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技術 糖尿病への転化を予測する多重マーカリスクパラメータ

出願人 リポサイエンス,インコーポレイテッド
発明者 オトボス,ジェームスディー.シャラウロヴァ,イリナワイ.
出願日 2020年4月23日 (9ヶ月経過) 出願番号 2020-076605
公開日 2020年9月10日 (5ヶ月経過) 公開番号 2020-144137
状態 未査定
技術分野 生物学的材料の調査,分析
主要キーワード 下端値 注目成分 上方範囲 サイズカテゴリ 作用素子 基準セグメント 上端値 コンピュータディスプレイ画面
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重要な関連分野

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図面 (20)

課題

患者2型糖尿病発症するリスクを、進行の短期リスク(STR)及び長期リスクの定義済み数学的モデルを使用して評価する方法、システム、及び回路を提供する。

解決手段

患者が2型糖尿病を発症するリスクを、進行の短期リスク(STR)及び長期リスクの定義済み数学的モデルを使用して評価する方法、システム、及び回路である。これらの評価により、グルコース測定値が同等である患者、具体的には、空腹時血漿グルコースFPG)値が中又は低(正常)である患者のリスクを階層化することが可能である。STRモデル又はIR(インスリン抵抗性)モデルは、炎症バイオマーカ(例えば、GlycAのNMR導出測定値)と、患者の少なくとも1つの生物試料から選択された複数のリポタンパク質成分と、を含んでよい。本発明の実施形態は又、β細胞機能障害又は損傷のマーカとしてSTRスコアを生成する方法、システム、及び回路を提供する。

概要

背景

2型真性糖尿病(T2DM又は「糖尿病」)は、米国及び他の国々において最も費用がかかり負担の大きい慢性疾患の1つである。T2DMの決定的な特徴は高血糖であり、これは、インスリン分泌反応の不良又は不足により炭水化物グルコース)利用障害が発生したことの影響である。T2DMは、何年も前から始まる代謝異常の晩期発現である。その原因は、インスリン抵抗性漸増β細胞機能の低下とが結びついたことであると考えられている。インスリン血糖低下作用に対する標的組織の漸増抵抗補償するのに十分なインスリンを膵β細胞分泌できていれば、患者は正常な空腹時グルコースベルを維持できる。高血糖、そしてT2DMへの移行は、インスリン抵抗性の増大に直面してインスリンの高分泌を維持できなくなる進行性β細胞機能障害の結果として起こる。

2型糖尿病は、これまで、血中グルコース(糖)レベルの増大(高血糖)を検出することによって診断されてきた。糖尿病を特徴づけているのは高血糖であるが、糖尿病は、インスリン抵抗性から本格的な糖尿病に至る一連事象のうちの最晩期の進行状態である。従って、高血糖などの典型的な症状が発現する前に、2型糖尿病を発症するリスクが患者にあるかどうか(即ち、2型糖尿病にかかりやすい素因を患者が有しているかどうか)を識別する方法があることが望ましいであろう。疾患の指標をより早期に検出できれば(例えば、高血糖と見なされるほどグルコースレベルが上昇する前に検出できれば)、疾患の発症を実際に防ぐことはできなくても、疾患に対するより効果的な治療につながる可能性がある。

インスリン抵抗性を評価する最も直接的且つ正確な方法が複数あるが、これらは手間も時間もかかる為、臨床に応用するのは現実的ではない。これらの探究方法のうちの「ゴールドスタンダード」は、高インスリン正常血糖クランプ法であり、これは、クランプ中に最大グルコース処理率GDR、インスリン抵抗性に反比例する)を定量化する方法である。再現性が若干低い(CVが14〜30%の)別の至難な探究方法として、最小モデル分析を行い頻繁にサンプルされる静脈耐糖能検査(IVGTT)があり、これは、インスリン抵抗性の逆であるインスリン感受性(Si)を測定するものである。

現在では、2型糖尿病に進行するリスクは、主に空腹時グルコースで評価され、濃度が100〜125mg/dLであれば高リスクの「前糖尿病」状態にあるとされ、患者の空腹時血漿グルコースレベルが126mg/dL以上であれば、現在ではT2DMであるとされる。しかしながら、前糖尿病である個々の患者(近い将来にT2DMを発症するリスクが最大である患者)の実際のリスクは、ばらつきが大きい。

MR分光法により、低密度リポタンパク質(LDL)、高密度リポタンパク質HDL)、超低密度リポタンパク質VLDL)が、インビトロ血漿試料又は血清試料からのLDL、HDL、及びVLDLの各粒子サブクラスとして同時に測定されてきた。参照により内容があたかも本明細書に完全に記載されているかのように本明細書に組み込まれている米国特許第4,933,844号、及び同第6,617,167号を参照されたい。オトヴォス等(Otvos et al.)の米国特許第6,518,069号には、患者がT2DMを発症するリスクを評価する為の、NMR導出グルコース値及び/又は特定のリポタンパク値の測定法について記載されている。

大まかに述べると、血漿試料及び/又は血清試料中のリポタンパク質を評価する為に、NMRスペクトル化学シフト領域内の、NMR分光法で抽出された複数の信号の振幅が、複合メチル信号エンベロープデコンボリューションによって抽出されて、サブクラス濃度が得られる。各サブクラスは、NMR周波数及びリポタンパク質の直径に関連付けられた、多数の(典型的には60超の)離散的な寄与サブクラス信号で表される。NMR評価は、NMR信号インターロゲートすることにより、様々な副集団の濃度を生成することが可能であり、典型的には73個の離散副集団(27個がVLDL用、20個がLDL用、並びに26個がHDL用)の濃度を生成することが可能である。これらの副集団は更に、VLDL、LDL、又はHDLのサブクラス内の特定のサイズ範囲に関連付けられるものとして特徴づけられてよい。

高度なリポタンパク質検査パネル、例えば、リポサイエンス社(LipoScience、ローリーノースカロライナ州)から入手可能なLIPOPROFILERリポタンパク質検査などは、典型的には、全てのHDLサブクラスの濃度を合計する総高密度リポタンパク質粒子(HDL−P)の測定(例えば、HDL−P数)、並びに全てのLDLサブクラスの濃度を合計する総低密度リポタンパク質粒子(LDL−P)の測定(例えば、LDL−P数)を含んでいる。LDL−P数及びHDL−P数は、それらのそれぞれの粒子の濃度を、nmol/Lなどの濃度単位で表す。リポサイエンス社は又、リポタンパク質ベースのインスリン抵抗性及び感受性指数(「LP−IR」指数)を開発した。これについては、参照により内容があたかも本明細書に完全に記載されているかのように本明細書に組み込まれている米国特許第8,386,187号に記載されている。

図1Aは、T2DMの発症前のインスリン抵抗性及びインスリン生成の変化の時間軸を示しており、この進行の間にβ細胞機能障害が起こっている。グルコースは、T2DMに進行する際の急激な増加までは比較的安定した状態にとどまりうる。例えば、メーソン等(Mason et al.)、糖尿病(Diabetes)、2007年、56号、p.2054−6を参照されたい。図1Bは、様々なグルコース範囲と一連のT2DM進行とを示す。この進行の間に糖尿病の合併症が起こりうる。グルコースが100〜110mg/dLの範囲にある人々の多くがT2DMには進行せず、グルコースが90〜99mg/dLの「正常」範囲にある他の人々が、例えば、5年以内に糖尿病を発症する可能性がある。現在では、糖尿病が進行するリスクは、主にグルコース尺度で評価されるが、これは、グルコース代謝の悪化に対する反応であって、グルコース代謝を悪化させる原因ではない。糖尿病に進行する人々とそうでない人々とをよりよく区別できる検査に対する診断ニーズが満たされていない。AACE前糖尿病コンセンサスステートメント(AACE Prediabetes Consensus Statement)、内分泌腺治療(Endocrine practice)、2008年、14巻(7号)、p.941を参照されたい。

人が2型糖尿病を発症するリスクを発症前に予測又は査定できる評価方法、及び/又は、介入によって進行を遅らせたり、且つ/又は、心臓血管のリスクを治療したりできるように、進行のリスクがある人々を早期に識別する方法が依然として必要とされている。

概要

患者が2型糖尿病を発症するリスクを、進行の短期リスク(STR)及び長期リスクの定義済み数学的モデルを使用して評価する方法、システム、及び回路を提供する。患者が2型糖尿病を発症するリスクを、進行の短期リスク(STR)及び長期リスクの定義済み数学的モデルを使用して評価する方法、システム、及び回路である。これらの評価により、グルコース測定値が同等である患者、具体的には、空腹時血漿グルコースFPG)値が中又は低(正常)である患者のリスクを階層化することが可能である。STRモデル又はIR(インスリン抵抗性)モデルは、炎症バイオマーカ(例えば、GlycAのNMR導出測定値)と、患者の少なくとも1つの生物試料から選択された複数のリポタンパク質成分と、を含んでよい。本発明の実施形態は又、β細胞の機能障害又は損傷のマーカとしてSTRスコアを生成する方法、システム、及び回路を提供する。A

目的

本発明の実施形態は、血糖値のいかんを問わず糖尿病リスクを評価できる、空腹時血漿生物試料からの(i)インスリン抵抗性(IR)(例えば、eLP−IR)及び(ii)短期糖尿病リスク因子(SDRF)の多重マーカを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

患者2型糖尿病発症するか、且つ/又は膵β細胞の損傷及び/又は機能障害を有するリスクを評価する方法であって、2型糖尿病を発症するリスクの定義済み数学的モデルを使用して、患者の短期糖尿病リスク因子(SDRFスコアプログラムで計算するステップであって、前記定義済み数学的モデルは、定義済み高密度リポタンパク質粒子HDL−P)副母集団濃度測定値と、少なくとも1つの炎症マーカの濃度測定値と、前記計算されたSDRFスコアを生成する為にそれぞれの定義済み係数数学的に結合された、前記モデルの各成分である少なくとも1つの相互作用パラメータの濃度測定値と、を含む、前記ステップを含む方法。

技術分野

0001

著作権の保有
特許文書の開示の一部に、著作権保護の対象となる素材が含まれる。著作権所有者であるリポサイエンスインコーポレイテッド(LipoScience, Inc.)は、誰によるものであれ、本特許文書又は本特許開示再現が、特許商標局の特許ファイル又は記録にある通りであれば、これに対して異議を有するものではないが、そうでない場合は、何であれあらゆる著作権を所有するものである。

0002

関連出願の相互参照
本出願は、参照により内容があたかも本明細書に完全に記載されているかのように本明細書に組み込まれている、2014年1月6日に出願された米国特許仮出願第61/923,855号の利益及び優先権を主張するものである。

0003

本明細書は、全般的には、インビトロ生物試料分析に関する。

背景技術

0004

2型真性糖尿病(T2DM又は「糖尿病」)は、米国及び他の国々において最も費用がかかり負担の大きい慢性疾患の1つである。T2DMの決定的な特徴は高血糖であり、これは、インスリン分泌反応の不良又は不足により炭水化物グルコース)利用障害が発生したことの影響である。T2DMは、何年も前から始まる代謝異常の晩期発現である。その原因は、インスリン抵抗性漸増β細胞機能の低下とが結びついたことであると考えられている。インスリン血糖低下作用に対する標的組織の漸増抵抗補償するのに十分なインスリンを膵β細胞分泌できていれば、患者は正常な空腹時グルコースベルを維持できる。高血糖、そしてT2DMへの移行は、インスリン抵抗性の増大に直面してインスリンの高分泌を維持できなくなる進行性β細胞機能障害の結果として起こる。

0005

2型糖尿病は、これまで、血中グルコース(糖)レベルの増大(高血糖)を検出することによって診断されてきた。糖尿病を特徴づけているのは高血糖であるが、糖尿病は、インスリン抵抗性から本格的な糖尿病に至る一連事象のうちの最晩期の進行状態である。従って、高血糖などの典型的な症状が発現する前に、2型糖尿病を発症するリスクが患者にあるかどうか(即ち、2型糖尿病にかかりやすい素因を患者が有しているかどうか)を識別する方法があることが望ましいであろう。疾患の指標をより早期に検出できれば(例えば、高血糖と見なされるほどグルコースレベルが上昇する前に検出できれば)、疾患の発症を実際に防ぐことはできなくても、疾患に対するより効果的な治療につながる可能性がある。

0006

インスリン抵抗性を評価する最も直接的且つ正確な方法が複数あるが、これらは手間も時間もかかる為、臨床に応用するのは現実的ではない。これらの探究方法のうちの「ゴールドスタンダード」は、高インスリン正常血糖クランプ法であり、これは、クランプ中に最大グルコース処理率GDR、インスリン抵抗性に反比例する)を定量化する方法である。再現性が若干低い(CVが14〜30%の)別の至難な探究方法として、最小モデル分析を行い頻繁にサンプルされる静脈耐糖能検査(IVGTT)があり、これは、インスリン抵抗性の逆であるインスリン感受性(Si)を測定するものである。

0007

現在では、2型糖尿病に進行するリスクは、主に空腹時グルコースで評価され、濃度が100〜125mg/dLであれば高リスクの「前糖尿病」状態にあるとされ、患者の空腹時血漿グルコースレベルが126mg/dL以上であれば、現在ではT2DMであるとされる。しかしながら、前糖尿病である個々の患者(近い将来にT2DMを発症するリスクが最大である患者)の実際のリスクは、ばらつきが大きい。

0008

MR分光法により、低密度リポタンパク質(LDL)、高密度リポタンパク質HDL)、超低密度リポタンパク質VLDL)が、インビトロの血漿試料又は血清試料からのLDL、HDL、及びVLDLの各粒子サブクラスとして同時に測定されてきた。参照により内容があたかも本明細書に完全に記載されているかのように本明細書に組み込まれている米国特許第4,933,844号、及び同第6,617,167号を参照されたい。オトヴォス等(Otvos et al.)の米国特許第6,518,069号には、患者がT2DMを発症するリスクを評価する為の、NMR導出グルコース値及び/又は特定のリポタンパク値の測定法について記載されている。

0009

大まかに述べると、血漿試料及び/又は血清試料中のリポタンパク質を評価する為に、NMRスペクトル化学シフト領域内の、NMR分光法で抽出された複数の信号の振幅が、複合メチル信号エンベロープデコンボリューションによって抽出されて、サブクラス濃度が得られる。各サブクラスは、NMR周波数及びリポタンパク質の直径に関連付けられた、多数の(典型的には60超の)離散的な寄与サブクラス信号で表される。NMR評価は、NMR信号インターロゲートすることにより、様々な副集団の濃度を生成することが可能であり、典型的には73個の離散副集団(27個がVLDL用、20個がLDL用、並びに26個がHDL用)の濃度を生成することが可能である。これらの副集団は更に、VLDL、LDL、又はHDLのサブクラス内の特定のサイズ範囲に関連付けられるものとして特徴づけられてよい。

