2S2O4、CuBr、CuI、FeBr2、FeSO4、Fe(acac)2、AgF、AgClがより好ましい。また、複数の金属塩の存在下に反応を行ってもよい。

0105

ビニレンカーボネートと化合物(5−1)との反応は、ラジカル開始剤を使用する場合は、0〜200℃で実施することが好ましく、20〜150℃で実施することがより好ましい。ラジカル開始剤を用いずに加熱する場合の反応温度は、150〜300℃が好ましく、200〜250℃がより好ましい。

0106

ビニレンカーボネートと化合物(5−1)との反応を無溶媒又は有機溶媒中で行った場合、反応生成物に水等を添加すると2層に分離した液体が得られるので、分液操作によって有機層を回収することにより、化合物(5−2)を含む溶液を得ることができる。反応を水中で行った場合、反応生成物に非水溶性の有機溶媒を添加すると2層に分離した液体が得られるので、分液操作によって有機層を回収することにより、化合物(5−2)を含む溶液を得ることができる。反応を無溶媒で行った場合、過剰の有機化合物エバポレーター等で除去することにより、化合物(5−2)を含む溶液を得ることができる。

0107

化合物(5−2)を含む溶液に、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウムの水和物(芒硝)、モレキュラーシーブス等の乾燥剤を加えた後、乾燥剤をろ別して、ろ液として化合物(5−2)を含む溶液を得たのち、該溶液を次の工程に供してもよい。

0108

次に、化合物(5−2)と塩基又は金属とを反応させる。

0109

上記反応は、溶媒中で行うことができる。溶媒としては、有機溶媒であれば特に制限されず、例えば、化合物(5−2)を得るための反応で使用した溶媒を使用することができる。また、化合物(5−2)を含む溶液から溶媒を留去した後、化合物(5−2)を得るための反応で使用した溶媒とは異なる溶媒を添加して、その溶媒中で化合物(5−2)と塩基又は金属とを反応させてもよい。また、化合物(5−2)を得るための反応を無溶媒で行った後、必要に応じて反応液中の揮発成分を留去し、次いで必要な溶媒を導入して、その溶媒中で化合物(5−2)と塩基又は金属とを反応させてもよい。

0110

上記塩基としては、有機塩基及び無機塩基のいずれかを使用することができ、なかでも、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、tert−ブトキシカリウムが好ましい。

0111

上記金属としては亜鉛が好ましい。

0112

上記塩基又は金属は、水等を加えて反応をクエンチさせた後に回収した化合物(5−2)を含む溶液に添加してもよい。また、ビニレンカーボネートと化合物(5−1)とを反応して得られる溶液に、水等と塩基又は金属とを同時に加えてもよく、この場合、2つの工程を同じ容器で連続して実施することができる。

0113

そして、酸性水溶液を加えることによって、反応をクエンチすることができる。化合物(5−2)と塩基又は金属との反応を非水溶性の有機溶媒中で行った場合、反応生成物に酸性水溶液を添加すると2層に分離した液体が得られるので、分液操作によって有機層を回収することにより、化合物(1)を含む溶液を得る。

0114

得られた化合物(1)を含む溶液に、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウムの水和物(芒硝)、モレキュラーシーブス等の乾燥剤を加えた後、乾燥剤をろ別して、ろ液として化合物(1)を含む溶液を得たのち、該溶液を濃縮してもよい。

0115

得られた化合物(1)を含む溶液を蒸留するか、又は、当該溶液から化合物(1)を昇華させることにより、純度の高い化合物(1)を得ることができる。精製方法は、蒸留又は昇華による精製方法に限られず、所望により、溶媒抽出、乾燥、濾過、濃縮、カラムクロマトグラフィー、再結晶及びこれらの組み合わせ等の公知の精製方法によって精製することができる。

0116

上記新規化合物は、リチウムイオン二次電池等の電気化学デバイスに使用する電解液を構成する成分として有用である。

0117

上記電解液は、一般式(1)で示される化合物を含むことが好ましく、更に、溶媒及び電解質塩を含むことがより好ましい。一般式(1)で示される化合物を含む電解液は、高温で保存しても、回復容量が高く、ガス発生量が小さい。

0118

上記電解液は、一般式(1)で示される化合物を、溶媒に対して、0.001〜90体積%含有することが好ましい。一般式(1)で示される化合物の含有量は、0.01体積%以上であることがより好ましく、60体積%以下であることがより好ましく、20体積%以下であることが更に好ましく、10体積%以下であることが特に好ましい。

0119

上記溶媒は、更に、フッ素化鎖状カーボネート非フッ素化飽和環状カーボネート、フッ素化飽和環状カーボネート及び非フッ素化鎖状カーボネートからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。

0120

上記フッ素化鎖状カーボネートは、フッ素原子を有する鎖状カーボネートである。

0121

上記フッ素化鎖状カーボネートは、フッ素含有率が10〜70質量%であることが好ましい。上記フッ素含有率は、フッ素化鎖状カーボネートの構造式に基づいて、{(フッ素原子の個数×19)/フッ素化鎖状カーボネートの分子量}×100(%)により算出した値である。

0122

上記フッ素化鎖状カーボネートとしては、一般式:Rf1OCOORf2
(式中、Rf1及びRf2は、同じか又は異なり、炭素数1〜4のアルキル基又は含フッ素アルキル基を表す。ただし、Rf1及びRf2の少なくとも一方は炭素数1〜4の含フッ素アルキル基である。)で表されるフッ素化鎖状カーボネートが挙げられる。

0123

上記Rf1及びRf2は、同じか又は異なり、炭素数1〜4のアルキル基又は含フッ素アルキル基を表す。ただし、Rf1及びRf2の少なくとも一方は炭素数1〜4の含フッ素アルキル基である。
上記炭素数は、電解液への相溶性が良好である点で、1〜3が好ましい。

0124

Rf1としては、例えば、CF3−、CF3CF2−、(CF3)2CH−、CF3CH2−、C2F5CH2−、HCF2CH2−、HCF2CF2CH2−、CF3CFHCF2CH2−等が挙げられる。なかでも、難燃性が高く、レート特性耐酸化性が良好な点から、CF3CH2−、HCF2CH2−が好ましい。

0125

Rf2としては、例えば、CF3−、CF3CF2−、(CF3)2CH−、CF3CH2−、C2F5CH2−、HCF2CH2−、HCF2CF2CH2−、CF3CFHCF2CH2−等が挙げられる。なかでも、難燃性が高く、レート特性や耐酸化性が良好な点から、CF3CH2−、HCF2CH2−が好ましい。

0126

上記フッ素化鎖状カーボネートの具体例としては、例えば、CF3CH2OCOOCH2CF3、CF3CH2OCOOCH3、CF3CF2CH2OCOOCH2CF2CF3、CF3CF2CH2OCOOCH3などのフッ素化鎖状カーボネートが挙げられる。また、たとえば特開平06−21992号公報、特開2000−327634号公報、特開2001−256983号公報などに記載された化合物も例示できる。これらの中でも、ガスの発生を抑制し、高温保存特性を向上させる効果が高いことから、CF3CH2OCOOCH2CF3、CF3CH2OCOOCH3、及び、CF3CF2CH2OCOOCH2CF2CF3からなる群より選択される少なくとも1種の化合物が好ましい。上記フッ素含有率は、20質量%以上がより好ましく、30質量%以上が更に好ましく、33質量%以上であることが特に好ましい。上記フッ素含有率は、60質量%以下がより好ましく、55質量%以下が更に好ましい。

0127

上記非フッ素化飽和環状カーボネートとしては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート等を挙げることができる。

0128

なかでも、上記非フッ素化飽和環状カーボネートとしては、誘電率が高く、粘度が好適となる点で、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、及び、ブチレンカーボネートからなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
上記非フッ素化飽和環状カーボネートとして、上述した化合物の1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。

0129

上記フッ素化飽和環状カーボネートは、フッ素原子が付加した飽和環状カーボネートであり、具体的には、下記一般式(A):

0130

0131

(式中、X1〜X4は同じか又は異なり、それぞれ−H、−CH3、−F、エーテル結合を有してもよいフッ素化アルキル基、又は、エーテル結合を有してもよいフッ素化アルコキシ基を表す。ただし、X1〜X4の少なくとも1つは、−F、エーテル結合を有してもよいフッ素化アルキル基、又は、エーテル結合を有してもよいフッ素化アルコキシ基である。)で表されるフッ素化飽和環状カーボネート(A)が挙げられる。
上記フッ素化飽和環状カーボネート(A)を含むと、上記電解液をリチウムイオン二次電池等に適用した場合に、負極に安定な被膜を形成することができ、負極での電解液の副反応を充分に抑制することができる。その結果、極めて安定で優れた充放電特性が得られる。
なお、本明細書中で「エーテル結合」は、−O−で表される結合である。

0132

上記一般式(A)において、誘電率、耐酸化性が良好な点から、X1〜X4の1つ又は2つが、−F、エーテル結合を有してもよいフッ素化アルキル基、又は、エーテル結合を有してもよいフッ素化アルコキシ基であることが好ましい。

0133

上記一般式(A)において、低温での粘性の低下、引火点の上昇、更には電解質塩の溶解性の向上が期待できることから、X1〜X4は、−H、−F、フッ素化アルキル基(a)、エーテル結合を有するフッ素化アルキル基(b)、又は、フッ素化アルコキシ基(c)であることが好ましい。

0134

上記フッ素化アルキル基(a)は、アルキル基が有する水素原子の少なくとも1つをフッ素原子で置換したものである。フッ素化アルキル基(a)の炭素数は、1〜20が好ましく、2〜17がより好ましく、2〜7が更に好ましく、2〜5が特に好ましい。
炭素数が大きくなりすぎると低温特性が低下したり、電解質塩の溶解性が低下したりするおそれがあり、炭素数が少な過ぎると、電解質塩の溶解性の低下、放電効率の低下、更には粘性の増大等がみられることがある。

0135

上記フッ素化アルキル基(a)のうち、炭素数が1のものとしては、CFH2−、CF2H−及びCF3−が挙げられる。

0136

上記フッ素化アルキル基(a)のうち、炭素数が2以上のものとしては、下記一般式(a−1):
R1−R2− (a−1)

0137

(式中、R1はフッ素原子を有していてもよい炭素数1以上のアルキル基;R2はフッ素原子を有していてもよい炭素数1〜3のアルキレン基;ただし、R1及びR2の少なくとも一方はフッ素原子を有している)で示されるフッ素化アルキル基が、電解質塩の溶解性が良好な点から好ましく例示できる。
なお、R1及びR2は、更に、炭素原子、水素原子及びフッ素原子以外の、その他の原子を有していてもよい。

0138

R1は、フッ素原子を有していてもよい炭素数1以上のアルキル基である。R1としては、炭素数1〜16の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましい。R1の炭素数としては、1〜6がより好ましく、1〜3が更に好ましい。

0139

R1として、具体的には、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基として、CH3−、CH3CH2−、CH3CH2CH2−、CH3CH2CH2CH2−、