0010

高度なリポタンパク質検査パネル、例えば、リポサイエンス社(LipoScience、ローリーノースカロライナ州)から入手可能なLIPOPROFILERリポタンパク質検査などは、典型的には、全てのHDLサブクラスの濃度を合計する総高密度リポタンパク質粒子(HDL−P)の測定(例えば、HDL−P数)、並びに全てのLDLサブクラスの濃度を合計する総低密度リポタンパク質粒子(LDL−P)の測定(例えば、LDL−P数)を含んでいる。LDL−P数及びHDL−P数は、それらのそれぞれの粒子の濃度を、nmol/Lなどの濃度単位で表す。リポサイエンス社は又、リポタンパク質ベースのインスリン抵抗性及び感受性指数(「LP−IR」指数)を開発した。これについては、参照により内容があたかも本明細書に完全に記載されているかのように本明細書に組み込まれている米国特許第8,386,187号に記載されている。

0011

図1Aは、T2DMの発症前のインスリン抵抗性及びインスリン生成の変化の時間軸を示しており、この進行の間にβ細胞機能障害が起こっている。グルコースは、T2DMに進行する際の急激な増加までは比較的安定した状態にとどまりうる。例えば、メーソン等(Mason et al.)、糖尿病(Diabetes)、2007年、56号、p.2054−6を参照されたい。図1Bは、様々なグルコース範囲と一連のT2DM進行とを示す。この進行の間に糖尿病の合併症が起こりうる。グルコースが100〜110mg/dLの範囲にある人々の多くがT2DMには進行せず、グルコースが90〜99mg/dLの「正常」範囲にある他の人々が、例えば、5年以内に糖尿病を発症する可能性がある。現在では、糖尿病が進行するリスクは、主にグルコース尺度で評価されるが、これは、グルコース代謝の悪化に対する反応であって、グルコース代謝を悪化させる原因ではない。糖尿病に進行する人々とそうでない人々とをよりよく区別できる検査に対する診断ニーズが満たされていない。AACE前糖尿病コンセンサスステートメント(AACE Prediabetes Consensus Statement)、内分泌腺治療(Endocrine practice)、2008年、14巻(7号)、p.941を参照されたい。

0012

人が2型糖尿病を発症するリスクを発症前に予測又は査定できる評価方法、及び/又は、介入によって進行を遅らせたり、且つ/又は、心臓血管のリスクを治療したりできるように、進行のリスクがある人々を早期に識別する方法が依然として必要とされている。

発明が解決しようとする課題

0013

本発明は、背景技術の課題を解決するためのものである。

課題を解決するための手段

0014

本発明の実施形態は、血糖値のいかんを問わず糖尿病リスクを評価できる、空腹時血漿生物試料からの(i)インスリン抵抗性(IR)(例えば、eLP−IR)及び(ii)短期糖尿病リスク因子(SDRF)の多重マーカを提供する。

0015

本発明の実施形態は、患者が将来2型糖尿病を発症するリスクの、多重パラメータ多変量)リスク進行モデルによるリスク評価を提供し、1つのモデルはSDRFに関し、(例えば、3年未満、例えば、検査後、半年以内、1年以内、2年以内、又は3年以内の)短期リスク(「STR」)に関連付けられ、別のモデルはIRに関し、これは、STR及び(例えば、3年超、例えば、検査後3.5年、4年、5年、又は5〜10年の)長期リスク(「LTR」)の両方に関する重要なリスクパラメータでありうる。

0016

SDRFは、スコアとして与えられてよい。SDRFスコアは、短期リスクに対して正の相関があり、従って、β細胞機能に対して逆の相関があるか、膵β細胞機能障害に対して正の相関があると考えられている。

0017

IRスコアは、「eLP−IR」(拡張リポタンパク質インスリン抵抗性)スコアを使用して識別可能である。

0018

STRモデルは、ロジスティック回帰により評価される。IRモデルは、少なくとも1つの調査母集団に基づいて、HOMA−IR又はSi(頻繁にサンプルされる静脈内耐糖能検査によって評価されるインスリン抵抗性)のいずれか又は両方に関する線形回帰モデルにより評価されてよい。

0019

本発明の実施形態は、糖尿病リスクモデルへの入力として多重パラメータ糖尿病リスクパラメータを使用することにより、定義済み時間軸(典型的には5年)以内に転化するリスクに関連付けられた糖尿病リスク指数(DRI)スコアを生成することが可能である。

0020

リスクモデルの各係数は、様々なマーカ入力を結合できる識別を生成する為に、(IRモデルに従う)それぞれの短期及び長期の糖尿病転化のロジスティック回帰によって定義されてよい。

0021

(STRに関する)SDRFパラメータ及びIRパラメータは、リスクが低いほど値が低く、リスクが高いほど値が高い、定義済み範囲内の数値スコア又は数値として与えられてよい。実施形態によっては、SDRFスコア及びIRスコアを結合することにより、糖尿病リスク指数(「DRI」)スコアが与えられてよい。

0022

本発明の実施形態は、DRIスコア即ち「糖尿病リスク指数」の為の、SDRF及びIRの両モデルからの成分を有するロジスティック回帰モデルを提供することが可能であり、DRIスコアは、典型的には3〜7年、例えば、検査後約5年の時間軸に関連付けられる。

0023

本発明の実施形態は、リスクを抱えながら、β細胞機能を改善又は安定化する療法の効果が見込まれるか、且つ/又は、患者のインスリン生成能力の改善が見込まれる患者を識別することに使用できるSTR評価を生成することが可能である。そのような療法の非限定的な例として、心筋梗塞後患者に使用されてきた、再構成HDLの静注の療法が可能であると考えられている。

0024

本発明の実施形態は、薬物療法創薬、及び/又は治験の為のSTRスコアを提供することが可能である。STRスコアは、β細胞機能の障害及び/又は変化を識別するマーカとして使用可能である。

0025

STRスコアは、定義済み母集団に対する相対スコア又は絶対スコアであってよい。STRスコアは、患者に対するベースラインSTRスコア及びその後のSTRスコアとして使用されてよく、変化は、療法又は創薬プログラム投与されてからの変化を反映する。

0026

STR、IR、及び/又はDRIの各スコアは、薬物療法の投与前、投与中、及び/又は投与後に生成されてよく、これによって、患者におけるそれぞれのスコアの変化を識別することが可能であり、従って、薬物療法による良い変化又は悪い変化を識別することが可能である。

0027

SDRFスコア及び/又はSTRスコアは、β細胞機能及び/又はインスリン生成能力を改善又は安定化しうる療法又は薬物の評価、又は薬物の望ましくない副作用の評価に使用されてよい。

0028

このリスク評価は、グルコース測定値単独ではできないリスクの階層化を行うそれぞれのSTRスコア、IRスコア、及びDRIスコアを生成することが可能であり、グルコース測定値から切り離されてよい。

0029

DRIスコアが使用される場合、DRIスコアは、SDRF及びIRの両リスク予測モデルからの幾つかの成分又は全ての成分を使用する、約5年の転化リスクのリスク予測モデルに基づいてよく、両リスク予測モデルに対して異なる定義済み重み付け因子を使用して重み付けすることにより、DRIスコアが生成されてよい。このリスク評価は、グルコース測定値を考慮してよい。グルコース測定値が使用される場合、グルコース測定値は、2型糖尿病への転化の時間軸の確立支援することが可能であり、且つ/又は、リスクの評価に使用されてよい。糖尿病リスク指数スコアは、グルコース情報なしで使用されてよく、背景に存在する代謝問題に関連付けられた、短期及び長期の両方にわたるリスクを反映することが可能である。

0030

これらの多変量モデルは、治験に関して、又は治験中に、療法中に、薬剤開発に関して、患者に対する薬物療法の選択又は指示に関して、且つ/又は、抗肥満薬又は他の薬物療法候補を識別又はモニタリングする為に、患者の評価に使用されてよい。

0031

短期多変量モデルは、GlycAのNMR測定値、高密度リポタンパク質(HDL)粒子の定義済み副母集団の濃度に関連付けられたリポタンパク質成分HMP)、及びGlycAの測定値にHMP(高密度リポタンパク質(HDL)粒子の定義済み副母集団の濃度)が乗じられた相互作用パラメータ、即ち、HMP×GlycAを含んでよい。

0032

GlycAは好ましい炎症マーカであってよいが、他の炎症マーカも使用されてよく、例えば、フィブリノーゲンハプトグロビン、α1−酸性糖タンパク質CRPC反応性タンパク質)、hs−CRP(高感受性CRP)、又はIL−6(インターロイキン−6)が使用されてよい。

0033

HDL副母集団は、中HDL粒子サブクラス(HMP)のみを含んでよい。中HDL−Pは、小及び大のHDL粒子サブクラスを除いたHDL粒子の副母集団を意味し、厳密なサイズ範囲は、測定方法間、及び調査母集団間で異なる可能性があり、これらは、短期におけるリスクモデル(典型的には、少なくとも1つの定義済み調査母集団のロジスティック回帰モデル)、又は長期用としてIRに基づくリスクモデルを使用して、糖尿病のリスクを最大化する。

0034

ほんの一例として、中HDL−Pは、直径が約8.3nm(平均)から、上の値が9.4nm(平均)、又は10.0nm(平均)、又は10.2nm(平均)までのHDL粒子のみを含んでよい。

0035

SDRF及び/又はSTRリスクモデルは、インスリン分泌機能損傷及び/又は膵β細胞機能障害のマーカである成分を含んでよい。

0036

DRIリスクモデルは、インスリン抵抗性のマーカである成分、並びにSDRFマーカ又はSDRFスコアである成分を含んでよい。

0037

IR多変量モデルは、少なくとも1つの定義済みリポタンパク質成分と、少なくとも1つの定義済み分岐鎖アミノ酸と、を含んでよい。任意選択で、このモデルは、少なくとも1つの炎症バイオマーカを含んでよい。長期(IR)多変量モデルは、バリンと、同じNMRスペクトルから導出された複数のリポタンパク質成分(例えば、サブクラス)と、を含んでよい。複数のリポタンパク質成分がLP−IR及びVMP(超低密度リポタンパク質粒子、中VLDLサブクラス粒子数、又は「中VLDL−P」の定義済み副母集団の濃度)を含んでよい。

0038

「中VLDL粒子」又は「VMP」という用語は、直径/サイズが35〜60nmの範囲(平均)である粒子の濃度を意味する。

0039

DRIリスクモデルは、SDRFモデル及びIRモデルからの成分を含んでよく、典型的にはそれぞれから3つの成分を含んでよく、STRモデルからはHMP、GlycA、HMP×GlycAを含んでよく、IRモデルからはLP−IR、バリン、及び中VLDL−Pを含んでよい。

0040

本発明の実施形態は、定義済みの短期及び長期の多重成分リスク進行モデルを使用して、患者のインビトロ血漿又は血清試料のNMRスペクトルを評価することにより、将来糖尿病を発症するリスクの評価、及び/又は、グルコースが正常であるか若干高くなった患者のリスク階層化を行う方法、回路、NMR分光計又はNMR分析器、及びプロセッサを含む。

0041

実施形態によっては、STRスコア及びIRスコアに重みを付けることによって、定義済み数値範囲内のDRIスコアが生成されてよい。実施形態によっては、5年(又は他のより長期の転化期間)にわたるリスクに対するIRの寄与がSDRFより大きくなるように、IRスコアが重み付けされてよい。

0042

本発明の実施形態は、患者が2型糖尿病を発症するか、且つ/又は膵β細胞の損傷及び/又は機能障害を有するリスクを評価する方法を対象とする。本方法は、2型糖尿病を発症するリスクの定義済み数学的モデルを使用して、患者の短期糖尿病リスク因子(SDRF)スコアをプログラムで計算するステップを含む。定義済み数学的モデルは、定義済み高密度リポタンパク質粒子(HDL−P)副母集団の濃度測定値と、少なくとも1つの炎症マーカの濃度測定値と、計算されたSDRFスコアを生成する為にそれぞれの定義済み係数と数学的に結合された、モデルの各成分である少なくとも1つの相互作用パラメータの濃度測定値と、を含む。患者は、SDRFスコアが母集団標準の第3三分位数値以上であれば、3年以内に2型糖尿病に転化するリスクがあるか、且つ/又は、β細胞機能障害のリスクがある。

0043

定義済みHDL−P副母集団は、中HDL−Pである。

0044

炎症マーカはGlycAであってよい。相互作用パラメータは、GlycAに中HDL−Pの濃度を乗じたものであってよい。患者は、中HDL−P値及びGlycA値が母集団標準の第3三分位数値内にあれば、β細胞機能障害のリスクがある。

0045

本方法は、インスリン抵抗性の定義済み数学的モデルを使用して、患者のインスリン抵抗性(IR)スコアをプログラムで計算するステップを含んでよい。

0046

IRスコアの為の、インスリン抵抗性の定義済み数学的モデルは、複数の成分を含んでよく、これら複数の成分は、患者の少なくとも1つのインビトロ生物試料から取得される、SDRFスコアの計算に使用されてよい、定義済みHDL−P副母集団の濃度測定値と、炎症マーカの測定値と、VLDL−P(超低密度リポタンパク質/カイロミクロン粒子サブクラス)の定義済み副母集団の測定値と、0〜100の範囲を有するIR指数であって、この範囲は、低から高、インスリン感受性からインスリン抵抗性までを表す、IR指数と、分岐鎖アミノ酸(BCAA)の測定値と、を含む。

0047

IRの定義済み数学的モデルの成分は、IRスコアを生成する為に数学的に結合されてよい。

0048

VLDL−Pの定義済み副母集団の測定値は、中VLDL−Pの濃度であってよく、BCAAはバリンである。

0049

本方法は、SDRFスコアとIRスコアとを結合することにより、糖尿病リスクスコアをプログラムで計算するステップを含んでよい。

0050

SDRFスコア及びIRスコアの係数を、SDRF及びIRを含むロジスティック回帰モデルから導出して、少なくとも1つの定義済み母集団調査を行って実際の5年での糖尿病転化を予測することにより、患者のグルコース値にかかわらず5年以内に転化するリスクを有するDRIスコアが生成されてよい。

0051

本方法は、患者の測定されたグルコース値及び/又はHbA1c値を評価するステップと、グルコース測定値及びDRIスコアに基づく、5年で2型糖尿病に転化するリスクのリスク推定値を有するレポート電子的に提供するステップと、を含んでよい。

0052

SDRFスコアは次式で計算されてよい。SDRFスコア=−(A)(HDL−P中)−(B)(GlycA)+(C)(GlycA×HDL−P中)。A、B、及びCは、2型糖尿病を発症するリスクの定義済み数学的モデルとしての、短期糖尿病転化のロジスティック回帰モデルからの定義済みβ係数である。GlycAは炎症マーカであってよく、HDL−P中は中サイズのHDL−P副母集団であり、GlycA×HDL−P中は相互作用パラメータであってよい。