0140

0141

(式中の破線結合部位である。)等が挙げられる。

0142

また、R1がフッ素原子を有する直鎖状のアルキル基である場合、CF3−、CF3CH2−、CF3CF2−、CF3CH2CH2−、CF3CF2CH2−、CF3CF2CF2−、CF3CH2CF2−、CF3CH2CH2CH2−、CF3CF2CH2CH2−、CF3CH2CF2CH2−、CF3CF2CF2CH2−、CF3CF2CF2CF2−、CF3CF2CH2CF2−、CF3CH2CH2CH2CH2−、CF3CF2CH2CH2CH2−、CF3CH2CF2CH2CH2−、CF3CF2CF2CH2CH2−、CF3CF2CF2CF2CH2−、CF3CF2CH2CF2CH2−、CF3CF2CH2CH2CH2CH2−、CF3CF2CF2CF2CH2CH2−、CF3CF2CH2CF2CH2CH2−、HCF2−、HCF2CH2−、HCF2CF2−、HCF2CH2CH2−、HCF2CF2CH2−、HCF2CH2CF2−、HCF2CF2CH2CH2−、HCF2CH2CF2CH2−、HCF2CF2CF2CF2−、HCF2CF2CH2CH2CH2−、HCF2CH2CF2CH2CH2−、HCF2CF2CF2CF2CH2−、HCF2CF2CF2CF2CH2CH2−、FCH2−、FCH2CH2−、FCH2CF2−、FCH2CF2CH2−、FCH2CF2CF2−、CH3CF2CH2−、CH3CF2CF2−、CH3CH2CH2−、CH3CF2CH2CF2−、CH3CF2CF2CF2−、CH3CH2CF2CF2−、CH3CF2CH2CF2CH2−、CH3CF2CF2CF2CH2−、CH3CF2CF2CH2CH2−、CH3CH2CF2CF2CH2−、CH3CF2CH2CF2CH2CH2−、HCFClCF2CH2−、HCF2CFClCH2−、HCF2CFClCF2CFClCH2−、HCFClCF2CFClCF2CH2−等が挙げられる。

0143

また、R1がフッ素原子を有する分岐鎖状のアルキル基である場合、

0144

0145

0146

(式中の破線は結合部位である。)等が好ましく挙げられる。ただし、−CH3や−CF3という分岐を有していると粘性が高くなりやすいため、その数は少ない(1個)かゼロであることがより好ましい。

0147

R2はフッ素原子を有していてもよい炭素数1〜3のアルキレン基である。R2は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。このような直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を構成する最小構造単位の一例を下記に示す。R2はこれらの単独又は組合せで構成される。

0148

(i)直鎖状の最小構造単位:
−CH2−、−CHF−、−CF2−、−CHCl−、−CFCl−、−CCl2−

0149

(ii)分岐鎖状の最小構造単位(式中の破線は結合部位である。):

0150

0151

なお、以上の例示のなかでも、塩基による脱HCl反応が起こらず、より安定なことから、Clを含有しない構成単位から構成されることが好ましい。

0152

R2は、直鎖状である場合には、上述した直鎖状の最小構造単位のみからなるものであり、なかでも−CH2−、−CH2CH2−又は−CF2−が好ましい。電解質塩の溶解性をより一層向上させることができる点から、−CH2−又は−CH2CH2−がより好ましい。

0153

R2は、分岐鎖状である場合には、上述した分岐鎖状の最小構造単位を少なくとも1つ含んでなるものであり、一般式:−(CXaXb)−(XaはH、F、CH3又はCF3;XbはCH3又はCF3。ただし、XbがCF3の場合、XaはH又はCH3である)で表されるものが好ましく例示できる。これらは特に電解質塩の溶解性をより一層向上させることができる。

0154

好ましいフッ素化アルキル基(a)としては、例えばCF3CF2−、HCF2CF2−、H2CFCF2−、CH3CF2−、CF3CF2CF2−、HCF2CF2CF2−、H2CFCF2CF2−、CH3CF2CF2−、

0155

0156

0157

(式中の破線は結合部位である。)等が挙げられる。

0158

上記エーテル結合を有するフッ素化アルキル基(b)は、エーテル結合を有するアルキル基が有する水素原子の少なくとも1つをフッ素原子で置換したものである。上記エーテル結合を有するフッ素化アルキル基(b)は、炭素数が2〜17であることが好ましい。炭素数が多過ぎると、フッ素化飽和環状カーボネート(A)の粘性が高くなり、また、フッ素含有基が多くなることから、誘電率の低下による電解質塩の溶解性低下や、他の溶剤との相溶性の低下がみられることがある。この観点から上記エーテル結合を有するフッ素化アルキル基(b)の炭素数は2〜10がより好ましく、2〜7が更に好ましい。

0159

上記エーテル結合を有するフッ素化アルキル基(b)のエーテル部分を構成するアルキレン基は直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基でよい。そうした直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を構成する最小構造単位の一例を下記に示す。

0160

(i)直鎖状の最小構造単位:
−CH2−、−CHF−、−CF2−、−CHCl−、−CFCl−、−CCl2−

0161

(ii)分岐鎖状の最小構造単位(式中の破線は結合部位である。):

0162

0163

アルキレン基は、これらの最小構造単位単独で構成されてもよく、直鎖状(i)同士、分岐鎖状(ii)同士、又は、直鎖状(i)と分岐鎖状(ii)との組み合わせにより構成されてもよい。好ましい具体例は、後述する。

0164

なお、以上の例示のなかでも、塩基による脱HCl反応が起こらず、より安定なことから、Clを含有しない構成単位から構成されることが好ましい。

0165

更に好ましいエーテル結合を有するフッ素化アルキル基(b)としては、一般式(b−1):
R3−(OR4)n1− (b−1)
(式中、R3はフッ素原子を有していてもよい、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基;R4はフッ素原子を有していてもよい、好ましくは炭素数1〜4のアルキレン基;n1は1〜3の整数;ただし、R3及びR4の少なくとも1つはフッ素原子を有している)で示されるものが挙げられる。

0166

R3及びR4としては以下のものが例示でき、これらを適宜組み合わせて、上記一般式(b−1)で表されるエーテル結合を有するフッ素化アルキル基(b)を構成することができるが、これらのみに限定されるものではない。

0167

(1)R3としては、一般式:Xc3C−(R5)n2−(3つのXcは同じか又は異なりいずれもH又はF;R5は炭素数1〜5のフッ素原子を有していてもよいアルキレン基;n2は0又は1)で表されるアルキル基が好ましい。

0168

n2が0の場合、R3としては、CH3−、CF3−、HCF2−及びH2CF−が挙げられる。

0169

n2が1の場合の具体例としては、R3が直鎖状のものとして、CF3CH2−、CF3CF2−、CF3CH2CH2−、CF3CF2CH2−、CF3CF2CF2−、CF3CH2CF2−、CF3CH2CH2CH2−、CF3CF2CH2CH2−、CF3CH2CF2CH2−、CF3CF2CF2CH2−、CF3CF2CF2CF2−、CF3CF2CH2CF2−、CF3CH2CH2CH2CH2−、CF3CF2CH2CH2CH2−、CF3CH2CF2CH2CH2−、CF3CF2CF2CH2CH2−、CF3CF2CF2CF2CH2−、CF3CF2CH2CF2CH2−、CF3CF2CH2CH2CH2CH2−、CF3CF2CF2CF2CH2CH2−、CF3CF2CH2CF2CH2CH2−、HCF2CH2−、HCF2CF2−、HCF2CH2CH2−、HCF2CF2CH2−、HCF2CH2CF2−、HCF2CF2CH2CH2−、HCF2CH2CF2CH2−、HCF2CF2CF2CF2−、HCF2CF2CH2CH2CH2−、HCF2CH2CF2CH2CH2−、HCF2CF2CF2CF2CH2−、HCF2CF2CF2CF2CH2CH2−、FCH2CH2−、FCH2CF2−、FCH2CF2CH2−、FCH2CF2CH2−、CH3CF2−、CH3CH2−、CH3CF2CH2−、CH3CF2CF2−、CH3CH2CH2−、CH3CF2CH2CF2−、CH3CF2CF2CF2−、CH3CH2CF2CF2−、CH3CH2CH2CH2−、CH3CF2CH2CF2CH2−、CH3CF2CF2CF2CH2−、CH3CF2CF2CH2CH2−、CH3CH2CF2CF2CH2−、CH3CH2CF2CF2CH2CH2−、CH3CF2CH2CF2CH2CH2−等が例示できる。

0170

n2が1であり、かつR3が分岐鎖状のものとしては、

0171

0172

(式中の破線は結合部位である。)等が挙げられる。

0173

ただし、−CH3や−CF3という分岐を有していると粘性が高くなりやすいため、R3が直鎖状のものがより好ましい。

0174

(2)上記一般式(b−1)の−(OR4)n1−において、n1は1〜3の整数であり、好ましくは1又は2である。なお、n1=2又は3のとき、R4は同じでも異なっていてもよい。

0175

R4の好ましい具体例としては、次の直鎖状又は分岐鎖状のものが例示できる。

0176

直鎖状のものとしては、−CH2−、−CHF−、−CF2−、−CH2CH2−、−CF2CH2−、−CF2CF2−、−CH2CF2−、−CH2CH2CH2−、−CH2CH2CF2−、−CH2CF2CH2−、−CH2CF2CF2−、−CF2CH2CH2−、−CF2CF2CH2−、−CF2CH2CF2−、−CF2CF2CF2−等が例示できる。

0177

分岐鎖状のものとしては、

0178

0179

(式中の破線は結合部位である。)等が挙げられる。

0180

上記フッ素化アルコキシ基(c)は、アルコキシ基が有する水素原子の少なくとも1つをフッ素原子で置換したものである。上記フッ素化アルコキシ基(c)は、炭素数が1〜17であることが好ましい。より好ましくは、炭素数1〜6である。

0181

上記フッ素化アルコキシ基(c)としては、一般式:Xd3C−(R6)n3−O−(3つのXdは同じか又は異なりいずれもH又はF;R6は好ましくは炭素数1〜5のフッ素原子を有していてもよいアルキレン基;n3は0又は1;ただし3つのXdのいずれかはフッ素原子を含んでいる)で表されるフッ素化アルコキシ基が特に好ましい。

0182

上記フッ素化アルコキシ基(c)の具体例としては、上記一般式(a−1)におけるR1として例示したアルキル基の末端酸素原子が結合したフッ素化アルコキシ基が挙げられる。

0183

フッ素化飽和環状カーボネート(A)におけるフッ素化アルキル基(a)、エーテル結合を有するフッ素化アルキル基(b)、及び、フッ素化アルコキシ基(c)のフッ素含有率は10質量%以上が好ましい。フッ素含有率が低過ぎると、引火点の上昇効果が充分に得られないおそれがある。この観点から上記フッ素含有率は20質量%以上がより好ましく、30質量%以上が更に好ましい。上限は通常85質量%である。
フッ素化アルキル基(a)、エーテル結合を有するフッ素化アルキル基(b)、及び、フッ素化アルコキシ基(c)のフッ素含有率は、各基の構造式に基づいて、{(フッ素原子の個数×19)/各基の式量}×100(%)により算出した値である。

0184

また、誘電率、耐酸化性が良好な点からは、フッ素化飽和環状カーボネート(A)全体のフッ素含有率は5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。上限は通常76質量%である。
なお、フッ素化飽和環状カーボネート(A)のフッ素含有率は、フッ素化飽和環状カーボネート(A)の構造式に基づいて、{(フッ素原子の個数×19)/フッ素化飽和環状カーボネート(A)の分子量}×100(%)により算出した値である。

0185

上記フッ素化飽和環状カーボネート(A)としては、具体的には、例えば、以下が挙げられる。

0186

上記一般式(A)において、X1〜X4の少なくとも1つが−Fであるフッ素化飽和環状カーボネート(A)の具体例として、

0187

0188

等が挙げられる。これらの化合物は、耐電圧が高く、電解質塩の溶解性も良好である。他に、

0189

0190

等も使用できる。

0191

上記一般式(A)において、X1〜X4の少なくとも1つがフッ素化アルキル基(a)であり、かつ残りが全て−Hであるフッ素化飽和環状カーボネート(A)の具体例としては、

0192

0193

0194

0195

等が挙げられる。

0196

上記一般式(A)において、X1〜X4の少なくとも1つが、エーテル結合を有するフッ素化アルキル基(b)、又は、フッ素化アルコキシ基(c)であり、かつ残りが全て−Hであるフッ素化飽和環状カーボネート(A)の具体例としては、

0197

0198

0199

0200

0201

0202

0203

等が挙げられる。

0204

なお、上記フッ素化飽和環状カーボネート(A)は、上述した具体例のみに限定されるものではない。また、上記フッ素化飽和環状カーボネート(A)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。また、フッ素化飽和環状カーボネートの好適な含有量を後述するが、これらの好適な含有量はフッ素化飽和環状カーボネート(A)の好適な含有量でもある。

0205

上記フッ素化飽和環状カーボネート(A)としては、なかでも、フルオロエチレンカーボネートジフルオロエチレンカーボネートが好ましい。

0206

上記非フッ素化鎖状カーボネートとしては、例えば、CH3OCOOCH3(ジメチルカーボネートDMC)、CH3CH2OCOOCH2CH3(ジエチルカーボネート:DEC)、CH3CH2OCOOCH3(エチルメチルカーボネートEMC)、CH3OCOOCH2CH2CH3(メチルプロピルカーボネート)、メチルブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、エチルブチルカーボネート等の炭化水素系鎖状カーボネートが挙げられる。これらの中でも、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、及び、エチルブチルカーボネートからなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。

0207

上記溶媒は、非フッ素化飽和環状カーボネート、フッ素化飽和環状カーボネート、非フッ素化鎖状カーボネート及びフッ素化鎖状カーボネートを、合計で、10〜99.99体積%含むことが好ましい。より好ましくは40体積%以上、更に好ましくは50体積%以上、特に好ましくは70体積%以上である。また、より好ましくは99.9体積%以下、更に好ましくは99.5体積%以下、尚更に好ましくは99体積%以下、特に好ましくは96体積%以下、最も好ましくは80体積%以下である。

0208

上記溶媒は、非フッ素化飽和環状カーボネート及びフッ素化飽和環状カーボネートからなる群より選択される少なくとも1種の飽和環状カーボネートと、非フッ素化鎖状カーボネート及びフッ素化鎖状カーボネートからなる群より選択される少なくとも1種の鎖状カーボネートとを含むことが好ましい。

0209

上記飽和環状カーボネートと上記鎖状カーボネートとの体積比は、10/90〜90/10であることが好ましく、30/70以上であることがより好ましく、70/30以下であることがより好ましい。

0210

上記電解液は、電解質塩を含有する.
上記電解質塩としては、二次電池電気二重層キャパシタ等の電気化学デバイス用の電解液に使用することができる任意のものを用いることができるが、なかでも、リチウム塩が好ましい。
上記リチウム塩としては、例えば、LiClO4、LiPF6及びLiBF4等の無機リチウム塩;LiSO3CF3、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、LiN(SO2CF3)(SO2C4F9)、LiC(SO2CF3)3、LiPF4(CF3)2、LiPF4(C2F5)2、LiPF4(SO2CF3)2、LiPF4(SO2C2F5)2、LiBF2(CF3)2、LiBF2(C2F5)2、LiBF2(SO2CF3)2、LiBF2(SO2C2F5)2、リチウムジフルオロ(オキサレートボレートリチウムビス(オキサレート)ボレート、及び、式:LiPFa(CnF2n+1)6−a(式中、aは0〜5の整数であり、nは1〜6の整数である)で表される塩等の含フッ素有機酸リチウム塩等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。

0211

なかでも、上記リチウム塩は、電解液を高温保存した後の劣化を抑制することができる点で、LiPF6、LiBF4、LiSO3CF3、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、リチウムジフルオロ(オキサレート)ボレート、リチウムビス(オキサレート)ボレート、及び、式:LiPFa(CnF2n+1)6−a(式中、aは0〜5の整数であり、nは1〜6の整数である)で表される塩からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。

0212

式:LiPFa(CnF2n+1)6−aで表される塩としては、例えば、LiPF3(CF3)3、LiPF3(C2F5)3、LiPF3(C3F7)3、LiPF3(C4F9)3、LiPF4(CF3)2、LiPF4(C2F5)2、LiPF4(C3F7)2、LiPF4(C4F9)2(ただし、式中のC3F7、C4F9で表されるアルキル基は、直鎖、分岐構造のいずれであってもよい。)等が挙げられる。

0213

電解液中の上記電解質塩の濃度は、0.5〜3モルリットルが好ましい。この範囲外では、電解液の電気伝導率が低くなり、電池性能が低下してしまう傾向がある。
上記電解質塩の濃度は、0.9モル/リットル以上がより好ましく、1.5モル/リットル以下がより好ましい。

0214

上記電解質塩としては、アンモニウム塩が好ましい。
上記アンモニウム塩としては、以下(IIa)〜(IIe)が挙げられる。
(IIa)テトラアルキル級アンモニウム塩
一般式(IIa):

0215

0216

(式中、R1a、R2a、R3a及びR4aは同じか又は異なり、いずれも炭素数1〜6のエーテル結合を含んでいてもよいアルキル基;X−はアニオン)で示されるテトラアルキル4級アンモニウム塩が好ましく例示できる。また、このアンモニウム塩の水素原子の一部又は全部がフッ素原子及び/又は炭素数1〜4の含フッ素アルキル基で置換されているものも、耐酸化性が向上する点から好ましい。

0217

テトラアルキル4級アンモニウム塩の好ましい具体例としては、一般式(IIa−1):

0218

0219

(式中、R1a、R2a及びX−は前記と同じ;x及びyは同じか又は異なり0〜4の整数で、かつx+y=4)で示されるテトラアルキル4級アンモニウム塩、一般式(IIa−2):

0220

0221

(式中、R5aは炭素数1〜6のアルキル基;R6aは炭素数1〜6の2価の炭化水素基;R7aは炭素数1〜4のアルキル基;zは1又は2;X−はアニオン)で示されるアルキルエーテル基含有トリアルキルアンモニウム塩
などがあげられる。アルキルエーテル基を導入することにより、粘性の低下が図ることができる。

0222

アニオンX−は、無機アニオンでも有機アニオンでもよい。無機アニオンとしては、例えばAlCl4−、BF4−、PF6−、AsF6−、TaF6−、I−、SbF6−が挙げられる。有機アニオンとしては、例えばCF3COO−、CF3SO3−、(CF3SO2)2N−、(C2F5SO2)2N−などが挙げられる。

0223

これらのうち、耐酸化性やイオン解離性が良好な点から、BF4−、PF6−、AsF6−、SbF6−が好ましい。

0224

テトラアルキル4級アンモニウム塩の好適な具体例としては、Et4NBF4、Et4NClO4、Et4NPF6、Et4NAsF6、Et4NSbF6、Et4NCF3SO3、Et4N(CF3SO2)2N、Et4NC4F9SO3、Et3MeNBF4、Et3MeNClO4、Et3MeNPF6、Et3MeNAsF6、Et3MeNSbF6、Et3MeNCF3SO3、Et3MeN(CF3SO2)2N、Et3MeNC4F9SO3、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウム塩などが挙げられ、特に、Et4NBF4、Et4NPF6、Et4NSbF6、Et4NAsF6、Et3MeNBF4、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウム塩が好ましい。

0225

(IIb)スピロ環ビピロリジニウム
一般式(IIb−1):

0226

0227

(式中、R8a及びR9aは同じか又は異なり、いずれも炭素数1〜4のアルキル基;X−はアニオン;n1は0〜5の整数;n2は0〜5の整数)で示されるスピロ環ビピロリジニウム塩、一般式(IIb−2):

0228

0229

(式中、R10a及びR11aは同じか又は異なり、いずれも炭素数1〜4のアルキル基;X−はアニオン;n3は0〜5の整数;n4は0〜5の整数)で示されるスピロ環ビピロリジニウム塩、又は、一般式(IIb−3):

0230

0231

(式中、R12aおよびR13aは同じかまたは異なり、いずれも炭素数1〜4のアルキル基;X−はアニオン;n5は0〜5の整数;n6は0〜5の整数)で示されるスピロ環ビピロリジニウム塩が好ましく挙げられる。また、このスピロ環ビピロリジニウム塩の水素原子の一部または全部がフッ素原子および/または炭素数1〜4の含フッ素アルキル基で置換されているものも、耐酸化性が向上する点から好ましい。

0232

アニオンX−の好ましい具体例は、(IIa)の場合と同じである。なかでも、解離性が高く、高電圧下での内部抵抗が低い点から、BF4−、PF6−、(CF3SO2)2N−または(C2F5SO2)2N−が好ましい。

0233

スピロ環ビピロリジニウム塩の好ましい具体例としては、例えば、

0234

などが挙げられる。

0235

このスピロ環ビピロリジニウム塩は溶媒への溶解性、耐酸化性、イオン伝導性の点で優れている。

0236

(IIc)イミダゾリウム塩
一般式(IIc):

0237

0238

(式中、R14a及びR15aは同じか又は異なり、いずれも炭素数1〜6のアルキル基;X−はアニオン)
で示されるイミダゾリウム塩が好ましく例示できる。また、このイミダゾリウム塩の水素原子の一部又は全部がフッ素原子及び/又は炭素数1〜4の含フッ素アルキル基で置換されているものも、耐酸化性が向上する点から好ましい。

0239

アニオンX−の好ましい具体例は、(IIa)と同じである。

0240

イミダゾリウム塩の好ましい具体例としては、例えば

0241

0242

などがあげられる。

0243

このイミダゾリウム塩は粘性が低く、また溶解性が良好な点で優れている。

0244

(IId):N−アルキルピリジニウム塩
一般式(IId):

0245

0246

(式中、R16aは炭素数1〜6のアルキル基;X−はアニオン)
で示されるN−アルキルピリジニウム塩が好ましく例示できる。また、このN−アルキルピリジニウム塩の水素原子の一部又は全部がフッ素原子及び/又は炭素数1〜4の含フッ素アルキル基で置換されているものも、耐酸化性が向上する点から好ましい。

0247

アニオンX−の好ましい具体例は、(IIa)と同じである。

0248

N−アルキルピリジニウム塩の好ましい具体例としては、例えば

0249

0250

などが挙げられる。

0251

このN−アルキルピリジニウム塩は粘性が低く、また溶解性が良好な点で優れている。

0252

(IIe)N,N−ジアルキルピロリジニウム
一般式(IIe):

0253

0254

(式中、R17a及びR18aは同じか又は異なり、いずれも炭素数1〜6のアルキル基;X−はアニオン)
で示されるN,N−ジアルキルピロリジニウム塩が好ましく例示できる。また、このN,N−ジアルキルピロリジニウム塩の水素原子の一部又は全部がフッ素原子及び/又は炭素数1〜4の含フッ素アルキル基で置換されているものも、耐酸化性が向上する点から好ましい。