0053

IRスコアは、eLP−IRスコアであってよく、次式で計算される。eLP−IR=(A)(LP−IR)+(B)(バリン)−(C)(VLDL−P中)−(D)(HDL−P中)+(E)(GlycA)。A、B、C、D、及びEは、インスリン抵抗性に関する線形回帰モデルからの定義済みβ係数である。GlycAは炎症マーカであってよく、HDL−P中は、中HDL−P副母集団の濃度であってよく、VLDL−P中は、中VLDL−P副母集団の濃度であってよく、バリンは分岐鎖アミノ酸であってよく、LP−IRは、6つの定義済みリポタンパク質サブクラスを使用して計算されるリポタンパク質インスリン抵抗性指数であってよく、インスリン感受性からインスリン抵抗性までを表す0〜100の範囲の数値を有する。

0054

本方法は、SDRFスコアを使用して、薬物療法を評価するステップ、治験を評価するステップ、又は創薬の候補を評価するステップのうちの少なくとも1つを更に含んでよい。

0055

本方法は、それぞれの生物試料から、時間経過に対する複数のSDRFスコアを計算することにより、SDRFスコアの変化を評価して、β細胞機能障害の変化を識別するステップを含んでよい。

0056

SDRFスコアに関連付けられたロースコアは−6.4と−1.6の間にあってよく、−4.1は調査母集団の約25パーセンタイルに関連付けられてよく、−3.8より大きな値は調査母集団の約75パーセンタイルに関連付けられてよい。−3.8より大きなスコアの値は、血糖値に関係なく、β細胞機能障害のリスク、及び/又は2型糖尿病への早期転化のリスクが高まっていることを示してよく、血糖測定値が普通である患者の、2型糖尿病への転化のリスクを、様々なSDRFスコアに対して階層化できる。

0057

SDRFスコアは、定義済み数値スコア範囲内でレポートに与えられてよく、母集団標準の第4四分位数(4Q)、第5五分位数(5Q)、又は第10十分位数に関連付けられるスコアは、2年以内に2型糖尿病を発症するリスク、及び/又はβ細胞機能障害のリスク、及び/又はβ細胞の損傷のリスクが、より低いスコアに比べて高まっていることを反映する。

0058

HDL−P副母集団は、直径が、8.3nmから、9.4nm、10.0nm、又は10.2nmのうちのいずれかまでの範囲である中HDL粒子サブクラスだけを含んでよい。

0059

本方法は、次式を使用してDRIスコアを生成するステップを含んでよい。DRIスコア=X(IRスコア)+Y(SDRF)。X及びYは、定義済み調査母集団を使用する、グルコース値が110mg/dLより低い人々の5年糖尿病転化のロジスティック回帰モデルによって定義される係数であってよく、DRIスコアは、可能なDRIロースコアの範囲にわたって複数の均等な副部分を使用するDRIスコア範囲に数学的に変更される。

0060

ローDRIスコアは、約−3.0から約1.8の範囲であってよい。

0061

本発明の実施形態は、リスクを抱えながら、β細胞機能を改善又は安定化する療法の効果が見込まれるか、且つ/又は、患者のインスリン生成能力の改善が見込まれる患者を識別する方法が対象であってよい。本方法は、患者の生物試料の定義済みリポタンパク質成分及び代謝成分の測定値を結合することにより、短期リスクスコアを電子的に生成するステップであって、上記成分は、高密度リポタンパク質粒子(HDL−P)副母集団と、HDL−P副母集団及び炎症マーカを使用する相互作用パラメータと、を含む、上記ステップを含んでよい。

0062

他の実施形態は、膵β細胞機能を改善し、且つ/又は2型糖尿病(T2DM)を防ぐ、再構成HDLの静注などの薬物療法の効果が見込まれる患者を識別する方法が対象である。本方法は、患者の生物試料の定義済みリポタンパク質成分及び代謝成分の測定値を使用して、定義済み短期糖尿病リスク因子(SDRF)スコアを生成するステップを含んでよい。これらの成分は、高密度リポタンパク質粒子(HDL−P)副母集団と、HDL−P副母集団及び炎症マーカを使用する相互作用パラメータと、を含む。本方法は、SDRFスコアが定義済み母集団標準より高くなった患者を識別するステップであって、高くなったSDRFスコアは、これらの患者において、膵β細胞機能を改善し、且つ/又はT2DMを防ぐ療法の効果が見込まれることを示す、上記ステップを含んでよい。

0063

本方法は、少なくとも1つのプロセッサを使用して実施されてよい。

0064

SDRFスコア用の生物試料の測定値の全て又は一部が、全てNMR導出の測定値であってよい。

0065

他の実施形態は、患者が2型糖尿病に転化するリスクを評価する方法が対象であり、これは、
(a)次式を使用してSDRFスコアをプログラムで計算するステップであって、
SDRFスコア=−(A)(HDL−P中)−(B)(GlycA)+(C)(GlycA×HDL−P中)、
A、B、及びCは、2型糖尿病を発症するリスクの定義済み数学的モデルとしての、短期糖尿病転化のロジスティック回帰モデルからの定義済みβ係数であり、GlycAは炎症マーカであり、HDL−P中は中サイズのHDL−P副母集団であり、GlycA×HDL−P中は相互作用パラメータである、上記ステップと、
(b)次式を使用してeLP−IRスコアをプログラムで計算するステップであって、
eLP−IR=(A)(LP−IR)+(B)(バリン)−(C)(VLDL−P中)−(D)(HDL−P中)+(E)(GlycA)、
A、B、C、D、及びEは、インスリン抵抗性に関する線形回帰モデルからの定義済みβ係数であり、GlycAは炎症マーカであり、HDL−P中は、中HDL−P副母集団の濃度であり、VLDL−P中は、中VLDL−P副母集団の濃度であり、バリンは分岐鎖アミノ酸であり、LP−IRは、6つの定義済みリポタンパク質サブクラスを使用して計算されるリポタンパク質インスリン抵抗性指数であって、インスリン感受性からインスリン抵抗性までを表す0〜100の範囲の数値を有する、上記ステップと、
(c)次式を使用してDRIロースコアをプログラムで生成するステップであって、
DRIロースコア=X(eLP−IR)+Y(SDRF)、
X及びYは、定義済み調査母集団を使用する、グルコース値が110mg/dLより低い人々の5年糖尿病転化のロジスティック回帰モデルによって定義される係数であり、DRIロースコアは、可能なDRIロースコアの範囲にわたって複数の均等な副部分を使用する0〜10又は1〜10の範囲に数学的に変更される、上記ステップと、によって行われる。

0066

業者であれば、以下の好ましい実施形態の図面及び詳細説明読むことにより、本発明の更なる特徴、利点、及び細部を理解されるであろう。但し、そのような説明は、本発明の例示に過ぎない。一実施形態に関して説明される特徴は、具体的に説明されることなく他の実施形態に組み込まれることが可能である。即ち、一実施形態に関して説明された本発明の態様は、別の実施形態に関して具体的に説明されることなく別の実施形態に組み込まれてよいことに注意されたい。即ち、全ての実施形態、及び/又は任意の実施形態の特徴が、任意の様式及び/又は組み合わせで組み合わせられてよい。出願者は、最初に提出されたどのクレームでも変更したり、それに応じて新しいクレームがあれば提出したりする権利を保有し、これには、最初はそのようにクレームされていなかった、最初に提出されたどのクレームでも、他の任意のクレームに従属したり、他の任意のクレームの任意の特徴を組み込んだりする為に、補正できる権利が含まれる。以下の明細書では、本発明の上述及び他の態様が詳細に説明される。

0067

当業者であれば本開示に照らして理解されるように、本発明の実施形態は、方法、システム、装置、及び/又はコンピュータプログラム製品、或いはこれらの組み合わせを含んでよい。

0068

この特許ファイル又は出願ファイルは、カラーで作成された図面を少なくとも1つ含む。この特許又は特許出願広報コピーにカラー図面が添付されたものは、所定の料金を支払って請求することにより、特許商標局から提供される。

0069

以下の明細書では、本発明の上述及び他の目的及び態様が詳細に説明される。

図面の簡単な説明

0070

2型糖尿病の進行を病理生理学的に示すチャートである。
一連の2型糖尿病の進行を、糖尿病の合併症が悪化する例とともに示すチャートである。
本発明の実施形態による、2つの別々の多重パラメータリスクモデルに基づく糖尿病リスク予測を示すチャートであり、一方のモデルはβ細胞機能障害に関連付けられる短期リスクに関するものであり、一方のモデルはIRに関するものである。
本発明の実施形態による、炎症マーカ及びBCAA(分岐鎖アミノ酸)に対応する例示的特定成分を有する2つの別々の多重パラメータリスクモデルに基づく糖尿病リスク予測を示すチャートであり、一方のモデルは短期リスクに関するものであり、一方のモデルはインスリン抵抗性に関するものである。
本発明の実施形態による、例示的サイズ範囲を有するリポタンパク質の副母集団を示す図である。
本発明の実施形態による、例示的サイズ範囲を有するリポタンパク質の副母集団を示す図である。
本発明の実施形態による、糖尿病の発症との(陽性及び陰性の)関連付けに基づく糖尿病リスク評価の為の例示的HDL副母集団グループ分けのチャートである。
本発明の実施形態による、図4サイズ別グループ分けによる、HDLの様々な副母集団に対するリスク関連付けを示すグラフである。
本発明の実施形態による、MESAの5年でのT2DMへの転化(n=359/4211)に基づく、グルコースカテゴリ低リスク、中リスク、高リスク)に対する糖尿病転化率のグラフであり、これは、中リスクのグルコース患者に関して、T2DMに進行するリスクが高まっている患者を階層化又はよりよく識別することの満たされていないニーズを示している。
本発明の実施形態による、IRASの5年でのT2DMへの転化(n=134/978)に基づく、グルコースカテゴリ(低リスク、中リスク、高リスク)に対する糖尿病転化率のグラフであり、中リスクのグルコース患者について、T2DMに進行するリスクが高まっている患者を階層化又はよりよく識別することの満たされていないニーズを示している。
MESA調査母集団(n=3450)の諸特性の表である。
本発明の実施形態による、GlycAピーク領域を(当該領域の拡大図により)示すNMRスペクトルである。
本発明の実施形態による、中HDL−P(HDL−P中)の3つの定義済みレベル(高、中、低)についてのGlycAレベルに対する予測短期糖尿病転化率のグラフであり、(母集団標準に対して)GlycAの約80パーセンタイルレベルにおいて、高レベルの中HDL−Pが「良い」から「悪い」に転じることを示している。
本発明の実施形態による、図2とよく似たブロック図であり、eLP−IRスコア及びSDRFスコアを生成する為に各注目成分とともに使用されてよい例示的係数を示しており、eLP−IRスコア及びSDRFスコアは単独で使用されてもよく、DRIスコアを形成する為に結合されてもよい。
本発明の実施形態による、アテローム性動脈硬化症の多民族研究(MESA)における、DRIスコア(n=1〜10)ごとの、グルコースカテゴリ(mg/dL単位)に対する予測糖尿病転化率(%)のグラフである。
本発明の実施形態による、IRAS(インスリン抵抗性アテローム性動脈硬化症研究)における、DRIスコア(n=1〜10)ごとの、グルコースカテゴリ(mg/dL単位)に対する予測糖尿病転化率(%)のグラフである。
本発明の実施形態による、インスリン抵抗性のeLP−IR多重マーカパラメータに寄与するパラメータのチャートである。
本発明の実施形態による、短期リスクのSDRF多重マーカパラメータに寄与するパラメータのチャートである。
本発明の実施形態による、IRASにおける5.2年の追跡の間の糖尿病への転化(n=134/976)を示すチャートであり、MESAを用いて開発されたモデルの妥当性を実証するものである。
本発明の実施形態による、GlycA及び中HDL−P(HDL−P中)のそれぞれのレベル(低、中、又は高)に従って細分されたIRAS参加者(全員の空腹時グルコースが110mg/dL以下)の9つの副母集団における実際の5年糖尿病転化率(%)を示すチャートである。注目された参加者850人のうち、88人が糖尿病に転化した。
本発明の実施形態による、インスリン抵抗性及びSDRFが高レベル又は低レベルである架空の患者についての、時間経過に対する空腹時グルコースレベル(mg/dL)の例示的グラフであり、これは、SDRF及びIR(例えばeLP−IR)を使用することにより、グルコース値が時間経過に対して安定するか、(例えば、短期間であれ長期間であれ)将来の糖尿病につながる道筋を有するかを予測することが可能であることを示す。色分けにより、時間経過に対してグルコースレベルが安定している3人の患者(緑色)と、糖尿病に転化する可能性がある患者(赤色)とが区別されている。
短期リスクの程度(例えば、SDRFスコア)を与える例示的レポートであり、その変化を監視することによって、時間経過に対するβ細胞機能/機能障害の評価が行われてよい。
本発明の実施形態による、例示的患者レポートの概略図であり、このレポートは、DRIスコア、(インスリン抵抗性に関連付けられた)IRスコア、及び(β細胞機能に関連付けられた)STRスコアのうちの1つ以上を与えることが可能である。
本発明の実施形態による、時間経過に対するDRIスコア、IRスコア、又はSTRスコアのうちの1つ以上における変化を評価する為に使用されてよい例示的グラフであり、これは、治療の適用量又はタイプに基づいてよく、或いは相互に関連付けられてよい。
本発明の実施形態による、定義済み時間軸(例えば、5年)以内でのT2DMへの転化を予測する為の、各リスクカテゴリに関連付けられたDRIスコアを有する例示的患者レポートを示す。
本発明の実施形態による、定義済み時間軸(例えば、5年)以内でのT2DMへの転化を予測する為の、各リスクカテゴリに関連付けられたDRIスコアを有する例示的患者レポートを示す。
本発明の実施形態による、定義済み時間軸(例えば、5年)以内でのT2DMへの転化を予測する為の、各リスクカテゴリに関連付けられたDRIスコアを有する例示的患者レポートを示す。
本発明の実施形態による、STR、IR、及び/又はDRIリスク指数モジュール及び/又は回路を使用して患者のリスクを分析するシステムの概略図である。
本発明の実施形態による、NMR分光装置の概略図である。
本発明の実施形態による、データ処理システムの概略図である。
本発明の実施形態による、将来2型糖尿病を発症するか、且つ/又は前糖尿病を有するリスクを評価することに使用可能な例示的動作のフローチャートである。

実施例

0071

以下では、本発明の実施形態が図示された添付図面を参照しながら、本発明をより詳細に説明する。しかしながら、本発明は、多様な形態で実施されてよく、本明細書において説明される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が綿密且つ完全であって本発明の範囲を当業者に完全に伝達するように提供されている。

0072

全体を通して、類似の参照符号は類似の要素を参照する。図面では、特定の線、層、構成要素、要素、又は外形の厚さが明確さの為に誇張されている場合がある。「図(Figure)」という語は、本明細書及び図面において、略記である「図(FIG.)」及び「図(Fig.)」と区別なく使用されている。