0255

アニオンX−の好ましい具体例は、(IIa)と同じである。

0256

N,N−ジアルキルピロリジニウム塩の好ましい具体例としては、例えば

0257

0258

0259

などが挙げられる。

0260

このN,N−ジアルキルピロリジニウム塩は粘性が低く、また溶解性が良好な点で優れている。

0261

これらのアンモニウム塩のうち、(IIa)、(IIb)及び(IIc)が溶解性、耐酸化性、イオン伝導性が良好な点で好ましく、さらには

0262

0263

(式中、Meはメチル基;Etはエチル基;X−、x、yは式(IIa−1)と同じ)
が好ましい。

0264

また、上記電解質塩として、他のリチウム塩を用いてもよい。例えば、LiAsF6、LiSbF6、LiN(SO2C2H5)2が好ましい。
更に容量を向上させるために、マグネシウム塩を用いてもよい。マグネシウム塩としては、例えば、Mg(ClO4)2、Mg(OOC2H5)2等が好ましい。

0265

電解質塩が上記アンモニウム塩である場合、濃度は、0.6モル/リットル以上であることが好ましい。0.6モル/リットル未満であると、低温特性が悪くなるだけでなく、初期内部抵抗が高くなってしまう。上記電解質塩の濃度は、0.9モル/リットル以上であることがより好ましい。
上記濃度の上限は、低温特性の点で、3.0モル/リットル以下であることが好ましく、2.0モル/リットル以下であることがより好ましい。
上記アンモニウム塩が、4フッ化ホウ酸トリエチルメチルアンモニウムTEMABF4)の場合、その濃度は、低温特性に優れる点で、0.8〜1.9モル/リットルであることが好ましい。
また、4フッ化ホウ酸スピロビピロリジニウム(SBPBF4)の場合は、0.7〜2.0モル/リットルであることが好ましい。

0266

上記電解液は、更に、重量平均分子量が2000〜4000であり、末端に−OH、−OCOOH、又は、−COOHを有するポリエチレンオキシドを含有することが好ましい。
このような化合物を含有することにより、電極界面の安定性が向上し、電池特性を向上させることができる。
上記ポリエチレンオキシドとしては、例えば、ポリエチレンオキシドモノオール、ポリエチレンオキシドカルボン酸、ポリエチレンオキシドジオール、ポリエチレンオキシドジカルボン酸、ポリエチレンオキシドトリオール、ポリエチレンオキシドトリカルボン酸等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なかでも、電池特性がより良好となる点で、ポリエチレンオキシドモノオールとポリエチレンオキシドジオールの混合物、及び、ポリエチレンオキシドカルボン酸とポリエチレンオキシドジカルボン酸の混合物であることが好ましい。

0267

上記ポリエチレンオキシドの重量平均分子量が小さすぎると、酸化分解されやすくなるおそれがある。上記重量平均分子量は、3000〜4000がより好ましい。
上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によるポリスチレン換算により測定することができる。

0268

上記ポリエチレンオキシドの含有量は、電解液中1×10−6〜1×10−2mol/kgであることが好ましい。上記ポリエチレンオキシドの含有量が多すぎると、電池特性を損なうおそれがある。
上記ポリエチレンオキシドの含有量は、5×10−6mol/kg以上であることがより好ましい。

0269

上記電解液は、更に、添加剤として、不飽和環状カーボネート(但し、一般式(1)で示される化合物を除く)、フッ素化飽和環状カーボネート、及び、環状スルホン酸化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含有していることが好ましい。これらの化合物を含有することにより、電池特性の低下を抑制することができる。

0270

上記不飽和環状カーボネートは、不飽和結合を含む環状カーボネート、すなわち、環状カーボネートであって、分子内に炭素−炭素不飽和結合を少なくとも1つ有するものである。具体的には、例えば、ビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、エチルビニレンカーボネート、4,5−ジメチルビニレンカーボネート、4,5−ジエチルビニレンカーボネート等のビニレンカーボネート化合物;4−ビニルエチレンカーボネートVEC)、4−メチル−4−ビニルエチレンカーボネート、4−エチル−4−ビニルエチレンカーボネート、4−n−プロピル−4−ビニルエチレンカーボネート、5−メチル−4−ビニルエチレンカーボネート、4,4−ジビニルエチレンカーボネート、4,5−ジビニルエチレンカーボネート、4,4−ジメチル−5−メチレンエチレンカーボネート、4,4−ジエチル−5−メチレンエチレンカーボネート等のビニルエチレンカーボネート化合物等が挙げられる。このうち、ビニレンカーボネート、4−ビニルエチレンカーボネート、4−メチル−4−ビニルエチレンカーボネート又は4,5−ジビニルエチレンカーボネートが好ましく、ビニレンカーボネート又は4−ビニルエチレンカーボネートが特に好ましい。

0271

不飽和環状カーボネートの分子量は、特に制限されず、電解液としての性能を著しく損なわない限り任意である。分子量は、好ましくは、50以上、250以下である。この範囲であれば、電解液に対する不飽和環状カーボネートの溶解性を確保しやすく、電解液の性能が十分に発現されやすい。不飽和環状カーボネートの分子量は、より好ましくは80以上であり、また、より好ましくは150以下である。

0272

また、不飽和環状カーボネートとしては、フッ素化不飽和環状カーボネートも好適に用いることができる。
フッ素化不飽和環状カーボネートが有するフッ素原子の数は1以上あれば、特に制限されない。中でもフッ素原子が通常6以下、好ましくは4以下であり、1個又は2個のものが最も好ましい。

0273

フッ素化不飽和環状カーボネートとしては、フッ素化ビニレンカーボネート誘導体芳香環又は炭素−炭素二重結合を有する置換基で置換されたフッ素化エチレンカーボネート誘導体等が挙げられる。
フッ素化ビニレンカーボネート誘導体としては、4−フルオロビニレンカーボネート、4−フルオロ−5−メチルビニレンカーボネート、4−フルオロ−5−フェニルビニレンカーボネート、4−アリル−5−フルオロビニレンカーボネート、4−フルオロ−5−ビニルビニレンカーボネート等が挙げられる。

0274

芳香環又は炭素−炭素二重結合を有する置換基で置換されたフッ素化エチレンカーボネート誘導体としては、4−フルオロ−4−ビニルエチレンカーボネート、4−フルオロ−4−アリルエチレンカーボネート、4−フルオロ−5−ビニルエチレンカーボネート、4−フルオロ−5−アリルエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロ−4−ビニルエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロ−4−アリルエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロ−4−ビニルエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロ−4−アリルエチレンカーボネート、4−フルオロ−4,5−ジビニルエチレンカーボネート、4−フルオロ−4,5−ジアリルエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロ−4,5−ジビニルエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロ−4,5−ジアリルエチレンカーボネート、4−フルオロ−4−フェニルエチレンカーボネート、4−フルオロ−5−フェニルエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロ−5−フェニルエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロ−4−フェニルエチレンカーボネート等が挙げられる。

0275

フッ素化不飽和環状カーボネートの分子量は特に制限されず、電解液としての性能を著しく損なわない限り任意である。分子量は、好ましくは、50以上であり、また、500以下である。この範囲であれば、電解液に対するフッ素化不飽和環状カーボネートの溶解性を確保しやすく、電解液の性能が発現されやすい。

0276

上記不飽和環状カーボネートは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。

0277

上記フッ素化飽和環状カーボネートとしては、上記溶媒に使用可能なフッ素化飽和環状カーボネートとして例示した化合物を挙げることができる。

0278

上記環状スルホン酸化合物としては、例えば、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、1−フルオロ−1,3−プロパンスルトン、2−フルオロ−1,3−プロパンスルトン、3−フルオロ−1,3−プロパンスルトン等が挙げられる。
なかでも、高温特性を向上させることができる点で、上記電解液は、1,3−プロパンスルトン、及び/又は、1,4−ブタンスルトンを含有することが好ましい。

0279

上記不飽和環状カーボネート、フッ素化飽和環状カーボネート、及び、環状スルホン酸化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を添加剤として用いる場合、その含有量は、電解液中0.1〜10質量%であることが好ましく、1質量%以上がより好ましく、5質量%以下がより好ましい。

0280

上記電解液は、電解液としての性能を損なわない範囲で、環状及び鎖状カルボン酸エステルエーテル化合物窒素含有化合物ホウ素含有化合物有機ケイ素含有化合物不燃(難燃)化剤、界面活性剤、高誘電化添加剤、サイクル特性及びレート特性改善剤、又は、過充電防止剤等の他の溶媒又は添加剤を更に含有してもよい。

0281

上記環状カルボン酸エステルとしては、その構造式中の全炭素原子数が3〜12のものが挙げられる。具体的には、ガンマブチロラクトンガンマバレロラクトン、ガンマカプロラクトンイプシロンカプロラクトン等が挙げられる。中でも、ガンマブチロラクトンがリチウムイオン解離度の向上に由来する電池特性向上の点から特に好ましい。

0282

環状カルボン酸エステルの配合量は、通常、電解液100質量%中、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上である。この範囲であると、電解液の電気伝導率を改善し、電解液電池大電流放電特性を向上させやすくなる。また、環状カルボン酸エステルの配合量は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。このように上限を設定することにより、電解液の粘度を適切な範囲とし、電気伝導率の低下を回避し、負極抵抗の増大を抑制し、電解液電池の大電流放電特性を良好な範囲としやすくする。

0283

また、上記環状カルボン酸エステルとしては、フッ素化環状カルボン酸エステル(含フッ素ラクトン)も好適に用いることができる。含フッ素ラクトンとしては、例えば、下記式(C):

0284

0285

(式中、X15〜X20は同じか又は異なり、いずれも−H、−F、−Cl、−CH3又はフッ素化アルキル基;ただし、X15〜X20の少なくとも1つはフッ素化アルキル基である)で示される含フッ素ラクトンが挙げられる。

0286

X15〜X20におけるフッ素化アルキル基としては、例えば、−CFH2、−CF2H、−CF3、−CH2CF3、−CF2CF3、−CH2CF2CF3、−CF(CF3)2等が挙げられ、耐酸化性が高く、安全性向上効果がある点から−CH2CF3、−CH2CF2CF3が好ましい。

0287

X15〜X20の少なくとも1つがフッ素化アルキル基であれば、−H、−F、−Cl、−CH3又はフッ素化アルキル基は、X15〜X20の1箇所のみに置換していてもよいし、複数の箇所に置換していてもよい。好ましくは、電解質塩の溶解性が良好な点から1〜3箇所、更には1〜2箇所である。

0288

フッ素化アルキル基の置換位置は特に限定されないが、合成収率が良好なことから、X17及び/又はX18が、特にX17又はX18がフッ素化アルキル基、なかでも−CH2CF3、−CH2CF2CF3であることが好ましい。フッ素化アルキル基以外のX15〜X20は、−H、−F、−Cl又はCH3であり、特に電解質塩の溶解性が良好な点から−Hが好ましい。

0289

含フッ素ラクトンとしては、上記式で示されるもの以外にも、例えば、下記式(D):