0073

破線は、特に断らない限り、任意選択の特徴又は動作を示す。

0074

本明細書で使用される術語は、特定の実施形態を説明することを目的としているに過ぎず、本発明の限定を意図するものではない。本明細書において使用される単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上明らかに矛盾する場合を除き、複数形も同様に包含するものとする。更に、当然のことながら、「備える(comprises)」及び/又は「備える(comprising)」という語は、本明細書で使用された際には、述べられた特徴、整数、手順、操作、要素、及び/又は構成要素の存在を明記するものであり、1つ以上の他の特徴、整数、手順、操作、要素、構成要素、及び/又はこれらの集まりの存在又は追加を排除するものではない。本明細書では、「及び/又は(and/or)」という語は、関連付けられて列挙されたアイテムの1つ以上のありとあらゆる組み合わせを包含する。本明細書では、「XとYの間(between X and Y)」や「およそXとYの間(between about X and Y)」などのは、X及びYを包含するように解釈されるべきである。本明細書では、「およそXとYの間(between about X and Y)」などの句は「約Xと約Yの間(between about X and about Y)」の意味である。本明細書では、「およそXからYまで(from about X to Y)」などの句は「約Xから約Yまで(from about X to about Y)」の意味である。

0075

糖尿病リスク指数又はスコアの為のリスク進行モデルの成分の例示的説明が、2013年3月14日に出願された米国特許出願第13/830,784号及び2013年6月7日に出願された国際公開第PCT/US2013/044679号にあり、これらは、参照により内容があたかも本明細書に完全に記載されているかのように本明細書に組み込まれている。

0076

特に定義されない限り、本明細書で使用されるあらゆる用語(技術用語及び科学用語を含む)の意味は、本発明が帰属する当該技術分野の当業者によって一般的に理解される意味と同じである。更に当然のことながら、語句、例えば、一般的に利用されている辞書において定義されている語句は、本明細書及び関連技術分野の文脈におけるそれらの語句の意味と整合性がある意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書において明示的にそのように定義されない限り、理想化された意味又は過度形式的な意味として解釈されるべきではない。よく知られている機能や構造については、簡潔さ及び/又はわかりやすさの為に、詳細には説明されない場合がある。

0077

「約(about)」という語は、指定された値又は数の±10%(算術的平均値又は平均値全般)を意味する。

0078

「前糖尿病」という用語は、患者又は被験者にとっての、疾患状態ではないリスク状態を意味する。従って、「前糖尿病」という用語は、2型糖尿病とはまだ診断されていない人の意味であり、現時点で米国糖尿病学会(American Diabetes Association)によって定義されているように、空腹時血漿グルコースレベルが100mg/dLと125mg/dLの間にあるか、経口グルコース負荷試験レベルが140mg/dLと199mg/dLの間にあるか、A1Cが5.7%から6.4%の間にある個人に関連付けられる。これらについては以下の表1で表されるとおりである(検査の各タイプにおいて、レベルが大きいほど、2型糖尿病のリスクが高くなる)。
糖尿病及び前糖尿病に対応する血液検査レベル



3つの検査の全てにおいて、前糖尿病範囲では、検査結果が高いほど、糖尿病のリスクが大きい。米国糖尿病学会(American Diabetes Association)、糖尿病の標準治療2012(Standardsof medical care in diabetes—2012)、糖尿病ケア(Diabetes Care)、2012年、35巻(補遺1)、S12、表2を参照されたい。

0079

本発明の実施形態は、空腹時グルコースレベルが同等か似通っている複数の患者のリスクを階層化することに特に適していてよい。大まかに述べると、STRスコア及びIRスコアを、単独で、又は結合してDRIスコアとして用いて、将来2型糖尿病を発症するリスクを、単独で階層化するか、FPG又は他のグルコース測定、例えば、A1C(ヘモグロビンA1Cを用いた非空腹時試料)測定又は経口グルコース負荷測定を併用して階層化することが可能であると考えられている。STR、IR、又はDRI糖尿病リスクスコアのうちの1つ以上を用いて、グルコースレベルが同等だが根本的な代謝状態が異なる複数の患者の2型糖尿病リスクを階層化することが可能である。

0080

SDRFとβ細胞機能障害とのつながりは、現時点では仮説である。これは、SDRFがβ細胞機能の客観的尺度と実際に関連付けられることの直接的な証拠(あまり多くは存在せず、しかもあまり良好な証拠ではない)が、本特許出願の提出日の時点で確立されていない為である。しかしながら、SDRFは、長期リスクではなく短期リスクにのみ寄与し、IRとは無関係である為、現時点では推論に過ぎないとしても、β細胞機能障害とのつながりが強くうかがわれる。

0081

本発明の実施形態は、比較的短い時間枠(典型的には5年以内)での「累積」糖尿病リスクを、IR状態及びβ細胞機能に基づいて与えることが可能である。このリスクには、インスリン抵抗性(いかなる時間枠であれ、糖尿病リスクの不可欠要因)が寄与し、更には、典型的には晩期発現であるβ細胞機能障害も寄与する(これは比較的短期の(典型的には2〜3年以内の)転化にのみ影響を及ぼす)。従って、5年以内のT2DMへの転化のリスクを評価する為に、IR(例えば、eLP−IR)及びβ細胞機能障害(SDRF)の両方の評価が行われてよい。全体リスクのうちのβ細胞部分の相対的重要性は、関心対象の時間枠が長いよりは短いほど大きく、3年での転化のリスクの約50%を占める可能性があり、5年での転化のリスクの約30%を占める可能性があり、10年での転化の(累積)リスクの10%未満を占める可能性がある。従って、本発明の実施形態は、IRスコアとSDRFスコアを結合することが可能な、5年糖尿病リスクの新しい多重マーカ(DRIスコア)を提供することが可能である。

0082

関心対象の期間が長いほど、糖尿病のリスクに対するIRの重要性がSDRFに比べて高くなる。特定の実施形態によっては、これらの糖尿病スコアの一方又は両方が、関心対象のリスクの時間枠と相互に関連するように「重み付け」されてよい。例えば、IR(例えば、eLP−IR)及びSDRFの各構成部分は、DRIスコアを生成する為に、測定されたSDRF値より大きな値を有するように重み付けされてよい。DRIスコアを生成する式を以下に示す。
DRIスコア=XIR+YSDRF 式1

0083

DRIスコアは、IRスコアとSDRFスコアを結合したものであってよく、XとYは定義済みの係数であり、LTRDRI評価の場合はX>Yである。例えば、5年の時間軸で転化するリスクの場合は、Xが約70%であってよく、Yが約30%であってよい。X及びYは、他の値を有してよい。表2は、5年で転化するリスクの場合の、DRIスコアに対する相対的な重みセットの例を含み、これらは、実施形態によっては、最大値が1、10、又は100であってよい。評価窓/リスク期間が長くなるほど、SDRFスコアとDRIリスクとの関連性が小さくなりうるのは明らかであろう。
IRとSDRFの重み

0084

実施形態によっては、5年の(又は他の適切な)観察期間を有する1つ以上の調査対象母集団からの糖尿病転化データを用いた分析が可能であり、年齢性別人種、空腹時グルコース、IR(例えば、eLP−IR又は他のIR尺度)、SDRFなどの予測変数を含むロジスティック回帰分析を実施することが可能である。この予測モデルからは、IR及びSDRFの為の係数を生成できる。そして、DRIは、式(1)に従って、定義済みの係数(X)を乗じたIR(例えば、eLP−IR)と、定義済みの係数(Y)を乗じたSDRFとの和として計算されてよい。分析の時間枠が長いほど、SDRFスコアよりもIRスコアが支配的になる。即ち、β係数は、更なる重み付けを何ら必要としない、関連付けられた統計的関係の為の数値を与える。

0085

本発明の実施形態は、DRIスコアの臨床出力、並びに、結合してDRIスコアを生成することが可能な2つの多重マーカの一方又は両方の臨床出力を提供する。2つの多重マーカは、IRパラメータとβ細胞機能障害部分のSDRFであり、IRパラメータ(例えば、eLP−IRスコア)は、ダイエット運動及び減量、及び/又はインスリン抵抗性改善剤によって対処可能であってよく、SDRFは、この機能障害を対象とする薬剤によって潜在的に対処可能であってよい。SDRFの上昇を測定してレポートする別の理由は、近い将来に糖尿病になる可能性があり、従って、(最低限の減量と薬剤とによる)何らかの対策を行う緊急性が高まっていることを患者に警告する為である。

0086

本発明の実施形態は、STRスコアを用いて、薬物療法によってβ細胞機能が改善又は安定化する効果が見込まれる患者を識別することが可能である。

0087

本発明の実施形態は、STRスコアを用いて、薬物療法の評価、治験、及び/又は創薬の推進を行うことが可能である。

0088

「患者」という用語は、広く用いられており、検査又は分析の為の生物試料を提供する人を意味する。

0089

「GlycA」という用語は、N−アセチルグルコサミン及び/又はN−アセチルガラクトサミン部分構造を含む急性相反糖タンパク質炭水化物部分からの、より具体的には、2−NAcGlcメチル群及び2−NAcGalメチル群のプロトンからの複合NMR信号の測定から導出できるバイオマーカを意味する。GlycA信号は、約47℃(±0.5℃)において、血漿NMRスペクトルの約2.00ppmに中心がある。ピーク位置は、分光計の視野に無関係であるが、生物試料の分析温度に応じてばらつく可能性があり、尿生物試料中には見つからない。従って、GlycAピーク領域は、検査試料の温度がばらつけばばらつく可能性がある。図8は、本発明の実施形態による、GlycAピーク領域の(その領域の拡大図における)NMRスペクトルを示す。

0090

GlycANMR信号は、臨床的に関係する信号寄与分のみを含むように、定義済みのピーク領域にあるNMR信号のサブセットを含んでよく、この領域の信号に対するタンパク質寄与分を除外してよい(これについては後で詳述する)。

0091

本明細書では、化学シフト位置(ppm)は、2.519 ppmにあるCaEDTA信号を内部基準とするNMRスペクトルを意味する。従って、本明細書において説明及び/又は特許請求される注目ピーク位置は、当業者にはよく知られているように、化学シフトがどのように生成されるか、又は基準とされるかに応じて様々であってよい。従って、明確化の為に言うと、説明及び/又は特許請求されるピーク位置のうちの幾つかは、当業者にはよく知られているように、他の対応する化学シフト中に別の等価なピーク位置を有する。

0092

「生物試料」という用語は、インビトロの血液、血漿、血清CSF唾液洗浄液喀痰、又は人間や動物組織試料を意味する。本発明の実施形態は、人間の血漿又は血清の生物試料を、特にGlycA(これは、例えば、尿中には見つからない)に関して評価することに特に適していてよい。血漿試料又は血清試料は、空腹時又は非空腹時のものであってよい。グルコースがNMRによって測定される場合、生物試料は、典型的には、空腹時の血漿試料又は血清試料である。しかしながら、グルコースは、任意の適切な手段で測定されてよい。

0093

「母集団標準(population norm)」及び「標準(standard)」という用語は、フラミンガム子孫研究(Framingham Offspring Study)、又はアテローム性動脈硬化症の多民族研究(Multi−Ethnic Study of Atherosclerosis)(MESA)、又は他の、全体母集団の代表として十分大規模な試料を有する研究のような、1つ以上の大規模な研究によって定義された値を意味する。しかしながら、本発明は、MESA又はフラミンガム子孫研究の母集団値に限定されない。これは、現在定義されている、正常な母集団及びリスクがある母集団の値又はレベルが時間とともに変化する可能性がある為である。従って、臨床疾患状態を有するレベル及び/又はリスクの上昇又は下降を評価する為に、リスクセグメントにある定義済みの母集団からの値に関連付けられた基準範囲(例えば、四分位数又は五分位数)が提供され、利用されてよい。

0094

本明細書では、「NMRスペクトル分析」という用語は、プロトン(1H)核磁気共鳴分光技術を用いて、生物試料(例えば、血漿又は血清)中に存在するそれぞれのパラメータを測定できるデータを取得する手段を意味する。

0095

「測定する」及びその派生語は、レベル又は濃度を特定すること、且つ/又は、リポタンパク質サブクラスを確実に特定することを意味し、これは、リポタンパク質サブクラスの平均粒子サイズを測定することを含んでよい。

0096

「NMR導出」という用語は、関係付けられた測定値が、NMR分光計内のインビトロ生物試料の1回以上のスキャンで得られたNMR信号/スペクトルを使用して計算されることを意味する。

0097

「リポタンパク質成分」という用語は、1つ以上のサブクラス(サブタイプ)のリポタンパク質のサイズ及び/又は濃度を含むリポタンパク質粒子に関連付けられた数学的リスクモデルの中のリポタンパク質成分を意味する。リポタンパク質成分は、複数のリポタンパク質パラメータのリポタンパク質粒子サブクラス、濃度、サイズ、比、及び/又は数学的積(乗算値)、及び/又は、定義済みリポタンパク質パラメータのリポタンパク質サブクラス測定値、又は他のパラメータ(例えば、GlycA)と結合されたリポタンパク質サブクラス測定値のいずれを含んでもよい。

0098

「相互作用パラメータ」という用語は、数学的積及び/又は比として結合された(掛け合わされた)少なくとも2つの別々の定義済み患者パラメータを意味し、典型的には、一方のパラメータがHDL−Pの副母集団であり、他方が炎症マーカである。相互作用パラメータの例として、HDLの副母集団が含まれてよく、例えば、中HDL−P(「HMP」)/総HDL−P、(HMP)(GlycA)、(HMP)(HZ)、及び/又は定義済みリポタンパク質副母集団に対する炎症マーカの比(例えば、HMPに対するGlycAの比)が含まれてよく、これらに限定されない。「HZ」という用語は、平均HDLサイズを意味する。GlycAは、炎症バイオマーカである。他の炎症マーカも相互作用パラメータにおいて使用されてよく、例えば、CRP(C反応性タンパク質)、hs−CRP(高感受性CRP)、IL−6(インターロイキン−6)、フィブリノーゲン、ハプトグロビン、及びα1−酸性糖タンパク質が使用されてよい。

0099

「数学的モデル」という用語と「モデル」という用語は区別なく使用され、これらは、STR及び/又はDRI(「糖尿病リスク指数」)とともに使用された場合は、患者が将来の一定期間内に2型糖尿病を発症するリスクを評価する為に使用される統計的リスクモデルを意味し、或いは、IRとともに使用された場合は、1つ以上の調査母集団に基づくインスリン抵抗性モデルから得られるリスク(糖尿病リスクの良い予測子)を意味する。STRは、長期リスク(LTR)の場合より短い期間が対象である。リスクモデルは、任意の適切なモデルであってよく、或いは、これを含んでよく、そのようなモデルとして、ロジスティックモデル、混合モデル、又は階層型線形モデルのうちの1つ以上があり、これらに限定されない。STRリスクモデル及びDRIリスクモデルは、定義済み時間枠以内に2型糖尿病に転化する確率に基づくリスク尺度を与えることが可能であり、定義済み時間枠は、典型的には、STRの場合は0〜3年以内、LTRの場合は3年超である。STR/SDRFリスクモデルは、3年未満の時間枠が対象であってよく、例えば、検査後の6か月以内、1年以内、1.5年以内、2年以内、2.5年以内、又は3年以内が対象であってよい。IRリスクは、STR及びLTR長期リスクの両方にとって重要なリスクパラメータとなる可能性があり、対象期間は、例えば、検査後の3年超であり、例えば、3.5年、4年、5年、又は5〜10年である。