0290

0291

(式中、A及びBはいずれか一方がCX26X27(X26及びX27は同じか又は異なり、いずれも−H、−F、−Cl、−CF3、−CH3又は水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよくヘテロ原子を鎖中に含んでいてもよいアルキレン基)であり、他方は酸素原子;Rf12はエーテル結合を有していてもよいフッ素化アルキル基又はフッ素化アルコキシ基;X21及びX22は同じか又は異なり、いずれも−H、−F、−Cl、−CF3又はCH3;X23〜X25は同じか又は異なり、いずれも−H、−F、−Cl又は水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよくヘテロ原子を鎖中に含んでいてもよいアルキル基;n=0又は1)で示される含フッ素ラクトン等も挙げられる。

0292

式(D)で示される含フッ素ラクトンとしては、下記式(E):

0293

0294

(式中、A、B、Rf12、X21、X22及びX23は式(D)と同じである)で示される5員環構造が、合成が容易である点、化学的安定性が良好な点から好ましく挙げられ、更には、AとBの組合せにより、下記式(F):

0295

0296

(式中、Rf12、X21、X22、X23、X26及びX27は式(D)と同じである)で示される含フッ素ラクトンと、下記式(G):

0297

0298

(式中、Rf12、X21、X22、X23、X26及びX27は式(D)と同じである)で示される含フッ素ラクトンがある。

0299

これらのなかでも、高い誘電率、高い耐電圧といった優れた特性が特に発揮できる点、そのほか電解質塩の溶解性、内部抵抗の低減が良好な点で本発明における電解液としての特性が向上する点から、

0300

0301

等が挙げられる。
フッ素化環状カルボン酸エステルを含有させることにより、イオン伝導度の向上、安全性の向上、高温時の安定性向上といった効果が得られる。

0302

上記鎖状カルボン酸エステルとしては、その構造式中の全炭素数が3〜7のものが挙げられる。具体的には、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル酢酸イソブチル、酢酸−t−ブチル、プロピオン酸メチルプロピオン酸エチルプロピオン酸−n−プロピル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸−n−ブチル、プロピオン酸イソブチル、プロピオン酸−t−ブチル、酪酸メチル酪酸エチル酪酸−n−プロピル、酪酸イソプロピルイソ酪酸メチルイソ酪酸エチル、イソ酪酸−n−プロピル、イソ酪酸イソプロピル等が挙げられる。

0303

中でも、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸−n−ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸−n−プロピル、プロピオン酸イソプロピル、酪酸メチル、酪酸エチル等が粘度低下によるイオン伝導度の向上の点から好ましい。

0304

また、フッ素化鎖状カルボン酸エステルも好適に用いることができる。含フッ素エステルとしては、下記式(H):
Rf10COORf11 (H)
(式中、Rf10は炭素数1〜2のフッ素化アルキル基、Rf11は炭素数1〜4のフッ素化アルキル基)で示されるフッ素化鎖状カルボン酸エステルが、難燃性が高く、かつ他溶媒との相溶性や耐酸化性が良好な点から好ましい。

0305

Rf10としては、例えばCF3−、CF3CF2−、HCF2CF2−、HCF2−、CH3CF2−、CF3CH2−等が例示でき、なかでもCF3−、CF3CF2−が、レート特性が良好な点から特に好ましい。

0306

Rf11としては、例えば−CF3、−CF2CF3、−CH(CF3)2、−CH2CF3、−CH2CH2CF3、−CH2CF2CFHCF3、−CH2C2F5、−CH2CF2CF2H、−CH2CH2C2F5、−CH2CF2CF3、−CH2CF2CF2CF3等が例示でき、なかでも−CH2CF3、−CH(CF3)2、−CH2C2F5、−CH2CF2CF2Hが、他溶媒との相溶性が良好な点から特に好ましい。

0307

フッ素化鎖状カルボン酸エステルの具体例としては、例えばCF3C(=O)OCH2CF3、CF3C(=O)OCH2CH2CF3、CF3C(=O)OCH2C2F5、CF3C(=O)OCH2CF2CF2H、CF3C(=O)OCH(CF3)2等の1種又は2種以上が例示でき、なかでもCF3C(=O)OCH2C2F5、CF3C(=O)OCH2CF2CF2H、CF3C(=O)OCH2CF3、CF3C(=O)OCH(CF3)2が、他溶媒との相溶性及びレート特性が良好な点から特に好ましい。

0308

上記エーテル化合物としては、炭素数3〜10の鎖状エーテル、及び炭素数3〜6の環状エーテルが好ましい。
炭素数3〜10の鎖状エーテルとしては、ジエチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジメトキシメタンメトキシエトキシメタンジエトキシメタンジメトキシエタン、メトキシエトキシエタンジエトキシエタン、エチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。

0309

また、上記エーテル化合物としては、フッ素化エーテルも好適に用いることができる。
上記フッ素化エーテルとしては、下記一般式(I):
Rf13−O−Rf14 (I)
(式中、Rf13及びRf14は同じか又は異なり、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数1〜10のフッ素化アルキル基である。ただし、Rf13及びRf14の少なくとも一方は、フッ素化アルキル基である。)で表されるフッ素化エーテル(I)が挙げられる。フッ素化エーテル(I)を含有させることにより、電解液の難燃性が向上するとともに、高温高電圧での安定性、安全性が向上する。

0310

上記一般式(I)においては、Rf13及びRf14の少なくとも一方が炭素数1〜10のフッ素化アルキル基であればよいが、電解液の難燃性及び高温高電圧での安定性、安全性を一層向上させる観点から、Rf13及びRf14が、ともに炭素数1〜10のフッ素化アルキル基であることが好ましい。この場合、Rf13及びRf14は同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。
なかでも、Rf13及びRf14が、同じか又は異なり、Rf13が炭素数3〜6のフッ素化アルキル基であり、かつ、Rf14が炭素数2〜6のフッ素化アルキル基であることが好ましい。

0311

Rf13およびRf14の合計炭素数が少な過ぎるとフッ素化エーテルの沸点が低くなりすぎ、また、Rf13又はRf14の炭素数が多過ぎると、電解質塩の溶解性が低下し、他の溶媒との相溶性にも悪影響が出始め、また粘度が上昇するためレート特性(粘性)が低減する。Rf13の炭素数が3又は4、Rf14の炭素数が2又は3のとき、沸点およびレート特性に優れる点で有利である。

0312

上記フッ素化エーテル(I)は、フッ素含有率が40〜75質量%であることが好ましい。この範囲のフッ素含有率を有するとき、不燃性と相溶性のバランスに特に優れたものになる。また、耐酸化性、安全性が良好な点からも好ましい。
上記フッ素含有率の下限は、45質量%がより好ましく、50質量%が更に好ましく、55質量%が特に好ましい。上限は70質量%がより好ましく、66質量%が更に好ましい。
なお、フッ素化エーテル(I)のフッ素含有率は、フッ素化エーテル(I)の構造式に基づいて、{(フッ素原子の個数×19)/フッ素化エーテル(I)の分子量}×100(%)により算出した値である。

0313

Rf13としては、例えば、CF3CF2CH2−、CF3CFHCF2−、HCF2CF2CF2−、HCF2CF2CH2−、CF3CF2CH2CH2−、CF3CFHCF2CH2−、HCF2CF2CF2CF2−、HCF2CF2CF2CH2−、HCF2CF2CH2CH2−、HCF2CF(CF3)CH2−等が挙げられる。また、Rf14としては、例えば、−CH2CF2CF3、−CF2CFHCF3、−CF2CF2CF2H、−CH2CF2CF2H、−CH2CH2CF2CF3、−CH2CF2CFHCF3、−CF2CF2CF2CF2H、−CH2CF2CF2CF2H、−CH2CH2CF2CF2H、−CH2CF(CF3)CF2H、−CF2CF2H、−CH2CF2H、−CF2CH3等が挙げられる。

0314

上記フッ素化エーテル(I)の具体例としては、例えばHCF2CF2CH2OCF2CF2H、CF3CF2CH2OCF2CF2H、HCF2CF2CH2OCF2CFHCF3、CF3CF2CH2OCF2CFHCF3、C6F13OCH3、C6F13OC2H5、C8F17OCH3、C8F17OC2H5、CF3CFHCF2CH(CH3)OCF2CFHCF3、HCF2CF2OCH(C2H5)2、HCF2CF2OC4H9、HCF2CF2OCH2CH(C2H5)2、HCF2CF2OCH2CH(CH3)2等が挙げられる。

0315

なかでも、片末端又は両末端にHCF2−又はCF3CFH−を含むものが分極性に優れ、沸点の高いフッ素化エーテル(I)を与えることができる。フッ素化エーテル(I)の沸点は、67〜120℃であることが好ましい。より好ましくは80℃以上、更に好ましくは90℃以上である。

0316

このようなフッ素化エーテル(I)としては、例えば、CF3CH2OCF2CFHCF3、CF3CF2CH2OCF2CFHCF3、HCF2CF2CH2OCF2CFHCF3、HCF2CF2CH2OCH2CF2CF2H、CF3CFHCF2CH2OCF2CFHCF3、HCF2CF2CH2OCF2CF2H、CF3CF2CH2OCF2CF2H等の1種又は2種以上が挙げられる。
なかでも、高沸点、他の溶媒との相溶性や電解質塩の溶解性が良好な点で有利なことから、HCF2CF2CH2OCF2CFHCF3(沸点106℃)、CF3CF2CH2OCF2CFHCF3(沸点82℃)、HCF2CF2CH2OCF2CF2H(沸点92℃)及びCF3CF2CH2OCF2CF2H(沸点68℃)からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、HCF2CF2CH2OCF2CFHCF3(沸点106℃)及びHCF2CF2CH2OCF2CF2H(沸点92℃)からなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。

0317

炭素数3〜6の環状エーテルとしては、1,3−ジオキサン、2−メチル−1,3−ジオキサン、4−メチル−1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン等、及びこれらのフッ素化化合物が挙げられる。中でも、ジメトキシメタン、ジエトキシメタン、エトキシメトキシメタン、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルが、リチウムイオンへの溶媒和能力が高く、イオン解離度を向上させる点で好ましく、特に好ましくは、粘性が低く、高いイオン伝導度を与えることから、ジメトキシメタン、ジエトキシメタン、エトキシメトキシメタンである。

0318

上記窒素含有化合物としては、ニトリル含フッ素ニトリル、カルボン酸アミド含フッ素カルボン酸アミドスルホン酸アミド及び含フッ素スルホン酸アミド等が挙げられる。また、1−メチル−2−ピロリジノン、1−メチル−2−ピペリドン、3−メチル−2−オキサジリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン及びN−メチルスクシンイミド等も使用できる。

0319

上記ホウ素含有化合物としては、例えば、トリメチルボレートトリエチルボレート等のホウ酸エステル、ホウ酸エーテル、及び、ホウ酸アルキル等が挙げられる。

0320

上記有機ケイ素含有化合物としては、例えば、(CH3)4−Si、(CH3)3−Si−Si(CH3)3等が挙げられる。

0321

上記不燃(難燃)化剤としては、リン酸エステルホスファゼン系化合物が挙げられる。上記リン酸エステルとしては、例えば、含フッ素アルキルリン酸エステル、非フッ素系アルキルリン酸エステルアリールリン酸エステル等が挙げられる。なかでも、少量で不燃効果を発揮できる点で、含フッ素アルキルリン酸エステルであることが好ましい。

0322

上記含フッ素アルキルリン酸エステルとしては、具体的には、特開平11−233141号公報に記載された含フッ素ジアルキルリン酸エステル、特開平11−283669号公報に記載されたアルキルリン酸エステル、又は、含フッ素トリアルキルリン酸エステル等が挙げられる。

0323

上記不燃(難燃)化剤としては、(CH3O)3P=O、(CF3CH2O)3P=O等が好ましい。

0324

上記界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤アニオン性界面活性剤非イオン性界面活性剤両性界面活性剤のいずれでもよいが、サイクル特性、レート特性が良好となる点から、フッ素原子を含むものであることが好ましい。

0325

このようなフッ素原子を含む界面活性剤としては、例えば、下記式(J):
Rf15COO−M+ (J)
(式中、Rf15は炭素数3〜10のエーテル結合を含んでいてもよい含フッ素アルキル基;M+はLi+、Na+、K+又はNHR’3+(R’は同じか又は異なり、いずれもH又は炭素数が1〜3のアルキル基)である)で表される含フッ素カルボン酸塩や、下記式(K):
Rf16SO3−M+ (K)
(式中、Rf16は炭素数3〜10のエーテル結合を含んでいてもよい含フッ素アルキル基;M+はLi+、Na+、K+又はNHR’3+(R’は同じか又は異なり、いずれもHまたは炭素数が1〜3のアルキル基)である)で表される含フッ素スルホン酸塩等が好ましい。

0326

上記界面活性剤の含有量は、充放電サイクル特性を低下させずに電解液の表面張力を低下させることができる点から、電解液中0.01〜2質量%であることが好ましい。

0327

上記高誘電化添加剤としては、例えば、スルホラン、メチルスルホランγ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、アセトニトリルプロピオニトリル等が挙げられる。

0328

上記サイクル特性及びレート特性改善剤としては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等が挙げられる。

0329

上記過充電防止剤としては、過充電等のときに電池破裂発火を抑制することができる点で、芳香環を有する過充電防止剤であることが好ましい。上記芳香環を有する過充電防止剤としては、例えば、シクロヘキシルベンゼンビフェニルアルキルビフェニルターフェニル、ターフェニルの部分水素化物、t−ブチルベンゼン、t−アミルベンゼン、ジフェニルエーテルベンゾフランジベンゾフラン、ジクロロアニリン、トルエン等の芳香族化合物ヘキサフルオロベンゼン、フルオロベンゼン、2−フルオロビフェニル、o−シクロヘキシルフルオロベンゼン、p−シクロヘキシルフルオロベンゼン等の芳香族化合物のフッ素化物;2,4−ジフルオロアニソール、2,5−ジフルオロアニソール、2,6−ジフルオロアニソール、3,5−ジフルオロアニソール等の含フッ素アニソール化合物等が挙げられる。中でも、ビフェニル、アルキルビフェニル、ターフェニル、ターフェニルの部分水素化体、シクロヘキシルベンゼン、t−ブチルベンゼン、t−アミルベンゼン、ジフェニルエーテル、ジベンゾフラン等の芳香族化合物が好ましい。これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上併用する場合は、特に、シクロヘキシルベンゼンとt−ブチルベンゼン又はt−アミルベンゼンとの組み合わせ、ビフェニル、アルキルビフェニル、ターフェニル、ターフェニルの部分水素化体、シクロヘキシルベンゼン、t−ブチルベンゼン、t−アミルベンゼン等の酸素を含有しない芳香族化合物から選ばれる少なくとも1種と、ジフェニルエーテル、ジベンゾフラン等の含酸素芳香族化合物から選ばれる少なくとも1種を併用するのが過充電防止特性と高温保存特性のバランスの点から好ましい。
上記過充電防止剤の含有量は、過充電等の場合に電池の破裂や発火を防止できる点で、電解液中0.1〜5質量%であることが好ましい。

0330

上記電解液は、電解液としての性能を損なわない範囲で、公知のその他の助剤を更に含有してもよい。上記公知のその他の助剤としては、例えば、エリスリタンカーボネート、スピロ−ビス−ジメチレンカーボネート、メトキシエチル−メチルカーボネート等のカーボネート化合物無水コハク酸無水グルタン酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタコン酸、無水イタコン酸無水ジグリコール酸シクロヘキサンジカルボン酸無水物シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物及びフェニルコハク酸無水物等のカルボン酸無水物;2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ジビニル−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等のスピロ化合物エチレンサルファイトフルオロスルホン酸メチル、フルオロスルホン酸エチル、メタンスルホン酸メチルメタンスルホン酸エチルブスルファンスルホレンジフェニルスルホン、N,N−ジメチルメタンスルホンアミド、N,N−ジエチルメタンスルホンアミドといった鎖状スルホン、含フッ素鎖状スルホン、鎖状スルホン酸エステル、含フッ素鎖状スルホン酸エステル、環状スルホン、含フッ素環状スルホンスルホン酸ハライド及び含フッ素スルホン酸ハライド等の含硫黄化合物ヘプタンオクタンノナンデカンシクロヘプタン等の炭化水素化合物等の含フッ素芳香族化合物等が挙げられる。これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの助剤を添加することにより、高温保存後容量維持特性やサイクル特性を向上させることができる。

0331

また、上記電解液は、更に高分子材料と組み合わせてゲル状(可塑化された)のゲル電解液としてもよい。

0332

かかる高分子材料としては、従来公知のポリエチレンオキシドやポリプロピレンオキシド、それらの変性体(特開平8−222270号公報、特開2002−100405号公報);ポリアクリレート系ポリマーポリアクリロニトリルや、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンヘキサフルオロプロピレン共重合体等のフッ素樹脂特表平4−506726号公報、特表平8−507407号公報、特開平10−294131号公報);それらフッ素樹脂と炭化水素系樹脂との複合体(特開平11−35765号公報、特開平11−86630号公報)等が挙げられる。特には、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体をゲル電解質用高分子材料として用いることが望ましい。

0333

そのほか、上記電解液は、特願2004−301934号明細書に記載されているイオン伝導性化合物も含んでいてもよい。

0334

このイオン伝導性化合物は、式(1−1):
A−(D)−B (1−1)
[式中、Dは式(2−1a):
−(D1)n−(FAE)m−(AE)p−(Y)q− (2−1a)
(式中、D1は、式(2a):

0335

0336

(式中、Rfは架橋性官能基を有していてもよい含フッ素エーテル基;R10はRfと主鎖を結合する基又は結合手)で示される側鎖に含フッ素エーテル基を有するエーテル単位
FAEは、式(2b):

0337

0338

(式中、Rfaは水素原子、架橋性官能基を有していてもよいフッ素化アルキル基;R11はRfaと主鎖を結合する基又は結合手)で示される側鎖にフッ素化アルキル基を有するエーテル単位;
AEは、式(2c):

0339

0340

(式中、R13は水素原子、架橋性官能基を有していてもよいアルキル基、架橋性官能基を有していてもよい脂肪族環式炭化水素基又は架橋性官能基を有していてもよい芳香族炭化水素基;R12はR13と主鎖を結合する基又は結合手)で示されるエーテル単位;
Yは、式(2d−1)〜(2d−3):

0341

0342

の少なくとも1種を含む単位;
nは0〜200の整数;mは0〜200の整数;pは0〜10000の整数;qは1〜100の整数;ただしn+mは0ではなく、D1、FAE、AE及びYの結合順序は特定されない);
A及びBは同じか又は異なり、水素原子、フッ素原子及び/又は架橋性官能基を含んでいてもよいアルキル基、フッ素原子及び/又は架橋性官能基を含んでいてもよいフェニル基、−COOH基、−OR(Rは水素原子又はフッ素原子及び/又は架橋性官能基を含んでいてもよいアルキル基)、エステル基又はカーボネート基(ただし、Dの末端が酸素原子の場合は−COOH基、−OR、エステル基及びカーボネート基ではない)]で表される側鎖に含フッ素基を有する非晶性含フッ素ポリエーテル化合物である。

0343

上記電解液には必要に応じて、さらに他の添加剤を配合してもよい。他の添加剤としては、例えば、金属酸化物ガラス等が挙げられる。

0344

上記電解液は、上述した成分を用いて、任意の方法で調製するとよい。

0345

上記電解液は、二次電池等の電気化学デバイスに好適に適用することができる。
上記電気化学デバイスとしては、リチウムイオン二次電池、キャパシタ(電気二重層キャパシタ)、ラジカル電池、太陽電池(特に色素増感型太陽電池)、燃料電池、各種電気化学センサーエレクトロクロミック素子電気化学スイッチング素子アルミニウム電解コンデンサタンタル電解コンデンサ等が挙げられ、リチウムイオン二次電池、電気二重層キャパシタが好適である。
以下に、上記電気化学デバイス又は二次電池の例として、リチウムイオン二次電池の場合を説明する。

0346

上記リチウムイオン二次電池は、正極、負極、及び、上述の電解液を備える。

0347

<正極>
正極は、正極の材料である正極活物質を含む正極合剤と、集電体とから構成される。

0348

上記正極活物質としては、電気化学的にリチウムイオンを吸蔵・放出可能なものであれば特に制限されないが、例えば、リチウムと少なくとも1種の遷移金属を含有する物質が好ましい。具体例としては、リチウム含有遷移金属複合酸化物リチウム含有遷移金属リン酸化合物が挙げられる。なかでも、正極活物質としては、特に、高電圧を産み出すリチウム含有遷移金属複合酸化物が好ましい。
上記リチウム含有遷移金属複合酸化物としては、例えば、
式(L):LiaMn2−bM1bO4(式中、0.9≦a;0≦b≦1.5;M1はFe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Sn、Cr、V、Ti、Mg、Ca、Sr、B、Ga、In、Si及びGeよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属)で表されるリチウム・マンガンスピネル複合酸化物
式(M):LiNi1−cM2cO2(式中、0≦c≦0.5;M2はFe、Co、Mn、Cu、Zn、Al、Sn、Cr、V、Ti、Mg、Ca、Sr、B、Ga、In、Si及びGeよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属)で表されるリチウム・ニッケル複合酸化物、又は、
式(N):LiCo1−dM3dO2(式中、0≦d≦0.5;M3はFe、Ni、Mn、Cu、Zn、Al、Sn、Cr、V、Ti、Mg、Ca、Sr、B、Ga、In、Si及びGeよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属)で表されるリチウム・コバルト複合酸化物が挙げられる。

0349

なかでも、エネルギー密度が高く、高出力なリチウムイオン二次電池を提供できる点から、LiCoO2、LiMnO2、LiNiO2、LiMn2O4、LiNi0.8Co0.15Al0.05O2、またはLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2が好ましい。

0350

その他の上記正極活物質として、LiFePO4、LiNi0.8Co0.2O2、Li1.2Fe0.4Mn0.4O2、LiNi0.5Mn0.5O2、LiV3O6等が挙げられる。

0351

また、正極活物質にリン酸リチウムを含ませると、連続充電特性が向上するので好ましい。リン酸リチウムの使用に制限はないが、前記の正極活物質とリン酸リチウムを混合して用いることが好ましい。使用するリン酸リチウムの量は上記正極活物質とリン酸リチウムの合計に対し、下限が、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上であり、上限が、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。

0352

また、上記正極活物質の表面に、これとは異なる組成の物質が付着したものを用いてもよい。表面付着物質としては酸化アルミニウム酸化ケイ素酸化チタン酸化ジルコニウム酸化マグネシウム酸化カルシウム酸化ホウ素酸化アンチモン酸化ビスマス等の酸化物硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム硫酸アルミニウム等の硫酸塩、炭酸リチウム炭酸カルシウム炭酸マグネシウム等の炭酸塩、炭素等が挙げられる。