0100

DRI期間は約5〜7年であってよく、より典型的には、約5年である。STR、IR、及び/又はDRIの各リスクモデルは、標準χ2値及び/又はp値を尺度として、T2DMを発症するリスクを階層化することが可能である(p値は十分に代表的な調査母集団を有する)。
MESA追跡期間

0101

表3は、異なるMESA診察(追跡検査)の為の追跡期間を示す。STRパラメータは、診察2で糖尿病と診断されることを予測する為に回帰モデルから導出されてよい。平均追跡期間は1.6年であった(最短0.9年、最長3.4年)。図13は、MESAの診察2又は3において診断されたDMを示す。IRパラメータは、STRからLTRにかけて任意の時間枠を有してよく、一方、SDRFが関連するのはSTRにおいてのみである。実施形態によっては、IRモデルは、(図12に示された)HOMA−IRを予測する線形回帰モデルから導出可能である。

0102

当業者であれば理解されるように、ほぼ全ての母集団調査が、ある固定期間(例えば、5年)を置いた追跡を実施しており、その期間のどの時点で糖尿病と診断されたかはモニタリングしていない。そこで、回帰モデルは、より早くに糖尿病に転化した人々もいれば、より遅くに転化した人々もいる累積尺度である。

0103

「LP−IR」スコアという用語は、インスリンに対して感受性がある状態からインスリンに対して抵抗性がある状態までの患者のインスリン感受性の等級付けを、様々な定義済みリポタンパク質成分に関連付けられたリスクスコアの合計により行う、リポタンパク質ベースのインスリン抵抗性スコアを意味する。LP−IRスコアの詳細については、例えば、参照により内容があたかも本明細書に完全に記載されているかのように本明細書に組み込まれている、米国特許出願第8,386,187号、並びに、シャウロヴァ I等(Shalaurova I et al.)、リポタンパク質インスリン抵抗性指数:リポタンパク質粒子から導出されたインスリン抵抗性尺度(Lipoprotein Insulin Resistance Index: A Lipoprotein Particle−Derived Measure of Insulin Resistance)、メタボリックシンドロームアンドリレーテッド・ディスオーダーズ(Metabolic Syndrome and Related Disorders)、12巻、8号、2014年10月、p.422−429を参照されたい。大まかに述べると、大VLDL、VLDLサイズ、及び小LDLは、陽性のリスク関連付けを有し、大HDL、LDLサイズ、及びHDLサイズは、陰性の関連付けを示す。これら6つの成分は、LP−IRスコアの生成に使用されてよく(例えば、図2BのLP−IRに関連付けられて示された最下行の各成分を参照されたい)、これらは、典型的には、1〜100のスコアであり、個々の成分のリスクスコアは、米国特許出願第8,386,187号の表3に記載されているように変動する。LP−IRスコアは、リポタンパク質のNMR導出測定値、又は他の測定方法を用いて計算されてよい。

0104

本発明の実施形態は、糖尿病の病理生理学に関連するバイオマーカを含むリスクモデルを用いてよく、これには、インスリン抵抗性、β細胞機能又はインスリン分泌の機能障害、炎症、及び非インスリン(NI)依存型グルコース取り込み不全のうちの2つ以上が含まれる。

0105

HDLの役割は複雑であり、HDL−Cは比較的粗いバイオマーカであると見なされている。近年、研究者らは、糖尿病の病理生理学においてHDLが傍観者ではなくアクティブプレイヤーであると提言している。ドリュー等(Drew et al.)、明らかになりつつある、グルコース代謝におけるHDLの役割(The Emerging Roles of HDL in Glucose Metabolism)、ネイチャーレビューズ・エンドクリノロジ(Nat. Rev., Endocrinol.)、8号、p.237−245、2012年、2012年1月24日オンライン公開を参照されたい。

0106

正常から糖尿病に至る血糖軌跡は、典型的には、グルコースレベルが長期間にわたって完全に安定していることで特徴づけられてよく、この期間の間に、インスリン抵抗性の上昇がβ細胞インスリン分泌の増加によって補償され、その後、概ね約3年未満でインスリン抵抗性が急激に上昇し、β細胞の塊及び機能が失われることによって、糖尿病の診断が下る。例えば、参照により内容があたかも本明細書に完全に記載されているかのように本明細書に組み込まれている、タバックAG等(Tabak AG et al.)、ランセット(Lancet)、2009年、373号、p.2215−21を参照されたい。短期間で糖尿病に転化する人は、インスリン抵抗性及びβ細胞の機能障害又は損傷を有する可能性が高い。IRに関連付けられたマーカは、転化の時間枠に関係なく、糖尿病の発症を予測する。一方、IR及びグルコースと無関係に短期転化の予測を強化するマーカは、IRマーカによって提供される長期転化の予測を単独では強化しない。

0107

図2Aを参照すると、本発明の実施形態は、リポタンパク質パラメータ及び代謝パラメータの少なくとも2つの独立した多重マーカを用いた糖尿病リスク評価を提供する。この2つの多重マーカパラメータは、定義済みのリポタンパク質パラメータ及び代謝パラメータを含む。この2つの多重マーカパラメータは、(i)複数の定義済みリポタンパク質パラメータ及び代謝パラメータを含むインスリン抵抗性用IRリスク因子スコア、並びに、(ii)複数の定義済みリポタンパク質パラメータ及び代謝パラメータを含むβ細胞機能障害用のSTR又はSDRFリスク因子スコア(SDRFリスク因子スコアに使用されるパラメータの一部は、STRリスク因子スコアに使用されるパラメータと部分的に重なる可能性がある)として示されている。STRリスク因子スコアは、中HDL−P、炎症マーカ、及び相互作用パラメータという成分のうちの複数又は全てに関連付けられた複数の独立した値の結合(例えば、合計)を含んでよい。相互作用パラメータは、炎症マーカとHDL−Pの定義済み副母集団(典型的には中HDL−P)であってよい。

0108

IRリスク因子は、IR指数だけを含んでよく、或いは、IR指数と、他の定義済みのリポタンパク質パラメータ及び代謝パラメータとを含んでよい。例えば、IRリスク因子スコアは、(a)炎症マーカ、(b)中HDL−P、(c)中VLDL−P、(d)1つ以上の分岐鎖アミノ酸(BCAA)、及び(e)定義済みの数値範囲を有するインスリン抵抗性指数という成分のうちの複数又は全ての独立した値又はスコアを結合することにより生成されてよい。BCAAは、バリン、ロイシン、及びイソロイシンのうちの1つ以上を含んでよく、これらは、NMR又は他の方法で測定されてよい。BCAAのNMR測定については、例えば、参照により内容があたかも本明細書に完全に記載されているかのように本明細書に組み込まれている国際公開第PCT/US2013/064142号を参照されたい。

0109

IRリスク因子は、(後で詳述される)LP−IR又はeLP−IR、或いは他の適切なインスリン抵抗性指数であってよい。例えば、代謝物質を用いたインスリン抵抗性指数については、参照により内容があたかも本明細書に完全に記載されているかのように本明細書に組み込まれている、フ等(Hu et al.)の米国特許出願公開第2009/0155826号(「フ(Hu)」)において明らかにされている。フ(Hu)は、表4、5、6、7、8、9A、9B、27、28、及び29(段落98)のうちの1つ以上において、バイオマーカを使用してインスリン抵抗性を評価する為のバイオマーカの使用を提案している。1つ以上のバイオマーカのレベルを確定した後、このレベルを疾患又は症状の基準レベルと比較することにより、それら1つ以上のバイオマーカのそれぞれの等級を決定してよい。等級の集計は、患者のスコア(例えば、インスリン抵抗性(IR)スコア)を生成する任意のアルゴリズムを使用して行われてよい(段落106)。続いて段落107で与えられる例によれば、IRスコアの100は2型糖尿病を示すが、スコアが25未満であれば正常なグルコース耐性を示すことになる。

0110

図2Bを参照すると、リポタンパク質パラメータ及び代謝パラメータの2つの独立した多重マーカは、(i)IRリスク因子スコア用拡張LP−IRインスリン抵抗性(「eLP−IR」)スコア、並びに(ii)STR因子スコア用短期糖尿病リスク因子(「SDRF」)スコアとして示されている。SDRFスコアは、GlycA×中HDL−Pとして示されている、少なくとも1つの相互作用パラメータを含んでよい。多重マーカパラメータのこの2つの独立したリスク因子スコアは、インビトロ生物試料中のいかなる血糖値においても、糖尿病リスクを評価することが可能である。生物試料は、空腹時血漿生物試料であってよい。

0111

eLP−IR指数は、例えば、LP−IRを使用するように示されているが、定義済みの範囲を有する他のインスリン抵抗性指数又はスコアが使用されてもよい。

0112

eLP−IRスコアは、LP−IRスコアの拡張版であり、これは、eLP−IRスコアが、(チャートの最下部の、LP−IRボックスから展開されている行にある各成分によって示されている6つの注目リポタンパク質成分を有する)LP−IRスコアと、図示されるようにGlycA、中HDL−P、中VLDL−P、及びバリンを含む、追加の定義済みの各成分とを含むことによる。バリンの代わりに、例えば、ロイシンやイソロイシンなど、他のBCAAが含まれたり、使用されたりしてもよい。GlycAは、炎症バイオマーカの1つであり、他の炎症バイオマーカ(例えば、フィブリノーゲン、hs−CRP、GRP、IL−6、又はハプトグロビンなど)が含まれたり、GlycAの代わりに使用されたりしてもよい。

0113

SDRFスコアは、中HDL−Pと、GlycAとして示されている少なくとも1つの炎症マーカ、更には少なくとも1つの相互作用パラメータを含んでよい。相互作用パラメータは、eLP−IRスコア又はLP−IRスコアでは使用されていないが、これは、相互作用パラメータが長期リスクに関連付けられていない為である(相互作用パラメータは、インスリン抵抗性には統計的に関連付けられていないが、糖尿病リスクには関連付けられている)。ここでも、別の炎症マーカ又は相互作用パラメータが使用されてもよい。特に、相互作用パラメータ、例えば、中間HDL−PとGlycAの相互作用は、これらの変数とβ細胞機能障害との関係を反映すると考えられている。この結果は、糖尿病の病理生理学におけるHDLの複数の役割に関する最近の証拠、並びに炎症によるHDL機能性の変調疫学的に支持する。図9は、HDL機能性の変調をグラフィカルに示しており、例えば、GlycAで評価される炎症のレベルが増大するにつれてリスク因子が陰性から陽性に変化する様子を示している。MESAの場合はGlycAの約80パーセンタイルにあるように示される65パーセンタイル値がIRASによって識別されており、これらは両方とも約350〜360μmol/Lのレベルにある。

0114

数学的モデルは、他の臨床パラメータも使用してよく、例えば、性別、年齢、BMI高血圧薬剤の使用の有無、グルコース等を使用してよい。

0115

STR、IR、及びDRIの各パラメータは、定義済みの数値範囲内で、糖尿病に転化するリスクが低ければ低いスコアが関連付けられ、リスクが高ければ高いスコアが関連付けられる数値スコアとして与えられてよいと考えられているが、リスクのスコア又は指数は、患者レポート上では別の様式で示されてよい。STR、IR、及びDRIの各スコアは、数値又は英数字で表された結果として与えられてよく、典型的には、定義済みの尺度上、又は定義済みの値範囲内の数値スコアを含んで与えられてよい。例えば、特定の実施形態では、STR、IR、及び/又はDRIの各スコアは、定義済みの範囲内のスコア、例えば、ローエンドは0と1の間、ハイエンドは10又は100となるスコアとして与えられてよく、或いは、そのようなスコアを含んでよい。範囲は、例えば、0〜0.1、0〜1、0〜5、0〜10、1〜10、0〜24、1〜24、0〜100、1〜100、10〜100、0〜1000、1〜1000、10〜1000などであってよい。将来にT2DMを発症するリスクに関し、典型的には、最小リスクに最小数が関連付けられ、リスクが大きいほど大きな数が関連付けられる。範囲内の小さな値は、1、2、3、4、5などのように「0」より大きくてよく、或いは負の数(例えば、−1、−2、−3、−4、−5など)であってもよい。他の指数の例として、例えば、英数字の指数、更にはリスクの度合いを示すアイコンなどがあってよく、例えば、「LR1」(低リスク)、IR5(中リスク)、「HR9」(高リスク)や、「DRI陽性」、「DRI高い」、「DRIニュートラル」、「DRI低い」、「DRI良い」、「DRI悪い」、「DRI警戒」などの言葉であってよく、これらに限定されない。

0116

IR、STR、又はDRIの各スコアは、全てが0〜10又は1〜10の範囲であってよい。

0117

IRスコア及びSDRFスコアは範囲が0〜100又は1〜100であってよく、DRIスコアは範囲が0〜10又は1〜10であってよい。これは、リスクモデルが定義済みの小さな係数をそれぞれのリスクモデルの別々の成分に適用できる為であり、例えば、0.001未満の値(典型的には約0.009)をIRスコアに適用できる為である(図10)。

0118

上述のように、STR、IR、及びDRIの各糖尿病リスク指数又はスコアは、グルコース測定値と切り離されてよい。従って、例えば、STR、IR、又はDRIの各スコアのうちの1つ以上が、スクリーニング検査として、又はグルコースと無関係のリスクを階層化する為に、患者に関して計算されてよい。即ち、STR/IR又はDRIは、グルコースレベルが110mg/dLを下回る(例えば、80〜110mg/dLの範囲である)患者のリスクを階層化する為に使用されてよく、且つ/又は、空腹時グルコース又は他の血糖尺度と無関係に糖尿病への転化を予測することが可能である。

0119

SDRF及びIRという異なる2つの測定値によって与えられる情報の理解を支援する為に、両方のデータ点が供給された時点で検査結果を生成する指導指針及び/又は電子プログラムが、臨床医に対して提供されてよい。結合データ評価は、検査室からのダウンロードとして、又は、例えばリポサイエンス社(ローリー、ノースカロライナ州)などの提供会社からのダウンロードとして、提供されてよい。指導指針は、臨床医がSTRスコア及び/又はDRIスコアによって提供されるリスク階層化を理解できるように、且つ、時間がかかり、高価であり、或いは、患者にとって面倒であると考えられるグルコースチャレンジテストを指示すべきかどうかを臨床医に知らせることができるように、臨床医に提供されてよい。STR、IR、及び/又はDRIの各スコアに基づいてリスク情報を生成できる電子リスク分析回路(例えば、インターネットを介してアクセス可能ポータル)が提供されてもよい。

0120

STR/SDRF、IR、及び/又はDRIの各スコアは、同時発生のグルコース測定値と無関係に、且つ/又は、同時発生のグルコース測定値を必要とせずに生成されてよく、各患者がどのリスクカテゴリに属しうるかを臨床医が考察することを可能にする為に使用されてよい。