0353

これら表面付着物質は、例えば、溶媒に溶解又は懸濁させて該正極活物質に含浸添加、乾燥する方法、表面付着物質前駆体を溶媒に溶解又は懸濁させて該正極活物質に含浸添加後、加熱等により反応させる方法、正極活物質前駆体に添加して同時に焼成する方法等により該正極活物質表面に付着させることができる。なお、炭素を付着させる場合には、炭素質を、例えば、活性炭等の形で後から機械的に付着させる方法も用いることもできる。

0354

表面付着物質の量としては、上記正極活物質に対して質量で、下限として好ましくは0.1ppm以上、より好ましくは1ppm以上、さらに好ましくは10ppm以上、上限として、好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下で用いられる。表面付着物質により、正極活物質表面での電解液の酸化反応を抑制することができ、電池寿命を向上させることができるが、その付着量が少なすぎる場合その効果は十分に発現せず、多すぎる場合には、リチウムイオンの出入りを阻害するため抵抗が増加する場合がある。

0355

正極活物質の粒子の形状は、従来用いられるような、塊状、多面体状、球状、楕円球状、板状、針状、柱状等が挙げられる。また、一次粒子凝集して、二次粒子を形成していてもよい。

0356

正極活物質のタップ密度は、好ましくは0.5g/cm3以上、より好ましくは0.8g/cm3以上、さらに好ましくは1.0g/cm3以上である。該正極活物質のタップ密度が上記下限を下回ると正極活物質層形成時に、必要な分散媒量が増加すると共に、導電材結着剤必要量が増加し、正極活物質層への正極活物質の充填率制約され、電池容量が制約される場合がある。タップ密度の高い複合酸化物粉体を用いることにより、高密度の正極活物質層を形成することができる。タップ密度は一般に大きいほど好ましく、特に上限はないが、大きすぎると、正極活物質層内における電解液を媒体としたリチウムイオンの拡散律速となり、負荷特性が低下しやすくなる場合があるため、上限は、好ましくは4.0g/cm3以下、より好ましくは3.7g/cm3以下、さらに好ましくは3.5g/cm3以下である。
なお、タップ密度は、正極活物質粉体5〜10gを10mlのガラス製メスシリンダーに入れ、ストローク約20mmで200回タップした時の粉体充填密度(タップ密度)g/cm3として求める。

0357

正極活物質の粒子のメジアン径d50(一次粒子が凝集して二次粒子を形成している場合には二次粒子径)は好ましくは0.3μm以上、より好ましくは0.5μm以上、さらに好ましくは0.8μm以上、最も好ましくは1.0μm以上であり、また、好ましくは30μm以下、より好ましくは27μm以下、さらに好ましくは25μm以下、最も好ましくは22μm以下である。上記下限を下回ると、高タップ密度品が得られなくなる場合があり、上限を超えると粒子内のリチウムの拡散に時間がかかるため、電池性能の低下をきたしたり、電池の正極作製、即ち活物質と導電材やバインダー等を溶媒でスラリー化し、薄膜状に塗布する際に、スジを引く等の問題を生ずる場合がある。ここで、異なるメジアン径d50をもつ上記正極活物質を2種類以上混合することで、正極作製時充填性をさらに向上させることができる。

0358

なお、メジアン径d50は、公知のレーザー回折散乱式粒度分布測定装置によって測定される。粒度分布計としてHORIBA社製LA−920を用いる場合、測定の際に用いる分散媒として、0.1質量%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液を用い、5分間の超音波分散後に測定屈折率1.24を設定して測定される。

0359

一次粒子が凝集して二次粒子を形成している場合には、上記正極活物質の平均一次粒子径としては、好ましくは0.05μm以上、より好ましくは0.1μm以上、さらに好ましくは0.2μm以上であり、上限は、好ましくは5μm以下、より好ましくは4μm以下、さらに好ましくは3μm以下、最も好ましくは2μm以下である。上記上限を超えると球状の二次粒子を形成し難く、粉体充填性に悪影響を及ぼしたり、比表面積が大きく低下するために、出力特性等の電池性能が低下する可能性が高くなる場合がある。逆に、上記下限を下回ると、通常、結晶が未発達であるために充放電可逆性が劣る等の問題を生ずる場合がある。

0360

なお、一次粒子径は、走査電子顕微鏡(SEM)を用いた観察により測定される。具体的には、10000倍の倍率写真で、水平方向の直線に対する一次粒子の左右の境界線による切片の最長の値を、任意の50個の一次粒子について求め、平均値をとることにより求められる。

0361

正極活物質のBET比表面積は、好ましくは0.1m2/g以上、より好ましくは0.2m2/g以上、さらに好ましくは0.3m2/g以上であり、また、好ましくは50m2/g以下、より好ましくは40m2/g以下、さらに好ましくは30m2/g以下である。BET比表面積がこの範囲よりも小さいと電池性能が低下しやすく、大きいとタップ密度が上がりにくくなり、正極活物質層形成時の塗布性に問題が発生しやすい場合がある。

0362

なお、BET比表面積は、表面積計(例えば、大理研社製全自動表面積測定装置)を用い、試料に対して窒素流通下150℃で30分間、予備乾燥を行なった後、大気圧に対する窒素相対圧の値が0.3となるように正確に調整した窒素ヘリウム混合ガスを用い、ガス流動法による窒素吸着BET1点法によって測定した値で定義される。

0363

上記リチウムイオン二次電池が、ハイブリッド自動車用分散電源用の大型リチウムイオン二次電池として使用される場合、高出力が要求されるため、上記正極活物質の粒子は二次粒子が主体となることが好ましい。
上記正極活物質の粒子は、二次粒子の平均粒子径が40μm以下で、かつ、平均一次粒子径が1μm以下の微粒子を、0.5〜7.0体積%含むものであることが好ましい。平均一次粒子径が1μm以下の微粒子を含有させることにより、電解液との接触面積が大きくなり、電極と電解液との間でのリチウムイオンの拡散をより速くすることができ、その結果、電池の出力性能を向上させることができる。

0364

正極活物質の製造法としては、無機化合物の製造法として一般的な方法が用いられる。特に球状ないし楕円球状の活物質を作成するには種々の方法が考えられるが、例えば、遷移金属の原料物質を水等の溶媒中に溶解ないし粉砕分散して、攪拌をしながらpHを調節して球状の前駆体を作成回収し、これを必要に応じて乾燥した後、LiOH、Li2CO3、LiNO3等のLi源を加えて高温で焼成して活物質を得る方法等が挙げられる。

0365

正極の製造のために、前記の正極活物質を単独で用いてもよく、異なる組成の1種以上を、任意の組み合わせ又は比率で併用してもよい。この場合の好ましい組み合わせとしては、LiCoO2とLiNi0.33Co0.33Mn0.33O2などのLiMn2O4若しくはこのMnの一部を他の遷移金属等で置換したものとの組み合わせ、あるいは、LiCoO2若しくはこのCoの一部を他の遷移金属等で置換したものとの組み合わせが挙げられる。

0366

上記正極活物質の含有量は、電池容量が高い点で、正極合剤の50〜99質量%が好ましく、80〜99質量%がより好ましい。また、正極活物質の、正極活物質層中の含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは82質量%以上、特に好ましくは84質量%以上である。また、好ましくは99質量%以下、より好ましくは98質量%以下である。正極活物質層中の正極活物質の含有量が低いと電気容量が不十分となる場合がある。逆に含有量が高すぎると正極の強度が不足する場合がある。

0367

上記正極合剤は、更に、結着剤、増粘剤、導電材を含むことが好ましい。
上記結着剤としては、電極製造時に使用する溶媒や電解液に対して安全な材料であれば、任意のものを使用することができ、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンポリエチレンポリプロピレンSBRスチレンブタジエンゴム)、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレンアクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体ポリエチレンテレフタレートポリメチルメタクリレートポリイミド芳香族ポリアミドセルロースニトロセルロース、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、フッ素ゴムエチレン−プロピレンゴム、スチレン・ブタジエンスチレンブロック共重合体又はその水素添加物、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体)、スチレン・エチレン・ブタジエン・エチレン共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体又はその水素添加物、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンポリ酢酸ビニル、エチレン・酢酸ビニル共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、フッ素化ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、アルカリ金属イオン(特にリチウムイオン)のイオン伝導性を有する高分子組成物等が挙げられる。なお、これらの物質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。

0368

結着剤の含有量は、正極活物質層中の結着剤の割合として、通常0.1質量%以上、好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは1.5質量%以上であり、また、通常80質量%以下、好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下、最も好ましくは10質量%以下である。結着剤の割合が低すぎると、正極活物質を十分保持できずに正極の機械的強度が不足し、サイクル特性等の電池性能を悪化させてしまう場合がある。一方で、高すぎると、電池容量や導電性の低下につながる場合がある。

0369

上記増粘剤としては、カルボキシメチルセルロースメチルセルロースヒドロキシメチルセルロースエチルセルロースポリビニルアルコール酸化スターチリン酸化スターチ、カゼイン及びこれらの塩等が挙げられる。1種を単独で用いても、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。

0370

活物質に対する増粘剤の割合は、通常0.1質量%以上、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上であり、また、通常5質量%以下、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下の範囲である。この範囲を下回ると、著しく塗布性が低下する場合がある。上回ると、正極活物質層に占める活物質の割合が低下し、電池の容量が低下する問題や正極活物質間の抵抗が増大する問題が生じる場合がある。

0371

上記導電材としては、公知の導電材を任意に用いることができる。具体例としては、銅、ニッケル等の金属材料天然黒鉛人造黒鉛等の黒鉛グラファイト)、アセチレンブラック等のカーボンブラックニードルコークス等の無定形炭素等の炭素材料等が挙げられる。なお、これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。導電材は、正極活物質層中に、通常0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上であり、また、通常50質量%以下、好ましくは30質量%以下、より好ましくは15質量%以下含有するように用いられる。含有量がこの範囲よりも低いと導電性が不十分となる場合がある。逆に、含有量がこの範囲よりも高いと電池容量が低下する場合がある。

0372

スラリーを形成するための溶媒としては、正極活物質、導電材、結着剤、並びに必要に応じて使用される増粘剤を溶解又は分散することが可能な溶媒であれば、その種類に特に制限はなく、水系溶媒有機系溶媒のどちらを用いてもよい。水系媒体としては、例えば、水、アルコールと水との混合媒等が挙げられる。有機系媒体としては、例えば、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンメチルナフタレン等の芳香族炭化水素類キノリンピリジン等の複素環化合物;アセトン、メチルエチルケトンシクロヘキサノン等のケトン類;酢酸メチル、アクリル酸メチル等のエステル類ジエチレントリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン等のアミン類;ジエチルエーテル、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル類;N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類ヘキサメチルホスファルアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。

0373

正極用集電体材質としては、アルミニウムチタンタンタルステンレス鋼、ニッケル等の金属、又は、その合金等の金属材料;カーボンクロスカーボンペーパー等の炭素材料が挙げられる。なかでも、金属材料、特にアルミニウム又はその合金が好ましい。