0121

リポタンパク質は、血漿、血清、全血、及びリンパ中に見られる様々な粒子を含み、それらは、様々なタイプ及び量のトリグリセリドコレステロールリン脂質スフィンゴ脂質、及びタンパク質を含む。これらの様々な粒子は、これがなければ疎水性である血中の脂質分子可溶化を可能にし、脂肪分解脂質生成、並びに、消化管肝臓筋肉組織、及び脂肪組織の間の脂質輸送に関連する様々な機能を果たす。血中及び/又は血漿中のリポタンパク質は、様々な方法で分類されてきており、大まかには、密度、又は電気泳動移動度、又はHDLの主要タンパク質であるアポリポタンパク質A−1(Apo A−1)の尺度などの物理特性に基づいて分類されている。

0122

核磁気共鳴によって決定される粒子サイズに基づく分類により、サイズ又はサイズ範囲が異なるリポタンパク質粒子が区別される。例えば、NMR測定によって少なくとも15個の異なるリポタンパク質粒子サブタイプを識別することが可能であり、これには、少なくとも5サブタイプの高密度リポタンパク質(HDL)、少なくとも4サブタイプの低密度リポタンパク質(LDL)、及び少なくとも6サブタイプの超低密度リポタンパク質(VLDL)が含まれ、VLDLは、TRL(高トリグリセリドリポタンパク質)V1からV6と呼ばれることがある。

0123

NMR導出の推定リポタンパク質サイズ、例えば、HDL−P粒子サイズのH1〜H26は、厳密なものではなく、各サブクラスをサイズ範囲で推定する為の大まかなものである。他の方法により、NMRで推定されるサブクラスサイズと相互に関連する別のサイズ範囲が提供されてもよい。

0124

更に又、リポタンパク質粒子のNMR測定は本明細書に記載の分析には特に適しているが、現時点又は将来には他の技術を用いてこれらのパラメータを測定することも可能であり、本発明の実施形態は、この測定方法に限定されないことも考えられている。又、本明細書に記載のデコンボリューションプロトコルの代わりに(例えば、別のデコンボリューションプロトコルを含む)別の、NMRを使用するプロトコルが使用されてよいことも考えられている。例えば、カエス等(Kaess et al.)、リポタンパク質亜分画プロファイル:定量的形質遺伝子座遺伝率及び識別(The lipoprotein subfraction profile: heritability and identification of quantitative trait loci)、脂質研究ジャーナル(J Lipid Res)、49巻、p.715−723、2008年、並びに、スナ等(Suna et al.)、血漿リポタンパク質サブクラスの1H NMRメタボロミクス自己組織化マップによる代謝クラスタリング解明(1H NMR metabolomics of plasma lipoprotein subclasses: elucidation of metabolic clustering by self−organizing maps)、NMRイン・バイオディシン(NMR Biomed)、2007年、20号、p.658−672を参照されたい。リポタンパク質サブクラス粒子濃度を測定する代替技術として、密度ベースの分離技術を用いてリポタンパク質粒子を評価しイオン移動度を分析する浮遊選別及び超遠心分離がある。垂直自動プロファイル法(vertical auto profile methodology)又は他の細分画方法も潜在的に利用されてよい。参照により内容があたかも本明細書に完全に記載されているかのように本明細書に組み込まれている、マーチン等(Martin et al.)、高密度リポタンパク質亜分画:最新見解と臨床実践応用(High−density lipoprotein subfractions: Current views and clinical practice applications)、トレンド・イン・エンドクリノジ・アンド・メタボリズム(TrendsEndocrinol Metab)、2014年、25号、p.329−336を参照されたい。

0125

リポタンパク質サブクラスのグループ分けは、本発明の一部の特定の実施形態に従って合計することによってVLDL−P、HDL−P、及びLDL−Pの数値を決定することが可能な濃度を有するサブクラスを含んでよい。なお、注目される「小、大、及び中」の各サイズ範囲は、その上端値又は下端値を広げたり狭めたりする為に、或いは更に、注目範囲内の特定の範囲を排除したりする為に、変えられたり、再定義されたりしてよい。注目される粒子サイズは、典型的には平均測定値を意味するが、他の区分が使用されてもよい。図3A及び図3Bは、リポタンパク質の様々な副母集団の例示的サイズ範囲を示す。本発明の実施形態は、脂質変数や代謝変数との相関によって評価される機能的/代謝的関連性に基づいてサイズ範囲でグループ分けされたサブクラスにリポタンパク質粒子を分類する。従って、上述のように、この評価によって、20を超える離散的な副母集団(サイズ)のリポタンパク質粒子の測定を行うことが可能であり、典型的には、約30〜80個の(或いは更に多くの)異なるサイズの副母集団のリポタンパク質粒子の測定を行うことが可能である。

0126

GlycAの測定計算が行われる場合、HDL及びLDLのグループ分けの離散数は、リポタンパク質サブクラスの定量的測定に用いられるものより少なくてよい(リポタンパク質測定にNMRが用いられる場合)。様々なサイズのサブクラスは、それぞれの分光学的に別個である脂質メチル群NMR信号の振幅から定量化されることが可能である。参照により内容があたかも本明細書に完全に記載されているかのように本明細書に組み込まれている、ジェヤラジャー等(Jeyarajah et al.)、核磁気共鳴分光法によるリポタンパク質粒子分析(Lipoprotein particle analysis by nuclear magnetic resonance spectroscopy)、クリニックス・イン・ラボラトリ・メディシン(Clin Lab Med)、2006年、26号、p.847−870を参照されたい。

0127

「LDL−P」という用語は、複数の定義済みLDLサブクラスの濃度の合計である、低密度リポタンパク質粒子数(LDL−P)の測定値(例えば、LDL−P数)を意味する。総LDL−Pは、18〜23nmの範囲のサイズを含む全てのLDLサブクラス(大、小)の濃度(μmol/L)の合計である総低密度リポタンパク質粒子(LDL−P)の測定により生成されてよい。実施形態によっては、LDL−P測定では、(全てのLDLサブクラス副母集団の合計ではなく)選択されたLDLサブクラスの組み合わせを用いてよい。本明細書では、「小LDL粒子」という用語は、典型的には、サイズ範囲が約18nmから20.5nm未満、典型的には、19〜20nmである粒子を包含する。「大LDL粒子」という用語は、直径が約20.5〜23nmの範囲である粒子を包含する。ただし、LDLサブクラスの粒子は、他のサイズ範囲で分けられてもよい。例えば、「小」サイズは約19〜20.5nmの範囲であってよく、中は約20.5〜21.2nmの範囲であってよく、大は約21.2〜23nmの範囲であってよい。更に、中密度リポタンパク質粒子(「IDL」又は「IDL−P」)は、直径が約23〜29nmの範囲であり、「大」LDLと定義された粒子の中に含まれてよい(或いは、小VLDLと定義された粒子の中に含まれてもよい)。従って、例えば、LDLサブクラスは、19〜28nmの範囲であってよい。

0128

「HDL−P」という用語は、定義済みの副母集団のリポタンパク質サブクラスの濃度である、高密度リポタンパク質粒子数(HDL−P)の測定値(例えば、HDL−P数)を意味する。総HDL−Pは、約7nmから約15nm、典型的には7.3又は7.4nmから13.5又は14nmのサイズ範囲にある全てのHDLサブクラス(これは、サイズに基づいて、大、中、小などの別々のサイズカテゴリにグループ分けされてよい)の濃度(μmol/L)の合計である総高密度リポタンパク質粒子(HDL−P)の測定により生成されてよい。

0129

HDLサブクラス粒子の範囲は、典型的には約7nmから約15nmであり、より典型的には約7.3nmから約14nm(例えば、7.4nmから13.5nm)である。HDL−P濃度は、少なくとも、NMRデコンボリューションを含む特定の方法で測定される場合には、そのHDLサブクラスのそれぞれの副母集団の粒子濃度の合計である。HDL副母集団は、中HDL粒子サブクラス(HMP)を含んでよい。中HDL−Pは、本明細書では「HMP」又は「HDL−P中」又は「中HDL−P」の略称で区別なく参照され、小HDL及び大HDLの粒子サブクラスを除くHDL粒子の定義済み副母集団を意味する。HMP/中HDL−P/HDL−P中の厳密なサイズ範囲は、測定方法間並びに調査母集団間でばらつく可能性がある。

0130

しかしながら、当業者にはよく知られているように、HMP/中HDL−P/HDL−P中、並びに他の、様々なIR/STRリスクモデルにおいて使用されるリポタンパク質副母集団は、短期又は長期の多重パラメータSTR及びIRリスクモデルの一方又は両方のリスクモデル(典型的には、少なくとも1つの定義済み調査母集団のロジスティック回帰モデル)を使用して、糖尿病への転化のリスクの相関を最大化するように選択されてよい。

0131

図5は、サイズでグループ分けされたHDL副母集団と、MESAによる糖尿病発症リスクの関連付けと、をグラフィカルに示す。ここで注目されるように、HDL−P中サブクラスのHDLサイズは、ばらつくことがあり、調査母集団内のリスク関連付けに依存することがあり、このグラフは、あくまで例であるが、異なるサイズのグループ分けとの陰性及び陽性の関連付けを示す。このグラフは、本発明の実施形態による、26個のHDL副母集団の、9個の異なるサイズのグループ分け又は副母集団の場合の糖尿病リスク関連付けを示しており、選択されたHDLサブクラスの更なるグループ分けが3つのボックスで示されている。ロジスティック回帰モデルのχ2値は、4968人のMESA参加者の間での6年間の追跡の間にMESA調査母集団内で確定されたリスク関連付けの強度及び符号を示しており、411件の糖尿病発症が診断されている(9個の副母集団の全てが同じロジスティック回帰モデルに含まれて、年齢、性別、人種、及びグルコースに関して調整が行われた)。

0132

実施形態によっては、HDL−Pの様々な副母集団が、1から26の番号で識別されてよく、図4に示されるように、「1」は、HDLクラスの最小サイズ副母集団を表し、「26」は、HDLクラスの最大サイズ副母集団を表す。

0133

HMPは、例えば、それぞれの副母集団のH9〜H14、又はH9〜H15、及び任意選択でH9〜H17に対応するサイズのHDL粒子を含んでよい。図4は、中HDL−P副母集団を定義することに使用可能な、任意選択の様々な例示的サブクラスグループ分けを示す。これらのサイズカテゴリは、母集団標準においてリスクが中程度である人々のリスク階層化を最適化するように、90mg/dL(又は更に低い値)から110mg/dLの(空腹時)グルコース測定値に基づいて選択されてよい。即ち、様々な副母集団がどのようにグループ分けされるべきかを、LP−IR又はインスリン抵抗性ではなく、T2DMとのリスク関連付けに基づいて決定する為に、特定のパラメータに対するリポタンパク質サブクラス副母集団又はグループは、MESA、IRAS及び/又はフラミンガムなどの調査母集団の統計分析に基づいて選択されてよい。

0134

実施形態によっては、中HDL−P (HMP/HDL−P中)は、8.3〜9.2nm、8.3〜9.4nm、8.3〜9.7nm、8.3〜10nm、又は8.3〜10.2 nm(NMR測定に基づく推定サイズ)のいずれかの範囲にあるHDL−Pと関連付けられてよい。

0135

糖尿病予測性能は、IRAS調査データセットにおいては、サイズ範囲を多少狭めれば向上した。又、(中HDL−Pの範囲が8.3nmから10.0nmであった)MESA研究データセットにおいては、それほど悪くなかった。一方、中HDL−Pの上方範囲は、例えば、9.4nm、10.0nm、又は10. 2nmであってよく、或いは、それより若干高いか低くてもよい。

0136

「大VLDL粒子」という用語は、60nm以上、例えば、60〜260nmの粒子を意味する。「中VLDL粒子」(「中VLDL−P」又は「VLDL−P中)という用語は、サイズが35〜60nmの範囲の粒子を意味する。「小VLDL粒子」という用語は、29〜35nmの範囲の粒子を意味する。「VLDL−P」という用語は、複数の定義済みVLDLサブクラスの濃度の合計である、超低密度リポタンパク質粒子数(VLDL−P)の測定値(例えば、VLDL−P数)を意味する。総VLDL−Pは、全てのVLDLサブクラス(大、中、小)の濃度(nmol/L)を合計することによって生成されてよい。中VLDL及び大VLDLの厳密なサイズ範囲は、測定方法間並びに調査母集団間でばらつく可能性があるが、それぞれは、異なるサブクラスグループ分けのリスク関連付けに基づいて定義されることが可能な、リポタンパク質の定義済み副母集団に関連付けられる。

0137

上述のように、本発明の実施形態は、リスクを抱えているが、薬剤、診療、ダイエット、運動、又は他の介入の効果が見込まれる患者又は被験者をT2DMの発症前に識別する為に、患者又は被験者のインビトロ生物試料の様々な定義済みのリポタンパク質バイオマーカ又はパラメータ、或いは代謝バイオマーカ又はパラメータの定義済み数学的リスクモデルを用いてSTR、IR、及びDRIの各スコアを提供する。

0138

治験中に、且つ/又は、創薬の為に、代謝機能又は細胞機能の陽性又は陰性の変化を監視する為に、STR、IR、及び/又はDRIの各スコアのうちの1つ以上も使用されてよく、或いは、代替として使用されてよい。

0139

STR、IR、及び/又はDRIの各評価は、グルコース測定値と切り離されてよく、スクリーニングツールとして比較的簡単に生成でき、リスクを抱えた人を従来の検査より早期に識別できる可能性がある。

0140

本明細書では、「未処理生物試料」という用語は、塊の分光分析の為の試料標本と異なり、採取後に物理的又は化学的変質する処理が行われない(ただし、緩衝剤及び希釈剤は使用されてよい)生物試料を意味する。従って、生物試料が採取された後、その生物試料の各成分は、変質されたり除去されたりしない。例えば、血清生物試料が採取された後、その血清に対して、血清から何らかの成分を除去する処理は行われない。実施形態によっては、未処理生物試料に対して濾過処理及び/又は限外濾過が行われない。

0141

実施形態によっては、患者のグルコース測定値が、リポタンパク質粒子の測定値、GlycA及びバリンの測定値とともに、生物試料のNMRスペクトルのNMR分析により取得されてよい。しかしながら、グルコース測定値が使用される場合、グルコース測定値は、従来の化学的な方法で取得されてもよい。

0142

特定の実施形態によっては、単一の(血液/血漿)インビトロ生物試料のGlycA、バリン、及びリポタンパク質のNMR測定値を分析することにより、重要な臨床情報を与え、且つ/又は、更に、患者又は被験者が2型糖尿病を発症するか、且つ/又は、将来に前糖尿病を有するリスクの予測又は評価を改良することが可能になると考えられる。