0374

集電体の形状としては、金属材料の場合、金属箔金属円柱金属コイル金属板金属薄膜エキスパンドメタルパンチメタル発泡メタル等が挙げられ、炭素材料の場合、炭素板炭素薄膜、炭素円柱等が挙げられる。これらのうち、金属薄膜が好ましい。なお、薄膜は適宜メッシュ状に形成してもよい。薄膜の厚さは任意であるが、通常1μm以上、好ましくは3μm以上、より好ましくは5μm以上、また、通常1mm以下、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下である。薄膜がこの範囲よりも薄いと集電体として必要な強度が不足する場合がある。逆に、薄膜がこの範囲よりも厚いと取り扱い性が損なわれる場合がある。

0375

また、集電体の表面に導電助剤が塗布されていることも、集電体と正極活物質層の電子接触抵抗を低下させる観点で好ましい。導電助剤としては、炭素や、金、白金、銀等の貴金属類が挙げられる。

0376

集電体と正極活物質層の厚さの比は特には限定されないが、(電解液注液直前の片面の正極活物質層の厚さ)/(集電体の厚さ)の値が20以下であることが好ましく、より好ましくは15以下、最も好ましくは10以下であり、また、0.5以上が好ましく、より好ましくは0.8以上、最も好ましくは1以上の範囲である。この範囲を上回ると、高電流密度充放電時に集電体がジュール熱による発熱を生じる場合がある。この範囲を下回ると、正極活物質に対する集電体の体積比が増加し、電池の容量が減少する場合がある。

0377

正極の製造は、常法によればよい。例えば、上記正極活物質に、上述した結着剤、増粘剤、導電材、溶媒等を加えてスラリー状の正極合剤とし、これを集電体に塗布し、乾燥した後にプレスして高密度化する方法が挙げられる。

0378

上記高密度化は、ハンドプレスローラープレス等により行うことができる。正極活物質層の密度は、好ましくは1.5g/cm3以上、より好ましくは2g/cm3以上、さらに好ましくは2.2g/cm3以上であり、また、好ましくは5g/cm3以下、より好ましくは4.5g/cm3以下、さらに好ましくは4g/cm3以下の範囲である。この範囲を上回ると集電体/活物質界面付近への電解液の浸透性が低下し、特に高電流密度での充放電特性が低下し高出力が得られない場合がある。また下回ると活物質間の導電性が低下し、電池抵抗が増大し高出力が得られない場合がある。

0379

上記電解液を用いる場合、高出力かつ高温時の安定性を高める観点から、正極活物質層の面積は、電池外装ケース外表面積に対して大きくすることが好ましい。具体的には、二次電池の外装の表面積に対する正極の電極面積の総和が面積比で15倍以上とすることが好ましく、さらに40倍以上とすることがより好ましい。電池外装ケースの外表面積とは、有底角型形状の場合には、端子突起部分を除いた発電要素充填されたケース部分の縦と横と厚さの寸法から計算で求める総面積をいう。有底円筒形状の場合には、端子の突起部分を除いた発電要素が充填されたケース部分を円筒として近似する幾何表面積である。正極の電極面積の総和とは、負極活物質を含む合材層に対向する正極合材層の幾何表面積であり、集電体箔を介して両面に正極合材層を形成してなる構造では、それぞれの面を別々に算出する面積の総和をいう。

0380

正極板の厚さは特に限定されないが、高容量かつ高出力の観点から、芯材の金属箔厚さを差し引いた合材層の厚さは、集電体の片面に対して下限として、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上で、また、好ましくは500μm以下、より好ましくは450μm以下である。

0381

また、上記正極板の表面に、これとは異なる組成の物質が付着したものを用いてもよい。表面付着物質としては酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ホウ素、酸化アンチモン、酸化ビスマス等の酸化物、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム等の硫酸塩、炭酸リチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、炭素等が挙げられる。

0382

<負極>
負極は、負極活物質を含む負極合剤と、集電体とから構成される。

0383

上記負極活物質としては、様々な熱分解条件での有機物熱分解物や人造黒鉛、天然黒鉛等のリチウムを吸蔵・放出可能な炭素質材料酸化錫、酸化ケイ素等のリチウムを吸蔵・放出可能な金属酸化物材料リチウム金属;種々のリチウム合金リチウム含有金属複合酸化物材料等を挙げることができる。これらの負極活物質は、2種以上を混合して用いてもよい。

0384

リチウムを吸蔵・放出可能な炭素質材料としては、種々の原料から得た易黒鉛性ピッチ高温処理によって製造された人造黒鉛もしくは精製天然黒鉛、又は、これらの黒鉛にピッチその他の有機物で表面処理を施した後炭化して得られるものが好ましく、天然黒鉛、人造黒鉛、人造炭素質物質並びに人造黒鉛質物質を400〜3200℃の範囲で1回以上熱処理した炭素質材料、負極活物質層が少なくとも2種類以上の異なる結晶性を有する炭素質からなり、かつ/又はその異なる結晶性の炭素質が接する界面を有している炭素質材料、負極活物質層が少なくとも2種以上の異なる配向性の炭素質が接する界面を有している炭素質材料、から選ばれるものが、初期不可逆容量、高電流密度充放電特性のバランスがよくより好ましい。また、これらの炭素材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。

0385

上記の人造炭素質物質並びに人造黒鉛質物質を400〜3200℃の範囲で1回以上熱処理した炭素質材料としては、石炭系コークス石油系コークス石炭系ピッチ石油系ピッチ及びこれらピッチを酸化処理したもの、ニードルコークス、ピッチコークス及びこれらを一部黒鉛化した炭素剤ファーネスブラック、アセチレンブラック、ピッチ系炭素繊維等の有機物の熱分解物、炭化可能な有機物及びこれらの炭化物、又は炭化可能な有機物をベンゼン、トルエン、キシレン、キノリン、n−ヘキサン等の低分子有機溶剤に溶解させた溶液及びこれらの炭化物等が挙げられる。

0386

上記負極活物質として用いられる金属材料(但し、リチウムチタン複合酸化物を除く)としては、リチウムを吸蔵・放出可能であれば、リチウム単体、リチウム合金を形成する単体金属及び合金、又はそれらの酸化物、炭化物、窒化物ケイ化物硫化物若しくはリン化物等の化合物のいずれであってもよく、特に制限されない。リチウム合金を形成する単体金属及び合金としては、13族及び14族の金属・半金属元素を含む材料であることが好ましく、より好ましくはアルミニウム、ケイ素及びスズ(以下、「特定金属元素」と略記)の単体金属及びこれら原子を含む合金又は化合物である。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。

0387

特定金属元素から選ばれる少なくとも1種の原子を有する負極活物質としては、いずれか1種の特定金属元素の金属単体、2種以上の特定金属元素からなる合金、1種又は2種以上の特定金属元素とその他の1種又は2種以上の金属元素とからなる合金、並びに、1種又は2種以上の特定金属元素を含有する化合物、及びその化合物の酸化物、炭化物、窒化物、ケイ化物、硫化物若しくはリン化物等の複合化合物が挙げられる。負極活物質としてこれらの金属単体、合金又は金属化合物を用いることで、電池の高容量化が可能である。

0388

また、これらの複合化合物が、金属単体、合金又は非金属元素等の数種の元素と複雑に結合した化合物も挙げられる。具体的には、例えばケイ素やスズでは、これらの元素と負極として作動しない金属との合金を用いることができる。例えば、スズの場合、スズとケイ素以外で負極として作用する金属と、さらに負極として動作しない金属と、非金属元素との組み合わせで5〜6種の元素を含むような複雑な化合物も用いることができる。

0389

具体的には、Si単体、SiB4、SiB6、Mg2Si、Ni2Si、TiSi2、MoSi2、CoSi2、NiSi2、CaSi2、CrSi2、Cu6Si、FeSi2、MnSi2、NbSi2、TaSi2、VSi2、WSi2、ZnSi2、SiC、Si3N4、Si2N2O、SiOv(0<v≦2)、LiSiOあるいはスズ単体、SnSiO3、LiSnO、Mg2Sn、SnOw(0<w≦2)が挙げられる。
また、SiまたはSnを第1の構成元素とし、それに加えて第2、第3の構成元素を含む複合材料が挙げられる。第2の構成元素は、例えば、コバルト、鉄、マグネシウム、チタン、バナジウムクロムマンガン、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム及びジルコニウムのうち少なくとも1種である。第3の構成元素は、例えば、ホウ素、炭素、アルミニウム及びリンのうち少なくとも1種である。
特に、高い電池容量および優れた電池特性が得られることから、上記金属材料として、ケイ素またはスズの単体(微量の不純物を含んでよい)、SiOv(0<v≦2)、SnOw(0≦w≦2)、Si−Co−C複合材料、Si−Ni−C複合材料、Sn−Co−C複合材料、Sn−Ni−C複合材料が好ましい。

0390

負極活物質として用いられるリチウム含有金属複合酸化物材料としては、リチウムを吸蔵・放出可能であれば、特に制限されないが、高電流密度充放電特性の点からチタン及びリチウムを含有する材料が好ましく、より好ましくはチタンを含むリチウム含有複合金属酸化物材料が好ましく、さらにリチウムとチタンの複合酸化物(以下、「リチウムチタン複合酸化物」と略記)が好ましい。すなわち、スピネル構造を有するリチウムチタン複合酸化物を、電解液電池用負極活物質に含有させて用いると、出力抵抗が大きく低減するので特に好ましい。

0391

上記リチウムチタン複合酸化物としては、一般式(O):
LixTiyMzO4 (O)
[一般式(O)中、Mは、Na、K、Co、Al、Fe、Ti、Mg、Cr、Ga、Cu、Zn及びNbからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を表わす。]
で表される化合物であることが好ましい。
上記の一般式(O)で表わされる組成の中でも、
(i)1.2≦x≦1.4、1.5≦y≦1.7、z=0
(ii)0.9≦x≦1.1、1.9≦y≦2.1、z=0
(iii)0.7≦x≦0.9、2.1≦y≦2.3、z=0
の構造が、電池性能のバランスが良好なため特に好ましい。

0392

上記化合物の特に好ましい代表的な組成は、(i)ではLi4/3Ti5/3O4、(ii)ではLi1Ti2O4、(iii)ではLi4/5Ti11/5O4である。また、Z≠0の構造については、例えば、Li4/3Ti4/3Al1/3O4が好ましいものとして挙げられる。

0393

上記負極合剤は、更に、結着剤、増粘剤、導電材を含むことが好ましい。

0394

上記結着剤としては、上述した、正極に用いることができる結着剤と同様のものが挙げられる。負極活物質に対する結着剤の割合は、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がさらに好ましく、0.6質量%以上が特に好ましく、また、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましく、8質量%以下が特に好ましい。負極活物質に対する結着剤の割合が、上記範囲を上回ると、結着剤量が電池容量に寄与しない結着剤割合が増加して、電池容量の低下を招く場合がある。また、上記範囲を下回ると、負極電極の強度低下を招く場合がある。

0395

特に、SBRに代表されるゴム高分子を主要成分に含有する場合には、負極活物質に対する結着剤の割合は、通常0.1質量%以上であり、0.5質量%以上が好ましく、0.6質量%以上がさらに好ましく、また、通常5質量%以下であり、3質量%以下が好ましく、2質量%以下がさらに好ましい。また、ポリフッ化ビニリデンに代表されるフッ素系高分子を主要成分に含有する場合には負極活物質に対する割合は、通常1質量%以上であり、2質量%以上が好ましく、3質量%以上がさらに好ましく、また、通常15質量%以下であり、10質量%以下が好ましく、8質量%以下がさらに好ましい。

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