0143

図6Aは、本発明の実施形態による、MESAの5年でのT2DMへの転化(n=359/4211)に基づく、グルコースカテゴリ(低リスク、中リスク、高リスク)に対する糖尿病転化率のグラフであり、これは、中リスクのグルコース患者に関して、T2DMに進行するリスクが高まっている患者を階層化又はよりよく識別することの満たされていないニーズを示している。図6Bは、本発明の実施形態による、IRASの5年でのT2DMへの転化(n=134/978)に基づく、グルコースカテゴリ(低リスク、中リスク、高リスク)に対する糖尿病転化率のグラフであり、これも、特に低リスク又は中リスクのグルコース領域に入ると考えられる患者について、T2DMに進行するリスクが高まっている患者を階層化又はよりよく識別することの満たされていないニーズを示している。図6A/6Bは、グルコースレベル(「低」<100、「高」≧100、グルコースレベルが100〜125という高い範囲にある場合に「前糖尿病」と呼ばれることがある)に基づいて割り当てられたリスクと、「高くない」(<15%の5年転化)、「高い」(15〜25%)、「非常に高い」(>25%)として(暗黙的に)カテゴライズされたy軸に示される実際のリスクと、を対比させている。MESAでは、例えば、グルコース<100である「低リスク」の39+87人が糖尿病を発症しており、従って、彼らのリスクは実際には低くはなかった。本発明の実施形態によって与えられるDRIスコアは、「低リスク」と推定されている人々を、本当に低リスクである人々と、高リスク、更には超高リスクである人々とに細分することが可能である(これらは、各グルコースカテゴリ内で予測糖尿病率の範囲を広く取ることにより、よりよく示される)。

0144

図7は、MESA調査母集団(n=3450)の諸特性のチャートである。

0145

図8は、GlycA、バリン、及びリポタンパク質の各サブクラスのピーク領域を示すNMRスペクトルのグラフである。

0146

図9は、HDL−P中の3つの定義済みレベル(高、中、低)についてのGlycAレベル(μmol/L)に対する予測短期糖尿病転化率のグラフであり、GlycAの約80パーセンタイルレベルにおいて高HDL−P中が「良い」から「悪い」に転じることを示している。高HDL−P中線は、左側では低い線で表されており、この線は、右側ではリスクがより高い最上線まで上昇する。低HDL−P中線は、(炎症が増えて)GLycAレベルが大きくなるにつれてリスク関連付けが減ることを示す線上の星々で示される。

0147

HDL−P中の各値は、25パーセンタイル、50パーセンタイル、及び75パーセンタイルを表す9、12.9、及び17.17であってよい。MESA(n=181/3450)における短期糖尿病転化の場合の糖尿病転化の予測確率は、空腹時血漿グルコース(FPG)=105mg/dL及び50パーセンタイルeLP−IRスコア(0.90)を有する予言的60白人女性のロジスティック回帰に基づいてよい。

0148

GlycAの濃度範囲は、典型的には、約220〜500μmol/Lの範囲であり、これには両端の数値が含まれる。

0149

図10は、図2Bとよく似たブロック図であり、eLP−IRスコア及びSDRFスコアを生成する為に各注目成分とともに使用されてよい例示的係数を有する例示的数学式を示している。eLP−IRスコアとSDRFスコアとを結合することにより、DRIスコアを生成することが可能である。実施形態によっては、ユーザに対して、評価用として、各スコアが提供されてよく、或いは、様々なスコアのうちの1つが提供されてよい。

0150

eLP−IRスコアは、典型的には、約0.1から1.8の範囲であり、MESAなどの母集団標準を基準母集団として使用するパーセンタイル値の形で患者及び/又は臨床医にレポートされてよい。

0151

SDRFスコアは、典型的には、約−6.4から−1.6の範囲であり、やはりパーセンタイル単位でレポートされてよい。

0152

DRIスコアは、典型的には、レポート目的の為に、1から10の範囲になるように変換される。即ち、ここで与えられている例示的範囲は、eLP−IR及びSDRFの「ロー」出力値、即ち、図10ピラミッドの下にある2式によって生成される値の範囲である。レポート目的の為に、SDRF値及びeLP−IR値は、(例えば、1〜100個のスコアを与える)パーセンタイル値に数学的に変更/変換されてよい。

0153

図11Aは、MESA調査において、それぞれ<95mg/dL、95〜99mg/dL、及び100〜110mg/dLのグルコースカテゴリにある参加者についてのDRI予測糖尿病転化率(%)の範囲を有する縦棒を示すグラフであり、これは、同じ狭いグルコース範囲内にある人々のリスクをDRIスコアがいかに階層化できるかを示す。

0154

図11Bは、本発明の実施形態による、IRAS調査において、それぞれ<95mg/dL、95〜99mg/dL、及び100〜110mg/dLのグルコースカテゴリにある参加者についてのDRI予測糖尿病転化率(%)の範囲を示す同様のグラフであり、これは、同じグルコース範囲内にある人のリスクをMESA導出DRIリスクモデルが階層化できることを実証するものである。

0155

図12は、MESA(n=3446)における(HOMA−IRで評価される)インスリン抵抗性を予測する3つの線形回帰モデルに含まれるパラメータを示すチャートである。各パラメータの、インスリン抵抗性との関連付けの強さが、1標準偏差増分当たりのln(HOMA−IR)の差分として与えられている。eLP−IRは、本発明の実施形態による、式2Aにおいて注目される例示的β係数がインスリン抵抗性のeLP−IR多重マーカパラメータに寄与するモデル2パラメータで表されてよい。式2Bは、式2Aをより一般化したものであり、(A〜Eで示された)係数値が、(例えば、別の調査母集団、及び/又は、別の炎症マーカ、別のIR、又は別のBCAAパラメータに基づいて)式2Aで示されたものと異なってよいことを認めるものである。
eLP−IR=(0.00935)(LP−IR)+(0.001687)(バリン)−(0.002594)(VLDL−P中)−(0.01096)(HDL−P中)+(0.000848)(GlycA) 式2A
eLP−IR=(A)(LP−IR)+(B)(バリン)−(C)(VLDL−P中)−(D)(HDL−P中)+(E)(GlycA) 式2B

0156

図13は、本発明の実施形態による、短期リスクのSDRF多重マーカパラメータに寄与するパラメータのチャートであり、これらは、短期(n=181/3450)又は長期(n=286/3269)の糖尿病転化を従属変数とするMESAのロジスティック回帰から得られたものである。様々なモデルにおける各パラメータの関連付けの強さが、1標準偏差増分当たりのオッズ比(OR)によって与えられている。SDRFは、短期糖尿病転化に関して、β係数を使用する式3Aを用いて、モデル4から導出された。式3Bは、式3Aをより一般化したものであり、(A〜Cで示された)係数値が、(例えば、別の調査母集団、及び/又は、別の炎症マーカ、又は別の相互作用パラメータに基づいて)式3Aで示されたものと異なってよいことを認めるものである。
SDRF=−(0.352)(HDL−P中)−(0.0108)(GlycA)+(0.000969)(GlycA×HDL−P中) 式3A
SDRF=−(A)(HDL−P中)−(B)(GlycA)+(C)(GlycA×HDL−P中) 式3B

0157

式2A及び3Aからの「ロー」のeLP−IRリスクスコア及びSDRFリスクスコアは、それぞれが、レポート目的の為に、MESAなどの基準母集団内のパーセンタイル値に基づく、1から100の範囲のそれぞれのスコアに変換されてよい。そのようなeLP−IRのケースでは、0.7より小さい(25パーセンタイル未満の)値、及び1.1より大きい(75パーセンタイル以上の)値が、それぞれ、2型糖尿病を発症するリスクが低いこと、及び高いことを示しうる。そのようなSDRFのケースでは、−4.1より小さい(25パーセンタイル未満の)値、及び−3.8より大きい(75パーセンタイル以上の)値が、それぞれ、比較的短期間のうちに糖尿病に転化するリスクが低いこと、及び高いことを示しうる。SDRF及びeLP−IRのロースコアの範囲の例を、以下の表4に示す。
eLP−IRスコア及びSDRFスコアの、MESAにおけるパーセンタイル値

0158

IR(例えば、eLP−IR)に対する定義済みHDL−P副母集団は、SDRFに使用されるHDL−P副母集団と異なってよいが、典型的には、SDRFスコアの計算に使用される同じ定義済みHDL−P副母集団の同じ濃度測定値である。

0159

SDRF及びeLP−IRの各スコア又はパラメータを結合して、複合又は累積DRIスコアとしてよい。実施形態によっては、グルコースが110mg/dL未満である人々における5年糖尿病転化のロジスティック回帰モデルを使用して、SDRFスコア及びIRスコア(例えば、eLP−IR)の係数(重み)が選択/定義されてよい。選択された重み因子は、IRASにおける5年リスクを評価する際の別の調査で妥当性を検査されてよい。

0160

MESA(5−y)及びIRAS(5−y)の両方、並びにMESA長期(〜10−y)におけるロジスティックモデルが生成されることにより、それら3つの状況でのSDRF及びeLP−IRに対する係数及びχ2値の例が与えられた。これらは例に過ぎず、eLP−IR及び/又はSDRFの各成分、例えば、バリンやGlycAのアッセイが調節されてよく、或いは、例えば、他のIRモデル/スコア、他の炎症マーカ、又は他のBCAAが使用されてもよい。当業者にはよく知られているように、ロジスティックモデルを様々な成分で実行することによって、係数が選択/定義されてよい。表5は、DRIスコア用のX因子及びY因子(式1)を与える為に使用されてよい例示的係数を示すチャートである。ここで、SDRFは、10年転化においてはほどんど値がない。

0161

DRIスコア用の例示的なX係数及びY係数

0162

実施形態によっては、「ロー」DRI値は、約−3.0から約+1.8の範囲であってよいが、他のロースコア範囲も可能である。DRIロースコアは、任意選択で、例えば、1〜10又は0〜10の定義済み標準化スコア範囲に変換されてよい。

0163

従って、例えば、実施形態によっては、第1の係数セット(MESA5年)を使用して、DRI式がDRI=2.1017(eLP−IR)+0.5163(SDRF)であってよい。

0164

実施形態によっては、パーセンタイルを使用せずに、DRI範囲を、幾つかの均等部分のセット、例えば、10〜50個、典型的には、20個の均等部分にセグメント化して、ロー値を0.5刻みで1から10の範囲のDRIスコア値(即ち、0.5、1.0、1.5、…、10)に変換することによってリスク評価を与えることが可能であり、それぞれにおいては、より大きな値が、より小さな値よりリスクが高いことを表している。

0165

図14は、本発明の実施形態による、IRASにおける5.2年の追跡の間の糖尿病への転化(n=134/976)を示すチャートであり、MESAを用いて開発されたモデルの妥当性を実証するものである。このデータは、5年糖尿病転化(実際には5.2年転化)を従属変数とする、IRASにおけるロジスティック回帰に基づいている。5つの回帰モデルの相対的な予測値が、尤度比(LR)χ2統計と、ROC曲線(AUC)の下の面積とによって与えられる。示された各変数の関連付けの強さが、1標準偏差増分当たりのオッズ比(OR)によって与えられる。Siは、頻繁にサンプルされる静脈内耐糖能検査によって測定されるインスリン感受性である。図14は又、eLP−IRによって与えられる糖尿病リスク関連付けが、先行のLP−IRより(LRχ2が119.9に対して124.2と)改善されることを示している。

0166

図15は、本発明の実施形態による、GlycA及びHDL−P中の各自のレベル(三分位数による低、中、又は高)でカテゴライズされたIRAS参加者(全員の空腹時グルコースが110mg/dL以下)の9つの副母集団において(予測ではなく)観察された5年糖尿病転化率に基づく相互作用パラメータの意味を示すチャートである。例えば、GlycAレベルが低い場合(三分位数の下位)、HDL−P中レベルは、糖尿病リスクとの間に強い逆相関がある(HDL−P中が高いときの転化率が2.3%、低いときの転化率が10.1%)。これに対し、GlycAレベルが高い場合(三分位数の上位)、HDL−P中が高レベルであることはよいことではなく、実際、転化率は、HDL−P中が低レベルの場合(転化率が12.9%)より悪くなっている(17.8%)。

0167

図16は、本発明の実施形態による、インスリン抵抗性(IR)及びSDRFスコアが高レベル又は低レベルである架空の患者についての、時間経過(年)に対する空腹時グルコース(mg/dL)の例示的グラフであり、これは、SDRFスコア及びIR(例えばeLP−IR)スコアを中程度か低いグルコース値とともに使用することにより、グルコース値が時間経過に対して安定するか、(例えば、短期間であれ長期間であれ)将来の糖尿病につながる道筋を有するかを予測することが可能であることを示す。例えば、SDRFスコア及びIRスコアの両方が上昇した(例えば、75パーセンタイルを超えた)と示された場合、グルコースの道筋は、比較的短い時間枠で、例えば、検査時点から約2〜3年以内に、上昇する可能性がより高くなる。

0168

図17は、短期リスクの程度(例えば、SDRFスコア)を与える例示的レポートであり、その変化を監視することによって、時間経過に対するβ細胞機能/機能障害の評価が行われてよく、又、レポートにおける基準セグメント又は履歴セグメントとして与えられてよい。ローSTRスコアが第3三分位数以上であれば、例えば、−3.8(75パーセンタイル)より大きければ、比較的短期間、例えば、検査後2年未満で糖尿病に転化するリスクが高いことを示していることになる。

0169

図20A〜20Cも、別のグルコースレベルでの同じDRIスコアを与える例示的レポートである。これらのレポートは、炎症マーカ(例えば、GlycA)及びBCAA(例えば、バリン)に関する別個のスコアを与えることも可能である。

0170

DRIスコアは、関連付けられた5年リスクカテゴリとともに与えられてもよい。5年リスク時間軸は、患者がより長い時間軸の場合よりも積極的な対応(例えば、ダイエット、運動、又は薬物療法)を行うように潜在的に仕向けるか促すことで、患者にとって臨床的意義があると考えられている。しかしながら、より長い時間軸が用いられてもよい。DRIスコア(例えば、糖尿病リスク指数)は、単独で、或いは、患者のFPGスコアに対する相対的なリスクのグラフによる解釈セグメントとともに提供されてよい。履歴レポートは、STRスコア又はDRIスコアをFPGスコアと相互に関連付けてよい。FPGスコアが比較的一定のままであっても、STRスコア、IRスコア、又はDRIスコアが増大したとすれば、これらのスコアは、糖尿病への進行を示している可能性がある。

0171

図20A〜20Cは、患者らのDRIスコアが同じ7.5であっても、各自のFPGレベルに基づいて、5年リスクカテゴリが、それぞれ「非常に高い」、「高い」、及び「低い」のように示される、異なるリスクを有しうることを示している。

0172

図18は、本発明の実施形態による、例示的患者レポートの概略図であり、このレポートは、DRIスコア、(インスリン抵抗性に関連付けられた)IRスコア、及び(β細胞機能に関連付けられた)STRスコアのうちの1つ以上を、他のリポタンパク質パラメータ及び/又は代謝パラメータ(例えば、炎症マーカ)とともに与えることが可能である。

0173

図19は、本発明の実施形態による、時間経過に対するDRIスコア、IRスコア、又はSTRスコアのうちの1つ以上における変化を評価する為に使用されてよい例示的グラフであり、これは、治療の適用量又はタイプに基づいてよく、或いは相互に関連付けられてよい。

0174

GlycAレベルは、17.8を乗ずることによってメチル基濃度単位(μmol/L)に変換できる「任意の単位」のNMRで測定されてよい。

0175

次に図21を参照すると、幾つかの特定の実施形態では、STRスコア、IRスコア、及び/又はDRIスコアの測定の、全てでなくともほとんどは、システム10上で、又はシステム10を使用して実施できると考えられており、システム10は、NMR臨床分析器22と通信しているか、少なくとも一部がNMR臨床分析器22の基板上にあり、NMR臨床分析器22については、例えば、図22に関して後述されており、且つ/又は、参照により内容があたかも本明細書に完全に記載されているかのように本明細書に組み込まれている米国特許出願第8,013,602号に記載されている。

0176

システム10は、STR、IR、及び/又はDRIの各糖尿病リスク指数(例えば、スコア)のモジュール370を含んでよく、モジュール370は、複数のリスクスコア(例えば、HDL副母集団、GlycA、バリン)のうちの1つ又は全ての成分を特定することに適したデータを収集する。システム10は分析回路20を含んでよく、分析回路20は少なくとも1つのプロセッサ20pを含み、プロセッサ20pは分析器22の基板上にあってよく、或いは少なくとも一部分が分析器22から離れていてよい。後者の場合、モジュール370及び/又は回路20は、全体又は一部分がサーバ150上にあってよい。サーバ150は、計算リソースコンピュータネットワーク経由オンデマンド提供することを含むクラウドコンピューティングにより提供されてよい。それらのリソースは、様々なインフラストラクチャサービス(例えば、コンピュータストレージ等)、並びにアプリケーションデータベースファイルサービス、電子メール等として実施されてよい。従来型コンピューティングモデルでは、典型的には、データとソフトウェアの両方がユーザのコンピュータに全て収容されているが、クラウドコンピューティングでは、ユーザのコンピュータは、ソフトウェア又はデータをほとんど収容しなくてよく(おそらくオペレーティングシステム及び/又はウェブブラウザだけを収容していればよく)、外部コンピュータネットワークにおいて発生するプロセスの為のディスプレイ端末と大差ない役割であってよい。クラウドコンピューティングサービス(又は複数のクラウドリソースの集合体)を、まとめて「クラウド」と称してよい。クラウドストレージは、データが、1つ以上の専用サーバでホストされるのではなく、複数の仮想サーバに格納される、ネットワーク化されたコンピュータデータのモデルを含んでよい。データ転送は、暗号化されてよく、業界標準又は規制基準(例えば、HIPAA)に適合する任意の適切なファイアウォールを使用して、インターネットを介して実施されてよい。「HIPAA」という用語は、医療保険相互運用性と説明責任に関する法律(Health Insurance Portability and Accountability Act)によって規定された米国法を意味する。患者データは、アクセッション番号又は識別子、性別、年齢、及び検査データを含んでよい。

0177

分析の結果は、インターネットなどのコンピュータネットワークを介して、電子メールなどによって、患者、電子ディスプレイ50Dを含んでよい臨床医の現場50、健康保険代理店52、又は薬局51及び/又は患者53に送信されてよい。結果は、分析現場から直接送信されてよく、或いは間接的に送信されてもよい。結果は、印刷されてよく、且つ、従来式のメールで送信されてよい。この情報は、薬局及び/又は医療保険会社、更には患者に送信されてもよく、これは、不利な事象のリスクが高まる結果をもたらしうる処方又は薬剤使用を監視する為であり、或いは、矛盾する薬剤の処方を防ぐ医療警告を発する為である。結果は、「家庭用」コンピュータ、又は、スマートフォンノートPCなどの広く浸透しているコンピュータ装置に宛てた電子メールにより、患者に送信されてよい。結果は、例えば、レポート全体の電子メール添付として、或いはテキストメッセージ警告として、送信されてよい。

0178

図21を更に参照すると、様々なユーザ(例えば、臨床医の現場50、患者52D、及び/又は検査室又は実験室60)に関連付けられた1つ以上の電子装置50D、51D、53D、60Dが、それぞれの電子装置のディスプレイと通信する電子分析回路155にアクセスするように構成されてよい。分析回路155は、サーバ150においてホストされてよく、様々な装置に対して、インターネットポータル又はダウンロード可能APP又は他のコンピュータプログラムを提供してよい。回路155は、ユーザ(例えば、臨床医)が(i)患者のグルコース値、(ii)患者のグルコース値と糖尿病リスク指数スコア、又は(iii)糖尿病リスク指数スコアのうちの1つ以上を入力することを可能にするように構成されてよい。この回路は、患者のサインイン時の識別子又は他のパスワードに基づいて様々なデータフィールドを自動的に埋めてよく、或いは、ユーザがそれぞれの患者についてのSTRスコア、IRスコア、又はDRIスコア、並びにグルコース測定値のうちの1つ以上を入力することを可能にしてよい。分析回路は、時間経過に対するSTRスコア、IRスコア、及び/又はDRIスコアの変化を追跡して、臨床医、患者、又は他のユーザに送信されることが可能な電子レポートを生成するように構成されてよい。分析回路は又、例えば、STR、IR、又はDRIの各リスクスコアが上昇したり、低リスク値を超えたりした場合に、再検査、追跡検査などを推奨する通知を送信してもよく、例えば、中リスクカテゴリにおいて、分析回路は、グルコース検査を行うことが適切であることを臨床医に通知したり、グルコース検査を行うことが適切であるかどうか、或いは、DRI検査以後の監視間隔を広げることが望ましいかどうかを医師相談して確認するよう患者に通知したりしてよい。

0179

分析回路155及び/又は20は、グルコース値が中リスク範囲にある場合、即ち、空腹時血漿グルコースレベルが90〜110mg/dLの範囲にある場合、A1C%レベルが5.7〜6.4の範囲にある場合、又は経口耐糖能レベルが140〜199mg/dLの範囲にある場合に、グルコース値が同じである複数の患者について、将来2型糖尿病を発症するリスクを階層化するグラフィック情報を提供する為のリスク進行経路又は分析を生成することが可能である。この電子分析回路は、クラウドにおいてサーバ150の基板上にあるか、又はインターネット227を介してアクセス可能であってよく、或いは、当業者であれば理解されるように、別のクライアントアーキテクチャに関連付けられてよい。従って、臨床医、患者、又は他のユーザが、リスク進行についてのカスタマイズされたレポートを生成したり、他の方法でリスク階層化情報を取得したりすることが可能である。

0180

次に図22を参照すると、各生物試料に関するNMRスペクトルを少なくとも1つ取得するシステム207が示されている。システム207は、試料のNMR測定のNMRデータを取得するNMR分光計22s及び/又は分析器22を含む。一実施形態では、分光計22sは、プロトン信号に対して約400MHzでNMR信号取得を実施するように構成され、他の実施形態では、測定が、約200MHzから約900MHz、又は他の適切な周波数で実施されてよい。所望の動作磁界強度に対応する他の周波数が使用されてもよい。典型的には、プロトンフロープローブが設置され、これは、試料温度を47±0.5℃に保つ温度制御装置である。分光計22sは、デジタルコンピュータ214又は他の信号処理装置によって制御されてよい。コンピュータ211は、高速フーリエ変換が実施可能でなければならない。コンピュータ211は又、別のプロセッサ又はコンピュータ213へのデータリンク212、並びに、ハードメモリストレージ装置215及び/又はリモートサーバ150(図15)に接続可能なダイレクトメモリアクセスチャネル214を含んでもよい。

0181

デジタルコンピュータ211は、アナログデジタル変換器と、デジタルアナログ変換器と、パルス制御及びインタフェース回路216を介して分光計の作用素子と接続する低速デバイスI/Oポートと、のセットを含んでもよい。これらの素子は、デジタルコンピュータ211によって指示される継続時間、周波数、及び大きさを有するRF励起パルスを生成するRF送信器217と、そのパルスを増幅して、試料セル220及び/又はフロープローブ220pを取り囲むRF送信コイル219と結合させるRF電力増幅器218と、を含む。超伝導磁石221によって生成される9.4テスラ分極磁界の存在下で励起された試料から生成されるNMR信号が、コイル222によって受信され、RF受信器223に印加される。増幅及び濾波されたNMR信号が224で復調され、結果として得られた直交信号がインタフェース回路216に印加され、そこで、直交信号はデジタイズされてデジタルコンピュータ211に入力される。糖尿病リスク評価モジュール370又は分析回路20、155(図21)は、デジタルコンピュータ211に関連付けられた1つ以上のプロセッサの中にあってよく、、且つ/又は、現場にあるか離れていて、インターネット227などのワールドワイドネットワークを介してアクセス可能なセカンダリコンピュータ213又は他のコンピュータの中にあってよい。

0182

測定セル220内の試料からNMRデータが取得された後、コンピュータ211による処理によって、別のファイルが生成され、これは、必要に応じて、ストレージ215に格納されてよい。この第2のファイルは、化学シフトスペクトルデジタル表現であり、これは、その後、コンピュータ213に読み取られて、そのストレージ225に格納されるか、1つ以上のサーバに関連付けられたデータベースに格納される。コンピュータ213は、パーソナルコンピュータラップトップコンピュータデスクトップコンピュータワークステーション、ノートPC、タブレット、又は他のコンピュータであってよく、コンピュータ213は、そのメモリに格納されているプログラムの指示の下で、本発明の教示に従って化学シフトスペクトルを処理してレポートを生成し、このレポートは、プリンタ226に出力されてよく、或いは、電子的に保存され、所望の電子メールアドレス又はURLまで中継されてよい。当業者であれば理解されるように、他の出力装置、例えば、コンピュータディスプレイ画面、ノートPC、スマートフォンなども、結果の表示に使用されてよい。

0183

当業者にとっては当然のことながら、コンピュータ213及びその外部ストレージ225によって実施される機能は、分光計のデジタルコンピュータ211によって実施される機能に組み込まれてもよい。そのような場合、プリンタ226は、デジタルコンピュータ211に直接接続されてよい。当業者にはよく知られている、他のインタフェース及び出力装置も使用されてよい。

0184

本発明の実施形態は、全体がソフトウェアである実施形態、又はソフトウェア態様とハードウェア態様とが結合された実施形態の形をとってよく、本明細書では全てをまとめて「回路」又は「モジュール」と称する。

0185

当業者であれば理解されるように、本発明は、装置、方法、データ又は信号の処理システム、又はコンピュータプログラム製品として実施されてよい。従って、本発明は、全体がソフトウェアである実施形態、又はソフトウェア態様とハードウェア態様とが結合された実施形態の形をとってよい。更に、本発明の実施形態によっては、コンピュータで使用可能なストレージ媒体において実施される、コンピュータで使用可能なプログラムコード手段を有する、その媒体に格納されたコンピュータプログラム製品の形をとってよい。ハードディスクCD−ROM光ストレージ装置、磁気ストレージ装置など、任意の適切なコンピュータ可読媒体が利用されてよい。

0186

コンピュータで使用可能な、又はコンピュータ可読な媒体は、電子式磁気式光学式電磁式赤外線式、又は半導体式のシステム、装置、デバイス、又は伝搬媒体であってよく、これらに限定されない。コンピュータ可読媒体のより具体的な例(非網羅的な列挙)として、1つ以上のワイヤを有する電気接続可搬型コンピュータディスケットランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ可搬型コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM)などがあってよい。なお、コンピュータで使用可能な、又はコンピュータ可読な媒体は、紙、又は別の適切な媒体であってもよく、プログラムは、印刷されたら、(例えば、その紙又は他の媒体の光学式スキャンにより)電子的に取り込まれ、コンパイルされ、解釈されるか、必要に応じて他の適切な方法で処理されて、コンピュータメモリに格納されてよい。

0187

本発明の動作を実施する為のコンピュータプログラムコードは、オブジェクト指向プログラミング言語で書かれてよく、例えば、Java(登録商標)7、Smalltalk、Python、Labview、C++、VisualBasicなどで書かれてよい。しかしながら、本発明の動作を実施する為のコンピュータプログラムコードは、従来の手続き型プログラミング言語で書かれてもよく、例えば、「C」プログラミング言語や、更にはアセンブリ言語で書かれてもよい。プログラムコードは、全てがユーザのコンピュータで実行されてもよく、一部分がユーザのコンピュータでスタンドアロンソフトウェアパッケージとして実行されてもよく、一部分がユーザのコンピュータで実行されて一部分がリモートコンピュータで実行されてもよく、全てがリモートコンピュータで実行されてもよい。上記の後の方のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、又はワイドエリアネットワークWAN)、又はセキュアエリアネットワーク(SAN)を介してユーザのコンピュータと接続されてよく、或いは、(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用し、インターネットを介して)外部コンピュータと接続されてよい。

0188

本明細書の図面の幾つかのフローチャート及びブロック図は、本発明による分析モデル及び評価システム及び/又はプログラムの可能な実施態様のアーキテクチャ、機能性、及び動作を示している。これに関連して、フローチャート又はブロック図の各ブロックは、モジュール、セグメント、動作、又はコード部分を表しており、これらは、指定された論理機能を実施する為の1つ以上の実行可能命令を含む。又、代替実施態様によっては、それらのブロックに記された機能の実行が、図面に記された順序どおりでなくてもよいことにも注意されたい。例えば、連続するように示された2つのブロックが、実際にはほぼ同時に実行される可能性があり、或いは、それらのブロックが、関連する機能性に応じて、逆の順序で実行されることもありうる。

0189

図23は、本発明の実施形態によるシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品を示す、データ処理システム305の例示的実施形態のブロック図である。プロセッサ310は、アドレスデータバス348を介してメモリ314と通信する。プロセッサ310は、任意の市販のマイクロプロセッサ、又はカスタムマイクロプロセッサであってよい。メモリ314は、データ処理システム305の機能性を実施する為に使用されるソフトウェア及びデータを格納するメモリデバイスの階層全体を表す。メモリ314のデバイスのタイプとしては、キャッシュ、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、SRAM、DRAMなどがあってよく、これらに限定されない。

0190

図23に示されるように、メモリ314は、データ処理システム305で使用される幾つかのカテゴリのソフトウェア及びデータを含んでよく、それらは、オペレーティングシステム352、アプリケーションプログラム354、入出力(I/O)デバイスドライバ358、STR、IR、及び/又はDRIリスクスコアモジュール370、データ356などであってよい。モジュール370は、GlycA、リポタンパク質成分、及びバリン、並びに任意選択でグルコースの各測定値を含んでよい定義済み多重マーカSTR及びIRパラメータの定義済み代謝パラメータ及びリポタンパク質パラメータのレベルについて、定義済み時間軸(例えば、次の5年)の間に2型糖尿病を発症するリスク、又は前糖尿病になる可能性の多重パラメータ数学的モデルにおいて考察することが可能である。

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